本出願は、2011年5月27日に出願された日本国特許出願2011−119682号および日本国特許出願2011−119713号の優先権を主張するものであり、これらの先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各実施の形態においては、本発明による電子機器の一例として、携帯電話やスマートフォンまたはタブレット型コンピュータなどを想定して説明する。しかしながら、本発明による電子機器は、携帯電話やスマートフォンまたはタブレット型コンピュータなどに限定されるものではなく、例えばPDAなどタッチセンサを有する任意の機器などに適用できる。また、本発明は、携帯型の電子機器に限定されるものでもなく、例えば銀行のATMや駅の券売機など、タッチセンサを有する任意の機器にも適用することができる。さらに、本発明は、タッチセンサを備えた電子機器に適用するのが好適であるが、後述するように、タッチセンサを有する機器に限定されるものでもなく、タッチセンサを備えない電子機器にも適用することができる。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電子機器1の概略構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子機器1は、制御部10と、タッチセンサ20と、表示部30と、押圧検出部40と、触感呈示部50と、記憶部60と、を備えている。
制御部10は、電子機器1を構成する各機能部をはじめとして、電子機器1の全体を制御および管理する。制御部10において行われる処理のうち、本実施の形態特有のものについては、後述する。
タッチセンサ20は、通常、表示部30の前面に重畳させて配設することにより構成し、操作者の指やスタイラスなど(以下、「接触物」と総称する)による接触を検出する。このタッチセンサ20は、接触物による接触を検出することにより、当該接触が検出された位置に対応する信号を制御部10に出力する。このタッチセンサ20は、例えば抵抗膜方式や静電容量方式などの方式のものを用いて構成する。なお、タッチセンサ20が接触物による接触を検出する上で、接触物がタッチセンサ20に物理的に触れることは必須ではない。例えば、タッチセンサ20が光学式である場合は、タッチセンサ20は当該タッチセンサ20上の赤外線が接触物で遮られた位置を検出するため、接触物がタッチセンサ20に触れることは不要である。
表示部30は、各アプリケーションに対応する表示を行う他、オブジェクトにより構成されるユーザインタフェースを所定の表示領域に描画して表示する。さらに、表示部30は、各アプリケーションに応じて、入力結果など各種情報などの表示も行う。特に、本実施の形態において、表示部30は、後述するように、電子機器1において拡大・縮小の表示を行うアプリケーションにより、一例として、地図などの画像も表示する。表示部30は、例えば、液晶表示パネル(LCD)や有機EL表示パネル等を用いて構成する。
押圧検出部40は、タッチパネル20に対して操作者が操作を行う際の押圧を検出するもので、例えば、押圧に応じて物理的または電気的な特性(歪み、抵抗、電圧等)が変化する歪みゲージセンサや圧電素子等の素子等を用いて構成する。押圧検出部40が、例えば、圧電素子等を用いて構成された場合、押圧検出部40の圧電素子は、タッチパネル20に対する押圧に係る荷重(力)の大きさ(または、荷重(力)の大きさが変化する速さ(加速度))に応じて、電気的な特性である電圧の大きさ(電圧値(以下、押圧に基づくデータと称する))が変化する。そして、制御部10は、押圧に基づくデータが所定の閾値以上である場合に、例えばアプリケーション基づくなどして、所定の処理を行うように制御することができる。
制御部10は、押圧検出部40が押圧に基づくデータを制御部10に通知することにより、または、制御部10が、押圧検出部40の押圧に基づくデータを検出することにより、当該押圧に基づくデータを取得する。つまり、制御部10は、タッチパネル20に対する押圧に基づくデータを押圧検出部40から取得する。なお、押圧に基づくデータは、電圧値の代わりに、押圧に係る荷重の大きさ、電力値、抵抗値等でもよい。
また、押圧検出部40は、タッチパネル20における接触検出方式に応じて構成することができる。例えば、タッチパネル20が抵抗膜方式の場合には、接触面積の大きさに応じた抵抗の大きさ、または抵抗の大きさが変化した範囲等を、タッチパネルのタッチ面に対する押圧の荷重(力)に対応付けることにより、歪みゲージセンサや圧電素子等を用いることなく構成することができる。あるいは、タッチパネル20が静電容量方式の場合には、接触面積の大きさに応じた静電容量(電荷)の大きさ、または静電容量(電荷)の大きさが変化した範囲等を、タッチパネルに対する押圧の荷重(力)に対応付けることにより、歪みゲージセンサや圧電素子等を用いることなく構成することができる。
触感呈示部50は、タッチセンサ20を振動させるもので、例えば、圧電素子または超音波振動子などを用いて構成する。この触感呈示部50は、所定の振動パターンによる振動を発生させることにより、タッチセンサ20に接触している接触物に対して触感を呈示する。本実施の形態において、触感呈示部50は、制御部10から供給される駆動信号に基づいて振動を発生する。
この触感呈示部50は、押圧検出部40が検出する押圧(タッチパネル20に対する押圧)に応じて触感呈示部を振動させることにより、振動を発生してユーザの指などに触感を呈示して、タッチパネル20を押圧しているユーザに操作したことが感覚的に分かるようにできる。なお、押圧検出部40は、触感呈示部50と一体化して構成することもできる。特に、押圧検出部40および触感呈示部50は、圧電素子を用いて構成する場合は、圧電素子を共用して押圧検出部兼触感呈示部を構成することもできる。圧電素子は、圧力が加わると電圧を発生し、電圧が加えられると変形するためである。
また、触感呈示部50は、押圧検出部40も兼ねる圧電素子の電圧の大きさ(電圧値(データ))が所定の閾値を満たした際に、所定の処理を行うとともに、当該圧電素子を駆動することにより振動を発生するようにもできる。ここで、圧電素子の電圧の大きさ(電圧値(データ))が所定の閾値を満たした際とは、電圧値(データ)が所定の基準値に達した際であってもよいし、電圧値(データ)が所定の基準値を超えた際でもよいし、所定の基準値と等しい電圧値(データ)が検出された際でもよい。
記憶部60は、例えばNAND型フラッシュメモリ等によって構成し、電子機器1において実行する各種のアプリケーションを記憶するのみならず、各種の情報を記憶することができる。特に、本実施の形態において、記憶部60は、タッチセンサ20が検出する接触の位置を、任意のタイミングで記憶することができ、さらに、当該接触の位置の履歴なども記憶することができる。また、本実施の形態において、記憶部60は、押圧検出部40が検出する押圧に基づくデータも任意のタイミングで記憶することができ、さらに、当該押圧に基づくデータの履歴なども記憶することができる。
次に、上述したタッチセンサ20および表示部30と、押圧検出部40および触感呈示部50との構成上の関係について説明する。
図2は、図1に示した電子機器1のタッチセンサ20、表示部30、押圧検出部40、および触感呈示部50の実装構造の一例を示す図である。図2(A)は要部断面図であり、図2(B)は要部平面図である。
図2(A)に示すように、各種の表示を行う表示部30は、筐体90内に収納保持する。表示部30上には、弾性部材からなるインシュレータ94を介して、タッチセンサ20を保持する。なお、本実施の形態に係る電子機器1は、表示部30およびタッチセンサ20を平面視で矩形状とする。図2においては、タッチセンサ20は、正方形状として示してあるが、タッチセンサ20を実装する電子機器1の仕様に応じて、長方形等とすることもできる。また、この電子機器1は、タッチセンサ20を、図2(B)に仮想線で示す表示部30の表示領域Aから外れた4隅に配設したインシュレータ94を介して、表示部30に保持する。
また、筐体90には、表示部30の表示領域から外れたタッチセンサ20の表面領域を覆うようにアッパカバー92を設け、このアッパカバー92とタッチセンサ20との間に、弾性部材からなるインシュレータ96を配設する。
なお、タッチセンサ20は、例えば、表面すなわち操作者による操作が行われる面が透明フィルムで構成され、裏面がガラスで構成され、操作面が押圧されると、押圧に応じて表面の透明フィルムが微少量撓む(歪む)構造のものを用いる。
さらに、本実施の形態に係る電子機器1は、タッチセンサ20の表面の透明フィルム上で、アッパカバー92で覆われる各辺の近傍に、タッチセンサ20に加わる押圧を検出するための歪みゲージセンサをそれぞれ接着等により設ける。また、タッチセンサ20の裏面のガラス面上で、対向する2つの辺の近傍には、タッチセンサ20を振動させるための圧電素子または超音波振動子などを、それぞれ接着等により設ける。すなわち、図2に示す電子機器1は、図1に示した押圧検出部40を4つの歪みゲージセンサを用いて構成し、触感呈示部50を2つの振動子を用いて構成している。押圧検出部40は、例えば、4つの歪みゲージセンサの出力の平均値などから押圧を検出する。触感呈示部50は、例えば、2つの振動子を同相で駆動する。なお、図2(B)は、図2(A)に示した筐体90、アッパカバー92、およびインシュレータ96の図示を省略している。
次に、本実施の形態に係る電子機器1による処理について説明する。
以下、本実施の形態における処理を説明するためのひとつの具体例として、電子機器1において、操作者の操作に基づいて地図を拡大・縮小することができるアプリケーションを実行する例について説明する。すなわち、以下、操作者が電子機器1のタッチセンサ20に対する操作を行うことにより、表示部30に表示された地図を拡大・縮小する場面について説明する。
本実施の形態においては、まず、操作者による所定の操作に基づいて押圧に基づくデータに関する基準が設定され、当該基準が設定されると、電子機器1は、拡大・縮小モードに移行する。
図3は、本実施の形態における押圧に基づくデータに関する基準の設定を中心とする処理について説明するフローチャートである。まず、本実施の形態における押圧に基づくデータに関する基準の設定について説明する。この「押圧に基づくデータに関する基準」とは、操作者の操作による押圧に基づくデータに基づいて設定される基準であり、この押圧に基づくデータに関する基準に基づいて、後の処理によって、地図の拡大・縮小を行う。したがって、この押圧に基づくデータに関する基準の設定に際しては、操作者が比較的強くも弱くもない(中位の)力によってタッチセンサ20を押圧する操作を行っている最中の押圧に基づくデータを、「押圧に基づくデータに関する基準」とするのが好適である。そこで、本実施の形態では、操作者がタッチセンサ20上で操作している指などの位置を動かさずに上述のように押圧をかけている状態が所定期間維持された際に、「押圧に基づくデータに関する基準」を設定する。なお、この「押圧に基づくデータに関する基準」の設定に際しては、タッチセンサ20上で操作している指などの位置が動いていても「押圧に基づくデータに関する基準」を設定してもよい。
本実施の形態による処理が開始すると、制御部10は、タッチセンサ20が検出する接触を監視するとともに、押圧検出部40が検出する押圧を監視する(ステップS11)。特に、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40が検出する押圧に基づくデータの変化の履歴を記憶部60に記憶しながら監視を行うのが好適である。
ステップS11において押圧検出部40が押圧を検出したら、制御部10は、押圧に基づくデータの変化が所定期間内に所定範囲内に収まっているか否かを判定する(ステップS12)。ここで、「所定期間」とは、あまりに短い期間とすると、操作者が適切に押圧を維持する操作を行う前に押圧に基づくデータに関する基準が設定されてしまう。また、この「所定期間」を、あまりに長い期間とすると、なかなか押圧に基づくデータに関する基準が設定されず、電子機器1の操作性を悪化させるおそれがある。したがって、通常のボタンにおける「長押し」に相当するような、例えば約1秒とするなど適当な期間の時間を設定し、当該設定の後も、操作者の好みに応じて適宜変更できるようにするのが好適である。
また、ここで、押圧に基づくデータの変化が「所定範囲内」に収まっているとは、操作者が押圧を維持することにより、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータの変化が少ないか、あるいは、ほぼ変化していない状態を意味する。押圧に基づくデータの変化が所定範囲内に収まっているか否かを制御部10が判定する際には、例えば、記憶部60に記憶された押圧に基づくデータの履歴から、微小時間当たりの変化量がほぼゼロであるか否かを判定することができる。この場合、押圧に基づくデータの微小時間当たりの変化量が厳密にゼロのまま維持されることは想定しにくいため、制御部10は、所定幅のマージンを考慮することにより、微小時間当たりの押圧に基づくデータの変化がその所定幅に収まっているか否かを判定することができる。すなわち、制御部10は、押圧に基づくデータの時間変化における微分係数がゼロに近いことを判定できるように、当該微分係数がゼロに近い小さな値になったことを判定するのが好適である。また、押圧に基づくデータの変化が所定範囲内に収まっているか否かを制御部10が判定する際には、例えば、上述した「所定期間」における押圧に基づくデータの最大値と最小値の差分値が、予め定められた閾値以下であるか否かを判定することができる。この場合、上述した差分値が、予め定められた閾値以下である場合、制御部10は、押圧に基づくデータの変化が所定範囲内に収まっていると判定することができる。
図4は、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を説明するグラフである。図4において、横軸は時間の経過を表し、縦軸は押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータを表している。図4は、操作者がタッチセンサ20に対する押圧を開始(操作開始)してから徐々に押圧を増加する操作を行い、それから所定期間(A点〜B点の時間つまりt0〜t1の間)、押圧をほぼ一定(P0)に維持する操作を行っている様子を表している。
ステップS12において押圧に基づくデータの変化が所定期間内に所定範囲内に収まっていないと判定したら、制御部10は、ステップS11に戻って処理を続行する。一方、ステップS12において押圧に基づくデータの変化が所定期間内に所定範囲内に収まっていると判定されたら、制御部10は、その所定期間に検出された押圧に基づくデータに基づいて、押圧に基づくデータに関する基準を設定する(ステップS13)。すなわち、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータの変化が所定期間内に所定範囲内であったら、所定期間に検出された押圧に基づくデータに基づいて、押圧に基づくデータに関する基準を設定するように制御する。図4に示す例においては、押圧に基づくデータの変化が所定期間内に所定範囲内に収まっていると判定されるため、t1の時点で押圧に基づくデータに関する基準(P0)が設定される。
ここで、押圧に基づくデータに関する基準を設定する際は、制御部10は、例えば、所定期間(すなわちt0〜t1の間)に検出された(ほぼ一定の)押圧に基づくデータの平均値を算出することができる。また、この押圧に基づくデータに関する基準の算出の際には、上述したような平均値のみに限定されず、種々の算出を行うことができる。例えば、押圧に基づくデータの変化が最初に所定範囲内に収まったと判定された瞬間における押圧に基づくデータ、すなわち図4に示すt0の時点における押圧に基づくデータ(A点の押圧に基づくデータ)を、押圧に基づくデータに関する基準として設定することもできる。また、例えば、押圧に基づくデータの変化が所定期間内に所定範囲内に収まっていると判定された瞬間における押圧に基づくデータ、すなわち図4に示すt1の時点における押圧に基づくデータ(B点の押圧に基づくデータ)を、押圧に基づくデータに関する基準として設定することもできる。
ステップS13において押圧に基づくデータに関する基準が設定されたら、制御部10は、当該押圧に基づくデータに関する基準が設定された旨を操作者に報知するように、該当する機能部を制御する(ステップS14)。ステップS14においては、押圧に基づくデータの変化が所定範囲内に収まってから所定期間が経過したことにより、押圧に基づくデータに関する基準が設定されたことを操作者に知らせる。このために、制御部10は、例えばタッチセンサ20を振動させて操作者に触感を呈示するように触感呈示部40を制御することができる。また、触感の呈示に代えて、あるいは触感の呈示とともに、例えば表示部30における表示を変化させたり、または図示しない音声出力部から所定の音声を出力することにより、押圧に基づくデータに関する基準が設定されたことを操作者に知らせることもできる。図4においては、t1の時点(B点)で押圧に基づくデータに関する基準が設定されるとともに、操作者は押圧に基づくデータに関する基準が設定された旨を報知される。
ステップS14において押圧に基づくデータに関する基準が設定された旨が報知されたら、制御部10は、拡大・縮小モードに移行して、操作者の押圧の調節に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小するように制御する(ステップS15)。この拡大・縮小モードについては後述する。ステップS13において行った押圧に基づくデータに関する基準が設定された旨の報知は、操作者にとっては、これから拡大・縮小モードに移行する旨の報知と解釈することもできる。
なお、ステップS15の拡大・縮小モードに移行する前段階においては、図3に示した処理とともに、従来のタッチセンサを備えた電子機器を操作者が操作した場合と同様の操作を行うことができるように処理を行うのが好適である。例えば、ステップS15の拡大・縮小モードに移行する前までは、例えばタッチセンサ20に対するスライド操作が検出されたら、制御部10は、当該スライド操作に追従するように、表示部30に表示される画像もスライドさせるように制御するのが好適である。このような処理は、従来技術によるタッチセンサを有する電子機器と同様の処理とすることができるため、詳細な説明は省略する。
図5は、図3のステップS15として拡大・縮小モードにおいて行う処理を説明するフローチャートである。
図5に示す拡大・縮小モードにおける処理が開始すると、まず、制御部10は、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行うように制御する(ステップS21)。ステップS21において、制御部10は、押圧検出部40において検出される押圧に基づくデータに応じて、表示部30に表示する画像をどの程度の拡大または縮小すべきかの比率を予め設定する。なお、ここでは、説明の簡略化のために、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、予め行う例について説明する。しかしながら、例えば、押圧検出部40において押圧が検出されると、制御部10が、当該検出された押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、その都度算出するようにしてもよい。
図6は、図5のステップS21に示した押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの一例を説明するグラフである。図6に示すように、ステップS21において、制御部10は、図3のステップS13において設定された押圧に基づくデータに関する基準(P0)に基づいて、押圧に基づくデータ(P)と拡大縮小率(X)との対応付けを行うように制御する。図6において、横軸は押圧に基づくデータ(P)を表し、縦軸は拡大縮小率(X)を表す。横軸のPmaxは押圧検出部40で検出できる最大の押圧に基づくデータを表し、Pminは押圧検出部40で検出できる最小の押圧に基づくデータを表す。
一般的に、押圧検出部40で検出できる最大または最小の押圧に基づくデータは、押圧検出部40の物理的特性や配置などの諸条件によって決定される。しかしながら、Pmaxは、例えば、押圧検出部40が実際に検出可能な最大の押圧よりも少し小さな押圧に基づくデータの値とし、同様に、Pminは、例えば、押圧検出部40が実際に検出可能な最小の押圧よりも少し大きな押圧に基づくデータの値とすることもできる。すなわち、PmaxおよびPminは、押圧検出部40が押圧に基づくデータを正確かつ確実に検出可能な範囲において設定される値とすることもできる。
また、縦軸のXmaxは表示部30に表示された画像を拡大する際の最大の拡大率を表し、Xminは表示部30に表示された画像を縮小する際の最小の縮小率を表す。さらに、X0は拡大縮小率の基準であり、押圧に基づくデータに関する基準P0が設定された際に表示部30に表示されていた画像の拡大縮小率を表す。これらXmaxおよびXminは、表示部30に表示されている画像またはアプリケーションなどによって定められているものとすることができる。
本実施の形態においては、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの具体例として、PminからP0までの押圧に基づくデータの変化には、XminからX0までの拡大縮小率の線形的な変化を対応付ける。同様に、本実施の形態においては、P0からPmaxまでの押圧に基づくデータの変化には、X0からXmaxまでの拡大縮小率の線形的な変化を対応付ける。なお、図6においては、説明の簡略化のために、図3のステップS13において、ちょうどPmaxとPminとの中間周辺に、押圧に基づくデータに関する基準P0が設定された場合の例を示している。したがって、図3のステップS13において、押圧に基づくデータに関する基準P0がPmaxとPminとの真ん中に設定されない場合には、図6の対応関係のグラフは一直線にはならず、P0の前後で傾きが変わるグラフになる。このような例については後述する。
図5のステップS21において、図6に示したような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの後、制御部10は、タッチセンサ20によって検出される接触の位置が変化したか否か、すなわち操作者によるスライド操作が検出されたか否かを判定する(ステップS22)。なお、この場合、タッチセンサ20が検出した接触の位置の変化が極微細な場合には、スライド操作が検出されたとは判定しないように、制御部10は、当該接触の位置が予め定めた所定の距離以上に変化した場合に、スライド操作が検出されたと判定するのが好適である。
ステップS22においてスライド操作が検出されたら、制御部10は、その時点で表示部30に表示されていた画像の拡大縮小率を固定値として設定して(ステップS23)、拡大・縮小モードを終了する。すなわち、図5に示す拡大・縮小モードにおいて、タッチセンサ20上で操作者によるスライド操作が検出されると、その時点で表示部30に表示されていた画像は、次に再び拡大・縮小モードに移行するまで、拡大も縮小もしなくなるようにする。
また、ステップS22においてスライド操作が検出されない場合、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが変化したか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24において押圧に基づくデータが変化したと判定されないなら、制御部10は、ステップS22に戻って処理を続行する。一方、ステップS24において押圧に基づくデータが変化したと判定されたら、制御部10は、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小するように制御する(ステップS25)。例えば、押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPが、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも少し小さな場合、P0とPとの差は小さいため、制御部10は表示部30に表示された画像を少し縮小するように制御する。また、例えば、押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPが、押圧に基づくデータに関する基準P0よりもかなり大きな場合、P0とPとの差は大きいため、制御部10は表示部30に表示された画像をかなり拡大するように制御する。
このように、本実施の形態において、制御部10は、押圧に基づくデータに関する基準が設定されると、その設定された基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減するように制御する。ここで、「所定の処理」とは、本例においては、表示部30に表示された画像を拡大または縮小する処理に相当するが、その他、電子機器1で実行するアプリケーションに応じて各種の処理とすることができる。さらに、「パラメータの値」とは、本例においては、画像を拡大または縮小する際の拡大縮小率の値に相当するが、これについても、電子機器1で実行するアプリケーションに応じて各種のパラメータの値とすることができる。ステップS25の処理の後は、制御部10は、ステップS22に戻って処理を続行する。
図7は、図4と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図7においては、図4でも説明したB点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、C点まで操作者の操作による押圧に基づくデータの増加が検出されている。このような場合、時刻t1〜t2の間において、図7に示すように、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータがP0を基準として増加するにつれて、表示部30に表示される画像は拡大される。なお、時刻t2の後、すなわちC点の後において、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータはほぼ一定値P1に維持されているが、この時にスライド操作が検出された場合は、その時点の拡大縮小率に固定される。すなわち、この場合、表示部30に表示された画像は拡大も縮小もしなくなる。その後、タッチセンサ20に対する操作者の操作による押圧が再び所定時間維持されれば、新たな押圧に基づくデータに関する基準が設定され、その時に表示部30に表示されている画像を基準として再び拡大または縮小することができる。
図8も、図4と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の他の例を示すグラフである。図8においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、C点まで操作者の操作による押圧に基づくデータの減少が検出されている。このような場合、時刻t1〜t2の間において、図8に示すように、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータがP0を基準として減少するにつれて、表示部30に表示される画像は縮小される。
図9も、図4と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の他の例を示すグラフである。図9においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、C点まで操作者の操作による押圧に基づくデータの減少が検出されている。その後、押圧に基づくデータは減少から増加に転じ、E点を経てF点まで増大して、さらにその後、押圧に基づくデータは増加から減少に転じ、H点まで減少している。
このような場合、図9に示すように、時刻t1〜t2の間においては表示部30に表示される画像は縮小され、時刻t3〜t5の間においては表示部30に表示される画像は拡大され、時刻t6〜t7の間においては表示部30に表示される画像は再び縮小される。なお、時刻t4においては、押圧に基づくデータに関する基準が設定された時点の拡大縮小率に戻っている。すなわち、点Eにおいては、押圧に基づくデータに関する基準が設定された時点と同じ拡大縮小率の画像が表示される。また、時刻t2〜t3の間および時刻t5〜t6の間においては、押圧に基づくデータは変化しているが、押圧検出部40で検出できる最大の押圧に基づくデータPmaxを超えていたり、または最小の押圧に基づくデータPminを下回っているため、拡大も縮小も行われない。
図10は、図9に示したように押圧に基づくデータが時間変化した際における、表示部30に表示される画像の拡大縮小率の時間変化を示すグラフである。図10においては、横軸は時間の経過を表しているが、縦軸は表示部30に表示される画像の拡大縮小率を表していることに留意すべきである。
図9と図10とを対比させると、操作開始時点から時刻t1までの間すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定される前までは、拡大・縮小モードに移行していないため、押圧に基づくデータが変化しているものの拡大縮小率は基準から変化しないことがわかる。また、上述したように、時刻t2〜t3の間および時刻t5〜t6の間においては、押圧に基づくデータは変化しているが、拡大縮小率は変化しないことがわかる。
図11は、本実施の形態による電子機器1に対して操作者が操作を行った場合における表示部30の表示の具体例を示す図である。
図11(A)に示すように、押圧に基づくデータに関する基準が設定される前、すなわち拡大・縮小モードに移行する前段階においては、操作者は、タッチセンサ20に対してスライド操作を行うことにより、表示部30に表示される日本地図を任意にスライドさせることができる。そして、タッチセンサ20の任意の位置において操作者が接触する位置および押圧を所定時間維持することにより、押圧に基づくデータに関する基準が設定され、電子機器1は拡大・縮小モードに移行する。
その後、操作者がタッチセンサ20を操作する押圧を増加させると、図11(A)に示す状態から図11(B)に示すように、操作者が操作している位置を中心として、表示部30に表示される日本地図の画像が拡大される。同様に、操作者がタッチセンサ20を操作する押圧をさらに増加させると、図11(B)に示す状態から図11(C)に示すように、操作者が操作している位置を中心として、表示部30に表示される日本地図の画像がさらに拡大される。ここで、本実施の形態による電子機器1においては、タッチセンサ20の任意の位置において操作を行うことにより、拡大・縮小モードに移行することができる。したがって、拡大または縮小したい位置を予め設定したり、または予め表示部30の中央にスライドして移動させておいたり、というような追加の手順は不要である。
また、拡大・縮小モードの継続中は、図11(C)に示す状態で、操作者がタッチセンサ20を操作する押圧を減少させると、図11(B)に示すように、操作者が操作している位置を中心として、表示部30に表示される日本地図の画像が縮小される。さらに、図11(B)に示す状態で、操作者がタッチセンサ20を操作する押圧をさらに減少させると、図11(A)に示すように、操作者が操作している位置を中心として、表示部30に表示される日本地図の画像がさらに縮小される。
一方、拡大・縮小モードの継続中に、図11(C)に示す状態で、タッチセンサ20に対する操作者のスライド操作が検出されると、図11(D)に示すように、表示部30に表示された画像はスライドされずに、当該画像の拡大縮小率が固定される。したがって、図11(D)に示すように操作者がタッチセンサ20に対してスライド操作を行った後では、操作者がタッチセンサ20から指を離すなどして押圧が減少しても、表示部30の画像は縮小されない。
このように、本実施の形態によれば、電子機器の筐体が小型であれば、片手で電子機器を保持したまま、同じ手の指先を用いて、従来のピンチ操作と同様の拡大または縮小などの操作を行うことができる。また、本実施の形態によれば、電子機器の大きさによらず、タッチセンサ20に対して操作を行う際には、指1本のみで、すなわち一箇所を押圧するのみで、操作を行うことができる。さらに、本実施の形態によれば、タッチセンサ20の任意の位置において操作を開始することができるため、少ない手順でスムーズに操作を行うことができる。また、本実施の形態によれば、拡大または縮小などの特定の処理を行うための専用のオブジェクトを表示部に表示する必要もないため、表示部の表示領域を有効に活用することができる。
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に係る電子機器について説明する。
第2実施の形態は、上述した第1実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。すなわち、第2実施の形態は、第1実施の形態に係る電子機器1において、図5で説明したステップS25の処理を変更するものである。具体的には、第2実施の形態に係る電子機器2は、拡大・縮小モードにおいて、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小する速度を変更する。
第2実施の形態に係る電子機器2は、上記の点以外においては、上述した第1実施の形態で説明した電子機器1と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第1実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
図12は、第2実施の形態に係る電子機器2の処理を説明するフローチャートである。なお、図12は、第1実施の形態で説明した図5と同様に、押圧に基づくデータに関する基準が設定された後、図3のステップS15に示した拡大・縮小モードにおいて行う処理を説明するフローチャートである。上述した第1実施の形態では、ステップS21において「押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付け」を行った。第2実施の形態では、第1実施の形態と異なり、ステップS21において「押圧に基づくデータと拡大縮小速度との対応付け」を行う。第2実施の形態において、制御部10は、ステップS21で押圧に基づくデータ(P)と拡大縮小速度との対応付けの後、ステップS22でスライド操作が検出されずに、ステップS24で押圧検出部40が検出する押圧に基づくデータが変化した場合、ステップS31の処理を行う。
上述した第1実施の形態においては、制御部10は、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小するように制御する(ステップS25)。しかしながら、第2実施の形態においては、制御部10は、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小する速度を変更するように制御する(ステップS31)。例えば、押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPが、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも少し小さな場合、P0とPとの差は小さいため、制御部10は表示部30に表示された画像を比較的ゆっくりとした速度で縮小するように制御する。また、例えば、押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPが、押圧に基づくデータに関する基準P0よりもかなり大きな場合、P0とPとの差は大きいため、制御部10は表示部30に表示された画像を比較的速い速度で拡大するように制御する。第1実施の形態においては、拡大・縮小モードにおいて押圧が維持された場合には、拡大も縮小も行わなかった。一方、第2実施の形態においては、拡大・縮小モードにおいて、押圧に基づくデータに関する基準よりも大きいまたは小さい押圧に基づくデータが維持された場合であっても、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、拡大または縮小を行う。
このように、本実施の形態において、制御部10は、押圧に基づくデータに関する基準が設定されると、その設定された基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値が変化する速度を変更するように制御する。このような制御を行うため、本実施の形態では、上述したように、ステップS21において、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータと、表示部30に表示される画像を拡大または縮小する速度との対応付けを行う。例えば、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも少し大きな押圧に基づくデータPには比較的ゆっくりと拡大する速度を対応付け、押圧に基づくデータに関する基準P0よりもかなり小さな押圧に基づくデータPには比較的速く縮小する速度を対応付ける。
図13は、図7等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図13においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加することによりC点に至っている場合と、操作者の操作による押圧に基づくデータが一層増加することによりD点に至っている場合とを同時に示してある。本実施の形態においては、押圧に基づくデータに関する基準P0が設定されたら、当該押圧に基づくデータに関する基準P0に基づいて、当該基準の上下に、押圧に基づくデータの段階をいくつか設定する。
なお、図13においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも高く設定された押圧に基づくデータの段階のみを示している。また、図13においては、一例として、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも大きな押圧に基づくデータについて、1Nごとに設定した押圧に基づくデータの段階を、2つのみ示してある。しかしながら、押圧に基づくデータの段階を設定する際には、当該押圧に基づくデータの段階同士の間隔は1Nごとにすることは必須ではなく、より密な間隔で設定することも、より疎な間隔で設定することもできる。また、このような段階を2つ設定することも必須ではなく、さらに多くの段階を設定してもよいし、あるいは非常に多くの段階が押圧に基づくデータの変化にアナログ的に対応するようにしてもよい。さらに、このような押圧に基づくデータの段階は、予め設定しておくことは必須ではなく、押圧が検出されるたびに、上述したような段階を算出してもよい。
図13に示すように、本例においては、押圧に基づくデータに関する基準P0からP0+1Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を拡大する速度として、速度αを対応させる。また、図13に示すように、本例においては、P0+1NからP0+2Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を拡大する速度として、速度βを対応させる。ここで、速度βは、速度αよりも、表示部30に表示される画像を速く拡大する速度とすることができる。すなわち、この場合、操作者がタッチセンサ20を操作する際に、より大きな押圧を維持した方が、より速い速度で、表示部30に表示される画像が拡大される。
図14は、図7等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の他の例を示すグラフである。図14においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータが減少することによりC点に至っている場合と、操作者の操作による押圧に基づくデータが一層減少することによりD点に至っている場合とを同時に示してある。
図14においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも低く設定された押圧に基づくデータの段階のみを示している。また、図14においては、一例として、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも小さな押圧に基づくデータについて、1Nごとに設定した押圧に基づくデータの段階を、2つのみ示してある。しかしながら、押圧に基づくデータの段階を設定する際には、当該押圧に基づくデータの段階同士の間隔は1Nごとにすることは必須ではなく、また、このような段階を2つ設定することも必須ではない。さらに、このような押圧に基づくデータの段階は、予め設定しておくことも必須ではない。
図14に示すように、本例においては、押圧に基づくデータに関する基準P0からP0−1Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を縮小する速度として、速度γを対応させる。また、図14に示すように、本例においては、P0−1NからP0−2Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を拡大する速度として、速度δを対応させる。ここで、速度δは、速度γよりも、表示部30に表示される画像を速く縮小する速度とすることができる。すなわち、この場合、操作者がタッチセンサ20を操作する際に、より小さな押圧を維持した方が、より速い速度で、表示部30に表示される画像が縮小される。
図15は、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化のさらに他の例を示すグラフである。図15においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、押圧に基づくデータは一旦減少した後に増大に転じ、その後増大から減少に転じている。
図15においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも低く設定された押圧に基づくデータの段階、および押圧に基づくデータに関する基準P0よりも高く設定された押圧に基づくデータの段階の双方を示している。なお、図15に示した例においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも大きな押圧に基づくデータおよび小さな押圧に基づくデータについて、1Nごとに設定した押圧に基づくデータの段階を、2つずつ示してある。また、図15においては、図13と同様に、P0からP0+1Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度αを対応させ、P0+1NからP0+2Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度βを対応させている。さらに、図15においては、図14と同様に、P0からP0−1Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度γを対応させ、P0−1NからP0−2Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度δを対応させている。
図16は、図15に示したように押圧に基づくデータが時間変化した際における、表示部30に表示される画像の拡大縮小率の時間変化を示すグラフである。図16においては、横軸は時間の経過を表しているが、縦軸は表示部30に表示される画像の拡大縮小率を表していることに留意すべきである。
図15と図16とを対比させると、操作開始時点から時刻t0までの間すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定される前までは、拡大・縮小モードに移行していないため、押圧に基づくデータが変化しているものの拡大縮小率は基準から変化しないことがわかる。図15に示すように、時刻t1〜t2の間は押圧に基づくデータがP0からP0−1Nまでの間に維持されているため、図16に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度γで縮小される。また、図15に示すように、時刻t2〜t3の間は押圧に基づくデータがP0からP0+1Nまでの間に維持されているため、図16に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度αで拡大される。また、図15に示すように、時刻t3〜t4の間は押圧に基づくデータがP0+1NからP0+2Nまでの間に維持されているため、図16に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度βで拡大される。さらに、図15に示すように、時刻t4〜t5の間は押圧に基づくデータがP0からP0+1Nまでの間に維持されているため、図16に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度αで拡大される。
このように、本実施の形態によれば、第1実施の形態で説明した電子機器1と同様に、操作者が操作を行う箇所を低減させるとともに、操作者による操作の手順も低減させることができる。また、本実施の形態によれば、操作者が大きな押圧で操作を行うと、そのぶん大きな速度で表示部30に表示される画像が拡大されるため、操作者が大きな押圧で操作を行うのは短い時間で済むため、操作者が押圧力を加える負担を減らすことができる。
(第3実施の形態)
次に、本発明の第3実施の形態に係る電子機器について説明する。
第3実施の形態は、上述した第1実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。すなわち、第3実施の形態は、第1実施の形態に係る電子機器1において、図5で説明したステップS21の処理の態様を変更するものである。具体的には、第3実施の形態に係る電子機器3は、押圧に基づくデータに関する基準が設定された後、図6で説明したような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更する。
第3実施の形態に係る電子機器3は、上記の点以外においては、上述した第1実施の形態で説明した電子機器1と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第1実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
第1実施の形態においては、図6を用いて説明したように、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けとして、PminからP0までの押圧に基づくデータの変化には、XminからX0までの拡大縮小率の線形的な変化を対応付けた。同様に、第1実施の形態においては、P0からPmaxまでの押圧に基づくデータの変化には、X0からXmaxまでの拡大縮小率の線形的な変化を対応付けた。この際、図6においては、説明の簡略化のために、ちょうどPmaxとPminとの中間周辺に、押圧に基づくデータに関する基準P0が設定された場合の例を示した。しかしながら、実際に押圧に基づくデータに関する基準P0を設定する際は、当該P0がPmaxとPminとの真ん中に設定されない場合も充分に想定される。この場合、すなわち押圧に基づくデータに関する基準P0がPmaxとPminとの真ん中に設定されない場合には、図6の対応関係のグラフは一直線にはならず、P0の前後で傾きが変わるグラフになる。
第1実施の形態で説明したように、押圧に基づくデータに関する基準P0がPminとPmaxとの真ん中に設定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、図17(A)に示すように、PminからPmaxにわたって一直線のグラフとなる。なお、図17においては、説明の便宜のために、縦軸および横軸を、図6とは異なる態様で設定している。
ここで、例えば、押圧に基づくデータに関する基準P0がPminとPmaxとの真ん中よりも大きい位置に設定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、図17(B)に示すように、P0の時点において傾きが変化するグラフとなる。また、例えば、押圧に基づくデータに関する基準P0がPminとPmaxとの真ん中よりも小さな位置に設定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、図17(C)に示すように、この場合もP0の時点において傾きが変化するグラフとなる。
図17(B)および(C)に示したように、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係を示すグラフの傾きがP0の時点で変化する場合、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させると、拡大または縮小の追従性に違和感を与えるおそれがある。
例えば、図17(B)においては、操作者が押圧を徐々に増加させている最中に、押圧に基づくデータがP0を超えると、グラフの傾きが大きく(急峻に)なる。したがって、図17(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けにおいては、操作者が押圧に基づくデータを一定の割合で徐々に増加させても、押圧に基づくデータがP0を超えると突然拡大率が増加する割合が大きくなり、表示部30に表示される画像が突然拡大される。逆に、図17(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けにおいては、操作者が押圧を一定の割合で徐々に減少させても、押圧に基づくデータがP0を下回ると突然拡大率が減少する割合が小さくなり、表示部30に表示される画像があまり縮小されなくなる。
また、例えば、図17(C)においては、操作者が押圧を徐々に増加させている最中に、押圧に基づくデータがP0を超えると、グラフの傾きが小さく(緩やかに)なる。したがって、図17(C)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けにおいては、操作者が押圧に基づくデータを一定の割合で徐々に増加させても、押圧に基づくデータがP0を超えると突然拡大率が増加する割合が小さくなり、表示部30に表示される画像があまり拡大されなくなる。逆に、図17(C)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けにおいては、操作者が押圧を一定の割合で徐々に減少させても、押圧に基づくデータがP0を下回ると突然拡大率が減少する割合が大きくなり、表示部30に表示される画像が突然縮小される。
したがって、本実施の形態においては、このような不都合に対処すべく、図5のステップS21で説明した押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う際に、押圧に基づくデータに関する基準P0の前後で、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量が大きく変わらないように補正する。具体的には、例えば図17(B)に示したような対応付けがなされようとしている場合、制御部10は、これらの対応付けを補正して、例えば図18(A)に示すような、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う。
図18(A)に示すような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行えば、押圧に基づくデータに関する基準P0は、Pmin(実際には拡大縮小率が最小Xminになる時の押圧に基づくデータP)とPmaxとの真ん中に設定される。したがって、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、P0の前後にわたって傾きの変わらないグラフとなり、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させても、拡大または縮小の追従性に違和感を与えない。
また、例えば図17(C)に示したような対応付けがなされようとしている場合、制御部10は、これらの対応付けを補正して、例えば図18(B)に示すような、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う。
図18(B)に示すような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行えば、押圧に基づくデータに関する基準P0は、PminとPmax(実際には拡大縮小率が最大Xmaxになる時の押圧に基づくデータP)との真ん中に設定される。したがって、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、P0の前後にわたって傾きの変わらないグラフとなり、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させても、拡大または縮小の追従性に違和感を与えない。
このように、本実施の形態においても、制御部10は、第1実施の形態と同様に、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減するように制御する。ただし、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加した場合と、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが減少した場合とで、前記パラメータの値を増減する量が等しくなるように制御する。ここで、「パラメータの値を増減する量」とは、上述した例においては、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じた、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量に相当する。
なお、本実施の形態において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う際に、押圧に基づくデータに関する基準P0の前後で、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量が大きく変わらないように補正する態様は、図18で説明したものに限定されず、種々の態様が想定できる。
例えば、図18(A)のように補正する代わりに、図19(A)のように補正した対応付けを行うこともできる。図19(A)に示すような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けによれば、押圧に基づくデータに関する基準P0の前後で、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量が大きく変わらないようにしつつも、押圧に基づくデータが本来のPminになるまで拡大縮小率を変化させることができる。さらに、押圧に基づくデータが本来のPminからP0までの区間も曲線的に変化させることで、当該区間において、操作者が押圧に基づくデータを変化させても、拡大または縮小の追従性に違和感を与えない。
また、例えば、図18(B)のように補正する代わりに、図19(B)のように補正した対応付けを行うこともできる。図19(B)に示すような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けによれば、押圧に基づくデータに関する基準P0の前後で、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量が大きく変わらないようにしつつも、押圧に基づくデータが本来のPmaxになるまで拡大縮小率を変化させることができる。さらに、押圧に基づくデータがP0から本来のPmaxまでの区間も曲線的に変化させることで、当該区間において、操作者が押圧に基づくデータを変化させても、拡大または縮小の追従性に違和感を与えない。
このように、本実施の形態によれば、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させても、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減する量は大きく変化せずにほぼ等しくなる。したがって、本実施の形態によれば、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させた場合に、表示部30に表示される画像が拡大または縮小される際の追従性に違和感を与えることはなくなる。
(第4実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態に係る電子機器について説明する。
第4実施の形態も、上述した第1実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。すなわち、第4実施の形態は、第1実施の形態に係る電子機器1において、図5で説明したステップS25の後の処理を変更するものである。すなわち、第4実施の形態に係る電子機器4は、押圧に基づくデータに関する基準が設定され、押圧に基づくデータに応じて画像の拡大または縮小の処理を行っている最中に、所定の操作が行われたと判定された場合、図6で説明したような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更する。
第4実施の形態に係る電子機器4は、上記の点以外においては、上述した第1実施の形態で説明した電子機器1と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第1実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
第4実施の形態は、第1実施の形態に係る電子機器1により表示部30に表示された画像の拡大または縮小の処理を行っている最中に、操作者が画像を拡大または縮小し過ぎてしまった際に、所望の拡大縮小率に容易に修正するための措置を提供する。
図20は、第4実施の形態に係る電子機器4の処理を説明するフローチャートである。なお、図20は、第1実施の形態で説明した図5と同様に、押圧に基づくデータに関する基準が設定された後、図3のステップS15に示した拡大・縮小モードにおいて行う処理を説明するフローチャートである。
本実施の形態において、制御部10は、ステップS25において、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小するように制御するまでの処理は、第1実施の形態と同様に行う。
第4実施の形態においては、ステップS25の後、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータPが増加して、押圧検出部40で検出できる最大の押圧に基づくデータPmaxを超えてから減少に転じたか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41において押圧に基づくデータPが最大の押圧に基づくデータPmaxを超えてから減少に転じたと判定されたら、制御部10は、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する(ステップS42)。
また、ステップS41においては、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータPが減少して、押圧検出部40で検出できる最小の押圧に基づくデータPminを下回ってから増加に転じたと判定された場合も、ステップS42の処理を行う。すなわち、ステップS41において押圧に基づくデータPが最小の押圧に基づくデータPminを下回ってから増加に転じたと判定されても、制御部10は、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する(ステップS42)。
ステップS42において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けが変更されたら、制御部10は、ステップS22に戻って処理を続行する。なお、ステップS41において上述したような所定の操作が行われことが判定されない場合、制御部10は、ステップS42の処理を行わずにステップS22に戻って処理を続行する。
次に、本実施の形態のステップS42において行う、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの変更について説明する。
図21は、第1実施の形態で説明した図7等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図21においては、A点からB点までの間、操作者の操作による押圧に基づくデータがほぼ一定に維持されることにより、図22(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図20のステップS21)。ここまでの処理は、上述した第1実施の形態において図6等を用いて説明したのと同様である。
図21の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点でPmaxを超えてD点まで増加し、D点において減少に転じている(ステップS41におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、例えば図22(B)に示すような態様に変更される(ステップS42)。図22(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図22(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図21におけるE点からF点まで減少(図22(B)におけるPmaxからPminまでの減少に相当)した際に、押圧に基づくデータの減少に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、操作者が押圧に基づくデータをC点まで増加させて画像を拡大し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを減少させることにより画像を縮小させる際に、操作者はきめ細かく画像を縮小させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
図23は、第1実施の形態で説明した図7等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図23においても、A点からB点までの間、操作者の操作による押圧に基づくデータがほぼ一定に維持されることにより、図22(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図20のステップS21)。
図23の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点でPminを下回ってD点まで減少し、D点において増加に転じている(ステップS41におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、例えば図22(C)に示すような態様に変更される(ステップS42)。図22(C)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けも、図22(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図23におけるE点からF点まで増加(図22(C)におけるPminからPmaxまでの増加に相当)した際に、押圧に基づくデータの増加に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、操作者が押圧に基づくデータをC点まで減少させて画像を縮小し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを増加させることにより画像を拡大させる際に、操作者はきめ細かく画像を拡大させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
このように、本実施の形態において、制御部10は、第1実施の形態と同様に、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減するように制御する。ただし、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加および減少のうち一方から他方へと転じる前後において、前記パラメータの値を増減する量が異なるように制御する。ここで、「パラメータの値を増減する量」とは、上述した例においては、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じた、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量に相当する。なお、上述したように、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加から減少へと転じた後は、それ以前よりも前記パラメータの値を減少する量が少なくなるように制御するのが好適である。同様に、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが減少から増加へと転じた後は、それ以前よりも前記パラメータの値を増加する量が少なくなるように制御するのが好適である。また、本実施の形態においては、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化を小さく(緩やかに)するため、例えば図20のステップS22においてスライド操作が検出された際などに、変更前の押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けに戻すようにするのが好適である。
次に、第4実施の形態の他の例について説明する。
図24は、第4実施の形態の他の例に係る電子機器4の処理を説明するフローチャートである。なお、図24は、図20と同様に、押圧に基づくデータに関する基準が設定された後、図3のステップS15として示した拡大・縮小モードにおいて行う処理を説明するフローチャートである。
上述した例においては、図20のステップS41で説明したように、操作者によって所定の操作が行われたと判定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更した。また、上述した例においては、所定の操作が行われたと判定される場合とは、押圧に基づくデータPが最大の押圧に基づくデータPmaxを超えてから減少に転じた場合、および押圧に基づくデータPが最小の押圧に基づくデータPminを下回ってから増加に転じた場合とした。以下説明する例においては、所定の操作が行われたと判定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更する点については上述した例と同じであるが、当該所定の操作の内容を変更する。すなわち、本例においては、図24のステップS51に示すように、押圧に基づくデータPが増加から減少に転じた場合、および押圧に基づくデータPが減少から増加に転じた場合に、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する。要するに、本例においては、押圧に基づくデータPが増加から減少に転じた場合、Pmaxを超えていなくとも、また押圧に基づくデータPが減少から増加に転じた場合、Pminを下回っていなくとも、上述した例のように押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する。
次に、本例において行う、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの変更について説明する。
図25は、図21と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図25においては、A点からB点までの間、操作者の操作による押圧に基づくデータがほぼ一定に維持されることにより、図26(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図24のステップS21)。ここまでの処理は、上述した第1実施の形態において図6等を用いて説明したのと同様である。
図25の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点まで増加し、C点において減少に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータがPmaxを超えなくとも、t2の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図26(B)に示すように、押圧に基づくデータがP1となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。図26(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図26(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図25におけるC点からD点まで減少(図26(B)におけるP1からPminまでの減少に相当)した際に、押圧に基づくデータの減少に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、本例においても、操作者が押圧に基づくデータをC点まで増加させて画像を拡大し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを減少させることにより画像を縮小させる際に、操作者はきめ細かく画像を縮小させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
図27は、図25と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図27においては、A点からB点までの間、操作者の操作による押圧に基づくデータがほぼ一定に維持されることにより、図28(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図24のステップS21)。ここまでの処理は、上述した第1実施の形態において図6等を用いて説明したのと同様である。
図27の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点まで減少し、C点において増加に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータがPminを下回っていなくとも、t2の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図28(B)に示すように、押圧に基づくデータがP1となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。図28(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図28(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図27におけるC点からD点まで増加(図28(B)におけるP1からPmaxまでの増加に相当)した際に、押圧に基づくデータの増加に対する拡大率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、本例においても、操作者が押圧に基づくデータをC点まで減少させて画像を縮小し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを増加させることにより画像を拡大させる際に、操作者はきめ細かく画像を拡大させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
上述した例による処理は、押圧に基づくデータが増加および減少するたびに、連続的に行うようにしてもよい。以下、このような例について説明する。
図29は、図25および図27と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図29においても、A点からB点までの間、操作者の操作による押圧に基づくデータがほぼ一定に維持されることにより、図30(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図20のステップS21)。
図29の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点まで増加し、C点において減少に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータがPmaxを超えなくとも、t2の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図30(B)に示すように、押圧に基づくデータがP1となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。図30(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図30(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図29におけるC点からD点の手前まで減少(図30(B)におけるP1からPminまでの減少に相当)した際に、押圧に基づくデータの減少に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。
さらに、図29の例においては、C点において押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けが変更された後で、D点の手前で押圧に基づくデータがPminを下回るまで減少し、D点において操作者の操作による押圧に基づくデータは増加に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、t3の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図30(C)に示すように、押圧に基づくデータがP2となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。なお、押圧検出部40がPminを下回る押圧に基づくデータを検出できない場合、ステップS42において、制御部は、例えば押圧に基づくデータがPminとなるポイントを基準とした態様に変更してもよい。図30(C)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図30(B)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きをさらに小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図29におけるD点の後で増加した際に、押圧に基づくデータの増加に対する拡大率の変化はさらに小さく(緩やかに)なる。
したがって、本例においても、操作者が押圧に基づくデータをB点からC点まで増加させて画像を拡大し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを減少させることにより画像を縮小させる際に、操作者はきめ細かく画像を縮小させることができる。さらに、本例においては、操作者が押圧に基づくデータをC点からD点まで減少させて画像を縮小し過ぎてしまったとしても、押圧に基づくデータを増加させることにより画像を拡大させる際に、操作者はさらにきめ細かく画像を拡大させることができる。このため、操作者は、所望の拡大縮小率までより一層容易に到達させることができる。
なお、本例で説明したように、押圧に基づくデータが増加および減少するたびに、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを連続して変更すると、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化はますます小さく(緩やかに)なる。したがって、操作者が押圧に基づくデータを一定に維持しているつもりでも、押圧検出部40で検出される押圧に基づくデータが微細な増減を繰り返すような場合、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化は、操作者の意図に反して次第に小さく(緩やかに)なるおそれがある。
そこで、本例においては、このような不都合を防ぐために、押圧に基づくデータが微細に増減する場合には、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化を小さく(緩やかに)する措置を講じないようにすることもできる。例えば、図31に示すように、押圧検出部40によって検出される押圧に基づくデータの時間変化において、押圧に基づくデータの微小な変化幅ΔPを設定してもよい。そして、このような微小な変化幅ΔP内において押圧に基づくデータが変化したとしても、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更しないようにすることができる。
図31は、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図31においても、A点からB点までの間、操作者の操作による押圧に基づくデータがほぼ一定に維持されることにより、t1の時点において、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる。図31の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点までわずかに増加し、C点において減少に転じている。しかしながら、C点までの押圧に基づくデータの増加は、押圧に基づくデータの所定の変化幅ΔP内であるため、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更しないようにしてもよい。
このようにすれば、本例において、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化が、操作者の意図に反して次第に小さく(緩やかに)なることはなくなる。
(第5実施の形態)
次に、本発明の第5実施の形態に係る電子機器について説明する。
第5実施の形態は、上述した第1実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。第5実施の形態に係る電子機器5は、上記の点以外においては、上述した第1実施の形態で説明した電子機器1と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第1実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
なお、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが所定の条件を満たすか否かを判定する。しかしながら、本実施の形態においては、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが所定の条件を満たすか否かを判定するとして、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に、減少から増加に転じたか否かを判定する。
図32は、本実施の形態における押圧に基づくデータに関する基準の設定を中心とする処理について説明するフローチャートである。本実施の形態では、操作者がタッチセンサ20上で操作している指などの位置を動かさずに、操作による押圧を強めてから一旦弱めて、その後再び強めるのが検出されたら、「押圧に基づくデータに関する基準」を設定する。すなわち、本実施の形態では、操作者がタッチセンサ20上で操作している指などの位置を動かさずに、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に、減少から増加に転じたら、「押圧に基づくデータに関する基準」を設定する。なお、「押圧に基づくデータに関する基準」の設定に際しては、タッチセンサ20上で操作している指などの位置が動いても「押圧に基づくデータに関する基準」を設定してもよい。
本実施の形態による処理が開始すると、制御部10は、タッチセンサ20が検出する接触を監視するとともに、押圧検出部40が検出する押圧を監視する(ステップS11)。特に、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40が検出する押圧に基づくデータの変化の履歴を記憶部60に記憶しながら監視を行うのが好適である。
ステップS11において押圧検出部40が押圧に基づくデータを検出したら、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に、減少から増加に転じたか否かを判定する(ステップS61)。なお、この場合、この操作によって「押圧に基づくデータに関する基準」が設定される旨を操作者に知らせるために、例えば表示部30において、「タッチセンサを強めに押圧してから一旦弱めて再び押圧して下さい」のような表示をしてもよい。
図33は、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を説明するグラフである。図33において、横軸は時間の経過を表し、縦軸は押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータを表している。図33は、操作者がタッチセンサ20に対する押圧を開始(操作開始)してから徐々に押圧を増加する操作を行い、A点(つまりt0の時点)において押圧を増加から減少に転じさせた様子を表している。また、図33に示すように、操作者は、A点(つまりt0の時点)から徐々に押圧を減少する操作を行い、B点(つまりt1の時点)において押圧を減少から増加に転じさせている様子を表している。
ステップS61において押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じていないと判定したら、制御部10は、ステップS11に戻って処理を続行する。一方、ステップS61において押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたと判定されたら、制御部10は、その期間に検出された押圧に基づくデータに基づいて、押圧に基づくデータに関する基準を設定する(ステップS13)。すなわち、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に、減少から増加に転じたら、押圧に基づくデータに関する基準を設定するように制御する。図33に示す例においては、t0の時点で押圧に基づくデータが増加から減少に転じており、その後t1の時点で押圧に基づくデータが減少から増加に転じている。したがって、この場合、t1の時点で押圧に基づくデータに関する基準(P0)が設定される。
ここで、押圧に基づくデータに関する基準(P0)を設定する際は、制御部10は、例えば、図33に示すように、A点(つまりt0の時点)で検出された押圧に基づくデータ(Pmax)と、B点(つまりt1の時点)で検出された押圧に基づくデータ(Pmin)との平均値を算出することができる。また、この押圧に基づくデータに関する基準の算出の際には、上述したような平均値のみに限定されず、種々の算出を行うことができる。例えば、上述したような、PmaxとPminとの単なる平均値を算出するのではなく、例えば操作の開始からA点に到達するまでの時間および/またはA点からB点に到達するまでの時間のように、時間的な要素を加味してもよい。時間的な要素を加味する場合、例えば操作の開始からA点に到達するまでの時間が、A点からB点に到達するまでの時間より長い場合には、PmaxとPminとの平均値よりPmaxに近い値を押圧に基づくデータに関する基準として設定することができる。なお、どの程度Pmaxに近い値にするかについては、操作の開始からA点に到達するまでの時間と、A点からB点に到達するまでの時間との時間の比率に基づき決定することができる。また、例えば、A点(つまりt0の時点)で検出された押圧に基づくデータ(Pmax)のみに基づいて、押圧に基づくデータに関する基準(P0)を設定してもよいし、B点(つまりt1の時点)で検出された押圧に基づくデータ(Pmin)のみに基づいて、押圧に基づくデータに関する基準(P0)を設定してもよい。さらに、例えば、押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたと判定されたら、予め記憶部60に記憶しておいた所定値である押圧に基づくデータに関する基準(P0)を設定することもできる。
ステップS13において押圧に基づくデータに関する基準が設定されたら、制御部10は、当該押圧に基づくデータに関する基準が設定された旨を操作者に報知するように、該当する機能部を制御する(ステップS14)。ステップS14においては、押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、押圧に基づくデータに関する基準が設定されたことを操作者に知らせる。このために、制御部10は、例えばタッチセンサ20を振動させて操作者に触感を呈示するように触感呈示部40を制御することができる。また、触感の呈示に代えて、あるいは触感の呈示とともに、例えば表示部30における表示を変化させたり、または図示しない音声出力部から所定の音声を出力することにより、押圧に基づくデータに関する基準が設定されたことを操作者に知らせることもできる。図33においては、t1の時点(B点)で押圧に基づくデータに関する基準が設定されるとともに、操作者は押圧に基づくデータに関する基準が設定された旨を報知される。
以降の処理は、上述した第1実施の形態と同様に行うことができる。また、図32のステップS15として拡大・縮小モードにおいて行う処理も、図5において説明したように、第1実施形態と同様に行うことができる。
本実施の形態において、図5のステップS21に示した押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けも、図6において説明したように、第1実施形態と同様に行うことができる。図6に示したように、ステップS21において、制御部10は、図32のステップS13において設定された押圧に基づくデータに関する基準(P0)に基づいて、押圧に基づくデータ(P)と拡大縮小率(X)との対応付けを行うように制御する。横軸のPmaxはA点(つまりt0の時点)で検出された押圧に基づくデータを表し、PminはB点(つまりt1の時点)で検出された押圧に基づくデータを表す。
一般的に、押圧検出部40で検出できる最大または最小の押圧に基づくデータは、押圧検出部40の物理的特性や配置などの諸条件によって決定され、この最大の押圧に基づくデータを超えたり、この最小の押圧に基づくデータを下回る押圧に基づくデータを検出することはできない。したがって、Pmaxは、押圧検出部40が実際に検出可能な最大の押圧に基づくデータ以下の押圧に基づくデータの値となり、同様に、Pminは、押圧検出部40が実際に検出可能な最小の押圧に基づくデータ以上の押圧に基づくデータの値となる。すなわち、PmaxおよびPminは、押圧検出部40が押圧に基づくデータを正確かつ確実に検出可能な範囲において設定される値となる。
本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に、減少から増加に転じたら、押圧に基づくデータに関する基準を設定するように制御する。この場合、本実施の形態において、制御部10は、押圧に基づくデータが増加から減少に転じた際の押圧に基づくデータおよび押圧に基づくデータが減少から増加に転じた際の押圧に基づくデータに基づいて、押圧に基づくデータに関する基準を設定するように制御することができる。ステップS25の処理の後は、制御部10は、ステップS22に戻って処理を続行する。
図34は、図33と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図34においては、図33でも説明したB点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、C点を経てD点まで操作者の操作による押圧に基づくデータの増加が検出されている。このような場合、押圧に基づくデータに関する基準P0に達するまでは、すなわち時刻t1〜t2の間においては、拡大も縮小も行わない。しかしながら、図34に示すように、時刻t2〜t3の間においては、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータがP0を基準として増加するにつれて、表示部30に表示される画像は拡大される。なお、時刻t3の後、すなわちD点の後において、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータはほぼ一定値に維持されているが、この時にスライド操作が検出された場合は、その時点の拡大縮小率に固定される。すなわち、この場合、表示部30に表示された画像は拡大も縮小もしなくなる。その後、タッチセンサ20に対する操作者の操作による押圧に基づくデータが再び増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたら、新たな押圧に基づくデータに関する基準が設定され、その時に表示部30に表示されている画像を基準として再び拡大または縮小することができる。
図35も、図33と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の他の例を示すグラフである。図35においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、D点の後まで操作者の操作による押圧に基づくデータの増加が検出されている。D点の後、押圧に基づくデータは減少に転じてE点からG点の後まで減少し、G点の後、押圧に基づくデータは増加に転じてH点からI点まで増加したことが検出されている。
このような場合、図35に示すように、時刻t2〜t3の間においては表示部30に表示される画像は拡大され、時刻t4〜t6の間においては表示部30に表示される画像は縮小され、時刻t7〜t8の間においては表示部30に表示される画像は再び拡大される。なお、時刻t5においては、押圧に基づくデータに関する基準が設定された時点の拡大縮小率に戻っている。すなわち、点Fにおいては、押圧に基づくデータに関する基準が設定された時点と同じ拡大縮小率の画像が表示される。また、時刻t3〜t4の間および時刻t6〜t7の間においては、押圧に基づくデータPmaxを超えていたり、または押圧に基づくデータPminを下回っており、拡大も縮小も行われない。
図36は、図35に示したように押圧に基づくデータが時間変化した際における、表示部30に表示される画像の拡大縮小率の時間変化を示すグラフである。図36においては、横軸は時間の経過を表しているが、縦軸は表示部30に表示される画像の拡大縮小率を表していることに留意すべきである。
図35と図36とを対比させると、操作開始時点から時刻t1までの間すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定される前までは、拡大・縮小モードに移行していないため、押圧に基づくデータが変化しているものの拡大縮小率は基準から変化しないことがわかる。なお、時刻t1からt2までの間は、拡大・縮小モードに移行しているが、上述したように、押圧に基づくデータに関する基準P0に達していないため、拡大も縮小も行われない。また、上述したように、時刻t3〜t4の間および時刻t6〜t7の間においては、拡大縮小率は変化しないことがわかる。
本実施の形態による電子機器5に対して操作者が操作を行った場合における表示部30の表示の具体例は、図11において第1実施の形態で説明したのと同様に行うことができる。
図11(A)に示すように、押圧に基づくデータに関する基準が設定される前、すなわち拡大・縮小モードに移行する前段階においては、操作者は、タッチセンサ20に対してスライド操作を行うことにより、表示部30に表示される日本地図を任意にスライドさせることができる。そして、本実施の形態においては、タッチセンサ20の任意の位置において操作者が接触する位置を維持したまま、押圧に基づくデータを増加から減少に転じた後に減少から増加に転じさせることにより、押圧に基づくデータに関する基準が設定され、電子機器5は拡大・縮小モードに移行する。
その後、操作者がタッチセンサ20を操作する押圧に基づくデータを増加させて、押圧に基づくデータに関する基準P0を超えると、図11(A)に示す状態から図11(B)に示すように、操作者が操作している位置を中心として、表示部30に表示される日本地図の画像が拡大される。同様に、操作者がタッチセンサ20を操作する押圧に基づくデータをさらに増加させると、図11(B)に示す状態から図11(C)に示すように、操作者が操作している位置を中心として、表示部30に表示される日本地図の画像がさらに拡大される。
このように、本実施の形態によれば、電子機器の筐体が小型であれば、片手で電子機器を保持したまま、同じ手の指先を用いて、従来のピンチ操作と同様の拡大または縮小などの操作を行うことができる。また、本実施の形態によれば、電子機器の大きさによらず、タッチセンサ20に対して操作を行う際には、指1本のみで、すなわち一箇所を押圧するのみで、操作を行うことができる。さらに、本実施の形態によれば、タッチセンサ20の任意の位置において操作を開始することができるため、少ない手順でスムーズに操作を行うことができる。また、本実施の形態によれば、拡大または縮小などの特定の処理を行うための専用のオブジェクトを表示部に表示する必要もないため、表示部の表示領域を有効に活用することができる。
なお、本実施の形態においては、図34で説明したように、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータの増加が検出されも、押圧に基づくデータに関する基準P0に達するまでは、拡大も縮小も行わないものとして説明した。しかしながら、例えば図37に示すように、B点の時点、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された時点で、表示部30に表示される画像を最も低い拡大縮小率(Xmin)に縮小してもよい。この場合、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、C点までの間においても、押圧に基づくデータの増加が検出されると、押圧に基づくデータに関する基準P0に達する前であっても、時刻t1〜t2の間においても、拡大が行われる。
(第6実施の形態)
次に、本発明の第6実施の形態に係る電子機器について説明する。
第6実施の形態は、上述した第5実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。すなわち、第6実施の形態は、第5実施の形態に係る電子機器5において、図5で説明したステップS25の処理を変更するものである。具体的には、第6実施の形態に係る電子機器6は、拡大・縮小モードにおいて、押圧に基づくデータに関する基準P0と押圧検出部40により検出された押圧に基づくデータPとの差に応じて、表示部30に表示された画像を拡大または縮小する速度を変更する。
第6実施の形態に係る電子機器6は、上記の点以外においては、上述した第5および第2実施の形態で説明した電子機器5および電子機器2と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第5および第2実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
第6実施の形態に係る電子機器6の処理は、第2実施の形態で図12を用いて説明したフローチャートに従って行うことができる。
図38は、図34等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図38においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加することによりC点を経てE点に至っている場合と、操作者の操作による押圧に基づくデータが一層増加することによりD点に至っている場合とを同時に示してある。本実施の形態においては、押圧に基づくデータに関する基準P0が設定されたら、当該押圧に基づくデータに関する基準P0に基づいて、当該基準の上下に押圧に基づくデータの段階をいくつか設定する。
なお、図38においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも高く設定された押圧に基づくデータの段階のみを示している。また、図38においては、一例として、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも大きな押圧に基づくデータについて、1Nごとに設定した押圧に基づくデータの段階を、2つのみ示してある。しかしながら、押圧に基づくデータの段階を設定する際には、当該押圧に基づくデータの段階同士の間隔は1Nごとにすることは必須ではなく、より密な間隔で設定することも、より疎な間隔で設定することもできる。また、このような段階を2つ設定することも必須ではなく、さらに多くの段階を設定してもよいし、あるいは非常に多くの段階が押圧に基づくデータの変化にアナログ的に対応するようにしてもよい。さらに、このような押圧に基づくデータの段階は、予め設定しておくことは必須ではなく、押圧が検出されるたびに、上述したような段階を算出してもよい。
図38に示すように、本例においては、押圧に基づくデータに関する基準P0からP0+1Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を拡大する速度として、速度αを対応させる。また、図38に示すように、本例においては、P0+1NからP0+2Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を拡大する速度として、速度βを対応させる。ここで、速度βは、速度αよりも、表示部30に表示される画像を速く拡大する速度とすることができる。すなわち、この場合、操作者がタッチセンサ20を操作する際に、より大きな押圧を維持した方が、より速い速度で、表示部30に表示される画像が拡大される。
図39は、図34等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の他の例を示すグラフである。図39においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、押圧に基づくデータが増加してC点で押圧に基づくデータに関する基準P0に達した後、押圧に基づくデータが減少することによりD点に至っている場合と、操作者の操作による押圧に基づくデータが一層減少することによりE点に至っている場合とを同時に示してある。
図39においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも低く設定された押圧に基づくデータの段階のみを示している。また、図39においては、一例として、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも小さな押圧に基づくデータについて、1Nごとに設定した押圧に基づくデータの段階を、2つのみ示してある。しかしながら、押圧に基づくデータの段階を設定する際には、当該押圧に基づくデータの段階同士の間隔は1Nごとにすることは必須ではなく、また、このような段階を2つ設定することも必須ではない。さらに、このような押圧に基づくデータの段階は、予め設定しておくことも必須ではない。
図39に示すように、本例においては、押圧に基づくデータに関する基準P0からP0−1Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を縮小する速度として、速度γを対応させる。また、図39に示すように、本例においては、P0−1NからP0−2Nまでの押圧に基づくデータの段階には、表示部30に表示される画像を拡大する速度として、速度δを対応させる。ここで、速度δは、速度γよりも、表示部30に表示される画像を速く縮小する速度とすることができる。すなわち、この場合、操作者がタッチセンサ20を操作する際に、より小さな押圧を維持した方が、より速い速度で、表示部30に表示される画像が縮小される。
図40は、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化のさらに他の例を示すグラフである。図40においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、押圧に基づくデータが増加してC点で押圧に基づくデータに関する基準P0に達した後、押圧に基づくデータが一旦減少した後さらに増大に転じ、その後増大から減少に転じている。
図40においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも低く設定された押圧に基づくデータの段階、および押圧に基づくデータに関する基準P0よりも高く設定された押圧に基づくデータの段階の双方を示している。なお、図40に示した例においては、押圧に基づくデータに関する基準P0よりも大きな押圧に基づくデータおよび小さな押圧に基づくデータについて、1Nごとに設定した押圧に基づくデータの段階を、2つずつ示してある。また、図40においては、図38と同様に、P0からP0+1Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度αを対応させ、P0+1NからP0+2Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度βを対応させている。さらに、図40においては、図39と同様に、P0からP0−1Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度γを対応させ、P0−1NからP0−2Nまでの押圧に基づくデータの段階には速度δを対応させている。
図41は、図40に示したように押圧に基づくデータが時間変化した際における、表示部30に表示される画像の拡大縮小率の時間変化を示すグラフである。図41においては、横軸は時間の経過を表しているが、縦軸は表示部30に表示される画像の拡大縮小率を表していることに留意すべきである。
図40と図41とを対比させると、操作開始時点から時刻t1までの間すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定される前までは、拡大・縮小モードに移行していないため、押圧に基づくデータが変化しているものの拡大縮小率は基準から変化しないことがわかる。また、上述したように、時刻t1からt2までの間は、拡大・縮小モードに移行しているが、上述したように、押圧に基づくデータに関する基準P0に達していないため、図41に示すように、拡大も縮小も行われない。
図40に示すように、時刻t2〜t3の間は押圧に基づくデータがP0からP0+1Nまでの間に維持されているため、図41に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度αで拡大される。また、図40に示すように、時刻t3〜t4の間は押圧に基づくデータがP0からP0−1Nまでの間に維持されているため、図41に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度γで縮小される。また、図40に示すように、時刻t5〜t6の間は押圧に基づくデータがP0+1NからP0+2Nまでの間に維持されているため、図41に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度βで拡大される。さらに、図40に示すように、時刻t6〜t7の間は押圧に基づくデータがP0からP0+1Nまでの間に維持されているため、図41に示すように、当該区間においては、表示部30に表示される画像は速度αで拡大される。
このように、本実施の形態によれば、第5実施の形態で説明した電子機器5と同様に、操作者が操作を行う箇所を低減させるとともに、操作者による操作の手順も低減させることができる。また、本実施の形態によれば、操作者が大きな押圧で操作を行うと、そのぶん大きな速度で表示部30に表示される画像が拡大されるため、操作者が大きな押圧で操作を行うのは短い時間で済むため、操作者が押圧力を加える負担を減らすことができる。
(第7実施の形態)
次に、本発明の第7実施の形態に係る電子機器について説明する。
第7実施の形態は、上述した第5実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。すなわち、第7実施の形態は、第5実施の形態に係る電子機器5において、図5で説明したステップS21の処理の態様を変更するものである。具体的には、第7実施の形態に係る電子機器7は、押圧に基づくデータに関する基準が設定された後、図6で説明したような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更する。
第7実施の形態に係る電子機器7は、上記の点以外においては、上述した第5および第3実施の形態で説明した電子機器5および電子機器3と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第5および第3実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
第5実施の形態においては、図6を用いて説明したように、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けとして、PminからP0までの押圧に基づくデータの変化には、XminからX0までの拡大縮小率の線形的な変化を対応付けた。同様に、第5実施の形態においては、P0からPmaxまでの押圧に基づくデータの変化には、X0からXmaxまでの拡大縮小率の線形的な変化を対応付けた。この際、図6においては、説明の簡略化のために、ちょうどPmaxとPminとの中間周辺に、押圧に基づくデータに関する基準P0が設定された場合の例を示した。しかしながら、実際に押圧に基づくデータに関する基準P0を設定する際は、当該P0がPmaxとPminとの真ん中に設定されない場合も充分に想定される。この場合、すなわち押圧に基づくデータに関する基準P0がPmaxとPminとの真ん中に設定されない場合には、図6の対応関係のグラフは一直線にはならず、P0の前後で傾きが変わるグラフになる。
第5実施の形態で説明したように、押圧に基づくデータに関する基準P0がPminとPmaxとの真ん中に設定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、図17(A)に示すように、PminからPmaxにわたって一直線のグラフとなる。なお、図17においては、説明の便宜のために、縦軸および横軸を、図6とは異なる態様で設定している。
ここで、例えば、押圧に基づくデータに関する基準P0がPminとPmaxとの真ん中よりも大きい位置に設定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、図17(B)に示すように、P0の時点において傾きが変化するグラフとなる。また、例えば、押圧に基づくデータに関する基準P0がPminとPmaxとの真ん中よりも小さな位置に設定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、図17(C)に示すように、この場合もP0の時点において傾きが変化するグラフとなる。
図17(B)および(C)に示したように、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係を示すグラフの傾きがP0の時点で変化する場合、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧に基づくデータを変化させると、第3実施の形態と同様に、拡大または縮小の追従性に違和感を与えるおそれがある。
したがって、本実施の形態においては、このような不都合に対処すべく、図5のステップS21で説明した押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う際に、押圧に基づくデータに関する基準P0の前後で、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量が大きく変わらないように補正する。具体的には、例えば図17(B)に示したような対応付けがなされようとしている場合、制御部10は、これらの対応付けを補正して、例えば図18(A)に示すような、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う。
図18(A)に示すような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行えば、押圧に基づくデータに関する基準P0は、Pmin(拡大縮小率が最小Xminになる時の押圧に基づくデータP)とPmaxとの真ん中に設定される。したがって、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、P0の前後にわたって傾きの変わらないグラフとなり、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧に基づくデータを変化させても、拡大または縮小の追従性に違和感を与えない。
また、例えば図17(C)に示したような対応付けがなされようとしている場合、制御部10は、これらの対応付けを補正して、例えば図18(B)に示すような、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う。
図18(B)に示すような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行えば、押圧に基づくデータに関する基準P0は、PminとPmax(拡大縮小率が最大Xmaxになる時の押圧に基づくデータP)との真ん中に設定される。したがって、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの関係は、P0の前後にわたって傾きの変わらないグラフとなり、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧に基づくデータを変化させても、拡大または縮小の追従性に違和感を与えない。
このように、本実施の形態においても、制御部10は、第5実施の形態と同様に、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減するように制御する。ただし、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加した場合と、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが減少した場合とで、前記パラメータの値を増減する量が等しくなるように制御する。ここで、「パラメータの値を増減する量」とは、上述した例においては、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じた、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量に相当する。
なお、本実施の形態において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを行う際に、押圧に基づくデータに関する基準P0の前後で、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量が大きく変わらないように補正する態様は、図18で説明したものに限定されず、第3実施の形態でも説明したように、種々の態様が想定できる。
このように、本実施の形態によれば、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させても、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減する量は大きく変化せずにほぼ等しくなる。したがって、本実施の形態によれば、操作者が押圧に基づくデータに関する基準P0をまたいで押圧を変化させた場合に、表示部30に表示される画像が拡大または縮小される際の追従性に違和感を与えることはなくなる。
(第8実施の形態)
次に、本発明の第8実施の形態に係る電子機器について説明する。
第8実施の形態も、上述した第5実施の形態において、制御部10による処理を変更するものである。すなわち、第8実施の形態は、第5実施の形態に係る電子機器1において、図5で説明したステップS25の後の処理を変更するものである。すなわち、第8実施の形態に係る電子機器8は、押圧に基づくデータに関する基準が設定され、押圧に基づくデータに応じて画像の拡大または縮小の処理を行っている最中に、所定の操作が行われたと判定された場合、図6で説明したような押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更する。
第8実施の形態に係る電子機器8は、上記の点以外においては、上述した第5および第4実施の形態で説明した電子機器5および電子機器4と基本的に同じ機器構成および制御により実現することができる。このため、以下、第5および第4実施の形態において説明したのと同じ内容になる説明は、適宜省略する。
第8実施の形態は、第5実施の形態に係る電子機器5により表示部30に表示された画像の拡大または縮小の処理を行っている最中に、操作者が画像を拡大または縮小し過ぎてしまった際に、所望の拡大縮小率に容易に修正するための措置を提供する。
第8実施の形態に係る電子機器8の処理は、第4実施の形態で図20において説明したフローチャートに基づいて行うことができる。
第8実施の形態においては、図20におけるステップS25の後、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータPが増加して、押圧に基づくデータの値がPmaxを超えてから減少に転じたか否かを判定する(ステップS41)。ステップS41において押圧に基づくデータPがPmaxを超えてから減少に転じたと判定されたら、制御部10は、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する(ステップS42)。
また、ステップS41においては、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータPが減少して、押圧に基づくデータの値がPminを下回ってから増加に転じたと判定された場合も、ステップS42の処理を行う。そして、ステップS41において押圧に基づくデータPがPminを下回ってから増加に転じたと判定されても、制御部10は、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する(ステップS42)。
ステップS42において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けが変更されたら、制御部10は、ステップS22に戻って処理を続行する。なお、ステップS41において上述したような所定の操作が行われことが判定されない場合、制御部10は、ステップS42の処理を行わずにステップS22に戻って処理を続行する。
次に、本実施の形態のステップS42において行う、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの変更について説明する。
図42は、第5実施の形態で説明した図34等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図42においては、A点からB点までの間において、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、図22(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図20のステップS21)。ここまでの処理は、上述した第5実施の形態において図6等を用いて説明したのと同様である。
図42の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点およびD点を経てPmaxを超えてE点まで増加し、E点において減少に転じている(ステップS41におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、例えば図22(B)に示すような態様に変更される(ステップS42)。図22(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図22(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図42におけるF点からG点まで減少(図22(B)におけるPmaxからPminまでの減少に相当)した際に、押圧に基づくデータの減少に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、操作者が押圧に基づくデータをD点まで増加させて画像を拡大し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを減少させることにより画像を縮小させる際に、操作者はきめ細かく画像を縮小させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
図43は、第1実施の形態で説明した図34等と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図43においても、A点からB点までの間において、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、図22(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図20のステップS21)。
図43の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点で押圧に基づくデータに関する基準P0に達した後減少に転じている。そして、C点の後に減少に転じた押圧に基づくデータはD点およびE点を経てPminを下回ってF点まで減少し、F点において増加に転じている(ステップS41におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、例えば図22(C)に示すような態様に変更される(ステップS42)。図22(C)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けも、図22(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図43におけるG点からH点まで増加(図22(C)におけるPminからPmaxまでの増加に相当)した際に、押圧に基づくデータの増加に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、操作者が押圧に基づくデータをE点まで減少させて画像を縮小し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを増加させることにより画像を拡大させる際に、操作者はきめ細かく画像を拡大させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
このように、本実施の形態において、制御部10は、第5実施の形態と同様に、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を増減するように制御する。ただし、本実施の形態において、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加および減少のうち一方から他方へと転じる前後において、前記パラメータの値を増減する量が異なるように制御する。ここで、「パラメータの値を増減する量」とは、上述した例においては、押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じた、押圧に基づくデータに対する拡大縮小率の変化量に相当する。なお、上述したように、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが増加から減少へと転じた後は、それ以前よりも前記パラメータの値を減少する量が少なくなるように制御するのが好適である。同様に、制御部10は、押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータが減少から増加へと転じた後は、それ以前よりも前記パラメータの値を増加する量が少なくなるように制御するのが好適である。また、本実施の形態においては、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化を小さく(緩やかに)するため、例えば図20のステップS22においてスライド操作が検出された際などに、変更前の押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けに戻すようにするのが好適である。
次に、第8実施の形態の他の例について説明する。
第8実施の形態の他の例に係る電子機器8の処理は、第4実施の形態で図24において説明したフローチャートに基づいて行うことができる。なお、図24は、図20と同様に、押圧に基づくデータに関する基準が設定された後、図3のステップS15として示した拡大・縮小モードにおいて行う処理を説明するフローチャートである。
上述した例においては、図20のステップS41で説明したように、操作者によって所定の操作が行われたと判定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更した。また、上述した例においては、所定の操作が行われたと判定される場合とは、押圧に基づくデータPが最大の押圧に基づくデータPmaxを超えてから減少に転じた場合、および押圧に基づくデータPが最小の押圧に基づくデータPminを下回ってから増加に転じた場合とした。以下説明する例においては、所定の操作が行われたと判定された場合、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの態様を変更する点については上述した例と同じであるが、当該所定の操作の内容を変更する。すなわち、本例においては、図24のステップS51に示すように、押圧に基づくデータPが増加から減少に転じた場合、および押圧に基づくデータPが減少から増加に転じた場合に、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する。要するに、本例においては、押圧に基づくデータPが増加から減少に転じた場合、Pmaxを超えていなくとも、また押圧に基づくデータPが減少から増加に転じた場合、Pminを下回っていなくとも、上述した例のように押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更する。
次に、本例において行う、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けの変更について説明する。
図44は、図42と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図44においては、A点からB点までの間において、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、図26(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図24のステップS21)。ここまでの処理は、上述した第5実施の形態において図6等を用いて説明したのと同様である。
図44の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点を経てD点まで増加し、D点において減少に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータがPmaxを超えなくとも、t3の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図26(B)に示すように、押圧に基づくデータがP1となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。図26(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図26(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図44におけるD点からE点まで減少(図26(B)におけるP1からPminまでの減少に相当)した際に、押圧に基づくデータの減少に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、本例においても、操作者が押圧に基づくデータをD点まで増加させて画像を拡大し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを減少させることにより画像を縮小させる際に、操作者はきめ細かく画像を縮小させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
図45は、図44と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図45においては、A点からB点までの間において、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、図28(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図24のステップS21)。ここまでの処理は、上述した第1実施の形態において図6等を用いて説明したのと同様である。
図45の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点で押圧に基づくデータに関する基準P0に達した後減少に転じている。そして、C点の後に減少に転じた押圧に基づくデータはD点を経てE点まで減少し、E点において増加に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータがPminを下回っていなくとも、t4の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図28(B)に示すように、押圧に基づくデータがP1となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。図28(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図28(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図45におけるE点からF点まで増加(図28(B)におけるP1からPmaxまでの増加に相当)した際に、押圧に基づくデータの増加に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。したがって、本例においても、操作者が押圧に基づくデータをE点まで減少させて画像を縮小し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを増加させることにより画像を拡大させる際に、操作者はきめ細かく画像を拡大させることができ、所望の拡大縮小率まで容易に到達させることができる。
上述した例による処理は、押圧に基づくデータが増加および減少するたびに、連続的に行うようにしてもよい。以下、このような例について説明する。
図46は、図44および図45と同様に、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図46においても、A点からB点までの間において、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、図30(A)に示すように、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる(図20のステップS21)。
図46の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点を経てD点まで増加し、D点において減少に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、押圧に基づくデータがPmaxを超えなくとも、t3の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図30(B)に示すように、押圧に基づくデータがP1となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。図30(B)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図30(A)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きを小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図46におけるD点からE点の手前まで減少(図30(B)におけるP1からPminまでの減少に相当)した際に、押圧に基づくデータの減少に対する縮小率の変化も小さく(緩やかに)なる。
さらに、図46の例においては、D点において押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けが変更された後で、E点の手前で押圧に基づくデータがPminを下回るまで減少し、E点において操作者の操作による押圧に基づくデータは増加に転じている(ステップS51におけるYes)。したがって、この場合、t4の時点において、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを、例えば図30(C)に示すように、押圧に基づくデータがP2となるポイントを基準とした態様に変更する(ステップS42)。なお、押圧検出部40がPminを下回る押圧に基づくデータを検出できない場合、ステップS42において、制御部は、例えば押圧に基づくデータがPminとなるポイントを基準とした態様に変更してもよい。図30(C)に示す押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けは、図30(B)に示した態様よりも、対応関係を表すグラフの傾きをさらに小さく(緩やかに)してある。このため、操作者の操作によって押圧に基づくデータが図46におけるE点の後で増加した際に、押圧に基づくデータの増加に対する拡大率の変化はさらに小さく(緩やかに)なる。
したがって、本例においても、操作者が押圧に基づくデータをC点からD点まで増加させて画像を拡大し過ぎてしまい、押圧に基づくデータを減少させることにより画像を縮小させる際に、操作者はきめ細かく画像を縮小させることができる。さらに、本例においては、操作者が押圧に基づくデータをD点からE点まで減少させて画像を縮小し過ぎてしまったとしても、押圧に基づくデータを増加させることにより画像を拡大させる際に、操作者はさらにきめ細かく画像を拡大させることができる。このため、操作者は、所望の拡大縮小率までより一層容易に到達させることができる。
なお、本例で説明したように、押圧に基づくデータが増加および減少するたびに、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを連続して変更すると、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化はますます小さく(緩やかに)なる。したがって、操作者が押圧に基づくデータを一定に維持しているつもりでも、押圧検出部40で検出される押圧に基づくデータが微細な増減を繰り返すような場合、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化は、操作者の意図に反して次第に小さく(緩やかに)なるおそれがある。
そこで、本例においては、このような不都合を防ぐために、押圧に基づくデータが微細に増減する場合には、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化を小さく(緩やかに)する措置を講じないようにすることもできる。例えば、図47に示すように、押圧検出部40によって検出される押圧に基づくデータの時間変化において、押圧に基づくデータの微小な変化幅ΔPを設定してもよい。そして、拡大・縮小モードにおいて、このような微小な変化幅ΔP内において押圧に基づくデータが変化したとしても、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更しないようにすることができる。
図47は、操作者の操作による押圧に基づくデータの時間変化の一例を示すグラフである。図47においても、A点からB点までの間において、操作者の操作による押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に減少から増加に転じたことにより、t1の時点において、押圧に基づくデータPと拡大縮小率Xとの対応付けが行われる。図47の例においては、B点の後、すなわち押圧に基づくデータに関する基準が設定された後で、操作者の操作による押圧に基づくデータはC点を経た後にD点までわずかに増加し、D点において減少に転じている。しかしながら、P0からD点までの押圧に基づくデータの増加は、押圧に基づくデータの所定の変化幅ΔP内であるため、押圧に基づくデータと拡大縮小率との対応付けを変更しないようにしてもよい。
このようにすれば、本例において、押圧に基づくデータの増減に対する拡大縮小率の変化が、操作者の意図に反して次第に小さく(緩やかに)なることはなくなる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上述した各実施の形態では、表示部30に地図などの画像を表示して、当該画像を拡大または縮小する態様について説明した。しかしながら、本発明はこのような処理を行う態様に限定されるものではなく、押圧検出部40に対する押圧に基づくデータに応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を変化させる各種の場面に適用することができる。また、ここでいう所定の処理についても、例えばアプリケーションに関連付けられた処理など任意のものとすることができる。例えば、上述した各実施の形態において、設定された押圧に基づくデータに関する基準と押圧検出部40により検出される押圧に基づくデータとの差に応じて、音声を再生する際の音量を調節したり、表示部30に表示する動画の再生速度を調節するなど、種々の処理に適用することができる。
また、本発明は、タッチセンサを備えた電子機器に適用するのが好適であるが、押圧検出部40に対する押圧に基づくデータに応じて、所定の処理に関連付けられたパラメータの値を変化させるものであるため、タッチセンサを備えた機器に限定されるものではない。例えば、本発明は、押圧検出部を備えるが、タッチセンサを備えない電子機器にも適用することができる。この場合、例えば、通常の操作部を構成するキーやボタン等に対して操作者が操作を行う際の押圧に基づくデータを検出することができるように、当該キーやボタン等に対する押圧に基づくデータを検出する押圧検出部を備えるようにするのが好適である。あるいは、特にキーやボタン等が押圧に基づくデータを検出することが必須ではない場合には、例えば操作者が電子機器の筐体を直接押圧する際の押圧に基づくデータを検出する押圧検出部を備えるような態様も考えることができる。
また、上記実施の形態では、タッチセンサ20を用いて、当該接触検出部のタッチ面に対する接触を検出したが、荷重センサ(押圧検出部)を用いて、所定の押圧に基づくデータに関する基準を満たした場合に、接触がなされたものと判定することもできる。このような押圧検出部は、任意の個数の歪みゲージセンサ等をタッチセンサ20に設けたものとして構成することができる。
また、このような押圧検出部は、タッチセンサ20における接触検出方式に応じて構成することができる。例えば、抵抗膜方式の場合には、接触面積による抵抗変化に基づく出力信号の変化から押圧が検出できれば、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。あるいは、静電容量方式の場合には、静電容量の変化に基づく出力信号の変化から押圧が検出できる場合も、歪みゲージセンサを用いることなく構成することができる。
また、触感呈示部50は、任意の個数の圧電振動子を用いて構成したり、タッチセンサ20の全面に透明圧電素子を設けて構成したり、偏心モータを駆動信号の1周期で1回転させるようにして構成したり、することもできる。さらに、押圧検出部および触感呈示部50は、圧電素子を用いて構成する場合は、圧電素子を共用して押圧検出部兼振動部を構成することもできる。圧電素子は、圧力が加わると電力を発生し、電力が加えられると変形するためである。この場合、触感呈示部50は、押圧検出部も兼ねる圧電素子の出力に基づいて押圧に基づくデータを検出するとともに、例えば押圧に基づくデータに関する基準が設定された際に、当該圧電素子を駆動することにより振動を発生するようにもできる。
上述した実施の形態においては、タッチセンサ20を表示部30の上面に重ねて配置した構成を想定して説明した。本発明による電子機器は、このような構成にすることは必須ではなく、タッチセンサ20と表示部30とを離間した構成にすることもできる。しかしながら、タッチセンサ20を表示部30の上面に重ねて配置した構成とする方が、表示される画像と発生する振動との対応関係を、操作者に容易に認識させることができる。
また、本実施の形態の説明における表示部30およびタッチセンサ20は、表示部と接触検出部との両機能を共通の基板に持たせる等により、一体化した装置によって構成されるようにしてもよい。このように表示部と接触検出部との両機能を一体化した装置の構成の一例としては、液晶パネルが有するマトリクス状配列の画素電極群に、フォトダイオード等の複数の光電変換素子を規則的に混在させたものを挙げることができる。この装置は、液晶パネル構造によって画像を表示する一方で、パネル表面の所望位置に接触するペンの先端で液晶表示用のバックライトの光を反射し、この反射光を周辺の光電変換素子が受光することによって、接触の位置を検出することができる。
また、本発明は、押圧に基づくデータに関する基準が設定されるが、この押圧に基づくデータに関する基準は、例えば、アプリケーションを起動した際に、記憶部に記憶している基準値に基づき設定されてもよいし、アプリケーションが起動している際に、操作者が押圧に基づくデータに関する基準を設定するためのオブジェクトに対して操作を行うことにより設定されてもよい。このように、本発明は、押圧に基づくデータに関する基準の設定については、本実施の形態の説明で記載した態様に限定されない。
また、本実施の形態の説明においては、制御部は、押圧検出部により検出される押圧に基づくデータが所定の条件を満たすか否かを判定するとして、押圧検出部により検出される押圧に基づくデータが増加から減少に転じた後に、減少から増加に転じたか否かを判定するとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、制御部は、押圧検出部により検出される押圧に基づくデータが所定の条件を満たすか否かを判定するとして、押圧検出部により検出される押圧に基づくデータが所定の荷重基準を満たしている(所定の押圧閾値以上又は超えている)か否か判定してもよいし、押圧検出部により検出される押圧に基づくデータが予め定められた押圧に基づくデータの変化曲線と一致する変化をしたか否かを判定してもよい。