JPWO2013027246A1 - テープホルダおよびこれを用いたテープ貼付装置 - Google Patents

テープホルダおよびこれを用いたテープ貼付装置 Download PDF

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Abstract

テープホルダ(64)は、テープ(T)のロール(R)を回転可能に保持する。ホルダ(64)は、片持ち指示される軸体(81)を備える。軸体(81)の固定端側に固定盤(82)が固定される。軸体(81)の自由端側に押さえ盤(83)が配置される。押さえ盤(83)は軸体(81)に沿ってスライドでき、コイルバネ(93)によって固定盤(82)に向けて付勢される。ロール(R)は固定盤(82)と押さえ盤(83)の間に挟まれて保持される。固定盤(82)と押さえ盤(83)との間隔が拡大された状態は、プランジャ(91)と軸体(81)との係合により維持できる。固定盤(82)と押さえ盤(83)との間隔を拡大し、ロール(R)を傾けてロール(R)の中空部分(Rh)に押さえ盤(83)を通すことにより、押さえ盤(83)を軸体(81)から取り外すことなしに、ロール(R)のテープホルダ(64)への着脱が行える。

Description

本発明は、テープの繰り出しが可能な状態でリール状のテープを保持するテープホルダ及びテープホルダを備えたテープ貼付装置に関する。
テープホルダ(テープ支持装置)を備えたテープ貼着装置としては、例えば、輪転機に使用するロール紙の紙継ぎとなる終端部に両面テープを貼り付けるテープ貼着装置がある(特許文献1参照)。
そして、この種の装置では、リール軸に挿通された状態で固定された環状のプレート部と、プレート部との協働によってテープを挟持するリール補助プレートと、リール補助プレートをプレート部側に押し付けるテープ締付けナットとを備えるテープホルダが用いられている。
このテープホルダにおいてテープリールを交換するためには、まずテープ締付けナット及びリール補助プレートを取外す必要がある。この状態でテープリールを取り替えた後、リール補助プレートを装着し、さらにテープ締付けナットを取り付けて締付けると、リール補助プレートによってテープリールがプレート部に押し付けられ、テープ交換が完了する。
そして、このテープホルダにおいては、テープ締付けナットのねじ込み量を調節したり、テープ幅に応じたライナ板を着脱したりすることで、複数種類のテープ幅のテープリールを装着することが可能である。
さらに、テープ締付けナットの緩みを防止するネジ止め手段をさらに備えたテープホルダがある。このテープホルダによれば、このネジ止め手段を用いてテープ締付けナットを固定できるので、テープホルダ使用中に途中でテープ締付けナットが緩むようなことが防止され、テープ保持状態が確実に維持される。
実用新案登録第3010771号公報
ところで、上記テープホルダでは、テープリールを交換するためには、テープ締付けナット及びリール補助プレートをバラバラに取外す必要がある。そして、テープリール取り替え後、再びリール補助プレートを装着すると共にテープ締付けナットを取り付けて締付ける必要がある。従って、テープリール交換作業時に、取り外したテープ締付けナットやリール補助プレートを置き忘れたり、誤って落下させたりする虞がある。そして、実際にこれらの部材を落下させたりすると、交換作業に時間がかかる。他方、これらの部材の落下等を防止するために、取り外した部材の取り扱いをより慎重にする場合も、やはり交換作業時間が長くなる。また、テープリールの交換時間が長くなると、テープ貼付効率が低下する虞もある。
本発明は、上記従来技術の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、テープ交換作業の簡素化が図られたテープホルダおよびこれを用いたテープ貼付装置を提供することである。
本発明は、テープがロール状に巻かれた環状のテープ体を回転可能に保持するテープホルダであって、前記テープ体の回転軸方向一方側へのテープ体の移動を規制する一方側位置決め部材と、前記テープ体の回転軸方向他方側へのテープ体の移動を規制する他方側位置決め部材と、を備えており、前記2つの位置決め部材は、前記回転軸方向に相対近接離間移動可能であり、
前記2つの位置決め部材のうちの一方の位置決め部材に対して、他方の位置決め部材を固定する固定部材をさらに備えており、前記2つの位置決め部材のうち少なくともいずれかの位置決め部材は、前記テープ体の中心の貫通部を挿通可能な挿通部を備えること特徴とするものである。
そして、前記挿通部は、前記テープ体に当接され、前記テープ体の貫通部に挿通可能な一対の円弧状の当接部と、両当接部を連結する幅狭部とを備えており、前記幅狭部の幅寸法は、前記テープ体の貫通部に通すことが可能な長さである。
また、前記一方側位置決め部材に対して一体に固定された軸部を、さらに備えており、前記他方側位置決め部材は、前記テープ体の貫通部を挿通可能な形状であると共に、前記回転軸方向に移動可能な状態で前記軸部に取り付けられている。
また、前記固定部材は、前記2つの位置決め部材の連結に用いられる連結部材と、当該連結部材によって連結された前記2つの位置決め部材を互いに近接する方向に保持する保持部材とを備えている。
また、前記保持部材は、前記他方側位置決め部材を、前記一方側位置決め部材側に向けて付勢する付勢手段である。
また、前記連結部材は、前記テープ体の前記貫通部の内周方向において、前記一方側位置決め部材及び前記他方側位置決め部材の相対向する内側面で囲まれた範囲内に配置されている。
また、前記回転軸方向に移動可能な前記他方側位置決め部材は、前記一方側位置決め部材から離間したテープ体着脱位置と、一方側位置決め部材に近いテープ体保持位置との間で移動可能であり、前記固定部材は、前記他方側位置決め部材を前記テープ体着脱位置に停留させる停留部材を備えている。
また、前記軸部は、前記他方側位置決め部材側の軸端部に形成された係止部(縮径部)を含み、前記停留部材は、前記他方側位置決め部材に構成され、前記係止部に対して係合離脱可能な係合部を含むものである。
また、前記2つの位置決め部材のうち少なくともいずれか一方は、当該2つの位置決め部材によって保持される前記テープ体の貫通部に嵌入される嵌入部を備えている。
さらに、本出願に係る別の発明は、上述したような構成のテープホルダと、当該テープホルダを支持するテープホルダ支持部とを備えており、前記テープホルダの前記軸部が前記テープホルダ支持部に対して回転可能に支持されたテープ貼付装置である。
本願発明では、テープホルダのすくなくともいずれか一方の位置決め部材として、環状のテープ体の中心の貫通部に挿通可能な形状のものを用いているので、位置決め部材を取外すことなく、テープホルダへのテープ体の着脱を行うことができ、テープ交換作業が簡素化され、テープ交換時の部材の紛失が確実に防止される。
本発明の実施形態のテープホルダを用いたテープ貼付装置を示す斜視図である。 図1のテープ貼付装置のB−B断面(図1参照)を示す断面図である。 テープ貼付用のヘッドを示す斜視図である。 本発明の実施形態のテープホルダ(押さえ盤がロール保持位置に位置する状態)を示す断面図である。 図4のA-A面における断面を示す断面図である。 本発明の実施形態のテープホルダにおけるロール交換を行う際の説明図である。 押さえ盤を示す正面図である。
1…テープ貼付装置、10…フレーム、20…テープ貼付ステージ、
31a,31b…左右ガイドレール、33…前後ガイドレール、34…ヘッド支持部材、
35…昇降ガイドレール、36…昇降部材、37…ヘッド移動機構、
40…テープ貼付用のヘッド、41…ヘッド本体、
60…着脱ユニット、61…着脱ユニット本体(テープホルダ支持部)、
64…テープホルダ、65…上流側押しローラ、66a,66b…ガイドローラ、
67…テープ吸引部、70…ドック、81…軸体(軸部)、81a…係止部(縮径部)、
82…固定盤(一方側位置決め部材)、82a…嵌入部、82b…挟持部(当接部)、
82c…段差部、83…押さえ盤(他方側位置決め部材)、
83a…嵌入部、83b…挟持部(当接部)、83c…段差部、
84a…連結穴、84h…挿通穴、84n…幅狭部、84u…幅狭部の上端部、
85…フランジ部、
91…プランジャ(停留部材)、91a…プランジャの先端、
91b…プランジャの頭部、91n…ロックナット、92…連結部材、92a…大径部、
93…コイルバネ(保持手段)、
C…円、La…押さえ盤本体の長手方向長さ(長さ寸法)、
Lb…幅狭部の長手方向長さ(長さ寸法)、
Lc…フランジ部の高さ寸法、Ln…幅狭部の幅方向長さ(幅寸法)、
R…ロール(テープ体),Rc…ロール基部、Rh…ロール中心の貫通部(内径部),
T…テープ、W…ワーク(テープ貼付対象物)、
X…X方向(前後方向、回転軸方向)、Y…Y方向(左右方向)、Z…Z方向(上下方向)。
以下、本発明に係るテープホルダの実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のテープホルダ64は、図1に示されるテープ貼付装置1で用いられているものである。このテープ貼付装置1は、テープ貼付対象物であるワークWにテープT(図3参照)を貼付ける装置であり、ワーク搬入先であるテープ貼付ステージ20を備えたフレーム10と、フレーム10によって画定された作業エリア内を移動するヘッド移動機構37と、当該ヘッド移動機構37に設置されたテープ貼付用のヘッド40と、ヘッド40のドック70と、テープ貼付装置1のコントローラ(不図示)とを備えている。
ヘッド移動機構37は、図2に示されるように、フレーム10に構成され、水平な一方向となる左右方向(以下、Y方向とも称する)に延在する一対の左右ガイドレール31a,31b(図2中では31aのみを図示)と、左右ガイドレール31a,31b上に亘って懸架され、左右ガイドレール31a,31bの長手方向(Y方向)に沿って移動可能な移動支持部に設置された前後ガイドレール33と、前後ガイドレール33の長手方向(Y方向と直交する水平な他方向;以下、X方向とも称する)に沿って移動可能な状態で設置されたヘッド支持部材34と、ヘッド支持部材34に設置され、鉛直方向となる上下方向(以下、Z方向とも称する)に延びる昇降ガイドレール35と、昇降ガイドレール35の長手方向(Z方向)に沿って昇降可能な状態で設置された昇降部材36とを備えている。
なお、前後ガイドレール33、ヘッド支持部材34及び昇降部材36は、いずれも不図示の駆動手段によって移動可能になっている。不図示の駆動手段としては、例えばモータを挙げることができる。
ヘッド40は、図3に示されるように、テープTをワークWの所定位置に貼り付けた後、貼り付けられた部分のテープTを所定長さに切断するものであり、ヘッド移動機構37の昇降部材36に固定されたヘッド本体41と、ヘッド本体41に対して着脱可能に取り付けられる着脱ユニット60とを備えている。
従って、ヘッド40は、ヘッド移動機構37によってフレーム10で囲まれた空間内を、前後、左右及び上下方向に移動可能である。つまり、ヘッド40をフレーム10内のステージ20に載置されたワークWに対して、上方(Z方向)から近接離間移動させることができ、ワークWに沿って左右方向(Y方向)及び前後方向(X方向)に平行移動させることができる。
着脱ユニット60は、図3に示されるように、板状の着脱ユニット本体61と、着脱ユニット本体61の上部前面側に設置されたテープホルダ64と、テープホルダ64に保持されたロール(テープ体)Rから引き出されたテープTをワークWに押し付ける上流側押しローラ65と、テープTをテープ送り経路に案内するガイドローラ66a,66bと、テープ吸引部67を備えている。なお、テープ貼付動作時、テープホルダ64のロールRから引き出されたテープTは、テープ送り経路を経て、上流側押しローラ65の位置まで引き出された状態になる。
テープホルダ64は、図4に示されるように、片面のみが粘着面である粘着テープ(以下、単にテープ)Tがロール状に巻かれたロールRを保持するものである。そして、テープホルダ64は、前後方向(図4中では左右方向)に延在する軸体(軸部)81と、軸体81に固定されたロール保持用の固定盤(一方側位置決め部材)82と、軸体81に、軸方向(=前後方向)に移動可能に設置されたロール保持用の押さえ盤(他方側位置決め部材)83と、押さえ盤83を固定する固定部材91,92とを備えている。
なお、保持対象のロールRは、環状のロール基部Rcと、ロール基部Rcの外周に巻かれたテープTとで構成されており、巻かれたテープTはロールRから繰り出し可能になっている。
軸体81は、着脱ユニット本体(テープホルダ支持部)61に回転可能に設置されており、一方側となる前側の軸端部が着脱ユニット本体61よりも一方側となる前側に延伸していると共に、他方側となる後側の軸端部が着脱ユニット本体61の他方側となる後側に延伸している。
そして、軸体81の前側(押さえ盤側)の軸端部には、押さえ盤83の停留(固定、係止)に用いられる係止部81aが形成されている。本実施形態の係止部81aは、前側の軸端部の先細形状部すなわち半球部のことである。この半球部は、別言すれば縮径部ということができる。なお、押さえ盤83を軸体81に対して所定の位置関係に停留させる停留構造については、後述する。
また、軸体81の後側の軸端部には、軸体81の遊転を抑制する不図示の遊転抑制機構が備えられている。これにより、ロールRからテープTが引き出されたときに軸体81が惰性(慣性)で回転し過ぎることが抑制され、ロールRの空転やテープTの弛みが防止される。
固定盤82は、押さえ盤83との協働によってロールRを挟持する円盤形状の部材であり、着脱ユニット本体61の前側に配置された状態で軸体81に固定されている。
また、固定盤82は、前側の平面部が軸体81と直交する状態に配置されており、その中心部側の肉厚の嵌入部82aと、嵌入部82aの外側周縁に亘って形成された肉薄の挟持部82bとを備えている。そして、嵌入部82aの外周には挟持部82bの前面側に位置する段差部82c(図6参照)が形成されている。嵌入部82aの外形(段差部形状)及び挟持部82bの外形は、いずれも円形であり、軸体81を中心として同心円状に配置されている。なお、実施例においては、固定盤82は、円盤形状の部材としているがロールRを挟持することが可能であればよく、例えば、間欠的に嵌入部82a及び挟持部82bが設けられた部材であってもよい。
嵌入部82aは、テープホルダ64で保持するロールRの中心の貫通部Rh(内径部)に嵌入される部分である。そして、嵌入部82aの直径は、保持するロールRの貫通部Rhの直径(内径)に合致するように設定されている。従って、テープホルダ64にセットされたロールRは、その貫通部Rhの内周面が嵌入部82aの筒形状の外周面(段差部82c)に全周に亘って当接した状態でテープホルダ64に保持される。つまり、ロールRは、その径方向(軸体に直交する方向)の位置ズレが防止された状態でテープホルダ64に保持される。
挟持部82bは、テープホルダ64で保持するロールRの一方側の側面が当接する部分である。そして、挟持部82bの直径は、ロール基部Rcの内径(ロールRの貫通部Rhの直径)より大きく、ロール基部Rcの外径以下の大きさになっている。従って、テープホルダ64にセットされたロールRは、ロール基部Rcの一方側(後側)の側面が挟持部82bに当接した状態でテープホルダ64に保持される。
押さえ盤83は、固定盤82との協働によってロールRを挟持する部材であり、固定盤82に対向して配置されている。また、押さえ盤83は、固定盤82よりも軸体81の前側の軸端部寄りの位置に配置されている。
押さえ盤83は、図7に示されるように、後側の平面部が軸体81と直交する状態に配置され、押さえ盤83の中央に形成された挿通孔84hと、挿通孔84hと同径の連続した孔を有し押さえ盤83の前側(固定盤とは反対側)に突出して形成されたフランジ部(円筒部)85とを備えている。
挿通孔84hは軸体81に摺動可能に外挿される。従って、押さえ盤83は、軸体81に対して回転軸方向Xに移動可能であり、固定盤82から離間した前側のロール着脱位置(テープ体着脱位置、図6参照)と、固定盤82に接近した前側のロール保持位置(テープ体保持位置、図4参照)との間を移動できる。
押さえ盤83は、ロールR(テープ体)の貫通部Rhを挿通可能な挿通部を備える。具体的には、挿通部は、ロールR(テープ体)に当接される一対(上下に一つずつ)の円弧状の挟持部83b(当接部)と、両挟持部83bを連結する幅狭部84nを備える。幅狭部84nは、その長手方向が図7において上下方向(Z方向)に向く状態で軸体81に取り付けられている。挿通部は、ロールR(テープ体)の貫通部Rhを挿通できるのであれば、特にその形状を限定するものではないが、例えば、陸上競技場のトラック形状の部材、正面(平面)視長円形状、ほぼ矩形状とされる。
押さえ盤83の長手方向両端(一対の挟持部83b)は円弧形状(図5参照)に形成され、両円弧は、曲率半径が同一であり、同一の円Cの円周上に位置するものである。この円Cの直径(ロール基部Rcの外径)は、固定盤82の直径より短く(図4参照)、ロールRの貫通部Rhの内径寸法より長い。そして、この円弧部の直径は、ロールRのロール基部Rcの外径以下であることがより好ましい。
そして、押さえ盤83の幅狭部84nには、後述の連結部材92が挿通される連結穴84aが3つ形成されている(図5参照)。
他方、幅狭部84nの幅方向の両端部は、図7において長さLbで示されている部分であり、両側辺が平行に延びる直線状になっている。そして、幅狭部84nの幅寸法Lnは、押さえ盤本体84の長手方向長さLaより短く、しかもロールRの貫通部Rhの内径寸法よりも短くなっており、環状のロールRの貫通部Rhに通すことが可能な幅寸法である。従って、ロールRの貫通部Rhを軸体81に取り付けられた押さえ盤83に通すことによって、押さえ盤83を軸体81から取り外すことなく、固定盤82と押さえ盤83の間にロールRを配置でき、固定盤82と押さえ盤83の間のロールRを取り外すことができる(図6参照)。
なお、幅狭部84nの直線部間の寸法は、ロールRの貫通部Rhの直径寸法より短い寸法である。このような寸法であるので、押さえ盤83の上側(長手方向)の先端(上側の挟持部83bの先端)にロールRの貫通部Rhを通したときに、押さえ盤83の幅狭部84nの上端部84u(図6参照)をロールRの外側(上側)の側面Ruよりも外側(上側)に位置させることができ、幅狭部84nにロールRの貫通部Rhを通すことができる(図6参照)
そして、ロールRの貫通部をくぐることが可能な押さえ盤83とは、ロールRのテープ幅寸法より軸体81の外周面から押さえ盤83の幅狭部の上端部84uまでの寸法が長い寸法で形成されたもののことをいう。
また、押さえ盤83は、図4に示されるように、固定盤82と同様、その中心部側の肉厚の嵌入部83aと、嵌入部83aの外側周縁に亘って形成された肉薄の挟持部83bとを備えている。嵌入部83aの外周には挟持部83bの前面側に位置する段差部83cが形成されている。
嵌入部83aの外形(段差部形状)及び挟持部83bの外形はいずれもトラック形状であり、嵌入部83aの外周の円弧部及び挟持部83bの外周の円弧部は、軸体81を中心として同心円状に配置されている。なお、押さえ盤83は、実施例ではトラック形状の部材としているが、ロールRの貫通部Rhを通って固定盤82と協働してテープRを挟持することが可能であればよく、例えば、円弧部において間欠的に嵌入部83a及び挟持部83bが複数設けられた部材であってもよい。
嵌入部83aは、テープホルダ64で保持するロールRの中心の貫通部Rhに嵌入される部分である。そして、嵌入部83aの直径は、保持するロールRの貫通部Rhの直径に合致するように設定されている。従って、テープホルダ64にセットされたロールRは、その貫通部Rhの内周面が嵌入部83aの外周面(段差部83c表面)に全周に亘って当接した状態でテープホルダ64に保持される。つまり、ロールRは、その径方向(軸体直交方向)の位置ズレが防止された状態でテープホルダ64に保持される。
挟持部83bは、テープホルダ64で保持するロールRの他方側の側面が当接する部分である。そして、挟持部83bの直径は、ロール基部Rcの内径(ロールRの貫通部Rhの直径)より大きく、ロール基部Rcの外径以下の大きさになっている。従って、テープホルダ64にセットされたロールRは、ロール基部Rcの他方側(前側)の側面が挟持部83bに当接し、前後方向(回転軸方向X)への移動が規制された状態でテープホルダ64に保持される。
フランジ部85は、押さえ盤83の、嵌入部83aの後側の平面部とは反対側の側面の中央部に配置されている。従って、押さえ盤83を軸体81に外挿する状態で取り付けたとき、フランジ部85は、押さえ盤83から前側に向けて突出した状態になる。そして、フランジ部85には、後述のプランジャ91が取り付けられている。
固定部材90は、固定盤82に対して押さえ盤83を固定するためのものであり、押さえ盤83を後述のロール着脱位置に停留させるためのプランジャ91と、固定盤82と押さえ盤83とを連結する連結部材92とを備えている。
プランジャ91は、一方端部にその先端(係合部)91aが軸体81の軸心側に向けられた状態で、先端部に形成された不図示の雄ネジ部がフランジ部85に形成された雌ネジ部に螺合しており、ロックナット91nによって押さえ盤83のフランジ部85に取り付けられている。また、プランジャ91は、その先端(係合部)91aがフランジ部(円筒部)85の内部空間に向けて出没可能になっており、プランジャ91の内部に内蔵された不図示の付勢部材(例えば、バネ)の作用によって下降し、先端91aがフランジ内部空間に進出した係合位置(図6参照)に位置する。他方、フランジ部85内に軸体81が存在するとき、プランジャ91は、後退した状態が維持され、その先端91aがフランジ内部空間から後退した係合解除位置(図4参照)に位置する。
例えば、押さえ盤83がロール着脱位置(図6参照)に位置しているとき、プランジャ91(の先端91a)は係合(進出)位置に位置する。このように、プランジャ91の先端91aを軸体81の先端の係止部81aに係合することにより、押さえ盤83が固定盤82に近接する方向へ移動するのを規制する。他方、プランジャ91を引き上げ(引き戻し)て係合解除位置に位置させると、プランジャ91の先端91aと軸体81の先端の係止部81aとの係合が解除されることにより、規制が解除されて押さえ盤83を固定盤82側に移動させることができる。つまり、プランジャ91(の先端91a)をフランジ内部空間から後退(没入)させることで、プランジャ91(の先端91a)を係止部81aに対して係合から離脱でき、プランジャ91(の先端91a)をフランジ内部空間に進出(突出)させて係止部81aに係合させると押さえ盤83がロール着脱位置(図6参照)に停留される。
このように、押さえ盤83は、プランジャ91と軸体81の係止部81aとによって、押さえ盤83をロール着脱位置に停留させる停留構造が構成されている。
なお、プランジャ91の数は、ロールRの取付作業性を考慮すると、1つであることが好ましい。また、プランジャ91の配置は、本実施例のように、押さえ盤83の幅狭部84hに形成された一対の直線部間内に配置され、フランジ部85の内部空間から鉛直方向上方に向けて、延びる状態になる配置が好ましい(図7参照)。例えば、ロールRを取り付ける場合は、まずプランジャ91の他方端部に設けられた頭部91b側に位置する押さえ盤83の先端(上側の挟持部83bの先端)をロールRの貫通部Rhにくぐらせ、その後、反対側の先端(下側の挟持部83bの先端)を貫通部Rhにくぐらせる方が作業性が良い。従って、プランジャ91の頭部91bが押さえ盤83の上側の先端(上側の挟持部83bの先端)近傍にあれば、ロールRを押さえ盤83の上側から取り付けることができ、より作業性に優れる。
連結部材92は、固定盤82と押さえ盤83とを連結する棒状の部材であり、軸体81の軸心を中心とする同心円上に所定(等)間隔を置いて都合3つ用いられている。各連結部材92は、それぞれ、押さえ盤83の幅狭部84hに形成された一対の直線部間内に形成された連結穴84aに挿通されており、各連結部材92の一端は固定盤82に固定されている。また、各連結部材92の他端は、押さえ盤83から前方(固定盤とは反対側)に突出した状態で構成され、各連結部材92の他端には大径部92aがそれぞれ形成されている。
そして、各連結部材92の大径部92aと押さえ盤83の間に位置するように、連結部材92にはコイルバネ(保持部材)93が外挿されている。コイルバネ93は、付勢手段の一種であり、圧縮された状態で連結部材92に外挿されている。つまり、押さえ盤83には、押さえ盤83を固定盤82に近接させる向きの力が常にコイルバネ93から付与されている。従って、テープホルダ64にロールRが取り付けられた状態で、押さえ盤83をテープ保持位置に位置させると、コイルバネ93の付勢力によって、押さえ盤83を固定盤82側に押し付ける方向(両盤82,83を互いに近接させる方向)の力が押さえ盤83に加わり、ロールRが固定盤82と押さえ盤83とに挟持された状態で保持される。
本実施例においては、連結部材92にコイルバネを構成することで押さえ盤83に付勢力を付与して固定盤82側に押さえつけるようにしているが、作業者により固定盤82側に押さえ盤83を押さえつけた状態でロールRを保持させ、その際の押さえ盤82の位置を固定させる固定手段を設けてもよい。また、本実施例では、ロールRの回転軸を水平方向としてロールRを立てた例を挙げたが、ロールRの回転軸を鉛直方向としてロールRを水平に寝かせてもよく、その際の押さえ盤83の押さえ力は、押さえ盤83自体の重力が押さえ力となってロールRの挟持を行うとしてもよい。
次に、本実施形態のテープホルダ64におけるロールRの交換作業を図6を用いて説明する。
なお、図4に示されるテープホルダ64は、ロールRが回転可能に保持された状態である。
テープ貼付装置1によってテープ貼付を行っているとき、テープホルダ64は、図4に示される状態である。その後、テープホルダ64に保持されたロールRのテープがなくなると、テープホルダ64に保持されているものは、ロール基部Rcだけになる。この状態になると、テープ貼付動作が停止され、ヘッド40をロール交換作業位置に移動させる。
ロール交換作業位置としては、例えば、フレーム10で囲まれた空間内の所望位置、ドック70に搬入された位置、ドック70から取外された作業位置など、種々の位置が考えられる。
ここでは、ドック70に搬入された後、ドック70から取り外されたヘッド40におけるロール交換作業を説明する。
ヘッド40をロール交換作業位置に固定すると、次に、図6に示すように、押さえ盤83を前方(固定盤82から離間させる向き)XFに向けて移動させて、ロール着脱位置に位置させる。
このとき、押さえ盤83には、固定盤82に近接させる向きの力が連結部材92に構成されるコイルバネ93から付与されているので、この力に抗して押さえ盤83をロール着脱位置に移動させる。
押さえ盤83をロール着脱位置まで移動させると、プランジャ91の先端91aが軸体81の先端の係止部81aの位置に達する。そして、プランジャ91に構成される不図示の付勢手段の作用によって、プランジャ91の先端91aが軸体81の係止部81aに係合する。
プランジャ91(の先端91a)が軸体81の係止部81aに係合すると、押さえ盤83がロール着脱位置に停留される。
この状態で、次のような手順によって、テープホルダ64のロールRを取り替える。つまり、テープTが無くなったロール基部Rcを取り外し、その後、新しいロールRを取り付ける。
取り外し動作では、まず、テープTが無くなりロール基部RcのみになったロールR(二点鎖線R4参照)を固定盤82から離して、押さえ盤83の長手方向のいずれかの向き(図6では下方ZD)に移動させ、ロール基部Rcの中心が軸体81に対して偏心する状態になる位置(二点鎖線R3の位置参照)に移動させる(ステップ1。図6のS1参照)。なお、このとき、ロール基部Rcの貫通部Rhの内周面を軸体81の外周部に当接させた状態(例えば、軸体81にロール基部Rcをぶら下げた状態)にしてもよい。
次に、ロール基部Rcの、軸体81に近接した位置(図6のR3の位置にあるロール基部Rcの上端部)を中心としてロール基部Rcを回転させて、軸体81から離れた位置(図6のR3の位置にあるロール基部Rcの下端部)を押さえ盤83側に移動させる(S2)。これにより、ロール基部Rcの貫通部Rhが押さえ盤83の一方の挟持部83bの外側を通り抜け、ロール基部Rcはその一部が押さえ盤の外側(前方XF側)に位置する状態になる(二点鎖線R2の位置参照)。
この状態で、ロール基部Rcの回転中心としていた位置(図6の上端部)を軸体81から離す方向(図6では、手順1における移動方向とは逆の上方ZU)に移動させ(二点鎖線R1の位置参照、S3)、ロールRをテープホルダ64から取り出す(S4)。すなわち、ロールRの貫通部Rhを、押さえ盤83の挿通部(挟持部83b、幅狭部84n)に通すことで、押さえ盤83を取り外すことなく、ロールRがテープホルダ64から取り出される。
そして、新たなロールRを、取り外し動作とは逆の順序でテープホルダ64へ取り付ける(図6のS5〜S8参照)。すなわち、ロールRの貫通部Rhを、押さえ盤83の挿通部(挟持部83b、幅狭部84n)に通すことで、押さえ盤83を取り外すことなく、ロールRが固定盤82及び押さえ盤83の間にセットされる。
その後、プランジャ91(の先端91a)を係合解除位置(図6の二点鎖線の位置及び図4の実線の位置参照)に移動させる(引き上げる)。すると、プランジャ91の先端91aがフランジ内部空間から後退し、プランジャ91と軸体81の係止部81aとの係合が解除される。プランジャ91と係止部81aとの係合が解除されると、押さえ盤83は、コイルバネ93から受けている固定盤82に近接させる向きの力によって、テープ保持位置(図4参照)に移動する。これにより、新しく取り付けられたロールRの貫通部Rhに固定盤82及び押さえ盤83の嵌入部82a,83aが嵌入されると共に、新しく取り付けられたロールRが固定盤82及び押さえ盤83の挟持部82b,83bによって挟持された状態で固定される(図4参照)。これによって、ロールRが固定盤82及び押さえ盤83間に挟まれた状態でセットされる。
上述したように、軸体81に取り付けられた押さえ盤83は、固定盤82と協働してロールRの保持を可能としつつ、ロールRの貫通部Rhをくぐらせる(通す)ことができる大きさ及び形状であるので、押さえ盤83をロール着脱位置に位置させたまま(軸体81から完全に離脱させずに)、ロールRの取外し、取付けを行うことができる。
このように、本実施形態のテープホルダによれば、押さえ盤83を軸体81に取り付けたままの状態でロールRの交換をすることができる。従って、押さえ盤83をロール着脱位置に移動させた後、迅速にロールRの交換を行うことができる。
また、押さえ盤83を軸体81に取り付けたままの状態でロール交換できれば、押さえ盤83等の部材の着脱作業が不要であると共に紛失の虞もないので、より短時間で使用済みのロールを新しいロールに取り換えることができる。
このように、本実施形態のテープホルダによれば、容易、迅速にロール交換作を実行することができる。
本発明は、テープを貼って固定する必要がある部分を有するワークWに迅速にテープを張り付ける装置として有用である。
本発明は、テープがロール状に巻かれた環状のテープ体を回転可能に保持するテープホルダであって、回転可能に設置されており、テープ体の貫通部が通される軸体と、当該軸体の軸方向一方側へのテープ体の移動を規制する一方側位置決め部材と、前記軸方向他方側へのテープ体の移動を規制する長円状の他方側位置決め部材とを備えており、前記他方側位置決め部材は、前記軸体に、前記軸方向に移動可能に設置され、当該軸体に対して、テープ体を保持するテープ体保持位置と、テープ体着脱時のテープ体着脱位置とに移動可能であり、前記一方側位置決め部材に対して、前記他方位置決め部材を固定する固定部材をさらに備えており、前記固定部材は、前記2つの位置決め部材の連結に用いられる連結部材と、当該連結部材によって連結された前記2つの位置決め部材を互いに近接する方向に保持する保持部材と、前記テープ体保持位置から前記テープ体着脱位置に移動させた前記他方側位置決め部材を、当該テープ体着脱位置に停留させる停留部材と、を備えており、前記軸体は、その前記他方側位置決め部材側の軸端部に、前記停留部材が係合される係止部を備えており、前記他方側位置決め部材は、その短手方向長さが、前記テープ体の貫通部を通すことが可能な長さであり、前記他方側位置決め部材の長手方向のいずれかの端部から前記テープ体の貫通部が挿抜されることを特徴とするものである。
そして、前記保持部材は、前記他方側位置決め部材を、前記一方側位置決め部材側に向けて付勢する付勢手段であり、前記他方側位置決め部材は、前記軸体に外挿されて、当該軸体に対して前記軸方向に移動可能になっており、前記停留部材は、前記係止部に係合して前記他方側位置決め部材を前記テープ体が挿抜される前記テープ体着脱位置に停留させる係合位置と、前記係止部との係合が解除される係合解除位置とに移動可能である。
また、前記停留部材は、当該停留部材を前記係止部に向けて付勢する付勢手段をさらに備える。
また、前記2つの位置決め部材のうち少なくともいずれか一方は、当該2つの位置決め部材によって保持される前記テープ体の貫通部に嵌入され、前記軸方向と直交する方向への前記テープ体の移動を防止する嵌入部を備えている。
また、前記一方側位置決め部材は、前記テープ体の貫通部に一方から嵌入され、前記軸方向と直交する方向への前記テープ体の移動を防止する一方側嵌入部を備え、
前記他方側位置決め部材は、前記テープ体の貫通部に他方から嵌入され、前記軸方向と直交する方向への前記テープ体の移動を防止する他方側嵌入部を備えている。
さらに、本出願に係る別の発明は、上述したような構成のテープホルダと、当該テープホルダを支持するテープホルダ支持部とを備えており、前記テープホルダの前記軸体が前記テープホルダ支持部に対して回転可能に支持されたことを特徴とするテープ貼付装置である。

Claims (10)

  1. テープがロール状に巻かれた環状のテープ体を回転可能に保持するテープホルダであって、
    前記テープ体の回転軸方向一方側へのテープ体の移動を規制する一方側位置決め部材と、
    前記テープ体の回転軸方向他方側へのテープ体の移動を規制する他方側位置決め部材と、を備えており、
    前記2つの位置決め部材は、前記回転軸方向に相対近接離間移動可能であり、
    前記2つの位置決め部材のうちの一方の位置決め部材に対して、他方の位置決め部材を固定する固定部材をさらに備えており、
    前記2つの位置決め部材のうち少なくともいずれかの位置決め部材は、前記テープ体の中心の貫通部を挿通可能な挿通部を備える、
    こと特徴とするテープホルダ。
  2. 前記挿通部は、前記テープ体に当接され、前記テープ体の貫通部に挿通可能な一対の円弧状の当接部と、両当接部を連結する幅狭部とを備えており、
    前記幅狭部の幅寸法は、前記テープ体の貫通部に通すことが可能な長さである請求項1に記載のテープホルダ。
  3. 前記一方側位置決め部材に対して一体に固定された軸部を、さらに備えており、
    前記他方側位置決め部材は、前記テープ体の貫通部を挿通可能な形状であると共に、前記回転軸方向に移動可能な状態で前記軸部に取り付けられている請求項1又は請求項2に記載のテープホルダ。
  4. 前記固定部材は、前記2つの位置決め部材の連結に用いられる連結部材と、当該連結部材によって連結された前記2つの位置決め部材を互いに近接する方向に保持する保持部材とを備えている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のテープホルダ。
  5. 前記保持部材は、前記他方側位置決め部材を、前記一方側位置決め部材側に向けて付勢する付勢手段である請求項4に記載のテープホルダ。
  6. 前記連結部材は、前記テープ体の前記貫通部の内周方向において、前記一方側位置決め部材及び前記他方側位置決め部材の相対向する内側面で囲まれた範囲内に配置されている請求項4又は請求項5に記載のテープホルダ。
  7. 前記回転軸方向に移動可能な前記他方側位置決め部材は、前記一方側位置決め部材から離間したテープ体着脱位置と、前記一方側位置決め部材に近いテープ体保持位置との間で移動可能であり、
    前記固定部材は、前記他方側位置決め部材を前記テープ体着脱位置に停留させる停留部材を備えている請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のテープホルダ。
  8. 前記軸部は、前記他方側位置決め部材側の軸端部に形成された係止部(縮径部)を含み、
    前記停留部材は、前記他方側位置決め部材に構成され、前記係止部に対して係合離脱可能な係合部を含むものである請求項7に記載のテープホルダ。
  9. 前記2つの位置決め部材のうち少なくともいずれか一方は、当該2つの位置決め部材によって保持される前記テープ体の貫通部に嵌入される嵌入部を備えている請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のテープホルダ。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のテープホルダと、当該テープホルダを支持するテープホルダ支持部とを備えており、前記テープホルダの前記軸部が前記テープホルダ支持部に対して回転可能に支持されたこと特徴とするテープ貼付装置。
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