JPWO2013031972A1 - カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット並びにこのポンプユニットを適用したカプセル剤の製造装置並びに製造方法並びにこれによって製造されるカプセル剤 - Google Patents
カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット並びにこのポンプユニットを適用したカプセル剤の製造装置並びに製造方法並びにこれによって製造されるカプセル剤 Download PDFInfo
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Abstract
Description
この特許文献1、2では、例えば図17に示すように、いわゆるプランジャーポンプの構造を採るものであり、まずは本体ブロック60′内に、プランジャーピン62′を設けたポンプ室61′を左右同数ずつ形成し、その上方にスライドシャッター91′(シャッター機構90′)を設けるものである。なお、左右の各ポンプ室61′には導入路I(ポンプ室61′に内包液Nを取り込む経路)と、吐出路D(ポンプ室61′から内包液Nを送り出す経路)とが同じ奥行き寸法位置に直列状に形成されるが、ポンプ室61′の上方を往復動(これを前後方向の往復動とする)するスライドシャッター91′(シャッター機構90′)には導入路Iと吐出路Dとが奥行き方向(前後方向)に互い違い状に形成されるものである。
また、このときプランジャーピン62′については、例えば図17(b)・18(a)に示すように、右側のプランジャーピン62R′を当該ポンプ室61R′から抜く方向に作動させるとともに、左側のプランジャーピン62L′を当該ポンプ室61L′に対し押し込み方向に作動させるものである(これを左右方向の往復動とする)。このような作動により、右側のポンプ室61R′では、原液ホッパ40′から導入路Iを通して一定量の内包液Nがポンプ室61R′内に導入(吸引)されるものであり、また左側のポンプ室61L′では、ポンプ室61L′内に導入されていた内包液Nが吐出路Dを通して吐出(送出)されるものである。なお、図18中の「●(黒丸)」は導入路Iまたは吐出路Dが連通接続した状態を示し、「○(白丸)」は、この連通が解除された遮断状態(非連通状態)を示している(これは後述する図6も同様)。
このように内包液Nを外皮シートS(外皮部G)に向けて送り出すにあたっては、プランジャーピン62′を左右方向に往復動させながら、スライドシャッター91′を前後方向に往復動させるものであり、左右のポンプ室61′から交互に内包液Nの定量吐出(送出)を行うものであり、結果として左右いずれかのポンプ室61′から絶えず内包液Nが吐出されるものであった。
ここで、上記クランク方式において挟設部HBの挟み込み寸法を可変としたのは、偏心軸CSの当接によるプランジャーピン62′に移動量(ストローク量)を適宜変更し、内包液Nの吐出量を調整するためである。
まず、上記クランク方式は、回転する偏心軸CSを連結体74′(挟設部HB)に当接させて(ぶつけて)プランジャーピン62′を移動させる構造であるため、偏心軸CSが挟設部HBにぶつかる際に生じる衝撃や振動が大きいことがあり、これが問題であった。特に高速運転時には、クランクシャフト(偏心軸)CSが高速で回転することになり、挟設部HBに当接する際の衝撃や振動も極めて大きかった。
なお、ダイロール32′の回転数は、通常、1.5〜2.5rpmが一般的であり、3.0rpm以上で高速運転(高速回転)に分類される。
すなわち、この場合のダイロール32′上の成形突起32p′のピッチは、
103×3.14/29=11.16mm となる。
なお、クランクシャフトCS(ポンプ軸)が1回転する間に、成形突起32p′のピッチに合わせた吐出(充填)が行われるため、この数値(11.16mm)が、ポンプ軸の1回転の長さにも相当する。
また、偏心軸CSの実有効運動領域は36.87°であり、これがダイロール32′上の成形突起32p′では、どの程度の長さ(実充填領域)になるのかを見ると、
11.16mm×(36.87/360)=1.14mm となる。
また、同様にスライドシャッター91′の切換えに要する部分を偏心軸CSの角度で示すと37°であり、これがダイロール32′上の成形突起32p′では
11.16mm×(37.0/360)=1.15mm となる。
そして、このような実充填領域や切換え部分をダイロール32′上の成形突起32p′で見た場合を図19(b)に併せ示すものであり、従来のクランク方式では、成形突起32p′における実充填領域が極めて短いこと(狭いこと)が分かる。
本体ブロックに、一または複数のポンプ室を設けるとともに、このポンプ室には、適宜のタイミングで開閉制御される導入路と吐出路とが形成され、更にこのポンプ室には、内部を往復動するプランジャーピンが組み込まれて成り、このプランジャーピンの往復動により、内包液を導入路からポンプ室内に取り込んだ後、これを吐出路から送出し、内包液を外皮部によって内包状態に被覆して成るカプセル剤に一定量の内包液を供給する装置であって、
前記プランジャーピンは、その一端がポンプ室外部に突出するように延長形成され、その延長外部においてシフタによる駆動を受け、ポンプ室内を往復動するように形成されるものであり、
このシフタは、回動する振り子レバーを具えて成り、この振り子レバーの往復回動によってプランジャーピンをポンプ室内で往復動させるようにしたことを特徴として成るものである。
前記振り子レバーには、その長手方向である回動支点〜回動自由端にわたって摺動自在に形成される調整体が設けられ、
前記プランジャーピンの延長外部は、この調整体に直接または間接的に連結され、
この調整体を介して、振り子レバーの往復回動がプランジャーピンに伝達され、プランジャーピンをポンプ室内で往復動させるようにしたことを特徴として成るものである。
前記ポンプユニットには、プランジャーピンのストローク量を読み取る非接触式のリニアゲージを設け、これによりプランジャーピンの移動量をパルスから換算し、操作画面上に表示させるようにしたことを特徴として成るものである。
前記シフタは、振り子レバーに加え、溝カムを具えて成るものであり、
且つ前記振り子レバーには、この溝カムのプロファイル溝に嵌まるカムフォロワが設けられるものであり、
振り子レバーを往復回動させるにあたっては、溝カムの回転によりカムフォロワをプロファイル溝に従って移動させることによって生じさせることを特徴として成るものである。
前記振り子レバーは、ベース上において回動自在に設けられるものであり、
このベースは、振り子レバーの長手方向に摺動自在に形成され、この摺動によって調整体の回動支点からの距離が変更できるようにしたことを特徴として成るものである。
前記ポンプ室及びプランジャーピンは、本体ブロックの左右に設けられるものであり、
またプランジャーピンを往復動させるシフタも、左右のプランジャーピンに対応して別々に設けられ、
左右のポンプ室から内包液を送出するにあたっては、内包液の定量送出の吐出タイミング及び吐出量を左右独立して制御できるようにしたことを特徴として成るものである。
前記ポンプユニットは、ポンプ室の導入路と吐出路とのうち、いずれか一方の経路が連通接続された際には、残りのもう一方の経路を遮断するスライドシャッターを具えるものであり、
このスライドシャッターについても、左右のポンプ室に対応して別々に設けられ、連通接続または遮断の制御も左右独立して行われることを特徴として成るものである。
前記カプセル剤の外皮部を形成するにあたっては、対向する一対の外皮シートを出発素材とし、これを一対のダイロールによって拝み合わせ状態に一体化して成るものであり、
このダイロールには、このものの回転位置情報を検出するロータリーエンコーダが具えられ、
また前記シフタは、このロータリーエンコーダの出力信号によってプランジャーピンを駆動させるサーボモータを具えることを特徴として成るものである。
前記シフタは、内包液の吐出量に係わらず、吐出時間及び実充填領域を、左右のポンプ室において独立して制御するようにしたことを特徴として成るものである。
前記プランジャーピンの往復動作において、プランジャーピンがポンプ室に内包液を取り込む導入時間と、プランジャーピンがポンプ室から内包液を吐出する吐出時間とを、前記溝カムのプロファイル溝によって調整するようにしたことを特徴として成るものである。
前記溝カムのプロファイル溝には、ポンプ室から内包液を吐出した直後のプランジャーピンを逆方向に戻すリターン部分を設けるようにしたことを特徴として成るものである。
溶融状態の外皮原料からほぼ一定厚さの外皮シートを形成するシート成形部と、
一対のダイロールの突き合わせ作用によって、ダイロール間に拝み合わせ状態に供給される外皮シートの接合を担うカプセル成形部と、
外皮シートの接合に伴い外皮シートに内包液を供給する内包液供給部とを具え、
外皮シートから成る外皮部によって内包液を被覆したカプセル剤を製造する装置において、
前記内包液供給部には、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の供給用ポンプユニットが適用されることを特徴として成るものである。
一対のダイロール間に外皮シートを対向的に拝み合わせ状態に供給し、ダイロールの突き合わせ作用によって外皮シートの接合を図るとともに、接合に合わせて内包液を外皮シートに供給し、外皮シートから成る外皮部の内側に内包液を収容したカプセル剤を製造する方法において、
前記外皮シートに内包液を供給するにあたっては、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の供給用ポンプユニットを適用して行われることを特徴として成るものである。
対向する一対の外皮シートを出発素材とし、これを一対のダイロールによって拝み合わせ状態に一体化して成る外皮部と、この外皮部によって包み込まれる内包液とを具えたカプセル剤において、
前記カプセル剤に収容する内包液を供給するにあたっては、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の供給用ポンプユニットによって供給されることを特徴として成るものである。
まず請求項1、12、13、14記載の発明によれば、振り子レバーの往復回動をプランジャーピンに伝達し、プランジャーピンをポンプ室内で往復動させる構造であるため、従来の一般的な駆動構造(クランク方式)において発生していた衝撃や振動という問題を解消することができる。すなわち、従来のクランク方式は、左右のプランジャーピンを連結するとともに、この連結部材の一部でクランクシャフトを挟むように構成しておき(これを挟設部とする)、クランクシャフトを回転させ、このものの偏心軸を前記挟設部に当てることにより、左右のプランジャーピンを一挙に且つ交互に往復動させていたため、偏心軸が挟設部にぶつかる際の衝撃や振動が大きいという問題があった。これに対し、本願発明は、プランジャーピンを作動させる際に、特に何かを当接させるものではないため、極めて静かな稼働状態を得ることができる。
また、本発明は振り子レバーの往復回動によりプランジャーピンを動かす構造であるため、振り子レバーを左右のプランジャーピンに対し別個に設ければ、左右のプランジャーピンを独立して稼働させることができ、ダイロール上において千鳥状態に配置されるのが一般的な成形突起に対し、実充填領域を拡大させることができるという格別な効果を奏する。この点、従来のクランク方式は、上述したように左右のプランジャーピンを連結しておき、これを一挙に且つ交互に動かすものであったため、実充填領域も極めて限定されていたものである。換言すれば、従来のクランク方式は、左右のポンプ室から交互に内包液を吐出するという既成概念が根底にあったからこそ、左右のプランジャーピンを一体化して往復動させていたものと考えられ、本願発明の振り子レバー式は、このような技術思想を根本的に覆した全く新規な作動機構と言える。
2 シート成形部
3 カプセル成形部
4 内包液供給部
5 カプセル取出部
2 シート成形部
20 供給ホース
21 スプレダーボックス
22 キャスティングドラム
23 フィードロール
3 カプセル成形部
30 ダイヘッド
31 ダイロールフレーム
32 ダイロール
32F 固定側ダイロール
32M 可調側ダイロール
32p 成形突起
32h 吸引孔
33 軸受部
34D 板バネ(ダイロール側)
34P 板バネ(プッシュロッド側)
35 中央接触部
36P 調整プッシュロッド
36D 調整ダイヤル
4 内包液供給部
40 原液ホッパ
41 ポンプユニット
42 デリバリーパイプ
42R デリバリーパイプ(右)
42L デリバリーパイプ(左)
43 内包液ノズル
44 タイミングマーク
5 カプセル取出部
50 掻取ブラシ
51 前送コンベヤ
52 フリーローラ
53 コンベヤ
41 ポンプユニット
60 本体ブロック
61 ポンプ室
61R ポンプ室(右)
61L ポンプ室(左)
62 プランジャーピン
62R プランジャーピン(右)
62L プランジャーピン(左)
64 磁気スケール
65 磁気検出ヘッド
70 シフタ
71 振り子レバー
71c 回動支点
71f 回動自由端
72 レバー受け
73 調整体
73A 位置決め用突起
73B 回動許容孔
73C 抜け防止体
74 連結体
75 溝カム
75g プロファイル溝
75r リターン部分
76 カムフォロワ
77 ベース
77D アリ溝
77L 固定レバー
78 スプライン軸
79 ベベルギヤ
79D 駆動入力側ベベルギヤ
79V 出力側ベベルギヤ
81 カム(一般的なカム)
82 当接付勢スプリング
84 平歯車
85 楕円歯車
86 噛合付勢スプリング
90 シャッター機構
91 スライドシャッター
91R スライドシャッター(右)
91L スライドシャッター(左)
92 溝カム
92g プロファイル溝
93 カムフォロワ
94 平歯車
94A 平歯車
94B 平歯車
94C 平歯車
94D 平歯車
A カプセル剤
N 内包液
G 外皮部
S 外皮シート
S′ ブランクシート
M サーボモータ
P ポケット部
F フレーム
I 導入路
D 吐出路
CS クランクシャフト(偏心軸)
DG ダイヤルゲージ
HB 挟設部
なお説明にあたっては、カプセル剤Aの一般的な構成について説明した後、このようなカプセル剤Aの製造装置について説明しながら併せてポンプユニットについて説明する。
また本発明では、プランジャーピン62を往復動させるにあたり、従来のクランク方式ではなく、後述する振り子レバー71を往復回動させ、この回動動作によってプランジャーピン62を往復動させることが大きな特徴である。また、振り子レバー71から駆動を得ることから、例えば左右のプランジャーピン62に対し別々に振り子レバー71を設ければ、左右のプランジャーピン62を分離・独立して駆動させることができ、この点も本発明の大きな特徴の一つである。
外皮部Gは、例えば対向的に供給された一対の外皮シートSが最中状に拝み合わせ状態に融着されて成るものである。この外皮部Gとしては、上述したゼラチンの他、澱粉等の植物性原料を主要素材とすることも可能である。
また内包液Nとしては、従来と同様に、医薬品、栄養剤、健康食品エキス、調味料などを用いることができる。また、内包液Nの収容状態(状況)としては、図示したように完全な液体状のほか、溶液中に別の粉粒体を適宜混入させた、言わば粉体含有懸濁液等の適用も可能である。なお本明細書中の「内包液」とは、このような状態のものも包含するものである。
また各ダイロール32には、その表面に適宜の形状の成形突起32pが形成されるものであって、例えば、ほぼ紡錘状を呈するカプセル剤Aを成形する場合には、中央部が凹陥した長円状の成形突起32pが形成される。そして一対のダイロール32は、互いの成形突起32pをほぼ一致させる接合状態で回転し合うことにより、外皮シートSをタイミング良く突き合わせ、カプセル周囲の縫合(接合)を行うものである。
また、前記一対のダイロール32を含むカプセル成形部3には、ダイロール32の周方向の位置ズレの発生を検知する位置ズレ検出機構を設けることが可能である。
因みに、図中符号42Rは、図中右側のデリバリーパイプ42に付した便宜的な符号であり、また図中符号42Lは、図中左側のデリバリーパイプ42に付した便宜的な符号である。
成形後のカプセル剤Aは、例えば図16中に二点鎖線で示すようにダイロール32の成形突起32p内に嵌まり込むことが多いため、このようなカプセル剤Aを、ダイロール32に接触するように設けた掻取ブラシ50で掻き落とすとともに、掻き落としたカプセル剤Aをダイロール32の回転軸方向に沿うように設けた一対の前送コンベヤ51によって、装置前面に搬送して取り出すものである(図1、図13参照)。また一対の前送コンベヤ51の間には、一例として図1に示すように、カプセル剤Aが打ち抜かれた後のブランクシートS′を、両側から挟み込み、そのまま下方に送り込む、フリーローラ52(挟み込み幅が調節自在)を設けるものである。なおこのフリーローラ52は、カプセル剤AがブランクシートS′にも残留し得ることを考慮して、ブランクシートS′上にとどまったカプセル剤Aを、どちらかの前送コンベヤ51上に排出し得る構成であることが好ましい。またカプセル剤Aは、前送コンベヤ51によって装置前面まで搬送された後、更に他のコンベヤ53に移載等され、次の乾燥工程に送られる。
以上述べたように、本実施例では、コンベヤ搬送によってカプセル剤Aを取り出すものであるが、必ずしもこの形態に限定されるものではなく、例えばダイロール32の下方から装置前面に傾斜状態に設けたトラフ(シュート)によって、カプセル剤Aを滑落させて、取り出すことも可能である。
なお、本体ブロック60の左右に対向的に形成されるポンプ室61を各々区別する必要がある場合には、便宜上、図中において右側のものをポンプ室61R、左側のものをポンプ室61Lとする。また、このような末尾符号「R」、「L」を付しての区別は、ポンプ室61以外の種々の部材、例えば上記プランジャーピン62やデリバリーパイプ42、あるいは後述するスライドシャッター91等においても同様である。
また、本実施例では、左右対称に設けられるポンプ室61が基本的に五セット、つまり計十室のポンプ室61が形成されるものとする。
なお、上述した左右各々のポンプ室61からの内包液Nの吐出(充填)は、従来のクランク方式と同様に左右のポンプ室61から交互に行うこともできるし、左右各々のポンプ室61において独立して行うこと、例えば内包液Nを左右のポンプ室61にほぼ同時に導入し、左右のポンプ室61からほぼ同時に内包液Nを吐出すること、また左右のポンプ室61からの吐出量を異ならせること等もでき、このような多彩な機構が可能となる点が本発明の大きな特徴の一つである。
シフタ70は、一例として図1、図2に示すように、回動自在に設けられた振り子レバー71を主要部材として成り、この振り子レバー71を往復回動させることによりプランジャーピン62をポンプ室61内で往復動させるものである。
ここで振り子レバー71の回動中心を回動支点71cとし、本実施例では、この回動支点71cが振り子レバー71の一方の端部近くに形成され、他端側が円弧状の軌跡を描きながら回動する回動自由端71fとなる。なお、振り子レバー71は、一例として図1、図2に併せ示すように、回動自由端71fが、例えば断面「コ」の字状を成すレバー受け72の内側空間に収められる。
なお、本実施例では上述したように、調整体73とプランジャーピン62とを連結体74によって間接的に連結するものであるが、調整体73とプランジャーピン62とを直接連結することも可能である。
ここで、調整体73の摺動(移動)を「相対的」としたのは、実際には調整体73つまりプランジャーピン62は前後方向に対しては動かず、振り子レバー71を調整体73に対して前後方向に摺動させるためであり、これについては後述する。
このため、本実施例では、磁気検出方式の非接触リニアゲージを設け、その移動量をパルスから換算し、操作画面上に数値化して表示させるものである。ここで図7中の磁気スケール64と磁気検出ヘッド65とが、上記非接触リニアゲージを構成する部材である。
なお、上記磁気スケール64としては、一例として株式会社マグネスケール社製の型式「SL110」を適用し、磁気検出ヘッド65としては、一例として同社製の型式「PL82」を適用するが、これらの機器はパルス発振器であり、移動量分のパルスを外部に出すだけであるため、独自のプログラムに取り込み、移動量(パルス)の変化をサンプリングして、mm単位に変換してオペレート画面に表示するものである。
本実施例における当該構成は、一例として図1、図2に示すように、溝カム75とカムフォロワ76との組み合わせにより実現している。すなわち、振り子レバー71にはカムフォロワ76を設け、これを溝カム75のプロファイル溝75g内に常に収容するようにしており、これにより溝カム75の回転運動に伴いカムフォロワ76(つまり振り子レバー71)がプロファイル溝75gに従って(沿って)、左右方向に往復動するものである。なお、このような構成上、振り子レバー71の回動角度(回動自由端71fの振り幅)は、常に一定に構成される。
なお、図5中の符号77Dは、振り子レバー71を具えた(背負った)ベース77を、前後方向に摺動させるためのアリ溝であり、図中符号77Lは、摺動後のベース77を不動部(定盤)に締め付けて、その位置を固定するための固定レバーである。
ここで、一対のベベルギヤ79のうち、上記スプライン軸78上を摺動しながらもスプライン軸78と共回りするように設けられるものを駆動入力側ベベルギヤ79Dとし、溝カム75側に固定されるもの(当然、溝カム75と共回りする)を出力側ベベルギヤ79Vとするものであり、これら一対のベベルギヤ79D・79Vも一例として上記図2に示すように、ベース77上に設けられる。
なお、駆動入力側ベベルギヤ79Dは、上述したようにスプライン軸78に対し摺動(相対的摺動)自在に設けられており、ベース77が前後方向に摺動しても、出力側ベベルギヤ79Vとの噛合状態を常に維持するように構成される。逆に言えば、このような摺動を許容しながら回転が伝達できるようにするためにスプライン軸78とベベルギヤ79(駆動入力側ベベルギヤ79D)とを適用したものである。
もちろん、プランジャーピン62のストローク量を小さくしたい場合には、ベース77つまり振り子式レバー71を反対側の回動自由端71f側(図7では(b)→(a)の方向)に摺動させるものである。
各スライドシャッター91には、導入路Iと吐出路Dとが互い違い状に形成され、導入路Iが装置中央側に形成され、吐出路Dがその外側(振り子レバー71が設けられるサイド側)に形成される。もちろんスライドシャッター91における導入路I及び吐出路Dも、ポンプ室61の導入路I及び吐出路Dと同じ作用を担い、導入路Iは、内包液Nを原液ホッパ40からポンプ室61に導入するための経路であり、吐出路Dは、内包液Nをポンプ室61からデリバリーパイプ42を介して内包液ノズル43に吐出するための経路である。
また溝カム92を回転させるにあたっては、一例として図4に示すように、プランジャーピン62を駆動する前記サーボモータMから駆動を得るものであり、これはスライドシャッター91(溝カム92)の動作をプランジャーピン62の動作と同期させ易いためである。また、本実施例では、サーボモータMからスライドシャッター91用の溝カム92までの間に複数の平歯車94を設け、歯車により駆動を伝達するものである。因みに、図中符号94A、94B、94C、94Dは、これらの平歯車に個別に付した符号であり、平歯車94の数はこれより多くても少なくても構わないし、あるいはベルト等の他の伝達機構を用いても構わない。
まず本発明では、プランジャーピン62の連結体74(挟設部HB)にクランクシャフト(偏心軸)CSを当接させてプランジャーピン62を作動させるものではないため、作動時の衝撃や振動がなく、極めて静かにカプセル剤Aを製造することができるものであり、これは特に高速運転(ダイロール32の回転数で3.0〜5.5rpm)した場合において顕著である。
また、例えば図3に示すように、振り子レバー71を左右のプランジャーピン62に対して別々に設け、各々独立して駆動させた場合には、ダイロール32上に形成された成形突起32pの千鳥配置に縛られることなく(制約されることなく)、一つの成形突起32pに対する実充填領域を拡大させることができ、内包液Nをゆっくり充填することができる。特に、カプセル製造装置1を高速運転させた場合には、より短時間で規定量の内包液Nを吐出(充填)しなければならず、従来のクランク方式では、より一層、吐出圧が高まる傾向にあったが、本実施例ではこのような吐出圧の上昇を抑えることができる。
なお、本実施例ではカムフォロワ76がプロファイル溝75gに従って移動し、振り子レバー71を左右方向に往復動させるため、プロファイル溝75gの形成状況により、内包液Nの吐出時間・吐出タイミング(充填時間・充填タイミング)あるいは導入時間・導入タイミング等を調整することができるものである。
ここで、図3(a)は、図1、図2からするとプランジャーピン62用の溝カム75やプロファイル溝75gの見え方が異なるが(一見、整合が取れていないように見えるが)、これは図3(a)がポンプユニット41やシフタ70の構成全般を概略的に示したためであり、この点は後述する図8も同様である。
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず、上述した実施例では、基本的に上記図3に示したように、左右のプランジャーピン62を各々別々の振り子レバー71で独立して駆動させるものであった。しかし、振り子レバー71は、必ずしも二基必要ではなく、例えば図8に示すように、一基つまり左右のプランジャーピン62を共通の振り子レバー71で駆動させることも可能である。もちろん、この場合には、図8に併せ示すように、左右のプランジャーピン62は連結され、一体的に形成されるものである。つまり、この場合には、プランジャーピン62と調整体73とを連結する連結体74が、左右のプランジャーピン62を連結する作用も担うものである(因みに、このようなことから従来例を示す図17、図19では、左右のプランジャーピン62を連結する連結体に符号「74′」を付したものである)。
また、このため上記図8に示す実施例では、ダイロール32に形成される成形突起32pの千鳥配置の制約(規制)を受けることになるが、従来のクランク方式に比べれば、「遊び」がない機構であるため、実充填領域を広く獲得することができるものである。因みに、ここでは一例として図8(b)に示すように、溝カム75(プロファイル溝75g)において90度の角度範囲で充填領域を確保した場合を示しており、他の条件は全て上述した図19と同じ設定で比較したものである。すなわち、クランク方式の場合の充填領域は1.14mmであったところ(図19参照)、振り子レバー方式では約2.4倍の充填領域(一例として2.79mm)が確保できるものである。もちろん、図8の場合には、振り子レバー方式であるため、クランク方式で発生していた衝撃や振動は生じないものである。
このような液ダレ現象を防止するには、例えば図9(b)に示すように、プロファイル溝75gの形成状況によって、吐出(充填)を終えた直後のプランジャーピン62を、逆側(導入側)に少し戻し、内包液ノズル43の先端に負圧を掛けることで、ノズル先端部の内包液Nを少し吸い込んでやることが有効である。ここで図9(a)は、プランジャーピン62駆動用の溝カム75におけるノーマルなプロファイル溝75g(液ダレ現象を特に防止しない一般的な溝)を示すものであり、これと比較すると図9(b)に示すプロファイル溝75gには、リターン部分75rが形成され、これにより液ダレ現象を防止すること(吐出し終えた直後のプランジャーピン62を導入側に戻すこと)が分かる。なお、図9に示す図は、(a)・(b)いずれもプロファイル溝75gを一回転分(360度)にわたって展開状態で示した図であり、単に溝カム75を側面(側周面)から投影したも図ではない。
すなわち、振り子レバー71を往復回動させるにあたっては、上記手法以外にも例えば図10(a)に示すように、一般的なカム81(溝カムではない)と当接付勢スプリング82とを用いた手法が可能である。ここで当接付勢スプリング82は、回転するカム81を、常に振り子レバー71に当接(接触)させておくための部材である。
また噛合付勢スプリング86は、定位置で回転する平歯車84に対して、常に楕円歯車85が噛合状態を維持するためのものである。つまり図10(b)の噛合付勢スプリング86は、楕円歯車85が平歯車84から離反しないようにするための部材である。
このように溝カム75とカムフォロワ76との組み合わせ以外の手法によっても振り子レバー71を往復回動させることができるものである。
このように、調整体73は、必ずしも振り子レバー71に対して摺動自在に設けられる必要はないものである。
Claims (14)
- 本体ブロックに、一または複数のポンプ室を設けるとともに、このポンプ室には、適宜のタイミングで開閉制御される導入路と吐出路とが形成され、更にこのポンプ室には、内部を往復動するプランジャーピンが組み込まれて成り、このプランジャーピンの往復動により、内包液を導入路からポンプ室内に取り込んだ後、これを吐出路から送出し、内包液を外皮部によって内包状態に被覆して成るカプセル剤に一定量の内包液を供給する装置であって、
前記プランジャーピンは、その一端がポンプ室外部に突出するように延長形成され、その延長外部においてシフタによる駆動を受け、ポンプ室内を往復動するように形成されるものであり、
このシフタは、回動する振り子レバーを具えて成り、この振り子レバーの往復回動によってプランジャーピンをポンプ室内で往復動させるようにしたことを特徴とする、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記振り子レバーには、その長手方向である回動支点〜回動自由端にわたって摺動自在に形成される調整体が設けられ、
前記プランジャーピンの延長外部は、この調整体に直接または間接的に連結され、
この調整体を介して、振り子レバーの往復回動がプランジャーピンに伝達され、プランジャーピンをポンプ室内で往復動させるようにしたことを特徴とする請求項1記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記ポンプユニットには、プランジャーピンのストローク量を読み取る非接触式のリニアゲージを設け、これによりプランジャーピンの移動量をパルスから換算し、操作画面上に表示させるようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記シフタは、振り子レバーに加え、溝カムを具えて成るものであり、
且つ前記振り子レバーには、この溝カムのプロファイル溝に嵌まるカムフォロワが設けられるものであり、
振り子レバーを往復回動させるにあたっては、溝カムの回転によりカムフォロワをプロファイル溝に従って移動させることによって生じさせることを特徴とする請求項1、2または3記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記振り子レバーは、ベース上において回動自在に設けられるものであり、
このベースは、振り子レバーの長手方向に摺動自在に形成され、この摺動によって調整体の回動支点からの距離が変更できるようにしたことを特徴とする請求項2、3または4記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記ポンプ室及びプランジャーピンは、本体ブロックの左右に設けられるものであり、
またプランジャーピンを往復動させるシフタも、左右のプランジャーピンに対応して別々に設けられ、
左右のポンプ室から内包液を送出するにあたっては、内包液の定量送出の吐出タイミング及び吐出量を左右独立して制御できるようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記ポンプユニットは、ポンプ室の導入路と吐出路とのうち、いずれか一方の経路が連通接続された際には、残りのもう一方の経路を遮断するスライドシャッターを具えるものであり、
このスライドシャッターについても、左右のポンプ室に対応して別々に設けられ、連通接続または遮断の制御も左右独立して行われることを特徴とする請求項6記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記カプセル剤の外皮部を形成するにあたっては、対向する一対の外皮シートを出発素材とし、これを一対のダイロールによって拝み合わせ状態に一体化して成るものであり、
このダイロールには、このものの回転位置情報を検出するロータリーエンコーダが具えられ、
また前記シフタは、このロータリーエンコーダの出力信号によってプランジャーピンを駆動させるサーボモータを具えることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記シフタは、内包液の吐出量に係わらず、吐出時間及び実充填領域を、左右のポンプ室において独立して制御するようにしたことを特徴とする請求項6、7または8記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記プランジャーピンの往復動作において、プランジャーピンがポンプ室に内包液を取り込む導入時間と、プランジャーピンがポンプ室から内包液を吐出する吐出時間とを、前記溝カムのプロファイル溝によって調整するようにしたことを特徴とする請求項4、5、6、7、8または9記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 前記溝カムのプロファイル溝には、ポンプ室から内包液を吐出した直後のプランジャーピンを逆方向に戻すリターン部分を設けるようにしたことを特徴とする請求項4、5、6、7、8、9または10記載の、カプセル製造装置における内包液の供給用ポンプユニット。
- 溶融状態の外皮原料からほぼ一定厚さの外皮シートを形成するシート成形部と、
一対のダイロールの突き合わせ作用によって、ダイロール間に拝み合わせ状態に供給される外皮シートの接合を担うカプセル成形部と、
外皮シートの接合に伴い外皮シートに内包液を供給する内包液供給部とを具え、
外皮シートから成る外皮部によって内包液を被覆したカプセル剤を製造する装置において、
前記内包液供給部には、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の供給用ポンプユニットが適用されることを特徴とする、カプセル剤の製造装置。
- 一対のダイロール間に外皮シートを対向的に拝み合わせ状態に供給し、ダイロールの突き合わせ作用によって外皮シートの接合を図るとともに、接合に合わせて内包液を外皮シートに供給し、外皮シートから成る外皮部の内側に内包液を収容したカプセル剤を製造する方法において、
前記外皮シートに内包液を供給するにあたっては、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の供給用ポンプユニットを適用して行われることを特徴とする、カプセル剤の製造方法。
- 対向する一対の外皮シートを出発素材とし、これを一対のダイロールによって拝み合わせ状態に一体化して成る外皮部と、この外皮部によって包み込まれる内包液とを具えたカプセル剤において、
前記カプセル剤に収容する内包液を供給するにあたっては、前記請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の供給用ポンプユニットによって供給されることを特徴とするカプセル剤。
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