JPWO2012147610A1 - 放熱基板 - Google Patents

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Abstract

本放熱基板(1)は、第1の金属ダイヤモンド複合層(11)と、第2の金属ダイヤモンド複合層(12)と、第1の金属ダイヤモンド複合層(11)と第2の金属ダイヤモンド複合層(12)との間に配置された芯材層(10)と、を含み、第1の金属ダイヤモンド複合層(11)および第2の金属ダイヤモンド複合層(12)は、それぞれのダイヤモンド含有率が50体積%未満であり、芯材層(10)は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下で、厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上である。これにより、半導体素子を搭載または保持するために適した熱膨張係数と高い熱伝導率とを有する低価格の放熱基板が提供される。

Description

本発明は、半導体素子を搭載または保持するために適した熱膨張係数と高い熱伝導率とを有する低価格の放熱基板に関する。
近年、半導体素子を搭載または保持するための基板として、高密度に集積された半導体素子に蓄積する熱を効率的に放出するための放熱基板が多く提案されている。
たとえば、特開平10−12767号公報(特許文献1)は、第1層としてCuと、第2層としてMoまたはCu−Mo複合材と、第3層としてCuとがこの順に積層され、第1層と第2層との界面および第2層と第3層との界面にAg層を有する積層構造放熱基板を開示する。
また、特開平06−268117号公報(特許文献2)は、W−Cu合金およびMo−Cu合金からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属材料からなる第1の部材と、その第1の部材の一方と他方の主表面に接合されかつCuからなる第2の部材とを備える放熱基板を開示する。
また、WO2003/040420号公報(特許文献3)は、ダイヤモンド粒子を焼結体全体に対して60体積以上90体積%以下含有し、残部が実質的にCuからなる高熱伝導性ダイヤモンド焼結体を開示する。
特開平10−12767号公報 特開平06−268117号公報 WO2003/040420号公報
しかし、特開平10−12767号公報(特許文献1)および特開平06−268117号公報(特許文献2)において開示される放熱基板は、半導体素子を搭載または保持するのに適した熱膨張係数を有しているが、熱伝導率が必ずしも高くならないという問題点があった。
また、WO2003/040420号公報(特許公報3)において開示される高熱伝導性ダイヤモンド焼結体は、半導体素子を搭載または保持するのに適した熱膨張係数を有しかつ高い熱伝導率を有するが、焼結体のダイヤモンドの含有率が60体積%以上と高いことから、製造方法の制約から、製造コストが極めて高いという問題点があった。
本発明は、上記の問題点を解決して、半導体素子を搭載または保持するために適した熱膨張係数と高い熱伝導率とを有する低価格の放熱基板を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために、本発明者らは、ダイヤモンド含有率が50体積%未満の金属ダイヤモンド複合材を用いることにより熱伝導率が高い放熱基板を低価格で製造できることを見出し、さらに、かかる金属ダイヤモンド複合材を他の材料の芯材と積層させることにより熱膨張係数を調節することにより、本発明を完成させた。すなわち、本発明の技術的手段は以下の通りである。
本発明は、ある局面に従えば、第1の金属ダイヤモンド複合層と、第2の金属ダイヤモンド複合層と、第1の金属ダイヤモンド複合層と第2の金属ダイヤモンド複合層との間に配置された芯材層と、を含む放熱基板であって、第1の金属ダイヤモンド複合層および第2の金属ダイヤモンド複合層は、それぞれのダイヤモンド含有率が50体積%未満であり、芯材層は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下で、厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上である放熱基板である。
本発明にかかる放熱基板において、放熱基板の全体は、主面に平行な方向の熱膨張係数を7×10-6-1以上13×10-6-1以下とし、厚さ方向の熱伝導率を400W・m-1・K-1以上とすることができる。また、放熱基板の全体は、厚さを500μm以上10000μm以下とすることができる。また、芯材層は、厚さを50μm以上4000μm以下とすることができる。また、芯材層は、Moを含むことができる。また、第1の金属ダイヤモンド複合層および第2の金属ダイヤモンド複合層に含まれるダイヤモンド粒子の粒径を20μm以上250μm以下とすることができる。
本発明によれば、半導体素子を搭載または保持するために適した熱膨張係数と高い熱伝導率とを有する低価格の放熱基板を提供することができる。
本発明にかかる放熱基板の一例を示す概略図である。
[放熱基板]
図1を参照して、本発明の一実施形態である放熱基板1は、第1の金属ダイヤモンド複合層11と、第2の金属ダイヤモンド複合層12と、第1の金属ダイヤモンド複合層11と第2の金属ダイヤモンド複合層12との間に配置された芯材層10と、を含み、第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、それぞれのダイヤモンド含有率が50体積%未満であり、芯材層10は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下で、厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上である。
本実施形態の放熱基板1は、ダイヤモンド含有率がいずれも50体積%未満である第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12を含むため、製造コストが低く、400W・m-1・K-1以上の高い熱伝導率を有する。また、本実施形態の放熱基板1は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下で厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上である芯材層10を含むため、半導体素子の熱膨張係数と同一または近似の熱膨張係数を有するため、半導体素子の搭載または保持に適する。
本実施形態の放熱基板1の全体は、その主面に平行な方向の熱膨張係数が7×10−6−1以上13×10−6−1以下で、その厚さ方向の熱伝導率が400W・m−1・K−1以上であることが好ましい。なお、本実施形態の放熱基板1の全体の厚さ方向の熱伝導率の上限は、現在のところ、600W・m−1・K−1程度である。ここで、放熱基板1の全体の熱膨張係数および熱伝導率とは、放熱基板1の全体を一体とした時の熱膨張係数および熱伝導率を意味する。かかる範囲内の熱膨張係数および熱伝導率を有する放熱基板1は、半導体素子の熱膨張係数と同一または近似の熱膨張係数を有し、また高い熱伝導率を有するため、半導体素子の搭載または保持するための放熱基板として極めて好適である。
本実施形態の放熱基板1の全体は、その厚さTが500μm以上10000μm以下であることが好ましい。放熱基板1の全体について、その厚さTが500μmより薄いと放熱性能が低下し、その厚さTが10000μより厚いと半導体素子を高密度に搭載または保持することが困難となり実装用基板として適さない。
(芯材層)
本実施形態の放熱基板1の芯材層10は、第1の金属ダイヤモンド複合層11と第2の金属ダイヤモンド複合層12との間に配置されている。第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、それらの熱伝導率は高いが、それらの熱膨張係数は半導体素子の熱膨張係数に比べて大きいため、それらのみでは半導体素子の搭載または保持するのに適さない。このため、芯材層10は、放熱基板1の全体の熱膨張係数を、半導体素子の熱膨張係数と同一または近似にするために必要とされる。
上記の観点から、芯材層10は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下で、厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上であることが必要である。なお、芯材層10の厚さ方向の熱伝導率の上限は、現在のところ、250W・m-1・K-1程度である。
芯材層10は、上記の熱膨張係数および熱伝導率を有するものであれば特に制限はなく、一つの層からなる単層であってもよく、複数の層からなる複層であってもよい。また、単層においては、単一の化学種からなる単体層であってもよく、複数の化学種からなる複合層であってもよい。ここで、単体層としては、Mo層、W層、AlN層、Si34層などが好適に挙げられる。複合層としては、CuW層、CuMo層などが好適に挙げられる。また、複層としては、Mo/X/Mo層(Xは、Cu、Ag、CuダイヤモンドおよびAgダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1つ)、Mo/X/Mo/X/Mo層(Xは、Cu、Ag、CuダイヤモンドおよびAgダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1つ)などが好適に挙げられる。なお、AlN層、Si34層などの絶縁性のある芯材層10を用いた場合は、放熱基板1の厚さ方向に絶縁性を付与することができる。
また、芯材層10は、上記の熱膨張係数および熱伝導率を有するものであれば特に制限はないが、Moを含むものが好ましく、具体的には、Mo層、CuMo層、Mo/X/Mo層(Xは、Cu、Ag、CuダイヤモンドおよびAgダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1つ)、Mo/X/Mo/X/Mo層(Xは、Cu、Ag、CuダイヤモンドおよびAgダイヤモンドからなる群から選ばれる少なくとも1つ)などがより好ましい。
さらに、芯材層10には、その表面にメッキおよび蒸着の少なくとも1つの方法により形成された金属層が形成されていてもよい。かかる金属層には、Ni層、Cu層、Ag層、Au層、またはこれらの層が積層された層などが好適に挙げられる。
また、芯材層10の厚さT0は、特に制限はないが、50μm以上4000μm以下が好ましく、250μm以上1000μm以下がより好ましい。芯材層10の厚さT0が50μmより小さいと、放熱基板1の全体の主面に平行な方向の熱膨張係数を7×10-6-1以上13×10-6-1以下とすることが難しく、芯材層10の厚さT0が4000μmより大きいと、放熱基板1の全体の厚さ方向の熱膨張係数を400W・m-1・K-1以上に大きくすることが難しくなる。
(第1および第2の金属ダイヤモンド複合層)
本実施形態の放熱基板1において、第1の金属ダイヤモンド複合層11は芯材層10の一方の主面側に配置され、第2の金属ダイヤモンド複合層12は芯材層10の他方の主面側に配置されている。このため、熱伝導率が高い放熱基板1が得られる。第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、パンチングによる打ち抜き加工を可能とする観点および製造コストを低減する観点から、それぞれのダイヤモンド含有率が、50体積%未満であり、40体積%以下が好ましい。また、第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、それぞれのダイヤモンド含有率を10体積%以上とすることにより、それぞれの熱伝導率を420W・m-1・K-1以上に高くすることができる。また、第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、それぞれのダイヤモンド含有率が50体積%未満であるため、それぞれの熱伝導率が700W・m-1・K-1未満である。
ここで、上述のように本実施形態の放熱基板1における芯材層10は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下であり、半導体素子の熱膨張係数と同一または近似の熱膨張係数を有するため、半導体素子の搭載または保持に適したものであるが、厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上であり放熱基板としてはより高い熱伝導率が望まれる。このため、かかる芯材層10を第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12で挟むことにより、厚さ方向の熱伝導率が400W・m-1・K-1以上と高く製造コストの低い放熱基板1が得られる。
第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、金属とダイヤモンドとを含む複合体で形成されている層であり、たとえば、ダイヤモンド粒子が金属中に分散して存在する形態を有する。金属としては、特に制限はないが、熱伝導率が高い観点から、Cu、Ag、Alなどが好適に用いられる。すなわち、Cuダイヤモンド複合層、Agダイヤモンド複合層、Alダイヤモンド複合層などが好適に挙げられる。また、ダイヤモンド粒子の粒径は、特に制限はないが、作業性を高める観点から20μm以上が好ましく、金属中での均一な分散性を高める観点から250μm以下が好ましい。
さらに、第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12には、それらの表面にメッキおよび蒸着の少なくとも1つの方法により形成された金属層が形成されていてもよい。かかる金属層には、Ni層、Cu層、Ag層、Au層、またはこれらの層が積層された層などが好適に挙げられる。
第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、低い製造コストで高熱伝導率の層を形成する観点から、それぞれのダイヤモンド含有率が50体積%未満であることが必要である。特に、第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12を、コールドスプレー法などの各種スプレー法により形成する場合は、それぞれのダイヤモンド含有率は、10体積%以上50体積%未満であることが好ましく、10体積%以上40体積%以下であることがより好ましい。ダイヤモンド含有率が10体積%より低いとスプレーが安定せず、ダイヤモンド含有率が50体積%以上に高いとスプレーの際に金属ダイヤモンド複合層内に気泡が発生しやすい。
ここで、第1の金属ダイヤモンド複合層11のダイヤモンド含有率および第2の金属ダイヤモンド複合層12のダイヤモンド含有率は、同じであっても異なっていてもよい。
また、第1の金属ダイヤモンド複合層11の厚さT1および第2の金属ダイヤモンド複合層12の厚さT2は、同じであっても異なっていてもよい。
放熱基板1においては、芯材層10の種類および厚さT0、第1の金属ダイヤモンド複合層11のダイヤモンド含有率および厚さT1、ならびに第2の金属ダイヤモンド複合層12のダイヤモンド含有率および厚さT2を変えることによって、所望の熱膨張係数および熱伝導率を有する放熱基板1が得られる。
放熱基板1は、一般的には、たとえば、第1の金属ダイヤモンド複合層11のダイヤモンド含有率と第2の金属ダイヤモンド複合層12のダイヤモンド含有率とを同じにし、かつ、第1の金属ダイヤモンド複合層11の厚さT1と第2の金属ダイヤモンド複合層12の厚さT2とを同じにすることにより、主面に平行な熱膨張係数を第1の金属ダイヤモンド複合層11側と第2の金属ダイヤモンド複合層12側とで同じにする。
放熱基板1は、その使用目的に応じて、第1の金属ダイヤモンド複合層11のダイヤモンド含有率と第2の金属ダイヤモンド複合層12のダイヤモンド含有率とを異ならせ、または、第1の金属ダイヤモンド複合層11の厚さT1と第2の金属ダイヤモンド複合層12の厚さT2とを異ならせることにより、主面に平行な熱膨張係数を第1の金属ダイヤモンド複合層11側と第2の金属ダイヤモンド複合層12側とで異ならせてもよい。
また、第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、半導体素子の熱膨張係数と同一または近似の熱膨張係数と高い熱伝導率とを有する放熱基板1を形成する観点から、それぞれの主面に平行な方向の熱膨張係数が8.5×10-6-1以上15×10-6-1以下で、それぞれの厚さ方向の熱伝導率が420W・m-1・K-1以上であることが好ましい。
[放熱基板の製造方法]
図1を参照して、本実施形態の放熱基板を製造する方法は、特に制限はなく、たとえば、芯材層10を準備する工程と、芯材層10の一方の主面側に第1の金属ダイヤモンド複合層11を形成し、芯材層10の他方の主面側に第2の金属ダイヤモンド複合層12を形成する工程を含むことができる。
{芯材層の準備工程}
準備される芯材層10は、上記のとおりであり、ここでは繰り返さない。
{第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の形成工程}
形成される第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12は、上記のとおりであり、ここでは繰り返さない。
第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12を形成する方法は、特に制限はなく、芯材層10の一方の主面側に第1の金属ダイヤモンド複合層11を直接形成し、芯材層10の他方の主面側に第2の金属ダイヤモンド複合層12を直接形成する直接的方法、予め第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12を準備し、芯材層10の一方の主面側に第1の金属ダイヤモンド複合層11を貼り合わせ、芯材層10の他方の主面側に第2の金属ダイヤモンド複合層12を貼り合わせる間接的方法、などがある。効率よく低い製造コストで第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12を形成する観点から、直接的方法が好ましい。
(直接的方法)
直接的方法としては、コールドスプレー法、HVAF(High Velocity Aero Fuel)法、AD(Aerosol Deposition)法などのスプレー法が挙げられる。
かかるスプレー法においては、特に制限はないが、たとえば、スプレー用の金属ダイヤモンド組成物を準備するサブ工程と、芯材層の両方の主面側に金属ダイヤモンド組成物をスプレーすることにより放熱基板を得るサブ工程と、を含む。
(スプレー用の金属ダイヤモンド組成物を準備するサブ工程)
まず、スプレー用の金属ダイヤモンド組成物を準備する。準備される金属ダイヤモンド組成物は、ダイヤモンド粒子の表面に金属膜が被覆されて形成された金属被覆ダイヤモンド粒子の粉末であり、必要に応じて、金属粒子粉末が添加される。ここで、金属膜としては、特に制限はないが、熱伝導率が高い観点から、Cu膜、Ag膜、Al膜などが好適に挙げられる。添加される金属粒子粉末は、特に制限はないが、熱伝導率が高い観点から、Cu粒子粉末、Ag粒子粉末、Al粒子粉末などが好適に挙げられる。
金属ダイヤモンド組成物のダイヤモンド含有率は、10体積%以上50体積%未満が好ましく、10体積%以上40体積%以下がより好ましい。ダイヤモンド含有率が10体積%より低いとスプレーが安定せず、ダイヤモンド含有率が50体積%以上に高いとスプレーの際に金属ダイヤモンド複合層内に気泡が発生しやすい。
ダイヤモンド粒子の粒子径は、特に制限はないが、20μm以上250μm以下が好ましい。ダイヤモンド粒子の粒子径が20μmより小さいとスプレーの供給が安定せず、粒子径が250μmより大きいとスプレーの際に気泡が発生しやすい。また、ダイヤモンド粒子に被覆される金属膜の厚さは、特に制限はないが、1μm以上30μm以下が好ましい。金属膜の厚さが1μmより小さいとスプレー時の粒子間の密着が不十分になるおそれがあり、金属膜の厚さが30μmより大きいと金属被覆ダイヤモンド粒子を製造することは困難である。したがって、金属被覆ダイヤモンド粒子の粒子径は、特に制限はないが、上記の理由から、21μm以上280μm以下が好ましい。
また、金属被覆ダイヤモンド粒子には、ダイヤモンド粒子と金属膜との間に別の金属の膜(中間金属膜)が介在していてもよい。かかる中間金属膜は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niおよびこれらを含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。中間金属膜の厚さは、特に制限はないが、0.5μm以上1.0μm以下が好ましい。中間金属膜の厚さが0.5μmより小さいと金属膜とダイヤモンド粒子との間の熱伝導率が低下するおそれがあり、中間金属膜の厚さが1.0μmより大きいと中間金属膜自体が熱伝導率を低下させるおそれがあり、いずれの場合も金属ダイヤモンド複合層の熱伝導率を低下させるおそれがある。
金属被覆ダイヤモンド粒子において、ダイヤモンド粒子の表面上に金属膜、または中間金属膜および金属膜を形成する方法は、特に制限はなく、メッキ法、金属箔の接合法、CVD(化学気相堆積)法、プラズマCVD法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法、蒸着法、スプレー法などが好適に挙げられる。
なお、金属ダイヤモンド組成物として、ダイヤモンド粒子に上記の中間金属膜を形成した中間金属被覆ダイヤモンド粒子の粉末および金属粒子粉末を用いることもできる。
(芯材層の両方の主面側に金属ダイヤモンド組成物をスプレーすることにより放熱基板を得るサブ工程)
次に、準備された金属ダイヤモンド組成物を、芯材層10の一方の主面側にスプレーして第1の金属ダイヤモンド複合層11を形成し、芯材層10の他方の主面側にスプレーして第2の金属ダイヤモンド複合層12を形成する。こうして、第1の金属ダイヤモンド複合層11と第2の金属ダイヤモンド複合層12との間に芯材層10が配置されている放熱基板1が得られる。
金属ダイヤモンド組成物をスプレーする方法は、金属ダイヤモンド複合層を形成できる方法であれば特に制限はなく、コールドスプレー法、HVAF(High Velocity Aero Fuel)法、AD(Aerosol Deposition)法などが好適に挙げられる。
スプレー条件は、金属ダイヤモンド組成物およびスプレー方法に適合している限り特に制限はない。たとえば、コールドスプレーの場合は、吹きつけのためのガスとして、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの不活性ガス、またはこれらの不活性ガスに水素ガスを混合した混合ガスを使用して、吹き付けガス圧を2MPa以上5MPa以下(より好ましくは2MPa以上4MPa以下)として、吹き付けガス温度を700℃以上1000℃以下(より好ましくは700℃以上900℃以下)とし、吹き付けの際の金属被覆ダイヤモンド粒子および金属粒子の速度を700m/s以上1000m/s以下とするのが好ましい。ここで、吹き付けの際の金属被覆ダイヤモンド粒子および金属粒子の速度は、吹き付けの際にCCDカメラで撮影した粒子の画像を解析することにより算出される。
直接的方法による放熱基板の製造方法においては、放熱基板中の酸化物を除去し粒子間の結合力を向上させる観点から、得られた放熱基板1を熱処理するサブ工程をさらに含むことが好ましい。
(放熱基板を熱処理するサブ工程)
放熱基板を熱処理するサブ工程において、熱処理雰囲気は、スプレーの際に形成された放熱基板中の酸化物を除去する観点から、還元性ガス含有する非酸化性雰囲気、たとえば、水素ガス雰囲気、水素ガスと窒素ガスの混合ガス雰囲気などが好ましい。熱処理温度は、放熱基板中の酸化物を除去し粒子間の結合力を向上させる観点から、400℃以上600℃以下が好ましい。熱処理時間は、放熱基板中の酸化物を除去し粒子間の結合力を向上させる観点から、0.2時間以上1時間以下が好ましい。
(間接的方法)
間接的方法においては、特に制限はないが、たとえば、第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)を形成するサブ工程と、芯材層10の両方の主面側に第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)をそれぞれ貼り合わせることにより放熱基板を得るサブ工程と、を含む。
(第1の金属ダイヤモンドウエハおよび第2の金属ダイヤモンドウエハを形成するサブ工程)
第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)を形成する方法は、特に制限はなく、焼結法、溶浸法、HP(ホットプレス)法、通電焼結法、圧延法などが好適に挙げられる。
形成される第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)は、金属とダイヤモンドとを含む複合体で形成されているウエハであり、たとえば、ダイヤモンド粒子が金属中に分散して存在する形態を有する。金属としては、特に制限はないが、熱伝導率が高い観点から、Cu、Ag、Alなどが好適に用いられる。すなわち、Cuダイヤモンド複合ウエハ、Agダイヤモンド複合ウエハ、Alダイヤモンド複合ウエハなどが好適に挙げられる。また、ダイヤモンド粒子の粒径は、特に制限はないが、作業性を高める観点から20μm以上が好ましく、金属中での均一な分散性を高める観点から250μm以下が好ましい。
第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)は、低い製造コストで高熱伝導率の第1の金属ダイヤモンド複合層11および第2の金属ダイヤモンド複合層12をそれぞれ形成する観点から、それぞれのダイヤモンド含有率は、10体積%以上50体積%未満であることが好ましく、10体積%以上40体積%以下であることがより好ましい。ダイヤモンド含有率が10体積%より低いと熱伝導率の高いウエハが得られず、ダイヤモンド含有率が50体積%以上に高いとウエハの製造の際に高圧が必要となり製造コストが高くなる。
ここで、第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)のダイヤモンド含有率および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)のダイヤモンド含有率は、同じであっても異なっていてもよい。
ここで、第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)のダイヤモンド含有率および第2の金属ダイヤモンドウエハを形成するための原材料となる金属ダイヤモンド組成物は、特に制限はないが、作業性および成形性が高い観点から、上記の直接的方法において用いられた金属ダイヤモンド組成物が好適である。
また、第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)の厚さT1および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)の厚さT2は、同じであっても異なっていてもよい。
(芯材層の両方の主面側に第1の金属ダイヤモンドウエハおよび第2の金属ダイヤモンドウエハをそれぞれ貼り合わせることにより放熱基板を得るサブ工程)
次に、芯材層10の一方の主面側に第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)を貼り合わせ、芯材層10の他方の主面側に第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)を貼り合わせる。こうして、第1の金属ダイヤモンド複合層11と第2の金属ダイヤモンド複合層12との間に芯材層10が配置されている放熱基板1が得られる。
第1の金属ダイヤモンドウエハ(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2の金属ダイヤモンドウエハ(第2の金属ダイヤモンド複合層12)を芯材層10に貼り合わせる方法は、特に制限はなく、蝋付け法、HP法、圧延法、通電焼結法、およびそれらの組み合わせなどが好適に挙げられる。
[実施例1]
(例1−1)
1.芯材層の準備
図1を参照して、芯材層10として、直径が2インチ(5.08cm)で厚さが500μmのMo(Moの純度は99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:5.2×10-6-1、熱伝導率κ:142W・m-1・K-1)を準備した。
2.第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の形成による放熱基板の作製
Mo芯材(芯材層10)の両側の主面上に、コールドスプレー法により、Cuダイヤモンド組成物(金属ダイヤモンド組成物)をスプレーすることにより、第1のCuダイヤモンド複合層(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および第2のCuダイヤモンド複合層(第2の金属ダイヤモンド複合層12)を形成した。より具体的には、以下のようにした。
Cuダイヤモンド組成物(金属ダイヤモンド組成物)としては、平均粒径が100μmで純度が99.9質量%のダイヤモンド粒子に厚さ0.5μm〜1.0μmのTi層が被覆された市販のTi被覆ダイヤモンド粒子(DI(ダイヤモンドイノベーションインターナショナル)社製MBG600 100μTI)に厚さ10μmの無電解メッキCu層を形成したCu/Ti被覆ダイヤモンド粒子(金属被覆ダイヤモンド粒子)の粉末と、平均粒径が100μmの電解Cu(金属)粒子の粉末とを、組成物全体におけるダイヤモンド含有率が30体積%となるように、混合させたものを用いた。
Mo芯材(芯材層10)の一方および他方の主面上に、上記のCuダイヤモンド組成物(金属ダイヤモンド組成物)をコールドスプレーすることにより、厚さが600μmの第1のCuダイヤモンド複合層(第1の金属ダイヤモンド複合層11)および厚さが600μmの第2のCuダイヤモンド複合層(第2の金属ダイヤモンド複合層12)を形成した。こうして、第1のCuダイヤモンド複合層(第1の金属ダイヤモンド複合層11)と第2のCuダイヤモンド複合層(第2の金属ダイヤモンド複合層12)との間に、Mo芯材(芯材層10)が配置された厚さが1700μmの放熱基板1が得られた。
Cuダイヤモンド組成物(金属ダイヤモンド組成物)のコールドスプレーにおいては、吹き付けガスとして窒素ガスを使用し、吹き付けガス圧が4MPa、吹き付けガス温度が800℃、吹き付けの際のCu/Ti被覆ダイヤモンド粒子(金属被覆ダイヤモンド粒子)およびCu粒子(金属粒子)の速度が800m/sであった。
3.放熱基板の熱処理
得られた放熱基板1を、水素ガス雰囲気中、600℃で1時間熱処理した。
4.放熱基板の評価
上記のようにして得られた放熱基板1の主面に平行な方向の熱膨張係数αは、放熱基板から切り出された4mm×20mm×厚さ1700μmのサンプルを、25℃〜200℃において本実施例で得られた放熱基板と同じ元素組成を有する溶浸法で作製されたCuW(Cu:20質量%、W:80質量%、熱膨張係数α:8.3×10-6-1、熱伝導率κ:200W・m-1・K-1)を基準物質として比較測定法により測定したところ、8.5×10-6-1であり、半導体素子の搭載または保持に適していた。また、放熱基板1の厚さ方向の熱伝導率κは、放熱基板から切り出された直径10mmで厚さが1700μmのサンプルをレーザフラッシュ法により測定したところ、408W・m-1・K-1と極めて高かった。また、Cuダイヤモンド複合層(金属ダイヤモンド複合層)とMo芯材(芯材層)との接合強度は、直径2インチ(5.08cm)のCuダイヤモンド複合層(金属ダイヤモンド複合層)とMo芯材(芯材層)との接合体について引張試験を行ったところ、0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−2)
芯材層の厚さを300μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を250μmとしダイヤモンド含有量を8体積%としたこと以外は、例1−1と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが14.2×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが390W・m-1・K-1と高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.69GPaと極めて大きかった。例1−2においては、ダイヤモンド含有量が好ましい範囲よりも低かったため、放熱基板の熱膨張係数αが好ましい範囲よりも高くなり、また、放熱基板の熱伝導率κが好ましい範囲よりも低くなった。結果を表1にまとめた。
(例1−3)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を10体積%としたこと以外は、例1−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが13.0×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが409W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.60GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−4)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を20体積%としたこと以外は、例1−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが11.4×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが441W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.57GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−5)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を30体積%としたこと以外は、例1−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが478W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−6)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を40体積%としたこと以外は、例1−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.1×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが521W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−7)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を50体積%としたこと以外は、例1−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが7.2×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが374W・m-1・K-1であり、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.57GPaと極めて大きかった。例1−7においては、ダイヤモンド含有量が高すぎたため、放熱基板の熱伝導率κが低くなった。結果を表1にまとめた。
(例1−8)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を300μmとしたこと以外は、例1−7と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが6.8×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが320W・m-1・K-1であり、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。例1−8においては、ダイヤモンド含有量が高すぎ、また、ダイヤモンド粒子の粒径が好ましい範囲よりも高かったため、放熱基板の熱膨張係数αが好ましい範囲よりも低くなり、また、放熱基板の熱伝導率κが低くなった。結果を表1にまとめた。
(例1−9)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を100μmとしたこと以外は、例1−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが437W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−10)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を20μmとしたこと以外は、例1−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが405W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−11)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を15μmとしたこと以外は、例1−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが397W・m-1・K-1と高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。例1−11においては、ダイヤモンド粒子の粒径が好ましい範囲よりも低かったため、放熱基板の熱伝導率κが好ましい範囲よりも低くなった。結果を表1にまとめた。
(例1−12)
芯材層の厚さを100μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを100μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を50μmとしたこと以外は、例1−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが300μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが402W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−13)
芯材層の厚さを250μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを250μmとしたこと以外は、例1−12と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが750μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが405W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−14)
芯材層の厚さを1000μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを1000μmとしたこと以外は、例1−12と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが3000μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが410W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.57GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−15)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを2000μmとしたこと以外は、例1−14と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが5000μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが471W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−16)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのW(Wの純度は99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:4.5×10-6-1、熱伝導率κ:180W・m-1・K-1)としたこと以外は、例1−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが8.3×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが444W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.66GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−17)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのMoCu(Mo:60質量%、Cu:40質量%、MoおよびCuの純度はそれぞれ99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:11×10-6-1、熱伝導率κ:234W・m-1・K-1)としたこと以外は、例1−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが10.2×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが477W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.48GPaと極めて大きかった。結果を表1にまとめた。
(例1−18)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのWNi(W:99質量%、Ni:1質量%、WおよびNiの純度はそれぞれ99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:5×10-6-1、熱伝導率κ:130W・m-1・K-1としたこと以外は、例1−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが8.1×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが395W・m-1・K-1と高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.62GPaと極めて大きかった。例1−18においては、芯材層の熱伝導率κが低すぎたため、放熱基板の熱伝導率κが低くなった。結果を表1にまとめた。
(例1−19)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのMoCu(Mo:20質量%、Cu:80質量%、MoおよびCuの純度はそれぞれ99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:16×10-6-1、熱伝導率κ:340W・m-1・K-1)としたこと以外は、例1−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが13.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが517W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.54GPaと極めて大きかった。例1−19においては、芯材層の熱膨張係数αが高すぎたため、放熱基板の熱膨張係数αが高くなった。結果を表1にまとめた。
Figure 2012147610
[実施例2]
(例2−1)
1.芯材層の準備
図1を参照して、芯材層10として、直径が2インチ(5.08cm)で厚さが500μmのMo(Moの純度は99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:5.2×10-6-1、熱伝導率κ:142W・m-1・K-1)を準備した。
2.第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の作製
Cuダイヤモンド組成物(金属ダイヤモンド組成物)としては、実施例1の例1−1と同様に、平均粒径が100μmで純度が99.9質量%のダイヤモンド粒子に厚さ0.5μm〜1.0μmのTi層が被覆された市販のTi被覆ダイヤモンド粒子(DI(ダイヤモンドイノベーションインターナショナル)社製MBG600 100μTI)に厚さ10μmの無電解メッキCu層を形成したCu/Ti被覆ダイヤモンド粒子(金属被覆ダイヤモンド粒子)の粉末と、平均粒径が100μmの電解Cu(金属)粒子の粉末とを、組成物全体におけるダイヤモンド含有率が30体積%となるように、混合させたものを準備した。
上記のCuダイヤモンド組成物を、圧力8000kgf/cm2で型押しした後、真空雰囲気中850℃で2時間の条件で焼結した後、630℃で圧下率10%の条件で熱間圧延した。こうして、それぞれの厚さが600μmの第1および第2の金属ダイヤモンド複合層が得られた。
3.放熱基板の作製
第1の金属ダイヤモンド複合層、芯材層および第2の金属ダイヤモンド複合層をこの順に配置して、真空雰囲気中850℃で1時間、電流密度500A/cm2の条件で通電焼結した。こうして、厚さが1700μmの放熱基板が得られた。
4.放熱基板の評価
得られた放熱基板は、例1−1と同様の方法で評価したところ、熱膨張係数αが8.3×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが412W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.55GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−2)
芯材層の厚さを300μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を250μmとしダイヤモンド含有量を8体積%としたこと以外は、例2−1と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが14.0×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが387W・m-1・K-1と高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.67GPaと極めて大きかった。例2−2においては、ダイヤモンド含有量が好ましい範囲よりも低かったため、放熱基板の熱膨張係数αが好ましい範囲よりも高くなり、また、放熱基板の熱伝導率κが好ましい範囲よりも低くなった。結果を表2にまとめた。
(例2−3)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を10体積%としたこと以外は、例2−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが12.9×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが408W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.61GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−4)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を20体積%としたこと以外は、例2−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが11.0×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが451W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−5)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を30体積%としたこと以外は、例2−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.3×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが480W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−6)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を40体積%としたこと以外は、例2−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.2×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが520W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.59GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−7)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド含有量を50体積%としたこと以外は、例2−2と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが7.4×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが377W・m-1・K-1であり、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.55GPaと極めて大きかった。例2−7においては、ダイヤモンド含有量が高すぎたため、放熱基板の熱伝導率κが低くなった。結果を表2にまとめた。
(例2−8)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を300μmとしたこと以外は、例2−7と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが6.8×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが321W・m-1・K-1であり、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.55GPaと極めて大きかった。例2−8においては、ダイヤモンド含有量が高すぎ、また、ダイヤモンド粒子の粒径が好ましい範囲よりも高かったため、放熱基板の熱膨張係数αが好ましい範囲よりも低くなり、また、放熱基板の熱伝導率κが低くなった。結果を表2にまとめた。
(例2−9)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を100μmとしたこと以外は、例2−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.4×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが440W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.58GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−10)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を20μmとしたこと以外は、例2−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.2×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが415W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.54GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−11)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を15μmとしたこと以外は、例2−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1500μmであり、熱膨張係数αが8.3×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが397W・m-1・K-1と高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.55GPaと極めて大きかった。例2−11においては、ダイヤモンド粒子の粒径が好ましい範囲よりも低かったため、放熱基板の熱伝導率κが好ましい範囲よりも低くなった。結果を表2にまとめた。
(例2−12)
芯材層の厚さを100μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを100μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層におけるダイヤモンド粒子の粒径を50μmとしたこと以外は、例2−5と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが300μmであり、熱膨張係数αが8.5×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが409W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.55GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−13)
芯材層の厚さを250μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを250μmとしたこと以外は、例2−12と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが750μmであり、熱膨張係数αが8.4×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが404W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.56GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−14)
芯材層の厚さを1000μmとし、第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを1000μmとしたこと以外は、例2−12と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが3000μmであり、熱膨張係数αが8.6×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが411W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.57GPaと極めて高かった。結果を表2にまとめた。
(例2−15)
第1および第2の金属ダイヤモンド複合層の厚さを2000μmとしたこと以外は、例2−14と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが5000μmであり、熱膨張係数αが8.3×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが481W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.57GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−16)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのW(Wの純度は99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:4.5×10-6-1、熱伝導率κ:180W・m-1・K-1)としたこと以外は、例2−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが8.9×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが454W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.65GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−17)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのMoCu(Mo:60質量%、Cu:40質量%、MoおよびCuの純度はそれぞれ99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:11×10-6-1、熱伝導率κ:234W・m-1・K-1)としたこと以外は、例2−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが10.0×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが480W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.49GPaと極めて大きかった。結果を表2にまとめた。
(例2−18)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのWNi(W:99質量%、Ni:1質量%、WおよびNiの純度はそれぞれ99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:5×10-6-1、熱伝導率κ:130W・m-1・K-1)としたこと以外は、例2−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが8.3×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが391W・m-1・K-1と高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.61GPaと極めて大きかった。例2−18においては、芯材層の熱伝導率κが低すぎたため、放熱基板の熱伝導率κが低くなった。結果を表2にまとめた。
(例2−19)
芯材層を直径が2インチ(5.08cm)で厚さが600μmのMoCu(Mo:20質量%、Cu:80質量%、MoおよびCuの純度はそれぞれ99.9質量%)芯材(熱膨張係数α:16×10-6-1、熱伝導率κ:340W・m-1・K-1)としたこと以外は、例2−9と同様の放熱基板を作製した。得られた放熱基板は、厚さが1800μmであり、熱膨張係数αが13.2×10-6-1と半導体素子の搭載または保持に適しており、熱伝導率κが523W・m-1・K-1と極めて高く、金属ダイヤモンド複合層と芯材層との接合強度は0.53GPaと極めて大きかった。例2−19においては、芯材層の熱膨張係数αが高すぎたため、放熱基板の熱膨張係数αが高くなった。結果を表2にまとめた。
Figure 2012147610
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明にかかる放熱基板は、半導体を用いるメモリIC、LSI、パワーデバイス、通信用デバイス、光デバイス、センサ用デバイスおよびこれらのモジュールに好適に適用できる。
1 放熱基板、10 芯材層、11 第1の金属ダイヤモンド複合層、12 第2の金属ダイヤモンド複合層。

Claims (6)

  1. 第1の金属ダイヤモンド複合層(11)と、第2の金属ダイヤモンド複合層(12)と、前記第1の金属ダイヤモンド複合層(11)と前記第2の金属ダイヤモンド複合層(12)との間に配置された芯材層(10)と、を含む放熱基板(1)であって、
    前記第1の金属ダイヤモンド複合層(11)および前記第2の金属ダイヤモンド複合層(12)は、それぞれのダイヤモンド含有率が50体積%未満であり、
    前記芯材層(10)は、主面に平行な方向の熱膨張係数が4.5×10-6-1以上13×10-6-1以下で、厚さ方向の熱伝導率が140W・m-1・K-1以上である放熱基板。
  2. 前記放熱基板(1)の全体は、主面に平行な方向の熱膨張係数が7×10-6-1以上13×10-6-1以下で、厚さ方向の熱伝導率が400W・m-1・K-1以上である請求項1に記載の放熱基板。
  3. 前記放熱基板(1)の全体は、厚さが500μm以上10000μm以下である請求項1に記載の放熱基板。
  4. 前記芯材層(10)は、厚さが50μm以上4000μm以下である請求項1に記載の放熱基板。
  5. 前記芯材層(10)は、Moを含む請求項1に記載の放熱基板。
  6. 前記第1の金属ダイヤモンド複合層(11)および前記第2の金属ダイヤモンド複合層(12)に含まれるダイヤモンド粒子の粒径は、20μm以上250μm以下である請求項1に記載の放熱基板。
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