JPWO2012124350A1 - 眼鏡装置、表示装置、眼鏡装置及び表示装置を備える映像システム並びに眼鏡装置及び映像システムの制御方法 - Google Patents

眼鏡装置、表示装置、眼鏡装置及び表示装置を備える映像システム並びに眼鏡装置及び映像システムの制御方法 Download PDF

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Abstract

本発明の眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。

Description

立体映像を観察者に適切に観察させるための映像技術に関する。
3D映画の普及に伴って、家庭内で3D映像を視聴するための表示装置が、開発並びに市販されている(特許文献1乃至5参照)。3D映像用の表示装置は、典型的には、フレームシーケンシャル方式(時分割方式とも称される)を採用している。表示装置は、左眼で視聴される左フレーム画像と、右眼で視聴される右フレーム画像と、を時間的に交互に切り替えて表示する。
フレームシーケンシャル方式或いは時分割方式を採用する表示装置として、映画館で用いられるプロジェクタや家庭内で用いられるテレビ装置やパーソナルコンピュータのディスプレイ装置が例示される。これらの3D表示装置は、左フレーム画像と右フレーム画像とを時間的に交互に切り替えて表示する。
観察者は、眼鏡装置(一般的に、3Dアクティブシャッタ眼鏡と称される)を介して、3D表示装置が表示する映像を観察する。眼鏡装置は、左眼前に配設される左シャッタと、右眼前に配設される右シャッタと、を備える。左眼及び右眼へ透過する映像光の量は、左シャッタ及び右シャッタの開閉動作に応じて、変動する。
表示装置は、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示に同期する同期制御信号を送信する。同期制御信号として、例えば、赤外(IR)信号や無線(RF)信号が用いられる。同期制御信号を受信した眼鏡装置は、左フレーム画像の表示に同期して、左シャッタを開く一方で、右シャッタを閉じる。また、眼鏡装置は、右フレーム画像の表示に同期して、右シャッタを開く一方で、左シャッタを閉じる。かくして、左フレーム画像からの映像光は左眼のみに透過し、右フレーム画像からの映像光は右眼のみに透過する。
同期制御信号に対するシャッタの応答特性は、眼鏡装置ごとに異なることもある。例えば、ある眼鏡装置(以下、「眼鏡装置A」と称される)は、右シャッタを開く又は閉じるための同期制御信号を受け取ってから、右シャッタを開く又は閉じるために、「X1」の期間だけ要する。他の眼鏡装置(以下、「眼鏡装置B」と称される)は、右シャッタを開く又は閉じるための同期制御信号を受け取ってから右シャッタを開く又は閉じるために、「X1」より短い又は長い「X2」の期間だけ要する。左シャッタに関しても、眼鏡装置A,B間において、応答期間の差異は生じうる。
眼鏡装置A,Bとの間の型式が異なるならば、例えば、眼鏡装置A,B間の設計の相違に起因して、上述の応答期間の差異が生じうる。眼鏡装置A,Bとの間の型式が同一であっても、例えば、シャッタに用いられる素子の特性のばらつきに起因して、上述の応答期間の差異が生じうる。
米国特許公開公報第2011/0228215号明細書 米国特許公開公報第2011/0043753号明細書 米国特許公開公報第2011/0181708号明細書 米国特許公開公報第2011/0242293号明細書 米国特許公開公報第2010/0295929号明細書
本発明は、眼鏡装置の動作特性に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整することができる映像技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
本発明の他の局面に係る表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする。
本発明の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、前記調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を実行する光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、前記表示装置は、前記映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記データ通信部へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置に用いられる。制御方法は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムに用いられる。制御方法は、前記調整動作に関する特性データを、前記表示装置へ送信する段階と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定する段階と、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする。
本発明は、眼鏡装置の動作特性に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
第1実施形態の眼鏡装置の概略的な斜視図である。 一般的な眼鏡装置の応答特性を表す概略的なタイミングチャートである。 図1に示される眼鏡装置のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。 図3に示される眼鏡装置に格納される特性データを取得するための測定システムの概略図である。 図4に示される測定システムを用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。 図4に示される測定システムを用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。 図3に示される眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図3に示される眼鏡装置とともに用いられる表示装置のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。 図7に示される表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図6に示される眼鏡装置の制御部による同期制御信号に対する処理を表す概略的な表である。 図6に示される眼鏡装置の制御部によって作成された基準データを表す概略的なグラフである。 図6に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを表す概略的な表である。 図6に示される眼鏡装置の制御部による補正処理を概略的に表すグラフである。 図6に示される眼鏡装置を備える映像システムの概略図である。 図6に示される眼鏡装置の制御方法を表す概略的なフローチャートである。 第2実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図15に示される眼鏡装置の記憶部に記憶される特性データを概略的に表す表である。 図15に示される眼鏡装置の制御部による補正処理を概略的に表すグラフである。 第3実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図19に示される眼鏡装置の駆動部の温度と給電期間との関係を表す概略的なグラフである。 第4実施形態の表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図20に示される表示装置を備える映像システムの概略図である。 図21に示される映像システムの表示装置と眼鏡装置との間の通信に用いられるパケット構造の概略図である。 図21に示される映像システムの眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図23に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを例示する表である。 図23に示される眼鏡装置の光量調整部の動作速度を表す概略的なグラフである。 図23に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを例示する表である。 図23に示される眼鏡装置の光量調整部の動作速度を表す概略的なグラフである。 図23に示される眼鏡装置の制御部によって作成されるデータ列構造の概略図である。 左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正を表す概略的なタイミングチャートである。 図21に示される映像システムの制御方法を表す概略的なフローチャートである。 第5実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図29に示される眼鏡装置を備える映像システムの概略図である。 図30に示される映像システムの表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図30に示される映像システムの制御方法を表す概略的なフローチャートである。
例示的な映像技術が、添付の図面を参照して説明される。尚、図面に示される構成、配置或いは形状等並びに図面に関連する記載は、映像技術の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、映像技術の原理は、以下の詳細な説明に何ら限定するものではない。
<第1実施形態>
(眼鏡装置)
図1は、第1実施形態の眼鏡装置100の概略的な斜視図である。図1を用いて、眼鏡装置100が説明される。
眼鏡装置100は、観察者の左眼及び右眼へ透過する光量を調整するシャッタ部110を備える。シャッタ部110は、観察者の左眼前に配置される左シャッタ111と、右眼前に配置される右シャッタ112と、を含む。
表示装置(後述される)が、左眼で観察される左フレーム画像を表示している間、左シャッタ111が開く一方で、右シャッタ112は閉じる。この結果、左眼へ到達する映像光の量は大きくなる一方で、右眼へ到達する映像光の量は小さくなる。かくして、観察者は、左眼で主に左フレーム画像を観察することとなる。
表示装置が、右眼で観察される右フレーム画像を表示している間、左シャッタ111が閉じる一方で、右シャッタ112は開く。この結果、左眼へ到達する映像光の量は小さくなる一方で、右眼へ到達する映像光の量は大きくなる。かくして、観察者は、右眼で主に右フレーム画像を観察することとなる。
表示装置が、例えば、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示し、且つ、左シャッタ111及び右シャッタ112が、上述の如く、左フレーム画像及び右フレーム画像に同期して、開閉するならば、観察者は、左フレーム画像と右フレーム画像とを脳内で合成する。左フレーム画像に描かれるオブジェクトと右フレーム画像に描かれるオブジェクトとの間には、例えば、位置的な差異が設けられているので、観察者は、位置的な差異量の分だけ、映像が表示される表示面からオブジェクトが飛び出したように、或いは、表示面からオブジェクトが引っ込んだように知覚することができる(即ち、観察者は、表示装置が表示する映像を立体的に知覚する)。
上述の如く、左シャッタ111は、左眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを左フレーム画像の表示期間(左フレーム期間)に適合させる。右シャッタ112は、右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを右フレーム画像の表示期間(右フレーム期間)に適合させる。この結果、観察者は、表示装置が表示する映像を立体的に知覚することができる。以下の説明において、シャッタ部110による変動タイミングの調整は、「調整動作」と称される。本実施形態において、シャッタ部110は、光量調整部として例示される。
シャッタ部110の調整動作は、表示装置から送信される同期制御信号に基づいて制御される。眼鏡装置100は、同期制御信号を受信する受信素子150を備える。本実施形態において、同期制御信号は、赤外線信号であってもよく、或いは、無線信号であってもよい。本実施形態において、受信素子150は、受信部として例示される。
表示装置は、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示の開始のタイミングを、眼鏡装置100に通知するために同期制御信号を送信する。眼鏡装置100が、同期制御信号に応じて、左フレーム画像の表示の開始に同期して、左シャッタ111を開くならば、観察者は、左フレーム画像を適切に観察することができる。眼鏡装置100が、同期制御信号に応じて、右フレーム画像の表示の開始に同期して、右シャッタ112を開くならば、観察者は、右フレーム画像を適切に観察することができる。本実施形態において、同期制御信号は、各フレーム画像のタイミングを規定するために用いられる。
本実施形態において、同期制御信号が規定する変動タイミングは、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示タイミングに専ら依存する。同期制御信号に対する眼鏡装置100の応答特性は、眼鏡装置100の固有の性能や眼鏡装置100が使用される環境(温度環境や電池残量)に影響される。したがって、シャッタ部110の調整動作が、眼鏡装置100の応答特性に大きく影響されるならば、表示装置が同期制御信号を適切に送信しても、観察者が適切なタイミングで左フレーム画像及び/又は右フレーム画像を観察できないこともある。本実施形態の原理は、眼鏡装置100のシャッタ部110の応答特性のばらつき或いは変動が調整動作に与える影響を補償することに貢献する。
眼鏡装置100は、シャッタ部110を支持するフレーム部121と、フレーム部121から観察者の耳へ向けて延びるアーム部122と、を備える。したがって、観察者は、一般的な視力矯正用の眼鏡と同様に、眼鏡装置100を着用することができる。この結果、左シャッタ111は、左眼前に配置され、且つ、右シャッタ112は、右眼前に配置される。
眼鏡装置100は、シャッタ部110への給電を制御するためのスイッチ素子130を更に備える。観察者がスイッチ素子130を「オン位置」に設定するならば、眼鏡装置100内の様々な要素(後述される)への給電が開始される。観察者がスイッチ素子130を「オフ位置」に設定するならば、眼鏡装置100内の様々な要素への給電は停止される。したがって、観察者は、スイッチ素子130を用いて、不必要な電力消費を防止することができる。
図2は、一般的な眼鏡装置の応答特性を表す概略的なタイミングチャートである。図1及び図2を用いて、眼鏡装置の応答特性のばらつき及び変動が説明される。
図2のセクション(a)は、左フレーム画像の表示期間として割り当てられた左フレーム期間と、右フレーム画像の表示期間として割り当てられた右フレーム期間とを表す。左フレーム期間及び右フレーム期間は交互に割り当てられている。
図2のセクション(b)は、表示装置から送信される同期制御信号を表す。左シャッタを動作させるための同期制御信号は、左フレーム期間の開始に同期して送信される。右シャッタを動作させるための同期制御信号は、右フレーム期間の開始に同期して送信される。
図2のセクション(c)は、左シャッタを駆動するための駆動信号を表す。図2のセクション(d)は、右シャッタを駆動するための駆動信号を表す。
左シャッタ及び右シャッタの開閉タイミングは、駆動信号の電圧レベルの変動タイミングに依存する。左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、眼鏡装置が左シャッタ用の同期制御信号を受信した後に降下する。所定期間の経過後、左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、増加する。右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、眼鏡装置が右シャッタ用の同期制御信号を受信した後に降下する。所定期間の経過後、右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、上昇する。
図2のセクション(e)は、左眼への透過光量の変動を表す。左眼への透過光量の変動は、左シャッタの調整動作を反映している。左シャッタの調整動作は、左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルの変動に依存する。例えば、駆動信号の電圧レベルが降下するならば、左シャッタは開き始める。図2のセクション(e)において、左シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから左眼への透過光量が最大透過光量の50%に増加するまでの時間は、「T(LO)」の符号を用いて表される。また、駆動信号の電圧レベルが上昇するならば、左シャッタは閉じ始める。左シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから、左眼への透過光量が最大透過光量の50%に減少するまでの時間は、「T(LC)」の符号を用いて表される。駆動信号の電圧レベルが低い間、左シャッタは開き、左眼への映像光の透過量は大きくなる。
左シャッタの開閉タイミングは、シャッタ材料、眼鏡装置の設計の差異、製造過程で生じたばらつきに起因して変動する。加えて、典型的な左シャッタに用いられる液晶の動作特性は、使用環境の温度や眼鏡装置が蓄えている電力量(電源電圧値)に影響されることが知られている。
図2のセクション(f)は、右眼への透過光量の変動を表す。右眼への透過光量の変動は、右シャッタの調整動作を反映している。右シャッタの調整動作は、右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルの変動に依存する。例えば、駆動信号の電圧レベルが降下するならば、右シャッタは開き始める。右シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから右眼への透過光量が最大透過光量の50%に増加するまでの時間は、「T(RO)」の符号を用いて表される。また、駆動信号の電圧レベルが上昇するならば、右シャッタは閉じ始める。右シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから、右眼への透過光量が最大透過光量の50%に減少するまでの時間は、「T(RC)」の符号を用いて表される。駆動信号の電圧レベルが低い間、右シャッタは開き、右眼への映像光の透過量は大きくなる。
右シャッタの開閉タイミングは、シャッタ材料、眼鏡装置の設計の差異、製造過程で生じたばらつきに起因して変動する。加えて、典型的な右シャッタに用いられる液晶の動作特性は、使用環境の温度や眼鏡装置が蓄えている電力量(電源電圧値)に影響されることが知られている。
上述の如く、眼鏡装置による調整動作は、様々な因子によって変動される。図1を参照して説明された眼鏡装置100の様々な要素(後述される)は、シャッタ部110の調整動作と調整動作に影響を与える影響因子との関係を表す特性データを利用して、同期制御信号の立ち上がりから左眼及び右眼への透過光量が50%に増加或いは減少するのに要する時間のばらつきを抑制する。
図3は、眼鏡装置100のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図3を用いて、眼鏡装置100のハードウェア構成が説明される。
眼鏡装置100は、上述の如く、シャッタ部110、スイッチ素子130及び受信素子150を備える。シャッタ部110は、左シャッタ111及び右シャッタ112に加えて、これらを駆動するための駆動回路113を備える。表示装置が左フレーム画像を表示している間、駆動回路113は、左シャッタ111及び右シャッタ112へ印加する電圧値を調整し、左シャッタ111を開き、右シャッタ112を閉じる。表示装置が右フレーム画像を表示している間、駆動回路113は、左シャッタ111及び右シャッタ112へ印加する電圧値を調整し、左シャッタ111を閉じ、右シャッタ112を開く。
眼鏡装置100は、駆動回路113を制御するためのCPU140を更に備える。受信素子150は、表示装置から受け取った同期制御信号をCPU140に出力する。表示装置が同期制御信号として、赤外線信号を送信するならば、受信素子150は、赤外線信号を電気信号に変換する。受信素子150は、電気信号をCPU140に出力する。表示装置が同期制御信号として、無線信号を送信するならば、受信素子150は、無線信号をCPU140が読み取ることができる形式に変換する。変換された信号は、CPU140に出力される。
CPU140は、受信素子150を通じて、取得した同期制御信号に応じて、駆動回路113を制御する。駆動回路113は、CPU140の制御下で、表示装置の表示動作に同期して、左シャッタ111及び右シャッタ112を駆動することができる。本実施形態において、CPU140は、第1制御部として例示される。
眼鏡装置100は、CPU140へ時刻に関する情報を出力するクロック141を更に備える。CPU140は、クロック141からの時刻データに応じて、同期制御信号の受信時刻を見極めることができる。CPU140は、同一の波形を有する同期制御信号の受信時刻に対して平均化処理を行ってもよい。CPU140は、平均化処理後の受信時刻のデータに基づき、左シャッタ111及び右シャッタ112を開閉する時刻を決定してもよい。
眼鏡装置100は、同期制御信号の受信時刻に関するデータを格納するメモリ142を更に備える。メモリ142には、上述の調整動作に関する特性データも格納される。CPU140は、メモリ142に格納された特性データを参照し、左シャッタ111及び右シャッタ112を開閉する時刻を決定する。本実施形態において、メモリ142は、記憶部として例示される。
眼鏡装置100は、駆動回路113に印加された電源電圧値を検出する電圧検出素子143を更に備える。電圧検出素子143は、駆動回路113に印加された電源電圧値に関するデータをCPU140に出力する。本実施形態において、メモリ142に格納された特性データは、駆動回路113に印加された電源電圧値と、左シャッタ111及び/又は右シャッタ112の応答速度(動作速度)との関係を表す。特性データは、後述される。
眼鏡装置100は、電池144を更に備える。電池144が蓄える電力は、シャッタ部110、CPU140、クロック141、メモリ142、電圧検出素子143及び受信素子150へ、スイッチ素子130を通じて供給される。使用者は、スイッチ素子130を操作し、電池144からこれらの要素への電力供給を制御することができる。本実施形態において、電池144は、電源部として例示される。
電池144が蓄える電力量は、駆動回路113に加わる電圧値に影響する。したがって、電圧検出素子143が検出する電圧値は、電池144に蓄えられている電力量を反映する。本実施形態において、電圧検出素子143は、電力検出部として例示される。本実施形態において、電池144に蓄えられている電力量は、電圧検出素子143によって検出された電圧値に代替されている。しかしながら、電池に蓄えられた電力量は、直接的に測定されてもよい。或いは、電池に蓄えられた電力量を反映する他の可変量が代替的に検出されてもよい。
シャッタ部110が調整動作を行うならば、電池144に蓄えられた電力は消費される。この結果、電池144の電力量は、徐々に低減する。本実施形態において、左シャッタ111及び右シャッタ112の動作速度は、電池144の電力量の低下に伴い、遅くなる。メモリ142に格納された特性データは、電池144の電力量の低下に伴って遅くなるシャッタ部110の動作速度の傾向を表す。CPU140は、メモリ142に格納された特性データと電圧検出素子143が出力した電圧値に関するデータとを比較し、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大及び減少させるタイミングを決定する。決定手法は、後述される。
図4は、特性データを取得するための測定システム900の概略図である。図4を用いて、特性データの取得方法が説明される。
測定システム900は、眼鏡装置100の左シャッタ111又は右シャッタ112に向けて光を出射する単色LED910と、左シャッタ111又は右シャッタ112を透過した光の輝度を測定する輝度測定器920と、を備える。輝度測定器920は、眼鏡装置100のメモリ142に、測定された輝度のデータを時間データとともに出力する。
測定システム900は、眼鏡装置100の駆動回路113に電力を供給する電源930と、駆動回路113へ印加される電圧を制御する印加制御部940と、を備える。電源930は、駆動回路113に印加される電圧レベルを可変にする。印加制御部940は、電源930による駆動回路113への電圧印加のタイミングを調整する。印加制御部940は、眼鏡装置100のメモリ142に、電源930から出力される電圧のデータを時間データとともに出力する。尚、印加制御部940から出力される時間データは、輝度測定器920から出力される時間データと一致している。
図5A及び図5Bは、測定システム900を用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。図4乃至図5Bを用いて、特性データが説明される。
図5Aは、電源930が高い電圧を駆動回路113に印加したときに得られた特性データのグラフである。上側のグラフは、電源930が出力する電圧の変動を表す。下側のグラフは、輝度測定器920から出力される輝度の変動を表す。
電源930は、時刻TDに電圧を降下させ、時刻TUに電圧を上昇させている。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TDにおける電圧降下に応じて開く。その後、時刻TO1において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の90%となる。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TUにおける電圧上昇に応じて閉じる。その後、時刻TC1において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の10%となる。図5Aには、時刻TO1と時刻TDとの差分値「ΔTOH」及び時刻TC1と時刻TUとの差分値「ΔTCH」が示されている。
図5Bは、電源930が低い電圧を駆動回路113に印加したときに得られた特性データのグラフである。上側のグラフは、電源930が出力する電圧の変動を表す。下側のグラフは、輝度測定器920から出力される輝度の変動を表す。
電源930は、時刻TDに電圧を降下させ、時刻TUに電圧を上昇させている。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TDにおける電圧降下に応じて開く。その後、時刻TO2において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の90%となる。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TUにおける電圧上昇に応じて閉じる。その後、時刻TC2において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の10%となる。図5Bには、時刻TO2と時刻TDとの差分値「ΔTOL」及び時刻TC1と時刻TUとの差分値「ΔTCL」が示されている。本実施形態において、差分値「ΔTOL」は、図5Aを参照して説明された差分値「ΔTOH」よりも大きい。また、差分値「ΔTCL」は、図5Aを参照して説明された差分値「ΔTCH」よりも大きい。
メモリ142は、駆動回路113に印加された電圧のレベルに関連づけて、上述の差分値に関するデータを記憶してもよい。この結果、メモリ142に記憶されたデータは、電圧レベルの変動に対応した左シャッタ111及び右シャッタ112の応答遅れを表すことができる。特性データを用いた左シャッタ111及び右シャッタ112の制御は、後述される。
図6は、眼鏡装置100の機能構成を表す概略的なブロック図である。図3及び図6を用いて、眼鏡装置100が説明される。
眼鏡装置100は、調整動作を司る作動部160と、作動部160が必要とする電力を供給する給電部170と、を備える。
給電部170は、電力を蓄える電源部171と、作動部160への電力供給を制御するための給電切替部172と、を備える。電源部171は、図3を参照して説明された電池144に相当する。給電切替部172は、図3を参照して説明されたスイッチ素子130に相当する。作動部160による調整動作、受信動作や信号処理動作の結果、電源部171に蓄えられた電力量は低減する。
作動部160は、調整動作を実行する光量調整部161を備える。光量調整部161は、左眼への透過光量を調整するための左調整部162と、右眼への透過光量を調整するための右調整部163と、左調整部162と右調整部163とを駆動するための駆動部164と、を備える。
表示装置が左フレーム画像を表示している間、駆動部164は、左調整部162を駆動し、左眼へ透過する映像光の量を増大させる。この間、駆動部164は、右調整部163に、右眼への低減された透過光量を維持させる。駆動部164は、左調整部162に、所定期間、左眼への増大された透過光量を維持させた後、左調整部162を動作させる。この結果、左調整部162は、左眼へ透過する映像光の量を低減させる。
表示装置が右フレーム画像を表示している間、駆動部164は、右調整部163を駆動し、右眼へ透過する映像光の量を増大させる。この間、駆動部164は、左調整部162に、左眼への低減された透過光量を維持させる。駆動部164は、右調整部163に、所定期間、右眼への増大された透過光量を維持させた後、右調整部163を動作させる。この結果、右調整部163は、右眼へ透過する映像光の量を低減させる。
本実施形態において、光量調整部161は、シャッタ部110に対応する。左調整部162は、左シャッタ111に対応する。右調整部163は、右シャッタ112に対応する。駆動部164は、駆動回路113に対応する。
左調整部162が、左眼への透過光量を増大させることは、左シャッタ111が開くことを意味する。左調整部162が、左眼への透過光量を減少させることは、左シャッタ111が閉じることを意味する。右調整部163が、右眼への透過光量を増大させることは、右シャッタ112が開くことを意味する。右調整部163が、右眼への透過光量を減少させることは、右シャッタ112が閉じることを意味する。
眼鏡装置100は、表示装置からの同期制御信号を受信する受信部165を更に備える。受信部165は、図3を参照して説明された受信素子150に相当する。
眼鏡装置100は、光量調整部161の駆動部164を制御する制御部166を更に備える。受信部165は、同期制御信号を制御部166へ出力する。例えば、制御部166は、同期制御信号の受信時刻を平均化処理し、同期制御信号によって規定される増大期間のタイミング(左調整部162が左眼への透過光量を増大させている期間のタイミング及び/又は右調整部163が右眼への透過光量を増大させている期間のタイミング)又は減少期間のタイミング(左調整部162が左眼への透過光量を減少させている期間のタイミング及び/又は右調整部163が右眼への透過光量を減少させている期間のタイミング)を見極めてもよい。制御部166は、上述の特性データと駆動部164に印加された電圧とを比較し、見極められた増大期間のタイミング又は減少期間のタイミングを補正する。制御部166は、補正された増大期間のタイミング又は減少期間のタイミングに基づき、駆動部164を制御する。この結果、駆動部164によって駆動される左調整部162及び右調整部163の調整動作が適切に制御される。制御部166は、図3を参照して説明されたCPU140及びクロック141に対応する。本実施形態において、制御部166は、第1制御部として例示される。
眼鏡装置100は、駆動部164に印加される電圧レベルと光量調整部161の動作速度との関係を表す特性データを記憶する記憶部167と、駆動部164に印加されている電圧のレベルを検出する電圧検出部168と、を備える。本実施形態において、駆動部164に印加される電圧のレベルは、電源部171が蓄える電力量に依存する。したがって、電圧検出部168によって検出された駆動部164での電圧レベルは、電源部171が蓄える電力量を反映している。記憶部167は、図3を参照して説明されたメモリ142に相当する。電圧検出部168は、図3を参照して説明された電圧検出素子143に相当する。本実施形態において、電圧検出部168は、電力検出部として例示される。
制御部166は、記憶部167を参照し、駆動部164に印加される電圧レベルと光量調整部161の動作速度との関係を表す特性データを取得する。また、電圧検出部168は、制御部166に、駆動部164に印加されている電圧に関するデータを出力する。制御部166は、特性データと、電圧検出部168からの出力データと、を比較し、同期制御信号によって規定された変動タイミングを補正する。制御部166による補正処理は後述される。
(表示装置)
図7は、表示装置200のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図3及び図7を用いて、表示装置200が説明される。
表示装置200は、映像信号が入力される復号化IC201を備える。復号化IC201に入力される映像信号は、符号化されている。復号化IC201は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号は、MPEG(Motion Picturre Experts Group)−2、MPEG−4やH264といった手法に従い符号化されてもよい。
表示装置200は、映像信号処理IC202を更に備える。復号化IC201は、映像信号処理IC202に復号化された映像信号を出力する。映像信号処理IC202は、復号化された映像信号を処理し、立体映像を表示するための映像データを作り出す。例えば、映像信号処理IC202は、映像信号から、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、を抽出してもよい。映像信号処理IC202は、その後、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、交互に出力してもよい。代替的に、左フレーム画像に対応する映像データ及び右フレーム画像に対応する映像データは、復号化IC201から映像信号処理IC202へ出力される映像信号から自動的に生成されてもよい。映像信号処理IC202は、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、交互に出力してもよい。
表示装置200は、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示するディスプレイパネル203を更に備える。映像信号処理IC202は、ディスプレイパネル203に対応する信号入力方式に従って、左フレーム画像及び右フレーム画像に対応する映像データを出力する。
映像信号処理IC202は、ディスプレイパネル203の特性に応じて、他の処理(例えば、色彩調整処理やフレームレートの調整処理)を行ってもよい。映像信号処理IC202が、復号化IC201が生成した映像データのフレーム間の映像を補間するならば、ディスプレイパネル203が表示する映像のフレームレートが増大することとなる。
表示装置200は、眼鏡装置100の受信素子150へ送信される同期制御信号を生成する送信制御IC204を更に備える。送信制御IC204が生成する同期制御信号は、ディスプレイパネル203に表示されるフレーム画像の表示の開始及び/又は終了を通知するために用いられる。上述の如く、眼鏡装置100は、同期制御信号によって通知されるフレーム画像の表示の開始時刻及び/又は終了時刻を、左シャッタ111及び右シャッタ112が左眼及び右眼へ透過光量を増大又は減少させている期間のタイミング(増大期間又は減少期間のタイミング)の基準として利用する。眼鏡装置100は、同期制御信号が規定した基準のタイミングを補正し、シャッタ部110の特性に応じたタイミングで左シャッタ111及び右シャッタ112を動作させる。
表示装置200は、同期制御信号を送信するための送信素子205を更に備える。本実施形態において、送信素子205は、赤外線を発光する発光素子であってもよい。代替的に、送信素子205は、無線信号を送信可能な無線素子であってもよい。送信制御IC204は、送信素子205を制御する。送信素子205は、送信制御IC204の制御下で、同期制御信号を送信する。同期制御信号の送信は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に同期される。
表示装置200は、復号化IC201、映像信号処理IC202及び送信制御IC204を制御するCPU206を更に備える。CPU206は、映像信号処理IC202及び送信制御IC204に対する制御を司るので、同期制御信号の送信を、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に適切に同期させることができる。
表示装置200は、CPU206が実行するプログラムを格納するメモリ207を更に備える。メモリ207は、CPU206によるプログラムの実行に伴って発生したデータを記憶する領域として利用されてもよい。メモリ207として、揮発性のRAM(Random Access Memory)や不揮発性のROM(Read Only Memory)が利用されてもよい。
表示装置200は、CPU206へクロック信号を供給するクロック208を更に備える。CPU206は、クロック信号を利用して、同期制御信号の送信を、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に適切に同期させることができる。
図8は、表示装置200の機能構成を表す概略的なブロック図である。図6乃至図8を用いて、表示装置200が更に説明される。
表示装置200は、映像信号が入力される入力部211を備える。入力部211に入力される映像信号は、符号化されている。入力部211は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号は、MPEG(Motion Picturre Experts Group)−2、MPEG−4やH264といった手法に従い符号化されてもよい。入力部211は、図7を参照して説明された復号化IC201に相当する。
表示装置200は、映像処理部212を更に備える。入力部211は、復号化された映像信号を映像処理部212へ出力する。映像処理部212は、映像信号に応じて、左フレーム画像及び右フレーム画像を表示するための映像データを生成する。映像処理部212は、図7を参照して説明された映像信号処理IC202に相当する。
表示装置200は、表示部213を更に備える。映像処理部212は、左フレーム画像を表示するための映像データと、右フレーム画像を表示するための映像データと、を表示部213に交互に出力する。表示部213は、映像処理部212から受け取った映像データを用いて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。
表示装置200は、映像処理部212を制御する制御部216を更に備える。映像処理部212は、制御部216の制御下で、上述の映像信号の処理を行う。制御部216は、図7を参照して説明されたCPU206、メモリ207及びクロック208に相当する。
表示装置200は、制御部216の制御下で、同期制御信号を生成する信号生成部214を更に備える。制御部216は、映像処理部212から表示部213への左フレーム画像のデータの出力に同期して、信号生成部214に、左フレーム画像の表示を通知するための同期制御信号を出力させる。制御部216は、映像処理部212から表示部213への右フレーム画像のデータの出力に同期して、信号生成部214に、右フレーム画像の表示を通知するための同期制御信号を出力させる。信号生成部214は、図7を参照して説明された送信制御IC204に相当する。
表示装置200は、同期制御信号を送信するための送信部215を更に備える。信号生成部214は、同期制御信号を送信部215に出力する。送信部215は、眼鏡装置100の受信部165へ同期制御信号を送信する。送信部215は、図7を参照して説明された送信素子205に相当する。
(補正処理)
図9は、眼鏡装置100の制御部166による同期制御信号に対する処理を表す概略的な表である。図6、図8及び図9を用いて、同期制御信号に対する処理が説明される。
表示装置200の信号生成部214が生成する同期制御信号は、左フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、左フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、を生成してもよい。これらのコマンド信号は、互いに異なる波形を有する。眼鏡装置100の制御部166は、コマンド信号の波形に基づき、コマンド信号による通知内容を把握することができる。
眼鏡装置100の制御部166は、例えば、上述のコマンド信号の受信時刻からシャッタ部の透過光量が最大透過光量の50%になるまでの時間に関するデータを、順次、記憶部167に格納する。図9には、記憶部167に格納された時刻データ(「t11」乃至「tn4」)が示されている。
左フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、左フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、からなるコマンド信号の組(以下、コマンド信号組と称される)が、所定数、記憶部167に格納されると、制御部166は、同期制御信号によって規定される基準データを生成する。
コマンド信号組内で、左フレーム画像の表示終了を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。コマンド信号組内で、右フレーム画像の表示開始を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。コマンド信号組内で、右フレーム画像の表示終了を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。これらの演算から得られた差分値が平均化されるならば、左フレーム画像の表示開始を通知するコマンド信号の受信時刻を基準とした他のコマンド信号の受信時刻の平均値が算出される。
先行するコマンド信号組と後続のコマンド信号組との間で、左フレーム画像の表示開始を通知するコマンド信号の受信時刻の差分値が演算されてもよい。これらの差分値が平均化されるならば、コマンド信号組の平均的な受信周期が算出される。
制御部166は、上述の差分値の演算を用いて、同期制御信号によって規定される基準データを生成することができる。受信部165が、基準データから大きく外れた信号を受信するならば、制御部166は、受信部165によって受信された信号をノイズ信号として処理することができる。
図10は、上述の演算によって得られた基準データを表す概略的なグラフである。図6、図8及び図10を用いて、基準データが説明される。
眼鏡装置100の制御部166による上述の処理の結果、制御部166は、時刻T1において左フレーム画像の表示が開始され、時刻T2において左フレーム画像の表示が終了することを見極める。制御部166は、時刻T3において右フレーム画像の表示が開始され、時刻T4において右フレーム画像の表示が終了することを見極める。時刻T1から時刻T2の期間は、同期制御信号によって規定されたタイミング(左眼用)として例示される。時刻T3から時刻T4の期間は、同期制御信号によって規定されたタイミング(右眼用)として例示される。
図11は、眼鏡装置100の記憶部167に記憶された特性データを表す概略的な表である。図5A乃至図6並びに図11を用いて、基準データに対する補正処理が説明される。
記憶部167には、図5A及び図5Bを参照して説明された測定の結果から得られた特性データとして、駆動部164に印加された電圧のレベルと、電圧レベルに関連づけられた補正値が記憶されている。図11において、電源部171に蓄えられた電力量が最大値であるときの電圧レベルは、「VH」の記号を用いて表されている。図11において、電源部171に蓄えられた電力量が最小値(光量調整部161に調整動作を実行させることができる最小レベルの電力量)であるときの電圧レベルは、「VL」の記号を用いて表されている。
記憶部167は、電圧レベルVHに関連づけて、補正値CHを記憶している。記憶部167は、電圧レベルVLに関連づけて、補正値CLを記憶している。また、記憶部167、電圧レベルVH,VLの間の電圧レベルにそれぞれ関連づけて、複数の補正値(Cn乃至C1)を記憶している。本実施形態において、記憶部167に記憶された補正値は、電圧レベルと同様に、補正値CLから補正値CHに向けて徐々に大きくなっている。
図12は、眼鏡装置100の制御部166による補正処理を概略的に表すグラフである。図5A乃至図6並びに図10乃至図12を用いて、制御部166による補正処理が説明される。
図12に示される上側のグラフは、図10を参照して説明された基準データを表す。図12に示される中央のグラフは、電圧検出部168が電圧レベルVLを検出したときに、制御部166の制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。図12に示される下側のグラフは、電圧検出部168が電圧レベルVHを検出したときに、制御部166の制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。
制御部166は、電圧検出部168が検出した駆動部164における電圧レベルと、記憶部167に記憶された特性データと、を対比する。電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166に出力するならば、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データから、電圧レベルVLに対応する補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定する。電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166に出力するならば、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データから、電圧レベルVHに対応する補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定する。
補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166は、補正値CLを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166は、補正値CHを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。駆動部164は、制御部166の制御下で、補正値CL,CHが加算された時刻に電圧を変動させ、左調整部162及び右調整部163をそれぞれ動作させる。図11を参照して説明されたように、補正値CLは、補正値CHよりも小さいので、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの駆動信号の電圧レベルの変動は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。したがって、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの左調整部162及び右調整部163の始動は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。
一方、図5A及び図5Bに関連して説明された如く、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの左調整部162及び右調整部163の動作は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも遅い。したがって、補正値CL,CHとの差異に起因する左調整部162及び右調整部163の始動時刻の差異は、左調整部162及び右調整部163の動作の特性によって略相殺される。したがって、左眼及び右眼への透過光量は、基準データの時刻T1,T2,T3,T4から略一定の期間が経過した後、目標値に到達する。したがって、電源部171が蓄える電力量の変動は、左調整部162及び右調整部163の動作タイミングにほとんど影響しなくなる。
本実施形態において、電圧レベルに応じて定められる補正値は、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングにおいて共通している。代替的に、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングとの間で、異なる補正値が用いられてもよい。或いは、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を減少させるタイミングのうち一方のみに、補正値が適用されてもよい。
図5A及び図5Bを参照して説明された如く、特性データは、左調整部162及び右調整部163に対して個別に取得される。したがって、眼鏡装置100の固有の性質に応じた補正制御が達成される。即ち、異なる型式の眼鏡装置間の性能差はもちろんのこと、同一の型式の眼鏡装置間の性能差は、好適に緩和される。尚、補正処理は、他の演算処理を用いて実行されてもよい。補正値は、補正処理に用いられる演算処理に応じて定められる。したがって、本実施形態の原理は、上述の演算処理及び補正値の設定に何ら限定されない。
(映像システム)
図13は、映像システム300の概略図である。図13を用いて、映像システム300が説明される。
映像システム300は、眼鏡装置100と表示装置200とを備える。表示装置200は、ディスプレイパネル203を用いて、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を交互に表示する。表示装置200は、送信素子205から、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを規定する同期制御信号を眼鏡装置100へ送信する。眼鏡装置100は、同期制御信号に応じて、左シャッタ111及び右シャッタ112を動作させる。上述の補正制御を通じて、シャッタ部110は、上述の補正制御を通じて、変動タイミングを適切に調整することができる。この結果、眼鏡装置100は、左眼及び右眼へ入射する映像光の光量を適切に調整し、ディスプレイパネル203が表示する映像を、観察者に、立体的に知覚させることができる。
本実施形態において、変動タイミングの調整は、専ら、眼鏡装置100に依存する。したがって、表示装置200と眼鏡装置100との通信は、簡素化される。
(眼鏡装置の制御方法)
図14は、眼鏡装置100の制御方法を表す概略的なフローチャートである。図14を用いて、眼鏡装置100の制御方法が説明される。
(ステップS110)
ステップS110において、受信部165は、同期制御信号を受信する。同期制御信号の受信時刻や同期制御信号が通知する情報は、制御部166を通じて、記憶部167に記憶される。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、制御部166は、記憶部167が、基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶したか否かを判定する。記憶部167に記憶されたデータ量が不十分であるならば、ステップS110が再度実行される。この結果、記憶部167が基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶するまで、受信部165は、同期制御信号の受信を続けることとなる。
記憶部167が基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶しているならば、制御部166は、基準データを生成する。基準データは、上述の如く、同期制御信号によって規定される変動タイミングを表す。基準データの生成の後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、電圧検出部168は、駆動部164に印加された電圧を検出する。電圧検出部168は、制御部166に検出された電圧のデータを出力する。電圧データの出力の後、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
ステップS140において、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データと、電圧検出部168から出力された電圧データと、を比較し、補正値を決定する。補正値の決定の後、ステップS150が実行される。
(ステップS150)
ステップS150において、制御部166は、決定された補正値を用いて、基準データを補正し、補正データを生成する。補正データの生成の後、ステップS160が実行される。
(ステップS160)
ステップS160において、制御部166は、補正データを用いて、駆動部164を制御する。この結果、駆動部164は、特性データと駆動部164に印加されている電圧レベルとに応じて適切に調整されたタイミングで、左調整部162及び右調整部163を駆動することができる。かくして、左調整部162及び右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少することができる。
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態の眼鏡装置100Aの機能構成を表す概略的なブロック図である。第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。第1実施形態と第2実施形態との間の差異が以下に説明される。
眼鏡装置100Aは、第1実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Aを備える。作動部160Aは、第1実施形態に関連して説明された受信部165及び光量調整部161に加えて、制御部166A、記憶部167A及び温度検出部168Aを備える。
左調整部162及び右調整部163が液晶を用いて形成されるならば、左調整部162及び右調整部163の応答速度(動作速度)は、映像が観察される環境の温度に応じて変動することもある。特に、左調整部162及び右調整部163の応答速度は、周囲温度の影響を受けやすい。したがって、本実施形態において、温度検出部168Aは、環境温度として、駆動部164の温度を検出する。温度検出部168Aとして、一般的な温度センサが好適に利用可能である。
図16は、記憶部167Aに記憶される特性データを概略的に表す表である。図15及び図16を用いて、眼鏡装置100Aが更に説明される。
記憶部167Aには、温度検出部168Aが検出すると想定される最大温度TMPH及び最小温度TMPL並びに最大温度TMPHと最小温度TMPLとの間のいくつかの温度に関する温度データと、温度データに関連づけて記憶された補正値のデータが記憶される。本実施形態において、最大温度TMPHに対応する補正値CHが最も大きく、最小温度TMPLに対応する補正値CHが最も小さい。検出される温度が低くなるにつれて、対応する補正値は小さく設定される。
補正値は、駆動部164の温度(即ち、映像が観察される環境の温度)と左調整部162及び右調整部163の動作速度との関係に応じて定められる。眼鏡装置100Aの動作特性が、様々な温度環境下で調査され、補正値が決定されることが好ましい。この結果、記憶部167Aには、眼鏡装置100Aの固有の特性データが格納される。
制御部166Aは、記憶部167Aに格納された特性データと、温度検出部168Aから出力される温度データと、を対比し、駆動部164の温度に応じた補正値を決定する。
図17は、制御部166Aによる補正処理を概略的に表すグラフである。図15乃至図17を用いて、制御部166Aによる補正処理が説明される。
図17に示される上側のグラフは、基準データを表す。第1実施形態に関連して説明された手法に従って、制御部166Aは、受信部165が受信した同期制御信号を用いて基準データを生成する。
図17に示される中央のグラフは、温度検出部168Aが最小温度TMPLを検出したときに、制御部166Aの制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。図17に示される下側のグラフは、温度検出部168Aが最大温度TMPHを検出したときに、制御部166Aの制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。
制御部166Aは、温度検出部168Aが検出した駆動部164における検出温度と、記憶部167Aに記憶された特性データと、を対比する。温度検出部168Aが、「TMPL」の温度が検出されたことを表すデータを制御部166Aに出力するならば、制御部166Aは、記憶部167Aに記憶された特性データから、温度TMPLに対応する補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定する。温度検出部168Aが、「TMPH」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166Aに出力するならば、制御部166Aは、記憶部167Aに記憶された特性データから、温度TMPHに対応する補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定する。
補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166Aは、補正値CLを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166Aは、補正値CHを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。駆動部164は、制御部166Aの制御下で、補正値CL,CHが加算された時刻に電圧を変動させ、左調整部162及び右調整部163をそれぞれ動作させる。この結果、左眼及び右眼への透過光量が増大する期間のタイミング(増大期間のタイミング)又は透過光量が減少する期間のタイミング(減少期間のタイミング)は、温度に応じた補正量だけ調整される。本実施形態において、制御部166Aは、第1制御部として例示される。
図16を参照して説明されたように、補正値CLは、補正値CHよりも小さいので、温度検出部168Aが、「TMPL」の温度を検出したときの駆動信号の電圧レベルの変動は、温度検出部168Aが、「TMPH」の温度を検出したときよりも早くなる。したがって、温度検出部168Aが、「TMPL」の温度を検出したときの左調整部162及び右調整部163の始動は、温度検出部168Aが、「TMPH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。
左調整部162及び右調整部163が液晶を用いて形成されるならば、一般的に、環境温度が低くなるほど、左調整部162及び右調整部163の動作は遅くなる傾向がある。したがって、補正値CL,CHとの差異に起因する左調整部162及び右調整部163の始動時刻の差異は、左調整部162及び右調整部163の動作の特性によって略相殺される。したがって、左眼及び右眼への透過光量は、基準データの時刻T1,T2,T3,T4から略一定の期間が経過した後、目標値に到達する。したがって、光量調整部161における温度の変動は、左調整部162及び右調整部163の動作タイミングにほとんど影響しなくなる。尚、補正処理は、他の演算処理を用いて実行されてもよい。補正値は、補正処理に用いられる演算処理に応じて定められる。したがって、本実施形態の原理は、上述の演算処理及び補正値の設定に何ら限定されない。
本実施形態において、環境温度に応じて定められる補正値は、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングにおいて共通している。代替的に、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングとの間で、異なる補正値が用いられてもよい。或いは、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を減少させるタイミングのうち一方のみに、補正値が適用されてもよい。
変動タイミングに対する補正は、第1実施形態に関連して説明された電圧検出と第2実施形態に関連して説明された温度検出とに基づいて実行されてもよい。
<第3実施形態>
図18は、第3実施形態の眼鏡装置100Bの機能構成を表す概略的なブロック図である。第2実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第2実施形態の説明が援用される。第2実施形態と第3実施形態との間の差異が以下に説明される。
眼鏡装置100Bは、第2実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Bを備える。作動部160Bは、第2実施形態に関連して説明された受信部165、光量調整部161及び記憶部167Aに加えて、制御部166Bを備える。制御部166Bは、給電部170が作動部160Bへ給電を開始した時刻からの経過時間(以下、給電期間と称される)を測定する計時部168Bを備える。計時部168Bとして、図3に関連して説明されたクロック141が用いられてもよい。
図19は、給電期間と駆動部164の温度との関係を表す概略的なグラフである。図16、図18及び図19を用いて、眼鏡装置100Bが更に説明される。
給電部170から作動部160Bへの給電に伴って、駆動部164の温度は、徐々に上昇する。給電期間と駆動部164の温度上昇との関係は、眼鏡装置100Bに対して個別に調査されている。制御部166Bは、計時部168Bが測定した給電期間と、図19に示される給電期間と温度上昇との相関と、に基づいて、駆動部164の温度を推定することができる。
記憶部167Aには、図16を参照して説明された特性データが格納されている。制御部166Bは、推定された温度と、特性データと、を対比し、補正量を決定する。その後、制御部166Bは、第2実施形態に関連して説明された手法に従って、変動タイミングを調整する。本実施形態において、制御部166Bは、第1制御部として例示される。また、計時部168Bは、温度検出部として例示される。
本実施形態の眼鏡装置100Bは、駆動部164の温度を直接的に検出するための検出素子を必要としない。計時部168Bは、クロック信号を利用して給電期間に関する情報を取得するプログラムであってもよい。したがって、眼鏡装置100Bの物理的な構造は、第2実施形態と比べて、簡素化される。
<第4実施形態>
(表示装置)
図20は、第4実施形態の表示装置200Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。第1実施形態と第4実施形態との間の差異が以下に説明される。
表示装置200Cは、第1実施形態に関連して説明された入力部211、映像処理部212及び表示部213を備える。入力部211には、映像信号が入力される。映像処理部212は、入力部211を通じて受け取った映像信号に応じて、左眼で観察される左フレーム画像及び右眼で観察される右フレーム画像のデータを表示部213に交互に出力する。表示部213は、映像処理部212からの出力に応じて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。この結果、観察者は、表示部213に表示された映像を立体的に知覚することができる。
表示装置200Cは、映像処理部212を制御する制御部216Cを更に備える。制御部216Cは、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを決定する。表示部213は、決定された表示タイミングで、左フレーム画像と右フレーム画像とを、順次、表示する。本実施形態において、制御部216Cは、第2制御部として例示される。
表示装置200Cは、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを通知するための同期制御信号を、制御部216Cの制御下で生成する信号生成部214Cを更に備える。第1実施形態と異なり、信号生成部214Cが生成する同期制御信号が通知する表示タイミングの情報は、制御部216Cが、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを基準に補正されている。表示タイミングの補正は、後述される。
表示装置200Cは、同期制御信号を送信する通信部215Cを更に備える。本実施形態において、信号生成部214Cは、好ましくは、同期制御信号として、無線信号を生成する。通信部215Cは、同期制御信号として生成された無線信号を送信する。本実施形態において、信号生成部214C及び通信部215Cは、制御信号通信部として例示される。通信部215Cとして、図7に関連して説明された送信素子205が用いられてもよい。
表示装置200Cは、映像が観察される環境の温度を検出するための温度検出部217を更に備える。温度検出部217が検出した温度のデータは、制御部216Cに出力される。制御部216Cは、温度データを用いて、表示タイミングを補正する。温度検出部217として、一般的な温度センサが好適に利用される。
(映像システム)
図21は、映像システム300Cの概略図である。図20及び図21を用いて、映像システム300Cが説明される。
映像システム300Cは、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとを備える。通信部215Cは、眼鏡装置100Cへ同期制御信号を送信する。眼鏡装置100Cは、同期制御信号に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングが、表示部213によって表示される左フレーム画像及び右フレーム画像の表示と同期するように、調整動作を行う。第1実施形態とは異なり、表示装置200Cから送信される同期制御信号が含む表示タイミングに関する情報は、補正されているので、眼鏡装置100Cが行う補正のための演算処理は軽減される。
眼鏡装置100Cは、表示装置200Cに、眼鏡装置100Cが実行する調整動作に関する特性データを送信する。表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを受信する。特性データは、後述される。
通信部215Cは、受信された特性データを制御部216Cに出力する。制御部216Cは、通信部215Cからの特性データを記憶する記憶部218を備える。したがって、制御部216Cは、特性データを保持し続けることができる。記憶部218として、図7に関連して説明されたメモリ207が用いられてもよい。
制御部216Cは、特性データと温度検出部217から出力された温度データとを用いて、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを補正する。制御部216Cは、補正された表示タイミングを用いて、信号生成部214Cを制御する。この結果、信号生成部214Cによって生成された同期制御信号は、補正された表示タイミングに関する情報を含むこととなる。
本実施形態において、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間で、Bluetooth(登録商標)、ZigBeeやWiFiといった通信方式に従うパケット通信が実行される。尚、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信方式は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図22は、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信に用いられるパケット構造の概略図である。尚、図22に示されるパケット構造は、Bluetooth(登録商標)に基づく。尚、パケット構造は、本実施形態の原理を何ら限定しない。図20乃至図22を用いて、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信が説明される。
パケット構造は、ペイロードヘッダ、ペイロードボディ及びCRCを含む。表示装置200Cが眼鏡装置100Cに送信する同期制御信号のペイロードボディには、補正された表示タイミングに関するタイミング情報が含まれる。また、眼鏡装置100Cが表示装置200Cに送信する特性データも、ペイロードボディに含まれる。
表示装置200Cの制御部216Cは、信号生成部214Cを制御し、記憶部218に格納された特性データや温度検出部217から出力された温度データに応じて、ペイロードボディに格納されたタイミング情報を変更してもよい。代替的に、制御部216Cは、信号生成部214C及び通信部215Cを制御し、記憶部218に格納された特性データや温度検出部217から出力された温度データに応じて、同期制御信号の送信タイミングを変更してもよい。
(眼鏡装置)
図23は、眼鏡装置100Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。図20及び図23を用いて、眼鏡装置100Cが説明される。
眼鏡装置100Cは、第1実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Cを備える。作動部160Cは、第1実施形態に関連して説明された光量調整部161と、電圧検出部168と、を備える。光量調整部161は、左調整部162と右調整部163とを用いて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を調整するための調整動作を実行する。給電部170は、光量調整部161による調整動作のために用いられる電力を蓄える電源部171と、電源部171からの給電を制御するための給電切替部172と、を備える。電圧検出部168は、左調整部162と右調整部163とを駆動する駆動部164に印加された電圧を検出する。第1実施形態に関連して説明されたように、駆動部164に印加される電圧は、電源部171に蓄えられた電力量を反映する。したがって、電圧検出部168による電圧の検出は、電源部171が蓄える電力量を検出することを意味する。
眼鏡装置100Cは、特性データを記憶する記憶部167Cを更に備える。電圧検出部168が検出した電圧のデータ及び図20を参照して説明された温度検出部217が検出した温度のデータは、表示装置200Cの制御部216Cによる補正処理に用いられる。記憶部167Cは、環境温度と光量調整部161による調整動作との関係並びに駆動部164に印加される電圧と光量調整部161による調整動作との関係を表す特性データを記憶する。
眼鏡装置100Cは、駆動部164を、表示装置200Cから送信された同期制御信号に応じて制御する制御部166Cを更に備える。第1実施形態と異なり、同期制御信号が含む表示タイミングの情報は、表示装置200Cによって補正されているので、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、同期制御信号に対する補正処理のための演算を実行する必要はない。本実施形態において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、第1制御部として例示される。
眼鏡装置100Cは、同期制御信号を受信する通信部165Cを更に備える。通信部165Cは、制御部166Cに同期制御信号を出力する。制御部166Cは、同期制御信号に応じて、駆動部164を制御する。この結果、左調整部162及び右調整部163は、左眼及び右眼への透過光量を適切に調整することができる。
制御部166Cは、記憶部167Cに記憶された特性データを読み出す。通信部165Cは、その後、特性データを表示装置200Cに送信する。表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを受信する。特性データは、表示装置200Cの制御部216Cが備える記憶部218に記憶される。本実施形態において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、データ通信部として例示される。
(特性データ)
図24Aは、眼鏡装置100Cの記憶部167Cに記憶された特性データを例示する表である。図24Bは、任意の検出温度下における光量調整部161の動作速度を表す概略的なグラフである。図20、図23乃至図24Bを用いて、特性データが説明される。
図24Bのグラフは、任意の温度TEMPn(nは、自然数)における透過光量の変動を表す。図24Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最小の透過光量は、符号「Amin」を用いて表されている。図24Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最大の透過光量は、符号「Amax」を用いて表されている。
図24Aの表に表される「上昇時間」は、最小の透過光量「Amin」から最大の透過光量「Amax」に到達するのに要する期間を表す。図24Aの表に表される「下降時間」は、最大の透過光量「Amax」から最小の透過光量「Amin」に到達するのに要する期間を表す。
記憶部167Cは、表示装置200Cの温度検出部217によって検出される環境温度(TEMP1、TEMP2、TEMP3・・・・TEMPn)と、これらの温度に対応する上昇時間(TRT1、TRT2、TRT3・・・・TRTn)及び下降時間(TFT1、TFT2、TFT3・・・・・TFTn)と、を関連づけて記憶する。
図25Aは、眼鏡装置100Cの記憶部167Cに記憶された特性データを例示する表である。図25Bは、任意の検出電圧下における光量調整部161の動作速度を表す概略的なグラフである。図20、図23、図25A及び図25Bを用いて、特性データが説明される。
図25Bのグラフは、任意の電圧VOLTn(nは、自然数)における透過光量の変動を表す。図25Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最小の透過光量は、符号「Amin」を用いて表されている。図25Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最大の透過光量は、符号「Amax」を用いて表されている。
図25Aの表に表される「上昇時間」は、最小の透過光量「Amin」から最大の透過光量「Amax」に到達するのに要する期間を表す。図25Aの表に表される「下降時間」は、最大の透過光量「Amax」から最小の透過光量「Amin」に到達するのに要する期間を表す。
記憶部167Cは、眼鏡装置100Cの電圧検出部168によって検出される電圧(VOLT1、VOLT2、VOLT3・・・・VOLTn)と、これらの温度に対応する上昇時間(TRV1、TRV2、TRV3・・・・TRVn)及び下降時間(TFV1、TFV2、TFV3・・・・・TFVn)と、を関連づけて記憶する。
図26は、眼鏡装置100Cの制御部166Cによって作成されるデータ列構造の概略図である。図20、図22、図23、図24A及び図25Aを用いて、データ列構造が説明される。
記憶部167Cに記憶された特性データを読み出した制御部166Cは、表示装置200Cへ特性データを送信するためにパケット信号を生成する。図24A及び図25Aの表で表されたデータは、パケット構造のペイロードボディに組み込まれる。図26に示されるデータ列構造は、ペイロードボディに組み込まれるデータ列の構造を概略的に表す。尚、データ列の構造は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図26に示されるデータ構造列1は、図24A及び図25Aの表の行ごとに読み取られ、整列されたデータを含む。データ構造列2は、図24A及び図25Aの表の列ごとに読み取られ、整列されたデータを含む。制御部166Cは、図26に例示されるデータ構造列で表される情報を含むパケット信号を生成する。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、制御部166Cが生成したパケット信号を表示装置200Cへ送信する。
表示装置200Cの通信部215Cは、パケット信号を受信する。表示装置200Cの制御部216Cは、パケット信号が含むデータ構造列を解釈し、記憶部218に特性データを記憶する。
図24Aに示される特性データは、複数の検出電圧に対応して作成されることが好ましい。また、図25Aに示される特性データは、複数の検出温度に対応して作成されることが好ましい。この結果、表示装置200Cは、温度検出部217が検出した温度と電圧検出部168が検出した温度との組み合わせに関連づけられた上昇時間及び下降時間を決定することができる。
図24Aに示される特性データが、複数の検出電圧に対応して作成され、及び/又は、図25Aに示される特性データが、複数の検出温度に対応して作成されるならば、データ列構造が長すぎ、1つのパケット信号に収まらないこともある。この場合、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、データ列構造を分割し、複数のパケット信号を用いて、特性データを送信してもよい。
上述の如く、電圧検出部168は、駆動部164に印加された電圧を検出する。電圧検出部168は、検出された電圧に関するデータを制御部166Cに出力する。上述の特性データを送信するためのパケット信号の生成の後、制御部166Cは、検出された電圧の情報を含むパケット信号を生成する。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、検出された電圧の情報を含むパケット信号を表示装置200Cへ送信する。
表示装置200Cの通信部215Cは、電圧検出部168が検出した電圧の情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Cは、その後、検出された電圧の情報を制御部216Cに出力する。
温度検出部217は、上述の如く、環境温度に関するデータを制御部216Cに出力する。したがって、制御部216Cには、眼鏡装置100Cの電圧検出部168が検出した電圧に関する情報及び表示装置200Cの温度検出部217が検出した環境温度に関する情報が入力される。
制御部216Cは、上述の特性データと、眼鏡装置100Cの電圧検出部168が検出した電圧に関する情報及び表示装置200Cの温度検出部217が検出した環境温度に関する情報と、を対比し、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを補正する。
本実施形態において、上昇時間及び下降時間は、最大の透過光量と最小の透過光量との間での変動期間として定義されている。代替的に、上昇時間及び下降時間は、他の定義に従ってもよい。例えば、上昇時間及び下降時間は、最大の透過光量の90%と最大の透過光量の10%との間での変動期間として定義されてもよい。
(変動タイミングの補正)
図27は、左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正を表す概略的なタイミングチャートである。図20、図23、図24A、図25A及び図27を用いて、左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正が説明される。
図27のセクション(a)は、左フレーム画像が表示される左フレーム期間と、右フレーム画像が表示される右フレーム期間と、を表す。映像処理部212を制御する制御部216Cは、左フレーム期間と右フレーム期間とを交互に規定する。制御部216Cは、左フレーム期間に左フレーム画像のデータが映像処理部212から表示部213へ出力されるように、映像処理部212を制御する。制御部216Cは、右フレーム期間に右フレーム画像のデータが映像処理部212から表示部213へ出力されるように、映像処理部212を制御する。この結果、表示部213は、左フレーム期間に左フレーム画像を表示し、右フレーム期間に右フレーム画像を表示する。
図27のセクション(b)及びセクション(c)は、表示装置200Cの制御部216Cによって設定される増大期間(左眼及び右眼への透過光量が増大している期間)のタイミングを表す。図27のセクション(b)は、温度検出部217から取得した温度データが「TEMP1」であり、且つ、眼鏡装置100Cから送られた電圧データが「VOLT1」であるときに設定された増大期間のタイミングを表す。図27のセクション(c)は、温度検出部217から取得した温度データが「TEMP3」であり、且つ、眼鏡装置100Cから送られた電圧データが「VOLT3」であるときに設定された増大期間のタイミングを表す。
「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件と「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件との間において、図24A及び図25Aを参照して説明された上昇時間及び下降時間は異なる。したがって、制御部216Cは、信号生成部214を制御し、両条件間において、透過光量を増大させる増大期間に関し、互いに異なる情報を含む同期制御信号を生成する。本実施形態において、「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件の下で生成された同期制御信号は、増大期間に関して、「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件の下で生成された同期制御信号よりも遅いタイミングを通知するための情報を含む。
図27のセクション(d)及びセクション(e)は、眼鏡装置100Cの光量調整部161による調整動作によって規定される実際の増大期間のタイミングを表す。図27のセクション(d)は、図27のセクション(b)を参照して説明された設定の下で得られた増大期間を表す。図27のセクション(e)は、図27のセクション(c)を参照して説明された設定の下で得られた増大期間を表す。
光量調整部161は、「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件の下において、「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件下よりも、同期制御信号に対して速く応答することができる。したがって、図27のセクション(b)及びセクション(c)に関連して説明された設定の差異は、光量調整部161の動作速度の変動によって略相殺される。したがって、図27のセクション(d)及びセクション(e)に示される増大期間のタイミングは、略等しくなる。したがって、眼鏡装置100Cは、様々な環境温度の条件及び様々な蓄電量の条件の下において、同期制御信号に対して安定した応答動作を実行することができる。本実施形態において、増大期間のタイミングが調整されている。代替的に、透過光量が減少されている減少期間が調整処理の対象として取り扱われてもよい。
(映像システムの制御方法)
図28は、映像システム300Cの制御方法を表す概略的なフローチャートである。図20、図21、図23及び図28を用いて、映像システム300Cの制御方法が説明される。
(ステップS205)
ステップS205において、眼鏡装置100Cの給電部170は、作動部160Cに給電を開始する。この結果、作動部160Cの様々な要素が動作可能となる。作動部160Cへの給電の後、ステップS210が実行される。
(ステップS210)
ステップS210において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、給電の開始に応じて、眼鏡装置100Cと通信可能な表示装置200Cを検索するための検索信号を生成する。検索信号は、眼鏡装置100C自身の通信アドレスに関する情報を含む。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、検索信号を送信する。検索信号の送信の後、表示装置200Cは、ステップS215を実行する。
(ステップS215)
ステップS215において、表示装置200Cの通信部215Cは、検索信号を受信する。通信部215Cは、検索信号の受信を、眼鏡装置100Cの通信アドレスに関する情報とともに制御部216Cへ通知する。その後、表示装置200Cは、ステップS220を実行する。
(ステップS220)
ステップS220において、表示装置200Cの制御部216Cは、信号生成部214Cを制御し、検索信号に応答するための応答信号を生成する。信号生成部214Cによって生成された応答信号は、表示装置200C自身の通信アドレスに関する情報を含む。通信部215Cは、眼鏡装置100Cの通信アドレスに応答信号を送信する。応答信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS225を実行する。
(ステップS225)
ステップS225において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、応答信号を受信する。通信部165Cは、制御部166Cへ応答信号の受信とともに表示装置200Cの通信アドレスに関する情報を通知する。この結果、眼鏡装置100Cは、表示装置200Cの通信アドレスに関する情報を取得し、表示装置200Cは、眼鏡装置100Cの通信アドレスに関する情報を取得する。かくして、眼鏡装置100Cと表示装置200Cとの間で、無線通信路が開かれる。無線通信路が設定された後、眼鏡装置100Cは、ステップS230を実行する。
(ステップS230)
ステップS230において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、記憶部167Cに予め記憶された特性データを読み出す。尚、特性データは、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された測定技術を用いて、眼鏡装置100Cに対して個別に取得されている。したがって、特性データは、眼鏡装置100Cの固有の応答特性を表す。
制御部166Cは、読み出された特性データを用いて、パケット信号を生成する。通信部165Cは、生成されたパケット信号を表示装置200Cの通信アドレスへ送信する。特性データの送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS245を実行する。表示装置200Cは、ステップS235を実行する。
(ステップS235)
ステップS235において、表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを表すパケット信号を受信する。通信部215Cは、パケット信号が表す特性データに関する情報を制御部216Cに出力する。制御部216Cは、通信部215Cが出力した情報を解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、制御部216Cの記憶部218に格納される。特性データが記憶部218に格納された後、表示装置200Cは、ステップS240を実行する。
(ステップS240)
ステップS240において、温度検出部217は、映像が観察される環境の温度を検出する。温度検出部217は、検出された温度に関するデータを制御部216Cに出力する。
(ステップS245)
ステップS245において、電圧検出部168は、駆動部164に印加されている電圧を検出する。電圧検出部168は、検出された電圧に関するデータを制御部166Cへ出力する。電圧データの出力の後、眼鏡装置100Cは、ステップS250を実行する。
(ステップS250)
ステップS250において、制御部166Cは、電圧データを用いて、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号を生成する。パケット信号は、通信部165Cを通じて、表示装置200Cへ送信される。パケット信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS255を実行し、表示装置200Cは、ステップS260を実行する。
(ステップS255)
ステップS255において、眼鏡装置100Cは、ステップS250において実行されたパケット信号の送信からの経過時間を測定する。経過時間が所定の長さを超えるならば、ステップS245が実行される。経過時間が所定の長さ以内であるならば、ステップS255が継続される。かくして、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号は、表示装置200Cへ周期的に送信されることとなる。
(ステップS260)
ステップS260において、表示装置200Cの通信部215Cは、眼鏡装置100Cの駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Cは、その後、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を制御部216Cに出力する。この結果、制御部216Cは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得することとなる。制御部216Cは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得した後、表示装置200Cは、ステップS265を実行する。
(ステップS265)
ステップS265において、制御部216Cは、映像処理部212に対して定めた表示タイミング(即ち、フレーム期間の開始及び/又は終了のタイミング)を基準に、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少させるべきタイミングを決定する。制御部216Cは、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報と特性データとを対比し、表示タイミングを基準に決定されたタイミングを補正する。制御部216Cは、補正されたタイミングに関する情報を含む同期制御信号を、信号生成部214Cに生成させる。この結果、信号生成部214Cが生成する同期制御信号は、環境温度及び駆動部164に印加されている電圧の条件下における光量調整部161の動作特性を適切に反映したタイミングを眼鏡装置100Cに通知することができる。同期制御信号の生成の後、表示装置200Cは、ステップS270を実行する。
(ステップS270)
ステップS270において、通信部215Cは、信号生成部214Cが生成した同期制御信号を眼鏡装置100Cの通信アドレスに送信する。同期制御信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS275を実行する。
(ステップS275)
ステップS275において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、同期制御信号を受信する。同期制御信号は、その後、制御部166Cへ出力される。制御部166Cが同期制御信号を受け取った後、眼鏡装置100Cは、ステップS280を実行する。
(ステップS280)
ステップS280において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、光量調整部161の駆動部164を制御する。この結果、左調整部162は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。
<第5実施形態>
(眼鏡装置)
図29は、第5実施形態の眼鏡装置100Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。第4実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第4実施形態の説明が援用される。第4実施形態と第5実施形態との間の差異が以下に説明される。
眼鏡装置100Dは、第4実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、光量の調整動作を司る作動部160Dを備える。作動部160Dは、第4実施形態に関連して説明された光量調整部161及び記憶部167Cを備える。
作動部160Dは、駆動部164の温度を、映像が観察される環境の温度として測定する検出部168Dを更に備える。検出部168Dは、光量調整部161の温度だけでなく、駆動部164に印加された電圧も検出する。本実施形態において、検出部168Dは、温度検出部及び/又は電力検出部として例示される。
作動部160Dは、駆動部164を制御する制御部166Dを更に備える。制御部166Dは、第4実施形態と同様に、記憶部167Cに格納された特性データを用いて、パケット信号を生成する。検出部168Dは、制御部166Dに、環境温度に関するデータと駆動部164に印加された電圧に関するデータとを出力する。制御部166Dは、検出部168Dから出力されたデータに応じたパケット信号も生成する。
作動部160Dは、パケット信号を送信するための通信部165Dを更に備える。通信部165Dは、第4実施形態と同様に、適切に補正された変動タイミングに関する情報を含む同期制御信号を受信する。通信部165Dは、同期制御信号を制御部166Dに出力する。制御部166Dは、同期制御信号に応じて、駆動部164を制御する。この結果、光量調整部161は、左眼及び右眼の透過光量を適切なタイミングで増大又は減少させることができる。
(映像システム)
図30は、映像システム300Dの概略図である。図29及び図30を用いて、映像システム300Dが説明される。
映像システム300Dは、眼鏡装置100Dと表示装置200Dとを備える。第4実施形態と同様に、眼鏡装置100Dは、特性データを表示装置200Dへ送信する。眼鏡装置100Dから送信される特性データは、第4実施形態と同様に、環境温度と光量調整部161による調整動作との関係並びに駆動部164に印加される電圧と光量調整部161による調整動作との関係を表す。第4実施形態と異なり、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、電圧に関する情報(データ)だけでなく、環境温度に関する情報(データ)を表示装置200Dへ送信する。本実施形態において、通信部165Dは、データ通信部として例示される。
(表示装置)
図31は、表示装置200Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。図29及び図31を用いて、表示装置200Dが説明される。
表示装置200Dは、第4実施形態に関連して説明された入力部211、映像処理部212、表示部213及び信号生成部214Cを備える。表示装置200Dは、眼鏡装置100Dが生成したパケット信号を受信する通信部215Dを更に備える。第4実施形態と同様に、通信部215Dは、特性データを含むパケット信号を受信する。第4実施形態と異なり、通信部215Dは、電圧に関する情報だけでなく、環境温度に関する情報を含むパケット信号を受信する。本実施形態において、通信部215Dは、制御信号通信部として例示される。
表示装置200Dは、信号生成部214Cを制御し、同期制御信号を生成する制御部216Dを更に備える。制御部216Dは、第4実施形態と同様に、記憶部218を備える。
通信部215Dは、眼鏡装置100Dから受信したパケット信号が含む特性データを制御部216Dへ出力する。制御部216Dは、第4実施形態と同様の手法を用いて、通信部215Dからの出力データを解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、記憶部218に記憶される。
第4実施形態と異なり、制御部216Dは、電圧に関する情報だけでなく、環境温度に関する情報も、通信部215Dから取得する。第4実施形態と同様に、制御部216Dは、特性データと、電圧に関する情報及び環境温度に関する情報を対比し、検出された電圧条件及び温度条件の下での光量調整部161の応答特性に適合した同期制御信号を生成する。
(映像システムの制御方法)
図32は、映像システム300Dの制御方法を表す概略的なフローチャートである。図29乃至図32を用いて、映像システム300Dの制御方法が説明される。
(ステップS305)
ステップS305において、眼鏡装置100Dの給電部170は、作動部160Dに給電を開始する。この結果、作動部160Dの様々な要素が動作可能となる。作動部160Dへの給電の後、ステップS310が実行される。
(ステップS310)
ステップS310において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、給電の開始に応じて、眼鏡装置100Dと通信可能な表示装置200Dを検索するための検索信号を生成する。検索信号は、眼鏡装置100D自身の通信アドレスに関する情報を含む。眼鏡装置100Dの通信部165Dは、検索信号を送信する。検索信号の送信の後、表示装置200Dは、ステップS315を実行する。
(ステップS315)
ステップS315において、表示装置200Dの通信部215Dは、検索信号を受信する。通信部215Dは、検索信号の受信を、眼鏡装置100Dの通信アドレスに関する情報とともに制御部216Dへ通知する。その後、表示装置200Dは、ステップS320を実行する。
(ステップS320)
ステップS320において、表示装置200Dの制御部216Dは、信号生成部214Cを制御し、検索信号に応答するための応答信号を生成する。信号生成部214Cによって生成された応答信号は、表示装置200D自身の通信アドレスに関する情報を含む。通信部215Dは、眼鏡装置100Dの通信アドレスに応答信号を送信する。応答信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS325を実行する。
(ステップS325)
ステップS325において、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、応答信号を受信する。通信部165Dは、制御部166Dへ応答信号の受信とともに表示装置200Dの通信アドレスに関する情報を通知する。この結果、眼鏡装置100Dは、表示装置200Dの通信アドレスに関する情報を取得し、表示装置200Dは、眼鏡装置100Dの通信アドレスに関する情報を取得する。かくして、眼鏡装置100Dと表示装置200Dとの間で、無線通信路が開かれる。無線通信路が設定された後、眼鏡装置100Dは、ステップS330を実行する。
(ステップS330)
ステップS330において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、記憶部167Cに予め記憶された特性データを読み出す。尚、特性データは、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された測定技術を用いて、眼鏡装置100Dに対して個別に取得されている。したがって、特性データは、眼鏡装置100Dの固有の応答特性を表す。
制御部166Dは、読み出された特性データを用いて、パケット信号を生成する。通信部165Dは、生成されたパケット信号を表示装置200Dの通信アドレスへ送信する。特性データの送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS345を実行する。表示装置200Dは、ステップS335を実行する。
(ステップS335)
ステップS335において、表示装置200Dの通信部215Dは、特性データを表すパケット信号を受信する。通信部215Dは、パケット信号が表す特性データに関する情報を制御部216Dに出力する。制御部216Dは、通信部215Dが出力した情報を解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、制御部216Dの記憶部218に格納される。
(ステップS345)
ステップS345において、検出部168Dは、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度を検出する。検出部168Dは、検出された電圧及び温度に関するデータを制御部166Dへ出力する。電圧データ及び温度データの出力の後、眼鏡装置100Dは、ステップS350を実行する。
(ステップS350)
ステップS350において、制御部166Dは、電圧データを用いて、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号を生成する。パケット信号は、通信部165Dを通じて、表示装置200Dへ送信される。パケット信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS355を実行し、表示装置200Dは、ステップS360を実行する。
(ステップS355)
ステップS355において、眼鏡装置100Dは、ステップS350において実行されたパケット信号の送信からの経過時間を測定する。経過時間が所定の長さを超えるならば、ステップS345が実行される。経過時間が所定の長さ以内であるならば、ステップS355が継続される。かくして、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号は、表示装置200Dへ周期的に送信されることとなる。
(ステップS360)
ステップS360において、表示装置200Dの通信部215Dは、眼鏡装置100Dの駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Dは、その後、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を制御部216Dに出力する。この結果、制御部216Dは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得することとなる。制御部216Dは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得した後、表示装置200Dは、ステップS365を実行する。
(ステップS365)
ステップS365において、制御部216Dは、映像処理部212に対して定めた表示タイミング(即ち、フレーム期間の開始及び/又は終了のタイミング)を基準に、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少させるべきタイミングを決定する。制御部216Dは、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報と特性データとを対比し、表示タイミングを基準に決定されたタイミングを補正する。制御部216Dは、補正されたタイミングに関する情報を含む同期制御信号を、信号生成部214Cに生成させる。この結果、信号生成部214Cが生成する同期制御信号は、環境温度及び駆動部164に印加されている電圧の条件下における光量調整部161の動作特性を適切に反映したタイミングを眼鏡装置100Dに通知することができる。同期制御信号の生成の後、表示装置200Dは、ステップS370を実行する。
(ステップS370)
ステップS370において、通信部215Dは、信号生成部214Cが生成した同期制御信号を眼鏡装置100Dの通信アドレスに送信する。同期制御信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS375を実行する。
(ステップS375)
ステップS375において、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、同期制御信号を受信する。同期制御信号は、その後、制御部166Dへ出力される。制御部166Dが同期制御信号を受け取った後、眼鏡装置100Dは、ステップS380を実行する。
(ステップS380)
ステップS380において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、光量調整部161の駆動部164を制御する。この結果、左調整部162は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。
上述の様々な実施形態は、単に例示的なものである。したがって、上述の実施形態の原理は、上記の詳細な説明や図面に記載の事項に限定されない。上述の実施形態の原理の範囲内で、当業者が様々な変形、組み合わせや省略を行うことができることは容易に理解される。
上述の補正制御は、光量調整部を駆動するための駆動信号の立ち上がりの時刻から光量調整部における透過率が50%に増大又は減少するまでの期間に対して行われてもよい。代替的に、同期制御信号の立ち上がり又は立ち下がりの時刻から光量調整部における透過率が90%に増大するまでの期間に対して行われてもよい。或いは、同期制御信号の立ち上がり又は立ち下がりの時刻から光量調整部における透過率が10%に減少するまでの期間に対して行われてもよい。
左フレーム期間の開始に同期して立ち上がり、右フレーム期間の開始に同期して立ち下がるような信号波形を有する同期制御信号が、上述の補正制御の基準及び表示装置と眼鏡装置との間の通信信号として用いられてもよい。本実施形態の原理は、同期制御信号の波形に限定されるものではない。
上述された実施形態は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一の局面に係る眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、光量調整部は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整するための調整動作を実行する。この結果、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
光量調整部を制御する第1制御部は、受信部によって受信された同期制御信号が規定する変動タイミングを、記憶部に格納された特性データに基づいて補正する。調整動作に関する特性データに基づき、変動タイミングが補正されるので、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上記構成において、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部を更に備え、前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記第1制御部は、前記電力量に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。電源部は、調整動作の実行のために電力を供給するので、電源部が蓄える電力量は減少する。第1制御部は、電力量に応じて、変動タイミングに対する補正量を決定するので、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。したがって、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上記構成において、前記特性データは、前記映像が観察される環境の温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記第1制御部は、前記温度に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。第1制御部は、温度に応じて、変動タイミングに対する補正量を決定するので、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。したがって、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上記構成において、眼鏡装置は、前記電力量を検出する電力検出部を更に備えることが好ましい。
上記構成によれば、電力検出部は、電力量を検出するので、第1制御部は、電力量に応じて、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。したがって、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上記構成において、眼鏡装置は、前記温度を検出する温度検出部を更に備えることが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、温度を検出するので、第1制御部は、温度に応じて、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。したがって、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上記構成において、前記特性データは、前記光量調整部に対して固有に定められたデータであることが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、光量調整部に対して固有に定められたデータであるので、第1制御部は、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記制御信号通信部は、前記眼鏡装置から、前記調整動作に関する特性データを受信し、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、表示部は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する。第2制御部は、表示部に表示タイミングで左フレーム画像と右フレーム画像とを順次表示させる。制御信号通信部は、第2制御部の制御下で、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ同期制御信号を送信し、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを通知する。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、調整動作を行うことができる。
制御信号通信部は、眼鏡装置から、調整動作に関する特性データを受信する。第2制御部は、表示タイミングと特性データとに基づき、同期制御信号の送信を制御するので、眼鏡装置は、特性データに応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、前記同期制御信号は、前記表示タイミングに関するタイミング情報を含み、前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記タイミング情報を変更することが好ましい。
上記構成によれば、同期制御信号は、表示タイミングに関するタイミング情報を含む。第2制御部は、特性データに応じて、タイミング情報を変更するので、眼鏡装置は、特性データに応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記同期制御信号の送信タイミングを変更することが好ましい。
上記構成によれば、第2制御部は、特性データに応じて、同期制御信号の送信タイミングを変更するので、眼鏡装置は、特性データに応じたタイミングで、同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、表示装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を更に備え、前記特性データは、前記温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表し、前記第2制御部は、前記温度に応じて、前記送信を制御することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表す。第2制御部は、温度検出部によって検出された環境温度に応じて、同期制御信号の送信を制御するので、環境温度に応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、温度が変化する環境下においても、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上述の実施形態の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
表示装置の送信部は、変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する。眼鏡装置の受信部は、同期制御信号を受信する。調整動作を実行する光量調整部を制御する第1制御部は、受信部によって受信された同期制御信号が規定する変動タイミングを、記憶部に格納された特性データに基づいて補正する。調整動作に関する特性データに基づき、変動タイミングが補正されるので、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を実行する光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、前記表示装置は、前記映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記特性データを受信し、且つ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で前記データ通信部へ送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
記憶部は、光量調整部によって実行される調整動作に関する特性データを格納する。データ通信部は、特性データを表示装置に送信する。表示装置の制御信号通信部は、特性データを受信する。この結果、眼鏡装置の特性データは、表示装置に伝達される。
表示装置の第2制御部は、左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定する。表示部は、第2制御部の制御下において、表示タイミングで左フレーム画像と右フレーム画像とを順次表示させる。この結果、観察者は、表示部が表示する映像を立体的に知覚することができる。
表示装置の制御信号通信部は、同期制御信号を、第2制御部の制御下で、眼鏡装置のデータ通信部へ送信する。この結果、表示タイミングは、眼鏡装置に通知される。
表示装置の第2制御部は、表示タイミングと特性データとに基づき、同期制御信号の送信を制御するので、眼鏡装置の第1制御部は、同期制御信号に応じて、光量調整部を適切に制御することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、前記眼鏡装置は、前記眼鏡装置は、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部と、該電源部が蓄える電力量を検出する電力検出部と、を含み、前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記電力量に関する電力情報を前記制御信号通信部へ送信し、前記第2制御部は、前記電力情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。電源部は、調整動作の実行のために電力を供給するので、電源部が蓄える電力量は減少する。電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す特性データが送信された後、データ通信部は、電力量に関する電力情報を制御信号通信部へ送信する。この結果、眼鏡装置の特性データだけでなく電力情報も、表示装置に伝達される。表示装置の第2制御部は、電力情報と特性データとを対比し、同期制御信号の前記送信を制御するので、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上記構成において、前記眼鏡装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を含み、前記特性データは、前記温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記温度に関する温度情報を前記制御信号通信部へ送信し、前記第2制御部は、前記温度情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す特性データが送信された後、データ通信部は、温度検出部によって検出された温度に関する温度情報を制御信号通信部へ送信する。この結果、眼鏡装置の特性データだけでなく温度情報も、表示装置に伝達される。表示装置の第2制御部は、温度情報と特性データとを対比し、同期制御信号の前記送信を制御するので、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置に適用される。制御方法は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行うために、変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する。その後、眼鏡装置は、同期制御信号によって規定された変動タイミングを、調整動作に関する特性データに基づいて補正する。したがって、眼鏡装置は、適切に制御された調整動作を行うことができる。
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムに適用される。制御方法は、前記調整動作に関する特性データを、前記眼鏡装置から前記表示装置へ送信する段階と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像が表示される表示タイミングを決定する段階と、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを前記眼鏡装置へ通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
調整動作に関する特性データは、眼鏡装置から表示装置へ送信される。したがって、表示装置は、特性データを取得することができる。同期制御の送信は、左フレーム画像及び右フレーム画像が表示される表示タイミングと特性データとに基づき制御されるので、特性データに応じた表示タイミングが眼鏡装置へ通知される。したがって、眼鏡装置は、適切に制御された調整動作を行うことができる。
上述の実施形態の原理は、眼鏡装置の補助下で映像を視聴させる映像技術に好適に利用される。
【書類名】明細書
【発明の名称】眼鏡装置、表示装置、眼鏡装置及び表示装置を備える映像システム並びに眼鏡装置及び映像システムの制御方法
【技術分野】
【0001】
立体映像を観察者に適切に観察させるための映像技術に関する。
【背景技術】
【0002】
3D映画の普及に伴って、家庭内で3D映像を視聴するための表示装置が、開発並びに市販されている(特許文献1乃至5参照)。3D映像用の表示装置は、典型的には、フレームシーケンシャル方式(時分割方式とも称される)を採用している。表示装置は、左眼で視聴される左フレーム画像と、右眼で視聴される右フレーム画像と、を時間的に交互に切り替えて表示する。
【0003】
フレームシーケンシャル方式或いは時分割方式を採用する表示装置として、映画館で用いられるプロジェクタや家庭内で用いられるテレビ装置やパーソナルコンピュータのディスプレイ装置が例示される。これらの3D表示装置は、左フレーム画像と右フレーム画像とを時間的に交互に切り替えて表示する。
【0004】
観察者は、眼鏡装置(一般的に、3Dアクティブシャッタ眼鏡と称される)を介して、3D表示装置が表示する映像を観察する。眼鏡装置は、左眼前に配設される左シャッタと、右眼前に配設される右シャッタと、を備える。左眼及び右眼へ透過する映像光の量は、左シャッタ及び右シャッタの開閉動作に応じて、変動する。
【0005】
表示装置は、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示に同期する同期制御信号を送信する。同期制御信号として、例えば、赤外(IR)信号や無線(RF)信号が用いられる。同期制御信号を受信した眼鏡装置は、左フレーム画像の表示に同期して、左シャッタを開く一方で、右シャッタを閉じる。また、眼鏡装置は、右フレーム画像の表示に同期して、右シャッタを開く一方で、左シャッタを閉じる。かくして、左フレーム画像からの映像光は左眼のみに透過し、右フレーム画像からの映像光は右眼のみに透過する。
【0006】
同期制御信号に対するシャッタの応答特性は、眼鏡装置ごとに異なることもある。例えば、ある眼鏡装置(以下、「眼鏡装置A」と称される)は、右シャッタを開く又は閉じるための同期制御信号を受け取ってから、右シャッタを開く又は閉じるために、「X1」の期間だけ要する。他の眼鏡装置(以下、「眼鏡装置B」と称される)は、右シャッタを開く又は閉じるための同期制御信号を受け取ってから右シャッタを開く又は閉じるために、「X1」より短い又は長い「X2」の期間だけ要する。左シャッタに関しても、眼鏡装置A,B間において、応答期間の差異は生じうる。
【0007】
眼鏡装置A,Bとの間の型式が異なるならば、例えば、眼鏡装置A,B間の設計の相違に起因して、上述の応答期間の差異が生じうる。眼鏡装置A,Bとの間の型式が同一であっても、例えば、シャッタに用いられる素子の特性のばらつきに起因して、上述の応答期間の差異が生じうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許公開公報第2011/0228215号明細書
【特許文献2】米国特許公開公報第2011/0043753号明細書
【特許文献3】米国特許公開公報第2011/0181708号明細書
【特許文献4】米国特許公開公報第2011/0242293号明細書
【特許文献5】米国特許公開公報第2010/0295929号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、眼鏡装置の動作特性に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整することができる映像技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面に係る眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
【0011】
本発明の他の局面に係る表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする。
【0012】
本発明の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、前記調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
【0013】
本発明の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を実行する光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、前記表示装置は、前記映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記データ通信部へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置に用いられる。制御方法は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムに用いられる。制御方法は、前記調整動作に関する特性データを、前記表示装置へ送信する段階と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定する段階と、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、眼鏡装置の動作特性に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整することができる。
【0017】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の眼鏡装置の概略的な斜視図である。
【図2】一般的な眼鏡装置の応答特性を表す概略的なタイミングチャートである。
【図3】図1に示される眼鏡装置のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。
【図4】図3に示される眼鏡装置に格納される特性データを取得するための測定システムの概略図である。
【図5A】図4に示される測定システムを用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。
【図5B】図4に示される測定システムを用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。
【図6】図3に示される眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図7】図3に示される眼鏡装置とともに用いられる表示装置のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。
【図8】図7に示される表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図9】図6に示される眼鏡装置の制御部による同期制御信号に対する処理を表す概略的な表である。
【図10】図6に示される眼鏡装置の制御部によって作成された基準データを表す概略的なグラフである。
【図11】図6に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを表す概略的な表である。
【図12】図6に示される眼鏡装置の制御部による補正処理を概略的に表すグラフである。
【図13】図6に示される眼鏡装置を備える映像システムの概略図である。
【図14】図6に示される眼鏡装置の制御方法を表す概略的なフローチャートである。
【図15】第2実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図16】図15に示される眼鏡装置の記憶部に記憶される特性データを概略的に表す表である。
【図17】図15に示される眼鏡装置の制御部による補正処理を概略的に表すグラフである。
【図18】第3実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図19】 図18に示される眼鏡装置の駆動部の温度と給電期間との関係を表す概略的なグラフである。
【図20】第4実施形態の表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図21】図20に示される表示装置を備える映像システムの概略図である。
【図22】図21に示される映像システムの表示装置と眼鏡装置との間の通信に用いられるパケット構造の概略図である。
【図23】図21に示される映像システムの眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図24A】図23に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを例示する表である。
【図24B】図23に示される眼鏡装置の光量調整部の動作速度を表す概略的なグラフである。
【図25A】図23に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを例示する表である。
【図25B】図23に示される眼鏡装置の光量調整部の動作速度を表す概略的なグラフである。
【図26】図23に示される眼鏡装置の制御部によって作成されるデータ列構造の概略図である。
【図27】左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正を表す概略的なタイミングチャートである。
【図28】図21に示される映像システムの制御方法を表す概略的なフローチャートである。
【図29】第5実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図30】図29に示される眼鏡装置を備える映像システムの概略図である。
【図31】図30に示される映像システムの表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。
【図32】図30に示される映像システムの制御方法を表す概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
例示的な映像技術が、添付の図面を参照して説明される。尚、図面に示される構成、配置或いは形状等並びに図面に関連する記載は、映像技術の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、映像技術の原理は、以下の詳細な説明に何ら限定するものではない。
【0020】
<第1実施形態>
(眼鏡装置)
図1は、第1実施形態の眼鏡装置100の概略的な斜視図である。図1を用いて、眼鏡装置100が説明される。
【0021】
眼鏡装置100は、観察者の左眼及び右眼へ透過する光量を調整するシャッタ部110を備える。シャッタ部110は、観察者の左眼前に配置される左シャッタ111と、右眼前に配置される右シャッタ112と、を含む。
【0022】
表示装置(後述される)が、左眼で観察される左フレーム画像を表示している間、左シャッタ111が開く一方で、右シャッタ112は閉じる。この結果、左眼へ到達する映像光の量は大きくなる一方で、右眼へ到達する映像光の量は小さくなる。かくして、観察者は、左眼で主に左フレーム画像を観察することとなる。
【0023】
表示装置が、右眼で観察される右フレーム画像を表示している間、左シャッタ111が閉じる一方で、右シャッタ112は開く。この結果、左眼へ到達する映像光の量は小さくなる一方で、右眼へ到達する映像光の量は大きくなる。かくして、観察者は、右眼で主に右フレーム画像を観察することとなる。
【0024】
表示装置が、例えば、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示し、且つ、左シャッタ111及び右シャッタ112が、上述の如く、左フレーム画像及び右フレーム画像に同期して、開閉するならば、観察者は、左フレーム画像と右フレーム画像とを脳内で合成する。左フレーム画像に描かれるオブジェクトと右フレーム画像に描かれるオブジェクトとの間には、例えば、位置的な差異が設けられているので、観察者は、位置的な差異量の分だけ、映像が表示される表示面からオブジェクトが飛び出したように、或いは、表示面からオブジェクトが引っ込んだように知覚することができる(即ち、観察者は、表示装置が表示する映像を立体的に知覚する)。
【0025】
上述の如く、左シャッタ111は、左眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを左フレーム画像の表示期間(左フレーム期間)に適合させる。右シャッタ112は、右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを右フレーム画像の表示期間(右フレーム期間)に適合させる。この結果、観察者は、表示装置が表示する映像を立体的に知覚することができる。以下の説明において、シャッタ部110による変動タイミングの調整は、「調整動作」と称される。本実施形態において、シャッタ部110は、光量調整部として例示される。
【0026】
シャッタ部110の調整動作は、表示装置から送信される同期制御信号に基づいて制御される。眼鏡装置100は、同期制御信号を受信する受信素子150を備える。本実施形態において、同期制御信号は、赤外線信号であってもよく、或いは、無線信号であってもよい。本実施形態において、受信素子150は、受信部として例示される。
【0027】
表示装置は、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示の開始のタイミングを、眼鏡装置100に通知するために同期制御信号を送信する。眼鏡装置100が、同期制御信号に応じて、左フレーム画像の表示の開始に同期して、左シャッタ111を開くならば、観察者は、左フレーム画像を適切に観察することができる。眼鏡装置100が、同期制御信号に応じて、右フレーム画像の表示の開始に同期して、右シャッタ112を開くならば、観察者は、右フレーム画像を適切に観察することができる。本実施形態において、同期制御信号は、各フレーム画像のタイミングを規定するために用いられる。
【0028】
本実施形態において、同期制御信号が規定する変動タイミングは、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示タイミングに専ら依存する。同期制御信号に対する眼鏡装置100の応答特性は、眼鏡装置100の固有の性能や眼鏡装置100が使用される環境(温度環境や電池残量)に影響される。したがって、シャッタ部110の調整動作が、眼鏡装置100の応答特性に大きく影響されるならば、表示装置が同期制御信号を適切に送信しても、観察者が適切なタイミングで左フレーム画像及び/又は右フレーム画像を観察できないこともある。本実施形態の原理は、眼鏡装置100のシャッタ部110の応答特性のばらつき或いは変動が調整動作に与える影響を補償することに貢献する。
【0029】
眼鏡装置100は、シャッタ部110を支持するフレーム部121と、フレーム部121から観察者の耳へ向けて延びるアーム部122と、を備える。したがって、観察者は、一般的な視力矯正用の眼鏡と同様に、眼鏡装置100を着用することができる。この結果、左シャッタ111は、左眼前に配置され、且つ、右シャッタ112は、右眼前に配置される。
【0030】
眼鏡装置100は、シャッタ部110への給電を制御するためのスイッチ素子130を更に備える。観察者がスイッチ素子130を「オン位置」に設定するならば、眼鏡装置100内の様々な要素(後述される)への給電が開始される。観察者がスイッチ素子130を「オフ位置」に設定するならば、眼鏡装置100内の様々な要素への給電は停止される。したがって、観察者は、スイッチ素子130を用いて、不必要な電力消費を防止することができる。
【0031】
図2は、一般的な眼鏡装置の応答特性を表す概略的なタイミングチャートである。図1及び図2を用いて、眼鏡装置の応答特性のばらつき及び変動が説明される。
【0032】
図2のセクション(a)は、左フレーム画像の表示期間として割り当てられた左フレーム期間と、右フレーム画像の表示期間として割り当てられた右フレーム期間とを表す。左フレーム期間及び右フレーム期間は交互に割り当てられている。
【0033】
図2のセクション(b)は、表示装置から送信される同期制御信号を表す。左シャッタを動作させるための同期制御信号は、左フレーム期間の開始に同期して送信される。右シャッタを動作させるための同期制御信号は、右フレーム期間の開始に同期して送信される。
【0034】
図2のセクション(c)は、左シャッタを駆動するための駆動信号を表す。図2のセクション(d)は、右シャッタを駆動するための駆動信号を表す。
【0035】
左シャッタ及び右シャッタの開閉タイミングは、駆動信号の電圧レベルの変動タイミングに依存する。左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、眼鏡装置が左シャッタ用の同期制御信号を受信した後に降下する。所定期間の経過後、左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、増加する。右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、眼鏡装置が右シャッタ用の同期制御信号を受信した後に降下する。所定期間の経過後、右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、上昇する。
【0036】
図2のセクション(e)は、左眼への透過光量の変動を表す。左眼への透過光量の変動は、左シャッタの調整動作を反映している。左シャッタの調整動作は、左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルの変動に依存する。例えば、駆動信号の電圧レベルが降下するならば、左シャッタは開き始める。図2のセクション(e)において、左シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから左眼への透過光量が最大透過光量の50%に増加するまでの時間は、「T(LO)」の符号を用いて表される。また、駆動信号の電圧レベルが上昇するならば、左シャッタは閉じ始める。左シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから、左眼への透過光量が最大透過光量の50%に減少するまでの時間は、「T(LC)」の符号を用いて表される。駆動信号の電圧レベルが低い間、左シャッタは開き、左眼への映像光の透過量は大きくなる。
【0037】
左シャッタの開閉タイミングは、シャッタ材料、眼鏡装置の設計の差異、製造過程で生じたばらつきに起因して変動する。加えて、典型的な左シャッタに用いられる液晶の動作特性は、使用環境の温度や眼鏡装置が蓄えている電力量(電源電圧値)に影響されることが知られている。
【0038】
図2のセクション(f)は、右眼への透過光量の変動を表す。右眼への透過光量の変動は、右シャッタの調整動作を反映している。右シャッタの調整動作は、右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルの変動に依存する。例えば、駆動信号の電圧レベルが降下するならば、右シャッタは開き始める。右シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから右眼への透過光量が最大透過光量の50%に増加するまでの時間は、「T(RO)」の符号を用いて表される。また、駆動信号の電圧レベルが上昇するならば、右シャッタは閉じ始める。右シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから、右眼への透過光量が最大透過光量の50%に減少するまでの時間は、「T(RC)」の符号を用いて表される。駆動信号の電圧レベルが低い間、右シャッタは開き、右眼への映像光の透過量は大きくなる。
【0039】
右シャッタの開閉タイミングは、シャッタ材料、眼鏡装置の設計の差異、製造過程で生じたばらつきに起因して変動する。加えて、典型的な右シャッタに用いられる液晶の動作特性は、使用環境の温度や眼鏡装置が蓄えている電力量(電源電圧値)に影響されることが知られている。
【0040】
上述の如く、眼鏡装置による調整動作は、様々な因子によって変動される。図1を参照して説明された眼鏡装置100の様々な要素(後述される)は、シャッタ部110の調整動作と調整動作に影響を与える影響因子との関係を表す特性データを利用して、同期制御信号の立ち上がりから左眼及び右眼への透過光量が50%に増加或いは減少するのに要する時間のばらつきを抑制する。
【0041】
図3は、眼鏡装置100のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図3を用いて、眼鏡装置100のハードウェア構成が説明される。
【0042】
眼鏡装置100は、上述の如く、シャッタ部110、スイッチ素子130及び受信素子150を備える。シャッタ部110は、左シャッタ111及び右シャッタ112に加えて、これらを駆動するための駆動回路113を備える。表示装置が左フレーム画像を表示している間、駆動回路113は、左シャッタ111及び右シャッタ112へ印加する電圧値を調整し、左シャッタ111を開き、右シャッタ112を閉じる。表示装置が右フレーム画像を表示している間、駆動回路113は、左シャッタ111及び右シャッタ112へ印加する電圧値を調整し、左シャッタ111を閉じ、右シャッタ112を開く。
【0043】
眼鏡装置100は、駆動回路113を制御するためのCPU140を更に備える。受信素子150は、表示装置から受け取った同期制御信号をCPU140に出力する。表示装置が同期制御信号として、赤外線信号を送信するならば、受信素子150は、赤外線信号を電気信号に変換する。受信素子150は、電気信号をCPU140に出力する。表示装置が同期制御信号として、無線信号を送信するならば、受信素子150は、無線信号をCPU140が読み取ることができる形式に変換する。変換された信号は、CPU140に出力される。
【0044】
CPU140は、受信素子150を通じて、取得した同期制御信号に応じて、駆動回路113を制御する。駆動回路113は、CPU140の制御下で、表示装置の表示動作に同期して、左シャッタ111及び右シャッタ112を駆動することができる。本実施形態において、CPU140は、第1制御部として例示される。
【0045】
眼鏡装置100は、CPU140へ時刻に関する情報を出力するクロック141を更に備える。CPU140は、クロック141からの時刻データに応じて、同期制御信号の受信時刻を見極めることができる。CPU140は、同一の波形を有する同期制御信号の受信時刻に対して平均化処理を行ってもよい。CPU140は、平均化処理後の受信時刻のデータに基づき、左シャッタ111及び右シャッタ112を開閉する時刻を決定してもよい。
【0046】
眼鏡装置100は、同期制御信号の受信時刻に関するデータを格納するメモリ142を更に備える。メモリ142には、上述の調整動作に関する特性データも格納される。CPU140は、メモリ142に格納された特性データを参照し、左シャッタ111及び右シャッタ112を開閉する時刻を決定する。本実施形態において、メモリ142は、記憶部として例示される。
【0047】
眼鏡装置100は、駆動回路113に印加された電源電圧値を検出する電圧検出素子143を更に備える。電圧検出素子143は、駆動回路113に印加された電源電圧値に関するデータをCPU140に出力する。本実施形態において、メモリ142に格納された特性データは、駆動回路113に印加された電源電圧値と、左シャッタ111及び/又は右シャッタ112の応答速度(動作速度)との関係を表す。特性データは、後述される。
【0048】
眼鏡装置100は、電池144を更に備える。電池144が蓄える電力は、シャッタ部110、CPU140、クロック141、メモリ142、電圧検出素子143及び受信素子150へ、スイッチ素子130を通じて供給される。観察者は、スイッチ素子130を操作し、電池144からこれらの要素への電力供給を制御することができる。本実施形態において、電池144は、電源部として例示される。
【0049】
電池144が蓄える電力量は、駆動回路113に加わる電圧値に影響する。したがって、電圧検出素子143が検出する電圧値は、電池144に蓄えられている電力量を反映する。本実施形態において、電圧検出素子143は、電力検出部として例示される。本実施形態において、電池144に蓄えられている電力量は、電圧検出素子143によって検出された電圧値に代替されている。しかしながら、電池に蓄えられた電力量は、直接的に測定されてもよい。或いは、電池に蓄えられた電力量を反映する他の可変量が代替的に検出されてもよい。
【0050】
シャッタ部110が調整動作を行うならば、電池144に蓄えられた電力は消費される。この結果、電池144の電力量は、徐々に低減する。本実施形態において、左シャッタ111及び右シャッタ112の動作速度は、電池144の電力量の低下に伴い、遅くなる。メモリ142に格納された特性データは、電池144の電力量の低下に伴って遅くなるシャッタ部110の動作速度の傾向を表す。CPU140は、メモリ142に格納された特性データと電圧検出素子143が出力した電圧値に関するデータとを比較し、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大及び減少させるタイミングを決定する。決定手法は、後述される。
【0051】
図4は、特性データを取得するための測定システム900の概略図である。図4を用いて、特性データの取得方法が説明される。
【0052】
測定システム900は、眼鏡装置100の左シャッタ111又は右シャッタ112に向けて光を出射する単色LED910と、左シャッタ111又は右シャッタ112を透過した光の輝度を測定する輝度測定器920と、を備える。輝度測定器920は、眼鏡装置100のメモリ142に、測定された輝度のデータを時間データとともに出力する。
【0053】
測定システム900は、眼鏡装置100の駆動回路113に電力を供給する電源930と、駆動回路113へ印加される電圧を制御する印加制御部940と、を備える。電源930は、駆動回路113に印加される電圧レベルを可変にする。印加制御部940は、電源930による駆動回路113への電圧印加のタイミングを調整する。印加制御部940は、眼鏡装置100のメモリ142に、電源930から出力される電圧のデータを時間データとともに出力する。尚、印加制御部940から出力される時間データは、輝度測定器920から出力される時間データと一致している。
【0054】
図5A及び図5Bは、測定システム900を用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。図4乃至図5Bを用いて、特性データが説明される。
【0055】
図5Aは、電源930が高い電圧を駆動回路113に印加したときに得られた特性データのグラフである。上側のグラフは、電源930が出力する電圧の変動を表す。下側のグラフは、輝度測定器920から出力される輝度の変動を表す。
【0056】
電源930は、時刻TDに電圧を降下させ、時刻TUに電圧を上昇させている。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TDにおける電圧降下に応じて開く。その後、時刻TO1において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の90%となる。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TUにおける電圧上昇に応じて閉じる。その後、時刻TC1において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の10%となる。図5Aには、時刻TO1と時刻TDとの差分値「ΔTOH」及び時刻TC1と時刻TUとの差分値「ΔTCH」が示されている。
【0057】
図5Bは、電源930が低い電圧を駆動回路113に印加したときに得られた特性データのグラフである。上側のグラフは、電源930が出力する電圧の変動を表す。下側のグラフは、輝度測定器920から出力される輝度の変動を表す。
【0058】
電源930は、時刻TDに電圧を降下させ、時刻TUに電圧を上昇させている。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TDにおける電圧降下に応じて開く。その後、時刻TO2において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の90%となる。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TUにおける電圧上昇に応じて閉じる。その後、時刻TC2において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の10%となる。図5Bには、時刻TO2と時刻TDとの差分値「ΔTOL」及び時刻TCと時刻TUとの差分値「ΔTCL」が示されている。本実施形態において、差分値「ΔTOL」は、図5Aを参照して説明された差分値「ΔTOH」よりも大きい。また、差分値「ΔTCL」は、図5Aを参照して説明された差分値「ΔTCH」よりも大きい。
【0059】
メモリ142は、駆動回路113に印加された電圧のレベルに関連づけて、上述の差分値に関するデータを記憶してもよい。この結果、メモリ142に記憶されたデータは、電圧レベルの変動に対応した左シャッタ111及び右シャッタ112の応答遅れを表すことができる。特性データを用いた左シャッタ111及び右シャッタ112の制御は、後述される。
【0060】
図6は、眼鏡装置100の機能構成を表す概略的なブロック図である。図3及び図6を用いて、眼鏡装置100が説明される。
【0061】
眼鏡装置100は、調整動作を司る作動部160と、作動部160が必要とする電力を供給する給電部170と、を備える。
【0062】
給電部170は、電力を蓄える電源部171と、作動部160への電力供給を制御するための給電切替部172と、を備える。電源部171は、図3を参照して説明された電池144に相当する。給電切替部172は、図3を参照して説明されたスイッチ素子130に相当する。作動部160による調整動作、受信動作や信号処理動作の結果、電源部171に蓄えられた電力量は低減する。
【0063】
作動部160は、調整動作を実行する光量調整部161を備える。光量調整部161は、左眼への透過光量を調整するための左調整部162と、右眼への透過光量を調整するための右調整部163と、左調整部162と右調整部163とを駆動するための駆動部164と、を備える。
【0064】
表示装置が左フレーム画像を表示している間、駆動部164は、左調整部162を駆動し、左眼へ透過する映像光の量を増大させる。この間、駆動部164は、右調整部163に、右眼への低減された透過光量を維持させる。駆動部164は、左調整部162に、所定期間、左眼への増大された透過光量を維持させた後、左調整部162を動作させる。この結果、左調整部162は、左眼へ透過する映像光の量を低減させる。
【0065】
表示装置が右フレーム画像を表示している間、駆動部164は、右調整部163を駆動し、右眼へ透過する映像光の量を増大させる。この間、駆動部164は、左調整部162に、左眼への低減された透過光量を維持させる。駆動部164は、右調整部163に、所定期間、右眼への増大された透過光量を維持させた後、右調整部163を動作させる。この結果、右調整部163は、右眼へ透過する映像光の量を低減させる。
【0066】
本実施形態において、光量調整部161は、シャッタ部110に対応する。左調整部162は、左シャッタ111に対応する。右調整部163は、右シャッタ112に対応する。駆動部164は、駆動回路113に対応する。
【0067】
左調整部162が、左眼への透過光量を増大させることは、左シャッタ111が開くことを意味する。左調整部162が、左眼への透過光量を減少させることは、左シャッタ111が閉じることを意味する。右調整部163が、右眼への透過光量を増大させることは、右シャッタ112が開くことを意味する。右調整部163が、右眼への透過光量を減少させることは、右シャッタ112が閉じることを意味する。
【0068】
眼鏡装置100は、表示装置からの同期制御信号を受信する受信部165を更に備える。受信部165は、図3を参照して説明された受信素子150に相当する。
【0069】
眼鏡装置100は、光量調整部161の駆動部164を制御する制御部166を更に備える。受信部165は、同期制御信号を制御部166へ出力する。例えば、制御部166は、同期制御信号の受信時刻を平均化処理し、同期制御信号によって規定される増大期間のタイミング(左調整部162が左眼への透過光量を増大させている期間のタイミング及び/又は右調整部163が右眼への透過光量を増大させている期間のタイミング)又は減少期間のタイミング(左調整部162が左眼への透過光量を減少させている期間のタイミング及び/又は右調整部163が右眼への透過光量を減少させている期間のタイミング)を見極めてもよい。制御部166は、上述の特性データと駆動部164に印加された電圧とを比較し、見極められた増大期間のタイミング又は減少期間のタイミングを補正する。制御部166は、補正された増大期間のタイミング又は減少期間のタイミングに基づき、駆動部164を制御する。この結果、駆動部164によって駆動される左調整部162及び右調整部163の調整動作が適切に制御される。制御部166は、図3を参照して説明されたCPU140及びクロック141に対応する。本実施形態において、制御部166は、第1制御部として例示される。
【0070】
眼鏡装置100は、駆動部164に印加される電圧レベルと光量調整部161の動作速度との関係を表す特性データを記憶する記憶部167と、駆動部164に印加されている電圧のレベルを検出する電圧検出部168と、を備える。本実施形態において、駆動部164に印加される電圧のレベルは、電源部171が蓄える電力量に依存する。したがって、電圧検出部168によって検出された駆動部164での電圧レベルは、電源部171が蓄える電力量を反映している。記憶部167は、図3を参照して説明されたメモリ142に相当する。電圧検出部168は、図3を参照して説明された電圧検出素子143に相当する。本実施形態において、電圧検出部168は、電力検出部として例示される。
【0071】
制御部166は、記憶部167を参照し、駆動部164に印加される電圧レベルと光量調整部161の動作速度との関係を表す特性データを取得する。また、電圧検出部168は、制御部166に、駆動部164に印加されている電圧に関するデータを出力する。制御部166は、特性データと、電圧検出部168からの出力データと、を比較し、同期制御信号によって規定された変動タイミングを補正する。制御部166による補正処理は後述される。
【0072】
(表示装置)
図7は、表示装置200のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図3及び図7を用いて、表示装置200が説明される。
【0073】
表示装置200は、映像信号が入力される復号化IC201を備える。復号化IC201に入力される映像信号は、符号化されている。復号化IC201は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号は、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG−4やH264といった手法に従い符号化されてもよい。
【0074】
表示装置200は、映像信号処理IC202を更に備える。復号化IC201は、映像信号処理IC202に復号化された映像信号を出力する。映像信号処理IC202は、復号化された映像信号を処理し、立体映像を表示するための映像データを作り出す。例えば、映像信号処理IC202は、映像信号から、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、を抽出してもよい。映像信号処理IC202は、その後、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、交互に出力してもよい。代替的に、左フレーム画像に対応する映像データ及び右フレーム画像に対応する映像データは、復号化IC201から映像信号処理IC202へ出力される映像信号から自動的に生成されてもよい。映像信号処理IC202は、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、交互に出力してもよい。
【0075】
表示装置200は、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示するディスプレイパネル203を更に備える。映像信号処理IC202は、ディスプレイパネル203に対応する信号入力方式に従って、左フレーム画像及び右フレーム画像に対応する映像データを出力する。
【0076】
映像信号処理IC202は、ディスプレイパネル203の特性に応じて、他の処理(例えば、色彩調整処理やフレームレートの調整処理)を行ってもよい。映像信号処理IC202が、復号化IC201が生成した映像データのフレーム間の映像を補間するならば、ディスプレイパネル203が表示する映像のフレームレートが増大することとなる。
【0077】
表示装置200は、眼鏡装置100の受信素子150へ送信される同期制御信号を生成する送信制御IC204を更に備える。送信制御IC204が生成する同期制御信号は、ディスプレイパネル203に表示されるフレーム画像の表示の開始及び/又は終了を通知するために用いられる。上述の如く、眼鏡装置100は、同期制御信号によって通知されるフレーム画像の表示の開始時刻及び/又は終了時刻を、左シャッタ111及び右シャッタ112が左眼及び右眼へ透過光量を増大又は減少させている期間のタイミング(増大期間又は減少期間のタイミング)の基準として利用する。眼鏡装置100は、同期制御信号が規定した基準のタイミングを補正し、シャッタ部110の特性に応じたタイミングで左シャッタ111及び右シャッタ112を動作させる。
【0078】
表示装置200は、同期制御信号を送信するための送信素子205を更に備える。本実施形態において、送信素子205は、赤外線を発光する発光素子であってもよい。代替的に、送信素子205は、無線信号を送信可能な無線素子であってもよい。送信制御IC204は、送信素子205を制御する。送信素子205は、送信制御IC204の制御下で、同期制御信号を送信する。同期制御信号の送信は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に同期される。
【0079】
表示装置200は、復号化IC201、映像信号処理IC202及び送信制御IC204を制御するCPU206を更に備える。CPU206は、映像信号処理IC202及び送信制御IC204に対する制御を司るので、同期制御信号の送信を、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に適切に同期させることができる。
【0080】
表示装置200は、CPU206が実行するプログラムを格納するメモリ207を更に備える。メモリ207は、CPU206によるプログラムの実行に伴って発生したデータを記憶する領域として利用されてもよい。メモリ207として、揮発性のRAM(Random Access Memory)や不揮発性のROM(Read Only Memory)が利用されてもよい。
【0081】
表示装置200は、CPU206へクロック信号を供給するクロック208を更に備える。CPU206は、クロック信号を利用して、同期制御信号の送信を、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に適切に同期させることができる。
【0082】
図8は、表示装置200の機能構成を表す概略的なブロック図である。図6乃至図8を用いて、表示装置200が更に説明される。
【0083】
表示装置200は、映像信号が入力される入力部211を備える。入力部211に入力される映像信号は、符号化されている。入力部211は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号は、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG−4やH264といった手法に従い符号化されてもよい。入力部211は、図7を参照して説明された復号化IC201に相当する。
【0084】
表示装置200は、映像処理部212を更に備える。入力部211は、復号化された映像信号を映像処理部212へ出力する。映像処理部212は、映像信号に応じて、左フレーム画像及び右フレーム画像を表示するための映像データを生成する。映像処理部212は、図7を参照して説明された映像信号処理IC202に相当する。
【0085】
表示装置200は、表示部213を更に備える。映像処理部212は、左フレーム画像を表示するための映像データと、右フレーム画像を表示するための映像データと、を表示部213に交互に出力する。表示部213は、映像処理部212から受け取った映像データを用いて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。
【0086】
表示装置200は、映像処理部212を制御する制御部216を更に備える。映像処理部212は、制御部216の制御下で、上述の映像信号の処理を行う。制御部216は、図7を参照して説明されたCPU206、メモリ207及びクロック208に相当する。
【0087】
表示装置200は、制御部216の制御下で、同期制御信号を生成する信号生成部214を更に備える。制御部216は、映像処理部212から表示部213への左フレーム画像のデータの出力に同期して、信号生成部214に、左フレーム画像の表示を通知するための同期制御信号を出力させる。制御部216は、映像処理部212から表示部213への右フレーム画像のデータの出力に同期して、信号生成部214に、右フレーム画像の表示を通知するための同期制御信号を出力させる。信号生成部214は、図7を参照して説明された送信制御IC204に相当する。
【0088】
表示装置200は、同期制御信号を送信するための送信部215を更に備える。信号生成部214は、同期制御信号を送信部215に出力する。送信部215は、眼鏡装置100の受信部165へ同期制御信号を送信する。送信部215は、図7を参照して説明された送信素子205に相当する。
【0089】
(補正処理)
図9は、眼鏡装置100の制御部166による同期制御信号に対する処理を表す概略的な表である。図6、図8及び図9を用いて、同期制御信号に対する処理が説明される。
【0090】
表示装置200の信号生成部214が生成する同期制御信号は、左フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、左フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、を含んでもよい。これらのコマンド信号は、互いに異なる波形を有する。眼鏡装置100の制御部166は、コマンド信号の波形に基づき、コマンド信号による通知内容を把握することができる。
【0091】
眼鏡装置100の制御部166は、例えば、上述のコマンド信号の受信時刻からシャッタ部110の透過光量が最大透過光量の50%になるまでの時間に関するデータを、順次、記憶部167に格納する。図9には、記憶部167に格納された時刻データ(「t11」乃至「tn4」)が示されている。
【0092】
左フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、左フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、からなるコマンド信号の組(以下、コマンド信号組と称される)が、所定数、記憶部167に格納されると、制御部166は、同期制御信号によって規定される基準データを生成する。
【0093】
コマンド信号組内で、左フレーム画像の表示終了を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始時刻との差分値が演算されてもよい。コマンド信号組内で、右フレーム画像の表示開始を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。コマンド信号組内で、右フレーム画像の表示終了を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。これらの演算から得られた差分値が平均化されるならば、左フレーム画像の表示開始を通知するコマンド信号の受信時刻を基準とした他のコマンド信号の受信時刻の平均値が算出される。
【0094】
先行するコマンド信号組と後続のコマンド信号組との間で、左フレーム画像の表示開始を通知するコマンド信号の受信時刻の差分値が演算されてもよい。これらの差分値が平均化されるならば、コマンド信号組の平均的な受信周期が算出される。
【0095】
制御部166は、上述の差分値の演算を用いて、同期制御信号によって規定される基準データを生成することができる。受信部165が、基準データから大きく外れた信号を受信するならば、制御部166は、受信部165によって受信された信号をノイズ信号として処理することができる。
【0096】
図10は、上述の演算によって得られた基準データを表す概略的なグラフである。図6、図8及び図10を用いて、基準データが説明される。
【0097】
眼鏡装置100の制御部166による上述の処理の結果、制御部166は、時刻T1において左フレーム画像の表示が開始され、時刻T2において左フレーム画像の表示が終了することを見極める。制御部166は、時刻T3において右フレーム画像の表示が開始され、時刻T4において右フレーム画像の表示が終了することを見極める。時刻T1から時刻T2の期間は、同期制御信号によって規定されたタイミング(左眼用)として例示される。時刻T3から時刻T4の期間は、同期制御信号によって規定されたタイミング(右眼用)として例示される。
【0098】
図11は、眼鏡装置100の記憶部167に記憶された特性データを表す概略的な表である。図5A乃至図6並びに図11を用いて、基準データに対する補正処理が説明される。
【0099】
記憶部167には、図5A及び図5Bを参照して説明された測定の結果から得られた特性データとして、駆動部164に印加された電圧のレベルと、電圧レベルに関連づけられた補正値が記憶されている。図11において、電源部171に蓄えられた電力量が最大値であるときの電圧レベルは、「VH」の記号を用いて表されている。図11において、電源部171に蓄えられた電力量が最小値(光量調整部161に調整動作を実行させることができる最小レベルの電力量)であるときの電圧レベルは、「VL」の記号を用いて表されている。
【0100】
記憶部167は、電圧レベルVHに関連づけて、補正値CHを記憶している。記憶部167は、電圧レベルVLに関連づけて、補正値CLを記憶している。また、記憶部167、電圧レベルVH,VLの間の電圧レベルにそれぞれ関連づけて、複数の補正値(Cn乃至C1)を記憶している。本実施形態において、記憶部167に記憶された補正値は、電圧レベルと同様に、補正値CLから補正値CHに向けて徐々に大きくなっている。
【0101】
図12は、眼鏡装置100の制御部166による補正処理を概略的に表すグラフである。図5A乃至図6並びに図10乃至図12を用いて、制御部166による補正処理が説明される。
【0102】
図12に示される上側のグラフは、図10を参照して説明された基準データを表す。図12に示される中央のグラフは、電圧検出部168が電圧レベルVLを検出したときに、制御部166の制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。図12に示される下側のグラフは、電圧検出部168が電圧レベルVHを検出したときに、制御部166の制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。
【0103】
制御部166は、電圧検出部168が検出した駆動部164における電圧レベルと、記憶部167に記憶された特性データと、を対比する。電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166に出力するならば、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データから、電圧レベルVLに対応する補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定する。電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166に出力するならば、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データから、電圧レベルVHに対応する補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定する。
【0104】
補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166は、補正値CLを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166は、補正値CHを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。駆動部164は、制御部166の制御下で、補正値CL,CHが加算された時刻に電圧を変動させ、左調整部162及び右調整部163をそれぞれ動作させる。図11を参照して説明されたように、補正値CLは、補正値CHよりも小さいので、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの駆動信号の電圧レベルの変動は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。したがって、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの左調整部162及び右調整部163の始動は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。
【0105】
一方、図5A及び図5Bに関連して説明された如く、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの左調整部162及び右調整部163の動作は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも遅い。したがって、補正値CL,CHとの差異に起因する左調整部162及び右調整部163の始動時刻の差異は、左調整部162及び右調整部163の動作の特性によって略相殺される。したがって、左眼及び右眼への透過光量は、基準データの時刻T1,T2,T3,T4から略一定の期間が経過した後、目標値に到達する。したがって、電源部171が蓄える電力量の変動は、左調整部162及び右調整部163の動作タイミングにほとんど影響しなくなる。
【0106】
本実施形態において、電圧レベルに応じて定められる補正値は、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングにおいて共通している。代替的に、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングとの間で、異なる補正値が用いられてもよい。或いは、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を減少させるタイミングのうち一方のみに、補正値が適用されてもよい。
【0107】
図5A及び図5Bを参照して説明された如く、特性データは、左調整部162及び右調整部163に対して個別に取得される。したがって、眼鏡装置100の固有の性質に応じた補正制御が達成される。即ち、異なる型式の眼鏡装置間の性能差はもちろんのこと、同一の型式の眼鏡装置間の性能差は、好適に緩和される。尚、補正処理は、他の演算処理を用いて実行されてもよい。補正値は、補正処理に用いられる演算処理に応じて定められる。したがって、本実施形態の原理は、上述の演算処理及び補正値の設定に何ら限定されない。
【0108】
(映像システム)
図13は、映像システム300の概略図である。図13を用いて、映像システム300が説明される。
【0109】
映像システム300は、眼鏡装置100と表示装置200とを備える。表示装置200は、ディスプレイパネル203を用いて、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を交互に表示する。表示装置200は、送信素子205から、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを規定する同期制御信号を眼鏡装置100へ送信する。眼鏡装置100は、同期制御信号に応じて、左シャッタ111及び右シャッタ112を動作させる。上述の補正制御を通じて、シャッタ部110は、変動タイミングを適切に調整することができる。この結果、眼鏡装置100は、左眼及び右眼へ入射する映像光の光量を適切に調整し、ディスプレイパネル203が表示する映像を、観察者に、立体的に知覚させることができる。
【0110】
本実施形態において、変動タイミングの調整は、専ら、眼鏡装置100に依存する。したがって、表示装置200と眼鏡装置100との通信は、簡素化される。
【0111】
(眼鏡装置の制御方法)
図14は、眼鏡装置100の制御方法を表す概略的なフローチャートである。図14を用いて、眼鏡装置100の制御方法が説明される。
【0112】
(ステップS110)
ステップS110において、受信部165は、同期制御信号を受信する。同期制御信号の受信時刻や同期制御信号が通知する情報は、制御部166を通じて、記憶部167に記憶される。その後、ステップS120が実行される。
【0113】
(ステップS120)
ステップS120において、制御部166は、記憶部167が、基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶したか否かを判定する。記憶部167に記憶されたデータ量が不十分であるならば、ステップS110が再度実行される。この結果、記憶部167が基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶するまで、受信部165は、同期制御信号の受信を続けることとなる。
【0114】
記憶部167が基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶しているならば、制御部166は、基準データを生成する。基準データは、上述の如く、同期制御信号によって規定される変動タイミングを表す。基準データの生成の後、ステップS130が実行される。
【0115】
(ステップS130)
ステップS130において、電圧検出部168は、駆動部164に印加された電圧を検出する。電圧検出部168は、制御部166に検出された電圧のデータを出力する。電圧データの出力の後、ステップS140が実行される。
【0116】
(ステップS140)
ステップS140において、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データと、電圧検出部168から出力された電圧データと、を比較し、補正値を決定する。補正値の決定の後、ステップS150が実行される。
【0117】
(ステップS150)
ステップS150において、制御部166は、決定された補正値を用いて、基準データを補正し、補正データを生成する。補正データの生成の後、ステップS160が実行される。
【0118】
(ステップS160)
ステップS160において、制御部166は、補正データを用いて、駆動部164を制御する。この結果、駆動部164は、特性データと駆動部164に印加されている電圧レベルとに応じて適切に調整されたタイミングで、左調整部162及び右調整部163を駆動することができる。かくして、左調整部162及び右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少することができる。
【0119】
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態の眼鏡装置100Aの機能構成を表す概略的なブロック図である。第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。第1実施形態と第2実施形態との間の差異が以下に説明される。
【0120】
眼鏡装置100Aは、第1実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Aを備える。作動部160Aは、第1実施形態に関連して説明された受信部165及び光量調整部161に加えて、制御部166A、記憶部167A及び温度検出部168Aを備える。
【0121】
左調整部162及び右調整部163が液晶を用いて形成されるならば、左調整部162及び右調整部163の応答速度(動作速度)は、映像が観察される環境の温度に応じて変動することもある。特に、左調整部162及び右調整部163の応答速度は、周囲温度の影響を受けやすい。したがって、本実施形態において、温度検出部168Aは、環境温度として、駆動部164の温度を検出する。温度検出部168Aとして、一般的な温度センサが好適に利用可能である。
【0122】
図16は、記憶部167Aに記憶される特性データを概略的に表す表である。図15及び図16を用いて、眼鏡装置100Aが更に説明される。
【0123】
記憶部167Aには、温度検出部168Aが検出すると想定される最大温度TMPH及び最小温度TMPL並びに最大温度TMPHと最小温度TMPLとの間のいくつかの温度に関する温度データと、温度データに関連づけて記憶された補正値のデータが記憶される。本実施形態において、最大温度TMPHに対応する補正値CHが最も大きく、最小温度TMPLに対応する補正値CHが最も小さい。検出される温度が低くなるにつれて、対応する補正値は小さく設定される。
【0124】
補正値は、駆動部164の温度(即ち、映像が観察される環境の温度)と左調整部162及び右調整部163の動作速度との関係に応じて定められる。眼鏡装置100Aの動作特性が、様々な温度環境下で調査され、補正値が決定されることが好ましい。この結果、記憶部167Aには、眼鏡装置100Aの固有の特性データが格納される。
【0125】
制御部166Aは、記憶部167Aに格納された特性データと、温度検出部168Aから出力される温度データと、を対比し、駆動部164の温度に応じた補正値を決定する。
【0126】
図17は、制御部166Aによる補正処理を概略的に表すグラフである。図15乃至図17を用いて、制御部166Aによる補正処理が説明される。
【0127】
図17に示される上側のグラフは、基準データを表す。第1実施形態に関連して説明された手法に従って、制御部166Aは、受信部165が受信した同期制御信号を用いて基準データを生成する。
【0128】
図17に示される中央のグラフは、温度検出部168Aが最小温度TMPLを検出したときに、制御部166Aの制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。図17に示される下側のグラフは、温度検出部168Aが最大温度TMPHを検出したときに、制御部166Aの制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。
【0129】
制御部166Aは、温度検出部168Aが検出した駆動部164における検出温度と、記憶部167Aに記憶された特性データと、を対比する。温度検出部168Aが、「TMPL」の温度が検出されたことを表すデータを制御部166Aに出力するならば、制御部166Aは、記憶部167Aに記憶された特性データから、温度TMPLに対応する補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定する。温度検出部168Aが、「TMPH」の温度レベルが検出されたことを表すデータを制御部166Aに出力するならば、制御部166Aは、記憶部167Aに記憶された特性データから、温度TMPHに対応する補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定する。
【0130】
補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166Aは、補正値CLを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166Aは、補正値CHを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。駆動部164は、制御部166Aの制御下で、補正値CL,CHが加算された時刻に電圧を変動させ、左調整部162及び右調整部163をそれぞれ動作させる。この結果、左眼及び右眼への透過光量が増大する期間のタイミング(増大期間のタイミング)又は透過光量が減少する期間のタイミング(減少期間のタイミング)は、温度に応じた補正量だけ調整される。本実施形態において、制御部166Aは、第1制御部として例示される。
【0131】
図16を参照して説明されたように、補正値CLは、補正値CHよりも小さいので、温度検出部168Aが、「TMPL」の温度を検出したときの駆動信号の電圧レベルの変動は、温度検出部168Aが、「TMPH」の温度を検出したときよりも早くなる。したがって、温度検出部168Aが、「TMPL」の温度を検出したときの左調整部162及び右調整部163の始動は、温度検出部168Aが、「TMPH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。
【0132】
左調整部162及び右調整部163が液晶を用いて形成されるならば、一般的に、環境温度が低くなるほど、左調整部162及び右調整部163の動作は遅くなる傾向がある。したがって、補正値CL,CHとの差異に起因する左調整部162及び右調整部163の始動時刻の差異は、左調整部162及び右調整部163の動作の特性によって略相殺される。したがって、左眼及び右眼への透過光量は、基準データの時刻T1,T2,T3,T4から略一定の期間が経過した後、目標値に到達する。したがって、光量調整部161における温度の変動は、左調整部162及び右調整部163の動作タイミングにほとんど影響しなくなる。尚、補正処理は、他の演算処理を用いて実行されてもよい。補正値は、補正処理に用いられる演算処理に応じて定められる。したがって、本実施形態の原理は、上述の演算処理及び補正値の設定に何ら限定されない。
【0133】
本実施形態において、環境温度に応じて定められる補正値は、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングにおいて共通している。代替的に、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングとの間で、異なる補正値が用いられてもよい。或いは、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を減少させるタイミングのうち一方のみに、補正値が適用されてもよい。
【0134】
変動タイミングに対する補正は、第1実施形態に関連して説明された電圧検出と第2実施形態に関連して説明された温度検出とに基づいて実行されてもよい。
【0135】
<第3実施形態>
図18は、第3実施形態の眼鏡装置100Bの機能構成を表す概略的なブロック図である。第2実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第2実施形態の説明が援用される。第2実施形態と第3実施形態との間の差異が以下に説明される。
【0136】
眼鏡装置100Bは、第2実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Bを備える。作動部160Bは、第2実施形態に関連して説明された受信部165、光量調整部161及び記憶部167Aに加えて、制御部166Bを備える。制御部166Bは、給電部170が作動部160Bへ給電を開始した時刻からの経過時間(以下、給電期間と称される)を測定する計時部168Bを備える。計時部168Bとして、図3に関連して説明されたクロック141が用いられてもよい。
【0137】
図19は、給電期間と駆動部164の温度との関係を表す概略的なグラフである。図16、図18及び図19を用いて、眼鏡装置100Bが更に説明される。
【0138】
給電部170から作動部160Bへの給電に伴って、駆動部164の温度は、徐々に上昇する。給電期間と駆動部164の温度上昇との関係は、眼鏡装置100Bに対して個別に調査されている。制御部166Bは、計時部168Bが測定した給電期間と、図19に示される給電期間と温度上昇との相関と、に基づいて、駆動部164の温度を推定することができる。
【0139】
記憶部167Aには、図16を参照して説明された特性データが格納されている。制御部166Bは、推定された温度と、特性データと、を対比し、補正量を決定する。その後、制御部166Bは、第2実施形態に関連して説明された手法に従って、変動タイミングを調整する。本実施形態において、制御部166Bは、第1制御部として例示される。また、計時部168Bは、温度検出部として例示される。
【0140】
本実施形態の眼鏡装置100Bは、駆動部164の温度を直接的に検出するための検出素子を必要としない。計時部168Bは、クロック信号を利用して給電期間に関する情報を取得するプログラムであってもよい。したがって、眼鏡装置100Bの物理的な構造は、第2実施形態と比べて、簡素化される。
【0141】
<第4実施形態>
(表示装置)
図20は、第4実施形態の表示装置200Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。第1実施形態と第4実施形態との間の差異が以下に説明される。
【0142】
表示装置200Cは、第1実施形態に関連して説明された入力部211、映像処理部212及び表示部213を備える。入力部211には、映像信号が入力される。映像処理部212は、入力部211を通じて受け取った映像信号に応じて、左眼で観察される左フレーム画像及び右眼で観察される右フレーム画像のデータを表示部213に交互に出力する。表示部213は、映像処理部212からの出力に応じて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。この結果、観察者は、表示部213に表示された映像を立体的に知覚することができる。
【0143】
表示装置200Cは、映像処理部212を制御する制御部216Cを更に備える。制御部216Cは、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを決定する。表示部213は、決定された表示タイミングで、左フレーム画像と右フレーム画像とを、順次、表示する。本実施形態において、制御部216Cは、第2制御部として例示される。
【0144】
表示装置200Cは、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを通知するための同期制御信号を、制御部216Cの制御下で生成する信号生成部214Cを更に備える。第1実施形態と異なり、信号生成部214Cが生成する同期制御信号が通知する表示タイミングの情報は、制御部216Cが、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを基準に補正されている。表示タイミングの補正は、後述される。
【0145】
表示装置200Cは、同期制御信号を送信する通信部215Cを更に備える。本実施形態において、信号生成部214Cは、好ましくは、同期制御信号として、無線信号を生成する。通信部215Cは、同期制御信号として生成された無線信号を送信する。本実施形態において、信号生成部214C及び通信部215Cは、制御信号通信部として例示される。通信部215Cとして、図7に関連して説明された送信素子205が用いられてもよい。
【0146】
表示装置200Cは、映像が観察される環境の温度を検出するための温度検出部217を更に備える。温度検出部217が検出した温度のデータは、制御部216Cに出力される。制御部216Cは、温度データを用いて、表示タイミングを補正する。温度検出部217として、一般的な温度センサが好適に利用される。
【0147】
(映像システム)
図21は、映像システム300Cの概略図である。図20及び図21を用いて、映像システム300Cが説明される。
【0148】
映像システム300Cは、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとを備える。通信部215Cは、眼鏡装置100Cへ同期制御信号を送信する。眼鏡装置100Cは、同期制御信号に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングが、表示部213によって表示される左フレーム画像及び右フレーム画像の表示と同期するように、調整動作を行う。第1実施形態とは異なり、表示装置200Cから送信される同期制御信号が含む表示タイミングに関する情報は、補正されているので、眼鏡装置100Cが行う補正のための演算処理は軽減される。
【0149】
眼鏡装置100Cは、表示装置200Cに、眼鏡装置100Cが実行する調整動作に関する特性データを送信する。表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを受信する。特性データは、後述される。
【0150】
通信部215Cは、受信された特性データを制御部216Cに出力する。制御部216Cは、通信部215Cからの特性データを記憶する記憶部218を備える。したがって、制御部216Cは、特性データを保持し続けることができる。記憶部218として、図7に関連して説明されたメモリ207が用いられてもよい。
【0151】
制御部216Cは、特性データと温度検出部217から出力された温度データとを用いて、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを補正する。制御部216Cは、補正された表示タイミングを用いて、信号生成部214Cを制御する。この結果、信号生成部214Cによって生成された同期制御信号は、補正された表示タイミングに関する情報を含むこととなる。
【0152】
本実施形態において、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間で、Bluetooth(登録商標)、ZigBeeやWiFiといった通信方式に従うパケット通信が実行される。尚、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信方式は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
【0153】
図22は、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信に用いられるパケット構造の概略図である。尚、図22に示されるパケット構造は、Bluetooth(登録商標)に基づく。尚、パケット構造は、本実施形態の原理を何ら限定しない。図20乃至図22を用いて、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信が説明される。
【0154】
パケット構造は、ペイロードヘッダ、ペイロードボディ及びCRCを含む。表示装置200Cが眼鏡装置100Cに送信する同期制御信号のペイロードボディには、補正された表示タイミングに関するタイミング情報が含まれる。また、眼鏡装置100Cが表示装置200Cに送信する特性データも、ペイロードボディに含まれる。
【0155】
表示装置200Cの制御部216Cは、信号生成部214Cを制御し、記憶部218に格納された特性データや温度検出部217から出力された温度データに応じて、ペイロードボディに格納されたタイミング情報を変更してもよい。代替的に、制御部216Cは、信号生成部214C及び通信部215Cを制御し、記憶部218に格納された特性データや温度検出部217から出力された温度データに応じて、同期制御信号の送信タイミングを変更してもよい。
【0156】
(眼鏡装置)
図23は、眼鏡装置100Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。図20及び図23を用いて、眼鏡装置100Cが説明される。
【0157】
眼鏡装置100Cは、第1実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Cを備える。作動部160Cは、第1実施形態に関連して説明された光量調整部161と、電圧検出部168と、を備える。光量調整部161は、左調整部162と右調整部163とを用いて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を調整するための調整動作を実行する。給電部170は、光量調整部161による調整動作のために用いられる電力を蓄える電源部171と、電源部171からの給電を制御するための給電切替部172と、を備える。電圧検出部168は、左調整部162と右調整部163とを駆動する駆動部164に印加された電圧を検出する。第1実施形態に関連して説明されたように、駆動部164に印加される電圧は、電源部171に蓄えられた電力量を反映する。したがって、電圧検出部168による電圧の検出は、電源部171が蓄える電力量を検出することを意味する。
【0158】
眼鏡装置100Cは、特性データを記憶する記憶部167Cを更に備える。電圧検出部168が検出した電圧のデータ及び図20を参照して説明された温度検出部217が検出した温度のデータは、表示装置200Cの制御部216Cによる補正処理に用いられる。記憶部167Cは、環境温度と光量調整部161による調整動作との関係並びに駆動部164に印加される電圧と光量調整部161による調整動作との関係を表す特性データを記憶する。
【0159】
眼鏡装置100Cは、駆動部164を、表示装置200Cから送信された同期制御信号に応じて制御する制御部166Cを更に備える。第1実施形態と異なり、同期制御信号が含む表示タイミングの情報は、表示装置200Cによって補正されているので、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、同期制御信号に対する補正処理のための演算を実行する必要はない。本実施形態において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、第1制御部として例示される。
【0160】
眼鏡装置100Cは、同期制御信号を受信する通信部165Cを更に備える。通信部165Cは、制御部166Cに同期制御信号を出力する。制御部166Cは、同期制御信号に応じて、駆動部164を制御する。この結果、左調整部162及び右調整部163は、左眼及び右眼への透過光量を適切に調整することができる。
【0161】
制御部166Cは、記憶部167Cに記憶された特性データを読み出す。通信部165Cは、その後、特性データを表示装置200Cに送信する。表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを受信する。特性データは、表示装置200Cの制御部216Cが備える記憶部218に記憶される。本実施形態において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、データ通信部として例示される。
【0162】
(特性データ)
図24Aは、眼鏡装置100Cの記憶部167Cに記憶された特性データを例示する表である。図24Bは、任意の検出温度下における光量調整部161の動作速度を表す概略的なグラフである。図20、図23乃至図24Bを用いて、特性データが説明される。
【0163】
図24Bのグラフは、任意の温度TEMPn(nは、自然数)における透過光量の変動を表す。図24Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最小の透過光量は、符号「Amin」を用いて表されている。図24Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最大の透過光量は、符号「Amax」を用いて表されている。
【0164】
図24Aの表に表される「上昇時間」は、最小の透過光量「Amin」から最大の透過光量「Amax」に到達するのに要する期間を表す。図24Aの表に表される「下降時間」は、最大の透過光量「Amax」から最小の透過光量「Amin」に到達するのに要する期間を表す。
【0165】
記憶部167Cは、表示装置200Cの温度検出部217によって検出される環境温度(TEMP1、TEMP2、TEMP3・・・・TEMPn)と、これらの温度に対応する上昇時間(TRT1、TRT2、TRT3・・・・TRTn)及び下降時間(TFT1、TFT2、TFT3・・・・・TFTn)と、を関連づけて記憶する。
【0166】
図25Aは、眼鏡装置100Cの記憶部167Cに記憶された特性データを例示する表である。図25Bは、任意の検出電圧下における光量調整部161の動作速度を表す概略的なグラフである。図20、図23、図25A及び図25Bを用いて、特性データが説明される。
【0167】
図25Bのグラフは、任意の電圧VOLTn(nは、自然数)における透過光量の変動を表す。図25Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最小の透過光量は、符号「Amin」を用いて表されている。図25Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最大の透過光量は、符号「Amax」を用いて表されている。
【0168】
図25Aの表に表される「上昇時間」は、最小の透過光量「Amin」から最大の透過光量「Amax」に到達するのに要する期間を表す。図25Aの表に表される「下降時間」は、最大の透過光量「Amax」から最小の透過光量「Amin」に到達するのに要する期間を表す。
【0169】
記憶部167Cは、眼鏡装置100Cの電圧検出部168によって検出される電圧(VOLT1、VOLT2、VOLT3・・・・VOLTn)と、これらの電圧に対応する上昇時間(TRV1、TRV2、TRV3・・・・TRVn)及び下降時間(TFV1、TFV2、TFV3・・・・・TFVn)と、を関連づけて記憶する。
【0170】
図26は、眼鏡装置100Cの制御部166Cによって作成されるデータ列構造の概略図である。図20、図22、図23、図24A及び図25Aを用いて、データ列構造が説明される。
【0171】
記憶部167Cに記憶された特性データを読み出した制御部166Cは、表示装置200Cへ特性データを送信するためにパケット信号を生成する。図24A及び図25Aの表で表されたデータは、パケット構造のペイロードボディに組み込まれる。図26に示されるデータ列構造は、ペイロードボディに組み込まれるデータ列の構造を概略的に表す。尚、データ列の構造は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
【0172】
図26に示されるデータ列構造1は、図24A及び図25Aの表の行ごとに読み取られ、整列されたデータを含む。データ列構造2は、図24A及び図25Aの表の列ごとに読み取られ、整列されたデータを含む。制御部166Cは、図26に例示されるデータ列構造で表される情報を含むパケット信号を生成する。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、制御部166Cが生成したパケット信号を表示装置200Cへ送信する。
【0173】
表示装置200Cの通信部215Cは、パケット信号を受信する。表示装置200Cの制御部216Cは、パケット信号が含むデータ列構造を解釈し、記憶部218に特性データを記憶する。
【0174】
図24Aに示される特性データは、複数の検出電圧に対応して作成されることが好ましい。また、図25Aに示される特性データは、複数の検出温度に対応して作成されることが好ましい。この結果、表示装置200Cは、温度検出部217が検出した温度と電圧検出部168が検出した電圧との組み合わせに関連づけられた上昇時間及び下降時間を決定することができる。
【0175】
図24Aに示される特性データが、複数の検出電圧に対応して作成され、及び/又は、図25Aに示される特性データが、複数の検出温度に対応して作成されるならば、データ列構造が長すぎ、1つのパケット信号に収まらないこともある。この場合、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、データ列構造を分割し、複数のパケット信号を用いて、特性データを送信してもよい。
【0176】
上述の如く、電圧検出部168は、駆動部164に印加された電圧を検出する。電圧検出部168は、検出された電圧に関するデータを制御部166Cに出力する。上述の特性データを送信するためのパケット信号の生成の後、制御部166Cは、検出された電圧の情報を含むパケット信号を生成する。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、検出された電圧の情報を含むパケット信号を表示装置200Cへ送信する。
【0177】
表示装置200Cの通信部215Cは、電圧検出部168が検出した電圧の情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Cは、その後、検出された電圧の情報を制御部216Cに出力する。
【0178】
温度検出部217は、上述の如く、環境温度に関するデータを制御部216Cに出力する。したがって、制御部216Cには、眼鏡装置100Cの電圧検出部168が検出した電圧に関する情報及び表示装置200Cの温度検出部217が検出した環境温度に関する情報が入力される。
【0179】
制御部216Cは、上述の特性データと、眼鏡装置100Cの電圧検出部168が検出した電圧に関する情報及び表示装置200Cの温度検出部217が検出した環境温度に関する情報と、を対比し、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを補正する。
【0180】
本実施形態において、上昇時間及び下降時間は、最大の透過光量と最小の透過光量との間での変動期間として定義されている。代替的に、上昇時間及び下降時間は、他の定義に従ってもよい。例えば、上昇時間及び下降時間は、最大の透過光量の90%と最大の透過光量の10%との間での変動期間として定義されてもよい。
【0181】
(変動タイミングの補正)
図27は、左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正を表す概略的なタイミングチャートである。図20、図23、図24A、図25A及び図27を用いて、左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正が説明される。
【0182】
図27のセクション(a)は、左フレーム画像が表示される左フレーム期間と、右フレーム画像が表示される右フレーム期間と、を表す。映像処理部212を制御する制御部216Cは、左フレーム期間と右フレーム期間とを交互に規定する。制御部216Cは、左フレーム期間に左フレーム画像のデータが映像処理部212から表示部213へ出力されるように、映像処理部212を制御する。制御部216Cは、右フレーム期間に右フレーム画像のデータが映像処理部212から表示部213へ出力されるように、映像処理部212を制御する。この結果、表示部213は、左フレーム期間に左フレーム画像を表示し、右フレーム期間に右フレーム画像を表示する。
【0183】
図27のセクション(b)及びセクション(c)は、表示装置200Cの制御部216Cによって設定される増大期間(左眼及び右眼への透過光量が増大している期間)のタイミングを表す。図27のセクション(b)は、温度検出部217から取得した温度データが「TEMP1」であり、且つ、眼鏡装置100Cから送られた電圧データが「VOLT1」であるときに設定された増大期間のタイミングを表す。図27のセクション(c)は、温度検出部217から取得した温度データが「TEMP3」であり、且つ、眼鏡装置100Cから送られた電圧データが「VOLT3」であるときに設定された増大期間のタイミングを表す。
【0184】
「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件と「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件との間において、図24A及び図25Aを参照して説明された上昇時間及び下降時間は異なる。したがって、制御部216Cは、信号生成部214を制御し、両条件間において、透過光量を増大させる増大期間に関し、互いに異なる情報を含む同期制御信号を生成する。本実施形態において、「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件の下で生成された同期制御信号は、増大期間に関して、「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件の下で生成された同期制御信号よりも遅いタイミングを通知するための情報を含む。
【0185】
図27のセクション(d)及びセクション(e)は、眼鏡装置100Cの光量調整部161による調整動作によって規定される実際の増大期間のタイミングを表す。図27のセクション(d)は、図27のセクション(b)を参照して説明された設定の下で得られた増大期間を表す。図27のセクション(e)は、図27のセクション(c)を参照して説明された設定の下で得られた増大期間を表す。
【0186】
光量調整部161は、「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件の下において、「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件下よりも、同期制御信号に対して速く応答することができる。したがって、図27のセクション(b)及びセクション(c)に関連して説明された設定の差異は、光量調整部161の動作速度の変動によって略相殺される。したがって、図27のセクション(d)及びセクション(e)に示される増大期間のタイミングは、略等しくなる。したがって、眼鏡装置100Cは、様々な環境温度の条件及び様々な蓄電量の条件の下において、同期制御信号に対して安定した応答動作を実行することができる。本実施形態において、増大期間のタイミングが調整されている。代替的に、透過光量が減少されている減少期間が調整処理の対象として取り扱われてもよい。
【0187】
(映像システムの制御方法)
図28は、映像システム300Cの制御方法を表す概略的なフローチャートである。図20、図21、図23及び図28を用いて、映像システム300Cの制御方法が説明される。
【0188】
(ステップS205)
ステップS205において、眼鏡装置100Cの給電部170は、作動部160Cに給電を開始する。この結果、作動部160Cの様々な要素が動作可能となる。作動部160Cへの給電の後、ステップS210が実行される。
【0189】
(ステップS210)
ステップS210において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、給電の開始に応じて、眼鏡装置100Cと通信可能な表示装置200Cを検索するための検索信号を生成する。検索信号は、眼鏡装置100C自身の通信アドレスに関する情報を含む。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、検索信号を送信する。検索信号の送信の後、表示装置200Cは、ステップS215を実行する。
【0190】
(ステップS215)
ステップS215において、表示装置200Cの通信部215Cは、検索信号を受信する。通信部215Cは、検索信号の受信を、眼鏡装置100Cの通信アドレスに関する情報とともに制御部216Cへ通知する。その後、表示装置200Cは、ステップS220を実行する。
【0191】
(ステップS220)
ステップS220において、表示装置200Cの制御部216Cは、信号生成部214Cを制御し、検索信号に応答するための応答信号を生成する。信号生成部214Cによって生成された応答信号は、表示装置200C自身の通信アドレスに関する情報を含む。通信部215Cは、眼鏡装置100Cの通信アドレスに応答信号を送信する。応答信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS225を実行する。
【0192】
(ステップS225)
ステップS225において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、応答信号を受信する。通信部165Cは、制御部166Cへ応答信号の受信とともに表示装置200Cの通信アドレスに関する情報を通知する。この結果、眼鏡装置100Cは、表示装置200Cの通信アドレスに関する情報を取得し、表示装置200Cは、眼鏡装置100Cの通信アドレスに関する情報を取得する。かくして、眼鏡装置100Cと表示装置200Cとの間で、無線通信路が開かれる。無線通信路が設定された後、眼鏡装置100Cは、ステップS230を実行する。
【0193】
(ステップS230)
ステップS230において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、記憶部167Cに予め記憶された特性データを読み出す。尚、特性データは、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された測定技術を用いて、眼鏡装置100Cに対して個別に取得されている。したがって、特性データは、眼鏡装置100Cの固有の応答特性を表す。
【0194】
制御部166Cは、読み出された特性データを用いて、パケット信号を生成する。通信部165Cは、生成されたパケット信号を表示装置200Cの通信アドレスへ送信する。特性データの送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS245を実行する。表示装置200Cは、ステップS235を実行する。
【0195】
(ステップS235)
ステップS235において、表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを表すパケット信号を受信する。通信部215Cは、パケット信号が表す特性データに関する情報を制御部216Cに出力する。制御部216Cは、通信部215Cが出力した情報を解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、制御部216Cの記憶部218に格納される。特性データが記憶部218に格納された後、表示装置200Cは、ステップS240を実行する。
【0196】
(ステップS240)
ステップS240において、温度検出部217は、映像が観察される環境の温度を検出する。温度検出部217は、検出された温度に関するデータを制御部216Cに出力する。
【0197】
(ステップS245)
ステップS245において、電圧検出部168は、駆動部164に印加されている電圧を検出する。電圧検出部168は、検出された電圧に関するデータを制御部166Cへ出力する。電圧データの出力の後、眼鏡装置100Cは、ステップS250を実行する。
【0198】
(ステップS250)
ステップS250において、制御部166Cは、電圧データを用いて、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号を生成する。パケット信号は、通信部165Cを通じて、表示装置200Cへ送信される。パケット信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS255を実行し、表示装置200Cは、ステップS260を実行する。
【0199】
(ステップS255)
ステップS255において、眼鏡装置100Cは、ステップS250において実行されたパケット信号の送信からの経過時間を測定する。経過時間が所定の長さを超えるならば、ステップS245が実行される。経過時間が所定の長さ以内であるならば、ステップS255が継続される。かくして、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号は、表示装置200Cへ周期的に送信されることとなる。
【0200】
(ステップS260)
ステップS260において、表示装置200Cの通信部215Cは、眼鏡装置100Cの駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Cは、その後、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を制御部216Cに出力する。この結果、制御部216Cは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得することとなる。制御部216Cは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得した後、表示装置200Cは、ステップS265を実行する。
【0201】
(ステップS265)
ステップS265において、制御部216Cは、映像処理部212に対して定めた表示タイミング(即ち、フレーム期間の開始及び/又は終了のタイミング)を基準に、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少させるべきタイミングを決定する。制御部216Cは、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報と特性データとを対比し、表示タイミングを基準に決定されたタイミングを補正する。制御部216Cは、補正されたタイミングに関する情報を含む同期制御信号を、信号生成部214Cに生成させる。この結果、信号生成部214Cが生成する同期制御信号は、環境温度及び駆動部164に印加されている電圧の条件下における光量調整部161の動作特性を適切に反映したタイミングを眼鏡装置100Cに通知することができる。同期制御信号の生成の後、表示装置200Cは、ステップS270を実行する。
【0202】
(ステップS270)
ステップS270において、通信部215Cは、信号生成部214Cが生成した同期制御信号を眼鏡装置100Cの通信アドレスに送信する。同期制御信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS275を実行する。
【0203】
(ステップS275)
ステップS275において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、同期制御信号を受信する。同期制御信号は、その後、制御部166Cへ出力される。制御部166Cが同期制御信号を受け取った後、眼鏡装置100Cは、ステップS280を実行する。
【0204】
(ステップS280)
ステップS280において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、光量調整部161の駆動部164を制御する。この結果、左調整部162は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで眼への透過光量を増大又は減少させる。
【0205】
<第5実施形態>
(眼鏡装置)
図29は、第5実施形態の眼鏡装置100Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。第4実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第4実施形態の説明が援用される。第4実施形態と第5実施形態との間の差異が以下に説明される。
【0206】
眼鏡装置100Dは、第4実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、光量の調整動作を司る作動部160Dを備える。作動部160Dは、第4実施形態に関連して説明された光量調整部161及び記憶部167Cを備える。
【0207】
作動部160Dは、駆動部164の温度を、映像が観察される環境の温度として測定する検出部168Dを更に備える。検出部168Dは、光量調整部161の温度だけでなく、駆動部164に印加された電圧も検出する。本実施形態において、検出部168Dは、温度検出部及び/又は電力検出部として例示される。
【0208】
作動部160Dは、駆動部164を制御する制御部166Dを更に備える。制御部166Dは、第4実施形態と同様に、記憶部167Cに格納された特性データを用いて、パケット信号を生成する。検出部168Dは、制御部166Dに、環境温度に関するデータと駆動部164に印加された電圧に関するデータとを出力する。制御部166Dは、検出部168Dから出力されたデータに応じたパケット信号も生成する。
【0209】
作動部160Dは、パケット信号を送信するための通信部165Dを更に備える。通信部165Dは、第4実施形態と同様に、適切に補正された変動タイミングに関する情報を含む同期制御信号を受信する。通信部165Dは、同期制御信号を制御部166Dに出力する。制御部166Dは、同期制御信号に応じて、駆動部164を制御する。この結果、光量調整部161は、左眼及び右眼の透過光量を適切なタイミングで増大又は減少させることができる。
【0210】
(映像システム)
図30は、映像システム300Dの概略図である。図29及び図30を用いて、映像システム300Dが説明される。
【0211】
映像システム300Dは、眼鏡装置100Dと表示装置200Dとを備える。第4実施形態と同様に、眼鏡装置100Dは、特性データを表示装置200Dへ送信する。眼鏡装置100Dから送信される特性データは、第4実施形態と同様に、環境温度と光量調整部161による調整動作との関係並びに駆動部164に印加される電圧と光量調整部161による調整動作との関係を表す。第4実施形態と異なり、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、電圧に関する情報(データ)だけでなく、環境温度に関する情報(データ)を表示装置200Dへ送信する。本実施形態において、通信部165Dは、データ通信部として例示される。
【0212】
(表示装置)
図31は、表示装置200Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。図29及び図31を用いて、表示装置200Dが説明される。
【0213】
表示装置200Dは、第4実施形態に関連して説明された入力部211、映像処理部212、表示部213及び信号生成部214Cを備える。表示装置200Dは、眼鏡装置100Dが生成したパケット信号を受信する通信部215Dを更に備える。第4実施形態と同様に、通信部215Dは、特性データを含むパケット信号を受信する。第4実施形態と異なり、通信部215Dは、電圧に関する情報だけでなく、環境温度に関する情報を含むパケット信号を受信する。本実施形態において、通信部215Dは、制御信号通信部として例示される。
【0214】
表示装置200Dは、信号生成部214Cを制御し、同期制御信号を生成する制御部216Dを更に備える。制御部216Dは、第4実施形態と同様に、記憶部218を備える。
【0215】
通信部215Dは、眼鏡装置100Dから受信したパケット信号が含む特性データを制御部216Dへ出力する。制御部216Dは、第4実施形態と同様の手法を用いて、通信部215Dからの出力データを解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、記憶部218に記憶される。
【0216】
第4実施形態と異なり、制御部216Dは、電圧に関する情報だけでなく、環境温度に関する情報も、通信部215Dから取得する。第4実施形態と同様に、制御部216Dは、特性データと、電圧に関する情報及び環境温度に関する情報を対比し、検出された電圧条件及び温度条件の下での光量調整部161の応答特性に適合した同期制御信号を生成する。
【0217】
(映像システムの制御方法)
図32は、映像システム300Dの制御方法を表す概略的なフローチャートである。図29乃至図32を用いて、映像システム300Dの制御方法が説明される。
【0218】
(ステップS305)
ステップS305において、眼鏡装置100Dの給電部170は、作動部160Dに給電を開始する。この結果、作動部160Dの様々な要素が動作可能となる。作動部160Dへの給電の後、ステップS310が実行される。
【0219】
(ステップS310)
ステップS310において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、給電の開始に応じて、眼鏡装置100Dと通信可能な表示装置200Dを検索するための検索信号を生成する。検索信号は、眼鏡装置100D自身の通信アドレスに関する情報を含む。眼鏡装置100Dの通信部165Dは、検索信号を送信する。検索信号の送信の後、表示装置200Dは、ステップS315を実行する。
【0220】
(ステップS315)
ステップS315において、表示装置200Dの通信部215Dは、検索信号を受信する。通信部215Dは、検索信号の受信を、眼鏡装置100Dの通信アドレスに関する情報とともに制御部216Dへ通知する。その後、表示装置200Dは、ステップS320を実行する。
【0221】
(ステップS320)
ステップS320において、表示装置200Dの制御部216Dは、信号生成部214Cを制御し、検索信号に応答するための応答信号を生成する。信号生成部214Cによって生成された応答信号は、表示装置200D自身の通信アドレスに関する情報を含む。通信部215Dは、眼鏡装置100Dの通信アドレスに応答信号を送信する。応答信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS325を実行する。
【0222】
(ステップS325)
ステップS325において、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、応答信号を受信する。通信部165Dは、制御部166Dへ応答信号の受信とともに表示装置200Dの通信アドレスに関する情報を通知する。この結果、眼鏡装置100Dは、表示装置200Dの通信アドレスに関する情報を取得し、表示装置200Dは、眼鏡装置100Dの通信アドレスに関する情報を取得する。かくして、眼鏡装置100Dと表示装置200Dとの間で、無線通信路が開かれる。無線通信路が設定された後、眼鏡装置100Dは、ステップS330を実行する。
【0223】
(ステップS330)
ステップS330において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、記憶部167Cに予め記憶された特性データを読み出す。尚、特性データは、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された測定技術を用いて、眼鏡装置100Dに対して個別に取得されている。したがって、特性データは、眼鏡装置100Dの固有の応答特性を表す。
【0224】
制御部166Dは、読み出された特性データを用いて、パケット信号を生成する。通信部165Dは、生成されたパケット信号を表示装置200Dの通信アドレスへ送信する。特性データの送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS345を実行する。表示装置200Dは、ステップS335を実行する。
【0225】
(ステップS335)
ステップS335において、表示装置200Dの通信部215Dは、特性データを表すパケット信号を受信する。通信部215Dは、パケット信号が表す特性データに関する情報を制御部216Dに出力する。制御部216Dは、通信部215Dが出力した情報を解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、制御部216Dの記憶部218に格納される。
【0226】
(ステップS345)
ステップS345において、検出部168Dは、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度を検出する。検出部168Dは、検出された電圧及び温度に関するデータを制御部166Dへ出力する。電圧データ及び温度データの出力の後、眼鏡装置100Dは、ステップS350を実行する。
【0227】
(ステップS350)
ステップS350において、制御部166Dは、電圧データを用いて、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号を生成する。パケット信号は、通信部165Dを通じて、表示装置200Dへ送信される。パケット信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS355を実行し、表示装置200Dは、ステップS360を実行する。
【0228】
(ステップS355)
ステップS355において、眼鏡装置100Dは、ステップS350において実行されたパケット信号の送信からの経過時間を測定する。経過時間が所定の長さを超えるならば、ステップS345が実行される。経過時間が所定の長さ以内であるならば、ステップS355が継続される。かくして、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号は、表示装置200Dへ周期的に送信されることとなる。
【0229】
(ステップS360)
ステップS360において、表示装置200Dの通信部215Dは、眼鏡装置100Dの駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Dは、その後、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を制御部216Dに出力する。この結果、制御部216Dは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得することとなる。制御部216Dは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得した後、表示装置200Dは、ステップS365を実行する。
【0230】
(ステップS365)
ステップS365において、制御部216Dは、映像処理部212に対して定めた表示タイミング(即ち、フレーム期間の開始及び/又は終了のタイミング)を基準に、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少させるべきタイミングを決定する。制御部216Dは、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報と特性データとを対比し、表示タイミングを基準に決定されたタイミングを補正する。制御部216Dは、補正されたタイミングに関する情報を含む同期制御信号を、信号生成部214Cに生成させる。この結果、信号生成部214Cが生成する同期制御信号は、環境温度及び駆動部164に印加されている電圧の条件下における光量調整部161の動作特性を適切に反映したタイミングを眼鏡装置100Dに通知することができる。同期制御信号の生成の後、表示装置200Dは、ステップS370を実行する。
【0231】
(ステップS370)
ステップS370において、通信部215Dは、信号生成部214Cが生成した同期制御信号を眼鏡装置100Dの通信アドレスに送信する。同期制御信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS375を実行する。
【0232】
(ステップS375)
ステップS375において、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、同期制御信号を受信する。同期制御信号は、その後、制御部166Dへ出力される。制御部166Dが同期制御信号を受け取った後、眼鏡装置100Dは、ステップS380を実行する。
【0233】
(ステップS380)
ステップS380において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、光量調整部161の駆動部164を制御する。この結果、左調整部162は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで眼への透過光量を増大又は減少させる。
【0234】
上述の様々な実施形態は、単に例示的なものである。したがって、上述の実施形態の原理は、上記の詳細な説明や図面に記載の事項に限定されない。上述の実施形態の原理の範囲内で、当業者が様々な変形、組み合わせや省略を行うことができることは容易に理解される。
【0235】
上述の補正制御は、光量調整部を駆動するための駆動信号の立ち上がりの時刻から光量調整部における透過率が50%に増大又は減少するまでの期間に対して行われてもよい。代替的に、同期制御信号の立ち上がり又は立ち下がりの時刻から光量調整部における透過率が90%に増大するまでの期間に対して行われてもよい。或いは、同期制御信号の立ち上がり又は立ち下がりの時刻から光量調整部における透過率が10%に減少するまでの期間に対して行われてもよい。
【0236】
左フレーム期間の開始に同期して立ち上がり、右フレーム期間の開始に同期して立ち下がるような信号波形を有する同期制御信号が、上述の補正制御の基準及び表示装置と眼鏡装置との間の通信信号として用いられてもよい。本実施形態の原理は、同期制御信号の波形に限定されるものではない。
【0237】
上述された実施形態は、以下の特徴を主に備える。
【0238】
上述の実施形態の一の局面に係る眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
【0239】
上記構成によれば、光量調整部は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整するための調整動作を実行する。この結果、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
【0240】
光量調整部を制御する第1制御部は、受信部によって受信された同期制御信号が規定する変動タイミングを、記憶部に格納された特性データに基づいて補正する。調整動作に関する特性データに基づき、変動タイミングが補正されるので、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
【0241】
上記構成において、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部を更に備え、前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記第1制御部は、前記電力量に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することが好ましい。
【0242】
上記構成によれば、特性データは、電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。電源部は、調整動作の実行のために電力を供給するので、電源部が蓄える電力量は減少する。第1制御部は、電力量に応じて、変動タイミングに対する補正量を決定するので、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。したがって、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
【0243】
上記構成において、前記特性データは、前記映像が観察される環境の温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記第1制御部は、前記温度に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することが好ましい。
【0244】
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。第1制御部は、温度に応じて、変動タイミングに対する補正量を決定するので、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。したがって、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
【0245】
上記構成において、眼鏡装置は、前記電力量を検出する電力検出部を更に備えることが好ましい。
【0246】
上記構成によれば、電力検出部は、電力量を検出するので、第1制御部は、電力量に応じて、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。したがって、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。
【0247】
上記構成において、眼鏡装置は、前記温度を検出する温度検出部を更に備えることが好ましい。
【0248】
上記構成によれば、温度検出部は、温度を検出するので、第1制御部は、温度に応じて、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。したがって、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。
【0249】
上記構成において、前記特性データは、前記光量調整部に対して固有に定められたデータであることが好ましい。
【0250】
上記構成によれば、特性データは、光量調整部に対して固有に定められたデータであるので、第1制御部は、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。
【0251】
上述の実施形態の他の局面に係る表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記制御信号通信部は、前記眼鏡装置から、前記調整動作に関する特性データを受信し、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする。
【0252】
上記構成によれば、表示部は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する。第2制御部は、表示部に表示タイミングで左フレーム画像と右フレーム画像とを順次表示させる。制御信号通信部は、第2制御部の制御下で、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ同期制御信号を送信し、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを通知する。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、調整動作を行うことができる。
【0253】
制御信号通信部は、眼鏡装置から、調整動作に関する特性データを受信する。第2制御部は、表示タイミングと特性データとに基づき、同期制御信号の送信を制御するので、眼鏡装置は、特性データに応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
【0254】
上記構成において、前記同期制御信号は、前記表示タイミングに関するタイミング情報を含み、前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記タイミング情報を変更することが好ましい。
【0255】
上記構成によれば、同期制御信号は、表示タイミングに関するタイミング情報を含む。第2制御部は、特性データに応じて、タイミング情報を変更するので、眼鏡装置は、特性データに応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
【0256】
上記構成において、前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記同期制御信号の送信タイミングを変更することが好ましい。
【0257】
上記構成によれば、第2制御部は、特性データに応じて、同期制御信号の送信タイミングを変更するので、眼鏡装置は、特性データに応じたタイミングで、同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
【0258】
上記構成において、表示装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を更に備え、前記特性データは、前記温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表し、前記第2制御部は、前記温度に応じて、前記送信を制御することが好ましい。
【0259】
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表す。第2制御部は、温度検出部によって検出された環境温度に応じて、同期制御信号の送信を制御するので、環境温度に応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、温度が変化する環境下においても、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
【0260】
上述の実施形態の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
【0261】
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
【0262】
表示装置の送信部は、変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する。眼鏡装置の受信部は、同期制御信号を受信する。調整動作を実行する光量調整部を制御する第1制御部は、受信部によって受信された同期制御信号が規定する変動タイミングを、記憶部に格納された特性データに基づいて補正する。調整動作に関する特性データに基づき、変動タイミングが補正されるので、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
【0263】
上述の実施形態の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を実行する光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、前記表示装置は、前記映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記特性データを受信し、且つ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で前記データ通信部へ送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする。
【0264】
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
【0265】
記憶部は、光量調整部によって実行される調整動作に関する特性データを格納する。データ通信部は、特性データを表示装置に送信する。表示装置の制御信号通信部は、特性データを受信する。この結果、眼鏡装置の特性データは、表示装置に伝達される。
【0266】
表示装置の第2制御部は、左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定する。表示部は、第2制御部の制御下において、表示タイミングで左フレーム画像と右フレーム画像とを順次表示させる。この結果、観察者は、表示部が表示する映像を立体的に知覚することができる。
【0267】
表示装置の制御信号通信部は、同期制御信号を、第2制御部の制御下で、眼鏡装置のデータ通信部へ送信する。この結果、表示タイミングは、眼鏡装置に通知される。
【0268】
表示装置の第2制御部は、表示タイミングと特性データとに基づき、同期制御信号の送信を制御するので、眼鏡装置の第1制御部は、同期制御信号に応じて、光量調整部を適切に制御することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
【0269】
上記構成において、前記眼鏡装置は、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部と、該電源部が蓄える電力量を検出する電力検出部と、を含み、前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記電力量に関する電力情報を前記制御信号通信部へ送信し、前記第2制御部は、前記電力情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することが好ましい。
【0270】
上記構成によれば、特性データは、電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。電源部は、調整動作の実行のために電力を供給するので、電源部が蓄える電力量は減少する。電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す特性データが送信された後、データ通信部は、電力量に関する電力情報を制御信号通信部へ送信する。この結果、眼鏡装置の特性データだけでなく電力情報も、表示装置に伝達される。表示装置の第2制御部は、電力情報と特性データとを対比し、同期制御信号の前記送信を制御するので、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。
【0271】
上記構成において、前記眼鏡装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を含み、前記特性データは、前記温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記温度に関する温度情報を前記制御信号通信部へ送信し、前記第2制御部は、前記温度情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することが好ましい。
【0272】
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す特性データが送信された後、データ通信部は、温度検出部によって検出された温度に関する温度情報を制御信号通信部へ送信する。この結果、眼鏡装置の特性データだけでなく温度情報も、表示装置に伝達される。表示装置の第2制御部は、温度情報と特性データとを対比し、同期制御信号の前記送信を制御するので、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。
【0273】
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置に適用される。制御方法は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする。
【0274】
上記構成によれば、眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行うために、変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する。その後、眼鏡装置は、同期制御信号によって規定された変動タイミングを、調整動作に関する特性データに基づいて補正する。したがって、眼鏡装置は、適切に制御された調整動作を行うことができる。
【0275】
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムに適用される。制御方法は、前記調整動作に関する特性データを、前記眼鏡装置から前記表示装置へ送信する段階と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像が表示される表示タイミングを決定する段階と、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを前記眼鏡装置へ通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする。
【0276】
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
【0277】
調整動作に関する特性データは、眼鏡装置から表示装置へ送信される。したがって、表示装置は、特性データを取得することができる。同期制御信号の送信は、左フレーム画像及び右フレーム画像が表示される表示タイミングと特性データとに基づき制御されるので、特性データに応じた表示タイミングが眼鏡装置へ通知される。したがって、眼鏡装置は、適切に制御された調整動作を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0278】
上述の実施形態の原理は、眼鏡装置の補助下で映像を視聴させる映像技術に好適に利用される。
立体映像を観察者に適切に観察させるための映像技術に関する。
3D映画の普及に伴って、家庭内で3D映像を視聴するための表示装置が、開発並びに市販されている(特許文献1乃至5参照)。3D映像用の表示装置は、典型的には、フレームシーケンシャル方式(時分割方式とも称される)を採用している。表示装置は、左眼で視聴される左フレーム画像と、右眼で視聴される右フレーム画像と、を時間的に交互に切り替えて表示する。
フレームシーケンシャル方式或いは時分割方式を採用する表示装置として、映画館で用いられるプロジェクタや家庭内で用いられるテレビ装置やパーソナルコンピュータのディスプレイ装置が例示される。これらの3D表示装置は、左フレーム画像と右フレーム画像とを時間的に交互に切り替えて表示する。
観察者は、眼鏡装置(一般的に、3Dアクティブシャッタ眼鏡と称される)を介して、3D表示装置が表示する映像を観察する。眼鏡装置は、左眼前に配設される左シャッタと、右眼前に配設される右シャッタと、を備える。左眼及び右眼へ透過する映像光の量は、左シャッタ及び右シャッタの開閉動作に応じて、変動する。
表示装置は、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示に同期する同期制御信号を送信する。同期制御信号として、例えば、赤外(IR)信号や無線(RF)信号が用いられる。同期制御信号を受信した眼鏡装置は、左フレーム画像の表示に同期して、左シャッタを開く一方で、右シャッタを閉じる。また、眼鏡装置は、右フレーム画像の表示に同期して、右シャッタを開く一方で、左シャッタを閉じる。かくして、左フレーム画像からの映像光は左眼のみに透過し、右フレーム画像からの映像光は右眼のみに透過する。
同期制御信号に対するシャッタの応答特性は、眼鏡装置ごとに異なることもある。例えば、ある眼鏡装置(以下、「眼鏡装置A」と称される)は、右シャッタを開く又は閉じるための同期制御信号を受け取ってから、右シャッタを開く又は閉じるために、「X1」の期間だけ要する。他の眼鏡装置(以下、「眼鏡装置B」と称される)は、右シャッタを開く又は閉じるための同期制御信号を受け取ってから右シャッタを開く又は閉じるために、「X1」より短い又は長い「X2」の期間だけ要する。左シャッタに関しても、眼鏡装置A,B間において、応答期間の差異は生じうる。
眼鏡装置A,Bとの間の型式が異なるならば、例えば、眼鏡装置A,B間の設計の相違に起因して、上述の応答期間の差異が生じうる。眼鏡装置A,Bとの間の型式が同一であっても、例えば、シャッタに用いられる素子の特性のばらつきに起因して、上述の応答期間の差異が生じうる。
米国特許公開公報第2011/0228215号明細書 米国特許公開公報第2011/0043753号明細書 米国特許公開公報第2011/0181708号明細書 米国特許公開公報第2011/0242293号明細書 米国特許公開公報第2010/0295929号明細書
本発明は、眼鏡装置の動作特性に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整することができる映像技術を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係る眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
本発明の他の局面に係る表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする。
本発明の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、前記調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を実行する光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、前記表示装置は、前記映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記データ通信部へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置に用いられる。制御方法は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムに用いられる。制御方法は、前記調整動作に関する特性データを、前記表示装置へ送信する段階と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定する段階と、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする。
本発明は、眼鏡装置の動作特性に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
第1実施形態の眼鏡装置の概略的な斜視図である。 一般的な眼鏡装置の応答特性を表す概略的なタイミングチャートである。 図1に示される眼鏡装置のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。 図3に示される眼鏡装置に格納される特性データを取得するための測定システムの概略図である。 図4に示される測定システムを用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。 図4に示される測定システムを用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。 図3に示される眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図3に示される眼鏡装置とともに用いられる表示装置のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。 図7に示される表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図6に示される眼鏡装置の制御部による同期制御信号に対する処理を表す概略的な表である。 図6に示される眼鏡装置の制御部によって作成された基準データを表す概略的なグラフである。 図6に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを表す概略的な表である。 図6に示される眼鏡装置の制御部による補正処理を概略的に表すグラフである。 図6に示される眼鏡装置を備える映像システムの概略図である。 図6に示される眼鏡装置の制御方法を表す概略的なフローチャートである。 第2実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図15に示される眼鏡装置の記憶部に記憶される特性データを概略的に表す表である。 図15に示される眼鏡装置の制御部による補正処理を概略的に表すグラフである。 第3実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図18に示される眼鏡装置の駆動部の温度と給電期間との関係を表す概略的なグラフである。 第4実施形態の表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図20に示される表示装置を備える映像システムの概略図である。 図21に示される映像システムの表示装置と眼鏡装置との間の通信に用いられるパケット構造の概略図である。 図21に示される映像システムの眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図23に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを例示する表である。 図23に示される眼鏡装置の光量調整部の動作速度を表す概略的なグラフである。 図23に示される眼鏡装置の記憶部に記憶された特性データを例示する表である。 図23に示される眼鏡装置の光量調整部の動作速度を表す概略的なグラフである。 図23に示される眼鏡装置の制御部によって作成されるデータ列構造の概略図である。 左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正を表す概略的なタイミングチャートである。 図21に示される映像システムの制御方法を表す概略的なフローチャートである。 第5実施形態の眼鏡装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図29に示される眼鏡装置を備える映像システムの概略図である。 図30に示される映像システムの表示装置の機能構成を表す概略的なブロック図である。 図30に示される映像システムの制御方法を表す概略的なフローチャートである。
例示的な映像技術が、添付の図面を参照して説明される。尚、図面に示される構成、配置或いは形状等並びに図面に関連する記載は、映像技術の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、映像技術の原理は、以下の詳細な説明に何ら限定するものではない。
<第1実施形態>
(眼鏡装置)
図1は、第1実施形態の眼鏡装置100の概略的な斜視図である。図1を用いて、眼鏡装置100が説明される。
眼鏡装置100は、観察者の左眼及び右眼へ透過する光量を調整するシャッタ部110を備える。シャッタ部110は、観察者の左眼前に配置される左シャッタ111と、右眼前に配置される右シャッタ112と、を含む。
表示装置(後述される)が、左眼で観察される左フレーム画像を表示している間、左シャッタ111が開く一方で、右シャッタ112は閉じる。この結果、左眼へ到達する映像光の量は大きくなる一方で、右眼へ到達する映像光の量は小さくなる。かくして、観察者は、左眼で主に左フレーム画像を観察することとなる。
表示装置が、右眼で観察される右フレーム画像を表示している間、左シャッタ111が閉じる一方で、右シャッタ112は開く。この結果、左眼へ到達する映像光の量は小さくなる一方で、右眼へ到達する映像光の量は大きくなる。かくして、観察者は、右眼で主に右フレーム画像を観察することとなる。
表示装置が、例えば、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示し、且つ、左シャッタ111及び右シャッタ112が、上述の如く、左フレーム画像及び右フレーム画像に同期して、開閉するならば、観察者は、左フレーム画像と右フレーム画像とを脳内で合成する。左フレーム画像に描かれるオブジェクトと右フレーム画像に描かれるオブジェクトとの間には、例えば、位置的な差異が設けられているので、観察者は、位置的な差異量の分だけ、映像が表示される表示面からオブジェクトが飛び出したように、或いは、表示面からオブジェクトが引っ込んだように知覚することができる(即ち、観察者は、表示装置が表示する映像を立体的に知覚する)。
上述の如く、左シャッタ111は、左眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを左フレーム画像の表示期間(左フレーム期間)に適合させる。右シャッタ112は、右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを右フレーム画像の表示期間(右フレーム期間)に適合させる。この結果、観察者は、表示装置が表示する映像を立体的に知覚することができる。以下の説明において、シャッタ部110による変動タイミングの調整は、「調整動作」と称される。本実施形態において、シャッタ部110は、光量調整部として例示される。
シャッタ部110の調整動作は、表示装置から送信される同期制御信号に基づいて制御される。眼鏡装置100は、同期制御信号を受信する受信素子150を備える。本実施形態において、同期制御信号は、赤外線信号であってもよく、或いは、無線信号であってもよい。本実施形態において、受信素子150は、受信部として例示される。
表示装置は、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示の開始のタイミングを、眼鏡装置100に通知するために同期制御信号を送信する。眼鏡装置100が、同期制御信号に応じて、左フレーム画像の表示の開始に同期して、左シャッタ111を開くならば、観察者は、左フレーム画像を適切に観察することができる。眼鏡装置100が、同期制御信号に応じて、右フレーム画像の表示の開始に同期して、右シャッタ112を開くならば、観察者は、右フレーム画像を適切に観察することができる。本実施形態において、同期制御信号は、各フレーム画像のタイミングを規定するために用いられる。
本実施形態において、同期制御信号が規定する変動タイミングは、左フレーム画像及び/又は右フレーム画像の表示タイミングに専ら依存する。同期制御信号に対する眼鏡装置100の応答特性は、眼鏡装置100の固有の性能や眼鏡装置100が使用される環境(温度環境や電池残量)に影響される。したがって、シャッタ部110の調整動作が、眼鏡装置100の応答特性に大きく影響されるならば、表示装置が同期制御信号を適切に送信しても、観察者が適切なタイミングで左フレーム画像及び/又は右フレーム画像を観察できないこともある。本実施形態の原理は、眼鏡装置100のシャッタ部110の応答特性のばらつき或いは変動が調整動作に与える影響を補償することに貢献する。
眼鏡装置100は、シャッタ部110を支持するフレーム部121と、フレーム部121から観察者の耳へ向けて延びるアーム部122と、を備える。したがって、観察者は、一般的な視力矯正用の眼鏡と同様に、眼鏡装置100を着用することができる。この結果、左シャッタ111は、左眼前に配置され、且つ、右シャッタ112は、右眼前に配置される。
眼鏡装置100は、シャッタ部110への給電を制御するためのスイッチ素子130を更に備える。観察者がスイッチ素子130を「オン位置」に設定するならば、眼鏡装置100内の様々な要素(後述される)への給電が開始される。観察者がスイッチ素子130を「オフ位置」に設定するならば、眼鏡装置100内の様々な要素への給電は停止される。したがって、観察者は、スイッチ素子130を用いて、不必要な電力消費を防止することができる。
図2は、一般的な眼鏡装置の応答特性を表す概略的なタイミングチャートである。図1及び図2を用いて、眼鏡装置の応答特性のばらつき及び変動が説明される。
図2のセクション(a)は、左フレーム画像の表示期間として割り当てられた左フレーム期間と、右フレーム画像の表示期間として割り当てられた右フレーム期間とを表す。左フレーム期間及び右フレーム期間は交互に割り当てられている。
図2のセクション(b)は、表示装置から送信される同期制御信号を表す。左シャッタを動作させるための同期制御信号は、左フレーム期間の開始に同期して送信される。右シャッタを動作させるための同期制御信号は、右フレーム期間の開始に同期して送信される。
図2のセクション(c)は、左シャッタを駆動するための駆動信号を表す。図2のセクション(d)は、右シャッタを駆動するための駆動信号を表す。
左シャッタ及び右シャッタの開閉タイミングは、駆動信号の電圧レベルの変動タイミングに依存する。左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、眼鏡装置が左シャッタ用の同期制御信号を受信した後に降下する。所定期間の経過後、左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、増加する。右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、眼鏡装置が右シャッタ用の同期制御信号を受信した後に降下する。所定期間の経過後、右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルは、上昇する。
図2のセクション(e)は、左眼への透過光量の変動を表す。左眼への透過光量の変動は、左シャッタの調整動作を反映している。左シャッタの調整動作は、左シャッタ用の駆動信号の電圧レベルの変動に依存する。例えば、駆動信号の電圧レベルが降下するならば、左シャッタは開き始める。図2のセクション(e)において、左シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから左眼への透過光量が最大透過光量の50%に増加するまでの時間は、「T(LO)」の符号を用いて表される。また、駆動信号の電圧レベルが上昇するならば、左シャッタは閉じ始める。左シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから、左眼への透過光量が最大透過光量の50%に減少するまでの時間は、「T(LC)」の符号を用いて表される。駆動信号の電圧レベルが低い間、左シャッタは開き、左眼への映像光の透過量は大きくなる。
左シャッタの開閉タイミングは、シャッタ材料、眼鏡装置の設計の差異、製造過程で生じたばらつきに起因して変動する。加えて、典型的な左シャッタに用いられる液晶の動作特性は、使用環境の温度や眼鏡装置が蓄えている電力量(電源電圧値)に影響されることが知られている。
図2のセクション(f)は、右眼への透過光量の変動を表す。右眼への透過光量の変動は、右シャッタの調整動作を反映している。右シャッタの調整動作は、右シャッタ用の駆動信号の電圧レベルの変動に依存する。例えば、駆動信号の電圧レベルが降下するならば、右シャッタは開き始める。右シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから右眼への透過光量が最大透過光量の50%に増加するまでの時間は、「T(RO)」の符号を用いて表される。また、駆動信号の電圧レベルが上昇するならば、右シャッタは閉じ始める。右シャッタ用の同期制御信号の立ち上がりから、右眼への透過光量が最大透過光量の50%に減少するまでの時間は、「T(RC)」の符号を用いて表される。駆動信号の電圧レベルが低い間、右シャッタは開き、右眼への映像光の透過量は大きくなる。
右シャッタの開閉タイミングは、シャッタ材料、眼鏡装置の設計の差異、製造過程で生じたばらつきに起因して変動する。加えて、典型的な右シャッタに用いられる液晶の動作特性は、使用環境の温度や眼鏡装置が蓄えている電力量(電源電圧値)に影響されることが知られている。
上述の如く、眼鏡装置による調整動作は、様々な因子によって変動される。図1を参照して説明された眼鏡装置100の様々な要素(後述される)は、シャッタ部110の調整動作と調整動作に影響を与える影響因子との関係を表す特性データを利用して、同期制御信号の立ち上がりから左眼及び右眼への透過光量が50%に増加或いは減少するのに要する時間のばらつきを抑制する。
図3は、眼鏡装置100のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図3を用いて、眼鏡装置100のハードウェア構成が説明される。
眼鏡装置100は、上述の如く、シャッタ部110、スイッチ素子130及び受信素子150を備える。シャッタ部110は、左シャッタ111及び右シャッタ112に加えて、これらを駆動するための駆動回路113を備える。表示装置が左フレーム画像を表示している間、駆動回路113は、左シャッタ111及び右シャッタ112へ印加する電圧値を調整し、左シャッタ111を開き、右シャッタ112を閉じる。表示装置が右フレーム画像を表示している間、駆動回路113は、左シャッタ111及び右シャッタ112へ印加する電圧値を調整し、左シャッタ111を閉じ、右シャッタ112を開く。
眼鏡装置100は、駆動回路113を制御するためのCPU140を更に備える。受信素子150は、表示装置から受け取った同期制御信号をCPU140に出力する。表示装置が同期制御信号として、赤外線信号を送信するならば、受信素子150は、赤外線信号を電気信号に変換する。受信素子150は、電気信号をCPU140に出力する。表示装置が同期制御信号として、無線信号を送信するならば、受信素子150は、無線信号をCPU140が読み取ることができる形式に変換する。変換された信号は、CPU140に出力される。
CPU140は、受信素子150を通じて、取得した同期制御信号に応じて、駆動回路113を制御する。駆動回路113は、CPU140の制御下で、表示装置の表示動作に同期して、左シャッタ111及び右シャッタ112を駆動することができる。本実施形態において、CPU140は、第1制御部として例示される。
眼鏡装置100は、CPU140へ時刻に関する情報を出力するクロック141を更に備える。CPU140は、クロック141からの時刻データに応じて、同期制御信号の受信時刻を見極めることができる。CPU140は、同一の波形を有する同期制御信号の受信時刻に対して平均化処理を行ってもよい。CPU140は、平均化処理後の受信時刻のデータに基づき、左シャッタ111及び右シャッタ112を開閉する時刻を決定してもよい。
眼鏡装置100は、同期制御信号の受信時刻に関するデータを格納するメモリ142を更に備える。メモリ142には、上述の調整動作に関する特性データも格納される。CPU140は、メモリ142に格納された特性データを参照し、左シャッタ111及び右シャッタ112を開閉する時刻を決定する。本実施形態において、メモリ142は、記憶部として例示される。
眼鏡装置100は、駆動回路113に印加された電源電圧値を検出する電圧検出素子143を更に備える。電圧検出素子143は、駆動回路113に印加された電源電圧値に関するデータをCPU140に出力する。本実施形態において、メモリ142に格納された特性データは、駆動回路113に印加された電源電圧値と、左シャッタ111及び/又は右シャッタ112の応答速度(動作速度)との関係を表す。特性データは、後述される。
眼鏡装置100は、電池144を更に備える。電池144が蓄える電力は、シャッタ部110、CPU140、クロック141、メモリ142、電圧検出素子143及び受信素子150へ、スイッチ素子130を通じて供給される。観察者は、スイッチ素子130を操作し、電池144からこれらの要素への電力供給を制御することができる。本実施形態において、電池144は、電源部として例示される。
電池144が蓄える電力量は、駆動回路113に加わる電圧値に影響する。したがって、電圧検出素子143が検出する電圧値は、電池144に蓄えられている電力量を反映する。本実施形態において、電圧検出素子143は、電力検出部として例示される。本実施形態において、電池144に蓄えられている電力量は、電圧検出素子143によって検出された電圧値に代替されている。しかしながら、電池に蓄えられた電力量は、直接的に測定されてもよい。或いは、電池に蓄えられた電力量を反映する他の可変量が代替的に検出されてもよい。
シャッタ部110が調整動作を行うならば、電池144に蓄えられた電力は消費される。この結果、電池144の電力量は、徐々に低減する。本実施形態において、左シャッタ111及び右シャッタ112の動作速度は、電池144の電力量の低下に伴い、遅くなる。メモリ142に格納された特性データは、電池144の電力量の低下に伴って遅くなるシャッタ部110の動作速度の傾向を表す。CPU140は、メモリ142に格納された特性データと電圧検出素子143が出力した電圧値に関するデータとを比較し、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大及び減少させるタイミングを決定する。決定手法は、後述される。
図4は、特性データを取得するための測定システム900の概略図である。図4を用いて、特性データの取得方法が説明される。
測定システム900は、眼鏡装置100の左シャッタ111又は右シャッタ112に向けて光を出射する単色LED910と、左シャッタ111又は右シャッタ112を透過した光の輝度を測定する輝度測定器920と、を備える。輝度測定器920は、眼鏡装置100のメモリ142に、測定された輝度のデータを時間データとともに出力する。
測定システム900は、眼鏡装置100の駆動回路113に電力を供給する電源930と、駆動回路113へ印加される電圧を制御する印加制御部940と、を備える。電源930は、駆動回路113に印加される電圧レベルを可変にする。印加制御部940は、電源930による駆動回路113への電圧印加のタイミングを調整する。印加制御部940は、眼鏡装置100のメモリ142に、電源930から出力される電圧のデータを時間データとともに出力する。尚、印加制御部940から出力される時間データは、輝度測定器920から出力される時間データと一致している。
図5A及び図5Bは、測定システム900を用いて測定された特性データを表す概略的なグラフである。図4乃至図5Bを用いて、特性データが説明される。
図5Aは、電源930が高い電圧を駆動回路113に印加したときに得られた特性データのグラフである。上側のグラフは、電源930が出力する電圧の変動を表す。下側のグラフは、輝度測定器920から出力される輝度の変動を表す。
電源930は、時刻TDに電圧を降下させ、時刻TUに電圧を上昇させている。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TDにおける電圧降下に応じて開く。その後、時刻TO1において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の90%となる。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TUにおける電圧上昇に応じて閉じる。その後、時刻TC1において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の10%となる。図5Aには、時刻TO1と時刻TDとの差分値「ΔTOH」及び時刻TC1と時刻TUとの差分値「ΔTCH」が示されている。
図5Bは、電源930が低い電圧を駆動回路113に印加したときに得られた特性データのグラフである。上側のグラフは、電源930が出力する電圧の変動を表す。下側のグラフは、輝度測定器920から出力される輝度の変動を表す。
電源930は、時刻TDに電圧を降下させ、時刻TUに電圧を上昇させている。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TDにおける電圧降下に応じて開く。その後、時刻TO2において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の90%となる。左シャッタ111又は右シャッタ112は、時刻TUにおける電圧上昇に応じて閉じる。その後、時刻TC2において、左シャッタ111又は右シャッタ112を通じて得られた輝度は、最大値の10%となる。図5Bには、時刻TO2と時刻TDとの差分値「ΔTOL」及び時刻TCと時刻TUとの差分値「ΔTCL」が示されている。本実施形態において、差分値「ΔTOL」は、図5Aを参照して説明された差分値「ΔTOH」よりも大きい。また、差分値「ΔTCL」は、図5Aを参照して説明された差分値「ΔTCH」よりも大きい。
メモリ142は、駆動回路113に印加された電圧のレベルに関連づけて、上述の差分値に関するデータを記憶してもよい。この結果、メモリ142に記憶されたデータは、電圧レベルの変動に対応した左シャッタ111及び右シャッタ112の応答遅れを表すことができる。特性データを用いた左シャッタ111及び右シャッタ112の制御は、後述される。
図6は、眼鏡装置100の機能構成を表す概略的なブロック図である。図3及び図6を用いて、眼鏡装置100が説明される。
眼鏡装置100は、調整動作を司る作動部160と、作動部160が必要とする電力を供給する給電部170と、を備える。
給電部170は、電力を蓄える電源部171と、作動部160への電力供給を制御するための給電切替部172と、を備える。電源部171は、図3を参照して説明された電池144に相当する。給電切替部172は、図3を参照して説明されたスイッチ素子130に相当する。作動部160による調整動作、受信動作や信号処理動作の結果、電源部171に蓄えられた電力量は低減する。
作動部160は、調整動作を実行する光量調整部161を備える。光量調整部161は、左眼への透過光量を調整するための左調整部162と、右眼への透過光量を調整するための右調整部163と、左調整部162と右調整部163とを駆動するための駆動部164と、を備える。
表示装置が左フレーム画像を表示している間、駆動部164は、左調整部162を駆動し、左眼へ透過する映像光の量を増大させる。この間、駆動部164は、右調整部163に、右眼への低減された透過光量を維持させる。駆動部164は、左調整部162に、所定期間、左眼への増大された透過光量を維持させた後、左調整部162を動作させる。この結果、左調整部162は、左眼へ透過する映像光の量を低減させる。
表示装置が右フレーム画像を表示している間、駆動部164は、右調整部163を駆動し、右眼へ透過する映像光の量を増大させる。この間、駆動部164は、左調整部162に、左眼への低減された透過光量を維持させる。駆動部164は、右調整部163に、所定期間、右眼への増大された透過光量を維持させた後、右調整部163を動作させる。この結果、右調整部163は、右眼へ透過する映像光の量を低減させる。
本実施形態において、光量調整部161は、シャッタ部110に対応する。左調整部162は、左シャッタ111に対応する。右調整部163は、右シャッタ112に対応する。駆動部164は、駆動回路113に対応する。
左調整部162が、左眼への透過光量を増大させることは、左シャッタ111が開くことを意味する。左調整部162が、左眼への透過光量を減少させることは、左シャッタ111が閉じることを意味する。右調整部163が、右眼への透過光量を増大させることは、右シャッタ112が開くことを意味する。右調整部163が、右眼への透過光量を減少させることは、右シャッタ112が閉じることを意味する。
眼鏡装置100は、表示装置からの同期制御信号を受信する受信部165を更に備える。受信部165は、図3を参照して説明された受信素子150に相当する。
眼鏡装置100は、光量調整部161の駆動部164を制御する制御部166を更に備える。受信部165は、同期制御信号を制御部166へ出力する。例えば、制御部166は、同期制御信号の受信時刻を平均化処理し、同期制御信号によって規定される増大期間のタイミング(左調整部162が左眼への透過光量を増大させている期間のタイミング及び/又は右調整部163が右眼への透過光量を増大させている期間のタイミング)又は減少期間のタイミング(左調整部162が左眼への透過光量を減少させている期間のタイミング及び/又は右調整部163が右眼への透過光量を減少させている期間のタイミング)を見極めてもよい。制御部166は、上述の特性データと駆動部164に印加された電圧とを比較し、見極められた増大期間のタイミング又は減少期間のタイミングを補正する。制御部166は、補正された増大期間のタイミング又は減少期間のタイミングに基づき、駆動部164を制御する。この結果、駆動部164によって駆動される左調整部162及び右調整部163の調整動作が適切に制御される。制御部166は、図3を参照して説明されたCPU140及びクロック141に対応する。本実施形態において、制御部166は、第1制御部として例示される。
眼鏡装置100は、駆動部164に印加される電圧レベルと光量調整部161の動作速度との関係を表す特性データを記憶する記憶部167と、駆動部164に印加されている電圧のレベルを検出する電圧検出部168と、を備える。本実施形態において、駆動部164に印加される電圧のレベルは、電源部171が蓄える電力量に依存する。したがって、電圧検出部168によって検出された駆動部164での電圧レベルは、電源部171が蓄える電力量を反映している。記憶部167は、図3を参照して説明されたメモリ142に相当する。電圧検出部168は、図3を参照して説明された電圧検出素子143に相当する。本実施形態において、電圧検出部168は、電力検出部として例示される。
制御部166は、記憶部167を参照し、駆動部164に印加される電圧レベルと光量調整部161の動作速度との関係を表す特性データを取得する。また、電圧検出部168は、制御部166に、駆動部164に印加されている電圧に関するデータを出力する。制御部166は、特性データと、電圧検出部168からの出力データと、を比較し、同期制御信号によって規定された変動タイミングを補正する。制御部166による補正処理は後述される。
(表示装置)
図7は、表示装置200のハードウェア構成を表す概略的なブロック図である。図3及び図7を用いて、表示装置200が説明される。
表示装置200は、映像信号が入力される復号化IC201を備える。復号化IC201に入力される映像信号は、符号化されている。復号化IC201は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号は、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG−4やH264といった手法に従い符号化されてもよい。
表示装置200は、映像信号処理IC202を更に備える。復号化IC201は、映像信号処理IC202に復号化された映像信号を出力する。映像信号処理IC202は、復号化された映像信号を処理し、立体映像を表示するための映像データを作り出す。例えば、映像信号処理IC202は、映像信号から、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、を抽出してもよい。映像信号処理IC202は、その後、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、交互に出力してもよい。代替的に、左フレーム画像に対応する映像データ及び右フレーム画像に対応する映像データは、復号化IC201から映像信号処理IC202へ出力される映像信号から自動的に生成されてもよい。映像信号処理IC202は、左フレーム画像に対応する映像データと、右フレーム画像に対応する映像データと、交互に出力してもよい。
表示装置200は、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示するディスプレイパネル203を更に備える。映像信号処理IC202は、ディスプレイパネル203に対応する信号入力方式に従って、左フレーム画像及び右フレーム画像に対応する映像データを出力する。
映像信号処理IC202は、ディスプレイパネル203の特性に応じて、他の処理(例えば、色彩調整処理やフレームレートの調整処理)を行ってもよい。映像信号処理IC202が、復号化IC201が生成した映像データのフレーム間の映像を補間するならば、ディスプレイパネル203が表示する映像のフレームレートが増大することとなる。
表示装置200は、眼鏡装置100の受信素子150へ送信される同期制御信号を生成する送信制御IC204を更に備える。送信制御IC204が生成する同期制御信号は、ディスプレイパネル203に表示されるフレーム画像の表示の開始及び/又は終了を通知するために用いられる。上述の如く、眼鏡装置100は、同期制御信号によって通知されるフレーム画像の表示の開始時刻及び/又は終了時刻を、左シャッタ111及び右シャッタ112が左眼及び右眼へ透過光量を増大又は減少させている期間のタイミング(増大期間又は減少期間のタイミング)の基準として利用する。眼鏡装置100は、同期制御信号が規定した基準のタイミングを補正し、シャッタ部110の特性に応じたタイミングで左シャッタ111及び右シャッタ112を動作させる。
表示装置200は、同期制御信号を送信するための送信素子205を更に備える。本実施形態において、送信素子205は、赤外線を発光する発光素子であってもよい。代替的に、送信素子205は、無線信号を送信可能な無線素子であってもよい。送信制御IC204は、送信素子205を制御する。送信素子205は、送信制御IC204の制御下で、同期制御信号を送信する。同期制御信号の送信は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に同期される。
表示装置200は、復号化IC201、映像信号処理IC202及び送信制御IC204を制御するCPU206を更に備える。CPU206は、映像信号処理IC202及び送信制御IC204に対する制御を司るので、同期制御信号の送信を、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に適切に同期させることができる。
表示装置200は、CPU206が実行するプログラムを格納するメモリ207を更に備える。メモリ207は、CPU206によるプログラムの実行に伴って発生したデータを記憶する領域として利用されてもよい。メモリ207として、揮発性のRAM(Random Access Memory)や不揮発性のROM(Read Only Memory)が利用されてもよい。
表示装置200は、CPU206へクロック信号を供給するクロック208を更に備える。CPU206は、クロック信号を利用して、同期制御信号の送信を、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に適切に同期させることができる。
図8は、表示装置200の機能構成を表す概略的なブロック図である。図6乃至図8を用いて、表示装置200が更に説明される。
表示装置200は、映像信号が入力される入力部211を備える。入力部211に入力される映像信号は、符号化されている。入力部211は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号は、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG−4やH264といった手法に従い符号化されてもよい。入力部211は、図7を参照して説明された復号化IC201に相当する。
表示装置200は、映像処理部212を更に備える。入力部211は、復号化された映像信号を映像処理部212へ出力する。映像処理部212は、映像信号に応じて、左フレーム画像及び右フレーム画像を表示するための映像データを生成する。映像処理部212は、図7を参照して説明された映像信号処理IC202に相当する。
表示装置200は、表示部213を更に備える。映像処理部212は、左フレーム画像を表示するための映像データと、右フレーム画像を表示するための映像データと、を表示部213に交互に出力する。表示部213は、映像処理部212から受け取った映像データを用いて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。
表示装置200は、映像処理部212を制御する制御部216を更に備える。映像処理部212は、制御部216の制御下で、上述の映像信号の処理を行う。制御部216は、図7を参照して説明されたCPU206、メモリ207及びクロック208に相当する。
表示装置200は、制御部216の制御下で、同期制御信号を生成する信号生成部214を更に備える。制御部216は、映像処理部212から表示部213への左フレーム画像のデータの出力に同期して、信号生成部214に、左フレーム画像の表示を通知するための同期制御信号を出力させる。制御部216は、映像処理部212から表示部213への右フレーム画像のデータの出力に同期して、信号生成部214に、右フレーム画像の表示を通知するための同期制御信号を出力させる。信号生成部214は、図7を参照して説明された送信制御IC204に相当する。
表示装置200は、同期制御信号を送信するための送信部215を更に備える。信号生成部214は、同期制御信号を送信部215に出力する。送信部215は、眼鏡装置100の受信部165へ同期制御信号を送信する。送信部215は、図7を参照して説明された送信素子205に相当する。
(補正処理)
図9は、眼鏡装置100の制御部166による同期制御信号に対する処理を表す概略的な表である。図6、図8及び図9を用いて、同期制御信号に対する処理が説明される。
表示装置200の信号生成部214が生成する同期制御信号は、左フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、左フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、を含んでもよい。これらのコマンド信号は、互いに異なる波形を有する。眼鏡装置100の制御部166は、コマンド信号の波形に基づき、コマンド信号による通知内容を把握することができる。
眼鏡装置100の制御部166は、例えば、上述のコマンド信号の受信時刻からシャッタ部110の透過光量が最大透過光量の50%になるまでの時間に関するデータを、順次、記憶部167に格納する。図9には、記憶部167に格納された時刻データ(「t11」乃至「tn4」)が示されている。
左フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、左フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示開始を通知するためのコマンド信号と、右フレーム画像の表示終了を通知するためのコマンド信号と、からなるコマンド信号の組(以下、コマンド信号組と称される)が、所定数、記憶部167に格納されると、制御部166は、同期制御信号によって規定される基準データを生成する。
コマンド信号組内で、左フレーム画像の表示終了を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始時刻との差分値が演算されてもよい。コマンド信号組内で、右フレーム画像の表示開始を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。コマンド信号組内で、右フレーム画像の表示終了を表すコマンド信号の受信時刻と左フレーム画像の表示開始との差分値が演算されてもよい。これらの演算から得られた差分値が平均化されるならば、左フレーム画像の表示開始を通知するコマンド信号の受信時刻を基準とした他のコマンド信号の受信時刻の平均値が算出される。
先行するコマンド信号組と後続のコマンド信号組との間で、左フレーム画像の表示開始を通知するコマンド信号の受信時刻の差分値が演算されてもよい。これらの差分値が平均化されるならば、コマンド信号組の平均的な受信周期が算出される。
制御部166は、上述の差分値の演算を用いて、同期制御信号によって規定される基準データを生成することができる。受信部165が、基準データから大きく外れた信号を受信するならば、制御部166は、受信部165によって受信された信号をノイズ信号として処理することができる。
図10は、上述の演算によって得られた基準データを表す概略的なグラフである。図6、図8及び図10を用いて、基準データが説明される。
眼鏡装置100の制御部166による上述の処理の結果、制御部166は、時刻T1において左フレーム画像の表示が開始され、時刻T2において左フレーム画像の表示が終了することを見極める。制御部166は、時刻T3において右フレーム画像の表示が開始され、時刻T4において右フレーム画像の表示が終了することを見極める。時刻T1から時刻T2の期間は、同期制御信号によって規定されたタイミング(左眼用)として例示される。時刻T3から時刻T4の期間は、同期制御信号によって規定されたタイミング(右眼用)として例示される。
図11は、眼鏡装置100の記憶部167に記憶された特性データを表す概略的な表である。図5A乃至図6並びに図11を用いて、基準データに対する補正処理が説明される。
記憶部167には、図5A及び図5Bを参照して説明された測定の結果から得られた特性データとして、駆動部164に印加された電圧のレベルと、電圧レベルに関連づけられた補正値が記憶されている。図11において、電源部171に蓄えられた電力量が最大値であるときの電圧レベルは、「VH」の記号を用いて表されている。図11において、電源部171に蓄えられた電力量が最小値(光量調整部161に調整動作を実行させることができる最小レベルの電力量)であるときの電圧レベルは、「VL」の記号を用いて表されている。
記憶部167は、電圧レベルVHに関連づけて、補正値CHを記憶している。記憶部167は、電圧レベルVLに関連づけて、補正値CLを記憶している。また、記憶部167、電圧レベルVH,VLの間の電圧レベルにそれぞれ関連づけて、複数の補正値(Cn乃至C1)を記憶している。本実施形態において、記憶部167に記憶された補正値は、電圧レベルと同様に、補正値CLから補正値CHに向けて徐々に大きくなっている。
図12は、眼鏡装置100の制御部166による補正処理を概略的に表すグラフである。図5A乃至図6並びに図10乃至図12を用いて、制御部166による補正処理が説明される。
図12に示される上側のグラフは、図10を参照して説明された基準データを表す。図12に示される中央のグラフは、電圧検出部168が電圧レベルVLを検出したときに、制御部166の制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。図12に示される下側のグラフは、電圧検出部168が電圧レベルVHを検出したときに、制御部166の制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。
制御部166は、電圧検出部168が検出した駆動部164における電圧レベルと、記憶部167に記憶された特性データと、を対比する。電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166に出力するならば、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データから、電圧レベルVLに対応する補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定する。電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルが検出されたことを表すデータを制御部166に出力するならば、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データから、電圧レベルVHに対応する補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定する。
補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166は、補正値CLを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166は、補正値CHを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。駆動部164は、制御部166の制御下で、補正値CL,CHが加算された時刻に電圧を変動させ、左調整部162及び右調整部163をそれぞれ動作させる。図11を参照して説明されたように、補正値CLは、補正値CHよりも小さいので、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの駆動信号の電圧レベルの変動は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。したがって、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの左調整部162及び右調整部163の始動は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。
一方、図5A及び図5Bに関連して説明された如く、電圧検出部168が、「VL」の電圧レベルを検出したときの左調整部162及び右調整部163の動作は、電圧検出部168が、「VH」の電圧レベルを検出したときよりも遅い。したがって、補正値CL,CHとの差異に起因する左調整部162及び右調整部163の始動時刻の差異は、左調整部162及び右調整部163の動作の特性によって略相殺される。したがって、左眼及び右眼への透過光量は、基準データの時刻T1,T2,T3,T4から略一定の期間が経過した後、目標値に到達する。したがって、電源部171が蓄える電力量の変動は、左調整部162及び右調整部163の動作タイミングにほとんど影響しなくなる。
本実施形態において、電圧レベルに応じて定められる補正値は、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングにおいて共通している。代替的に、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングとの間で、異なる補正値が用いられてもよい。或いは、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を減少させるタイミングのうち一方のみに、補正値が適用されてもよい。
図5A及び図5Bを参照して説明された如く、特性データは、左調整部162及び右調整部163に対して個別に取得される。したがって、眼鏡装置100の固有の性質に応じた補正制御が達成される。即ち、異なる型式の眼鏡装置間の性能差はもちろんのこと、同一の型式の眼鏡装置間の性能差は、好適に緩和される。尚、補正処理は、他の演算処理を用いて実行されてもよい。補正値は、補正処理に用いられる演算処理に応じて定められる。したがって、本実施形態の原理は、上述の演算処理及び補正値の設定に何ら限定されない。
(映像システム)
図13は、映像システム300の概略図である。図13を用いて、映像システム300が説明される。
映像システム300は、眼鏡装置100と表示装置200とを備える。表示装置200は、ディスプレイパネル203を用いて、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を交互に表示する。表示装置200は、送信素子205から、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを規定する同期制御信号を眼鏡装置100へ送信する。眼鏡装置100は、同期制御信号に応じて、左シャッタ111及び右シャッタ112を動作させる。上述の補正制御を通じて、シャッタ部110は、変動タイミングを適切に調整することができる。この結果、眼鏡装置100は、左眼及び右眼へ入射する映像光の光量を適切に調整し、ディスプレイパネル203が表示する映像を、観察者に、立体的に知覚させることができる。
本実施形態において、変動タイミングの調整は、専ら、眼鏡装置100に依存する。したがって、表示装置200と眼鏡装置100との通信は、簡素化される。
(眼鏡装置の制御方法)
図14は、眼鏡装置100の制御方法を表す概略的なフローチャートである。図14を用いて、眼鏡装置100の制御方法が説明される。
(ステップS110)
ステップS110において、受信部165は、同期制御信号を受信する。同期制御信号の受信時刻や同期制御信号が通知する情報は、制御部166を通じて、記憶部167に記憶される。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、制御部166は、記憶部167が、基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶したか否かを判定する。記憶部167に記憶されたデータ量が不十分であるならば、ステップS110が再度実行される。この結果、記憶部167が基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶するまで、受信部165は、同期制御信号の受信を続けることとなる。
記憶部167が基準データを生成するのに十分な量のデータを記憶しているならば、制御部166は、基準データを生成する。基準データは、上述の如く、同期制御信号によって規定される変動タイミングを表す。基準データの生成の後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、電圧検出部168は、駆動部164に印加された電圧を検出する。電圧検出部168は、制御部166に検出された電圧のデータを出力する。電圧データの出力の後、ステップS140が実行される。
(ステップS140)
ステップS140において、制御部166は、記憶部167に記憶された特性データと、電圧検出部168から出力された電圧データと、を比較し、補正値を決定する。補正値の決定の後、ステップS150が実行される。
(ステップS150)
ステップS150において、制御部166は、決定された補正値を用いて、基準データを補正し、補正データを生成する。補正データの生成の後、ステップS160が実行される。
(ステップS160)
ステップS160において、制御部166は、補正データを用いて、駆動部164を制御する。この結果、駆動部164は、特性データと駆動部164に印加されている電圧レベルとに応じて適切に調整されたタイミングで、左調整部162及び右調整部163を駆動することができる。かくして、左調整部162及び右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少することができる。
<第2実施形態>
図15は、第2実施形態の眼鏡装置100Aの機能構成を表す概略的なブロック図である。第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。第1実施形態と第2実施形態との間の差異が以下に説明される。
眼鏡装置100Aは、第1実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Aを備える。作動部160Aは、第1実施形態に関連して説明された受信部165及び光量調整部161に加えて、制御部166A、記憶部167A及び温度検出部168Aを備える。
左調整部162及び右調整部163が液晶を用いて形成されるならば、左調整部162及び右調整部163の応答速度(動作速度)は、映像が観察される環境の温度に応じて変動することもある。特に、左調整部162及び右調整部163の応答速度は、周囲温度の影響を受けやすい。したがって、本実施形態において、温度検出部168Aは、環境温度として、駆動部164の温度を検出する。温度検出部168Aとして、一般的な温度センサが好適に利用可能である。
図16は、記憶部167Aに記憶される特性データを概略的に表す表である。図15及び図16を用いて、眼鏡装置100Aが更に説明される。
記憶部167Aには、温度検出部168Aが検出すると想定される最大温度TMPH及び最小温度TMPL並びに最大温度TMPHと最小温度TMPLとの間のいくつかの温度に関する温度データと、温度データに関連づけて記憶された補正値のデータが記憶される。本実施形態において、最大温度TMPHに対応する補正値CHが最も大きく、最小温度TMPLに対応する補正値CHが最も小さい。検出される温度が低くなるにつれて、対応する補正値は小さく設定される。
補正値は、駆動部164の温度(即ち、映像が観察される環境の温度)と左調整部162及び右調整部163の動作速度との関係に応じて定められる。眼鏡装置100Aの動作特性が、様々な温度環境下で調査され、補正値が決定されることが好ましい。この結果、記憶部167Aには、眼鏡装置100Aの固有の特性データが格納される。
制御部166Aは、記憶部167Aに格納された特性データと、温度検出部168Aから出力される温度データと、を対比し、駆動部164の温度に応じた補正値を決定する。
図17は、制御部166Aによる補正処理を概略的に表すグラフである。図15乃至図17を用いて、制御部166Aによる補正処理が説明される。
図17に示される上側のグラフは、基準データを表す。第1実施形態に関連して説明された手法に従って、制御部166Aは、受信部165が受信した同期制御信号を用いて基準データを生成する。
図17に示される中央のグラフは、温度検出部168Aが最小温度TMPLを検出したときに、制御部166Aの制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。図17に示される下側のグラフは、温度検出部168Aが最大温度TMPHを検出したときに、制御部166Aの制御下で駆動部164が左調整部162及び右調整部163へ出力する駆動信号の電圧レベルの変動を表す。
制御部166Aは、温度検出部168Aが検出した駆動部164における検出温度と、記憶部167Aに記憶された特性データと、を対比する。温度検出部168Aが、「TMPL」の温度が検出されたことを表すデータを制御部166Aに出力するならば、制御部166Aは、記憶部167Aに記憶された特性データから、温度TMPLに対応する補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定する。温度検出部168Aが、「TMPH」の温度レベルが検出されたことを表すデータを制御部166Aに出力するならば、制御部166Aは、記憶部167Aに記憶された特性データから、温度TMPHに対応する補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定する。
補正値CLを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166Aは、補正値CLを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。補正値CHを用いて、基準データを補正することを決定した制御部166Aは、補正値CHを、時刻T1,T2,T3,T4にそれぞれ加算する。駆動部164は、制御部166Aの制御下で、補正値CL,CHが加算された時刻に電圧を変動させ、左調整部162及び右調整部163をそれぞれ動作させる。この結果、左眼及び右眼への透過光量が増大する期間のタイミング(増大期間のタイミング)又は透過光量が減少する期間のタイミング(減少期間のタイミング)は、温度に応じた補正量だけ調整される。本実施形態において、制御部166Aは、第1制御部として例示される。
図16を参照して説明されたように、補正値CLは、補正値CHよりも小さいので、温度検出部168Aが、「TMPL」の温度を検出したときの駆動信号の電圧レベルの変動は、温度検出部168Aが、「TMPH」の温度を検出したときよりも早くなる。したがって、温度検出部168Aが、「TMPL」の温度を検出したときの左調整部162及び右調整部163の始動は、温度検出部168Aが、「TMPH」の電圧レベルを検出したときよりも早くなる。
左調整部162及び右調整部163が液晶を用いて形成されるならば、一般的に、環境温度が低くなるほど、左調整部162及び右調整部163の動作は遅くなる傾向がある。したがって、補正値CL,CHとの差異に起因する左調整部162及び右調整部163の始動時刻の差異は、左調整部162及び右調整部163の動作の特性によって略相殺される。したがって、左眼及び右眼への透過光量は、基準データの時刻T1,T2,T3,T4から略一定の期間が経過した後、目標値に到達する。したがって、光量調整部161における温度の変動は、左調整部162及び右調整部163の動作タイミングにほとんど影響しなくなる。尚、補正処理は、他の演算処理を用いて実行されてもよい。補正値は、補正処理に用いられる演算処理に応じて定められる。したがって、本実施形態の原理は、上述の演算処理及び補正値の設定に何ら限定されない。
本実施形態において、環境温度に応じて定められる補正値は、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングにおいて共通している。代替的に、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を低減させるタイミングとの間で、異なる補正値が用いられてもよい。或いは、光量調整部161が光量を増大させるタイミング及び光量を減少させるタイミングのうち一方のみに、補正値が適用されてもよい。
変動タイミングに対する補正は、第1実施形態に関連して説明された電圧検出と第2実施形態に関連して説明された温度検出とに基づいて実行されてもよい。
<第3実施形態>
図18は、第3実施形態の眼鏡装置100Bの機能構成を表す概略的なブロック図である。第2実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第2実施形態の説明が援用される。第2実施形態と第3実施形態との間の差異が以下に説明される。
眼鏡装置100Bは、第2実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Bを備える。作動部160Bは、第2実施形態に関連して説明された受信部165、光量調整部161及び記憶部167Aに加えて、制御部166Bを備える。制御部166Bは、給電部170が作動部160Bへ給電を開始した時刻からの経過時間(以下、給電期間と称される)を測定する計時部168Bを備える。計時部168Bとして、図3に関連して説明されたクロック141が用いられてもよい。
図19は、給電期間と駆動部164の温度との関係を表す概略的なグラフである。図16、図18及び図19を用いて、眼鏡装置100Bが更に説明される。
給電部170から作動部160Bへの給電に伴って、駆動部164の温度は、徐々に上昇する。給電期間と駆動部164の温度上昇との関係は、眼鏡装置100Bに対して個別に調査されている。制御部166Bは、計時部168Bが測定した給電期間と、図19に示される給電期間と温度上昇との相関と、に基づいて、駆動部164の温度を推定することができる。
記憶部167Aには、図16を参照して説明された特性データが格納されている。制御部166Bは、推定された温度と、特性データと、を対比し、補正量を決定する。その後、制御部166Bは、第2実施形態に関連して説明された手法に従って、変動タイミングを調整する。本実施形態において、制御部166Bは、第1制御部として例示される。また、計時部168Bは、温度検出部として例示される。
本実施形態の眼鏡装置100Bは、駆動部164の温度を直接的に検出するための検出素子を必要としない。計時部168Bは、クロック信号を利用して給電期間に関する情報を取得するプログラムであってもよい。したがって、眼鏡装置100Bの物理的な構造は、第2実施形態と比べて、簡素化される。
<第4実施形態>
(表示装置)
図20は、第4実施形態の表示装置200Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。第1実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第1実施形態の説明が援用される。第1実施形態と第4実施形態との間の差異が以下に説明される。
表示装置200Cは、第1実施形態に関連して説明された入力部211、映像処理部212及び表示部213を備える。入力部211には、映像信号が入力される。映像処理部212は、入力部211を通じて受け取った映像信号に応じて、左眼で観察される左フレーム画像及び右眼で観察される右フレーム画像のデータを表示部213に交互に出力する。表示部213は、映像処理部212からの出力に応じて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。この結果、観察者は、表示部213に表示された映像を立体的に知覚することができる。
表示装置200Cは、映像処理部212を制御する制御部216Cを更に備える。制御部216Cは、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを決定する。表示部213は、決定された表示タイミングで、左フレーム画像と右フレーム画像とを、順次、表示する。本実施形態において、制御部216Cは、第2制御部として例示される。
表示装置200Cは、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを通知するための同期制御信号を、制御部216Cの制御下で生成する信号生成部214Cを更に備える。第1実施形態と異なり、信号生成部214Cが生成する同期制御信号が通知する表示タイミングの情報は、制御部216Cが、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを基準に補正されている。表示タイミングの補正は、後述される。
表示装置200Cは、同期制御信号を送信する通信部215Cを更に備える。本実施形態において、信号生成部214Cは、好ましくは、同期制御信号として、無線信号を生成する。通信部215Cは、同期制御信号として生成された無線信号を送信する。本実施形態において、信号生成部214C及び通信部215Cは、制御信号通信部として例示される。通信部215Cとして、図7に関連して説明された送信素子205が用いられてもよい。
表示装置200Cは、映像が観察される環境の温度を検出するための温度検出部217を更に備える。温度検出部217が検出した温度のデータは、制御部216Cに出力される。制御部216Cは、温度データを用いて、表示タイミングを補正する。温度検出部217として、一般的な温度センサが好適に利用される。
(映像システム)
図21は、映像システム300Cの概略図である。図20及び図21を用いて、映像システム300Cが説明される。
映像システム300Cは、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとを備える。通信部215Cは、眼鏡装置100Cへ同期制御信号を送信する。眼鏡装置100Cは、同期制御信号に応じて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングが、表示部213によって表示される左フレーム画像及び右フレーム画像の表示と同期するように、調整動作を行う。第1実施形態とは異なり、表示装置200Cから送信される同期制御信号が含む表示タイミングに関する情報は、補正されているので、眼鏡装置100Cが行う補正のための演算処理は軽減される。
眼鏡装置100Cは、表示装置200Cに、眼鏡装置100Cが実行する調整動作に関する特性データを送信する。表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを受信する。特性データは、後述される。
通信部215Cは、受信された特性データを制御部216Cに出力する。制御部216Cは、通信部215Cからの特性データを記憶する記憶部218を備える。したがって、制御部216Cは、特性データを保持し続けることができる。記憶部218として、図7に関連して説明されたメモリ207が用いられてもよい。
制御部216Cは、特性データと温度検出部217から出力された温度データとを用いて、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを補正する。制御部216Cは、補正された表示タイミングを用いて、信号生成部214Cを制御する。この結果、信号生成部214Cによって生成された同期制御信号は、補正された表示タイミングに関する情報を含むこととなる。
本実施形態において、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間で、Bluetooth(登録商標)、ZigBeeやWiFiといった通信方式に従うパケット通信が実行される。尚、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信方式は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図22は、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信に用いられるパケット構造の概略図である。尚、図22に示されるパケット構造は、Bluetooth(登録商標)に基づく。尚、パケット構造は、本実施形態の原理を何ら限定しない。図20乃至図22を用いて、表示装置200Cと眼鏡装置100Cとの間の通信が説明される。
パケット構造は、ペイロードヘッダ、ペイロードボディ及びCRCを含む。表示装置200Cが眼鏡装置100Cに送信する同期制御信号のペイロードボディには、補正された表示タイミングに関するタイミング情報が含まれる。また、眼鏡装置100Cが表示装置200Cに送信する特性データも、ペイロードボディに含まれる。
表示装置200Cの制御部216Cは、信号生成部214Cを制御し、記憶部218に格納された特性データや温度検出部217から出力された温度データに応じて、ペイロードボディに格納されたタイミング情報を変更してもよい。代替的に、制御部216Cは、信号生成部214C及び通信部215Cを制御し、記憶部218に格納された特性データや温度検出部217から出力された温度データに応じて、同期制御信号の送信タイミングを変更してもよい。
(眼鏡装置)
図23は、眼鏡装置100Cの機能構成を表す概略的なブロック図である。図20及び図23を用いて、眼鏡装置100Cが説明される。
眼鏡装置100Cは、第1実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、作動部160Cを備える。作動部160Cは、第1実施形態に関連して説明された光量調整部161と、電圧検出部168と、を備える。光量調整部161は、左調整部162と右調整部163とを用いて、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を調整するための調整動作を実行する。給電部170は、光量調整部161による調整動作のために用いられる電力を蓄える電源部171と、電源部171からの給電を制御するための給電切替部172と、を備える。電圧検出部168は、左調整部162と右調整部163とを駆動する駆動部164に印加された電圧を検出する。第1実施形態に関連して説明されたように、駆動部164に印加される電圧は、電源部171に蓄えられた電力量を反映する。したがって、電圧検出部168による電圧の検出は、電源部171が蓄える電力量を検出することを意味する。
眼鏡装置100Cは、特性データを記憶する記憶部167Cを更に備える。電圧検出部168が検出した電圧のデータ及び図20を参照して説明された温度検出部217が検出した温度のデータは、表示装置200Cの制御部216Cによる補正処理に用いられる。記憶部167Cは、環境温度と光量調整部161による調整動作との関係並びに駆動部164に印加される電圧と光量調整部161による調整動作との関係を表す特性データを記憶する。
眼鏡装置100Cは、駆動部164を、表示装置200Cから送信された同期制御信号に応じて制御する制御部166Cを更に備える。第1実施形態と異なり、同期制御信号が含む表示タイミングの情報は、表示装置200Cによって補正されているので、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、同期制御信号に対する補正処理のための演算を実行する必要はない。本実施形態において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、第1制御部として例示される。
眼鏡装置100Cは、同期制御信号を受信する通信部165Cを更に備える。通信部165Cは、制御部166Cに同期制御信号を出力する。制御部166Cは、同期制御信号に応じて、駆動部164を制御する。この結果、左調整部162及び右調整部163は、左眼及び右眼への透過光量を適切に調整することができる。
制御部166Cは、記憶部167Cに記憶された特性データを読み出す。通信部165Cは、その後、特性データを表示装置200Cに送信する。表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを受信する。特性データは、表示装置200Cの制御部216Cが備える記憶部218に記憶される。本実施形態において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、データ通信部として例示される。
(特性データ)
図24Aは、眼鏡装置100Cの記憶部167Cに記憶された特性データを例示する表である。図24Bは、任意の検出温度下における光量調整部161の動作速度を表す概略的なグラフである。図20、図23乃至図24Bを用いて、特性データが説明される。
図24Bのグラフは、任意の温度TEMPn(nは、自然数)における透過光量の変動を表す。図24Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最小の透過光量は、符号「Amin」を用いて表されている。図24Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最大の透過光量は、符号「Amax」を用いて表されている。
図24Aの表に表される「上昇時間」は、最小の透過光量「Amin」から最大の透過光量「Amax」に到達するのに要する期間を表す。図24Aの表に表される「下降時間」は、最大の透過光量「Amax」から最小の透過光量「Amin」に到達するのに要する期間を表す。
記憶部167Cは、表示装置200Cの温度検出部217によって検出される環境温度(TEMP1、TEMP2、TEMP3・・・・TEMPn)と、これらの温度に対応する上昇時間(TRT1、TRT2、TRT3・・・・TRTn)及び下降時間(TFT1、TFT2、TFT3・・・・・TFTn)と、を関連づけて記憶する。
図25Aは、眼鏡装置100Cの記憶部167Cに記憶された特性データを例示する表である。図25Bは、任意の検出電圧下における光量調整部161の動作速度を表す概略的なグラフである。図20、図23、図25A及び図25Bを用いて、特性データが説明される。
図25Bのグラフは、任意の電圧VOLTn(nは、自然数)における透過光量の変動を表す。図25Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最小の透過光量は、符号「Amin」を用いて表されている。図25Bにおいて、左調整部162又は右調整部163が達成する最大の透過光量は、符号「Amax」を用いて表されている。
図25Aの表に表される「上昇時間」は、最小の透過光量「Amin」から最大の透過光量「Amax」に到達するのに要する期間を表す。図25Aの表に表される「下降時間」は、最大の透過光量「Amax」から最小の透過光量「Amin」に到達するのに要する期間を表す。
記憶部167Cは、眼鏡装置100Cの電圧検出部168によって検出される電圧(VOLT1、VOLT2、VOLT3・・・・VOLTn)と、これらの電圧に対応する上昇時間(TRV1、TRV2、TRV3・・・・TRVn)及び下降時間(TFV1、TFV2、TFV3・・・・・TFVn)と、を関連づけて記憶する。
図26は、眼鏡装置100Cの制御部166Cによって作成されるデータ列構造の概略図である。図20、図22、図23、図24A及び図25Aを用いて、データ列構造が説明される。
記憶部167Cに記憶された特性データを読み出した制御部166Cは、表示装置200Cへ特性データを送信するためにパケット信号を生成する。図24A及び図25Aの表で表されたデータは、パケット構造のペイロードボディに組み込まれる。図26に示されるデータ列構造は、ペイロードボディに組み込まれるデータ列の構造を概略的に表す。尚、データ列の構造は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図26に示されるデータ列構造1は、図24A及び図25Aの表の行ごとに読み取られ、整列されたデータを含む。データ列構造2は、図24A及び図25Aの表の列ごとに読み取られ、整列されたデータを含む。制御部166Cは、図26に例示されるデータ列構造で表される情報を含むパケット信号を生成する。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、制御部166Cが生成したパケット信号を表示装置200Cへ送信する。
表示装置200Cの通信部215Cは、パケット信号を受信する。表示装置200Cの制御部216Cは、パケット信号が含むデータ列構造を解釈し、記憶部218に特性データを記憶する。
図24Aに示される特性データは、複数の検出電圧に対応して作成されることが好ましい。また、図25Aに示される特性データは、複数の検出温度に対応して作成されることが好ましい。この結果、表示装置200Cは、温度検出部217が検出した温度と電圧検出部168が検出した電圧との組み合わせに関連づけられた上昇時間及び下降時間を決定することができる。
図24Aに示される特性データが、複数の検出電圧に対応して作成され、及び/又は、図25Aに示される特性データが、複数の検出温度に対応して作成されるならば、データ列構造が長すぎ、1つのパケット信号に収まらないこともある。この場合、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、データ列構造を分割し、複数のパケット信号を用いて、特性データを送信してもよい。
上述の如く、電圧検出部168は、駆動部164に印加された電圧を検出する。電圧検出部168は、検出された電圧に関するデータを制御部166Cに出力する。上述の特性データを送信するためのパケット信号の生成の後、制御部166Cは、検出された電圧の情報を含むパケット信号を生成する。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、検出された電圧の情報を含むパケット信号を表示装置200Cへ送信する。
表示装置200Cの通信部215Cは、電圧検出部168が検出した電圧の情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Cは、その後、検出された電圧の情報を制御部216Cに出力する。
温度検出部217は、上述の如く、環境温度に関するデータを制御部216Cに出力する。したがって、制御部216Cには、眼鏡装置100Cの電圧検出部168が検出した電圧に関する情報及び表示装置200Cの温度検出部217が検出した環境温度に関する情報が入力される。
制御部216Cは、上述の特性データと、眼鏡装置100Cの電圧検出部168が検出した電圧に関する情報及び表示装置200Cの温度検出部217が検出した環境温度に関する情報と、を対比し、映像処理部212に対して決定した表示タイミングを補正する。
本実施形態において、上昇時間及び下降時間は、最大の透過光量と最小の透過光量との間での変動期間として定義されている。代替的に、上昇時間及び下降時間は、他の定義に従ってもよい。例えば、上昇時間及び下降時間は、最大の透過光量の90%と最大の透過光量の10%との間での変動期間として定義されてもよい。
(変動タイミングの補正)
図27は、左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正を表す概略的なタイミングチャートである。図20、図23、図24A、図25A及び図27を用いて、左眼及び右眼への透過光量を増大させる期間のタイミングの補正が説明される。
図27のセクション(a)は、左フレーム画像が表示される左フレーム期間と、右フレーム画像が表示される右フレーム期間と、を表す。映像処理部212を制御する制御部216Cは、左フレーム期間と右フレーム期間とを交互に規定する。制御部216Cは、左フレーム期間に左フレーム画像のデータが映像処理部212から表示部213へ出力されるように、映像処理部212を制御する。制御部216Cは、右フレーム期間に右フレーム画像のデータが映像処理部212から表示部213へ出力されるように、映像処理部212を制御する。この結果、表示部213は、左フレーム期間に左フレーム画像を表示し、右フレーム期間に右フレーム画像を表示する。
図27のセクション(b)及びセクション(c)は、表示装置200Cの制御部216Cによって設定される増大期間(左眼及び右眼への透過光量が増大している期間)のタイミングを表す。図27のセクション(b)は、温度検出部217から取得した温度データが「TEMP1」であり、且つ、眼鏡装置100Cから送られた電圧データが「VOLT1」であるときに設定された増大期間のタイミングを表す。図27のセクション(c)は、温度検出部217から取得した温度データが「TEMP3」であり、且つ、眼鏡装置100Cから送られた電圧データが「VOLT3」であるときに設定された増大期間のタイミングを表す。
「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件と「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件との間において、図24A及び図25Aを参照して説明された上昇時間及び下降時間は異なる。したがって、制御部216Cは、信号生成部214を制御し、両条件間において、透過光量を増大させる増大期間に関し、互いに異なる情報を含む同期制御信号を生成する。本実施形態において、「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件の下で生成された同期制御信号は、増大期間に関して、「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件の下で生成された同期制御信号よりも遅いタイミングを通知するための情報を含む。
図27のセクション(d)及びセクション(e)は、眼鏡装置100Cの光量調整部161による調整動作によって規定される実際の増大期間のタイミングを表す。図27のセクション(d)は、図27のセクション(b)を参照して説明された設定の下で得られた増大期間を表す。図27のセクション(e)は、図27のセクション(c)を参照して説明された設定の下で得られた増大期間を表す。
光量調整部161は、「TEMP3」と「VOLT3」との組み合わせの条件の下において、「TEMP1」と「VOLT1」との組み合わせの条件下よりも、同期制御信号に対して速く応答することができる。したがって、図27のセクション(b)及びセクション(c)に関連して説明された設定の差異は、光量調整部161の動作速度の変動によって略相殺される。したがって、図27のセクション(d)及びセクション(e)に示される増大期間のタイミングは、略等しくなる。したがって、眼鏡装置100Cは、様々な環境温度の条件及び様々な蓄電量の条件の下において、同期制御信号に対して安定した応答動作を実行することができる。本実施形態において、増大期間のタイミングが調整されている。代替的に、透過光量が減少されている減少期間が調整処理の対象として取り扱われてもよい。
(映像システムの制御方法)
図28は、映像システム300Cの制御方法を表す概略的なフローチャートである。図20、図21、図23及び図28を用いて、映像システム300Cの制御方法が説明される。
(ステップS205)
ステップS205において、眼鏡装置100Cの給電部170は、作動部160Cに給電を開始する。この結果、作動部160Cの様々な要素が動作可能となる。作動部160Cへの給電の後、ステップS210が実行される。
(ステップS210)
ステップS210において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、給電の開始に応じて、眼鏡装置100Cと通信可能な表示装置200Cを検索するための検索信号を生成する。検索信号は、眼鏡装置100C自身の通信アドレスに関する情報を含む。眼鏡装置100Cの通信部165Cは、検索信号を送信する。検索信号の送信の後、表示装置200Cは、ステップS215を実行する。
(ステップS215)
ステップS215において、表示装置200Cの通信部215Cは、検索信号を受信する。通信部215Cは、検索信号の受信を、眼鏡装置100Cの通信アドレスに関する情報とともに制御部216Cへ通知する。その後、表示装置200Cは、ステップS220を実行する。
(ステップS220)
ステップS220において、表示装置200Cの制御部216Cは、信号生成部214Cを制御し、検索信号に応答するための応答信号を生成する。信号生成部214Cによって生成された応答信号は、表示装置200C自身の通信アドレスに関する情報を含む。通信部215Cは、眼鏡装置100Cの通信アドレスに応答信号を送信する。応答信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS225を実行する。
(ステップS225)
ステップS225において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、応答信号を受信する。通信部165Cは、制御部166Cへ応答信号の受信とともに表示装置200Cの通信アドレスに関する情報を通知する。この結果、眼鏡装置100Cは、表示装置200Cの通信アドレスに関する情報を取得し、表示装置200Cは、眼鏡装置100Cの通信アドレスに関する情報を取得する。かくして、眼鏡装置100Cと表示装置200Cとの間で、無線通信路が開かれる。無線通信路が設定された後、眼鏡装置100Cは、ステップS230を実行する。
(ステップS230)
ステップS230において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、記憶部167Cに予め記憶された特性データを読み出す。尚、特性データは、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された測定技術を用いて、眼鏡装置100Cに対して個別に取得されている。したがって、特性データは、眼鏡装置100Cの固有の応答特性を表す。
制御部166Cは、読み出された特性データを用いて、パケット信号を生成する。通信部165Cは、生成されたパケット信号を表示装置200Cの通信アドレスへ送信する。特性データの送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS245を実行する。表示装置200Cは、ステップS235を実行する。
(ステップS235)
ステップS235において、表示装置200Cの通信部215Cは、特性データを表すパケット信号を受信する。通信部215Cは、パケット信号が表す特性データに関する情報を制御部216Cに出力する。制御部216Cは、通信部215Cが出力した情報を解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、制御部216Cの記憶部218に格納される。特性データが記憶部218に格納された後、表示装置200Cは、ステップS240を実行する。
(ステップS240)
ステップS240において、温度検出部217は、映像が観察される環境の温度を検出する。温度検出部217は、検出された温度に関するデータを制御部216Cに出力する。
(ステップS245)
ステップS245において、電圧検出部168は、駆動部164に印加されている電圧を検出する。電圧検出部168は、検出された電圧に関するデータを制御部166Cへ出力する。電圧データの出力の後、眼鏡装置100Cは、ステップS250を実行する。
(ステップS250)
ステップS250において、制御部166Cは、電圧データを用いて、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号を生成する。パケット信号は、通信部165Cを通じて、表示装置200Cへ送信される。パケット信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS255を実行し、表示装置200Cは、ステップS260を実行する。
(ステップS255)
ステップS255において、眼鏡装置100Cは、ステップS250において実行されたパケット信号の送信からの経過時間を測定する。経過時間が所定の長さを超えるならば、ステップS245が実行される。経過時間が所定の長さ以内であるならば、ステップS255が継続される。かくして、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号は、表示装置200Cへ周期的に送信されることとなる。
(ステップS260)
ステップS260において、表示装置200Cの通信部215Cは、眼鏡装置100Cの駆動部164に印加されている電圧に関する情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Cは、その後、駆動部164に印加されている電圧に関する情報を制御部216Cに出力する。この結果、制御部216Cは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得することとなる。制御部216Cは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得した後、表示装置200Cは、ステップS265を実行する。
(ステップS265)
ステップS265において、制御部216Cは、映像処理部212に対して定めた表示タイミング(即ち、フレーム期間の開始及び/又は終了のタイミング)を基準に、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少させるべきタイミングを決定する。制御部216Cは、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報と特性データとを対比し、表示タイミングを基準に決定されたタイミングを補正する。制御部216Cは、補正されたタイミングに関する情報を含む同期制御信号を、信号生成部214Cに生成させる。この結果、信号生成部214Cが生成する同期制御信号は、環境温度及び駆動部164に印加されている電圧の条件下における光量調整部161の動作特性を適切に反映したタイミングを眼鏡装置100Cに通知することができる。同期制御信号の生成の後、表示装置200Cは、ステップS270を実行する。
(ステップS270)
ステップS270において、通信部215Cは、信号生成部214Cが生成した同期制御信号を眼鏡装置100Cの通信アドレスに送信する。同期制御信号の送信の後、眼鏡装置100Cは、ステップS275を実行する。
(ステップS275)
ステップS275において、眼鏡装置100Cの通信部165Cは、同期制御信号を受信する。同期制御信号は、その後、制御部166Cへ出力される。制御部166Cが同期制御信号を受け取った後、眼鏡装置100Cは、ステップS280を実行する。
(ステップS280)
ステップS280において、眼鏡装置100Cの制御部166Cは、光量調整部161の駆動部164を制御する。この結果、左調整部162は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで眼への透過光量を増大又は減少させる。
<第5実施形態>
(眼鏡装置)
図29は、第5実施形態の眼鏡装置100Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。第4実施形態と同一の要素に対して、同一の符号が付されている。同一の符号が付された要素に対して、第4実施形態の説明が援用される。第4実施形態と第5実施形態との間の差異が以下に説明される。
眼鏡装置100Dは、第4実施形態に関連して説明された給電部170に加えて、光量の調整動作を司る作動部160Dを備える。作動部160Dは、第4実施形態に関連して説明された光量調整部161及び記憶部167Cを備える。
作動部160Dは、駆動部164の温度を、映像が観察される環境の温度として測定する検出部168Dを更に備える。検出部168Dは、光量調整部161の温度だけでなく、駆動部164に印加された電圧も検出する。本実施形態において、検出部168Dは、温度検出部及び/又は電力検出部として例示される。
作動部160Dは、駆動部164を制御する制御部166Dを更に備える。制御部166Dは、第4実施形態と同様に、記憶部167Cに格納された特性データを用いて、パケット信号を生成する。検出部168Dは、制御部166Dに、環境温度に関するデータと駆動部164に印加された電圧に関するデータとを出力する。制御部166Dは、検出部168Dから出力されたデータに応じたパケット信号も生成する。
作動部160Dは、パケット信号を送信するための通信部165Dを更に備える。通信部165Dは、第4実施形態と同様に、適切に補正された変動タイミングに関する情報を含む同期制御信号を受信する。通信部165Dは、同期制御信号を制御部166Dに出力する。制御部166Dは、同期制御信号に応じて、駆動部164を制御する。この結果、光量調整部161は、左眼及び右眼の透過光量を適切なタイミングで増大又は減少させることができる。
(映像システム)
図30は、映像システム300Dの概略図である。図29及び図30を用いて、映像システム300Dが説明される。
映像システム300Dは、眼鏡装置100Dと表示装置200Dとを備える。第4実施形態と同様に、眼鏡装置100Dは、特性データを表示装置200Dへ送信する。眼鏡装置100Dから送信される特性データは、第4実施形態と同様に、環境温度と光量調整部161による調整動作との関係並びに駆動部164に印加される電圧と光量調整部161による調整動作との関係を表す。第4実施形態と異なり、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、電圧に関する情報(データ)だけでなく、環境温度に関する情報(データ)を表示装置200Dへ送信する。本実施形態において、通信部165Dは、データ通信部として例示される。
(表示装置)
図31は、表示装置200Dの機能構成を表す概略的なブロック図である。図29及び図31を用いて、表示装置200Dが説明される。
表示装置200Dは、第4実施形態に関連して説明された入力部211、映像処理部212、表示部213及び信号生成部214Cを備える。表示装置200Dは、眼鏡装置100Dが生成したパケット信号を受信する通信部215Dを更に備える。第4実施形態と同様に、通信部215Dは、特性データを含むパケット信号を受信する。第4実施形態と異なり、通信部215Dは、電圧に関する情報だけでなく、環境温度に関する情報を含むパケット信号を受信する。本実施形態において、通信部215Dは、制御信号通信部として例示される。
表示装置200Dは、信号生成部214Cを制御し、同期制御信号を生成する制御部216Dを更に備える。制御部216Dは、第4実施形態と同様に、記憶部218を備える。
通信部215Dは、眼鏡装置100Dから受信したパケット信号が含む特性データを制御部216Dへ出力する。制御部216Dは、第4実施形態と同様の手法を用いて、通信部215Dからの出力データを解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、記憶部218に記憶される。
第4実施形態と異なり、制御部216Dは、電圧に関する情報だけでなく、環境温度に関する情報も、通信部215Dから取得する。第4実施形態と同様に、制御部216Dは、特性データと、電圧に関する情報及び環境温度に関する情報を対比し、検出された電圧条件及び温度条件の下での光量調整部161の応答特性に適合した同期制御信号を生成する。
(映像システムの制御方法)
図32は、映像システム300Dの制御方法を表す概略的なフローチャートである。図29乃至図32を用いて、映像システム300Dの制御方法が説明される。
(ステップS305)
ステップS305において、眼鏡装置100Dの給電部170は、作動部160Dに給電を開始する。この結果、作動部160Dの様々な要素が動作可能となる。作動部160Dへの給電の後、ステップS310が実行される。
(ステップS310)
ステップS310において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、給電の開始に応じて、眼鏡装置100Dと通信可能な表示装置200Dを検索するための検索信号を生成する。検索信号は、眼鏡装置100D自身の通信アドレスに関する情報を含む。眼鏡装置100Dの通信部165Dは、検索信号を送信する。検索信号の送信の後、表示装置200Dは、ステップS315を実行する。
(ステップS315)
ステップS315において、表示装置200Dの通信部215Dは、検索信号を受信する。通信部215Dは、検索信号の受信を、眼鏡装置100Dの通信アドレスに関する情報とともに制御部216Dへ通知する。その後、表示装置200Dは、ステップS320を実行する。
(ステップS320)
ステップS320において、表示装置200Dの制御部216Dは、信号生成部214Cを制御し、検索信号に応答するための応答信号を生成する。信号生成部214Cによって生成された応答信号は、表示装置200D自身の通信アドレスに関する情報を含む。通信部215Dは、眼鏡装置100Dの通信アドレスに応答信号を送信する。応答信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS325を実行する。
(ステップS325)
ステップS325において、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、応答信号を受信する。通信部165Dは、制御部166Dへ応答信号の受信とともに表示装置200Dの通信アドレスに関する情報を通知する。この結果、眼鏡装置100Dは、表示装置200Dの通信アドレスに関する情報を取得し、表示装置200Dは、眼鏡装置100Dの通信アドレスに関する情報を取得する。かくして、眼鏡装置100Dと表示装置200Dとの間で、無線通信路が開かれる。無線通信路が設定された後、眼鏡装置100Dは、ステップS330を実行する。
(ステップS330)
ステップS330において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、記憶部167Cに予め記憶された特性データを読み出す。尚、特性データは、第1実施形態及び第2実施形態に関連して説明された測定技術を用いて、眼鏡装置100Dに対して個別に取得されている。したがって、特性データは、眼鏡装置100Dの固有の応答特性を表す。
制御部166Dは、読み出された特性データを用いて、パケット信号を生成する。通信部165Dは、生成されたパケット信号を表示装置200Dの通信アドレスへ送信する。特性データの送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS345を実行する。表示装置200Dは、ステップS335を実行する。
(ステップS335)
ステップS335において、表示装置200Dの通信部215Dは、特性データを表すパケット信号を受信する。通信部215Dは、パケット信号が表す特性データに関する情報を制御部216Dに出力する。制御部216Dは、通信部215Dが出力した情報を解析し、特性データを再構築する。再構築された特性データは、制御部216Dの記憶部218に格納される。
(ステップS345)
ステップS345において、検出部168Dは、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度を検出する。検出部168Dは、検出された電圧及び温度に関するデータを制御部166Dへ出力する。電圧データ及び温度データの出力の後、眼鏡装置100Dは、ステップS350を実行する。
(ステップS350)
ステップS350において、制御部166Dは、電圧データを用いて、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号を生成する。パケット信号は、通信部165Dを通じて、表示装置200Dへ送信される。パケット信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS355を実行し、表示装置200Dは、ステップS360を実行する。
(ステップS355)
ステップS355において、眼鏡装置100Dは、ステップS350において実行されたパケット信号の送信からの経過時間を測定する。経過時間が所定の長さを超えるならば、ステップS345が実行される。経過時間が所定の長さ以内であるならば、ステップS355が継続される。かくして、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号は、表示装置200Dへ周期的に送信されることとなる。
(ステップS360)
ステップS360において、表示装置200Dの通信部215Dは、眼鏡装置100Dの駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を含むパケット信号を受信する。通信部215Dは、その後、駆動部164に印加されている電圧及び駆動部164の温度に関する情報を制御部216Dに出力する。この結果、制御部216Dは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得することとなる。制御部216Dは、特性データ、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報を取得した後、表示装置200Dは、ステップS365を実行する。
(ステップS365)
ステップS365において、制御部216Dは、映像処理部212に対して定めた表示タイミング(即ち、フレーム期間の開始及び/又は終了のタイミング)を基準に、左眼及び右眼への透過光量を増大又は減少させるべきタイミングを決定する。制御部216Dは、環境温度に関する情報及び駆動部164に印加されている電圧に関する情報と特性データとを対比し、表示タイミングを基準に決定されたタイミングを補正する。制御部216Dは、補正されたタイミングに関する情報を含む同期制御信号を、信号生成部214Cに生成させる。この結果、信号生成部214Cが生成する同期制御信号は、環境温度及び駆動部164に印加されている電圧の条件下における光量調整部161の動作特性を適切に反映したタイミングを眼鏡装置100Dに通知することができる。同期制御信号の生成の後、表示装置200Dは、ステップS370を実行する。
(ステップS370)
ステップS370において、通信部215Dは、信号生成部214Cが生成した同期制御信号を眼鏡装置100Dの通信アドレスに送信する。同期制御信号の送信の後、眼鏡装置100Dは、ステップS375を実行する。
(ステップS375)
ステップS375において、眼鏡装置100Dの通信部165Dは、同期制御信号を受信する。同期制御信号は、その後、制御部166Dへ出力される。制御部166Dが同期制御信号を受け取った後、眼鏡装置100Dは、ステップS380を実行する。
(ステップS380)
ステップS380において、眼鏡装置100Dの制御部166Dは、光量調整部161の駆動部164を制御する。この結果、左調整部162は、適切に調整された変動タイミングで左眼への透過光量を増大又は減少させる。右調整部163は、適切に調整された変動タイミングで眼への透過光量を増大又は減少させる。
上述の様々な実施形態は、単に例示的なものである。したがって、上述の実施形態の原理は、上記の詳細な説明や図面に記載の事項に限定されない。上述の実施形態の原理の範囲内で、当業者が様々な変形、組み合わせや省略を行うことができることは容易に理解される。
上述の補正制御は、光量調整部を駆動するための駆動信号の立ち上がりの時刻から光量調整部における透過率が50%に増大又は減少するまでの期間に対して行われてもよい。代替的に、同期制御信号の立ち上がり又は立ち下がりの時刻から光量調整部における透過率が90%に増大するまでの期間に対して行われてもよい。或いは、同期制御信号の立ち上がり又は立ち下がりの時刻から光量調整部における透過率が10%に減少するまでの期間に対して行われてもよい。
左フレーム期間の開始に同期して立ち上がり、右フレーム期間の開始に同期して立ち下がるような信号波形を有する同期制御信号が、上述の補正制御の基準及び表示装置と眼鏡装置との間の通信信号として用いられてもよい。本実施形態の原理は、同期制御信号の波形に限定されるものではない。
上述された実施形態は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一の局面に係る眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、光量調整部は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整するための調整動作を実行する。この結果、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
光量調整部を制御する第1制御部は、受信部によって受信された同期制御信号が規定する変動タイミングを、記憶部に格納された特性データに基づいて補正する。調整動作に関する特性データに基づき、変動タイミングが補正されるので、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上記構成において、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部を更に備え、前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記第1制御部は、前記電力量に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。電源部は、調整動作の実行のために電力を供給するので、電源部が蓄える電力量は減少する。第1制御部は、電力量に応じて、変動タイミングに対する補正量を決定するので、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。したがって、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上記構成において、前記特性データは、前記映像が観察される環境の温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記第1制御部は、前記温度に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。第1制御部は、温度に応じて、変動タイミングに対する補正量を決定するので、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。したがって、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上記構成において、眼鏡装置は、前記電力量を検出する電力検出部を更に備えることが好ましい。
上記構成によれば、電力検出部は、電力量を検出するので、第1制御部は、電力量に応じて、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。したがって、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上記構成において、眼鏡装置は、前記温度を検出する温度検出部を更に備えることが好ましい。
上記構成によれば、温度検出部は、温度を検出するので、第1制御部は、温度に応じて、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。したがって、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上記構成において、前記特性データは、前記光量調整部に対して固有に定められたデータであることが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、光量調整部に対して固有に定められたデータであるので、第1制御部は、変動タイミングに対する補正量を適切に決定することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、前記制御信号通信部は、前記眼鏡装置から、前記調整動作に関する特性データを受信し、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、表示部は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する。第2制御部は、表示部に表示タイミングで左フレーム画像と右フレーム画像とを順次表示させる。制御信号通信部は、第2制御部の制御下で、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ同期制御信号を送信し、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングを通知する。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、調整動作を行うことができる。
制御信号通信部は、眼鏡装置から、調整動作に関する特性データを受信する。第2制御部は、表示タイミングと特性データとに基づき、同期制御信号の送信を制御するので、眼鏡装置は、特性データに応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、前記同期制御信号は、前記表示タイミングに関するタイミング情報を含み、前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記タイミング情報を変更することが好ましい。
上記構成によれば、同期制御信号は、表示タイミングに関するタイミング情報を含む。第2制御部は、特性データに応じて、タイミング情報を変更するので、眼鏡装置は、特性データに応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記同期制御信号の送信タイミングを変更することが好ましい。
上記構成によれば、第2制御部は、特性データに応じて、同期制御信号の送信タイミングを変更するので、眼鏡装置は、特性データに応じたタイミングで、同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、表示装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を更に備え、前記特性データは、前記温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表し、前記第2制御部は、前記温度に応じて、前記送信を制御することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表す。第2制御部は、温度検出部によって検出された環境温度に応じて、同期制御信号の送信を制御するので、環境温度に応じた同期制御信号を受信することができる。したがって、眼鏡装置は、温度が変化する環境下においても、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上述の実施形態の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記同期制御信号を受信する受信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
表示装置の送信部は、変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する。眼鏡装置の受信部は、同期制御信号を受信する。調整動作を実行する光量調整部を制御する第1制御部は、受信部によって受信された同期制御信号が規定する変動タイミングを、記憶部に格納された特性データに基づいて補正する。調整動作に関する特性データに基づき、変動タイミングが補正されるので、観察者は、立体映像を快適に観察することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、前記眼鏡装置は、前記調整動作を実行する光量調整部と、前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、前記表示装置は、前記映像を表示する表示部と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、前記特性データを受信し、且つ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で前記データ通信部へ送信する制御信号通信部と、を備え、前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
記憶部は、光量調整部によって実行される調整動作に関する特性データを格納する。データ通信部は、特性データを表示装置に送信する。表示装置の制御信号通信部は、特性データを受信する。この結果、眼鏡装置の特性データは、表示装置に伝達される。
表示装置の第2制御部は、左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定する。表示部は、第2制御部の制御下において、表示タイミングで左フレーム画像と右フレーム画像とを順次表示させる。この結果、観察者は、表示部が表示する映像を立体的に知覚することができる。
表示装置の制御信号通信部は、同期制御信号を、第2制御部の制御下で、眼鏡装置のデータ通信部へ送信する。この結果、表示タイミングは、眼鏡装置に通知される。
表示装置の第2制御部は、表示タイミングと特性データとに基づき、同期制御信号の送信を制御するので、眼鏡装置の第1制御部は、同期制御信号に応じて、光量調整部を適切に制御することができる。したがって、眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に合わせて、適切な調整動作を行うことができる。
上記構成において、前記眼鏡装置は、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部と、該電源部が蓄える電力量を検出する電力検出部と、を含み、前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記電力量に関する電力情報を前記制御信号通信部へ送信し、前記第2制御部は、前記電力情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す。電源部は、調整動作の実行のために電力を供給するので、電源部が蓄える電力量は減少する。電源部が蓄える電力量と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す特性データが送信された後、データ通信部は、電力量に関する電力情報を制御信号通信部へ送信する。この結果、眼鏡装置の特性データだけでなく電力情報も、表示装置に伝達される。表示装置の第2制御部は、電力情報と特性データとを対比し、同期制御信号の前記送信を制御するので、光量調整部は、電力量の減少下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上記構成において、前記眼鏡装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を含み、前記特性データは、前記温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記温度に関する温度情報を前記制御信号通信部へ送信し、前記第2制御部は、前記温度情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することが好ましい。
上記構成によれば、特性データは、映像が観察される環境の温度と、光量調整部の動作速度と、の関係を表す特性データが送信された後、データ通信部は、温度検出部によって検出された温度に関する温度情報を制御信号通信部へ送信する。この結果、眼鏡装置の特性データだけでなく温度情報も、表示装置に伝達される。表示装置の第2制御部は、温度情報と特性データとを対比し、同期制御信号の前記送信を制御するので、光量調整部は、温度が変化する環境下においても、適切に調整動作を継続することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置に適用される。制御方法は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行うために、変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する。その後、眼鏡装置は、同期制御信号によって規定された変動タイミングを、調整動作に関する特性データに基づいて補正する。したがって、眼鏡装置は、適切に制御された調整動作を行うことができる。
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムに適用される。制御方法は、前記調整動作に関する特性データを、前記眼鏡装置から前記表示装置へ送信する段階と、前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像が表示される表示タイミングを決定する段階と、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを前記眼鏡装置へ通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚させるための映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う。したがって、観察者は、映像を立体的に知覚することができる。
調整動作に関する特性データは、眼鏡装置から表示装置へ送信される。したがって、表示装置は、特性データを取得することができる。同期制御信号の送信は、左フレーム画像及び右フレーム画像が表示される表示タイミングと特性データとに基づき制御されるので、特性データに応じた表示タイミングが眼鏡装置へ通知される。したがって、眼鏡装置は、適切に制御された調整動作を行うことができる。
上述の実施形態の原理は、眼鏡装置の補助下で映像を視聴させる映像技術に好適に利用される。

Claims (16)

  1. 左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う光量調整部と、
    前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、
    前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する受信部と、
    前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、
    該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする眼鏡装置。
  2. 前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部を更に備え、
    前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、
    前記第1制御部は、前記電力量に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することを特徴とする請求項1に記載の眼鏡装置。
  3. 前記特性データは、前記映像が観察される環境の温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、
    前記第1制御部は、前記温度に応じて、前記変動タイミングに対する補正量を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の眼鏡装置。
  4. 前記電力量を検出する電力検出部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の眼鏡装置。
  5. 前記温度を検出する温度検出部を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の眼鏡装置。
  6. 前記特性データは、前記光量調整部に対して固有に定められたデータであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼鏡装置。
  7. 左眼で観察される左フレーム画像と、右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、立体的に知覚される映像を表示する表示部と、
    前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、
    前記左眼及び前記右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、前記映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置へ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で送信する制御信号通信部と、を備え、
    前記制御信号通信部は、前記眼鏡装置から、前記調整動作に関する特性データを受信し、
    前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御することを特徴とする表示装置。
  8. 前記同期制御信号は、前記表示タイミングに関するタイミング情報を含み、
    前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記タイミング情報を変更することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 前記第2制御部は、前記特性データに応じて、前記同期制御信号の送信タイミングを変更することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  10. 前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を更に備え、
    前記特性データは、前記温度と、前記眼鏡装置の動作速度と、の関係を表し、
    前記第2制御部は、前記温度に応じて、前記送信を制御することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
  11. 左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、
    前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、
    前記表示装置は、前記変動タイミングを規定する同期制御信号を送信する送信部を備え、
    前記眼鏡装置は、
    前記調整動作を行う光量調整部と、
    前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、
    前記同期制御信号を受信する受信部と、
    前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、
    該第1制御部は、前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを前記特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御することを特徴とする映像システム。
  12. 左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、
    前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備え、
    前記眼鏡装置は、
    前記調整動作を実行する光量調整部と、
    前記調整動作に関する特性データを格納する記憶部と、
    前記特性データを前記表示装置に送信するデータ通信部と、
    前記光量調整部を制御する第1制御部と、を備え、
    前記表示装置は、
    前記映像を表示する表示部と、
    前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像の表示タイミングを決定し、前記表示部に前記表示タイミングで前記左フレーム画像と前記右フレーム画像とを順次表示させる第2制御部と、
    前記特性データを受信し、且つ、前記表示タイミングを通知するための同期制御信号を、前記第2制御部の制御下で前記データ通信部へ送信する制御信号通信部と、を備え、
    前記第2制御部は、前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記同期制御信号の送信を制御し、
    前記第1制御部は、前記同期制御信号に応じて、前記光量調整部を制御することを特徴とする映像システム。
  13. 前記眼鏡装置は、前記調整動作の実行のために用いられる電力を供給する電源部と、該電源部が蓄える電力量を検出する電力検出部と、を含み、
    前記特性データは、前記電源部が蓄える電力量と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、
    前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記電力量に関する電力情報を前記制御信号通信部へ送信し、
    前記第2制御部は、前記電力情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することを特徴とする請求項11に記載の映像システム。
  14. 前記眼鏡装置は、前記映像が観察される環境の温度を検出する温度検出部を含み、
    前記特性データは、前記温度と、前記光量調整部の動作速度と、の関係を表し、
    前記特性データの送信の後、前記データ通信部は、前記温度に関する温度情報を前記制御信号通信部へ送信し、
    前記第2制御部は、前記温度情報と前記特性データとを対比し、前記同期制御信号の前記送信を制御することを特徴とする請求項11又は12に記載の映像システム。
  15. 左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置の制御方法であって、
    前記変動タイミングを規定する同期制御信号を受信する段階と、
    前記同期制御信号によって規定された前記変動タイミングを、前記調整動作に関する特性データに基づいて補正し、前記調整動作を制御する段階と、を有することを特徴とする制御方法。
  16. 左眼及び右眼へ透過する映像光の量を増大又は減少させる変動タイミングを調整し、映像を立体的に知覚させるための調整動作を行う眼鏡装置と、前記左眼で観察される左フレーム画像と、前記右眼で観察される右フレーム画像と、を用いて、前記映像を表示する表示装置と、を備える映像システムの制御方法であって、
    前記調整動作に関する特性データを、前記眼鏡装置から前記表示装置へ送信する段階と、
    前記左フレーム画像及び前記右フレーム画像が表示される表示タイミングを決定する段階と、
    前記表示タイミングと前記特性データとに基づき、前記表示タイミングを前記眼鏡装置へ通知するための同期制御信号の送信を制御する段階と、
    前記同期制御信号に応じて、前記変動タイミングを調整する段階と、を有することを特徴とする制御方法。
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