JP5526632B2 - 絶縁基板、絶縁回路基板、半導体装置、絶縁基板の製造方法及び絶縁回路基板の製造方法 - Google Patents

絶縁基板、絶縁回路基板、半導体装置、絶縁基板の製造方法及び絶縁回路基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、半導体素子が搭載される絶縁基板、この絶縁基板に回路層を形成した絶縁回路基板、及び、この絶縁基板を用いた半導体装置、並びに、絶縁基板の製造方法、絶縁回路基板の製造方法に関するものである。
前述の絶縁基板としては、AlN、Al、Si等のセラミックス板や、金属板等の表面に絶縁被膜を形成した金属ベース基板が利用されている。
例えば、特許文献1には、AlN、Al、Si等のセラミックス板の一方の面にAl又はCuからなる回路層を設けた絶縁回路基板上に、パワー素子(半導体素子)を搭載したパワーモジュール(半導体装置)が開示されている。
また、特許文献2には、セラミックスからなる絶縁基板の上に半導体素子を搭載し、この絶縁回路基板の下面側に冷却器を配設するとともに、半導体素子の上部にも、セラミックスからなる絶縁基板を介して冷却器を配設した、両面冷却構造の半導体装置が提案されている。
特許文献3には、Al、Fe,Cu等からなる金属板の上にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなる絶縁層を形成した絶縁基板(金属ベース基板)を用い、この絶縁層上に銅箔を配設して回路を形成し、この回路上に半導体素子を搭載した半導体装置が開示されている。
また、特許文献4には、Al、Cu等からなる金属板の上に、例えばガラスエポキシシートからなる絶縁層を形成した絶縁基板(金属ベース基板)を用い、この絶縁層上に配線板(回路層)を形成し、この配線板上にLEDチップ(半導体素子)を搭載したLEDパッケージ(半導体装置)が提案されている。
ここで、特許文献1,2に開示されたように、セラミックスからなる絶縁基板を用いた半導体装置では、絶縁基板の熱膨張係数が、Si等で構成された半導体素子の熱膨張係数と近似しており、冷熱サイクル負荷時において半導体素子自体に熱応力が作用することが抑制されることになる。
また、特許文献3,4に開示されたように、金属板上に樹脂等の絶縁層を形成した絶縁基板においては、金属板の熱伝導率が高いため、放熱特性に優れる。
特開2004−288828号公報 特開2005−123233号公報 特開2005−142356号公報 特開2006−339224号公報
ところで、特許文献1,2に開示されたセラミックスからなる絶縁基板においては、熱伝導率が悪く、半導体素子から発生する熱を効率的に放散することができないといった問題があった。また、セラミックスは脆性材料であることから曲げ応力が負荷された際に亀裂が生じて破損するおそれがあった。
一方、特許文献3,4に開示されたように、金属板の表面に樹脂等の絶縁層が形成された絶縁基板においては、熱膨張係数が金属板に支配されることになり、Si等で構成された半導体素子と熱膨張係数が大きく異なることになり、冷熱サイクル負荷時に半導体素子自体に大きな熱応力が作用して破損してしまうおそれがあった。
すなわち、セラミックスからなる絶縁基板では放熱性に問題があり、金属板に絶縁層を形成した絶縁基板では熱応力が問題となっていた。このため、従来は、半導体装置の用途に応じて、これら放熱特性や熱応力をいずれかを犠牲にして、前述の絶縁基板を選択して使用していた。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、放熱特性に優れ、かつ、冷熱サイクル負荷時において半導体素子に熱応力が作用することを抑制することが可能な絶縁基板、この絶縁基板を用いた絶縁回路基板および半導体装置、並びに、絶縁基板の製造方法及び絶縁回路基板の製造方法を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明の絶縁基板は、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体と、この基板本体の一方の面に形成されたアルミナからなる絶縁被膜と、を備えた絶縁基板であって、前記基板本体の室温から200℃までの熱膨張係数が10×10−6/℃以下、熱伝導率が190W/(m・K)以上、抗折強度が30MPa以上に設定されており、前記アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の一方の面には、金属粉末を衝突させることによって金属スキン層が形成されており、前記絶縁被膜は、前記金属スキン層の上に、アルミナ粉末を衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成されており、前記アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の他方の面に、金属スキン層が形成されていることを特徴としている。
この構成の絶縁基板によれば、基板本体の熱膨張係数が10×10−6/℃以下に設定されているので、熱膨張係数が半導体素子と近似することになり、冷熱サイクル負荷時において半導体素子に熱応力が作用することを抑制できる。また、基板本体の熱伝導率が190W/(m・K)以上に設定されているので、半導体素子から発生する熱を効率良く放散させることができる。さらに、基板本体の抗折強度が30MPa以上に設定されているので、絶縁基板としての剛性が確保され、半導体装置を構成することが可能となる。
また、絶縁被膜が、絶縁性材料からなる粉末を衝突させることによって形成されていることから、絶縁被膜が緻密な構造となり、高い絶縁耐圧を得ることができる。なお、絶縁被膜の形成には、例えば絶縁性材料からなる粉末を高温で衝突させるプラズマ溶射法や、絶縁性材料からなる粉末をガスとともに常温で衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成することが可能である。
ここで、前記絶縁被膜は、エアロゾルデポジション法によって形成されていることが好ましい。
エアロゾルデポジション法においては、サブミクロンオーダーの微細な粉末を高速で衝突させて絶縁被膜を形成することになる。このエアロゾルデポジション法では、衝突した粉末が破砕されて積層され、破砕によって形成された活性面によって粉末同士が強固に結合されるため、絶縁被膜が非常に緻密な構造となり、絶縁被膜を薄く形成したとしても高い絶縁耐圧を得ることができる。
また、前記アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の一方の面には、金属スキン層が形成されており、この金属スキン層の上に前記絶縁被膜が形成されていることが好ましい。
この場合、金属スキン層によって基板本体の一方の面が均一な面となることから、絶縁被膜を良好に形成することが可能となる。すなわち、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体においては、その表面に金属と金属以外の材料とが露呈されていることから、同一条件で粉末を衝突させて絶縁被膜を形成する場合に、金属部分と金属以外の部分とで絶縁被膜の形成状態が異なるおそれがあるので、金属スキン層を形成し、この金属スキン層上に粉末を衝突させることにより、より均一な絶縁被膜を形成することが可能となるのである。
前記絶縁基板は、前記アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の他方の面に、金属スキン層が形成されていてもよい。
この場合、例えば絶縁基板の他方の面側に、AlやCu等からなる冷却器を配設する際に、絶縁基板と冷却器とを、容易にかつ確実に接合することが可能となる。
本発明の絶縁回路基板は、前述の絶縁基板を有し、この絶縁基板の絶縁被膜の上に、導電性材料からなる回路層が形成されていることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板においては、回路層上に半導体素子を搭載することにより、半導体素子を電気的に接続することが可能となり、高品質の半導体装置を構成することができる。また、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体と回路層とが絶縁被膜によって絶縁されていることから、基板本体側と半導体素子とが短絡することを防止できる。
ここで、前記回路層が、金属粉末を前記絶縁被膜上に衝突させることによって形成されていることが好ましい。
この場合、回路層が、金属粉末を前記絶縁被膜上に衝突させることによって形成されていることから、緻密な回路層が形成されることになり、絶縁被膜上に回路層を良好に形成することができる。なお、金属粉末を絶縁被膜上に衝突させて回路層を形成する方法としては、例えば、金属粉末を高温で衝突させるプラズマ溶射法や、金属粉末をガスとともに常温で衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成することが可能である。
前記回路層には、Al、Ni、Cu,Agのいずれか一種を用いることができる。
ここで、Al、Cu、Agは電気伝導性に優れており、また、Cu、Ni、Agは、はんだ材との接合性に優れているため、半導体素子をはんだ材を用いて良好に接合することができる。このように、半導体装置の用途に応じて回路層を構成する材料を選択することが好ましい。あるいは、Alを下地層、Agを上層とした積層膜、または、Al又はAgの少なくとも一方を下地層、Cu又はNiの少なくとも一方を上層とした2層以上の積層膜としてもよい。
ここで、前記絶縁基板の他方の面側に、冷却器が配設されていることが好ましい。
この場合、絶縁回路基板を、絶縁基板の他方の面側に配設された冷却器によって冷却することができる。よって、絶縁回路基板上に搭載される半導体素子から発生する熱を効率的に放散することが可能となる。
本発明の半導体装置は、前述の絶縁基板を有し、この絶縁基板上に、半導体素子が搭載されていることを特徴としている。
この構成の半導体装置によれば、放熱特性が優れるとともに、その熱膨張係数が半導体素子に近似した絶縁基板を用いているので、半導体素子から発生する熱を効率的に放散可能であるとともに半導体素子の破損を抑制することができる。すなわち、高品質の半導体装置が提供されることになる。
本発明の絶縁基板の製造方法は、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体と、この基板本体の一方の面に形成された絶縁被膜と、を備えた絶縁基板の製造方法であって、室温から200℃までの熱膨張係数が10×10−6/℃以下、熱伝導率が190W/(m・K)以上、抗折強度が30MPa以上に設定された前記基板本体の一方の面に、金属粉末を衝突させることによって金属スキン層を形成する金属スキン層形成工程と、前記金属スキン層の上に、アルミナからなる粉末を衝突させるエアロゾルデポジション法によって前記絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
を有することを特徴としている。
この構成の絶縁基板の製造方法によれば、熱の伝導が良く、かつ、熱膨張係数が低く半導体素子を構成するSiに近似した絶縁基板を製造することができる。さらに、絶縁被膜形成工程が、絶縁性材料からなる粉末を衝突させる構成とされていることから、緻密な絶縁被膜を形成することが可能となり、高い絶縁耐圧を得ることができる。
前記絶縁被膜形成工程は、エアロゾルデポジション法によって前記絶縁被膜を形成することが好ましい。
この場合、絶縁被膜が非常に緻密な構造となり、絶縁被膜を薄く形成したとしても高い絶縁耐圧を得ることができる。また、常温の条件下において絶縁被膜を形成することが可能となり、この絶縁基板の製造コストを低減することができる。
前記基板本体の一方の面及び他方の面の少なくとも一方に、金属粉末を衝突させることによって金属スキン層を形成する金属スキン層形成工程を備えていることが好ましい。
この場合、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の表面に、任意の金属からなる金属スキン層を形成することが可能となる。すなわち、アルミニウム−グラファイト複合材料に含有された金属以外の金属からなる金属スキン層を形成することができるのである。
本発明の絶縁回路基板の製造方法は、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体及びこの基板本体の一方の面に形成された絶縁被膜を有する絶縁基板と、この絶縁基板上に形成された回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、前述の絶縁基板の絶縁被膜の上に、導電性材料からなる回路層を形成する回路層形成工程を備えていることを特徴としている。
この構成の絶縁回路基板の製造方法によれば、絶縁被膜上に回路層を形成しているので、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体と回路層とが絶縁被膜によって絶縁され、基板本体と回路層とが短絡することが防止されることになる。なお、この回路層形成工程は、例えば、金属板のろう付け、めっき、真空蒸着、導電性ペーストの塗布等の各種手段を採用することが可能である。
前記回路層形成工程は、金属粉末を前記絶縁被膜上に衝突させることによって形成することが好ましい。
この場合、金属粉末を前記絶縁被膜上に衝突させる方法、例えば、金属粉末を高温で衝突させるプラズマ溶射法や、金属粉末をガスとともに常温で衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成するので、緻密な回路層を確実に形成することができる。
本発明によれば、放熱特性に優れ、かつ、冷熱サイクル負荷時において半導体素子に熱応力が作用することを抑制することが可能な絶縁基板、この絶縁基板を用いた絶縁回路基板および半導体装置、並びに、絶縁基板の製造方法及び絶縁回路基板の製造方法を提供することができる。
本発明の第1の実施形態である絶縁基板を用いたパワーモジュール(半導体装置)の概略説明図である。 本発明の第1の実施形態である絶縁基板を示す説明図である。 図1に示すパワーモジュール(半導体装置)の製造方法のフロー図である。 図2に示す絶縁基板の基板本体の製造方法の説明図である。 本発明の第2の実施形態である絶縁基板を用いた半導体装置の概略説明図である。 図5に示すパワーモジュール(半導体装置)の製造方法のフロー図である。 図5に示す絶縁基板の基板本体の製造方法の説明図である。 本発明の他の実施形態である絶縁基板を用いた半導体装置の概略説明図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
まず、図1から図4を参照して本発明の第1の実施形態である絶縁基板を用いたパワーモジュール(半導体装置)について説明する。
図1に示すパワーモジュール1は、絶縁基板10と、絶縁基板10の一方の面側(図1において上側)に形成された回路層21と、回路層21の表面にはんだ層2を介して接合された半導体チップ3と、絶縁基板10の他方の面側(図1において下側)に配設された冷却器30とを備えている。
絶縁基板10は、図2に示すように、金属基複合材料で構成された基板本体11と、この基板本体11の一方の面側に形成された絶縁被膜15と、を備えている。
本実施形態では、基板本体11は、炭素質部材中にアルミニウム又はアルミニウム合金が充填されたアルミニウム基複合材料で構成されている。より具体的には、基板本体11は、炭素質部材中に、純度99.0%以上のアルミニウム(純アルミニウム)が充填されたアルミニウム−グラファイト複合材料で構成されており、炭素質部材の気孔の90体積%以上が純アルミニウムによって置換され、この純アルミニウムの含有率が、アルミニウム−グラファイト複合材料全体積基準で35%以下とされている。
なお、前記炭素質部材は、結晶質の黒鉛部材であり、以下の特性を有するものである。
(1)黒鉛の(002)面の面間隔が0.336mm以下
(2)六角網面整合性が2.9以上
(3)炭素質部の純度(炭素含有量)が99.9質量%以上で、かつ、Naの含有量が0.02質量%以下
(4)熱伝導率が250W/(m・K)以上
ここで、(2)の六角網面整合性は、以下のようにして求められる。
X線回折により求められる炭素質部の(101)面、(102)面、(103)面および(112)面における回折ピークでのピーク面積の合計をS1、回折角2θが30〜40度の間のバックグランドの強度積算値をS2とするとき、六角網面整合性=S1/S2と定義する。ただし、入射角θは20〜100°の範囲とする。
本実施形態では、各回折ピークの面積は米国MDI社製X線回折データ処理ソフトJADE6を使用し、以下の条件でピークサーチを実行して算出した。
<ピークサーチ条件>
フィルタータイプ:放物線
データ点:19
ピーク位置定義:ピークトップ
しきい値σ:1.0
ピーク強度%カットオフ:0.3
BG決定の範囲:1.0
BG平均化のポイント数:7
バックグランド強度積算値S2は、2θが30〜40度の間をバックグランドとして、その範囲の全測定点(500点)の強度を合計して求めた。
また、(002)面間隔は、以下に示す測定条件で測定した回折データを、NBS製シリコン標準資料を用いて回折角を補正し、上記X線回折データ処理ソフトJADE6を使用して算出した。ピークサーチ条件は、上述のとおりである。結晶系は六方晶(P63/mmc)、格子定数初期値はa=2.4704、c=6.7244とし、(002)、(100)、(101)、(102)、(004)、(103)、(110)、(112)、(006)、(201)の10本のピークを計算に含めた。強度重み付けに√(I%)を使用した。なお、角度重み付けは使用しなかった。
X線回折測定には、Bruker AXS社製(旧MacScience社製)全自動X線回折装置MXP18VAHFを使用した。測定条件は以下のとおりである。
使用X線:CuKα線
管電圧、管電流:40kV、350mA
光学系:集中法
走査方法:ステップスキャン
2θ走査範囲:20〜100度
2θステップ:0.02度
1ステップの積算時間:1秒
発散スリット:0.5度
散乱スリット:0.5度
受光スリット:0.15mm
カウンタグラファイトモノクロメータ使用
なお、測定試料は、グラファイトの押出方向に垂直な結晶面を測定するようにセットした。
ここで、基板本体11の室温から200℃までの熱膨張係数は10×10−6/℃以下、熱伝導率は190 W/(m・K)以上、抗折強度は30MPa以上に設定されている。
また、基板本体11の一方の面及び他方の面には、アルミニウムからなる金属スキン層12,13がそれぞれ形成されている。本実施形態では、金属スキン層12、13は、炭素質部材中に充填された純アルミニウムと同じ材質で構成されている。
なお、基板本体11の厚さtbは1mm≦tb≦6mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、tb=3mmとされている。また、金属スキン層12,13の厚さtsは、0.05mm≦ts≦0.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、金属スキン層12,13が同一の厚さとされ、ts=0.25mmとされている。
絶縁被膜15は、基板本体11の一方の面側に形成された金属スキン層12上に、絶縁性材料からなる粉末を衝突させることによって形成されている。本実施形態では、粒径がサブミクロンオーダーのアルミナ粉末をガスと混合させてエアロゾル状とし、これをノズルを介して高速で衝突させる、いわゆるエアロゾルデポジション法によって、アルミナ(Al)からなる絶縁被膜15を形成している。ここで、エアロゾルデポジション法では、衝突したアルミナ粉末が破砕された状態で積層され、破砕によって形成された活性面によってアルミナ粉末同士が強固に結合されることにより、非常に緻密な構造の絶縁被膜15が形成されることになる。
なお、絶縁被膜15の厚さtiは、5μm≦ti≦50μmに設定されており、本実施形態ではti=10μmに設定されている。
回路層21は、絶縁基板10の絶縁被膜15の表面に、導電性材料が積層されることによって形成されている。本実施形態では、回路層21は、アルミニウム粉末をその融点以下の温度で衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成されている。なお、回路層21の厚さは0.01mm以上1.0mm以下に設定されており、本実施形態では、0.1mmに設定されている。
このように、絶縁基板10上に回路層21が形成されることにより、本実施形態である絶縁回路基板20が構成されることになる。
冷却器30は、前述の絶縁回路基板20を冷却するためのものであり、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路31が複数設けられた多穴管構造をなしている。冷却器30は、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、A6063(アルミニウム合金)で構成されている。
半導体チップ3は、Siで構成されており、この半導体チップ3は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材からなるはんだ層2を介して回路層21上に接合されている。なお、本実施形態では、回路層21とはんだ層2との間にNiメッキ層(図示なし)が設けられている。
次に、本実施形態であるパワーモジュールの製造方法について、図3及び図4を参照して説明する。
まず、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体11を形成する(基板本体形成工程S1)。なお、この基板本体形成工程では、図4に示すように、気孔率10〜30体積%の結晶質の黒鉛部材からなる黒鉛板41を準備し、この黒鉛板41の両面にそれぞれ気孔率5体積%以下の黒鉛からなる挟持板42,42を配設し、この挟持板42,42と黒鉛板41とを、ステンレス製の押圧板43,43によって挟持する。これを、例えば100〜200MPaで加圧した状態で750〜850℃に加熱し、純度99.0%以上の溶融アルミニウムを黒鉛板41に含浸させ、これを冷却凝固させ、アルミニウム−グラファイト複合材料を得る。このとき、溶融アルミニウムの一部が、黒鉛板41の表面に滲み出してアルミニウム層44が形成される。このアルミニウム層44に切削加工を施して厚さを調整し、金属スキン層12、13とすることにより、前述の基板本体11が製造される。
次に、この基板本体11の一方の面側に絶縁被膜15を形成する(絶縁被膜形成工程S2)。ここで、本実施形態では、基板本体11の一方の面側に金属スキン層12が形成されていることから、この金属スキン層12上に絶縁被膜15を形成することになる。
この絶縁被膜形成工程S2においては、粒径が0.1μm以上1μm以下とされたアルミナ(Al)粉末をガスと混合させてエアロゾル状とし、ノズルを介して高速で衝突させるエアロゾルデポジション法によって、アルミナ(Al)からなる絶縁被膜15を形成している。なお、この絶縁被膜形成工程S2におけるエアロゾルデポジション法の被膜形成条件は、大気圧雰囲気にて、雰囲気温度:室温、流量:1〜20l/min の酸素ガスをキャリアガスとして用いることとした。
このように基板本体11の一方の面側に絶縁被膜15を形成することにより、本実施形態である絶縁基板10が製造されることになる。
次に、この絶縁基板10の一方の面に回路層21を形成する(回路層形成工程S3)。
この回路層形成工程S3においては、粒径1μm以上10μm以下のアルミニウム粉末を、その融点以下の温度で衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成している。なお、この回路層形成工程S3におけるエアロゾルデポジション法の被膜形成条件は、大気圧雰囲気にて、雰囲気温度:室温、流量:1〜20l/min の酸素ガスをキャリアガスとして用いることとした。
次に、絶縁基板10の他方の面側に、冷却器30を接合する(冷却器接合工程S4)。なお、本実施形態では、絶縁基板10の他方の面側に金属スキン層13が形成されていることから、この金属スキン層13と冷却器30とが接合されることになる。なお、冷却器30は、ろう材を介して接合されており、ろう付けの温度は、550〜610℃に設定されている。
このようにして、本実施形態である絶縁回路基板20が形成される。
そして、回路層21の表面にNiめっきを形成するとともに、はんだ材を介して半導体チップ3を載置し、還元炉内においてはんだ接合する(半導体素子接合工程S5)。
これにより、はんだ層2を介して半導体チップ3が回路層21上に接合され、本実施形態であるパワーモジュール1が製出される。
このような構成とされた本実施形態である絶縁基板10、絶縁回路基板20及びパワーモジュール1によれば、絶縁基板10がアルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体11を有し、この基板本体11の室温から20℃までの熱膨張係数が10×10−6/℃以下に設定されており、半導体チップ3の熱膨張係数に近似することから、このパワーモジュール1に冷熱サイクルが負荷された際に、半導体チップ3に熱応力が作用することを抑制でき、半導体チップ3の破損を防止することが可能となる。
また、基板本体11の熱伝導率が190W/(m・K)以上に設定されているので、絶縁基板10の一方の面側に搭載された半導体チップ3から発生する熱を、絶縁基板10の他方の面側に配設された冷却器30へと効率的に放散することが可能となる。
さらに、基板本体11の抗折強度が30MPa以上に設定されているので、絶縁基板10としての剛性が確保され、パワーモジュール1を構成することが可能となる。
また、絶縁被膜15が、粒径がサブミクロンオーダーのアルミナ粉末をガスと混合させてエアロゾル状としてノズルを介して高速で衝突させる、いわゆるエアロゾルデポジション法によって形成され、非常に緻密な構造とされているので、絶縁被膜15の厚さtiが、5μm≦ti≦50μmに、より具体的にはti=10μmに設定されていても、高い絶縁耐圧を得ることができる。よって、この絶縁基板10を用いることによって、高信頼性のパワーモジュール1を提供することができる。
また、基板本体11の一方の面側にアルミニウムからなる金属スキン層12が形成されており、この金属スキン層12の上に絶縁被膜15が形成されていることから、アルミニウムが露呈された比較的均一な面の上にアルミナ粉末を衝突させて積層させることになり、均一な絶縁被膜15を形成することができる。
さらに、前述のようにエアロゾルデポジション法によって絶縁被膜15を形成しているので、常温の条件下において絶縁被膜15を形成することが可能となり、この絶縁基板10の製造コストを低減することができる。
さらに、絶縁基板10の一方の面側、すなわち絶縁被膜15の表面に導電性材料であるアルミニウムからなる回路層21が形成されることによって絶縁回路基板20が構成されている。この絶縁回路基板20においては、絶縁被膜15によってアルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体11と回路層21との絶縁が図られており、信頼性の高いパワーモジュール1を構成することができる。
また、この回路層21が、アルミニウム粉末をその融点以下の温度で衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成されているので、絶縁被膜15上にアルミニウムからなる回路層21を良好に形成することができる。しかも、エアロゾルデポジション法は、粉末の融点以下で、かつ、大気圧下で行うことが可能であるため、この絶縁回路基板20の製造コストの削減を図ることができる。
さらに、本実施形態では、基板本体11の他方の面側にもアルミニウムからなる金属スキン層13が形成されているので、この金属スキン層13を介して冷却器30を良好に接合することが可能となる。すなわち、金属スキン層13がアルミニウムで構成され、冷却器30がアルミニウム合金で構成されていることから、Al−Si系等の一般的なろう材を用いて容易に、絶縁基板10と冷却器30とを接合することができるのである。
また、本実施形態においては、アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体11を形成する際に、黒鉛板41にアルミニウムを含浸させて冷却凝固させるとともに、溶融アルミニウムの一部が黒鉛板41の表面に滲み出して形成されたアルミニウム層44を切削加工することで、金属スキン層12,13を形成しているので、金属スキン層12,13を有する基板本体11を比較的容易に作製することができる。
次に、参考実施形態である絶縁基板及びこの絶縁基板を用いた半導体装置について説明する。
この半導体装置101は、図5に示すように、半導体チップ103と、この半導体チップ103の下面側に配設された第1絶縁基板110Aを備えた絶縁回路基板120と、この絶縁回路基板120の下方側に配設された第1冷却器130Aと、半導体チップ103の上面側に配設された第2絶縁基板110Bと、この第2絶縁基板110Bの上方側に配設された第2冷却器130Bと、を備えた両面冷却式の半導体装置101である。
第1絶縁基板110A及び第2絶縁基板110Bは、金属基複合材料で構成された基板本体111A、111Bと、この基板本体111A、111Bの一方の面側(図5において、第1絶縁基板110Aについては上面側、第2絶縁基板110Bについては下面側)に形成された絶縁被膜115A、115Bと、を備えている。
本実施形態では、基板本体111A、111Bは、SiCからなる母材中にアルミニウム又はアルミニウム合金が充填されたAlSiC複合材料で構成されている。
ここで、基板本体111A、111Bの室温から20℃までの熱膨張係数は10×10−6/℃以下、熱伝導率は190W/(m・K)以上、抗折強度は30MPa以上に設定されている。
また、基板本体111A、111Bの一方の面側及び他方の面側には、銅からなる金属スキン層112A、112B、113A、113Bがそれぞれ形成されている。すなわち、本実施形態では、基板本体111A、111Bを構成する金属基複合材料(AlSiC複合材料)中に含浸された金属(アルミニウム)と金属スキン層112A、112B、113A、113Bを構成する金属(銅)とが異なっているのである。
絶縁被膜115A、115Bは、基板本体111A、111Bの一方の面側に形成された金属スキン層112A、112B上に、絶縁性材料からなる粉末を衝突させることによって形成されている。本実施形態では、粒径がサブミクロンオーダーのアルミナ粉末をガスと混合させてエアロゾル状としてノズルを介して高速で衝突させる、いわゆるエアロゾルデポジション法によって、アルミナ(Al)からなる絶縁被膜を形成している。
また、第1絶縁基板110Aの絶縁被膜115Aの表面に、導電性材料が積層されることによって回路層121が形成され、絶縁回路基板120が構成されることになる。
本実施形態では、回路層121は、Agペーストを塗布及び焼結することによって形成されている。
第1冷却器130A及び第2冷却器130Bは、半導体チップ103を冷却するためのものであり、基板本体111A、111Bの他方の面側に形成された金属スキン層113A、113Bと接合される天板部132A、132Bと、この天板部132A、132Bから垂設された放熱フィン133A、133Bと、冷却媒体(例えば冷却水)を流通するための流路131A、131Bとを備えている。第1冷却器130A及び第2冷却器130Bは、熱伝導性が良好な材質で構成されることが望ましく、本実施形態においては、Cu合金で構成されている。
半導体チップ103は、Siで構成されており、この半導体チップ103は、例えばSn−Ag系、Sn−In系、若しくはSn−Ag−Cu系のはんだ材からなるはんだ層102Aを介して、絶縁回路基板120の回路層121上に搭載されている。さらに、半導体チップ103の上面側には、第2絶縁基板110Bが、はんだ層102Bを介して接合されている。
次に、本実施形態である半導体装置の製造方法について、図6及び図7を参照して説明する。
まず、金属基複合材料を形成する(金属基複合材料形成工程S10)。本実施形態では、SiCからなる母材中にアルミニウム又はアルミニウム合金を充填させ、AlSiC複合材料を形成する。
次に、図7に示すように、AlSiC複合材料の板材の両面に、粒径1μm以上10μm以下の銅粉末を、その融点以下の温度でノズル146を介して衝突させ、いわゆるエアロゾルデポジション法によって、金属スキン層112A、112B、113A、113Bを形成する(金属スキン層形成工程S11)。なお、この金属スキン層形成工程S11におけるエアロゾルデポジション法の被膜形成条件は、大気圧雰囲気にて、雰囲気温度:室温、流量:1〜20l/min の酸素ガスをキャリアガスとして用いることとした。こうして基板本体111A、111Bが形成されることになる。
次に、基板本体111A、111Bの一方の面側に絶縁被膜115A、115Bを形成する(絶縁被膜形成工程S12)。ここで、本実施形態では、基板本体111A、111Bの一方の面側に金属スキン層112A、112Bが形成されていることから、この金属スキン層112A、112B上に絶縁被膜115A、115Bを形成することになる。
この絶縁被膜形成工程S12においては、粒径がサブミクロンオーダーのアルミナ(Al)粉末をガスと混合させてエアロゾル状とし、ノズルを介して高速で衝突させるエアロゾルデポジション法によって、アルミナ(Al)からなる絶縁被膜を形成している。なお、この絶縁被膜形成工程S12におけるエアロゾルデポジション法の被膜形成条件は、大気圧雰囲気にて、雰囲気温度:室温、流量:1〜20l/min の酸素ガスをキャリアガスとして用いることとした。 このように基板本体111A、111Bの一方の面に絶縁被膜115A、115Bを形成することにより、第1絶縁基板110A及び第2絶縁基板110Bが製造されることになる。
次に、第1絶縁基板110Aの絶縁被膜115Aの表面に回路層121を形成する(回路層形成工程S13)。この回路層形成工程S13においては、Agペーストを塗布し、焼成することにより、Agからなる回路層121を形成することになる。
また、第1絶縁基板110Aの他方の面側に、第1冷却器130Aを接合する(第1冷却器接合工程S14A)。なお、本実施形態では、第1絶縁基板110Aの他方の面側に金属スキン層113Aが形成されていることから、この金属スキン層113Aと第1冷却器130Aとが接合されることになる。なお、第1冷却器130Aは、ろう材を介して接合されており、ろう付けの温度は、550〜610℃に設定されている。
このようにして、本実施形態である絶縁回路基板120が形成される。
さらに、第2絶縁基板110Bの他方の面側に、第2冷却器130Bを接合する(第2冷却器接合工程S14B)。なお、本実施形態では、第2絶縁基板110Bの他方の面側に金属スキン層113Bが形成されていることから、この金属スキン層113Bと第2冷却器130Bとが接合されることになる。なお、第2冷却器130Bは、ろう材を介して接合されており、ろう付けの温度は、550〜610℃に設定されている。
そして、第1絶縁基板110Aを用いた絶縁回路基板120上にはんだ材を介して半導体チップ103を載置するとともに、半導体チップ103の上面側に第2絶縁基板110Bをはんだ材を介して配設し、還元炉内においてはんだ接合する(半導体素子接合工程S15)。
これにより、半導体チップ103の上面側及び下面側に、第1絶縁基板110A及び第2絶縁基板110Bを介して第1冷却器130A及び第2冷却器130Bが配設された両面冷却式の半導体装置101が製造される。
このような構成とされた本実施形態である絶縁基板110A、110B、絶縁回路基板120及び半導体装置101によれば、第一の実施形態と同様に、冷熱サイクル負荷時に半導体チップ103に熱応力が作用することを防止でき、かつ、半導体チップ103から発生する熱を第1冷却器130A及び第2冷却器130B側へと効率良く放散することができる。
また、エアロゾルデポジション法によって絶縁被膜115A、115Bが形成されており、絶縁被膜115A、115Bが非常に緻密な構造とされているので、高い絶縁耐圧を得ることができ、半導体チップ103と第1冷却器130A及び第2冷却器130Bとの短絡を確実に防止することができる。
そして、本実施形態では、基板本体111A、111Bの一方の面及び他方の面に、エアロゾルデポジション法によって金属スキン層112A、112B、113A、113Bを形成しており、金属基複合材料(AlSiC)中に含浸された金属(アルミニウム)と金属スキン層112A、112B、113A、113Bを構成する金属(銅)とが異なる構成とされた基板本体111A、111Bを製出することができる。
本実施形態では、基板本体111A、111Bの他方の面側の金属スキン層113A、113Bが銅で構成され、第1冷却器130A及び第2冷却器130Bが銅合金で構成されていることから、第1絶縁基板110Aと第1冷却器130A、第2絶縁基板110Bと第2冷却器130B、をそれぞれ良好に接合することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、基板本体が金属スキン層を備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、図8に示すように、金属スキン層を形成していないものであってもよい。また、金属スキン層が一方の面あるいは他方の面にのみ形成されていてもよい。さらに、金属スキン層の厚さが一方の面と他方の面とで異なっていてもよい。
また、冷却器を備えた絶縁回路基板及び半導体装置として説明したが、図8に示すように、冷却器を備えていなくてもよい。
また、絶縁被膜をアルミナで構成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、Si、AlN、ムライト、SiO等の他の絶縁性材料で構成されていてもよい。
さらに、絶縁被膜をエアロゾルデポジション法によって形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、絶縁性材料からなる粉末を高温で衝突させるプラズマ溶射法等によって絶縁被膜を形成してもよい。
また、回路層を、アルミニウム又はAgからなるものとして説明したが、これに限定されることはなく、Cu,Ni等の他の導電性材料で構成されていてもよい。
さらに、回路層をエアロゾルデポジション法やAgペーストの塗布・焼成によって形成するものとして説明したが、回路層の形成方法に限定はなく、プラズマ溶射法によって形成してもよいし、金属板を接合してもよい。あるいは、めっきによって形成してもよい。
冷却器をろう付けによって接合するものとして説明したが、これに限定されることはなく、接着剤やはんだ材を用いて接合してもよい。
また、冷却器の材質や構造については、実施形態に限定されることはなく、適宜設計変更してもよい。
また、パワーモジュールや両面冷却式の半導体装置を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、半導体素子としてLED素子を配設したLED半導体装置であってもよい。
さらに、基板本体、金属スキン層、回路層の厚さ等は、本実施形態に限定されることはなく、適宜設計変更してもよい。
1 パワーモジュール(半導体装置)
2 はんだ層
3 半導体チップ(半導体素子)
10 絶縁基板
11 基板本体
12、13 金属スキン層
15 絶縁被膜
20 絶縁回路基板
21 回路層
30 冷却器
101 半導体装置
102 はんだ層
103 半導体チップ(半導体素子)
110A 第1絶縁基板(絶縁基板)
110B 第2絶縁基板(絶縁基板)
111A、111B 基板本体
112A、112B、113A、113B 金属スキン層
120 絶縁回路基板
121 回路層
130A 第1冷却器(冷却器)
130B 第2冷却器(冷却器)

Claims (10)

  1. アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体と、この基板本体の一方の面に形成されたアルミナからなる絶縁被膜と、を備えた絶縁基板であって、
    前記基板本体の室温から200℃までの熱膨張係数が10×10−6/℃以下、熱伝導率が190W/(m・K)以上、抗折強度が30MPa以上に設定されており、
    前記アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の一方の面には、金属粉末を衝突させることによって金属スキン層が形成されており、
    前記絶縁被膜は、前記金属スキン層の上に、アルミナ粉末を衝突させるエアロゾルデポジション法によって形成されており、
    前記アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体の他方の面に、金属スキン層が形成されていることを特徴とする絶縁基板。
  2. 請求項1に記載の絶縁基板を有し、
    この絶縁基板の絶縁被膜の上に、導電性材料からなる回路層が形成されていることを特徴とする絶縁回路基板。
  3. 前記回路層が、金属粉末を前記絶縁被膜上に衝突させることによって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の絶縁回路基板。
  4. 前記回路層は、Al、Ni、Cu、Agのいずれか一種で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の絶縁回路基板。
  5. 前記回路層は、Alを下地層、Agを上層とした積層膜、または、Al又はAgの少なくとも一方を下地層、Cu又はNiの少なくとも一方を上層とした2層以上の積層膜で構成されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の絶縁回路基板。
  6. 前記絶縁基板の他方の面側に、冷却器が配設されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の絶縁回路基板。
  7. 請求項1に記載の絶縁基板を有し、
    この絶縁基板上に、半導体素子が搭載されていることを特徴とする半導体装置。
  8. アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体と、この基板本体の一方の面に形成された絶縁被膜と、を備えた絶縁基板の製造方法であって、
    室温から200℃までの熱膨張係数が10×10−6/℃以下、熱伝導率が190W/(m・K)以上、抗折強度が30MPa以上に設定された前記基板本体の一方の面に、金属粉末を衝突させることによって金属スキン層を形成する金属スキン層形成工程と、
    前記金属スキン層の上に、アルミナからなる粉末を衝突させるエアロゾルデポジション法によって前記絶縁被膜を形成する絶縁被膜形成工程と、
    を有することを特徴とする絶縁基板の製造方法。
  9. アルミニウム−グラファイト複合材料からなる基板本体およびこの基板本体の一方の面に形成された絶縁被膜を有する絶縁基板と、この絶縁基板上に形成された回路層と、を備えた絶縁回路基板の製造方法であって、
    請求項1に記載の絶縁基板の絶縁被膜の上に、導電性材料からなる回路層を形成する回路層形成工程を備えていることを特徴とする絶縁回路基板の製造方法。
  10. 前記回路層形成工程は、金属粉末を前記絶縁被膜上に衝突させることによって形成することを特徴とする請求項9に記載の絶縁回路基板の製造方法。
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