JPWO2012160766A1 - 溶接機 - Google Patents

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Abstract

溶接機は、電流設定部と、電圧設定部と、補正係数を記憶する記憶部と、補正値を求める補正値算出部と、補正設定電圧を求める補正電圧算出部と、出力制御部と、設定電流により電流指令を出力制御部に出力し補正設定電圧により電圧指令を出力制御部に出力する出力指令部と、溶接トーチ側ケーブルが接続された第1の出力端子と、母材側ケーブルが接続された第2の出力端子と、を備え、変更された設定電流に応じて設定電圧が補正されて補正設定電圧が求められ、求めた補正設定電圧により第1と第2の出力端子間に溶接電圧を出力する。

Description

本発明は、電圧制御を行ってアーク溶接を行う溶接機に関する。
近年、産業のグローバル化に伴い、あらゆる国々で溶接機が利用されている。特に、新興国においては、より安価で、信頼性の高い溶接機が求められている。
従来、溶接電圧を検出して溶接制御を行う溶接機では、正確なアーク電圧を検出するため、ワイヤ送給装置内部のトーチ接続金具や溶接トーチの先端といった、アークの近傍の電圧検出点で電圧を検出するようになっている。なお、このような検出を行う場合、アークの近傍の電圧検出点から溶接機までを接続する電圧検出ケーブルが必要となり、ケーブルの断線の問題や、コストがかかる等の問題がある。
図2と図3を用いて、従来から慣用されている溶接機の動作について説明する。図2と図3は、従来の溶接機の概略構成を示す図である。図2と図3の溶接機の違いは、溶接電圧検出部4が溶接電圧を検出する箇所である。なお、溶接機として、短絡とアークとを繰り返して溶接を行う消耗電極式のアーク溶接機を用いた例について説明する。
図2と図3に示すように、溶接機1は、溶接出力制御部2と、溶接出力指令部3と、溶接電圧検出部4と、溶接電流検出部5と、溶接電流設定部6と、溶接電圧設定部7と、第1の出力端子8と、第2の出力端子9と、を備えている。ここで、溶接出力指令部3は、溶接出力制御部2に指令を送る。溶接電圧検出部4は、溶接電圧を検出する。溶接電流検出部5は、溶接電流を検出する。溶接電流設定部6は、溶接電流を設定する。溶接電圧設定部7は、溶接電圧を設定する。第1の出力端子8は、溶接出力を溶接機1の外部に出力する。第2の出力端子9は、第1の出力端子8と対になり溶接出力を溶接機1の外部に出力する。
また、図2において、溶接機1の第1の出力端子8とワイヤ送給装置13とは、溶接トーチ側のケーブル10で接続されている。溶接機1の第2の出力端子9と母材18とは、母材側のケーブル11で接続されている。ワイヤ送給装置13は、溶接機1から給電を受けるための給電金具14を備えている。溶接トーチ15は、ワイヤ送給装置13に接続されている。母材18は、母材側電圧検出ケーブル24を介して溶接機1の溶接電圧検出部4に接続されている。溶接トーチ15は、電圧検出ケーブル12を介して溶接機1の溶接電圧検出部4に接続されている。そして、溶接トーチ15から母材18に向けて送給されるワイヤ17と母材18との間にアーク16を発生させて溶接を行う。なお、溶接電圧検出部4は、溶接トーチ15と母材18との間の電圧を検出する。
以上のように構成された溶接機について、CO2ガス(炭酸ガス)100%、ソリッドワイヤφ1.2mm(直径1.2mm)を用い、溶接電流条件100A、溶接電圧条件18.0Vの溶接条件で、消耗電極式のアーク溶接を行う場合の動作について説明する。
図2に示すように、溶接機1の溶接出力制御部2は、溶接機1の外部から給電される商用電力(図示せず)を入力とし、インバータ動作により溶接に適した溶接出力の制御を行う。そして、溶接出力制御部2は、第1の出力端子8にプラス給電を行い、第2の出力端子9にマイナス給電を行って、溶接機1の外部に溶接電圧を出力する。
第1の出力端子8から出力された溶接出力は、溶接用ケーブルで構成される溶接トーチ側のケーブル10を介して、ワイヤ17を送給するワイヤ送給装置13の給電金具14に給電される。そして、溶接出力は、給電金具14に接続された溶接トーチ15を介して、溶接トーチ15の内部に設けられている図示しない給電チップに給電され、給電チップを介して、消耗電極ワイヤであるワイヤ17に給電される。
ワイヤ17は、ワイヤ送給装置13から、図示しない送給モータに接続する図示しない送給ローラの回転で加圧送給され、溶接に適した送給速度で溶接トーチ15を介して母材18の方向に送給される。そして、第2の出力端子9から溶接用ケーブルで構成される母材側のケーブル11を介してマイナス給電された被溶接物である母材18と、ワイヤ17の先端との間で、アーク16を発生させて消耗電極式のアーク溶接を行う。
なお、溶接を行うに際し、溶接電流設定部6により溶接設定電流を設定し(例えば、100A)、溶接電圧設定部7により溶接設定電圧を設定する(例えば、18.0V)。
CT(Current Transformer)等で構成される溶接電流検出部5は、溶接中の溶接電流を検出する。
また、溶接トーチ15の先端をプラス極側とし、このプラス極側は電圧検出ケーブル12により溶接機1と接続されており、母材18をマイナス極側とし、このマイナス極側は、母材側電圧検出ケーブル24により溶接機1と接続されている。したがって、溶接電圧検出部4は、溶接トーチ15の先端(プラス極側)と母材18(マイナス極側)との間に出力される溶接電圧を検出する。
溶接出力指令部3は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を溶接出力制御部2に出力し、溶接電圧設定部7で設定された溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を溶接出力制御部2に出力する。
溶接出力制御部2は、溶接出力指令部3の出力である溶接電流指令および溶接電圧指令と、溶接電流検出部5で検出された溶接電流と、溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧とを入力とし、消耗電極式アーク溶接の電流や電圧の波形制御を行う。また、溶接出力制御部2は、短絡状態である短絡区間とアーク状態であるアーク区間とを判定する。溶接出力制御部2は、短絡区間では、短絡電流制御を行い、アーク区間では、溶接電圧指令、溶接設定電圧および溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧に基づいて、溶接トーチ15の先端(プラス極側)と母材18(マイナス極側)との間に出力される溶接電圧のフィードバック制御を行う。例えば、平均電圧が18.0Vとなるように、溶接出力制御部2は、溶接電圧を制御する。
なお、図3は、給電金具14(プラス極側)と第2の出力端子9(マイナス極側)との間に出力された溶接電圧を検出し、溶接制御を行う溶接機1の概略構成の例である。図2と異なる点は、プラス極側の検出位置を溶接トーチ15ではなく、給電金具14とし、マイナス極側の検出位置を、母材18ではなく、第2の出力端子9としている点である。
以上のように、正確なアーク電圧(ワイヤ17と母材18との間の電圧に相当)を検出するためには、発生しているアークの近傍で電圧を検出することが望ましい。しかし、アーク近傍で電圧を検出するためには、電圧検出ケーブル12や、母材側電圧検出ケーブル24が必要になる。これらの検出ケーブル12、24は、溶接機1と溶接トーチ15との間や、溶接機1と母材18であるワークとの間で引き回される。そのため、設置環境が悪く、スパッタの飛散や、不意の引っ張りや、踏みつけ等が原因となり、断線が発生することもある。この断線の結果、溶接機1に不具合を生じる場合もあり、信頼性上問題がある。
また、電圧検出ケーブルを内蔵した制御ケーブルは、芯数が増え、コスト高となり、さらに、制御ケーブルが太くなるため、作業性が悪くなるといった問題もあった。
電圧検出ケーブル12と母材側電圧検出ケーブル24を用いると、上述のような問題がある。そこで、電圧検出ケーブル12と母材側電圧検出ケーブル24とを用いない構成とし、電圧検出を行う検出点を、溶接機1の第1の出力端子8と第2の出力端子9とする場合について考える。これら出力端子間で溶接電圧を検出し、後述する一元電圧設定機能により設定された一元電圧のままで溶接を行うようにすると、溶接機1における電圧制御は、出力端子間の電圧を制御することになる。しかし、溶接機1に接続されている溶接トーチ側のケーブル10や母材側のケーブル11といった溶接ケーブルによる電圧の低下が発生し、アーク16の近傍の電圧は、溶接機1の出力端子間の電圧よりも低くなる。すなわち、アーク16の近傍の電圧は、所望の電圧よりも低い電圧となり、電圧不足となる。
この対応として、溶接電圧設定部7を操作し、溶接設定電圧を大きく調整することで、適正な溶接条件を得ることは可能である。しかし、適正な溶接条件としての溶接設定電圧は、一元電圧設定機能で設定された一元電圧との差が大きく、一元電圧から大きく再調整する必要がある。従って、調整された溶接設定電圧は、一元電圧とは大きく異なるものとなり、事実上、一元電圧機能を有効に利用できないこととなる。そのため、作業者が適正な溶接設定電圧となるように溶接電圧設定部7を操作する必要があり、作業者にとって負担増になる。
なお、一元電圧とは、溶接設定電流に対応して予め決定された溶接に適した溶接設定電圧のことであり、溶接設定電流を設定すると一元電圧(溶接設定電圧)が決定される。この一元電圧の設定機能は、近年の溶接機1では、一般的に予め備わっている機能である。例えば、溶接設定電流として溶接電流100Aを設定するような場合に、溶接機1において、自動的に、適正電圧である18.0Vが設定電圧として自動設定される機能である。そして、この機能を有することで、作業者は、溶接設定電流を設定するだけで溶接設定電圧も設定することが可能となり、作業者による溶接条件の設定を容易にすることができる。
ここで、特許文献1には、溶接ケーブルにより生じる電圧降下を補正する一元制御式のアーク溶接装置が記載されている。そして、特許文献1では、溶接を実施する前に、電圧降下を補正するため、第1の出力端子8から溶接トーチ側のケーブル10等を介して第2の出力端子9までに至る出力回路の電気抵抗を測定する必要があり、作業が煩雑となるといった課題がある。
また、特許文献1の場合、出力回路の電気抵抗の測定の際、ワイヤ17と母材18とを接触させて電流を通電する必要があるが、母材18やワイヤ17を不必要に溶融させ、母材18やワイヤ17を傷めてしまうといった課題がある。
また、実際の溶接現場で測定する電気抵抗には、ばらつきが発生する。そのため、例えば異なる日時に同様の溶接対象物に対して溶接を行う場合、同一の溶接条件を再現させることが困難であった。
すなわち、電圧検出ケーブルを使用するとコストがかかる、または、断線等の信頼性の課題が生じ、また、溶接設定電流を変更して溶接すると、ワイヤ等を傷めたり溶接条件の再現性が悪くなるなど作業性が低下する課題が生じていた。
特開平6−238445号公報
本発明は、溶接電圧の検出を溶接機の出力端子だけで行うことで、電圧検出ケーブルを必要とせず、安価であり、電圧検出ケーブルの断線等の危険がないので信頼性が高い溶接機を提供する。また、本発明は、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな再設定が不要であり、良好な溶接を行うことができ、溶接作業者の作業性が向上する溶接機を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の溶接機は、溶接電流設定部と、溶接電圧設定部と、記憶部と、補正値算出部と、補正電圧算出部と、溶接出力制御部と、溶接出力指令部と、第1の出力端子と、第2の出力端子と、を備えている。ここで、溶接電流設定部は、溶接設定電流を設定する。溶接電圧設定部は、溶接設定電圧を設定する。記憶部は、上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶する。補正値算出部は、上記溶接電流設定部で設定された上記溶接設定電流と上記記憶部に記憶された上記補正係数に基づいて、上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧を補正するための補正値を算出する。補正電圧算出部は、上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧と上記補正値算出部で算出された補正値とを加算して補正した補正溶接設定電圧を算出する。溶接出力制御部は、溶接出力の制御を行う。溶接出力指令部は、上記溶接電流設定部で設定された上記溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を上記溶接出力制御部に出力し、上記補正電圧算出部で算出された補正溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を上記溶接出力制御部に出力する。第1の出力端子は、溶接トーチ側のケーブルが接続され溶接出力を出力する。第2の出力端子は、母材側のケーブルが接続され溶接出力を出力する。そして、本発明の溶接機は、上記溶接電流設定部で設定される前記溶接設定電流が変更されると、変更された溶接設定電流に応じて上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧が補正されて上記補正溶接設定電圧が算出され、上記補正溶接設定電圧に基づいて、上記第1の出力端子と上記第2の出力端子との間に溶接電圧を出力する構成としている。
この構成により、電圧検出ケーブルを設けないので、安価で、断線等の危険性がない信頼性の高い溶接機を実現することができる。また、溶接設定電圧を溶接機の内部で補正するようにすることで、溶接設定電圧として一元電圧設定機能により決定された一元電圧を利用することができる。これにより、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要であり、溶接作業者の負担増にならない溶接機を実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における溶接機の概略構成を示す図である。 図2は、従来の溶接機の概略構成を示す図である。 図3は、従来の溶接機の概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態1における溶接機30の概略構成を示す図である。なお、本実施の形態1の溶接機30として、短絡とアークとを繰り返して溶接を行う消耗電極式のアーク溶接機を例にして説明する。
図1に示すように、溶接機30は、溶接出力制御部2と、溶接出力指令部3と、溶接電圧検出部4と、溶接電流検出部5と、溶接電流設定部6と、溶接電圧設定部7と、第1の出力端子8と、第2の出力端子9と、を備えている。ここで、溶接出力指令部3は、溶接出力制御部2に指令を送る。溶接電圧検出部4は、溶接電圧を検出する。溶接電流検出部5は、溶接電流を検出する。溶接電流設定部6は、溶接設定電流を設定する。溶接電圧設定部7は、溶接設定電圧を設定する。第1の出力端子8は、溶接出力(溶接電圧と溶接電流の積)を溶接機30の外部に出力する。第2の出力端子9は、第1の出力端子8と対になり溶接出力を溶接機30の外部に出力する.なお、溶接電圧検出部4は、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間の電圧を検出する。
また、溶接機30は、記憶部31と、補正値算出部32と、補正電圧算出部33と、ケーブル情報入力部34と、を備えている。ここで、記憶部31は、設定された溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶している。補正値算出部32は、記憶部31の出力と溶接電流設定部6の出力に基づいて、溶接設定電圧の補正値を算出する。補正電圧算出部33は、補正値算出部32の出力と溶接電圧設定部7の出力に基づいて、補正された溶接設定電圧である補正溶接設定電圧を算出して溶接出力指令部3に出力する。ケーブル情報入力部34は、溶接機30に接続されているケーブルに関する情報を入力する。
なお、記憶部31は、接続されるケーブルに関する情報と補正係数とをテーブルまたは式として対応付けて記憶している係数記憶部35を備えている。そして、記憶部31は、ケーブル情報入力部34により入力された情報と係数記憶部35に記憶している情報に基づいて補正係数を決定し、この補正係数を補正値算出部32に出力する。
また、図1に示すように、溶接機30の第1の出力端子8とワイヤ送給装置13とは、溶接トーチ側のケーブル10で接続されている。溶接機30の第2の出力端子9と母材18とは、母材側のケーブル11で接続されている。ワイヤ送給装置13は、溶接機30から給電を受けるための給電金具14を備えている。トーチケーブルを有する溶接トーチ15は、ワイヤ送給装置13に接続されている。
以上のように構成された溶接機30で消耗電極式のアーク溶接を行う動作について、CO2ガス(炭酸ガス)100%、ソリッドワイヤφ1.2mm(直径1.2mm)を用い、溶接電流条件100A、溶接電圧条件18.0Vの溶接条件で軟鋼溶接を行う場合を例にして説明する。
図1に示すように、溶接機30の溶接出力制御部2は、溶接機30の外部から給電される商用電力(例えば、3相200V等)を入力とし、インバータ制御等を行って溶接に適した溶接出力の制御を行う。溶接出力制御部2は、例えば、図示しないインバータ部や変圧器やダイオード等から構成されている。
溶接出力制御部2を構成するインバータ部は、通常、PWM(Pulse Width Modulation)動作やフェーズシフト動作により駆動されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される。また、溶接出力制御部2を構成しておりインバータ部の出力を変圧する変圧器が出力する高周波交流出力は、溶接出力制御部2を構成するダイオードにより整流される。そして、ダイオードの出力、すなわち、溶接出力制御部2の出力は、第1の出力端子8にプラス極性の出力として給電され、第2の出力端子9にマイナス極性の出力として給電され、溶接機30の外部に溶接出力が出力される。
第1の出力端子8から出力された溶接出力は、溶接用ケーブルで構成される溶接トーチ側のケーブル10(例えば、38sq(mm)、10m)を介して、ワイヤ17を送給するワイヤ送給装置13の給電金具14に給電される。そして、溶接出力は、給電金具14に接続された溶接トーチ15を介して、溶接トーチ15の内部に設けられている図示しない給電チップに給電され、給電チップを介して消耗電極ワイヤであるワイヤ17にプラス出力が給電される。なお、溶接トーチ15は、トーチケーブル15a(例えば、22sq(mm)、3m)を備えている。
ワイヤ17は、ワイヤ送給装置13を構成する図示しない送給モータに接続された図示しない送給ローラの回転により加圧送給され、溶接に適した送給速度で、溶接トーチ15を介して、ワイヤ送給装置13から母材18の方向に送給される。
そして、第2の出力端子9から溶接用ケーブルで構成される母材側のケーブル11(例えば、38sq(mm)、5m)を介してマイナス給電された被溶接物である母材18と、ワイヤ17の先端との間で、アーク16を発生させて消耗電極式のアーク溶接を行う。
CPU等で構成される溶接電流設定部6は、溶接設定電流(例えば、100A等)を設定するためのものである。
また、CPU等で構成される溶接電圧設定部7は、溶接設定電圧(例えば、18.0V等)を設定するためのものである。なお、溶接設定電圧は、設定された溶接設定電流に対応して決定される一元電圧として設定されるようにしてもよい。このように、溶接設定電圧を一元電圧として設定する場合、溶接機30は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流と、溶接設定電流に対応した溶接に適した電圧である一元電圧との関係を示すテーブルまたは式を記憶する図示しない一元電圧記憶部を備えていてもよい。そして、溶接設定電圧は、溶接電圧設定部7で設定するのではなく、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流と一元電圧記憶部に記憶している情報に基づいて決定した一元電圧を溶接設定電圧とする溶接機30の構成としてもよい。
この構成により、溶接設定電流に対応した溶接に適した電圧である一元電圧を、作業者が溶接設定電流のみ設定することで、簡単に設定することができる。そして、熟練を要する作業である溶接条件設定作業に関し、作業者の負担を軽減することができる。
CPU等で構成される記憶部31は、設定された溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶するものである(例えば、0.01等)。
CPU等で構成される補正値算出部32は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流と、記憶部31から入力した補正係数に基づいて、設定された溶接設定電圧を補正するための溶接設定電圧の補正値を算出する。なお、溶接設定電圧の補正値は、設定された溶接設定電流と補正係数の乗算により求める(例えば、100A×0.01=1.0V等)。
CPU等で構成される補正電圧算出部33は、設定された溶接設定電圧と、補正値算出部32で算出された溶接設定電圧の補正値とを加算して、補正溶接設定電圧を算出する(例えば、18.0V+1.0V=19.0V等)。
CPU等で構成される溶接出力指令部3は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を溶接出力制御部2に出力し、補正電圧算出部33で算出された補正溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を溶接出力制御部2に出力する。
CT(Current Transformer)等で構成される溶接電流検出部5は、溶接電流を検出する。また、溶接電圧検出部4は、第1の出力端子8をプラス側、第2の出力端子9をマイナス側として、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力された溶接電圧を検出する。
溶接出力制御部2は、溶接電流指令と、溶接電圧指令と、検出された溶接電流と、検出された溶接電圧とを入力し、消耗電極式のアーク溶接における電流や電圧の波形制御を行う。そして、溶接出力制御部2は、溶接の状態が、短絡状態である短絡区間であるのか、アーク状態であるアーク区間であるのかを判定する。判定結果が短絡区間である場合、溶接出力制御部2は、短絡電流制御を行う。判定結果がアーク区間である場合、溶接出力制御部2は、溶接電圧指令、補正溶接設定電圧および溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧に基づいて、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力される溶接電圧のフィードバック制御を行う構成としてもよい。このフィードバック制御は、例えば、平均電圧が19.0Vとなるように、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力する溶接電圧を制御することである。
この構成により、溶接機30へ入力される図示しない1次入力電圧が変動し、溶接出力電圧が変動した場合でも、溶接出力電圧を設定された平均電圧の指令に制御することで、安定した適切な溶接結果を得ることができる。
なお、溶接出力制御部2において、短絡状態であるのかアーク状態であるのかの判定は、例えば、検出された溶接電圧が10V以上ならアーク状態と判定し、10V未満なら短絡状態と判定する。また、溶接出力制御部2による短絡電流制御は、例えば、100A/msecの増加傾きで電流指令を増加させる。また、溶接電圧のフィードバック制御に用いる溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧は、500msec程度の平均電圧を算出して用いてもよい。例えば、溶接電圧の500msecの平均電圧が19.0Vとなるように溶接電圧を制御する。なお、電圧フィードバックを行わず、フィードフォワード制御(固定バイアス)で溶接電圧を制御するようにしてもよい。
ここで、溶接電流設定部6により溶接設定電流が変更されると、変更された溶接設定電流に応じて溶接電圧設定部7で設定された溶接設定電圧が補正され、補正溶接設定電圧が算出される。そして、算出された補正溶接設定電圧に基づいて、溶接機30は、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に溶接電圧を出力する構成としている。
この構成により、溶接電圧の検出を溶接機の出力端子で行うようにすることで、溶接電圧を検出するための従来のようなワイヤ送給装置や溶接トーチ等に接続する電圧検出ケーブルを設けない構成とすることができる。これにより、安価で、断線等の危険性がない信頼性の高い溶接機を実現することができる。
そして、溶接設定電圧を溶接機の内部で補正するようにすることで、溶接設定電圧として一元電圧設定機能により決定された一元電圧を利用することができる。これにより、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要であり、溶接作業者の負担増にならない溶接機を実現することができる。
なお、補正係数は、溶接機30に接続されるケーブルにより溶接中に生じる電圧降下に関連するインピーダンスであってもよい。
この構成により、溶接機30に接続されるケーブルにより生じる溶接中の電圧降下分を補正することができる。そして、適切な溶接電圧を出力でき、適切な溶接結果を得ることができる。
また、補正係数は、溶接機30に接続されるワイヤ送給装置13と第1の出力端子8との間に接続されるケーブルに関連するインピーダンスであってもよい。
この構成により、ワイヤ送給装置13に接続されるケーブルにより生じる電圧降下分を補正することができる。そして、適切な溶接電圧を出力でき、適切な溶接結果を得ることができる。なお、ワイヤ送給装置13に接続されるケーブルは、システム構成の一部であるため、ケーブルの種類や長さといった仕様が明確なため、補正係数を決定しやすい。
なお、補正係数は、一般的に利用されるケーブルを想定して、予め、実験等により、溶接ケーブルの材質、係数、長さ等に対応付けて決定しておくことができる。また、ケーブルの種類が変わるようなことがあっても、ケーブルの種類に応じた補正係数を補正する係数を調整する。これにより、予め決められている補正係数を調整して変更されたケーブルに適切な補正係数を設定することができる。
CPU、タッチパネルおよびLED表示部等で構成されるケーブル情報入力部34は、溶接機30に接続されるケーブルに関する情報を入力するためのものである。ケーブルに関する情報は、長さ、材質、断面積等を用いる。なお、JISで定められる溶接用ケーブルの種類記号を用いてもよい。
CPU等で構成される係数記憶部35は、溶接機30に接続されるケーブルと補正係数とをテーブルまたは式として対応付けて記憶している。
記憶部31は、係数記憶部35に記憶した情報と、ケーブル情報入力部34により入力されたケーブルに関する情報に基づいて、補正係数を決定するようにしてもよい。例えば、ケーブルに関する情報が、38sq(mm2)、10m、WCT線の場合に、補正係数は0.01となる。
この構成により、ケーブルの種類が変わるようなことがあっても、補正係数を簡単に調整することができる。そして、適切な補正係数を設定できることで、適切な溶接電圧を出力でき、良好な溶接結果を得ることができる。
なお、ケーブルに関する情報として、溶接トーチ15を構成するトーチケーブルの情報(例えば、長さ、材質、断面積等)を用いてもよい。
次に、溶接機30の詳細な動作について、CO2ガス100%、φ1.2mmソリッドワイヤで、溶接電流条件100A、溶接電圧条件18.0Vの溶接条件で軟鋼溶接する場合を例にして説明する。
ここで、溶接設定電圧18.0Vは、従来から知られている一元電圧設定機能により決定された一元電圧であり、一般的な溶接条件である。また、補正係数を、0.01とした場合について説明する。
溶接機30において、例えば、溶接機30の図示しない電源スイッチをオンする、あるいは、溶接トーチ15に設けられた図示しないトーチスイッチをオンして溶接を開始する。そうすると、補正溶接設定電圧は、19.0V(=18.0V+0.01×100A)と算出され、溶接機30は、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間の溶接電圧が、補正溶接設定電圧となるように制御する。
溶接中は、溶接機30の出力端子から出力された溶接電圧は、溶接機30に接続された溶接ケーブルによる電圧の低下が1.0V(=100A×0.01)発生する。ワイヤ17と母材18との間の電圧であるアーク電圧は、18.0V(=19.0V−1.0V)となり、すなわち、溶接設定電圧となり、良好な溶接結果を得ることができる。
以上のように、従来から知られている一元電圧設定機能により決定された一元電圧である溶接電圧18.0Vを溶接設定電圧として設定しても、すなわち、溶接電圧設定部7で溶接設定電圧を設定せず、溶接電流設定部6により溶接設定電圧を設定する。そして、この溶接設定電流に対応した一元電圧として18.0Vが設定された場合でも、溶接機30の内部において、設定された溶接設定電圧が自動的補正されることで、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に、適正な溶接を行うための適正な溶接電圧が出力される。
次に、溶接設定電流の設定値が、溶接電流設定部6により、100Aから200Aに変更された場合について説明する。溶接設定電流が200Aである場合の一元電圧が23.0Vである場合、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流200Aに基づいて、一元電圧である23.0Vが溶接設定電圧として設定される。この場合、補正溶接設定電圧は、23.0V+0.01×200A=25.0Vとなる。この状態で溶接が行われると、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間の電圧は25.0Vとなり、ワイヤ17と母材18との間の電圧に相当するアーク電圧は約23.0Vとなり、適正な溶接電圧が出力され、良好な溶接結果を得ることができる。
以上のように、溶接設定電流が変更された場合でも、溶接機30において自動的に補正溶接設定電圧が算出されて再設定される。そのため、溶接作業者が、溶接設定電流に基づく一元電圧として設定された溶接設定電圧を、ケーブルによる電圧降下を補うために再調整する必要がなく、ケーブルによる電圧降下を補うための作業者の負担が軽減される。
また、本実施の形態によれば、溶接機30に接続されたケーブルによる電圧降下を補正するために、従来のように、ワイヤ17と母材18とを接触させ、溶接機30に接続したケーブル等を含む出力回路の電気抵抗を測定する作業を、溶接開始前に都度行う必要がない。従って、ケーブルによる電圧降下の補正に関し、作業者の負担増とはならない。そして、本実施の形態によれば、ケーブルによる電圧降下を補正するために、ワイヤ17と母材18とを接触させる必要がないので、ワイヤ17や母材18を傷めることもない。
また、従来のように、溶接を行う現場において、出力回路の電気抵抗を溶接する前に都度測定する方法では、測定誤差が生じることで、溶接の再現が難しく、適正な補正による適正な溶接を行うことができない恐れがある。しかし、本実施の形態では、予め実験等により求めた補正係数を用いるため、溶接の再現性が高い。
以上のように、本実施の形態では、溶接電圧を溶接機30の第1の出力端子8と第2の出力端子9との間で検出することで、従来のように溶接電圧を検出するためにワイヤ送給装置13や溶接トーチ15等に接続する電圧検出ケーブルを設けない構成とすることができる。これにより、安価で、断線の危険等がない信頼性の高い溶接機30を提供することができる。
また、溶接設定電圧を溶接機30の内部で補正する構成であり、溶接設定電圧は溶接機30に機能として備えている従来から知られている一元電圧設定機能により設定した一元電圧を利用することができ、良好な溶接を行うことができる。そして、溶接設定電流を変更した場合でも、作業者が溶接電圧設定部7を用いて溶接設定電圧を大きく変更させて再設定を行う必要がなく、溶接作業者の負担増とはならない。
また、従来のように溶接前に出力回路の電気抵抗を測定する作業を行う必要がなく、溶接作業者の負担増にはならない。
また、従来のように、電気抵抗の測定時に、ワイヤ17と溶接トーチ15とを接触させた状態で電流を通電することがないため、ワイヤ17や、溶接トーチ15に設けられている図示しないチップ等を痛めることもない。
なお、本実施の形態の説明では、溶接電圧を検出する位置を、出力端子として説明したが、補正係数を調整することさえできれば、特に上述の構成に限るわけではない。すなわち、溶接機30内の出力端子でない箇所で溶接電圧を検出する構成とした場合、出力端子で検出する際に用いる補正係数を出力端子でない箇所で検出する際の補正係数に補正する係数を用いる。これにより、出力端子で検出する際の補正係数を調整して出力端子でない箇所で検出する場合の補正係数を決定することができ、出力端子でない箇所で溶接電圧を検出するようにすることが可能である。
以上のように、本実施の形態によれば、溶接電流設定部6により溶接設定電流が設定され、溶接電圧設定部7により溶接設定電圧が設定される。ケーブル情報入力部34によりケーブルの情報が入力されると、設定された溶接設定電圧が補正さる。これにより、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力される溶接電圧が制御される。このようにすることで、溶接機30に接続されたケーブル等による溶接中の電圧降下を補正し、ワイヤ17と母材18との間の電圧であるアーク電圧を、溶接電圧設定部7により設定された溶接設定電圧と同等の値にすることができる。
なお、記憶部31の係数記憶部35と、ケーブル情報入力部34により、補正係数を決定するのではなく、記憶部31に、標準ケーブルを接続した場合の補正係数を記憶させておく。溶接機30に標準ケーブルを接続した場合、ケーブルの情報を入力しなくても、記憶部31に記憶している標準ケーブルに対応した補正係数に基づいて、補正溶接設定電圧を算出するようにしてもよい。なお、標準ケーブルとは、例えば、溶接機30のメーカが推奨する長さや断面積のケーブルや、溶接機30のメーカが溶接機30に付属して出荷するケーブル等である。
なお、本実施の形態の溶接機30では、設定した溶接設定電圧が自動的に補正されるが、その補正されたものから、作業者が溶接電圧設定部7を操作することにより、溶接設定電圧を微調整することも可能である。
一元電圧設定の場合は、溶接電圧設定部7を操作することにより、一元電圧から値が増減されることで溶接設定電圧の調整が行われる。個別電圧設定の場合は、溶接電圧設定部7を操作することにより、ある下限値からある上限値までの間の所定の範囲で溶接設定電圧が変化し、溶接設定電圧が調整される。
また、溶接電流設定部6で溶接設定電流を設定するが、実際の溶接において、定常溶接期間と、定常溶接期間の前の溶接スタート期間と、定常溶接期間の後の溶接終了期間においては、それぞれ目標とする溶接設定電流が異なる。また、それぞれの期間内においても、実際に目標とする溶接設定電流が時々刻々変化する。本実施の形態の溶接機30では、このように時々刻々変化する溶接設定電流に応じて溶接設定電圧の補正が行われ、きめ細かで適切な溶接を行うことができる。
本実施の形態の溶接機によれば、溶接電圧の検出を溶接機の出力端子で行うようにすることで、溶接電圧を検出するための従来のようなワイヤ送給装置や溶接トーチ等に接続する電圧検出ケーブルを設けない構成とすることができる。これにより、安価で、断線等の危険性がない信頼性の高い溶接機を実現することができる。
そして、溶接設定電圧を溶接機の内部で補正するようにすることで、溶接設定電圧として一元電圧設定機能により決定された一元電圧を利用することができる。これにより、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要であり、溶接作業者の負担増にならない溶接機を実現することができる。
本発明の溶接機は、電圧検出ケーブルを設けないので、安価に製作でき、断線の危険等が少ないため信頼性が高い。また、一元電圧設定機能を用いて決定した一元電圧を利用することができ、溶接設定電流を変更した場合でも溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要である。これらにより、溶接機に接続されたケーブルによる溶接中の電圧低下の補正に関し、溶接作業者の負担増にならない溶接機を提供することができ、例えば、溶接機に接続されるケーブルを変更して使用する溶接機に適用でき、産業上有用である。
2 溶接出力制御部
3 溶接出力指令部
4 溶接電圧検出部
5 溶接電流検出部
6 溶接電流設定部
7 溶接電圧設定部
8 第1の出力端子
9 第2の出力端子
10,11 ケーブル
13 ワイヤ送給装置
14 給電金具
15 溶接トーチ
15a トーチケーブル
16 アーク
17 ワイヤ
18 母材
30 溶接機
31 記憶部
32 補正値算出部
33 補正電圧算出部
34 ケーブル情報入力部
35 係数記憶部
本発明は、電圧制御を行ってアーク溶接を行う溶接機に関する。
近年、産業のグローバル化に伴い、あらゆる国々で溶接機が利用されている。特に、新興国においては、より安価で、信頼性の高い溶接機が求められている。
従来、溶接電圧を検出して溶接制御を行う溶接機では、正確なアーク電圧を検出するため、ワイヤ送給装置内部のトーチ接続金具や溶接トーチの先端といった、アークの近傍の電圧検出点で電圧を検出するようになっている。なお、このような検出を行う場合、アークの近傍の電圧検出点から溶接機までを接続する電圧検出ケーブルが必要となり、ケーブルの断線の問題や、コストがかかる等の問題がある。
図2と図3を用いて、従来から慣用されている溶接機の動作について説明する。図2と図3は、従来の溶接機の概略構成を示す図である。図2と図3の溶接機の違いは、溶接電圧検出部4が溶接電圧を検出する箇所である。なお、溶接機として、短絡とアークとを繰り返して溶接を行う消耗電極式のアーク溶接機を用いた例について説明する。
図2と図3に示すように、溶接機1は、溶接出力制御部2と、溶接出力指令部3と、溶接電圧検出部4と、溶接電流検出部5と、溶接電流設定部6と、溶接電圧設定部7と、第1の出力端子8と、第2の出力端子9と、を備えている。ここで、溶接出力指令部3は、溶接出力制御部2に指令を送る。溶接電圧検出部4は、溶接電圧を検出する。溶接電流検出部5は、溶接電流を検出する。溶接電流設定部6は、溶接電流を設定する。溶接電圧設定部7は、溶接電圧を設定する。第1の出力端子8は、溶接出力を溶接機1の外部に出力する。第2の出力端子9は、第1の出力端子8と対になり溶接出力を溶接機1の外部に出力する。
また、図2において、溶接機1の第1の出力端子8とワイヤ送給装置13とは、溶接トーチ側のケーブル10で接続されている。溶接機1の第2の出力端子9と母材18とは、母材側のケーブル11で接続されている。ワイヤ送給装置13は、溶接機1から給電を受けるための給電金具14を備えている。溶接トーチ15は、ワイヤ送給装置13に接続されている。母材18は、母材側電圧検出ケーブル24を介して溶接機1の溶接電圧検出部4に接続されている。溶接トーチ15は、電圧検出ケーブル12を介して溶接機1の溶接電圧検出部4に接続されている。そして、溶接トーチ15から母材18に向けて送給されるワイヤ17と母材18との間にアーク16を発生させて溶接を行う。なお、溶接電圧検出部4は、溶接トーチ15と母材18との間の電圧を検出する。
以上のように構成された溶接機について、CO2ガス(炭酸ガス)100%、ソリッドワイヤφ1.2mm(直径1.2mm)を用い、溶接電流条件100A、溶接電圧条件18.0Vの溶接条件で、消耗電極式のアーク溶接を行う場合の動作について説明する。
図2に示すように、溶接機1の溶接出力制御部2は、溶接機1の外部から給電される商用電力(図示せず)を入力とし、インバータ動作により溶接に適した溶接出力の制御を行う。そして、溶接出力制御部2は、第1の出力端子8にプラス給電を行い、第2の出力端子9にマイナス給電を行って、溶接機1の外部に溶接電圧を出力する。
第1の出力端子8から出力された溶接出力は、溶接用ケーブルで構成される溶接トーチ側のケーブル10を介して、ワイヤ17を送給するワイヤ送給装置13の給電金具14に給電される。そして、溶接出力は、給電金具14に接続された溶接トーチ15を介して、溶接トーチ15の内部に設けられている図示しない給電チップに給電され、給電チップを介して、消耗電極ワイヤであるワイヤ17に給電される。
ワイヤ17は、ワイヤ送給装置13から、図示しない送給モータに接続する図示しない送給ローラの回転で加圧送給され、溶接に適した送給速度で溶接トーチ15を介して母材18の方向に送給される。そして、第2の出力端子9から溶接用ケーブルで構成される母材側のケーブル11を介してマイナス給電された被溶接物である母材18と、ワイヤ17の先端との間で、アーク16を発生させて消耗電極式のアーク溶接を行う。なお、溶接を行うに際し、溶接電流設定部6により溶接設定電流を設定し(例えば、100A)、溶接電圧設定部7により溶接設定電圧を設定する(例えば、18.0V)。
CT(Current Transformer)等で構成される溶接電流検出部5は、溶接中の溶接電流を検出する。
また、溶接トーチ15の先端をプラス極側とし、このプラス極側は電圧検出ケーブル12により溶接機1と接続されており、母材18をマイナス極側とし、このマイナス極側は、母材側電圧検出ケーブル24により溶接機1と接続されている。したがって、溶接電圧検出部4は、溶接トーチ15の先端(プラス極側)と母材18(マイナス極側)との間に出力される溶接電圧を検出する。
溶接出力指令部3は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を溶接出力制御部2に出力し、溶接電圧設定部7で設定された溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を溶接出力制御部2に出力する。
溶接出力制御部2は、溶接出力指令部3の出力である溶接電流指令および溶接電圧指令と、溶接電流検出部5で検出された溶接電流と、溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧とを入力とし、消耗電極式アーク溶接の電流や電圧の波形制御を行う。また、溶接出力制御部2は、短絡状態である短絡区間とアーク状態であるアーク区間とを判定する。溶接出力制御部2は、短絡区間では、短絡電流制御を行い、アーク区間では、溶接電圧指令、溶接設定電圧および溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧に基づいて、溶接トーチ15の先端(プラス極側)と母材18(マイナス極側)との間に出力される溶接電圧のフィードバック制御を行う。例えば、平均電圧が18.0Vとなるように、溶接出力制御部2は、溶接電圧を制御する。
なお、図3は、給電金具14(プラス極側)と第2の出力端子9(マイナス極側)との間に出力された溶接電圧を検出し、溶接制御を行う溶接機1の概略構成の例である。図2と異なる点は、プラス極側の検出位置を溶接トーチ15ではなく、給電金具14とし、マイナス極側の検出位置を、母材18ではなく、第2の出力端子9としている点である。
以上のように、正確なアーク電圧(ワイヤ17と母材18との間の電圧に相当)を検出するためには、発生しているアークの近傍で電圧を検出することが望ましい。しかし、アーク近傍で電圧を検出するためには、電圧検出ケーブル12や、母材側電圧検出ケーブル24が必要になる。これらの検出ケーブル12、24は、溶接機1と溶接トーチ15との間や、溶接機1と母材18であるワークとの間で引き回される。そのため、設置環境が悪く、スパッタの飛散や、不意の引っ張りや、踏みつけ等が原因となり、断線が発生することもある。この断線の結果、溶接機1に不具合を生じる場合もあり、信頼性上問題がある。
また、電圧検出ケーブルを内蔵した制御ケーブルは、芯数が増え、コスト高となり、さらに、制御ケーブルが太くなるため、作業性が悪くなるといった問題もあった。
電圧検出ケーブル12と母材側電圧検出ケーブル24を用いると、上述のような問題がある。そこで、電圧検出ケーブル12と母材側電圧検出ケーブル24とを用いない構成とし、電圧検出を行う検出点を、溶接機1の第1の出力端子8と第2の出力端子9とする場合について考える。これら出力端子間で溶接電圧を検出し、後述する一元電圧設定機能により設定された一元電圧のままで溶接を行うようにすると、溶接機1における電圧制御は、出力端子間の電圧を制御することになる。しかし、溶接機1に接続されている溶接トーチ側のケーブル10や母材側のケーブル11といった溶接ケーブルによる電圧の低下が発生し、アーク16の近傍の電圧は、溶接機1の出力端子間の電圧よりも低くなる。すなわち、アーク16の近傍の電圧は、所望の電圧よりも低い電圧となり、電圧不足となる。
この対応として、溶接電圧設定部7を操作し、溶接設定電圧を大きく調整することで、適正な溶接条件を得ることは可能である。しかし、適正な溶接条件としての溶接設定電圧は、一元電圧設定機能で設定された一元電圧との差が大きく、一元電圧から大きく再調整する必要がある。従って、調整された溶接設定電圧は、一元電圧とは大きく異なるものとなり、事実上、一元電圧機能を有効に利用できないこととなる。そのため、作業者が適正な溶接設定電圧となるように溶接電圧設定部7を操作する必要があり、作業者にとって負担増になる。
なお、一元電圧とは、溶接設定電流に対応して予め決定された溶接に適した溶接設定電圧のことであり、溶接設定電流を設定すると一元電圧(溶接設定電圧)が決定される。この一元電圧の設定機能は、近年の溶接機1では、一般的に予め備わっている機能である。例えば、溶接設定電流として溶接電流100Aを設定するような場合に、溶接機1において、自動的に、適正電圧である18.0Vが設定電圧として自動設定される機能である。そして、この機能を有することで、作業者は、溶接設定電流を設定するだけで溶接設定電圧も設定することが可能となり、作業者による溶接条件の設定を容易にすることができる。
ここで、特許文献1には、溶接ケーブルにより生じる電圧降下を補正する一元制御式のアーク溶接装置が記載されている。そして、特許文献1では、溶接を実施する前に、電圧降下を補正するため、第1の出力端子8から溶接トーチ側のケーブル10等を介して第2の出力端子9までに至る出力回路の電気抵抗を測定する必要があり、作業が煩雑となるといった課題がある。
また、特許文献1の場合、出力回路の電気抵抗の測定の際、ワイヤ17と母材18とを接触させて電流を通電する必要があるが、母材18やワイヤ17を不必要に溶融させ、母材18やワイヤ17を傷めてしまうといった課題がある。
また、実際の溶接現場で測定する電気抵抗には、ばらつきが発生する。そのため、例えば異なる日時に同様の溶接対象物に対して溶接を行う場合、同一の溶接条件を再現させることが困難であった。
すなわち、電圧検出ケーブルを使用するとコストがかかる、または、断線等の信頼性の課題が生じ、また、溶接設定電流を変更して溶接すると、ワイヤ等を傷めたり溶接条件の再現性が悪くなるなど作業性が低下する課題が生じていた。
特開平6−238445号公報
本発明は、溶接電圧の検出を溶接機の出力端子だけで行うことで、電圧検出ケーブルを必要とせず、安価であり、電圧検出ケーブルの断線等の危険がないので信頼性が高い溶接機を提供する。また、本発明は、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな再設定が不要であり、良好な溶接を行うことができ、溶接作業者の作業性が向上する溶接機を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の溶接機は、溶接電流設定部と、溶接電圧設定部と、記憶部と、補正値算出部と、補正電圧算出部と、溶接出力制御部と、溶接出力指令部と、第1の出力端子と、第2の出力端子と、を備えている。ここで、溶接電流設定部は、溶接設定電流を設定する。溶接電圧設定部は、溶接設定電圧を設定する。記憶部は、上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶する。補正値算出部は、上記溶接電流設定部で設定された上記溶接設定電流と上記記憶部に記憶された上記補正係数に基づいて、上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧を補正するための補正値を算出する。補正電圧算出部は、上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧と上記補正値算出部で算出された補正値とを加算して補正した補正溶接設定電圧を算出する。溶接出力制御部は、溶接出力の制御を行う。溶接出力指令部は、上記溶接電流設定部で設定された上記溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を上記溶接出力制御部に出力し、上記補正電圧算出部で算出された補正溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を上記溶接出力制御部に出力する。第1の出力端子は、溶接トーチ側のケーブルが接続され溶接出力を出力する。第2の出力端子は、母材側のケーブルが接続され溶接出力を出力する。そして、本発明の溶接機は、上記溶接電流設定部で設定される前記溶接設定電流が変更されると、変更された溶接設定電流に応じて上記溶接電圧設定部で設定された上記溶接設定電圧が補正されて上記補正溶接設定電圧が算出され、上記補正溶接設定電圧に基づいて、上記第1の出力端子と上記第2の出力端子との間に溶接電圧を出力する構成としている。
この構成により、電圧検出ケーブルを設けないので、安価で、断線等の危険性がない信頼性の高い溶接機を実現することができる。また、溶接設定電圧を溶接機の内部で補正するようにすることで、溶接設定電圧として一元電圧設定機能により決定された一元電圧を利用することができる。これにより、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要であり、溶接作業者の負担増にならない溶接機を実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態1における溶接機の概略構成を示す図である。 図2は、従来の溶接機の概略構成を示す図である。 図3は、従来の溶接機の概略構成を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同じ構成要素については同じ符号を付しているので説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態1における溶接機30の概略構成を示す図である。なお、本実施の形態1の溶接機30として、短絡とアークとを繰り返して溶接を行う消耗電極式のアーク溶接機を例にして説明する。
図1に示すように、溶接機30は、溶接出力制御部2と、溶接出力指令部3と、溶接電圧検出部4と、溶接電流検出部5と、溶接電流設定部6と、溶接電圧設定部7と、第1の出力端子8と、第2の出力端子9と、を備えている。ここで、溶接出力指令部3は、溶接出力制御部2に指令を送る。溶接電圧検出部4は、溶接電圧を検出する。溶接電流検出部5は、溶接電流を検出する。溶接電流設定部6は、溶接設定電流を設定する。溶接電圧設定部7は、溶接設定電圧を設定する。第1の出力端子8は、溶接出力(溶接電圧と溶接電流の積)を溶接機30の外部に出力する。第2の出力端子9は、第1の出力端子8と対になり溶接出力を溶接機30の外部に出力する.なお、溶接電圧検出部4は、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間の電圧を検出する。
また、溶接機30は、記憶部31と、補正値算出部32と、補正電圧算出部33と、ケーブル情報入力部34と、を備えている。ここで、記憶部31は、設定された溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶している。補正値算出部32は、記憶部31の出力と溶接電流設定部6の出力に基づいて、溶接設定電圧の補正値を算出する。補正電圧算出部33は、補正値算出部32の出力と溶接電圧設定部7の出力に基づいて、補正された溶接設定電圧である補正溶接設定電圧を算出して溶接出力指令部3に出力する。ケーブル情報入力部34は、溶接機30に接続されているケーブルに関する情報を入力する。
なお、記憶部31は、接続されるケーブルに関する情報と補正係数とをテーブルまたは式として対応付けて記憶している係数記憶部35を備えている。そして、記憶部31は、ケーブル情報入力部34により入力された情報と係数記憶部35に記憶している情報に基づいて補正係数を決定し、この補正係数を補正値算出部32に出力する。
また、図1に示すように、溶接機30の第1の出力端子8とワイヤ送給装置13とは、溶接トーチ側のケーブル10で接続されている。溶接機30の第2の出力端子9と母材18とは、母材側のケーブル11で接続されている。ワイヤ送給装置13は、溶接機30から給電を受けるための給電金具14を備えている。トーチケーブルを有する溶接トーチ15は、ワイヤ送給装置13に接続されている。
以上のように構成された溶接機30で消耗電極式のアーク溶接を行う動作について、CO2ガス(炭酸ガス)100%、ソリッドワイヤφ1.2mm(直径1.2mm)を用い、溶接電流条件100A、溶接電圧条件18.0Vの溶接条件で軟鋼溶接を行う場合を例にして説明する。
図1に示すように、溶接機30の溶接出力制御部2は、溶接機30の外部から給電される商用電力(例えば、3相200V等)を入力とし、インバータ制御等を行って溶接に適した溶接出力の制御を行う。溶接出力制御部2は、例えば、図示しないインバータ部や変圧器やダイオード等から構成されている。
溶接出力制御部2を構成するインバータ部は、通常、PWM(Pulse Width Modulation)動作やフェーズシフト動作により駆動されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等で構成される。また、溶接出力制御部2を構成しておりインバータ部の出力を変圧する変圧器が出力する高周波交流出力は、溶接出力制御部2を構成するダイオードにより整流される。そして、ダイオードの出力、すなわち、溶接出力制御部2の出力は、第1の出力端子8にプラス極性の出力として給電され、第2の出力端子9にマイナス極性の出力として給電され、溶接機30の外部に溶接出力が出力される。
第1の出力端子8から出力された溶接出力は、溶接用ケーブルで構成される溶接トーチ側のケーブル10(例えば、38sq(mm2)、10m)を介して、ワイヤ17を送給するワイヤ送給装置13の給電金具14に給電される。そして、溶接出力は、給電金具14に接続された溶接トーチ15を介して、溶接トーチ15の内部に設けられている図示しない給電チップに給電され、給電チップを介して消耗電極ワイヤであるワイヤ17にプラス出力が給電される。なお、溶接トーチ15は、トーチケーブル15a(例えば、22sq(mm2)、3m)を備えている。
ワイヤ17は、ワイヤ送給装置13を構成する図示しない送給モータに接続された図示しない送給ローラの回転により加圧送給され、溶接に適した送給速度で、溶接トーチ15を介して、ワイヤ送給装置13から母材18の方向に送給される。
そして、第2の出力端子9から溶接用ケーブルで構成される母材側のケーブル11(例えば、38sq(mm2)、5m)を介してマイナス給電された被溶接物である母材18と、ワイヤ17の先端との間で、アーク16を発生させて消耗電極式のアーク溶接を行う。
CPU等で構成される溶接電流設定部6は、溶接設定電流(例えば、100A等)を設定するためのものである。
また、CPU等で構成される溶接電圧設定部7は、溶接設定電圧(例えば、18.0V等)を設定するためのものである。なお、溶接設定電圧は、設定された溶接設定電流に対応して決定される一元電圧として設定されるようにしてもよい。このように、溶接設定電圧を一元電圧として設定する場合、溶接機30は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流と、溶接設定電流に対応した溶接に適した電圧である一元電圧との関係を示すテーブルまたは式を記憶する図示しない一元電圧記憶部を備えていてもよい。そして、溶接設定電圧は、溶接電圧設定部7で設定するのではなく、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流と一元電圧記憶部に記憶している情報に基づいて決定した一元電圧を溶接設定電圧とする溶接機30の構成としてもよい。
この構成により、溶接設定電流に対応した溶接に適した電圧である一元電圧を、作業者が溶接設定電流のみ設定することで、簡単に設定することができる。そして、熟練を要する作業である溶接条件設定作業に関し、作業者の負担を軽減することができる。
CPU等で構成される記憶部31は、設定された溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶するものである(例えば、0.01等)。
CPU等で構成される補正値算出部32は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流と、記憶部31から入力した補正係数に基づいて、設定された溶接設定電圧を補正するための溶接設定電圧の補正値を算出する。なお、溶接設定電圧の補正値は、設定された溶接設定電流と補正係数の乗算により求める(例えば、100A×0.01=1.0V等)。
CPU等で構成される補正電圧算出部33は、設定された溶接設定電圧と、補正値算出部32で算出された溶接設定電圧の補正値とを加算して、補正溶接設定電圧を算出する(例えば、18.0V+1.0V=19.0V等)。
CPU等で構成される溶接出力指令部3は、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を溶接出力制御部2に出力し、補正電圧算出部33で算出された補正溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を溶接出力制御部2に出力する。
CT(Current Transformer)等で構成される溶接電流検出部5は、溶接電流を検出する。また、溶接電圧検出部4は、第1の出力端子8をプラス側、第2の出力端子9をマイナス側として、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力された溶接電圧を検出する。
溶接出力制御部2は、溶接電流指令と、溶接電圧指令と、検出された溶接電流と、検出された溶接電圧とを入力し、消耗電極式のアーク溶接における電流や電圧の波形制御を行う。そして、溶接出力制御部2は、溶接の状態が、短絡状態である短絡区間であるのか、アーク状態であるアーク区間であるのかを判定する。判定結果が短絡区間である場合、溶接出力制御部2は、短絡電流制御を行う。判定結果がアーク区間である場合、溶接出力制御部2は、溶接電圧指令、補正溶接設定電圧および溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧に基づいて、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力される溶接電圧のフィードバック制御を行う構成としてもよい。このフィードバック制御は、例えば、平均電圧が19.0Vとなるように、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力する溶接電圧を制御することである。
この構成により、溶接機30へ入力される図示しない1次入力電圧が変動し、溶接出力電圧が変動した場合でも、溶接出力電圧を設定された平均電圧の指令に制御することで、安定した適切な溶接結果を得ることができる。
なお、溶接出力制御部2において、短絡状態であるのかアーク状態であるのかの判定は、例えば、検出された溶接電圧が10V以上ならアーク状態と判定し、10V未満なら短絡状態と判定する。また、溶接出力制御部2による短絡電流制御は、例えば、100A/msecの増加傾きで電流指令を増加させる。また、溶接電圧のフィードバック制御に用いる溶接電圧検出部4で検出された溶接電圧は、500msec程度の平均電圧を算出して用いてもよい。例えば、溶接電圧の500msecの平均電圧が19.0Vとなるように溶接電圧を制御する。なお、電圧フィードバックを行わず、フィードフォワード制御(固定バイアス)で溶接電圧を制御するようにしてもよい。
ここで、溶接電流設定部6により溶接設定電流が変更されると、変更された溶接設定電流に応じて溶接電圧設定部7で設定された溶接設定電圧が補正され、補正溶接設定電圧が算出される。そして、算出された補正溶接設定電圧に基づいて、溶接機30は、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に溶接電圧を出力する構成としている。
この構成により、溶接電圧の検出を溶接機の出力端子で行うようにすることで、溶接電圧を検出するための従来のようなワイヤ送給装置や溶接トーチ等に接続する電圧検出ケーブルを設けない構成とすることができる。これにより、安価で、断線等の危険性がない信頼性の高い溶接機を実現することができる。
そして、溶接設定電圧を溶接機の内部で補正するようにすることで、溶接設定電圧として一元電圧設定機能により決定された一元電圧を利用することができる。これにより、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要であり、溶接作業者の負担増にならない溶接機を実現することができる。
なお、補正係数は、溶接機30に接続されるケーブルにより溶接中に生じる電圧降下に関連するインピーダンスであってもよい。
この構成により、溶接機30に接続されるケーブルにより生じる溶接中の電圧降下分を補正することができる。そして、適切な溶接電圧を出力でき、適切な溶接結果を得ることができる。
また、補正係数は、溶接機30に接続されるワイヤ送給装置13と第1の出力端子8との間に接続されるケーブルに関連するインピーダンスであってもよい。
この構成により、ワイヤ送給装置13に接続されるケーブルにより生じる電圧降下分を補正することができる。そして、適切な溶接電圧を出力でき、適切な溶接結果を得ることができる。なお、ワイヤ送給装置13に接続されるケーブルは、システム構成の一部であるため、ケーブルの種類や長さといった仕様が明確なため、補正係数を決定しやすい。
なお、補正係数は、一般的に利用されるケーブルを想定して、予め、実験等により、溶接ケーブルの材質、係数、長さ等に対応付けて決定しておくことができる。また、ケーブルの種類が変わるようなことがあっても、ケーブルの種類に応じた補正係数を補正する係数を調整する。これにより、予め決められている補正係数を調整して変更されたケーブルに適切な補正係数を設定することができる。
CPU、タッチパネルおよびLED表示部等で構成されるケーブル情報入力部34は、溶接機30に接続されるケーブルに関する情報を入力するためのものである。ケーブルに関する情報は、長さ、材質、断面積等を用いる。なお、JISで定められる溶接用ケーブルの種類記号を用いてもよい。
CPU等で構成される係数記憶部35は、溶接機30に接続されるケーブルと補正係数とをテーブルまたは式として対応付けて記憶している。
記憶部31は、係数記憶部35に記憶した情報と、ケーブル情報入力部34により入力されたケーブルに関する情報に基づいて、補正係数を決定するようにしてもよい。例えば、ケーブルに関する情報が、38sq(mm2)、10m、WCT線の場合に、補正係数は0.01となる。
この構成により、ケーブルの種類が変わるようなことがあっても、補正係数を簡単に調整することができる。そして、適切な補正係数を設定できることで、適切な溶接電圧を出力でき、良好な溶接結果を得ることができる。
なお、ケーブルに関する情報として、溶接トーチ15を構成するトーチケーブルの情報(例えば、長さ、材質、断面積等)を用いてもよい。
次に、溶接機30の詳細な動作について、CO2ガス100%、φ1.2mmソリッドワイヤで、溶接電流条件100A、溶接電圧条件18.0Vの溶接条件で軟鋼溶接する場合を例にして説明する。
ここで、溶接設定電圧18.0Vは、従来から知られている一元電圧設定機能により決定された一元電圧であり、一般的な溶接条件である。また、補正係数を、0.01とした場合について説明する。
溶接機30において、例えば、溶接機30の図示しない電源スイッチをオンする、あるいは、溶接トーチ15に設けられた図示しないトーチスイッチをオンして溶接を開始する。そうすると、補正溶接設定電圧は、19.0V(=18.0V+0.01×100A)と算出され、溶接機30は、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間の溶接電圧が、補正溶接設定電圧となるように制御する。
溶接中は、溶接機30の出力端子から出力された溶接電圧は、溶接機30に接続された溶接ケーブルによる電圧の低下が1.0V(=100A×0.01)発生する。ワイヤ17と母材18との間の電圧であるアーク電圧は、18.0V(=19.0V−1.0V)となり、すなわち、溶接設定電圧となり、良好な溶接結果を得ることができる。
以上のように、従来から知られている一元電圧設定機能により決定された一元電圧である溶接電圧18.0Vを溶接設定電圧として設定しても、すなわち、溶接電圧設定部7で溶接設定電圧を設定せず、溶接電流設定部6により溶接設定電圧を設定する。そして、この溶接設定電流に対応した一元電圧として18.0Vが設定された場合でも、溶接機30の内部において、設定された溶接設定電圧が自動的補正されることで、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に、適正な溶接を行うための適正な溶接電圧が出力される。
次に、溶接設定電流の設定値が、溶接電流設定部6により、100Aから200Aに変更された場合について説明する。溶接設定電流が200Aである場合の一元電圧が23.0Vである場合、溶接電流設定部6で設定された溶接設定電流200Aに基づいて、一元電圧である23.0Vが溶接設定電圧として設定される。この場合、補正溶接設定電圧は、23.0V+0.01×200A=25.0Vとなる。この状態で溶接が行われると、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間の電圧は25.0Vとなり、ワイヤ17と母材18との間の電圧に相当するアーク電圧は約23.0Vとなり、適正な溶接電圧が出力され、良好な溶接結果を得ることができる。
以上のように、溶接設定電流が変更された場合でも、溶接機30において自動的に補正溶接設定電圧が算出されて再設定される。そのため、溶接作業者が、溶接設定電流に基づく一元電圧として設定された溶接設定電圧を、ケーブルによる電圧降下を補うために再調整する必要がなく、ケーブルによる電圧降下を補うための作業者の負担が軽減される。
また、本実施の形態によれば、溶接機30に接続されたケーブルによる電圧降下を補正するために、従来のように、ワイヤ17と母材18とを接触させ、溶接機30に接続したケーブル等を含む出力回路の電気抵抗を測定する作業を、溶接開始前に都度行う必要がない。従って、ケーブルによる電圧降下の補正に関し、作業者の負担増とはならない。そして、本実施の形態によれば、ケーブルによる電圧降下を補正するために、ワイヤ17と母材18とを接触させる必要がないので、ワイヤ17や母材18を傷めることもない。
また、従来のように、溶接を行う現場において、出力回路の電気抵抗を溶接する前に都度測定する方法では、測定誤差が生じることで、溶接の再現が難しく、適正な補正による適正な溶接を行うことができない恐れがある。しかし、本実施の形態では、予め実験等により求めた補正係数を用いるため、溶接の再現性が高い。
以上のように、本実施の形態では、溶接電圧を溶接機30の第1の出力端子8と第2の出力端子9との間で検出することで、従来のように溶接電圧を検出するためにワイヤ送給装置13や溶接トーチ15等に接続する電圧検出ケーブルを設けない構成とすることができる。これにより、安価で、断線の危険等がない信頼性の高い溶接機30を提供することができる。
また、溶接設定電圧を溶接機30の内部で補正する構成であり、溶接設定電圧は溶接機30に機能として備えている従来から知られている一元電圧設定機能により設定した一元電圧を利用することができ、良好な溶接を行うことができる。そして、溶接設定電流を変更した場合でも、作業者が溶接電圧設定部7を用いて溶接設定電圧を大きく変更させて再設定を行う必要がなく、溶接作業者の負担増とはならない。
また、従来のように溶接前に出力回路の電気抵抗を測定する作業を行う必要がなく、溶接作業者の負担増にはならない。
また、従来のように、電気抵抗の測定時に、ワイヤ17と溶接トーチ15とを接触させた状態で電流を通電することがないため、ワイヤ17や、溶接トーチ15に設けられている図示しないチップ等を痛めることもない。
なお、本実施の形態の説明では、溶接電圧を検出する位置を、出力端子として説明したが、補正係数を調整することさえできれば、特に上述の構成に限るわけではない。すなわち、溶接機30内の出力端子でない箇所で溶接電圧を検出する構成とした場合、出力端子で検出する際に用いる補正係数を出力端子でない箇所で検出する際の補正係数に補正する係数を用いる。これにより、出力端子で検出する際の補正係数を調整して出力端子でない箇所で検出する場合の補正係数を決定することができ、出力端子でない箇所で溶接電圧を検出するようにすることが可能である。
以上のように、本実施の形態によれば、溶接電流設定部6により溶接設定電流が設定され、溶接電圧設定部7により溶接設定電圧が設定される。ケーブル情報入力部34によりケーブルの情報が入力されると、設定された溶接設定電圧が補正さる。これにより、第1の出力端子8と第2の出力端子9との間に出力される溶接電圧が制御される。このようにすることで、溶接機30に接続されたケーブル等による溶接中の電圧降下を補正し、ワイヤ17と母材18との間の電圧であるアーク電圧を、溶接電圧設定部7により設定された溶接設定電圧と同等の値にすることができる。
なお、記憶部31の係数記憶部35と、ケーブル情報入力部34により、補正係数を決定するのではなく、記憶部31に、標準ケーブルを接続した場合の補正係数を記憶させておく。溶接機30に標準ケーブルを接続した場合、ケーブルの情報を入力しなくても、記憶部31に記憶している標準ケーブルに対応した補正係数に基づいて、補正溶接設定電圧を算出するようにしてもよい。なお、標準ケーブルとは、例えば、溶接機30のメーカが推奨する長さや断面積のケーブルや、溶接機30のメーカが溶接機30に付属して出荷するケーブル等である。
なお、本実施の形態の溶接機30では、設定した溶接設定電圧が自動的に補正されるが、その補正されたものから、作業者が溶接電圧設定部7を操作することにより、溶接設定電圧を微調整することも可能である。
一元電圧設定の場合は、溶接電圧設定部7を操作することにより、一元電圧から値が増減されることで溶接設定電圧の調整が行われる。個別電圧設定の場合は、溶接電圧設定部7を操作することにより、ある下限値からある上限値までの間の所定の範囲で溶接設定電圧が変化し、溶接設定電圧が調整される。
また、溶接電流設定部6で溶接設定電流を設定するが、実際の溶接において、定常溶接期間と、定常溶接期間の前の溶接スタート期間と、定常溶接期間の後の溶接終了期間においては、それぞれ目標とする溶接設定電流が異なる。また、それぞれの期間内においても、実際に目標とする溶接設定電流が時々刻々変化する。本実施の形態の溶接機30では、このように時々刻々変化する溶接設定電流に応じて溶接設定電圧の補正が行われ、きめ細かで適切な溶接を行うことができる。
本実施の形態の溶接機によれば、溶接電圧の検出を溶接機の出力端子で行うようにすることで、溶接電圧を検出するための従来のようなワイヤ送給装置や溶接トーチ等に接続する電圧検出ケーブルを設けない構成とすることができる。これにより、安価で、断線等の危険性がない信頼性の高い溶接機を実現することができる。
そして、溶接設定電圧を溶接機の内部で補正するようにすることで、溶接設定電圧として一元電圧設定機能により決定された一元電圧を利用することができる。これにより、溶接設定電流を変更した場合でも、溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要であり、溶接作業者の負担増にならない溶接機を実現することができる。
本発明の溶接機は、電圧検出ケーブルを設けないので、安価に製作でき、断線の危険等が少ないため信頼性が高い。また、一元電圧設定機能を用いて決定した一元電圧を利用することができ、溶接設定電流を変更した場合でも溶接設定電圧の大きな変更による再設定が不要である。これらにより、溶接機に接続されたケーブルによる溶接中の電圧低下の補正に関し、溶接作業者の負担増にならない溶接機を提供することができ、例えば、溶接機に接続されるケーブルを変更して使用する溶接機に適用でき、産業上有用である。
2 溶接出力制御部
3 溶接出力指令部
4 溶接電圧検出部
5 溶接電流検出部
6 溶接電流設定部
7 溶接電圧設定部
8 第1の出力端子
9 第2の出力端子
10,11 ケーブル
13 ワイヤ送給装置
14 給電金具
15 溶接トーチ
15a トーチケーブル
16 アーク
17 ワイヤ
18 母材
30 溶接機
31 記憶部
32 補正値算出部
33 補正電圧算出部
34 ケーブル情報入力部
35 係数記憶部

Claims (6)

  1. 溶接設定電流を設定するための溶接電流設定部と、
    溶接設定電圧を設定するための溶接電圧設定部と、
    前記溶接電圧設定部で設定された前記溶接設定電圧を補正するための補正係数を記憶する記憶部と、
    前記溶接電流設定部で設定された前記溶接設定電流と前記記憶部に記憶された前記補正係数に基づいて、前記溶接電圧設定部で設定された前記溶接設定電圧を補正するための補正値を算出する補正値算出部と、
    前記溶接電圧設定部で設定された前記溶接設定電圧と前記補正値算出部で算出された補正値とを加算して補正した補正溶接設定電圧を算出する補正電圧算出部と、
    溶接出力の制御を行う溶接出力制御部と、
    前記溶接電流設定部で設定された前記溶接設定電流に基づいて溶接電流指令を前記溶接出力制御部に出力し、前記補正電圧算出部で算出された補正溶接設定電圧に基づいて溶接電圧指令を前記溶接出力制御部に出力する溶接出力指令部と、
    溶接トーチ側のケーブルが接続され溶接出力を出力するための第1の出力端子と、母材側のケーブルが接続され溶接出力を出力するための第2の出力端子と、
    を備え、
    前記溶接電流設定部で設定される前記溶接設定電流が変更されると、変更された溶接設定電流に応じて前記溶接電圧設定部で設定された前記溶接設定電圧が補正されて前記補正溶接設定電圧が算出され、前記補正溶接設定電圧に基づいて、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に溶接電圧を出力する溶接機。
  2. 前記第1の出力端子と前記2の出力端子との間に出力された溶接電圧を検出する溶接電圧検出部を備え、
    前記補正溶接設定電圧と前記溶接電圧検出部とで検出された溶接電圧に基づいて、前記第1の出力端子と前記第2の出力端子との間に出力される溶接電圧のフィードバック制御を行う請求項1記載の溶接機。
  3. 前記補正係数は、溶接機に接続されるケーブルにより溶接中に生じる電圧降下に関連するインピーダンスである請求項1記載の溶接機。
  4. 前記補正係数は、溶接機に接続されるワイヤ送給装置と前記第1の出力端子との間に接続されるケーブルに関連するインピーダンスである請求項1記載の溶接機。
  5. 溶接機に接続されるケーブルに関する情報を入力するケーブル情報入力部を備え、
    前記記憶部は、前記溶接機に接続されるケーブルと前記補正係数とをテーブルまたは式として対応付けて記憶した係数記憶部を備え、
    前記記憶部は、前記係数記憶部に記憶した情報と前記ケーブル情報入力部により入力されたケーブルに関する情報に基づいて前記補正係数を決定する請求項3または4のいずれか1項に記載の溶接機。
  6. 前記溶接電流設定部で設定された前記溶接設定電流と、前記溶接設定電流に対応した電圧である一元電圧との関係を示すテーブルまたは式を記憶する一元電圧記憶部を備え、
    前記溶接設定電圧は、前記溶接電圧設定部で設定するのではなく、前記溶接電流設定部で設定された前記溶接設定電流と前記一元電圧記憶部に記憶している情報に基づいて決定した一元電圧を前記溶接設定電圧とする請求項1に記載の溶接機。
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