JPWO2013011655A1 - 光学フィルムとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

主成分としてアクリル樹脂を含有する光学フィルムであって、当該光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/m2の範囲内で、含有していることを特徴とする光学フィルムである。本発明によれば、アクリル樹脂フィルムの長所を活かし、かつ欠点を改善し、乾燥性及び光学的特性が高められた光学フィルムおよび当該光学フィルムの製造方法を提供することができる。

Description

本発明は、主成分としてアクリル樹脂を含有する光学フィルムとその製造方法に関する。より詳しくは、アクリル樹脂フィルムの長所を活かし、かつ欠点を改善し、乾燥性及び光学的特性が高められた光学フィルムとその製造方法に関する。
従来、セルロースエステルフィルムは、透明性、光学的等方性に優れているため各種の光学フィルムに適用されている。また、セルロースエステルフィルムは、アルカリ鹸化処理によってフィルム表面を親水化することができるため、偏光子との接着性が良く、特に偏光板保護フィルムに適しており、液晶表示装置には欠くことのできない部材となっている。
ところで、近年の技術の進歩により、液晶表示装置の薄型化が加速するとともに、偏光板保護フィルムとして使用されているセルロースエステルフィルムも薄いものが求められるようになっている。
しかしながら、このような用途においては、セルロースエステルフィルムは透湿性が高いため、充分な耐湿性を得ることができず、長期の使用により偏光板の性能が低下するという問題が生じている。
一方、低吸湿性の光学フィルム材料として、アクリル樹脂の代表であるポリメチルメタクリレートは、低吸湿性に加え、優れた透明性や寸法安定性を示すことから、光学フィルムに好適に用いられている。
ここで一般的に、アクリルフィルムは、セルロースエステルフィルムのようにアルカリ鹸化処理によりフィルム表面を親水化することができないため、従来の接着方法では偏光板を製造することができない。
このような問題・状況を踏まえ、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂の共重合体によって適切な透湿度を有する光学フィルムが提案されている。
しかしながら、アクリルフィルムあるいはアクリル樹脂を主体的に多量含むハイブリッドフィルムにおいては、鹸化処理後の乾燥性が悪いことが問題であることが判明した。
したがって、アクリル樹脂の長所を活かしつつ、上記の欠点・問題点を改善した光学フィルムの開発が望まれている。
特開2007−310128号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、アクリル樹脂フィルムの長所を活かし、かつ欠点を改善し、乾燥性及び光学的特性が高められた光学フィルムを提供することを解決課題とする。また、本発明は、当該光学フィルムの製造方法を提供することを解決課題とする。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
本発明の一局面による光学フィルムは、主成分としてアクリル樹脂を含有する光学フィルムであって、当該光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有していることを特徴とする。
また、本発明の他の一局面による光学フィルムの製造方法は、前記光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、前記非相溶性微粒子として、無機微粒子又は有機微粒子を添加することを特徴とする。
本発明の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
図1は、本発明の一実施形態において採用される溶液流延製膜法のドープ調製工程、流延工程及び乾燥工程を模式的に示した図である。 図2は、本発明の一実施形態において採用される溶液流延製膜法に用いられる光学フィルム製造装置を模式的に示した図である。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本明細書において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
(光学フィルム)
本実施形態の光学フィルム(以下において、「アクリル樹脂含有フィルム」ともいう)は、主成分としてアクリル樹脂を含有する光学フィルムであって、当該光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子(以下において、単に「粒子」ともいう)を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有していることを特徴とする。
本実施形態の光学フィルムは、それを構成する主成分として、アクリル樹脂を含有することを特徴とする、当該アクリル樹脂の含有率は、55〜100質量%の範囲内である。好ましくは、60〜100質量%である。なお、副成分として、セルロースエステルを含有する場合、その含有率は5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。
本実施形態の非相溶性微粒子のフィルム表面に含有している個数は、光学顕微鏡を用いて反射観察(観察条件:オリンパス(株)製光学顕微鏡 BX51 倍率20倍)により光学フィルム表面の非相溶性微粒子を観察することにより測定することができる。なお、2668μm×1982μmのシーンを20シーン観察し、単位面積あたりに換算することにより測定することができる。
本実施形態において、「非相溶性微粒子」とは、光学フィルムの構成成分であるアクリル樹脂を主体とする樹脂と微粒子とが、お互いに溶解し混じりあって連続相となることはなく、物理・化学的に互いに混ざらずに相分離した状態で存在している微粒子をいう。
すなわち、相互に非相溶性の複数(例えば2種)の樹脂成分等を混合した場合、混合物の高次構造としては、一方の樹脂(本実施形態の場合、アクリル樹脂を主成分とする樹脂)がマトリクスとなり、他方(例えば、トリアセチルセルロース樹脂或いは無機微粒子)が粒子状或いは島状に分散相となる構造を形成する。すなわち、一方の樹脂が海に相当する連続相(マトリクス)となり、他方が島に相当する分散相となることで形成される構造(「海島構造」という)を形成する。したがって、本実施形態の「非相溶性微粒子」は、当該分散相に相当するものであり、その形状は、球形又は球形に近いこが好ましい。
本実施形態の光学フィルムにおいては、上記海に相当する連続相(マトリクス)を構成する樹脂の副成分として、セルロースエステル樹脂を含有することが好ましい。ただし、当該副成分としてのセルロースエステル樹脂としては、非相溶性微粒子を構成する樹脂成分とは異なる樹脂を用いることを要する。本実施形態においては、例えば、非相溶性微粒子を構成する樹脂成分として、トリアセチルセルロースを採用した場合、当該副成分としてのセルロースエステル樹脂としては、アセチル基置換度が低い、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどを用いることが好ましい。
(光学フィルムの製造方法)
本実施形態の光学フィルムの製造方法としては、種々の態様の製造方法を採用でき、特に限定されるものではないが、下記の四つの製造方法が好ましい。
なお、当該光学フィルムの製造方法は、後述する、溶液製膜法で製膜する態様の製造方法であっても、溶融製膜法で製膜する態様の製造方法であってもよい。
(1)非相溶性微粒子として、無機微粒子又は有機微粒子を添加する態様の製造方法
本実施形態に用いることができる無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、酸化カルシウム、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等挙げられる。
有機微粒子としては、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂等、アクリル−スチレン樹脂、メラミン−シリカなど複合されたものを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの無機微粒子と有機微粒子は、単独で用いてもよく、あるいは2種以上併用することも可能である。なお、これらの無機微粒子の中では、透明性、解像度の点からシリカを使用することが好ましい。また、有機微粒子を使用する場合には、単分散における屈折率と樹脂の屈折率の差が少ないものを使用することが好ましい。
本実施形態において、上記の無機微粒子及び/又は有機微粒子の粒子径は、密着性、塗工性、ヘイズ等の観点から、1〜5μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、上記の無機微粒子及び/又は有機微粒子の粒子径は、1μm〜3μmの範囲である。
粒子の粒径分布は、そろっている方が好ましい。微粒子の形状は、特に制限されないが、真球状であることが好ましい。
一般に微粒子の含有量が増えればヘイズ値が上昇するが、アクリル樹脂と微粒子の屈折率を合わせることによって、ヘイズ値の上昇を抑えることができる。したがって、本実施形態において用いるアクリル樹脂と微粒子としては、屈折率の差が小さい組み合わせのものが好適である。また、微粒子として多孔質の微粒子を用いると、微粒子中にアクリル樹脂が含浸するため屈折率差がなくなることも期待できる。
なお、本実施形態においては、光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有しているように、無機微粒子又は有機微粒子の添加量により、調整することを要する。このため、無機微粒子又は有機微粒子の添加量は、フィルム表面に含有させる量の5〜10倍であることが好ましい。また、無機微粒子又は有機微粒子の添加時期は、ドープを調製する際であることが好ましい。
(2)アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、孔径が0.1〜5μmの範囲内であるフィルタを使用して制御する態様の製造方法
本実施形態においては、「アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤」としては、上記の無機微粒子又は有機微粒子以外のものとして、光学フィルムを構成するアクリル樹脂を主成分とする樹脂と相互に非相溶性である樹脂を添加することができる。例えば、トリアセチルセルロース樹脂が好適である。
なお、アクリル樹脂と相互に非相溶性である樹脂のSP値の差が、0.3[J/cm1/2以上であることが好ましい。
本明細書において、「SP値」とは、Fedors法に基づく式から求められるSP値をいい、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、単位は(MPa)1/2であり、25℃における値である。
SP値は、POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE(1974年発刊、第14巻、NO.2、147〜154頁)に記載されているように、下記式で表される。
式:SP=(ΔEv/V)1/2
(式中、ΔEvはモル凝集エネルギー(the energy of vaporization at a given temperature)、Vはモル容積(molar volume)を表す。)
ここで、ΔEv及びVはそれぞれΔEv=ΣΔe及びV=ΣΔvで表され、e及びvは上記POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE(1974年発刊、第14巻、NO.2、147〜154頁)中のTable 5に記載の値である。
本実施形態において用いることができるフィルタとしては、溶解状態にある非相溶成分を1〜5μmの範囲内の径になるように分散させ、かつ異物を除去し高品質とするため、5μm超の微粒子等を除去するためのフィルタが必要である。すなわち、絶対濾過精度が1〜5μm以下のフィルタを用いること好ましい。
なお、本明細書において、「絶対濾過精度」とは、粒径が既知でかつ揃ったガラスビーズ等の標準粒径品を使用し濾過テストを行った場合に、完全に濾別除去される場合の最低粒径をいう。
フィルタの材質は特に制限はなく、通常のフィルタを使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製のフィルタや、ステンレススティール等の金属製のフィルタが繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープの濾過は、通常の方法で行うことができるが、溶媒の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶媒が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度は35〜120℃であり、より好ましい温度は40〜70℃であり、更に好ましい温度は40〜60℃である。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることが更に好ましい。
本実施形態において用いることができるフィルタとしては、例えば、(株)ロキテクノ製の125L−HC−05、125L−HC−1、250L−HC−05、250L−HC−1、500L−HC−05、500L−HC−1、125L−SHP−005、125L−SHP−010、125L−SHP−030、250L−SHP−005、250L−SHP−010、250L−SHP−030、500L−SHP−005、500L−SHP−010、500L−SHP−030、750L−SHP−005、750L−SHP−010、750L−SHP−030、125L−MPH−006、125L−MPH−012、125L−MPH−025、125L−MPH−045、250L−MPH−006、250L−MPH−012、250L−MPH−025、250L−MPH−045、500L−MPH−006、500L−MPH−012、500L−MPH−025、500L−MPH−045、750L−MPH−006、750L−MPH−012、750L−MPH−025、750L−MPH−045、125L−EX−05、125L−EX−1、125L−EX−3、250L−EX−05、250L−EX−1、250L−EX−3、500L−EX−05、500L−EX−1、500L−EX−3、750L−EX−05、750L−EX−1、750L−EX−3などを挙げることができる。
また、日本ポール(株)製の濾過精度3μm以下のプロファイルII、濾過精度4.5μm以下のプロファイルUP、濾過精度4.5μm以下のポリファインXLD、濾過精度4.5μm以下のウルチプリーツ・ハイフローを用いることができる。
さらには、ADVANTEC(株)製のTCPサブミクロンシリーズTSC−3、TSP−3、TMC−2、及びTMP−2、チッソフィルター(株)製のCP−01(濾過精度1μm)、CP−03、CPH−01、CPH−03、CHW−01、CHW−03、CPII−01、CPII−03、安積濾紙(株)製の各種濾紙、アドバンテック(株)製の各種濾紙等も用いることができる。
(3)アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、攪拌装置を使用して制御する態様の製造方法
本実施形態においては、「アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤」としては、上記(2)と同様に、光学フィルムを構成するアクリル樹脂を主成分とする樹脂と相互に非相溶性である樹脂を添加することができる。例えば、トリアセチルセルロース樹脂が好適である。
本実施形態において用いることができる攪拌装置としては、動的混合攪拌装置又は静的混合攪拌装置を用いることができる。
動的混合攪拌装置としては、例えば、特公昭51−48581号公報に記載されている連続混合攪拌装置のような槽の中を一本の軸にとりつけられた翼で攪拌する方式のものが用いられる。しかし、攪拌翼や軸は動的に攪拌するものであればいかなる形式のものでも良い。ただし、溶融樹脂の攪拌装置内の平均滞留時間が1〜5分の間にあるもので、攪拌動力(kW)を装置の内容量(立方メーター、M)で除した値が300〜600(kW/M)の範囲にあり、また攪拌動力(kW)を溶融樹脂の時間当たりの処理量(KG/HR)で除した値(比エネルギー)が0.035(kW/KG)以下であることが好ましい。また、温度は190℃から270℃が好ましく、圧力は1〜100kg/mGが好ましい。
静的混合攪拌装置としては、駆動部分を有しない混合器であって、例えば、商品名スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器Hi−Mixer)(東レエンジニアリング(株)製)、スタティックミキサー(ケニックス(株)社)、同スタティックミキシングエレメント(スルザー社製)等の装置のいずれを使用しても良いが、溶融樹脂の装置内の平均滞留時間が8〜15分の範囲内に入るものが好ましい。
なお、本実施形態においては、光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有しているように調整するためには、攪拌条件を、溶液製膜法において、20〜100℃の範囲で30〜90分間とすることが好ましい。
(4)アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、周波数10〜1000kHzの超音波を付与して制御する態様の製造方法
当該製造方法は、光学フィルムを構成する樹脂成分と非相溶性微粒子を構成する樹脂成分とを攪拌混合し、得られた混合物に超音波を付与して非相溶性微粒子を構成する樹脂成分からなる塊状物(粒子)を、所定の粒子径及び粒子数に分散させることを特徴とする方法である。
本実施形態においては、「アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤」としては、上記(2)と同様に、光学フィルムを構成するアクリル樹脂を主成分とする樹脂と相互に非相溶性である樹脂を添加することができる。例えば、トリアセチルセルロース樹脂が好適である。
本実施形態において用いることができ分離装置としては、超音波を付与する機器(発振器、振動子等)と容器を備えた装置であれば良い。
振動子から付与される超音波の周波数は、混合物から微粒子を分離させるのに適当な周波数が選択される。この周波数は、混合物の溶質、溶媒の種類により、また溶質濃度、粘度により異なる。更に超音波装置の種類、製造スケールによっても異なる。
本実施形態においては、周波数は、10〜1000kHzが好ましく、10〜100kHzがより好ましく、更に15〜50kHzが好ましい。
厳密には、周波数20kHz以下は、超音波でなく音波であり、本実施形態でも音波が好ましい場合もある。振動子の周波数の振幅は、10μm以上が好ましく、特に20μm以上が好ましい。周波数の振幅も周波数と同様の因子により好ましい範囲は変動すると考えられる。
上記方法により分離された粒子は、一般に塊状物であり、略球状であることが好ましい。塊状物を安定させて得るには、超音波を付与する混合物の組成、粘度、溶質濃度等と、超音波の周波数及び振幅の値を好適に組み合わせる必要がある。更に、超音波を付与する容器の寸法も考慮する必要がある。
溶質濃度は0.1〜50質量%、例えば、混合物が溶液の場合、温度40℃において、粘度は0.1〜100Pa・sが好ましく、溶質濃度は特に1〜10質量%、粘度は特に0.1〜50Pa・sが好ましい。
超音波を付与する際の混合物の温度は、溶液の場合は、20〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることが更に好ましい。溶融物の場合は、温度は、混合物の成分の融点より高い温度であることが好ましく、一般的には、150〜300℃の範囲内であることが好ましい。
超音波照射装置としては、照射する超音波の振幅に応じて、低振幅超音波装置や高振幅超音波装置を選択して使用することも好ましい。
なお、本実施形態においては、光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有しているように調整するためには、超音波付与条件を、例えば、5〜20kW、10〜40kHzとすることが好ましい。
本実施形態においては、例えば、超音波分散装置((株)ギンセン製 GSD1200MAT−10)を用いて、12kW、19.5kHz等の分散条件で実施することができる。
〈アクリル樹脂〉
本実施形態の光学フィルムは、それを構成する主成分として、アクリル樹脂を含有することを特徴とする、当該アクリル樹脂の含有率は、55〜100質量%の範囲内である。好ましくは、60〜100質量%である。なお、副成分として、セルロースエステルを含有する場合、その含有率は5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。
本実施形態に用いられるアクリル樹脂には、メタクリル樹脂も含まれる。樹脂としては特に制限されるものではないが、メチルメタクリレート単位50〜99質量%、及びこれと共重合可能な他の単量体単位1〜50質量%からなるものが好ましい。
共重合可能な他の単量体としては、アルキル基の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸等のα,β−不飽和酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和基含有二価カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、核置換スチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル、無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
これらの中でも、共重合体の耐熱分解性や流動性の観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が好ましく、メチルアクリレートやn−ブチルアクリレートが特に好ましく用いられる。
本実施形態のアクリル樹脂含有フィルムに用いられるアクリル樹脂は、フィルムとしての機械的強度、フィルムを生産する際の流動性の点から重量平均分子量(Mw)が80000〜1000000であることが好ましい。この分子量とすることで、耐熱性と脆性の両立を図ることができる。
本実施形態のアクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス(株)製)
ポンプ: L6000((株)日立製作所製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2,800,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本実施形態におけるアクリル樹脂の製造方法としては、特に制限は無く、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、あるいは溶液重合等の公知の方法のいずれを用いても良い。ここで、重合開始剤としては、通常のパーオキサイド系及びアゾ系の重合開始剤を用いることができ、また、レドックス系の重合開始剤を用いることもできる。重合温度については、懸濁又は乳化重合では30〜100℃、塊状又は溶液重合では80〜160℃で実施しうる。さらに、生成共重合体の還元粘度を制御するために、アルキルメルカプタン等を連鎖移動剤として用いて重合を実施することもできる。
本実施形態では、市販のアクリル樹脂も使用することができる。例えば、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80,BR83,BR85,BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)等が挙げられる。
〈セルロースエステル樹脂〉
本実施形態においては、光学フィルムを構成する副成分としてセルロースエステル樹脂を用いることができる。また、非相溶性微粒子を構成する樹脂成分としてもセルロースエステル樹脂を用いることができる。
本実施形態の光学フィルムは、副成分として、セルロースエステルを含有する場合、その含有率は5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、15〜35質量%であることがより好ましい。
本実施形態において用いることができるセルロースエステル樹脂は、上記目的に応じて適切なセルロースエステル樹脂を選択することを要するが、脂肪族のアシル基、芳香族のアシル基のいずれで置換されていても良いが、アセチル基で置換されていることが好ましい。
本実施形態のセルロースエステル樹脂が、脂肪族アシル基とのエステルであるとき、脂肪族アシル基は炭素数が2〜20で具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
本実施形態において前記脂肪族アシル基とは、さらに置換基を有するものも包含する意味であり、置換基としては特に限定されない。
上記セルロースエステル樹脂が、芳香族アシル基とのエステルであるとき、芳香族環に置換する置換基の数は0又は1〜5個であり、好ましくは1〜3個で、特に好ましいのは1又は2個である。
更に、芳香族環に置換する置換基の数が2個以上の時、互いに同じでも異なっていてもよいが、また、互いに連結して縮合多環化合物(例えばナフタレン、インデン、インダン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、クロメン、クロマン、フタラジン、アクリジン、インドール、インドリンなど)を形成してもよい。
上記セルロースエステル樹脂において置換もしくは無置換の脂肪族アシル基、置換もしくは無置換の芳香族アシル基の少なくともいずれか1種が選択された構造を有する構造を有することが、本実施形態のセルロース樹脂に用いる構造として用いられ、これらは、セルロースの単独又は混合酸エステルでもよい。
本実施形態のセルロースエステル樹脂の置換度は、アシル基の総置換度(T)が2.00〜3.00であり、アセチル基は必ずしも必要ではなく、アセチル基置換度(ac)が0〜1.89である。より好ましくはアセチル基以外のアシル基置換度(r)が2.00〜2.89である。
アセチル基以外のアシル基は炭素数が3〜7であることが好ましい。
本実施形態のセルロースエステル樹脂において、炭素数2〜7のアシル基を置換基として有するもの、即ちセルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートベンゾエート、及びセルロースベンゾエートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中で特に好ましいセルロースエステル樹脂は、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートが挙げられる。
混合脂肪酸として、さらに好ましくは、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートの低級脂肪酸エステルであり、炭素数2〜4のアシル基を置換基として有するものが好ましい。
アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在しているものである。これらのセルロースエステル樹脂は公知の方法で合成することができる。
なお、アセチル基の置換度や他のアシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法により求めたものである。
本実施形態のセルロースエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、75000以上であれば、1000000程度のものであっても本実施形態の目的を達成することができるが、生産性を考慮すると75000〜280000のものが好ましく、100000〜240000のものが更に好ましい。
本実施形態の光学フィルムの構成成分として用いる樹脂フィルム基材としては、上述のアクリル樹脂及びセルロースエステル樹脂以外に、本実施形態の効果を阻害しない限り、他種の熱可塑性樹脂を併用することもできる。ここで、「熱可塑性樹脂」とは、ガラス転移温度又は融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のことをいう。
熱可塑性樹脂としては、一般的汎用樹脂としては、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂等があり、溶媒に可溶なものを適宜溶解して本実施形態の方法で処理することが好ましい。
また、強度や壊れにくさを特に要求される場合、ポリアミド(PA)、ナイロン、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、環状ポリオレフィン(COP)等を用いることができる。
更に高い熱変形温度と長期使用できる特性を要求される場合は、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等を用いることができる。
なお、本実施形態の用途にそって樹脂の種類、分子量の組み合わせを行うことが可能である。
〈その他の添加剤〉
本実施形態の光学フィルム(アクリル樹脂含有フィルム)においては、組成物の流動性や柔軟性を向上するために、可塑剤を併用することも可能である。可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂肪酸エステル系、トリメリット酸エステル系、リン酸エステル系、ポリエステル系、あるいはエポキシ系等が挙げられる。
この中で、ポリエステル系とフタル酸エステル系の可塑剤が好ましく用いられる。ポリエステル系可塑剤は、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル系の可塑剤に比べて非移行性や耐抽出性に優れるが、可塑化効果や相溶性にはやや劣る。
従って、用途に応じてこれらの可塑剤を選択、あるいは併用することによって、広範囲の用途に適用できる。
ポリエステル系可塑剤は、1〜4価のカルボン酸と1〜6価のアルコールとの反応物であるが、主に2価カルボン酸とグリコールとを反応させて得られたものが用いられる。代表的な2価カルボン酸としては、グルタル酸、イタコン酸、アジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。
特に、アジピン酸、フタル酸などを用いると可塑化特性に優れたものが得られる。グリコールとしてはエチレン、プロピレン、1,3−ブチレン、1,4−ブチレン、1,6−ヘキサメチレン、ネオペンチレン、ジエチレン、トリエチレン、ジプロピレンなどのグリコールが挙げられる。これらの2価カルボン酸及びグリコールはそれぞれ単独で、あるいは混合して使用してもよい。
このエステル系の可塑剤はエステル、オリゴエステル、ポリエステルの型のいずれでもよく、分子量は100〜10000の範囲が良いが、600〜3000の範囲が好ましく、可塑化効果が大きい。
また、可塑剤の粘度は分子構造や分子量と相関があるが、アジピン酸系可塑剤の場合、相溶性、可塑化効率の関係から200〜5000mPa・s(25℃)の範囲が良い。さらに、いくつかのポリエステル系可塑剤を併用してもかまわない。
可塑剤はアクリル樹脂を含有する組成物100質量部に対して、0.5〜30質量部を添加するのが好ましい。可塑剤の添加量が30質量部を越えると、表面がべとつくので、実用上好ましくない。
本実施形態のアクリル樹脂を含有する組成物は紫外線吸収剤を含有することも好ましく、用いられる紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系又はサリチル酸フェニルエステル系のもの等が挙げられる。例えば、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類を例示することができる。
ここで、紫外線吸収剤のうちでも、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、高沸点で揮発しにくく、高温成形時にも飛散しにくいため、比較的少量の添加で効果的に耐候性を改良することができる。
また、分子量が400以上の紫外線吸収剤は、特に薄い被覆層から基板層への移行性も小さく、積層板の表面にも析出しにくいため、含有された紫外線吸収剤量が長時間維持され、耐候性改良効果の持続性に優れるなどの点から好ましい。
分子量が400以上の紫外線吸収剤としては、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等のベンゾトリアゾール系、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等のヒンダードアミン系、さらには2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、1−[2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の分子内にヒンダードフェノールとヒンダードアミンの構造を共に有するハイブリッド系のものが挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上を併用して使用することができる。これらのうちでも、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾールや2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が特に好ましい。
さらに、本実施形態の光学フィルム(アクリル樹脂含有フィルム)に用いられるアクリル樹脂には成形加工時の熱分解性や熱着色性を改良するために各種の酸化防止剤を添加することもできる。また帯電防止剤を加えて、アクリル樹脂含有フィルムに帯電防止性能を与えることも可能である。
本実施形態のアクリル樹脂組成物として、リン系難燃剤を配合した難燃アクリル系樹脂組成物を用いても良い。
ここで用いられるリン系難燃剤としては、赤リン、トリアリールリン酸エステル、ジアリールリン酸エステル、モノアリールリン酸エステル、アリールホスホン酸化合物、アリールホスフィンオキシド化合物、縮合アリールリン酸エステル、ハロゲン化アルキルリン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合ホスホン酸エステル、含ハロゲン亜リン酸エステル等から選ばれる1種、あるいは2種以上の混合物を挙げることができる。
具体的な例としては、トリフェニルホスフェート、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキシド、フェニルホスホン酸、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート等が挙げられる。
本実施形態では、上記添加剤以外に、位相差(リターデーション)調整剤、マット剤などの添加剤を加えることもできる。
〈アクリル樹脂含有フィルムの製膜方法〉
本実施形態の光学フィルムすなわちアクリル樹脂含有フィルムの製膜方法の例を説明するが、本実施形態はこれに限定されるものではない。
本実施形態のアクリル樹脂含有フィルムの製膜方法としては、インフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から流延法による溶液製膜が好ましい。
《溶液製膜法》
(有機溶媒)
本実施形態のアクリル樹脂含有フィルムを溶液流延法で製造する場合のドープを形成するのに有用な有機溶媒は、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、その他の添加剤を同時に溶解するものであれば制限なく用いることができる。
例えば、塩素系有機溶媒としては、塩化メチレン、非塩素系有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等を挙げることが出来、塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンを好ましく使用し得る。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有させることが好ましい。ドープ中のアルコールの比率が高くなるとウェブがゲル化し、金属支持体からの剥離が容易になり、また、アルコールの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒系でのアクリル樹脂、セルロースエステル樹脂の溶解を促進する役割もある。
特に、メチレンクロライド、及び炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールを含有する溶媒に、アクリル樹脂と、セルロースエステル樹脂と、アクリル粒子の3種を、少なくとも計15〜45質量%溶解させたドープ組成物であることが好ましい。
炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができる。これらの内ドープの安定性、沸点も比較的低く、乾燥性もよいこと等からエタノールが好ましい。
以下、本実施形態のアクリル樹脂含有フィルムの好ましい製膜方法について説明する。
1)溶解工程
溶解工程は、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂に対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で該アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、場合によってアクリル粒子、その他の添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程、或いは該アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂溶液に、場合によってアクリル粒子溶液、その他の添加剤溶液を混合して主溶解液であるドープを形成する工程である。
アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂の溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、又は特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のアクリル樹脂と、セルロースエステル樹脂は、計15〜45質量%の範囲であることが好ましい。溶解中又は後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送る。
濾過は捕集粒子径0.5〜5μmでかつ濾水時間10〜25sec/100mlの濾材を用いることが好ましい。
この方法では、粒子分散時に残存する凝集物や主ドープ添加時発生する凝集物を、捕集粒子径0.5〜5μmでかつ濾水時間10〜25sec/100mlの濾材を用いることで凝集物だけ除去できる。主ドープでは粒子の濃度も添加液に比べ充分に薄いため、濾過時に凝集物同士がくっついて急激な濾圧上昇することもない。
図1は、本実施形態において採用される溶液流延製膜法のドープ調製工程、流延工程及び乾燥工程を模式的に示した図である。
必要な場合は、アクリル粒子仕込釜41より濾過器44で大きな凝集物を除去し、ストック釜42へ送液する。その後、ストック釜42より主ドープ溶解釜1へアクリル粒子添加液を添加する。
その後主ドープ液は主濾過器3にて濾過され、これに紫外線吸収剤添加液が導管16よりインライン添加される。
なお、図1において、参照符号2は送液ポンプ、参照符号4はストックタンク、参照符号5は送液ポンプ、参照符号6は濾過器、参照符号8は導管、参照符号10は紫外線吸収剤仕込釜、参照符号11は送液ポンプ、参照符号12は濾過器、参照符号13はストックタンク、参照符号14は送液ポンプ、参照符号15は濾過器、参照符号17は合流弁、参照符号20は合流管、参照符号21は混合機、参照符号32はウェブ、参照符号33は剥離位置、参照符号34はテンター延伸装置、参照符号35はロール乾燥装置、参照符号36は搬送ロール、参照符号37は巻き取り機を示している。
多くの場合、主ドープには返材が10〜50質量%程度含まれることがある。返材にはアクリル粒子が含まれることがある、その場合には返材の添加量に合わせてアクリル粒子添加液の添加量をコントロールすることが好ましい。
本明細書において返材とは、アクリル樹脂含有フィルムを細かく粉砕した物で、アクリル樹脂含有フィルムを製膜するときに発生する、フィルムの両サイド部分を切り落とした物や、擦り傷などでスペックアウトしたアクリル樹脂含有フィルム原反をいう。また、予めアクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、場合によってアクリル粒子を混練してペレット化したものも、返材として好ましく用いることができる。
アクリル粒子を含有する添加液には、アクリル粒子を0.5〜10質量%含有していることが好ましく、1〜10質量%含有していることが更に好ましく、1〜5質量%含有していることが最も好ましい。
アクリル粒子の含有量の少ない方が、低粘度で取り扱い易く、アクリル粒子の含有量の多い方が、添加量が少なく、主ドープへの添加が容易になるため、上記の範囲が好ましい。
2)流延工程
流延工程は、ドープを送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイ30に送液し、無限に移送する無端の金属ベルト31、例えばステンレスベルト、或いは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。或いは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
3)溶媒蒸発工程
溶媒蒸発工程は、ウェブ(流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/又は支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、支持体の裏面から液体により伝熱させる方法が乾燥効率が良く好ましい。又、それらを組み合わせる方法も好ましく用いられる。流延後の支持体上のウェブを40〜100℃の雰囲気下、支持体上で乾燥させることが好ましい。40〜100℃の雰囲気下に維持するには、この温度の温風をウェブ上面に当てるか赤外線等の手段により加熱することが好ましい。
面品質、透湿性、剥離性の観点から、30〜120秒以内で該ウェブを支持体から剥離することが好ましい。
4)剥離工程
剥離工程は、金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。
金属支持体上の剥離位置における温度は好ましくは10〜40℃であり、更に好ましくは11〜30℃である。
尚、剥離する時点での金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により50〜120質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平面性を損なったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易いため、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。
ウェブの残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(%)=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100
尚、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
金属支持体とフィルムを剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mであるが、剥離の際に皺が入り易い場合、190N/m以下の張力で剥離することが好ましく、更には、剥離できる最低張力〜166N/m、次いで、最低張力〜137N/mで剥離することが好ましいが、最低張力〜100N/mで剥離することが特に好ましい。
本実施形態においては、該金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
5)乾燥及び延伸工程
乾燥及び延伸工程では、剥離されたウェブは、乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置35、及び/又はクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター延伸装置34により乾燥される。
乾燥手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウェーブを当てて加熱する手段もある。余り急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量%以下くらいから行うのがよい。全体を通し、乾燥は概ね40〜250℃で行われる。特に40〜160℃で乾燥させることが好ましい。
テンター延伸装置を用いる場合は、テンターの左右把持手段によってフィルムの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御できる装置を用いることが好ましい。また、延伸工程において、平面性を改善するため意図的に異なる温度を持つ区画を作ることも好ましい。
また、異なる温度区画の間にそれぞれの区画が干渉を起こさないように、ニュートラルゾーンを設けることも好ましい。
尚、延伸操作は多段階に分割して実施してもよく、流延方向、幅手方向に二軸延伸を実施することも好ましい。また、二軸延伸を行う場合には同時二軸延伸を実施してもよいし、段階的に実施してもよい。
この場合、段階的とは、例えば、延伸方向の異なる延伸を順次行うことも可能であるし、同一方向の延伸を多段階に分割し、かつ異なる方向の延伸をそのいずれかの段階に加えることも可能である。即ち、例えば、次のような延伸ステップも可能である。
・流延方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
・幅手方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
また、同時2軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時二軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに×1.01倍〜×1.5倍の範囲でとることができる。
延伸を行う場合のウェブの残留溶媒量は、延伸開始時に20〜100質量%であるのが好ましく、かつウェブの残留溶媒量が10質量%以下になるまで延伸しながら乾燥を行うことが好ましく、更に好ましくは5質量%以下である。
延伸を行う場合の乾燥温度は、30〜150℃が好ましく、50〜120℃が更に好ましく、70〜100℃が最も好ましい。
延伸工程において、雰囲気の幅手方向の温度分布が少ないことが、フィルムの均一性を高める観点から好ましく、延伸工程での幅手方向の温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。
6)巻き取り工程
巻き取り工程は、ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってからアクリル樹脂含有フィルムとして巻き取り機37により巻き取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。
巻き取り方法は、一般に使用されている方法であればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等があり、それらを使いわければよい。
本実施形態のアクリル樹脂含有フィルムは、長尺フィルムであることが好ましく、具体的には、100m〜5000m程度のものを示し、通常、ロール状で提供される形態のものである。また、フィルムの幅は1.3〜4mであることが好ましく、1.4〜2mであることがより好ましい。
本実施形態のアクリル樹脂含有フィルムの膜厚に特に制限はないが、後述する偏光板保護フィルムに使用する場合は20〜200μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましく、30〜80μmであることが特に好ましい。
《溶融製膜法》
本実施形態の光学フィルムの製膜方法としては、流延法による溶融製膜も好ましい。本実施形態では、特に、タッチロールを用いた溶融流延製膜法であることが好ましい。
本実施形態において、「溶融製膜」とは、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、及び可塑剤などの添加剤を含む組成物を、流動性を示す温度まで加熱溶融し、その後、流動性のセルロースエステル樹脂、アクリル樹脂等を含む溶融物を流延することをいう。
加熱溶融する成形法は、更に詳細には、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法などに分類できる。これらの中で、機械的強度及び表面精度などに優れる光学フィルムを得るためには、溶融押出成形法が優れている。
≪製膜工程≫
以下、フィルムの製膜工程について説明する。
〈アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂と添加剤の溶融ペレット製造工程〉
溶融押出に用いる複数の原材料は、通常あらかじめ混錬してペレット化しておくことが好ましい。
ペレット化は、公知の方法でよく、例えば、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂、可塑剤、その他添加剤をフィーダーで押出機に供給し一軸や二軸の押出機を用いて混錬し、ダイからストランド状に押し出し、水冷又は空冷し、カッティングすることでできる。
原材料は、押出する前に乾燥しておくことが原材料の分解を防止する上で重要である。特にセルロースエステルは吸湿しやすいので、除湿熱風乾燥機や真空乾燥機で70〜140℃で3時間以上乾燥し、水分率を200ppm以下、更に100ppm以下にしておくことが好ましい。
添加剤は、押出機に供給する前に混合しておいてもよいし、それぞれ個別のフィーダーで供給してもよい。酸化防止剤等少量の添加剤は、均一に混合するため、事前に混合しておくことが好ましい。
酸化防止剤の混合は、固体同士で混合してもよいし、必要により、酸化防止剤を溶剤に溶解しておき、アクリル樹脂等の樹脂に含浸させて混合してもよく、あるいは噴霧して混合してもよい。
真空ナウターミキサなどが乾燥と混合を同時にできるので好ましい。また、フィーダー部やダイからの出口など空気と触れる場合は、除湿空気や除湿したNガスなどの雰囲気下にすることが好ましい。
また、押出機への供給ホッパー等は保温しておくことが吸湿を防止できるので好ましい。マット剤やUV吸収剤などは、得られたペレットにまぶしたり、フィルム製膜時に押出機中で添加してもよい。
押出機は、せん断力を抑え、樹脂が劣化(分子量低下、着色、ゲル生成等)しないようにペレット化可能なタイプを使用し、当該押出機を使用して、なるべく低温で加工することが好ましい。例えば、二軸押出機の場合、深溝タイプのスクリューを用いて、同方向に回転させることが好ましい。混錬の均一性から、噛み合いタイプが好ましい。
ニーダーディスクは、混錬性を向上できるが、せん断による発熱に注意が必要である。ニーダーディスクを用いなくても混合性は充分である。ベント孔からの吸引は必要に応じて行えばよい。低温であれば揮発成分はほとんど発生しないのでベント孔なしでもよい。
ペレットの色は、黄味の指標であるb値が−5〜10の範囲にあることが好ましく、−1〜8の範囲にあることがより好ましく、−1〜5の範囲にあることがさらに好ましい。b値は分光測色計CM−3700d(コニカミノルタセンシング(株)製)で、光源をD65(色温度6504K)を用い、視野角10°で測定することができる。
以上のようにして得られたペレットを用いてフィルム製膜を行う。もちろんペレット化せず、原材料の粉末をそのままフィーダーで押出機に供給し、そのままフィルム製膜することも可能である。
〈アクリル樹脂等の樹脂混合物の溶融物をダイから押し出す工程〉
除湿熱風や真空又は減圧下で乾燥したポリマーを一軸や二軸タイプの押出機を用いて、押し出す際の溶融温度Tmを200〜300℃程度とし、リーフディスクタイプのフィルタなどでろ過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延する。
供給ホッパーから押出機へ導入する際は真空下又は減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。なお、Tmは、押出機のダイ出口部分の温度である。
押し出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行うことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルタは、ステンレス繊維焼結フィルタが好ましく用いられる。
ステンレス繊維焼結フィルタは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変えることができ、ろ過精度を調整できる。
ろ過精度を粗、密と連続的に複数回繰り返した多層体としたものが好ましい。また、ろ過精度を順次上げていく構成としたり、ろ過精度の粗、密を繰り返す方法をとることで、フィルタのろ過寿命が延び、異物やゲルなどの捕捉精度も向上できるので好ましい。
ダイに傷や異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインとも呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出機からダイまでの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。
押出機やダイなどの溶融樹脂と接触する内面は、表面粗さを小さくしたり、表面エネルギーの低い材質を用いるなどして、溶融樹脂が付着し難い表面加工が施されていることが好ましい。具体的には、ハードクロムメッキやセラミック溶射したものを表面粗さ0.2S以下となるように研磨したものが挙げられる。
可塑剤などの添加剤は、あらかじめ樹脂と混合しておいてもよいし、押出機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
〈ダイから押し出された溶融物を、冷却ロールと弾性タッチロールとの間に押圧しながら流延してフィルムとする工程〉
この工程では、ダイから押し出されたフィルム状の溶融物を、冷却ロールと弾性タッチロールとでニップすることにより、所定のフィルム形状、膜厚に成形する。
〔冷却ロール〕
冷却ロールは特に制限されないが、高剛性の金属ロールで内部に温度制御可能な熱媒体又は冷媒体が流れるような構造を備えるロールであり、大きさは限定されないが、溶融押出されたフィルムを冷却するのに充分な大きさであればよく、通常冷却ロールの直径は100mmから1m程度である。
冷却ロールの表面材質は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。更に表面の硬度を上げたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。
冷却ロール表面の表面粗さは、Raで0.1μm以下とすることが好ましく、更に0.05μm以下とすることが好ましい。ロール表面が平滑であるほど、得られるフィルムの表面も平滑にできるのである。もちろん表面加工した表面は更に研磨し上述した表面粗さとすることが好ましい。
冷却ロールは、少なくとも1つであり、2つ以上有しているのが好ましい。1つしかない場合、冷却ロールの表面温度Trは、Tg−50≦Tr≦Tgに設定される。2つ以上の場合、第1冷却ロールと第2冷却ロールの表面温度は、Tg−50≦Tr1≦Tg、Tg−50≦Tr2≦Tgに設定される。
なお、Tgとは、アクリル樹脂及びセルロースエステル樹脂の混合物のガラス転移温度(℃)をいう。
ガラス転移温度Tgの測定方法は、JIS K7121に従って、セイコー電子工業(株)製示差走査熱量計DSC220を用いて行うことができる。
サンプル10mg程度をセットし、窒素流量50ml/minの条件下で、20℃/minで室温から250℃まで昇温して10分間保持し(1stスキャン)、次に20℃/minの速度で30℃まで降温して10分間保持し(2ndスキャン)、さらに20℃/minで250℃まで昇温し(3rdスキャン)、DSC曲線を得た。得られた3rdスキャンのDSC曲線からのガラス転移温度を求めることができる。
〔弾性タッチロール〕
本実施形態の弾性タッチロールとしては、特開平03−124425号公報、特開平08−224772号公報、特開平07−100960号公報、特開平10−272676号公報、国際公開第97−028950号、特開平11−235747号公報、特開2002−36332号公報、特開2005−172940号公報や特開2005−280217号公報に記載されているような表面が薄膜金属スリーブ被覆シリコンゴムロールを使用することができるが、下記の弾性タッチロールであることが好ましい。
セルロースエステルを含む溶融物は他の熱可塑性樹脂と比較して、溶融粘度が高く、延伸もしにくい。
そのため、従来、ドロー比が大きいと搬送方向で膜厚変動が生じやすく、又、延伸工程で延伸する際にも破断しやすくなるという問題があり、せいぜいドロー比7〜8程度で実施していたが、本実施形態では、セルロースエステルを含む溶融物をダイからフィルム状に押出し、ドロー比10以上30以下として得られたフィルムを、弾性タッチロールで冷却ロールに押圧しながら搬送することが好ましい。
ドロー比とは、ダイのリップクリアランスを冷却ロール上で固化したフィルムの平均膜厚で除した値である。ドロー比をこの範囲とすることで、液晶表示装置で画像を表示したときに、明暗のスジや斑点状むらがなく、生産性の良好な偏光板保護フィルムが得られる。
ドロー比は、ダイリップクリアランスと冷却ロールの引き取り速度により調整できる。ダイリップクリアランスは、900μm以上が好ましく、更に1mm以上2mm以下が好ましい。大きすぎても、小さすぎても斑点状むらが改善されない場合がある。
本実施形態で用いる弾性タッチロールは、金属製外筒と内筒との2重構造になっており、その間に冷却流体を流せるように空間を有している。
更に、金属製外筒は弾性を有していることにより、タッチロール表面の温度を精度よく制御でき、かつ適度に弾性変形する性質を利用して、長手方向にフィルムを押圧する距離が稼げるとの効果を有することにより、液晶表示装置で画像を表示したときに、明暗のスジや斑点むらがないという効果が得られるのである。
金属製外筒の肉厚の範囲は、0.003≦(金属製外筒の肉厚)/(タッチロール半径)≦0.03であれば、適度な弾性となり好ましい。タッチロールの半径が大きければ金属外筒の肉厚が厚くても適度に撓む。
弾性タッチロールの直径は100〜600mmが好ましい。金属製外筒の肉厚があまり薄すぎると強度が不足し、破損の懸念がある。一方、厚すぎると、ロール質量が重くなりすぎ、回転むらの懸念がある。従って、金属外筒の肉厚は、0.1〜5mmであることが好ましい。
金属外筒表面の表面粗さは、算術平均粗さRaで0.1μm以下とすることが好ましく、更に0.05μm以下とすることが好ましい。ロール表面が平滑であるほど、得られるフィルムの表面も平滑にできる。
金属外筒の材質は、平滑で、適度な弾性があり、耐久性があることが求められる。金属外筒の材料としては、炭素鋼、ステンレス、チタン、電鋳法で製造されたニッケルなどを好ましく用いることができる。更にその表面の硬度を上げたり、樹脂との剥離性を改良するため、ハードクロムメッキや、ニッケルメッキ、非晶質クロムメッキなどや、セラミック溶射等の表面処理を施すことが好ましい。表面加工した表面は更に研磨し上述した表面粗さとすることが好ましい。
内筒は、炭素鋼、ステンレス、アルミニウム、チタンなどの軽量で剛性のある金属製内筒であることが好ましい。内筒に剛性をもたせることで、ロールの回転ぶれを抑えることができる。内筒の肉厚は、外筒の2〜10倍とすることで充分な剛性が得られる。
内筒には更にシリコーン、フッ素ゴムなどの樹脂製弾性材料が被覆されていてもよい。
冷却流体を流す空間の構造は、ロール表面の温度を均一に制御できるものであればよく、例えば、巾方向に行きと戻りが交互に流れるようにしたり、スパイラル状に流れるようにすることでロール表面の温度分布の小さい温度制御ができる。
冷却流体は、特に制限はなく、使用する温度域に合わせて、水やオイルを使用できる。
弾性タッチロールの表面温度Tr0は、フィルムのガラス転移温度(Tg)より低いことが好ましい。Tgより高いと、フィルムとロールとの剥離性が劣る場合がある。Tg−50℃〜Tgであることが更に好ましい。
本実施形態で用いる弾性タッチロールは、巾方向の中央部が端部より径が大きいいわゆるクラウンロールの形状とすることが好ましい。
タッチロールは、その両端部を加圧手段でフィルムに押圧するのが一般的であるが、この場合、タッチロールが撓むため、端部にいくほど強く押圧されてしまう現象がある。ロールをクラウン形状にすることで高度に均一な押圧が可能となる。
本実施形態で用いる弾性タッチロールの幅は、フィルム幅よりも広くすることで、フィルム全体を冷却ロールに密着できるので好ましい。また、ドロー比が大きくなると、フィルムの両端部がネックイン現象により耳高(端部の膜厚が厚くなる)になる場合がある。
この場合は、耳高部を避けるように、金属製外筒の幅をフィルム幅より狭くしてもよい。あるいは、金属製外筒の一部の外径を小さくして耳高部を避けてもよい。
金属製弾性タッチロールの具体例としては、特許第3194904号公報、特許第3422798号公報、特開2002−36332号公報、特開2002−36333号公報に記載されている成形用ロールが挙げられる。
弾性タッチロールの撓みを防止するため、冷却ロールに対してタッチロールの反対側にサポートロールを配してもよい。
弾性タッチロールの汚れを清掃する装置を配してもよい。清掃装置としては、例えば、ロール表面を必要により溶剤を浸透させた不織布などの部材をロールに押し当てる方法、液体中にロールを接触させる方法、コロナ放電やグロー放電などのプラズマ放電によりロール表面の汚れを揮発させる方法などを実施し得る清掃装置を好ましく用いることができる。
弾性タッチロールの表面温度Tr0を更に均一にするため、タッチロールに温調ロールを接触させたり、温度制御された空気を吹き付けたり、液体などの熱媒体を接触させてもよい。
本実施形態では、更に弾性タッチロール押圧時のタッチロール線圧を1kg/cm以上、15kg/cm以下、タッチロール側フィルム表面温度Ttを、Tg<Tt<Tg+110℃とすることが好ましい。
タッチロール線圧をこの範囲とすることにより、液晶表示装置で画像を表示した際の明暗のスジや斑点状むらのない偏光板保護フィルムが得られる。
線圧とは、弾性タッチロールがフィルムを押圧する力を押圧時のフィルム幅で除した値である。線圧を上記の範囲にする方法は、特に限定はなく、例えば、エアーシリンダーや油圧シリンダーなどでロール両端を押圧する方法を採用することができる。
サポートロールにより弾性タッチロールを押圧することで、間接的にフィルムを押圧してもよい。
弾性タッチロールでフィルムを押圧する際のフィルム温度は、高いほど、ダイラインに起因する明暗のスジが改良されるが、あまり高すぎると、斑点状むらが増加する。これは、フィルム中から揮発成分が揮発し、タッチロールで押圧する際に均一に押圧されないためと予想している。低すぎるとダイラインに起因する明暗のスジが改善されない。
押圧時のフィルム温度を上記範囲にする方法は特に限定はないが、例えば、ダイと冷却ロール間の距離を近づけて、ダイと冷却ロール間での冷却を抑制する方法やダイと冷却ロール間を断熱材で囲って保温したり、あるいは熱風や赤外線ヒータやマイクロ波加熱等により加温する方法が挙げられる。
フィルム表面温度及びロール表面温度は非接触式の赤外温度計で測定できる。具体的には、非接触ハンディ温度計(IT2−80、(株)キーエンス製)を用いてフィルムの幅手方向に10箇所の温度を被測定物から0.5mの距離で測定する。
弾性タッチロール側フィルム表面温度Ttは、搬送されているフィルムをタッチロールをはずした状態でタッチロール側から非接触式の赤外温度計で測定したフィルム表面温度のことをさす。
〈冷却したフィルムをTg+30℃以上Tg+60℃以下の範囲で加熱する工程及び延伸工程〉
通常の製膜工程では、溶融流延されフィルム形状とした後は、素早く冷却ロールで冷却するのが良いとされていた。
しかし本実施形態では、冷却ロールで冷却された後、再度加熱処理することが好ましい。つまり、冷却工程の後に、冷却したフィルムをTg+30℃以上Tg+60℃以下の範囲で再度加熱する工程を設けるのである。加熱時間は5〜60秒が好ましく、さらには10〜30秒の範囲が好ましい。
この再度加熱する工程は、延伸工程であることが好ましい。延伸しながら再度加熱する工程であることが好ましい。この延伸工程は横延伸工程(フィルム幅方向)であることが好ましい。
本実施形態では、少なくとも1.01〜5.0倍延伸することが好ましい。好ましくは縦、横(巾方向)両方向にそれぞれ1.1〜3.0倍延伸することが好ましい。
冷却したフィルムをTg+30℃以上Tg+60℃以下の範囲で加熱する工程は、複数有していても良い。この場合は、各加熱工程の間にTg以下の温度に保たれた冷却ロールによって冷却することが好ましい。
延伸する方法は、公知のロール延伸機やテンター延伸装置などを好ましく用いることができる。
本実施形態では、所望のリターデーション特性が得られるように温度、倍率を選ぶことができる。
延伸は、幅手方向で制御された均一な温度分布下で行うことが好ましい。±2℃以内に制御された温度分布下で延伸されることが好ましく、±1℃以内に制御されることがさらに好ましく、±0.5℃以内に制御されることが特に好ましい。
〈延伸工程の後工程(巻き取り工程を含む)〉
上記の方法で作製した光学フィルムにおいて、リターデーション調整や寸法変化率を小さくする目的で、フィルムを長手方向や幅手方向に収縮させてもよい。
長手方向に収縮するには、例えば、巾延伸を一時クリップアウトさせて長手方向に弛緩させる、又は横延伸機の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることによりフィルムを収縮させるという方法がある。
後者の方法は一般の同時二軸延伸機を用いて、縦方向の隣り合うクリップの間隔を、例えばパンタグラフ方式やリニアドライブ方式でクリップ部分を駆動して滑らかに徐々に狭くする方法によって行うことができる。必要により任意の方向(斜め方向)の延伸と組み合わせてもよい。長手方向、巾手方向とも0.5%から10%収縮させることで光学フィルムの寸法変化率を小さくすることができる。
巻き取る前に、製品となる幅に端部をスリットして裁ち落とし、巻き中の貼り付きやすり傷防止のために、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。ナール加工の方法は凸凹のパターンを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。
なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており製品として使用できないので切除されて、原材料として再利用される。
本実施形態では、フィルムの自由体積を小さくすることにより、リターデーション(Ro、Rt)の湿度変化率、寸法変化率を小さくすることができるので好ましい。
自由体積を小さくするには、延伸工程の後にフィルムのTg近傍で熱処理をする工程を有することが有効である。熱処理時間は1秒以上から効果が認められ、長時間ほど効果が高くなるが1000時間程度で飽和するので、Tg−20℃〜Tgで1秒〜1000時間が好ましい。
更にTg−15℃〜Tgで1分〜1時間が好ましい。また、Tg以上からTg−20℃の範囲をゆっくりと冷却しながら熱処理すると一定温度で熱処理するよりも短時間で効果が得られるので好ましい。
冷却速度は、0.1℃/秒〜20℃/秒が好ましく、更に1℃/秒〜10℃/秒が好ましい。熱処理する方法は特に限定はなく、温調されたオーブンやロール群、熱風、赤外ヒーター、マイクロ波加熱装置などにより処理できる。
フィルムは搬送しながらでも枚葉やロール状で熱処理してもよい。搬送しながらの場合は、ロール群やテンターを用いて熱処理しながら搬送できる。ロール状で熱処理する場合は、フィルムをTg近傍の温度でロール状に巻き取って、そのまま冷却することで徐冷してもよい。
図2は、本実施形態において採用される溶液流延製膜法に用いられる光学フィルム製造装置を模式的に示した図である。図2において、アクリル樹脂等のフィルム材料を混合した後、押出し機1aを用いて、流延ダイ4aから第1冷却ロール5a上に溶融押し出し、第1冷却ロール5aに外接させるとともに、更に、第2冷却ロール7a、第3冷却ロール8aの合計3本の冷却ロールに順に外接させて、冷却固化してフィルム10aとする。次いで、剥離ロール9aによって剥離したフィルム10aを、次いで延伸装置12aによりフィルムの両端部を把持して幅方向に延伸した後、巻取り装置16aにより巻き取る。また、平面性を矯正するために溶融フィルムを第1冷却ロール5a表面に挟圧するタッチロール6aが設けられている。このタッチロール6aは表面が弾性を有し、第1冷却ロール5aとの間でニップを形成している。なお、図2において、参照符号2aはフィルタ、参照符号3aはスタチックミキサー、参照符号11a、13a、14a、15aは搬送ロール、参照符号Fはロール状フィルムをそれぞれ示している。
<偏光板>
偏光板は一般的な方法で作製することができる。偏光板は、上記した実施形態の光学フィルム(アクリル樹脂含有フィルム)の裏面側に粘着層を設け、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面には、上記した実施形態の光学フィルムを用いても、別の偏光板保護フィルムを用いてもよい。例えば、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KV8UY−HA、KV8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
偏光板の主たる構成要素である偏光子とは、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものがある。
偏光子は、ポリビニルアルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
上記粘着層に用いられる粘着剤としては、粘着層の少なくとも一部分において25℃での貯蔵弾性率が1.0×10Pa〜1.0×10Paの範囲である粘着剤が用いられていることが好ましく、粘着剤を塗布し、貼り合わせた後に種々の化学反応により高分子量体又は架橋構造を形成する硬化型粘着剤が好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤等の硬化型粘着剤、湿気硬化ウレタン粘着剤、ポリエーテルメタクリレート型、エステル系メタクリレート型、酸化型ポリエーテルメタクリレート等の嫌気性粘着剤、シアノアクリレート系の瞬間粘着剤、アクリレートとペルオキシド系の2液型瞬間粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤としては1液型であっても良いし、使用前に2液以上を混合して使用する型であっても良い。
また上記粘着剤は有機溶剤を媒体とする溶剤系であってもよいし、水を主成分とする媒体であるエマルジョン型、コロイド分散液型、水溶液型などの水系であってもよいし、無溶剤型であってもよい。上記粘着剤液の濃度は、粘着後の膜厚、塗布方法、塗布条件等により適宜決定されれば良く、通常は0.1〜50質量%である。
<液晶表示装置>
上記した実施形態の光学フィルム(アクリル樹脂含有フィルム)を貼合した偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。
上記した実施形態の偏光板は、前記粘着層等を介して液晶セルに貼合される。
上記した実施形態の偏光板は反射型、透過型、半透過型LCD又はTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。特に画面が30型以上、特に30型〜54型の大画面の表示装置では、画面周辺部での白抜け等もなく、その効果が長期間維持される。
また、色ムラ、ギラツキや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果がある。
上記光学フィルムおよび該光学フィルムの製造方法の技術的特徴を下記にまとめる。
本発明の一局面による光学フィルムは、主成分としてアクリル樹脂を含有する光学フィルムであって、当該光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有していることを特徴とする。
本発明の光学フィルムは、このような構成を有することにより、アクリル樹脂フィルムとしての長所を活かし、かつ欠点を改善することができ、乾燥性及び光学的特性が高められる。
上記光学フィルムは、副成分としてセルロースエステル樹脂を含有することが好ましい。
本発明の光学フィルムは、副成分としてセルロースエステル樹脂を含有することにより、さらに、アクリル樹脂フィルムとしての長所を活かし、かつ欠点改善することができ、乾燥性及び光学的特性が高められる。
また、本発明の他の一局面による光学フィルムの製造方法は、上記光学フィルムを製造する光学フィルムの製造方法であって、前記非相溶性微粒子として、無機微粒子又は有機微粒子を添加することを特徴とする。
本発明の光学フィルムの製造方法は、このような構成を有することにより、アクリル樹脂フィルムとしての長所が活かされ、かつ欠点が改善され、乾燥性及び光学的特性が高められた光学フィルムを製造することができる。
上記製造方法において、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、孔径が0.1〜5μmの範囲内であるフィルタを使用して制御することが好ましい。
上記孔径のフィルタを使用して非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を制御することにより、ヘイズの発生が抑制される。
上記製造方法において、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、攪拌装置を使用して制御することが好ましい。
上記攪拌装置を使用して非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を制御することにより、ヘイズの発生が、抑制される。
上記製造方法において、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、周波数10〜1000kHzの超音波を付与して制御することが好ましい。
上記周波数の超音波を付与して非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を制御することにより、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して得られた混合物から、微粒子が分離されやすい。
上記製造方法において、溶液製膜法で製膜することが好ましい。
溶液製膜法で製膜することにより、機械的強度及び表面精度などに優れた光学フィルムが得られる。
上記製造方法において、溶融製膜法で製膜することが好ましい。
溶融製膜法で製膜することにより、機械的強度及び表面精度などに優れた光学フィルムが得られる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
[光学フィルムの作製]
(ドープの調製)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 100質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
シリカ粒子(平均粒径:2.4μm;マイクロン社製 HS−301)をアクリル樹脂に対して17ppmの割合で添加した。
上記組成物を、加熱しながら充分に溶解し、ドープを作製した。
(製膜)
上記調製したドープを、ベルト流延装置を用い、温度22℃、2m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。
剥離したアクリル樹脂のウェブを35℃で溶媒を蒸発させ、1.6m幅にスリットし、その後、テンター延伸装置で幅方向に1.1倍に延伸しながら、135℃の乾燥温度で乾燥させた。このときテンター延伸装置で延伸を始めたときの残留溶剤量は10%であった。
テンター延伸装置で延伸後、130℃で5分間緩和を行った後、120℃、140℃の乾燥ゾーンを多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径15.24cmコアに巻き取り、アクリル樹脂フィルムである光学フィルムを得た。
ステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。
得られた光学フィルムの残留溶剤量は0.08%であり、膜厚は40μm、巻長は4000mであった。
光学顕微鏡を用いて反射観察(観察条件:オリンパス(株)製光学顕微鏡 BX51 倍率20倍)により光学フィルム表面の非相溶性微粒子を観察した。なお、2668μm×1982μmのシーンを20シーン観察し、面積あたりに換算した。表面に突出している粒子のサイズと数は、場所によってばらつきはあったが、平均粒径2.4μmの微粒子が約5000000個/mであることが確認できた。
[評価]
得られた光学フィルムについて、以下の評価を実施した。
(乾燥性)
作製した光学フィルムについて、水糊を使用した時の乾燥性を、水糊塗布後に40℃、湿度20%RH環境下に3時間保存後、カールフィッシャー水分率測定機(CA−200型)を使用して測定した。
○:現行製品同等の充分な乾燥性が得られた(水分率0.5質量%未満)
×:乾燥性が充分でなかった(水分率0.5質量%以上)
(ヘイズ)
作製した光学フィルムについて、フィルム試料1枚をJIS K−7136に従って、ヘイズメーター(NDH2000型、日本電色工業(株)製)を使用して測定した。
○:現行製品同等のヘイズ値が得られた(0.3%未満)
×:ヘイズ値が悪かった(0.3%以上)
(光学性能:光弾性率)
KOBRA−31PRWを用いて、1〜15Nの応力範囲で10点の引っ張り試験を行い、その際発現する位相差を測定し、各点での張力と位相差とをプロットして、その傾きから算出した。測定は、23℃55%RHに調整した部屋で行った。
◎:光弾性率が、−0.5%〜+0.5%の間
○:光弾性率が、−1.1%以上−0.5%未満、又は、+0.5%超+1.1%以下
×:光弾性率が−1.1%未満、又は、+1.1%超
実施例2
[光学フィルムの作製]
(ドープ液調製)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 100質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。
上記組成物を、加熱しながら充分に溶解し、ドープ液を作製した。
得られたドープ液をろ過精度2μmのフィルタ(安積濾紙(株)製;以下同様)を用いて0.1MPaのろ過圧力でろ過を行った。
(製膜)
製膜は、実施例1と同様の方法で行った。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例3
[光学フィルムの作製]
(ドープ液調製)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 100質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。
上記組成物を、加熱しながら充分に溶解し、ドープ液を作製した。
得られたドープ液を超音波分散装置(株式会社ギンセン製 GSD1200MAT−10)にかけ、フィルム材料中のTAC樹脂を分散させた。分散条件は、12kW、19.5kHzで実施した。
(製膜)
製膜は、実施例1と同様の方法で行った。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例4
[光学フィルムの作製]
(ドープ液調製)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 70質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 30質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
シリカ粒子(平均粒径:2.4μm;マイクロン社製 HS−301)をアクリル樹脂に対して17ppmの割合で添加する。
上記組成物を、加熱しながら充分に溶解し、ドープ液を作製した。
(製膜)
製膜は、実施例1と同様の方法で行った。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例5
[光学フィルムの作製]
(ドープ液調製)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 70質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 30質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。上記組成物を、加熱しながら充分に溶解し、ドープ液を作製した。
得られたドープ液をろ過精度2μmのフィルタを用いて0.1MPaのろ過圧力でろ過を行った。
(製膜)
製膜は、実施例1と同様の方法で行った。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例6
[光学フィルムの作製]
(ドープ液調製)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 70質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 30質量部
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 40質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。上記組成物を、加熱しながら充分に溶解し、ドープ液を作製した。
得られたドープ液を40℃において超音波分散装置(株式会社ギンセン製 GSD1200MAT−10)にかけ、フィルム材料中のTAC樹脂を分散させた。
分散条件は、12kW、19.5kHzで実施した。
(製膜)
製膜は、実施例1と同様の方法で行った。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例7
[光学フィルムの作製]
(製膜)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 100質量部
シリカ粒子(平均粒径:2.4μm;マイクロン社製 HS−301)をVB7103に対して17ppmの割合で添加する。
材料を240℃で溶融混錬し、得られた溶融樹脂を100℃の冷却ロール上に均一に流延し、剥離張力162N/mで支持体上から剥離した。
剥離したフィルムを、1.6m幅にスリットし、その後、テンター延伸装置で幅方向に1.9倍に延伸した。
テンター延伸装置で延伸後、130℃で5分間緩和を行った後、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径15.24cmコアに巻き取り、アクリル樹脂フィルムである光学フィルムを得た。
支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。
得られた光学フィルムの膜厚は40μm、巻長は4000mであった。
顕微鏡を用いて膜面の観察を行ったところ、表面に突出している粒子の数は、約5000000個/mであることが確認できた。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例8
[光学フィルムの作製]
(製膜)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 100質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。
材料を240℃で溶融混錬し、ろ過精度2μmのフィルタを用いて0.6MPaのろ過圧力でろ過を行って得られた溶融樹脂を100℃の冷却ロール上に均一に流延し、剥離張力162N/mで支持体上から剥離した。
剥離したフィルムを、1.6m幅にスリットし、その後、テンター延伸装置で幅方向に1.9倍に延伸した。
テンター延伸装置で延伸後、130℃で5分間緩和を行った後、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径15.24cmコアに巻き取り、アクリル樹脂フィルムである光学フィルムを得た。
支持体の回転速度とテンター延伸装置の運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。
得られた光学フィルムの膜厚は40μm、巻長は4000mであった。
顕微鏡を用いて膜面の観察を行ったところ、表面に突出している粒子の数は、約5000000個/mであることが確認できた。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例9
[光学フィルムの作製]
(製膜)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 100質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。
材料を240℃で溶融混錬し、超音波分散装置(株式会社ギンセン製 GSD1200MAT−10)にかけ、フィルム材料中のTAC樹脂を分散さて得られた溶融樹脂を100℃の冷却ロール上に均一に流延し、剥離張力162N/mで支持体上から剥離した。分散条件は、12kW、19.5kHzで実施した。
剥離したフィルムを、1.6m幅にスリットし、その後、テンター延伸装置で幅方向に1.9倍に延伸した。
テンター延伸装置で延伸後、130℃で5分間緩和を行った後、1.5m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm高さ5μmのナーリング加工を施し、初期張力220N/m、終張力110N/mで内径15.24cmコアに巻き取り、アクリル樹脂フィルムである光学フィルムを得た。
支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.1倍であった。
得られた光学フィルムの膜厚は40μm、巻長は4000mであった。
顕微鏡を用いて膜面の観察を行ったところ、表面に突出している粒子の数は、約5000000個/mであることが確認できた。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例10
[光学フィルムの作製]
(製膜)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 70質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 30質量部
シリカ粒子(平均粒径:2.4μm;マイクロン社製 HS−301)をVB7103に対して17ppmの割合で添加する。
それ以降は実施例7と同様の方法で製膜した。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例11
[光学フィルムの作製]
(製膜)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 70質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 30質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。
材料を240℃で溶融混錬し、ろ過精度2μmのフィルタを用いて0.6MPaのろ過圧力でろ過を行って得られた溶融樹脂を100℃の冷却ロール上に均一に流延し、剥離張力162N/mで支持体上から剥離した。
それ以降は実施例8と同様の方法で行った。
[評価]
評価は、実施例1と同様の方法で行った。
実施例12
[光学フィルムの作製]
(製膜)
アクリル樹脂(重量平均分子量:130000(Tg140℃)、重合率97%) 70質量部
セルロースエステル(セルロースアセテートプロピオネート アシル基総置換度2.75、アセチル基置換度0.19、プロピオニル基置換度2.56、Mw=200000) 30質量部
TAC樹脂(トリアセチルセルロース;重量平均分子量:230000,アセチル基置換度:2.91)をアクリル樹脂に対して0.14%の割合で添加した。
材料を240℃で溶融混錬し、超音波分散装置(株式会社ギンセン社製 GSD1200MAT−10)にかけ、フィルム材料中のTAC樹脂を分散して得られた溶融樹脂を100℃の冷却ロール上に均一に流延し、剥離張力162N/mで支持体上から剥離した。分散条件は、12kW、19.5kHzで実施した。
それ以降は、実施例8と同様の方法で行った。
[評価]
評価は実施例1と同様の方法で行った。
比較例1
添加する前記シリカ粒子を1ppmにしたこと以外は、実施例1と同様に行った。
膜面観察によって確認された粒子は、約900000個/mであった。
比較例2
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例2と同様に行った。
比較例3
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例3と同様に行った。
比較例4
添加する前記シリカ粒子を1ppmにしたこと以外は、実施例4と同様に行った。
比較例5
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例5と同様に行った。
比較例6
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例6と同様に行った。
比較例7
添加する前記シリカ粒子を1ppmにしたこと以外は、実施例7と同様に行った。
膜面観察によって確認された粒子は、約11000000個/mであった。
比較例8
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例8と同様に行った。
比較例9
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例9と同様に行った。
比較例10
添加する前記シリカ粒子を1ppmにしたこと以外は、実施例10と同様に行った。
比較例11
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例11と同様に行った。
比較例12
添加する前記TAC樹脂を0.01%にしたこと以外は、実施例12と同様に行った。
以上の評価結果を以下の表にまとめて示す。なお、非相溶性微粒子の数は概数値で示す。
Figure 2013011655
表1に示した結果から明らかなように、フィルム表面に存在する1〜5μmの非相溶性粒子の個数を、1000000〜10000000個/mの範囲内に制御することで、良好な乾燥性を有する光学フィルムが得られることが分かった。
一方で、粒子の数が1000000個/m未満又は10000000個/m超であった場合は、要求品質を満たす性能を有する光学フィルムは得られないことが分かった。
1 溶解釜
1a 押出し機
2、5、11、14 送液ポンプ
2a フィルタ
3、6、12、15、44 濾過器
3a スタチックミキサー
4、13 ストックタンク
4a 流延ダイ
5a 回転支持体(第1冷却ロール)
6a 挟圧回転体(タッチロール)
7a 回転支持体(第2冷却ロール)
8、16 導管
8a 回転支持体(第3冷却ロール)
9a 剥離ロール
10 紫外線吸収剤仕込釜
10a フィルム
11a、13a、14a、15a 搬送ロール
12a 延伸装置
16a 巻取り装置
17 合流弁
20 合流管
21 混合機
30 ダイ
31 金属ベルト
32 ウェブ
33 剥離位置
34 テンター延伸装置
35 ロール乾燥装置
36 搬送ロール
37 巻き取り機
41 粒子仕込釜
42 ストック釜
43 ポンプ
F ロール状フィルム

Claims (8)

  1. 主成分としてアクリル樹脂を含有する光学フィルムであって、当該光学フィルムの表面に、粒径が1〜5μmの範囲内にある非相溶性微粒子を、1000000〜10000000個/mの範囲内で、含有していることを特徴とする光学フィルム。
  2. 副成分としてセルロースエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法であって、前記非相溶性微粒子として、無機微粒子又は有機微粒子を添加することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法であって、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、孔径が1〜5μmの範囲内であるフィルタを使用して制御することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  5. 請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法であって、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、攪拌装置を使用して制御することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載の光学フィルムの製造方法であって、アクリル樹脂に対して非相溶性の添加剤を添加して、前記非相溶性微粒子の粒径及び粒子数を、周波数10〜1000kHzの超音波を付与して制御することを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  7. 溶液製膜法で製膜することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 溶融製膜法で製膜することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
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