JPWO2012137884A6 - 複層塗膜形成方法、及び塗装物品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、平滑性、鮮映性及び耐水性に優れ、ワキの発生が防止又は抑制された複層塗膜を形成することができる複層塗膜形成方法を提供することを課題とする。
本発明の複層塗膜形成方法は、工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、前記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、場合により、工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜、場合により、未硬化のクリヤー塗膜を、加熱し、硬化させる工程を含み、水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂及び(B)特定のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
本発明の複層塗膜形成方法は、工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、前記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、場合により、工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜、場合により、未硬化のクリヤー塗膜を、加熱し、硬化させる工程を含み、水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂及び(B)特定のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
Description
本発明は、複層塗膜形成方法、及び塗装物品に関する。
従来、自動車車体における塗膜形成方法としては、被塗物に電着塗装を施し、加熱により硬化させた後、(i)中塗り塗料の塗装し、加熱により中塗り塗膜を硬化する工程、(ii)ベースコート塗料を塗装し、ベースコートをプレヒート(予備加熱)する工程、及び(iii)クリヤー塗料を塗装し、加熱によりクリヤー塗膜を硬化する工程を順次行なう3コート2ベーク方式と、(i)中塗り塗料を塗装し、加熱により中塗り塗膜を硬化する工程、及び(ii)上塗り塗料を塗装し、加熱により上塗り塗膜を硬化させる工程を順次行なう2コート2ベーク方式とが広く採用されている。
一般に、上記3コート2ベーク方式は、光輝性顔料を含有するベースコート塗料を使用して、所謂メタリック色の塗膜を形成する場合に採用され、上記2コート2ベーク方式は、着色顔料を含有する上塗り塗料を使用して、白色や黒色等のいわゆるソリッド色の塗膜を形成する場合に採用される。
これに対し、近年、省エネルギーの観点から、中塗り塗料の塗装後に加熱により中塗り塗膜を硬化させる工程を省略し、中塗り塗料を塗装後、中塗り塗膜をプレヒート(予備加熱する工程、ベースコート塗料を塗装し、ベースコートをプレヒート(予備加熱)する工程、次いで、クリヤー塗料を塗装し、加熱により積層された塗膜を硬化させる工程を順次行なう3コート1ベーク方式と、中塗り塗料を塗装し、中塗り塗膜をプレヒート(予備加熱)する工程、上塗り塗料を塗装し、加熱により積層された塗膜を硬化させる工程を順次行なう2コート1ベーク方式とが検討されている。有機溶剤の揮散による環境汚染を抑制する観点から、上記中塗り塗料、ベースコート塗料及び上塗り塗料として水性塗料を用いた3コート1ベーク方式及び2コート1ベーク方式が特に求められている。
しかし、上記水性中塗り塗料及び水性ベースコート塗料を用いた3コート1ベーク方式、及び水性中塗り塗料及び水性上塗り塗料を用いた2コート1ベーク方式においては、塗料中に水溶性又は水分散性の樹脂を使用することによる、形成される塗膜の耐水性の低下、水性中塗り塗料と水性ベースコート塗料との層間又は水性中塗り塗料と水性上塗り塗料との層間における混層による、形成される塗膜の平滑性及び鮮映性の低下等が生じる場合があり、課題とされている。
また、一般に、加熱硬化型塗料では、加熱過程において塗膜の温度が急激に上昇した場合、形成される硬化塗膜にワキと呼ばれる現象が発生することが知られている。上記ワキとは、塗膜表面の泡状の塗膜欠陥であり、塗膜内部に残留している溶媒が、加熱過程で急激に蒸発して塗膜内に気泡を生じ、これと同時に塗膜中の樹脂成分が固形化することにより、気泡が生じた部分が泡状欠陥となって現れるものである。上記ワキはピンホールと呼ばれる場合もある。
上記ワキは、塗膜中の溶媒が、加熱過程で急激に蒸発することにより発生するため、一般に、塗料中の溶媒として、沸点が比較的高い有機溶剤を使用し、溶媒の蒸発速度を遅くすることによって上記ワキは改善する。しかし、上記水性塗料は、溶媒の主成分が水であり、沸点が比較的高い有機溶剤を含みにくいため、溶剤型塗料に比べ、ワキが発生しやすい。
特に、上記水性中塗り塗料及び水性ベースコート塗料を用いた3コート1ベーク方式並びに水性中塗り塗料及び水性上塗り塗料を用いた2コート1ベーク方式は、中塗り塗料の塗装後の加熱工程が省略され、比較的厚く塗装された塗膜が一度に硬化するため、ワキが発生しやすい課題がある。
例えば、特許文献1には、基材上に、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を、順次ウェットオンウェットで形成する塗膜形成方法において、中塗り塗膜を形成する中塗り塗料及びベース塗膜を形成するベース塗料が、アミド基含有アクリル樹脂及び硬化剤を含有するものであり、かつ中塗り塗料中に含まれる硬化剤が、脂肪族イソシアナート系の活性メチレンブロックイソシアナートからなるものであり、かつ上記脂肪族イソシアナート系の活性メチレンブロックイソシアナートが、平均官能基数が3よりも大きいものであることを特徴とする塗膜形成方法が記載されている。
特許文献1の塗膜形成方法では、アミド基含有アクリル樹脂によって、粘性制御効果が発揮され、3コート1ベーク法で塗装した場合における各塗膜層間の界面でのなじみ、反転等が制御され、更に、硬化剤として、優れた低温硬化性を有する脂肪族イソシアネート系の活性メチレンブロックイソシアナートからなるものを使用することによって、中塗り塗膜の硬化がベース塗膜及びクリヤー塗膜よりも先に開始し、かつ、充分なフロー性を確保することとなり、電着塗膜の肌荒れに対する下地隠蔽性を優れたものとなるため、仕上がり外観に優れ、かつ、塗膜物性、特に耐チッピング性に優れた複層塗膜が得られることが記載されている。
しかし、特許文献1に記載の塗膜形成方法では、中塗り塗料及びベースコート塗料として水性塗料を使用する場合に、水性中塗り塗料と水性ベースコート塗料との層間における混層による塗膜の平滑性及び鮮映性の低下が生じる、形成される複層塗膜の耐水性の低下が生じる、形成される複層塗膜においてワキが発生する等の問題があった。
従って、本発明は、平滑性、鮮映性及び耐水性に優れ、そしてワキの発生が防止又は抑制された複層塗膜を形成することができる複層塗膜形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、下記の工程(1)〜(4)、工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程を含む複層塗膜形成方法であって、水性第1着色塗料(X)が、特定のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有する複層塗膜形成方法を見出した。
本発明の第1の複層塗膜形成方法は、下記の工程(1)〜(4)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
(式中、R1、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R 3は、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)、
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、R6は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
また、本発明の第2の複層塗膜形成方法は、下記の工程(1)、(2)及び(5)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、そして
工程(5):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)一般式(I)で示されるブロックイソシアネート基、一般式(II)で示されるブロックイソシアネート基及び一般式(III)で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、そして
工程(5):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)一般式(I)で示されるブロックイソシアネート基、一般式(II)で示されるブロックイソシアネート基及び一般式(III)で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする。
すなわち、本発明は、以下のJ1〜J10の複層塗膜形成方法及び塗装物品を提供する。
[J1]
下記の工程(1)〜(4)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
(式中、R1、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R 3は、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)、
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、R6は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、
上記複層塗膜形成方法。
[J1]
下記の工程(1)〜(4)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、
上記複層塗膜形成方法。
[J2]
下記の工程(1)、(2)及び(5)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、そして
工程(5):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
(式中、R1、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R 3は、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)、
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、R6は、炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、
上記複層塗膜形成方法。
下記の工程(1)、(2)及び(5)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、そして
工程(5):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、
上記複層塗膜形成方法。
[J3]
水酸基含有樹脂(A)が、1〜200mgKOH/gの水酸基価と、50mgKOH/g以下の酸価とを有する水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)を含有する、J1又はJ2に記載の方法。
水酸基含有樹脂(A)が、1〜200mgKOH/gの水酸基価と、50mgKOH/g以下の酸価とを有する水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)を含有する、J1又はJ2に記載の方法。
[J4]
一般式(I)において、R1がイソプロピル基である、J1〜J3のいずれか一項に記載の方法。
[J5]
一般式(III)において、R6がイソプロピル基である、J1〜J3のいずれか一項に記載の方法。
一般式(I)において、R1がイソプロピル基である、J1〜J3のいずれか一項に記載の方法。
[J5]
一般式(III)において、R6がイソプロピル基である、J1〜J3のいずれか一項に記載の方法。
[J6]
ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、下記一般式(IV):
(式中、R1は上述のとおりであり、互いに同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)と、下記一般式(VI):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示される2級アルコール(b4)とを反応させることにより製造された、J1〜J4のいずれか一項に記載の方法。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、下記一般式(IV):
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)と、下記一般式(VI):
で示される2級アルコール(b4)とを反応させることにより製造された、J1〜J4のいずれか一項に記載の方法。
[J7]
ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、下記一般式(V):
(式中、R6は上述のとおりであり、R7は炭素数1〜12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)と、下記一般式(VI):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示される2級アルコール(b4)とを反応させることにより製造された、J1,J2,J3又はJ5のいずれか一項に記載の方法。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、下記一般式(V):
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)と、下記一般式(VI):
で示される2級アルコール(b4)とを反応させることにより製造された、J1,J2,J3又はJ5のいずれか一項に記載の方法。
[J8]
ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、親水基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B’)である、J1〜J7のいずれか一項に記載の方法。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、親水基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B’)である、J1〜J7のいずれか一項に記載の方法。
[J9]
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を、それぞれ、10〜95質量部及び5〜90質量部含有する、J1〜J8のいずれか一項に記載の方法。
[J10]
J1〜9のいずれか1項に記載の方法により形成された複層塗膜を有する塗装物品。
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を、それぞれ、10〜95質量部及び5〜90質量部含有する、J1〜J8のいずれか一項に記載の方法。
[J10]
J1〜9のいずれか1項に記載の方法により形成された複層塗膜を有する塗装物品。
本発明の複層塗膜形成方法は、平滑性、鮮映性及び耐水性に優れ、そしてワキの発生が防止又は抑制された複層塗膜を形成することができる。
以下、本発明の複層塗膜形成方法について、さらに詳細に説明する。
[工程(1)]
工程(1)では、被塗物を、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
(式中、R1、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、R3は、炭素数約1〜約12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)、
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、R6は、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有する水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する。
[工程(1)]
工程(1)では、被塗物を、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有する水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する。
[被塗物]
水性第1着色塗料(X)を適用することができる被塗物は、特に限定されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;バンパー等の自動車部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等を挙げることができる。これらのうち、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
水性第1着色塗料(X)を適用することができる被塗物は、特に限定されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;バンパー等の自動車部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等を挙げることができる。これらのうち、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
上記被塗物の材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、真鍮、銅、ブリキ、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、亜鉛合金(Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等)メッキ鋼等の金属材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類、各種のFRP等のプラスチック材料;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;紙、布等の繊維材料等を挙げることができ、そして金属材料及びプラスチック材料が好ましい。
上記被塗物は、上記金属材料、及びそれから成形された車体等の金属表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよく、そして塗膜を有する被塗物であってもよい。
上記塗膜を有する被塗物としては、所望により基材に表面処理を施し、その上に下塗り塗膜が形成されたもの等を挙げることができる。特に、電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体が好ましく、カチオン電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体がより好ましい。
上記被塗物は、上記プラスチック材料、当該プラスチック材料から成形された自動車部品等の表面に、所望により、表面処理、プライマー塗装等がなされたものであってもよい。また、上記プラスチック材料と上記金属材料とが組み合わさったものであってもよい。
[水酸基含有樹脂(A)]
水酸基含有樹脂(A)としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂(A1)、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)、水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有アルキド樹脂等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
水酸基含有樹脂(A)としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂(A1)、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)、水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)、水酸基含有エポキシ樹脂、水酸基含有アルキド樹脂等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
水酸基含有樹脂(A)は、好ましくは約1〜約200mgKOH/g、より好ましくは約2〜約180mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約5〜約170mgKOH/gの範囲の水酸基価を有する。
また、水酸基含有樹脂(A)は、カルボキシル基等の酸基を有する実施形態では、水酸基含有樹脂(A)が、好ましくは約0.1〜約100mgKOH/g、より好ましくは約0.5〜約60mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約1〜約40mgKOH/gの範囲の酸価を有する。
水酸基含有樹脂(A)としては、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及び耐水性等の観点から、水酸基含有アクリル樹脂(A1)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)から成る群から選択される一方又は両方であることが好ましく、水酸基含有アクリル樹脂(A 1)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)の両方を含むことがさらに好ましい。
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)として水酸基含有アクリル樹脂(A 1)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)の両方を含有する実施形態では、水酸基含有アクリル樹脂(A1)及び水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、それらの合計固形分質量に基づいて、それぞれ、好ましくは約10〜約90質量%及び約10〜約90質量%、そしてより好ましくは約20〜約80質量%及び約20〜約80質量%の範囲内にある。
[水酸基含有アクリル樹脂(A1)]
水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)、及び水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)と共重合可能な他の重合性不飽和モノマー(a2)を、公知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中での乳化重合法、水中でのミニエマルション重合法等の方法により共重合することによって製造することができる。
水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)、及び水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)と共重合可能な他の重合性不飽和モノマー(a2)を、公知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法、水中での乳化重合法、水中でのミニエマルション重合法等の方法により共重合することによって製造することができる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物である。水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数約2〜約8の2価アルコールとのモノエステル化物;上記(メタ)アクリル酸と炭素数約2〜約8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)と共重合可能な他の重合性不飽和モノマー(a2)としては、例えば、下記モノマー(i)〜(xix)等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
(i)アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート:
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等
例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等
(ii)イソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー:
イソボルニル(メタ)アクリレート等
(iii)アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:
アダマンチル(メタ)アクリレート等
イソボルニル(メタ)アクリレート等
(iii)アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:
アダマンチル(メタ)アクリレート等
(iv)トリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー:
トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等
(v)芳香環含有重合性不飽和モノマー:
ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
(vi)アルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー:
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等
トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等
(v)芳香環含有重合性不飽和モノマー:
ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等
(vi)アルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー:
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等
(vii)フッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー:
パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等(viii)マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー
(ix)ビニル化合物:
N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等
パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等(viii)マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー
(ix)ビニル化合物:
N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等
(x)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー:
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等(xi)含窒素重合性不飽和モノマー:
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等(xi)含窒素重合性不飽和モノマー:
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等
(xii)重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー:
アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等
(xiii)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等
アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等
(xiii)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等
(xiv)分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート
(xv)スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸等;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等
(xv)スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸等;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等
(xvi)リン酸基を有する重合性不飽和モノマー:
アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシエチレン)グリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシプロピレン)グリコール(メタ)アクリレート等。
アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシエチレン)グリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシプロピレン)グリコール(メタ)アクリレート等。
(xvii)紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー:
2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等
2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等
(xviii)紫外線安定性重合性不飽和モノマー:
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等
(xix)カルボニル基を有する重合性不飽和モノマー:
アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、炭素数約4〜約7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等
アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、炭素数約4〜約7のビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等
本明細書において、「重合性不飽和基」は、ラジカル重合しうる不飽和基を意味する。上記重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを意味する。
水酸基含有アクリル樹脂(A1)を製造する際の水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)の割合は、モノマー成分の合計量を基準として、約0.5〜約50質量%が好ましく、約1.0〜約40質量%がより好ましく、そして約1.5〜約30質量%がさらに好ましい。
水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、形成される複層塗膜の耐水性等の観点から、好ましくは約1〜約200mgKOH/g、より好ましくは約2〜約180mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約5〜約170mgKOH/gの水酸基価を有する。
また、水酸基含有アクリル樹脂(A1)が酸価を有する実施形態では、水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、塗料の貯蔵安定性並びに形成される複層塗膜の鮮映性及び耐水性等の観点から、好ましくは約100mgKOH/g以下、より好ましくは約0.5〜約60mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約1〜約40mgKOH/gの酸価を有する。
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)として水酸基含有アクリル樹脂(A 1)を含有する実施形態では、水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有アクリル樹脂(A1)を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分を基準として、好ましくは約2〜約95質量%、より好ましくは約10〜約75質量%、そしてさらに好ましくは約15〜約60質量%の範囲で含む。
また、水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及び耐水性の向上並びにワキの抑制の観点から、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)を含有することが好ましい。
水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)は、例えば、水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)及び他の重合性不飽和モノマー(a2)を、公知の方法、例えば、水中での乳化重合法、水中でのミニエマルション重合法等の方法により、共重合することによって製造することができる。
水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)は、形成される複層塗膜の耐チッピング性及び耐水性等の観点から、好ましくは約1〜約200mgKOH/g、より好ましくは約3〜約150mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約5〜約100mgKOH/gの水酸基価を有する。
また、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)が酸価を有する実施形態では、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)は、塗料の貯蔵安定性、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及び耐水性の向上並びにワキの抑制の観点から、好ましくは約50mgKOH/g以下、より好ましくは約0.1〜約30mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約1〜約20mgKOH/gの酸価を有する。
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)として水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)を含有する実施形態では、水性第1着色塗料(X)は、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分を基準として、好ましくは約2〜約95質量%、より好ましくは約10〜約75質量%、そしてさらに好ましくは約15〜約60質量%の範囲で含む。
また、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)は、形成される複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、コア・シェル型であることが好ましい。
上記コア・シェル型の水分散性水酸基含有アクリル樹脂としては、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)(以下、「モノマー(I1)」と称する場合がある)及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I 2)(以下、「モノマー(I2)」と称する場合がある)を共重合成分とする、コア部としての共重合体(I)(以下、「コア部共重合体(I)」と称する場合がある)と、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)及びその他の重合性不飽和モノマー(II3)を共重合成分とする、シェル部としての共重合体(II)「以下、「シェル部共重合体(II)」と称する場合がある」とからなるコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)が好ましい。
上記コア・シェル型の水分散性水酸基含有アクリル樹脂としては、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)(以下、「モノマー(I1)」と称する場合がある)及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I 2)(以下、「モノマー(I2)」と称する場合がある)を共重合成分とする、コア部としての共重合体(I)(以下、「コア部共重合体(I)」と称する場合がある)と、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)及びその他の重合性不飽和モノマー(II3)を共重合成分とする、シェル部としての共重合体(II)「以下、「シェル部共重合体(II)」と称する場合がある」とからなるコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)が好ましい。
コア部共重合体(I)を形成する、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)は、コア部共重合体(I)に架橋構造を付与する機能を有する。コア部共重合体(I)は、コア部共重合体(I)を構成する共重合成分の合計質量に基づいて、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)を、共重合成分として、好ましくは約0.1〜約30質量%、より好ましくは約0.5〜約10質量%、そしてさらに好ましくは約1〜約7質量%の範囲で含む。
コア部共重合体(I)を形成する、重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I2)は、上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)と共重合可能な重合性不飽和モノマーである。
重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I2)の具体例としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂(A1)の説明において列挙した、水酸基含有重合性不飽和モノマー(a1)及び他の重合性不飽和モノマー(a2)として例示した重合性不飽和モノマーのうち、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)以外の重合性不飽和モノマーである、(i)〜(xi)、(xiii)〜(xix)等のモノマー、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
形成される塗膜の平滑性及び鮮映性等の観点から、重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I2)が、少なくともその1種として、疎水性重合性不飽和モノマーを含有することが好ましい。
本明細書において、上記疎水性重合性不飽和モノマーは、炭素数が約4以上、好ましくは約6〜約18の直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を有する重合性不飽和モノマーであり、水酸基含有重合性不飽和モノマー等の親水性基を有するモノマーは除外される。
本明細書において、上記疎水性重合性不飽和モノマーは、炭素数が約4以上、好ましくは約6〜約18の直鎖状、分岐状又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素基を有する重合性不飽和モノマーであり、水酸基含有重合性不飽和モノマー等の親水性基を有するモノマーは除外される。
上記疎水性重合性不飽和モノマーとしては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和化合物;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
形成される複層塗膜の鮮映性等の観点から、上記疎水性重合性不飽和モノマーとしては、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート及びスチレンからなる群から選択される少なくとも1種の重合性不飽和モノマーが好ましい。
コア部共重合体(I)が、共重合成分として上記疎水性重合性不飽和モノマーを含む実施形態では、コア部共重合体(I)を構成する共重合成分の合計質量に基づいて、上記疎水性重合性不飽和モノマーを、共重合成分として、好ましくは約5〜約90質量%含む。コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の平滑性及び鮮映性等の向上の観点からである。
シェル部共重合体(II)は、共重合成分として、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)と、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)と、その他の重合性不飽和モノマー(II3)とを含む。
シェル部共重合体(II)を形成する、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)は、得られるコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)に、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と架橋反応する水酸基を導入することによって塗膜の耐水性等を向上させると共に、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水性媒体中における安定性を向上する機能を有する。
シェル部共重合体(II)を形成する、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)は、得られるコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)に、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と架橋反応する水酸基を導入することによって塗膜の耐水性等を向上させると共に、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水性媒体中における安定性を向上する機能を有する。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と、炭素数約2〜約8の2価アルコールとのモノエステル化物;上記(メタ)アクリル酸と、炭素数約2〜約8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコ−ル、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択されることが好ましく、そして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
シェル部共重合体(II)は、シェル部共重合体(II)を構成する共重合成分の合計質量を基準として、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)を、共重合成分として、好ましくは約1〜約40質量%、より好ましくは約4〜約25質量%、そしてさらに好ましくは約7〜約19質量%の範囲で含む。コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の耐水性の向上の観点からである。
シェル部共重合体(II)を構成する、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)の例として、水酸基含有アクリル樹脂(A1)の説明において、他の重合性不飽和モノマー(a2)として列挙される、カルボキシル基重合性不飽和モノマー(x)が挙げられる。カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)は、アクリル酸及びメタクリル酸、並びにその組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。シェル部が、共重合成分としてカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)を含むことにより、得られるコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水性媒体中における安定性が確保される。
シェル部共重合体(II)は、シェル部共重合体(II)を構成する共重合成分の合計質量を基準として、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)を、共有合成分として、好ましくは約0.1〜約30質量%、より好ましくは約2〜約25質量%、そしてさらに好ましくは約3〜約19質量%含む。コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の耐水性の向上の観点からである。
シェル部共重合体(II)を形成する、その他の重合性不飽和モノマー(II3)は、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)及びカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)以外の重合性不飽和モノマーである。その他の重合性不飽和モノマー(II3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和化合物;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香環含有重合性不飽和モノマー等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
シェル部共重合体(II)を形成する、その他の重合性不飽和モノマー(II3)としては、得られる塗膜の光輝性向上の観点から、共重合成分として、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーを含まず、シェル部共重合体(II)が未架橋型であることが好ましい。
コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)における、コア部共重合体(I)/シェル部共重合体(II)の割合は、形成される塗膜の鮮映性及び光輝性の向上の観点から、固形分質量比で、約5/95〜約95/5であることが好ましく、約50/50〜約85/15であることがより好ましく、そして約60/40〜約80/20であることがさらに好ましい。
コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、得られる塗膜の耐チッピング性、耐水性等の向上の観点から、好ましくは約1〜約200mgKOH/g、より好ましくは約3〜約150mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約5〜約100mgKOH/gの水酸基価を有する。
また、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、塗料の貯蔵安定性、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及び耐水性の向上並びにワキの抑制の観点から、好ましくは約40mgKOH/g以下、より好ましくは約0.1〜約30mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約1〜約20mgKOH/gの酸価を有する。
水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分を基準として、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)を、好ましくは約2〜約95質量%、より好ましくは約10〜約75質量%、そしてさらに好ましくは約15〜約60質量%含む。
コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、例えば、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)約0.1〜約30質量%と、重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I2)約70〜約99.9質量%とからなるモノマー混合物を乳化重合して、コア部共重合体(I)のエマルションを得た後、当該エマルション中に、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)約1〜約40質量%と、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)約0.1〜約30質量%と、その他の重合性不飽和モノマー(II3)約30〜約98.9質量%とからなるモノマー混合物を添加し、さらに乳化重合させてシェル部共重合体(II)を形成することによって得られる。
コア部共重合体(I)のエマルションを調製する乳化重合は、公知の方法により行うことができる。例えば、上記乳化重合は、界面活性剤の存在下で、上述のモノマーの混合物に重合開始剤を添加することにより実施されうる。
上記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が挙げられる。上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸等のナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。また、上記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
また、上記アニオン性界面活性剤として、1分子中に、アニオン性基と、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性界面活性剤;1分子中に、アニオン性基と、ラジカル重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性界面活性剤が挙げられ、反応性アニオン性界面活性剤が好ましい。
上記反応性アニオン性界面活性剤としては、アリル基、メタリル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基、ブテニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のナトリウム塩、アンモニウム塩等を挙げることができ、ラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩が、得られる塗膜の耐水性に優れるために好ましい。上記スルホン酸化合物のアンモニウム塩の市販品としては、例えば、「ラテムルS−180A」(商品名、花王社製)等を挙げることができる。
また、上記ラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩において、ラジカル重合性不飽和基とポリオキシアルキレン基とを有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩がより好ましい。上記ラジカル重合性不飽和基とポリオキシアルキレン基とを有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩の市販品としては、例えば、「アクアロンKH−10」(商品名、第一工業製薬社製)、「ラテムルPD−104」(商品名、花王社製)、「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製)等を挙げることができる。
上記乳化重合は、全モノマーの合計質量を基準にして、上記界面活性剤を、反応系に、好ましくは約0.1〜約15質量%、より好ましくは約0.5〜約10質量%、そしてさらに好ましくは約1〜約5質量%添加することにより実施される。
上記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。また、上記重合開始剤に、所望により、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用して、レドックス開始剤として用いることができる。
上記乳化重合は、全モノマーの合計質量を基準にして、好ましくは約0.1〜約5質量%、そしてより好ましくは約0.2〜約3質量%の上記重合開始剤を反応系に添加することにより実施される。上記重合開始剤は、特に制限されず、その種類及び量等に応じて適宜添加されうる。例えば、あらかじめモノマー混合物又は水性媒体に重合開始剤を添加してもよく、あるいは重合時に重合開始剤を反応系に一括して添加又は滴下することができる。
コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、例えば、コア部共重合体(I)のエマルションに、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)及びその他の重合性不飽和モノマー(II3)からなるモノマー混合物を添加し、さらに重合させてシェル部共重合体(II)を形成することによって得られる。
シェル部共重合体(II)を形成するモノマー混合物は、所望により、上記重合開始剤、連鎖移動剤、還元剤、界面活性剤等の成分を適宜含有することができる。また、上記モノマー混合物は、そのまま反応系に滴下することもできるが、上記モノマー混合物を水性媒体に分散して得られるモノマー乳化物として反応系に滴下されることが好ましい。上記モノマー乳化物の粒径は特に制限されるものではない。
シェル部共重合体(II)を形成するモノマー混合物は、例えば、上記モノマー混合物又はその乳化物を、一括で又は徐々に反応系に滴下し、攪拌しながら適当な温度に加熱する方法により、コア部共重合体(I)の周囲にシェル部共重合体(II)を形成する。そのようにして得られるコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(I1)及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマー(I2)の共重合体(I)のコア部と、水酸基含有重合性不飽和モノマー(II1)、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー(II2)及びその他の重合性不飽和モノマー(II3)の共重合体(II)のシェル部とを有する複層構造を有する。
また、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、例えば、コア部共重合体(I)を得る工程と、シェル部共重合体(II)を得る工程との間に、他の樹脂層を形成する重合性不飽和モノマー(1種又は2種以上の混合物)を供給して乳化重合を行なう工程を追加することによって、3層又はそれ以上の層からなる水分散性水酸基含有アクリル樹脂であることができる。
なお、本発明において、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂の「シェル部」は樹脂粒子の最外層に存在する重合体層を意味し、「コア部」は上記シェル部を除く樹脂粒子内層の重合体層を意味し、「コア・シェル型構造」は上記コア部とシェル部とを有する構造を意味するものである。
上記コア・シェル型構造は、通常、コア部がシェル部に完全に被覆された層構造が一般的であるが、コア部とシェル部の質量比率等によっては、シェル部のモノマー量が層構造を形成するのに不十分な場合もあり得る。そのような場合は、上記のような完全な層構造である必要はなく、コア部の一部をシェル部が被覆した構造であってもよい。また、上記コア・シェル型構造における多層構造の概念は、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)においてコア部に多層構造が形成される場合にも同様に当てはまるものとする。
コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)は、一般に約10〜約1,000nm、特に約20〜約500nmの範囲内の平均粒径を有することができる。
本明細書において、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の平均粒径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから20℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
本明細書において、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の平均粒径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから20℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の粒子の機械的安定性を向上させるために、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)が有するカルボキシル基等の酸基を中和剤により中和することが望ましい。上記中和剤としては、酸基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア水等が挙げられる。上記中和剤は、中和後のコア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)の水分散液のpHが約6.5〜約9.0となるような量で用いられることが好ましい。
[水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)]
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、通常、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して、酸成分として通常使用される化合物が挙げられる。上記酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等、並びにそれらの無水物及びエステル化物を挙げることができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、通常、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して、酸成分として通常使用される化合物が挙げられる。上記酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等、並びにそれらの無水物及びエステル化物を挙げることができる。
上記脂肪族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、上記脂肪族化合物の酸無水物及び上記脂肪族化合物のエステル化物が挙げられ、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸;上記脂肪族多価カルボン酸の無水物;上記脂肪族多価カルボン酸の炭素数約1〜約4の低級アルキルのエステル化物等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記脂肪族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、得られる塗膜の平滑性の観点から、アジピン酸及び/又はアジピン酸無水物であることが特に好ましい。
上記脂肪族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、得られる塗膜の平滑性の観点から、アジピン酸及び/又はアジピン酸無水物であることが特に好ましい。
上記脂環族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造と2個以上のカルボキシル基とを有する化合物、上記化合物の酸無水物及び上記化合物のエステル化物が挙げられる。脂環式構造は、主として4〜6員環構造である。上記脂環族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;上記脂環族多価カルボン酸の無水物;上記脂環族多価カルボン酸の炭素数約1〜約4の低級アルキルのエステル化物等;並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記脂環族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、得られる塗膜の平滑性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物が好ましく、そして1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物がより好ましい。
上記芳香族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、上記芳香族化合物の酸無水物及び上記芳香族化合物のエステル化物であり、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4'−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;上記芳香族多価カルボン酸の無水物;上記芳香族多価カルボン酸の炭素数約1〜約4の低級アルキルのエステル化物等;並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記芳香族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、及び無水トリメリット酸が好ましい。
上記芳香族多塩基酸、並びにそれらの無水物及びエステル化物としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、及び無水トリメリット酸が好ましい。
また、上記酸成分として、上記脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸及び芳香族多塩基酸以外の酸成分、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、10−フェニルオクタデカン酸等のモノカルボン酸;乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸等;並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ジメチロールプロピオン酸等の2価アルコール;上記2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;上記3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;グリセリンの脂肪酸エステル化物等が挙げられる。
また、上記アルコール成分として、上記多価アルコール以外のアルコール成分、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、「カージュラE10」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)等のモノエポキシ化合物と酸とを反応させて得られたアルコール化合物等が挙げられる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、特に限定されず、通常の方法に従って製造されうる。例えば、上記酸成分とアルコール成分とを、窒素気流中、約150〜約250℃で、約5〜約10時間加熱し、上記酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応を実施することにより、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)を製造することができる。
上記酸成分及びアルコール成分をエステル化反応又はエステル交換反応させる際には、反応容器中に、これらを一度に添加してもよいし、一方又は両者を、数回に分けて添加してもよい。また、水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、得られた水酸基含有ポリエステル樹脂に酸無水物を反応させてハーフエステル化させ、カルボキシル基及び水酸基含有ポリエステル樹脂を製造することができる。さらに、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、当該カルボキシル基含有ポリエステル樹脂に上記アルコール成分を付加させ、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)を製造することができる。
上記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるための触媒として、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の公知の触媒を反応系に添加することができる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、上記樹脂の調製中又は調製後に、脂肪酸、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性されたものであることができる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、上記樹脂の調製中又は調製後に、脂肪酸、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性されたものであることができる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等が挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)が好ましい。
また、上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;リジントリイソシアネート等の3価以上のポリイソシアネート等の有機ポリイソシアネート;上記有機ポリイソシアネートと、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水等との付加物;上記有機ポリイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)において、得られる塗膜の平滑性及び耐水性の向上の観点から、原料の酸成分中の脂環族多塩基酸の含有量が、上記酸成分の合計量を基準として、約20〜約100モル%であることが好ましく、約25〜約95モル%であることがより好ましく、約30〜約90モル%であることがさらに好ましい。特に、上記脂環族多塩基酸が、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物であることが、得られる塗膜の平滑性の向上の観点から、好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、好ましくは約1〜約200mgKOH/g、より好ましくは約2〜約180mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約5〜約170mgKOH/gの水酸基価を有する。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)がカルボキシル基を有する場合は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)が、好ましくは約0.1〜約100mgKOH/g、より好ましくは約0.5〜約60mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約1〜約50mgKOH/gの酸価を有する。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)がカルボキシル基を有する場合は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)が、好ましくは約0.1〜約100mgKOH/g、より好ましくは約0.5〜約60mgKOH/g、そしてさらに好ましくは約1〜約50mgKOH/gの酸価を有する。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、好ましくは約500〜約50,000、より好ましくは約1,000〜約30,000、そしてさらに好ましくは約1,200〜約10,000の数平均分子量を有する。
なお、本明細書において、数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」、「TSKgel G3000HXL」、「TSKgel
G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
G2500HXL」及び「TSKgel G2000HXL」(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:テトラヒドロフラン、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)として水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)を含有する実施形態では、水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分を基準として、好ましくは約2〜約95質量%、より好ましくは約10〜約70質量%、そしてさらに好ましくは約15〜約50質量%の範囲で含む。
[水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)]
水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート化合物及び芳香族ジイソシアネート化合物から成る群から選択される少なくとも1種のジイソシアネート化合物と、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールから成る群から選択される少なくとも1種のポリオール化合物とを反応させることにより製造された樹脂を挙げることができる。
水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート化合物及び芳香族ジイソシアネート化合物から成る群から選択される少なくとも1種のジイソシアネート化合物と、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールから成る群から選択される少なくとも1種のポリオール化合物とを反応させることにより製造された樹脂を挙げることができる。
具体的には、水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)は、以下のように製造することができる。
例えば、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートから成る群から選択される少なくとも1種のジイソシアネート、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール及びポリカーボネートジオールから成る群から選択される少なくとも1種のジオール、低分子量ポリヒドロキシ化合物並びにジメチロールアルカン酸を反応させてウレタンプレポリマーを製造する。上記ウレタンプレポリマーを3級アミンで中和し、当該中和物を水中に乳化分散させた後、所望によりポリアミン等の鎖伸長剤、架橋剤、停止剤等を含む水性媒体と混合して、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応させることにより、平均粒径が約0.001〜約3μmの自己乳化型の水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)を得ることができる。
例えば、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートから成る群から選択される少なくとも1種のジイソシアネート、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール及びポリカーボネートジオールから成る群から選択される少なくとも1種のジオール、低分子量ポリヒドロキシ化合物並びにジメチロールアルカン酸を反応させてウレタンプレポリマーを製造する。上記ウレタンプレポリマーを3級アミンで中和し、当該中和物を水中に乳化分散させた後、所望によりポリアミン等の鎖伸長剤、架橋剤、停止剤等を含む水性媒体と混合して、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応させることにより、平均粒径が約0.001〜約3μmの自己乳化型の水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)を得ることができる。
水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)として水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)を含有する実施形態では、水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有ポリウレタン樹脂(A3)を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分を基準として、好ましくは2〜90質量%、より好ましくは約5〜約70質量%、そしてさらに好ましくは8〜50質量%の範囲で含む。
[ブロックポリイソシアネート化合物(B)]
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、下記一般式(I):
(式中、R1、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、R3は、炭素数約1〜約12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、R6は、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有する。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有する。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基に、活性メチレン化合物(b2)を反応させて、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)を得た後、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)と2級アルコール(b4)とを反応させることによって得ることができる。
[ポリイソシアネート化合物(b1)]
ポリイソシアネート化合物(b1)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びそれらの誘導体等、並びにそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物(b1)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びそれらの誘導体等、並びにそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)等の脂肪族ジイソシアネート;2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
上記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート(慣用名:水添TDI)、2−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)若しくはその混合物、メチレンビス(4,1−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート又はその混合物、ω,ω'−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)又はその混合物等の芳香脂肪族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン等の芳香脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
上記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,4−TDI)若しくは2,6−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,6−TDI)又はその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
また、上記誘導体としては、例えば、上述のポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン等、並びにポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物(b1)としては、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)が加熱時に黄変しにくいことから、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体が好ましい。ポリイソシアネート化合物(b1)としては、形成される塗膜の柔軟性向上の観点から、脂肪族ジイソシアネート及びその誘導体がより好ましい。
また、ポリイソシアネート化合物(b1)には、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びそれらの誘導体等、並びにそれらの任意の組み合わせを、上記ポリイソシアネートと反応し得る化合物と、イソシアネート基が過剰の条件で反応させることにより製造されるプレポリマーが含まれる。上記ポリイソシアネートと反応し得る化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、アミン、水等が挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物(b1)には、イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーの重合体、又は上記イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと上記イソシアネート基含有重合性不飽和モノマー以外の重合性不飽和モノマーとの共重合体が含まれる。
ポリイソシアネート化合物(b1)は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の反応性及びブロックポリイソシアネート化合物(B)と他の塗料成分との相溶性の観点から、好ましくは約300〜約20,000、より好ましくは約400〜約8,000、そしてさらに好ましくは約500〜約2,000の範囲の数平均分子量を有する。
また、ポリイソシアネート化合物(b1)は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の反応性及びブロックポリイソシアネート化合物(B)と他の塗料成分との相溶性の観点から、1分子中の平均イソシアネート官能基数が約2〜約100の範囲内にあることが好ましい。上記平均イソシアネート官能基は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の反応性を高める観点から約3以上であることがより好ましい。上記平均イソシアネート官能基は、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の製造時にゲル化を防ぐ観点から約20以下であることがより好ましい。
[活性メチレン化合物(b2)]
ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基をブロック化する活性メチレン化合物(b2)としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジsec−ブチル、マロン酸ジtert−ブチル、マロン酸ジn−ペンチル、マロン酸ジn−ヘキシル、マロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、マロン酸メチルイソプロピル、マロン酸エチルイソプロピル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルイソブチル、マロン酸エチルイソブチル、マロン酸メチルsec−ブチル、マロン酸エチルsec−ブチル、マロン酸ジフェニル及びマロン酸ジベンジル等のマロン酸ジエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸n−ペンチル、アセト酢酸n−ヘキシル、アセト酢酸2−エチルヘキシル、アセト酢酸フェニル及びアセト酢酸ベンジル等のアセト酢酸エステル、イソブチリル酢酸メチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸n−プロピル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸n−ブチル、イソブチリル酢酸イソブチル、イソブチリル酢酸sec−ブチル、イソブチリル酢酸tert−ブチル、イソブチリル酢酸n−ペンチル、イソブチリル酢酸n−ヘキシル、イソブチリル酢酸2−エチルヘキシル、イソブチリル酢酸フェニル及びイソブチリル酢酸ベンジル等のイソブチリル酢酸エステル等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基をブロック化する活性メチレン化合物(b2)としては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジsec−ブチル、マロン酸ジtert−ブチル、マロン酸ジn−ペンチル、マロン酸ジn−ヘキシル、マロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、マロン酸メチルイソプロピル、マロン酸エチルイソプロピル、マロン酸メチルn−ブチル、マロン酸エチルn−ブチル、マロン酸メチルイソブチル、マロン酸エチルイソブチル、マロン酸メチルsec−ブチル、マロン酸エチルsec−ブチル、マロン酸ジフェニル及びマロン酸ジベンジル等のマロン酸ジエステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸n−ペンチル、アセト酢酸n−ヘキシル、アセト酢酸2−エチルヘキシル、アセト酢酸フェニル及びアセト酢酸ベンジル等のアセト酢酸エステル、イソブチリル酢酸メチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸n−プロピル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸n−ブチル、イソブチリル酢酸イソブチル、イソブチリル酢酸sec−ブチル、イソブチリル酢酸tert−ブチル、イソブチリル酢酸n−ペンチル、イソブチリル酢酸n−ヘキシル、イソブチリル酢酸2−エチルヘキシル、イソブチリル酢酸フェニル及びイソブチリル酢酸ベンジル等のイソブチリル酢酸エステル等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
活性メチレン化合物(b2)は、形成される複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジイソプロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、イソブチリル酢酸メチル及びイソブチリル酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましく、そしてマロン酸ジイソプロピル、イソブチリル酢酸メチル及びイソブチリル酢酸エチルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることがより好ましい。
活性メチレン化合物(b2)は、形成される複層塗膜の平滑性及び鮮映性並びに得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の反応性及び水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性の観点から、マロン酸ジイソプロピルであることがさらに好ましい。
活性メチレン化合物(b2)によるイソシアネート基のブロック化反応は、反応触媒を所望により含むことができる。上記反応触媒としては、例えば、金属ヒドロキシド、金属アルコキシド、金属カルボキシレート、金属アセチルアセチネート、オニウム塩の水酸化物、オニウムカルボキシレート、活性メチレン化合物の金属塩、活性メチレン化合物のオニウム塩、アミノシラン類、アミン類、ホスフィン類等の塩基性化合物が挙げられる。上記オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、及びスルホニウム塩が好ましい。
上記反応触媒の量は、通常、ポリイソシアネート化合物(b1)及び活性メチレン化合物(b2)の合計固形分質量を基準として、約10〜約10,000ppmの範囲内にあることが好ましく、そして約20〜約5,000ppmの範囲内にあることがより好ましい。
また、活性メチレン化合物(b2)によるイソシアネート基のブロック化反応は、約0〜約150℃で行うことができ、そして溶媒を含むことができる。上記溶媒としては、非プロトン性溶剤が好ましく、特に、エステル、エーテル、N−アルキルアミド、ケトン等溶剤が好ましい。反応の進行に応じて、反応系に酸成分を添加し、触媒である塩基性化合物を中和することにより、ブロック化反応を停止させてもよい。
活性メチレン化合物(b2)によるイソシアネート基のブロック化反応において、活性メチレン化合物(b2)の量は、特には限定されないが、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基1モルに対して、好ましくは約0.1〜約3モル、そしてより好ましくは約0.2〜約2モルである。また、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基と反応しなかった活性メチレン化合物は、ブロック化反応終了後に除去することができる。
また、活性メチレン化合物(b2)によるイソシアネート基のブロック化反応において、活性メチレン化合物(b2)に加えて、例えば、アルコール系、フェノール系、オキシム系、アミン系、酸アミド系、イミダゾール系、ピリジン系、メルカプタン系等のブロック剤を添加することができる。
従って、ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、そのイソシアネート基の一部が、活性メチレン化合物(b2)以外のブロック剤によりブロックされているものを含む。
従って、ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、そのイソシアネート基の一部が、活性メチレン化合物(b2)以外のブロック剤によりブロックされているものを含む。
また、ポリイソシアネート化合物(b1)中の一部のイソシアネート基を、活性水素含有化合物と反応させてもよい。ポリイソシアネート化合物(b1)中の一部のイソシアネート基と活性水素含有化合物とを反応させることにより、例えば、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の貯蔵安定性の向上、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と他の塗料成分との相溶性の調整及び形成される塗膜の柔軟性向上等を図ることができる。
ポリイソシアネート化合物(b1)中の一部のイソシアネート基と、上記活性水素含有化合物とを反応させる場合、ポリイソシアネート化合物(b1)、活性メチレン化合物(b2)及び上記活性水素含有化合物を反応させる順序は、特に限定されない。
具体的には、(i)ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基の一部を活性メチレン化合物(b2)でブロックした後、残りのイソシアネート基に活性水素含有化合物を反応させる方法、(ii)ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基の一部に活性水素含有化合物を反応させた後、残りのイソシアネート基を活性メチレン化合物(b2)でブロックする方法、並びに(iii)ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基に活性メチレン化合物(b2)及び活性水素含有化合物を同時に反応させる方法等が挙げられる。
上記活性水素含有化合物としては、例えば、水酸基含有化合物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。
上記水酸基含有化合物としては、例えば、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、トリデカノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)モノアルキルエーテル、トリメチロールプロパン等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記水酸基含有化合物としては、例えば、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、トリデカノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)モノアルキルエーテル、トリメチロールプロパン等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
なお、本明細書において、「ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)」は、エチレングリコールとプロピレングリコールの共重合体を意味し、ブロック共重合体及びランダム共重合体を含む。
上記水酸基含有化合物は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の高粘度化を抑制する観点から、1価のアルコールであることが好ましい。上記1価のアルコールとしては、例えば、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、トリデカノール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)モノアルキルエーテル等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
また、上記アミノ基含有化合物としては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ステアリルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジラウリルアミン、α−(アミノアルキル)−ω−アルコキシポリオキシエチレン(オキシプロピレン)、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ポリオキシプロピレン−α,ω−ジアミン(市販品としては、例えば、ハンツマン社製の「ジェファーミンD−400」等が挙げられる)等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記アミノ基含有化合物は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の高粘度化を抑制する観点から、1価のアミンであることが好ましい。上記1価のアミンとしては、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、ステアリルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジラウリルアミン、α−(アミノアルキル)−ω−アルコキシポリオキシエチレン(オキシプロピレン)等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(b1)中の一部のイソシアネート基と、上記活性水素含有化合物を反応させる場合、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性及び硬化性、並びに形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性及びワキ抑制の観点から、ポリイソシアネート化合物(b1)と活性水素含有化合物との比率は、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基1モルを基準として、活性水素含有化合物中の活性水素のモル数が、約0.03〜約0.6モルの範囲内にあることが好ましい。
上記比率は、水性第1着色塗料(X)の硬化性及び形成される複層塗膜の耐水性の観点から、約0.4以下であることがより好ましく、そして約0.3以下であることがさらに好ましい。上記比率は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性並びに形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及びワキ抑制の観点から、約0.04以上であることがより好ましく、そして約0.05以上であることがさらに好ましい。
また、ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性及び硬化性並びに形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及びワキ抑制の観点から、親水基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B’)であることが好ましい。
上記親水基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B’)は、例えば、上記活性水素含有化合物として、親水基を有する活性水素含有化合物を用いることによって得られる。
上記親水基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B’)は、例えば、上記活性水素含有化合物として、親水基を有する活性水素含有化合物を用いることによって得られる。
上記親水基を有する活性水素含有化合物としては、ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物、アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物、カチオン性の親水基を有する活性水素含有化合物等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記親水基を有する活性水素含有化合物、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基を活性メチレン化合物(b2)によってブロック化する反応が阻害されにくいため、ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物であることが好ましい。
上記ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、ポリオキシアルキレン基を有する活性水素含有化合物が挙げられる。上記ポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレンオキシプロピレン基等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性の観点から、ポリオキシエチレン基を有することが好ましい。
上記ポリオキシエチレン基を有する活性水素含有化合物は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性及び形成される複層塗膜の耐水性等の観点から、約3個以上、好ましくは約5〜約100個、より好ましくは約8〜約45個の連続するオキシエチレン基、すなわち、ポリオキシエチレンブロックを有することが好ましい。
また、上記ポリオキシエチレン基を有する活性水素含有化合物は、ポリオキシエチレンブロック以外に、オキシエチレン基以外のオキシアルキレン基を含有してもよい。上記オキシエチレン基以外のオキシアルキレン基としては、例えば、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシスチレン基等が挙げられる。
上記ポリオキシエチレン基を有する活性水素含有化合物における、オキシアルキレン基中のオキシエチレン基のモル比率は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性の観点から、約20〜約100モル%の範囲内にあることが好ましく、そして約50〜約100モル%の範囲内にあることがより好ましい。オキシアルキレン基中のオキシエチレン基のモル比率が約20モル%未満になると、親水性の付与が十分でなくなり、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性が低下する場合がある。
また、上記ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性及び形成される複層塗膜の耐水性の観点から、数平均分子量が約200〜約2,000の範囲内にあることが好ましい。上記数平均分子量は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性の観点から、約300以上であることがより好ましく、そして約400以上であることがさらに好ましい。上記数平均分子量は、形成される複層塗膜の耐水性の観点から、約1,500以下であることがより好ましく、そして約1,200以下であることがさらに好ましい。
上記ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル及びポリエチレングリコールモノエチルエーテル等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(別名:ω−アルコキシポリオキシエチレン)、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル及びポリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル(別名:ω−アルコキシポリオキシプロピレン)、ω−メトキシポリオキシエチレン(オキシプロピレン)、ω−エトキシポリオキシエチレン(オキシプロピレン)等のω−アルコキシポリオキシエチレン(オキシプロピレン)、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)モノメチルエーテル、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)モノエチルエーテル等のポリエチレングリコール(プロピレングリコール)モノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(プロピレングリコール)、α−(アミノアルキル)−ω−アルコキシポリオキシエチレン、α−(アミノアルキル)−ω−アルコキシポリオキシプロピレン、α−(アミノアルキル)−ω−アルコキシポリオキシエチレン(オキシプロピレン)等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記ノニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル及びポリエチレングリコールが好ましく、そしてポリエチレングリコールモノメチルエーテルがさらに好ましい。
また、上記ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの市販品としては、例えば、日油株式会社製の「ユニオックスM−400」、「ユニオックスM−550」、「ユニオックスM−1000」、「ユニオックスM−2000」等が挙げられる。また、上記ポリエチレングリコールの市販品としては、例えば、日油株式会社製の「PEG#200」、「PEG#300」、「PEG#400」、「PEG#600」、「PEG#1000」、「PEG#1500」、「PEG#1540」、「PEG#2000」等が挙げられる。
上記アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、酸基を有する活性水素含有化合物、例えば、カルボキシル基を有する活性水素含有化合物、スルホン酸基を有する活性水素含有化合物、リン酸基を有する活性水素含有化合物、及びそれらの中和された塩、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)と他の塗料成分との相溶性の観点から、カルボキシル基を有する活性水素含有化合物であることが好ましい。
上記アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物中の酸基の一部又は全部は、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基を、活性メチレン化合物(b2)によってブロック化する反応が阻害されにくくなるため、塩基性化合物で中和されていることが好ましい。
上記アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物中の酸基の中和は、上記アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物とポリイソシアネート化合物(b1)との反応前に中和されてもよく、又は反応後に中和されてもよい。
上記塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;金属アルコキシド;アンモニア;エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、モノエタノールアミン、2,2−ジメチル−3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−アミノプロパノール等の第1級モノアミン;ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジ−イソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン等の第2級モノアミン;ジメチルエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、メチルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール等の第3級モノアミン;ジエチレントリアミン、ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン等のポリアミン等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記塩基性化合物の量は、アニオン性の親水基を有する活性水素含有化合物中のアニオン性基に対して通常約0.1〜約1.5当量、そして好ましくは約0.2〜約1.2当量の範囲内にある。
上記カルボキシル基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシピバリン酸、リンゴ酸及びクエン酸等のモノヒドロキシカルボン酸、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、ジメチロールヘプタン酸、ジメチロールノナン酸、2,2−ジメチロール酪酸及び2,2−ジメチロール吉草酸等のジヒドロキシカルボン酸、それらジヒドロキシカルボン酸のラクトン開環付加物、グリシン、1−カルボキシ−1,5−ペンチレンジアミン、ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、リジン、アルギニン等を挙げることができる。
上記スルホン酸基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、2−アミノ−1−エタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,4−ジアミノ−5−トルエンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)−エタンスルホン酸、3−(シクロヘキシルアミノ)−プロパンスルホン酸等が挙げられる。
上記リン酸基を有する活性水素含有化合物としては、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピルフェニルホスフェート、ヒドロキシアルキルホスホン酸、アミノアルキルホスホン酸等を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物(b1)中の一部のイソシアネート基と、上記親水基を有する活性水素含有化合物を反応させる場合、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性及び硬化性、並びに形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性及びワキ抑制の観点から、ポリイソシアネート化合物(b1)と親水基を有する活性水素含有化合物との比率は、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基1モルを基準として、活性水素含有化合物中の活性水素のモル数が約0.03〜約0.6モルの範囲内にあることが好ましい。
上記比率は、水性第1着色塗料(X)の硬化性及び形成される複層塗膜の耐水性の観点から、約0.4以下であることがより好ましく、約0.3以下であることがさらに好ましい。上記比率は、水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性並びに形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性及びワキ抑制の観点から、約0.04以上であることがより好ましく、そして約0.05以上であることがさらに好ましい。
また、ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、水性第1着色塗料(X)を製造するために、界面活性剤との混合物として添加されうる。上記界面活性剤は、水性第1着色塗料(X)の安定性の観点から、ノニオン性界面活性剤及び/又はアニオン性界面活性剤であることが好ましい。
[ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)]
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b1)及び活性メチレン化合物(b2)を反応させることにより、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基の一部又は全部が、活性メチレン化合物(b2)でブロック化された化合物である。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b1)及び活性メチレン化合物(b2)を反応させることにより、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基の一部又は全部が、活性メチレン化合物(b2)でブロック化された化合物である。
なお、本明細書では、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)は、本発明のブロックポリイソシアネート化合物を製造する前の段階にある物質としての「前駆体」を意味し、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)も、イソシアネート基がブロックされた、ブロックポリイソシアネート化合物である。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)が、下記一般式(IV):
(式中、R1は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、互いに同一でも異なっていてもよい。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)、及び下記一般式(V):
(式中、R6及びR7は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)から成る群から選択される一方又は両方であることが好ましい。
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)、及び下記一般式(V):
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)から成る群から選択される一方又は両方であることが好ましい。
[ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)]
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)は、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の原料の一つである上記活性メチレン化合物(b2)として、比較的簡易に製造又は入手できる活性メチレン化合物を使用できる観点から、R1が、炭素数約1〜約3のアルキル基であることが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)は、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の原料の一つである上記活性メチレン化合物(b2)として、比較的簡易に製造又は入手できる活性メチレン化合物を使用できる観点から、R1が、炭素数約1〜約3のアルキル基であることが好ましい。
R1は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)と他の塗料成分との相溶性向上の観点から、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、そして水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性、形成される複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、R 1はイソプロピル基であることがさらに好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)は、例えば、ポリイソシアネート化合物(b1)と、炭素数約1〜約12の炭化水素基を有するマロン酸ジアルキルとを反応させることによって得ることができる。
上記マロン酸ジアルキルとしては、例えば、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジsec−ブチル、マロン酸ジtert−ブチル、マロン酸ジn−ペンチル、マロン酸ジn−ヘキシル、マロン酸ジ(2−エチルヘキシル)等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記マロン酸ジアルキルは、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジn−ブチル、マロン酸ジイソブチル、マロン酸ジsec−ブチル、及びマロン酸ジtert−ブチルであることが好ましく、そしてマロン酸ジエチル、マロン酸ジn−プロピル、及びマロン酸ジイソプロピルであることがより好ましく、そしてマロン酸ジイソプロピルであることがさらに好ましい。
[ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)]
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)は、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の原料の一つである活性メチレン化合物(b2)として、比較的簡易に製造又は入手できる活性メチレン化合物を使用できる観点から、R6及びR7が、炭素数約1〜約3のアルキル基であることが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)は、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の原料の一つである活性メチレン化合物(b2)として、比較的簡易に製造又は入手できる活性メチレン化合物を使用できる観点から、R6及びR7が、炭素数約1〜約3のアルキル基であることが好ましい。
R6及びR7は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)と他の塗料成分との相溶性向上の観点から、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、そして水性第1着色塗料(X)の貯蔵安定性、複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、R6及びR7がイソプロピル基であることがさらに好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)は、例えば、(i)ポリイソシアネート化合物(b1)と、炭素数約1〜約12の炭化水素基を有するアセト酢酸エステルとを反応させる、(ii)ポリイソシアネート化合物(b1)と、炭素数約1〜約12の炭化水素基を有するイソブチリル酢酸エステルとを反応させる等によって得ることができる。ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)は、ポリイソシアネート化合物(b 1)と、炭素数約1〜約12の炭化水素基を有するイソブチリル酢酸エステルとを反応させて得られたものが好ましい。
上記炭素数約1〜約12の炭化水素基を有するイソブチリル酢酸エステルとしては、例えば、イソブチリル酢酸の炭素数約1〜約12のアルキルエステル、例えば、イソブチリル酢酸メチル、イソブチリル酢酸エチル、イソブチリル酢酸n−プロピル、イソブチリル酢酸イソプロピル、イソブチリル酢酸n−ブチル、イソブチリル酢酸イソブチル、イソブチリル酢酸sec−ブチル、イソブチリル酢酸tert−ブチル、イソブチリル酢酸n−ペンチル、イソブチリル酢酸n−ヘキシル、イソブチリル酢酸2−エチルヘキシル、イソブチリル酢酸フェニル、イソブチリル酢酸ベンジル等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられ、そしてイソブチリル酢酸メチル、イソブチリル酢酸エチル及びイソブチリル酢酸イソプロピルが好ましい。
また、上記炭素数約1〜約12の炭化水素基を有するアセト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸の炭素数約1〜約12のアルキルエステル、例えば、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸n−プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸n−ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸sec−ブチル、アセト酢酸tert−ブチル、アセト酢酸n−ペンチル、アセト酢酸n−ヘキシル、アセト酢酸2−エチルヘキシル、アセト酢酸フェニル、アセト酢酸ベンジル等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられ、そしてアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル及びアセト酢酸イソプロピルが好ましい。
また、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(b1)、活性メチレン化合物(b2)及び上記活性水素含有化合物を反応させることによって得られる化合物であってもよい。具体的には、例えば、上記活性水素含有化合物として、上記ポリオキシアルキレン基を有する活性水素含有化合物を使用することにより、ポリイソシアネート化合物(b1)中のイソシアネート基の一部が活性メチレン化合物(b2)によってブロックされ、他のイソシアネート基の一部又は全部がポリオキシアルキレン基を有する活性水素含有化合物と反応したブロックポリイソシアネート化合物が製造されうる。
[2級アルコール(b4)]
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、例えば、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)と、2級アルコールとを反応させることにより製造されることができ、上記2級アルコールとしては、特に制限されないが、下記一般式(VI):
(式中、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、R3は、炭素数約1〜約12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
で示される2級アルコール(b4)が好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、例えば、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)と、2級アルコールとを反応させることにより製造されることができ、上記2級アルコールとしては、特に制限されないが、下記一般式(VI):
で示される2級アルコール(b4)が好ましい。
2級アルコール(b4)において、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)との反応性を高める観点から、R2がメチル基であることが好ましい。また、R3、R4及びR5は、それぞれ炭素数が多いと、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の極性が低下し、他の塗料成分との相溶性が低下する場合があるため、R3は炭素数約1〜約3のアルキレン基であることが好ましく、そしてR4及びR5はメチル基であることが好ましい。
2級アルコール(b4)としては、例えば、4−メチル−2−ペンタノール、5−メチル−2−ヘキサノール、6−メチル−2−ヘプタノール、7−メチル−2−オクタノール等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。2級アルコール(b4)は、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)及び2級アルコール(b4)の反応後に、未反応の2級アルコール(b4)の一部又は全部を蒸留除去する際に、その除去が比較的簡易であることから、比較的低い沸点を有する4−メチル−2−ペンタノールであることが好ましい。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、例えば、下記一般式(IV):
(式中、R1は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、互いに同一でも、異なっていてもよい。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)及び2級アルコール(b4)を反応させることによって製造されうる。
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)及び2級アルコール(b4)を反応させることによって製造されうる。
上記反応において、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)中のブロックイソシアネート基におけるR1の少なくとも一方が、下記一般式(VII):
(式中、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、R3は、炭素数約1〜約12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
で示される基に置換される。
で示される基に置換される。
上記反応において、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)は、下記一般式(I):
(式中、R1、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、R3は、炭素数約1〜約12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基、又は下記一般式(II):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりである。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する。
で示されるブロックイソシアネート基、又は下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基を有する。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)及び2級アルコール(b4)の反応は、例えば、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)中のブロックイソシアネート基におけるR1の少なくとも一方を、一般式(VII)で示される基に置換できる製法であれば特に限定されない。上記製法としては、加熱及び減圧等により、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)中のR1の少なくとも一方に由来するアルコールの一部あるいは全部を系外に蒸留除去し、反応を促進させて、一般式(I)又は(II)で示されるブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B)を得るものが好ましい。
上記製法としては、具体的には、好ましくは約20〜約150℃、そしてより好ましくは約75〜約95℃の温度で、所望により減圧し、好ましくは約5分間〜約20時間、そしてより好ましくは約10分間〜約10時間かけて、上記アルコールの一部又は全部を除去する。上記温度が低すぎると、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b31)中のアルコキシ基の交換反応が遅くなって製造効率が低下し、一方、上記温度が高すぎると、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の分解劣化が激しくなり、硬化性が低下する場合がある。
また、ブロックポリイソシアネート化合物(B)は、下記一般式(V):
(式中、R6及びR7は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)と、2級アルコール(b4)とを反応させることによって製造されうる。
で示されるブロックイソシアネート基を有する、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)と、2級アルコール(b4)とを反応させることによって製造されうる。
上記反応において、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)中のブロックイソシアネート基におけるR7が、下記一般式(VII):
(式中、R2、R4及びR5は、独立して、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表し、R3は、炭素数約1〜約12の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
で示される基に置換される。
で示される基に置換される。
上記反応において、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)は、下記一般式(III):
(式中、R2、R3、R4及びR5は上述のとおりであり、R6は、炭素数約1〜約12の炭化水素基を表す。)
で示されるブロックイソシアネート基を有する。
で示されるブロックイソシアネート基を有する。
ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)及び2級アルコール(b4)の反応は、例えば、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)中のブロックイソシアネート基におけるR7を、一般式(VII)で示される基に置換できる製法であれば特に限定されない。上記製法としては、加熱及び減圧等により、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)中のR7に由来するアルコールの一部あるいは全部を系外に蒸留除去し、反応を促進させて、一般式(III)で示されるブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B)を得るものが好ましい。
上記製造方法は、具体的には、好ましくは約20〜約150℃、そしてより好ましくは約75〜約95℃の温度で、所望により減圧し、好ましくは約5分間〜約20時間、そしてより好ましくは約10分間〜約10時間かけて、上記アルコールの一部又は全部を除去する。上記温度が低すぎると、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b32)中のアルコキシ基の交換反応が遅くなって製造効率が低下し、一方、上記温度が高すぎると、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の分解劣化が激しくなり硬化性が低下する場合がある。
また、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の製造における、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)及び2級アルコール(b4)の量は、得られるブロックポリイソシアネート化合物(B)の反応性及び製造効率の観点から、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)の固形分100質量部を基準として、2級アルコール(b4)が約5〜約500質量部の範囲内にあることが好ましく、そして約10〜約200質量部の範囲内にあることがより好ましい。2級アルコール(b4)の量が約5質量部未満では、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)及び2級アルコール(b4)の反応速度が遅すぎる場合がある。また、2級アルコール(b4)の量が約500質量部を超えると、生成するブロックポリイソシアネート化合物(B)の濃度が低くなりすぎ、製造効率が低下する場合がある。
また、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)及び2級アルコール(b4)の反応において、ブロックポリイソシアネート化合物(B)の分子量を調整するために、ブロックポリイソシアネート化合物前駆体(b3)及び2級アルコール(b4)に、上記多官能水酸基含有化合物を加えた後に、上記除去操作を行ってもよい。
ブロックポリイソシアネート化合物(B)の数平均分子量は、他の塗料成分との相溶性、形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性及び耐チッピング性等の観点から、約600〜約30,000の範囲内にあることが好ましい。上記数平均分子量は、他の塗料成分との相溶性並びに形成される複層塗膜の平滑性及び鮮映性の観点から、約10,000以下であることがより好ましく、そして約5,000以下であることがさらに好ましい。また、上記数平均分子量は、形成される複層塗膜の耐水性及び耐チッピング性の観点から、約900以上であることがより好ましく、そして約1,000以上であることがさらに好ましい。
[水性第1着色塗料(X)]
本発明の複層塗膜形成方法において使用される水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を含有する水性塗料組成物である。
本発明の複層塗膜形成方法において使用される水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を含有する水性塗料組成物である。
水性第1着色塗料(X)における水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の比率は、固形分質量比で、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)(水酸基含有樹脂(A)/ブロックポリイソシアネート化合物(B))を、好ましくは約95/5〜約10/90、より好ましくは約90/10〜約30/70、そしてさらに好ましくは約85/15〜約50/50の範囲で含む。形成される複層塗膜の平滑性、鮮映性、耐水性及び耐チッピング性等の観点からである。
また、水性第1着色塗料(X)は、ブロックポリイソシアネート化合物(B)以外の硬化剤をさらに含有することができる。上記硬化剤としては、公知の硬化剤、特にアミノ樹脂が挙げられる。
上記アミノ樹脂としては、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる、部分メチロール化アミノ樹脂又は完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。上記アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。上記アルデヒド成分としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。
また、上記アミノ樹脂として、上記メチロール化アミノ樹脂のメチロール基を、アルコールにより、部分的又は完全にエーテル化したものが挙げられる。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
上記アミノ樹脂は、メラミン樹脂であることが好ましく、特に、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をブチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコール及びブチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したメチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂であることが好ましい。
また、上記メラミン樹脂は、得られる塗膜の耐水性の向上の観点から、好ましくは約400〜約6,000、より好ましくは約500〜約4,000、そしてさらに好ましくは約600〜約3,000の重量平均分子量を有する。
上記メラミン樹脂は市販されており、例えば、「サイメル202」、「サイメル203」、「サイメル238」、「サイメル251」、「サイメル303」、「サイメル323」、「サイメル324」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル385」、「サイメル1156」、「サイメル1158」、「サイメル1116」、「サイメル1130」(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン20SE60」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」、「ユーバン28−60」(以上、三井化学社製)等が挙げられる。
水性第1着色塗料(X)が上記硬化剤としてメラミン樹脂を含む場合には、水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、上記メラミン樹脂を、好ましくは約1〜約50質量部、そしてより好ましくは約5〜約30質量部の範囲で含む。
水性第1着色塗料(X)は、顔料をさらに含有することが好ましい。上記顔料としては、例えば、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記顔料は、着色顔料及び/又は体質顔料であることが好ましく、水性第1着色塗料(X)が、着色顔料及び体質顔料を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、好ましくは約1〜約500質量部、より好ましくは約3〜約400質量部、そしてさらに好ましくは約5〜約300質量部の範囲で含む。
上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられ、そして酸化チタン及びカーボンブラックが好ましい。
水性第1着色塗料(X)が上記着色顔料を含有する場合には、水性第1着色塗料(X)は、上記着色顔料を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、好ましくは約1〜約300質量部、より好ましくは約3〜約250質量部、そしてさらに好ましくは約5〜約200質量部の範囲で含む。
また、上記体質顔料としては、例えば、クレー、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられ、硫酸バリウム及び/又はタルクが好ましく、そして硫酸バリウムがより好ましい。平滑性に優れた外観を有する複層塗膜を得られるため、上記体質顔料は、平均一次粒子径が1μm以下の硫酸バリウム、特に平均一次粒子径が約0.01〜約0.8μmの範囲内にある硫酸バリウムであることが好ましい。
なお、本発明において、硫酸バリウムの平均一次粒径は、硫酸バリウムを走査型電子顕微鏡で観察し、電子顕微鏡写真上に無作為に引いた直線上にある硫酸バリウム粒子20個の最大径を平均した値である。
水性第1着色塗料(X)が上記体質顔料を含有する場合には、水性第1着色塗料(X)は、上記体質顔料を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、好ましくは約1〜約300質量部、より好ましくは約5〜約250質量部、そしてさらに好ましくは約10〜約200質量部の範囲で含む。
また、上記光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上記アルミニウム顔料には、ノンリーフィング型アルミニウム及びリーフィング型アルミニウムが含まれる。
水性第1着色塗料(X)が上記光輝性顔料を含有する場合には、水性第1着色塗料(X)は、上記光輝性顔料を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、好ましくは約1〜約50質量部、より好ましくは約2〜約30質量部、そしてさらに好ましくは約3〜約20質量部の範囲で含む。
水性第1着色塗料(X)は、形成される塗膜の平滑性及び鮮映性向上の観点から、疎水性溶媒をさらに含有することが好ましい。
上記疎水性溶媒としては、20℃において、100gの水に溶解する質量が約10g以下、好ましくは約5g以下、より好ましくは約1g以下の有機溶媒であることが好ましい。
上記疎水性溶媒としては、20℃において、100gの水に溶解する質量が約10g以下、好ましくは約5g以下、より好ましくは約1g以下の有機溶媒であることが好ましい。
上記有機溶媒としては、例えば、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶媒;1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のアルコール系溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、酢酸メチルアミル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル等のエステル系溶媒;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルn−アミルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶媒、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記疎水性溶媒としては、アルコール系疎水性溶媒が好ましく、炭素数約7〜約14のアルコール系疎水性溶媒がより好ましく、そして1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種のアルコール系疎水性溶媒がさらに好ましい。
水性第1着色塗料(X)が疎水性溶媒を含有する場合には、水性第1着色塗料(X)は、上記疎水性溶媒を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、好ましくは約2〜約100質量部、より好ましくは約5〜約80質量部、そしてさらに好ましくは約8〜約60質量部の範囲で含む。
また、水性第1着色塗料(X)は、所望により、増粘剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、上記疎水性溶媒以外の有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤等の塗料用添加剤をさらに含有することができる。
上記増粘剤としては、例えば、ケイ酸塩、金属ケイ酸塩、モンモリロナイト、コロイド状アルミナ等の無機系増粘剤;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸系増粘剤;1分子中に親水性部分と疎水性部分を有し、水性媒体中において、上記疎水性部分が塗料中の顔料やエマルション粒子の表面に吸着する、上記疎水性部分同士が会合する等により増粘作用を示す会合型増粘剤;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体系増粘剤;カゼイン、カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系増粘剤;アルギン酸ソーダ等のアルギン酸系増粘剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルエーテル共重合体等のポリビニル系増粘剤;プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルエポキシ変性物等のポリエーテル系増粘剤;ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体の部分エステル等の無水マレイン酸共重合体系増粘剤;ポリアマイドアミン塩等のポリアマイド系増粘剤等、並びにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
上記ポリアクリル酸系増粘剤は市販されており、例えば、ロームアンドハース社製の「ACRYSOL ASE−60」、「ACRYSOL TT−615」、「ACRYSOL RM−5」(以上、商品名)、サンノプコ社製の「SNシックナー613」、「SNシックナー618」、「SNシックナー630」、「SNシックナー634」、「SNシックナー636」(以上、商品名)等が挙げられる。
また、上記会合型増粘剤は市販されており、例えば、ADEKA社製の「UH−420」、「UH−450」、「UH−462」、「UH−472」、「UH−540」、「UH−752」、「UH−756VF」、「UH−814N」(以上、商品名)、ロームアンドハース社製の「ACRYSOL RM−8W」、「ACRYSOL RM−825」、「ACRYSOL RM−2020NPR」、「ACRYSOL RM−12W」、「ACRYSOL SCT−275」(以上、商品名)、サンノプコ社製の「SNシックナー612」、「SNシックナー621N」、「SNシックナー625N」、「SNシックナー627N」、「SNシックナー660T」(以上、商品名)等が挙げられる。
上記増粘剤は、ポリアクリル酸系増粘剤及び/又は会合型増粘剤であることが好ましく、会合型増粘剤がより好ましく、そして末端に疎水基を有し、分子鎖中にウレタン結合を含有するウレタン会合型増粘剤がさらに好ましい。上記ウレタン会合型増粘剤は市販されており、例えば、ADEKA社製の「UH−420」、「UH−462」、「UH−472」、「UH−540」、「UH−752」、「UH−756VF」、「UH−814N」(以上、商品名)、サンノプコ社製の「SNシックナー612」、「SNシックナー621N」、「SNシックナー625N」、「SNシックナー627N」、「SNシックナー660T」(以上、商品名)等が挙げられる。
水性第1着色塗料(X)が増粘剤を含有する場合には、水性第1着色塗料(X)は、上記増粘剤を、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、好ましくは約0.01〜約15質量部、より好ましくは約0.05〜約10質量部、そしてさらに好ましくは約0.1〜約5質量部の範囲で含む。
水性第1着色塗料(X)は、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)、並びに所望による顔料、疎水性溶媒及びその他の塗料用添加剤を、公知の方法により、水性媒体中で混合、分散等することによって調製することができる。また、上記水性媒体としては、脱イオン水、脱イオン水と親水性有機溶媒との混合物等が挙げられる。上記親水性有機溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができる。
水性第1着色塗料(X)は、好ましくは約30〜約80質量%、より好ましくは約40〜約70質量%、そしてさらに好ましくは約45〜約60質量%の範囲内の固形分濃度を有する。
本明細書において、塗料、樹脂等の「固形分」は110℃で1時間乾燥させた後に残存する不揮発性成分を意味する。例えば、塗料の固形分は、110℃で1時間乾燥させた後に残存する、塗料に含有される基体樹脂、硬化剤、顔料等の不揮発性成分を意味する。このため、塗料の固形分濃度は、アルミ箔カップ等の耐熱容器に未硬化の塗料を量り取り、容器底面に上記塗料を塗り広げた後、110℃で1時間乾燥させ、乾燥後に残存する塗料成分の質量を秤量して、乾燥前の塗料の全質量に対する乾燥後に残存する塗料成分の質量の割合を求めることにより、算出することができる。
本明細書において、塗料、樹脂等の「固形分」は110℃で1時間乾燥させた後に残存する不揮発性成分を意味する。例えば、塗料の固形分は、110℃で1時間乾燥させた後に残存する、塗料に含有される基体樹脂、硬化剤、顔料等の不揮発性成分を意味する。このため、塗料の固形分濃度は、アルミ箔カップ等の耐熱容器に未硬化の塗料を量り取り、容器底面に上記塗料を塗り広げた後、110℃で1時間乾燥させ、乾燥後に残存する塗料成分の質量を秤量して、乾燥前の塗料の全質量に対する乾燥後に残存する塗料成分の質量の割合を求めることにより、算出することができる。
水性第1着色塗料(X)の塗装方法としては、特に制限されず、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等が挙げられ、エアスプレー塗装、回転霧化塗装等が好ましい。塗装に際して、所望により、静電印加してもよい。
水性第1着色塗料(X)は、好ましくは約5〜約70μm、より好ましくは約10〜約50μm、そしてさらに好ましくは約15〜約40μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。
本発明の複層塗膜形成方法において、上記水性第1着色塗料(X)を使用することにより、平滑性及び鮮映性に優れ、かつワキの発生が防止又は抑制された塗膜を形成できる理由は、以下の通りであると推察される。
第1に、水性第1着色塗料(X)中のブロックポリイソシアネート化合物(B)が、分岐構造を有する炭化水素基を有するため、水性第1着色塗料(X)から形成された第1着色塗膜と、水性第2着色塗料(Y)から形成された第2着色塗膜との間の混層が抑制され、平滑性及び鮮映性が向上する。
第2に、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、水性第1着色塗料(X)の溶媒である水との親和性が低く、塗膜を加熱する際に水性第1着色塗料(X)中の水が蒸発しやすくなるため、ワキの発生が抑制される。
第1に、水性第1着色塗料(X)中のブロックポリイソシアネート化合物(B)が、分岐構造を有する炭化水素基を有するため、水性第1着色塗料(X)から形成された第1着色塗膜と、水性第2着色塗料(Y)から形成された第2着色塗膜との間の混層が抑制され、平滑性及び鮮映性が向上する。
第2に、ブロックポリイソシアネート化合物(B)と、水性第1着色塗料(X)の溶媒である水との親和性が低く、塗膜を加熱する際に水性第1着色塗料(X)中の水が蒸発しやすくなるため、ワキの発生が抑制される。
[工程(2)]
工程(2)では、水性第1着色塗料(X)から形成された未硬化の第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(Y)が塗装される。
上記第1着色塗膜は、水性第2着色塗料(Y)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート(予備加熱)、エアブロー等を行うことができる。なお、本明細書において、硬化塗膜とは、JIS K 5600−1−1に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。一方、未硬化塗膜とは、塗膜が上記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態をも含むものである。
工程(2)では、水性第1着色塗料(X)から形成された未硬化の第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(Y)が塗装される。
上記第1着色塗膜は、水性第2着色塗料(Y)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート(予備加熱)、エアブロー等を行うことができる。なお、本明細書において、硬化塗膜とは、JIS K 5600−1−1に規定された硬化乾燥状態、すなわち、塗面の中央を親指と人差指とで強く挟んで、塗面に指紋によるへこみが付かず、塗膜の動きが感じられず、また、塗面の中央を指先で急速に繰り返しこすって、塗面にすり跡が付かない状態の塗膜である。一方、未硬化塗膜とは、塗膜が上記硬化乾燥状態に至っていない状態であって、JIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態及び半硬化乾燥状態をも含むものである。
上記プレヒートは、好ましくは約40〜約100℃、より好ましくは約50〜約90℃、そしてさらに好ましくは約60〜約80℃の温度で、好ましくは約30秒間〜約15分間、より好ましくは約1分間〜約10分間、そしてさらに好ましくは約2分間〜約5分間加熱することにより実施される。また、上記エアブローは、被塗物の塗装面に、通常常温又は約25〜約80℃の温度に加熱された空気を、約30秒間〜約15分間吹き付けることにより行うことができる。
第1着色塗膜は、形成される複層塗膜の平滑性及び鮮映性の向上並びにワキの抑制の観点から、水性第2着色塗料(Y)を塗装する前に、所望により、上記プレヒート、エアブロー等を行なうことにより、塗膜の固形分含有率が、好ましくは約60〜約100質量%、より好ましくは約80〜約100質量%、そしてさらに好ましくは約90〜約100質量%の範囲内となるように調整することが好ましい。
ここで、塗膜の固形分含有率は、以下のように測定することができる。
被塗物上に水性第1着色塗料(X)を塗装すると同時に、あらかじめ質量(W1)を測定しておいたアルミホイル上にも水性第1着色塗料(X)を塗装する。続いて、塗装後、プレヒート等がされた上記アルミホイルを、水性第2着色塗料(Y)が塗装される直前に回収し、その質量(W2)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、上記アルミホイルの質量(W3)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W3−W1)/(W2−W1)}×100
被塗物上に水性第1着色塗料(X)を塗装すると同時に、あらかじめ質量(W1)を測定しておいたアルミホイル上にも水性第1着色塗料(X)を塗装する。続いて、塗装後、プレヒート等がされた上記アルミホイルを、水性第2着色塗料(Y)が塗装される直前に回収し、その質量(W2)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、上記アルミホイルの質量(W3)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W3−W1)/(W2−W1)}×100
第1着色塗膜上に塗装される水性第2着色塗料(Y)は、一般に、被塗物に優れた外観を付与することを目的とするものであって、例えば、カルボキシル基、水酸基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂等の硬化剤からなる樹脂成分を、顔料、その他の添加剤と共に水に溶解又は分散させた塗料が挙げられる。水性第2着色塗料(Y)は、基体樹脂としての水酸基含有樹脂(A)と、硬化剤としてのメラミン樹脂とを含む熱硬化型水性塗料であることが好ましい。
また、上記顔料としては、上述の着色顔料、体質顔料、光輝性顔料等が挙げられ、そして水性第2着色塗料(Y)が、上記着色顔料及び光輝性顔料の少なくとも一方を含有することが好ましい。
上記着色顔料としては、例えば、水性第1着色塗料(X)の説明において例示された、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
水性第2着色塗料(Y)が上記着色顔料を含有する場合には、水性第2着色塗料(Y)は、上記着色顔料を、樹脂固形分100質量部を基準として、好ましくは約1〜約150質量部、より好ましくは約3〜約130質量部、そしてさらに好ましくは約5〜約110質量部の範囲で含む。
上記光輝性顔料としては、例えば、上記水性第1着色塗料(X)の説明において例示した、アルミニウム(蒸着アルミニウムを含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、ガラスフレーク、ホログラム顔料等を挙げることができる。なかでも、アルミニウム、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウム、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、並びにそれらの任意の組み合わせであることが好ましく、そしてアルミニウムが特に好ましい。
また、上記光輝性顔料は、りん片状であることが好ましい。また、上記光輝性顔料としては、好ましくは約1〜約100μm、そしてより好ましくは約5〜約40μmの範囲の長手方向寸法と、好ましくは約0.001〜約5μm、そしてより好ましくは約0.01〜約2μmの範囲の厚さを有するものが挙げられる。
水性第2着色塗料(Y)が上記光輝性顔料を含有する場合には、水性第2着色塗料(Y)は、上記光輝性顔料を、樹脂固形分100質量部を基準として、好ましくは約1〜約50質量部、より好ましくは約2〜約30質量部、そしてさらに好ましくは約3〜約20質量部の範囲で含む。
また、水性第2着色塗料(Y)は、水性第1着色塗料(X)の説明において記載した、疎水性溶媒を含有することが好ましい。上記疎水性溶媒としては、形成される塗膜の光輝感の向上の観点から、アルコール系疎水性溶媒が好ましく、そして炭素数約7〜約14のアルコール系疎水性溶媒、例えば、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種のアルコール系疎水性溶媒がより好ましい。
水性第2着色塗料(Y)が上記疎水性溶媒を含有する場合には、水性第2着色塗料(Y)は、上記疎水性溶媒を、樹脂固形分100質量部を基準として、好ましくは約2〜約70質量部、より好ましくは約11〜約60質量部、そしてさらに好ましくは約16〜約50質量部の範囲で含む。得られる塗膜の光輝感の向上の観点からである。
また、水性第2着色塗料(Y)は、所望により、硬化触媒、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、可塑剤、有機溶剤、表面調整剤、沈降防止剤等、並びにそれらの任意の組み合わせの通常の塗料用添加剤をさらに含むことができる。
水性第2着色塗料(Y)の塗装方法としては、公知の方法、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、回転霧化塗装機等が挙げられ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。水性第2着色塗料(Y)は、好ましくは約5〜約80μm、より好ましくは約8〜約60μm、そしてさらに好ましくは約10〜約50μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。
[工程(3)]
工程(3)では、水性第2着色塗料(Y)から形成された未硬化の第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(Z)が塗装される。
工程(3)では、水性第2着色塗料(Y)から形成された未硬化の第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(Z)が塗装される。
ワキ等の塗膜欠陥の発生を防止する観点から、未硬化の第2着色塗膜は、クリヤー塗料(Z)を塗装する前に、塗膜が実質的に硬化しない加熱条件でプレヒート(予備加熱)、エアブロー等を行うことが好ましい。プレヒートは、好ましくは約40〜約100℃、より好ましくは約50〜約90℃、そしてさらに好ましくは約60〜約80℃の温度で、好ましくは約30秒間〜約15分間、より好ましくは約1分間〜約10分間、そしてさらに好ましくは約2分間〜約5分間加熱することにより実施される。また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は約25〜約80℃の温度に加熱された空気を、約30秒間〜約15分間吹き付けることにより行うことができる。
未硬化の第2着色塗膜は、クリヤー塗料(Z)を塗装する前に、所望により、上記プレヒート、エアブロー等を行うことにより、塗膜の固形分含有率が、好ましくは約70〜約100質量%、より好ましくは約80〜約100質量%、そしてさらに好ましくは約90〜約100質量%の範囲内となるように調整することが好ましい。
クリヤー塗料(Z)としては、自動車車体等の塗装用として公知の熱硬化性クリヤー塗料組成物が挙げられる。クリヤー塗料(Z)としては、例えば、架橋性官能基を有する基体樹脂及び架橋剤を含有する有機溶剤型熱硬化性塗料組成物、水性熱硬化性塗料組成物、粉体熱硬化性塗料組成物等を挙げることができる。
上記基体樹脂が有する架橋性官能基としては、例えば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、シラノール基等を挙げることができる。上記基体樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等を挙げることができる。上記架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、カルボキシル基含有化合物、カルボキシル基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、エポキシ基含有化合物等を挙げることができる。
クリヤー塗料(Z)における基体樹脂/架橋剤の組み合わせとしては、カルボキシル基含有樹脂/エポキシ基含有樹脂、水酸基含有樹脂/ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/ブロック化ポリイソシアネート化合物、水酸基含有樹脂/メラミン樹脂等が好ましい例として挙げられる。
また、クリヤー塗料(Z)は、一液型塗料、又は二液型ウレタン樹脂塗料等の多液型塗料であることができる。
また、クリヤー塗料(Z)は、一液型塗料、又は二液型ウレタン樹脂塗料等の多液型塗料であることができる。
また、クリヤー塗料(Z)は、所望により、透明性を阻害しない程度に、着色顔料、光輝性顔料、染料等を含有することができ、そして体質顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤等をさらに含有することができる。
クリヤー塗料(Z)は、水性第2着色塗料(Y)から形成された、未硬化の第2着色塗膜上に、公知の方法、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装等の方法によって塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。クリヤー塗料(Z)は、好ましくは約10〜約80μm、より好ましくは約15〜約60μm、そしてさらに好ましくは約20〜約50μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。
また、クリヤー塗料(Z)の塗装後、工程(4)の加熱前に、所望により、室温で約1〜約60分間のインターバルをあけるか、又は約40〜約80℃の温度で約1〜約60分間プレヒートすることができる。
[工程(4)]
工程(4)では、未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる。
未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜は、通常の塗膜の加熱(焼付け)手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等により硬化させることができる。
工程(4)では、未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる。
未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜は、通常の塗膜の加熱(焼付け)手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等により硬化させることができる。
上記加熱は、好ましくは約80〜約180℃、より好ましくは約100〜約170℃、そしてさらに好ましくは約120〜約160℃の温度で、好ましくは約10〜約60分間、そしてより好ましくは約15〜約40分間実施される。上記加熱により、未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜の3層からなる複層塗膜を硬化させることできる。
工程(1)〜(4)を含む第1の複層塗膜形成方法は、具体的には、自動車車体等の被塗物に、中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤー塗膜からなる複層塗膜を、3コート1ベーク方式で形成する場合に好ましい。第1の複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法Iに従って行うことができる。
[方法I]
下記の工程(1)〜(4)、
工程(1)被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程(2)未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化のベースコート塗膜を形成する工程、
工程(3)未硬化の中塗り塗膜及び未硬化のベースコート塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4)未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
下記の工程(1)〜(4)、
工程(1)被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程(2)未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化のベースコート塗膜を形成する工程、
工程(3)未硬化の中塗り塗膜及び未硬化のベースコート塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4)未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
方法Iにおける被塗物としては、カチオン電着塗料により下塗り塗膜が形成された自動車車体等が好ましい。
方法Iにおいて、水性第1着色塗料(X)は、好ましくは約2〜約40μm、より好ましくは約3〜約30μm、そしてさらに好ましくは約5〜約25μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。また、水性第2着色塗料(Y)は、好ましくは約2〜約20μm、より好ましくは約3〜約18μm、そしてさらに好ましくは約5〜約16μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。さらに、クリヤー塗料(Z)は、好ましくは約10〜約80μm、より好ましくは約5〜約60μm、そしてさらに好ましくは約20〜約50μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。
方法Iの複層塗膜形成方法は、例えば、中塗り塗装ブースにおいて第1着色塗料を塗装し、ベースコート塗装ブースにおいて第2着色塗料を塗装し、クリヤーコート塗装ブースにおいてクリヤーコートを塗装する3コート1ベーク方式で実施されうる。当該複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法I’に従って実施されうる。
[方法I’]
下記の工程1)〜4)、
工程1)中塗り塗装ブースにおいて、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程2)ベースコート塗装ブースにおいて、未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化のベースコート塗膜を形成する工程、
工程3)クリヤーコート塗装ブースにおいて、未硬化の中塗り塗膜及び未硬化のベースコート塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程4)未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
下記の工程1)〜4)、
工程1)中塗り塗装ブースにおいて、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程2)ベースコート塗装ブースにおいて、未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化のベースコート塗膜を形成する工程、
工程3)クリヤーコート塗装ブースにおいて、未硬化の中塗り塗膜及び未硬化のベースコート塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程4)未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
なお、上記ブースは、均一な塗装品質を確保するため、温度、湿度等の塗装環境を一定の範囲内に維持する設備であることが好ましく、そして塗装される塗料の種類ごとに分けられたブースであることが好ましい。また、同一のブースにおいて、被塗物に塗着した塗料のタレ、ムラ等を防止するために、同一の塗料が、2回に分けて塗装される場合がある。この場合、1回目の塗装が第1ステージ塗装と称され、そして2回目の塗装が第2ステージ塗装と称される。
また、方法I’の工程1)と、工程2)との間に、未硬化の中塗り塗膜に、上述のプレヒート、エアブロー等を実施することができる。また、方法I’の工程2)と、工程3)との間に、未硬化のベースコート塗膜に、上述のプレヒート、エアブロー等を実施することができる。
方法I’において、第1着色塗料(X)は、好ましくは約5〜約40μm、より好ましくは約8〜約30μm、そしてさらに好ましくは約10〜約25μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。また、第2着色塗料(Y)は、好ましくは約2〜約20μm、より好ましくは約3〜約18μm、そしてさらに好ましくは約5〜約16μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。さらに、上記クリヤー塗料組成物は、好ましくは約10〜約80μm、より好ましくは約15〜約60μm、そしてさらに好ましくは約20〜約50μmの硬化膜厚を有するように塗装される。
また、上記複層塗膜形成方法は、例えば、ベースコート塗装ブースにおいて、第1ステージとして第1着色塗料(X)を塗装し、同ブースにおいて、第2ステージとして第2着色塗料(Y)を塗装し、そしてクリヤーコート塗装ブースにおいてクリヤーコートを塗装する3コート1ベーク方式で実施されうる。当該複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法I’’に従って実施されうる。
[方法I’’]
下記の工程1)〜4)、
工程1)ベースコート塗装ブースにおいて、第1ステージとして、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1ベースコート塗膜を形成する工程、
工程2)上記ベースコート塗装ブースにおいて、第2ステージとして、未硬化の第1ベースコート塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2ベースコート塗膜を形成する工程、
工程3)クリヤーコート塗装ブースにおいて、未硬化の第1ベースコート塗膜及び未硬化の第2ベースコート塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程4)未硬化の第1ベースコート塗膜、未硬化の第2ベースコート塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
下記の工程1)〜4)、
工程1)ベースコート塗装ブースにおいて、第1ステージとして、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の第1ベースコート塗膜を形成する工程、
工程2)上記ベースコート塗装ブースにおいて、第2ステージとして、未硬化の第1ベースコート塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2ベースコート塗膜を形成する工程、
工程3)クリヤーコート塗装ブースにおいて、未硬化の第1ベースコート塗膜及び未硬化の第2ベースコート塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程4)未硬化の第1ベースコート塗膜、未硬化の第2ベースコート塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
方法I’’では、ベースコート塗装ブースの第1ステージ及び第2ステージで同一の塗料を使用する一般的な2ステージ塗装と異なり、第1ステージと第2ステージとで異なる塗料を使用する。
方法I’’は、中塗り塗装ブースが不要であり、上記中塗り塗装ブースの温度及び湿度を調整するためのエネルギーを削減できるという利点を有する。
方法I’’は、中塗り塗装ブースが不要であり、上記中塗り塗装ブースの温度及び湿度を調整するためのエネルギーを削減できるという利点を有する。
また、方法I’’では、第1着色塗料(X)及び第2着色塗料(Y)をベースコート塗装ブースで塗装し、第1着色塗料(X)の塗装と第2着色塗料(Y)の塗装との間に、プレヒート等の加熱用機器が設置されなくともよい。上記加熱用機器を設置しない場合には、プレヒート等のためのエネルギーを削減できる。
また、所望により、方法I’’の工程1)と工程2)との間、及び/又は工程2)と工程3)との間に、ベースコート塗膜に、上記プレヒート、エアブロー等を実施することができる。
また、所望により、方法I’’の工程1)と工程2)との間、及び/又は工程2)と工程3)との間に、ベースコート塗膜に、上記プレヒート、エアブロー等を実施することができる。
方法I’’において、第1着色塗料(X)は、好ましくは約2〜約35μm、より好ましくは約3〜約30μm、そしてさらに好ましくは約5〜約25μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。また、第2着色塗料(Y)は、好ましくは約2〜約20μm、より好ましくは約3〜約18μm、そしてさらに好ましくは約5〜約16μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。さらに、上記クリヤー塗料組成物は、好ましくは約10〜約80μm、より好ましくは約15〜約60μm、そしてさらに好ましくは約20〜約50μmの硬化膜厚を有するように塗装される。
[工程(5)]
本発明の第2の複層塗膜形成方法は、第1の複層塗膜形成方法における工程(3)及び(4)を省略し、工程(1)及び(2)に続いて、工程(5)を実施する複層塗膜形成方法である。
本発明の第2の複層塗膜形成方法は、第1の複層塗膜形成方法における工程(3)及び(4)を省略し、工程(1)及び(2)に続いて、工程(5)を実施する複層塗膜形成方法である。
工程(5)は、工程(1)及び(2)で形成される未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を加熱し、硬化させる工程である。
未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜は、通常の塗膜の加熱手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等により硬化させることができる。
上記加熱は、好ましくは約80〜約180℃、より好ましくは約100〜約170℃、そしてさらに好ましくは約120〜約160℃の温度で、好ましくは約10〜約60分間、そしてより好ましくは約15〜約40分間実施される。上記加熱により、未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜からなる複層塗膜を、硬化させることできる。
未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜は、通常の塗膜の加熱手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等により硬化させることができる。
上記加熱は、好ましくは約80〜約180℃、より好ましくは約100〜約170℃、そしてさらに好ましくは約120〜約160℃の温度で、好ましくは約10〜約60分間、そしてより好ましくは約15〜約40分間実施される。上記加熱により、未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜からなる複層塗膜を、硬化させることできる。
工程(1)、(2)及び(5)を含む第2の複層塗膜形成方法は、具体的には、自動車車体等の被塗物に、中塗り塗膜及び上塗り塗膜からなる複層塗膜を、2コート1ベーク方式で形成する場合に好ましい。第2の複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法IIに従って行うことができる。
[方法II]
下記の工程1)〜3)、
工程1)被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程2)未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の上塗り塗膜を形成する工程、そして
工程3)未硬化の中塗り塗膜及び未硬化の上塗り塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
下記の工程1)〜3)、
工程1)被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程2)未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の上塗り塗膜を形成する工程、そして
工程3)未硬化の中塗り塗膜及び未硬化の上塗り塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
方法IIにおける被塗物は、カチオン電着塗料により下塗り塗膜が形成された自動車車体等であることが好ましい。
方法IIの複層塗膜形成方法は、例えば、中塗り塗装ブースにおいて第1着色塗料を塗装し、ベースコート塗装ブースにおいて第2着色塗料を塗装する2コート1ベーク方式で実施されうる。当該複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法II’に従って実施されうる。
方法IIの複層塗膜形成方法は、例えば、中塗り塗装ブースにおいて第1着色塗料を塗装し、ベースコート塗装ブースにおいて第2着色塗料を塗装する2コート1ベーク方式で実施されうる。当該複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法II’に従って実施されうる。
[方法II’]
下記の工程1)〜3)、
工程1)中塗り塗装ブースにおいて、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程2)ベースコート塗装ブースにおいて、未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の上塗り塗膜を形成する工程、そして
工程3)未硬化の中塗り塗膜及び未硬化の上塗り塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
下記の工程1)〜3)、
工程1)中塗り塗装ブースにおいて、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物上に未硬化の中塗り塗膜を形成する工程、
工程2)ベースコート塗装ブースにおいて、未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の上塗り塗膜を形成する工程、そして
工程3)未硬化の中塗り塗膜及び未硬化の上塗り塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
方法II’の工程1)と、工程2)との間に、未硬化の中塗り塗膜に、上記プレヒート、エアブロー等を行うことができる。また、方法II’の工程2)と、工程3)との間に、未硬化の上塗り塗膜に、上記プレヒート、エアブロー等を行うことができる。
方法II’において、第1着色塗料(X)は、好ましくは約2〜約40μm、より好ましくは約3〜約30μm、そしてさらに好ましくは約5〜約25μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。また、第2着色塗料(Y)は、好ましくは約2〜約40μm、より好ましくは約3〜約30μm、そしてさらに好ましくは約5〜約20μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。
また、上記複層塗膜形成方法は、例えば、ベースコート塗装ブースにおいて、第1ステージとして第1着色塗料(X)を塗装し、同ブースにおいて、第2ステージとして第2着色塗料(Y)を塗装する2コート1ベーク方式で実施されうる。当該複層塗膜形成方法は、例えば、下記方法II’’に従って実施されうる。
[方法II’’]
下記の工程1)〜3)、
工程1)ベースコート塗装ブースにおいて、第1ステージとして、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物の上に未硬化の第1ベースコート塗膜を形成する工程、
工程2)上記ベースコート塗装ブースにおいて、第2ステージとして、未硬化の第1ベースコート塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2ベースコート塗膜を形成する工程、そして
工程3)未硬化の第1ベースコート塗膜及び未硬化の第2ベースコート塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
下記の工程1)〜3)、
工程1)ベースコート塗装ブースにおいて、第1ステージとして、被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、上記被塗物の上に未硬化の第1ベースコート塗膜を形成する工程、
工程2)上記ベースコート塗装ブースにおいて、第2ステージとして、未硬化の第1ベースコート塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2ベースコート塗膜を形成する工程、そして
工程3)未硬化の第1ベースコート塗膜及び未硬化の第2ベースコート塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法。
方法II’’では、ベースコート塗装ブースの第1ステージ及び第2ステージで同一の塗料を使用する一般的な2ステージ塗装と異なり、第1ステージと第2ステージとで異なる塗料を使用する。
方法II’’は、中塗り塗装ブースが不要であり、上記中塗り塗装ブースの温度及び湿度を調整するためのエネルギーを削減できるという利点を有する。
方法II’’は、中塗り塗装ブースが不要であり、上記中塗り塗装ブースの温度及び湿度を調整するためのエネルギーを削減できるという利点を有する。
また、方法II’’では、第1着色塗料(X)及び第2着色塗料(Y)をベースコート塗装ブースで塗装し、第1着色塗料(X)の塗装と第2着色塗料(Y)の塗装との間に、プレヒート等の加熱用機器が設置されなくともよい。上記加熱用機器を設置しない場合には、プレヒート等のためのエネルギーを削減できる。
また、所望により、方法II’’の工程1)と工程2)との間、及び/又は工程2)と工程3)との間に、ベースコート塗膜に、上記プレヒート、エアブロー等を行うことができる。
また、所望により、方法II’’の工程1)と工程2)との間、及び/又は工程2)と工程3)との間に、ベースコート塗膜に、上記プレヒート、エアブロー等を行うことができる。
方法II’’において、第1着色塗料(X)は、好ましくは約2〜約35μm、より好ましくは約3〜約30μm、そしてさらに好ましくは約5〜約25μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。また、第2着色塗料(Y)は、好ましくは約2〜約35μm、より好ましくは約3〜約30μm、そしてさらに好ましくは約5〜約25μmの範囲の硬化膜厚を有するように塗装される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。また、塗膜の膜厚は硬化塗膜に基づく。
[水酸基含有アクリル樹脂(A1)の製造]
[製造例1]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水120部及び「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製、乳化剤、有効成分25%)0.8部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。
[製造例1]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水120部及び「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製、乳化剤、有効成分25%)0.8部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。
次いで下記コア部用モノマー乳化物の全量のうちの5%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液2.5部を反応容器内に導入し80℃で15分間保持した。その後、コア部用モノマー乳化物の残部を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行った。次に、下記シェル部用モノマー乳化物を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%2−(ジメチルアミノ)エタノール水溶液3.8部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒径100nm、固形分30%の水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)の水分散液を得た。水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)は、酸価24mgKOH/g、水酸基価11mgKOH/gを有していた。
コア部用モノマー乳化物:
脱イオン水54部、「アデカリアソープSR−1025」3.1部、アリルメタクリレート2.3部、スチレン12.3部、n−ブチルアクリレート31.2部、メチルメタクリレート31.2部を攪拌により混合することにより、コア部用モノマー乳化物を得た。
脱イオン水54部、「アデカリアソープSR−1025」3.1部、アリルメタクリレート2.3部、スチレン12.3部、n−ブチルアクリレート31.2部、メチルメタクリレート31.2部を攪拌により混合することにより、コア部用モノマー乳化物を得た。
シェル部用モノマー乳化物:
脱イオン水50部、「アデカリアソープSR−1025」1.8部、過硫酸アンモニウム0.04部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.3部、メタクリル酸3.7部、スチレン3.7部、n−ブチルアクリレート9.2部及びメチルメタクリレート4部を攪拌により混合することにより、シェル部用モノマー乳化物を得た。
脱イオン水50部、「アデカリアソープSR−1025」1.8部、過硫酸アンモニウム0.04部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.3部、メタクリル酸3.7部、スチレン3.7部、n−ブチルアクリレート9.2部及びメチルメタクリレート4部を攪拌により混合することにより、シェル部用モノマー乳化物を得た。
[製造例2〜6]
下記表1に示す配合に従った以外は、製造例1と同様の手順により、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−2)〜(A1−6)の水分散液を得た。
表1に、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)〜(A1−6)の水分散液の原料組成(部)、固形分濃度(%)、酸価(mgKOH/g)及び水酸基価(mgKOH/g)を示す。
下記表1に示す配合に従った以外は、製造例1と同様の手順により、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−2)〜(A1−6)の水分散液を得た。
表1に、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)〜(A1−6)の水分散液の原料組成(部)、固形分濃度(%)、酸価(mgKOH/g)及び水酸基価(mgKOH/g)を示す。
なお、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)〜(A1−6)は、コア・シェル型水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A111)に該当する。
[製造例7]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水120部及び「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製、乳化剤、有効成分25%)0.8部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水120部及び「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製、乳化剤、有効成分25%)0.8部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。
次いで、下記モノマー乳化物(1)の全量のうちの5%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液2.5部を反応容器内に導入し80℃で15分間保持した。その後、モノマー乳化物(1)の残部を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった後、5%2−(ジメチルアミノ)エタノール水溶液3.8部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒径100nm、固形分30%の水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−7)の水分散液を得た。水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−7)は、酸価24mgKOH/g、水酸基価11mgKOH/gを有していた。
モノマー乳化物(1):
脱イオン水104部、「アデカリアソープSR−1025」4.9部、過硫酸アンモニウム0.04部、アリルメタクリレート2.3部、スチレン16.0部、n−ブチルアクリレート37.8部、メチルメタクリレート37.9部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.3部及びメタクリル酸3.7部を攪拌により混合することにより、モノマー乳化物(1)を得た。
なお、上記水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−7)は、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)に該当する。
脱イオン水104部、「アデカリアソープSR−1025」4.9部、過硫酸アンモニウム0.04部、アリルメタクリレート2.3部、スチレン16.0部、n−ブチルアクリレート37.8部、メチルメタクリレート37.9部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.3部及びメタクリル酸3.7部を攪拌により混合することにより、モノマー乳化物(1)を得た。
なお、上記水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−7)は、水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)に該当する。
[水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)の製造]
[製造例8]
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、生成した縮合水を水分離器により留去させながら230℃で4時間縮合反応させた。
[製造例8]
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、生成した縮合水を水分離器により留去させながら230℃で4時間縮合反応させた。
次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、エチレングリコールモノブチルエーテルで希釈し、固形分濃度70%である水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液を得た。水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)は、酸価が46mgKOH/g、水酸基価が150mgKOH/g、数平均分子量が1,400であった。原料組成において、酸成分中の脂環族多塩基酸の合計含有量は、上記酸成分の合計量を基準として46mol%であった。
[ブロックポリイソシアネート化合物(B)の製造]
[製造例9]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、固形分約100%、イソシアネート基含有率21.8%)480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジイソプロピル365部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−1)溶液1400部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが183部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−1)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例9]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、固形分約100%、イソシアネート基含有率21.8%)480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジイソプロピル365部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−1)溶液1400部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが183部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−1)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例10]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「デュラネートTPA−100」(商品名、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、固形分約100%、イソシアネート基含有率23.0%)450部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−2)溶液1350部を得た。簡易トラップには、エタノールが140部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−2)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「デュラネートTPA−100」(商品名、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネート由来のイソシアヌレート構造含有ポリイソシアネート、固形分約100%、イソシアネート基含有率23.0%)450部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−2)溶液1350部を得た。簡易トラップには、エタノールが140部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−2)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例11]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部、マロン酸ジイソプロピル330部及びアセト酢酸イソプロピル27部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.08モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−3)溶液1390部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが173部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−3)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部、マロン酸ジイソプロピル330部及びアセト酢酸イソプロピル27部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.08モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−3)溶液1390部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが173部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−3)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例12]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部、マロン酸ジエチル280部及びイソブチリル酢酸エチル30部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.08モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−4)溶液1350部を得た。簡易トラップには、エタノールが133部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−4)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部、マロン酸ジエチル280部及びイソブチリル酢酸エチル30部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.08モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール870部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、4−メチル−2−ペンタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−4)溶液1350部を得た。簡易トラップには、エタノールが133部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−4)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例13]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジイソプロピル360部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに5−メチル−2−ヘキサノール990部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、5−メチル−2−ヘキサノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−5)溶液1400部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが180部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−5)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジイソプロピル360部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに5−メチル−2−ヘキサノール990部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、5−メチル−2−ヘキサノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−5)溶液1400部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが180部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−5)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例14]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「デュラネートTPA−100」450部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジイソプロピル360部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに6−メチル−2−ヘプタノール1110部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で6時間かけて溶剤を留去し、さらに、6−メチル−2−ヘプタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−6)溶液1430部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが170部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−6)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「デュラネートTPA−100」450部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジイソプロピル360部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.07モル/Kgであった。これに6−メチル−2−ヘプタノール1110部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で6時間かけて溶剤を留去し、さらに、6−メチル−2−ヘプタノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−6)溶液1430部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが170部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−6)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例15]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これにn−ブタノール630部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、n−ブタノール90部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−7)溶液1270部を得た。簡易トラップには、エタノールが100部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−7)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これにn−ブタノール630部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、n−ブタノール90部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−7)溶液1270部を得た。簡易トラップには、エタノールが100部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−7)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例16]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これに2−ブタノール630部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、2−ブタノール90部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−8)溶液1250部を得た。簡易トラップには、エタノールが70部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−8)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これに2−ブタノール630部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、2−ブタノール90部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−8)溶液1250部を得た。簡易トラップには、エタノールが70部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−8)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例17]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これに2−エチルヘキサノール1110部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で6時間かけて溶剤を留去し、さらに、2−エチルヘキサノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−9)溶液1410部を得た。簡易トラップには、エタノールが130部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−9)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これに2−エチルヘキサノール1110部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で6時間かけて溶剤を留去し、さらに、2−エチルヘキサノール120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−9)溶液1410部を得た。簡易トラップには、エタノールが130部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−9)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例18]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これにプロピレングリコールモノプロピルエーテル1000部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−10)溶液1380部を得た。簡易トラップには、エタノールが125部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−10)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」480部、酢酸エチル150部及びマロン酸ジエチル310部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液4部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.06モル/Kgであった。これにプロピレングリコールモノプロピルエーテル1000部を加え、系の温度を90〜95℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、さらに、プロピレングリコールモノプロピルエーテル120部を加えて、ブロックポリイソシアネート化合物(B−10)溶液1380部を得た。簡易トラップには、エタノールが125部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−10)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[製造例19]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」360部、「ユニオックスM−550」(日油社製、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、平均分子量 約550)60部及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.2部を仕込み、よく混合して、窒素気流下、130℃で3時間加熱した。次いで、酢酸エチル110部及びマロン酸ジイソプロピル252部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液3部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.12モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール683部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、ブロックポリイソシアネート化合物溶液(B−11)1010部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが95部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物溶液(B−11)の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」360部、「ユニオックスM−550」(日油社製、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、平均分子量 約550)60部及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.2部を仕込み、よく混合して、窒素気流下、130℃で3時間加熱した。次いで、酢酸エチル110部及びマロン酸ジイソプロピル252部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液3部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.12モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール683部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、ブロックポリイソシアネート化合物溶液(B−11)1010部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが95部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物溶液(B−11)の固形分濃度は約60%であった。
[製造例20]
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」360部、「ユニオックスM−400」(日油社製、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、平均分子量 約400)50部、「PEG#600」(日油社製、ポリエチレングリコール、平均分子量,約600)5部及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.2部を仕込み、よく混合して、窒素気流下、130℃で3時間加熱した。次いで、酢酸エチル110部及びマロン酸ジイソプロピル247部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液3部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.11モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール670部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、ブロックポリイソシアネート化合物(B−12)溶液1010部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが92部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−12)溶液の固形分濃度は約60%であった。
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管、滴下装置及び除去された溶媒用の簡易トラップを備えた反応容器に、「スミジュールN−3300」360部、「ユニオックスM−400」(日油社製、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、平均分子量 約400)50部、「PEG#600」(日油社製、ポリエチレングリコール、平均分子量,約600)5部及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.2部を仕込み、よく混合して、窒素気流下、130℃で3時間加熱した。次いで、酢酸エチル110部及びマロン酸ジイソプロピル247部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら、ナトリウムメトキシドの28%メタノール溶液3部を加え、65℃で8時間攪拌した。得られた樹脂溶液中のイソシアネート量は0.11モル/Kgであった。これに4−メチル−2−ペンタノール670部を加え、系の温度を80〜85℃に保ちながら減圧条件下で3時間かけて溶剤を留去し、ブロックポリイソシアネート化合物(B−12)溶液1010部を得た。簡易トラップには、イソプロパノールが92部含まれていた。得られたブロックポリイソシアネート化合物(B−12)溶液の固形分濃度は約60%であった。
[顔料分散液の製造]
[製造例21]
撹拌装置を備える容器に、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液14.3部(固形分10部)、「JR−806」(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)50部及び脱イオン水30部を入れ、均一に混合し、当該混合溶液に2−(ジメチルアミノ)エタノールを添加して、pH8.0に調整した。次いで、得られた混合溶液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて4時間分散して、顔料分散液(P−1)を得た。
[製造例21]
撹拌装置を備える容器に、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液14.3部(固形分10部)、「JR−806」(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)50部及び脱イオン水30部を入れ、均一に混合し、当該混合溶液に2−(ジメチルアミノ)エタノールを添加して、pH8.0に調整した。次いで、得られた混合溶液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて4時間分散して、顔料分散液(P−1)を得た。
[製造例22]
撹拌装置を備える容器に、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A2−1)14.3部(固形分10部)、「バリファインBF−1」(商品名、堺化学工業社製、硫酸バリウム粉末)25部及び脱イオン水36部を入れ、均一に混合し、当該混合溶液に2−(ジメチルアミノ)エタノールを添加して、pH8.0に調整した。次いで、得られた混合溶液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて4時間分散して、顔料分散液(P−2)を得た。
撹拌装置を備える容器に、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A2−1)14.3部(固形分10部)、「バリファインBF−1」(商品名、堺化学工業社製、硫酸バリウム粉末)25部及び脱イオン水36部を入れ、均一に混合し、当該混合溶液に2−(ジメチルアミノ)エタノールを添加して、pH8.0に調整した。次いで、得られた混合溶液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて4時間分散して、顔料分散液(P−2)を得た。
[製造例23]
撹拌装置を備える容器に、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A2−1)14.3部(固形分10部)、「三菱カーボンブラックMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)10部及び脱イオン水50部を入れ、均一に混合し、当該混合溶液に、2−(ジメチルアミノ)エタノールを添加して、pH8.0に調整した。次いで、得られた混合溶液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて4時間分散して、顔料分散液(P−3)を得た。
撹拌装置を備える容器に、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A2−1)14.3部(固形分10部)、「三菱カーボンブラックMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)10部及び脱イオン水50部を入れ、均一に混合し、当該混合溶液に、2−(ジメチルアミノ)エタノールを添加して、pH8.0に調整した。次いで、得られた混合溶液を広口ガラスビン中に入れ、分散メジアとして直径約1.3mmφのガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェイカーにて4時間分散して、顔料分散液(P−3)を得た。
[水性第1着色塗料(X)の製造]
[製造例24]
製造例1で得た水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)の水分散液100部(固形分30部)、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液22部(固形分15部)、製造例9で得たブロックポリイソシアネート化合物(B−1)溶液35部(固形分21部)、「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)16部(固形分13部)、製造例21で得た顔料分散液(P−1)114部、製造例22で得た顔料分散液(P−2)60部及び製造例23で得た顔料分散液(P−3)7.5部を均一に混合し、当該混合物に「ACRYSOL ASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、固形分濃度45%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性着色塗料(X−1)を得た。
[製造例24]
製造例1で得た水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)の水分散液100部(固形分30部)、製造例8で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液22部(固形分15部)、製造例9で得たブロックポリイソシアネート化合物(B−1)溶液35部(固形分21部)、「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)16部(固形分13部)、製造例21で得た顔料分散液(P−1)114部、製造例22で得た顔料分散液(P−2)60部及び製造例23で得た顔料分散液(P−3)7.5部を均一に混合し、当該混合物に「ACRYSOL ASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、固形分濃度45%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性着色塗料(X−1)を得た。
[製造例25〜44]
配合組成を下記表2に示すように変更した以外は、製造例24と同様にして、水性第1着色塗料(X−2)〜(X−21)を得た。
配合組成を下記表2に示すように変更した以外は、製造例24と同様にして、水性第1着色塗料(X−2)〜(X−21)を得た。
[水性第2着色塗料(Y)用の水分散性水酸基含有アクリル樹脂水分散液の製造]
[製造例45]
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部、及び「アクアロンKH−10」0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで下記のモノマー乳化物(2)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を、上記反応容器内に充填し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(2)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。
[製造例45]
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部、及び「アクアロンKH−10」0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで下記のモノマー乳化物(2)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を、上記反応容器内に充填し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(2)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。
その後、下記のモノマー乳化物(3)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒子径100nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)を用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した。)、固形分濃度30%の水分散性水酸基含有アクリル樹脂(AC)の水分散液を得た。水分散性水酸基含有アクリル樹脂(AC)は、酸価が33mgKOH/g、水酸基価が25mgKOH/gであった。
モノマー乳化物(2):
脱イオン水42部、「アクアロンKH−10」0.72部、メチレンビスアクリルアミド2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn−ブチルアクリレート21部を攪拌により混合することにより、モノマー乳化物(2)を得た。
脱イオン水42部、「アクアロンKH−10」0.72部、メチレンビスアクリルアミド2.1部、スチレン2.8部、メチルメタクリレート16.1部、エチルアクリレート28部及びn−ブチルアクリレート21部を攪拌により混合することにより、モノマー乳化物(2)を得た。
モノマー乳化物(3):
脱イオン水18部、「アクアロンKH−10」0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn−ブチルアクリレート9部を攪拌により混合することにより、モノマー乳化物(3)を得た。
脱イオン水18部、「アクアロンKH−10」0.31部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸5.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.1部、スチレン3部、メチルメタクリレート6部、エチルアクリレート1.8部及びn−ブチルアクリレート9部を攪拌により混合することにより、モノマー乳化物(3)を得た。
[水性第2着色塗料(Y)用のポリエステル樹脂の製造]
[製造例46]
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノールで希釈し、固形分濃度70%であるポリエステル樹脂(PE)溶液を得た。ポリエステル樹脂(PE)は、酸価が46mgKOH/g、水酸基価が150mgKOH/g、固形分濃度70%、重量平均分子量が6,400であった。
[製造例46]
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノールで希釈し、固形分濃度70%であるポリエステル樹脂(PE)溶液を得た。ポリエステル樹脂(PE)は、酸価が46mgKOH/g、水酸基価が150mgKOH/g、固形分濃度70%、重量平均分子量が6,400であった。
[水性第2着色塗料(Y)用の光輝性顔料分散液の製造]
[製造例47]
撹拌装置を備える容器に、アルミニウム顔料ペースト「GX−180A」(商品名、旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)19部、2−エチル−1−ヘキサノール35部、リン酸基含有樹脂溶液(注1)8部及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を充填し、均一に混合することにより、光輝性顔料分散液(AL)を得た。
[製造例47]
撹拌装置を備える容器に、アルミニウム顔料ペースト「GX−180A」(商品名、旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)19部、2−エチル−1−ヘキサノール35部、リン酸基含有樹脂溶液(注1)8部及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を充填し、均一に混合することにより、光輝性顔料分散液(AL)を得た。
(注1)リン酸基含有樹脂溶液:温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器にメトキシプロパノール27.5部及びイソブタノール27.5部から成る混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製、分岐高級アルキルアクリレート)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性不飽和モノマー(注2)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部、及びtert−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記反応容器に充填し、さらにtert−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部及びイソプロパノール20部からなる混合物を1時間かけて上記反応容器に滴下した。
その後、上記反応容器の内容物を1時間攪拌することにより熟成して、固形分濃度50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。当該リン酸基含有樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注2)リン酸基含有重合性不飽和モノマー:温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、モノブチルリン酸57.5部及びイソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間、攪拌しながら熟成した。その後、上記反応容器にイソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性不飽和モノマー溶液を得た。得られたモノマーのリン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
[水性第2着色塗料(Y)の製造]
[製造例48]
撹拌装置を備える容器に、製造例45で得た水分散性水酸基含有アクリル樹脂(AC)の水分散液100部、製造例46で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(PE)溶液57部、製造例47で得た光輝性顔料分散液(AL)62部及び「サイメル325」37.5部を充填し、均一に混合し、次いで上記容器に「ACRYSOL ASE−60」、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、固形分濃度25%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性第2着色塗料(Y−1)を得た。
[製造例48]
撹拌装置を備える容器に、製造例45で得た水分散性水酸基含有アクリル樹脂(AC)の水分散液100部、製造例46で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(PE)溶液57部、製造例47で得た光輝性顔料分散液(AL)62部及び「サイメル325」37.5部を充填し、均一に混合し、次いで上記容器に「ACRYSOL ASE−60」、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、固形分濃度25%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性第2着色塗料(Y−1)を得た。
[製造例49]
撹拌装置を備える容器に、製造例45で得た水分散性水酸基含有アクリル樹脂(AC)水分散液100部、製造例46で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(PE)溶液21部、製造例21で得た顔料分散ペースト(P−1)114部、2−エチル−1−ヘキサノール35部及び「サイメル325」37.5部を充填し、均一に混合し、次いで上記容器に「ACRYSOL ASE−60」、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、固形分濃度48%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度60秒の水性第2着色塗料(Y−2)を得た。
撹拌装置を備える容器に、製造例45で得た水分散性水酸基含有アクリル樹脂(AC)水分散液100部、製造例46で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(PE)溶液21部、製造例21で得た顔料分散ペースト(P−1)114部、2−エチル−1−ヘキサノール35部及び「サイメル325」37.5部を充填し、均一に混合し、次いで上記容器に「ACRYSOL ASE−60」、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、固形分濃度48%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度60秒の水性第2着色塗料(Y−2)を得た。
[試験板の作製]
製造例24〜44で得た水性第1着色塗料(X−1)〜(X−21)、製造例48及び49で得た水性第2着色塗料(Y−1)及び(Y−2)を用いて、以下のように試験板を作製し、評価した。
製造例24〜44で得た水性第1着色塗料(X−1)〜(X−21)、製造例48及び49で得た水性第2着色塗料(Y−1)及び(Y−2)を用いて、以下のように試験板を作製し、評価した。
[試験用被塗物の作製]
縦300mm×横450mm×厚さ0.8mmのリン酸亜鉛処理された冷延鋼板に、「エレクロンGT−10」(商品名、関西ペイント社製、カチオン電着塗料)を硬化膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させることにより、試験用被塗物を製造した。
縦300mm×横450mm×厚さ0.8mmのリン酸亜鉛処理された冷延鋼板に、「エレクロンGT−10」(商品名、関西ペイント社製、カチオン電着塗料)を硬化膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させることにより、試験用被塗物を製造した。
[実施例1]
上記試験用被塗物を、製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)で、回転霧化型の静電塗装機により、硬化膜厚20μmとなるように静電塗装し、上記試験用被塗物の上に、未硬化の中塗り塗膜を形成した。3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった後、上記未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、製造例48で得た水性第2着色塗料(Y−1)で、回転霧化型の静電塗装機により、硬化膜厚15μmとなるように静電塗装し、その上に未硬化のベースコート塗膜を形成した。
上記試験用被塗物を、製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)で、回転霧化型の静電塗装機により、硬化膜厚20μmとなるように静電塗装し、上記試験用被塗物の上に、未硬化の中塗り塗膜を形成した。3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった後、上記未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、製造例48で得た水性第2着色塗料(Y−1)で、回転霧化型の静電塗装機により、硬化膜厚15μmとなるように静電塗装し、その上に未硬化のベースコート塗膜を形成した。
3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった後、上記未硬化の中塗り塗膜及び未硬化のベースコート塗膜を有する被塗物を、「マジクロンKINO−1210」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂系有機溶剤型上塗りクリヤー塗料、以下「クリヤー塗料(Z−1)」ということがある)で、硬化膜厚が35μmとなるように静電塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成した。7分間放置した後、上記被塗物を140℃で30分間加熱して、上記中塗り塗膜、ベースコート塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼き付け、試験板1を作製した。
また、水性第1着色塗料(X−1)を、硬化膜厚が35μmとなるように塗装し、水性第1着色塗料(X−1)の塗装後のプレヒートを省略する以外は、上記試験板1の作製方法と同様にして、耐ワキ性試験用の試験板2を得た。
[実施例2〜16、及び比較例1〜5]
製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)を、下記表3に示す水性第1着色塗料(X−2)〜(X−21)に変更した以外は、実施例1と同様にして各試験板を作製した。
製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)を、下記表3に示す水性第1着色塗料(X−2)〜(X−21)に変更した以外は、実施例1と同様にして各試験板を作製した。
[実施例17]
上記試験用被塗物を、製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)で、回転霧化型の静電塗装機により、膜厚20μmとなるように静電塗装し、上記試験用被塗物の上に、未硬化の中塗り塗膜を形成した。3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった後、上記未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、製造例49で得た水性第2着色塗料(Y−2)で、回転霧化型の静電塗装機により、膜厚35μmとなるように静電塗装し、その上に未硬化の上塗り塗膜を形成した。
上記試験用被塗物を、製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)で、回転霧化型の静電塗装機により、膜厚20μmとなるように静電塗装し、上記試験用被塗物の上に、未硬化の中塗り塗膜を形成した。3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった後、上記未硬化の中塗り塗膜を有する被塗物を、製造例49で得た水性第2着色塗料(Y−2)で、回転霧化型の静電塗装機により、膜厚35μmとなるように静電塗装し、その上に未硬化の上塗り塗膜を形成した。
3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった後、上記未硬化の中塗り塗膜及び未硬化の上塗り塗膜を有する被塗物を、140℃で30分間加熱して、上記中塗り塗膜及び上塗り塗膜を同時に焼き付けることにより試験板1を作製した。
また、水性第1着色塗料(X−1)を、硬化膜厚が35μmとなるように塗装し、水性第1着色塗料(X−1)の塗装後のプレヒートを省略した以外は、試験板1の作製方法と同様にして、耐ワキ性試験用の試験板2を得た。
また、水性第1着色塗料(X−1)を、硬化膜厚が35μmとなるように塗装し、水性第1着色塗料(X−1)の塗装後のプレヒートを省略した以外は、試験板1の作製方法と同様にして、耐ワキ性試験用の試験板2を得た。
[実施例18〜32、及び比較例6〜10]
製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)を、下記表4に示した水性第1着色塗料(X−2)〜(X−21)に変更した以外は、実施例17と同様にして各試験板を作製した。
製造例24で得た水性第1着色塗料(X−1)を、下記表4に示した水性第1着色塗料(X−2)〜(X−21)に変更した以外は、実施例17と同様にして各試験板を作製した。
[評価]
実施例1〜32及び比較例1〜10で得られた試験板1及び試験板2を、下記の試験方法により評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[試験方法]
平滑性:
試験板1を、「Wave Scan DOI」(商品名、BYK Gardner社製)により測定されるWcの値で評価した。なお、Wcは、値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを意味する。
実施例1〜32及び比較例1〜10で得られた試験板1及び試験板2を、下記の試験方法により評価した。結果を下記表3及び表4に示す。
[試験方法]
平滑性:
試験板1を、「Wave Scan DOI」(商品名、BYK Gardner社製)により測定されるWcの値で評価した。なお、Wcは、値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを意味する。
鮮映性:
試験板1を、「Wave Scan DOI」により測定されるWaの値で評価した。なお、Waは、その値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを意味する。
試験板1を、「Wave Scan DOI」により測定されるWaの値で評価した。なお、Waは、その値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを意味する。
耐水性:
試験板1を40℃の温水に240時間浸漬し、引き上げ、20℃で12時間乾燥した後、試験板1の複層塗膜を素地に達するようにカッターで格子状に切り込み、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個形成した。続いて、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存状態を調べ、以下の基準に従って評価した。。
試験板1を40℃の温水に240時間浸漬し、引き上げ、20℃で12時間乾燥した後、試験板1の複層塗膜を素地に達するようにカッターで格子状に切り込み、大きさ2mm×2mmのゴバン目を100個形成した。続いて、その表面に粘着セロハンテープを貼着し、20℃においてそのテープを急激に剥離した後のゴバン目塗膜の残存状態を調べ、以下の基準に従って評価した。。
◎:ゴバン目塗膜が100個残存し、カッターの切り込みの縁において塗膜の縁が欠けていなかった
○:ゴバン目塗膜が100個残存するが、カッターの切り込みの縁において塗膜の縁が欠けていた
△:ゴバン目塗膜が90〜99個残存した
×:ゴバン目塗膜の残存数が89個以下であった
耐ワキ性:
試験板2を肉眼で観察し、発生しているワキの個数を確認した。
○:ゴバン目塗膜が100個残存するが、カッターの切り込みの縁において塗膜の縁が欠けていた
△:ゴバン目塗膜が90〜99個残存した
×:ゴバン目塗膜の残存数が89個以下であった
耐ワキ性:
試験板2を肉眼で観察し、発生しているワキの個数を確認した。
Claims (10)
- 下記の工程(1)〜(4)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、前記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
工程(3):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を有する被塗物を、クリヤー塗料(Z)で塗装し、その上に未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、そして
工程(4):未硬化の第1着色塗膜、未硬化の第2着色塗膜及び未硬化のクリヤー塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、
前記複層塗膜形成方法。 - 下記の工程(1)、(2)及び(5)、
工程(1):被塗物を、水性第1着色塗料(X)で塗装し、前記被塗物上に未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):未硬化の第1着色塗膜を有する被塗物を、水性第2着色塗料(Y)で塗装し、その上に未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、そして
工程(5):未硬化の第1着色塗膜及び未硬化の第2着色塗膜を加熱し、硬化させる工程、
を含む複層塗膜形成方法であって、
水性第1着色塗料(X)が、(A)水酸基含有樹脂、並びに(B)下記一般式(I):
で示されるブロックイソシアネート基、下記一般式(II):
で示されるブロックイソシアネート基、及び下記一般式(III):
で示されるブロックイソシアネート基から成る群から選択される少なくとも1種のブロックイソシアネート基を有するブロックポリイソシアネート化合物を含有することを特徴とする、
前記複層塗膜形成方法。 - 水酸基含有樹脂(A)が、1〜200mgKOH/gの水酸基価と、50mgKOH/g以下の酸価とを有する水分散性水酸基含有アクリル樹脂(A11)を含有する、請求項1又は2に記載の方法。
- 一般式(I)において、R1がイソプロピル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 一般式(III)において、R6がイソプロピル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- ブロックポリイソシアネート化合物(B)が、親水基を有するブロックポリイソシアネート化合物(B’)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 水性第1着色塗料(X)が、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、水酸基含有樹脂(A)及びブロックポリイソシアネート化合物(B)を、それぞれ、10〜95質量部及び5〜90質量部含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法により形成された複層塗膜を有する塗装物品。
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