JPWO2013080506A1 - 半導体素子 - Google Patents

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Abstract

n型ZnO系半導体層と組み合わされ、比較的低温でも良好な結晶性で平滑に薄膜形成できるp型半導体層を備え、大画面のディスプレイ用途で良好な特性の発揮を期待できる半導体素子を提供する。具体的にはガラス基板10上に、下部電極2と、厚み2um〜4umのZnO活性層のn型半導体層3とを形成する。n型半導体層3の上にp型半導体材料であるZn0.5Ni0.5Oからなる、厚み200nm〜400nmのp型ZnNiO層(第1p型半導体層)4aと、p型NiO層(第2p型半導体層)4bとを順次形成する。その上にITO等の透明電極材料からなる上部電極5を形成する。

Description

本発明は、酸化亜鉛(ZnO)系材料を用いた半導体素子に関する。
ZnO結晶は、約3.37eV程度のワイドなバンドギャップを有する直接遷移型半導体である。安価で環境負荷も小さく、ホールと電子が固体内で結合した励起子の束縛エネルギーが60meVと大きく、室温でも安定に存在する。このため、青色領域から紫外領域までの発光デバイス用の材料として期待されている。ZnO結晶は発光デバイス以外にも用途が広く、受光素子や圧電素子、トランジスタ、透明電極などへの応用も期待されている。
ZnO結晶をこれらの用途に使用するためには、量産性に優れた高品質のZnO結晶成長技術を確立することが重要である。併せて、半導体の伝導性を制御するドーピング技術も要求される。
特に、n型のZnO半導体層の上にp型のZnO系半導体層を積層したZnOデバイスを開発する場合、ZnOのp型化が大きな課題である。現在、多くの機関がZnOのp型化に注力している。
例えば、ZnO系半導体にドーピングするp型ドーピング材料としてV族元素を用い、酸素原子をV族元素に置き換える方法が多くの機関で検討されている。V族元素としてはN(窒素)、As(砒素)、P(リン)、Sb(アンチモン)等が候補に挙げられている。この中でもNは、イオン半径が酸素と同程度であって用い易く、ZnOに対するp型ドーパントの候補として有力である(特許文献1)。
一方、発光デバイスとして大画面のディスプレイに適したZnOデバイスも要求されている。従って、ガラス基板のように大面積化しやすい基板の上に、n型ZnO半導体膜及びp型ZnO半導体薄膜を積層形成した発光素子を形成する技術が求められる(特許文献2)。
特開2005−223219号公報 特開2003−273400号公報
ここで、ZnO系半導体を用いて大画面のディスプレイ用途で高い性能を得るためには、例えばZnOに窒素をドーピングしてp型化した半導体膜で高い結晶性と表面平滑性を得る必要がある。このためには、例えば特許文献1に開示されているように、300℃〜800℃程度の高温度でアニール処理する必要がある。ガラス基板はそのような高温に耐えられないので、p型ZnO系半導体薄膜を窒素ドーピングの方法によってガラス基板上に形成することは困難である。
一方、従来から有用な半導体材料として知られているNiO薄膜が低温で比較的容易にp型化できることを利用して、ZnOとNiOの混晶系の材料(ZnNiO)を用いた半導体も提案されている。しかし、NiO薄膜は大面積にかつ低温製膜できるp型材料としては有望であるが、n型ZnO系半導体に対しては価電子帯のオフセットが2eV程度と大きい。このため単にZnNiO系材料からなる薄膜をn型ZnO系半導体と組み合わせて半導体素子を構成すると、電流注入型発光デバイスとして用いた場合にホール注入効率が低下する課題がある。
また、ZnNiOなどの混晶系薄膜は、NiOに比べてホール濃度がZnO成分の増加とともに急激に低下する。このためn型ZnO系半導体と組み合わせて電流注入型発光デバイスを構成しても、やはりホール注入効率の低下を招く課題もあった。
このように、ZnO材料を用いた半導体において高い性能を得るためには、未だ改善の余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、n型ZnO系半導体層と組み合わされ、比較的低温でも良好な結晶性で平滑に薄膜形成できるp型半導体層を備えることにより、大画面のディスプレイ用途においても良好な特性の発揮を期待できる半導体素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様である半導体素子は、ZnOで構成されるn型半導体層と、Zn1-XNiXO(0<X<1)で構成される第1p型半導体層と、Zn1-YNiYO(0<Y≦1)で構成される第2p型半導体層を同順に積層してなり、Y値がX値よりも大きい値である構成とする。
以上の本発明の一態様である半導体素子は、n型ZnO系半導体層と組み合わされ、比較的低温でも良好な結晶性で平滑に薄膜形成できるp型半導体層を備える。これにより、大画面のディスプレイ用途においても良好な特性の発揮を期待できる半導体素子を提供することができる。
第1p型半導体層4aにZn1-xxO系材料を用いた半導体素子(pnヘテロ接合素子)1xの構成を示す模式断面図である。 実施の形態1に係る半導体素子1の構成を示す模式断面図である。 ZnO、Zn0.5Ni0.5O、NiOの各材料からなる薄膜について行ったXPS測定結果を示すグラフである。 Zn1-xNixOにおけるx値とバンドギャップ及びオフセット量の関係を示す図である。 Zn1-xNixO薄膜についてxを変化させて比抵抗を測定した結果を示す図である。 半導体素子におけるホールに対するコンダクタンスの理論的な計算結果を示した図である。 ホール注入量の評価に用いた素子構造を示す模式図である。 各種半導体素子の電流電圧特性を示す図である。
<発明の態様>
本発明の一態様である半導体素子は、ZnOで構成されるn型半導体層と、Zn1-XNiXO(0<X<1)で構成される第1p型半導体層と、Zn1-YNiYO(0<Y≦1)で構成される第2p型半導体層を同順に積層してなり、Y値がX値よりも大きい値である構成とする。
ここで本発明の別の態様として、前記第1p型半導体層における、NiOの添加量が30モル%以上100モル%未満である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1p型半導体層を構成するZn1-XNiXOにおいて、X値が0<X≦0.65の範囲である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1p型半導体層を構成するZn1-XNiXOにおいて、X値が0.3≦X≦0.65の範囲である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1p型半導体層を構成するZn1-XNiXOにおいて、X値が0.45≦X≦0.55の範囲である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2p型半導体層を構成するZn1-YNiYOにおいて、Y値が1である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第1p型半導体層の価電子帯のトップと前記n型半導体層の価電子帯のトップとのオフセットが1eV未満である構成とすることもできる。
また本発明の別の態様として、前記第2p型半導体層のホール濃度が1×1017cm-3以上である構成とすることもできる。
<発光材料について>
(Zn、M、Oからなるp型半導体材料)
まず、本発明に係るp型半導体材料について説明する。
本願発明者らは、詳細な検討の結果、3d電子を最外殻に持ち4s軌道よりも3d軌道のエネルギーレベルが高く元素と、亜鉛と、酸素とを含有する組成を有するp型半導体材料は、低温での成膜性に優れるので、500℃以下の比較的低い温度でも、基板上あるいはn型半導体層の上に低抵抗の薄膜を形成することができ、基板としてガラス基板を良好に利用できることを見出した。
また、上記p型半導体材料を、n型ZnO層の上に積層することによって、p型半導体材料層とn型ZnO層とをヘテロ接合した素子を形成することができ、青色領域から紫外領域までの発光色を出射可能な発光素子を形成できることも見出した。
ここで、上記p型半導体材料を薄膜の形態で形成するには、ZnOとMO(Mは、3d電子を最外殻に持ち4s軌道よりも3d軌道のエネルギーレベルが高い元素。)の混合材料をスパッタターゲットとして、基板上あるいはZnO層などの上にスパッタリングすればよい。
なお、この薄膜形成は還元雰囲気で行うとn型になりやすい。酸化性雰囲気下で行うことがp型半導体膜を形成する上で好ましい。
上記半導体材料がp型半導体の性質を持つ理由として、3d電子を最外殻に持ち4s軌道よりも3d軌道のエネルギーレベルが高い元素がZnOと混合されることによって、その4s軌道にホールを形成しやすくなるためと考えられる。
上記p型半導体材料は、組成がZn1-xxO(ただし、Mは、3d電子を最外殻に持ち4s軌道よりも3d軌道のエネルギーレベルが高く元素。0<x<1)で表わされることが好ましい。
Zn1-xxOは、ZnOとMOが混ざり合った酸化物であって、xは、ZnとMの合計モル数に対するMのモル数の比率である。
また、このp型半導体材料は非結晶状態でもかまわないが、優れた特性を得るために、結晶性化合物であることが望ましい。
また、結晶性化合物の場合、ZnO結晶におけるZnが部分的にMに置き換わった混晶、あるいは、MO結晶におけるMが部分的にZnに置き換わった混晶でもよいし、ZnO結晶とMO結晶とが混ざり合った結晶混合体であってもよい。
3d電子を最外殻に持ち4s軌道よりも3d軌道のエネルギーレベルが高い元素としては、Ni、Cuが挙げられる。
<半導体素子の構成>
(半導体素子1X)
図1は、本発明のp型半導体材料を用いた半導体素子(pnヘテロ接合素子)1Xの構成を示す模式断面図である。
図1に示す半導体素子1Xは、ガラス基板10と、下部電極2と、n型半導体層3と、第1p型半導体層4aと、上部電極5とを有する。
ガラス基板10は厚み0.5mm程度の基板である。下部電極2は、ガラス基板10上においてITO等の透明電極材料を用いて厚み100nm程度で構成される。n型半導体層3は、下部電極2上において、ZnOからなる活性層として厚み2um〜4umで構成される。第1p型半導体層4aは、n型半導体層3上において、厚み200nm〜400nmで構成される。ここで第1p型半導体層4aは、上記検討した本発明のp型半導体材料であるZn1-xxO系材料(0<x<1)を用いて構成される。上部電極5は、p型半導体層4a上において、ITO等の透明電極材料を用いて厚み100nm程度で構成される。上部電極5を透明にすることで、半導体素子1Xでは、駆動時の発光が上面からも取り出し可能にされている。
第1p型半導体層4aは、Zn1-xNixO薄膜を用いて構成することが可能である。Zn1-xNixOは、ZnOとNiOとが混合されてなる酸化物であって、xは、ZnとNiの合計モル数に対するNiモル数の比率である。
Zn1-xNixOは、ZnOにおけるZnが部分的にNiに置換された化合物、あるいは、NiOにおけるNiが部分的にZnに置換された化合物ということもできる。
Zn1-xNixOの結晶形としては、ZnOの結晶(ウルツ型)とNiOの結晶(NaCl型)が混合された混合形でもよいし、ZnOの結晶構造をもった混晶、あるいは、NiOの結晶構造を持った混晶としてもよい。
Zn1-xNixO系材料を用いれば、低温(例えば500℃以下)でもp型半導体の薄膜を形成できる。これにより、ZnO層に対して優れたヘテロ接合を形成することができる。このため、Zn1-xNixO系材料からなるp型半導体を基板上に多数形成し、大画面のディスプレイとして利用するのに適している。
以上の構成を持つ半導体素子1Xは、駆動時にはn型半導体層3と第1p型半導体層4aの界面付近において、青色領域から紫外領域までの波長の光が出射される。
(半導体素子1)
図2は、本発明の実施の形態1である半導体素子1の構成を示す模式断面図である。
半導体素子1は、半導体素子1Xを基本構造とし、ガラス基板10と、下部電極2と、n型半導体層3と、第1p型半導体層4aと、第2p型半導体層4bと、上部電極5とを有する。
下部電極2は、ガラス基板10の表面にMoやITO等の材料を用いて構成される。n型半導体層3は、下部電極2上において、バンド端発光する厚み数μmのn型ZnO層で構成される。第1p型半導体層4aはn型半導体層3の上において、前述した本発明のp型半導体材料であるZn0.5Ni0.5Oを用いて構成される。第2p型半導体層4bは半導体素子1の特徴部分の一つであり、第1p型半導体層4a上に形成される。第2p型半導体層4bは、Zn1-YNiYO(0<Y≦1)で構成される。YはXよりも大きい値とする。ここでは一例としてY値を1とし、第2p型半導体層4bをp型NiO層として構成する。上部電極5は、駆動時の光を上方から取り出すために、ITO等の透明電極材料を用いて構成される。
ここで半導体素子1では、p型半導体材料を厳密に選択することによって、第1p型半導体層4aの価電子帯のトップとn型半導体層3の価電子帯のトップとのオフセット量が1eV未満になるように抑えている。これにより第1p型半導体層4aの価電子帯のトップ付近に存在する電子が、駆動時にn型ZnO層の伝導帯側に流れ込むのを防止できる。従って、発光に寄与するキャリア再結合を促す効果が奏され、発光効率を向上できる。
第1p型半導体層4aを構成するZnNiO中のNiOの添加量は、20モル%以上100モル%未満、より好ましくは30モル%以上100モル%未満である。特に50モル%であると良好な性能を呈することが、後述する図6の実験により分かっている。
また、第2p型半導体層4bは駆動時のホール濃度が1×1017cm-3よりも高いため、n型半導体層3側へ良好にホール注入させるホール注入層として作用する。半導体素子1では第2の半導体層4bを用いることで、発光に必要なホール濃度を担保している。
このような構成を持つ実施の形態1の半導体素子1によれば、駆動時にはn型半導体層3とp型半導体層4aの界面付近において、優れた発光効率で青色領域から紫外領域までの波長の光が出射され、外部に取り出される。
また、第1p型半導体層4aと第2p型半導体層4bは、いずれも比較的低温で大面積にわたり、平滑な表面性で薄膜形成できる。これにより従来の発光素子に比べて発光効率の高い発光素子を実現することができる。
<考察>
(1)価電子帯トップの位置について
図3は、ZnO、Zn0.5Ni0.5O、NiOの各材料を用いて形成した各薄膜について行ったXPS測定の結果であり、各薄膜の価電子帯付近の状態を示している。当図の横軸のエネルギーは、同時に測定できるC1sの束縛エネルギーによって、各スペクトルとも較正されている。
図3に示すスペクトル形状によって、5eV以下の領域に観測されるスペクトルの立ち上がりから、価電子帯トップにおけるエネルギー位置の相対関係を求めることができる。このスペクトルに示されるように、ZnOとZn0.5Ni0.5Oの価電子帯トップのオフセット量は比較的小さく、少なくとも1eV以内に収まっている。このことから、Zn0.5Ni0.5O側からZnO側にホールが良好に移動できることが分かる。
(2)ZnO、NiO、Zn0.5Ni0.5Oのバンドダイアグラムについて
図4は、純粋な材料であるZnO及びNiOの各物性値と、実験で得られたZn0.5Ni0.5O薄膜の光学バンドギャップの測定値を基にして得られたZn1-xNixOとのバンドダイアグラムである。図4に示すデータでは、ZnOの価電子帯のトップのエネルギー値は約7.7eVである。またNiOの価電子帯のトップのエネルギー値は約5.1eVである。
図4に示されるように、x値が大きくなるほどZnOに対する価電子帯トップのオフセット量も大きくなる。このため、ZnO層とZn1-xNixO層とを接合して半導体素子を形成したときにホール注入効率や逆バイアス耐圧が低下する。従ってx値は小さい方が好ましい。Zn1-xNixO層とZnO層との価電子帯トップのオフセット量を1eV未満とするには、x値を0.65以下に設定することが望ましい。
なおZn1-XNiXOの電気伝導タイプをp型とし、電気抵抗を低く抑えるには、X値は0.13以上であることが好ましい。しかしながら10mA/cm2以上の電流を素子に流す発光デバイスでは、ホール注入量を充分確保する必要がある。
(3)Zn1-XNiXO系薄膜の比抵抗について
図5は、Zn1-XNiXO系薄膜の比抵抗を測定した結果と、近似曲線L:ρ(比抵抗)=10(-4・(X-)-0.5)を併せて示したグラフである。図5に示すように、抵抗値を低く抑えるためには、Zn1-XNiXO系材料におけるX値を1に近づけることが望ましい。
ここで光センサーなどへの応用を考慮した逆バイアスに対する耐圧性能を優先し、且つ、少電流デバイスとして用いるためには、X=0.65以下のZn1-xNixO薄膜材料が好適である。しかし、LED照明等のように少々の逆バイアス特性を犠牲にしてもホールの注入効率を優先する場合は、X=0.65以上のZn1-xNixOの薄膜材料が好適である。
また、ディスプレイなどへの応用の場合は、ホール注入効率と逆バイアスに対する耐圧性能の両者を良好に保つ必要があるために両者のトレードオフ関係を考慮して、デバイスの仕様にあわせて最適なXの値の材料を選択する必要がある。
(4)ホール注入効率と逆バイアスに対する耐圧性能の両立について
次に、本願発明者らは、ホール注入効率と逆バイアスに対する耐圧性能を両立させることのできるp型半導体層を鋭意検討した。この最適な両立が可能と考えられる、X=0.65付近の組成であるZn0.5Ni0.5O薄膜を用いた。ここでは以下の2点の両機能を付帯できる可能性を検討した。
1)ホール注入層としての機能
2)価電子帯オフセットによるポテンシャル障壁がなければ最も高いホール注入特性を持つNiO薄膜からのホール注入をアシストする、中間層としての機能
具体的な検討手順として、ZnO活性層へのホール注入能を計算によって見積もった。計算方法は図5に示すように、まず実験的に得られたZn1-xNixO系の抵抗値における組成(X)依存性を、近似曲線L:ρ(比抵抗)=10(-4・(X-1)-0.5)で記述した。そして、ポテンシャル障壁φ12(材料1と材料2の価電子帯オフセット)を用いてexp(φ12/kT・A)(k:ボルツマン定数、T:絶対温度、A:定数)と記述することで、存在するポテンシャル障壁が及ぼすホール注入抵抗への寄与を検討した。図6は、その検討結果によって得られたグラフである。図6中、曲線1(実線)は、活性層ZnOに対してZnOに近い側からZn1-xNixO層/NiO層の構造を想定し、X依存性を計算したものである。曲線2(破線)は、活性層ZnOに対してZnOに近い側からZn1-xNixO層/Zn0.5Ni0.5O層の構造を想定し、X依存性を計算したものである。
曲線2からは、活性層ZnOとZn0.5Ni0.5O層の間にZn1-xNixO層(X<0.5)を挿入してもホール注入コンダクタンス(ホール注入能に相当する)の改善は見られない。しかしながら、曲線1で得られた活性層ZnOとNiO層の間にZn1-xNixO層(X=0〜1)を挿入した場合の計算では、X=0.5近傍においてホール注入コンダクタンスが最大となり、NiO単層、Zn0.5Ni0.5O単層に比べてホール注入能が改善されることが分かる。
すなわち、ZnO活性層にホール注入をより効率的に行える構造として、ZnO/Zn0.5Ni0.5O/NiO構造が最も優れていることが示されている。さらに、pn接合界面がZnO活性層(n型)とZn0.5Ni0.5O層(p型)から構成されているため、逆バイアスに対する耐圧性能も保持できる素子となりうることが示されている。
図6の結果より、第1p型半導体層において、Zn1-XNiXOのx値が0.3以上で1未満である場合に、Znを含まないNiOである場合と比較して高いホール注入能(Hole injection conductance)が得られることが分かる。すなわち、X値が0.3≦X<1の範囲(ZnNiOにおけるNiOの添加量が30モル%以上100モル%未満)であることが好ましいと考えられる。
<実験>
図7に示す構造のホールのモノキャリア素子(電流輸送に寄与するキャリアとしてホールが支配的となる素子)をスパッタリングで製膜・作製した。これに基づいて図6に示した計算結果の検証を試みた。
検証に用いた素子は、NiO/ZnO/NiO、NiO/ZnO/Zn0.5Ni0.5O、NiO/ZnO/Zn0.5Ni0.5O/NiOであり、それぞれの素子の電極として下部電極、上部電極ともにITOを用いた。得られた結果を図5に示す。
図5に示すように、図6で予想された結果と定性的に一致する結果が得られた。
次に、図6中の印加電圧=3Vでのそれぞれの構造の電流値A、B、Cをもとに、A点の値を図6における曲線1のX=0.5の値に一致させ、図5に示すデータより電流値の比B/A、C/Bをそれぞれ得た。この電流値の比B/A、C/Bから、図6において、点BをX=1.0、点CをX=0.5に対してそれぞれプロットした。この結果は定量的には幾分の乖離があるものの、図6の計算を充分サポートする結果であった。計算結果からは、ZnOとNiOの中間層としてZn1-xNixO(X>0.3)が良好で、X=0.5が最適である。
この実験結果より、第1p型半導体層におけるZn1-XNiXOのx値を0.5とすることが最適であることが分かった。これを考慮すると、X値を0.45≦X≦0.55の範囲に設定すれば、特に優れた作用効果が奏されると言える。
<その他の事項>
上記検討したように、図4に示した結果等より、第1p型半導体層4の価電子帯のトップとn型半導体層3の価電子帯のトップとのオフセット量を1eV未満に抑えるという観点からは、第1p型半導体層におけるZn1-XNiXOのx値を0.65以下にすることが好ましい。一方、図6に示した結果等より、高いホール注入能を得るという観点からは、第1p型半導体層におけるZn1-XNiXOのx値を0.3以上にすることが好ましい。従って、これらを両立可能な範囲として、X値を0<X≦0.65の範囲とすることが好ましい。
第2p型半導体層の組成については、組成式Zn1-YNiYOにおいて、Y=1とする場合に限定されず、Yが1より小さい値(すなわちZnが含まれる組成)としてもよい。このように第2p型半導体層には、少量のZnが添加されていても良い。少量のZnが存在しても、上記したような本発明の効果を期待することができる。
本発明の半導体素子は、例えば大画面のディスプレイ装置等における発光デバイスとしての利用が可能である。
1x、1 半導体素子
2 下部電極
3 n型半導体層(ZnO層)
4a 第1p型半導体層(Zn1-xNixO層)
4b 第2p型半導体層(Zn1-YNiYO層)
5 上部電極
10 ガラス基板

Claims (8)

  1. ZnOで構成されるn型半導体層と、
    Zn1-XNiXO(0<X<1)で構成される第1p型半導体層と、
    Zn1-YNiYO(0<Y≦1)で構成される第2p型半導体層を同順に積層してなり、
    Y値がX値よりも大きい値である、
    半導体素子。
  2. 前記第1p型半導体層における、NiOの添加量が30モル%以上100モル%未満である、
    請求項1に記載の半導体素子。
  3. 前記第1p型半導体層を構成するZn1-XNiXOにおいて、X値が0<X≦0.65の範囲である、
    請求項1に記載の半導体素子。
  4. 前記第1p型半導体層を構成するZn1-XNiXOにおいて、X値が0.3≦X≦0.65の範囲である、
    請求項1に記載の半導体素子。
  5. 前記第1p型半導体層を構成するZn1-XNiXOにおいて、X値が0.45≦X≦0.55の範囲である、
    請求項1に記載の半導体素子。
  6. 前記第2p型半導体層を構成するZn1-YNiYOにおいて、Y値が1である、
    請求項1に記載の半導体素子。
  7. 前記第1p型半導体層の価電子帯のトップと前記n型半導体層の価電子帯のトップとのオフセットが1eV未満である、
    請求項1に記載の半導体素子。
  8. 前記第2p型半導体層のホール濃度が1×1017cm-3以上である、
    請求項1に記載の半導体素子。
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