JPWO2013100157A1 - 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ガラス素板をキャリアに保持し、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置で前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、前記主表面の研磨を行う前に、前記ガラス素板の前記キャリアと接触する外周端部に位置する側壁面に前記遊離砥粒が付着することを防止する付着防止層を形成する工程と、を含む。この方法で製造される磁気ディスク用ガラス基板を用いた磁気ディスクは、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を起こし難い。

Description

本発明は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置が内蔵されている。このハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッド(DFH(Dynamic Flying Height)ヘッド)で磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板には、ガラス基板が他の金属基板等に比べて塑性変形をしにくい性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられる。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気ディスクには磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリアの微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。しかも、記憶容量の一層の増大化のために、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することも行われている。このような磁気ディスクの基板においては、磁性層の磁化方向が基板面に対して略垂直方向に向くように、磁性層が平滑に形成される。このために、ガラス基板の表面粗さは可能な限り小さく作製されている。
また、磁気ヘッドの浮上距離が短いことによりヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を引き起こし易い。これらの不具合は磁気ディスクの主表面上の局部的な微小な凹凸の他に微細なパーティクル等の欠陥によっても発生するため、磁気ディスクの主表面の他に磁気ディスクの内周及び外周に沿った端面にある欠陥も可能な限り小さく作製されている。
磁気ディスク用ガラス基板を作製する工程には、プレス成形後に平板状となった板状ガラス素板の主表面に対して固定砥粒による研削を行う研削工程と、この研削工程によって主表面に残留したキズ、歪みの除去を目的として主表面の研磨工程が含まれる。
従来、上記主表面の研磨工程においては、研磨剤として酸化セリウム(二酸化セリウム)砥粒を用いる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法が知られている(特許文献1)。
当該方法では、研削工程後、ガラス素板の端面研磨、酸化セリウムを遊離砥粒として用いた主表面の研磨(第1研磨)が行われ、この後、ガラス素板に化学強化が行われる。
特開2008−254166号公報
一方、希少金属で比較的入手困難な酸化セリウムの研磨剤の代替として、比較的入手が容易で、ガラス製品において研磨剤として従来から知られているジルコニア(二酸化ジルコニウム)を用いることが考えられる。
しかし、上記ジルコニアをガラス素板の遊離砥粒の研磨剤として用いて作製したガラス基板に磁気層を成膜して磁気ディスクを作製した場合、セリウム、あるいはシリカを研磨剤として用いて作製したガラス基板に比べて、磁気ヘッドを用いた長時間のLUL試験において、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を起こすことが相対的に多くなることがわかった。すなわち、上記不具合の問題は、DFHヘッドによって磁気ヘッドの浮上距離が極めて短くなり、ガラス基板に対して主表面の高い表面精度が求められる状況下、酸化セリウムやシリカでは生じず、ジルコニアを用いることによりはじめて生じた。また、酸化セリウムやシリカを研磨剤として用いたとき、ガラス基板に固着した酸化セリウムやシリカの微粒子の問題が生じたとしても、酸化セリウムやシリカの微粒子を洗浄する方法があり、対応可能であった。
そこで、本発明は、遊離砥粒の研磨剤を用いて研磨を行って磁気ディスク用ガラス基板を製造するとき、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を起こし難い磁気ディスク用ガラス基板を製造することができる磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、酸化セリウム砥粒やシリカ砥粒では生じず、ジルコニア砥粒で生じた上記不具合の問題について検討を行った。すなわち、ジルコニア砥粒を遊離砥粒の研磨剤として用いて研磨を行って製造された磁気ディスク用ガラス基板が、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を起こす原因を究明するために鋭意検討した。その結果、ガラス基板の主表面には、鏡面仕上げの研磨後、主表面が十分に洗浄されて粒子等が取り除かれても、磁性層の成膜時、主表面にジルコニア粒子が固着している場合があることがわかった。この場合、ジルコニア粒子の上方に磁性層が積層されて磁性層の表面に微小凹凸が形成される。そして、この微小凹凸がヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の原因となる。さらに、ガラス基板の主表面に固着したジルコニア粒子は、研磨に用いたジルコニア砥粒の一部分であって、ガラス基板の製造途中のガラス素板の外周端部に位置する側壁面に固着したものであることもわかった。特に、ジルコニアは、セリウムやシリカに比べてモース硬度が高いことから、ガラス基板の側壁面の微小なクラックや凹部にジルコニアが突き刺さり側壁面に固着し易いことがわかった。
そこで、本願発明者らは、下記記載の態様の発明を想到するに至った。
本発明の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、
ガラス素板をキャリアに保持し、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置で前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、
前記主表面の研磨を行う前に、前記ガラス素板であって、前記キャリアと接触する外周端部に位置する側壁面に前記遊離砥粒が固着することを防止する固着防止層を備えたガラス素板を準備する工程と、を含む。
前記固着防止層は、前記主表面の研磨後、研磨により除去することもできる。
また、本発明の他の一態様も、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、少なくとも、ガラス素板の外周端部に位置する側壁面に対して化学強化を行う工程と、前記化学強化を行った前記ガラス素板をキャリアに保持し、ジルコニア砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置で前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、を含む。
ここで、前記ガラス素板は、ディスク形状であり、前記研磨を行うとき、前記ガラス素板を前記キャリアの保持孔で保持した状態で、前記ガラス素板の一対の主表面を研磨パッドで挟み、前記ガラス素板と前記研磨パッドとの間に前記ジルコニア砥粒を含む研磨液を供給して、前記研磨パッドと前記ガラス素板を相対的に移動させることにより、前記ガラス素板の前記主表面を研磨し、 前記化学強化により、前記ガラス素板の前記側壁面に圧縮応力層を形成する、ことが好ましい。
前記化学強化後の前記ガラス素板の破壊靱性値K1cが、ビッカース硬度計による計測で0.7[MPa/m1/2]以上となるように化学強化の処理条件が調整される、ことが好ましい。
また、前記ガラス素板の主表面の研磨を行う前の前記ガラス素板の前記側壁面の算術平均粗さRaは1μm以下である、ことが好ましい。
前記ガラス素板の主表面の研磨を行う前の前記ガラス素板の前記側壁面に端面研磨が行われることで、前記側壁面の算術平均粗さRaを1μm以下とする、ことが好ましい。
前記ジルコニア砥粒の平均粒子径は、0.1〜2μmである、ことが好ましい。
また、前記キャリアの前記ガラス素板を保持する保持孔と前記ガラス素板との間には、2.1mm以下の最大隙間を有する、ことが好ましい。
前記化学強化は、前記ガラス素板の前記側壁面および一対の主表面を含む全面に対して強化を行うものであり、さらに、前記ガラス素板を化学強化する工程後、前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程前に、前記化学強化により前記ガラス素板の前記主表面に形成された圧縮層の研削を行う工程を有する、ことが好ましい。
また、前記キャリアにおける前記ガラス素板と接触する部分の算術平均粗さRaが5μm以下である、ことが好ましい。
上述の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、遊離砥粒の研磨剤を用いて研磨を行って磁気ディスク用ガラス基板を製造するとき、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合が起き難い磁気ディスク用ガラス基板を作製することができる。
(a)〜(c)は、本発明の磁気ディスク用ガラス基板を用いて作製される磁気ディスクを説明する図である。 本実施形態のガラス基板の製造方法のフローの一例を示す図である。 (a)は、本実施形態の第1研磨工程で使用される研磨装置の概略断面図であり、(b)は、(a)中のX−X線に沿ったキャリアの断面図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
図1(a)〜(c)は、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板(以降、単にガラス基板という)を用いて作製される磁気ディスクを説明する図である。
本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ガラス素板をキャリアに保持し、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置でガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、この主表面の研磨を行う前に、ガラス素板であって、キャリアと接触する外周端部に位置する側壁面に遊離砥粒が固着することを防止する固着防止層を備えたガラス素板を準備する工程と、を含む。ここで固着防止層は、化学強化によりガラス素板の表面に圧縮層を形成することに得られる。あるいは、ガラス素板の側壁面に別途固着防止層を設けることにより得られる。
以下説明する実施形態では、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒としてジルコニアを例として挙げて説明する。また、側壁面に遊離砥粒が固着することを防止する固着防止層として、ガラス素板を化学強化することにより、側壁面に形成される圧縮層(圧縮応力層)を例として挙げて説明する。
(磁気ディスクおよび磁気ディスク用ガラス基板)
図1(a)に示す、ハードディスク装置に用いる磁気ディスク1は、円環状の磁気ディスク用ガラス基板(以降、ガラス基板という)2の主表面に、図1(b)に示すように少なくとも磁性層(垂直磁気記録層)等を含む層3A,3Bを成膜している。より具体的には、層3A,3Bには、例えばガラス基板の主表面上に、主表面に近いほうから順に、少なくとも付着層、下地層、磁性層(磁気記録層)、保護層、潤滑層が積層された構成になっている。
例えばガラス基板2を、真空引きを行った成膜装置内に導入し、DCマグネトロンスパッタリング法にてAr雰囲気中で、ガラス基板の主表面上に付着層から磁性層まで順次成膜する。付着層としては例えばCrTi、下地層としては例えばCrRuを用いることができる。さらに、例えばCoTaZr/Ru/CoTaZrの軟磁性層、CoCrSiO2の非磁性グラニュラー下地層、CoCrPt−SiO2・TiO2のグラニュラー磁性層
等が形成される。上記成膜後、例えばCVD法によりCを用いて保護層を成膜し、同一チャンバ内で、表面に窒素を導入する窒化処理を行うことにより、磁気記録媒体を形成することができる。その後、例えばPFPE(ポリフルオロポリエーテル)をディップコート法により保護層上に塗布することにより、潤滑層が形成される。
磁気ディスク1は、図1(c)に示すように、ハードディスク装置の磁気ヘッド4A,4Bのそれぞれが、磁気ディスク1の高速回転、例えば7200rpmの回転に伴って磁気ディスク1の表面から10nm以下、例えば5nm浮上する。すなわち、図1(c)中の距離Hが10nm以下、例えば5nmである。この状態で、磁気ヘッド4A,4Bは、磁性層に情報を記録し、あるいは読み出しを行う。この磁気ヘッド4A,4Bの浮上によって、磁気ディスク1に対して摺動することなく、しかも近距離で磁性層に対して記録あるいは読み出しを行うので、磁気記録情報エリアの微細化と磁気記録の高密度化を実現する。
このとき、磁気ディスク1のガラス基板2の中央部から外周エッジ部5まで、距離Hを10nm以下、より好ましくは5nm以下に保った状態で磁気ヘッド4A,4Bを正確に動作させることができる。
このような磁気ディスク1に用いるガラス基板2は、後述する工程を経て得られるが、ガラス基板2の主表面の表面凹凸を定める算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001)は0.15nm以下、例えば0.03〜0.15nmであることが、距離Hを10nm以下に保って磁気ヘッド4A,4Bを正確に動作させる上で好ましい。また、距離Hを5nm以下に保って磁気ヘッド4A,4Bを正確に動作させるためには、ガラス基板2の主表面の算術平均粗さRaは0.1nm以下であること好ましい。なお、算術平均粗さRaは、ガラス基板2の表面の1μm×1μmの計測エリアを、原子間力顕微鏡を用いて256点×256点の計測を行うことにより得られる値である。このようなガラス基板の主表面の凹凸の条件に対して、本実施形態を用いた製造方法は、ジルコニア砥粒を用いて主表面の研磨を行っても、問題となっていたヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合が起き難い磁気ディスク用ガラス基板を得ることができる。
本実施形態における磁気ディスクに用いるガラス基板2の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラス、アルカリアルミノシリケートガラス、アルカリボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平坦度及びガラス基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルカリアルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。また、アモルファスのガラスとすると、表面粗さを極めて小さくすることが可能であるためより好ましい。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成は限定するものではないが、本実施形態のガラス基板2は好ましくは、酸化物基準に換算し、モル%表示で、
・SiO:50〜75%、
・Al:1〜15%、
・LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分:合計で5〜35%、
・MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分:合計で0〜20%、
・ZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分:合計で0〜10%、
を有する組成からなるアモルファスのアルカリアルミノシリケートガラスである。
また、ガラス基板2は、円環状の薄板のガラス基板である。ガラス基板2のサイズは限定されないが、例えば、公称直径2.5インチの磁気ディスク用ガラス基板に好適である。
以下、ガラス基板2の製造工程について説明する。ただし、以下説明する各工程の順番は適宜入れ替えてもよい。
(ガラス基板の製造工程)
図2は、本実施形態のガラス基板の製造方法のフローの一例を示す図である。
(1)ガラスブランクの成形(S10)
板状のガラスブランクの成形では、例えばフロート法が用いられる。板状ガラスの成形工程では先ず、錫などの溶融金属の満たされた浴槽内に、溶融ガラスを連続的に流し入れることで例えば上述した組成の板状ガラスを得る。溶融ガラスは厳密な温度操作が施された浴槽内で進行方向に沿って流れ、最終的に所望の厚さ、幅に調整された板状ガラスが形成される。この板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる所定形状の板状のガラスブランクが切り出される。浴槽内の溶融錫の表面は水平であるために、フロート法により得られる板状のガラスブランクは、その表面の平坦度が十分に高いものとなる。
また、板状のガラスブランクの成形は、フロート法の他に、例えばプレス成形法を用いることもできる。プレス成形による板状のガラスブランクの成形では、受けゴブ形成型である下型上に、溶融ガラスからなるガラスゴブ(ガラス塊)が供給され、下型と対向ゴブ形成型である上型を使用してガラスゴブがプレス成形される。これにより、磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラスブランクが作製される。
なお、板状のガラスブランクは、上述した方法に限らず、ダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法を用いて製造することができる。フロート法やダウンドロー法、リドロー法、フュージョン法などの公知の製造方法で作られた板状ガラスから、磁気ディスク用ガラス基板の元となる円板状のガラスブランクが切り出される。
(2)ラッピング工程(S12)
次に、円板状に切り出されたガラスブランクがガラス基板2のガラス素板として用いられ、このガラス素板の両主表面に対して、必要に応じて、平均粒子径(直径)5〜50μmのアルミナ系遊離砥粒を用いたラッピング加工を行う。具体的には、ガラス素板の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、上記遊離砥粒を含む研削液をガラス素板の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行う。なお、フロート法でガラス素板を成形した場合には、主表面は高い表面精度で作製されるため、このラッピング加工を省略してもよい。
以下の工程については、プレス法で作製された円板状のガラスブランクをガラス素板として用いる場合について記載する。
(3)コアリング工程(S14)
円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、円板状のガラス素板の中心部に内孔を形成し、円環状で板状であり、ディスク形状のガラス素板をつくる。
(4)チャンファリング工程(S16)
コアリング工程の後、円板状のガラス素板の端部(外周端面及び内周端面)に面取り面を形成するチャンファリング工程が行われる。チャンファリング工程では、コアリング工程によって円環状に加工されたガラス素板の外周面および内周面に対して、例えば、ダイヤモンド砥粒を用いたメタルボンド砥石等によって面取りが施される。ガラス素板の端部には、面取りされなかった主表面に垂直な側壁面と、面取りされた面取り面とを有するが、以降では、側壁面及び面取り面を纏めて端面という。
(5)端面研磨工程(S18)
次に、円環状のガラス素板の端面研磨(エッジポリッシング)が行われる。
端面研磨では、円環状のガラス素板の内周端面及び外周端面をブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、スペーサをガラス素板間に挟んで積層した複数のガラス素板を、研磨ブラシを用いて同時に研磨する。さらに、端面研磨に用いる研磨液は、平均粒子径(直径)が0.5〜5μmの酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含む。端面研磨を行うことにより、ガラス素板の端面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、NaやK等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。この端面研磨では、ガラス素板の側壁面の算術平均粗さRaが1μm以下、例えば0.001〜0.5μmとなるように研磨されることが好ましい。このように、側壁面の算術平均粗さRaを1μm以下とするのは、後述する第1研磨の際に、ガラス素板の側壁面の凹凸の凹部に後述するジルコニア砥粒が食い込んで固着し易くなることを防止するためである。ジルコニアは、モース硬度(旧モース硬度)が8以上であり、従来の酸化セリウムやシリカに比べてモース硬度(旧モース硬度)が高いことから、ガラス素板の側壁面の凹凸の凹部に後述するジルコニア砥粒が食い込んで固着し易い、と考えられる。第1研磨は、後述するように、主表面の表面粗さが目標の粗さの範囲になるように、粒子サイズが制限されたジルコニア砥粒を遊離砥粒として用いる。側壁面の算術平均粗さRaは、触針式粗さ計を側壁面の周上に滑らせながら計測することによって求められる。
(6)固定砥粒による研削工程(S20)
固定砥粒による研削工程では、研削装置を用いて円環状で板状のガラス素板の両側の一対の主表面に対して研削加工を行う。研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間に円環状のガラス素板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作することにより、円環状のガラス素板と各定盤に設けられたダイヤモンドシートとを相対的に移動させることで、このガラス素板の両主表面を研削することができる。ダイヤモンドシートは、例えば、平均粒子径(直径)が1〜20μmのダイヤモンド粒子を固定砥粒として用いる。
(2)のラッピング及び(6)の固定砥粒による研削による取り代(ラッピング量+研削量)は、ラッピング、研削、及び後述する研磨を含めた取り代(ラッピング量+研削量+研磨量)を約0.1mmとする場合、約80〜90μmである。また、(2)のラッピング及び(6)の固定砥粒による研削による上記取り代は、ラッピング、研削、及び後述する研磨を含めた取り代を約0.05mmとする場合、約30〜40μmである。
(7)化学強化工程(S22)
次に、固定砥粒による研削後の円環状のガラス素板は化学強化される。
化学強化液として、例えば硝酸カリウム(60質量%)と硝酸ナトリウム(40質量%)の混合溶融液等を用いることができる。化学強化では、化学強化液が、例えば250℃〜500℃に加熱され、洗浄したガラス素板が、例えば200℃〜300℃に予熱された後、円環状のガラス素板が化学強化液中に、例えば0.5時間〜5時間浸漬される。この浸漬の際には、円環状のガラス素板の両主表面全体が化学強化されるように、例えば、複数の円環状のガラス素板の端部を保持して収納状態にするかご(ホルダ)を用いて化学強化は行われる。
このように、ガラス素板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス素板の主表面、側壁面及び面取り面の表層にあるLiイオン及びNaイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいNaイオン及びKイオンにそれぞれ置換され、ガラス素板の側壁面及び一対の主表面に圧縮層を形成して強化される。なお、化学強化処理された円環状のガラス素板は洗浄される。例えば、硫酸で洗浄された後に、純水等で洗浄される。なお、圧縮層は、後述するように側壁面に遊離砥粒が固着することを防止するための固着防止層に相当する。
化学強化では、後述するように、側壁面に遊離砥粒が固着することを防止することができる程度に圧縮層の圧縮応力値が得られることが求められる。この場合、化学強化後のガラス素板の破壊靱性値K1cが、ビッカース硬度計による計測で0.7[MPa/m1/2]以上となるように化学強化の処理条件が調整されることが好ましい。例えば、予め化学処理条件を種々変化させて、目標とする破壊靱性値K1cになるような処理条件を決定するとよい。なお、破壊靱性値K1cが1.0[MPa/m1/2]以上であることがより好ましい。また、1.3[MPa/m1/2]以上であるとさらにより好ましい。破壊靱性値K1cは、高いほど好ましく、破壊靱性値K1cの上限は特に設けられない。ここで、破壊靱性値K1cは、周知のビッカース硬度計の鋭いダイヤモンド圧子をガラス素板に押し込む方法により測定するこができる。すなわち、破壊靱性値K1cは、ビッカース圧子を押しこんだときにガラス素板に残る圧子の圧痕の大きさと圧痕の隅から発生するクラックの長さより次式で求められる。Pはビッカース圧子の押しこみ荷重[N]であり、aはビッカース圧痕の対角線長の半分の長さ[m]である。Eはガラス素板のヤング率[Pa]、Cはき列長さの半分の長さ[m]である。
Figure 2013100157
また、化学強化の処理条件とは、化学強化液の種類(例えば、硝酸カリウムと硫酸ナトリウムの混合比)、化学強化液の温度、化学強化処理時間等を含む。また、化学強化後のガラス素板の破壊靱性値K1cが、上述した0.7[MPa/m1/2]以上となるようなガラス素板のガラス組成を選択することもできる。
なお、本実施形態では、ガラス素板の主表面を破壊靱性値K1cの計測対象とするが、化学強化は、ガラス素板の端面の側壁面も主表面と同等に化学強化されるので、ガラス素板の側壁面の破壊靱性値K1cは、主表面の破壊靱性値K1cの計測結果と同じであり、主表面の破壊靱性値K1cで代用することができる。
(8)第1研磨(主表面研磨)工程(S24)
次に、化学強化され、十分に洗浄された円環状のガラス素板の主表面に、ジルコニア砥粒を遊離砥粒として用いた第1研磨が施される。第1研磨による取り代は、例えばラッピング、研削、及び第1研磨及び後述する第2研磨を含めた取り代を約0.1mmとする場合、例えば約10〜20μm程度であり、上記取り代を約0.05mmとする場合、例えば約5〜10μm程度である。第1研磨は、研削により主表面に残留したキズ、歪みの除去、うねり、微小うねりの調整を目的とする。この目的のために、ジルコニア砥粒の平均粒子径(直径)は、例えば0.1〜2μmであり、好ましくは、0.2〜0.8μmである。平均粒子径(直径)は、島津製作所製SALD−2200による50%粒子径(メディアン径)により定義される。
なお、ジルコニア砥粒の粒子径は揃えることが好ましい。第1研磨において、ガラス素板の側壁面に固着したジルコニア砥粒の粒子サイズが揃っていない場合、側壁面に固着したジルコニア砥粒のうち、後述する研磨装置10のキャリア15と接触する大きなジルコニア砥粒は、キャリアから受ける衝撃が集中して破壊され易くなる。この破壊によってできた細かい粒子が側壁面に固着して、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を起こす原因となり易い。一方、ジルコニア砥粒の粒子径が揃っている場合、ガラス素板の側壁面に固着したジルコニア砥粒のサイズも揃っているので、後述する研磨装置10のキャリア15から受ける衝撃は分散され、固着したジルコニア砥粒が破壊されることは抑制される。
ジルコニア砥粒を用いた研磨液(スラリー)は、例えば、研磨液に対してジルコニア砥粒を例えば、5〜15質量%含む。このスラリーには、さらに、ヘキサメタリン酸ナトリウムやピロリン酸カリウムなどの分散剤や、セルロース、マルトースまたはフルクトースなどのハードケーキ化防止剤を添加剤として含ませることもできる。特に研磨液を循環させて繰り返し研磨工程に使用する場合は、これらの分散剤とハードケーキ化防止剤を同時に用いると長時間にわたって研磨レートの低下を抑制することが可能となるため好ましい。研磨パッドとして、ウレタン製研磨パッド、スウェードパッド等が用いられる。
(第1研磨工程に用いる研磨装置)
第1研磨工程で使用される研磨装置について、図3(a),(b)を参照して説明する。図3(a)は、第1研磨工程で使用される研磨装置10の概略断面図である。図3(b)は、図3(a)中のX−X線に沿った断面図である。なお、上述した研削工程(S20)に使用される研削装置及び後述する第2研磨工程(S26)に使用される研磨装置においても、この研磨装置と同様の構成とすることができる。
研磨装置10は、遊星歯車運動式のガラス素板の両主表面を研磨する加工装置である。研磨装置10は、研磨装置本体部Aとスラリー循環装置Bとを有する。研磨装置本体部Aは、ポリッシャとして研磨パッド11、保持板13a、14a、研磨定盤である上下定盤(上定盤13、下定盤14)、キャリア15、太陽ギア16、インターナルギア17を有している。
複数の研磨パッド11は、例えば軟質発泡ウレタンで形成されている。研磨パッド11を保持する保持板13a、14aは上定盤13及び下定盤14の対向した面に取り付けられている。上定盤13と下定盤14とは互いに反対方向に回転するようになっている。
太陽ギア16とインターナルギア17は上定盤13と下定盤14との間に配置されており、太陽ギア16とインターナルギア17の間に複数のキャリア15が配置されている。図3(b)では、5つのキャリア15が設けられているが、この数に限定されない。
キャリア15は、複数のガラス素板を保持孔に保持している。図3(b)では、1つのキャリア15に4つのガラス素板が設けられるが、この数に限定されない。キャリア15は、例えばガラス繊維を含んだエポキシ樹脂が用いられる。ガラス素板は、キャリア15の保持孔にそれぞれ図示されないセッティング機構を用いてセットされる。
キャリア15の外周には太陽ギア16とインターナルギア17とに噛み合う歯車が形成されている。上下定盤13,14の回転と共に太陽ギア16とインターナルギア17が回転することにより、キャリア15が自転及び公転(遊星歯車運動)するようになっている。
上記構成の研磨装置10において、研磨パッド11が貼り付けられた上下定盤13,14の間にキャリア15により保持したガラス素板12を密着させ、このキャリア15を太陽ギア16とインターナルギア17とに噛合させ、ガラス素板12を上下定盤13,14によって挟圧する。その後、研磨パッド11とガラス素板12の研磨面との間に研磨剤を含んだ研磨液を供給して回転させることによって、ガラス素板12が上下定盤13,14上で自転しながら公転(遊星歯車運動)して両面を同時に鏡面研磨加工する。
図3(a)に示されるスラリー循環装置Bは、送液管22(供給経路)、排液管23(排出経路)、送液溝24、排液受け25、送液ポンプ26、スラリータンク27を備えている。
送液管22から供給された研磨液は送液溝24を通して、研磨パッド11とガラス素板12との間に必要十分に供給される。送液管22の末端にフィルタ28が備えられ、排液管23の末端にフィルタ29が備えられ、研磨中に発生する塵埃を除去するようになっている。送液ポンプ26からスラリータンク27にいたる一連の循環経路により、スラリーが循環されて使用される。
送液管22は、一端を送液ポンプ26に取り付けられ、他端を送液溝24に取り付けられている。送液溝24は上定盤13の上部に取り付けられており、上定盤13に穿孔された複数の孔を通して、スラリーを研磨装置10(上定盤13と下定盤14の間)に供給する。
排液管23は、一端を排液受け25に取り付けられ、他端をスラリータンク27に取り付けられている。排液受け25は下定盤14から排出されたスラリーを受けるためのものであり、その底に穿孔された複数の孔を通して排液管23に連結されている。これにより、上下定盤13,14で使用されて排液受け25に排出されたスラリーが排液管23内に流れ込み、スラリータンク27に貯えられる。
スラリータンク27は、排液管23から排出されたスラリーを一時的に貯える容器である。送液ポンプ26は、スラリータンク27内のスラリーを吸い上げて、送液管22、送液溝24を介して再び上定盤13に供給する。
フィルタ28は、送液管22と送液溝24の間に設けられており、スラリーに混入している塵埃を濾過してからスラリーを研磨装置10に導入する。フィルタ29は、排液管23とスラリータンク27の間に設けられており、排出されたスラリーに混入している塵埃を濾過してスラリーをスラリータンク27に導入する。
このような研磨装置10において、研磨を行うとき、ガラス素板12をキャリア15の保持孔で保持した状態で、ガラス素板12の一対の主表面を研磨パッド11で挟み、ガラス素板12と研磨パッド12との間にジルコニア砥粒を含む研磨液を供給して、研磨パッド11とガラス素板12を相対的に移動させることにより、ガラス素板12の主表面を研磨する。このとき、円形状のガラス素板12を保持するキャリア15の保持孔とガラス素板12との間には、2.1mm以下、例えば、0.1〜2.1mmの最大隙間を有することが好ましく、0.2〜1.0mmの最大隙間を有することがより好ましい。この最大隙間が0.1mm未満であると、ガラス素板12を保持孔から効率よく取り出すこと、ガラス素板12を保持孔へ効率よくセットすることが難しくなる。この最大隙間が2.1mmを超えると、研磨の期間中、ガラス素板12が保持孔から受ける衝撃が大きくなって、ジルコニア砥粒がガラス素板12の側壁面にめり込み易くなり、さらには、ジルコニア砥粒が破壊して、ガラス素板12の側壁面の凹部に固着しやすくなり、ジルコニア砥粒あるいはジルコニア砥粒の一部がヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の原因になり易くなる。また、キャリア15の保持孔のガラス素板12の側壁面と接触する面の算術平均粗さRaで5μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましい。算術平均粗さRaが5μmより大きい場合、ガラス素板の側壁面にキズが生じジルコニア砥粒がこの傷に突き刺さり易くなる。なお、キャリア15の保持孔のガラス素板12の側壁面と接触する面は、触針式粗さ計を用い(キャリアの保持孔の)円周方向に測定することにより得られる。
(9)第2研磨(最終研磨)工程(S26)
次に、第1研磨されたガラス素板に第2研磨が施される。第2研磨による取り代は、例えば約1〜2μm程度である。第2研磨は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨では例えば、第1研磨と同様の構成の研磨装置を用いる。このとき、第1研磨と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、研磨パッドの硬度が異なることである。研磨パッドは、発泡ウレタン等のウレタン製研磨パッド、スウェードパッド等が用いられる。
第2研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、研磨液に混濁させたシリカからなるコロイダルシリカ等の微粒子(平均粒子径:10〜50nm程度)が用いられる。この微粒子は、第1研磨で用いる遊離砥粒に比べて細かい。コロイダルシリカ等の微粒子が混濁した研磨液であるスラリーには、シリカがスラリーに対して例えば0.1〜40質量%、好ましくは、3質量%〜30質量%含むことが、研磨の加工効率を確保し、表面粗さを高める点で好ましい。
研磨されたガラス素板は洗浄される。洗浄では、中性洗浄液あるいはアルカリ性洗浄液を用いた洗浄であることが、洗浄によってガラス表面に傷等の欠陥を形成せず、さらに表面粗さを粗くさせない点で好ましい。これにより、主表面の算術平均粗さRaを0.15nm以下、例えば0.03〜0.15nmとすることができる。中性洗浄液の他に、純水、IPA等を用いた複数の洗浄処理を施すこともできる。研磨されたガラス素板には、少なくとも酸性洗浄液による洗浄とアルカリ性洗浄液による洗浄を併用しないことが好ましい。こうして、ガラス素板を洗浄することにより、磁気ディスク用ガラス基板2が作製される。
本実施形態では、化学強化されたガラス素板をジルコニア研磨するが、化学強化とジルコニアの研磨の間に、酸化セリウム等を用いた研磨を行うこともできる。
このように、本実施形態では、化学強化を行った後、ジルコニア砥粒を用いた第1研磨を行うので、化学強化を行ったガラス素板の外周端部に位置する側壁面も化学強化されている。したがって、第1研磨の間、ジルコニア砥粒が側壁面に固着し、またジルコニア砥粒が側壁面の凹部にめり込み固着することを抑制することができる。このため、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の原因となるジルコニア粒子の側壁面への固着を抑制することができる。なお、第2研磨によって作製されたガラス基板の主表面は、極めて表面精度よく研磨されているので、ガラス素板の側壁面を含む端面を把持して、後工程である洗浄を行う他、磁気ディスク作製のための処理装置に移送、あるいは搬送する。このとき、上記洗浄、移送あるいは搬送の間に、ジルコニア砥粒の一部がジルコニア粒子として側壁面から離脱して、主表面に固着し易くなる。このため、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を引き起こし易くなる。したがって、作製されたガラス基板の側壁面に固着し、あるいはめり込むジルコニア粒子の数を抑えることが望ましい。
従来、第1研磨後に化学強化を行っていたが、第1研磨で用いる遊離砥粒は、ジルコニア砥粒に比べて硬度が低いセリウム砥粒やアルミナ砥粒であったため、ガラス基板の側壁面にこれらの砥粒が固着しあるいはめり込むことは少なかった。すなわち、従来、磁気ディスクのヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合が生じることは極めて少なかった。ジルコニア砥粒を第1研磨の遊離砥粒として用いる場合、磁気ディスクのヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合が生じることから、本実施形態のように、ガラス素板の化学強化後に第1研磨を行うことは、磁気ディスクのヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を抑制する上で、有効な解決手段となっている。
上記実施形態は、ガラス素板のキャリアと接触する外周端部に位置する側壁面に遊離砥粒が固着することを防止するための固着防止層として圧縮層を形成したが、ガラス素板自体に固着防止層を形成する形態の他に、ガラス素板の側壁面に、別途固着防止層を設ける形態を用いることもできる。例えば、ガラス素板の側壁面に、ダイヤモンドライクカーボンを蒸着法や熱CVD法により成膜することもできる。この場合、固着防止層として成膜したダイヤモンドライクカーボンは、酸素プラズマによるアッシング等により最終製品前に除去されてもよいし、最終製品として残してもよい。ガラス素板に固着防止層が設けられた場合、固着防止層を含むガラス素板の研磨を行って固着防止層を除去することもできる。
また、固着防止層は、熱、光、あるいは、電磁波を加えることによりガラス基板の外周側端面から除去可能な樹脂材からなる層であってもよい。例えば、固着防止層は、熱硬化性樹脂接着剤に、熱溶融性あるいは熱分解性を有する材料を混ぜたもの、例えば、周知のエポキシ樹脂接着剤に熱可塑性接着剤を含ませた解体性接着剤からなる層が挙げられる。また、固着防止層としては、紫外線で硬化可能でかつ、加温により除去可能なアクリル系樹脂を用いてもよい。この場合、固着防止層の除去のために、固着防止層を加熱することにより接着力を弱めて除去することができる。また、熱可塑性樹脂接着剤や熱硬化性樹脂接着剤等の中に熱膨張性マイクロカプセルを混入させることにより、加熱時のマイクロカプセルの膨張により、外周側端面との間で固着防止層が剥離し易くすることもできる。また、固着防止層として、熱可塑性樹脂接着剤を用いることもできる。固着防止層を剥離できる例としては、光、あるいは、電磁波を加えることによりガラス素板から固着防止層を除去可能なものであってもよい。光を加えることで、固着防止層を除去する例としてエキシマ光による方法(例えば特開2012−1601号公報等)が挙げられる。電磁波(高周波電磁波)を加えることにより、固着防止層を除去する例として誘導加熱による方法(特開2007−314711号公報等)が挙げられる。
本実施形態では、モース硬度(旧モース硬度)で8以上であるジルコニアを研磨砥粒として用いることに起因して生じた磁気ディスクのヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合の解決を行ったが、本発明は、モース硬度(旧モース硬度)が8以上のモース硬度(旧モース硬度)を有する研磨砥粒を用いた場合にも同様の問題が生じる。したがって、本実施形態では、ガラス素板をキャリアに保持し、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置でガラス素板の主表面の研磨を行うこともできる。特に、立方晶ジルコニアは、モース硬度(旧モース硬度)が約8.5と非常に硬く、高い研磨レートが得られるので本実施形態に好適に用いられる。しかし、逆に研磨中にキャリアと接する外周端面においては突き刺さりやすく、突き刺さった立方晶ジルコニアは通常の洗浄では落とすころができない。このため、立方晶ジルコニアの砥粒を含む研磨液で研磨する場合に用いる場合、本発明の効果がより効果的に発揮される。なお、ジルコニアにイットリウム、カルシウム、マグネシウム、ハフニウムなどを4〜15%程度添加した安定化ジルコニアは、立方晶安定化ジルコニア、あるいは単に立方晶ジルコニアと呼ばれる。
モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒として、ジルコニア以外にアルミナやダイヤモンドが挙げられる。
なお、化学強化によりガラス素板に形成された圧縮層を含む、上記固着防止層を備えたガラス素板は、ガラス素板の主表面を研磨する業者とは異なる製造業者から得られた中間製品であってもよい。この場合、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、ガラス素板をキャリアに保持し、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置でガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、この主表面の研磨を行う前に、ガラス素板であって、キャリアと接触する外周端部に位置する側壁面に遊離砥粒が固着することを防止する固着防止層を備えたガラス素板を準備する工程と、を含む。ガラス素板を準備する工程とは、研磨装置のキャリアの保持孔にガラス素板をセットすることを含む。
また、上記実施形態では、図2に示すように、ガラス素板の側壁面及び一対の主表面を含む全面に対して行う化学強化の直後にジルコニア砥粒を遊離砥粒として用いたガラス素板の主表面の第1研磨が行われる。ジルコニア砥粒による遊星歯車運動式の研磨では、ガラス素板の主表面の研磨の取り代(研磨量)に、両側の一対の主表面間で差が生じ易い。また、化学強化されたガラス素板の圧縮層の厚さ及び応力値が両側の一対の主表面間で同じにならず、ガラス素板が反る場合もある。このような場合、両側の一対の主表面間で取り代に差が生じ易い研磨では、必ずしも高い表面精度を持ったガラス素板が得られにくい。このような場合、ガラス素板を化学強化する工程(図2に示すステップ22)後、ガラス素板の主表面の研磨を行う工程(図2に示すステップS24)前に、化学強化によりガラス素板の主表面に形成された圧縮層の研削を行う工程を設けることが好ましい。このとき、ガラス素板の主表面の研削は、例えば、図2に示すステップS20と同様の方式(固定砥粒による研削方式)で行われる。固定砥粒としてダイヤモンドの砥粒を樹脂などで固めたものが用いられることが好ましい。この研削において遊離砥粒を用いると、キャリアとガラス素板との間に遊離砥粒が挟まって、ガラス素板の側壁面に傷をつけやすくなる。この点で、固定砥粒を用いることが好ましい。
また、本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法は、外径65mm(2.5インチ)や95mm(3.5インチ)であり、厚さが0.5mm以上のガラス基板に対して、上述した本実施形態の効果を効率よく発揮する点から好適に適用される。
[実施例、比較例]
本実施形態のガラス基板の製造方法の効果を確認するために、製造したガラス基板から2.5インチの磁気ディスクを作製し、DFHタッチダウン試験を行って、磁気ヘッド(DFH)に適したガラス基板か否かを評価した。
製造したガラス基板の組成は、上述したガラス組成を満たす。
本実施形態のガラス基板の製造方法において、(1)のガラスブランクの成形は、特開2011−138589号公報に記載される磁気ディスク用ガラス基板の製造方法で用いられるプレス成形方法を用いた。
(2)のラッピングでは、平均粒子径20μmのアルミナ系遊離砥粒を用いた。(5)の端面研磨では、スペーサをガラスブランク間に挟んで積層した複数のガラスブランクを、研磨ブラシを用いて平均粒子径が1μmの酸化セリウムを遊離砥粒として用いて研磨した。
(6)の固定砥粒による研削では、例えばダイヤモンド砥粒(平均粒径:1〜20μm)を固定砥粒として用いたダイヤモンドシートを上定盤、下定盤に貼り付けた研削装置を用いて研削した。
(7)の化学強化では、硝酸カリウム(60質量%)と硝酸ナトリウム(40質量%)の混合液等を用い、化学強化液の温度を380℃とし、予め100℃に予熱されたガラスブランクを60分浸漬した。
(8)の第1研磨(主表面研磨)では、研磨装置10を用いて、平均粒子径が0.5μmのジルコニア砥粒を用いて研磨した(研磨量10μm)。
(9)の第2研磨(最終研磨)では、研磨装置10と同様の研磨装置を用いて、平均粒子径が40nm程度のコロイダルシリカを用いて研磨した(研磨量1μm)。これにより、主表面の算術平均粗さRa(JIS B 0601:2001)を0.15nm以下にした。算術平均粗さRaは、ガラス基板2の表面の1μm×1μmの計測エリアについて、原子間力顕微鏡を用いて256点×256点の計測を行うことにより得られる値である。
第2研磨後のガラスブランクは、中性洗浄液およびアルカリ性洗浄液を用いて洗浄された。
得られたガラス基板に磁性層等を形成して磁気ディスクを作製し、DFHタッチダウン試験を行った。
(DFHタッチダウン試験)
作製した磁気ディスクに対し、クボタコンプス社製HDFテスター(Head/Disk Flyability Tester)を用いて、DFHヘッド素子部のタッチダウン試験を行った。この試験は、DFH機構によってDFHヘッド素子部を徐々に突き出していき、AEセンサーによって磁気ディスク表面との接触を検知することによって、DFHヘッド素子部が磁気ディスク表面と接触するときの距離を評価するものである。突き出し量が大きいものほど磁気的スペーシングが低減するため高記録密度化に適している。
DFHヘッド素子部として、320GB/P磁気ディスク(2.5インチサイズ)向けのDFHヘッドを用いた。DFHヘッド素子部の突き出しがない時の浮上量は10nmである。また、その他の条件は以下の通り設定した。
評価半径:22mm
磁気ディスクの回転数:5400RPM
温度:25℃
湿度:60%
(評価基準)
DFHヘッド素子部の突き出し量によって以下のように評価した。5.0nm以上(レベル2~レベル5)が合格である。
レベル1 :5.0nm未満
レベル2 :5.0nm以上、6.0nm未満
レベル3 :6.0nm以上、7.0nm未満
レベル4 :7.0nm以上、8.0nm未満
レベル5 :8.0nm以上
ここで、レベルの数が高いほどよく、レベル5が最もよい。
・実施例1
実施例1では、上述したように、(1)のガラスブランクの成形、(2)のラッピング工程、(3)のコアリング工程、(4)のチャンファリング工程、(5)の端面研磨工程、(6)の固定砥粒による研削工程、(7)の化学強化工程、(8)の第1研磨(主表面研磨)工程、及び(9)の第2研磨(最終研磨)工程を、この順番に行った。
・比較例
比較例では、(1)のガラスブランクの成形、(2)のラッピング工程、(3)のコアリング工程、(4)のチャンファリング工程、(5)の端面研磨工程(機械加工工程)、(6)の固定砥粒による研削工程を行った後、(8)の第1研磨(主表面研磨)工程を行い、この後、(7)の化学強化工程、(9)の第2研磨(最終研磨)工程を、この順番で行った。
上記実施例1及び比較例におけるDFHタッチダウン試験では、実施例1は合格であり、比較例は不合格であった。
また、DFHタッチダウン試験で不合格であった比較例の原因を調べたところ、ガラス基板と磁性層との間に粒子が固着しており、この粒子の成分分析を行ったところ、粒子はジルコニア粒子であることがわかった。すなわち、第1研磨に用いたジルコニア砥粒の残存物がガラス基板の主表面に固着したことが、上記耐久試験の不合格の原因であることがわかった。これより、化学強化工程、第1研磨(主表面研磨)工程を行うことが、ヘッドクラッシュ障害やサーマルアスペリティ障害等の不具合を起こし難いことがわかる。
・実施例2〜実施例6
さらに、本実施形態のように、(7)の化学強化工程後、(8)の第1研磨(主表面研磨)工程を行うとともに、化学強化工程における強化温度及び浸漬時間を変更して、下記表1に示すように、破壊靱性値K1cを種々変化させたガラス基板を製造した。破壊靱性値K1c以外は、実施例1と同じ条件を用いた。このとき、実施例2〜6のそれぞれについて、DFHタッチダウン試験を行った。
下記表1に、破壊靱性値K1cと、DFHタッチダウン試験の評価結果を示す。表1では、レベル2を△、レベル3を○、レベル4を○○、レベル5を○○○で表す。ここで、レベルの数が高いほどよく、レベル5が最もよいので、△より○がよく、さらに○が多いほど良好である。
Figure 2013100157
下記表1より、破壊靱性値Kcは、0.7[MPa/m1/2]以上であることが好ましいことがわかる。
・実施例7〜9
次に、酸化セリウムを遊離砥粒として用いた(5)の端面研磨の研磨時間を変えて、ガラス素板の側壁面の算術平均粗さRaを変化させた。研磨時間以外は、実施例1と同じ条件を用いた。算術平均粗さRaは、触針式粗さ計を側壁面の周上に滑らせながら計測することによって求めた。酸化セリウムの平均粒子径は0.5〜5μmとした。そして、作製したガラス基板を磁気ディスクとした後DFHタッチダウン試験を行い評価した。下記表2に、破壊靱性値K1cと、DFHタッチダウン試験の評価結果を示す。表2では、レベル2を△、レベル3を○、レベル4を○○で表す。
Figure 2013100157
上記表2より、算術平均粗さRaは、1μm以下であることが好ましく、より好ましくは、実施例7のように算術平均粗さRaは0.5μm以下であることが好ましい。
(実施例10〜12)
次に、第1研磨に用いる研磨装置10のキャリア15の保持孔の大きさを変えることにより、ガラスブランク12と保持孔との間の最大隙間を変化させて、各最大隙間でのガラス基板を作製した。保持孔の大きさ以外は、実施例1と同じ条件を用いた。このガラス基板についてDFHタッチダウン試験を行い、上述の実施例と同様に評価した。
下記表3より、ガラスブランク12とキャリア15の保持孔の間の最大隙間は、2.1mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましいことがわかる。上述したように、最大隙間の下限は例えば0.1mmである。表3では、レベル2を△、レベル3を○、レベル4を○○で表す。
Figure 2013100157
以上、本発明の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 磁気ディスク
2 ガラス基板
3A,3B 層
4A,4B 磁気ヘッド
5 外周エッジ部
10 研磨装置
11 研磨パッド
12 ガラス素板
13 上定盤
13a,14a 保持板
14 下定盤
15 キャリア
16 太陽ギア
17 インターナルギア
22 送液管
23 排液管
24 送液溝
25 排液受け
26 送液ポンプ
27 スラリータンク
28,29 フィルタ
A 研磨装置本体部
B スラリー循環装置

Claims (10)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    ガラス素板をキャリアに保持し、モース硬度(旧モース硬度)で8以上の砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置で前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、
    前記主表面の研磨を行う前に、前記ガラス素板であって、前記キャリアと接触する外周端部に位置する側壁面に前記遊離砥粒が固着することを防止する固着防止層を備えたガラス素板を準備する工程と、を含むことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  2. 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法であって、
    少なくとも、ガラス素板の外周端部に位置する側壁面に対して化学強化を行う工程と、
    前記化学強化を行った前記ガラス素板をキャリアに保持し、ジルコニア砥粒を遊離砥粒として用いて研磨装置で前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程と、を含むことを特徴とする磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  3. 前記ガラス素板は、ディスク形状であり、
    前記研磨を行うとき、前記ガラス素板を前記キャリアの保持孔で保持した状態で、前記ガラス素板の一対の主表面を研磨パッドで挟み、前記ガラス素板と前記研磨パッドとの間に前記ジルコニア砥粒を含む研磨液を供給して、前記研磨パッドと前記ガラス素板を相対的に移動させることにより、前記ガラス素板の前記主表面を研磨し、
    前記化学強化により、前記ガラス素板の前記側壁面に圧縮応力層を形成する、請求項2に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  4. 前記化学強化後の前記ガラス素板の破壊靱性値K1cが、ビッカース硬度計による計測で0.7[MPa/m1/2]以上となるように化学強化の処理条件が調整される、請求項2または3に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  5. 前記ガラス素板の主表面の研磨を行う前の前記ガラス素板の前記側壁面の算術平均粗さRaは1μm以下である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  6. 前記ガラス素板の主表面の研磨を行う前の前記ガラス素板の前記側壁面に端面研磨が行われることで、前記側壁面の算術平均粗さRaを1μm以下とする、請求項5に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  7. 前記ジルコニア砥粒の平均粒子径は、0.1〜2μmである、請求項2〜6のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  8. 前記キャリアの前記ガラス素板を保持する保持孔と前記ガラス素板との間には、2.1mm以下の最大隙間を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  9. 前記化学強化は、前記ガラス素板の前記側壁面および一対の主表面を含む全面に対して強化を行うものであり、
    さらに、前記ガラス素板を化学強化する工程後、前記ガラス素板の主表面の研磨を行う工程前に、前記化学強化により前記ガラス素板の前記主表面に形成された圧縮層の研削を行う工程を有する、請求項2〜8のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
  10. 前記キャリアにおける前記ガラス素板と接触する部分の算術平均粗さRaが5μm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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