JPWO2013011876A1 - 金型清掃用樹脂組成物 - Google Patents

金型清掃用樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013011876A1
JPWO2013011876A1 JP2013524667A JP2013524667A JPWO2013011876A1 JP WO2013011876 A1 JPWO2013011876 A1 JP WO2013011876A1 JP 2013524667 A JP2013524667 A JP 2013524667A JP 2013524667 A JP2013524667 A JP 2013524667A JP WO2013011876 A1 JPWO2013011876 A1 JP WO2013011876A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
resin composition
parts
mold
melamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013524667A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5972266B2 (ja
Inventor
野村 弘明
弘明 野村
吉村 勝則
勝則 吉村
太地 佐藤
太地 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Publication of JPWO2013011876A1 publication Critical patent/JPWO2013011876A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5972266B2 publication Critical patent/JP5972266B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/70Maintenance
    • B29C33/72Cleaning
    • B29C33/722Compositions for cleaning moulds

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)

Abstract

少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材と、を含む金型清掃用樹脂組成物。

Description

本発明は金型清掃用樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等を代表とする熱硬化性樹脂組成物を含む封止成形材料を用いて、集積回路やLED素子等の封止成形作業を長時間続けると、封止成形材料に由来する汚れが、成形金型の内部表面に付着する。この成形金型の内部表面に付着した汚れを放置すると、集積回路やLED素子等の封止成形物の表面に汚れが付着するという不具合が発生する。このような不具合を防止するためには、封止成形工程において、成形金型の内部表面に付着した汚れを取り除く必要がある。具体的には、数百ショットの封止成形作業ごとに数ショットの割合で、封止成形材料のかわりに金型清掃用樹脂組成物を成形し、成形金型の内部表面の汚れを取り除く。
金型清掃用樹脂組成物に関する検討は、従来より種々行なわれている。金型清掃用樹脂組成物の具体的な例としては、メラミン樹脂等のアミノ系樹脂と、最大粒径及び平均粒径を制御した鉱物質類粉体と、を含む金型清掃用樹脂組成物が開示されている(例えば、特開2003−62835号公報参照)。特許文献1に開示された金型清掃用樹脂組成物によれば、最大粒径が180μm以下であり、粒径が100μm以上である鉱物質類粉体の含有量を、鉱物質類粉体全量に対して1質量%以下とし、且つ、鉱物質類粉体の含有量を金型清掃用樹脂組成物全量に対して5〜30質量%とすることで、流動性を良好なものとし、金型内部の空隙の隅々まで行き渡らせることで、汚れを捕捉する。
近年、電子機器等の高性能化に伴い、集積回路やLED素子等の封止成形の形状及び構造が多様化、精密化しつつある。そのため、成形金型の形状及び構造も多様化、精密化が求められている。このような成形金型の清掃では、汚れが残りやすいコーナー部や狭小な空隙部も含め、成形金型のキャビティーの隅々まで汚れを除去することが求められる。
しかしながら、上記特開2003−62835号公報に開示された金型清掃用樹脂組成物をはじめとする、従来の金型清掃用樹脂組成物は、上記のような多様化、精密化しつつある成形金型の形状及び構造への対応という点では、効果が十分とはいえず、改善の余地がある。
ところで、成形金型の内部表面に付着した封止成形材料に由来する汚れは、該成形金型の内部表面が平滑に近い状態であれば、金型清掃用樹脂組成物を用いることで、容易に除去することができる。通常、成形金型の内部表面は、めっき処理されている。
しかしながら、従来の金型清掃用樹脂組成物では、該金型清掃用樹脂組成物に含まれる充填材が、成形金型の内部表面を磨耗させたり、傷付けたりするため、めっき処理面の欠落や表面状態の荒れが発生していた。成形金型の内部表面に付いた傷の放置は、汚れを成形金型の内部表面に滞留させる原因となり、金型清掃の作業性を低下させることにもなる。さらに、成形金型のキャビティーのゲート部が磨耗すると、成形金型の修理や交換が必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形金型のキャビティーの隅々まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い金型清掃用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材と、を含む金型清掃用樹脂組成物である。
上記金型清掃用樹脂組成物は、更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含むことが好ましい。
上記金型清掃用樹脂組成物は、上記無機充填材が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましく、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記金型清掃用樹脂組成物は、トランスファー成形に用いられることが好ましい。
本発明の金型清掃用樹脂組成物によれば、成形金型のキャビティーの隅々まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明の実施形態に係る金型清掃用樹脂組成物に含まれる無機充填材の粒径と頻度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る金型清掃用樹脂組成物に含まれる無機充填材の粒径のアスペクト比と頻度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る金型清掃用樹脂組成物に含まれる無機充填材の体積の近似値と頻度との関係を示すグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
近年、電子機器等の高性能化に伴い、集積回路やLED素子等の封止成形用金型の形状や構造も多様化、精密化しつつある。成形金型の清掃では、汚れが残りやすいコーナー部や狭小な空隙部を含め、成形金型のキャビティーの隅々まで汚れを除去することが求められる。しかしながら、従来の金型清掃用樹脂組成物では、金型の形状や構造の多様化、精密化に十分に対応することができず、特に、コーナー部や狭小な空隙部に付着した汚れを満足のいく程度にまで除去することは困難であった。さらに、従来の金型清掃用樹脂組成物に含まれる充填材は、成形金型の内部表面の磨耗や傷付きの原因となっていた。成形金型の内部表面に付いた傷を放置すると、汚れが成形金型の内部表面に滞留し、金型清掃の作業性を低下させることになる。また、成形金型のキャビティーのゲート部が磨耗すると、成形金型の修理や交換が必要となる。
本発明では、構成成分として、少なくとも、メラミン系樹脂と無機充填材とを選択し、該無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差を制御することにより、成形金型のキャビティーの隅々まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い、金型清掃用樹脂組成物の提供を実現可能とした点に意義がある。
[金型清掃用樹脂組成物]
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材とを用いて構成されている。本発明の金型清掃用樹脂組成物は、必要に応じて、更に、飽和脂肪酸又はその金属塩、有機充填材、その他添加剤等を用いて構成することができる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、成形金型の内部表面の汚れ、特に、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等に代表される熱硬化性樹脂組成物を含む封止成形材料に由来する汚れを取り除くために、好適に用いられる。
(メラミン系樹脂)
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、メラミン系樹脂を含む。本発明において、「メラミン系樹脂」とは、メラミン樹脂、メラミン−フェノール共縮合物、及びメラミン−ユリア共縮合物をいう。より詳しくは、本発明において、「メラミン系樹脂」とは、メラミンとホルムアルデヒドとの反応物であるメチロールメラミン、及びメラミン、フェノール、又はユリアと、メチロールメラミンとの反応物をいう。本発明では、これらの中から1種以上を選択して用いる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、メラミン系樹脂を含むので、成形金型の内部表面の汚れに対して優れたクリーニング性を示す。メラミン系樹脂は、極性の高いメチロール基を有している。本発明においては、メラミン系樹脂が有する極性の高いメチロール基が、熱硬化性樹脂組成物を含む封止成形材料に由来する汚れに作用することで、優れたクリーニング効果が奏されるものと考えられる。また、メラミン系樹脂は、熱に対して安定であるので、成形金型の清掃時の一般的な温度である160〜190℃付近においても、本発明の金型清掃用樹脂組成物は、安定したクリーニング性を示すものと考えられる。
上記メラミン樹脂は、トリアジン類と、アルデヒド類との縮合物である。トリアジン類としては、例えばメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン等が挙げられる。アルデヒド類としては、例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。
本発明において、上記メラミン樹脂は、トリアジン類由来の繰り返し単位と、アルデヒド類由来の繰り返し単位とのモル比が、1:1.2〜1:4であることが好ましい。
上記メラミン−フェノール共縮合物は、トリアジン類と、フェノール類と、アルデヒド類との共縮合物である。フェノール類としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール等が挙げられる。
本発明において、上記メラミン−フェノール共縮合物は、トリアジン類由来の繰り返し単位と、フェノール類由来の繰り返し単位と、アルデヒド類由来の繰り返し単位とのモル比が、1:0.3:1〜1:1:3であることが好ましい。
上記メラミン−ユリア共縮合物は、トリアジン類と、ユリア類と、アルデヒド類との共縮合物である。ユリア類としては、例えば尿素、チオ尿素、エチレン尿素等が挙げられる。
本発明におけるメラミン系樹脂は、公知の方法により製造することができる。例えば、上記メラミン樹脂は、メラミン結晶と、ホルムアルデヒドとをモル比1:1.2〜1:4、反応温度80〜90℃、pH7〜7.5の条件下で撹拌し、60℃において反応物の3質量%水溶液が白濁するまでの時間、反応させ、NaOHを入れ、冷却することにより得ることができる。なお、本発明においては、上記のような公知の方法により製造したメラミン系樹脂を用いてもよいし、市販されているメラミン系樹脂を用いてもよい。
本発明におけるメラミン系樹脂の含有量は、金型清掃用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、60〜80質量部であることが好ましく、65〜75質量部であることがより好ましい。メラミン系樹脂の含有量が上記範囲内であると、成形した際に金型清掃用樹脂組成物の強度が適切に保たれ、清掃時の硬化も適正に進行するので、金型清掃用樹脂組成物が優れた清掃性能を示す。
(無機充填材)
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、無機充填材を含む。本発明における無機充填材としては、例えば、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。本発明においては、これらの無機充填材を、単独で、或いは複数組み合わせて用いてもよい。
本発明における無機充填材は、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの無機充填材は、金型清掃用樹脂組成物の作製時、メラミン系樹脂との混合が良好であるという観点において好ましい。
本発明において、より好ましい無機充填材は、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であり、更により好ましい無機充填材は、酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種であり、特に好ましい無機充填材は、酸化ケイ素である。
金型の材質や状態にもよるため一概には言えないが、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウムは、硬度が適当であり、金型の内部表面及びゲート部の磨耗や傷の発生を抑制できるので、好ましい。また、金型を清掃する際の温度は、通常160〜190℃であるが、酸化ケイ素、酸化チタン、及び酸化アルミニウムは、上記温度付近においても熱的に安定であるので、好ましい。
なお、上記にて例示した無機充填材の硬度(新モース硬度)は、炭化ケイ素が13、酸化ケイ素が8、炭化チタンが9、酸化チタンが8、炭化ホウ素が14、酸化ホウ素が3、酸化アルミニウムが12、酸化マグネシウムが4、及び酸化カルシウムが3である。
本発明における無機充填材は、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差が特定の数値範囲内である無機充填材を含むので、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明における無機充填材の平均粒径は、4〜12μmの範囲内であり、6〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が著しく小さい無機充填材は、質量や表面積が小さいため、成形金型のキャビティーにおいてクリーニング性能を発揮し難いと考えられる。
本発明では、無機充填材の平均粒径が4μm以上であるので、成形金型の内部表面の汚れに対して十分なクリーニング性を示す。また、本発明では、無機充填材の平均粒径が12μm以下であるので、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明における無機充填材の粒径の標準偏差は10μm以下である。無機充填材の粒径の標準偏差が大きいと、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が悪くなり、汚れが残りやすい成形金型のキャビティーのコーナー部におけるクリーニング効果が低下する。
本発明では、無機充填材の粒径の標準偏差が10μm以下であるので、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が保たれ、その結果、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することが可能となる。
本発明における無機充填材の粒径の平均アスペクト比は、1〜1.3の範囲内であり、1〜1.25の範囲内であることが好ましく、1.10〜1.23の範囲内であることがより好ましい。無機充填材の粒径の平均アスペクト比が大きいと、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が悪くなり、汚れが残りやすい成形金型のキャビティーのコーナー部におけるクリーニング効果が低下し、また、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生しやすくなる。
本発明では、無機充填材の粒径の平均アスペクト比が1.3以下であるので、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が保たれ、その結果、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することが可能となり、また、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明における無機充填材の粒径のアスペクト比の標準偏差は0.5以下であり、0.45以下であることが好ましい。無機充填材の粒径のアスペクト比の標準偏差が大きいと、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が悪くなり、汚れが残りやすい成形金型のキャビティーのコーナー部におけるクリーニング効果が低下し、また、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生しやすくなる。
本発明では、無機充填材の粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下であり、無機充填材がほぼ均一な形状であるため、清掃時に、金型清掃用樹脂組成物の流動性が保たれ、その結果、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することが可能となり、また、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い。
本発明における「粒径」とは、以下の方法により測定される値である。電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)を用いて、無機充填材を1500倍の倍率で撮影する。ひとつの視野におおよそ30個の無機充填材が含まれるように撮影し、異なる5視野に含まれる合計150個の無機充填材について、長径(X)及び短径(Y)をそれぞれ5回ずつ計測する。なお、短径(Y)は、長径(X)に直交するようにとる。長径(X)及び短径(Y)の5回の計測値の平均値を求め、下記式1にあてはめて、1個の無機充填材の粒径を算出する。
粒径 = ((Xの5回の計測値の平均値)+(Yの5回の計測値の平均値))/2
・・・式1
本発明における「平均粒径」とは、上記の方法で測定した150個の無機充填材の粒径の平均値である。また、本発明における「粒径の標準偏差」は、上記の方法で測定した150個の無機充填材の粒径の標準偏差である。
本発明における「粒径のアスペクト比」とは、以下の方法により測定される値である。電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)を用いて、無機充填材を1500倍の倍率で撮影する。ひとつの視野におおよそ30個の無機充填材が含まれるように撮影し、異なる5視野に含まれる合計150個の無機充填材について、長径(X)及び短径(Y)をそれぞれ5回ずつ計測する。短径(Y)は、長径(X)に直交するようにとる。長径(X)及び短径(Y)の5回の計測値の平均値を求め、下記式2にあてはめて、1個の無機充填材の粒径のアスペクト比を算出する。なお、下記式2では、長径(X)≧短径(Y)である。
粒径のアスペクト比 = (Xの5回の計測値の平均値)/(Yの5回の計測値の平均値) ・・・式2
上記にて規定した測定方法によれば、長径(X)と短径(Y)とが等しい場合、粒径のアスペクト比は1となる。また、上記にて規定した測定方法によれば、粒径のアスペクト比は1未満の値をとらない。本発明における無機充填材の形状は、略球状である(電子顕微鏡による確認)。したがって、粒径のアスペクト比が1に近いほど、無機充填材の形状は球状に近いことを示す。なお、通常、金型清掃用樹脂組成物に用いられる無機充填材は、破砕状、つまり不定形のものが使用される。破砕状の無機充填材では、粒径のアスペクト比は、例えば1.5以上となる。
本発明における「平均アスペクト比」とは、上記の方法で測定した150個の無機充填材の粒径のアスペクト比の平均値である。また、本発明における「アスペクト比の標準偏差」は、上記の方法で測定した150個の無機充填材の粒径のアスペクト比の標準偏差である。
金型の形状にもよるが、本発明における無機充填材は、上記の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差の条件を満たすことに加え、最大粒径が100μm以下であることが好ましく、75μm以下であることがより好ましい。無機充填材の最大粒径が100μm以下であると、成形金型のキャビティーのコーナー部におけるクリーニング効果がより高まるので、好ましい。
上記の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差の条件を満たす、好適な無機充填材の市販品の例としては、例えば、HS203(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)、HS205(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)、TS10−141(新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)、FB7SDC(電気化学工業株式会社製)、SE−40(株式会社トクヤマ社製)、SE−15(株式会社トクヤマ社製)、SE−8T(株式会社トクヤマ社製)等の溶融シリカ、CB−P10(昭和電工株式会社製)のアルミナ等が挙げられる。
本発明における上記無機充填材の含有量は、金型清掃用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、10〜30質量部であることが好ましく、15〜25質量部であることがより好ましい。無機充填材の含有量が上記範囲内であると、成形した際に金型清掃用樹脂組成物の強度が適切に保たれるので、清掃後、金型から剥離する際の作業性が良好となり、また、成形金型の内部表面の清掃性能も良好となる。
(有機充填材)
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、該金型清掃用樹脂組成物の強度を適切に保つために、添加剤として有機充填材を含むことが好ましい。有機充填材としては、例えば、パルプ、木粉、合成繊維等が挙げられる。これらの中でも、パルプが特に好ましい。
パルプとしては、例えば、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、非木材パルプ(藁、竹、バガス、綿)等が挙げられる。これらのパルプは、化学パルプ及び機械パルプのいずれも用いることができる。これらのパルプの大きさは、特に限定されないが、5〜1000μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましい。パルプの大きさが上記範囲内であれば、金型清掃用樹脂組成物の流動性が良好となるので好ましい。また、パルプの大きさが上記範囲内であれば、成形した際に金型清掃用樹脂組成物の強度が適切に保たれるので、清掃後、金型から剥離する際の作業性が良好となるので好ましい。
本発明における上記有機充填材の含有量は、金型清掃用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、3〜20質量部であることが好ましい。有機充填材の含有量が上記範囲内であると、金型清掃用樹脂組成物の流動性が適正なものとなるので好ましい。また、有機充填材の含有量が上記範囲内であると、成形した際に金型清掃用樹脂組成物の強度が適切に保たれるので、清掃後、金型から剥離する際の作業性が良好となるので好ましい。
(飽和脂肪酸の金属塩)
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、清掃後における成形物と成形金型の内部表面との型離れを良好なものとし、成形物を金型から剥離する際の作業性を向上させるために、添加剤として炭素数12〜20の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含むことが好ましく、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含むことがより好ましい。
炭素数12〜20の飽和脂肪酸としては、例えば、炭素数12のラウリン酸(IUPAC名:ドデカン酸)、炭素数14のミリスチン酸(IUPAC名:テトラデカン酸)、炭素数16のパルミチン酸(IUPAC名:ヘキサデカン酸)、炭素数18のステアリン酸(IUPAC名:オクタデカン酸)、炭素数20のアラキジン酸(IUPAC名:エイコサン酸)等が挙げられる。
本発明においては、炭素数14の飽和脂肪酸と亜鉛とから構成されるミリスチン酸亜鉛、炭素数18の飽和脂肪酸と亜鉛とから構成されるステアリン酸亜鉛、及び炭素数18の飽和脂肪酸とカルシウムとから構成されるステアリン酸カルシウムの少なくとも1種を含むことが更に好ましく、ミリスチン酸亜鉛を含むことが特に好ましい。ミリスチン酸亜鉛は、融点が約123〜130℃であり、金型清掃時の160〜190℃の温度で十分な流動性があり、汚れに作用しやすいので好ましい。
本発明における上記飽和脂肪酸の金属塩の含有量は、金型清掃用樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.3〜3質量部であることがより好ましい。上記飽和脂肪酸の含有量が上記範囲内であると、清掃後における成形物と成形金型の内部表面との型離れが良好となり、成形物を金型から剥離する際の作業性が向上し、また、成形金型の内部表面の清掃性能が良好なものとなる。
(その他の成分)
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、更に、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類、ゴム類を含んでもよい。また、公知の添加剤、例えば、硬化触媒、滑剤、着色剤、抗酸化剤等の添加剤を含んでもよい。
硬化触媒としては、例えば、無水フタル酸、スルファミン酸、パラトルエンスルホン酸、安息香酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、シュウ酸等の有機酸、塩酸、硫酸等の無機酸等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸アミド系滑剤、具体的には、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミドのような飽和、或いは不飽和モノアミド型滑剤、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドのような飽和、或いは不飽和ビスアミド型滑剤等が挙げられる。
[金型清掃用樹脂組成物の調製方法]
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、例えば、上記メラミン系樹脂、上記無機充填材、さらに、必要に応じて、上記有機充填材、上記飽和脂肪酸の金属塩、添加物等のその他の成分を、ニーダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ロール練り、らいかい機、タンブラー等を用いて、ほぼ均一に混合することにより、調製する。
[金型清掃用樹脂組成物の使用方法]
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、トランスファー成形されることにより、成形金型の内部表面を清掃する、いわゆるトランスファータイプの金型清掃用樹脂組成物として好適である。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、通常、タブレット状に加工して、成形金型の内部表面の清掃作業に用いられる。具体的には、成形金型の上にリードフレームを配置した後、タブレット状の金型清掃用樹脂組成物をポット部に挿入し、型締めした後、プランジャーで押し流す。この際、ポット部の金型清掃用樹脂組成物は、ランナー部を経由し、ゲート部を通り、キャビティー内部に流れ込む。所定の成形時間が経過した後、金型を開き、リードフレームと一体となった成形物、すなわち、汚れを含む金型清掃用樹脂組成物の成形物を取り除く。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、上記のような方法により、集積回路等の封止成形作業の際に生じる成形金型の内部表面の汚れを除去する。成形金型の材質は、例えば、鉄やクロム等であり、通常、成形金型の内部表面には、めっき処理が施されている。成形金型の内部表面は、封止成形作業と清掃作業とが繰り返されると、ミクロンサイズの傷が付き、磨耗する。その結果、成形金型の内部表面に施されためっき処理面が欠落したり、表面状態が荒れたりする。めっき処理面の欠落や荒れは、封止成形作業時の成形性及び離型性の低下、表面の外観不良を招き、更には成形金型の内部表面の清掃作業性を失わせる。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、構成成分である無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差が特定の範囲内であるので、成形金型の内部表面等への傷や磨耗の発生を抑制することができる。
以下、本発明の金型清掃用樹脂組成物の好ましい態様を示す。
<1> 少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材と、を含む金型清掃用樹脂組成物である。
<2> 更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含む上記<1>に記載の金型清掃用樹脂組成物である。
<3> 上記無機充填材が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種である上記<1>又は<2>に記載の金型清掃用樹脂組成物である。
<4> 上記無機充填材が、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である上記<3>に記載の金型清掃用樹脂組成物である。
<5> トランスファー成形に用いられる上記<1>から<4>のいずれか1つに記載の金型清掃用樹脂組成物である。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
−金型清掃用樹脂組成物の調製−
[メラミン-フェノール共縮合物の調製]
(製造例1)
メラミン346質量部と、フェノール131質量部と、ホルムアルデヒド(37%水溶液)522質量部と、有機充填材として、広葉樹パルプ(LDPR、日本製紙株式会社製)248質量部とを、80〜90℃、pH7〜7.5のアルカリ条件下で、60℃において反応物の3質量%水溶液が白濁するまでの時間、加熱反応させた後、減圧乾燥し、粉末化して、有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物を得た。
[金型清掃用樹脂組成物の調製]
(実施例1)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例1の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例2)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS205、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例2の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例3)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、SE−40、株式会社トクヤマ社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例3の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例4)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、SE−15、株式会社トクヤマ製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例4の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例5)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化アルミニウム(CB−P10、昭和電工株式会社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例5の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例6)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、炭酸カルシウム(ホワイトンSB青、白石カルシウム株式会社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例6の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例7)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸カルシウム(カルシウムアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例7の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例8)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ミリスチン酸亜鉛(パウダーベースM、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例8の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例9)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ラウリン酸亜鉛(ZS−3、日東化成工業株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例9の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例10)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、アルキジン酸亜鉛0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例10の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(実施例11)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)20質量部と、ステアリン酸(F−3、川研ファインケミカル株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、実施例11の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(比較例1)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(破砕シリカ、FS200、電気化学工業株式会社社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例1の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、破砕状であった。
(比較例2)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、SO−C6、株式会社アドマテックス社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例2の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(比較例3)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)と、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS302、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)との質量比1:1の混合物20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例3の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状であった。
(比較例4)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、TS10−141、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)と、酸化ケイ素(破砕シリカ、F−CD10、キンセイマテックス社製)との質量比1:2の混合物20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例4の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状と破砕状とが混在していた。
(比較例5)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(溶融シリカ、HS203、新日鉄マテリアルズ株式会社マイクロン社製)と、酸化ケイ素(破砕シリカ、F−CD10、キンセイマテックス社製)との質量比1:3の混合物20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例5の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、略球状と破砕状とが混在していた。
(比較例6)
メラミン系樹脂として、上記有機充填材を含むメラミン-フェノール共縮合物29.1質量部(うち、メラミン-フェノール共縮合物として21.3質量部、有機充填材として7.8質量部)、及びメラミン樹脂50質量部と、無機充填材として、酸化ケイ素(純硅石粉、瀬戸窯業原料株式会社製)20質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ミリスチン酸亜鉛(パウダーベースM、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例6の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
なお、上記無機充填材を、電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)で観察したところ、破砕状であった。
(比較例7)
メラミン系樹脂として、メチロールメラミン(ニカレヂンS−176、日本カーバイド工業株式会社製)76.1質量部と、有機充填材として、広葉樹パルプ(LDPR、日本製紙株式会社製)23質量部と、飽和脂肪酸の金属塩として、ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート GF200、日油株式会社製)0.5質量部と、硬化触媒として、安息香酸0.05質量部と、をボールミルに仕込み、粉砕した。次いで、滑剤として、ステアリン酸アミド0.35質量部をナウターミキサーにて加え、比較例7の金型清掃用樹脂組成物を得た。このようにして得た金型清掃用樹脂組成物をタブレット成形して、金型清掃評価に用いた。
−測定−
実施例1〜11、及び比較例1〜7の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差は、以下の方法により求めた。測定結果を下記表1に示す。
電子顕微鏡(JSM−5510、日本電子株式会社製)を用いて、無機充填材を1500倍の倍率で撮影した。ひとつの視野におおよそ30個の無機充填材が含まれるように撮影し、異なる5視野に含まれる合計150個の無機充填材について、長径(X)及び短径(Y)をそれぞれ5回ずつ計測した。なお、短径(Y)は、長径(X)に直交するようにとった。そして、長径(X)及び短径(Y)の5回の計測値の平均値を求め、下記式1にあてはめて、1個の無機充填材の粒径を算出した後、150個の無機充填材の粒径の平均値、及び150個の無機充填材の粒径の標準偏差を求めた。
粒径 = ((Xの5回の計測値の平均値)+(Yの5回の計測値の平均値))/2
・・・式1
また、長径(X)及び短径(Y)の5回の計測値の平均値を、下記式2にあてはめて、1個の無機充填材の粒径のアスペクト比を算出した後、150個の無機充填材の粒径のアスペクト比の平均値、及び150個の無機充填材の粒径のアスペクト比の標準偏差を求めた。
粒径のアスペクト比 = (Xの5回の計測値の平均値)/(Yの5回の計測値の平均値) ・・・式2
−評価−
実施例1〜11、及び比較例1〜7の金型清掃用樹脂組成物のクリーニング性、及び傷付き性について、以下に示す方法で評価した。評価結果を下記表1に示す。
(1)クリーニング性
市販のエポキシ樹脂成形材料(EME-G700L、住友ベークライト株式会社製)を用い、トランスファー自動成形機(金型温度:175℃、トランスファー圧:8.7MPa、トランスファー時間:6.5秒、硬化時間:90秒)で、QFP(Quad Flat Package)を400ショット成形し、金型の内部表面を汚れさせた。
この汚れた金型を用い、上記と同様の成形条件で、上記にて調製した金型清掃用樹脂組成物を繰り返し成形した。そして、金型の内部表面に付着した汚れが完全に除去できるまでに要したショット数を測定し、このショット数を、金型清掃用樹脂組成物のクリーニング性を評価するための指標とした。汚れが完全に除去できたか否かは、目視にて判断した。
評価に際しては、特に、金型のキャビティーのゲート部やコーナー部に付着した汚れが除去できているかに注目した。今回の評価に用いた金型のゲート部は、幅が800μmで、高さが300μmであった。
ショット数は、小さいほどクリーニング性が優れていることを示す。
(2)傷付き性
金型清掃用樹脂組成物の傷付き性の評価には、市販のテーバー摩耗試験機(MODEL 5155、TABER INDUSTRIES社製)を用いた。
SUS板(材質:ASP-23H)に硬質クロムメッキ処理を施した試験片(100mm×100mm、厚み:7mm)を準備した。レーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)を用いて、この試験片の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ、JIS B 0601−2001準拠)を測定したところ、0.099μmであった。
金型清掃用樹脂組成物を、幅10mm、長さ100mm、厚み4mmの形状となる金型を用いて成形し、評価用試料とした。装置には、トランスファー自動成形機(金型温度:170℃、トランスファー圧:6.9MPa、トランスファー時間:30秒、硬化時間:90秒)を用いた。
事前準備として、#1500サンドペーパーをテーバー摩耗試験機の回転台に置き、その上に、金型清掃用樹脂組成物の評価用試料を10mm×4mmの面が下になるように、試験機治具を用いて固定し、回転台を速度60rpmで30回転させて、評価用試料の平面を出した。
試験片をテーバー摩耗試験機の回転台に置き、その上に、平面を出した評価用試料を試験機治具にて固定し、1000gの荷重をかけながら、回転台を速度60rpmで30回転させる磨耗試験を実施した。
磨耗試験後、レーザー顕微鏡(VK−9710、株式会社キーエンス社製)を用いて、試験片表面の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ、JIS B 0601−2001準拠)を測定し、この表面粗さの値を金型清掃用樹脂組成物の傷付き性を評価するための指標とした。
この試験片表面の表面粗さの値が小さいほど、評価用試料による傷付きが少ないことを示す。したがって、この試験片表面の表面粗さの値が小さいほど、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い金型清掃用樹脂組成物であることを示す。
表1に示したように、本発明の金型清掃用樹脂組成物によれば、成形金型のキャビティーのコーナー部まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面に磨耗や傷が発生し難いことが明らかとなった。
実施例8及び比較例6の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材の粒径と頻度との関係を図1に示す。実施例8の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材は、粒径が2.5μm以下のものを7%(150個中11個)含んでいた。
実施例8及び比較例6の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材の粒径のアスペクト比と頻度との関係を図2に示す。実施例8の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材は、粒径のアスペクト比が1.0〜1.1の範囲内のものを49%(150個中74個)含んでいた。
実施例8及び比較例6の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材の体積の近似値と頻度との関係を図3に示す。なお、無機充填材の体積は、長径(X)と短径(Y)との平均値を粒径とし、下記式3で近似した。
体積の近似値=4×3.14×(粒径)/3・・・式3
実施例8の金型清掃用樹脂組成物に用いた無機充填材は、体積の近似値が10〜100μmの範囲内のものを12%(150個中18個)含んでいた。
以上、実施例及び比較例で示したとおり、構成成分として、少なくとも、メラミン系樹脂組成物と無機充填材とを選択し、該無機充填材の平均粒径、粒径の標準偏差、粒径の平均アスペクト比、及び粒径のアスペクト比の標準偏差を特定の範囲内に制御することにより、成形金型のキャビティーの隅々まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部に磨耗や傷が発生し難い、金型清掃用樹脂組成物を提供できることができた。
本発明の金型清掃用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物由来の金型表面の汚れを取り除くためのトランスファータイプの金型清掃用樹脂組成物であり、成形金型のキャビティーの隅々まで十分に清掃することができ、且つ、成形金型の内部表面及びゲート部の磨耗や傷付きを抑制する。
日本出願2011−156953の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的に、且つ、個々に記された場合と同程度に本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、メラミン系樹脂と、平均粒径が4〜12μmであり、粒径の標準偏差が10μm以下であり、粒径の平均アスペクト比が1〜1.3であり、且つ、粒径のアスペクト比の標準偏差が0.5以下である無機充填材と、を含む金型清掃用樹脂組成物。
  2. 更に、炭素数14〜18の飽和脂肪酸と、カルシウム、亜鉛、及びマグネシウムから選択される金属と、から構成される飽和脂肪酸の金属塩を含む請求項1に記載の金型清掃用樹脂組成物。
  3. 前記無機充填材が、炭化ケイ素、酸化ケイ素、炭化チタン、酸化チタン、炭化ホウ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、及び酸化カルシウムから選択される少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の金型清掃用樹脂組成物。
  4. 前記無機充填材が、酸化ケイ素及び酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である請求項3に記載の金型清掃用樹脂組成物。
  5. トランスファー成形に用いられる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金型清掃用樹脂組成物。
JP2013524667A 2011-07-15 2012-07-10 金型清掃用樹脂組成物 Active JP5972266B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011156953 2011-07-15
JP2011156953 2011-07-15
PCT/JP2012/067619 WO2013011876A1 (ja) 2011-07-15 2012-07-10 金型清掃用樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013011876A1 true JPWO2013011876A1 (ja) 2015-02-23
JP5972266B2 JP5972266B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=47558054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013524667A Active JP5972266B2 (ja) 2011-07-15 2012-07-10 金型清掃用樹脂組成物

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5972266B2 (ja)
KR (1) KR101934065B1 (ja)
CN (1) CN103702813B (ja)
TW (1) TWI580547B (ja)
WO (1) WO2013011876A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102019456B1 (ko) * 2012-01-23 2019-09-06 닛뽕 카바이도 고교 가부시키가이샤 금형 청소용 수지 조성물
JP6715627B2 (ja) * 2016-03-18 2020-07-01 日本カーバイド工業株式会社 金型清掃用樹脂組成物
KR102274604B1 (ko) * 2019-11-27 2021-07-07 아쿠아켐(주) 반도체 금형 세정용 멜라민 수지 조성물
KR102304403B1 (ko) 2019-12-18 2021-09-17 황진상 반도체 패키지 몰드용 이형필름 및 그 제조방법
KR102325676B1 (ko) 2019-12-18 2021-11-11 황진상 반도체 패키지 몰드용 이형필름 및 그 제조방법
JP7265495B2 (ja) * 2020-01-17 2023-04-26 日本カーバイド工業株式会社 金型清掃用樹脂組成物

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002160225A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体封止用金型クリーニング材
JP2011021156A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Nitto Denko Corp 金型洗浄剤組成物および金型洗浄材、ならびにそれを用いた金型のクリーニング方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2978308B2 (ja) * 1991-11-15 1999-11-15 松下電工株式会社 金型清掃用樹脂組成物
KR100545249B1 (ko) * 2000-10-11 2006-01-24 닛뽕 카바이도 고교 가부시키가이샤 금형 청소용 수지 조성물
JP3847259B2 (ja) * 2001-04-25 2006-11-22 日本カーバイド工業株式会社 金型清掃用樹脂組成物
JP2006335913A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Daicel Polymer Ltd 洗浄用樹脂組成物
KR101788859B1 (ko) * 2009-07-17 2017-10-20 닛토덴코 가부시키가이샤 금형 세정제 조성물 및 금형 세정재, 및 그것을 이용한 금형의 클리닝 방법

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002160225A (ja) * 2000-11-28 2002-06-04 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体封止用金型クリーニング材
JP2011021156A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Nitto Denko Corp 金型洗浄剤組成物および金型洗浄材、ならびにそれを用いた金型のクリーニング方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN103702813B (zh) 2016-03-30
KR20140039047A (ko) 2014-03-31
KR101934065B1 (ko) 2019-01-02
CN103702813A (zh) 2014-04-02
WO2013011876A1 (ja) 2013-01-24
JP5972266B2 (ja) 2016-08-17
TW201311423A (zh) 2013-03-16
TWI580547B (zh) 2017-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5972266B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP3781445B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
KR102019456B1 (ko) 금형 청소용 수지 조성물
JP4262476B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP7265495B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP4126277B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP2017177623A (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP3847259B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP6803165B2 (ja) 金型清掃用樹脂組成物
CN107418141B (zh) 模具清扫用树脂组合物
JP2021112860A (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP2019126966A (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP2016049693A (ja) 金型清掃用樹脂組成物
JP2006257119A (ja) フェノール樹脂成形材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160712

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5972266

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250