JPWO2013011876A1 - 金型清掃用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上記特開2003−62835号公報に開示された金型清掃用樹脂組成物をはじめとする、従来の金型清掃用樹脂組成物は、上記のような多様化、精密化しつつある成形金型の形状及び構造への対応という点では、効果が十分とはいえず、改善の余地がある。
しかしながら、従来の金型清掃用樹脂組成物では、該金型清掃用樹脂組成物に含まれる充填材が、成形金型の内部表面を磨耗させたり、傷付けたりするため、めっき処理面の欠落や表面状態の荒れが発生していた。成形金型の内部表面に付いた傷の放置は、汚れを成形金型の内部表面に滞留させる原因となり、金型清掃の作業性を低下させることにもなる。さらに、成形金型のキャビティーのゲート部が磨耗すると、成形金型の修理や交換が必要となる。
上記金型清掃用樹脂組成物は、更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含むことが好ましい。
本発明では、構成成分として、少なくとも、メラミン系樹脂と無機充填材とを選択し、該無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差を制御することにより、成形金型のキャビティーの隅々まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い、金型清掃用樹脂組成物の提供を実現可能とした点に意義がある。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材とを用いて構成されている。本発明の金型清掃用樹脂組成物は、必要に応じて、更に、飽和脂肪酸又はその金属塩、有機充填材、その他添加剤等を用いて構成することができる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、成形金型の内部表面の汚れ、特に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等に代表される熱硬化性樹脂組成物を含む封止成形材料に由来する汚れを取り除くために、好適に用いられる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、メラミン系樹脂を含む。本発明において、「メラミン系樹脂」とは、メラミン樹脂、メラミン−フェノール共縮合物、及びメラミン−ユリア共縮合物をいう。より詳しくは、本発明において、「メラミン系樹脂」とは、メラミンとホルムアルデヒドとの反応物であるメチロールメラミン、及びメラミン、フェノール、又はユリアと、メチロールメラミンとの反応物をいう。本発明では、これらの中から1種以上を選択して用いる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、メラミン系樹脂を含むので、成形金型の内部表面の汚れに対して優れたクリーニング性を示す。メラミン系樹脂は、極性の高いメチロール基を有している。本発明においては、メラミン系樹脂が有する極性の高いメチロール基が、熱硬化性樹脂組成物を含む封止成形材料に由来する汚れに作用することで、優れたクリーニング効果が奏されるものと考えられる。また、メラミン系樹脂は、熱に対して安定であるので、成形金型の清掃時の一般的な温度である160〜190℃付近においても、本発明の金型清掃用樹脂組成物は、安定したクリーニング性を示すものと考えられる。
本発明において、上記メラミン樹脂は、トリアジン類由来の繰り返し単位と、アルデヒド類由来の繰り返し単位とのモル比が、1:1.2〜1:4であることが好ましい。
上記メラミン−フェノール共縮合物は、トリアジン類と、フェノール類と、アルデヒド類との共縮合物である。フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等が挙げられる。
本発明において、上記メラミン−フェノール共縮合物は、トリアジン類由来の繰り返し単位と、フェノール類由来の繰り返し単位と、アルデヒド類由来の繰り返し単位とのモル比が、1:0.3:1〜1:1:3であることが好ましい。
上記メラミン−ユリア共縮合物は、トリアジン類と、ユリア類と、アルデヒド類との共縮合物である。ユリア類としては、例えば尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、無機充填材を含む。本発明における無機充填材としては、例えば、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。本発明においては、これらの無機充填材を、単独で、或いは複数組み合わせて用いてもよい。
本発明において、より好ましい無機充填材は、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であり、更により好ましい無機充填材は、酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であり、特に好ましい無機充填材は、酸化ケイ素である。
金型の材質や状態にもよるため一概には言えないが、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウムは、硬度が適当であり、金型の内部表面及びゲート部の磨耗や傷の発生を抑制できるので、好ましい。また、金型を清掃する際の温度は、通常160〜190℃であるが、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウムは、上記温度付近においても熱的に安定であるので、好ましい。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差が特定の数値範囲内である無機充填材を含むので、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明では、無機充填材の平均粒径が4μm以上であるので、成形金型の内部表面の汚れに対して十分なクリーニング性を示す。また、本発明では、無機充填材の平均粒径が12μm以下であるので、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明では、無機充填材の粒径の標準偏差が10μm以下であるので、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が保たれ、その結果、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することが可能となる。
本発明では、無機充填材の粒径の平均アスペクト比が1.3以下であるので、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が保たれ、その結果、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することが可能となり、また、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明では、無機充填材の粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下であり、無機充填材がほぼ均一な形状であるため、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が保たれ、その結果、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することが可能となり、また、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
粒径 = ((Xの5回の計測値の平均値)+(Yの5回の計測値の平均値))/2
・・・式1
粒径のアスペクト比 = (Xの5回の計測値の平均値)/(Yの5回の計測値の平均値) ・・・式2
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、該金型清掃用樹脂組成物の強度を適切に保つために、添加剤として有機充填材を含むことが好ましい。有機充填材としては、例えば、パルプ、木粉、合成繊維等が挙げられる。これらの中でも、パルプが特に好ましい。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、清掃後における成形物と成形金型の内部表面との型離れを良好なものとし、成形物を金型から剥離する際の作業性を向上させるために、添加剤として炭素数12〜20の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含むことが好ましく、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含むことがより好ましい。
炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、例えば、炭素数12のラウリン酸(IUPAC名:ドデカン酸)、炭素数14のミリスチン酸(IUPAC名:テトラデカン酸)、炭素数16のパルミチン酸(IUPAC名:ヘキサデカン酸)、炭素数18のステアリン酸(IUPAC名:オクタデカン酸)、炭素数20のアラキジン酸(IUPAC名:エイコサン酸)等が挙げられる。
本発明においては、炭素数14の飽和脂肪酸と亜鉛とから構成されるミリスチン酸亜鉛、炭素数18の飽和脂肪酸と亜鉛とから構成されるステアリン酸亜鉛、及び炭素数18の飽和脂肪酸とカルシウムとから構成されるステアリン酸カルシウムの少なくとも1種を含むことが更に好ましく、ミリスチン酸亜鉛を含むことが特に好ましい。ミリスチン酸亜鉛は、融点が約123〜130℃であり、金型清掃時の160〜190℃の温度で十分な流動性があり、汚れに作用しやすいので好ましい。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、更に、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類、ゴム類を含んでもよい。また、公知の添加剤、例えば、硬化触媒、滑剤、着色剤、抗酸化剤等の添加剤を含んでもよい。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、例えば、上記メラミン系樹脂、上記無機充填材、さらに、必要に応じて、上記有機充填材、上記飽和脂肪酸の金属塩、添加物等のその他の成分を、ニーダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ロール練り、らいかい機、タンブラー等を用いて、ほぼ均一に混合することにより、調製する。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、トランスファー成形されることにより、成形金型の内部表面を清掃する、いわゆるトランスファータイプの金型清掃用樹脂組成物として好適である。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、通常、タブレット状に加工して、成形金型の内部表面の清掃作業に用いられる。具体的には、成形金型の上にリードフレームを配置した後、タブレット状の金型清掃用樹脂組成物をポット部に挿入し、型締めした後、プランジャーで押し流す。この際、ポット部の金型清掃用樹脂組成物は、ランナー部を経由し、ゲート部を通り、キャビティー内部に流れ込む。所定の成形時間が経過した後、金型を開き、リードフレームと一体となった成形物、すなわち、汚れを含む金型清掃用樹脂組成物の成形物を取り除く。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、構成成分である無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差が特定の範囲内であるので、成形金型の内部表面等への傷や磨耗の発生を抑制することができる。
<1> 少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材と、を含む金型清掃用樹脂組成物である。
<2> 更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含む上記<1>に記載の金型清掃用樹脂組成物である。
<3> 上記無機充填材が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種である上記<1>又は<2>に記載の金型清掃用樹脂組成物である。
<4> 上記無機充填材が、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である上記<3>に記載の金型清掃用樹脂組成物である。
<5> トランスファー成形に用いられる上記<1>から<4>のいずれか1つに記載の金型清掃用樹脂組成物である。
[メラミン-フェノール共縮合物の調製]
(製造例1)
メラミン346質量部と、フェノール131質量部と、ホルムアルデヒド(37%水溶液)522質量部と、有機充填材として、広葉樹パルプ(LDPR、日本製紙株式会社製)248質量部とを、80〜90℃、pH7〜7.5のアルカリ条件下で、60℃において反応物の3質量%水溶液が白濁するまでの時間、加熱反応させた後、減圧乾燥し、粉末化して、有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物を得た。
(実施例1)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例1の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS205、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例2の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、SE−40、株式会社トクヤマ社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例3の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、SE−15、株式会社トクヤマ製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例4の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化アルミニウム(CB−P10、昭和電工株式会社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例5の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、炭酸カルシウム(ホワイトンSB青、白石カルシウム株式会社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例6の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸カルシウム(カルシウムアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例7の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ミリスチン酸亜鉛(パウダーベースM、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例8の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ラウリン酸亜鉛(ZS−3、日東化成工業株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例9の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、アルキジン酸亜鉛0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例10の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、ステアリン酸(F−3、川研ファインケミカル株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例11の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(破砕シリカ、FS200、電気化学工業株式会社社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例1の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、破砕状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、SO−C6、株式会社アドマテックス社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例2の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)と、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS302、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)との質量比1:1の混合物20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例3の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、TS10−141、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)と、酸化ケイ素(破砕シリカ、F−CD10、キンセイマテックス社製)との質量比1:2の混合物20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例4の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状と破砕状とが混在していた。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)と、酸化ケイ素(破砕シリカ、F−CD10、キンセイマテックス社製)との質量比1:3の混合物20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例5の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状と破砕状とが混在していた。
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(純硅石粉、瀬戸窯業原料株式会社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ミリスチン酸亜鉛(パウダーベースM、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例6の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、破砕状であった。
メラミン系樹脂として、メチロールメラミン(ニカレヂンS−176、日本カーバイド工業株式会社製)76.1質量部と、有機充填材として、広葉樹パルプ(LDPR、日本製紙株式会社製)23質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例7の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
実施例1〜11、及び比較例1〜7の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差は、以下の方法により求めた。測定結果を下記表1に示す。
粒径 = ((Xの5回の計測値の平均値)+(Yの5回の計測値の平均値))/2
・・・式1
粒径のアスペクト比 = (Xの5回の計測値の平均値)/(Yの5回の計測値の平均値) ・・・式2
実施例1〜11、及び比較例1〜7の金型清掃用樹脂組成物のクリーニング性、及び傷付き性について、以下に示す方法で評価した。評価結果を下記表1に示す。
市販のエポキシ樹脂成形材料(EME-G700L、住友ベークライト株式会社製)を用い、トランスファー自動成形機(金型温度:175℃、トランスファー圧:8.7MPa、トランスファー時間:6.5秒、硬化時間:90秒)で、QFP(Quad Flat Package)を400ショット成形し、金型の内部表面を汚れさせた。
この汚れた金型を用い、上記と同様の成形条件で、上記にて調製した金型清掃用樹脂組成物を繰り返し成形した。そして、金型の内部表面に付着した汚れが完全に除去できるまでに要したショット数を測定し、このショット数を、金型清掃用樹脂組成物のクリーニング性を評価するための指標とした。汚れが完全に除去できたか否かは、目視にて判断した。
評価に際しては、特に、金型のキャビティーのゲート部やコーナー部に付着した汚れが除去できているかに注目した。今回の評価に用いた金型のゲート部は、幅が800μmで、高さが300μmであった。
ショット数は、小さいほどクリーニング性が優れていることを示す。
金型清掃用樹脂組成物の傷付き性の評価には、市販のテーバー摩耗試験機(MODEL 5155、TABER INDUSTRIES社製)を用いた。
SUS板(材質:ASP-23H)に硬質クロムメッキ処理を施した試験片(100mm×100mm、厚み:7mm)を準備した。レーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)を用いて、この試験片の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ、JIS B 0601−2001準拠)を測定したところ、0.099μmであった。
金型清掃用樹脂組成物を、幅10mm、長さ100mm、厚み4mmの形状となる金型を用いて成形し、評価用試料とした。装置には、トランスファー自動成形機(金型温度:170℃、トランスファー圧:6.9MPa、トランスファー時間:30秒、硬化時間:90秒)を用いた。
事前準備として、#1500サンドペーパーをテーバー摩耗試験機の回転台に置き、その上に、金型清掃用樹脂組成物の評価用試料を10mm×4mmの面が下になるように、試験機治具を用いて固定し、回転台を速度60rpmで30回転させて、評価用試料の平面を出した。
試験片をテーバー摩耗試験機の回転台に置き、その上に、平面を出した評価用試料を試験機治具にて固定し、1000gの荷重をかけながら、回転台を速度60rpmで30回転させる磨耗試験を実施した。
磨耗試験後、レーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)を用いて、試験片表面の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ、JIS B 0601−2001準拠)を測定し、この表面粗さの値を金型清掃用樹脂組成物の傷付き性を評価するための指標とした。
この試験片表面の表面粗さの値が小さいほど、評価用試料による傷付きが少ないことを示す。したがって、この試験片表面の表面粗さの値が小さいほど、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い金型清掃用樹脂組成物であることを示す。
体積の近似値=4×3.14×(粒径)3/3・・・式3
実施例8の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材は、体積の近似値が10〜100μm3の範囲内のものを12%(150個中18個)含んでいた。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、且つ、個々に記された場合と同程度に本明細書中に参照により取り込まれる。
Claims (5)
- 少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材と、を含む金型清掃用樹脂組成物。
- 更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含む請求項1に記載の金型清掃用樹脂組成物。
- 前記無機充填材が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の金型清掃用樹脂組成物。
- 前記無機充填材が、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である請求項3に記載の金型清掃用樹脂組成物。
- トランスファー成形に用いられる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金型清掃用樹脂組成物。
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