JPWO2013051497A1 - エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

エポキシ樹脂中に複数の酸化ケイ素コロイド粒子を規則的に配列させて複数の単結晶構造を形成し、該複数の単結晶構造によって形成された多結晶構造を含み、前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子同士が互いに非接触であり、互いに隣り合う前記酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離が330nm未満であり、前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子の平均粒径が290nm未満であり、前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子の濃度が10〜50質量%であり、かつ比誘電率が4以上である、エポキシ樹脂組成物およびその製造方法、並びにそれを用いた建築用材、身飾品および光学材料を提供する。

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物およびその製造方法、並びにそれを用いて形成した建築用材、身飾品および光学材料に関する。
従来から、重合性物質を含有した溶媒にコロイド粒子を分散させ、重合性物質を重合させることによって、隣接するコロイド粒子同士を実質的に接触させずに、コロイド粒子を規則的に配列させた固定化コロイド結晶が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、136nmの粒径を有するシリカ複合粒子を、ジメタクリル酸エチレンおよびメタクリル酸メチルに混合することによって、シリカ複合粒子からなるコロイド粒子の多結晶体をポリマー鎖反発により固定した、固定化コロイド結晶が記載されている。
しかし、特許文献1に記載されている固定化コロイド結晶は、反射スペクトルのピーク波長が530nm程度であり、紫色から赤色までの広い波長範囲(400〜800nm)から任意の遊色効果を示すことはできなかった。
また、水などの液体中で酸化ケイ素などの微粒子からなるコロイド粒子を最密充填法で充填する方法がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、微粒子を含む液体に超音波を照射することによって、コロイド粒子を短時間に最密充填できると記載されている。
しかし、特許文献2に記載されている方法では、液体を超音波によって蒸発または揮発させる必要があり、液体の濃度や組成によっては必ずしも短時間でコロイド粒子を最密充填できない。そのため、特許文献2に記載されている方法には、量産性およびコスト面において問題がある。また、特許文献2に記載されている方法は、酸化ケイ素の含有量が多いため、加工するには硬度が高く、加工性にも問題がある。
さらに、コロイド粒子が分散したモノマーを重合して、ポリマーで固定化されたコロイド結晶を製造する方法がある(例えば、特許文献3参照)。
しかし、特許文献3に記載されている方法は、単結晶体を多数含む多結晶体で構成されているだけであり、単結晶体の大きさを意図的に制御するものではない。そのため、特許文献3に記載されている方法では、得られるコロイド結晶が十分な遊色効果を示さないおそれがある。ここで、遊色効果とは、宝石のオパールに見られるような視野角の変化に伴う色相変化を意味する。遊色効果が見られる理由の1つとしては、多数の単結晶体によって多結晶体中に様々な結晶面が見られることに起因すると考えられる。単結晶体の大きさが意図的に制御されていないと、多結晶体が小さな単結晶体で構成されるおそれがある。単結晶体の大きさがあまり小さいと、多結晶体の視認性が低下し、十分な遊色効果を示すことができない。十分な遊色効果を示さないコロイド結晶は、建築用材、身飾品あるいは光学材料などには適さない。
国際公開第2003/100139号 特開2006−247915号公報 特開2008−303261号公報
本発明の課題は、紫色から赤色までの広い波長範囲から任意の遊色効果を発揮することができ、しかも製造が比較的容易なエポキシ樹脂組成物およびその製造方法、並びにそれを用いた建築用材、身飾品および光学材料を提供することである。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂中に複数の酸化ケイ素コロイド粒子を規則的に配列させて複数の単結晶構造を形成し、該複数の単結晶構造によって形成された多結晶構造を含むものであって、前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子同士が互いに非接触であり、互いに隣り合う前記酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離が330nm未満であり、前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子の平均粒径が290nm未満であり、前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子の濃度が10〜50質量%であり、かつ比誘電率が4以上である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、ジグリシジルエステル誘導体化合物およびジグリシジルエーテル誘導体化合物のうち少なくとも一方と無水フタル酸誘導体化合物とを混合して比誘電率を4以上とした配合物に、平均粒径が290nm未満である酸化ケイ素コロイド粒子を加えて、該酸化ケイ素コロイド粒子の濃度を10〜50質量%とした前駆体を得る第1工程と、前記前駆体を加熱して、複数の前記酸化ケイ素コロイド粒子同士が互いに非接触であり、かつ互いに隣り合う前記酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離が330nm未満であるエポキシ樹脂組成物を得る第2工程とを含む。
本発明の建築用材は、上述したエポキシ樹脂組成物を用いたものである。
本発明の身飾品は、上述したエポキシ樹脂組成物を用いたものである。
本発明の光学材料は、上述したエポキシ樹脂組成物を用いたものである。
本発明によれば、多結晶構造を構成する単結晶構造の形成が可能な酸化ケイ素の含有量の範囲を広く設定できる。そのため、酸化ケイ素の含有量に起因する遊色効果の波長範囲を広く設定することができる。また、酸化ケイ素の含有量を低減できることからコスト的にも有利となる。さらに、多結晶構造を構成する単結晶構造の大きさを意図的に制御するため、多結晶構造の視認性を高めて、十分な遊色効果を示すことができる。
また、本発明によれば、互いに隣り合う酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離を330nm未満の広範囲で設定することができるため、紫色から赤色までの広い波長範囲から任意の遊色効果を示すことができる。さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂中に複数の酸化ケイ素コロイド粒子を規則的に配列させて複数の単結晶構造を形成し、これら複数の単結晶構造によって形成された多結晶構造を含むものである。したがって、従来の最密充填法のような液体を超音波によって蒸発または揮発させることによる問題がなく、1〜3日程度の比較的短期間でエポキシ樹脂組成物を効率よく形成することができる。そのため、コスト的に有利となり、量産性にも優れる。
本発明の建築用材、身飾品および光学材料は、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて形成されるので、良好な遊色効果を有する。
本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物を示す部分拡大概略説明図である。 (a)は、実施例の試料No.14におけるエポキシ樹脂組成物の走査型電子顕微鏡(SEM)写真であり、(b)は、(a)の概略説明図である。 (a)は、実施例の試料No.13におけるエポキシ樹脂組成物の反射スペクトルであり、(b)は、実施例の試料No.14におけるエポキシ樹脂組成物の反射スペクトルである。
以下、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物について、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、エポキシ樹脂2中に複数の酸化ケイ素コロイド粒子(以下、「コロイド粒子」と言うことがある。)3を規則的に配列させて複数の単結晶構造4を形成し、複数の単結晶構造4によって形成された多結晶構造6を含むものである。
言い換えれば、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、エポキシ樹脂2中にコロイド粒子3の多結晶構造6を含有している。多結晶構造6は、多数の単結晶構造4から構成されている。互いに隣り合う単結晶構造4,4同士は、その境界線5において、各単結晶構造4を構成するコロイド粒子3の配向が異なっている。互いに隣り合うコロイド粒子3,3同士は、静電気力7によって互いに反発していることから、互いに非接触である。以下、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1の各構成を具体的に説明する。
本実施形態のエポキシ樹脂2は、グリシジル基を有する化合物、酸無水物および高比誘電率化合物を混合した配合物を硬化させてなる。配合物は、常温で液体であることが好ましい。常温とは、15〜30℃の温度を意味するものとする。配合物が、常温において液体であると、コロイド粒子3の分散を容易に行うことができる。
グリシジル基を有する化合物および酸無水物は、当業者が硬化反応を行う際に過不足なく反応し得るように、通常設定する割合で用いられる。用いるグリシジル基を有する化合物または酸無水物によって、これらの割合は異なるものの、好ましくは、グリシジル基を有する化合物100質量部に対して、酸無水物が70〜200質量部、より好ましくは酸無水物が90〜110質量部である。グリシジル基を有する化合物および酸無水物は、それぞれ単独で用いてもよく、複数の種類を組み合わせて用いることもできる。
なお、グリシジル基を有する化合物に対して、酸無水物が過多となるように配合すれば、比誘電率を安定して高くできる傾向にある。具体例を挙げると、グリシジル基を有する化合物45質量部に対して、酸無水物を55質量部にする配合などが挙げられる。
本実施形態の配合物の比誘電率は、4以上である。比誘電率が4未満であると、静電気力7が十分でなく、互いに隣り合うコロイド粒子3,3同士の静電反発が弱く、結果としてコロイド粒子3が規則的に配列せず、十分な遊色効果を示さない。配合物の比誘電率は、10以下であるのが好ましい。比誘電率は、例えば、Wayne Kerr社製の高精度インピーダンス/LCRメーター「6430B」によって測定することができる。
本実施形態の配合物は、高比誘電率化合物を添加することによって比誘電率の調整を行っている。これにより、配合物における比誘電率の調整を簡単に行うことができる。ここで、高比誘電率化合物とは、比誘電率が20以上、好ましくは60以上である化合物のことを意味するものとする。高比誘電率化合物は、好ましくはグリシジル基を有する化合物100質量部に対して、1〜6質量部、より好ましくは3〜6質量部の割合で含有される。高比誘電率化合物は、単独で用いてもよく、複数の種類を組み合わせて用いることもできる。
なお、配合物における比誘電率の調整は、配合物の比誘電率を4以上にできる限り、高比誘電率化合物の添加に限定されるものではなく、他の方法で行うこともできる。他の比誘電率の調整方法としては、例えば、グリシジル基を有する化合物および酸無水物のうち、比誘電率の高い方の成分の混合比率を高くする方法、極性基を導入した高比誘電率なグリシジル基を有する化合物あるいは高比誘電率な酸無水物を混合する方法などが挙げられる。
本実施形態において、上述したグリシジル基を有する化合物は、ジグリシジルエステル誘導体化合物およびジグリシジルエーテル誘導体化合物のうち少なくとも一方である。ジグリシジルエステル誘導体化合物として、フタル酸ジグリシジルエステルおよびヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルから選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。また、ジグリシジルエーテル誘導体化合物として、グリセロールポリグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルおよびビスフェノールAジグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
本実施形態において、上述した酸無水物は、無水フタル酸誘導体化合物である。無水フタル酸誘導体化合物としては、例えば、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸などが挙げられ、これらは混合して用いてもよい。無水フタル酸誘導体化合物として、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸からなるものを用いる場合には、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸の濃度を、ヘキサヒドロ無水フタル酸の濃度よりも高くするのが好ましい。
高比誘電率化合物としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムなどの無機塩;ピリジン、四級アンモニウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミン、エチレンカーボネートなどの化合物;重合性物質;水、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ニトロベンゼン、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルム、ジオキサン、アクリロニトリル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシドなどの溶媒などが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。高比誘電率化合物として、プロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種を用いるのが好ましい。
重合性物質としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸、4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸メチル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンなどのビニル系モノマーまたはオリゴマー;エチレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテル;β−プロピオンラクトンなどの環状エステル;ε−カプロラクタムなどの環状アミド;メチルシラン、フェニルシランなどのポリシランを与えるモノマーなどが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ樹脂2の特定は、例えば、(株)島津製作所製のフーリエ変換赤外分光光度計である「IR Prestige−21」を用いて分析することによって行うことができる。
エポキシ樹脂2の含有量は、エポキシ樹脂組成物1の総量に対して35〜90質量%であるのが好ましい。エポキシ樹脂2の含有量が35質量%以上であると、紫色から赤色までを主とする広い波長範囲の遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。また、エポキシ樹脂2の含有量が90質量%以下であると、コロイド粒子3の静電気力7を互いに隣り合うコロイド粒子3,3間に及ぼして、各コロイド粒子3を規則配列させることができる。そのため、多結晶構造6を主とする遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。
エポキシ樹脂2の比誘電率を調整すると、多結晶構造6を構成する単結晶構造4の形成が可能な酸化ケイ素の含有量を調整することができる。すなわち、エポキシ樹脂2の比誘電率を上げると、コロイド粒子3表面の水酸基の解離度が上がり、コロイド粒子3表面の電荷が増大し、静電気力7が強くなるため、静電気力7が及ぶ距離が長くなり、酸化ケイ素の含有量が低下しても静電反発が可能となる。結果として酸化ケイ素の含有量が低下してもコロイド粒子3が規則配列して単結晶構造4の形成が可能となると推測できる。
酸化ケイ素の含有量を調整すると、多結晶構造6を構成する単結晶構造4の大きさを制御することができる。すなわち、酸化ケイ素の含有量を下げる、つまり互いに隣り合うコロイド粒子3,3同士の距離を遠ざけることで、多結晶構造6を構成する単結晶構造4を大きくし、多結晶構造6の視認性を高めることができる。
具体的には、単結晶構造4の大きさを0.1mm以上、好ましくは1〜5mmに制御する。単結晶構造4の大きさとは、単結晶構造4に対して鉛直方向から見たときに、単結晶構造4を囲繞する最小の外接円の直径のことを意味するものとする。
なお、上述した比誘電率の調整、酸化ケイ素の含有量の調整および高比誘電率化合物の添加は、それぞれ単独で、または併用して行うことができる。
一方、本実施形態のコロイド粒子3は酸化ケイ素からなり、エポキシ樹脂2中に分散している。コロイド粒子3は、例えば、(i)向きが異なる体心立方構造の単結晶が混在したもの、(ii)向きが異なる面心立方構造の単結晶が混在したもの、あるいは(iii)体心立方構造の単結晶および面心立方構造の単結晶が混在したものとして、多結晶構造6を形成している。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、図3に示すように、単結晶構造4が混在しているため、反射スペクトルを測定すると、複数の波長のピークが検出される。これらの反射スペクトルからは、視野角の変化により反射光の色が変化する、十分な遊色効果が得られることがわかる。反射スペクトルは、例えば、オーシャンオプティクス社製のファイバマルチチャンネル分光器「USB2000」により測定することができる。なお、図3は、後述する実施例の試料No.13,14におけるエポキシ樹脂組成物の反射スペクトルであり、「USB2000」によって測定したものである。
また、互いに隣り合うコロイド粒子3,3間には、静電気力7により反発力が作用している。それゆえ、本実施形態においては、図2に示すように、複数のコロイド粒子3,3同士が、互いに非接触である。そして、互いに隣り合うコロイド粒子3,3間の平均距離Lは、330nm未満、好ましくは140nm以上330nm未満、より好ましくは150〜300nm、さらに好ましくは160〜290nmの距離に保たれている。
コロイド粒子3,3間の平均距離Lが140nm以上の場合、例えば、サンプルの屈折率を1.5としたとき、コロイド粒子3,3間の平均距離Lに起因して得られる回折波長λはブラッグ反射の式に則ると、式:2×1.5×2/61/2×140=343nmになる。したがって、可視光波長よりも短くなることがなく、多結晶構造6を主とする遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。
また、コロイド粒子3,3間の平均距離Lが330nm未満の場合、この結晶構造に起因して得られる回折波長λも、可視光波長よりも長くなることがなく、多結晶構造6を主とする遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。
コロイド粒子3,3間の平均距離Lは、例えば、エポキシ樹脂組成物1における複数の酸化ケイ素コロイド粒子3の濃度、すなわち酸化ケイ素の含有量を調整することによって所望の値に制御することができる。酸化ケイ素の含有量は、エポキシ樹脂組成物1の総量に対して10〜50質量%であり、15〜50質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのがより好ましい。この範囲内で酸化ケイ素の含有量を多くすると、コロイド粒子3,3間の平均距離Lが小さくなる傾向にあり、逆に酸化ケイ素の含有量を少なくすると、コロイド粒子3,3間の平均距離Lが大きくなる傾向にある。すなわち、酸化ケイ素の含有量(複数の酸化ケイ素コロイド粒子3の濃度)と、コロイド粒子3,3間の平均距離Lとは、互いに相関関係を有する。また、酸化ケイ素の含有量が上述した範囲内にあると、コロイド粒子3の静電気力7を互いに隣り合うコロイド粒子3,3間に及ぼして、各コロイド粒子3を規則配列させることができる。そのため、多結晶構造6を主とする遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。
コロイド粒子3,3間の平均距離Lは、例えば、次のようにして測定することができる。すなわち、エポキシ樹脂組成物1の任意の破断面に対して、走査型電子顕微鏡(SEM:(株)日立製作所製の「SU8000」)を用いて、加速電圧1kVで二次電子組成像を観察して得られたSEM画像(図2(a)参照)上で測定することができる。より具体的には、コロイド粒子3,3間の平均距離Lは、SEM画像において、互いに隣り合う一方のコロイド粒子3の中心3aから他方のコロイド粒子3の中心3aまでの距離を任意に10箇所選択して測定し、その平均値を算出するとともに、この平均値をSEMでの倍率に応じて換算することにより測定することができる。倍率は、1万〜20万倍程度が適当である。
また、酸化ケイ素の含有量の測定は、例えば、(株)島津製作所製の「DTG−60H」を用いた熱重量分析によって行うことができる。酸化ケイ素の特定は、例えば、SII(株)製の「SEA1200VX」を用いた蛍光X線分析によって行うことができる。
複数のコロイド粒子3の平均粒径Rは、290nm未満、好ましくは70nm以上290nm未満、より好ましくは85〜250nm、さらに好ましくは100〜235nmである。コロイド粒子3の平均粒径Rが70nm以上の場合には、可視光波長よりも回折波長が短くなることがなく、多結晶構造6を主とする遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。また、コロイド粒子3の平均粒径Rが290nm未満の場合、可視光波長よりも回折波長が長くなることがなく、多結晶構造6を主とする遊色効果を呈する部材として、より視認性を向上することができる。
コロイド粒子3の平均粒径Rは、粉末に対しては、例えば、上述したSEMによって測定することができ、分散液に対しては、例えば、CPS Instruments,Inc.社製のディスク遠心式粒度分布測定装置「DC24000」のような粒度分布測定装置により測定することができる。より具体的に説明すると、SEMによって測定する場合には、図2におけるSEM写真において、1μm四方の視野範囲で確認されたコロイド粒子3について平均粒径Rを求めてもよい。また、粒度分布測定装置を用いる場合には、コロイド粒子3の平均粒径Rは粒度分布から求めるものであり、平均粒径Rがコロイド粒子数に依存しなくなるまで十分に抽出するのがよい。
コロイド粒子3は、酸化ケイ素の原料として水ガラスあるいはケイ素のアルコキシドを用いて公知の方法によって調製することができる。具体的には、例えば、ケイ素のアルコキシドをアルカリによって加水分解する方法、あるいは水ガラスを原料とする酸化ケイ素を積層することで任意の粒径のコロイド粒子3を得る方法などが挙げられる。
上述した構成を有する本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、比誘電率が4以上である。また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1の比誘電率は、9以下であるのが好ましい。
そして、上述した構成を有する本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、紫色から赤色までの波長範囲において遊色効果を示す。具体的には、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、波長範囲が400〜800nmの光による遊色効果を示す。
次に、本発明の一実施形態に係るエポキシ樹脂組成物の製造方法について、上述のエポキシ樹脂組成物1を例にとって説明する。本実施形態のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、以下の第1工程および第2工程を含んでいる。以下、工程順に本実施形態を詳細に説明する。
(第1工程)
まず、ジグリシジルエステル誘導体化合物およびジグリシジルエーテル誘導体化合物のうち少なくとも一方と、無水フタル酸誘導体化合物と、高比誘電率化合物とを混合し、比誘電率を4以上、好ましくは4〜10とした上述の配合物を得る。
一方、エポキシ樹脂組成物1のコロイド粒子3を構成する酸化ケイ素粉末は、例えば、次のようにして調製することができる。まず、コロイダルシリカとアルコールとの混合物を容器に収容する。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2−プロパノールなどが挙げられる。容器の材質としては、例えば、ポリプロピレンなどが挙げられる。
次いで、混合物を遠心分離機にて遠心分離し、固形成分と液体成分とに分離させる。遠心分離は、回転数を8000〜10000rpm程度とし、30分から1時間程度行うのが好ましい。
遠心分離後、容器内の上澄み液を廃棄し、廃棄した量とほぼ同量のアルコールを量り取って容器に入れる。
次いで、超音波によって再分散させた後、再度遠心分離機にて固形成分と液体成分とを分離させる。この工程を2〜5回程度繰り返す。これにより、得られる酸化ケイ素粉末が再分散され易くなる。分離が終了したら固形成分を乾燥機にて35〜60℃の温度で乾燥させて酸化ケイ素粉末を得る。乾燥は、真空状態で行ってもよい。
得られた酸化ケイ素粉末、すなわち酸化ケイ素コロイド粒子3の平均粒径Rは、290nm未満、好ましくは70nm以上290nm未満、より好ましくは85〜250nm、さらに好ましくは100〜235nmである。この酸化ケイ素コロイド粒子3を、上述の配合物に加えて分散させ、前駆体を得る。分散は、超音波分散装置を用いて行うのが好ましい。超音波の条件としては、周波数が10〜50kHz程度であり、時間を1〜15時間程度とするのが好ましい。
前駆体における酸化ケイ素コロイド粒子3の濃度は、10〜50質量%であり、15〜50質量%であるのが好ましく、20〜45質量%であるのがより好ましい。
(第2工程)
上述した前駆体を加熱して、複数のコロイド粒子3,3同士が互いに非接触であり、かつ互いに隣り合うコロイド粒子3,3間の平均距離Lが330nm未満である上述したエポキシ樹脂組成物1を得る。具体的には、酸化ケイ素粉末を、配合物に分散させた後、熱重合させることによって、前駆体を硬化させ、これによりエポキシ樹脂2中にコロイド粒子3の多結晶構造6を含有させたエポキシ樹脂組成物1を得ることができる。加熱条件としては、加熱温度が60〜150℃、加熱時間が5時間〜24時間であるのが好ましい。
上述のような製造方法によれば、従来の最密充填法のように製造に長期間を要することもなく、通常、1日〜3日程度の比較的短期間でエポキシ樹脂組成物1を形成することができるため、コスト的に有利となり、量産性にも優れる。
なお、上述した酸化ケイ素粉末として、有機分子で酸化ケイ素粉末を被覆したものを使用してもよい。これにより、重合性物質に対する酸化ケイ素粉末の親和性をより高めることができる。この場合には、有機分子を含めた全体の平均粒径が上述した平均粒径Rの範囲内にあるのが好ましい。
有機分子としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ無水マレイン酸などの単独重合体;(メタ)アクリル酸メチル、スチレン、無水マレイン酸、他の共重合可能な単量体を共重合させた共重合体;グリシジル基を官能基として有する化合物;グリシジル基を官能基として有する重合体(単独重合体および共重合体)などが挙げられ、これらは1種または2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの有機分子は、粒子表面との親和性をより向上させるために適当な官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、トリメトキシシラン基、トリエトキシシラン基などが挙げられる。酸化ケイ素粉末の表面を覆う有機分子の量は、例えば、粒子質量に対して1〜20質量%程度が好ましい。その他の構成は、上述したエポキシ樹脂組成物1と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、好ましくは上述の製造方法によって得られるが、得られるエポキシ樹脂組成物1が上述した物性を有する限り、その製造方法は、上述した製造方法に限定されるものではない。例えば、高比誘電率化合物を用いなくても、最終的に得られるエポキシ樹脂組成物1が4以上の比誘電率を有するように製造できれば、その製造方法で製造しても差し支えない。なお、エポキシ樹脂組成物1が4以上の比誘電率を有するのは、硬化直後まで維持されていればよく、硬化後に吸湿などの影響により比誘電率が変化しても構わない。
上述した本実施形態のエポキシ樹脂組成物1は、例えば、建築用材、身飾品、光学材料などに使用される複合部材に好適である。本実施形態のエポキシ樹脂組成物1を適用できる建築用材としては、例えば、内外壁材、床材などが挙げられる。また、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1を適用できる身飾品としては、例えば、オパール調の宝玉を用いた指輪、ネックレス、イヤリング、ブローチなどが挙げられる。本実施形態のエポキシ樹脂組成物1を適用できる光学材料としては、例えば、レーザー発振器用のフォトニック結晶、各種光学フィルターなどが挙げられる。
なお、本実施形態のエポキシ樹脂組成物1の用途は、上述した建築用材、身飾品および光学材料に限定されるものではなく、紫色から赤色までの広い波長範囲から任意の遊色効果を発揮することが要求される分野において、好適に用いることができる。本実施形態のエポキシ樹脂組成物1の他の用途としては、例えば、塗料または包装用紙などの光輝剤、時計の文字盤、化粧品などの容器、筆記用具などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
以下の実施例において、比誘電率、酸化ケイ素コロイド粒子の平均粒径R、互いに隣り合う酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離Lおよび視認性は、以下のようにして測定または評価した。
<比誘電率>
配合物およびエポキシ樹脂組成物の比誘電率の測定は、Wayne Kerr社製の高精度インピーダンス/LCRメーター「6430B」によって測定した。
<酸化ケイ素コロイド粒子の平均粒径R>
酸化ケイ素コロイド粒子の平均粒径Rは、SEM画像に基づいて測定した。SEM画像は、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、倍率を10万倍とし、エポキシ樹脂組成物の任意の破断面を撮影することによって得た。そして、得られたSEM画像において、任意の10点について測定した後にその平均値を算出することによって平均粒径Rを得た。
<互いに隣り合う酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離L>
互いに隣り合う酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離Lは、SEM画像に基づいて測定した。SEM画像は、(株)日立製作所製の走査型電子顕微鏡「SU8000」を用いて、倍率を10万倍とし、エポキシ樹脂組成物の任意の破断面を撮影することによって得た。平均距離Lは、SEM画像において任意の10点について測定した後にその平均値を算出し、その平均値を倍率から換算した値とした。
<視認性>
多結晶構造の視認性の評価については、得られたエポキシ樹脂組成物を目視にて観察し、主に紫色から赤色までが認識される部分を多結晶構造として評価した。評価基準は、以下のように設定した。
◎:結晶が大きく、視認性がよい。
○:結晶は小さいが、視認性がよい。
×:視認性が悪い。
<エポキシ樹脂組成物の作製>
まず、配合物を作製した。配合物の作製に用いた化合物は、以下の通りである。
(グリシジル基を有する化合物)
GPE:グリセロールポリグリシジルエーテル(glycerol polyglycidyl ether)
DP:フタル酸ジグリシジルエステル(diglycidyl phthalate)
BDE:1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(1,4-butanediol diglycidyl ether)
BADE:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(bisphenol A diglycidyl ether)
DHP:ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル(diglycidyl hexahydrophthalate)
(無水フタル酸誘導体化合物)
4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸からなり、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との質量比が7:3である無水フタル酸誘導体化合物を用いた。
(高比誘電率化合物)
EC:エチレンカーボネート(ethylene carbonate)
PC:プロピレンカーボネート(propylene carbonate)
上述した各化合物を、表1に示す割合および組み合わせで混合し、表1に示す比誘電率を有する配合物を得た。
一方、表1に示す平均粒径Rを有する酸化ケイ素コロイド粒子は、次のようにして得た。まず、ポリプロピレン製の容器にコロイダルシリカ250gおよびメタノール250gを量り取り、遠心分離機を用いて回転数9100rpmで1時間かけて遠心分離を行った。次いで、遠心分離後の容器内にできた上澄み液を廃棄し、廃棄した量とほぼ同量のメタノールを容器に入れ、再度遠心分離機にて遠心分離を行った。この工程を3回繰り返した。遠心分離後、固形成分を乾燥機にて45℃の温度で乾燥させて、表1に示す平均粒径Rを有する酸化ケイ素コロイド粒子(酸化ケイ素粉末)を得た。
次いで、得られた酸化ケイ素コロイド粒子を、表1に示す濃度および組み合わせで上述した配合物に加えて分散し、前駆体を得た。分散は、超音波分散装置を用いて周波数24kHzの超音波を1時間照射することによって行った。
そして、得られた前駆体を乾燥機によって加熱して硬化させ、表1に示す比誘電率および平均距離Lを有する試料No.1〜17に係るエポキシ樹脂組成物を得た。なお、加熱条件は、以下の通りである。
(加熱条件)
加熱温度:130℃
加熱時間:5時間
<評価>
得られたエポキシ樹脂組成物について、視認性を上述した方法に従って評価した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、試料No.2〜7,9,11〜17はいずれも、視認性に優れているのがわかる。これに対し、配合物の比誘電率が4以上ではない試料No.1、酸化ケイ素コロイド粒子における平均粒径Rが290nm未満ではなく、その濃度が50質量%を超えており、エポキシ樹脂組成物の比誘電率が4以上ではない試料No.8、および酸化ケイ素コロイド粒子の濃度が10質量%未満であり、平均距離Lが330nm未満ではない試料No.10はいずれも、視認性に劣る結果を示した。

Claims (13)

  1. エポキシ樹脂中に複数の酸化ケイ素コロイド粒子を規則的に配列させて複数の単結晶構造を形成し、該複数の単結晶構造によって形成された多結晶構造を含むエポキシ樹脂組成物であって、
    前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子同士が互いに非接触であり、
    互いに隣り合う前記酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離が330nm未満であり、
    前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子の平均粒径が290nm未満であり、
    前記複数の酸化ケイ素コロイド粒子の濃度が10〜50質量%であり、
    かつ比誘電率が4以上である、エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記比誘電率が9以下である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 高比誘電率化合物をさらに含む、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 波長範囲が400〜800nmの光による遊色効果を示す、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. ジグリシジルエステル誘導体化合物およびジグリシジルエーテル誘導体化合物のうち少なくとも一方と無水フタル酸誘導体化合物とを混合して比誘電率を4以上とした配合物に、平均粒径が290nm未満である酸化ケイ素コロイド粒子を加えて、該酸化ケイ素コロイド粒子の濃度を10〜50質量%とした前駆体を得る第1工程と、
    前記前駆体を加熱して、複数の前記酸化ケイ素コロイド粒子同士が互いに非接触であり、かつ互いに隣り合う前記酸化ケイ素コロイド粒子間の平均距離が330nm未満であるエポキシ樹脂組成物を得る第2工程とを含む、エポキシ樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記配合物の比誘電率が10以下である、請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記第1工程において、前記配合物に高比誘電率化合物をさらに含ませる、請求項5または6に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記高比誘電率化合物として、プロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートから選ばれる少なくとも1種を用いる、請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記ジグリシジルエステル誘導体化合物として、フタル酸ジグリシジルエステルおよびヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステルから選ばれる少なくとも1種を用い、
    前記ジグリシジルエーテル誘導体化合物として、グリセロールポリグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルおよびビスフェノールAジグリシジルエーテルから選ばれる少なくとも1種を用いる、請求項5〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記無水フタル酸誘導体化合物として、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸からなるものを用い、前記4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸の濃度を、前記ヘキサヒドロ無水フタル酸の濃度よりも高くする、請求項5〜9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いた、建築用材。
  12. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いた、身飾品。
  13. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を用いた、光学材料。
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