JPWO2013111218A1 - 素子構造体及び素子構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素、水分等から素子を保護し、素子の劣化等を抑制することが可能な素子構造体及び素子構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】素子構造体1は、基板2と、デバイス層3と、第1の保護層4と、第2の保護層5と、封止層6とを具備する。デバイス層3は、基板2上の第1の領域11に形成される。第1の保護層4は、デバイス層3の周囲に形成される第1の周縁部4Aを有し、デバイス層3を被覆して第1の領域11を含む基板2上の第2の領域12に形成され、無機物からなる。第2の保護層5は、第2の領域12に対応する第1の保護層4上の第3の領域13に形成され、有機物からなる。封止層6は、第1の周縁部4Aと第2の保護層5との周囲に形成される第2の周縁部6Aを有し、第2の保護層5を被覆して第2の領域12を含む基板2上の第4の領域14に形成され、無機物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素、水分等からデバイス等を保護する積層構造を有する素子構造体及び素子構造体の製造方法に関する。
水分あるいは酸素等により劣化しやすい性質を有する化合物を含む素子として、例えば、近年開発が盛んな有機EL(Electro Luminescence)素子等が知られている。このような素子については、当該化合物を含む層を被覆する保護層との積層構造を形成し、これによって素子内への水分等の侵入を抑制する試みがなされている。
上記積層構造を有する素子構造体の製造方法として、各層の形成領域に対応した複数の開口を有するマスクを用いて保護層を形成する方法が知られている。例えば、特許文献1には、熱変形等による歪みの影響を受けにくく、広い開口面積を有するマスク装置について開示されている。上記マスク装置は、一端が枠体に固定され、そこから一方向のみに延在するテープ状のシャドーマスクを有する。
特開2010−168654号公報
しかしながら、上記マスク装置を用いて素子構造体の製造を行った際は、各層の周縁が被覆されないため、各層の周囲からの水分等の侵入を抑制することが難しいという問題があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、酸素、水分等から素子を保護し、素子の劣化等を抑制することが可能な素子構造体及び素子構造体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る素子構造体は、基板と、デバイス層と、第1の保護層と、第2の保護層と、封止層とを具備する。
上記デバイス層は、上記基板上の第1の領域に形成される。
上記第1の保護層は、上記デバイス層の周囲に形成される第1の周縁部を有し、上記デバイス層を被覆して上記第1の領域を含む上記基板上の第2の領域に形成され、無機物からなる。
上記第2の保護層は、上記第2の領域に対応する上記第1の保護層上の第3の領域に形成され、有機物からなる。
上記封止層は、上記第1の周縁部と上記第2の保護層との周囲に形成される第2の周縁部を有し、上記第2の保護層を被覆して上記第2の領域を含む上記基板上の第4の領域に形成され、無機物からなる。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る素子構造体の製造方法は、基板上の第1の領域にデバイス層を形成する工程を含む。
上記デバイス層を被覆するように、上記第1の領域を含む上記基板上の第2の領域に第1の保護層が形成される。
上記第2の領域に対応する上記第1の保護層上の第3の領域に第2の保護層が形成される。
上記第1の保護層と上記第2の保護層とを被覆するように、上記第2の領域を含む上記基板上の第4の領域に封止層が形成される。
本発明の第1の実施形態に係る素子構造体を示す模式的な図であり、(A)は概略断面図、(B)は概略平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る素子構造体の製造方法を示す概略平面図であり、(A)は、基板上にデバイス層が形成された態様を示し、(B)は、第1のマスクが基板上へ配置された態様を示す。 本発明の第1の実施形態に係る素子構造体の製造方法を示す概略平面図であり、(A)は、第2のマスクが基板上へ配置された態様を示し、(C)は、第3のマスクが基板上へ配置された態様を示す。 本発明の第1の実施形態に係る素子構造体の製造方法に用いる成膜装置の構成例を模式的に示す概略上平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る素子構造体を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る素子構造体を示す概略断面図である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る素子構造体は、基板と、デバイス層と、第1の保護層と、第2の保護層と、封止層とを具備する。
上記デバイス層は、上記基板上の第1の領域に形成される。
上記第1の保護層は、上記デバイス層の周囲に形成される第1の周縁部を有し、上記デバイス層を被覆して上記第1の領域を含む上記基板上の第2の領域に形成され、無機物からなる。
上記第2の保護層は、上記第2の領域に対応する上記第1の保護層上の第3の領域に形成され、有機物からなる。
上記封止層は、上記第1の周縁部と上記第2の保護層との周囲に形成される第2の周縁部を有し、上記第2の保護層を被覆して上記第2の領域を含む上記基板上の第4の領域に形成され、無機物からなる。
上記素子構造体は、第1の保護層の第1の周縁部と、封止層の第2の周縁部とによって、デバイス層の周囲が被覆される。これにより、デバイス層の周囲からの水分、酸素層の侵入を効果的に抑制することができる。また、第1の保護層及び封止層は無機物からなり、第2の保護層は有機物からなる。このような無機物及び有機物からなる保護層を交互に積層させることによって、積層方向からの水分等の侵入も抑制することができる。
さらに、上記第2の周縁部によって、第1の保護層の第1の周縁部と第2の保護層の周囲が被覆されることにより、これらの層間からの水分等の侵入も抑制することが可能となる。したがって、上記素子構造体は、デバイス層への水分等の侵入に対しても非常に高い抑制効果を発揮し、デバイス層の劣化、不具合等を抑制することができる。
上記第1の保護層と封止層とは、シリコン化合物からなり、より具体的には、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物及びシリコン酸化物のいずれかを含んでもよい。またスパッタ法で形成された酸化アルミニウム(Al)を用いてもよい。
このような材料からなる第1の保護層と封止層とは、透湿性が非常に低いため、より効果的にデバイス層を水分から保護し、劣化を抑制することができる。
上記第2の保護層は、アクリル樹脂からなり、例えば、紫外線硬化性を有してもよい。またポリウレア樹脂を用いてもよい。
このような材料からなる第2の保護層は、無機物からなる第1の保護層と封止層との間に形成されることによって、透湿性が非常に低い積層構造を構成し、より効果的にデバイス層を水分等から保護することができる。
上記素子構造体は、上記第3の領域に対応する上記第2の保護層上の第5の領域と上記封止層との間に形成され、上記第2の周縁部によって周囲が被覆される、無機物からなる第3の保護層と、上記第5の領域に対応する上記第3の保護層上の第6の領域と上記封止層との間に形成され、上記第2の周縁部によって周囲が被覆される、有機物からなる第4の保護層とをさらに具備してもよい。
これにより、積層方向の水分等の侵入をさらに抑制することが可能となる。また、封止層が上記第3の保護層と上記第4の保護層との周囲にも形成されるため、これらの層の周囲からの水分等の侵入も抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る素子構造体の製造方法は、基板上の第1の領域にデバイス層を形成する工程を含む。
上記デバイス層を被覆するように、上記第1の領域を含む上記基板上の第2の領域に第1の保護層が形成される。
上記第2の領域に対応する上記第1の保護層上の第3の領域に第2の保護層が形成される。
上記第1の保護層と上記第2の保護層とを被覆するように、上記第2の領域を含む上記基板上の第4の領域に封止層が形成される。
また例えば、上記素子構造体の製造方法において、上記第1の保護層の形成工程では、上記第2の領域に対応する第1の開口を有する第1のマスクを用いて上記第1の保護層を形成し、
上記第2の保護層の形成工程では、上記第3の領域に対応する第2の開口を有する第2のマスクを用いて上記第2の保護層を形成し、
上記封止層の形成工程では、上記第4の領域に対応する第3の開口を有する第3のマスクを用いて上記封止層を形成してもよい。
上記方法では、各領域に対応する複数の開口を有するマスクを用いて各層を形成することができる。これにより、大型の基板上に複数の素子構造体を作製し、それらを個々の素子毎に分離することにより、一度に多数の素子構造体を製造することが可能となる。したがって、生産性を向上させることが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
[素子構造体の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る素子構造体を示す模式的な図であり、(A)は概略断面図、(B)は概略平面図である。素子構造体1は、基板2と、デバイス層3と、第1の保護層4と、第2の保護層5と、封止層6とを有し、本実施形態において、これらがZ軸方向に積層された構造を有する。なお、図においてX軸方向及びY軸方向は水平方向を示す。Z軸方向はX軸方向とY軸方向とに直交する方向を示し、本実施形態において鉛直方向を示す。
基板2は、例えばガラス基板、プラスチック基板等で構成される。また、基板2の形状は特に限られないが、本実施形態では、Z軸方向と直交するXY平面を含む矩形の板状構造を有する。素子構造体1における基板2の大きさ、厚み等は特に制限されず、例えば縦約730mm、横約920mm、厚み約0.7mmで形成することができる。
デバイス層3は、基板2上の第1の領域11に形成される。第1の領域11の大きさ、形状等は特に限られず、本実施形態において、矩形の領域を構成する。また、第1の領域11は、例えば、図1(A)のように、基板2の略平坦な一表面上に形成されることも可能であるし、基板2の一表面上に形成された凹面に形成されることも可能である。
デバイス層3は、本実施形態において特に限られず、水分、酸素等により劣化しやすい性質の材料を含む有機発光素子、液晶素子、発電素子等で構成されることが可能である。また、必要に応じて、これらの素子と駆動回路等とを接続するための電極等を含んでいてもよい。デバイス層は、単一素子で構成されてもよいし、面内に配列された複数の素子で構成されてもよい。
第1の保護層4は、デバイス層3を被覆して基板2上の第2の領域12に形成される。第2の領域12の大きさ、形状等は、第1の領域11を含んでいれば特に限られず、本実施形態において、例えばデバイス層3よりも縦横の大きさがそれぞれ約3mm程度大きい矩形の平面領域を構成する。すなわち、第2の領域12は、基板2上において、第1の領域11以上の面積を有する領域を構成する。また、第1の保護層4の厚みは特に限られず、デバイス層3上の厚みを約300nm〜約1μmとすることができる。
第1の保護層4は、デバイス層3の周囲に形成される第1の周縁部4Aを有する。第1の周縁部4Aは、本実施形態において、上面(Z軸方向)から見た場合、デバイス層3を取り囲む矩形環状に形成される。なお、第1の周縁部4Aの形状は特に限られない。例えば、本実施形態において、第1の周縁部4Aのデバイス層3の周面からの幅は、Z軸方向に沿って略同一に形成されているが(図1(A)参照)、第2の保護層5側の方が基板2側よりも大きく形成されてもよいし、小さく形成されてもよい。
また、第1の保護層4は、本実施形態において無機物で形成され、より具体的にはシリコン窒化物である窒化ケイ素(SiN)で形成される。窒化ケイ素は、水分等を透過させにくい特性を有する。なお、第1の保護層4の材料は窒化ケイ素に限られず、他のシリコン窒化物や,シリコン酸窒化物,シリコン酸化物等のシリコン化合物等を採用することができる。またスパッタ法で形成された酸化アルミニウム(Al)を用いてもよい。
第2の保護層5は、第2の領域12に対応する第1の保護層4上の第3の領域13に形成され、第1の保護層4の上面を被覆するように形成される。第2の保護層5の厚みは特に制限されず、例えば、約200nm〜約1μmとすることができる。
ここで、「第2の領域12に対応する第3の領域13」とは、以下の意味で用いられる。すなわち、後述するように、第2の領域12と第3の領域13とは、製造時に基板2上へ配置されるマスクの開口から露出する平面領域であり、当該マスク及びその開口は略同一の形状及び面積を有するものとされる。このことから、第2の領域12と第3の領域13とは、略同一の配置、形状及び面積を有する平面領域とすることができ、基板2上に第3の領域13を投影した場合、第3の領域13は、第2の領域12と略一致するように構成される。
第2の保護層5は、本実施形態において有機物で形成され、より具体的には、例えば紫外線硬化性を有するアクリル樹脂で形成されることができる。アクリル樹脂は、シリコン化合物等の無機物と積層させた場合、より水分の透過を抑制する効果を発揮する。なお、材料はアクリル樹脂に限られず、ポリウレア樹脂等を採用することも可能である。
封止層6は、第2の保護層5を被覆して基板2上の第4の領域14に形成される。第4の領域14の大きさ、形状等は、第2の領域12を含んでいれば特に限られないが、本実施形態において、保護層5よりも縦横の大きさがそれぞれ約3mm程度大きい矩形の平面領域を構成する。すなわち、基板2上において、第4の領域14は、第2の領域11よりも大きい領域を構成する。また、封止層6の第2の保護層5上の厚みは特に限られず、例えば、約500nm〜約1μm程度とすることができる。
封止層6は、第1の保護層4の第1の周縁部4Aと、第2の保護層5との周囲に形成される第2の周縁部6Aを有する。第2の周縁部6Aは、本実施形態において、Z軸方向から見た場合、第1の保護層4と第2の保護層5とを取り囲む矩形環状に形成される。なお、第2の周縁部6Aの形状は特に限られない。例えば、本実施形態において、第2の周縁部6Aの第2の保護層5の周面からの幅は、Z軸方向に沿って略同一に形成されるが、封止層6の上面側の方が基板2側よりも大きく形成されてもよいし、小さく形成されてもよい。
封止層6は、本実施形態において、シリコン酸窒化物である酸窒化ケイ素(SiO)で形成される。酸窒化ケイ素は、水分等を透過させにくい特性を有する。なお、封止層6の材料は酸窒化ケイ素に限られず、例えば他のシリコン酸窒化物や、窒化ケイ素(SiN)などのシリコン窒化物,シリコン酸化物等のシリコン化合物等を採用することができる。またスパッタ法で形成された酸化アルミニウム(Al)を用いてもよい。
次に、素子構造体1の製造方法について説明する。
[素子構造体の製造方法]
図2、図3は、本実施形態に係る素子構造体1の製造方法を示す概略平面図である。図4は、本実施形態に係る素子構造体1の製造方法に用いる成膜装置の構成例を模式的に示す概略上面図である。本実施形態に係る素子構造体1の製造方法は、デバイス層の形成工程と、第1の保護層の形成工程と、第2の保護層の形成工程と、封止層の形成工程と、分離工程と、を有する。
本実施形態において、第1の保護層の形成工程以降の工程には、例えば、図4に示されるクラスタ型の成膜装置91,92、93が用いられる。成膜装置91,92、93は、全体として成膜処理システム90を構成し、成膜装置91、92は連結室94にて連結され、成膜装置92、93は連結室95にて連結される。成膜処理システム90の装置構成例について、以下に簡略に説明する。
成膜装置91では、例えば、第1の保護層の形成工程が行われる。成膜装置91は、コア室910と、コア室910にそれぞれ連結する4個の成膜室911、912、913、914と、基板挿入室915とを有する。基板挿入室915は、他の装置等より成膜装置91内へ基板が挿入される。コア室910には、例えば、図示しない基板搬送ロボットが配置される。これにより、各成膜室911〜914、基板挿入室915との間で基板の搬送が可能になるとともに、連結室94を介して成膜装置92側へ基板を搬送することが可能である。コア室910、各成膜室911〜914、基板挿入室915は、それぞれ図示しない真空排気システムが接続された真空チャンバを構成する。
連結室94は、コア室910とコア室920とを接続し、連結室95は、コア室920とコア室930とを接続するように構成される。また、連結室94,95内部には、図示しない基板搬送ロボット等をそれぞれ配置することができ、各装置間における基板の搬送が可能に構成される。なお回転可能な金属ロールを複数用いて基板を搬送してもよく、ベルトコンベアを用いて基板を搬送してもよい。
成膜装置92では、例えば、第2の保護層の形成工程が行われる。成膜装置92は、成膜装置91と同様の構成を有することができる。すなわち、成膜装置92は、コア室920と、コア室920にそれぞれ連結する成膜室921、922、923、924とを有する。連結室94を介して成膜装置92へ搬送された基板は、コア室920を介して、各成膜室921〜924へ搬送される。
成膜装置93では、例えば、封止層の形成工程が行われる。また、成膜装置93も、成膜装置91、92と同様の構成を有することができる。すなわち、成膜装置93は、コア室930と、コア室930にそれぞれ連結する成膜室931、932、933、934と、基板取出室935とを有する。連結室95から成膜装置93へ搬送された基板は、コア室930を介して、各成膜室931〜934へ搬送される。所定の成膜処理が終了した基板は、コア室930を介して、基板取出室935より、成膜処理システム90外へ搬出される。
例えば、上記構成の成膜処理システム90を用いて素子構造体1の製造を行うことにより、各製造工程をオートメーション化できるとともに、同時に複数の成膜室を用いて効率的に製造を行うことができ、生産性を高めることが可能となる。
一方、本実施形態に係る素子構造体1は、基板W上の複数の素子領域に形成される。複数の素子領域は、基板WのZ軸方向と直交するXY平面上に、X軸方向、Y軸方向に例えば各2区画ずつ配置される。後述するように、素子構造体1は、分離工程において、スクライブラインLに沿って基板Wを分離することにより作製される。分離された基板Wは、それぞれ素子構造体1に含まれる基板2となる。なお、基板W上に形成される素子構造体1の数は、上記の例に限られない。
以下、各工程について説明する。
(デバイス層の形成工程例)
まず、基板W上の第1の領域11にデバイス層3を形成する。図2(A)は、基板2上の第1の領域11に、デバイス層3が形成された態様を示している。本実施形態において、第1の領域11は、基板W上に例えば計4箇所配置され、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ2箇所ずつ、所定間隔で配列される。
デバイス層3の形成方法は特に限られず、デバイス層3の材料、構成等によって適宜選択することが可能である。例えば、基板Wを図示しない成膜装置の成膜室等へ搬送し、基板W上へ所定の材料の蒸着、スパッタ等を行い、さらにパターン加工等することで、第1の領域11上に所望のデバイス層3を形成することができる。パターン加工の方法は特に限られず、例えば、エッチング等を採用することが可能である。
また、本工程で用いる成膜装置と、以下の工程で用いる成膜装置91の基板挿入室915とを連結することで、1つの成膜処理システムが構成されてもよい。これにより、形成されたデバイス層3と大気との接触の可能性を低減させるとともに、生産性をより高めることが可能となる。
(第1の保護層の形成工程例)
次に、デバイス層3を被覆するように、第1の領域11を含む基板W上の第2の領域12に第1の保護層4を形成する。本工程では、第2の領域12に対応する4個の開口121(第1の開口)を有するマスクM1(第1のマスク)を用いて、例えば窒化ケイ素からなる第1の保護層4を形成する。
本工程は、例えば、成膜装置91を用いて行われる。この場合、成膜装置91の各成膜室911〜914は、いずれも同一の構成を有するCVD装置とすることができる。また、図示はしないが、各成膜室911〜914内には、基板Wを配置するためのステージと、基板W上に配置されるマスクM1と、マスクM1を支持し、ステージ上の基板Wに対してマスクM1の位置合わせ等を行うマスクアライメント装置等とが設置される。
まず、デバイス層3が形成された基板Wは、基板挿入室915から成膜装置91内へ搬入され、コア室910に配置された基板搬送ロボット等により、成膜室911〜914のうちの一室へ搬入される。ステージ上に配置された基板W上には、マスクアライメント装置等によって、マスクM1が基板W上の所定位置へ配置される。
図2(B)は、マスクM1が基板W上へ配置された態様を示す。マスクM1は、開口121を介して、基板W上の第2の領域12と、第1の領域11に形成されたデバイス層3とが露出するように基板W上へ配置される。そして、例えばCVD法により、窒化ケイ素等からなる第1の保護層4が、デバイス層3を被覆するように第2の領域12上へ形成される。なお、第1の保護層4の形成方法はCVD法に限られず、例えばスパッタ法を採用することもできる。この場合に、成膜装置91の各成膜室911〜914は、それぞれスパッタリング装置として構成される。
マスクM1は、Z軸方向に直交するXY平面を有する板状構造を有し、X軸方向及びY軸方向に所定の間隔で2個ずつ配列された計4個の開口121を有する。また、マスクM1は、本実施形態において、酸化アルミニウム(Al)、SUS、インバーなどの熱延びの少ない金属等によって形成される。
ここで、「第2の領域12に対応する開口121」とは、基板W上にマスクM1を配置した際、開口121から露出された基板W上の平面領域が、それぞれ第2の領域12を構成することを意味する。また、開口121は、第1の領域11の面積より大きい矩形状に形成される。これにより、基板W上にマスクM1を配置した際、開口121から第1の領域11の全体が露出され、第2の領域12が第1の領域11を含むように形成されることが可能となる。
(第2の保護層の形成工程例)
次に、第2の領域12に対応する第1の保護層4上の第3の領域13に第2の保護層5を形成する。本工程では、第3の領域13に対応する開口131(第2の開口)を有するマスクM2(第2のマスク)を用いて、例えば紫外線硬化型アクリル樹脂からなる第2の保護層5を形成する。
本工程は、例えば、成膜装置92を用いて行われる。成膜装置92の各成膜室921〜924内には、基板Wを配置するためのステージと、基板W上に配置されるマスクM2と、マスクM2を支持し、ステージ上の基板Wに対してマスクM2の位置合わせ等を行うマスクアライメント装置等とが設置される(図示せず)。
まず、第1の保護層4が形成された基板Wは、連結室94から成膜装置92内へ搬入され、コア室920に配置された基板搬送ロボット等により、成膜室921〜924の一室へ搬入される。ステージ上に配置された基板W上には、マスクM2が、マスク載置装置等によって、基板W上の所定位置へ配置される。
成膜装置92の各成膜室921〜924は、例えば、アクリル樹脂の塗布と、塗布された樹脂の硬化のための紫外線照射とを同一のチャンバ内で可能とするように構成されてもよい。これにより、各成膜室921〜924を、いずれも同一の装置構成とすることが可能となり、生産性を向上させることができる。また、上記の装置構成に限られず、例えば、成膜室921〜923等をスピンコート、吹き付け等によるアクリル樹脂の塗布等を行う装置とし、成膜装置924等をUV照射装置として構成することも可能である。
図3(A)は、マスクM2が基板W上へ配置された態様を示す。このようにマスクM2を基板W上へ配置することで、第3の領域13に、紫外線硬化型アクリル樹脂等からなる第2の保護層5が形成される。第2の保護層5の形成方法は特に限定されない。例えば、スピンコート法や吹き付け法等で第1の保護層4上にアクリル樹脂を塗布し、塗布されたアクリル樹脂への紫外線照射によって当該樹脂を硬化させることで、第2の保護層5が形成される。
マスクM2は、本実施形態において、マスクM1と同様の構成を有する。すなわち、マスクM2は、Z軸方向に直交するXY平面を有する板状構造を有し、X軸方向及びY軸方向にマスクM1の開口121と略同一の間隔で2個ずつ配列された計4個の開口131を有する。また、開口131は、本実施形態において、マスクM1の開口121と略同一の形状、面積を有する。これにより、第2の領域12に対応する第1の保護層4上の第3の領域13に第2の保護層5を形成することが可能となる。また、マスクM2は、本実施形態において、酸化アルミニウム(Al)、SUS、インバーなどの熱延びの少ない金属等によって形成される。
また、「第3の領域13に対応する開口131」とは、開口121と同様に、基板W上にマスクM2を配置した際、開口131から露出された基板W上の領域が、それぞれ第1の保護層4上の第3の領域13を構成することを意味する。
(封止層の形成工程例)
次に、第1の保護層4と第2の保護層5とを被覆するように、第2の領域12を含む基板W上の第4の領域14に封止層6を形成する。本工程では、第4の領域14に対応する開口141(第3の開口)を有するマスクM3(第3のマスク)を用いて封止層6を形成する。
本工程は、例えば、成膜装置93を用いて行われる。この場合、成膜装置93の各成膜室931〜934は、いずれも同一の構成を有するCVD装置とすることができる。また、図示はしないが、各成膜室931〜934内には、基板Wを配置するためのステージと、基板W上に配置されるマスクM3と、マスクM3を支持し、ステージ上の基板Wに対してマスクM3の位置合わせ等を行うマスクアライメント装置等とが設置される。
まず、第2の保護層5までが形成された基板Wは、連結室95から成膜装置93内へ搬入され、コア室930に配置された基板搬送ロボット等により、成膜室931〜934の所定の一室へ搬入される。ステージ上に配置された基板W上には、マスクM3が、マスク載置装置等によって、基板W上の所定位置へ配置される。
図3(B)は、マスクM3が基板W上へ配置された態様を示す。この際、開口141を介して、基板W上の第4の領域14と、第2の保護層5と第1の保護層4とが露出している。そして、例えばCVD法により、酸窒化ケイ素等からなる封止層6が、第1の保護層4と第2の保護層5とを被覆するように第4の領域14上へ形成される。なお、封止層6の形成方法はCVD法に限られず、例えばスパッタ法等を採用することもできる。この場合に、成膜装置93の各成膜室931〜934は、それぞれスパッタリング装置として構成される。
マスクM3は、本実施形態において、Z軸方向に直交するXY平面を有する板状構造を有し、X軸方向及びY軸方向に所定の間隔で2個ずつ配列された開口141を有している。また、マスクM3は、本実施形態において、酸化アルミニウム(Al)、SUS、インバーなどの熱延びの少ない金属等によって形成される。
ここで、「第4の領域14に対応する開口141」とは、基板W上にマスクM3を配置した際、開口141から露出された基板W上の領域が、それぞれ第4の領域14を構成することを意味する。また、開口141は、第2の領域12の面積より大きい矩形状に形成される。これにより、基板W上にマスクM3を配置した際、開口141から第1の領域11の全体が露出され、第4の領域14が第2の領域12を含むように形成されることが可能となる。
最後に、封止層6まで積層された基板Wを、複数の素子構造体1に分離する。
(分離工程例)
成膜装置93の基板取出室935から、封止層6まで積層された基板Wを取り出し、スクライブラインLに沿ってX軸方向及びY軸方向に素子構造体1を分離する。分離の方法としては、ダイシングソー、レーザを用いた加工技術、ドライエッチング等が挙げられるが、これに限られない。この工程によって、基板Wは分離され、基板2を含む素子構造体1が製造される。
以上のような構成の素子構造体1は、水分等の透過性が低い窒化ケイ素等の無機物からなる第1の保護層4、封止層6と、アクリル樹脂等の有機物からなる第2の保護層5とが交互に積層される。これにより、積層方向(Z軸方向)からの水分等の侵入をより効果的に抑制することが可能となる。
また、素子構造体1は、デバイス層3の周囲が、いずれも水分等を透過させにくい窒化ケイ素等からなる第1の保護層4の第1の周縁部4Aと、封止層6の第2の周縁部6Aとの2層に被覆されている。これにより、Z軸方向のみならず、デバイス層3の周囲からの水分、酸素等の侵入を効率的に抑制することが可能となる。
さらに、素子構造体1は、第2の周縁部6Aによって、第1の保護層4と第2の保護層5との周囲を被覆するように構成される。これにより、第1の保護層4と第2の保護層5との層間部分からの水分等の侵入も抑制することが可能になる。したがって、層間部分の周囲からの水分等の侵入を危惧することなく、高い水分等抑制効果を有するZ軸方向の積層構造を有する素子構造体1を作製することが可能となる。
<第2の実施形態>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る素子構造体10を示す概略断面図である。素子構造体10は、第1の実施形態の同様の構成の基板20と、デバイス層30と、第1の保護層40と、第2の保護層50と、封止層60と、に加えて、第3の保護層70と、第4の保護層80とを有し、本実施形態において、これらがZ軸方向に積層された構造を有する。なお、図において上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態に係る素子構造体10は、第2の保護層50上に第3の保護層70が形成され、第3の保護層70上に第4の保護層80が形成される。さらに、基板20上に第2の周縁部60Aを有する封止層60が形成され、第1の保護層40と第2の保護層50と第3の保護層70と第4の保護層80との周囲は、第2の周縁部60Aによって被覆される。すなわち、第1の実施形態においてはデバイス層30上に封止層6を含む計3層の積層構造が形成されたが、本実施形態においては計5層の積層構造が形成される。
第3の保護層70は、第3の領域130に対応する第2の保護層50上の第5の領域150と、封止層60との間に形成され、第3の保護層70が第2の保護層50の上面を被覆するように形成される。第3の保護層70は、第1の保護層40と同様に無機物で形成され、より具体的にはシリコン窒化物である窒化ケイ素(SiN)で形成される。なお、第3の保護層70の材料はSiNに限られず、例えば他のシリコン窒化物や,シリコン酸窒化物,シリコン酸化物等のシリコン化合物等を採用することができる。またスパッタ法で形成された酸化アルミニウム(Al)を用いてもよい。
第4の保護層80は、第5の領域150に対応する第3の保護層70上の第6の領域160と、封止層60との間に形成され、第4の保護層80が第3の保護層70の上面を被覆するように形成される。第4の保護層80は、第2の保護層50と同様に有機物で形成され、より具体的には、紫外線硬化性を有するアクリル樹脂で形成される。なお、材料はアクリル樹脂に限られず、ポリウレア樹脂等を採用することも可能である。
ここで、「第3の領域130に対応する第5の領域150」とは、「第2の領域12に対応する第3の領域13」と同様の以下の意味で用いられる。すなわち、第3の領域130と第5の領域150とは、製造時に基板20上へ配置されるマスクの開口から露出する平面領域であり、当該マスク及びその開口は略同一の形状及び面積を有するものとされる。このことから、第3の領域130と第5の領域150とは、略同一の配置、形状及び面積を有する領域とすることができ、基板20上に第5の領域150を投影した場合、第5の領域150は、第3の領域130と略一致するように構成される。
また、「第5の領域150に対応する第6の領域160」も、同様に以下の意味で用いられる。すなわち、第5の領域150と第6の領域160とは、製造時に基板20上へ配置されるマスクの開口から露出する平面領域であり、当該マスク及びその開口は略同一の形状及び面積を有するものとされる。このことから、結果として、第2の領域120と第3の領域130と第5の領域150と第6の領域160とは略同一の形状、面積を有する領域とすることができ、基板20上に第6の領域160を投影した場合、第6の領域は、第5の領域と略一致するように構成される。
封止層60は、第1の保護層40と第2の保護層50と第3の保護層70と第4の保護層80とを被覆して基板20上の第4の領域140に形成される。第4の領域140の大きさ、形状等は、第2の領域120を含んでいれば特に限られない。すなわち、この場合は、第4の領域140が、第3の領域130、第5の領域150、第6の領域160も含むこととなる。また、封止層60の第4の保護層80上の厚みは特に限られず、例えば、約200nm〜約1μm程度とすることができる。
封止層60は、第1の周縁部40Aと、第2の保護層50と、第3の保護層70と、第4の保護層80との周囲を被覆する第2の周縁部60Aを有する。また、封止層60は、本実施形態においても無機物で形成され、具体的には、シリコン酸窒化物である酸窒化ケイ素(SiO)等で形成される。SiOは、水分等を透過させにくい特性を有する。なお、封止層6の材料はSiOに限られず、例えば他のシリコン酸窒化物や、窒化ケイ素(SiN)などのシリコン窒化物,シリコン酸化物等のシリコン化合物等を採用することができる。またスパッタ法で形成された酸化アルミニウム(Al)を用いてもよい。
ここで、素子構造体10は、デバイス層30上に、窒化ケイ素からなる第1の保護層40と第3の保護層70と封止層60と、アクリル樹脂からなる第2の保護層50と第4の保護層80と、が交互にZ軸方向に積層されている。このような無機物と有機物との積層構造は、透湿度(WVTR:Water Vapor Transmission Rate)を低下させることが、発明者らの実験によって確認されている。
例えば、PETフィルム基板上に窒化ケイ素からなる層とアクリル樹脂からなる層とを交互に2層ずつ、計4層積層させ、いわゆるカルシウム法によってWVTRを測定したところ、1.0×10−6g/m/day以下の測定下限界の測定値を得た。これにより、本実施形態に係るデバイス層3上の積層構造は、特にZ軸方向からの水分等の侵入に対して非常に高い抑制効果を奏することが推認される。
以上より、本実施形態に係る素子構造体10は、デバイス層30及び各保護層間の周囲からの水分等の侵入を抑制するとともに、Z軸方向にも非常に高い水分等に対する抑制効果を発揮することが可能となる。
<第3の実施形態>
図6は、本発明の第3の実施形態に係る素子構造体100を示す概略断面図である。素子構造体100は、第1の実施形態と同様に、基板2と、デバイス層300と、第1の保護層4と、第2の保護層5と、封止層6とを有し、これらがZ軸方向に積層された構造を有する。本実施形態は、デバイス層300が有機EL発光素子からなる点で、第1の実施形態と異なる。なお、図において上述の第1の実施形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施形態に係るデバイス層300は、下部電極層310と、正孔注入層320と、発光層330と、電子注入層340と、上部電極層350とを有し、これらがZ軸方向に積層された構造を有する。下部電極層310は、陽極として、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明電極からなる。上部電極層350は、陰極として、例えばアルミニウム等からなる。正孔注入層320は、正孔輸送層を含み、下部電極層310から発光層330へ正孔を注入する。電子注入層340は、電子輸送層を含み、上部電極層350から発光層330へ電子を注入する。発光層330は、所望の色に発光する有機発光材料で形成され、注入された正孔及び電子の再結合により発光する。
デバイス層300は、内部に複数の発光層330を含有することが可能である。複数の発光層は、短冊状あるいはストライプ状に形成されてもよい。複数の発光層は、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の3種類の発光層を含んでいてもよく、これにより素子構造体100を1個のディスプレイとして構成することが可能である。
下部電極層310は、発光層330に正孔を注入することができるよう、発光層330に対応して形成され、例えばY軸方向に沿って伸びる電極とすることができる。上部電極層350は、電子注入層340を介して発光層330に電子を注入することができるよう、一部が発光層330上に配置される。上部電極層350は、例えば、X軸方向に沿って延びる電極とすることができる。また、必要に応じて複数の上部電極層350を設けてもよく、その場合はY軸方向に周期的に配置することも可能である。下部電極層310及び上部電極層350は、例えば、一部が封止層6等に被覆されない第4の領域14の外部に形成されることにより、外部の駆動電源等と接続可能に構成される。
素子構造体100のデバイス層300は、例えば、以下のように形成される。下部電極層310は、例えばスパッタ法、蒸着法等により成膜することができ、成膜後、所定形状にパターン加工される。次に、下部電極層310上に、例えば蒸着法等により正孔注入層320を形成する。発光層330は、正孔注入層320上に、例えば蒸着法等により成膜することができ、成膜後、所定形状にパターン加工される。電子注入層340は、発光層330上に、例えば蒸着法等により成膜することができる。さらに、上部電極層350は、例えばスパッタ法、蒸着法等により成膜することができ、成膜後、所定形状にパターン加工される。上記各層の形成は、同一の成膜室内で行うことも可能であるし、別の成膜室内で行うことも可能である。
以上のような素子構造体100は、水分、酸素等の影響を非常に受けやすいデバイス層300を有するが、第1の保護層4、第2の保護層5及び封止層6の積層構造により、デバイス層300への水分等の侵入を抑制することが可能となる。これにより、素子構造体100によって、不具合の少なく耐久性の高い有機ELディスプレイ等を提供することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
以上の実施形態では、保護層が2層及び4層であり、最上層がいずれも有機物からなる例を挙げたが、これに限られない。例えば、3層、5層等の奇数の保護層を積層させる場合、最上層を無機物からなる層とすることも可能である。
また、以上の実施形態では、各層のパターン加工方法として、Al等で形成されるマスクを用いる方法を採用したが、これに限られない。例えば、エッチング等の他のパターン加工方法を採用することも勿論可能である。
また、以上の実施形態では、素子構造体の製造方法として、大型の基板上に多数の素子領域を形成し、それらを分離して個々の素子構造体を製造する方法を採用したが、これに限られない。例えば、1枚の基板上に1個の素子構造体を形成し、分離工程を有さない製造方法を採用することも可能である。
また、以上の実施形態では、クラスタ型の成膜装置を用いた製造方法の例を挙げたが、勿論これに限られず、インライン式等他の構成の成膜装置を用いることも可能である。
1,10,100・・・素子構造体
2,20・・・基板
3,30,300・・・デバイス層
4,40・・・第1の保護層
4A,40A・・・第1の周縁部
5,50・・・第2の保護層
6,60・・・封止層
6A,60A・・・第2の周縁部
70・・・第3の保護層
80・・・第4の保護層
11,110・・・第1の領域
12,120・・・第2の領域
13,130・・・第3の領域
14,140・・・第4の領域
150・・・第5の領域
160・・・第6の領域
121・・・第1の開口
131・・・第2の開口
141・・・第3の開口
M1・・・第1のマスク
M2・・・第2のマスク
M3・・・第3のマスク

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板上の第1の領域に形成されるデバイス層と、
    前記デバイス層の周囲に形成される第1の周縁部を有し、前記第1の領域を含む前記基板上の第2の領域に形成され、無機物からなる第1の保護層と、
    前記第2の領域に対応する前記第1の保護層上の第3の領域に形成され、有機物からなる第2の保護層と、
    前記第1の周縁部と前記第2の保護層との周囲に形成される第2の周縁部を有し、前記第2の領域を含む前記基板上の第4の領域に形成され、無機物からなる封止層と
    を具備する素子構造体。
  2. 請求項1に記載の素子構造体であって、
    前記第1の保護層と封止層とは、シリコン化合物またはスパッタ法で形成された酸化アルミニウムからなる
    素子構造体。
  3. 請求項2に記載の素子構造体であって、
    前記シリコン化合物は、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物及びシリコン酸化物のいずれかを含む
    素子構造体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の素子構造体であって、
    前記第2の保護層は、アクリル樹脂またはポリウレア樹脂からなる
    素子構造体。
  5. 請求項4に記載の素子構造体であって、
    前記アクリル樹脂は、紫外線硬化性を有する
    素子構造体。
  6. 請求項1に記載の素子構造体であって、
    前記第3の領域に対応する前記第2の保護層上の第5の領域と前記封止層との間に形成され、前記第2の周縁部によって周囲が被覆される、無機物からなる第3の保護層と、
    前記第5の領域に対応する前記第3の保護層上の第6の領域と前記封止層との間に形成され、前記第2の周縁部によって周囲が被覆される、有機物からなる第4の保護層とをさらに具備する
    素子構造体。
  7. 基板上の第1の領域にデバイス層を形成し、
    前記第1の領域を含む前記基板上の第2の領域に第1の保護層を形成し、
    前記第2の領域に対応する前記第1の保護層上の第3の領域に第2の保護層を形成し、
    前記第1の保護層と前記第2の保護層とを被覆するように、前記第2の領域を含む前記基板上の第4の領域に封止層を形成する
    素子構造体の製造方法。
  8. 請求項7に記載の素子構造体の製造方法であって、
    前記第1の保護層の形成工程では、前記第2の領域に対応する第1の開口を有する第1のマスクを用いて前記第1の保護層を形成し、
    前記第2の保護層の形成工程では、前記第3の領域に対応する第2の開口を有する第2のマスクを用いて前記第2の保護層を形成し、
    前記封止層の形成工程では、前記第4の領域に対応する第3の開口を有する第3のマスクを用いて前記封止層を形成する
    素子構造体の製造方法。
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