JPWO2013102961A1 - 誘導モータ用のバスバー - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、誘電モータの一部品である自身の製造を間単に行うことができ、結果として、誘電モータの製造をも容易かつ低コストで行うことができるバスバーを提供することである。本発明のバスバー10は、誘電モータを構成している複数のコイル20への電力供給、および/または各コイル20のアースを、まとめて行うためのものであり、所定長さの導体材11に、3以上の奇数層となった重なり部分12aからなる折り畳み部12を複数形成したものである。そして、本発明のバスバー10は、各折り畳み部12の所定位置に、各コイル20の端子21が差し込める差込空間が形成できるようにして、この差込空間に各端子21を差し込んで固定することにより、当該バスバーと各端子21との電気的かつ直接的な固定が行えるようにしたものである。

Description

本発明は、母線あるいはバスリングと呼ばれるバスバー(bus bar)に関し、特に、誘電モータの構成部品として適したバスバーに関するものである。
バスバーは、母線とも呼ばれている通り、これ1本に多数の端子を電気的に接続して使用されるものであり、端子毎の配線をしなくても良いようにするものである。例えば、車両用のパワーステアリングに圧油を供給するためのオイルポンプに使用されている誘電モータのように、多数のコイルの各端子を同一電位で接続する必要がある場合に、この種のバスバーは重宝されているものである。
特に、車両用の誘電モータにおいては、車両重量の増加を招かないように、また、限られた収納空間に収納できるようにするために、小型化や薄型化が求められており、誘電モータの部品であるこの種のバスバーについても、誘電モータ全体の小型化や薄型化が図られるようにする構造あるいは機能が求められている。勿論、多数のコイル端子を電気的に接続しなければならないバスバーにあっては、電気接続が長期間確実かつ安定したものとならなければならない。当然のことながら、モータを工業製品とするために、この種のバスバーについても、モータの製造や電気接続が容易に行えるようにすることができて、モータのコスト低減を図ることも求められている。
この種のバスバーについての上記各要求は、従来から求められていることであり、特許文献1あるいは特許文献2等に、様々な解決策が提案されてきている。
特開2011−254629号公報、要約、代表図 特許第4697597号掲載公報
特許文献1に記載された「配電構造部品およびその製造方法」は、「配電部材の絶縁を確保するために、配電構造部品が大型化する」ことを課題とするもので、図13〜図16に示すように、「積層された複数の配電部材をインサートモールドによって一体化したモータの配電構造部品であって、絶縁体であり、複数の配電部材を1つおきに保持する複数の第1の絶縁ホルダと、絶縁体であり、第1の絶縁ホルダによって保持されている配電部材以外の配電部材を保持する第2の絶縁ホルダとを有する」としているものである。
なお、この特許文献1に記載されているモータは、所謂3相交流誘電モータであって、本発明も対象の1種としているタイプのモータである。従って、この特許文献1に示されているバスバーは、図13に示すように、U相、V相、W相、そして中性相の4種類が使用されていて、これらが、図15に示すように、上記絶縁ホルダ及びにより一体化されているものである。そして、一体化されたものは、3相交流誘電モータの1部品として組み立てられるのである。
この特許文献1で述べられている「配電部材」は本発明が対象としているバスバーであると考えられるが、このバスバーでは、図14に示すように、各コイルの端子が接続されるべき「(U相)タブ5」を別途取り付けるか、バスバーとともに打ち抜かなければならない構造となっている。バスバーにタブを別途取り付けることは、その分の作業あるいは工程が必要であり、各タブをバスバーとともに打ち抜くとすれば、材料の無駄が大量に発生すると考えられる。
また、この特許文献1に記載された「配電構造部品」では、図16に示すように、例えばV相バス61のタブ6は、これにコイルの端子を接続しなければならないため、モールド樹脂120の外部に突出させた構造となっている。タブ6を外部に突出させながら、V層バス61を樹脂内にモールドすることは、そんなに簡単ではないと考えられる。
一方、特許文献2に記載された「ブスバー(バスバー)およびモータ」は、「電動式のモータに利用されるブスバーにおいて、コネクタ内のピン等の金属部材と回路基板との接合部に応力が生じることを防止し、これにより、接合部や回路基板の破損を防止することを目的」とするものであり、例えば当該文献2の段落0027に記載されているように、「ブスバー50では、各コネクタピン513が略J字状となっており、両端部513a,513bが樹脂本体51から上方へと露出する」ものである。
従って、この特許文献2に記載された「バスバー」も、上記特許文献1のそれと同様に、両端部513a,513bを外部に突出させながら、バスバー50を樹脂内にモールドする必要があるものとなっており、そのようにすることは、そんなに簡単ではないと考えられる。
ところで、近年のモータ用のコイルには、「平角線」と呼ばれる導線が採用されてきている。この「平角線」は、厚さと幅の比が、1:2〜20となった銅線の表面に絶縁被膜を形成したもので、巻数やインピーダンスを非常に少なくしながらコイルを構成できることから、モータの構成材料として盛んに使用されてきているものである。
上記のような利点のある「平角線」ではあるが、厚さと幅の比が、1:2〜20であることから、幅方向には曲げ易いが、当然のことながら厚さ方向には曲げ辛い。そして、このような平角線を巻線としてコイルとし、その端部をそのまま接続端子とする場合に、この厚さ方向には曲げ辛いことが接続作業を困難にする場合が生ずる。換言すれば、この平角線は、その曲げ方向に限界があり、一定の方向にしか曲げられないという現象が発生するものである。
また、上述したバスバーを部品の一部として採用される誘電モータが車両用として採用される場合、この誘電モータには当然車両からの振動が直に伝達される。この伝達された振動は、誘電モータの、特に電気的接続部分に対する断線や剥離等の悪影響を与えることがある。
そこで、本発明者等は、誘電モータの一部品である「バスバー」について、コイル側の端子の電気的接続が直接的に行えて、誘電モータの製造を容易かつ低コストで行えるようにすることができ、しかも、その電気的接続部分が常に安定していて、断線や剥離の問題の発生を抑制することができるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の第1の目的は、誘電モータの一部品である自身の製造を間単に行うことができ、結果として、誘電モータの製造をも容易かつ低コストで行うことができるバスバーを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記の第1の目的を達成しながら、さらに、コイル側の端子の電気的接続を直接的に行うことができて、誘電モータの製造を容易かつ低コストで行うことができ、しかも、その電気的接続部分を常に安定したものとすることができて、断線や剥離の問題の発生を抑制することのできるバスバーを提供することにある。
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段は、後述する最良の形態の説明中において使用する符号を付して説明すると、
「誘電モータを構成している複数のコイル20への電力供給、および/または各コイル20のアースを、まとめて行うためのバスバー10であって、
所定長さの導体材11に、3以上の奇数層となった重なり部分12aからなる折り畳み部12を複数形成して、これら各折り畳み部12の所定位置に、少なくとも各コイル20の端子21を電気的かつ直接的に固定し得るようにしたことを特徴とする誘電モータ用のバスバー10」
である。
すなわち、この請求項1に係るバスバー10は、図1に示す場合には、誘電モータのケーシング内に組み込んである複数のコイル20の各端子21を電気的接続した状態で、絶縁ホルダー14の各ホールド溝14a内に収納し固定されるものであり、この絶縁ホルダー14を誘電モータのハウジングに取り付けて使用されるものである。この図1に示す各バスバー10は、図2に示すように、図14に示した従来例のような接続端子を一切備えていないものであり、各コイル20の端子21が当該バスバー10に直接電気的に接続された後に、絶縁ホルダー14の各ホールド溝14aに収納し固定されるのである。
また、このバスバー10は、図3に示す場合には、誘電モータのケーシング内に組み込んである複数のコイル20の各端子21に電気的接続された状態で、モールド樹脂15内にモールドされるものである。この図3に示す各バスバー10も、図4に示すように、図14に示した従来例のような接続端子を一切備えていないものであり、モールド樹脂15内にモールドされる前に、各コイル20の端子21が当該バスバー10に直接電気的に接続されるのである。
勿論、図1に示すバスバー10も、図3に示すバスバー10も、1つの円周上に並んだ各コイル20の端子21に電気的に接続されるものであるため、図14に示した従来例のように、全体としては円環状ではあるが、一部を切断してショートしないようにしてある。
各バスバー10は、図5〜図8に示すように、銅を代表とする導電性金属からなる導体材11の一部に複数の折り畳み部12を形成したものであるが、この導体材11は、所謂「線材」であり、例えば板材を打ち抜いて形成したものではない。各バスバー10を構成するための導体材11は、リールに巻き取られるような材料であって、この導体材11をリールから巻き戻しながら、所定箇所に折り畳み部12を形成し、所定長さで切断することにより、各バスバー10とされるものである。
各折り畳み部12は、例えば図5の(a)及び(b)に示すように、導体材11の一部にて折り返しを繰り返すことにより形成される複数の重なり部分12aからなるものである。各重なり部分12aは、導体材11を単に折り返すことにより形成される部分であるから、重なってはいるが互いに固着されてはいない。なお、導体材11が完全に折られている部分(導体材11が180°に曲がっている部分)は、弾性限界点または降伏点を越えた塑性変形を起こしている部分であるが、その他の部分は弾性変形している。
このため、図5の(b)に示すように、各重なり部分12aが重なり合って形成された折り畳み部12の両側に反対方向の力を加えれば、各重なり部分12aの塑性変形していない部分間で広がる部分ができ、この広がり部分は、コイル20の端子21を電気的かつ直接的に接続するための差込空間とし得るのである。一方、この広がり部分は、その広げている力を抜けば、金属である導体材11自体が有している弾性力によって、図5の(a)に示すように、弾性変形して元の状態に復帰することになる。
この各重なり部分12aが弾性変形し得ることは、例えば車両から受けた振動を、コイル20の端子21が固着されていない重なり部分12aが吸収し、吸収した後には、原位置に直ちに復帰することを意味する。このため、当該バスバー10における各折り畳み部12自体が、コイル20の端子21等の電気的接続部分に断線や剥がれ等を発生しないようにする、重要な「振動吸収機能」を発揮することになり得るのである。
図5あるいは図6、または図7に示すバスバー10では、各折り畳み部12を3層の重なり部分12aによって構成しているが、各重なり部分12aの層数は、図8に示すように、5層であってもよい。勿論、収納場所が確保できるのであれば、各重なり部分12aの層数は7以上の奇数であってもよいものである。また、各重なり部分12aの層数が3以上の奇数である必要があるのは、当該バスバー10の各折り畳み部12は、導体材11の長さ方向について、最初に往く重なり部分12a、次に戻る重なり部分12a、そして、最初に目指していた方向に再び往く重なり部分12aの3本が最低必要で、その後は往く重なり部分12aと戻る重なり部分12aの2本が順に必要になるからであり、これらを1本の長い絶縁被膜11aからその延びる方向に連続して形成したいからである。
また、導体材11が後述する絶縁被膜11aを有さない「裸」のものであって、折り畳み部12において各重なり部分12aが重なり合って互いに接触していたとしても、当該バスバー10がショートを起こすことはない。当該バスバー10は、その全体に通電されて各折り畳み部12にて同電位を発生させるものだからである。
勿論、折り畳み部12を構成する各重なり部分12aについて、長い導体材11から、この導体材11の長さ方向について、最初に往く重なり部分12a、次に戻る重なり部分12a、そして、最初に目指していた方向に再び往く重なり部分12aの3本を最低形成すればよく、このように行う導体材11の長さ方向についての折り曲げ加工は、機械的に簡単に行えるため、当該バスバー10の製造は簡単かつ低コストで行えるのである。
以上のように形成したバスバー10に対して、各コイル20の端子21を電気的に接続するには、折り畳み部12を構成しているどれか1本の重なり部分12aに当接させるか、2本の重なり部分12aによって形成された差込空間内に差し込んで、これらを「スポット溶接」するか、「ミュージングカシメ」(大電流で部分的に加熱してプレスすること)を行うのである。このようにすることによって、当該バスバー10は、電気的接続のための、図14に示したような「タブ5」を全く要することなく、コイル20の端子21を直接的に電気的接続できることになるのである。
以上の結果、当該バスバー10は、各コイル20の端子21に対するタブの形成が不要になっており、各コイル20の端子21を当該バスバー10に対して直接的に電気接続を行うことができるから、総合的にみれば、誘電モータの製造を容易かつ低コストで行うことができるようになっているものである。なお、このバスバー10は、3相誘電モータ用に使用される場合には、従来技術を示す図15の例のように、複数(例えば4本)のものを同一面上に互いに接触しないように配置されるものでり、これをモールド樹脂15内にモールドする場合には、各バスバー10間に絶縁性のスペーサを介装してなされることは言うまでもない。
また、このバスバー10の、その円環面に直交する方向についての厚さは、図5〜図8に示すように、基本的に当該バスバー10を構成している導体材11の太さまたは幅になるものであり、絶縁ホルダー14のホールド溝14aの深さやモールド樹脂15の厚さを導体材11の太さまたは幅より少し大きくすれば良いことを意味する。結果的に、このバスバー10を採用して形成した誘電モータは、その小型化や薄型化が達成されることになる。
従って、この請求項1に係るバスバー10は、誘電モータの一部品である自身の製造を間単に行うことができ、結果として、誘電モータの製造をも容易かつ低コストで行うことができるものとなっているのである。
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載の誘電モータ用のバスバー10について、
「奇数層の重なり部分12aの少なくとも1つに、コイル20の端子21が差し込める差込空間12bを形成したこと」
である。
この請求項2に係るバスバー10では、図6〜図9に示すように、折り畳み部12を構成している各重なり部分12aの少なくとも1つに、差込空間12bを形成したものであるが、この差込空間12bは、図6中の矢印にて示すように、コイル20の端子21が差し込めるようにするものである。このような差込空間12bが存在していれば、折り畳み部12にコイル20の端子21を電気的に接続する際に、各折り畳み部12に図5の(b)に示すような広がり部分をわざわざ形成する必要はなく、接続作業をより簡単に行えるのである。
差込空間12bの形成は、例えば、折り畳み部12の各重なり部分12aを折曲形成する型の一部に、差込空間12bに該当する部分を形成しておくことによって簡単に行えるものであり、特に大型化した技術を採用しなくても行えるものである。
従って、この請求項2のバスバー10は、上記請求項1のそれと同様な機能を発揮する他、差込空間12bにコイル20の端子21が差し込めるため、各バスバー10に対するコイル20の端子21の接続作業をより簡単にし得るものとなっているのである。
また、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、上記請求項1または請求項2に記載の誘電モータ用のバスバー10について、
「各折り畳み部12の間にある導体材11に、少なくとも1つのねじり部13を形成して、このねじり部13に隣接する一方の折り畳み部12が有した差込空間の開口方向を、このねじり部13に隣接する他方の折り畳み部12が有した差込空間のそれに対して変化させたこと」
である。
各コイル20の端子21は、図1及び図3に示すように、当該バスバー10に向けて引き出されるのであり、各端子21は、図5の(b)に示すような単なる空間であっても、図6等に示すような積極的に形成した差込空間12bであっても、本発明に係るバスバー10の各折り畳み部12の差込空間に差し込まれた後、スポット溶接等で電気的接続がなされるものであるが、この差込空間の方向が、コイル20の端子21の方向に合っていない場合がある。また、コイル20の端子21を構成している線材が、前述したような「平角線」のように、曲げ方向に限界があるものである場合もある。これらの場合に対応できるようにするために、1つの折り畳み部12が有している差込空間の方向と、他の折り畳み部12が有している差込空間の方向とを、ねじり部13を介して変えるようにしたのが、この請求項3のバスバー10なのである。
勿論、各ねじり部13のねじり角は適宜選定されるものであるが、このねじり部13は、各折り畳み部12の差込空間に対する端子21の差込を行い易くするために、差込空間の方向を変更するものであるから、180°以上でないことは当然である。
従って、この請求項3のバスバー10は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、導体材11にねじり部13を形成することによって、このねじり部13の両側にある差込空間の方向を変えて、各端子21の差込を容易に行えるようにしているのである。
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項3のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10について、
「導体材11は、幅が厚さの2〜20倍の平材であって、各重なり部分12aは、当該平材の幅方向折線で折ったこと」
である。
すなわち、この請求項4のバスバー10は、図10の(b)または(c)に示すような、幅が厚さの2〜20倍の平材である導体材11によってその全体を形成したものであり、図6〜図9に示すようなものである。換言すれば、この請求項4のバスバー10は、図10の(a)に示すような線材によって例えば図6に示すように形成したものであり、図5に示すような丸線材で形成したものではなく、平材のメリットを有効に活用したものである。
図10の(b)または(c)に示すような平材は、図10の(a)に示すような線材とは異なって、その厚さ方向には非常に曲げにくいというデメリットを有するものであるが、十分な面積を有していることから、直接的な電気的接続が行い易く、通電時のインピーダンスが線材より小さいというメリットを有している。
この平材は、幅が厚さの2〜20倍であることが必要であるが、その理由は、幅が厚さの2倍より小さいと、線材に近くなって、平材としてのメリットが十分でなくなるからである。一方、この平材は、幅が厚さの20倍より大きいと、平板に近いものとなって、余分な部分の切り落としや折り畳み部12形成のための加工機械の大型化が必要になって、この場合も、平材としてのメリットが十分でなくなるからである。
このような平材である導体材11によってバスバー10の全体を形成するということは、バスバー10の幅方向への曲げ、つまり折り畳み部12の形成や円環状に形成することを容易にすることになる。特に、各折り畳み部12を構成している重なり部分12aは、当該平材の幅方向折線で折ることが容易であり、各折り畳み部12の形成を非常に安定して行えるのである。換言すれば、当該平材を折り畳むと、その際の折線は、当該平材の最も曲がり易い方向、つまり長さ方向に対して直交する方向に向くことになる。
以上のように、当該平材の幅方向折線、つまり長さ方向に対して直交する方向の折線で折った場合、折り畳み部12を構成している各重なり部分12aは、図6〜図9に示すように、文字通り完全に重なり合う。換言すれば、当該バスバー10は、上述した平材を幅方向折線で折って形成することにより、その幅方向の寸法は、元の平材のそれと殆ど変わらない、言わば幅狭いもののままとなるのである。
従って、この請求項4のバスバー10は、上記請求項1〜3のそれと同様な機能を発揮する他、各折り畳み部12を加工してもその幅が全く変化しないものとなっているのであり、絶縁ホルダー14やモールド樹脂15の設計を容易にしている。
さらに、上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10について、
「導体材11は、表面に絶縁皮膜11aが形成された平角材であること」
である。
すなわち、この請求項5のバスバー10は、図10の(c)に示すような、表面に絶縁皮膜11aが形成された平角材である導体材11によってその全体を形成したものであり、図6〜図9に示すようなものである。換言すれば、この請求項5のバスバー10は、図10の(a)に示すような線材によって、図5に示すようなものとして形成したものではなく、絶縁被膜11aを形成した平角材のメリットを有効に活用したものである。
このような表面に絶縁皮膜11aが形成された平角材である導体材11は、一般に市販されているもので、巻数やインピーダンスを非常に少なくしながらコイルを構成できることから、モータの構成材料として盛んに使用されてきているものである。また、この平角材である導体材11は、上記請求項4の平材と同様に、図10の(a)に示すような線材とは異なって、その厚さ方向には非常に曲げにくいというデメリットを有するものであるが、十分な面積を有していることから、直接的な電気的接続が行い易く、通電時のインピーダンスが線材より小さいというメリットを有しているものである。
勿論、この平角材である導体材11を使用して形成したバスバー10は、その表面に絶縁被膜11aを有したものであるから、これを図1及び図2に示す絶縁ホルダー14のホールド溝14a内に組み込む際に、あるいは、図3及び図4に示すモールド樹脂15内にモールドする場合に、後にショートが発生することを考慮しながら作業を行う必要はない。勿論、完成された各バスバー10は、その表面が絶縁被膜11aによって自動的に絶縁されていることになることは言うまでもない。
また、この絶縁被膜11aを、所謂エナメルのような材料の薄い膜で形成すれば(市販の平角線はそのようになっている)、各折り畳み部12に対するコイル20の端子21の、「スポット溶接」または「ミュージングカシメ」による電気的かつ直接的な接続時に、当該絶縁被膜11aは熱で飛んでしまい、後に問題を発生させることはない。
また、この絶縁被膜11aを平角材上に形成した導体材11は、一般に安価に市販されているものであるし、各折り畳み部12を構成している重なり部分12aの折り作業も、上記請求項4のそれと同様に、導体材11の幅方向に突出させる部分を形成することなく行えるから、バスバー10の製造を容易かつ低コストで行うことができるのである。
従って、この請求項5に係るバスバー10は、上記請求項1〜4のそれと同様な機能を発揮する他、自身が絶縁被膜11aによる絶縁性を有して、より一層低コストで製造し得るものとなっているのである。
また、上記課題を解決するために、請求項6に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項5のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10について、
「折り畳み部12を形成した導体材11を絶縁チューブ16内に挿入したこと」
である。
すなわち、この請求項6のバスバー10は、図11及び図12に示すように、折り畳み部12を形成した導体材11を絶縁チューブ16内に挿入したものである。勿論、このバスバー10は、まず所定長さの導体材11を絶縁チューブ16内に挿入しておき、この導体材11の所定部分を、上述したのと同様にして絶縁チューブ16とともに折り畳み、折り畳み部12を形成するようにしたものであってもよい。
絶縁チューブ16は、文字通り、絶縁性を有するものであり、かつ内部の導体材11を周囲の部品との絶縁性を確保しながら包み込むようにするものである。勿論、この絶縁チューブ16は、熱等の物理的衝撃によって端子21挿入のための穴を形成することができるものであり、この穴からの端子21の折り畳み部12への挿入が容易に行えるものである。なお、後述する実施例における絶縁チューブ16は、熱を掛けると縮むものであり、図11に示すように、折り畳み部12を形成した導体材11を、殆ど隙間なく包み込むものであり、端子21と折り畳み部12との外側からの電気的接続も容易に行えるものである。
なお、図11に示す例では、端子21の接続のための穴や、端子21と折り畳み部12との電気的接続部分に対しては、ポッティング樹脂16aによる封止がなされることがある。このポッティング樹脂16aによって、絶縁チューブ16内をほぼ完全な密閉状態に保持させることができるから、外気中の酸素や外からの湿気から内部を絶縁チューブ16自体とともに遮断することができ、導体材11への防錆効果を高めることができるのである。
このような絶縁チューブ16によって包み込んだ導体材11は、絶縁チューブ16によって周囲の部品に対する絶縁が確保されるから、上述した絶縁ホルダー14によって保持させる必要性、つまり絶縁ホルダー14自体が不要となるのである。このため、当該バスバー10と各端子21との接続を、図12に示すように直接的に行えるのであり、モータの組立作業をより容易にし得るのである。
勿論、上述したように、この絶縁チューブ16は、周囲に対する絶縁だけでなく、外気中の酸素や湿気、水等のような、錆びの原因となるものから導体材11を保護してもいるから、当該バスバー10の耐久性も高めていることになるのである。
従って、この請求項6に係るバスバー10は、上記請求項1〜5のそれと同様な機能を発揮する他、絶縁チューブ16によって導体材11が保護されるから、より一層耐久性の高いものとなっているのである。
そして、上記課題を解決するために、請求項7に係る発明の採った手段は、上記請求項1〜請求項6のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10について、
「U相用バスバー、V相用バスバー、W相用バスバー、及び中性相用バスバーの4種類1組からなること」
である。
この請求項7のバスバー10は、誘電モータが3相交流誘電モータである場合に適したものであり、U相用バスバー、V相用バスバー、W相用バスバー、及び中性相用バスバーの4種類1組からなるものとしたものである。3相交流誘電モータは、従来例を示す図13に示すように、U相、V相、及びW相に対応する複数のコイル20が並列に接続されたものであり、その一方の各端子21は、U相用バスバー、V相用バスバー、及びW相用バスバーに接続されるものである。そして、各コイル20の他方の端子21は、中間相用バスバーに接続されることになるものである。
このような、U相、V相、W相、及び中間相を有する3相交流誘電モータでは、U相用バスバー、V相用バスバー、及びW相用バスバーに「相」を変えた交流電力が供給されるのであり、中間相用バスバーによってアース接続されるものである。
このようなU相用バスバー、V相用バスバー、W相用バスバー、及び中性相用バスバーの4種類1組からなるバスバー10は、上記請求項1〜5の各発明において述べてきた全ての機能を有しているため、各バスバー10自体の製造は、勿論、当該バスバー10を部品の一部として使用することによって、3相交流誘電モータを低コストで容易に製造し得るのである。
従って、この請求項7のバスバー10は、上記請求項1〜6に係る発明と同様な機能を発揮し得る他、3相交流誘電モータを低コストで容易に製造し得るものとなっているのである。
以上、説明した通り、本発明は、
「誘電モータを構成している複数のコイル20への電力供給、および/または各コイル20のアースを、まとめて行うためのバスバー10であって、
所定長さの導体材11に、3以上の奇数層となった重なり部分12aからなる折り畳み部12を複数形成して、これら各折り畳み部12の所定位置に、少なくとも各コイル20の端子21を電気的かつ直接的に固定し得るようにしたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、誘電モータの一部品である自身の製造を間単に行うことができるだけでなく、誘電モータの製造をも容易かつ低コストで行うことができるバスバー10を提供することができるのである。
また、本発明は、上記各折り畳み部12の所定位置に、少なくとも各コイル20の端子21を電気的かつ直接的に固定し得るようにしたものであるから、コイル20側の端子21の電気的接続を直接的に行うことができて、誘電モータの製造を容易かつ低コストで行うことができ、しかも、その電気的接続部分を常に安定したものとすることができて、断線や剥離の問題の発生を抑制することのできるバスバー10を提供することができるのである。
本発明に係るバスバー10を絶縁ホルダー14を介して誘電モータのハウジングに取り付ける様子を示す分解斜視図である。 図1中の1−1線に沿って見た絶縁ホルダー14及びそのホールド溝14a内に収納した各バスバー10の拡大断面図である。 同バスバー10をモールド樹脂15を介して誘電モータのハウジングに取り付ける様子を示す分解斜視図である。 図3中の2−2線に沿って見たモールド樹脂15及びその中に一体化した各バスバー10の拡大断面図である。 線材によって形成したバスバー10を示すもので、(a)はその部分拡大図、(b)は(a)のさらに部分拡大図である。 平材によって形成したバスバー10を示す斜視図である。 図6に示したバスバー10を別の方向から示すもので、(a)は部分拡大平面図、(b)は(a)のさらに部分拡大平面図である。 各折り畳み部12の他の実施例を示すバスバー10の部分拡大平面図である。 平材によって形成し、一部にねじり部13を形成したバスバー10を示す斜視図である。 バスバー10を形成するための導体材11の例を部分的に拡大して示す斜視図であり、(a)は単なる線材、(b)は平材、(c)は平角材を、それぞれ示すものである。 平材によって形成したバスバー10を絶縁チューブ16によって包み込んだ状態を示す斜視図である。 絶縁チューブ16で包み込んだバスバー10を直接誘電モータのハウジングに取り付ける様子を示す分解斜視図である。 特許文献1に示された3相交流誘電モータの概念図である。 特許文献1で採用されているバスバーの平面図である。 同特許文献1で採用されているバスバーの平面図である。 同特許文献1で採用されているバスバーの拡大縦断面図である。 特許文献2で採用されているバスバーの拡大縦断面図である。
図1には、本発明に係るバスバー10を、図2に示したようなホールド溝14aを有する絶縁ホルダー14に組み込んで、この絶縁ホルダー14を、誘電モータを構成するハウジングに取り付けようとしている様子が示してある。この図1に示した各コイル20は、それぞれの巻線の端部を端子21として、ハウジングの上方に突出させたものであり、これらの各端子21が、図2に示したように、各バスバー10に電気的かつ直接的に接続されるのである。図2中では、各バスバー10に接続されるべき端子21だけ、二点鎖線で示してある。
一方、図3には、本発明に係るバスバー10を、図4に示したようなモールド樹脂15内モールドして、このモールド樹脂15を、誘電モータを構成するハウジングに取り付けようとしている様子が示してある。この図3に示した各コイル20も、それぞれの巻線の端部を端子21として、ハウジングの上方に突出させたものであり、これらの各端子21が、図4に示したように、各バスバー10に電気的かつ直接的に接続されるのである。図4中でも、各バスバー10に接続されるべき端子21だけ、二点鎖線で示してある。
これら図1及び図3に示した誘電モータは、所謂「3相交流誘電モータ」であり、この誘電モータには、特許文献1の技術を説明する図13に示したように、各コイル20が、U相用、V相用、及びW相用として組み込まれるものである。そして、U相用、V相用、及びW相用の各コイル20、そして中性相は、それぞれのバスバーに電気的に接続されるものであり、これらの4種類のバスバーとして、本発明に係るバスバー10が採用されているものである。
なお、このような3相交流誘電モータでは、そのコイル20の使用数は様々であるが、当然のことながら、U相用、V相用、及びW相用としてそれぞれ必要であるから、3の倍数個用意されることは言うまでもない。
さて、本発明に係るバスバー10は、図5に示した実施例1と、図6〜図8に示した実施例2と、図9に示した実施例3と、図10及び図11に示した実施例4とがあり、これらのそれぞれについて、その特徴を説明していく。
図5に示した実施例1に係るバスバー10は、図10の(a)に示したような線材を導体材11として形成したものであり、この導体材11の途中に、コイル20やアースに電気的接続される折り畳み部12を所定数形成したものである。勿論、このバスバー10は、各折り畳み部12を形成した後に、円状に複数並んだコイル20の外形形状に合わせるため、全体が円環となるようにさらに曲げられるのであるが、両端部間は離される。
この実施例1に係るバスバー10では、その各折り畳み部12は、図5の(a)及び(b)に示したように、導体材11の一部にて折り返しを繰り返すことにより形成される複数の重なり部分12aからなるものである。各重なり部分12aは、導体材11を単に折り返すことにより形成される部分であるから、重なってはいるが互いに固着されてはいない。つまり、各折り畳み部12及びこれを有したバスバー10は、1本の長い絶縁被膜11aからその延びる方向に連続して形成されるものである。なお、導体材11が完全に折られている部分(導体材11が180°に曲がっている部分)は、弾性限界点または降伏点を越えた塑性変形を起こしている部分であるが、その他の部分は弾性変形している。
つまり、折り畳み部12を構成している各重なり部分12aにおいては、図5に示したものの場合、導体材11の長さ方向について、最初に往く重なり部分12a、次に戻る重なり部分12a、そして、最初に目指していた方向に再び往く重なり部分12aの3本が最低必要である。なお、その後、往く重なり部分12aと戻る重なり部分12aの2本をさらに追加して形成して実施することも可能である。
このため、図5の(b)に示したように、各重なり部分12aが重なり合って形成された折り畳み部12の両側に反対方向の力を加えれば、各重なり部分12aの塑性変形していない部分間で広がる部分ができ、この広がり部分は、コイル20の端子21を電気的かつ直接的に接続するための差込空間とし得るのである。一方、この広がり部分は、その広げている力を抜けば、金属である導体材11自体が有している弾性力によって、図5の(a)に示したように、弾性変形して元の状態に復帰する。
この折り畳み部12を構成している各重なり部分12aが弾性変形し得ることは、例えば車両から受けた振動を、コイル20の端子21が固着されていない重なり部分12aが吸収し、吸収した後には、原位置に直ちに復帰することを意味する。このため、当該バスバー10における各折り畳み部12自体が、コイル20の端子21等の電気的接続部分に断線や剥がれ等を発生しないようにする「振動吸収機能」を発揮することになる。
図5に示した実施例1に係るバスバー10では、各折り畳み部12を3層の重なり部分12aによって構成しているが、各重なり部分12aの層数は、図8に示したように、5層であってもよい。勿論、各折り畳み部12の収納場所が確保できたり、複数のバスバー10の各折り畳み部12が互いに絶縁され得るのであれば、各重なり部分12aの層数は7以上の奇数であってもよいものである。
このようなバスバー10を連続して形成するための導体材11としては、上述したように、図10の(a)に示した線材あるいは長い丸線材であるが、このような導体材11は、銅等の導電性に優れた金属の「裸材」であってもよいし、図10の(c)に示したような、絶縁被膜11aを被覆させたものであってもよい。導体材11として金属の裸材を採用してバスバー10としても、このバスバー10は、図1に示したように絶縁ホルダー14によって保持されるか、あるいは図3に示したようにモールド樹脂15によってモールドされるから、絶縁性に問題が生ずることはない。
一方、絶縁被膜11aを有する導体材11によって製造したバスバー10では、この絶縁被膜11aを有する導体材11は高価になり勝ちではあるものの、絶縁被膜11a自体が発揮する絶縁性と、絶縁ホルダー14またはモールド樹脂15の絶縁性との共同によって、当該バスバー10の製造時、組み付け時、誘電モータの完成時、及びこの誘電モータの使用時の各種場面において、絶大な効果を発揮することは言うまでもない。
図6〜図8には、本発明に係るバスバー10の実施例2が示してある。この実施例2の、実施例1と異なる点は、第1に、図10の(b)に示した平材、あるいは図10の(c)に示した平角材を導体材11として採用している点である。
この実施例2のバスバー10が、図10の(b)に示した平材、あるいは図10の(c)に示した平角材を導体材11として採用している結果、導体材11の途中に複数形成される各折り畳み部12の形態も異なってくることになる。なお、この場合の平材、あるいは平角材は、図10の(a)に示したような線材とは異なって、その厚さ方向には非常に曲げにくいというデメリットを有するものであるが、十分な面積を有していることから、直接的な電気的接続が行い易く、通電時のインピーダンスが線材より小さいというメリットを有しているものである。
このような平材あるいは平角材は、幅が厚さの2〜20倍であることが必要であるが、その理由は、幅が厚さの2倍より小さいと、線材に近くなって、平材としてのメリットが十分でなくなるからである。一方、このような平材あるいは平角材は、幅が厚さの20倍より大きいと、平板に近いものとなって、余分な部分の切り落としや折り畳み部12形成のための加工機械の大型化が必要になって、この場合も、平材としてのメリットが十分でなくなるからである。
このような平材または平角材である導体材11によってバスバー10の全体を形成するということは、バスバー10の幅方向への曲げ、つまり折り畳み部12の形成や円環状に形成することを容易にすることになる。特に、各折り畳み部12を構成している重なり部分12aは、当該導体材11の幅方向折線で折ることが容易であり、各折り畳み部12の形成を非常に安定して行えるのである。平材または平角材を、その長さ方向であって幅方向に折る場合、その幅方向折れ線は、幅方向に対して斜めになることはなく、自然に幅方向に平行な線、つまり長さ方向に直交する方向のものとなる。換言すれば、当該導体材11を折り畳むと、その際の折線は、当該導体材11の最も曲がり易い方向、つまり長さ方向に対して直交する方向に向くことになる。
以上のように、当該導体材11の幅方向折線、つまり長さ方向に対して直交する方向の折線で折った場合、折り畳み部12を構成している各重なり部分12aは、図6〜図8、及び図9に示したように、文字通り完全に重なり合う。換言すれば、当該バスバー10は、導体材11を幅方向折線で折って形成することにより、その幅方向の寸法は、元の導体材11のそれと殆ど変わらない、言わば幅狭いものとなる。
また、この実施例2に係るバスバー10の、実施例1のそれと異なる点の第2は、例えば図6に示したように、奇数層の重なり部分12aの少なくとも1つに、コイル20の端子21が差し込める差込空間12bを形成したことである。この差込空間12bは、図6中の矢印にて示したように、コイル20の端子21が差し込めるようにするものであるが、このような差込空間12bが存在していれば、折り畳み部12にコイル20の端子21を電気的に接続する際に、各折り畳み部12に図5の(b)に示すような広がり部分をわざわざ形成する必要はなく、接続作業をより簡単に行えるのである。
差込空間12bの形成は、例えば、折り畳み部12の各重なり部分12aを折曲形成する型の一部に、差込空間12bに該当する部分を形成しておくことによって簡単に行えるものであり、特に大型化した技術を採用しなくても行えるものである。図6及び図7に示した実施例の差込空間12bは、コイル20側の端子21が「平角線」である場合に、もっとも適したものとする形状にしたものであり、平角線の横断面形状に合わせた形状にしてある。
図9には、実施例3に係るバスバー10が示してあるが、このバスバー10の、上記実施例1及び2と異なる点は、各折り畳み部12の間にある導体材11に、少なくとも1つのねじり部13を形成したことである。
各ねじり部13のねじり角は適宜選定されるものであるが、このねじり部13は、各折り畳み部12の差込空間に対する端子21の差込を行い易くするために、差込空間の方向を変更するものであるから、180°以上でないことは当然である。勿論、各折り畳み部12の差込空間は両端で開口しているから、最大で90°あれば十分である。以上のことから、各ねじり部13のねじり角は、20°〜80°の範囲内で決定されることが多い。
このねじり部13を形成することによって、このねじり部13に隣接する一方の折り畳み部12が有した差込空間の開口方向が、このねじり部13に隣接する他方の折り畳み部12が有した差込空間のそれに対して、ねじった角度分だけ変化する。このように、1つのねじり部13に隣接する各折り畳み部12の差込空間の方向を変化させるのは、次のような場合に、コイル20の端子21の差込作業を容易に行えるようにするためである。
各コイル20の端子21は、図1及び図3に示したように、当該バスバー10に向けて引き出されるのであり、各端子21は、図5の(b)に示したような単なる空間であっても、図6等に示した積極的に形成した差込空間12bであっても、本発明に係るバスバー10の各折り畳み部12の差込空間に差し込まれた後、スポット溶接等で電気的接続がなされるものであるが、この差込空間の方向が、コイル20の各端子21の方向に合っていない場合がある。また、コイル20の端子21を構成している線材が、前述したような「平角線」のように、曲げ方向に限界があるものである場合もある。これらの場合に対応できるようにするために、1つの折り畳み部12が有している差込空間の方向と、他の折り畳み部12が有している差込空間の方向とを、ねじり部13を介して変えるようにしたのである。
図11及び図12には、実施例4に係るバスバー10が示してあるが、このバスバー10は、折り畳み部12を形成した導体材11を絶縁チューブ16内に挿入したものである。勿論、このバスバー10は、まず所定長さの導体材11を絶縁チューブ16内に挿入しておき、この導体材11の所定部分を、上述したのと同様にして絶縁チューブ16とともに折り畳み、折り畳み部12を形成するようにしてもよい。
絶縁チューブ16は、文字通り、絶縁性を有するものであり、かつ内部の導体材11を周囲の部品との絶縁性を確保しながら包み込むものである。勿論、この絶縁チューブ16は、熱等の物理的衝撃によって端子21挿入のための穴を形成することができるものであり、この穴からの端子21の折り畳み部12への挿入が容易に行えるものである。また、この絶縁チューブ16は、熱を掛けると縮むものであり、図11に示したように、折り畳み部12を形成した導体材11を、殆ど隙間なく包み込むことができ、端子21と折り畳み部12との外側からの電気的接続も容易にするものである。
なお、図11に示したように、端子21の接続のための穴や、端子21と折り畳み部12との電気的接続部分に対して、ポッティング樹脂16aによる封止がなされる。このポッティング樹脂16aによって、絶縁チューブ16内をほぼ完全な密閉状態に保持させることができるから、外気中の酸素や外からの湿気から内部を絶縁チューブ16自体とともに遮断することができ、導体材11への防錆効果を高めることができる。
このような絶縁チューブ16によって包み込んだ導体材11は、絶縁チューブ16によって周囲の部品に対する絶縁が確保されるから、上述した絶縁ホルダー14によって保持させる必要性、つまり絶縁ホルダー14自体が不要となるのである。このため、当該バスバー10と各端子21との接続を、図12に示したように直接的に行えるのであり、モータの組立作業をより容易にする。
勿論、この絶縁チューブ16は、周囲に対する絶縁だけでなく、外気中の酸素や湿気、水等のような、錆びの原因となるものから導体材11を保護してもいるから、当該バスバー10の耐久性も高めている。
本発明に係るバスバー10は、従来では別途形成していた「タブ」に代わる折り畳み部12を、導体材11自体を折り曲げることにより形成したものであるから、例えば種々な電気機器を同電位で電気的に接続する場合に、「母線」として適用できる。しかも、このバスバー10は、丸線材、平材、あるいは平角材からなる導体材11を連続的に折り曲げることにより形成できるから、設置空間が非常に小さく、しかも安価に提供できる。従って、誘電モータ用に限らず、他の分野、例えば、冷蔵庫や洗濯機等の電気製品製造分野において、利用できる可能性が十分ある。
10 バスバー
11 導体材
11a 絶縁被膜
12 折り畳み部
12a 重なり部分
12b 差込空間
13 ねじり部
14 絶縁ホルダー
14a ホールド溝
15 モールド樹脂
16 絶縁チューブ
16a ポッティング樹脂
20 コイル
21 端子

Claims (7)

  1. 誘電モータを構成している複数のコイル20への電力供給、および/または前記各コイル20のアースを、まとめて行うためのバスバー10であって、
    所定長さの導体材11に、3以上の奇数層となった重なり部分12aからなる折り畳み部12を複数形成して、これら各折り畳み部12の所定位置に、少なくとも前記各コイル20の端子21を電気的かつ直接的に固定し得るようにしたことを特徴とする誘電モータ用のバスバー10。
  2. 前記奇数層の重なり部分12aの少なくとも1つに、前記コイル20の端子21が差し込める差込空間12bを形成したことを特徴とする請求項1に記載の誘電モータ用のバスバー10。
  3. 前記各折り畳み部12の間にある前記導体材11に、少なくとも1つのねじり部13を形成して、このねじり部13に隣接する一方の前記折り畳み部12が有した前記差込空間12bの開口方向を、このねじり部13に隣接する他方の前記折り畳み部12が有した前記差込空間12bのそれに対して変化させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の誘電モータ用のバスバー10。
  4. 前記導体材11は、幅が厚さの2〜20倍の平材であって、前記各重なり部分12aは、当該平材の幅方向折線で折ったことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10。
  5. 導体材11は、表面に絶縁皮膜11aが形成された平角材であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10。
  6. 折り畳み部12を形成した導体材11を絶縁チューブ16内に挿入したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10。
  7. U相用バスバー、V相用バスバー、W相用バスバー、及び中性相用バスバーの4種類1組からなることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の誘電モータ用のバスバー10。
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