JP4294831B2 - 固定子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子に永久磁石を用いる電動機の固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図22に示すように、空気調和機等に搭載される圧縮機1に組み込まれる電動機1aは、回転軸2に一体的に取付けられる回転子3と、この回転子3とは狭小な間隙をもってその周囲に配置される固定子4とで構成されている。図23はこの固定子4の軸方向端面を示した平面図である。同図において、固定子鉄心5は筒状の継鉄部の内面を周方向に6等分した位置からそれぞれ径方向内側に突出する合計6個の磁極歯を備えている。これらの磁極歯を含む固定子鉄心5の軸方向端部に枠状の絶縁部材6が設けられている。この絶縁部材6の周方向の2箇所に、それぞれ3連の巻線端末受け部7a,7b,7c及び7d,7e,7fが形成されている。これらの巻線端末受け部7a〜7fは全て同一に形成され、例えば、巻線端末受け部7aは、図24(a),(b),(c)にその平面図及び断面図を示したように、径方向の巻線収容溝8と、この巻線収容溝8の途中に形成された端子装着孔9とを備えている。
【0003】
一方、固定子鉄心の各磁極歯には絶縁部材6を介して巻線10a〜10fが卷装され、巻線10aの巻始めの端末が巻線端末受け部7aの巻線収容溝8に収容され、巻線10bの巻終わりの端末が巻線端末受け部7bの巻線収容溝8に収容され、巻線10cの巻始めの端末が巻線端末受け部7cの巻線収容溝8に収容されている。同様に、巻線10dの巻終わりの端末が巻線端末受け部7dの巻線収容溝8に収容され、巻線10eの巻始めの端末が巻線端末受け部7eの巻線収容溝8に収容され、巻線10fの巻終わりの端末が巻線端末受け部7fの巻線収容溝8に収容されている。
【0004】
なお、巻線10aの巻終わりの端末は図示したとは反対側の端面にて巻線10dの巻始めの端末に接続され、巻線10eの巻終わりの端末は図示したとは反対側の端面にて巻線10bの巻始めの端末に接続され、巻線10cの巻終わりの端末は図示したとは反対側の端面にて巻線10fの巻始めの端末に接続されている。ここで、端子装着孔9にはそれぞれ図示を省略したU字状の溝を有する圧接形の接続端子が装着され、これらの接続端子を介して、巻線10a,10e及び10cの各巻始めの端末が三相電源に接続する口出線に接続され、巻線10b,10f,10dの各巻終わりの端末が中性点として共通接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の固定子4においては、巻線端末受け部7aは巻線10aの巻始めの位置から略1/4周離れ、巻線端末受け部7fもまた巻線10fの巻終わりの位置から略1/4周離れている。また、巻線端末受け部7cは巻線10cの巻始めの位置から略1/8周離れ、巻線端末受け部7dもまた巻線10dの巻終わりの位置から略1/8周離れている。このため、磁極歯に巻線を施すに当たり絶縁部材6の枠形の外周縁に沿って這わせる必要があり、これに応じて巻線機の構成が複雑になると同時に、線の引き回しに時間を要するという解決すべき課題があった。
【0006】
また、巻線端末受け部7eのように、巻線収容溝8から絶縁部材6の内周面に引き込み、直近の磁極歯に巻線を施すとこの巻線の中間部又は終端部が絶縁部材6の内周面に引き込まれた巻線の始端部と接触し、絶縁不良を起こす虞れがあった。
【0007】
さらに、巻線収容溝8の幅の等しい絶縁部材6に、線径の異なる導線を用いた場合、導線が納まらなかったり、脱落したりする虞れもあった。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は巻線機の構成の簡易化を図ることが可能な固定子を提供するにある。
【0009】
他の目的は、巻線の始端部と中間部又は終端部との確実な絶縁を図ることのできる固定子を提供するにある。
【0010】
さらに、他の目的はある程度、線径の異なる導線でもその収容及び確実な保持を可能にする固定子を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、
筒状の継鉄部の内面から径方向内側に複数の磁極歯が突出する固定子鉄心と、前記磁極歯を含む前記固定子鉄心の軸方向端部に設けられ、外側端面に巻線収容溝が形成された絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記磁極歯に卷装され、端末が前記巻線収容溝に収容されてなる巻線とを備えた固定子において、
前記巻線の巻始め及び巻終わりにそれぞれ対応させて前記巻線収容溝の全てを前記固定子鉄心の軸心を中心とする同一円周上に分散配置すると共に、前記中心から径方向外側に向けて形成し、
前記巻線の巻始めの端末を収容する前記巻線収容溝が形成される部位の前記絶縁部材の内周面に、前記巻線収容溝の両側からそれぞれ径方向内側に突出し軸方向内側に伸長する突出部を設けた
ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の固定子において、同時巻線を行うノズル数で円周を等分した位置に、巻線の巻始めの端末を収容する巻線収容溝を形成すると共に、巻線の巻終わりの端末を収容する巻線収容溝を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の固定子において、巻線の巻始めの端末を収容する巻線収容溝を、継鉄部から突出する磁極歯の基部の一方の角部の近傍に設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固定子において、巻線の巻終わりの端末を収容する巻線収容溝を、磁極歯に巻終わる巻線の周方向の一方の外径端の近傍に形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の固定子において、巻線の巻始めの端末部は、巻線収容溝から径方向内側に引き込まれる部位が一対の突出部間に略直角に折り曲げられたことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の固定子において、巻線収容溝の内側面に、巻線の端末を溝の底部に保持する弾力性の突起を設けたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る固定子の一実施形態の構成を示す軸方向端の平面図である。図中、従来装置を示す図23と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。ここで、固定子4Aは固定子鉄心5の筒状の継鉄部の内面に6個の磁極歯が突出して形成され、この磁極歯を含む固定子鉄心5の軸方向端面に絶縁部材6が設けられている。これらの磁極歯にはそれぞれ巻線10a〜10fが巻装されている。そして、絶縁部材6には、巻線10a〜10fに対応してそれぞれの近傍に巻線端末受け部7a〜7fが設けられている。
【0018】
これらの巻線端末受け部7a〜7fのうち、巻線端末受け部7a,7c,7eは固定子鉄心5の中心からみて周方向を3等分した位置に設けられ、巻線端末受け部7b,7d,7fもまた固定子鉄心5の中心からみて周方向を3等分した位置に設けられている。これは図示を省略した巻線機が周方向を3等分した位置にそれぞれ巻線ノズルを有し、これらの巻線ノズルを駆動して、最初に巻線10a,10c,10eを巻装し、次に巻線ノズルを周方向に180度回転させて巻線10d,10f,10bを巻装することを前提として、巻線端末受け部7a〜7fを配置したものである。また、巻線収容溝を全て中心から径方向外側に向けて形成することにより、各巻線の端末は放射状に収容されることになる。
【0019】
図2は巻線10a〜10fの巻始め及び巻終わりに関連付けて、巻線端末受け部7a〜7fの詳細な配置を示した部分拡大平面図であり、特に、巻始めの端末を収容する巻線端末受け部7eと、巻終わりの端末を収容する巻線端末受け部7dとを示している。ここで、固定子鉄心5は、前述したように、筒状の継鉄部5aの内側に磁極歯5bが突出して形成され、絶縁部材6の磁極歯5bにそれぞれ被せられる部分は破線で示した外形形状を有している。巻線10e,10dは磁極歯5bに絶縁部材6を介して巻装されるが、このとき、周方向に重ねて巻かれるために巻始めの位置は磁極歯5bの基部と継鉄部5aとの角部となり、巻終わりの位置は磁極歯5bから巻線の厚み分だけ周方向に離れた位置、すなわち、巻線の外径端となる。そこで、この実施形態は巻線の巻始めの端末を収容する巻線端末受け部7eを継鉄部5aから突出する磁極歯5bの一方の角部の近傍に設け、巻終わりの端末を収容する巻線端末受け部7dを磁極歯5bに巻終わる巻線の周方向の一方の外径端の近傍に設けている。
【0020】
このように、巻線10a〜10fの巻始め及び巻終わりにそれぞれ対応させて巻線端末受け部7a〜7fを固定子鉄心5の軸心を中心とする同一円周上に分散配置すると共に、巻線収容溝を中心から径方向外側に向けて形成することによって、複数のノズルを有する巻線機の構成を簡易化することができる。
【0021】
図3はそれぞれ同一に形成される巻線の巻初めの端末に対応する巻線端末受け部7a,7c,7eのうち、特に、巻線端末受け部7aの詳細な構成を示したもので、(a)は巻線10aの端末を収容した平面図、(b)は巻線10aの端末を除去して一点鎖線で示したA−A矢視断面図である。この巻線端末受け部7aは巻線収容溝8の径方向の途中に矩形の端子装着孔9が溝の両側に跨がって形成されている。巻線10aの端末11aはその末端が巻線端末受け部7aの外周面から突出し、巻線収容溝8を通して巻線端末受け部7aの内周側に引き込まれた部分は内周面に沿って軸方向内側に折り曲げられて巻装される。この内周面に沿って折り曲げられた部分の両側にはそれぞれ径方向内側に突出し、軸方向内側に伸長する突出部12が設けられている。この突出部12の高さは巻線10aの線径よりも高くなっていることが好ましいが、線径と同程度であっても、あるいは線径よりも僅かに低くとも絶縁性能を向上させることができる。
【0022】
この絶縁性能の向上について、図4(a),(b),(c)を参照して説明する。すなわち、巻線10aの巻始めの端末11aは図4(a)に示すように巻線端末受け部7aの巻線収容溝から内部に導入され、続いて、軸方向内側に向けて折り曲げられ、さらに、折り曲げ部位の側方に巻線10aが巻装される。この場合、巻線として被覆絶縁線が用いられるが、磁極歯に対する巻線10aの巻始めに近い部分や中間の部分、あるいは巻終わりに近い部分が、軸方向内側に折り曲げられた部分と接触し、場合によっては絶縁被覆が破れて短絡する虞れがある。
突出部12は上述した巻線どうしの接触を回避したり、あるいは、電圧差が少ない巻線どおしの接触圧を低くしたりする機能を有する。図4(b)は絶縁性能をより確実にするために、整形冶具13を用いて巻始めの端末11aを巻線端末受け部7aの内周面のより深い位置まで沿わせたもので、その結果、図4(c)に示すように、突出部12間に折り曲げられた巻始めの端末11aと巻線10aとを非接触とすることができ、絶縁性能を確実に向上させることができる。
【0023】
ところで、上述した固定子に用いる絶縁部材6の巻線端末受け部7a〜7fは端子装着孔9に装着される端子の共通化を図るために、巻線収容溝8も同一の寸法に形成されたまま、線径を変えて巻線する場合がある。このとき、巻線収容溝8の幅を一定とすれば、当然のことながら線径の大きい導線は巻線収容溝8に納まらず、逆に線径の小さい導線は巻線収容溝8から飛び出す虞れがある。
【0024】
図5はその対策として、線径の異なる導線でもその収納を可能にすると共に、線径の小さい導線でも確実に保持する巻線端末受け部の詳細な構成を示す平面図で、巻線収容溝8の側面に先端を鋭角に尖らせて実質的に弾力性を持たせた突起14を設けたものである。ここで、図5(a)は端子装着孔9から見て径方向内側及び外側の両側面に突起14を設け、この突起14間に線径の大きい導線を稍強く押し込み、線径の小さい導線を比較的弱く押しこんで巻線を突起14の一部に食い込ませ、これによって端末を巻線収容溝8の底部に保持することができる。
【0025】
なお、図5(b)は図5(a)に示したB部の変形例であり、巻線収容溝8の両側面に形成される一対の突起14を溝の延伸方向にその位置を僅かに異ならせたものであり、これによって導線の曲がりを利用して確実に保持することができる。図5(c)は図5(a)に示したB部の他の変形例であり、巻線収容溝8の一方の側面のみに突起14を設けたもので、(a)または(b)に示したものと比較して保持可能な線径の範囲が限定されるけれども、導線を巻線収容溝8の底部に保持できる効果が得られる。
【0026】
次に、上述した固定子4Aの端面に配置して本発明の電動機を構成する端子板について説明する。先ず、巻線端末受け部7a〜7fの端子装着孔9には、図6に示すように、接続部材15aと接続部材15bとが一体的に形成された圧接端子15のうち、接続部材15aが装着される。接続部材15a,15bには互いに十文字に交差するU字状の溝15c,15dがそれぞれの端部から中央に向けて形成されている。これらU字状の溝15c,15dは端部から奥に向かって幅が次第に狭くなり、巻線収容溝8に、例えば、巻始めの端末11aが収容された状態で接続部材15aを端子装着孔9に挿入すると、U字状の溝15cが巻線の絶縁被覆を削り、圧接端子15と巻始めの端末11aとが電気的に接続される。また、U字状の溝15dには後述する口出線22が挿入され、同様にして圧接端子15と電気的に接続される。
【0027】
図7は図6に示した圧接端子15を絶縁部材6の巻線端末受け部7aの端子装着孔9に装着した状態を示している。ここで、接続部材15bに形成されるU字状の溝15dは周方向に配置された口出線が挿入される。
【0028】
次に、端子板20は図8に示すように固定子鉄心5Aの端面に収まるように円環状に形成されており、口出線を固定子4Aの周方向に引き回すように案内する案内溝21が設けられる。案内溝21の幅は口出線配線の直径より僅かに広く形成される。この案内溝21の深さは、口出線が2本以上重ねて収まるように配線径の2倍以上とし、図9に示すように、口出線22を案内溝21に押し込みながら引き回す。また、端子板20には案内溝21に沿って圧接端子15を収容するための口出線受け部23a〜23fが端子板20の外周側に設けられている。この口出線受け部23a〜23fは、端子板20を固定子鉄心5の端面に装着する際、絶縁部材6の巻線端末受け部7a〜7fに対向する位置に設けられている。
【0029】
そして、図9に示すように、口出線受け部23a〜23の各口出線を絶縁部材6の巻線端末受け部7a,7b,7cの端子装着孔9に装着された圧接端子15のU字状の溝15dに挿入することによって、対向する磁極歯に卷装された巻線が直列接続され、かつ、直列接続巻線が星形結線される周知の接続が行われ、端子板20の図面に示す裏面から口出線の撚り線24が導出されてコネクタ25に接続される。図10は端子板20を図1に示した固定子4Aに装着した電動機の端面を示す平面図である。
【0030】
ところで、図8に示した端子板20は口出線22を案内溝21に収容する際、口出線受け部23a,23b,23fから口出線22の終端部が周方向に突出する側が袋状になっている。このため、口出線の長さが長くなると袋状の部分からはみ出した終端部を切断しなければならず、作業性が低下することとなる。
【0031】
図11は端子板の他の実施形態の構成を示す平面図であり、図12はそのC部の拡大平面図である。図中図8と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この端子板20Aは、口出線受け部23a,23b,23fから口出線の終端部が周方向に突出する側に、配線引き回し用の案内溝21とは独立に外周面に開放端を持つように延伸する開放溝26を形成したものである。このような開放溝26を形成することによって、口出線が多少長くなったとしても、その収容に支障がなくなる。
【0032】
図13は端子板のもう一つ他の実施形態の構成を示す平面図であり、図12と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。ここに示した端子板20Bは、例えば、口出線受け部23fから口出線の終端部が周方向に突出する外周面に、開放溝26と略直交する側面Fを有する突起部27を設けると共に、口出線受け部23fの口出線の入側及び口出線を引き回す案内溝21の途中に、それぞれ溝の両側面に突起を有する口出線保持機構28を設けた点が図12と構成を異にしている。
【0033】
ここで、突起部27は口出線22の終端部を積極的に延出させ、余分な部分を図14に示すように切断工具としてのニッパによって切断するようにしたもので、このとき、ニッパの刃を当てて切断を容易にするために、開放溝26と略直交する側面Fを形成している。この結果、口出線の長さが異なるものであっても、それぞれを長目に形成すれば終端を側面Fに揃えることができる。
【0034】
一方、口出線保持機構28は図15(a)にその拡大平面図を、同図(b)にその縦断面図を示すように、溝の両側に一定の長さだけ突出する突起を設け、端子板20B自体の弾性を利用して突起の内部に口出線22を押し込み、これによって、案内溝21や口出線受け部23a,23b,23fから口出線が飛び出すことを防止することができる。
【0035】
図16は端子板のさらに他の実施形態の構成を示す平面図であり、図中、図13と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施形態は口出線受け部23fの口出線の終端側だけでなく、口出線の入側にも口出線保持機構28を設けたもので、これによって、口出線受け部23fからの口出線の飛び出しを確実に防止することができる。なお、口出線受け部23fだけでなく、口出線受け部23a,23bの各口出線の入側にも同様な口出線保持機構28が設けられる。
【0036】
かくして、図1乃至図5を用いて説明した固定子に、図6及び図7を用いて説明した圧接端子15を装着し、さらに、図8乃至図15を用いて説明した端子板20,20A,20B,20Cのいずれか一つを装着することによって、巻線機の構成の簡易化を図ることができ、また、巻線の始端部と中間部又は終端部と絶縁を確実にし、さらに、口出線の飛び出しを防止することのできる電動機を提供することができる。
【0037】
ところで、上述した電動機の回転子として永久磁石を用いる場合、固定子の磁極歯に集中的に巻装した巻線10a〜10fを適宜に選択して比較的大きな直流電流を流し、例えば4極でなる回転子磁極の着磁が行われる。このとき、隣接する磁極歯に巻装された外周部の巻線が相互に吸引する電磁力が作用して、巻線形状を変形させると共に、緩めることがあった。図17は本願と同一の出願人により特願平11−25124号として出願された圧縮機用電動機を軸方向から見た平面図である。この圧縮機用電動機は、磁極歯に巻装される巻線の端末をそのまま長く導出し、導出した部分を口出線とすると共に、その撚り線24をコネクタ25に接続したものであるが、回転子磁極の着磁に際して相互に吸引力が作用する巻線10bと10c間、巻線10cと10d間、巻線10eと10f間、巻線10fと10a間にそれぞれ着磁時の電磁力による巻線の変形を防ぐ絶縁性のスペーサ41を挿入している。
【0038】
この図17に示した固定子は巻線の端末を長く導出してそのまま口出線としているため、スペーサ41を着磁時等に随時挿入できるが、上述した端子板20,20A〜20Cにあっては巻線10a〜10fの間隙を部分的に塞ぐため、これらの端子板を装着した後でのスペーサ41の挿入が難しく、その大きさにも制限を受けることになる。
【0039】
図18はこの課題に対処する端子板の他の構成例であり、端子板20Dは、前述したスペーサ41の挿入箇所に、予めこのスペーサ41を挿通させる凹状溝42を形成したものである。図19はこの端子板20Dを装着した圧縮機電動機の軸方向から見た平面図であり、端子板20Dに形成した凹状溝42にスペーサ41を随時に挿脱できる効果がある。
【0040】
一方、端子板20,20A〜20Cを装着してなる上記電動機を圧縮機用電動機に適用した場合、これらの端子板が巻線10a〜10fの間隙を部分的に塞ぐため、これらの間隙を通ってきた圧縮ガスの流れが乱される。この結果、圧縮ガス中に含まれる潤滑油の分離ができ難くなり、圧縮ガスとともに吐出される油の量(吐油量)が多くなる。このため、油不足による機械部の故障や、油による熱交換性能の悪化により機器の効率が低下する。
【0041】
図20はこの課題に対処する端子板のさらに他の構成例であり、端子板20Eは、巻線10a〜10fの各間隙に対応する端子板20Eの内周部に、少なくとも巻線10a〜10fの各隙間よりも幅が広く、かつ、径方向外側に拡がった凹状部43を設けたものである。図21はこの端子板20Eを装着した圧縮機電動機の軸方向から見た平面図であり、端子板20Dに形成した凹状部43が巻線10a〜10fの各間隙に対応しており、しかも、間隙の全てを見通す形状であるため、圧縮ガスの流れが妨げられることがなく、これによって、圧縮機の吐油量の減少による機械部の故障原因を除去し、また、熱交換性能を向上させると共に、機器の効率を高めることができる。
【0042】
なお、図18に示した端子板20Dに形成される凹状溝42はスペーサ41を通過させるものであり、図20に示した端子板20Eの凹状部43は圧縮ガスの乱れを防止するものであるが、これらの凹状部43は巻線の隙間よりも実際に大きく形成されるため、スペーサ41を挿入する凹状溝42の機能をも併せ備えることになる。
【0043】
なお、上述した端子板20D及び20Eは、特願平11−25124号として提案した固定子を持つ電動機にその適用を限定されるものではなく、図1及び図2に示したように、巻線の巻始め及び巻終わりにそれぞれ対応させて巻線端末受け部7a〜7fを固定子鉄心5の軸心を中心とする同一円周上に分散配置すると共に、巻線収容溝8を中心から径方向外側に向けて形成した固定子と、図11乃至図16に示すように、周方向溝のうち、口出線が終端する側が、他とは独立に外周面に開放端を持つように延伸して形成された端子板20,20A〜20Cとを用いる電動機に適用することによって、巻線機の構成の簡易化を図ることが可能で、巻線の始端部と中間部又は終端部との確実な絶縁を図ることができ、さらに、ある程度、線径の異なる導線でもその収容及び確実な保持を可能にすると言う効果をも併せ備えた圧縮機用電動機を提供することができる。
【0044】
なおまた、上記実施形態は固定子の磁極歯が6個で、回転子磁極が4個のものについて説明したが、本発明はこれに適用を限定されるものではなく、これらの磁極数が異なる固定子、電動機及び圧縮機用電動機にも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明によって明らかなように、本発明によれば、巻線機の構成の簡易化を図ることが可能な固定子が得られる。
【0046】
また、巻線の始端部と中間部又は終端部との確実な絶縁を図ることのできる固定子を提供することができる。
【0047】
さらに、ある程度、線径の異なる導線でもその収容及び確実な保持を可能にする電動機の固定子とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る固定子の一実施形態の構成を示す軸方向端の平面図。
【図2】 巻線の巻始め及び巻終わりに関連付けて、巻線端末受け部の詳細な配置を示した部分拡大平面図。
【図3】 巻線の巻初めの端末に対応する巻線端末受け部の詳細な構成を示す平面図及び断面図。
【図4】 巻線の巻始めの巻線端末受け部の詳細な構成及び絶縁性能を説明するための断面図。
【図5】 線径の異なる導線でもその収納を可能にすると共に、線径の小さい導線でも確実に保持する巻線端末受け部の詳細な構成を示す平面図。
【図6】 巻線端末受け部の端子装着孔に装着される圧接端子の斜視図。
【図7】 圧接端子の絶縁部材に対する装着状態を示す斜視図。
【図8】 本発明を適用した電動機を構成する端子板の一つの実施形態の構成を示す斜視図。
【図9】 図8に示した端子板に口出線を装着した斜視図。
【図10】 図8に示した端子板を固定子に装着した電動機の軸方向の平面図。
【図11】 端子板の他の実施形態の構成を示す平面図。
【図12】 図11に示した端子板の一部を拡大して示した平面図。
【図13】 図11に示した端子板の一部を変形して示した部分平面図。
【図14】 図13に示した端子板に口出線を挿入した場合の終端処理の説明図。
【図15】 図13に示した端子板の口出線保持機構の詳細な構成を示す平面図及び断面図。
【図16】 図11に示した端子板の一部を変形して示した部分平面図。
【図17】 先行技術としての固定子の軸方向から見た平面図。
【図18】 本発明を適用した圧縮機電動機を構成する端子板の構成例を示す平面図。
【図19】 図18に示した端子板を装着した圧縮機電動機の軸方向から見た平面図。
【図20】 本発明を適用した圧縮機電動機を構成する端子板の他の構成例を示す平面図。
【図21】 図20に示した端子板を装着した圧縮機電動機の軸方向から見た平面図。
【図22】 本発明を適用した圧縮機電動機を適用する圧縮機の断面図。
【図23】 従来の固定子を軸方向から見た平面図。
【図24】 図23に示す巻線端末受け部の詳細な構成を示す平面図及び断面図。
【符号の説明】
4A 固定子
5 固定子鉄心
6 絶縁部材
7a〜7f 巻線端末受け部
8 巻線収容溝
9 端子装着孔
10a〜10f 巻線
11a 巻始めの端末
12 突出部
14 突起
15 圧接端子
20,20A〜20E 端子板
21 案内溝
22 口出線
23a〜23f 口出線受け部
24 撚り線
25 コネクタ
26 開放溝
27 突起部
28 口出線保持機構
41 スペーサ
42 凹状溝
43 凹状部

Claims (6)

  1. 筒状の継鉄部の内面から径方向内側に複数の磁極歯が突出する固定子鉄心と、前記磁極歯を含む前記固定子鉄心の軸方向端部に設けられ、外側端面に巻線収容溝が形成された絶縁部材と、前記絶縁部材を介して前記磁極歯に卷装され、端末が前記巻線収容溝に収容されてなる巻線とを備えた固定子において、
    前記巻線の巻始め及び巻終わりにそれぞれ対応させて前記巻線収容溝の全てを前記固定子鉄心の軸心を中心とする同一円周上に分散配置すると共に、前記中心から径方向外側に向けて形成し、
    前記巻線の巻始めの端末を収容する前記巻線収容溝が形成される部位の前記絶縁部材の内周面に、前記巻線収容溝の両側からそれぞれ径方向内側に突出し軸方向内側に伸長する突出部を設けたことを特徴とする固定子。
  2. 同時巻線を行うノズル数で円周を等分した位置に、前記巻線の巻始めの端末を収容する前記巻線収容溝を形成すると共に、前記巻線の巻終わりの端末を収容する前記巻線収容溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の固定子。
  3. 前記巻線の巻始めの端末を収容する前記巻線収容溝を、前記継鉄部から突出する前記磁極歯の基部の一方の角部の近傍に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定子。
  4. 前記巻線の巻終わりの端末を収容する前記巻線収容溝を、前記磁極歯に巻終わる巻線の周方向の一方の外径端の近傍に形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の固定子。
  5. 前記巻線の巻始めの端末部は、前記巻線収容溝から径方向内側に引き込まれる部位が前記一対の突出部間に略直角に折り曲げられたことを特徴とする請求項1に記載の固定子。
  6. 前記巻線収容溝の内側面に、前記巻線の端末を溝の底部に保持する弾力性の突起を設けたことを特徴とする請求項1乃至56のいずれか1項に記載の固定子。
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