JPWO2013080791A1 - 化合物半導体超微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

Cu、Zn、及びSnの各金属元素をそれぞれ含有した第1〜第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を、オレイルアミン等の脂肪族アミンとドデカンチオール等の脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱処理し、化学式CuZnSnSで表される化合物半導体(CZTS)の超微粒子を作製する。加熱処理は250℃以下の温度で行うのが好ましく、より好ましくは200℃以下である。混合溶媒中の脂肪族アミンの含有量は、体積比率で1.3〜22体積%好ましく、より好ましくは2.5〜7体積%である。これにより異相が形成されることもなく、所望の量子サイズ効果の発現が可能な平均粒径が5nm未満の高純度のCZTS超微粒子を得ることが可能となる。

Description

本発明は、化合物半導体超微粒子の製造方法に関し、より詳しくは光電変換デバイス等に使用される化合物半導体超微粒子の製造方法に関する。
−II−IV−VI族からなる化合物半導体は、可視光領域から近赤外光領域にかけて広い吸収帯を有し、安価で環境負荷の低い元素で構成されるため、新たな光電変換材料として注目されている。
この種の化合物半導体のうち、CuZnSnS(以下、「CZTS」という。)はIn等の希少元素やCd等の有害元素が含まれておらず、低コストで環境に優しく、またバンドギャップエネルギーEgが1.4〜1.5eVであり、光吸収係数hνが10cm-1オーダーの直接遷移型半導体であることから、可視光を吸収して強い光を発する。そして、このCZTSはp型半導体として機能することから、太陽電池等の光電変換デバイス用材料として有望視されている。
そして、特許文献1では、このCZTSを以下のような方法で作製している。
すなわち、まず、モル比でCu:Zn:Sn=2:1:1となるように、酢酸銅(II)、酢酸亜鉛(II)、酢酸スズ(IV)を秤量し、これら秤量物をオレイルアミン中、60℃で溶解させた第1の溶液と、硫黄粉末をオレイルアミン中、60℃で溶解させた第2の溶液を用意し、これら第1及び第2の溶液を室温で混合し、窒素雰囲気中、240〜300℃で30〜120分間加熱し、合成物を得る。次いで、この合成物を室温になるまで放置し、遠心分離を施した後、上澄み液をろ過し、そのろ液にメタノールを加えて沈殿物を生じさせ、その後、再び、遠心分離を施して沈殿を回収した後、該沈殿物にクロロホルムを加えて沈殿物を溶解させ、これにより平均粒径が5.6〜6.7nmのCZTS超微粒子分散溶液を得ている。
また、酢酸スズ(IV)に代えて酢酸スズ(II)を用いたり、各金属源として酢酸化合物に代えてジエチルジチオカルバミン酸化合物を用いたり、或いはオレイルアミンに代えてドデカンチオールを溶媒に用いることによっても、平均粒径が5.6〜12.3nmのCZTS超微粒子分散溶液が得られている。
国際公開2010/098369号(段落番号〔0020〕〜〔0034〕)
ところで、平均粒径がナノオーダーの半導体超微粒子の場合、粒径が小さくなるに伴ってバンドギャップエネルギーが増加し、いわゆる量子サイズ効果を示す。このように半導体超微粒子は、量子サイズ効果を示すことから、同一組成の半導体材料を使用しながらも、光の吸収・発光波長を広範に制御することが可能となる。
しかしながら、特許文献1の製法で作製されたCZTS超微粒子は、平均粒径が5nm以上であり、所望の量子サイズ効果を発現させるには未だ平均粒径が大きい。
一方、CZTS超微粒子の平均粒径を小さくするためには、合成時の加熱温度を低下させるのが有効とされている。
しかしながら、特許文献1では、金属源に酢酸塩を使用し、溶媒にオレイルアミンを使用した場合、180℃の低温ではCZTSとCuSの混合物が生成され、さらに120℃にまで反応温度を低下させるとCuSを主成分とする化合物が生成されている。
すなわち、特許文献1では、240℃以上の高温で加熱処理を行なうとCZTS超微粒子の単相を生成することができるものの、平均粒径が5nm以上と大きくなる。一方、加熱温度を低下させると、CZTSとCuSの混合物が生成されたり、主成分がCuSの化合物が生成され、このため高純度で量子サイズ効果を発現できる5nm未満のCZTS超微粒子を作製するのは困難である。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、異相が形成されることもなく、所望の量子サイズ効果の発現が可能な平均粒径が5nm未満の高純度のCZTS超微粒子を得ることができる化合物半導体超微粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を行ったところ、金属源にジアルキルジチオカルバミン酸化合物を使用し、オレイルアミン等の脂肪族アミンとドデカンチオール等の脂肪族チオールとの混合溶媒中で前記ジアルキルジチオカルバミン酸化合物を加熱し、反応させることにより、異相が形成されることもなく、量子サイズ効果の発現に好適な平均粒径が5nm未満のCZTS超微粒子を高純度で得ることができるという知見を得た。
本発明はこのような知見に基づきなされたものであり、本発明に係る化合物半導体超微粒子の製造方法は、Cuを含有した第1のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、Znを含有した第2のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、及びSnを含有した第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱処理し、化合物半導体の超微粒子を作製することを特徴としている。
また、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記化合物半導体が化学式CuZnSnS(CZTS)で表されるのが好ましい。
さらに、本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、化合物半導体を合成するための加熱温度を250℃以下、より好ましくは200℃以下の加熱温度で反応させることにより、より超微粒化したCZTS粒子を合成できることが分かった。
すなわち、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記加熱処理を250℃以下の温度で行なうのが好ましい。
さらに、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記加熱処理を200℃以下の温度で行なうのがより好ましい。
このように加熱処理を250℃以下、より好ましくは200℃以下の温度で行なうことにより、ジアルキルジチオカルバミン酸化合物を低温で分解させつつ、粒成長をより効果的に阻害することができ、これにより、より一層超微粒のCZTS粒子を合成することができる。具体的には、加熱処理を250℃以下の温度で行うことにより4nm以下のCZTS超微粒子を得ることが可能となり、加熱処理を200℃以下の温度で行うことにより3nm以下のCZTS超微粒子を得ることが可能となる。
また、本発明者らの更なる鋭意研究の結果、混合溶媒中の脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合比率は、脂肪族アミンの体積含有量が1.3〜22体積%が好ましく、より好ましくは2.5〜7体積%の範囲で粒径の均一性が良好なCZTS粒子を安定かつ確実に得ることができることが分かった。
すなわち、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記混合溶媒中の前記脂肪族アミンの体積含有量は、体積比率で1.3〜22体積%であるのが好ましい。
さらに、前記脂肪族アミンの含有量は、体積比率で2.5〜7体積%であるのがより好ましい。
このように混合溶媒中の前記脂肪族アミンの体積含有量を、体積比率で1.3〜22体積%、好ましくは2.5〜7体積%とすることにより、粒径の均一性が良好で5nm未満のCZTS超微粒子を確実に安定して得ることができる。
また、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記脂肪族アミンは、オレイルアミンであるのが好ましい。
さらに、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記脂肪族チオールは、ドデカンチオールであるのが好ましい。
また、本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法は、前記第1乃至第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物に含有されるアルキル基は、エチル基であるのが好ましい。
このようにジアルキルジチオカルバミン酸化合物に含有されるアルキル基は、エチル基である場合は、材料を安価で入手できるので、低コストで上述した所望のCZTSを製造することができる。
本発明の化合物半導体超微粒子の製造方法によれば、Cuを含有した第1のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、Znを含有した第2のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、及びSnを含有した第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱処理し、化合物半導体であるCZTSを作製するので、異相が形成されることもなく、所望の量子サイズ効果の発現が可能な平均粒径が5nm未満CZTS超微粒子を得ることができる。
すなわち、脂肪族アミンを使用することにより、ジアルキルジチオカルバミン酸化合物を低温で分解させることが可能となる。また、脂肪族チオールは脂肪族アミンに比べて化合物半導体表面への配位能力が高く、粒子表面に強固に配位することから加熱処理時における粒成長を阻害する。
したがって、溶媒として脂肪族アミンと脂肪族チオールを併用することにより、脂肪族アミンがジアルキルジチオカルバミン酸化合物の分解促進の触媒的作用を発揮し、かつ脂肪族チオールが粒子表面に強固に配位すると考えられる。そして、これにより合成されるCZTS粒子はより超微粒化し、所望の量子サイズ効果を発揮し得る5nm未満の超微粒のCZTS超微粒子を得ることができる。
実施例1における試料番号1のTEM像である。 実施例1における試料番号2のTEM像である。 実施例1における試料番号3のTEM像である。 実施例1における試料番号4のTEM像である。 実施例1の各試料のX線回折スペクトルである。 実施例1の各試料の吸収スペクトルである。 実施例2における試料番号11のTEM像である。 実施例2における試料番号12のTEM像である。 実施例2における試料番号13のTEM像である。 実施例2における試料番号14のTEM像である。 実施例2における試料番号15のTEM像である。 実施例2の各試料のX線回折スペクトルである。
次に、本発明の実施の形態を詳説する。
本発明の一実施の形態としての半導体化合物超微粒子の製造方法は、Cu、Zn、Snの各金属元素をそれぞれ含有した第1〜第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱処理し、CZTSからなる化合物半導体の超微粒子を作製している。そしてこれにより、量子サイズ効果の発現に好適な平均粒径が5nm未満のCZTS超微粒子を得ることができる。
すなわち、CZTSを形成するCu源、Zn源、及びSn源の各金属源にジアルキルチオカルバミン酸化合物を使用し、これら各金属源のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を脂肪族アミン中で加熱すると、120℃程度の低温で分解反応が生じ、CZTS粒子の生成が開始する。
一方、脂肪族チオールは、脂肪族アミンよりも化合物半導体表面への配位能力が高く、粒子表面へ強固に配位して付着するため、粒成長の抑制が可能である。
しかしながら、上述した第1〜第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を脂肪族チオール中に投入して分解反応を起こさせようとしても、低温では粒子成長せず、250℃を超える温度に加熱する必要がある。すなわち、このように250℃を超える高温に加熱する必要があることから、粒成長を十分に抑制することができず、平均粒径が8nm以上となり、量子サイズ効果の発現に適した平均粒径が5nm未満のCZTS超微粒子を得るのが困難である。
そこで、本実施の形態では、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱させて合成させ、これにより平均粒径が5nm未満のCZTS超微粒子を得ている。
すなわち、溶媒として脂肪族アミンと脂肪族チオールを併用することにより、脂肪族アミンがジアルキルジチオカルバミン酸化合物の分解促進の触媒的作用を発揮し、かつ脂肪族チオールが粒子表面に強固に配位すると考えられる。
そして、このように脂肪族アミンの分解促進作用と脂肪族チオールの配位効果とが相俟って低温でのCZTS粒子の生成が可能となり、かつ粒成長が抑制され、これにより平均粒径が5nm未満のCZTS超微粒子を得ることが可能となる。
次に、上記化合物半導体の製造方法を詳述する。
まず、Cu、Zn、Snの各金属元素をそれぞれ含有した第1〜第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、すなわちジアルキルジチオカルバミン酸銅(II)(Cu(SCN(C2n+1))、ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛(II)(Zn((SCN(C2n+1))、ジアルキルジチオカルバミン酸スズ(IV)(Sn(SCN(C2n+1))を用意する。そして、Cu:Zn:Sn=2:1:1(化学量論組成比)となるように、前記ジアルキルジチオカルバミン酸化合物を秤量する。
尚、ジアルキルジチオカルバミン酸化合物に含有されるアルキル基としては、特に限定されるものではなく、メチル基(−CH)、エチル基(−C)、プロピル基(−C)、ブチル基(−C)等を使用することができるが、安価で入手容易なエチル基(−C)を好んで使用することができる。
次に、脂肪族アミンと脂肪族チオールとを混合し、混合溶媒を作製する。
ここで、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合比率は特に限定されるものではないが、粒径の均一性が良好な所望のCZTS超微粒子を安定かつ確実に得るためには、混合溶媒中の脂肪族アミンの含有量は、体積比率で1.3〜22体積%が好ましく、より好ましくは2.5〜7体積%である。
また、脂肪族アミンの種類は、特に限定されるものではないが、オレイルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等の高沸点の1級アミンを使用するのが好ましく、これらの中ではオレイルアミンが特に好んで使用される。
また、脂肪族チオールの種類についても、特に限定されるものではないが、低温での合成を得る観点からは、沸点が120℃以上の炭素数が6以上のもの、例えば、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール等を使用するのが好ましく、これらの中ではドデカンチオールが好んで使用される。
次いで、上記秤量したジアルキルジチオカルバミン酸化合物を前記混合溶媒中に混合し、減圧脱気した後、窒素置換し、その後、所定温度で30分間程度、加熱処理し、合成物を得る。
ここで、所定温度は特に限定されるものではないが、好ましくは120〜250℃であり、これにより平均粒径が4nm未満の粒度の均一性が良好なCZTS超微粒子を得ることができる。さらに、加熱温度を120〜200℃とすることにより、平均粒径を3nm未満に超微粒化することが可能となる。
尚、120℃未満になると合成物が非晶質化するおそれがあり、250℃を超えると、脂肪族チオールの種類によっては、沸点を超えるおそれがあり、所望のCZTSを合成することができなくなるおそれがある。
次いで、この合成物を、室温になるまで放置して冷却し、その後、遠心分離処理を行い、上澄み液と沈殿物に分離する。そして、上澄み液をろ過し、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル等のCZTS超微粒子に対する不溶性溶液又は難溶性溶液をろ液に加えて沈殿を生成させ、遠心分離処理を行って沈殿物を分離回収する。その後、回収した沈殿物にクロロホルム、トルエン、ヘキサン、n−ブタノール等の有機溶媒を添加して溶解させ、これによりCZTS超微粒子分散溶液が作製される。
このように本化合物半導体の製造方法によれば、Cu、Zn、Snの各金属元素をそれぞれ含有した第1〜第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱処理し、化学式CuZnSnS(CZTS)で表される化合物半導体の超微粒子を作製するので、異相が形成されることもなく、量子サイズ効果の発現に好適な平均粒径が5nm未満のCZTS超微粒子を得ることができる。
また、加熱処理を250℃以下、より好ましくは200℃以下の温度で行なうことにより、ジアルキルジチオカルバミン酸化合物を低温で分解させつつ、粒成長をより効果的に阻害することができ、これにより、より超微粒のCZTS粒子を得ることができる。具体的には、加熱処理を250℃以下の温度で行うことにより4nm以下のCZTS超微粒子を得ることが可能となり、加熱処理を200℃以下の温度で行うことにより3nm以下のCZTS超微粒子を得ることが可能となる。
また、混合溶媒中の前記脂肪族アミンの体積含有量を、体積比率で1.3〜22体積%、より好ましくは2.5〜7体積%とすることにより、粒径の均一性が良好で5nm未満のCZTS超微粒子を安定かつ確実に得ることができる。
また、前記ジアルキルジチオカルバミン酸化合物に含有されるアルキル基がエチル基である場合は、材料を安価で入手できるので、低コストで上述した所望のCZTSを製造することができる。
このように本実施の形態では、所望の量子サイズ効果を発現する平均粒径が5nm未満で粒径の均一性が良好なCZTS超微粒子を安価に製造することができ、環境負荷が軽減された太陽電池等の光電変換デバイス用材料を得ることができる。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態は、本発明の一実施の形態であり、要旨を変更しない限り変更可能であるのはいうまでもない。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
〔試料の作製〕
第1のジアルキルジチオカルバミン酸化合物としてのジエチルジチオカルバミン酸銅(II)(Cu(SCN(C))を0.10mmol、第2のジアルキルジチオカルバミン酸化合物としてのジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(II)(Zn((SCN(C))を0.05mmol、第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物としてのジエチルジチオカルバミン酸スズ(IV)(Sn(SCN(C))を0.05mmolそれぞれ秤量した。
また、ドデカンチオール2.8cm、及びオレイルアミン0.2cmを混合し、混合溶媒(オレイルアミンの体積含有量:6.7体積%)を作製した。
上記秤量した各ジエチルジチオカルバミン酸化合物を前記混合溶媒中に混合し、減圧脱気した後、窒素置換し、その後、250〜120℃の温度で30分間加熱処理し、試料番号1〜4の合成物を得た。
次いで、これらの合成物を、室温になるまで放置して冷却し、その後、遠心分離処理を行い、上澄み液と沈殿物に分離した。そして、上澄み液をろ過し、そのろ液にメタノールを加えて沈殿物を生成させ、再び、遠心分離処理を行って沈殿物を分離回収した。その後、回収した沈殿物にクロロホルムを添加して溶解させ、試料番号1〜4の各試料を作製した。
〔試料の評価〕
試料番号1〜4の各試料を透過型電子顕微鏡(TEM)(日立ハイテクノロジーズ社製H-7650)で観察した。
図1〜図4は、各試料のTEM像を示している。
次いで、これらのTEM像から任意に抽出した試料100個について、その面積を測定し、その面積から球形と仮定した場合の粒子径を算出した。そしてこれら粒子径から平均粒径Dav及び標準偏差σを求めた。
表1は、試料番号1〜4の各試料の加熱温度と測定結果を示している。
この表1及び図1〜4から明らかなように、各試料は平均粒径Davが3.9〜3.0nmの超微粒となり、標準偏差σも0.9〜0.6nmと小さく、粒径の均一性にも優れていることが分かった。
次に、試料番号1〜4の各試料について、X線回折装置(リガク社製RINT−2000)を使用してX線回折スペクトルを測定し、試料を同定した。
図5は、試料番号1〜4のX線回折スペクトルをCZTSのX線回折パターンと共に示している。図中、横軸が回折角2θ(°)、縦軸はX線強度(a.u.)である。
この図5から明らかなように、試料番号1〜4のX線回折スペクトルのピークとCZTSのX線回折パターンのピークとはいずれも略一致しており、試料番号1〜4はCZTSであることが確認された。
次に、試料番号1〜4の各試料について、分光光度計(アジレント社製8453a)を使用し、吸収スペクトルを測定した。
図6はその測定結果を示している。図中、横軸が波長(nm)、縦軸は吸収スペクトルを示し、比較が容易となるように正規化している。
この図6から明らかなように、加熱温度が低くなるに伴い、平均粒径Davが小さくなることから、量子サイズ効果によってバンドギャップエネルギーが拡がり、これにより吸収の開始波長が短波長側へシフトしていることが分かる。すなわち、CZTS粒子を4nm未満に超微粒化することにより、量子サイズ効果が発現していることが確認された。
オレイルアミンとドデカンチオールの体積含有量を表2に示す割合とし、加熱温度を150℃とした以外は、実施例1と同様の方法で、試料番号11〜15の試料を作製した。
次いで、試料番号11〜15の各試料について、実施例1と同様の方法・手順でTEM像を撮像し、このTEM像から平均粒径Dav及び標準偏差σを求めた。
図7〜図11は試料番号11〜15のTEM像を示している。
表2は、試料番号11〜15の各試料について混合溶媒の仕様及びその測定結果を示している。
この表2及び図7〜図11から明らかなように、試料番号11〜15の各試料では平均粒径が2.9〜4.3nmとなり5nm未満の超微粒子を得ることができた。しかも標準偏差σも1.2nm以下であり粒径の均一性にも優れていることが分かった。
特に、試料番号が12、13は、標準偏差σが0.6〜0.8nmと小さく、また、オレイルアミンの体積含有量を6.7体積%とした実施例1の試料番号3でも標準偏差σは0.6nmと小さく、オレイルアミンの体積含有量が2.5〜7体積%の範囲で粒径の均一性はより良好になることが分かった。
次に、試料番号11〜15の各試料について、実施例1と同様の方法・手順でX線回折スペクトルを測定し、試料を同定した。
図12は、試料番号11〜15のX線回折スペクトルをCZTSのX線回折パターンと共に示している。図中、横軸が回折角2θ(°)、縦軸はX線強度(a.u.)である。
この図12から明らかなように、試料番号11〜15のX線回折スペクトルのピークとCZTSのX線回折パターンのピークとはいずれも略一致しており、試料番号11〜15はCZTSであることが確認された。
異相が形成されることもなく、平均粒径Davが5nm未満であって粒径の均一性にも優れ、所望の量子サイズ効果を発現できるCZTS超微粒子を安定かつ確実に得ることができる。そして、このように本発明のCZTS超微粒子は量子サイズ効果を発現できることから、希少元素を含まず環境に優しい太陽電池等の光電変換デバイス用薄膜材料を実現することができる。

Claims (9)

  1. Cuを含有した第1のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、Znを含有した第2のジアルキルジチオカルバミン酸化合物、及びSnを含有した第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物を、脂肪族アミンと脂肪族チオールとの混合溶媒中で加熱処理し、化合物半導体の超微粒子を作製することを特徴とする化合物半導体超微粒子の製造方法。
  2. 前記化合物半導体は、化学式CuZnSnSで表されることを特徴とする請求項1記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  3. 前記加熱処理を250℃以下の温度で行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  4. 前記加熱処理を200℃以下の温度で行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  5. 前記混合溶媒中の前記脂肪族アミンの含有量は、体積比率で1.3〜22体積%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  6. 前記脂肪族アミンの含有量は、体積比率で2.5〜7体積%であることを特徴とする請求項5記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  7. 前記脂肪族アミンは、オレイルアミンであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  8. 前記脂肪族チオールは、ドデカンチオールであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
  9. 前記第1〜第3のジアルキルジチオカルバミン酸化合物に含有されるアルキル基は、エチル基であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の化合物半導体超微粒子の製造方法。
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