JPWO2013065092A1 - 捩り振動減衰装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アーム部材の一端部とカム面との接触部位を潤滑してアーム部材の一端部とカム面との接触部位の磨耗や焼き付け等を防止することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。捩り振動減衰装置1は、ディスクプレート7、8が、コイルスプリング4、アーム部材16およびカム部6を取り囲むようにして、ボス5の半径方向外周部に取付けられることにより、ボス5の半径方向外周部およびディスクプレート7、8の軸線方向内周部との間にグリス23が収容される空間24が画成され、ボス5の半径方向外周部とディスクプレート7、8の半径方向内周部との間にシール部材25、26が介装されている。【選択図】図4
Description
本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、車両の内燃機関と駆動伝達系との間に介装され、第1の回転部材と第2の回転部材との間で回転トルクが伝達されるように第1の回転部材と第2の回転部材とをアーム部材および弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置に関する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを変速機等を有する駆動伝達系を介して連結し、駆動源から駆動伝達系を介して車輪に動力を伝達している。ところが、駆動源に連結される駆動伝達系は、例えば、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩れ振動によってジャラ音やこもり音が発生する。
ジャラ音とは、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音のことである。また、こもり音は、内燃機関のトルク変動を起振力とする駆動伝達系の捩り共振による振動によって車室内に発生する異音のことであり、駆動伝達系の捩れ共振は、例えば、定常域に存在する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等とを連結して駆動源からの回転トルクを伝達するとともに、駆動源と変速歯車組を有する駆動伝達系との間の捩り振動を吸収する捩り振動減衰装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この捩り振動減衰装置は、外周部にカム面を有し、カム面の曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム部と、カム部と同一軸線上に設けられ、カム部に対して相対回転自在なディスクプレートと、カム部とディスクプレートとの間に設けられ、カム部とディスクプレートとが相対回転したときに弾性変形する弾性部材とを備えている。
また、この捩り振動減衰装置は、一端部がカム部のカム面に接触するとともに他端部が弾性部材に付勢され、カム部とディスクプレートとが相対回転したときに、ディスクプレートに設けられた回動支点部を中心に回動して弾性部材を弾性変形させることにより、カム部とディスクプレートとの間で回転トルクを伝達するアーム部材を備えている。
この捩り振動減衰装置にあっては、カム部の回転に伴ってアーム部材を揺動して弾性部材を弾性変形させることにより、カム部とディスクプレートとの捩れ角の範囲を広角化することができる。
このため、カム部とディスクプレートとの捩れ剛性を全体的に低くすることができ、ジャラ音やこもり音を充分に減衰して振動の減衰性能を向上させることができる。
このような従来の捩り振動減衰装置にあっては、カム部とディスクプレートとが相対回転するときにアーム部材の一端部とカム部のカム面との接触圧が高くなるため,アーム部材の一端部とカム面との接触部位の磨耗や焼き付け等が発生してしまうおそれがある。したがって、アーム部材の一端部とカム面との接触部位を潤滑する必要があり、未だ、改善の余地がある。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、アーム部材の一端部とカム面との接触部位を潤滑してアーム部材の一端部とカム面との接触部位の磨耗や焼き付け等を防止することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、第1の回転部材と、前記第1の回転部材の半径方向外方に設けられた第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に設けられ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材とが相対回転したときに前記第1の回転部材および前記第2の回転部材との間で弾性変形される少なくとも1つ以上の弾性部材と、前記第1の回転部材の半径方向外周部に設けられ、曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム面を有するカム部と、一端部が前記カム部の外周部に接触するとともに他端部が前記弾性部材に付勢され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに、前記第2の回転部材に設けられた回動支点部を中心に回動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で回転トルクを伝達するアーム部材とを備えた捩り振動減衰装置であって、前記第2の回転部材が、前記弾性部材、前記アーム部材および前記カム部を取り囲むようにして、前記第1の回転部材の半径方向外周部に取付けられることにより、前記第1の回転部材の半径方向外周部および第2の回転部材の軸線方向内周部との間に潤滑剤が収容される空間が画成され、前記第2の回転部材の半径方向内方と前記第2の回転部材の半径方向外周部との間にシール部材が介装されるとともに、前記第1の回転部材に、前記空間と前記空間の外部とを連通する連通孔が形成されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第2の回転部材が、弾性部材、アーム部材およびカム部を取り囲むようにして、第1の回転部材の半径方向外周部に取付けられることにより、第1の回転部材の半径方向外周部および第2の回転部材の軸線方向内周部との間に潤滑剤が収容される空間が画成され、第1の回転部材の半径方向外周部と第2の回転部材の半径方向内周部との間にシール部材が介装される。
このため、空間をシール部材によって密閉して空間に収容された潤滑剤によってアーム部材の一端部とカム部のカム面との接触部位に潤滑剤を供給することができ。したがって、アーム部材の一端部とカム面との磨耗や焼き付け等が発生するのを防止することができる。
また、空間内をシール部材によって密閉することができるため、空間内に外部から異物が混入するのを防止して、異物がアーム部材の一端部とカム部のカム面との接触部位に入り込むことが無く、異物によりアーム部材の一端部とカム面との摺動部位に偏磨耗が発生すること等を防止することができる。
また、空間内が高温になった場合に、空間内の圧力が上昇して潤滑剤が空間から外部に漏出するおそれがある。本発明の捩り振動減衰装置では、第1の回転部材に、空間と空間の外部とを連通する連通孔が形成されるので、連通孔を通して空間と空間の外部、すなわち、外気とを連通して空間と外気との圧力を均衡させることができる。このため、空間内の圧力を低減させて空間から潤滑剤が漏出するのを防止することができる。
また、捩り振動減衰装置が回転するときに遠心力によって潤滑剤が半径方向外方に移動するため、半径方向外方に連通孔を形成すると、連通孔から潤滑剤が漏出するおそれがある。
本発明の捩り振動減衰装置は、連通孔を半径方向内方に位置する第1の回転部材に形成したので、遠心力によって潤滑剤が連通孔から漏出するのを確実に防止することができる。このため、空間内の潤滑剤が減少してしまうのを防止することができ、アーム部材の一端部とカム面との接触部位の潤滑性能が低下するのを防止することができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置の前記連通孔は、一端部が前記空間の外部に連通し、他端部が前記第1の回転部材の軸線方向と同方向に延在する第1の連通孔と、一端部が前記第1の連通孔の他端部に連通し、他端部が前記カム部のカム面を除いた前記カム部の側面に開口する第2の連通孔とを含んで構成されるようにしてもよい。
この捩り振動減衰装置は、第2の連通孔の他端部がカム部のカム面を除いたカム部の側面に開口しているので、第2の連通孔の他端部がアーム部材の一端部によって塞がれるのを防止することができる。これに加えて、第2の連通孔に潤滑剤が入り込んだ場合には、捩り振動減衰装置の遠心力によって第2の連通孔から潤滑剤を吐き出すことができる。
この結果、空間と外気とを確実に連通することができ、空間内の通気性能が低下するのを防止することができる。
この結果、空間と外気とを確実に連通することができ、空間内の通気性能が低下するのを防止することができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記第1の回転部材の内周部に、軸部材の外周スプラインがスプライン嵌合される内周スプラインが形成され、前記外周スプラインまたは前記内周スプラインのいずれか一方のスプライン歯の一部が欠歯される欠歯部によって前記第1の連通孔が構成されるようにしてもよい。
この捩り振動減衰装置は、外周スプラインまたは内周スプラインのいずれか一方のスプライン歯の一部が欠歯された欠歯部によって第1の連通孔が構成されるので、外周スプラインまたは内周スプラインの欠歯部を利用して連通孔の一部を構成することができる。
このため、第2の連通孔を第1の連通孔に連通する加工を容易に行うことができるため、結果的に連通孔の加工を容易に行うことができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記第2の回転部材が、前記カム部、前記アーム部材および前記弾性部材の軸線方向両側に位置して軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記回動支点部を構成する回動軸を介して前記アーム部材を回動自在に支持する一対のディスクプレートを含んで構成され、前記第1の回転部材が、外周部に前記カム部を有するボスから構成され、前記一対のディスクプレートの半径方向内周部と前記ボスの半径方向外周部との間に前記シール部材が介装されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、ボスの半径方向外周部および一対のディスクプレートの軸線方向内周部との間に潤滑剤が収容される空間が形成され、一対のディスクプレートの半径方向内周部とボスの半径方向外周部との間にシール部材が介装されるので、空間に収容された潤滑剤が漏出するのを防止して、アーム部材の一端部とカム面との接触部位に潤滑剤を供給することができる。
そして、一対のディスクプレートの半径方向内周部とボスの半径方向外周部との間にシール部材が介装されるとともに、第1の回転部材に連通孔が形成されるので、空間内の圧力が上昇したときに空間から潤滑剤が漏出するのを防止することができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記第1の回転部材に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結され、前記第2の回転部材に内燃機関の回転トルクが伝達されるものから構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結され、第2の回転部材に内燃機関の回転トルクが伝達されるので、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角が小さい領域にあっては、低剛性の弾性部材によって微小振動を減衰してガラ音の発生を抑制することができる。
また、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角が大きい領域では、第1の回転部材と第2の回転部材の捩れ角を大きくしてトルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることができる。
したがって、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
本発明によれば、アーム部材の一端部とカム面との接触部位を潤滑してアーム部材の一端部とカム面との接触部位の磨耗や焼き付け等を防止することができる。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図9は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1〜図4において、捩り振動減衰装置1は、第1の回転部材2と第1の回転部材2の半径方向外方に位置し、第1の回転部材2と同一軸線上に設けられた第2の回転部材3とを備えている。
図1〜図9は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1〜図4において、捩り振動減衰装置1は、第1の回転部材2と第1の回転部材2の半径方向外方に位置し、第1の回転部材2と同一軸線上に設けられた第2の回転部材3とを備えている。
第2の回転部材3には駆動源である図示しない内燃機関からの回転トルクが入力されるようになっており、第1の回転部材2は、第2の回転部材3の回転トルクを図示しない駆動伝達系の変速機に伝達するようになっている。
また、捩り振動減衰装置1は、第1の回転部材2と第2の回転部材3との間に設けられ、第1の回転部材2と第2の回転部材3が相対回転したときに第1の回転部材2の円周方向に弾性変形される弾性部材としての一対のコイルスプリング4を備えている。
第1の回転部材2は、駆動系の変速機の入力軸21(図4参照)の外周スプライン21aにスプライン嵌合される内周スプライン5aを有するボス5と、ボス5の半径方向外周部に設けられ、曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム面6aを有するカム部6とを含んで構成されている。なお、本実施の形態では、入力軸21が軸部材を構成している。
なお、ボス5とカム部6とは一体的に成形されてもよい。また、ボス5とカム部6とを別体に形成し、ボス5の外周部およびカム部6の内周部にスプライン部をそれぞれ形成し、ボス5とカム部6とをスプライン嵌合してもよい。
また、第2の回転部材3は、一対のディスクプレート7、8およびクラッチディスク10を備えている。ディスクプレート7、8は、カム部6の線方向両側に配置されており、軸線方向に所定間隔を隔てて回動支点部としての回動軸9によって連接されている。なお、軸線方向とは、捩り振動減衰装置1の軸線方向であり、入力軸21の軸線方向と同一方向である。
回動軸9は、ディスクプレート7、8に橋架されており、軸線方向両端部が大径に形成されることにより、ディスクプレート7、8に抜け止め係止されている。このため、ディスクプレート7、8は、回動軸9によって一体化されることで一体回転するようになっている。
また、ディスクプレート7、8の円状の中心孔7a、8aにはボス5が収容されており、ボス5は、ディスクプレート7、8と同一軸線上に設けられている。
また、ディスクプレート7、8の円状の中心孔7a、8aにはボス5が収容されており、ボス5は、ディスクプレート7、8と同一軸線上に設けられている。
また、クラッチディスク10は、ディスクプレート7の半径方向外方に設けられており、クッショニングプレート11および摩擦材12a、12bを備えている。クッショニングプレート11は、厚み方向に波打つリング状の部材から構成されており、リベット13aによってディスクプレート7に固定されている。
摩擦材12a、12bは、クッショニングプレート11の両面にリベット13bによって固定されており、この摩擦材12a、12bは、内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置している。
そして、摩擦材12a、12bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力される。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材12a、12bを押圧するのを解除し、摩擦材12a、12bがフライホイールから離隔することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力されない。
また、ディスクプレート7には支持部としての台座14が設けられており、この台座14は、ディスクプレート7から軸線方向に突出してディスクプレート8に取付けられている。
図3に示すように、台座14には台座14から突出する突起部14aを備えており、この突起部14aにコイルスプリング4の延在方向他端部が嵌合されている。また、コイルスプリング4の延在方向一端部にはスプリングシート15が取付けられている。
また、コイルスプリング4とカム部6との間にはアーム部材16が設けられており、このアーム部材16は、ディスクプレート7、8の間に位置し、ニードルベアリング22を介して回動軸9に回動自在に支持されている。
図4に示すように、ニードルベアリング22は、アーム部材16に取付けられたアウターレース22aと、アウターレース22aと回動軸9の間に介装された針状ニードル22bとから構成されており、アウターレース22aが針状ニードル22bを介して回動軸9に対して回転自在となっている。
アーム部材16の一端部16aは、カム部6のカム面6aに接触しており、アーム部材16の他端部16bは、スプリングシート15を介してコイルスプリング4に当接することにより、コイルスプリング4によって時計回転方向に付勢されている。
本実施の形態のカム部6のカム面6aは、楕円形状に形成されており、カム面6aの曲率は、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が最小(捩れ角が略0°)の中立位置にあるときのカム部6の初期位置からディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっている。
したがって、本実施の形態のカム部6は、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が最小のときに曲率の小さいカム面6aにアーム部材16の一端部16aが接触するようにカム部6の初期位置が設定されている。
この捩り振動減衰装置1は、ボス5と一体的にカム部6が回転してアーム部材16の一端部16aが当接するカム面6aの位置が可変されることにより、スプリングシート15がアーム部材16によって付勢されてコイルスプリング4の圧縮量が可変される。このとき、スプリングシート15が台座14に近接および離隔するように移動することになる。
また、アーム部材16は、ディスクプレート7、8の中心軸に対して点対称に配置されており、アーム部材16は、ディスクプレート7、8の中心軸を挟んで同一の曲率を有するカム面6aに一端部16aを接触させることができるようになっている。
図2、図4に示すように、ディスクプレート8は、筒状に形成されており、ディスクプレート8の開口端8bは、黒塗りで示す溶接(溶接箇所を溶接部19という)によってディスクプレート7に固定されている。
すなわち、ディスクプレート7、8は、コイルスプリング4、アーム部材16およびカム部6を取り囲むようにして、ボス5の半径方向外周部に取付けられており、ボス5の半径方向外周部およびディスクプレート7、8の軸線方向内周部との間に潤滑剤としてのグリス23が収容される空間24が画成されている。
グリス23は、半径方向内方に位置するアーム部材16の一端部16aとカム面6aとの接触部位および半径方向外方に位置するアーム部材16の他端部16bとスプリングシート15との接触部位を潤滑するものである。
図3に示すように、グリス23は、空間24の体積に対して一定の割合の量だけ空間24に収容されている。なお、図3は、捩り振動減衰装置1が停止している状態を示している。
グリス23の量は、アーム部材16の摺動抵抗が大きくならず、かつ、捩り振動減衰装置1の遠心力によってグリス23が半径方向外方に移動した場合であっても、半径方向内方に位置するアーム部材16の一端部16aとカム面6aとの接触部位を十分に潤滑できる量である。
また、図4に示すように、ディスクプレート7、8の半径方向内方である中心孔7a、8aとボス5の半径方向外周部との間に一対のシール部材25、26が介装されている。
また、図4に示すように、ディスクプレート7、8の半径方向内方である中心孔7a、8aとボス5の半径方向外周部との間に一対のシール部材25、26が介装されている。
シール部材25は、環状リング27と環状リング27に取付けられたOリング29a、29bとから構成されている。Oリング29aは、環状リング27とディスクプレート7との間に介装されており、Oリング29bは、環状リング27とボス5との間に介装されている。
また、シール部材26は、環状リング28と環状リング28に取付けられたOリング30a、30bとから構成されている。Oリング30aは、環状リング28とディスクプレート8との間に介装されており、Oリング30bは、環状リング28とボス5との間に介装されている。
このため、相対回転可能なディスクプレート7、8とボス5との間は、シール部材25、26によって密着されることにより、空間24が密閉され、グリス23が空間24の外部に漏出することが防止される。
また、ボス5およびカム部6には連通孔31が形成されており、この連通孔31は、空間24と空間24の外部とを連通する空気穴を構成するものである。連通孔31は、一端部が空間24の外部に連通し、他端部がボス5およびカム部6の軸線方向と同方向に延在する第1の連通孔31aと、一端部が第1の連通孔31aの他端部に連通し、他端部がカム部6のカム面6aを除いた側面6bに開口する第2の連通孔31bとを備えている。
次に、作用を説明する。
図5〜図7は、ディスクプレート7、8が内燃機関の回転トルクを受けて反時計回転方向(R1方向)に回転している状態を示し、説明の便宜上、カム部6がディスクプレート7、8に対して正側の時計回転方向(R2方向)および負側の反時計回転方向(R1方向)に捩れるものとして説明を行う。
図5〜図7は、ディスクプレート7、8が内燃機関の回転トルクを受けて反時計回転方向(R1方向)に回転している状態を示し、説明の便宜上、カム部6がディスクプレート7、8に対して正側の時計回転方向(R2方向)および負側の反時計回転方向(R1方向)に捩れるものとして説明を行う。
なお、図5〜7ではディスクプレート8とグリス23を取り除いた状態を示している。また、ディスクプレート7、8に対してカム部6が正側に捩れるのは、車両の加速時である。
摩擦材12a、12bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート7、8に入力される。
本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、ディスクプレート7、8とカム部6との相対回転が小さい状態、すなわち、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が0°付近の小さい状態では、図3に示すように、カム部6が初期位置に位置してディスクプレート7、8と一体回転する。
このとき、カム部6の曲率が小さいカム面6aにアーム部材16の一端部16aが接触しており、カム部6がアーム部材16をスプリングシート15に押し付けることにより、コイルスプリング4がカム部6によって付勢される。
このとき、コイルスプリング4の反力によってアーム部材16が回動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部6を押圧する。このため、ディスクプレート7、8の回転トルクがコイルスプリング4およびアーム部材16を介してカム部6に伝達される。このため、変速機の入力軸21に内燃機関の回転トルクを伝達することになり、このとき、コイルスプリング4の圧縮量は小さいものとなる。
このため、ディスクプレート7、8からカム部6に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部6との捩り振動を吸収して減衰する。
一方、車両の加速時に、内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、ディスクプレート7、8に対してカム部6との間の変動トルクが小さく、カム部6がディスクプレート7、8に対して時計回転方向(R2方向)に相対回転する。
このとき、図3に示す状態から図5に示す状態のように、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が大きくなるにつれてカム部6がディスクプレート7、8に対してR2方向に回転すると、アーム部材16の一端部16aがカム面6aに沿って摺動する。
カム面6aの曲率は、カム部6の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部16aが徐々に曲率が大きくなるカム部6のカム面6aに押圧されると、アーム部材16の他端部16bがディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、カム部6がディスクプレート7、8に対してR2方向に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動することにより、スプリングシート15を台座14に近接させる。
また、アーム部材16の他端部16bがスプリングシート15の円周方向外周部に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害させないようにできる。なお、図5は、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が+45°の状態を示す。
このようにアーム部材16がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材16が回動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部6を強い押圧力で押圧する。
したがって、ディスクプレート7、8からカム部6に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部6との捩り振動を吸収して減衰する。
内燃機関のトルク変動による回転変動がさらに大きくなる場合には、ディスクプレート7、8からカム部6に伝達される変動トルクが大きく、カム部6がディスクプレート7、8に対して時計回転方向(R2方向)にさらに相対回転する。
図5に示す状態から図6に示す状態のように、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が、例えば、最大の+90°になると、カム面6aの曲率が最大の頂部6cにアーム部材16の一端部16aが位置して、カム部6がアーム部材16を介してコイルスプリング4をより大きな付勢力で付勢する。
このため、コイルスプリング4の反力がより一層大きくなり、ディスクプレート7、8からカム部6に内燃機関の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部6との捩り振動を吸収して減衰する。
この場合には、カム面6aの曲率は、カム部6の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が大きくなるに従ってさらに大きくなっているため、アーム部材16の一端部が徐々に曲率が大きくなるカム部6のカム面6aに押圧されると、アーム部材16の他端部がディスクプレート7、8の半径方向内方に移動する。
この場合にも、アーム部材16の他端部16bがスプリングシート15の円周方向外周部に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害しないようにすることができる。
さらに、ディスクプレート7、8に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、アーム部材16の一端部16aがカム面6aの曲率が最も大きい頂部6cを乗り越えてディスクプレート7、8をカム部6に対して空転させることができるため、車両の加速時にカム部6をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、ディスクプレート7、8からカム部6に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
一方、車両の減速時には、内燃機関の駆動トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力軸21からカム部6に回転トルクが入力されることになる。減速時に内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、カム部6とディスクプレート7、8との間の変動トルクが小さいため、カム部6がディスクプレート7、8に対して相対的に負側(R1方向)に捩れることになる。
このとき、図3に示す状態から図7に示す状態のように、ディスクプレート7、8とカム部6とが相対回転したときに、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が大きくなるにつれてカム部6が回転することにより、アーム部材16の一端部16aがカム面6aに沿って摺動する。
カム面6aの曲率は、カム部6の初期位置にあるときからディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が大きくなるに従って大きくなっているため、アーム部材16の一端部16aが徐々に曲率が大きくなるカム部6のカム面6aに押圧されると、アーム部材16の他端部16bがディスクプレート7、8の半径方向内方および円周方向に移動する。
そして、ディスクプレート7、8に対してカム部6が反時計回転方向(R1方向)に回転するのに伴って、アーム部材16の他端部16bがディスクプレート7、8の半径方向内方に移動することにより、スプリングシート15を台座14に近接させる。
また、アーム部材16の他端部16bがスプリングシート15の円周方向外周部に沿って移動することにより、スプリングシート15が円周方向に移動するのを阻害しないようにすることができる。なお、図7は、ディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角が−45°の状態を示す。
このようにアーム部材16がコイルスプリング4を付勢することにより、圧縮されるコイルスプリング4の反力によってアーム部材16が回動軸9を支点にして、テコの原理によってカム部6を強い押圧力で押圧する。
したがって、カム部6からディスクプレート7、8に駆動伝達系の動力を伝達しつつ、ディスクプレート7、8とカム部6との捩り振動を吸収して減衰する。
また、ディスクプレート7、8からカム部6に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、アーム部材16の一端部16aがカム面6aの曲率が最も大きい頂部6cを乗り越えてカム部6をディスクプレート7、8に対して空転させることができるため、カム部6をトルクリミッタとして機能させることができる。
この結果、車両の減速時にディスクプレート7、8からカム部6に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
この結果、車両の減速時にディスクプレート7、8からカム部6に過大なトルクが伝達されてしまうのを防止して、変速機の変速歯車組を保護することができる。
このように本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、カム部6の軸線方向両側に配置され、軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、回動軸9を介してアーム部材16を回動自在に支持する一対のディスクプレート7、8と、ディスクプレート7、8に設けられ、コイルスプリング4の他端部を支持する台座14とを備え、カム部6の一端部16aがカム部6のカム面6aに接触するように構成したので、カム部6とディスクプレート7、8との捩れ角の範囲を広角化してコイルスプリング4の低剛性化を図ることができる。
図8は、ディスクプレート7、8とカム部6の捩れ特性を示す図であり、本実施の形態におけるディスクプレート7、8とカム部6との捩れ角と、カム部6から出力される出力トルクとの関係を説明するグラフである。
横軸は、ディスクプレート7、8に対するカム部6の相対的な捩れ角であり、縦軸がカム部6から出力される出力トルクである。
図8に示すように、本実施の形態では、ディスクプレート7、8に対するカム部6の捩れ角が大きくなるに従ってコイルスプリング4が縮むことにより、アーム部材16によるカム部6への押圧力が大きくなる。
そして、アーム部材16によるカム部6への押圧力が大きくなることにより、出力トルクが大きくなる。このときの出力トルクの変化は、連続的に変化する曲線状の捩れ特性となる。本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、捩れ角を正側および負側でそれぞれ90°に広角化することができる。
なお、ディスクプレート7、8とカム部6とが相対回転するときの捩れ特性および捩れ角の大きさは、カム部6のカム面6aの形状、コイルスプリング4のばね定数、アーム部材16の形状等を調整することにより、任意の捩れ特性および捩れ角(例えば、正負合計で180°)に設定することができる。
このため、シフトポジションがニュートラルに変更されて内燃機関がアイドル状態にあるとき等のように、カム部6とディスクプレート7、8との捩れ角が小さい領域にあっては、低剛性のコイルスプリング4によって微小振動を減衰してガラ音の発生を抑制することができる。
また、カム部6とディスクプレート7、8との捩れ角が大きい領域では、カム部6とディスクプレート7、8の捩れ角を大きくしてトルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることができる。
したがって、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動伝達系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動伝達系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
一方、本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、ディスクプレート7、8が、コイルスプリング4、アーム部材16およびカム部6を取り囲むようにして、ボス5の半径方向外周部に取付けられることにより、ボス5の半径方向外周部およびディスクプレート7、8の軸線方向内周部との間にグリス23が収容される空間24が画成され、ボス5の半径方向外周部とディスクプレート7、8の半径方向内周部との間にシール部材25、26が介装されている。
このため、空間24をシール部材25、26によって密閉することができ、空間24に収容されたグリス23によってアーム部材16の一端部16aとカム部6のカム面6aとの接触部位およびアーム部材16の他端部16bとスプリングシート15の接触部位にグリス23を供給することができる。
したがって、アーム部材16の一端部16aとカム面6aおよびアーム部材16の他端部16bとスプリングシート15の磨耗や焼き付け等が発生するのを防止することができる。
また、空間24内をシール部材25、26によって密閉することができるため、空間24内に外部から異物が混入するのを防止して、異物がアーム部材16の一端部16aとカム部6のカム面6aとの接触部位およびアーム部材16の他端部16bとスプリングシート15との接触部位に入り込むことが無く、異物によりアーム部材16の一端部16aとカム面6aとの摺動部位およびアーム部材16の他端部16bとスプリングシート15との摺動部位の偏磨耗が発生すること等を防止することができる。
一方、発進時や変速時に駆動源側のフライホイールにクラッチディスク10が締結されると、フライホイールとクラッチディスク10との摩擦によって捩り振動減衰装置1が高温になる。
このため、空間24内が高温になって空間24内の圧力が上昇してグリス23が空間24から外部に漏出するおそれがある。本実施の形態では、ボス5およびカム部6に、空間24と空間24の外部とを連通する連通孔31を形成したので、連通孔31を通して空間24と空間24の外部、すなわち、外気とを連通して空間24と外気との圧力を均衡させることができる。このため、空間24内の圧力を低減させて空間24からグリス23が漏出するのを防止することができる。
ここで、捩り振動減衰装置1が回転するときに遠心力によってグリス23が半径方向外方に移動するため、半径方向外方に連通孔31を形成すると、連通孔31からグリス23が漏出するおそれがある。
本実施の形態の捩り振動減衰装置1は、連通孔31を半径方向内方に位置するボス5およびカム部6に形成したので、遠心力によってグリス23が連通孔31から漏出するのを確実に防止することができる。このため、空間24内のグリス23が減少してしまうのを防止することができ、アーム部材16の一端部16aとカム部6のカム面6aとの接触部位の潤滑性能が低下するのを防止することができる。
特に、本実施の形態の連通孔31は、一端部が空間24の外部に連通し、他端部がボス5の軸線方向と同方向に延在する第1の連通孔31aと、一端部が第1の連通孔31aの他端部に連通し、他端部がカム部6のカム面6aを除いた側面6bに開口する第2の連通孔31bとを備えている。
このように第2の連通孔31bの他端部をカム部6のカム面6aを除いたカム部6の側面6bに開口させることで、第2の連通孔31bの他端部がアーム部材16の一端部16aによって塞がれるのを防止することができる。
これに加えて、第2の連通孔31bにグリス23が入り込んだ場合には、捩り振動減衰装置1の遠心力によって第2の連通孔31bからグリス23を吐き出すことができる。
これに加えて、第2の連通孔31bにグリス23が入り込んだ場合には、捩り振動減衰装置1の遠心力によって第2の連通孔31bからグリス23を吐き出すことができる。
この結果、空間24と外気とを確実に連通することができ、空間24内の通気性能が低下するのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、ボス5に第1の連通孔31aを形成しているが、これに限るものではない。例えば、図9に示すように、ボス5の内周スプライン5aの1歯を欠歯して欠歯部5bを形成し、この欠歯部5bによって第2の連通孔31bに連通する第1の連通孔31cを構成してもよい。
このようにすれば、第2の連通孔31bを第1の連通孔31cに連通する加工を容易に行うことができるため、結果的に連通孔31の加工を容易に行うことができる。なお、欠歯部は、ボス5の内周スプライン5aではなく、入力軸21の外周スプライン21aに形成してもよい。
また、本実施の形態では、グリス23によってアーム部材16の一端部16aとカム部6のカム面6aとの接触部位およびアーム部材16の他端部16bとスプリングシート15の接触部位を潤滑することができる。
このため、アーム部材16の一端部16aおよび他端部16bに摺動抵抗を低減するためのボールベアリング等を設けるのを不要にでき、アーム部材16の製造を容易に行うことができるとともに、捩り振動減衰装置1の軽量化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、ディスクプレート8の開口端8bが溶接部19によってディスクプレート7に固定されているが、これに限らず、開口端8bがシール部材を介してディスクプレート7に密着されるようにしてもよい。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、アーム部材の一端部とカム面との接触部位を潤滑してアーム部材の一端部とカム面との接触部位の磨耗や焼き付け等を防止することができるという効果を有し、車両の内燃機関と駆動伝達系との間に介装され、第1の回転部材と第2の回転部材との間で回転トルクが伝達されるように第1の回転部材と第2の回転部材とをアーム部材および弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置等として有用である。
1 捩り振動減衰装置
2 第1の回転部材
3 第2の回転部材
4 コイルスプリング(弾性部材)
5 ボス(第1の回転部材)
5a 内周スプライン
5b 欠歯部
6 カム部
6a カム面
6b 側面
7、8 ディスクプレート(第2の回転部材)
9 回動軸(回動支点部)
16 アーム部材
16a 一端部
16b 他端部
21 入力軸(軸部材)
21a 外周スプライン
23 グリス(潤滑剤)
24 空間
31 連通孔
31a、31c 第1の連通孔
31b 第2の連通孔
2 第1の回転部材
3 第2の回転部材
4 コイルスプリング(弾性部材)
5 ボス(第1の回転部材)
5a 内周スプライン
5b 欠歯部
6 カム部
6a カム面
6b 側面
7、8 ディスクプレート(第2の回転部材)
9 回動軸(回動支点部)
16 アーム部材
16a 一端部
16b 他端部
21 入力軸(軸部材)
21a 外周スプライン
23 グリス(潤滑剤)
24 空間
31 連通孔
31a、31c 第1の連通孔
31b 第2の連通孔
Claims (5)
- 第1の回転部材と、前記第1の回転部材の半径方向外方に設けられた第2の回転部材と、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間に設けられ、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材とが相対回転したときに前記第1の回転部材および前記第2の回転部材との間で弾性変形される少なくとも1つ以上の弾性部材と、
前記第1の回転部材の半径方向外周部に設けられ、曲率が円周方向に沿って変化するように構成されたカム面を有するカム部と、
一端部が前記カム部の外周部に接触するとともに他端部が前記弾性部材に付勢され、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材とが相対回転したときに、前記第2の回転部材に設けられた回動支点部を中心に回動して前記弾性部材を弾性変形させることにより、前記第1の回転部材と前記第2の回転部材との間で回転トルクを伝達するアーム部材とを備えた捩り振動減衰装置であって、
前記第2の回転部材が、前記弾性部材、前記アーム部材および前記カム部を取り囲むようにして、前記第1の回転部材の半径方向外周部に取付けられることにより、前記第1の回転部材の半径方向外周部および第2の回転部材の軸線方向内周部との間に潤滑剤が収容される空間が画成され、
前記第2の回転部材の半径方向内周部と前記第1の回転部材の半径方向外周部との間にシール部材が介装されるとともに、前記第1の回転部材に、前記空間と前記空間の外部とを連通する連通孔が形成されることを特徴とする捩り振動減衰装置。 - 前記連通孔は、一端部が前記空間の外部に連通し、他端部が前記第1の回転部材の軸線方向に延在する第1の連通孔と、一端部が前記第1の連通孔の他端部に連通し、他端部が前記カム部のカム面を除いた前記カム部の側面に開口する第2の連通孔とを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
- 前記第1の回転部材の内周部に、軸部材の外周スプラインがスプライン嵌合される内周スプラインが形成され、前記外周スプラインまたは前記内周スプラインのいずれか一方のスプライン歯の一部が欠歯される欠歯部によって前記第1の連通孔が構成されることを特徴とする請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
- 前記第2の回転部材が、前記カム部、前記アーム部材および前記弾性部材の軸線方向両側に位置して軸線方向に所定間隔を隔てて互いに固定されるとともに、前記回動支点部を構成する回動軸を介して前記アーム部材を回動自在に支持する一対のディスクプレートを含んで構成され、
前記第1の回転部材が、外周部に前記カム部を有するボスから構成され、
前記一対のディスクプレートの半径方向内周部と前記ボスの半径方向外周部との間に前記シール部材が介装されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。 - 前記第1の回転部材に駆動伝達系の変速機の入力軸が連結され、前記第2の回転部材に内燃機関の回転トルクが伝達されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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