JPWO2013005318A1 - ホットプレス装置 - Google Patents

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Abstract

ワークを充分な冷却速度で焼入れ可能なホットプレス成形方法、及びホットプレス装置を提供する。ホットプレス成形工程S1は、ホットプレス装置1を用いて、ワークWに対してプレス加工を行うと同時に冷却を行う工程である。ホットプレス装置1は、互いの成形面が対向するように設けられた下型10及び上型20を具備し、ワークWにおける、下型10の成形面及び下死点に位置する上型20の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、下型10の頂面10aに複数のビード12・12・・・が設けられる。

Description

本発明は、加熱されたワークに対して、プレス加工を行うと同時に冷却を行うホットプレス成形方法、及びホットプレス装置に関する。
従来、オーステナイト組織が現れる温度以上まで加熱された鋼板等のワークに対して、上型及び下型からなる金型が取り付けられたプレス装置によってプレス加工を行うと同時に、金型とワークとの接触による冷却を利用した焼入れ処理を施すホットプレス成形が広く知られている。
ホットプレス成形においては、冷却水が流動する水路を金型の内部に形成することで金型を冷却し、焼入れの際にワークを良好に冷却させる技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、プレス加工によるワークの板厚の増減、金型の作製時における成形面の精度誤差、及びプレス加工時における金型の撓み等の影響により、焼入れの際にワークと金型との間にクリアランスが生じる。これに伴い、ワークにおける金型との間のクリアランスが所定値以上となる部分においては、焼入れの際に金型の成形面との接触面積が減少し、充分な冷却速度を担保できず、硬度が所望の値よりも小さくなるという問題が生じるのである。
例えば、図8に示すように、平板状のワークWを所謂、ハット型形状に成形する場合においては、プレス加工が施されたワークWの最上部に位置する天板部Wtと、金型との間に比較的大きなクリアランスが生じ易いため、天板部Wtの硬度が所望の値よりも小さくなる可能性が高い。
特開2005−7442号公報
本発明は、ワークを充分な冷却速度で焼入れ可能なホットプレス成形方法、及びホットプレス装置を提供することを課題とする。
本発明のホットプレス成形方法は、互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を用いて、加熱されたワークに対して、プレス加工を行うと同時に冷却を行うホットプレス成形方法であって、前記ワークにおける、前記下型の成形面及び下死点に位置する前記上型の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、前記ワークのプレス加工を行う。
本発明のホットプレス装置は、互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を具備し、加熱されたワークを前記下型及び前記上型によって挟み込んでプレス加工を行うと同時に、前記ワークの表面に前記下型の成形面及び前記上型の成形面を接触させた状態で保持することで前記ワークを冷却するホットプレス装置であって、前記ワークにおける、前記下型の成形面及び下死点に位置する前記上型の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、前記下型及び前記上型の少なくとも一方の成形面が凹凸面として形成される。
本発明のホットプレス装置において、前記下型及び前記上型のうちの一方の成形面には、左右方向における中途部において、他方の成形面に向けて突出する凸部が前後方向に沿って連続的に形成され、前記下型及び前記上型のうちの他方の成形面には、左右方向における中途部において、前記凸部の形状に合わせて窪む凹部が前後方向に沿って連続的に形成され、前記凸部が形成された成形面は、当該凸部の突出端部にて左右方向に沿って延在する頂面と、当該頂面の左右方向における両端部から前記凸部の突出方向とは逆方向に延出する二つの側面と、当該二つの側面の延出端部から左右方向に沿って外方に延出する二つの基端面と、から成り、前記頂面が凹凸面として形成されることが好ましい。
本発明によれば、ワークを充分な冷却速度で焼入れすることができ、ワークの硬度が部分的に所望の値よりも小さくなることを抑制することができる。
本発明に係るホットプレス装置を示す図。 ビードを示す斜視図。 上型が下死点に位置するホットプレス装置を示す図。 金型の成形面を窪ませるように形成されたビードを示す図。 ワークのプレス加工途中を示す図。 ビードの別形態を示す斜視図。 ビードの別形態を示す斜視図。 従来のホットプレス装置を示す図。
以下では、図1〜図2を参照して、本発明に係るホットプレス装置の一実施形態であるホットプレス装置1について説明する。
ホットプレス装置1は、ワークWに対してホットプレス成形を施す装置である。
ワークWは、ホットプレス装置1の加工対象となる鋼板であり、通電加熱等によりオーステナイト組織が現れる温度以上まで加熱されている。
なお、説明の便宜上、図1における上下方向をホットプレス装置1の上下方向と規定し、図1における左右方向をホットプレス装置1の左右方向と規定する。更に、図1における紙面手前側をホットプレス装置1の前方、同じく紙面奥側をホットプレス装置1の後方と規定する。
図1に示すように、ホットプレス装置1は、互いの成形面が対向するように設けられた下型10及び上型20を具備する。
下型10は、上型20と対応する金型であり、所定の金属塊に対してNC加工を行うことによって作製される。下型10は、その内部を冷却水が流動するように構成されている。
下型10の成形面(上面)には、上方に突出する凸部11が形成されている。
凸部11は、下型10の成形面が上方に突出するように形成された部位であり、下型10の成形面の左右方向における中途部(略中央部)において、前後方向に沿って連続的に形成されている。
下型10においては、凸部11の突出端部(最上部)にて左右方向に沿って延在する頂面10aと、頂面10aの左右方向における両端部から凸部11の突出方向とは逆方向(下方)に延出する側面10b・10bと、側面10b・10bの延出端部(下端部)から左右方向に沿って外方に延出する基端面10c・10cとが所謂、ハット型形状の成形面として形成されている。
下型10の頂面10aには、複数のビード12・12・・・が設けられている。
図2に示すように、ビード12は、頂面10aから上方に突出し、凸部11の前端部近傍から後端部近傍にかけて、円弧が上側に位置する半円状の断面が前後方向に沿って連続するように形成されている。換言すれば、ビード12は、前後方向に平行となる軸心を有する円柱を当該軸心に沿って二等分した形状を有しており、その平面(前記円柱を二等分した際の切断面)が頂面10aに接触するように配置されている。
ビード12は、左右方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて複数(本実施形態においては、三つ)設けられている。
ビード12は、下型10と同種の金属、又は下型10よりも高い硬度を有する金属から成る。ビード12は、頂面10aに肉盛溶接を行った後、当該肉盛部分が所定の形状となるようにNC加工を行うこと、又は下型10を所定の金属塊から作製する段階で、頂面10aが所定の形状となるようにNC加工を行うこと等により形成される。
このように、ビード12は、下型10の頂面10aを凹凸面とするために設けられる。
図1に示すように、上型20は、下型10と対応する金型であり、所定の金属塊に対してNC加工を行うことによって作製される。上型20は、その内部を冷却水が流動するように構成されている。
上型20の成形面(下面)には、凹部21が凸部11の形状に合わせて上方に窪むように形成されている。
凹部21は、上型20の成形面が上方に窪むように形成された部位であり、上型20の成形面の左右方向における中途部(略中央部)において、前後方向に沿って連続的に形成されている。
上型20においては、凹部21の最深部(最上部)にて左右方向に沿って延在する底面20aと、底面20aの左右方向における両端部から凹部21の窪み方向とは逆方向(下方)に延出する側面20b・20bと、側面20b・20bの延出端部(下端部)から左右方向に沿って外方に延出する基端面20c・20cとが所謂、ハット型形状の成形面として形成されている。
以上のように構成されたホットプレス装置1においては、上型20を下型10に接近させるように下死点まで下降させることで、加熱された板状のワークWを下型10及び上型20の成形面間に挟み込んでプレス加工を行い、ワークWを所謂、ハット型形状に成形すると同時に、ワークWの表面に下型10の成形面及び上型20の成形面を接触させた状態で保持することで、ワークWの冷却を行い、製品としてのワークWを作製する。
以下では、図3〜図7を参照して、本発明に係るホットプレス成形方法の一実施形態であるホットプレス成形工程S1について説明する。
ホットプレス成形工程S1は、ホットプレス装置1を用いて、ワークWに対してホットプレス成形を施す工程である。
ホットプレス成形工程S1においては、上型20を下型10に接近させるように下死点まで下降させることで、加熱された板状のワークWを下型10及び上型20の成形面間に挟み込んでプレス加工を行うと同時に、下型10及び上型20とワークWとの接触による冷却を利用した焼入れ処理をワークWに施す。
図3に示すように、ホットプレス成形工程S1におけるワークWのプレス加工時には、下型10の頂面10aに複数のビード12・12・・・が設けられているため、ワークWの最上部に位置する天板部Wt(頂面10aに対応する部分)が複数のビード12・12・・・の形状に沿って、段形状に成形されることとなる。つまり、複数のビード12・12・・・は、頂面10aを凹凸面とし、ワークWに段形状を付与するための手段である。
ここで、ワークWの「段形状」とは、ワークWが下型10の成形面、及び上型20の成形面に向けて突出するように湾曲した形状である。本実施形態におけるワークWは、下型10の成形面(頂面10a)に向けて突出する部分が二箇所形成され、上型20の成形面(底面20a)に向けて突出する部分が三箇所形成された波型の段形状となっている。
このように、ワークWの天板部Wtが下型10の成形面、及び上型20の成形面に向けて突出するように成形されるため、天板部Wtが段形状に成形されてない場合と比較して、ホットプレス成形工程S1におけるワークWの焼入れ時に、下型10の成形面におけるビード12が設けられていない部分、及び上型20の成形面に対する天板部Wtの接触面積が大きくなる。
更に、ワークWの天板部Wtが下型10の頂面10aに設けられた複数のビード12・12・・・の形状に沿うように成形されるため、ホットプレス成形工程S1におけるワークWの焼入れ時に、天板部Wtが下型10の成形面の一部を成す複数のビード12・12・・・に沿うように接触し、下型10の頂面10aに複数のビード12・12・・・が設けられてない場合と比較して、下型10の成形面に対する天板部Wtの接触面積が大きくなる。
これにより、ホットプレス成形工程S1におけるワークWの焼入れ時に、ワークWの天板部Wtにおいて充分な冷却速度を担保でき、天板部Wtの硬度が所望の値よりも小さくなることを抑制することができる。
なお、本実施形態においては、ワークWの天板部Wtが段形状に成形されるように、下型10の頂面10aに複数のビード12・12・・・を設けている。
これは、ハット型形状に成形されたワークWの焼入れ時に、ワークWの天板部Wtと、下型及び上型との間に比較的大きなクリアランスが生じ易く(図8参照)、天板部Wtの硬度が所望の値よりも小さくなる可能性が高いためである。
つまり、ワークWにおける、下型10の成形面及び下死点に位置する上型20の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、下型10の頂面10aに複数のビード12・12・・・を設けるのである。
ここで、ワークWにおける、下型10の成形面及び下死点に位置する上型20の成形面に対して「接触し難い部分」とは、ワークWの焼入れ時に、複数のビード12・12・・・が設けられていない従来の下型及び上型と、ワークWとの間のクリアランス量(距離)が所定値以上となる部分であり、延いてはホットプレス成形後の硬度が所定値以下となる(不充分となる)部分である。当該部分は、予めシミュレーション等によって特定することが可能である。
こうして、下型10の頂面10aに複数のビード12・12・・・を設けることにより、下型10の成形面及び下死点に位置する上型20の成形面に対して接触し難い天板部Wtを段形状に成形することが可能となる。
したがって、ホットプレス成形工程S1におけるワークWの焼入れ時に、ワークWの天板部Wtと、下型10及び上型20の成形面との接触面積を大きくして、天板部Wtの硬度の低下を抑制し、ワークW全体として良好な硬度を担保することができるのである。
また、これに伴い、ワークWと良好に接触するように金型を作製し直す作業等を行う必要がなくなり、金型を作製する際の人工的工数を削減することができる。更に、金型の成形面とワークWとの接触面積の増加により、ワークWの焼入れに要する時間を短縮することができ、延いては製品の生産速度を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、下型10の頂面10aのみに複数のビード12・12・・・を設けたが、これに限定するものではなく、天板部Wtが段形状に成形されればよい。
例えば、下型10の頂面10aに設けられた複数のビード12・12・・・に加えて、上型20の底面20aにビード12と同様のビードを複数設けること、又は上型20の底面20aのみにビード12と同様のビードを複数設けること等も可能である。
また、図4に示すように、ビード12の如く金型の成形面から突出するのではなく、金型の成形面を窪ませるように形成されたビード112、及びビード122をそれぞれ下型10及び上型20に設けることも可能である。
ビード112は、円弧が下側に位置する半円状の断面が前後方向に沿って連続するように下型10の頂面10aに形成され、左右方向に沿って互いに所定の間隔を空けて二つ設けられている。ビード112は、下型10の頂面10aを凹凸面とするために設けられる。
ビード122は、円弧が上側に位置する半円状の断面が前後方向に沿って連続するように上型20の底面20aに形成され、左右方向に沿って互いに所定の間隔を空けて三つ設けられている。ビード112は、上型20の底面20aを凹凸面とするために設けられる。
ビード112及びビード122は、左右方向に沿って、互いの位置をずらすように交互に配置されている。
なお、ビード112及びビード122のようなビードを形成する場合には、金型の成形面を切削するようにNC加工を行えばよい。
また、本実施形態においては、ワークWの天板部Wtを段形状に成形するような金型形状となっているが、ワークWにおける天板部Wt以外の部分が下型10の成形面、及び下死点に位置する上型20の成形面に対して接触し難いと判断された場合には、下型10の基端面10c・10cにビードを設ける等、ワークWにおける天板部Wt以外の部分が段形状に成形されるような金型形状にすればよい。
また、本実施形態においては、下型10の最上部に位置する成形面である頂面10aに複数のビード12・12・・・を設けている。
図5に示すように、上型20を下死点まで下降させるように構成されたホットプレス装置1においては、ワークWのプレス加工時に、下型10の最上部に位置する成形面である頂面10aにワークWが比較的早期に接触する。換言すれば、最終的に天板部Wtとなる部分が比較的早期に加工される。
そのため、上型20が下死点近傍(例えば、下死点より1mm上方)まで到達した時点で、ワークWの天板部Wtが段形状に成形されることとなる。つまり、複数のビード12・12・・・は、上型20が下死点近傍まで到達した時点で、ワークWの天板部Wtに段形状が成形されるような位置に配置されている。
これにより、ワークWのプレス加工途中の段階から、ワークWの天板部Wtと、下型10の成形面との接触面積を大きくして、天板部Wtの硬度の低下を更に抑制することができる。
また、本実施形態においては、円柱を二等分した形状のビード12を、左右方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて三つ設けたが(図2参照)、ワークWに段形状を付与することができれば、ビードの構成は限定しない。
例えば、図6に示すように、扁平形状のビード212を前後方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて二つ設けることも可能である。
ビード212は、上方から見て、矩形状を成すように、頂面10aから上方に突出し、平坦な上面を有している。ビード212は、下型10の頂面10aの左端部近傍から右端部近傍にかけて連続的に形成され、かつ、下型10の頂面10aの前後方向における一端部近傍から中央部近傍にかけて連続的に形成されている。ビード212は、下型10の頂面10aを凹凸面とするために設けられる。
また、図7に示すように、半球状のビード312を互いに所定の間隔を空けて複数設けることも可能である。
ビード312は、球体を二等分した形状を有しており、その平面(球体を二等分した際の切断面)が頂面10aに接触するように配置されている。ビード312は、左右方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて三つ設けられ、更に当該三つのビード312が前後方向に沿って、互いに所定の間隔を空けて多数設けられている。ビード312は、下型10の頂面10aを凹凸面とするために設けられる。
なお、本実施形態においては、凸部11が形成された下型10、及び凹部21が形成された上型20を用いたが、凹部が形成された下型、及び凸部が形成された上型を用いることも可能である。
また、本実施形態における下型10及び上型20は、ワークWをハット型形状に成形するための形状としたが、当該形状に限定するものではなく、他の金型形状とすることも可能である。
本発明は、加熱されたワークに対して、プレス加工を行うと同時に冷却を行うホットプレス成形、及びホットプレス装置に利用できる。
1 ホットプレス装置
10 下型
10a 頂面
10b 側面
10c 基端面
11 凸部
12 ビード
20 上型
20a 底面
20b 側面
20c 基端面
21 凹部
【0002】
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0007]
本発明は、ワークを充分な冷却速度で焼入れ可能なホットプレス成形方法、及びホットプレス装置を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0008]
本発明ホットプレスの成形方法は、互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を用いて、加熱されたワークに対して、プレス加工を行うと同時に冷却を行うホットプレス成形方法であって、前記上型が下死点近傍まで到達した時点で、前記ワークにおける、前記下型の成形面及び下死点に位置する前記上型の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されように、前記ワークのプレス加工を行う。
[0009]
本発明のホットプレス装置は、互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を具備し、加熱されたワークを前記下型及び前記上型によって挟み込んでプレス加工を行うと同時に、前記ワークの表面に前記下型の成形面及び前記上型の成形面を接触させた状態で保持することで前記ワークを冷却するホットプレス装置であって、前記ワークにおける、前記下型の成形面及び下死点に位置する前記上型の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、前記下型及び前記上型の少なくとも一方の成形面の一部が凹凸面として形成され、前記凹凸面は、前記上型が下死点近傍まで到達した時点で、前記ワークに前記段形状が成形されるような位置に配置される。
[0010]
本発明のホットプレス装置において、前記下型及び前記上型のうちの一方の成形面には、左右方向における中途部において、他方の成形面に向けて突出する凸部が前後方向に沿って連続的に形成され、前記下型及び前記上型のうちの他方の成形面には、左右方向における中途部において、前記凸部の形状に合わせて窪む凹部が前後方向に沿って連続的に形成され、前記凸部が形成された成形面は、当該凸部の突出端部にて左右方向に沿って延在する頂面と、当該頂面の左右方向における両端部から前記凸部の突出方向とは逆方向に延出する二つの側面と、当該二つの側面の延出端部から左右方向に沿って外方に延出する二つの基端面と、から成り、前記頂面が前記凹凸面として形成されることが好ましい。
【0001】
技術分野
[0001]
本発明は、加熱されたワークに対して、プレス加工を行うと同時に冷却を行うホットプレス装置に関する。
背景技術
[0002]
従来、オーステナイト組織が現れる温度以上まで加熱された鋼板等のワークに対して、上型及び下型からなる金型が取り付けられたプレス装置によってプレス加工を行うと同時に、金型とワークとの接触による冷却を利用した焼入れ処理を施すホットプレス成形が広く知られている。
[0003]
ホットプレス成形においては、冷却水が流動する水路を金型の内部に形成することで金型を冷却し、焼入れの際にワークを良好に冷却させる技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
[0004]
しかしながら、プレス加工によるワークの板厚の増減、金型の作製時における成形面の精度誤差、及びプレス加工時における金型の撓み等の影響により、焼入れの際にワークと金型との間にクリアランスが生じる。これに伴い、ワークにおける金型との間のクリアランスが所定値以上となる部分においては、焼入れの際に金型の成形面との接触面積が減少し、充分な冷却速度を担保できず、硬度が所望の値よりも小さくなるという問題が生じるのである。
[0005]
例えば、図8に示すように、平板状のワークWを所謂、ハット型形状に成形する場合においては、プレス加工が施されたワークWの最上部に位置する天板部Wtと、金型との間に比較的大きなクリアランスが生じ易いため、天板部Wtの硬度が所望の値よりも小さくなる可能性が高い。
先行技術文献
特許文献
[0006]
特許文献1:特開2005−7442号公報
【0002】
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0007]
本発明は、ワークを充分な冷却速度で焼入れ可能なホットプレス装置を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0008]
[0009]
本発明のホットプレス装置は、互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を具備し、加熱されたワークを前記下型及び前記上型によって挟み込んでプレス加工を行うと同時に、前記ワークの表面に前記下型の成形面及び前記上型の成形面を接触させた状態で保持することで前記ワークを冷却するホットプレス装置であって、前記下型及び前記上型のうちの一方の成形面には、左右方向における中途部において、他方の成形面に向けて突出する凸部が前後方向に沿って連続的に形成され、前記下型及び前記上型のうちの他方の成形面には、左右方向における中途部において、前記凸部の形状に合わせて窪む凹部が前後方向に沿って連続的に形成され、前記凸部が形成された成形面は、当該凸部の突出端部にて左右方向に沿って延在する頂面と、当該頂面の左右方向における両端部から前記凸部の突出方向とは逆方向に延出する二つの側面と、当該二つの側面の延出端部から左右方向に沿って外方に延出する二つの基端面と、から成り、前記頂面は、前記上型が下死点近傍まで到達した時点で、前記ワークにおける、当該頂面に対応する部分が段形状に成形されるような凹凸面として形成される。
[0010]

Claims (3)

  1. 互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を用いて、加熱されたワークに対して、プレス加工を行うと同時に冷却を行うホットプレス成形方法であって、
    前記ワークにおける、前記下型の成形面及び下死点に位置する前記上型の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、前記ワークのプレス加工を行う、
    ことを特徴とするホットプレス成形方法。
  2. 互いの成形面が対向するように設けられた下型及び上型を具備し、
    加熱されたワークを前記下型及び前記上型によって挟み込んでプレス加工を行うと同時に、前記ワークの表面に前記下型の成形面及び前記上型の成形面を接触させた状態で保持することで前記ワークを冷却するホットプレス装置であって、
    前記ワークにおける、前記下型の成形面及び下死点に位置する前記上型の成形面に対して接触し難い部分が段形状に成形されるように、前記下型及び前記上型の少なくとも一方の成形面が凹凸面として形成される、
    ことを特徴とするホットプレス装置。
  3. 前記下型及び前記上型のうちの一方の成形面には、左右方向における中途部において、他方の成形面に向けて突出する凸部が前後方向に沿って連続的に形成され、
    前記下型及び前記上型のうちの他方の成形面には、左右方向における中途部において、前記凸部の形状に合わせて窪む凹部が前後方向に沿って連続的に形成され、
    前記凸部が形成された成形面は、当該凸部の突出端部にて左右方向に沿って延在する頂面と、当該頂面の左右方向における両端部から前記凸部の突出方向とは逆方向に延出する二つの側面と、当該二つの側面の延出端部から左右方向に沿って外方に延出する二つの基端面と、から成り、
    前記頂面が凹凸面として形成される、
    ことを特徴とする請求項2に記載のホットプレス装置。
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