JPWO2013042711A1 - オゾン発生装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

小型化が容易であり、低電圧で駆動することができるオゾン発生装置を実現する。そのため、オゾン発生装置(1)は、基板(2)と2つの駆動電極(3A,3B)とを備える。基板(2)は、第1主面と第2主面とを有し、第1主面と第2主面との間を貫通する3つの放電孔(2A,2B,2C)が形成されている。2つの駆動電極(3A,3B)は、3つの放電孔(2A,2B,2C)に対向するとともに、互いに対向している。3つの放電孔(2A,2B,2C)は、部分的に径が小さい狭隘部(2A1,2B1,2C1)を備えている。

Description

本発明は、誘電体バリア放電を利用してオゾンを発生させるオゾン発生装置およびその製造方法に関するものである。
図1は、従来のオゾン発生装置(例えば特許文献1参照。)の構成例を説明する図である。
オゾン発生装置100は、第1の電極101、第2の電極102、第1の誘電体板103、第2の誘電体板104、および、スペーサ105を備える。第1の電極101と第2の電極102とは、金属からなり、平板状である。第1の誘電体板103と第2の誘電体板104とは、ガラスからなる。第1の電極101は第1の誘電体板103上に配置され、第2の電極102は第2の誘電体板104上に配置される。第1の誘電体板103と第2の誘電体板104とは、互いに対向するように配置され、その端部同士がスペーサ105を介して接合される。第1の電極101と第2の電極102との間には駆動電圧が印加され、第1の誘電体板103と第2の誘電体板104との間に形成される放電空間で放電が生じることによって、酸素を含むガスが放電空間を通過する際に酸素の一部がオゾンとなる。このようにして、オゾン発生装置100においてオゾンが発生する。放電空間は外部と接続されており、外部から酸素を含むガスが放電空間に導入されるとともに、発生したオゾンが外部に排出される。このような、表面が誘電体で覆われた電極に電圧を印加することで起こる放電は、誘電体バリア放電と呼ばれる。
特許第2983153号公報
従来のオゾン発生装置は、上記したように複数の電極と誘電体板とをスペーサを介して積層接合する構造であるため、その製造に多数の工程が必要で、製造コストを低くすることが難しかった。また、構造強度の観点から各部材を薄くすることに限界があり、小型化や低背化が困難である。また、電極間隔を狭めて駆動電圧を低電圧化することが困難で、消費電力が大きくならざるを得なかった。
そこで、本発明の目的は、小型化が容易であり、低電圧で駆動することができるオゾン発生装置を実現することにある。
また、本発明の他の目的は、製造工程を簡易なものにすることができる、オゾン発生装置の製造方法を提供にすることにある。
本発明に係るオゾン発生装置は、基板と、少なくとも1組の駆動電極と、を備える。基板は、第1主面と第2主面とを有し、第1主面と第2主面との間を貫通する少なくとも1つの放電孔が形成されている。放電孔は、部分的に径が小さい狭隘部を備える。少なくとも1組の駆動電極は、放電孔に対向するとともに、互いに対向する。
この構成では、少なくとも1組の駆動電極に駆動電圧を印加することで、放電孔内の狭隘部に電界が集中して作用する。このため、誘電体バリア放電が生じて放電孔内に存在する酸素からオゾンが発生する。仮に放電孔が部分的に径が小さい狭隘部を備えていない形状である場合、上述のように電界が特定の部分に集中することがないため、より高い駆動電圧が必要になるが、本構成のように狭隘部を設けることで、低い駆動電圧で誘電体バリア放電を生じさせることができる。また、オゾン発生装置を基板の厚み程度の極めて薄いものにでき、オゾン発生装置の小型化を進展させられる。
また、本発明に係るオゾン発生装置の製造方法は、基板の第1主面にブラスト材を吹き付け、放電孔の一部を構成する第1開口部を、内壁にテーパを付けて研削する第1のサンドブラスト工程と、基板の第2主面にブラスト材を吹き付け、第1開口部とともに放電孔を構成する第2開口部を、内壁にテーパを付けて研削する第2のサンドブラスト工程と、放電孔に対向するとともに、互いに対向するように、少なくとも1組の駆動電極を設ける工程と、を実施する。
この製造方法では、単一の基板に開口部と少なくとも1組の駆動電極とを設けるのみでオゾン発生装置の要部を構成することができ、製造工程の簡易化と製造コストの低廉化を進めることができる。開口部は、基板へのブラスト材の吹き付けにより形成されるので、エッチング加工やレーザ加工、精密ドリル加工などの加工コストの高い工程が不要である。サンドブラスト処理により錐状または放射状にオゾナイザ基板の研削が進むので、基板両面からサンドブラスト処理を行うだけで、放電孔内に狭隘部を容易に設けることができる。
上述のオゾン発生装置において、基板は、前記駆動電極が形成される電極充填孔が内壁にテーパを付けた形状で形成されると好適である。
このような電極充填孔は、狭隘部が形成される放電孔と共通する加工法で成形でき、製造工程の簡略化と製造コストの低廉化を進展させられる。
上述のオゾン発生装置において、放電孔を複数備え、隣接する放電孔の間に駆動電極を一つずつ配置し、複数の駆動電極を配列方向の1つおきに導通させると好適である。
この構成では、2つの放電孔に挟まれる駆動電極を、両側の放電孔に対する共通の駆動電極とすることができ、基板面積の低減や製造工程の簡易化を進めることができる。
本発明によれば、狭隘部を設けた放電孔に誘電体バリア放電を生じさせることで、低い駆動電圧で放電孔にオゾンを発生させることができる。また、基板にサンドブラスト処理などによって開口部を設けるのみでオゾン発生装置の要部を構成でき、製造工程の簡易化と製造コストの低廉化、装置サイズの小型化を進めることができる。
従来のオゾン発生装置の構成例を説明する図である。 本発明の第1の実施形態に係るオゾン発生装置の構成例を説明する図である。 放電孔の電界強度分布を例示する図である。 本発明の第1の実施形態に係るオゾン発生装置の製造方法を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係るオゾン発生装置の構成例を説明する図である。
《第1の実施形態》
図2は第1の実施形態に係るオゾン発生装置1の構成例を説明する図であり、図2(A)は要部断面図、図2(B)は要部平面図である。
オゾン発生装置1は、基板2、駆動電極3A,3B、絶縁膜4A,4B、端子電極5A,5B、および、駆動電圧源6を備える。
基板2は、誘電体であるガラスからなり、誘電体層を構成している。基板2は、平面視して長方形状であり、厚み約300μmである。基板2は、両主面間を貫通する放電孔2A,2B,2Cを備える。放電孔2A,2B,2Cは、平面視して基板2の長手方向の長さが約1mm、基板2の短手方向の長さが150μm程度で形成されており、それぞれ基板2の長手方向に沿って放電孔2A,2B,2Cの順に配列されている。
また、放電孔2A,2B,2Cは、それぞれ断面視して厚さ方向の中央部分が狭まるように内壁にテーパを付けた形状であり、狭隘部2A1,2B1,2C1、開口部2A2,2B2,2C2、開口部2A3,2B3,2C3を備える。すなわち、放電孔2A,2B,2Cは、厚さ方向の中央部分における断面積が、厚さ方向の端部における断面積よりも小さくなっている。このため、オゾン発生装置1を平面視すると、基板2の一部が放電孔2A,2B,2Cの内部に突出して見えることになる。狭隘部2A1,2B1,2C1は、放電孔2A,2B,2Cを断面視して厚さ方向の中央部分の幅が80〜90μmと最も幅狭な箇所である。言い換えれば、狭隘部2A1,2B1,2C1は、断面積が最も小さい箇所である。開口部2A2,2B2,2C2は、狭隘部2A1,2B1,2C1から基板2の上面(第1主面)側の端部までの、内壁にテーパを付けた領域である。開口部2A3,2B3,2C3は、狭隘部2A1,2B1,2C1から基板2の下面(第2主面)側の端部までの、内壁にテーパを付けた領域である。
駆動電極3A,3Bは、平面視してコの字状の電極である。駆動電極3A,3Bは、基板2の上面から下面に至るように形成されている。具体的には、駆動電極3A,3Bは、基板2を貫通するように設けられた電極充填孔に形成されている。駆動電極3A,3Bは、それぞれの平面視した電極幅は約150μmである。駆動電極3Aは、基板2の長手方向に延設される接続電極部3A1と、接続電極部3A1の両端部から基板2の短手方向に延設される並行電極部3A2,3A3とを備える。並行電極部3A2と並行電極部3A3とは、互いに並行に形成されている。駆動電極3Bは、基板2の長手方向に延設される接続電極部3B1と、接続電極部3B1の両端部から基板2の短手方向に延設される並行電極部3B2,3B3とを備える。並行電極部3B2と並行電極部3B3とは、互いに並行に形成されている。そして、並行電極部3A2と並行電極部3B2とは互いに対向しており、並行電極部3B2と並行電極部3A3とは互いに対向しており、並行電極部3A3と並行電極部3B3とは、互いに対向している。
並行電極部3A2、放電孔2A、並行電極部3B2、放電孔2B、並行電極部3A3、放電孔2C、並行電極部3B3は、それぞれ間隔約150μmで並行するように、記載順に基板2の長手方向に配列されている。放電孔2Aは、並行電極部3A2と並行電極部3B2との間に配置されており、並行電極部3A2と並行電極部3B2との両方と対向している。放電孔2Bは、並行電極部3B2と並行電極部3A3との間に配置されており、並行電極部3B2と並行電極部3A3との両方と対向している。放電孔2Cは、並行電極部3A3と並行電極部3B3との間に配置されており、並行電極部3A3と並行電極部3B3との両方と対向している。接続電極部3A1,3B1と放電孔2A,2B,2Cとの間隔は、並行電極部3A2、放電孔2A、並行電極部3B2、放電孔2B、並行電極部3A3、放電孔2C、並行電極部3B3のそれぞれの間隔である150μmよりも十分に広くされている。これにより、接続電極部3A1,3B1から放電が生じることを防いでいる。
端子電極5Aは、基板2の上面に形成されている。端子電極5Aは、並行電極部3A2に一部が重なるように形成される。端子電極5Bは、基板2の上面に形成されている。端子電極5Bは、並行電極部3B3に一部が重なるように形成される。端子電極5Aは駆動電極3Aと接続されており、端子電極5Bは駆動電極3Bと接続されている。駆動電圧源6は、端子電極5A,5Bの間に接続されている。
絶縁膜4Aは、基板2の上面において、放電孔2A,2B,2Cおよび端子電極5A,5Bの形成位置を除く領域に形成されている。絶縁膜4Bは、基板2の下面において、放電孔2A,2B,2Cの形成位置を除く領域に形成されている。このため、絶縁膜4A,4Bにより、駆動電極3A,3Bの表面は被覆されている。絶縁膜4A,4Bは、それぞれ厚み1〜2μmである。
絶縁膜4A,4Bにより駆動電極3A,3Bの表面を被覆することで、沿面放電が生じることを防ぐことができる。また、端子電極5Aは放電孔2Aと基板2の端面との間に配置されており、端子電極5Bは放電孔2Cと基板2の端面との間に配置されており、端子電極5Aと放電孔2Aとの間及び端子電極5Bと放電孔2Cとの間には絶縁膜4Aが形成されている。このため、端子電極5Aと放電孔2Aとの間隔及び端子電極5Bと放電孔2Cとの間隔が大きなものとなり、それらの間に沿面放電が生じることを防ぐことができる。
このオゾン発生装置1では、駆動電圧源6から端子電極5A,5Bに高周波バイアス(駆動電圧)を印加することで、放電孔2A,2B,2C内の狭隘部2A1,2B1,2C1に集中して電界が作用し、放電孔2A,2B,2C内で放電が生じる。このような誘電体バリア放電によって、放電孔2A,2B,2C内に存在する酸素からオゾンが発生する。
なお、放電孔2A,2B,2Cで発生したオゾンは、放電孔2A,2B,2Cの上方空間や下方空間に設けられる送気装置によって、放電孔2A,2B,2Cから外部に送気される。具体的には、酸素を含むガスが放電孔2A,2B,2Cの一方側の端部から供給され、酸素を含むガスの一部が放電孔2A,2B,2Cの内部で誘電体バリア放電によってオゾンとなり、発生したオゾンと残余のガスが放電孔2A,2B,2Cの他方側の端部から排出される。狭隘部2A1,2B1,2C1を設けることで、放電孔2A,2B,2Cにおけるガスの流路が狭くなるが、狭隘部2A1,2B1,2C1の大きさを適切に設定しておけば、十分な気体流量を確保して実用可能なオゾン発生効率を確保することができる。
本実施形態の構成では、放電孔2A,2B,2C内の狭隘部2A1,2B1,2C1に電界が集中するため、低い駆動電圧でオゾンを発生させることができる。また、基板と他の部材との積層構造にする必要がないので、製造工程を簡易なものにすることができるとともに、基板2の厚み程度に装置全体の高さを抑えることができ、従来構成に比べて装置サイズの大幅な低背化を実現することができる。
また、放電孔2Aと放電孔2Bとの間に配置されている並行電極部3B2と、放電孔2Bと放電孔2Cとの間に配置されている並行電極部3A3とは、それぞれの両側に配置されている放電孔に駆動電圧を印加する共通の駆動電極として機能するので、放電孔のそれぞれに2つの駆動電極が設けられている場合よりも基板の面積を小さくすることができ、オゾン発生装置1の面内方向でのサイズを低減できる。
次に、放電孔における電界強度分布について、絶縁膜を省き、本実施形態および電極充填孔を基板の上面から下面に至るまで同じ形状とした比較構成例を用いて説明する。図3は、その電界強度分布を説明する図である。
図3(A)は、基板の上面から下面に至るまで同じ大きさの径を有する構造の放電孔を備える比較構成例であるオゾン発生装置21における電界強度分布を示す図である。ここで示すオゾン発生装置21は、放電孔22A、誘電体層である基板22B、駆動電極23を備える。放電孔22Aは、基板の上面から下面に至るまで径が一定の構成である。駆動電極23への駆動電圧の印加により、放電孔22Aの内部にはほぼ一様な強度で電界が作用することが確認できる。この比較構成例では、駆動電圧が6kVの場合に、放電孔22Aの内部電界強度が20〜30MV/m程度であった。
図3(B)は、基板の厚さ方向の中央部分に狭隘部を設けた構造の放電孔を備える本願構成例であるオゾン発生装置31における電界強度分布を示す図である。ここで示すオゾン発生装置31は、放電孔32A、誘電体層である基板32B、駆動電極33を備える。放電孔32Aは、径が両端部で大きく中央部分で狭い構成である。駆動電極33への駆動電圧の印加により、放電孔32Aの中央部分に設けた狭隘部に集中して電界が作用することが確認できる。この本願構成例では、駆動電圧が6kVの場合に、放電孔32Aの狭隘部近傍の電界強度が70〜80MV/mであった。
オゾン発生装置21では放電孔22Aの内部電界強度が小さいため、オゾンの発生量が少ない。このため、駆動電圧を6kVよりも高くして、オゾンの発生量を多くする必要がある。一方、オゾン発生装置31では放電孔32Aの内部電界強度が十分に大きいため、オゾンの発生量も多い。このため、オゾン発生装置21のように駆動電圧を高くする必要がない。このように、放電孔に狭隘部を設ける本願構成では、狭隘部に強い電界を作用させることができ、基板の上面から下面に至るまで同じ径を有する構造の放電孔の比較構成よりも低い駆動電圧で誘電体バリア放電を生じさせることが可能になる。
図4は、オゾン発生装置1の製造方法の一例を説明する図であり、製造過程の各段階での断面図を例示している。
まず、基板2の一方主面の所望の部分に対してブラスト材を吹き付けるサンドブラスト処理を施して、基板2の所望の部分を厚さ方向の中央付近まで研削する(S1)。この工程により、後に駆動電極3A,3Bを構成する電極充填孔の一部となる開口部13A,13Bが形成される。
次に、基板2の他方主面の所望の部分に対してブラスト材を吹き付けるサンドブラスト処理を施して、先に形成した開口部13A,13Bの底部に繋がるように基板2の所望の部分を研削する。(S2)。この工程により、基板2の上下面間を貫通する電極充填孔14A,14Bが形成される。
次に、メッキ法により銅などの金属で基板2の表面を覆って、電極充填孔14A,14Bに金属からなる電極材料を充填した後、CMP法を用いた研磨により基板2の上下面を露出させる(S3)。この工程により、駆動電極3A,3Bが形成される。
次に、基板2および駆動電極3A,3Bの表面に絶縁膜4A,4Bを形成する(S4)。
次に、絶縁膜4Aの一部をエッチングし、その領域にメッキ法により銅などの金属を充填する(S5)。この工程により、端子電極5A,5Bが形成される。
次に、絶縁膜4Aおよび基板2の所望の部分に対してブラスト材を吹き付けるサンドブラスト処理を施して、絶縁膜4Aおよび基板2の所望の部分を厚さ方向の中央付近まで研削する(S6)。この工程により、後に放電孔2A,2B,2Cの一部となる開口部(第1開口部)2A2,2B2,2C2が形成される。
最後に、絶縁膜4Bおよび基板2の所望の部分に対してブラスト材を吹き付けるサンドブラスト処理を施して、先に形成した開口部2A2,2B2,2C2の底部に繋がるように絶縁膜4Bおよび基板2を研削して開口部(第2開口部)2A3,2B3,2C3を設ける(S7)。この工程により、基板2の上下面間を貫通する放電孔2A,2B,2Cが形成される。
以上の製造方法で、本実施形態のオゾン発生装置1を製造することができる。この製造方法では、基板2にサンドブラスト処理を施して放電孔2A,2B,2Cおよび電極充填孔14A,14Bを設けるが、サンドブラスト処理ではブラスト材が円錐状または放射状に吹き出すので、ブラスト材によって研削されて形成される開口部は、いずれも円錐状または放射状にテーパが付いた形状となる。したがって、基板2の両面からのサンドブラスト処理により、基板2の厚さ方向の中央部分に狭隘部2A1,2B1,2C1を備える放電孔2A,2B,2C(および電極充填孔14A,14B)を形成することができる。サンドブラスト処理は、エッチング処理等の他の加工法に比べ、圧倒的に加工コストが低い加工法であり、製造工程の簡易化と製造コストの低廉化を進めることができる。
なお、この実施形態では、狭隘部2A1,2B1,2C1の位置を放電孔2A,2B,2Cの厚さ方向の中央部分とする例を示したが、狭隘部2A1,2B1,2C1は基板2の一方の主面近傍に設けても良い。また、放電孔2A,2B,2Cの内壁にテーパを付ける例を示したが、放電孔2A,2B,2Cにおける厚さ方向の一部分における断面積が、厚さ方向の他の部分における断面積よりも小さくなっている構成であれば、内壁を段形状などの形状としてもよい。また、放電孔2A,2B,2Cの加工法はサンドブラスト法に限らず、その他の成形加工法を採用しても良い。その他、放電孔2A,2B,2C以外の構成や形成方法についても本実施形態で示した形状例に限られず、その他の形状としても良い。
《第2の実施形態》
図5は、第2の実施形態に係るオゾン発生装置41の構成例を説明する要部平面図である。
オゾン発生装置41は、第1の実施形態の放電孔2A,2B,2Cに代えて、放電孔42A,42B,42Cを備える。放電孔42A,42B,42Cは、先に図2(A)で示した第1の実施形態の放電孔2A,2B,2Cと同様の断面構造(不図示)であり、第1の実施形態の放電孔2A,2B,2Cとは平面形状が相違する。放電孔42A,42B,42Cは、平面形状が円形で、それぞれ基板2の短手方向に5つずつ直線状に配列されている。また、放電孔42A,42B,42Cは、それぞれ断面視して厚さ方向の中央部分が狭まるように内壁にテーパを付けた形状であり、狭隘部42A1,42B1,42C1を備える。すなわち、放電孔42A,42B,42Cは、厚さ方向の中央部分における断面積が、厚さ方向の端部における断面積よりも小さくなっている。このため、オゾン発生装置41を平面視すると、基板2の一部が放電孔42A,42B,42Cの内部に突出して見えることになる。
本実施形態の構成でも、端子電極5A,5Bに高周波バイアス(駆動電圧)を印加することで、放電孔42A,42B,42C内の狭隘部42A1,42B1,42C1に電界が集中して作用し、放電孔42A,42B,42C内で放電が生じる。このような誘電体バリア放電によって、放電孔42A,42B,42C内に存在する酸素からオゾンが発生することになる。
以上に説明した各実施形態のように本発明は実施できるが、各実施形態はあくまで例示であり、本発明の作用効果は特許請求の範囲の構成であれば、どのような構成であっても得ることができる。例えば、駆動電極は必ずしも基板の内部に設けなくてもよく、例えば基板側面などに形成してもよい。
1,31,41…オゾン発生装置
2,32B…基板
2A,2B,2C,32A,42A,42B,42C…放電孔
2A1,2B1,2C1,42A1,42B1,42C1…狭隘部
2A2,2B2,2C2,2A3,2B3,2C3,13A,13B…開口部
3A,3B,33…駆動電極
3A1,3B1…接続電極部
3A2,3A3,3B2,3B3…並行電極部
4A,4B…絶縁膜
5A,5B…端子電極
6…駆動電圧源
14A,14B…電極充填孔

Claims (5)

  1. 第1主面と第2主面とを有し、前記第1主面と第2主面との間を貫通する少なくとも1つの放電孔が形成された基板と、
    前記放電孔に対向するとともに、互いに対向する少なくとも1組の駆動電極と、
    を備え、
    前記放電孔は、部分的に径が小さい狭隘部を備えるオゾン発生装置。
  2. 前記基板は、前記駆動電極が形成される電極充填孔が内壁にテーパを付けた形状で形成される請求項1に記載のオゾン発生装置。
  3. 前記放電孔を複数備え、隣接する放電孔の間に前記駆動電極を一つずつ配置し、複数の駆動電極を配列方向の1つおきに導通させた、請求項1又は2に記載のオゾン発生装置。
  4. 前記基板の両主面に形成される絶縁膜を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のオゾン発生装置。
  5. 基板の第1主面にブラスト材を吹き付け、放電孔の一部を構成する第1開口部を、内壁にテーパを付けて研削する第1のサンドブラスト工程と、
    前記基板の第2主面にブラスト材を吹き付け、前記第1開口部とともに前記放電孔を構成する第2開口部を、内壁にテーパを付けて研削する第2のサンドブラスト工程と、 前記放電孔に対向するとともに、互いに対向するように、少なくとも1組の駆動電極を設ける工程と、
    を実施する、オゾン発生装置の製造方法。
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