JPWO2013021552A1 - 測位サーバ装置および測位制御方法 - Google Patents

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Abstract

測位対象のクライアントが、通常時の測位範囲から外れた位置に存在してしまう場合でも、測位精度の劣化を回避できる測位サーバ装置および測位制御方法を提供する。アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力する入力部と、電波の測定情報と空間位置との対応関係を推定的に表わす電波マップデータを管理する電波マップ管理部(10)と、電波の測定情報と電波マップデータとに基づいてクライアントの位置を測定する測位部(13)とを具備し、電波マップ管理部(10)は、通常時に測位対象のクライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件のもとで測位対象のクライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとを電波マップデータとして管理する。

Description

この発明は、クライアントの測位を行う測位サーバ装置および測位制御方法に関する。
近年、クライアントの位置に応じたサービスを提供するために、測位技術の研究開発が盛んに行われてきている。これまではGPS(Global Positioning System)を利用した屋外での位置情報サービス(地図情報、天気情報、周辺店舗情報など)の提供に限られてきたが、病院、美術館またはショッピングモールなど、屋内における位置情報サービス(院内案内、展示絵画案内、店舗情報など)の提供ニーズが高まってきている。そこで、最近では、利用しやすい無線環境として無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)などの無線技術を応用した測位技術の研究開発が盛んになってきている(非特許文献1〜4を参照)。
屋内でのWLANを利用した測位技術として、アクセスポイントとクライアントとの間で送受信される電波の到来時間(TOA:Time of Arrival)、到来方向(AOA:Angle of Arrival)、受信信号強度(RSS:Received Signal Strength)などに基づき位置を推定する方法が挙げられる。この中で、受信信号強度に基づく測位は、一般に他の方法に比べて装置構成が簡易に出来ることから、多くの技術的な検討がなされてきている。
WLANを利用した受信信号強度に基づく測位方法の一般的な構成を図1に示す。図1に示すシステムは、測位処理を行う測位サーバSV1と、測位サーバSV1に接続するアクセスポイントAP1〜AP3(以降、APと呼ぶ)と、APに接続するクライアントCL1とから構成される。
この構成における測位の動作を以下に示す。
APは、所定の周期で且つ所定の送信電力で自局IDを含めたビーコンを送信する。
クライアントCL1は、AP(AP1〜AP3)から受信したビーコンの受信信号強度(AP1−RSS〜AP3−RSS)を測定し、送信元のAPのID(MACアドレスなど)と測定した受信信号強度の情報とをセットにして、自局IDとともに、接続しているAPあるいは測位サーバへ所定の周期で報告する。以下、特にクライアントCL1がAPに報告する場合について説明する。
APは、クライアントCL1からAPのID(MACアドレスなど)と受信信号強度情報とを受信すると、これらの情報を、自局が接続する測位サーバSV1へ所定の周期で通知する。
測位サーバSV1は、保持するフィンガープリント(AP1−フィンガープリント〜AP3−フィンガープリント)と、クライアントCL1から報告されたAPの受信信号強度情報(AP1−RSS〜AP3−RSS)とを用いて、クライアントCL1の測位を行う。この測位方法については続いて詳述する。そして、測位結果をクライアントIDとともに、このクライアントCL1が接続されたAPに通知する。
APは、測位サーバSV1からクライアントIDと測位結果とを受信すると、自局に接続するクライアントCL1の測位結果を、該当するクライアントCL1へ通知する。複数のクライアントが接続されている場合には、上記一連の処理がクライアントごとに行われる。なお、測位サーバSV1がクライアントCL1に測位結果を直接通知することもできる。
続いて、受信信号強度のフィンガープリントを用いた測位方法を詳しく説明する。この測位方法では、一般的にオフラインフェーズとオンラインフェーズとの処理が実施される。オフラインフェーズの処理は、測位する前の準備として実施されるもので、測位範囲における伝搬環境を予め模擬した受信信号強度マップ(以降、フィンガープリントと呼ぶ)を作成する。より具体的には、ある決まった測位範囲をある決まった間隔の測位候補点(グリッド位置とも呼ぶ)でオペレータが実測した受信信号強度データをフィンガープリントの該当測位候補点の参照受信信号強度として設定する。あるいは、式1に示すFriis equationなどの距離減衰式を利用して計算した各グリッド位置の受信信号強度データを、フィンガープリントの該当測位候補点の参照受信信号強度として設定する。式中で使用しているパラメータには例えば代表的な値を設定して計算する。
このように作成されたフィンガープリントによれば、測位サーバSV1の測位部が、APと測位候補点とを指定することで、このAPから送信される信号を指定された測位候補点で受信した場合における受信信号強度の推定値を求めることができる。すなわち、この受信信号強度の推定値を参照受信信号強度としてフィンガープリントから抽出することができる。フィンガープリントは、例えば、測位サーバSV1に接続されるAP(AP1〜AP3)にそれぞれ対応して複数(AP1−フィンガープリント〜AP3−フィンガープリント)作成される(図1参照)。
Figure 2013021552
オンラインフェーズの処理では、実際にクライアントCL1の測位が行われるとともに、さらには、変化する実伝搬環境にフィンガープリントを追随させていくためにフィンガープリントの更新処理が実施される。
具体的な測位方法としては様々な方法が提案されているが、式2に示すように、フィンガープリントの値と受信信号強度との自乗誤差を最小にする測位候補点を測位結果として推定する方法がベースになっているものが多い。すなわち、測位候補点ごとに、フィンガープリントから抽出される参照受信信号強度と、クライアントCL1が測定した測定受信信号強度との自乗誤差を計算し、この自乗誤差が最小になる測位候補点を測位位置として推定する方法をベースにする。
Figure 2013021552
ここで、kはAPを識別するインデックス、iは測位候補点を識別するグリッドインデックス、AP#kはインデックスkのアクセスポイントを、それぞれ表わす。式2の右辺は波カッコ内の値を最小とするグリッドインデックスiの値を示す。
フィンガープリントの更新方法も様々であるが、最も簡単な方法としては、次のような方法がある。すなわち、式3に示すように、クライアントCL1について測定された測位位置における測定受信信号強度は、その時点の実伝搬環境を反映して実測された受信信号強度であったものとしてフィンガープリントの該当する測位点の参照受信信号強度を更新する。あるいは、フィンガープリントを決定する係数(例えばパスロス係数など)を再計算し、さらに、再計算されたパスロス係数の値をフィンガープリントの他の測位候補点においても反映させて、測位候補点の信号受信強度の推定値を計算する。そして、計算しなおした値を更新された参照受信信号強度としてフィンガープリントに登録する。つまり、1つの位置でクライアントCL1により実際に測定された受信信号強度に基づいて、フィンガープリントに含まれる測位候補点の参照受信信号強度を更新する。
Figure 2013021552
上記のようなフィンガープリントを用いた測位方法であれば、ある固定された測位範囲(例えば、病院、美術館、ショッピングモールなど)において測位サーバがクライアントの測位を行う場合に、従来、誤差数m程度の測位精度で測位が可能である。
"Wi-Fi Location-Based Services - Design and Deployment Considerations"、 tech.rep.、 Cisco Systems、 2006、 〈URL:https://learningnetwork.cisco.com/docs/DOC-3418〉 P. Bahl、V. N. Padmanabhan、 "RADAR: An In-building RF-based user location and tracking system"、 Proc. IEEE INFOCOM 2000 Conference、 2000、 Volume 2、 Issue c、 pp.775-784 F. Lassabe、 P. Canalda、 P. Chatonnay、 F. Spies、 "A Friis-based calibrated model for WiFi terminals positioning"、 Proc. of IEEE in symp. on World of Wireless、 Mobile and Multimedia Networks (WoWMoM 2005)、 June 2005 T. Roos、P. Myllymaki、 H. Tirri、 P. Misikangas、 J. Sievanen、 "A probabilistic approach to WLAN user location estimation"、 International Journal of Wireless Information Networks、 July 2002、 Volume 9、 Number 3、pp.155-164
上記のような測位システムでは、通常、測位サーバの測位範囲と、この測位サーバが測位対象とするクライアントの移動可能範囲(クライアントが存在する可能性のある範囲)とが、ほぼ一致するように設定される。測位サーバが保持するフィンガープリントには、上記測位範囲内の参照受信信号強度のデータが格納される。
しかしながら、クライアントが測位サーバの測位範囲から外れた位置に存在するときに、測位範囲から外れた位置に存在するクライアントの測位処理が、この測位サーバにより実行されてしまう場合があった。この場合、測位サーバのフィンガープリントは、測位範囲外にあるクライアントの位置に対応していないため、測位結果は大きな誤差を含んだものとなる。さらに、その後、この大きな誤差を含んだ測位結果に基づいてフィンガープリントが更新されてしまうため、フィンガープリント全体に大きな誤差が含まれることになる。そのため、その後の測位精度が大きく劣化するという課題が生じる。
このような例として、鉄道あるいはバスなどの移動車両施設(電車あるいはバスの車両内および駅/プラットホームあるいは停車場構内)における測位システムを説明する。移動車両施設においては、図2Aに示すように、測位サーバSV1、SV2により、それぞれ異なる測位範囲の測位が行われるように設定される。例えば電車車両に搭載される測位サーバSV1は電車車両内を測位範囲として測位を行い、プラットホームの測位サーバSV2はプラットホームの領域を測位範囲として測位を行う。そのため、電車車両の測位サーバSV1では、電車車両内の領域を測位範囲としたフィンガープリントが保持および使用され、プラットホームの測位サーバSV2では、プラットホームの領域を測位範囲としたフィンガープリントが保持および使用される。なお、図2A、Bにおいては測位サーバSV1、SV2に接続されるAPを省略して代表の1つずつを描いている。
図2Aに示すように、電車の走行中においては、上記の構成により適切な測位を行うことができる。しかしながら、図2Bに示すように、電車車両がプラットホームに停車して、乗車客が電車車両に乗り降りする際には、次のような問題が生じる。すなわち、電車車両に乗っていた乗車客がプラットホームに移動する際、この乗車客のクライアントCL1の接続先が電車車両のAP(AP1)からプラットホームのAP(AP2)へ切り換えられるまでにタイムラグ(遅延)が生じる。さらに、このタイムラグの間に、稀に、測位サーバSV1がこの乗車客のクライアントCL1の測位処理を実行してしまうことがある。具体的には、降車した乗車客のクライアントCL1が、プラットホーム上から電車車両の測位サーバSV1へAPを介して受信信号強度情報を報告し、この受信信号強度情報に基づいて測位サーバSV1が測位処理を実行する。
この場合、電車車両の測位サーバSV1が保持するフィンガープリントは、電車車両内の測位範囲にしか対応していないので、この測位範囲の外(すなわち電車車両の領域外)にあるクライアントCL1に対して正確な測位を行うことができない(図3A参照)。つまり、式2をベースにした測位が行われるため、グリッドインデックスが電車車両内の測位範囲に限定されてしまう。すなわち、車両内にいるクライアントCL3(○の位置)については正確な測位が行われて測位結果は位置b(★の位置)となる(○と★とが一致する)が、プラットホームに降りたクライアントCL1(○の位置)に対しては、その測位結果は大きくずれて電車車両内の位置a(★の位置)にいるものとして測位されてしまう(○と★とが大きくずれる)。
続いて、電車車両の測位サーバSV1は、式3に示すように、大きくずれた測位結果に基づいてフィンガープリントの更新を行ってしまう。そのため、フィンガープリントにも大きな誤りが含まれることになる。フィンガープリントに大きな誤りが含まれると、図3Bに示すように、このフィンガープリントを用いて行われるその後の電車車両内の測位において測位精度が大きく劣化してしまう。例えば、電車車両内のクライアントCL3(○の位置)に対する測位結果が位置b(★の位置)などと大きくずれてしまう。
このような課題は、プラットホームの測位サーバSV2(図2参照)においても、同様に生じえる。すなわち、プラットホームのAP(AP2)に接続しているクライアントCL2が、プラットホームから電車車両内に移動した際、ハンドオーバにより電車車両のAP(AP1)へ接続が切り替わるまでにタイムラグ(遅延)が発生する。そして、この間に、電車車両内(すなわちプラットホーム領域外)で計測された受信信号強度がプラットホームの測位サーバSV2へ送られてしまう場合がある。この場合、上述した電車車内の測位サーバSV1の場合と同様に、プラットホームの測位サーバSV2で誤った測位が行われてしまい、さらに、この誤った測位結果によりフィンガープリントの更新が行われてしまう。したがって、その後のプラットホームの他のクライアントに対する測位精度が劣化する。
この発明の目的は、測位対象のクライアントが、上記のように通常時の測位範囲から外れた位置に存在してしまう場合でも、測位精度の劣化を回避することのできる測位サーバ装置および測位制御方法を提供することである。
本発明に係る測位サーバ装置は、アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力する入力部と、前記測定情報と空間位置との対応関係を表わす電波マップデータ(例えばフィンガープリント)を管理する電波マップ管理部(例えば、後述する固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12)と、前記測定情報と前記電波マップデータとに基づいて前記クライアントの位置を測定する測位部と、を具備し、前記電波マップ管理部は、通常時に測位対象の前記クライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件(例えば、特定の期間あるいは状態)のもとで測位対象の前記クライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとを前記電波マップデータとして管理する構成を採る。
本発明に係る測位制御方法は、アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力するステップと、前記測定情報と、前記測定情報と空間位置との対応関係を表わす電波マップデータとに基づいて、前記クライアントの位置を測定するステップと、前記測定情報と前記クライアントの測位結果とに基づいて前記電波マップデータを更新するステップと、を含み、前記電波マップデータには、通常時に測位対象の前記クライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件(例えば、特定の期間あるいは状態)のもとで測位対象の前記クライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとが含まれるようにする。
本発明によれば、通常時の測位範囲から外れた範囲(拡張測位範囲)に、クライアントが存在するような場合でも、大きな誤差を含んだ測位が行われてしまうことがない。また、大きな誤差を含んだ測位結果により電波マップデータが誤って更新されてしまうことがない。その結果、その後の測位精度の劣化が回避される。
WLANを利用した受信信号強度に基づく測位方法の一般的な構成を説明する図 鉄道施設における測位範囲の従来例を説明する図 従来例において測位精度を劣化させる処理の例を説明する図 本発明の実施形態1の測位サーバの構成を示すブロック図 測位対象のクライアントが存在しえる範囲の変動パターンとフィンガープリントとの対応関係を説明する図 拡張測位範囲のフィンガープリントによる作用を説明する図 本発明の実施形態2の測位サーバの構成を示すブロック図 測位対象のクライアントが存在しえる範囲の変動パターンとフィンガープリントの適用範囲の変動パターンとを説明する図 本発明の実施形態3の測位サーバの構成を示すブロック図 クライアントの密度分布からドアの開閉する側を求める方法を説明する図 実施形態3の測位範囲の変動例を説明する図 本発明の実施形態4の測位サーバの構成を示すブロック図 クライアントの混雑度とハンドオーバ時間との関係を説明する図 実施形態4の測位範囲の変動例を説明する図 本発明の実施形態5の測位サーバの構成を示すブロック図 グリッド間隔の変更例を説明する図 グリッド間隔の変更による効果を説明する図 本発明の実施形態6の測位サーバの構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図4は、本発明の実施形態1の測位サーバの構成を示すブロック図、図5は、測位対象のクライアントが存在しえる範囲の変動パターンとフィンガープリントとの対応関係を説明する図である。
実施形態1の測位サーバは、電波マップ管理部10、固定フィンガープリント管理部11、拡張フィンガープリント管理部12、測位部13、パラメータ保持部14、フィンガープリント更新部15を備えている。
電波マップ管理部10は、アクセスポイントAPとクライアントCLとの間で伝送される電波の測定情報(以下、代表的に受信信号強度を用いる)と空間位置との対応関係を推定的に表わす電波マップデータ(例えばフィンガープリント)を管理する。本実施形態においては、電波マップ管理部10は、固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12により構成される。
固定フィンガープリント管理部11は、測位対象のクライアントが通常時に存在しえる空間範囲として設定された固定測位範囲(図5参照)のフィンガープリント(以下、固定フィンガープリントとも呼ぶ)を保持(記憶及び管理)している。固定フィンガープリントは、測位サーバに接続されるアクセスポイントAP(あるいは基地局、アクセスノードとも呼ぶ)の各々について作成され、保持されている。この固定フィンガープリントは、測位処理に必要なときに固定フィンガープリント管理部11によって読み出されて測位部13に出力される。また、固定フィンガープリント管理部11には、フィンガープリント更新部15から逐次更新された更新データが入力され、固定フィンガープリントの全体あるいは一部のデータが置き換えられて更新される。
なお、固定フィンガープリント管理部11は、通信ネットワークあるいは通信リンク上の別の記憶装置あるいは別の測位サーバなどの処理装置に固定フィンガープリントを保持させ、これを通信ネットワークあるいは通信リンクを介して読み書き可能なように構成してもよい。このようにすることで、本実施形態の測位システムでは、測位サーバのハードウェア規模を削減できる。さらに、本実施形態の測位システムでは、複数の測位サーバで同じAPのフィンガープリントを共有する場合には、1測位サーバあたりのフィンガープリントを更新する処理負荷を低減することが可能となる。
拡張フィンガープリント管理部12は、測位対象のクライアントが特定の期間あるいは状態などの特定の条件下においてのみ存在しえる空間範囲として設定された拡張測位範囲(図5参照)のフィンガープリントを保持(記憶及び管理)している。以下、この拡張測位範囲のフィンガープリントを、拡張フィンガープリントとも呼ぶ。
この拡張測位範囲は、固定フィンガープリント管理部11が保持する固定フィンガープリントが適用される固定測位範囲に対して追加拡張されるものである。例えば、他の測位サーバが保持する固定測位範囲と重なるような範囲が拡張測位範囲とされる。すなわち、拡張測位範囲は、他の測位サーバの固定測位範囲に存在するクライアントに対して測位を担うように設定される範囲となる。従って、通常であれば、拡張測位範囲に存在するクライアントは、他の測位サーバの測位対象となり、本測位サーバの測位対象となる期間あるいは状態などの条件は限定されたものとなる。
拡張フィンガープリントは、測位サーバに接続されるAPの各々について作成され、保持されている。拡張フィンガープリントは、測位処理に必要なときに拡張フィンガープリント管理部12によって読み出されて測位部13に出力される。また、拡張フィンガープリント管理部12には、フィンガープリント更新部15で逐次更新された更新データが入力され、拡張フィンガープリントのデータの全体あるいは一部が置き換えられて更新される。
なお、拡張フィンガープリント管理部12は、通信ネットワークあるいは通信リンク上の別の記憶装置あるいは別の測位サーバなどの処理装置に拡張フィンガープリントを保持させてもよい。そして、拡張フィンガープリント管理部12は、上記の拡張フィンガープリントを通信ネットワークあるいは通信リンクを介して読み書き可能なように構成してもよい。このようにすることで、本実施形態の測位システムでは、測位サーバのハードウェア規模を削減でき、さらに、複数の測位サーバで同じAPのフィンガープリントを共有する場合には、1測位サーバあたりのフィンガープリントを更新する処理負荷を低減することが可能となる。
測位部13は、配下APを介して入力端子から入力されたクライアントからの受信信号強度情報、固定フィンガープリント管理部11から取得した固定フィンガープリント、および、拡張フィンガープリント管理部12から取得した拡張フィンガープリントを用いて、クライアントの測位を実行する。ここで、配下APとは、測位サーバに接続されてクライアントの測位のためにクライアントへ信号(例えばビーコン)を送信するとともに、自局のフィンガープリントが測位サーバに保持されている一つ以上のAPのことである。また、測位部13は、測位結果を出力端子に出力して、例えばAPを介してクライアントへ位置情報を提供する。
パラメータ保持部14は、配下APの使用周波数、配下APの設置位置、配下APの送信電力値、配下APのアンテナゲイン、配下APに対するフィンガープリントを求めるために使用されるパスロス係数、クライアントのアンテナゲインなどのパラメータを保持し、管理する。
フィンガープリント更新部15は、次の1、2、3の情報を用いて、APのパスロス係数及びクライアントのアンテナゲインなどのパラメータを推定あるいは導出する。1、測位部13で使われたクライアントからの受信信号強度情報、2、測位部13で得られたクライアントの測位結果、3、パラメータ保持部14で保持されているパラメータの値。そして、フィンガープリント更新部15は、パラメータ保持部14が管理する情報を更新する。また、フィンガープリント更新部15は、この更新したパラメータを用いて、APのフィンガープリントを更新する。さらにフィンガープリント更新部15は、更新したフィンガープリントの固定測位範囲に対応する部分を固定フィンガープリント管理部11へ、拡張測位範囲に対応する部分を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12は、各々保持するフィンガープリントのデータを更新する。
フィンガープリント更新部15は、主に、固定測位範囲におけるクライアントの測位結果を用いて、固定測位範囲におけるパスロス係数等のパラメータを推定あるいは導出し、更新する。通常、人の混雑状況などが異なるため、固定測位範囲と拡張測位範囲とでは、フィンガープリントを決定するパラメータの相関は低くなる。しかしながら、クライアントが固定測位範囲から拡張測位範囲へ移動可能となる特定期間(例えば電車車両のドアが開いた期間)には、人の混雑状況などが関係しあって、固定測位範囲と拡張測位範囲とは、フィンガープリントを決定するパラメータの相関が高くなる。フィンガープリント更新部15は、上記の現象を考慮して、固定測位範囲において推定あるいは導出し、更新したパスロス係数などのパラメータを用いて、固定フィンガープリントの更新を行うとともに、拡張フィンガープリントの更新も同様に行うことができる。
なお、フィンガープリント更新部15は、固定フィンガープリントの更新頻度よりも少ない頻度で拡張フィンガープリントの更新を行ってもよい。拡張測位範囲は測位対象のクライアントが存在しえる時間あるいは状態などの条件が限られる。そのため、特にクライアントが拡張測位範囲に存在する条件に合致しない場合などには、フィンガープリント更新部15は、拡張フィンガープリントの更新頻度を少なくすることができる。少なくしても、測位精度への影響は抑えられる。従って、測位精度に与える影響は抑えながら、フィンガープリント更新部15は処理負荷を低減できる。
以上の構成を有する本実施形態に対応する測位サーバの動作を、AP及びクライアントの動作も含めて説明する。
測位サーバに接続されたAPは、配下のクライアントに対してビーコン信号あるいはポーリングパケットを送信する。APは、ビーコン信号あるいはポーリングパケットを、所定の周期で送信してもよいし、特定のタイミングで送信してもよい。またAPは所定の送信電力で送信してもよい。さらには、APは、ビーコン信号あるいはポーリングパケットに自局ID(例えば、SSID、MACアドレス、測位に特化した識別情報などのうち一つあるいは複数の組み合わせ)を含めて送信してもよい。これによりクライアントがAPを正しく識別することができる。
なお、ビーコン信号あるいはポーリングパケットは、測位サーバが送信するものであってもよい。測位サーバが送信したビーコン信号あるいはポーリングパケットは、配下AP経由でクライアントに配信される。これにより、特定のクライアントを指定して測位を実施するような場合に、測位サーバは、対象となるクライアントを指定することができる。すなわち、汎用APを用いてシステム構築できることから、測位システムの柔軟性あるいは自由度が向上する(APがビーコン信号を送信する場合では、測位サーバがAPに対して対象クライアントを指定する必要があり、APと測位サーバとの間のプロトコルが必要となる。つまり、特定のAPを用いてシステム構築することが制約となる場合には自由度が低下することになる)。また、ビーコン信号あるいはポーリングパケットは、特定のクライアントに対してユニキャスト送信されるものであってもよいし、特定のクライアント群にマルチキャスト、あるいは配下の全クライアントにブロードキャストで通知されるものであってもよい。
以下、特にビーコン信号が配下APから送信される場合について説明する。
クライアントは、自局が受信したAPからのビーコンの受信信号強度を測定し、受信したAPのID(識別情報:MACアドレスなど)と測定した受信信号強度とをセット(対)にした受信信号強度情報を、接続しているAPまたは測位サーバへ送信する。このときクライアントは、受信信号強度情報とともに自局ID(例えばIPアドレス、MACアドレス、あるいは測位に特化した識別情報など)を付加して送信してもよい。自局IDの付加により、測位サーバはクライアントを特定の端末として識別することができる。
クライアントが受信信号強度情報をAPに送信した後、APは受信信号強度情報を測位サーバに転送する。このとき、APは、受信信号強度情報にクライアントのIDを付加して送信してもよい。これにより、クライアントが受信信号強度情報に自局IDを付加しないような場合においても、測位サーバはクライアントを正しく識別することができる。
測位サーバは、固定フィンガープリント管理部11に、配下APの固定フィンガープリントを保持し、拡張フィンガープリント管理部12に、配下APの拡張フィンガープリントを保持する。また、測位サーバは、パラメータ保持部14に、パスロス係数、配下APのアンテナゲイン、クライアントの想定アンテナゲインなどのパラメータを保持する。そして、測位サーバは、入力端子から、配下APを介してクライアントから報告されるAPのID(MACアドレスなど)および受信信号強度(以降、これらをあわせて受信信号強度情報と呼ぶ)を入力する。この入力を受けて、測位部13は、該当(測位対象)のクライアントが報告したAPに関する固定フィンガープリントおよび拡張フィンガープリントを、固定フィンガープリント管理部11および拡張フィンガープリント管理部12から取得する。そして、測位部13は、該当のクライアントが報告したAPに関する受信信号強度情報を用いて、例えば、上述した式2を使って、測位位置として求める。具体的には、測位部13は、フィンガープリントの参照受信信号強度と測定された受信信号強度との自乗誤差が最小になるグリッド位置を、上記測位位置として求める。測位部13は、求めた測位位置と測位に使用したAPに関する受信信号強度情報とをフィンガープリント更新部15に出力する。また、測位部13は、測位位置と測位したクライアントのクライアントIDとを出力端子に出力する。
フィンガープリント更新部15は、測位部13から、測位位置と、クライアントにより実測及び報告されて測位に用いたAPに関する受信信号強度情報とを入力すると、パラメータ保持部14から前記保持するパラメータを読み出す。そして、これらを用いて、フィンガープリント更新部15は、例えば、上述した式3を用いて、APに関するパラメータを推定し更新する。さらに、フィンガープリント更新部15は、これらの更新したパラメータを用いて、APのフィンガープリントを更新する。
固定測位範囲と拡張測位範囲との実伝搬環境は相関すると考えられる。従って、フィンガープリント更新部15は、固定測位範囲の受信信号強度情報に基づきパラメータの値が更新された場合でも、このパラメータの値を用いて拡張フィンガープリントの更新も行う。
そして、フィンガープリント更新部15は、更新したフィンガープリントのうち固定測位範囲に対応する部分を固定フィンガープリント管理部11へ、拡張測位範囲に対応する部分を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。また、更新したパラメータはパラメータ保持部14に出力する。
APは、測位サーバからクライアントIDと測位結果を含むメッセージとを受信すると、該当のクライアントへ測位結果を送信(転送)する。このとき、測位サーバは、測位に用いたフィンガープリントの種別をさらにメッセージに含め、クライアントに通知してもよい。例えば、測位サーバは、フィンガープリントを特定する識別子を通知してもよい。この識別子は、固定測位範囲あるいは拡張測位範囲を対象に測位を行ったか、すなわち固定フィンガープリントあるいは拡張フィンガープリントのいずれを用いたか(さらに詳細に、どの拡張フィンガープリントを用いたか)、という情報を示す。これにより、特に拡張フィンガープリントを用いて測位が行われた場合に、クライアントは、適したタイミングで適切なサーバへの切り替え(ハンドオーバ)を判断し、開始することができる。
なお、固定フィンガープリント管理部11は、保持する固定測位範囲の初期データとして、予めAPが保持する固定測位範囲のグリッド位置において別の測定装置が実測した受信信号強度のデータを保持してもよい。このように、初期データを実測に基づき保有することにより、測位サーバは、フィンガープリントが実環境に適合するまで待つことなく測位を開始できる。
あるいは、固定フィンガープリント管理部11は、上記固定測位範囲の初期データとして、固定測位範囲のグリッド位置における受信信号強度を計算した初期データを保持してもよい。受信信号強度の計算は、予めパスロス係数を実測等により推測し、Friis equation(式1)として知られている距離減衰式などを用いて行うことができる。
さらに、拡張フィンガープリント管理部12は、保持する拡張測位範囲の初期データとして、予めAPが保持する拡張測位範囲のグリッド位置において実測した受信信号強度のデータを保持してもよい。このように、初期データを実測に基づき保有することにより、測位サーバは、フィンガープリントが実環境に適合するまで待つことなく測位を開始できる。
あるいは、拡張フィンガープリント管理部12は、上記拡張測位範囲の初期データとして、APの拡張測位範囲のグリッド位置に対応する受信信号強度を計算したデータを保持してもよい。受信信号強度の計算は、予め得られたAPの固定測位範囲での受信信号強度情報及びパスロス係数、固定測位範囲での構造情報(壁などの反射物がどこにあるか等)、APの設置位置などからFriis equation(式1)などの距離減衰式を用いて行うことができる。
ここで、測位サーバが電車車両に搭載され、電車車内の領域が固定測位範囲に、且つ電車車外の領域が拡張測位範囲に設定されている場合を想定する。この場合、始発時などには、固定測位範囲と拡張測位範囲との実伝搬環境は相関しない。また、始発時であっても、プラットホームと電車車内との状況は、駅によって、同一になる場合と、全く異なる場合とに分かれる。プラットホームと電車車内との状況は、プラットホームのクライアントがまばらであれば同一となる一方、プラットホームが混雑していれば全く異なる。従って、このような状況を考慮して、本実施の形態の測位システムは、駅ごとまたは始発の時間帯ごとの混雑統計情報をデータベース化して保持してもよい。そして、固定フィンガープリント管理部11は、上記の混雑統計情報に基づき定められた電車車内のフィンガープリントの初期データを保持してもよい。
図6は、拡張フィンガープリントによる作用を説明する図である。
この実施形態1の測位サーバによれば、固定フィンガープリント管理部11は、固定測位範囲のフィンガープリントを保持している。それに加えて、拡張フィンガープリント管理部12は、測位対象のクライアントが固定測位範囲以外で移動しえる全ての測位範囲(拡張測位範囲)をカバーした拡張フィンガープリントを保持している。さらに、フィンガープリント更新部15は、これらのフィンガープリントを所定の時点における伝搬環境に対応できるように、逐次更新している。したがって、この実施形態1の測位サーバでは、測位範囲外に測位対象のクライアントが移動してしまうことによる測位精度の劣化が低減される。
例えば、図6Bに示すように、実施形態1の測位サーバSV1が、電車車両に搭載され、電車車両内にのみ固定測位範囲が設定されている場合を想定する。この場合、電車のドアが開いてクライアントCL1がプラットホームへ移動(○の位置)した際、電車車両内に設置された配下AP(AP1、AP2)は、プラットホーム上のクライアントCL1へ信号を送信してしまうことがある。この信号の送信は、クライアントCLが電車車両内のAP(AP1、AP2)からプラットホームのAPへハンドオーバを完了するまでの期間に行われる。そして、この信号の受信信号強度RSS1、RSS2の情報がクライアントCL1から報告されると、測位サーバSV1は、測位処理を実行する。この場合、拡張フィンガープリントにより測位対象の空間範囲がプラットホームまで対応しているので、測位サーバSV1は、このクライアントCL1の位置d(★の位置)を高精度に測定することができる(○の位置と★の位置とが一致する)。従って、その後に、フィンガープリント更新部15がフィンガープリントを誤って更新するということが回避される。
また、図6Aのように、電車がプラットホームに停止している状態で電車のドアが閉じている期間を想定する。この期間では、測位サーバSV1は、固定フィンガープリントだけでなく、クライアントCL1が存在しえないドア外の範囲(拡張測位範囲)を対象とする拡張フィンガープリントも使用してクライアントの測位を行うことになる。このため、測位部13が、クライアントCL1の測位結果をドアの外である拡張測位範囲の位置として求めてしまう、ということが否定できない。しかしながらこの場合は、図6Aに示すように、実際にはクライアントCL1は車両内に位置しているため、測位サーバSV1は、拡張フィンガープリントが使用可能であっても、実際には固定フィンガープリントを用いて測位を行う。そのため、測位サーバSV1は、クライアントCL1の実際の位置(○の位置)と測位位置c(★の位置)との誤差を抑えることができる(○の位置と★の位置とのずれは、もともと固定フィンガープリントのみで測位を行った場合の誤差と同じ程度の誤差に抑えられる)。従って、測位精度の劣化は生じない。また、測位結果に大きな誤差が含まれないので、その後に、フィンガープリント更新部15がフィンガープリントを大きな誤差を含んで更新してしまうということもない。
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2の測位サーバの構成を示すブロック図である。実施形態2の測位サーバには、実施形態1の構成に加えて、測位範囲判断部21が追加されている。実施形態1と同様の構成は、同一符号を付して説明を省略する。
測位範囲判断部21は、拡張測位範囲のうち、その時点において測位範囲に含める部分と含めない部分とを判断する。すなわち、拡張測位範囲の中にも、所与の時点または条件に応じて、測位対象クライアントが存在する可能性が生じる部分と、可能性がない、あるいはほとんどない部分とが生じえる。そのため、前者のみを測位範囲に含め、後者を測位範囲から除外する目的である。固定測位範囲は、測位対象のクライアントが通常時に存在しえる範囲であるので、常に測位範囲に含められる。
なお、特定の条件下においては、測位範囲判断部21は、固定測位領域であっても、この領域を測位対象から外すようにしてもよい。例えば、終着駅等で全ての乗客が降車したことを認識できた場合は、測位範囲判断部21は、固定測位領域をはずして拡張測位領域のみ対象にして、測位部13が測位を実施してもよい。これにより、測位部13は、クライアントが存在しない領域に対する測位処理を抑えることができ、全体の処理量または処理負荷を低減できる。
また、測位対象のクライアントが拡張測位範囲に存在しえない期間(例えば車両のドアが閉まっている期間、車両が走行している期間、など)または状態(例えば車両のドアが閉まっている状態、車両が走行している状態、など)などの特定条件下であっても、測位範囲判断部21は、拡張測位範囲を測位範囲に含めてもよい。この場合でも、実施形態1で説明したように、大きな不都合は生じない。従って、測位範囲判断部21は、拡張測位範囲のうち測位範囲に含める部分と含めない部分とを変動させる場合に、測位範囲から一部を除外する際の条件あるいは期間の判断を厳格に行い、測位範囲に一部を含める際の条件あるいは期間の判断を寛容に行うようにしてよい。このようにすることで、測位サーバは、測位対象のクライアントが測位範囲外に存在することになって大きな測位誤差を発生させてしまうことを回避することができる。
測位範囲判断部21は、配下APを介してクライアントから送られてくる受信信号強度情報に基づいて、拡張測位範囲のうち測位範囲に含める部分と除外する部分との判断を行う。この判断手法の具体例は後述の実施形態3から実施形態4に詳しく示す。或いは、測位範囲判断部21は、外部から補助情報を入力し、この補助情報に基づいて上記の判断を行ってもよい。補助情報には、例えば、クライアントが固定測位範囲から拡張測位範囲へ移動できるドアの開閉情報、開閉時間を表わす情報、または、ドアが複数ある場合に何れのドアが開くかを示す情報などを適用できる。
また、測位サーバが電車車両に搭載される場合は、上記補助情報には、駅から電車車両の管理サーバに送信される入線指示情報、入線指示に対応した車内案内表示の切り替え信号、駅直前の信号機の切り替え信号(赤信号から青信号への切り替え信号)、電車車両の運行予定情報などを適用することができる。測位範囲判断部21は、このような情報に基づいて開閉されるドアの位置を導出するなどして、固定測位範囲(電車車内)から拡張測位範囲(プラットホーム)へクライアントが降車する可能性のない期間あるいは範囲を計算する。そして、測位範囲判断部21は、この範囲をその時点の測位範囲から除外する。例えば、電車車両の運行予定情報が入力された場合には、測位範囲判断部21は、現在時刻を参照しながらA駅からB駅へ移動している期間の測位範囲を固定測位範囲のみとする。と同時に、測位範囲判断部21は、B駅停車の1分間の測位範囲をドアの開く側の拡張測位範囲を含めたものに変動させることができる。
ここで、電車車両の測位を第1測位サーバが担当し、プラットホームの測位を第2測位サーバが担当するシステムの場合を想定する。この場合、電車車両の始発駅においては、降車客が居ないため、測位範囲判断部21は、ドアが開く期間でも、第1測位サーバの測位範囲を固定測位範囲(電車車内)のみと判断してもよい。また、その際、測位範囲判断部21は、プラットホームの第2測位サーバの測位範囲を固定測位範囲(プラットホーム)と拡張測位範囲(電車車内)とに拡張するようにしてもよい。逆に、電車車両の終点駅においては、測位範囲判断部21は、これらの逆の態様で、第1測位サーバと第2測位サーバとの測位範囲を判断することができる。
また、測位サーバがコンサートホール等のイベント設備内に設置され、ホールの出入り口に接する待合室は他の測位サーバが測位を行うような場合を想定する。この場合には、上記補助情報には、コンサート等の上演時間の情報を適用することができる。測位範囲判断部21は、このような情報に基づいて、コンサートの上演時間中はホール内のみを測位範囲と判断することができる。また、測位範囲判断部21は、上演終了後または休憩期間の測位範囲を、待合室あるいはロビーなどのホール外の範囲(拡張測位範囲)を含めたものに変動させることができる。
測位範囲判断部21は、各条件に基づいて拡張測位範囲のうち測位範囲に含める部分と除外する部分とを判断したら、この情報を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。拡張フィンガープリント管理部12は、この情報により、除外された部分を省いて拡張フィンガープリントの残りの部分を測位部13に出力する。
測位部13は、この一部分の拡張フィンガープリントと固定フィンガープリントとを用いてクライアントの測位処理を実行する。
なお、測位範囲判断部21は、拡張測位範囲のうち測位範囲に含める部分と除外する部分とを判断したら、この情報を、直接、測位部13へ出力するようにしてもよい。この場合、測位部13は、拡張フィンガープリント管理部12から入力される拡張フィンガープリントのうち測位範囲に含まれる部分のみを用いて測位用の演算を行うように構成すればよい。
また、実施形態2のフィンガープリント更新部15は、次のように、拡張フィンガープリントの更新を行うようにしてもよい。すなわち、全ての拡張測位範囲のうち、その時点で測位範囲に含まれる部分の拡張フィンガープリントの更新頻度を上げ、その時点で測位範囲から除外されている部分の拡張フィンガープリントの更新頻度を下げる。また、その際、フィンガープリント更新部15は、測位範囲に含まれる部分の拡張フィンガープリントの更新頻度と、固定フィンガープリントの更新頻度とを同一にしてもよい。このように更新頻度を調整することで、測位精度にあまり影響を与えることなく、フィンガープリント更新部15は処理負荷を低減できる。
図8は、測位対象のクライアントが存在しえる範囲の変動パターンとフィンガープリントの適用範囲(以下、フィンガープリントのカバレッジ、フィンガープリントの使用範囲などとも呼ぶ)の変動パターンとを説明する図である。
図8(a)−(d)に示すように、クライアントの存在しえる範囲が、全ての測位範囲の中で変動する場合を想定する。この場合でも、実施形態2の測位サーバによれば、図8(e)−(h)に示すように、測位部13は、この変動に対応して拡張フィンガープリントの適用範囲を変動させて測位を行うことができる。したがって、測位部13は、クライアントから報告された受信信号強度と無駄な部分の拡張フィンガープリントとを比較する計算を省略して、処理負荷を低減することができる。
また、測位部13は、測位誤差により、クライアントの測位結果を、クライアントが存在しえない範囲内の位置として求めることを回避できる。
なお、終着折返し駅のように、降車用、乗車用ホームが明示的に与えられている場合は、測位範囲判断部21は、降車用ホームに対してのみ適用範囲を拡張してもよい。これにより、降車し得ない側への領域拡張が回避され、測位部13は、測位処理量ならびに処理負荷を低減することができる。
(実施形態3)
図9は、本発明の実施形態3の測位サーバの構成を示すブロック図である。実施形態3の測位サーバには、実施形態1の構成に加えて、RSS分布計算部22と測位範囲決定部23とが追加されている。実施形態1と同様の構成は、同一符号を付して説明を省略する。
RSS分布計算部22は、クライアントから報告される受信信号強度情報から、配下APに関する平均受信信号強度を計算し、この計算結果を測位範囲決定部23へ出力する。RSS分布計算部22は、クライアントから報告される受信信号強度情報を、受信信号強度情報に含まれるAPのID(MACアドレスなど)、パラメータ保持部14から読み出されたAPの設置位置に関する情報などとともに管理する。
測位範囲決定部23は、RSS分布計算部22からAPに関する平均受信信号強度を入力すると、着目する場所の平均受信信号強度を比較する。そして、測位範囲決定部23は、この比較結果に基づいて、拡張測位範囲のうち測位範囲に含める部分と除外する部分とを決定する。そして、測位範囲決定部23は、決定した測位範囲の情報を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。
拡張フィンガープリント管理部12は、測位範囲決定部23から決定された測位範囲の情報を入力すると、拡張フィンガープリントのうち測位範囲に含まれる部分のデータのみを測位部13へ出力する。
次に、実施形態3の測位サーバにおける測位範囲の決定動作について説明する。
実施形態3においては、先ず、RSS分布計算部22が、次式4に従って、全ての配下APについて、配下APからクライアントへ送信される信号の測定受信信号強度の平均値を計算する。そして、RSS分布計算部22は、この計算結果を配下APの設置場所に対応する平均受信信号強度として出力する。
Figure 2013021552
ここでは、全ての配下APが同じ送信電力で信号を送信している場合を想定している。それに対して、全ての配下APが同じ送信電力で信号を送信していない場合には、RSS分布計算部22は、式5に示すように、配下APの受信信号強度の平均値を、該当するAPの送信電力で割って、互いに比較可能なように規格化するとよい。
Figure 2013021552
図10は、クライアントの密度分布からドアの開閉する側を求める方法の説明図を、図11は、実施形態3の測位範囲の変動例を説明する図を、それぞれ示す。
続いて、図10を参照して、測位サーバが電車車両に搭載されている場合について具体的に説明する。この場合、固定測位範囲は電車車両内となり、拡張測位範囲はプラットホームとなる。
通常、次の停車駅で降りるクライアント(クライアントを携帯した乗客のことをクライアントと省略して記す)は、次の停車駅で開くドアの方向に移動する傾向がある。一方、降りないクライアントは車内に均一に存在していると予想される。また、クライアントは、電車車両内(固定測位範囲)に設置されているほぼ全てのAPからの受信信号強度を測定、報告するため、クライアントの分布に偏りがある場合には、クライアントの分布密度が大きい方に設置されているAPについての受信信号強度(あるいは式5の値)が大きくなる。
したがって、測位範囲決定部23は、RSS分布計算部22からAPに関する平均受信信号強度を入力すると、平均受信信号強度が小さいAPが設置されている方には測位範囲を拡張しないと判断する。こちら側の反対のドアが開くと考えられるからである。そして、測位範囲決定部23は、拡張測位範囲(Ex1、Ex2;図11)のうち、平均受信信号強度が小さいAPが設置されている方の範囲Ex1を測位範囲から除外することを決定する。さらに、測位範囲決定部23は、この決定した測位範囲(Fx、Ex2)の情報を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。
拡張フィンガープリント管理部12は、測位範囲決定部23からの情報に従い、測位に使用する範囲の拡張フィンガープリントを測位部13に出力する。
RSS分布計算部22と測位範囲決定部23とは、上記のような平均受信信号強度の計算および測位範囲の決定を、所定の周期で繰り返し実行する。そして、平均受信信号強度が小さいAPが設置されている方向が、例えば電車の進行方向に向かって左側から右側へ変化した場合には、測位範囲決定部23は、拡張測位範囲Ex1、Ex2のうち測位範囲から除外する部分を、一方の範囲Ex1から他方の範囲Ex2へと変化させる。
このように、実施形態3の測位サーバによれば、クライアントが存在し得ない範囲が測位範囲から除外される。そのため、測位サーバは、誤ってクライアントの存在し得ない範囲にクライアントの測位結果を求めてしまうことを回避できる。それゆえ、クライアントの測位精度の劣化が低減される。
さらに、測位範囲を限定することによって、測位部13等は、演算量を削減でき、測位結果を算出するまでの時間を短くできる。このことは、例えば、電車車両の停車時間という短い時間の中で多数のクライアントの測位を行う場合に、より重要な効果となる。
なお、測位範囲を決定する方法としては、上記のクライアントの分布に基づく方法のほか、次のような方法を採用してもよい。例えば、測位範囲決定部23は、外部からドア開閉センサー情報を入力し、ドアが全て閉まっている場合には、測位範囲を固定測位範囲のみ(拡張測位範囲は全て除外)と決定してもよい。また、測位範囲決定部23は、外部から電車車両の速度センサー情報を入力し、速度センサー情報に基づいて走行中であると判断できる場合には、測位範囲を固定測位範囲のみ(拡張測位範囲は全て除外)と決定してもよい。また、外部から測位範囲決定部23へ、入線するプラットホームの情報が入力されるように構成し、測位範囲決定部23は、この情報からどちらのドアが開くのか判断して、拡張測位範囲のうち測位範囲から除外する範囲を決定してもよい。さらには、測位システムは、プラットホーム幅のデータを含む停車駅データベースを保持し、測位範囲決定部23は、停車駅データベースの情報に基づき、拡張測位範囲のうちプラットホーム幅を超える部分を、測位範囲から除外するようにしてもよい。
このように測位サーバは、既に他の用途で使用するために入力されている外部情報を利用することによって、ハードウェア規模あるいは処理負荷の低減を図ることができる。
(実施形態4)
図12は、本発明の実施形態4の測位サーバの構成を示すブロック図である。実施形態4の測位サーバには、実施形態3の構成に加えて、HO完了距離計算部24(HO:ハンドオーバ)が追加されている。実施形態3と同様の構成は、同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態の測位サーバには、クライアントの呼接続および移動管理を管理する機能部が付加されている。そして、HO完了距離計算部24は、この機能部から配下APに接続されている全クライアントの数を入力する。なお、呼接続管理装置が測位サーバと別構成になっている場合には、HO完了距離計算部24は、接続クライアント数の情報を呼接続管理装置から受信すればよい。
HO完了距離計算部24は、入力端子から接続クライアント数の情報を入力して、接続クライアント数から混雑度合いを判断する。さらに、HO完了距離計算部24は、この混雑度合いに基づいて、固定測位範囲から拡張測位範囲へ移動するクライアントが、他の測位サーバの配下APへのハンドオーバ処理を完了するまでに移動可能な最大の移動距離を計算する。そして、HO完了距離計算部24は、この移動距離の情報を測位範囲決定部23に出力する。
測位範囲決定部23は、先ず、実施形態3で説明したように、固定測位範囲の一方と他方とに設定されている拡張測位範囲のうち、何れの方を測位範囲に含め、何れの方を測位範囲から除外するかを決定する。続いて、測位範囲決定部23は、HO完了距離計算部24からの情報に基づいて、測位範囲に含める拡張測位範囲の大きさを決定する。すなわち、測位範囲決定部23は、ハンドオーバを完了するまでの移動距離を反映させて、測位範囲に含める拡張測位範囲の大きさを決定する。そして、測位範囲決定部23は、決定された測位範囲の情報を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。
図13には、クライアントの混雑度合いとハンドオーバ時間との関係を説明する図を示す。
具体例として、測位サーバが電車車両に搭載され、クライアントが電車車両から降りる場合について説明する。この場合、固定測位範囲は電車車両内、拡張測位範囲はプラットホームとなる。
図13Aに示すように、降車客が少ないと、一般に、降車客の歩行速度は速くなり、また、降車客の全クライアントに対するハンドオーバ処理が完了するまでの時間は短くなる。一方、図13Bに示すように、降車客が多いと、一般に、降車客の歩行速度は遅くなり、降車客の全クライアントに対するハンドオーバ処理が完了するまでの時間は長くなる。
HO完了距離計算部24は、上記の接続クライアント数の情報が入力されると、この情報に基づいて電車車両から降りるクライアント数のおおよその推定値を計算する。例えば、HO完了距離計算部24は、乗車人数と降車客の数とが一定の比率になるものとして、乗車率100%(1両あたり170名程度の乗車)の場合に1両あたり30名程度の降車客があると推定する。
さらに、HO完了距離計算部24は、上記のように推定した降車客の数に基づき、図13A、Bに示した状況を考慮して、ハンドオーバ完了までのクライアントの移動距離を次のように計算する。例えば、8両編成の電車に対し、1両あたり30名のクライアントが電車を降りると推定した場合、HO完了距離計算部24は、この混雑度合いにおける歩行速度を0.5km/hに設定する(通常、成人の歩行速度は約3km/hと言われ、3GPP(3rd Generation Partnership Project)の性能試験における伝搬環境モデルの1つにも歩行速度3km/hが規定されている。よって、非常に混雑している電車から降車し、混雑しているプラットホームを歩く速度は0.5km/h程度になると見積もっている)。そして、HO完了距離計算部24は、1クライアントあたりのハンドオーバが完了するまでの時間を0.5sとして、ハンドオーバ完了までにクライアントが進み得る距離を17[m](≒8×30×0.5×500/3600)と計算する。また、電車が空いていて1両あたり1名のクライアントが降車すると推定した場合、HO完了距離計算部24は、この混雑度合いにおける歩行速度を2.0km/hに設定する(平均歩行速度に対し、少し遅めの歩行速度を見積もって2km/hとした)。そして、HO完了距離計算部24は、1クライアントあたりのハンドオーバが完了するまでの時間を0.5sとして、ハンドオーバ完了までにクライアントが進み得る距離を2.2[m](≒8×1×0.5×2000/3600)と計算する。
なお、HO完了距離計算部24は、乗客の年齢層あるいは時間帯などのデータにもとづいて歩行速度を設定してもよい。例えば、年齢層が高い場合(高齢者を想定)は歩行速度を遅めに設定し、年齢層が低い場合(青年、子供を想定)は歩行速度を速めに設定してもよい。また、HO完了距離計算部24は、ラッシュアワーなどのトラフィック流量が大きい時間帯には歩行速度を速めに設定し、日中あるいは夜間などのトラフィック流量が小さい時間帯には歩行速度を遅めに設定してもよい。
図14は、実施形態4の測位範囲の変動例を説明する図である。
ここでは、先ず、測位範囲決定部23は、拡張測位範囲Ex1、Ex2のうちドアの開閉がないと判断された測位範囲Ex1を測位範囲から除外すると決定したとする。この場合、続いて、測位範囲決定部23は、HO完了距離計算部24から入力された計算結果(クライアントの最大移動距離)に基づいて、除外されていない拡張測位範囲Ex2のうちクライアントが行き得ない範囲が含まれているか判断する。すなわち、ハンドオーバを完了するまでのクライアントの最大移動距離が、一方の拡張測位範囲Ex2の幅より大きい場合には、測位範囲決定部23は、この範囲Ex2にクライアントが行き得ない範囲が含まれていないと判断する。一方、その逆であれば、測位範囲決定部23は、この範囲Ex2にクライアントが行き得ない範囲が含まれていると判断する。そして、前者の場合には、測位範囲決定部23は、既に決定されている固定測位範囲Fxと拡張測位範囲の一方の部分Ex2とから測位範囲を変更しない。一方、後者の場合には、測位範囲決定部23は、拡張測位範囲の非除外部分Ex2のうち、クライアントが行き得ない部分Ex2bを測位範囲から除外することを決定し、拡張測位範囲の残りの部分Ex2aを測位範囲に含まれる部分として決定する。そして、測位範囲決定部23は、この測位範囲の情報を拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。
HO完了距離計算部24と測位範囲決定部23とは、上記のような計算と測位範囲の決定処理とを、所定周期で繰り返し行い、その都度、計算結果に応じて測位範囲を変動させる。
このように、実施形態4の測位サーバ装置によれば、測位範囲決定部23は、さらにクライアントの混雑度合いから測位対象のクライアントが進み得ない拡張測位範囲の部分を測位範囲から除外するようになっている。従って、誤ってクライアントの存在し得ない範囲にクライアントの測位結果が現れてしまうことを回避できる。それゆえ、クライアントの測位精度の劣化を低減できる。
さらに、測位範囲を限定することによって、測位部13等は、演算量を削減でき、測位結果を算出するまでの時間を短くできる。このことは、例えば、電車車両の停車時間という短い時間の中で多数のクライアントの測位を行う場合に、より重要な効果となる。
なお、降車するクライアント数をより正確に推定するために、測位サーバは、鉄道施設の管理サーバ装置から改札を通った乗車客の定期券(行き先)情報を受信し、この定期券情報を停車駅ごとのクライアントの降者数の判断に加えるようにしてもよい。また、電車車両内の混雑度合いを求めるために、測位サーバは、電車車両の重量センサー情報を入力し、この情報を含めて混雑度合いを計算するようにしてもよい。
このように、更なる付加情報を利用することによって、HO完了距離計算部24は、よりハンドオーバ完了までの時間を精度よく見積もることができる。これにより、測位範囲決定部23は、より測位範囲を必要十分な範囲に限定でき、測位サーバは処理負荷を低減できる。
(実施形態5)
図15は、本発明の実施形態5の測位サーバの構成を示すブロック図である。実施形態5の測位サーバには、実施形態1の構成に加えて、測位範囲決定部23とグリッド幅決定部26とが追加されている。実施形態1と同様の構成は、同一符号を付して説明を省略する。
なお、測位範囲決定部23は、実施形態4のRSS分布計算部22およびHO完了距離計算部24を含むように構成してもよい。この場合、測位範囲決定部23には、図15に示すように、接続クライアント数が入力される。あるいは、測位範囲決定部23は、実施形態3と実施形態4とに示した以外の方法で測位範囲を変動的に決定するように構成してもよい。
グリッド幅決定部26は、測位範囲決定部23から測位範囲の情報を入力すると、この測位範囲に応じたグリッド幅を計算する。この計算方法については後述する。さらに、計算したグリッド幅が、その時点で設定されているグリッド幅より狭い場合、グリッド幅決定部26は、狭くなることにより追加されるグリッド位置の参照受信信号強度を補間処理により求める。そして、グリッド幅決定部26は、上記計算されたグリッド幅の情報と補間された参照受信信号強度の情報とを、固定フィンガープリント管理部11および拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。
なお、参照受信信号強度の補間処理は、グリッド幅決定部26が行わずに、固定フィンガープリント管理部11および拡張フィンガープリント管理部12が行うようにしてもよい。或いは、固定フィンガープリント管理部11と拡張フィンガープリント管理部12とは、設定されたパラメータに基づき各グリッド位置の参照受信信号強度をその都度計算して測位部13へ提供すれば、上記の補間処理を省略することが可能である。
次に、実施形態5の測位処理について説明する。
実施形態5において、グリッド幅決定部26には、予め、測位範囲に固定測位範囲と全ての拡張測位範囲とが含まれる場合に設定されるグリッド位置の総数が、デフォルト値として設定されている。
グリッド幅決定部26は、測位範囲決定部23から測位範囲の情報を入力すると、先ず、上記グリッド位置の総数のデフォルト値を最大とし、これを超えない範囲で出来るだけ多くのグリッド位置が設定されるようにグリッド幅を計算し、決定する。そして、グリッド幅決定部26は、決定されたグリッド幅をパラメータ保持部14へ出力する。
具体例として、全ての測位範囲が13m×20m(固定測位範囲が3m×20m、拡張測位範囲が5m×20m×2)で、デフォルトのグリッド幅が1m×1mの場合を想定する。この場合、デフォルトのグリッド位置の総数は21×14=294である。グリッド幅決定部26は、例えば、表1のデータを保持し、上記デフォルトの総数の値を最大値として、測位範囲決定部23から入力される測位範囲の情報に応じてグリッド幅を決定する。
Figure 2013021552
図16は、グリッド間隔の変更例を説明する図を、図17は、グリッド間隔の変更による効果を説明する図を示す。これらの図において、グリッド位置を黒丸で示す。
続いて、グリッド幅決定部26は、上記のように決定されたグリッド幅に応じて、フィンガープリントの補間処理を行う。決定されたグリッド幅が、その時点で設定されているグリッド幅と変更がない場合、グリッド幅決定部26は、補間処理を行わない。
決定されたグリッド幅が、例えば図16に示すように、デフォルト値(1m×1m)から0.5m×0.5mに変更された場合、グリッド幅決定部26は、デフォルトのグリッド位置の間にグリッド位置を追加設定する。そして、グリッド幅決定部26は、次の1の情報或いは2の情報を用いて、追加されるグリッド位置の受信信号強度を補間処理(簡単には、追加されるグリッド位置を挟むグリッド位置の参照受信信号強度を一次補間するなど)により求める。1、デフォルトグリッド位置の参照受信信号強度、2、この参照受信信号強度を計算するために使用されていたパスロス係数。グリッド幅決定部26は、補間処理により得られた追加のグリッド位置の参照受信信号強度を、固定測位範囲のものは固定フィンガープリント管理部11へ、拡張測位範囲のものは拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12は、それぞれ追加のグリッド位置の参照受信信号強度をフィンガープリントに加える。
この実施形態5の測位サーバ装置によれば、測位範囲が狭くなった場合に、グリッド幅決定部26が、総グリッド数が大きく変化しない範囲で、フィンガープリントのグリッド間隔を狭める。したがって、測位部13は、演算処理の負荷をあまり変化させずに、分解能の向上により測位精度を向上させる。例えば、図17に示すように、グリッド幅が広くて正確な位置がグリッド位置の中間にあるような場合に、測位部13は、グリッド幅が狭くなることで、正確な測位位置を求めることができる。
(実施形態6)
図18は、本発明の実施形態6の測位サーバの構成を示すブロック図である。実施形態6の測位サーバには、実施形態1の構成に加えて、測位範囲/測位密度決定部30と反映タイミング決定部31とが追加されている。実施形態1と同様の構成は、同一符号を付して説明を省略する。
なお、測位範囲/測位密度決定部30は、実施形態5の測位範囲決定部23及びグリッド幅決定部26を含むように構成してもよい。この構成において、測位範囲決定部23が、実施形態4のRSS分布計算部22およびHO完了距離計算部24を含むように構成されている場合、測位範囲/測位密度決定部30には、図18に示すように、接続クライアント数が入力される。また、測位範囲/測位密度決定部30に含まれる測位範囲決定部23は、実施形態3と実施形態4とに示した以外の方法で測位範囲を変動的に決定するように構成してもよい。また、測位範囲/測位密度決定部30は、グリッド幅を変更する構成を省略してもよい。
反映タイミング決定部31は、入力端子を介して外部のドア開閉センサーからドアの開閉情報を入力する。一般に、ドアが開けば、ドアから人の出入りが発生して測位範囲が拡大し、ドアが閉じられれば、ドアからの人の出入りがなくなって測位範囲が縮小される。つまり、ドアの開閉により測位範囲が変動し得る。したがって、ドアが開放される情報が入力されると、反映タイミング決定部31は、測位範囲が変更し得るタイミングと判断する。そして、反映タイミング決定部31は、測位範囲/測位密度決定部30からの出力を反映するトリガ信号を固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12へ出力する。
測位範囲と測位密度との変動の情報は、測位範囲/測位密度決定部30において決定され、これら情報が固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12へ出力されている。なお、測位密度とは測位範囲(測位面積)における単位面積あたりのグリッド数である。つまり、測位範囲が制限されてグリッド数が一定であれば測位密度が高くなる。
固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12は、反映タイミング決定部31からトリガ信号が入力された場合に、測位範囲/測位密度決定部30からの入力を反映する。そして、固定フィンガープリント管理部11及び拡張フィンガープリント管理部12は、反映されたフィンガープリントの情報を測位部13へ出力する。
この実施形態6の測位サーバによれば、測位範囲決定部23は、測位範囲および(または)測位密度の変動を、適切なタイミングで行うことができる。測位部13は、適切なタイミングで変動された測位範囲および(または)測位密度に基づいて測位を行うことができる。したがって、測位範囲決定部23は、測位範囲が変動しえないタイミングで、測位範囲および(または)測位密度の変動を行ってしまうことを回避できる。それにより、測位部13は、クライアントが存在しえない位置を測位結果として求めてしまうことを回避でき、クライアントの測位精度劣化を低減させることが出来る。また、測位サーバは、無駄な演算処理を省いて各部の処理負荷を低減できる。
以上、本発明の各実施形態について説明した。
なお、上記各実施形態では、主に、電車車両の測位サーバに本発明を適用した場合を具体例として説明したが、本発明は、例えば、プラットホームに設置される測位サーバに適用しても同様の作用効果を得ることができる。プラットホームに測位サーバが設置される場合、固定測位範囲がプラットホーム上の領域となり、拡張測位範囲がプラットホーム上に停車した電車車両内の領域と設定される。そして、この測位サーバは、プラットホームから電車車両へ移動するクライアントに起因した精度の劣化を回避することができる。
また、上記各実施形態では、電車車両とプラットホームとに測位サーバがそれぞれ設置された場合を具体例として説明したが、本発明は様々な施設に設置される測位サーバに適用して同様の作用効果を得ることができる。例えば、コンサート会場においてホール内に第1の測位サーバが設置されてホール内の測位を担当し、ホールにドアを介して接する待合室に第2の測位サーバが設置されて待合室内の測位を担当するようなシステムにおいても、本発明は有用に適用できる。この場合、第1の測位サーバは、ホール内を固定測位範囲として設定し、待合室を拡張測位範囲として設定する。また、第2の測位サーバは、待合室を固定測位範囲として設定し、ホール内のドア周辺部を拡張測位範囲として設定する。この場合にも、測位サーバは、固定測位範囲から拡張測位範囲へ移動するクライアントに起因した精度の劣化を回避することができる。
また、上記各実施形態では、電波マップデータは、APからクライアントへ送信される無線信号の受信信号強度と空間位置との対応関係が推定的に表わされるフィンガープリントとした。しかしながら、電波マップデータは、上記のフィンガープリントに限られるものではない。例えば、電波マップデータとしては、APからクライアントへ送信される無線信号の様々な物理量(測定位置に応じて値が変化する物理量:例えば信号到来時間遅延、信号到来方向など)と空間位置との対応関係を推定的に表わしたデータを適用してもよい。この場合、クライアントは、APから送信されてくる無線信号に対して上記の物理量の測定を行い、この測定値を測位サーバへ報告する。測位サーバは、この測定値と電波マップデータとを照合して測位位置を求めることができる。
また、上記各実施形態においては、電波マップ管理部に対応する構成は、フィンガープリントを管理することから固定フィンガープリント管理部11および拡張フィンガープリント管理部12と呼んでいる。また、上記各実施形態では、固定測位範囲のフィンガープリントと拡張測位範囲のフィンガープリントとは、固定フィンガープリント管理部11および拡張フィンガープリント管理部12により別ブロックで管理している。しかしながら、固定測位範囲のフィンガープリントと拡張測位範囲のフィンガープリントとは、1ブロックの管理部がそれぞれを識別した状態で管理するようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、APと通信を行って測位対象となる装置をクライアントと呼んでいるが、このクライアントは、端末、MS(Mobile Station)、UE(User Equipment)とも呼ばれる。また、AP1台に複数のアンテナを持たせたり、あるいは、クライアントにて得られる受信信号強度以外の情報(例えば自律センサにより取得した情報等)を用いた他の技術を本発明に組み合わせて測位処理に適用した機能をAPに施したりすれば、APは単独でもクライアントの測位を行うことが可能となる。すなわち、クライアントの測位は、1つ以上のAPにより実行することができる。
また、上記各実施形態で示した測位サーバの各機能ブロックは、ハードウェアにより実現することもできるし、コンピュータがプログラムを実行することで機能するソフトウェアにより実現することもできる。
なお、上記の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、LSI内部の回路セルの接続あるいは設定を再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
以上の説明により、本開示を、一例として、以下のようにまとめることも可能である。
第1の開示は、アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力する入力部と、前記測定情報と空間位置との対応関係を表わす電波マップデータを管理する電波マップ管理部と、前記測定情報と前記電波マップデータとに基づいて前記クライアントの位置を測定する測位部と、を具備し、前記電波マップ管理部は、通常時に測位対象の前記クライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件のもとで測位対象の前記クライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとを前記電波マップデータとして管理する測位サーバ装置である。
第2の開示は、前記拡張測位範囲が、他の測位サーバ装置の前記固定測位範囲に重なる範囲である、第1の開示に基づく測位サーバ装置である。
第3の開示は、前記測定情報と前記測位部の測位結果とに基づいて前記電波マップデータのパラメータの値を再計算して当該電波マップデータを更新するデータ更新部、をさらに具備し、前記データ更新部は、前記固定測位範囲に対して再計算された前記パラメータの値に基づいて前記第1のマップデータおよび前記第2のマップデータを更新する、第1の開示に基づく測位サーバ装置である。
第4の開示は、前記測定情報と前記測位部の測位結果とに基づいて前記電波マップデータを更新するデータ更新部、をさらに具備し、前記データ更新部は、前記第1のマップデータの更新頻度より少ない頻度で前記第2のマップデータを更新する第1の開示に基づく測位サーバ装置である。
第5の開示は、前記測位部の測位範囲を前記固定測位範囲と前記拡張測位範囲との中で変動させる範囲制御部、をさらに具備する、第1から第4のいずれか一つの開示に基づく測位サーバ装置である。
第6の開示は、前記範囲制御部が、前記クライアントの密度または分布に基づいて前記測位部の測位範囲に含める前記拡張測位範囲の大きさまたは箇所を決定する、第5の開示に基づく測位サーバ装置である。
第7の開示は、前記固定測位範囲と前記拡張測位範囲との境界に関する状態を示す補助情報を入力する補助情報入力部をさらに具備し、前記範囲制御部は、前記補助情報に基づいて前記測位部の測位範囲を変動させる第5の開示に基づく測位サーバ装置である。
第8の開示は、前記測位部が、測位範囲に複数の測位候補点を設定し、当該測位候補点についての演算処理を行って前記クライアントの位置を測定するとともに、前記測位範囲の大きさに応じて前記測位候補点の間隔を変化させる、第5の開示に基づく測位サーバ装置である。
第9の開示は、アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力するステップと、前記測定情報と、前記測定情報と空間位置との対応関係を表わす電波マップデータとに基づいて、前記クライアントの位置を測定するステップと、前記測定情報と前記クライアントの測位結果とに基づいて前記電波マップデータを更新するステップと、を含み、前記電波マップデータには、通常時に測位対象の前記クライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件のもとで測位対象の前記クライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとが含まれる、測位制御方法である。
第10の開示は、前記クライアントの位置を測定するステップを実行する前に、測位範囲を前記固定測位範囲と前記拡張測位範囲との中で変動させるステップをさらに含む、第9の開示に基づく測位制御方法である。
2011年8月5日出願の特願2011−172433の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、例えばWLANによりAPとクライアントとで無線通信を行うシステムに付加されてクライアントの測位を行う測位サーバ装置およびその測位制御方法に適用できる。
10 電波マップ管理部
11 固定フィンガープリント管理部
12 拡張フィンガープリント管理部
13 測位部
14 パラメータ保持部
15 フィンガープリント更新部
21 測位範囲判断部
22 RSS分布計算部
23 測位範囲決定部
24 HO完了距離計算部
Fx 固定測位範囲
Ex1、Ex2 拡張測位範囲
26 グリッド幅決定部
30 測位範囲/測位密度決定部
31 反映タイミング決定部
CL1 クライアント
AP1、AP2 アクセスポイント
SV1 測位サーバ

Claims (10)

  1. アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力する入力部と、
    前記測定情報と空間位置との対応関係を表わす電波マップデータを管理する電波マップ管理部と、
    前記測定情報と前記電波マップデータとに基づいて前記クライアントの位置を測定する測位部と、
    を具備し、
    前記電波マップ管理部は、
    通常時に測位対象の前記クライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件のもとで測位対象の前記クライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとを前記電波マップデータとして管理する
    測位サーバ装置。
  2. 前記拡張測位範囲は、他の測位サーバ装置の前記固定測位範囲に重なる範囲である
    請求項1記載の測位サーバ装置。
  3. 前記測定情報と前記測位部の測位結果とに基づいて前記電波マップデータのパラメータの値を再計算して当該電波マップデータを更新するデータ更新部、
    をさらに具備し、
    前記データ更新部は、
    前記固定測位範囲に対して再計算された前記パラメータの値に基づいて前記第1のマップデータおよび前記第2のマップデータを更新する
    請求項1記載の測位サーバ装置。
  4. 前記測定情報と前記測位部の測位結果とに基づいて前記電波マップデータを更新するデータ更新部、
    をさらに具備し、
    前記データ更新部は、
    前記第1のマップデータの更新頻度より少ない頻度で前記第2のマップデータを更新する
    請求項1記載の測位サーバ装置。
  5. 前記測位部の測位範囲を前記固定測位範囲と前記拡張測位範囲との中で変動させる範囲制御部、
    をさらに具備する請求項1に記載の測位サーバ装置。
  6. 前記範囲制御部は、
    前記クライアントの密度または分布に基づいて前記測位部の測位範囲に含める前記拡張測位範囲の大きさまたは箇所を決定する
    請求項5記載の測位サーバ装置。
  7. 前記固定測位範囲と前記拡張測位範囲との境界に関する状態を示す補助情報を入力する補助情報入力部
    をさらに具備し、
    前記範囲制御部は、
    前記補助情報に基づいて前記測位部の測位範囲を変動させる
    請求項5記載の測位サーバ装置。
  8. 前記測位部は、
    測位範囲に複数の測位候補点を設定し、当該測位候補点についての演算処理を行って前記クライアントの位置を測定するとともに、
    前記測位範囲の大きさに応じて前記測位候補点の間隔を変化させる
    請求項5記載の測位サーバ装置。
  9. アクセスポイントとクライアントとの間で伝送される電波の測定情報を入力するステップと、
    前記測定情報と、前記測定情報と空間位置との対応関係を表わす電波マップデータとに基づいて、前記クライアントの位置を測定するステップと、
    前記測定情報と前記クライアントの測位結果とに基づいて前記電波マップデータを更新するステップと、
    を含み、
    前記電波マップデータには、通常時に測位対象の前記クライアントが存在する可能性のある固定測位範囲に関する第1のマップデータと、特定条件のもとで測位対象の前記クライアントが存在する可能性の生じる拡張測位範囲に関する第2のマップデータとが含まれる
    測位制御方法。
  10. 前記クライアントの位置を測定するステップを実行する前に、
    測位範囲を前記固定測位範囲と前記拡張測位範囲との中で変動させるステップ
    をさらに含む請求項9記載の測位制御方法。
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