JPWO2012173252A1 - ウェハーレンズの製造方法及びウェハーレンズ、並びにレンズユニットの製造方法及びレンズユニット - Google Patents

ウェハーレンズの製造方法及びウェハーレンズ、並びにレンズユニットの製造方法及びレンズユニット Download PDF

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Abstract

レンズ部の外径がばらついても、省スペースでレンズ部の外周部とスペーサーとの干渉を防ぐことができるウェハーレンズの製造方法を提供することを目的とする。基板101とスペーサー105とを互いに突き当てずに一定の間隔Xを保った状態で接着剤106を硬化させることにより、第1及び第2ウェハーレンズ100,200上の第2レンズ要素12の外径がばらついても積層時に第2レンズ要素12とスペーサー105とが干渉しないようにすることができる。これにより、スペーサー105が第2レンズ要素12の外周部12bに接触して乗り上げるという不具合を防ぐことができる。また。第1及び第2レンズ要素11,12を成形する転写型である第1及び第2成形型41,42にバッファー領域を設ける場合に比べてレンズ間ピッチを狭くすることができ、第1及び第2成形型41,42のコストを削減することができる。

Description

本発明は、ウェハーレンズの製造方法に関し、特に撮像レンズ等に用いるためのウェハーレンズの製造方法及びこの製造方法によって製造されるウェハーレンズ、並びにウェハーレンズから得られるレンズユニットの製造方法及びこの製造方法によって製造されるレンズユニットに関する。
ウェハーレンズの製造方法として、基板(例えば、ガラス平板)と成形型との間に硬化性樹脂を介在させ該硬化性樹脂を硬化させて、レンズ部を成形するものがある(例えば、特許文献1参照)。この際、レンズ部は基板上に独立して配列されている。このようなウェハーレンズを複数枚積層する場合、ウェハーレンズ同士の間隔を適切に定めることや、接合強度を保つ等の理由からウェハーレンズ間にスペーサーを挟み接着する構成を取ることがある。その際、レンズ部を成形するための樹脂のディスペンス量(分配量)のばらつき等により基板上に成形されたレンズ部の外径がばらつくと、レンズ部の外周部とスペーサーとが接着時に干渉するおそれがある。
一方、レンズ部の外径をコントロールすることを目的として、レンズ部を基板上に成形するための転写型に樹脂のオーバーフロー分を吸収するようなバッファー領域を持たせる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2の方法では、成形後のバッファー領域に由来して積層後に機能を持たない領域が残存するため、レンズ間ピッチを狭くすることが難しいという問題がある。従って、隣り合うレンズ部のレンズ間ピッチが広くなり1枚のウェハー内に配置できるレンズ部の数が減少し、レンズの大量生産に適したウェハーレンズを得ることが難しくなる。また、転写型のバッファー領域に樹脂の拡がりを抑えるための構造を設けると転写型の形状が複雑になり、加工コストが上がったり、加工が困難になったりするという問題もある。
特開2009−226631号公報 特表2009−530135号公報
本発明は、レンズ部の外径がばらついても、省スペースでレンズ部の外周部とスペーサーとの干渉を防ぐことができるウェハーレンズの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、レンズ部の外径がばらついても省スペースでレンズ部の外周部とスペーサーとの干渉を防ぐことによって信頼性を高めたウェハーレンズを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記ウェハーレンズから得られるレンズユニットの製造方法及びこの製造方法によって製造されるレンズユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るウェハーレンズの製造方法は、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズの製造方法であって、一方の基板面上と成形型との間に樹脂を供給し、レンズ部を成形する成形工程と、一方の基板面のスペーサーとの接合面及びスペーサーの一方の基板面との接合面の少なくともいずれか一方の接合面の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、一方の基板面とスペーサーとを一定の間隔を置いて保持する保持工程と、一方の基板面とスペーサーとの間に接着剤を介した状態で接着剤を硬化させる硬化工程と、を備える。ここで、一定の間隔を置くとは、間隔がゼロ、すなわち基板の一方の基板面とスペーサーとが密着した状態ではなく、僅かな隙間が空いている状態をいう。なお、この一定の間隔を置くための調整は、基板とスペーサー(例えば端面)との位置関係を基準にして行うことができる。また、例えばウェハーレンズを複数枚積層する際には、基板と基板との位置関係を基準にして間隔を調整することもできる。この場合、ウェハーレンズの樹脂の厚みにばらつきがある場合でもスペーサーの寸法に誤差がある場合でも、積層を精度良く行うことができる。
上記ウェハーレンズの製造方法によれば、基板とスペーサーとを一定の間隔を保った状態で接着剤を硬化させることにより、ウェハーレンズ上のレンズ部の外径がばらついてレンズ部の一部が基板とスペーサーとの間に配置されても積層時にレンズ部とスペーサーとが干渉しないようにすることができる。これにより、スペーサーがレンズ部の外周部に接触して乗り上げるという不具合を防ぐことができる。また、レンズ部を成形する転写型にバッファー領域を設ける場合に比べてレンズ間ピッチを狭くすることができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記ウェハーレンズの製造方法の成形工程において、一方の基板面上と成形型との間のレンズ部に対応する位置毎に、樹脂を個別に供給する。この場合、基板面上に複数のレンズ部を互いに分離した状態で形成することができる。
本発明の別の観点では、塗布工程の後に保持工程を行う。この場合、基板及び/又はスペーサーに接着剤を塗布した後に、基板とスペーサーとを一定の間隔を空けて対向させる。
本発明のさらに別の観点では、保持工程の後に塗布工程を行う。この場合、基板とスペーサーとを一定の間隔を空けて対向させた状態で、基板とスペーサーとの間隙に接着剤が充填される。
本発明のさらに別の観点では、基板面に平行な少なくとも1つの方向におけるレンズ部の光学面の外縁とレンズ部の外周部の外縁との距離は、対応する方向におけるレンズ部の光学面の外縁とスペーサーの開口の縁との距離よりも大きい。ここで、スペーサーの開口の縁は、基板面に対向するスペーサーの端面のエッジ又は角のことである。この場合、レンズ部の外周部が基板とスペーサーとの間に形成されることとなるが、基板とスペーサーとの間に一定の間隔が設けられているため、スペーサーがレンズ部の外周部に接触することを防ぐことができる。
本発明のさらに別の観点では、基板面に平行な少なくとも1つの方向におけるレンズ部の外周部のうちスペーサーと重なる位置の厚みの最大値は、一方の基板面とスペーサーとの一定の間隔よりも薄い。この場合、レンズ部の外周部がスペーサーに確実に突き当たらないようにすることができる。なお、スペーサーとの接合に際しての基板面とは、基板の表面を意味するものとし、基板の表面に絞りその他の薄膜が形成されている場合、レンズ部の外周部の厚みは、薄膜の厚みを加算したものを基準にするものとする。
本発明のさらに別の観点では、レンズ部を有する基板がスペーサーを介して2層以上に積層される。この場合、各層のレンズ部の外径がばらついていても積層時にレンズ部とスペーサーとが干渉しないようにすることができる。
本発明のさらに別の観点では、レンズ部は、互いに分離した状態で独立して配列されている。ここで、レンズ部が基板面上で独立していると、基板面とレンズ部の外周部とで形成される段差は、レンズ部が繋がっている場合よりも大きくなる。基板とスペーサーとを互いに突き当てずに一定の間隔を保った状態にすることにより、ウェハーレンズ上のレンズ部の段差が大きくなり或いはばらついても積層時にレンズ部とスペーサーとが干渉しないようにすることができる。
本発明のさらに別の観点では、成形工程において、レンズ部は、レンズ部の成形面を転写する転写面を有する転写型によって成形され、転写面は、撥水性を有する。この場合、転写面が撥水性を有することにより、ウェハーレンズの離型を容易にすることができる。
本発明のさらに別の観点では、一方の基板面に、親水化処理を行う。この場合、具体的には、基板面に親水化処理として例えばカップリング処理やプラズマ処理等を行うことにより、基板面と樹脂との接着性を良くすることができる。なお、上記処理を行うことにより、レンズ部の外周部が比較的大きく広がるが、基板とスペーサーとの間に一定の間隔が設けられているため、レンズ部の外周部がスペーサーに突き当たることを防ぐことができる。
上記課題を解決するため、本発明に係るウェハーレンズは、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズであって、スペーサーの開口の縁において、レンズ部の外周部の厚みは、一方の基板面とスペーサーとの間隔よりも薄い。
上記ウェハーレンズによれば、基板とスペーサーとが接着剤を介して一定の間隔を有することにより、レンズ部の外周部がスペーサーに突き当たることを防ぐことができる。これにより、ウェハーレンズ上のレンズ部の外径がばらついてレンズ部の一部が基板とスペーサーとの間に配置されても積層時にレンズ部とスペーサーとが干渉しないようにすることができる。また、レンズ部を成形する転写型にバッファー部を設ける場合に比べてレンズ間ピッチを狭くすることができ、ウェハーレンズを成形するための転写型のコストを削減することができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記ウェハーレンズにおいて、レンズ部の少なくとも1つは、他のレンズ部から分離した状態で独立している。この場合、ウェハーレンズは、例えば個々のレンズ部が互いに分離したもの、所定数のレンズ部が互いに繋がった複眼レンズ同士が互いに分離したもの等となる。
本発明の別の観点では、レンズ部の光軸と平行方向に切断した跡を有し、切断した跡の断面は、少なくともスペーサーを含むスペーサー層と、接着剤を含む接着層と、レンズ部の外周部を含む樹脂層とを有する。この場合、ウェハーレンズの切断した跡の断面において、樹脂層とスペーサー層とは、接着層を間に挟んでおり、レンズ部の外周部がスペーサーに干渉しない状態となっている。
上記課題を解決するため、本発明に係るレンズユニットの製造方法は、上述のウェハーレンズを切り出すダイシング工程を備える。ここで、レンズユニットは、積層された複数枚のウェハーレンズから切り出されたものに限らず、1枚のウェハーレンズから切り出されたものも含まれる。
上記レンズユニットの製造方法によれば、上述のウェハーレンズを切り出しているため、レンズユニットの寸法精度を良好にすることができる。また、レンズ間ピッチが狭いウェハーレンズを用いることができるため、レンズユニットを大量に製造することができる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記レンズユニットの製造方法において、ダイシング工程前に、ウェハーレンズと、少なくとも1枚の他のウェハーレンズとをスペーサーを介した状態で積層する積層工程を備える。この場合、ウェハーレンズを2枚以上積層した場合でも、寸法精度が良好なレンズユニットを製造することができる。
上記課題を解決するため、本発明に係る第1のレンズユニットは、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含むレンズ部とを有する少なくとも1つの複合レンズと、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるレンズユニットであって、スペーサーの開口の縁において、レンズ部の外周部の厚みは、一方の基板面とスペーサーとの間隔よりも薄い。
上記第1のレンズユニットによれば、スペーサーの開口の縁において、レンズ部の外周部の厚みが一方の基板面とスペーサーとの間隔よりも薄いため、レンズ部とスペーサーとが干渉せず、レンズユニットの寸法精度が良好となる。
上記課題を解決するため、本発明に係る第2のレンズユニットは、上述のレンズユニットの製造方法を用いて製造される。
上記第2のレンズユニットによれば、上述のウェハーレンズを切り出しているため、レンズユニットの寸法精度を良好にすることができる。
図1Aは、積層したウェハーレンズの平面図であり、図1Bは、図1Aに示す積層したウェハーレンズのAA矢視断面図である。 図1Aのウェハーレンズの部分拡大図である。 図3A〜3Eは、ウェハーレンズの製造工程を説明するための図である。 図4は、第1実施形態のウェハーレンズの製造方法に用いる積層装置を説明する概念図である。 図5は、ウェハーレンズの製造工程のうち成形工程について説明するフローチャートである。 図6は、ウェハーレンズの製造工程のうちスペーサー取付工程について説明するフローチャートである。 図7は、ウェハーレンズの製造工程のうちウェハーレンズ積層工程について説明するフローチャートである。 図8Aは、レンズユニットの断面図であり、図8Bは、積層したウェハーレンズをダイシングする際の概念図である。 図9は、第2実施形態のウェハーレンズの製造方法に用いる積層装置を説明する概念図である。 図10は、第3実施形態の積層したウェハーレンズを説明する断面図である。 図11は、第4実施形態の積層したウェハーレンズを説明する断面図である。 図12は、第5実施形態のウェハーレンズを説明する断面図である。 図13Aは、第6実施形態のウェハーレンズの製造工程のうちスペーサー取付工程について説明するフローチャートであり、図13Bは、ウェハーレンズ積層工程について説明するフローチャートである。 図14は、図1A等に示すウェハーレンズの変形例について説明する図である。 図15は、図8Aのレンズユニットの変形例を説明する図である。
〔第1実施形態〕
A)ウェハーレンズ
図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るウェハーレンズについて説明する。
図1A及び1Bに示すように、積層構造体1000は、第1ウェハーレンズ100及び他のウェハーレンズである第2ウェハーレンズ200、すなわちxy面に平行に延びる2枚のウェハーレンズをZ軸方向に積層したものである。積層構造体1000をダイシングによって切り出すことにより、複合レンズ10が2枚積層されたレンズユニット2000(図8A参照)を得ることができる。なお、積層構造体1000も広義のウェハーレンズとする。
積層構造体1000のうち第1ウェハーレンズ100は、スペーサー付ウェハーレンズである。第1ウェハーレンズ100は、例えば円盤状であり、基板101と、第1樹脂層102と、第2樹脂層103と、絞り104と、スペーサー105とを有する。ここで、第1及び第2樹脂層102,103は、軸AXに垂直なxy面内での並進及び軸AXのまわりの回転に関して相互にアライメントされて基板101に接合されている。第1ウェハーレンズ100には、これを構成する光学素子として、多数の複合レンズ10が形成されxy面に沿って2次的に配列されている。各複合レンズ10は、光軸OA方向(紙面上下方向)に積層された構造を有し、光軸のまわりに光学面を形成するレンズ本体10aと、レンズ本体10aの周辺に存在するフランジ部10bとを有する。
第1ウェハーレンズ100のうち基板101は、第1ウェハーレンズ100の全体に亘って延びる平板であり、ガラスで形成されている。基板101の厚さは、基本的には光学的仕様によって決定されるが、第1ウェハーレンズ100の離型時において破損しない程度の厚さとなっている。基板101は、第1及び第2樹脂層102,103に挟まれた下地部分として、複合レンズ10のうち中央のレンズ本体10aと、その周辺に延在する環状のフランジ部10bとを部分的に構成する。なお、基板101は樹脂やセラミックで形成されていてもよい。
第1樹脂層102は、樹脂製であり、基板101の一方の面101a上に形成されている。第1樹脂層102は、複数の第1レンズ要素11を有する。各第1レンズ要素11は、互いに分離した状態で独立しており、複合レンズ10のレンズ本体10aの上部を構成する。各第1レンズ要素11は、基板101上のxy面内で2次元的に配列されている。第1レンズ要素11は、例えば凸形状の非球面型のレンズ部であり、第1光学面11aを有している。各第1レンズ要素11の第1光学面11aは、転写によって一括成形される第1成形面102aとなっている。第1樹脂層102において、各第1レンズ要素11の第1光学面11aの周囲には外周部11bが形成されている。外周部11bは、成形時において、転写型の第1光学面11aを成形する転写面からあふれた樹脂によって形成される。なお、外周部11bは、光学機能等の特定の機能を有しない。
第1樹脂層102は、光硬化性樹脂で形成されている。光硬化性樹脂には、光硬化性樹脂の重合を開始させる光重合開始剤が含まれている。光硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、アリルエステル樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂等を使用することができる。アクリル樹脂、アリルエステル樹脂、及びビニル系樹脂を使用する場合、光重合開始剤のラジカル重合により反応硬化させることができ、エポキシ系樹脂を使用する場合、光重合開始剤のカチオン重合により反応硬化させることができる。
第2樹脂層103は、第1樹脂層102と同様に、樹脂製であり、基板101の他方の面101b上に形成されている。第2樹脂層103は、複数の第2レンズ要素12を有する。各第2レンズ要素12は、互いに分離した状態で独立しており、複合レンズ10のレンズ本体10aの下部を構成する。各第2レンズ要素12は、基板101上のxy面内で2次元的に配列している。各第2レンズ要素12の位置は、基板101の反対側の各第1レンズ要素11の位置に対応している。第2レンズ要素12は、例えば凸形状の非球面型のレンズ部であり、第2光学面12aを有している。各第2レンズ要素12の第2光学面12aは、転写によって一括成形される第2成形面103aとなっている。第2樹脂層103において、各第2レンズ要素12の第2光学面12aの周囲には外周部12bが形成されている。外周部12bは、成形時において、転写型の第2光学面12aを成形する転写面からあふれた樹脂によって形成される。なお、外周部12bは、光学機能等の特定の機能を有しない。
第2樹脂層103に用いられる光硬化性樹脂は、第1樹脂層102の光硬化性樹脂と同様のものである。ただし、両樹脂層102,103を同一の光硬化性樹脂で形成する必要はなく、別の光硬化性樹脂で形成することができる。
絞り104は、基板101と第1樹脂層102との間、及び基板101と第2樹脂層103との間に設けられている。絞り104は、絞り部材である絞り本体104aと、開口104bとを有する。絞り本体104aは、基板101の少なくともいずれか一方の面101a,101bのレンズ本体10aを除いた領域の一部に形成されている。絞り本体104aは、レンズ本体10aに干渉しないように配置されている。開口104bは、略円形であり、レンズ本体10aに対応する位置に開口中心を光軸OAと一致させるように形成されている。絞り本体104aは、遮光性の金属膜、レジスト、シリコン成膜物、カーボン成膜物等で形成されている。なお、絞り本体104aは、基板101と第1樹脂層102との間及び基板101と第2樹脂層103との間のいずれか一方に設けるのみでもよい。
スペーサー105は、第1ウェハーレンズ100と第2ウェハーレンズ200との間にアライメントされた状態で固定されている。スペーサー105は、ガラスや樹脂等の光透過性の材料又は光非透過性の材料からなる。スペーサー105は、図面では縦方向に誇張しているが、全体として平板状の部材であって、レンズ本体10aに対応する部分に穴が開けられている。つまり、スペーサー105は、スペーサー本体105aと、開口105bとを有する。スペーサー本体105aは、第1ウェハーレンズ100において、第2樹脂層103側において、レンズ本体10aの第2レンズ要素12に干渉しないように、複数の隣接するレンズ本体10a間の空間を埋めるように配置されている。スペーサー本体105aは、第2ウェハーレンズ200に対する第1ウェハーレンズ100の支持部材となっている。開口105bは、略円形であり、レンズ本体10aに対応する位置に円柱状にくり抜かれた貫通孔として形成されている。なお、スペーサー105の輪郭形状は、円形に限らず、四角形等でもよい。スペーサー本体105aの一方の端面105cは、第1ウェハーレンズ100の基板101の他方の面101bと接着剤106を介して接合されている。また、スペーサー本体105aの他方の端面105dは、第2ウェハーレンズ200の基板101の一方の面101aと接着剤106を介して接合されている。接着剤106は、例えば光硬化性樹脂を用いている。基板101の他方の面(基板面)101b又は一方の面(基板面)101aとスペーサー105の一方の端面105c又は他方の端面105dとの間には、一定の間隔Xがそれぞれ設けられている。
ここで、図2に拡大して示すように、基板101の他方の面101bとスペーサー105の端面との間に、第2レンズ要素12の外周部12bが延在する場合(図中の点線)がある。このような状態は、スペーサー105の開口105bの径の大きさのばらつきや、第1ウェハーレンズ100に対するスペーサー105の位置のずれ、またはディスペンス量のばらつきや基板101の表面の濡れ性によって生じる。この場合、xy面、すなわち基板101の他方の面101bに平行な少なくも1つの方向における第2レンズ要素12の第2光学面12aの外縁と第2レンズ要素12の外周部12bの外縁との距離L2が、対応する方向における第2レンズ要素12の第2光学面12aの外縁とスペーサー105の開口105bの縁105eとの距離L1より大きくなる。ここで、開口105bの縁105eは、基板101の他方の面101bに対向するスペーサー105の一方の端面105cのエッジ又は角のことである。第1ウェハーレンズ100は、上記のような場合でも、開口105bの縁105eにおいて、外周部12bの厚みが基板101の他方の面101bとスペーサー105の一方の端面105cとの間隔Xよりも薄くなっている。つまり、第1ウェハーレンズ100は、少なくとも1つの方向(AB方向)におけるスペーサー105と重なる位置の外周部12bの厚さ(光軸方向の厚み)の最大値tが上記一定の間隔Xよりも薄いため、換言すれば、間隔Xが最大値tよりも大きいため、第2レンズ要素12の外周部12bがスペーサー本体105aの端面105cに突き当たらないようになっている。ここで、最大値tは、通常、スペーサー105の開口105bの縁105eの光軸OA方向における外周部12bの厚さである。第2レンズ要素12の外周部12bの厚さの最大値tは、樹脂の既知の吐出量のばらつきから決まる最大吐出量、又は既知の成形型、基板101或いはスペーサー105の表面の濡れ性や形状から予測される。この予測された最大値tをもとに間隔Xが決定される。なお、間隔Xは、絞り104の厚さも考慮して決定される。具体的には、基板101の他方の面101b上に絞り104が設けられている場合、絞り104の表面401aからの高さとして見積もられた最大値tに対して例えば絞り104の厚みt2を加算した修正最大値t'=t+t2を基準として間隔Xが決定されるため、絞り104とスペーサー105とが密着しないようになっている。なお、以上ではAB方向についてのみ最大値tと間隔Xとの関係を説明したが、AB方向に垂直なCD方向やこれらの中間方向についても、最大値tと間隔Xとの間に上記と同様の関係が成り立つことが望ましい。
第2ウェハーレンズ200は、スペーサーなしのウェハーレンズである。第2ウェハーレンズ200は、第1ウェハーレンズ100と同様に、例えば円盤状であり、基板101と、第1樹脂層102と、第2樹脂層103とを有する。第2ウェハーレンズ200においても、第1ウェハーレンズ100と同様に、少なくとも1つの方向において第1ウェハーレンズ100に設けたスペーサー105と重なる位置の外周部11bの厚さの最大値tは、上記一定の間隔X(具体的には、基板101の一方の面(基板面)101bとスペーサー105の他方の端面105dとの間隔X)よりも薄くなっている。ここで、基板101の一方の面101a上に絞り104が設けられている場合、絞り104の厚みt2を考慮して間隔Xが決定される。なお、第2ウェハーレンズ200の構成は、スペーサー105以外は第1ウェハーレンズ100の構成と同様であるため、説明を省略する。
B)レンズ製造装置
以下、図3A〜3E及び図4を参照しつつ、図1A等に示すウェハーレンズ100,200を製造するためのレンズ製造装置の一例について説明する。
レンズ製造装置は、図3C等に示す成形装置(成形型40のみ図示)と、図4に示す積層装置50とを備える。
B−1)成形装置
成形装置は、流動体状の樹脂を成形型40又は基板101上に流し込み、硬化させ第1及び第2ウェハーレンズ100,200の成形を行うためのものである。第1ウェハーレンズ100については、スペーサー105を取り付ける以前の状態(以下、未積層ウェハーレンズ110とする。)まで作製することができる。以下、未積層ウェハーレンズ110及び第2ウェハーレンズ200は同様の構成であり、説明を簡易にするため、第1ウェハーレンズ100の完成前の未積層ウェハーレンズ110について主に説明する。
図示は省略するが、成形装置は、主要な部材である成形型40の他に、成形型40に移動、開閉動作等を行わせるための成形型昇降装置、樹脂を基板101に塗布するための樹脂塗布装置、樹脂を硬化させるためのUV光発生装置、成形した第1及び第2ウェハーレンズ100,200を取り出すための離型装置、これらの装置を駆動するための制御駆動装置等を備える。また、ウェハーレンズやスペーサーとの相互のアライメントを取る装置(カメラと軸)を備える。なお、成形装置とは独立した装置として樹脂塗布装置、離型装置を設けても良い。
図3C等に示すように、成形型40は、第1成形型41と、第2成形型42とを備える。第1樹脂層102及び第2樹脂層103は、基板101の両面101a,101bに順次成形され、離型の際に、一方の第1成形型41は基板101の一方の面101a側に第1樹脂層102に密着して配置された状態となる。他方の第2成形型42は基板101の他方の面101b側に第2樹脂層103に密着して配置された状態となる。
第1成形型41は、未積層ウェハーレンズ110の第1成形面102aを成形するためのものである。第1成形型41は、光透過性のガラス製であり、肉厚の円板上の外形を有する。第1成形型41は、基板101側の端面41a上に、第1樹脂層102の第1成形面102aに対応する第1転写面41bを有する。第1転写面41bは、第1成形面102aの各第1光学面11aを形成するための第1光学面転写面41cを有する。第1光学面転写面41cは、アレイ状に複数個配置されており、第1光学面11aの形状に対応して略半球の凹形状に形成されている。なお、第1成形型41は透明材料であれば良く、例えば樹脂製や、ガラス基板上に樹脂製で型を形成したものでも良い。
第2成形型42は、未積層ウェハーレンズ110の第2成形面103aを成形するためのものである。第2成形型42も、第1成形型41と同様に、光透過性のガラス製であり、肉厚の円板状の外形を有する。第2成形型42は、基板101側の端面42a上に、第2樹脂層103の第2成形面103aに対応する第2転写面42bを有する。第2転写面42bは、第2成形面103aの各第2光学面12aを形成するための第2光学面転写面42cを有する。第2光学面転写面42cは、アレイ状に複数個配置されており、第2光学面12aの形状に対応して略半球の凹形状に形成されている。
以上において、第1及び第2転写面41b,42bには、撥水加工が施されている。これにより、未積層ウェハーレンズ110の離型を容易にすることができる。
B−2)積層装置
図4の積層装置50は、第1ウェハーレンズ100を構成するスペーサー105の取り付けを行うためのものである。また、積層装置50は、スペーサー105が取り付けられた第1ウェハーレンズ100と第2ウェハーレンズ200とを積層するためのものである。
積層装置50は、第1支持体51と、第2支持体52と、チルト制御部53と、Z軸制御部54と、位置センサー部55と、吸着装置56と、総制御部57とを備える。なお、積層装置50は、図示を省略するが、接着剤106をスペーサー105に塗布するための接着剤塗布装置、接着剤を硬化させるためのUV光発生装置を備える。
第1支持体51は、スペーサー105を支持するためのものである。第1支持体51は、未積層ウェハーレンズ110等の被取付対象物の下側、すなわち積層装置50の下側に設けられている。第1支持体51は、平坦な平板であり、スペーサー105をXY面に対して平行に保つことができる。第1支持体51のスペーサー105の設置面には、スペーサー105の端面105d(図1Bの拡大図参照)を吸着するための複数の吸着穴51aが形成されている。各吸着穴51aは吸着装置56に連通されている。スペーサー105の吸着時において、第1支持体51の端面51bは、スペーサー105の端面と密着した状態になる。
第2支持体52は、未積層ウェハーレンズ110を支持するためのものである。第2支持体52は、未積層ウェハーレンズ110等の被取付対象物の上側、すなわち積層装置50の上側に設けられている。第2支持体52は、平坦な平板であり、未積層ウェハーレンズ110をXY面に対して平行に保つことができる。第2支持体52には、未積層ウェハーレンズ110の第1レンズ要素11に対応する位置にレンズ保護穴52aが形成されている。レンズ保護穴52aの直径は、第1レンズ要素11の第1光学面11aの外縁よりも比較的大きくなっている。レンズ保護穴52aの深さは、第1レンズ要素11の第1光学面11aが接触しない程度になっている。各レンズ保護穴52aの略中央には、未積層ウェハーレンズ110を吸着するための吸着穴52bが形成されている。各吸着穴52bは、吸着装置56に連通されている。未積層ウェハーレンズ110の吸着時において、第2支持体52の端面52cは、未積層ウェハーレンズ110の基板101の一方の面101aと密着した状態になる。なお、第2支持体52の外周には、下方、すなわち第1支持体51側に延びる位置測定部52dが設けられている。位置測定部52dは、後述する位置センサー部55の被検出対象部である。
チルト制御部53は、第2支持体52をXY面に平行に支持するためのものである。チルト制御部53は、第2支持体52の未積層ウェハーレンズ110を吸着する面の反対側の面に例えば3箇所を保持するように設けられている。チルト制御部53には、例えばサーボモーター、圧電アクチュエーター等が用いられる。チルト制御部53を動作することにより、第2支持体52の傾きを調整することができる。
Z軸制御部54は、第2支持体52のZ軸方向の位置を調整するためのものである。Z軸制御部54は、保持板54aと、Z軸制御駆動部54bとを有する。Z軸制御部54のうち保持板54aは、チルト制御部53を介して第2支持体52を保持する。Z軸制御駆動部54bは、第2支持体52の反対側に設けられている。Z軸制御部54には、例えばサーボモーター等が用いられる。Z軸制御部54を動作することにより、保持板54aを介して第2支持体52のZ軸方向の位置を調整することができる。
位置センサー部55は、未積層ウェハーレンズ110の位置を検出するためのものである。位置センサー部55には、第2支持体52の位置測定部52dに対向するように検出部55aが設けられている。検出部55aは、第2支持体52の位置測定部52dからの検出情報を検出する。検出された検出情報に基づいて、第2支持体52の位置、具体的にはZ軸方向の位置及び傾き等が測定される。第2支持体52の位置は、スペーサー105の吸着固定面である第1支持体51の端面51bの位置(又は延長平面)C1を基準とし、端面51bの位置C1に対する未積層ウェハーレンズ110の吸着固定面である第2支持体52の端面52cの位置(又は延長平面)C2によって求められる。例えば、未積層ウェハーレンズ110にスペーサー105を取り付ける場合、未積層ウェハーレンズ110の基板101とスペーサー105との位置関係を基準にして間隔Xの調整が行われる。また、第1及び第2ウェハーレンズ100,200を積層する場合、両ウェハーレンズ100,200の基板101の位置関係を基準にして間隔Xの調整が行われる。基板101上に絞り104が設けられている場合、基板101本体の表面を基準とすることができるが、絞り104の表面を基準とすることもできる。位置センサー部55には、例えば光エンコーダー、レーザー変位計、静電容量センサー等が用いられる。
総制御部57は、チルト制御部53とZ軸制御部54との動作を制御する。総制御部57は、位置センサー部55の測定結果に基づいて、チルト制御部53とZ軸制御部54との動作を制御する。
C)ウェハーレンズの製造方法
図3A〜3E、図4、図5、及び図6を参照しつつ、上述の成形装置、積層装置50を使用して行われる第1ウェハーレンズ100の製造工程について説明する。なお、以下では第1ウェハーレンズ100の成形等について説明するが、第2ウェハーレンズ200についても同様の工程を行う。
〔成形工程〕
成形工程は、図3Cに示す第1及び第2成形型41,42を用いつつ、不図示の昇降装置と、樹脂塗布装置と、UV光発生装置とを動作させることで行われる。成形工程は、図5に示すように、絞り形成工程(ステップS11)と、基板処理工程(ステップS12)と、第1樹脂層成形工程(ステップS13)と、第2樹脂層成形工程(ステップS14)と、離型工程(ステップS15)とを備える。
まず、図3Aに示すように、基板101の両面101a,101b上に絞り104を形成する(ステップS11)。絞り104は、例えば基板101の両面101a,101b上に蒸着やスパッタリング等によって不透明な金属膜を成膜し、その後、開口を形成するためのパターニングをすることよって形成する。また、絞り104は、暗色のフォトレジストを成膜し、その後、開口を形成するためのパターニングをすることによっても形成することができる。
次に、基板101の両面101a,101bにシランカップリング処理又はプラズマ処理等の親水化処理を施す(ステップS12)。これにより、基板101の樹脂に対する濡れ性が向上し、樹脂の接着をより良くすることができる。
次に、第1樹脂層102を成形する(ステップS13)。図3Bに示すように、不図示の樹脂塗布装置を動作させ、第1成形型41の各第1光学面転写面41c上に個別にそれぞれ、所定量の樹脂を供給する。ここで、所定量とは、成形型で押圧したときに成形型の第1レンズ要素11に対応する部分が完全に樹脂で充填され、かつ第1レンズ要素11に対応する部分からわずかにあふれる量である。なお、理想状態では樹脂があふれないことが最良ではあるが、ディスペンス量のばらつきからあえてわずかにあふれさせることを行っている。結果的に、第1成形型41の第1転写面41bにおいて、樹脂が互いに離間してドット状に配列する。不図示の昇降装置を動作させ、第1成形型41の上方から基板101を一方の面101aを第1成形型41に向けて押圧する。第1成形型41の端面41aと基板101の一方の面101aとの間には僅かな隙間が形成される。この際、樹脂は、第1光学面転写面41cからわずかにはみ出す。基板101を押圧した状態で不図示のUV光発生装置を動作させ紫外線を照射し、第1成形型41と基板101との間に挟まれた樹脂を硬化させる。この際、樹脂に第1成形型41の第1転写面41bが転写される。
次に、基板101の他方の面101b上に第2樹脂層103を成形する(ステップS14)。昇降装置を動作させ、図3Cに示すように、基板101と第1成形型41とを第1樹脂層102を介して一体化させた状態で反転させ、基板101の他方の面101bが下側になるようにする。樹脂塗布装置を動作させ、第2成形型42の各第2光学面転写面42c上に、所定量の樹脂を供給する。結果的に、第2成形型42の第2転写面42bにおいて、樹脂が互いに離間しドット状に配列する。第2成形型42を第1成形型41等に対してアライメントさせた状態で、昇降装置を動作させ、第2成形型42の上方から基板101を他方の面101bを第2成形型42に向けて押圧する。第2成形型42の端面42aと基板101の他方の面101bとの間には僅かな隙間が形成される。この際、樹脂は、第2光学面転写面42cからわずかにはみ出す。基板101を押圧した状態で不図示のUV光発生装置を動作させ紫外線を照射し、第2成形型42と基板101との間に挟まれた樹脂を硬化させる。この際、樹脂に第2成形型41の第2転写面42bが転写される。
最後に、不図示の離型装置を動作させ、図3Dに示すように、第1及び第2成形型41,42から未積層ウェハーレンズ110を離型する(ステップS15)。
〔スペーサー取付工程〕
次に、成形された第1ウェハーレンズ100にスペーサー105を取り付けるスペーサー取付工程について説明する。スペーサー取付工程は、図6に示すように、塗布工程(ステップS21)と、保持工程(ステップS22)と、硬化工程(ステップS23)とを備える。
まず、予めステップS11〜S15により成形された未積層ウェハーレンズ110を第2樹脂層103を下側に向けて積層装置50の第2支持体52に吸着させておく。また、未積層ウェハーレンズ110に取り付けるスペーサー105を第1支持体51に吸着させておく。
次に、スペーサー105の一方の端面105cに接着剤106を塗布する(ステップS21)。スペーサー105への接着剤106の塗布は、スクリーン印刷又はディスペンス等を用いる。その後、Z軸制御部54を動作させ、未積層ウェハーレンズ110を降下させる。この際、第2支持体52の位置は、位置センサー部55によって測定されている。そのため、未積層ウェハーレンズ110の降下の際にも、未積層ウェハーレンズ110は、チルト制御部53の動作により、傾きが補正され、第2支持体52の端面52cが第1支持体51の端面51bに対して平行になっている。
次に、図4に示すように、未積層ウェハーレンズ110とスペーサー105とを近接させて保持する。すなわち、基板101とスペーサー105とを一定の間隔Xをおいて保持する(ステップS22)。ここで、一定の間隔Xとは、ゼロに近いがゼロではなく、第1又は第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bがスペーサー105の端面105cに突き当たらない十分な間隔である。具体的には、図2の間隔Xに相当する。位置センサー部55の測定結果に基づいて、Z軸制御部54は、基板101とスペーサー105とが一定の間隔Xを維持するように保持する。
次に、基板101とスペーサー105とを一定の間隔Xに保持した状態で、不図示のUV光発生装置を動作させ、第1支持体51又は第2支持体52越しに照射されるUV光によって接着剤106を硬化させ固化層とする(ステップS23)。これにより、図3Eに示すように、未積層ウェハーレンズ110にスペーサー105を取り付けることになり、第1ウェハーレンズ100が作製される。
なお、図3Bに示すように基板101の一方の面101aに成形型40を用いて第1樹脂層102を成形した後に離型し、第1レンズ要素11とスペーサー105とを対向させてスペーサー取付工程を行っても良い。この場合、スペーサー105が台となるため基板101のソリを防止することが可能となることや、図4に示すように第1レンズ要素11を保護した状態で吸着する場合に比べ吸着治具構造を簡素化できるなどの利点がある。
〔ウェハーレンズ積層工程〕
次に、図7を参照しつつ、上述のように作製した第1ウェハーレンズ100と第2ウェハーレンズ200とを積層するウェハーレンズ積層工程について説明する。ウェハーレンズ積層工程は、塗布工程(ステップS31)と、積層工程(ステップS32)と、硬化工程(ステップS33)とを備える。なお、ウェハーレンズ積層工程では、図4の積層装置50において、第1又は第2ウェハーレンズ100,200の第1又は第2レンズ要素11,12が傷つかないように、第1又は第2ウェハーレンズ100,200の第1又は第2レンズ要素11,12に対応した凹みを有する支持治具を用いることが望ましい。
まず、予めステップS11〜S15により成形された第2ウェハーレンズ200を第1樹脂層102を下側に向けて積層装置50の第2支持体52に吸着させておく。また、第2ウェハーレンズ200に取り付ける対象である第1ウェハーレンズ100をスペーサー105を上側にして第1支持体51に吸着させておく。
次に、スペーサー105の他方の端面105dに接着剤106を塗布する(ステップS31)。その後、Z軸制御部54を動作させ、第2ウェハーレンズ200を降下させる。
次に、第2ウェハーレンズ200の基板101とスペーサー105とを一定の間隔Xをおいて保持し、第1及び第2ウェハーレンズ100,200を積層する(ステップS32)。
次に、第1及び第2ウェハーレンズ100,200を積層した状態で、不図示のUV光発生装置を動作させ、接着剤106を硬化させる(ステップS33)。これにより、図1B等に示す積層構造体1000が作製される。
以上説明したウェハーレンズの製造方法によれば、基板101とスペーサー105とを互いに突き当てずに一定の間隔Xを保った状態で接着剤106を硬化させることにより、第1及び第2ウェハーレンズ100,200上の第2レンズ要素12の外径がばらついてもスペーサー付の第1ウェハーレンズ100の作製時に第2レンズ要素12とスペーサー105とが干渉しないようにすることができ、また、第1及び第2ウェハーレンズ100,200の積層時に第1レンズ要素11とスペーサー105とが干渉しないようにすることができる。これにより、スペーサー105が第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bに接触して乗り上げるという不具合を防ぐことができる。また。第1及び第2レンズ要素11,12を成形する転写型である第1及び第2成形型41,42にバッファー領域を設ける場合に比べてレンズ間ピッチを狭くすることができる。また、第1及び第2ウェハーレンズの基板101の位置関係を基準にして間隔Xの調整をすることにより、第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bの厚みにばらつきがある場合でもスペーサー105の寸法に誤差がある場合でも、第1及び第2ウェハーレンズ100,200の積層を精度良く行うことができる。さらに、成形型のバッファー領域に樹脂の拡がりを抑えるための構造を設けることも不要となるため、第1及び第2成形型41,42のコストを削減することができる。
また、積層装置50を用いることにより、第1及び第2ウェハーレンズ100,200で構成されるスペーサー105を介在させた積層構造体1000の総厚を、基板101やスペーサー105の厚みのばらつきによらず、所望の値に管理することができる。さらに、成形された第1及び第2光学面11a,12aの形状ばらつきに起因する積層構造体1000の設置用基準面(例えば第2ウェハーレンズ200の基板面101b)から焦点位置までのばらつきを一定に保つこともできる。
D)複合レンズ
図8Aに示すレンズユニット2000は、第1複合レンズ80と第2複合レンズ90とを備える。レンズユニット2000は、例えば四角柱状の部材であり、光軸OA方向から見て四角形の輪郭を有する。なお、レンズユニット2000は、例えば別途準備したホルダーに収納され、撮像レンズとして撮像回路基板に接着される。
第1複合レンズ80(図1A等に示す複合レンズ10に相当)は、既に説明した第1レンズ要素11と、第2レンズ要素12と、これらの間に挟まれた平板部13とを備える。平板部13は、基板101を切り出した部分である。第1複合レンズ80において、第1及び第2レンズ要素11,12の形状は同一でも異なる形状であってもよい。
第2複合レンズ90(図1A等に示す複合レンズ10に相当)は、第1複合レンズ80と同様に、第1レンズ要素11と、第2レンズ要素12と、これらの間に挟まれた平板部13とを備える。
E)複合レンズの製造方法
図8Aに示すレンズユニット2000を作製するために、第1及び第2ウェハーレンズ100,200が用いられる。第1及び第2ウェハーレンズ100,200は、ウェハーレンズの積層工程を経て、スペーサー105を介して積層された状態で接着剤106によって固定されている。積層された第1及び第2ウェハーレンズ100,200、すなわち積層構造体1000は、ダイシング工程によって図8Bに示す破線部分DXで切り出され、レンズユニット2000となる。なお、本実施形態では、第1及び第2レンズ要素11,12が基板101上に互いに独立して形成されているため、ダイシング工程の際には、基板101(絞りを含む)、スペーサー105、及び接着剤106が切断される。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
図5に示すステップS11〜S15の成形工程を行うことにより、未積層ウェハーレンズ110を成形する。
基板101にシランカップリング処理又はプラズマ処理を行った場合、第1及び第2成形型41,42で押圧された樹脂は、基板101上における第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bの外縁に相当する部分の撥水角が比較的小さな値(例えば、約10°)となる。この際、第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bに相当する樹脂は、例えば10μm〜20μm程度の厚さで基板101上に薄く広がっている。このような状態で光照射されることにより樹脂が硬化し、第1ウェハーレンズ100を第1及び第2成形型41,42から離型することで成形が完了する。
次に、図6に示すステップS21〜S23のスペーサー取付工程を行うことにより、未積層ウェハーレンズ110にスペーサー105を取り付ける。
保持工程(ステップS22)において、基板101とスペーサー105とを一定の間隔X、例えば50μmで保持する。基板101とスペーサー105との間隔Xは、第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bの厚さ(絞り104込み)、例えば20μmよりも大きく設定されている。このように、基板101とスペーサー105との間隔Xを管理することにより、光学機能に寄与しない外周部11b,12bを基板101とスペーサー105との間に埋め込むことができる。その結果、第1ウェハーレンズ100のレンズ間ピッチをより小さく取ることができる。
続いて、スペーサー取付工程と同様に、図7に示すステップS31〜S33のウェハーレンズ積層工程を行うことにより、第1及び第2ウェハーレンズ100,200を積層する。ウェハーレンズ積層工程の積層工程(ステップS32)においても、基板101とスペーサー105とを一定の間隔X、例えば50μmで保持する。これにより、図1B等に示す構造を有する積層構造体1000が得られた。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第2実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図9に示すように、本実施形態のウェハーレンズの製造方法に用いる積層装置150は、第1支持体51と、第2支持体52と、吸着装置56と、保持部材58とを備える。
保持部材58は、第1支持体51の支持当接部と第2支持体52の支持当接部とを囲むように、第1支持体51の基部51hと第2支持体52の基部52hとの間に設けられている。保持部材58は、未積層ウェハーレンズ110の基板101とスペーサー105とが一定の間隔Xを有するように第1支持体51等を保持している。保持部材58の高さは、未積層ウェハーレンズ110の基板101とスペーサー105とが一定の間隔Xになるように予め調整されている。また、保持部材58は、基板101の傾きがXY面に平行になるように第1支持体51等を保持している。本実施形態のウェハーレンズの製造方法では、第1実施形態に比べて積層装置50における間隔調整のための構成を簡易なものにすることができる。なお、この積層装置150は、第1支持体51の支持当接部の形状等を変更することで、スペーサー105を接着した後の第1ウェハーレンズ100と第2ウェハーレンズ200とを積層する際にも用いることができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第3実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図10に示すように、第1ウェハーレンズ300において、第1樹脂層102は、第1突き当て部14を有する。第1突き当て部14は、第2レンズ要素12の周囲に隣接して円環状に形成されている。第1突き当て部14は、基板101側に広がって傾斜するテーパー面14a,14bを有する。テーパー面14a,14bに挟まれた第2ウェハーレンズ400に対向する突き当て端面14cは、後述する第2ウェハーレンズ400の第2突き当て部24の突き当て端面24cと当接する。
第2ウェハーレンズ400において、第2樹脂層103は、第2突き当て部24を有する。第2突き当て部24は、第1レンズ要素12の周囲に隣接して円環状に形成されている。第2突き当て部24は、第1突き当て部14に第2突き当て部24は、基板101側に広がって傾斜するテーパー面24a,24bを有する。テーパー面24a,24bに挟まれた第1ウェハーレンズ300に対向する突き立て端面24cは、既に説明したように、第1ウェハーレンズ300の第1突き当て部14の突き当て端面14cと当接する。なお、両端面14c,24cは密着しており、接着剤等を介在させていない。
ここで、基板101とスペーサー105との間隔Xは、第1及び第2突き当て部14,24によって規定される。第1突き当て部14の高さH1と第2突き当て部24の高さH2とを合わせた総高さ(H1+H2)は、スペーサー105の高さH3よりも高くなっている。第1及び第2ウェハーレンズ300,400の基板101,101間の距離H4からスペーサー105の高さH3を引いたものの1/2が間隔Xとなる。第1突き当て部14の突き当て端面14cと第2突き当て部24の突き当て端面24cとを突き当てることで、基板101とスペーサー105とは間隔Xを保持することができる。
このように、成形によって樹脂製の第1及び第2突き当て部14,24を設ける場合において、第1及び第2突き当て部14,24の外縁の位置がばらついたとしても、第1及び第2レンズ要素11,12とスペーサー105との干渉を防ぐことができ、隣り合う第1及び第2レンズ要素11,12間の距離が大きくなるのを防ぐことができる。
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第4実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図11に示すように、本実施形態の第1及び第2ウェハーレンズ100,200の第1及び第2樹脂層102,103において、第1及び第2レンズ要素11,12は互いに分離しておらず、隣接する第1及び第2レンズ要素11,12が転写された樹脂で繋がった状態となっている。
このように、第1及び第2レンズ要素11,12が樹脂で繋がった状態であっても、本発明は有効である。つまり、樹脂の厚みにばらつきがある場合でも、スペーサー105の厚みや開口径等の寸法に誤差がある場合でも、樹脂部分を介在させた基板101とスペーサー105との間に一定の間隔Xがあるため、スペーサー105の取付や第1及び第2ウェハーレンズ100,200の積層を精度良く行うことができる。
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第5実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
図12に示すように、ウェハーレンズ500は、所定数の第1及び第2レンズ要素11,12が互いに繋がり、複眼レンズMLを形成している。複眼レンズMLは、所定数の第1及び第2光学面11a,12aを有する。本実施形態の場合、複眼レンズMLは、例えば4つの第1及び第2レンズ要素11,12(第1及び第2光学面11a,12a)を有している。外周部11bは、この複数の第1及び第2光学面11a,12aの周囲、すなわち複眼レンズMLの外周に設けられている。第1及び第2レンズ要素11,12の少なくとも1つは、隣接する別の複眼レンズMLの第1及び第2レンズ要素11,12から分離した状態で独立している。
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明する。なお、第6実施形態のウェハーレンズの製造方法等は第1実施形態のウェハーレンズの製造方法等を変形したものであり、特に説明しない部分は第1実施形態と同様であるものとする。
本実施形態では、図13Aに示すように、スペーサー取付工程において、保持工程(ステップS22)の後に、塗布工程(ステップS21)を行う。また、図13Bに示すように、ウェハーレンズ積層工程において、積層工程(ステップS32)の後に、塗布工程(ステップS31)を行う。
この場合、塗布工程(ステップS21,S31)において、基板101とスペーサー105とを一定の間隔Xを空けて対向させた状態で、基板101とスペーサー105との間隙に接着剤106が浸透するように入り込んで充填される。
以上、本実施形態に係るウェハーレンズの製造方法等について説明したが、本発明に係るウェハーレンズの製造方法は上記のものには限られない。例えば、上記実施形態において、第1及び第2光学面11a,12aの形状、大きさは、用途や機能に応じて適宜変更することができる。例えば、図14に示すように、第1レンズ要素11の第1光学面11aを凸形状とし、第2レンズ要素12の第2光学面12aを凹形状としてもよい。この場合、図3Cに示す第1及び第2成形型41,42の第1及び第2転写面41b,42bは、各第1及び第2レンズ要素11,12の形状に対応したものとなっている。
また、上記実施形態において、第1及び第2ウェハーレンズ100,200内に形成される第1及び第2レンズ要素11,12の数も、図示の9つに限らず、2つ以上の複数とすることができる。この際、第1及び第2レンズ要素11,12の配置は、ダイシングの都合から格子点上が望ましい。さらに、隣接するレンズ要素11,12の間隔も、図示のものに限らず、加工性等を考慮して適宜設定することができる。
また、上記実施形態において、第1及び第2成形型41,42上に滴下又は吐出するように樹脂を供給したが、基板101の一方の面101a及び他方の面101bに樹脂を供給してもよい。
また、上記実施形態において、樹脂層102,103の材料等の成形条件にもよるが、基板101にシランカップリング処理又はプラズマ処理等の親水化処理を行わなくてもよい。また、第1及び第2成形型41,42に撥水加工を施さなくてもよい。
また、上記実施形態において、第1及び第2レンズ要素11,12を基板101上に独立して形成するとしたが、各第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bが基板101とスペーサー105とのギャップを超えない厚みを持つ範囲内で互いに繋がっていてもよい。
また、上記実施形態において、未積層ウェハーレンズ110とスペーサー105とを接合する際に、接着剤106をスペーサー105の端面105cに塗布したが、未積層ウェハーレンズ110の基板101の対応する端面に接着剤106を塗布してもよい。この場合、基板101の対応する面への接着剤106の塗布は、例えばディスペンス等により行われる。また、スペーサー105の端面105cと基板101との両方に塗布してもよい。
また、上記実施形態において、第1ウェハーレンズ100と第2ウェハーレンズ200とを積層したが、これに限るものではない。例えばスペーサー付きの第1ウェハーレンズ100をダイシングしてもよい。これにより、図15に示すような第1複合レンズ80を有するレンズユニット2100を得ることができる。このレンズユニット2100を撮像素子を有するセンサー基板に接着してもよい。図15に示すように、第1及び第2レンズ要素11,12の光軸OAと平行方向に切断した跡の断面は、スペーサー105を含むスペーサー層105xと、接着剤106を含む接着層106xと、第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bを含む第1及び第2樹脂層102,103とを有する。第1及び第2樹脂層102,103とスペーサー層105xとは、接着層106xを間に挟んでおり、第1及び第2レンズ要素11,12の外周部11b,12bがスペーサー105に干渉しない状態となっている。
また、上記実施形態において、第1及び第2ウェハーレンズ100,200の2枚に限らす、ウェハーレンズを3枚以上積層してもよい。
また、上記実施形態において、スペーサー105は、平板材料に対して、第1樹脂層102又は第2樹脂層103や光線経路と干渉しないような穴を持つようにエッチング加工やブラスト加工等をすることによって形成することができる。スペーサー105は、成形によって形成することもできる。いずれの場合であっても、第1ウェハーレンズ100と第2ウェハーレンズ200との積層の際に、上述のスペーサー取付工程を適用することができる。
また、上記実施形態において、第2レンズ要素12側にスペーサー105を取り付けたが、第1レンズ要素11側にスペーサー105を取り付けてもよい。
また、上記実施形態において、積層装置50,150の第1支持体51にスペーサー105が配置されるようにしたが、第2支持体52にスペーサー105が配置されるようにしてもよい。具体的には、第2支持体52にスペーサー105又は未積層ウェハーレンズ110を吸着させる。
また、上記実施形態において、未積層ウェハーレンズ110及び第2ウェハーレンズ200に一定の間隔Xを保ってスペーサー105を設けたが、いずれか一方のみに一定の間隔Xを保ってスペーサー105を設けてもよい。つまり、未積層ウェハーレンズ110及び第2ウェハーレンズ200のいずれか一方は、例えば薄い接着剤を介してスペーサー105を取り付け、基板101とスペーサー105との間が一定の間隔Xを有していなくてもよい。
また、スペーサー105の端面105c,105dは、平坦面に限らず粗面とすることができ、適当なパターンで凹部等を形成することもできる。
上記課題を解決するため、本発明に係る第1のウェハーレンズの製造方法は、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズの製造方法であって、一方の基板面上と成形型との間のレンズ部に対応する位置毎に樹脂を個別に供給し、少なくとも1つのレンズ部が他のレンズ部から分離した状態で独立するように、複数のレンズ部を成形する成形工程と、一方の基板面のスペーサーとの接合面及びスペーサーの一方の基板面との接合面の少なくともいずれか一方の接合面の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、一方の基板面とスペーサーとを、他のレンズ部から独立しているレンズ部の外周部の少なくとも一部が一方の基板面とスペーサーとの間に延在した状態で、一定の間隔を置いて保持する保持工程と、一方の基板面とスペーサーとの間に接着剤を介した状態で接着剤を硬化させる硬化工程と、を備える。ここで、一定の間隔を置くとは、間隔がゼロ、すなわち基板の一方の基板面とスペーサーとが密着した状態ではなく、僅かな隙間が空いている状態をいう。なお、この一定の間隔を置くための調整は、基板とスペーサー(例えば端面)との位置関係を基準にして行うことができる。また、例えばウェハーレンズを複数枚積層する際には、基板と基板との位置関係を基準にして間隔を調整することもできる。この場合、ウェハーレンズの樹脂の厚みにばらつきがある場合でもスペーサーの寸法に誤差がある場合でも、積層を精度良く行うことができる。
本発明のさらに別の観点では、複数のレンズ部は、互いに分離した状態で独立して配列されている。ここで、レンズ部が基板面上で独立していると、基板面とレンズ部の外周部とで形成される段差は、レンズ部が繋がっている場合よりも大きくなる。基板とスペーサーとを互いに突き当てずに一定の間隔を保った状態にすることにより、ウェハーレンズ上のレンズ部の段差が大きくなり或いはばらついても積層時にレンズ部とスペーサーとが干渉しないようにすることができる。
上記課題を解決するため、本発明に係るウェハーレンズは、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズであって、レンズ部の少なくとも1つは、他のレンズ部から分離した状態で独立しており、かつ、独立したレンズ部の外周部の少なくとも一部が一方の基板面とスペーサーとの間に延在しており、スペーサーの開口の縁において、独立したレンズ部の外周部の厚みは、一方の基板面とスペーサーとの間隔よりも薄い。
上記課題を解決するため、本発明に係レンズユニットは、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含むレンズ部とを有する少なくとも1つの複合レンズと、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるレンズユニットであって、レンズ部の少なくとも1つは、他のレンズ部から分離した状態で独立しており、かつ、その外周部の少なくとも一部が一方の基板面と前記スペーサーとの間に延在しており、スペーサーの開口の縁において、独立したレンズ部の外周部の厚みは、一方の基板面とスペーサーとの間隔よりも薄い。
上記課題を解決するため、本発明に係る第2のウェハーレンズの製造方法は、基板と、基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、一方の基板面側に設けられレンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズの製造方法であって、一方の基板面上と成形型との間のレンズ部に対応する位置毎に、成形型で押圧したときに成形型のレンズ部に対応する部分からあふれる量の樹脂を個別に供給し、複数のレンズ部を成形する成形工程と、一方の基板面のスペーサーとの接合面及びスペーサーの一方の基板面との接合面の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、一方の基板面とスペーサーとを、レンズ部の外周部のうちスペーサーと重なる位置の厚みの予測される最大値よりも大きい間隔をおいて保持する保持工程と、一方の基板面とスペーサーとの間に接着剤を介した状態で接着剤を硬化させる硬化工程と、を備える。

Claims (21)

  1. 基板と、前記基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、前記一方の基板面側に設けられ前記レンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズの製造方法であって、
    前記一方の基板面上と成形型との間に樹脂を供給し、前記レンズ部を成形する成形工程と、
    前記一方の基板面の前記スペーサーとの接合面及び前記スペーサーの前記一方の基板面との接合面の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に接着剤を塗布する塗布工程と、
    前記一方の基板面と前記スペーサーとを一定の間隔を置いて保持する保持工程と、
    前記一方の基板面と前記スペーサーとの間に前記接着剤を介した状態で前記接着剤を硬化させる硬化工程と、
    を備える、ウェハーレンズの製造方法。
  2. 前記成形工程において、前記一方の基板面上と前記成形型との間の前記レンズ部に対応する位置毎に、樹脂を個別に供給する、請求項1に記載のウェハーレンズの製造方法。
  3. 前記塗布工程の後に前記保持工程を行う、請求項1及び2のいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  4. 前記保持工程の後に前記塗布工程を行う、請求項1及び2のいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  5. 前記基板面に平行な少なくとも1つの方向における前記レンズ部の前記光学面の外縁と前記レンズ部の外周部の外縁との距離は、対応する方向における前記レンズ部の前記光学面の外縁と前記スペーサーの前記開口の縁との距離よりも大きい、請求項1から4までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  6. 前記基板面に平行な少なくとも1つの方向における前記レンズ部の外周部のうち前記スペーサーと重なる位置の厚みの最大値は、前記一方の基板面と前記スペーサーとの前記一定の間隔よりも薄い、請求項1から5までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  7. 前記レンズ部を有する前記基板が前記スペーサーを介して2層以上に積層される、請求項1から6までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  8. 前記レンズ部は、互いに分離した状態で独立して配列されている、請求項1から7までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  9. 前記成形工程において、前記レンズ部は、前記レンズ部の成形面を転写する転写面を有する転写型によって成形され、
    前記転写面は、撥水性を有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  10. 前記一方の基板面に、親水化処理を行う、請求項1から9までのいずれか1項に記載のウェハーレンズの製造方法。
  11. 基板と、前記基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含む複数のレンズ部と、前記一方の基板面側に設けられ前記レンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるウェハーレンズであって、
    前記スペーサーの前記開口の縁において、前記レンズ部の外周部の厚みは、前記一方の基板面と前記スペーサーとの間隔よりも薄い、ウェハーレンズ。
  12. 前記レンズ部の少なくとも1つは、他のレンズ部から分離した状態で独立している、請求項11に記載のウェハーレンズ。
  13. 前記レンズ部は、互いに分離した状態で独立して配列している、請求項11及び12のいずれか1項に記載のウェハーレンズ。
  14. 前記基板面に平行な少なくとも1つの方向における前記レンズ部の前記光学面の外縁と前記レンズ部の外周部の外縁との距離は、対応する方向における前記レンズ部の前記光学面の外縁と前記スペーサーの前記開口の縁との距離よりも大きい、請求項11から13までのいずれか1項に記載のウェハーレンズ。
  15. 前記基板面に平行な少なくとも1つの方向における前記レンズ部の外周部のうち前記スペーサーと重なる位置の厚みの最大値は、前記一方の基板面と前記スペーサーとの前記一定の間隔よりも薄い、請求項11から14までのいずれか1項に記載のウェハーレンズ。
  16. 前記レンズ部の光軸と平行方向に切断した跡を有し、
    前記切断した跡の断面は、少なくとも前記スペーサーを含むスペーサー層と、前記接着剤を含む接着層と、前記レンズ部の外周部を含む樹脂層とを有する、請求項11から15までのいずれか1項に記載のウェハーレンズ。
  17. 前記レンズ部を有する前記基板が前記スペーサーを介して2層以上に積層される、請求項11から16までのいずれか1項に記載のウェハーレンズ。
  18. 請求項11から17までのいずれか1項に記載のウェハーレンズを切り出すダイシング工程を備える、レンズユニットの製造方法。
  19. 前記ダイシング工程前に、前記ウェハーレンズと、少なくとも1枚の他のウェハーレンズとをスペーサーを介した状態で積層する積層工程を備える、請求項18に記載のレンズユニットの製造方法。
  20. 基板と、前記基板の少なくとも一方の基板面上に成形され光学面を含むレンズ部とを有する少なくとも1つの複合レンズと、前記一方の基板面側に設けられ前記レンズ部に対応する開口を有するスペーサーとを備えるレンズユニットであって、
    前記スペーサーの前記開口の縁において、前記レンズ部の外周部の厚みは、前記一方の基板面と前記スペーサーとの間隔よりも薄い、レンズユニット。
  21. 請求項18及び19のいずれか1項に記載のレンズユニットの製造方法を用いて製造される、レンズユニット。
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