本発明は、映像を表示する表示装置、映像の視聴を補助する眼鏡装置及びこれらを備える映像システムに関する。
映像を立体的に知覚させるための映像システムは、近年、普及している。映像システムは、典型的には、立体的に知覚される映像を表示する表示装置と、映像の視聴を補助する眼鏡装置を備える(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。表示装置は、左眼で観察されるように作成された左フレーム画像と、右眼で観察されるように作成された右フレーム画像と、を交互に表示する。眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示の切り替えに同期して開閉する液晶シャッタを備える。左眼前に配設された液晶シャッタは、左フレーム画像が表示されている間、開き、右フレーム画像が表示されている間、閉じる。右眼前に配設された液晶シャッタは、左フレーム画像が表示されている間、閉じ、右フレーム画像が表示されている間、開く。左フレーム画像及び右フレーム画像は、視差の分だけ異なる内容を表す。上述の液晶シャッタの同期動作の結果、視聴者は、左フレーム画像と右フレーム画像との間の視差を知覚し、表示装置が表示する映像を立体的に知覚することができる。
表示装置と眼鏡装置との間の同期制御は、赤外線や無線信号を用いて行われる。眼鏡装置は、表示装置に物理的に接続されていないので、視聴者は、所望の位置で映像を視聴することができる。
表示装置と眼鏡装置との間の適切な通信は、映像の表示に対する液晶シャッタの同期動作にとって重要である。しかしながら、眼鏡装置は、表示装置から送信された信号を適切に受信できないことがある。例えば、視聴者が表示装置から視線を外し、他の方向を見るときには、眼鏡装置は表示装置からの信号を受信し損ないやすい。或いは、眼鏡装置は、ノイズ信号の影響を受け、誤動作することもある。
表示装置と眼鏡装置との間の通信の不確実性を克服するため、適切に受信された信号から抽出された制御データに基づき自走式に動作する様々な眼鏡装置が提案されている。このような眼鏡装置は、表示装置からの信号が適切に受信されていない間(不受信期間)も、不受信期間前に取得された制御データに基づき動作するので、視聴者は表示装置が表示する映像を好適に視聴し続けることができる。
事前に取得された制御データに基づき、液晶シャッタを動作させることは、ノイズ信号に起因する眼鏡装置の誤動作の防止にも有用である。例えば、事前に取得された制御データと新たに取得された制御データとの間で、液晶シャッタの開閉タイミングが大きく異なるならば、眼鏡装置は、新たな制御データはノイズ信号から得られたデータであると判定することができる。
表示装置による映像の表示動作(表示モード)の変化は、液晶シャッタの同期動作の変更を要求することもある。例えば、映像のフレームレートが変更されるならば、液晶シャッタの同期動作は、変更後のフレームレートに適合した動作周波数となる必要がある。或いは、視聴者が表示装置(例えば、テレビ装置)のチャンネルを変更するならば、表示装置の周期的な表示動作の位相が変化することもある。このとき、液晶シャッタは、新たな位相で開閉動作を行う必要がある。
上述の如く、眼鏡装置は、多くの場合、事前に取得された制御データを利用して、液晶シャッタを開閉させる。しかしながら、表示装置における映像のフレームレートの変更は瞬時に切り替えることは難しく、変更すべきフレームレートに移行する期間(例えば、長いと数秒間)表示装置の映像同期信号が乱れる。このため、映像同期信号を基に液晶シャッタの制御データをそのまま出力すると、液晶シャッタの開閉動作も乱れる。このように、液晶シャッタの動作は、事前に取得された制御データに影響を受けるので、変化後の映像フレームレートに即座に切替られない。例えば、左フレーム画像及び右フレーム画像がそれぞれ60Hzで表示される表示モードから左フレーム画像及び右フレーム画像がそれぞれ48Hzで表示される表示モードへ切り替えられる場合、液晶シャッタの開閉動作も、48Hzの表示モードへ瞬時に切替らない。この間、液晶シャッタの開閉は、不規則になる。
また、表示装置の映像調整モード(例えば、テレビジョンの画質モード)の変更時にも映像に応じた画質の調整だけなく液晶シャッタの開閉タイミングを変更させる場合がある。その場合にも表示装置からの制御データを一瞬に変えることは難しく、液晶シャッタ側でもその変更への移行時にシャッタ開閉動作が乱れる。
更に、表示装置からの制御データが障害物などで一瞬途切れた場合でも、眼鏡側で以前に検出した制御データのタイミングでしばらく動作を継続する自走操作(FlyWheel)が実装されている場合がある。しかし、この眼鏡の自走操作は、表示モードを切替えて液晶シャッタのタイミングを変更したいのに、以前のタイミングで液晶シャッタが開閉動作するため、映像との同期が合わず眼鏡を通してみる映像がフリッカして見える場合もある。
このような理由で、液晶シャッタの開閉動作が乱れるあるいは映像との同期が乱れると、視聴者は、眼鏡装置の非同期の或いは不規則な開閉動作に起因するフリッカを知覚する。このことは、視聴者に不快感をもたらす。
上述のフリッカは、更に、次のような表示モードの切替時に生じうる。例えば、表示装置は、立体映像(立体表示モード)だけでなく、2つの異なる番組(第1番組及び第2番組)を交互に表示すること(2重表示モード)ができるならば、複数の視聴者は、第1番組及び第2番組を選択的に視聴することができる。第1番組を試聴する視聴者が装着する眼鏡装置の液晶シャッタは、第1番組が表示されている間、開き、第2番組が表示されている間、閉じる。他の視聴者が装着する眼鏡装置の液晶シャッタは、第1番組が表示されている間、閉じ、第2番組が表示されている間、開く。表示装置の表示モードが立体表示モードから2重表示モードへの切替は、眼鏡装置の液晶シャッタに対して、立体表示モードにおける同期動作とは全く異なる動作を要求する。しかしながら、眼鏡装置は、事前に取得された制御データに影響を受けるので、2重表示モードに適合した動作を即座に実行することはできない。かくして、視聴者は、不快なフリッカを感じることとなる。
特開平11−98538号公報
特開2000−36969号公報
本発明は、表示モードの切替に伴うフリッカを防止することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置を用いて立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信することを特徴とする。
本発明の他の局面に係る眼鏡装置は、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御信号は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号、を含み、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置と、立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える表示装置と、を備え、該表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信し、前記眼鏡装置は、前記表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である前記入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
本発明に係る表示装置、眼鏡装置及び映像システムは、表示モードの切替に伴う一時的な眼鏡の不規則なシャッターリングによるフリッカを防止することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本実施形態の映像システムの概略図である。
表示装置及び眼鏡装置のハードウェア構成を示す概略的なブロック図である。
表示装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
眼鏡装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
表示装置がタイミング信号を送信している間の眼鏡装置の動作モードの変化の概略図である。
表示装置と眼鏡装置との間の通信プロトコルによって規定されたコマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
立体表示モードにおける眼鏡装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
立体表示モードにおける眼鏡装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
2重表示モードにおいて、表示装置の表示部が表示する映像の概略図である。
第1映像を選択した視聴者が観察する映像の概略図である。
第2映像を選択した視聴者が観察する映像の概略図である。
第1映像を選択した視聴者の眼鏡装置の動作を概略的に示すタイミングチャートである。
第2映像を選択した視聴者の眼鏡装置の動作を概略的に示すタイミングチャートである。
立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替が生じたときに送信される停止信号を表す概略的なタイミングチャートである。
立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替に伴うコマンド信号の送信パターンの変動を概略的に示すタイミングチャートである。
以下、一実施形態に係る表示装置、眼鏡装置及び映像システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、表示装置、眼鏡装置及び映像システムの原理はこれらに何ら限定されるものではない。
<映像システムの構成>
図1は、本実施形態の映像システム100の概略図である。図1を用いて、映像システム100が説明される。
映像システム100は、立体的に知覚される映像を表示する表示装置200と、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置400と、を備える。表示装置200として、テレビ装置やパーソナルコンピュータといった立体映像を表示することができる様々な装置が例示される。
表示装置200は、映像を表示するためのディスプレイパネル210を備える。ディスプレイパネル210には、左眼で観察されるように作成された左フレーム画像と、右眼で観察されるように作成された右フレーム画像が交互に表示される。左フレーム画像及び右フレーム画像は、視差の分だけ異なる内容を表現する。左フレーム画像が左眼のみで観察され、右フレーム画像が右眼のみで観察されるならば、視聴者は、左フレーム画像及び右フレーム画像との間の視差に応じて、ディスプレイパネル210に表示される映像を立体的に知覚する。以下の説明において、左フレーム画像及び右フレーム画像が交互に表示される表示方式は、「立体表示モード」と称される。本実施形態において、立体表示モードは、第1表示モードとして例示される。また、左フレーム画像及び右フレーム画像を交互に表示する表示装置200の周期的な動作は、第1表示動作として例示される。加えて、ディスプレイパネル210は、表示部として例示される。
眼鏡装置400は、視力矯正用の眼鏡と似た形状をなす。眼鏡装置400は、映像が立体的に知覚されるように左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行うシャッタ部410を備える。シャッタ部410は、眼鏡装置400を着用した視聴者の左眼前に配設される左シャッタ411と、右眼前に配設される右シャッタ412と、を含む。
左シャッタ411が閉じられると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、左シャッタ411をほとんど透過しない。したがって、左シャッタ411が閉じられている期間において、左眼への入射光量は低減する。
左シャッタ411が開かれると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、左シャッタ411を通過する。したがって、左シャッタ411が開かれている期間において、左眼への入射光量は増大する。
右シャッタ412が閉じられると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、右シャッタ412をほとんど透過しない。したがって、右シャッタ412が閉じられている期間において、右眼への入射光量は低減する。
右シャッタ412が開かれると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、右シャッタ412を通過する。したがって、右シャッタ412が開かれている期間において、右眼への入射光量は増大する。
本実施形態の説明に用いられる「入射光量」との用語は、ディスプレイパネル210に表示された映像の光が、左眼及び/又は右眼に入射する量を意味する。シャッタ部410は、上述の如く、左シャッタ411及び右シャッタ412の開閉によって、左眼及び右眼への入射光量を調整する。本実施形態において、シャッタ部410は、光量調整部として例示される。左シャッタ411及び右シャッタ412に対して、液晶シャッタ素子が用いられる。代替的に、映像光の偏向方向を調整し、入射光量を調整することができる他の光学素子が光量調整部に用いられてもよい。
ディスプレイパネル210が左フレーム画像を表示している間、左シャッタ411は開かれる一方で右シャッタ412は閉じられる。ディスプレイパネル210が右フレーム画像を表示している間、左シャッタ411は閉じられる一方で右シャッタ412は開かれる。この結果、左フレーム画像は、左眼のみで観察され、右フレーム画像は、右眼のみで観察される。視聴者は、左フレーム画像及び右フレーム画像との間の視差に応じて、ディスプレイパネル210に表示される映像を立体的に知覚することができる。
上述のフレーム画像の表示に同期したシャッタ部410の開閉動作は、表示装置200と眼鏡装置400との間で予め定められたプロトコルに従って、表示装置200から眼鏡装置400へ送信される制御信号に基づいて達成される。尚、制御信号は、上述のシャッタ部410による光量の調整動作の制御のためだけでなく、シャッタ部410に他の動作を実行させるためにも用いられる。制御信号に基づくシャッタ部410の動作は後述される。
本実施形態において、制御信号は、IR信号(赤外線信号)として送信される。代替的に、制御信号は、RF信号(無線信号)であってもよい。
表示装置200は、上述の制御信号を眼鏡装置400へ送信するための送信素子220を更に備える。眼鏡装置400は、制御信号を受信するための受信素子420を更に備える。本実施形態において、送信素子220として、赤外線を発光する発光素子が用いられる。また、受信素子420として、赤外線を受光する受光素子が用いられる。本実施形態において、送信素子220は、送信部として例示される。また、受信素子420は、受信部として例示される。
図2は、表示装置200及び眼鏡装置400のハードウェア構成を示す。図1及び図2を用いて、表示装置200及び眼鏡装置400のハードウェア構成が説明される。
表示装置200は、上述のディスプレイパネル210及び送信素子220に加えて、復号化IC230、映像信号処理IC240、送信制御IC250、CPU260、メモリ270及びクロック280を更に備える。
復号化IC230には、符号化された映像信号が入力される。復号化IC230は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号の符号化として、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG4やH264といった様々な方式が例示される。
映像信号処理IC240は、立体映像の表示に関する信号処理を行い、ディスプレイパネル210の信号入力方式に適合した出力信号を生成並びに出力する。映像信号処理IC240は、復号化IC230が出力した映像データから左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータとを抽出する。その後、ディスプレイパネル210は、左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータとに基づいて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。
映像信号処理IC240は、復号化IC230が出力した映像データに対して、他の処理を行う。例えば、映像信号処理IC240が、ディスプレイパネル210に表示される映像の色彩を適切に調整するならば、視聴者は高品位の映像を視聴することができる。映像信号処理IC240が、復号化IC230が生成した映像データのフレーム間の映像を補間するならば、映像のフレームレートは向上する。
表示装置200が、立体表示モードで動作する間、映像信号処理IC240は、上述の立体映像の表示に関する信号処理を行う。映像信号処理IC240は、復号化IC230に入力された映像信号に応じて、表示モードを切り替えるための処理を実行する。
例えば、「60Hz」の動作周波数を規定する映像信号の後、「48Hz」の動作周波数を規定する映像信号が復号化IC230に入力されるならば、映像信号処理IC240は、「60Hz」から「48Hz」へ動作周波数を切り替えるための処理を行う。尚、「動作周波数」との用語は、左フレーム画像及び右フレーム画像からなる組の表示周波数を意味する。例えば、「60Hzの動作周波数」とは、左フレーム画像が60Hzの周波数で表示され、且つ、右フレーム画像が60Hzの周波数で表示されることを意味する。
立体表示モードでの動作を規定する映像信号の後、2つの異なる内容を表す映像信号(第1映像及び第2映像)が復号化IC230に入力されるならば、映像信号処理IC240は、第1映像のフレーム画像と第2映像のフレーム画像とをディスプレイパネル210に交互に表示させるための処理を行う。
第1映像がスポーツ番組であり、第2映像がアニメーション番組であるならば、一方の視聴者(第1視聴者)がスポーツ番組を視聴している間、他方の視聴者(第2視聴者)は、アニメーション番組を楽しむことができる。第1視聴者が着用する眼鏡装置400は、第1映像が表示されている間、左眼及び/又は右眼への入射光量を増大させる一方で、第2映像が表示されている間、左眼及び右眼への入射光量を低減させる。第2視聴者が着用する眼鏡装置400は、第2映像が表示されている間、左眼及び/又は右眼への入射光量を増大させる一方で、第1映像が表示されている間、左眼及び右眼への入射光量を低減させる。したがって、複数の視聴者は、単一の表示装置200を用いて、別異の内容の映像を同時に楽しむことができる。以下の説明において、このような表示方式は、「2重表示モード」と称される。
上述の動作周波数(フレームレート)の変更や立体表示モードから2重表示モードへの変更は、表示モードの切替として例示される。ディスプレイパネル210によるフレーム画像の表示の動作周波数とは異なる動作周波数でフレーム画像を表示する動作や上述の2重表示モードは、第2表示モードとして例示される。更に、第2表示モードは、立体表示モード中における左フレーム画像及び右フレーム画像を交互に表示する表示装置200の周期的な動作とは、異なる位相でフレーム画像を表示する動作をも意味する。異なる位相及び/又は動作周波数でのフレーム画像の表示動作は、第2表示動作として例示される。第1表示モードから第2表示モードへの切替は、例えば、視聴者が表示装置200のチャンネルを切り替えたときにも生ずる。
送信制御IC250は、眼鏡装置400のシャッタ部410の動作を制御するための上述の制御信号を生成する。本実施形態において、制御信号は、第1表示モード及び第2表示モードにおいて左眼及び右眼への入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号と、眼鏡装置400による入射光量の調整動作を停止させるための停止信号と、を含む。
送信制御IC250は、ディスプレイパネル210が立体表示モードで映像を表示している間に送信されるタイミング信号を生成する。また、送信制御IC250は、立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)へ切り替えられるときに送信される停止信号を生成する。送信制御IC250は、上述の送信素子220を制御し、ディスプレイパネル210に表示される映像の表示モードに合わせて、タイミング信号又は停止信号の送信タイミングを調整する。本実施形態において、送信制御IC250は、信号生成部として例示される。
送信素子220は、送信制御IC250の制御下で、制御信号の送信を行う。
ディスプレイパネル210が立体表示モードで映像を表示している間、送信素子220はタイミング信号を眼鏡装置400へ送信する。眼鏡装置400のシャッタ部410は、受信素子420が受信したタイミング信号に基づき、上述の開閉動作を行う。この結果、ディスプレイパネル210が左フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が開き、右シャッタ412は閉じる。また、ディスプレイパネル210が右フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が閉じ、右シャッタ412は開く。
立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)へ切り替えられると、送信素子220は、停止信号を眼鏡装置400へ送信する。眼鏡装置400のシャッタ部410は、受信素子420が受信した停止信号に基づき、入射光量の調整動作を停止する。本実施形態において、受信素子420が停止信号を受信するならば、左シャッタ411及び右シャッタ412はともに開いた状態を維持する。この結果、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持される。
CPU260は、表示装置200の様々な要素(例えば、復号化IC230や映像信号処理IC240)を制御する。CPU260は、メモリ270に記録されたプログラムや外部からの入力信号(例えば、リモートコントローラ(図示せず)からの信号)に従って、表示装置200全体の制御を行う。
メモリ270は、CPU260が実行するプログラムやプログラム実行時に発生する一時データを記録する領域として利用される。メモリ270として、揮発性のRAM(Random Access Memory)や不揮発性のROM(Read Only Memory)が例示される。
クロック280は、CPU260や他のICの動作基準となるクロック信号を供給する。
ディスプレイパネル210は、映像信号処理IC240からの出力信号に基づき、映像を表示する。ディスプレイパネル210として、CRT方式の装置、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)や有機エレクトロルミネッセンスを用いた装置が例示される。
眼鏡装置400は、上述のシャッタ部410及び受信素子420に加えて、CPU460、メモリ470及びクロック480を備える。
CPU460は、メモリ470に記録されたプログラムや表示装置200の送信素子220から送信された制御信号に従って、眼鏡装置400を制御する。本実施形態において、CPU460は、制御部として例示される。
上述の如く、ディスプレイパネル210が立体表示モードで映像を表示している間、受信素子420はタイミング信号を受信する。CPU460は、受信素子420が受信したタイミング信号に基づき、シャッタ部410による入射光量に対する調整動作を制御する。この結果、ディスプレイパネル210が左フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が開き、右シャッタ412は閉じる。また、ディスプレイパネル210が右フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が閉じ、右シャッタ412は開く。
上述の如く、ディスプレイパネル210の映像の表示モードが、立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)に切り替えられたとき、受信素子420は、送信素子220からの停止信号を受信する。CPU460は、受信素子420が受信した停止信号に基づき、シャッタ部410の調整動作を停止させる。この結果、左シャッタ411及び右シャッタ412は、開かれた状態を維持する。かくして、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持される。
メモリ470は、CPU460が実行するプログラムのデータの記録や、プログラム実行時の一時データを保持する場所として用いられる。
CPU460は、受信素子420が受信したタイミング信号から左シャッタ411を開くべき時刻(以下、左開時刻と称される)、左シャッタ411を閉じるべき時刻(以下、左閉時刻と称される)、右シャッタ412を開くべき時刻(以下、右開時刻と称される)及び右シャッタ412を閉じるべき時刻(以下、右閉時刻と称される)に関するタイミングデータを生成する。メモリ470は、CPU460によって取得されたタイミングデータを格納する。本実施形態において、CPU460は、データ生成部として例示される。
CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータと新たに取得されたタイミングデータとを比較し、新たに取得されたタイミングデータに対応するタイミング信号がノイズ信号であるか否かを判定する。例えば、新たに取得されたタイミングデータが、メモリ470に格納されたタイミングデータと大きく相違するならば、CPU460は、新たに取得されたタイミング信号がノイズ信号であると判定することができる。
上述のノイズ信号の除去処理後に、CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータと新たに取得されたタイミングデータとを用いて、所定の演算処理を行い、左眼及び右眼への入射光量が増加される増加期間のタイミングを決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される左開時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される左開時刻とを平均化し、左開時刻を決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される左閉時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される左閉時刻とを平均化し、左閉時刻を決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される右開時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される右開時刻とを平均化し、右開時刻を決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される右閉時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される右閉時刻とを平均化し、右閉時刻を決定する。このような演算処理の結果、シャッタ部410による調整動作の信頼性が向上する。本実施形態において、CPU460は、決定部として例示される。
上述の如く、受信素子420は、タイミング信号又は停止信号を受信し、CPU460は、タイミング信号又は停止信号に基づき、シャッタ部410を制御する。受信素子420が、タイミング信号の後に停止信号を受信し、更にその後、タイミング信号を再度受信するならば、CPU460は停止信号を受信する前に受信されたタイミング信号から取得されたタイミングデータを無視し、再度受信されたタイミング信号から取得されたタイミングデータに基づきシャッタ部410を制御する。以下の説明において、停止信号の受信前に受信素子420が受信したタイミング信号は、「先行タイミング信号」と称される。また、停止信号の受信後に受信素子420が受信したタイミング信号は、「後続タイミング信号」と称される。尚、先行タイミング信号は、第1表示モードのタイミング信号として例示される。後続タイミング信号は、第2表示モードのタイミング信号として例示される。
停止信号の受信の後に、先行タイミング信号に基づくタイミングデータを無視し、後続タイミング信号から取得されたタイミングデータに基づいてシャッタ部410を制御することは、表示モードの切替の後のシャッタ部410の調整動作の信頼性にとって有利である。例えば、ディスプレイパネル210が、60Hzの動作周波数で立体映像を表示し(第1表示モード)、その後、48Hzの動作周波数で立体映像を表示するならば(第2表示モード)、停止信号の受信後における左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングは、停止信号の受信前における左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングとは大きく異なることもある。
CPU460が、先行タイミング信号に基づくタイミングデータを無視せず、上述の平均化処理を行うならば、CPU460による増加期間に対する決定は、先行タイミング信号に基づくタイミングデータに影響を受けることとなる。この結果、シャッタ部410による調整動作は、48Hzの動作周波数で立体映像の表示に同期せず、視聴者はフリッカを知覚することとなる。
CPU460が、先行タイミング信号に基づくタイミングデータを無視するならば、CPU460による増加期間に対する決定は、先行タイミング信号に基づくタイミングデータに影響を受けない。したがって、シャッタ部410による調整動作は、48Hzの動作周波数で立体映像の表示に同期しやすくなる。
受信素子420がタイミング信号及び停止信号をともに受信しない期間は、以下の説明において、「不受信期間」と称される。メモリ470が、不受信期間前に受信されたタイミング信号に基づいて生成されたタイミングデータを格納しているならば、CPU460は、メモリ470が格納しているタイミングデータに基づいて、左眼及び右眼への入射光量が増加される増加期間のタイミングを決定する。この結果、表示装置200と眼鏡装置400との間での通信の遮断が生じても、シャッタ部410は入射光量の調整動作を適切に継続することができる。
尚、好ましくは、不受信期間に対する閾値期間が予め設定される。不受信期間が閾値期間を超過するならば、CPU460は、シャッタ部410による調整動作を停止し、左シャッタ411及び右シャッタ412を、開状態に維持する。この結果、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持される。
クロック480は、眼鏡装置400を構成するCPU460や他のICへ、動作の基準となるクロック信号を供給する。上述のCPU460は、クロック信号に基づき、タイミングデータを生成する。
本実施形態の原理は、図2に示される例示的なハードウェア構成に限定されるものではない。復号化IC230や映像信号処理IC240といった複数のICに代えて、これらの機能を備える一体化されたICが用いられてもよい。また、CPU260が実行するプログラムの処理と同様の処理は、PLD(Programmable Logic Device)を用いて実行されてもよい。
図3は、表示装置200の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2及び図3を用いて、表示装置200の機能構成が説明される。
表示装置200は、復号部235、信号分離部243、映像信号処理部245、表示部215、信号生成部253、送信制御部255及び送信部225を備える。
復号部235には、符号化された映像が入力される。復号部235は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号の符号化として、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG4やH264といった様々な方式が例示される。復号部235は、図2に関連して説明された復号化IC230に相当する。
信号分離部243は、復号部235が出力した映像データから左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータとを抽出並びに分離する。
映像信号処理部245は、左フレーム画像及び右フレーム画像を表示する表示部215の特性に応じて、左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータを調整する。例えば、映像信号処理部245は、表示部215の表示面の大きさに応じて、左フレーム画像と右フレーム画像との間の視差を調整してもよい。映像信号処理部245が処理した映像データは、表示部215へ出力される。
信号分離部243及び映像信号処理部245は、図2に関連して説明された映像信号処理IC240に相当する。したがって、信号分離部243及び映像信号処理部245は、映像信号処理IC240に関連して説明された立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)への表示モードの切替動作も実行する。信号分離部243は、信号生成部253に表示モードの切替のタイミングを通知する。
信号生成部253は、表示部215が表示する左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に同期して送信されるタイミング信号及び立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)への表示モードの切替時に送信される停止信号を生成する。本実施形態において、タイミング信号は、眼鏡装置400による入射光量に対する調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含む。タイミング信号として用いられるコマンド信号として、左シャッタ411を開くための左開信号、左シャッタ411を閉じるための左閉信号、右シャッタ412を開くための右開信号及び右シャッタ412を閉じるための右閉信号が例示される。
受信素子420が左開信号を受信すると、左シャッタ411が開く。この結果、左眼への入射光量が増加する。受信素子420が左閉信号を受信すると、左シャッタ411が閉じる。この結果、左眼への入射光量が減少する。本実施形態において、左開信号は、左増信号として例示される。また、左閉信号は、左減信号として例示される。
受信素子420が右開信号を受信すると、右シャッタ412が開く。この結果、右眼への入射光量が増加する。受信素子420が右閉信号を受信すると、右シャッタ412が閉じる。この結果、右眼への入射光量が減少する。本実施形態において、右開信号は、右増信号として例示される。また、右閉信号は、右減信号として例示される。
本実施形態において、信号生成部253が生成する左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号はパルス信号である。左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号が異なる波形を有するように、信号生成部253は、これらのコマンド信号を生成する。この結果、眼鏡装置400のCPU460は、左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報をタイミング信号から抽出することができる。
本実施形態において、停止信号は、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号のうち1つと共通するパルス波形を有する共通コマンド信号と、眼鏡装置400に、調整動作を停止させるための信号であることを通知するための通知コマンド信号と、を含む。タイミング信号及び停止信号が含むコマンド信号は、後述される。
送信制御部255は、制御信号の送信タイミングを制御する。この結果、表示部215が立体表示モードで映像を表示している間、タイミング信号が眼鏡装置400へ送信される。立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)へ表示モードが切り替えられると、停止信号が眼鏡装置400へ送信される。
本実施形態において、信号生成部253及び送信制御部255は、図2に関連して説明された送信制御IC250に相当する。したがって、送信制御IC250に関連して説明された一連の制御動作は、信号生成部253及び送信制御部255に援用される。
送信部225は、信号生成部253が生成した制御信号(タイミング信号及び停止信号)を、送信制御部255の制御下で、眼鏡装置400へ送信する。
本実施形態において、送信部225は、表示部215が左フレーム画像を表示している期間に、左開信号及び左閉信号を送信する。この結果、左フレーム画像が表示されている期間中において、左眼への入射光量が増加する期間が設定される。また、送信部225は、表示部215が右フレーム画像を表示している期間に、右開信号及び右閉信号を送信する。この結果、右フレーム画像が表示されている期間中において、右眼への入射光量が増加する期間が設定される。
送信部225は、シャッタ部410の調整動作を停止させるために、共通コマンド信号に続いて、通知コマンド信号を眼鏡装置400に送信する。上述の如く、共通コマンド信号は、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号のうち1つと共通するパルス波形を有するので、眼鏡装置400は、共通コマンドのみでは、受信素子420が受信した信号が停止信号であるかタイミング信号であるかを判別することができない。眼鏡装置400は、その後送信される通知信号に基づき、受信素子420が受信した信号が停止信号であると判定することができる。
送信部225は、図2に関連して説明された送信素子220に相当する。したがって、送信素子220に関連して説明された制御信号の送信動作は、送信部225に援用される。
表示部215は、映像信号処理部245が処理した映像データを映像として表示する。表示部215は、図2に関連して説明されたディスプレイパネル210に相当する。したがって、ディスプレイパネル210に関連して説明された一連の表示動作は、表示部215に援用される。
図4は、眼鏡装置400の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2乃至図4を用いて、眼鏡装置400の機能構成が説明される。
眼鏡装置400は、受信部425、検出部461、解析部462、記憶部475、内部信号生成部463、光量制御部464及び光量調整部415を備える。
光量調整部415は、左眼への入射光量を調整する左調整部416と、右眼への入射光量を調整する右調整部417と、を含む。光量調整部415は、図2に関連して説明されたシャッタ部410に相当する。また、左調整部416は、図2に関連して説明された左シャッタ411に相当する。右調整部417は、図2に関連して説明された右シャッタ412に相当する。したがって、シャッタ部410、左シャッタ411及び右シャッタ412の動作に関連する説明は、光量調整部415、左調整部416及び右調整部417にそれぞれ援用される。
受信部425は、表示装置200の送信部225から送信された制御信号(タイミング信号及び停止信号)を受信する。上述の如く、本実施形態において、制御信号は、赤外線信号である。受信部425は、赤外線の受光に応じて、電気信号を検出部461へ出力する。受信部425は、図2に関連して説明された受信素子420に相当する。したがって、受信素子420に関連して説明された受信動作の説明は、受信部425に援用される。
検出部461は、受信部425が受信した制御信号(電気信号)を検出する。本実施形態において、制御信号として送信されるタイミング信号及び停止信号は、パルス信号から形成された複数のコマンド信号を含む。検出部461によって検出されるこれらの信号の波形は後述される。
解析部462は、検出部461が検出した制御信号を解析する。上述の如く、表示装置200と眼鏡装置400との間には、所定のプロトコルが予め規定されている。プロトコルによって、左眼への入射光量を増大させるための信号の波形、左眼への入射光量を減少させるための信号の波形、右眼への入射光量を増大させるための信号の波形、右眼への入射光量を減少させるための信号の波形及び上述の共通コマンド信号及び通知コマンド信号として用いられる信号の波形やこれらの信号の通信パターンが予め決定される。
例えば、受信部425が、タイミング信号として送信される左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号を受信するならば、解析部462は、プロトコルによって定められた信号波形と受信部425が受信した信号の波形とを比較し、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号の受信を確認する。その後、解析部462は、これらの信号の受信時刻や光量調整部415の調整動作に要求される他の情報を取得する。このようにして取得された情報は、タイミングデータとして例示される。
受信部425が、停止信号として送信される共通コマンド信号を受信した後、通知コマンド信号を受信するならば、解析部462は、プロトコルによって規定された信号波形及び送信パターンに基づき、表示装置200が光量調整部415の調整動作の停止を要求していると解釈することができる。
解析部462は、上述の如く取得された情報を記憶部475に記憶する。本実施形態において、解析部462はデータ生成部として例示される。検出部461及び解析部462は、図2に関連して説明されたCPU460が実行するプログラムの一部に該当する。したがって、CPU460に関連して説明された信号の検出動作並びに処理動作は、検出部461及び解析部462に援用される。
記憶部475は、上述の如く解析部462が解析並びに取得した光量調整部415の動作の制御に用いられる制御情報を記憶する。記憶部475は、図2に関連して説明されたメモリ470に相当する。したがって、メモリ470が記憶する情報の内容並びに利用に関する説明は、記憶部475に援用される。
内部信号生成部463は、記憶部475が記憶した情報に基づき、光量調整部415の制御に用いられる内部信号を生成する。この結果、入射光量が増加する増加期間のタイミングが決定される。本実施形態において、内部信号生成部463は、決定部として例示される。内部信号生成部463は、図2に関連して説明されたCPU460及びクロック480に相当する。したがって、CPU460に関連して説明された制御動作は、内部信号生成部463に援用される。
光量制御部464は、内部信号に基づき、左調整部416及び右調整部417の動作を制御する。光量制御部464は、図2に関連して説明されたCPU460が実行するシャッタ部410に対する制御プログラムに相当する。したがって、CPU460によるシャッタ部410に対する制御動作に関する説明は、光量制御部464に援用される。本実施形態において、CPU460に対応する検出部461、解析部462、内部信号生成部463及び光量制御部464は、制御部として例示される。
<眼鏡装置の動作>
図5は、表示装置200がタイミング信号を送信している間の眼鏡装置400の動作モードの変化の概略図である。図2乃至図5を用いて、表示装置200がタイミング信号を送信している間の眼鏡装置400の動作が説明される。
眼鏡装置400の動作は、拘束モード、自走モード及び停止モードの間で推移する。
(拘束モード)
受信部425がタイミング信号を適切に受信しているならば、眼鏡装置400は拘束モードで動作する。拘束モードにおいて、シャッタ部410の動作はタイミング信号に拘束される。左開信号によって規定された時刻に、左シャッタ411は開き、左閉信号によって規定された時刻に、左シャッタ411は閉じる。また、右開信号によって規定された時刻に、右シャッタ412は開き、右閉信号によって規定された時刻に、右シャッタ412は閉じる。
(自走モード)
視聴者と表示装置200との間を通過する障害物、ノイズや他の因子に起因して、表示装置200と眼鏡装置400との間の通信に不具合が生ずることがある。受信部425がタイミング信号を適切に受信しない不受信期間が開始されると、眼鏡装置400は自走モードで動作する。自走モードにおいて、シャッタ部410の動作は、不受信期間の開始前に適切に受信されたタイミング信号に基づく。
受信部425が適切にタイミング信号を受信している間、記憶部475には、例えば、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号の受信時刻に関する情報が順次格納される。内部信号生成部463は、不受信期間が開始すると、記憶部475に記憶された受信時刻に基づき、内部信号を生成する。この結果、タイミング信号が適切に受信されなくとも、シャッタ部410は開閉動作を継続することができる。
(停止モード)
視聴者に対する安全性の観点及び/又は制御上の理由から、左シャッタ411及び右シャッタ412が開かれた状態で停止する停止モードが設定される。例えば、上述の自走モードが長期間継続するならば、シャッタ部410の開閉動作と表示部215のフレーム画像との間での同期が維持されないこともある。或いは、長期間の立体映像の視聴は、視聴者の眼に負担をかけることもある。このような不都合を回避するために、停止モードが設定される。停止モードにおいて、シャッタ部410は開かれているので、視聴者は安全に所望の動作を行うことができる。
(拘束モードと自走モードとの間での推移)
受信部425がタイミング信号を適切に受信している間、拘束モードでの動作が実行される。タイミング信号及び停止信号がともに受信されない受信期間が開始すると、拘束モードから自走モードへ眼鏡装置400の動作が変更される。内部信号生成部463は、クロック480からのクロック信号を用いて、不受信期間の長さを計時する。内部信号生成部463が測定した時間が、不受信期間に対して予め定められた閾値期間を超過する前に、受信部425がタイミング信号を適切に受信するならば、眼鏡装置400は拘束モードで再度動作する。
(自走モードと停止モードとの間での推移)
内部信号生成部463が測定した時間が、不受信期間に対して予め定められた閾値期間、例えば、数分間を超過するならば、内部信号生成部463は、光量制御部464へ光量調整部415(シャッタ部410)の開閉動作を停止させるための内部信号を出力する。この結果、眼鏡装置400の動作は、自走モードから停止モードへ変化する。眼鏡装置が長らく不受信の状態にあるので、眼鏡装置の動作を停止することによって節電する。
(停止モードと拘束モードとの間での推移)
停止モードの間、受信部425がタイミング信号を受信しているならば、当該タイミング信号に基づいて定められた左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報が記憶部475に順次格納される。内部信号生成部463が左眼及び右眼への入射光量を増加させる増加期間の決定するために十分な情報が記憶部475に格納されると、眼鏡装置400の動作は、停止モードから拘束モードに移行する。
図2乃至図5を用いて、表示装置200が停止信号を送信している間の眼鏡装置400の動作モードの変化が説明される。尚、「不受信期間」との用語は、タイミング信号だけでなく停止信号もが適切に受信されない期間を意味する。なお、表示装置200が停止信号を送信している間における自走モードは、図5に関連して説明された自走モードと同様である。
拘束モードで動作する眼鏡装置400の受信部425が停止信号を受信すると、眼鏡装置400の動作は、拘束モードから停止モードへ移行する。上述の如く、停止信号の受信は、表示部215の表示モードの変更を意味する。表示モードの変更の結果、フレーム画像の表示タイミングは変動する。本実施形態において、停止信号の受信に伴って、シャッタ部410の動作は停止するので、視聴者は、シャッタ部410の開閉動作とフレーム画像の表示との間の非同期に起因するフリッカを知覚しない。
本実施形態において、表示装置200の送信部225は、停止信号を所定回数繰り返し送信する。その後、送信部225は、新たな表示モード(第2表示モード)で表示される映像に合わせて、タイミング信号を眼鏡装置400へ送信する。
眼鏡装置400の受信部425は、新たな表示モード下で送信されたタイミング信号(後続タイミング信号)を受信する。解析部462は、後続タイミング信号に基づき、左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報を取得し、記憶部475に記録する。内部信号生成部463は、停止信号の受信前に記憶部475に記録された制御情報を無視し、後続タイミング信号から得られた左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報に基づき、内部信号を生成する。内部信号生成部463は、複数のタイミング信号から得られた左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻それぞれに対して、例えば、平均化処理を実行し、平均化された左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に基づき、内部信号を生成する。停止モードは、内部信号生成部463が内部信号を生成するのに十分な後続タイミング信号が受信されるまで継続する。内部信号生成部463が内部信号を生成し、光量調整部415(シャッタ部410)を動作させると、眼鏡装置400の動作は拘束モードに移る。
上述の如く、拘束モードにおいて、眼鏡装置400の動作周波数は有限値である。眼鏡装置400は、後述される立体表示モード又は2重表示モード用のコマンドセットを連続的に受信する。この結果、眼鏡装置400は、コマンドセットに規定されるフレーム周波数に拘束され、シャッタ部410を開閉させる。したがって、視聴者は、立体映像又は2重表示モード下で表示される映像を適切に知覚することができる。後述されるコマンドセットが適切に受信されない場合や動作周波数が変動した場合、眼鏡装置400は自走モードに入る。この結果、眼鏡装置400は、シャッタ部410の開閉動作を継続することができる。しかし、眼鏡装置400が停止信号を受信したならば、眼鏡装置400は強制的に停止モードに入る。そして停止モードの間、シャッタ部410は開状態を維持する。
停止モードにおいて、眼鏡装置400の動作周波数は無限値であり、シャッタ部410は停止される。視聴者の安全性を確保するために、開閉動作が停止されるならば、シャッタ部410は、開状態を維持する。この結果、視聴者は、シャッタ部410に妨げられることなく、周囲空間を見渡すことができる。尚、眼鏡装置400が停止信号を受信し続ける限り、シャッタ部410は開状態を維持する。停止モードにある眼鏡装置400が後述される立体表示モード又は2重表示モード用のコマンドセットを受信するならば、眼鏡装置400は、当該コマンドセットの受信時刻から所定期間経過後に拘束モードに移る。この結果、眼鏡装置400は、所定の動作周波数(有限値)でシャッタ部410を動作させる。なお、眼鏡装置400は停止信号を受信し、一旦シャッタ部410が開状態になって、立体表示モード又は2重表示モードの信号をしばらく受信しない場合、たとえ停止信号を受けなくとも眼鏡装置400のシャッタ部410を開状態のままにしておいてもよい。
上述の如く、自走モードは、コマンドセットが適切に受信されない場合に開始される。自走モードにある眼鏡装置400は、先行して受信されたコマンドセットに従って、シャッタ部410の開閉を継続する。自走モードの動作周波数は、少なくとも数秒維持される。自走モードの眼鏡装置400がコマンドセットを再度受信し、且つ、再度受信したコマンドセットに規定される動作周波数が維持されているならば、眼鏡装置400は、拘束モードで動作する。或いは、自走モードの眼鏡装置400がコマンドセットを再度受信し、且つ、再度受信したコマンドセットに規定される動作周波数が新たに設定されるならば、眼鏡装置400は、拘束モードで動作する。自走モードの開始から、所定期間、コマンドセットが受信されないならば、眼鏡装置400は、自走モードから停止モードに移る。
<コマンド信号>
図6は、表示装置200と眼鏡装置400との間の通信プロトコルによって規定されたコマンド信号CSの概略図である。図1、図4及び図6を用いて、コマンド信号CSが説明される。
コマンド信号CSは、一定の周波数で送信されるパルス信号からなる。図6には、パルス信号がオンとなる6つのパルス位置PL1乃至PL6が示されている。本実施形態において、オンとオフとの間のデューティサイクルは、50%である。
本実施形態において、パルス位置PL1におけるパルス信号はオンに設定され、当該パルス信号の立上縁UEは、コマンド信号の受信時刻の参照位置として処理される。また、パルス位置PL6におけるパルス信号もオンに設定される。眼鏡装置400は、パルス位置PL6のオン信号を参照し、コマンド信号CSの終端を検出する。
パルス位置PL1とパルス位置PL6との間のパルス位置PL2乃至PL5におけるオン・オフの設定に基づき、眼鏡装置400の解析部462は、コマンド信号が表す制御内容を解釈する。
図7A乃至図7Fは、様々なコマンド信号CSを示す。図6乃至図7Fを用いて、コマンド信号CSが更に説明される。
本実施形態のうち、1つのコマンド信号CS中において、オンに設定されるパルス信号の数は、4つである。
図7Aに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL3、PL4、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P3、P4、P6がオンに設定されている。図7A中の表記「2Dh」は、図7Aのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Bに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL2、PL5、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P2、P5、P6がオンに設定されている。図7B中の表記「33h」は、図7Bのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Cに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL2、PL4、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P2、P4、P6がオンに設定されている。図7C中の表記「35h」は、図7Cのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Dに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL3、PL5、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P3、P5、P6がオンに設定されている。図7D中の表記「2Bh」は、図7Dのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Eに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL2、PL3、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P2、P3、P6がオンに設定されている。図7E中の表記「39h」は、図7Eのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Fに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL4、PL5、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P4、P5、P6がオンに設定されている。図7F中の表記「27h」は、図7Fのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
表示装置200と眼鏡装置400との間の通信プロトコルにおいて、図7A乃至図7Fに示されるオン・オフのパターンの信号のみが通信されると規定され、且つ、受信部425が図7A乃至図7Fに示されていないパターンの信号を受信するならば、解析部462は、受信部425が受信した信号をノイズ信号として処理することができる。受信部425が図7A乃至図7Fに示されたパターンの信号を受信するならば、解析部462は、受信部425が受信した信号の受信時刻や光量調整部415(シャッタ部410)の制御に必要な他の情報を記憶部475に記録する。
上述の如く、コマンド信号は、オンに設定された4つのパルスを含むパルス列である。パルス列は、1番目のパルス(パルス位置PL1)及び6番目のパルス(パルス位置PL6)を含む。1番目のパルスと6番目のパルスとの間でのオン・オフのパターンに応じて、コマンド信号の種類が判定される。
<眼鏡装置の動作>
上述の眼鏡装置400の動作モードを実現するために、4つのコマンドセットが用意される。コマンドセットは、2又は4のパルスコマンドからなる。コマンドセットを受信すると、眼鏡装置400は、動作モードを決定する。上述の「2Dh」のパルスパターンを有する信号は、コマンドセットのうち最初に送信され、4つのコマンドセットの中で共通して用いられる。「2Dh」のパルスパターンを有する信号の参照時刻(上述の立上縁UE)を基準に、シャッタ部410は開閉する。4つのコマンドセットが以下に示される。
<立体表示モードにおけるコマンドセットA>
コマンドセットAは、パルスパターン「2Dh」、「33h」、「35h」及び「2Bh」のコマンド信号を含む。
<立体表示モードにおけるコマンドセットB>
コマンドセットBは、パルスパターン「2Dh」、「2Bh」、「35h」及び「33h」のコマンド信号を含む。
<2重表示モードにおけるコマンドセット>
2重表示モードにおけるコマンドセットは、「2Dh」及び「27h」のコマンド信号を含む。
<停止モードにおけるコマンドセット>
停止モードにおけるコマンドセットは、「2Dh」及び「39h」のコマンド信号を含む。
上述の一群のコマンドセットは、「2Dh」のパルスパターンを有する共通のコマンド信号を含む。また、「2Dh」のパルスパターンを有する共通のコマンド信号は、最初に送信される信号である。以下、これらのコマンドセットに基づく眼鏡装置400の動作が説明される。
<立体表示モードにおける眼鏡装置の動作>
図8及び図9は、立体表示モードにおける眼鏡装置400の動作を示す。図2乃至図4並びに図7A乃至図9を用いて、立体表示モードにおける眼鏡装置400の動作が説明される。
図8及び図9のセクション(a)は、表示装置200の表示部215が表示するフレーム画像を示す。表示部215は、左フレーム画像及び右フレーム画像を交互に表示する。
図8及び図9のセクション(b)は、眼鏡装置400の受信部425が受信したコマンド信号を示す。図8及び図9のセクション(c)は、左眼への入射光量の変化を表す。図8及び図9のセクション(d)は、右眼への入射光量の変化を表す。
本実施形態において、16進数「2Dh」で表されるパルスのオン・オフのパターン(以下、パルスパターンと称される)を有するコマンド信号CSは、左シャッタ411を開くための左開信号LOとして用いられる。16進数「33h」で表されるパルスパターンのコマンド信号CSは、左シャッタ411を閉じるための左閉信号LCとして用いられる。16進数「35h」で表されるパルスパターンのコマンド信号CSは、右シャッタ412を開くための右開信号ROとして用いられる。16進数「2Bh」で表されるパルスパターンのコマンド信号CSは、右シャッタ412を閉じるための右閉信号RCとして用いられる。
図8及び図9のセクション(c)に示される如く、左開信号LOの受信時刻に左シャッタ411が開くので、左開信号LOの受信に応じて、左眼への入射光量が増大する。また、左閉信号LCの受信時刻に左シャッタ411が閉じるので、左閉信号LCの受信に応じて、左眼への入射光量が減少する。
図8及び図9のセクション(d)に示される如く、右開信号ROの受信時刻に右シャッタ412が開くので、右開信号ROの受信に応じて、右眼への入射光量が増大する。また、右閉信号RCの受信時刻に右シャッタ412が閉じるので、右閉信号RCの受信に応じて、右眼への入射光量が減少する。
眼鏡装置400の解析部462は、コマンド信号CSの波形だけでなく、コマンド信号CSの受信順序に基づく情報の解析も実行する。解析部462は、左開信号LOを受信してから、次の左開信号LOを受信するまでに受信部425が受信した信号を1つの信号群として取り扱い、コマンド信号CSの受信順序を判定する。例えば、図8に示されるコマンド信号CSの受信順序は、左開信号LO、左閉信号LC、右開信号RO、右閉信号RCの順である。図9に示されるコマンド信号CSの受信順序は、左開信号LO、右閉信号RC、右開信号RO、左閉信号LCの順である。
図8のセクション(c)と図9のセクション(c)を比較すると、左眼への入射光量の増加率に差異があることが分かる。解析部462は、コマンド信号CSの受信順序に応じて、左シャッタ411が開かれる速度に関する制御データを生成し、記憶部475に格納することができる。
図8のセクション(d)と図9のセクション(d)を比較すると、右眼への入射光量の増加率に差異があることが分かる。解析部462は、コマンド信号CSの受信順序に応じて、右シャッタ412が開かれる速度に関する制御データを生成し、記憶部475に格納することができる。
上述の如く、受信部425がパルスパターン「2Dh」、「33h」、「35h」及び「2Bh」のコマンド信号を順次周期的に受信する場合、又は、受信部425がパルスパターン「2Dh」、「2Bh」、「35h」及び「33h」のコマンド信号を順次周期的に受信する場合、眼鏡装置400は、表示装置200が立体表示モードで映像を表示していると判断する。受信されたコマンド信号のパルスパターンが「2Dh」、「33h」、「35h」及び「2Bh」の順であるならば、眼鏡装置400は、図8に関連して説明された動作モードでシャッタ部410が動作することを決定する。受信されたコマンド信号のパルスパターンが「2Dh」、「2Bh」、「35h」及び「33h」であるならば、図9に関連して説明された動作モードでシャッタ部410が動作することを決定する。
眼鏡装置400は、パルスパターン「2Dh」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に左シャッタ411を開く。眼鏡装置400は、パルスパターン「33h」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に左シャッタ411を閉じる。眼鏡装置400は、パルスパターン「35h」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に右シャッタ412を開く。眼鏡装置400は、パルスパターン「2Bh」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に右シャッタ412を閉じる。
<2重表示モードにおける眼鏡装置の動作>
図10は、2重表示モードにおいて、表示装置200の表示部215が表示する映像の概略図である。図3及び図10を用いて、2重表示モードが説明される。
視聴者が2重表示モードを選択すると、表示部215は、内容が異なる複数の映像のフレーム画像を順次表示する。図10に示される表示部215は、自動車の映像(以下、第1映像と称される)と、ロケットの映像(以下、第2映像と称される)と、を表示する。表示部215は、第1映像のフレーム画像及び第2映像のフレーム画像を交互に表示する。
図11Aは、第1映像を選択した視聴者が観察する映像を示す。図11Bは、第2映像を選択した視聴者が観察する映像を示す。図3、図4、図10乃至図11Bを用いて、2重表示モードが説明される。
視聴者が第1映像を選択するならば、視聴者は、第1映像のフレーム画像(以下、第1フレーム画像と称される)のみを選択的に観察する。したがって、視聴者は、自動車の動画を楽しむことができる。視聴者が第2映像を選択するならば、視聴者は、第2映像のフレーム画像(以下、第2フレーム画像と称される)のみを選択的に観察する。したがって、視聴者は、ロケットの動画を楽しむことができる。
図12は、第1映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の動作を概略的に示すタイミングチャートである。図13は、第2映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の動作を概略的に示すタイミングチャートである。図3、図4、図8、図9、図12及び図13を用いて、2重表示モード下での眼鏡装置400の動作が説明される。
図12及び図13のセクション(a)は、2重表示モード下において表示装置200の表示部215が表示するフレーム画像を示す。表示部215は、第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する。
図12及び図13のセクション(b)は、眼鏡装置400の受信部425が受信したコマンド信号を示す。図12及び図13のセクション(c)は、左眼への入射光量の変化を表す。図12及び図13のセクション(d)は、右眼への入射光量の変化を表す。
2重表示モードにおいて、表示装置200の送信部225は、16進数「2Dh」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、16進数「27h」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、を送信する。眼鏡装置400の受信部425が受信した信号のパルスパターンが、「2Dh」と「27h」との組み合わせであるとき、解析部462は、表示装置200の表示モードは、2重表示モードであると判定する。尚、パルスパターン「27h」のコマンド信号CSは、図8及び図9に関連して説明された立体表示モードにおいて用いられていない。一方で、パルスパターン「2Dh」のコマンド信号CSは、図8及び図9に関連して説明された立体表示モードにおいて、左開信号LOとして用いられている。
図12に示される如く、第1映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有する信号に引き続き、「27h」のパルスパターンを有する信号が受信されると、「2Dh」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻は、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに開かれる時刻であると解釈する。また、「27h」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻は、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに閉じられる時刻であると解釈する。
一方、図13に示される如く、第2映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有する信号に引き続き、「27h」のパルスパターンを有する信号が受信されると、「2Dh」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻から「2Dh」のパルスパターンを有する信号の受信周期の半分の周期だけ遅れた時刻が、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに開かれる時刻であると解釈する。また、「27h」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻から「27h」のパルスパターンを有する信号の受信周期の半分の周期だけ遅れた時刻が、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに閉じられる時刻であると解釈する。
上述の如く、2重表示モードにおけるコマンドセットは、第1映像の視聴及び第2映像の視聴に用いられる。眼鏡装置400は、第1映像用の動作モードと第2映像用の動作モードとを切り替えるための機能を有する。視聴者は、眼鏡装置400を操作し、第1映像又は第2映像を選択することができる。
上述の如く、2重表示モードにおけるコマンドセットは、「2Dh」及び「27h」のコマンド信号を含む。「2Dh」及び「27h」のコマンド信号は、第1フレーム画像が表示される期間内で送信され、第2フレーム画像が表示される期間には送信されない。視聴者が眼鏡装置400を操作し、第1映像を選択しているならば、左シャッタ411及び右シャッタ412は第1映像の表示に同期して同時に開閉する。左シャッタ411及び右シャッタ412が開くタイミングは、「2Dh」のパルスパターンのコマンド信号の最初のパルスP1の受信時刻によって規定される。左シャッタ411及び右シャッタ412が開くタイミングは、「27h」のパルスパターンのコマンド信号の最初のパルスP1によって規定される。視聴者が眼鏡装置400を操作し、第2映像を選択しているならば、左シャッタ411及び右シャッタ412は第2映像の表示に同期して同時に開閉する。即ち、左シャッタ411及び右シャッタ412の開閉タイミングは、第1映像が選択されている場合よりも、1フレーム画像の表示期間だけ遅れることとなる。
2重表示モードにおけるコマンドセットが受信されると、眼鏡装置400は、動作モードを、先行して実行された動作モードから2重表示モードへ、最初に受信した「2Dh」のコマンド信号(2重表示モードにおけるコマンドセットのコマンド信号)から所定期間後に変更する。誤作動を防止するために、2重表示モードにおけるコマンドセットは、2重表示モードへの動作モードの変更前に、少なくとも5回送受信される。他のコマンド信号(コマンドセット)が受信されるならば、眼鏡装置400は、他のコマンドセットの最初のパルスから所定期間経過後に、他のコマンド信号(コマンドセット)に規定される動作モード下で動作する。
<立体表示モードから2重表示モードへの切替の動作>
立体表示モードから2重表示モードへの切替時における表示装置200及び眼鏡装置400の動作が説明される。尚、以下の切替時における動作に関連する説明は、立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)及び他の表示モード(第2表示モード)から立体表示モードへの切替時の動作に対しても同様に適用される。例えば、視聴者が映画のコンテンツから映画以外のコンテンツへ映像を切り替えたときや視聴者が表示装置200によって表示される番組のチャンネルを変更したときには、表示装置200によるフレーム画像の表示の周波数や位相が変動する。本実施形態において、表示モードの変更にともなう停止信号の通信の結果、表示モードの変更の間のフリッカが防止される。
図14は、立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替が生じたときに送信される停止信号を表すタイミングチャートである。図1、図3、図4、図8、図9及び図14を用いて、停止信号が説明される。
図14のセクション(a)は、表示モードの切替前において表示部215が表示するフレーム画像のタイミングを表す。図14のセクション(c)は、表示モードの切替後において表示部215が表示するフレーム画像を表す。図14のセクション(a)及びセクション(c)に示される如く、表示モードの切替に伴って、フレーム画像の表示タイミングは変動する。
図14のセクション(b)は、表示モードの切替に伴って送受信される停止信号を示す。表示モードが切り替えられると、表示装置200の送信部225は、16進数「2Dh」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、16進数「39h」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、を送信する。眼鏡装置400の受信部425が受信した信号のパルスパターンが、「2Dh」と「39h」との組み合わせであるとき、解析部462は、停止信号が送信されていると判定する。パルスパターン「39h」のコマンド信号CSは、立体表示モード及び2重表示モードにおいて用いられていない。一方で、パルスパターン「2Dh」のコマンド信号CSは、立体表示モード及び2重表示モードにおいて、用いられている信号である。
眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号に引き続き、「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号が受信されると、左シャッタ411及び右シャッタ412が開かれた状態で維持されるべきと解釈する。
ここで、立体表示モード及び2重表示モードにおいて送信されるコマンド信号CS及び停止信号として送信されるコマンド信号CSの組は、全て、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSを含む。また、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、全てのコマンド信号の組み合わせの中で、最初に送信されるコマンド信号として規定されている。したがって、眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSを基準に様々な判定をすることができる。例えば、眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの後に送信されるコマンド信号CSに応じて、眼鏡装置400が実行すべき動作を決定することができる。また、眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの受信周期に基づいて、表示部215によるフレーム画像の表示周期(即ち、動作周波数)を決定することができる。様々な表示モード下で送信される信号並びに表示モードの切替時に送信される信号が共通するパルスパターンのコマンド信号CSを含む結果、眼鏡装置400の解析部462の判定動作(受信信号に対する解釈)は、ノイズの影響を受けにくくなる。本実施形態において、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、共通コマンド信号として例示される。また、「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号は、入射光量の調整動作の停止を通知する通知コマンド信号として例示される。
本実施形態において、表示装置200の送信部225は、例えば、5回以上、停止信号を送信する。眼鏡装置400の解析部462は、受信部425が停止信号を、例えば、5回受信すると、左シャッタ411及び右シャッタ412が開かれた状態で維持されるべきと解釈する。この結果、眼鏡装置400の動作は、ノイズ信号に対して影響を受けにくくなる。
表示装置200の送信部225は、その後、2重表示モードに合わせたコマンド信号CSを送信する(図8及び図9参照)。眼鏡装置400の解析部462は、受信部425が停止信号を、例えば、5回受信すると、第2表示モードに合わせたシャッタ部410の開閉動作を実行するべきと解釈する。
図15は、立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替に伴うコマンド信号CSの送信パターンの変動を概略的に示すタイミングチャートである。図8、図14及び図15を用いて、コマンド信号CSの送信パターンの変動が説明される。
図8に関連して説明された如く、立体表示モードの間、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、左開信号LOとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。「33h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、左閉信号LCとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。「35h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、右開信号ROとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。「2Bh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、右閉信号RCとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。
図14に関連して説明された如く、立体表示モードから2重表示モードへ切り替えられると、停止信号が送信される。「2Dh」のパルスパターンを有する停止信号のコマンド信号CSは、直前の左開信号LOとして送信された「2Dh」のパルスパターンのコマンド信号から、周期「T」後に送信される。「39h」のパルスパターンを有する停止信号のコマンド信号CSは、直前の右開信号ROとして送信された「35h」のパルスパターンのコマンド信号から、周期「T」後に送信される。
表示装置200の送信制御部255は、停止信号のコマンド信号の周期的な送信パターンを、立体表示モードの間送信されるタイミング信号のコマンド信号の周期的な送信に適合させる。上述の如く、「2Dh」のパルスパターンを有する停止信号のコマンド信号CSは、タイミング信号と停止信号とに利用され、且つ、タイミング信号と停止信号との間で、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号の送信タイミングは略一定であるので、眼鏡装置400は、受信部425が受信した「2Dh」のパルスパターンを有する信号がノイズ信号であるか否かを適切に判断することができる。「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号の後に送信された「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの送信タイミングも、立体表示モードの間に送信されたタイミング信号のコマンド信号CSのうちの1つ(本実施形態において、「35h」のパルスパターンを有するコマンド信号CS)の送信タイミングと一致しているので、眼鏡装置400の解析部462は、「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの受信タイミングと立体表示モードの間に受信されたコマンド信号CSの受信タイミングとを比較し、同様に、ノイズ判定を行うことができる。
解析部462は、上述のノイズ判定の下、適切に受信された停止信号に関連する制御データを記憶部475に記憶する。内部信号生成部463は、記憶部475内の停止信号に関連する制御データに基づき、光量調整部415(シャッタ部410)の動作を停止する。この結果、左シャッタ411及び右シャッタ412は、開いた状態を維持し、停止する。
その後、2重表示モードにおけるフレーム画像の表示に合わせて、表示装置200の送信部225は、タイミング信号を送信する。解析部462は、2重表示モードにおいて送信されたタイミング信号に関連する制御データを記憶部475に記録する。内部信号生成部463は、停止信号を受信する前に記憶部475に記録された制御データを用いることなく、新たに記録されたタイミング信号(2重表示モードに対応するタイミング信号)に基づいて、内部信号を生成する。この結果、シャッタ部410の再度の開閉動作は、2重表示モードにおけるフレーム画像の表示に適切に同期する。
上述の如く、眼鏡装置400の意図しない停止動作を防ぐために、眼鏡装置400は、少なくとも5回、連続的に停止信号を受信したときに、停止動作を実行する。停止信号が連続的に受信されると、眼鏡装置400は、最初に受信した停止コマンドセットの「2Dh」の参照時刻(2Dhのコマンド信号の最初のパルスP1の受信時刻)から所定期間内に、それまで実行していた動作モードから停止モードに移る。他のコマンド信号が受信されるならば、眼鏡装置400は、他のコマンド信号の参照時刻から所定期間内に、他のコマンド信号に規定される動作モードに移る。
停止モードにおけるコマンドセットは、2つのフレーム画像(左フレーム画像及び右フレーム画像)が表示される期間内に送信される。停止信号の送信タイミングは、従前の動作において送信されたコマンド信号の送信タイミングと同期して送信される。
図15に関連して説明された送信パターンにおいて、停止信号の「2Dh」のコマンド信号は、先行する「2Dh」のコマンド信号から2フレーム期間の後に送信される。同様に、停止信号の「39h」のコマンド信号は、先行する「35h」のコマンド信号から2フレーム期間の後に送信される。「2Dh」、「39h」、「35h」のコマンド信号の受信時刻は、これらコマンド信号の最初のパルス信号P1の受信時刻に基づき決定される。
全てのコマンドセットは、「2Dh」のコマンド信号を含むので、眼鏡装置400が、「2Dh」のコマンド信号を受信すると、眼鏡装置400は、2フレーム期間の後に、再度、「2Dh」のコマンド信号を受信することを予測することができる。同様に、眼鏡装置400は、先行する「35h」のコマンド信号の受信時刻に基づいて、「39h」のコマンド信号或いは他のコマンド信号の受信時刻を予測することができる。したがって、眼鏡装置400は、ノイズの影響を受けにくくなる。
上述された実施形態の原理は、フレーム画像の表示タイミングの変動(周波数及び/又は位相)を伴う他の表示モードの切替にも適用される。
上述の様々な実施形態は、単に例示的なものである。したがって、上述の実施形態の原理は、上記の詳細な説明や図面に記載の事項に限定されない。上述の実施形態の原理の範囲内で、当業者が様々な変形、組み合わせや省略を行うことができることは容易に理解される。
上述された実施形態は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一の局面に係る表示装置は、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置を用いて立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える。表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、第1表示モードにおいて、立体的に知覚される映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行い、表示装置が表示する映像を立体的に知覚させる。
表示装置の信号生成部は、第1表示モード及び第2表示モードにおける左眼及び右眼への入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、調整動作を停止させる停止信号を、調整動作を行う制御信号として生成する。表示装置は、制御信号を眼鏡装置へ送信する。なお、停止信号により液晶シャッタは左右シャッタは透過状態になる。
第1表示モードで映像が表示されている間、送信部は、タイミング信号を送信するので、視聴者は、映像を立体的に知覚することができる。表示モードが、第1表示モードから第2表示モードに切り替えられるとき、送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、視聴者はフリッカを知覚しない。尚、送信部が停止信号を送信している間、眼鏡装置は、透過状態を維持する。
上記構成において、前記第1表示モードのタイミング信号及び前記第2表示モードのタイミング信号それぞれは、前記調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含み、前記停止信号は、前記複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、前記眼鏡装置に前記調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含み、前記送信部は、前記停止信号を送信する際、前記共通コマンド信号に続いて、前記通知コマンド信号を送信することが好ましい。尚、眼鏡装置にも、複数のコマンド信号に対応する複数のモード(コマンドセット)が用意されている。眼鏡装置の動作を規定するコマンドセットのうち先頭のコマンド信号が共通コマンド信号として用いられる。
上記構成によれば、第1表示モードのタイミング信号及び第2表示モードのタイミング信号それぞれは、調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含む。停止信号は、複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、眼鏡装置に前記調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含む。送信部は、共通コマンド信号に続いて、通知コマンド信号を送信するので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。加えて、タイミング信号及び停止信号は、共通コマンド信号を含むので、眼鏡装置は、共通コマンド信号に基づき、動作周波数を容易に判別することができる。
上記構成において、前記送信部は、前記停止信号の共通コマンド信号を、前記第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通のコマンド信号の送信周期と同じ周期で送信することが好ましい。尚、停止信号は、2フレームごとに送信され、停止信号の送信タイミングは、先に送信されたコマンド信号に同期する。停止信号は、例えば、「2Dh」のパルスパターンのコマンド信号と「39h」のパルスパターンのコマンド信号とによって規定される。「2Dh」及び「39h」のパルスパターンのコマンド信号が2フレームの期間(1つの左フレーム期間及び1つの右フレーム期間)以内に受信されないならば、停止信号は無効と判定される。
誤動作で停止コマンドを受けないようにするため(例えば、視聴環境によっては、蛍光灯や太陽光などの赤外線や室内の他の無線などの外乱(ノイズ)を避けるため)、液晶シャッタ側で、停止コマンドの制御データに直ぐには応答せず、例えば、数サイクル分の制御データを基に停止コマンドを判別する方が好ましい。故に、上記構成によれば、送信部は、停止信号の共通コマンド信号を、第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通のコマンド信号の送信周期と同じ周期で送信する。この結果、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。
上記構成において、前記送信部は、前記停止信号の通知コマンド信号を、前記第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる前記共通コマンド信号以外の一のコマンド信号と同じ周期で、送信することが好ましい。
上記構成によれば、送信部は、停止信号の通知コマンド信号を、第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通コマンド信号以外の一のコマンド信号と同じ周期で、送信するので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。
上記構成において、前記第1表示モードにおける前記複数のコマンド信号は、前記左眼への入射光量を増加させるための左増信号と、前記左眼への入射光量を減少させるための左減信号と、前記右眼への入射光量を増加させるための右増信号と、前記右眼への入射光量を減少させるための右減信号と、を含み、前記共通コマンド信号は、前記左増信号、前記左減信号、前記右増信号及び前記右減信号のうち1つの信号と同じ信号であることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードにおける複数のコマンド信号は、左眼への入射光量を増加させるための左増信号と、左眼への入射光量を減少させるための左減信号と、右眼への入射光量を増加させるための右増信号と、右眼への入射光量を減少させるための右減信号と、を含む。共通コマンド信号は、左増信号、左減信号、右増信号及び右減信号のうち1つの信号と同じ信号であるので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。加えて、タイミング信号及び停止信号は、同じ信号を含むので、眼鏡装置は、当該同じ信号に基づき、動作周波数を容易に判別することができる。
上記構成において、前記共通コマンド信号は、前記左増信号、前記左減信号、前記右増信号及び前記右減信号のうち最初に送信される信号と同じ信号であることが好ましい。
上記構成によれば、共通コマンド信号は、左増信号、左減信号、右増信号及び右減信号のうち最初に送信される信号と同じ信号であるので、眼鏡装置は、動作周波数を容易に判別することができる。
上記構成において、前記共通コマンド信号は、前記左増信号及び前記右増信号のうち一方の信号と同じ波形を有し、且つ、該一方の信号と同じ周期で送信され、前記通知コマンド信号は、前記左増信号及び前記右増信号のうち他方の信号と同じ周期で送信されることが好ましい。
上記構成によれば、共通コマンド信号は、左増信号及び右増信号のうち一方の信号と同じ波形を有し、且つ、一方の信号と同じ周期で送信される。また、通知コマンド信号は、左増信号及び右増信号のうち他方の信号と同じ周期で送信される。したがって、眼鏡装置は、ノイズに影響されることなく、停止信号を検出することができる。
上記構成において、前記第2表示モードのタイミング信号は、前記共通コマンド信号を含むことが好ましい。
上記構成によれば、第2表示モードのタイミング信号は、共通コマンド信号を含むので、第1表示モードのタイミング信号、第2表示モードのタイミング信号及び停止信号の間で共通コマンド信号が用いられる。したがって、眼鏡装置は、共通コマンド信号を基準に、動作モードを決定することができる。
上記構成において、前記送信部は、前記停止信号を少なくとも5回繰り返し送信することが好ましい。
上記構成によれば、送信部は、少なくとも5回以上停止信号を繰り返し送信するので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。
上記構成において、前記第1表示モード及び前記第2表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードと前記左右フレーム画像の表示タイミングの位相が異なることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モード及び第2表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードと左右フレーム画像の表示タイミングの位相が異なる。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、第1表示モードと第2表示モードとの間の周期的なフレーム画像の表示タイミングの位相差に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モード及び前記第2表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードと、フレームレートが異なることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モード及び第2表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードと、フレームレートが異なる。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、フレームレートの相違に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードの前記左右フレーム画像の表示タイミングと異なる位相で、前記第1フレーム画像及び前記第2フレーム画像を表示することが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードの左右フレーム画像の表示タイミングと異なる位相で、第1フレーム画像及び第2フレーム画像を表示する。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、第1表示モードと第2表示モードとの間の周期的なフレーム画像の表示タイミングの位相差に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードと異なるフレームレートで、前記第1フレーム画像及び前記第2フレーム画像を表示することが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードの左右フレーム画像の表示タイミングと異なるフレームレートで、第1フレーム画像及び第2フレーム画像を表示する。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、フレームレートの相違に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上述の実施形態の他の局面に係る眼鏡装置は、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御信号は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号、を含み、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
上記構成によれば、制御部は、受信部が受信した制御信号に基づき、光量調整部を制御する。光量調整部は、制御部の制御下で、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う。
制御信号は、入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、調整動作を停止させる停止信号、を含む。受信部がタイミング信号を受信するならば、制御部は、タイミング信号に基づき、光量調整部の調整動作を制御する。受信部が停止信号を受信するならば、制御部は、前記調整動作を停止させる。受信部は、表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、第1表示モードのタイミング信号を受信する。表示装置が表示する映像が第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、受信部は、停止信号を受信した後、第2表示モードのタイミング信号を受信する。眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モード、又は、前記第2表示モードの前記タイミング信号に基づき、前記入射光量を増加させる増加期間に関するタイミングデータを生成するデータ生成部と、前記タイミングデータに基づき、前記増加期間を決定する決定部と、を更に備え、前記受信部が前記第2表示モードのタイミング信号を受信するならば、前記決定部は前記第1表示モードのタイミング信号に基づき生成された前記タイミングデータを無視し、前記第2表示モードの前記タイミング信号から生成するタイミングデータに基づき前記増加期間を決定することが好ましい。
上記構成において、データ生成部は、第1表示モード又は第2表示モードのタイミング信号に基づき、入射光量を増加させる増加期間に関するタイミングデータを生成する。決定部は、タイミングデータに基づき、増加期間を決定する。受信部が第2表示モードのタイミング信号を受信するならば、決定部は、第1表示モードのタイミング信号に基づき生成されたタイミングデータを無視し、第2表示モードのタイミング信号から生成されたタイミングデータに基づき増加期間のタイミングを決定するので、停止信号の受信後において、光量調整部は、停止信号の受信前のタイミングデータに影響を受けることなく制御される。したがって、光量調整部の調整動作は、早期に、映像の表示に同期することとなる。
上記構成において、前記受信部が、前記表示装置からのタイミング信号中に、該タイミング信号及び前記停止信号のいずれも受信しない不受信期間を有する場合、前記制御部は、前記不受信期間の直前に所定回数受信された前記タイミング信号に従って、前記光量調整部を制御することが好ましい。
上記構成によれば、受信部が、表示装置からのタイミング信号中に、タイミング信号及び停止信号のいずれも受信しない不受信期間を有する場合、制御部は、不受信期間の直前に所定回数受信されたタイミング信号に従って、光量調整部を制御する。したがって、不受信期間の間、光量調整部は、映像の表示に同期した調整動作を継続することができる。
上記構成において、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量が同時に増大された状態が保持されるように前記調整動作を停止させることが好ましい。
上記構成によれば、受信部が停止信号を受信するならば、制御部は、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持されるように調整動作を停止させるので、調整動作が停止されている間も、視聴者の視野は確保される。
上記構成において、前記不受信期間が、該不受信期間に対して定められた閾値期間を超えたとき、前記制御部は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量が同時に増大された状態が保持されるように前記調整動作を停止させることが好ましい。
上記構成によれば、不受信期間が、閾値期間を超えるならば、制御部は、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持されるように調整動作を停止させる。この結果、第1表示モードのタイミング信号から生成されたタイミングデータに基づく光量調整部の調整動作と映像の表示とのタイミングのずれは、過度に大きくならない。したがって、光量調整部の調整動作と映像の表示とのタイミングのずれに起因するフリッカは生じない。
上記構成において、前記受信部が、前記不受信期間の後、前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量が同時に増大された状態が保持されるように前記調整動作を停止させることが好ましい。
上記構成において、受信部が、不受信期間の後、停止信号を受信するならば、制御部は、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持されるように調整動作を停止させるので、調整動作が停止されている間も、視聴者の視野は確保される。
上記構成において、前記第1表示モードのタイミング信号及び前記第2表示モードのタイミング信号それぞれは、前記調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含み、前記停止信号は、前記複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、前記眼鏡装置に前記調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含み、前記受信部は、前記停止信号の共通コマンド信号を、前記第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通コマンド信号の送信周期と同じ周期で受信し、前記受信部が、前記共通コマンド信号と等しい波形の信号と前記通知コマンド信号と等しい波形の信号とを含む信号群を受信するならば、前記制御部は、前記第1表示モードにおいて受信した前記共通コマンド信号の前記送信周期に基づき、前記受信部が受信した信号群がノイズであるか否かを判定することが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードのタイミング信号及び第2表示モードのタイミング信号それぞれは、調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含む。停止信号は、複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、眼鏡装置に調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含む。受信部は、停止信号の共通コマンド信号を、第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通コマンド信号の送信周期と同じ周期で受信する。受信部が、共通コマンド信号と等しい波形の信号と通知コマンド信号と等しい波形の信号とを含む信号群を受信するならば、制御部は、第1表示モードにおいて受信した共通コマンド信号の送信周期に基づき、受信部が受信した信号群がノイズであるか否かを判定するので、眼鏡装置は誤停止しない。
上述の実施形態の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置と、立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える表示装置と、を備え、該表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信し、前記眼鏡装置は、前記表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である前記入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
上記構成によれば、映像システムの眼鏡装置は、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う。映像システムの表示装置は、立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える。
表示装置の信号生成部は、第1表示モード及び第2表示モードにおける左眼及び右眼への入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、調整動作を停止させる停止信号を、調整動作を行う制御信号として生成する。表示装置は、制御信号を眼鏡装置へ送信する。第1表示モードで映像が表示されている間、送信部は、タイミング信号を送信するので、視聴者は、映像を立体的に知覚することができる。表示モードが、第1表示モードから第2表示モードに切り替えられるとき、送信部は、停止信号を送信する。
眼鏡装置の制御部は、受信部が受信した制御信号に基づき、光量調整部を制御する。光量調整部は、制御部の制御下で、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う。受信部がタイミング信号を受信するならば、制御部は、タイミング信号に基づき、光量調整部の調整動作を制御する。受信部が停止信号を受信するならば、制御部は、前記調整動作を停止させる。受信部は、表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、第1表示モードのタイミング信号を受信する。表示装置が表示する映像が第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、受信部は、停止信号を受信した後、第2表示モードのタイミング信号を受信する。眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、視聴者はフリッカを知覚しない。
上述の実施形態の原理は、表示モードを切り替えることができる表示装置、当該表示装置が表示する映像の視聴を補助する眼鏡装置及びこれらを備える映像システムに好適に適用される。
本発明は、映像を表示する表示装置、映像の視聴を補助する眼鏡装置及びこれらを備える映像システムに関する。
映像を立体的に知覚させるための映像システムは、近年、普及している。映像システムは、典型的には、立体的に知覚される映像を表示する表示装置と、映像の視聴を補助する眼鏡装置を備える(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。表示装置は、左眼で観察されるように作成された左フレーム画像と、右眼で観察されるように作成された右フレーム画像と、を交互に表示する。眼鏡装置は、左フレーム画像及び右フレーム画像の表示の切り替えに同期して開閉する液晶シャッタを備える。左眼前に配設された液晶シャッタは、左フレーム画像が表示されている間、開き、右フレーム画像が表示されている間、閉じる。右眼前に配設された液晶シャッタは、左フレーム画像が表示されている間、閉じ、右フレーム画像が表示されている間、開く。左フレーム画像及び右フレーム画像は、視差の分だけ異なる内容を表す。上述の液晶シャッタの同期動作の結果、視聴者は、左フレーム画像と右フレーム画像との間の視差を知覚し、表示装置が表示する映像を立体的に知覚することができる。
表示装置と眼鏡装置との間の同期制御は、赤外線や無線信号を用いて行われる。眼鏡装置は、表示装置に物理的に接続されていないので、視聴者は、所望の位置で映像を視聴することができる。
表示装置と眼鏡装置との間の適切な通信は、映像の表示に対する液晶シャッタの同期動作にとって重要である。しかしながら、眼鏡装置は、表示装置から送信された信号を適切に受信できないことがある。例えば、視聴者が表示装置から視線を外し、他の方向を見るときには、眼鏡装置は表示装置からの信号を受信し損ないやすい。或いは、眼鏡装置は、ノイズ信号の影響を受け、誤動作することもある。
表示装置と眼鏡装置との間の通信の不確実性を克服するため、適切に受信された信号から抽出された制御データに基づき自走式に動作する様々な眼鏡装置が提案されている。このような眼鏡装置は、表示装置からの信号が適切に受信されていない間(不受信期間)も、不受信期間前に取得された制御データに基づき動作するので、視聴者は表示装置が表示する映像を好適に視聴し続けることができる。
事前に取得された制御データに基づき、液晶シャッタを動作させることは、ノイズ信号に起因する眼鏡装置の誤動作の防止にも有用である。例えば、事前に取得された制御データと新たに取得された制御データとの間で、液晶シャッタの開閉タイミングが大きく異なるならば、眼鏡装置は、新たな制御データはノイズ信号から得られたデータであると判定することができる。
表示装置による映像の表示動作(表示モード)の変化は、液晶シャッタの同期動作の変更を要求することもある。例えば、映像のフレームレートが変更されるならば、液晶シャッタの同期動作は、変更後のフレームレートに適合した動作周波数となる必要がある。或いは、視聴者が表示装置(例えば、テレビ装置)のチャンネルを変更するならば、表示装置の周期的な表示動作の位相が変化することもある。このとき、液晶シャッタは、新たな位相で開閉動作を行う必要がある。
上述の如く、眼鏡装置は、多くの場合、事前に取得された制御データを利用して、液晶シャッタを開閉させる。しかしながら、表示装置における映像のフレームレートの変更は瞬時に切り替えることは難しく、変更すべきフレームレートに移行する期間(例えば、長いと数秒間)表示装置の映像同期信号が乱れる。このため、映像同期信号を基に液晶シャッタの制御データをそのまま出力すると、液晶シャッタの開閉動作も乱れる。このように、液晶シャッタの動作は、事前に取得された制御データに影響を受けるので、変化後の映像フレームレートに即座に切替られない。例えば、左フレーム画像及び右フレーム画像がそれぞれ60Hzで表示される表示モードから左フレーム画像及び右フレーム画像がそれぞれ48Hzで表示される表示モードへ切り替えられる場合、液晶シャッタの開閉動作も、48Hzの表示モードへ瞬時に切替らない。この間、液晶シャッタの開閉は、不規則になる。
また、表示装置の映像調整モード(例えば、テレビジョンの画質モード)の変更時にも映像に応じた画質の調整だけなく液晶シャッタの開閉タイミングを変更させる場合がある。その場合にも表示装置からの制御データを一瞬に変えることは難しく、液晶シャッタ側でもその変更への移行時にシャッタ開閉動作が乱れる。
更に、表示装置からの制御データが障害物などで一瞬途切れた場合でも、眼鏡側で以前に検出した制御データのタイミングでしばらく動作を継続する自走操作(FlyWheel)が実装されている場合がある。しかし、この眼鏡の自走操作は、表示モードを切替えて液晶シャッタのタイミングを変更したいのに、以前のタイミングで液晶シャッタが開閉動作するため、映像との同期が合わず眼鏡を通してみる映像がフリッカして見える場合もある。
このような理由で、液晶シャッタの開閉動作が乱れるあるいは映像との同期が乱れると、視聴者は、眼鏡装置の非同期の或いは不規則な開閉動作に起因するフリッカを知覚する。このことは、視聴者に不快感をもたらす。
上述のフリッカは、更に、次のような表示モードの切替時に生じうる。例えば、表示装置は、立体映像(立体表示モード)だけでなく、2つの異なる番組(第1番組及び第2番組)を交互に表示すること(2重表示モード)ができるならば、複数の視聴者は、第1番組及び第2番組を選択的に視聴することができる。第1番組を試聴する視聴者が装着する眼鏡装置の液晶シャッタは、第1番組が表示されている間、開き、第2番組が表示されている間、閉じる。他の視聴者が装着する眼鏡装置の液晶シャッタは、第1番組が表示されている間、閉じ、第2番組が表示されている間、開く。表示装置の表示モードが立体表示モードから2重表示モードへの切替は、眼鏡装置の液晶シャッタに対して、立体表示モードにおける同期動作とは全く異なる動作を要求する。しかしながら、眼鏡装置は、事前に取得された制御データに影響を受けるので、2重表示モードに適合した動作を即座に実行することはできない。かくして、視聴者は、不快なフリッカを感じることとなる。
特開平11−98538号公報
特開2000−36969号公報
本発明は、表示モードの切替に伴うフリッカを防止することができる技術を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置を用いて立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信することを特徴とする。
本発明の他の局面に係る眼鏡装置は、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御信号は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号、を含み、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
本発明の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置と、立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える表示装置と、を備え、該表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信し、前記眼鏡装置は、前記表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である前記入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
本発明に係る表示装置、眼鏡装置及び映像システムは、表示モードの切替に伴う一時的な眼鏡の不規則なシャッターリングによるフリッカを防止することができる。
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
本実施形態の映像システムの概略図である。
表示装置及び眼鏡装置のハードウェア構成を示す概略的なブロック図である。
表示装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
眼鏡装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
表示装置がタイミング信号を送信している間の眼鏡装置の動作モードの変化の概略図である。
表示装置と眼鏡装置との間の通信プロトコルによって規定されたコマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
コマンド信号の概略図である。
立体表示モードにおける眼鏡装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
立体表示モードにおける眼鏡装置の動作を示す概略的なタイミングチャートである。
2重表示モードにおいて、表示装置の表示部が表示する映像の概略図である。
第1映像を選択した視聴者が観察する映像の概略図である。
第2映像を選択した視聴者が観察する映像の概略図である。
第1映像を選択した視聴者の眼鏡装置の動作を概略的に示すタイミングチャートである。
第2映像を選択した視聴者の眼鏡装置の動作を概略的に示すタイミングチャートである。
立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替が生じたときに送信される停止信号を表す概略的なタイミングチャートである。
立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替に伴うコマンド信号の送信パターンの変動を概略的に示すタイミングチャートである。
以下、一実施形態に係る表示装置、眼鏡装置及び映像システムが図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同様の構成要素に対して同様の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、単に本実施形態の原理を容易に理解させることを目的とするものであり、表示装置、眼鏡装置及び映像システムの原理はこれらに何ら限定されるものではない。
<映像システムの構成>
図1は、本実施形態の映像システム100の概略図である。図1を用いて、映像システム100が説明される。
映像システム100は、立体的に知覚される映像を表示する表示装置200と、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置400と、を備える。表示装置200として、テレビ装置やパーソナルコンピュータといった立体映像を表示することができる様々な装置が例示される。
表示装置200は、映像を表示するためのディスプレイパネル210を備える。ディスプレイパネル210には、左眼で観察されるように作成された左フレーム画像と、右眼で観察されるように作成された右フレーム画像が交互に表示される。左フレーム画像及び右フレーム画像は、視差の分だけ異なる内容を表現する。左フレーム画像が左眼のみで観察され、右フレーム画像が右眼のみで観察されるならば、視聴者は、左フレーム画像及び右フレーム画像との間の視差に応じて、ディスプレイパネル210に表示される映像を立体的に知覚する。以下の説明において、左フレーム画像及び右フレーム画像が交互に表示される表示方式は、「立体表示モード」と称される。本実施形態において、立体表示モードは、第1表示モードとして例示される。また、左フレーム画像及び右フレーム画像を交互に表示する表示装置200の周期的な動作は、第1表示動作として例示される。加えて、ディスプレイパネル210は、表示部として例示される。
眼鏡装置400は、視力矯正用の眼鏡と似た形状をなす。眼鏡装置400は、映像が立体的に知覚されるように左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行うシャッタ部410を備える。シャッタ部410は、眼鏡装置400を着用した視聴者の左眼前に配設される左シャッタ411と、右眼前に配設される右シャッタ412と、を含む。
左シャッタ411が閉じられると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、左シャッタ411をほとんど透過しない。したがって、左シャッタ411が閉じられている期間において、左眼への入射光量は低減する。
左シャッタ411が開かれると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、左シャッタ411を通過する。したがって、左シャッタ411が開かれている期間において、左眼への入射光量は増大する。
右シャッタ412が閉じられると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、右シャッタ412をほとんど透過しない。したがって、右シャッタ412が閉じられている期間において、右眼への入射光量は低減する。
右シャッタ412が開かれると、ディスプレイパネル210に表示された映像の光は、右シャッタ412を通過する。したがって、右シャッタ412が開かれている期間において、右眼への入射光量は増大する。
本実施形態の説明に用いられる「入射光量」との用語は、ディスプレイパネル210に表示された映像の光が、左眼及び/又は右眼に入射する量を意味する。シャッタ部410は、上述の如く、左シャッタ411及び右シャッタ412の開閉によって、左眼及び右眼への入射光量を調整する。本実施形態において、シャッタ部410は、光量調整部として例示される。左シャッタ411及び右シャッタ412に対して、液晶シャッタ素子が用いられる。代替的に、映像光の偏向方向を調整し、入射光量を調整することができる他の光学素子が光量調整部に用いられてもよい。
ディスプレイパネル210が左フレーム画像を表示している間、左シャッタ411は開かれる一方で右シャッタ412は閉じられる。ディスプレイパネル210が右フレーム画像を表示している間、左シャッタ411は閉じられる一方で右シャッタ412は開かれる。この結果、左フレーム画像は、左眼のみで観察され、右フレーム画像は、右眼のみで観察される。視聴者は、左フレーム画像及び右フレーム画像との間の視差に応じて、ディスプレイパネル210に表示される映像を立体的に知覚することができる。
上述のフレーム画像の表示に同期したシャッタ部410の開閉動作は、表示装置200と眼鏡装置400との間で予め定められたプロトコルに従って、表示装置200から眼鏡装置400へ送信される制御信号に基づいて達成される。尚、制御信号は、上述のシャッタ部410による光量の調整動作の制御のためだけでなく、シャッタ部410に他の動作を実行させるためにも用いられる。制御信号に基づくシャッタ部410の動作は後述される。
本実施形態において、制御信号は、IR信号(赤外線信号)として送信される。代替的に、制御信号は、RF信号(無線信号)であってもよい。
表示装置200は、上述の制御信号を眼鏡装置400へ送信するための送信素子220を更に備える。眼鏡装置400は、制御信号を受信するための受信素子420を更に備える。本実施形態において、送信素子220として、赤外線を発光する発光素子が用いられる。また、受信素子420として、赤外線を受光する受光素子が用いられる。本実施形態において、送信素子220は、送信部として例示される。また、受信素子420は、受信部として例示される。
図2は、表示装置200及び眼鏡装置400のハードウェア構成を示す。図1及び図2を用いて、表示装置200及び眼鏡装置400のハードウェア構成が説明される。
表示装置200は、上述のディスプレイパネル210及び送信素子220に加えて、復号化IC230、映像信号処理IC240、送信制御IC250、CPU260、メモリ270及びクロック280を更に備える。
復号化IC230には、符号化された映像信号が入力される。復号化IC230は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号の符号化として、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG4やH264といった様々な方式が例示される。
映像信号処理IC240は、立体映像の表示に関する信号処理を行い、ディスプレイパネル210の信号入力方式に適合した出力信号を生成並びに出力する。映像信号処理IC240は、復号化IC230が出力した映像データから左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータとを抽出する。その後、ディスプレイパネル210は、左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータとに基づいて、左フレーム画像と右フレーム画像とを交互に表示する。
映像信号処理IC240は、復号化IC230が出力した映像データに対して、他の処理を行う。例えば、映像信号処理IC240が、ディスプレイパネル210に表示される映像の色彩を適切に調整するならば、視聴者は高品位の映像を視聴することができる。映像信号処理IC240が、復号化IC230が生成した映像データのフレーム間の映像を補間するならば、映像のフレームレートは向上する。
表示装置200が、立体表示モードで動作する間、映像信号処理IC240は、上述の立体映像の表示に関する信号処理を行う。映像信号処理IC240は、復号化IC230に入力された映像信号に応じて、表示モードを切り替えるための処理を実行する。
例えば、「60Hz」の動作周波数を規定する映像信号の後、「48Hz」の動作周波数を規定する映像信号が復号化IC230に入力されるならば、映像信号処理IC240は、「60Hz」から「48Hz」へ動作周波数を切り替えるための処理を行う。尚、「動作周波数」との用語は、左フレーム画像及び右フレーム画像からなる組の表示周波数を意味する。例えば、「60Hzの動作周波数」とは、左フレーム画像が60Hzの周波数で表示され、且つ、右フレーム画像が60Hzの周波数で表示されることを意味する。
立体表示モードでの動作を規定する映像信号の後、2つの異なる内容を表す映像信号(第1映像及び第2映像)が復号化IC230に入力されるならば、映像信号処理IC240は、第1映像のフレーム画像と第2映像のフレーム画像とをディスプレイパネル210に交互に表示させるための処理を行う。
第1映像がスポーツ番組であり、第2映像がアニメーション番組であるならば、一方の視聴者(第1視聴者)がスポーツ番組を視聴している間、他方の視聴者(第2視聴者)は、アニメーション番組を楽しむことができる。第1視聴者が着用する眼鏡装置400は、第1映像が表示されている間、左眼及び/又は右眼への入射光量を増大させる一方で、第2映像が表示されている間、左眼及び右眼への入射光量を低減させる。第2視聴者が着用する眼鏡装置400は、第2映像が表示されている間、左眼及び/又は右眼への入射光量を増大させる一方で、第1映像が表示されている間、左眼及び右眼への入射光量を低減させる。したがって、複数の視聴者は、単一の表示装置200を用いて、別異の内容の映像を同時に楽しむことができる。以下の説明において、このような表示方式は、「2重表示モード」と称される。
上述の動作周波数(フレームレート)の変更や立体表示モードから2重表示モードへの変更は、表示モードの切替として例示される。ディスプレイパネル210による先行のフレーム画像の表示の動作周波数とは異なる動作周波数でフレーム画像を表示する動作や上述の2重表示モードは、第2表示モードとして例示される。更に、第2表示モードは、立体表示モード中における左フレーム画像及び右フレーム画像を交互に表示する表示装置200の周期的な動作とは、異なる位相でフレーム画像を表示する動作をも意味する。異なる位相及び/又は動作周波数でのフレーム画像の表示動作は、第2表示動作として例示される。第1表示モードから第2表示モードへの切替は、例えば、視聴者が表示装置200のチャンネルを切り替えたときにも生ずる。
送信制御IC250は、眼鏡装置400のシャッタ部410の動作を制御するための上述の制御信号を生成する。本実施形態において、制御信号は、第1表示モード及び第2表示モードにおいて左眼及び右眼への入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号と、眼鏡装置400による入射光量の調整動作を停止させるための停止信号と、を含む。
送信制御IC250は、ディスプレイパネル210が立体表示モードで映像を表示している間に送信されるタイミング信号を生成する。また、送信制御IC250は、立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)へ切り替えられるときに送信される停止信号を生成する。送信制御IC250は、上述の送信素子220を制御し、ディスプレイパネル210に表示される映像の表示モードに合わせて、タイミング信号又は停止信号の送信タイミングを調整する。本実施形態において、送信制御IC250は、信号生成部として例示される。
送信素子220は、送信制御IC250の制御下で、制御信号の送信を行う。
ディスプレイパネル210が立体表示モードで映像を表示している間、送信素子220はタイミング信号を眼鏡装置400へ送信する。眼鏡装置400のシャッタ部410は、受信素子420が受信したタイミング信号に基づき、上述の開閉動作を行う。この結果、ディスプレイパネル210が左フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が開き、右シャッタ412は閉じる。また、ディスプレイパネル210が右フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が閉じ、右シャッタ412は開く。
立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)へ切り替えられると、送信素子220は、停止信号を眼鏡装置400へ送信する。眼鏡装置400のシャッタ部410は、受信素子420が受信した停止信号に基づき、入射光量の調整動作を停止する。本実施形態において、受信素子420が停止信号を受信するならば、左シャッタ411及び右シャッタ412はともに開いた状態を維持する。この結果、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持される。
CPU260は、表示装置200の様々な要素(例えば、復号化IC230や映像信号処理IC240)を制御する。CPU260は、メモリ270に記録されたプログラムや外部からの入力信号(例えば、リモートコントローラ(図示せず)からの信号)に従って、表示装置200全体の制御を行う。
メモリ270は、CPU260が実行するプログラムやプログラム実行時に発生する一時データを記録する領域として利用される。メモリ270として、揮発性のRAM(Random Access Memory)や不揮発性のROM(Read Only Memory)が例示される。
クロック280は、CPU260や他のICの動作基準となるクロック信号を供給する。
ディスプレイパネル210は、映像信号処理IC240からの出力信号に基づき、映像を表示する。ディスプレイパネル210として、CRT方式の装置、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)や有機エレクトロルミネッセンスを用いた装置が例示される。
眼鏡装置400は、上述のシャッタ部410及び受信素子420に加えて、CPU460、メモリ470及びクロック480を備える。
CPU460は、メモリ470に記録されたプログラムや表示装置200の送信素子220から送信された制御信号に従って、眼鏡装置400を制御する。本実施形態において、CPU460は、制御部として例示される。
上述の如く、ディスプレイパネル210が立体表示モードで映像を表示している間、受信素子420はタイミング信号を受信する。CPU460は、受信素子420が受信したタイミング信号に基づき、シャッタ部410による入射光量に対する調整動作を制御する。この結果、ディスプレイパネル210が左フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が開き、右シャッタ412は閉じる。また、ディスプレイパネル210が右フレーム画像を表示している間、左シャッタ411が閉じ、右シャッタ412は開く。
上述の如く、ディスプレイパネル210の映像の表示モードが、立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)に切り替えられたとき、受信素子420は、送信素子220からの停止信号を受信する。CPU460は、受信素子420が受信した停止信号に基づき、シャッタ部410の調整動作を停止させる。この結果、左シャッタ411及び右シャッタ412は、開かれた状態を維持する。かくして、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持される。
メモリ470は、CPU460が実行するプログラムのデータの記録や、プログラム実行時の一時データを保持する場所として用いられる。
CPU460は、受信素子420が受信したタイミング信号から左シャッタ411を開くべき時刻(以下、左開時刻と称される)、左シャッタ411を閉じるべき時刻(以下、左閉時刻と称される)、右シャッタ412を開くべき時刻(以下、右開時刻と称される)及び右シャッタ412を閉じるべき時刻(以下、右閉時刻と称される)に関するタイミングデータを生成する。メモリ470は、CPU460によって取得されたタイミングデータを格納する。本実施形態において、CPU460は、データ生成部として例示される。
CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータと新たに取得されたタイミングデータとを比較し、新たに取得されたタイミングデータに対応するタイミング信号がノイズ信号であるか否かを判定する。例えば、新たに取得されたタイミングデータが、メモリ470に格納されたタイミングデータと大きく相違するならば、CPU460は、新たに取得されたタイミング信号がノイズ信号であると判定することができる。
上述のノイズ信号の除去処理後に、CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータと新たに取得されたタイミングデータとを用いて、所定の演算処理を行い、左眼及び右眼への入射光量が増加される増加期間のタイミングを決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される左開時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される左開時刻とを平均化し、左開時刻を決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される左閉時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される左閉時刻とを平均化し、左閉時刻を決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される右開時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される右開時刻とを平均化し、右開時刻を決定する。CPU460は、メモリ470が格納したタイミングデータによって規定される右閉時刻と新たに取得されたタイミングデータによって規定される右閉時刻とを平均化し、右閉時刻を決定する。このような演算処理の結果、シャッタ部410による調整動作の信頼性が向上する。本実施形態において、CPU460は、決定部として例示される。
上述の如く、受信素子420は、タイミング信号又は停止信号を受信し、CPU460は、タイミング信号又は停止信号に基づき、シャッタ部410を制御する。受信素子420が、タイミング信号の後に停止信号を受信し、更にその後、タイミング信号を再度受信するならば、CPU460は停止信号を受信する前に受信されたタイミング信号から取得されたタイミングデータを無視し、再度受信されたタイミング信号から取得されたタイミングデータに基づきシャッタ部410を制御する。以下の説明において、停止信号の受信前に受信素子420が受信したタイミング信号は、「先行タイミング信号」と称される。また、停止信号の受信後に受信素子420が受信したタイミング信号は、「後続タイミング信号」と称される。尚、先行タイミング信号は、第1表示モードのタイミング信号として例示される。後続タイミング信号は、第2表示モードのタイミング信号として例示される。
停止信号の受信の後に、先行タイミング信号に基づくタイミングデータを無視し、後続タイミング信号から取得されたタイミングデータに基づいてシャッタ部410を制御することは、表示モードの切替の後のシャッタ部410の調整動作の信頼性にとって有利である。例えば、ディスプレイパネル210が、60Hzの動作周波数で立体映像を表示し(第1表示モード)、その後、48Hzの動作周波数で立体映像を表示するならば(第2表示モード)、停止信号の受信後における左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングは、停止信号の受信前における左フレーム画像及び右フレーム画像の表示タイミングとは大きく異なることもある。
CPU460が、先行タイミング信号に基づくタイミングデータを無視せず、上述の平均化処理を行うならば、CPU460による増加期間に対する決定は、先行タイミング信号に基づくタイミングデータに影響を受けることとなる。この結果、シャッタ部410による調整動作は、48Hzの動作周波数で立体映像の表示に同期せず、視聴者はフリッカを知覚することとなる。
CPU460が、先行タイミング信号に基づくタイミングデータを無視するならば、CPU460による増加期間に対する決定は、先行タイミング信号に基づくタイミングデータに影響を受けない。したがって、シャッタ部410による調整動作は、48Hzの動作周波数で立体映像の表示に同期しやすくなる。
受信素子420がタイミング信号及び停止信号をともに受信しない期間は、以下の説明において、「不受信期間」と称される。メモリ470が、不受信期間前に受信されたタイミング信号に基づいて生成されたタイミングデータを格納しているならば、CPU460は、メモリ470が格納しているタイミングデータに基づいて、左眼及び右眼への入射光量が増加される増加期間のタイミングを決定する。この結果、表示装置200と眼鏡装置400との間での通信の遮断が生じても、シャッタ部410は入射光量の調整動作を適切に継続することができる。
尚、好ましくは、不受信期間に対する閾値期間が予め設定される。不受信期間が閾値期間を超過するならば、CPU460は、シャッタ部410による調整動作を停止し、左シャッタ411及び右シャッタ412を、開状態に維持する。この結果、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持される。
クロック480は、眼鏡装置400を構成するCPU460や他のICへ、動作の基準となるクロック信号を供給する。上述のCPU460は、クロック信号に基づき、タイミングデータを生成する。
本実施形態の原理は、図2に示される例示的なハードウェア構成に限定されるものではない。復号化IC230や映像信号処理IC240といった複数のICに代えて、これらの機能を備える一体化されたICが用いられてもよい。また、CPU260が実行するプログラムの処理と同様の処理は、PLD(Programmable Logic Device)を用いて実行されてもよい。
図3は、表示装置200の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2及び図3を用いて、表示装置200の機能構成が説明される。
表示装置200は、復号部235、信号分離部243、映像信号処理部245、表示部215、信号生成部253、送信制御部255及び送信部225を備える。
復号部235には、符号化された映像信号が入力される。復号部235は、映像信号を復号化し、映像データを所定の様式で出力する。映像信号の符号化として、MPEG(Motion Picture Experts Group)−2、MPEG4やH264といった様々な方式が例示される。復号部235は、図2に関連して説明された復号化IC230に相当する。
信号分離部243は、復号部235が出力した映像データから左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータとを抽出並びに分離する。
映像信号処理部245は、左フレーム画像及び右フレーム画像を表示する表示部215の特性に応じて、左フレーム画像に対応するデータと右フレーム画像に対応するデータを調整する。例えば、映像信号処理部245は、表示部215の表示面の大きさに応じて、左フレーム画像と右フレーム画像との間の視差を調整してもよい。映像信号処理部245が処理した映像データは、表示部215へ出力される。
信号分離部243及び映像信号処理部245は、図2に関連して説明された映像信号処理IC240に相当する。したがって、信号分離部243及び映像信号処理部245は、映像信号処理IC240に関連して説明された立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)への表示モードの切替動作も実行する。信号分離部243は、信号生成部253に表示モードの切替のタイミングを通知する。
信号生成部253は、表示部215が表示する左フレーム画像及び右フレーム画像の表示に同期して送信されるタイミング信号及び立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)への表示モードの切替時に送信される停止信号を生成する。本実施形態において、タイミング信号は、眼鏡装置400による入射光量に対する調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含む。タイミング信号として用いられるコマンド信号として、左シャッタ411を開くための左開信号、左シャッタ411を閉じるための左閉信号、右シャッタ412を開くための右開信号及び右シャッタ412を閉じるための右閉信号が例示される。
受信素子420が左開信号を受信すると、左シャッタ411が開く。この結果、左眼への入射光量が増加する。受信素子420が左閉信号を受信すると、左シャッタ411が閉じる。この結果、左眼への入射光量が減少する。本実施形態において、左開信号は、左増信号として例示される。また、左閉信号は、左減信号として例示される。
受信素子420が右開信号を受信すると、右シャッタ412が開く。この結果、右眼への入射光量が増加する。受信素子420が右閉信号を受信すると、右シャッタ412が閉じる。この結果、右眼への入射光量が減少する。本実施形態において、右開信号は、右増信号として例示される。また、右閉信号は、右減信号として例示される。
本実施形態において、信号生成部253が生成する左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号はパルス信号である。左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号が異なる波形を有するように、信号生成部253は、これらのコマンド信号を生成する。この結果、眼鏡装置400のCPU460は、左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報をタイミング信号から抽出することができる。
本実施形態において、停止信号は、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号のうち1つと共通するパルス波形を有する共通コマンド信号と、眼鏡装置400に、受信信号が調整動作を停止させるための信号であることを通知するための通知コマンド信号と、を含む。タイミング信号及び停止信号が含むコマンド信号は、後述される。
送信制御部255は、制御信号の送信タイミングを制御する。この結果、表示部215が立体表示モードで映像を表示している間、タイミング信号が眼鏡装置400へ送信される。立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)へ表示モードが切り替えられると、停止信号が眼鏡装置400へ送信される。
本実施形態において、信号生成部253及び送信制御部255は、図2に関連して説明された送信制御IC250に相当する。したがって、送信制御IC250に関連して説明された一連の制御動作は、信号生成部253及び送信制御部255に援用される。
送信部225は、信号生成部253が生成した制御信号(タイミング信号及び停止信号)を、送信制御部255の制御下で、眼鏡装置400へ送信する。
本実施形態において、送信部225は、表示部215が左フレーム画像を表示している期間に、左開信号及び左閉信号を送信する。この結果、左フレーム画像が表示されている期間中において、左眼への入射光量が増加する期間が設定される。また、送信部225は、表示部215が右フレーム画像を表示している期間に、右開信号及び右閉信号を送信する。この結果、右フレーム画像が表示されている期間中において、右眼への入射光量が増加する期間が設定される。
送信部225は、シャッタ部410の調整動作を停止させるために、共通コマンド信号に続いて、通知コマンド信号を眼鏡装置400に送信する。上述の如く、共通コマンド信号は、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号のうち1つと共通するパルス波形を有するので、眼鏡装置400は、共通コマンドのみでは、受信素子420が受信した信号が停止信号であるかタイミング信号であるかを判別することができない。眼鏡装置400は、その後送信される通知信号に基づき、受信素子420が受信した信号が停止信号であると判定することができる。
送信部225は、図2に関連して説明された送信素子220に相当する。したがって、送信素子220に関連して説明された制御信号の送信動作は、送信部225に援用される。
表示部215は、映像信号処理部245が処理した映像データを映像として表示する。表示部215は、図2に関連して説明されたディスプレイパネル210に相当する。したがって、ディスプレイパネル210に関連して説明された一連の表示動作は、表示部215に援用される。
図4は、眼鏡装置400の機能構成を概略的に示すブロック図である。図2乃至図4を用いて、眼鏡装置400の機能構成が説明される。
眼鏡装置400は、受信部425、検出部461、解析部462、記憶部475、内部信号生成部463、光量制御部464及び光量調整部415を備える。
光量調整部415は、左眼への入射光量を調整する左調整部416と、右眼への入射光量を調整する右調整部417と、を含む。光量調整部415は、図2に関連して説明されたシャッタ部410に相当する。また、左調整部416は、図2に関連して説明された左シャッタ411に相当する。右調整部417は、図2に関連して説明された右シャッタ412に相当する。したがって、シャッタ部410、左シャッタ411及び右シャッタ412の動作に関連する説明は、光量調整部415、左調整部416及び右調整部417にそれぞれ援用される。
受信部425は、表示装置200の送信部225から送信された制御信号(タイミング信号及び停止信号)を受信する。上述の如く、本実施形態において、制御信号は、赤外線信号である。受信部425は、赤外線の受光に応じて、電気信号を検出部461へ出力する。受信部425は、図2に関連して説明された受信素子420に相当する。したがって、受信素子420に関連して説明された受信動作の説明は、受信部425に援用される。
検出部461は、受信部425が受信した制御信号(電気信号)を検出する。本実施形態において、制御信号として送信されるタイミング信号及び停止信号は、パルス信号から形成された複数のコマンド信号を含む。検出部461によって検出されるこれらの信号の波形は後述される。
解析部462は、検出部461が検出した制御信号を解析する。上述の如く、表示装置200と眼鏡装置400との間には、所定のプロトコルが予め規定されている。プロトコルによって、左眼への入射光量を増大させるための信号の波形、左眼への入射光量を減少させるための信号の波形、右眼への入射光量を増大させるための信号の波形、右眼への入射光量を減少させるための信号の波形及び上述の共通コマンド信号及び通知コマンド信号として用いられる信号の波形やこれらの信号の通信パターンが予め決定される。
例えば、受信部425が、タイミング信号として送信される左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号を受信するならば、解析部462は、プロトコルによって定められた信号波形と受信部425が受信した信号の波形とを比較し、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号の受信を確認する。その後、解析部462は、これらの信号の受信時刻や光量調整部415の調整動作に要求される他の情報を取得する。このようにして取得された情報は、タイミングデータとして例示される。
受信部425が、停止信号として送信される共通コマンド信号を受信した後、通知コマンド信号を受信するならば、解析部462は、プロトコルによって規定された信号波形及び送信パターンに基づき、表示装置200が光量調整部415の調整動作の停止を要求していると解釈することができる。
解析部462は、上述の如く取得された情報を記憶部475に記憶する。本実施形態において、解析部462はデータ生成部として例示される。検出部461及び解析部462は、図2に関連して説明されたCPU460が実行するプログラムの一部に該当する。したがって、CPU460に関連して説明された信号の検出動作並びに処理動作は、検出部461及び解析部462に援用される。
記憶部475は、上述の如く解析部462が解析並びに取得した光量調整部415の動作の制御に用いられる制御情報を記憶する。記憶部475は、図2に関連して説明されたメモリ470に相当する。したがって、メモリ470が記憶する情報の内容並びに利用に関する説明は、記憶部475に援用される。
内部信号生成部463は、記憶部475が記憶した情報に基づき、光量調整部415の制御に用いられる内部信号を生成する。この結果、入射光量が増加する増加期間のタイミングが決定される。本実施形態において、内部信号生成部463は、決定部として例示される。内部信号生成部463は、図2に関連して説明されたCPU460及びクロック480に相当する。したがって、CPU460に関連して説明された制御動作は、内部信号生成部463に援用される。
光量制御部464は、内部信号に基づき、左調整部416及び右調整部417の動作を制御する。光量制御部464は、図2に関連して説明されたCPU460が実行するシャッタ部410に対する制御プログラムに相当する。したがって、CPU460によるシャッタ部410に対する制御動作に関する説明は、光量制御部464に援用される。本実施形態において、CPU460に対応する検出部461、解析部462、内部信号生成部463及び光量制御部464は、制御部として例示される。
<眼鏡装置の動作>
図5は、表示装置200がタイミング信号を送信している間の眼鏡装置400の動作モードの変化の概略図である。図2乃至図5を用いて、表示装置200がタイミング信号を送信している間の眼鏡装置400の動作が説明される。
眼鏡装置400の動作は、拘束モード、自走モード及び停止モードの間で推移する。
(拘束モード)
受信部425がタイミング信号を適切に受信しているならば、眼鏡装置400は拘束モードで動作する。拘束モードにおいて、シャッタ部410の動作はタイミング信号に拘束される。左開信号によって規定された時刻に、左シャッタ411は開き、左閉信号によって規定された時刻に、左シャッタ411は閉じる。また、右開信号によって規定された時刻に、右シャッタ412は開き、右閉信号によって規定された時刻に、右シャッタ412は閉じる。
(自走モード)
視聴者と表示装置200との間を通過する障害物、ノイズや他の因子に起因して、表示装置200と眼鏡装置400との間の通信に不具合が生ずることがある。受信部425がタイミング信号を適切に受信しない不受信期間が開始されると、眼鏡装置400は自走モードで動作する。自走モードにおいて、シャッタ部410の動作は、不受信期間の開始前に適切に受信されたタイミング信号に基づく。
受信部425が適切にタイミング信号を受信している間、記憶部475には、例えば、左開信号、左閉信号、右開信号及び右閉信号の受信時刻に関する情報が順次格納される。内部信号生成部463は、不受信期間が開始すると、記憶部475に記憶された受信時刻に基づき、内部信号を生成する。この結果、タイミング信号が適切に受信されなくとも、シャッタ部410は開閉動作を継続することができる。
(停止モード)
視聴者に対する安全性の観点及び/又は制御上の理由から、左シャッタ411及び右シャッタ412が開かれた状態で停止する停止モードが設定される。例えば、上述の自走モードが長期間継続するならば、シャッタ部410の開閉動作と表示部215のフレーム画像との間での同期が維持されないこともある。或いは、長期間の立体映像の視聴は、視聴者の眼に負担をかけることもある。このような不都合を回避するために、停止モードが設定される。停止モードにおいて、シャッタ部410は開かれているので、視聴者は安全に所望の動作を行うことができる。
(拘束モードと自走モードとの間での推移)
受信部425がタイミング信号を適切に受信している間、拘束モードでの動作が実行される。タイミング信号及び停止信号がともに受信されない受信期間が開始すると、拘束モードから自走モードへ眼鏡装置400の動作が変更される。内部信号生成部463は、クロック480からのクロック信号を用いて、不受信期間の長さを計時する。内部信号生成部463が測定した時間が、不受信期間に対して予め定められた閾値期間を超過する前に、受信部425がタイミング信号を適切に受信するならば、眼鏡装置400は拘束モードで再度動作する。
(自走モードと停止モードとの間での推移)
内部信号生成部463が測定した時間が、不受信期間に対して予め定められた閾値期間、例えば、数分間を超過するならば、内部信号生成部463は、光量制御部464へ光量調整部415(シャッタ部410)の開閉動作を停止させるための内部信号を出力する。この結果、眼鏡装置400の動作は、自走モードから停止モードへ変化する。眼鏡装置が長らく不受信の状態にあるので、眼鏡装置の動作を停止することによって節電する。
(停止モードと拘束モードとの間での推移)
停止モードの間、受信部425がタイミング信号を受信しているならば、当該タイミング信号に基づいて定められた左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報が記憶部475に順次格納される。内部信号生成部463が左眼及び右眼への入射光量を増加させる増加期間の決定するために十分な情報が記憶部475に格納されると、眼鏡装置400の動作は、停止モードから拘束モードに移行する。
図2乃至図5を用いて、表示装置200が停止信号を送信している間の眼鏡装置400の動作モードの変化が説明される。尚、「不受信期間」との用語は、タイミング信号だけでなく停止信号もが適切に受信されない期間を意味する。なお、表示装置200が停止信号を送信している間における自走モードは、図5に関連して説明された自走モードと同様である。
拘束モードで動作する眼鏡装置400の受信部425が停止信号を受信すると、眼鏡装置400の動作は、拘束モードから停止モードへ移行する。上述の如く、停止信号の受信は、表示部215の表示モードの変更を意味する。表示モードの変更の結果、フレーム画像の表示タイミングは変動する。本実施形態において、停止信号の受信に伴って、シャッタ部410の動作は停止するので、視聴者は、シャッタ部410の開閉動作とフレーム画像の表示との間の非同期に起因するフリッカを知覚しない。
本実施形態において、表示装置200の送信部225は、停止信号を所定回数繰り返し送信する。その後、送信部225は、新たな表示モード(第2表示モード)で表示される映像に合わせて、タイミング信号を眼鏡装置400へ送信する。
眼鏡装置400の受信部425は、新たな表示モード下で送信されたタイミング信号(後続タイミング信号)を受信する。解析部462は、後続タイミング信号に基づき、左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報を取得し、記憶部475に記録する。内部信号生成部463は、停止信号の受信前に記憶部475に記録された制御情報を無視し、後続タイミング信号から得られた左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に関する情報に基づき、内部信号を生成する。内部信号生成部463は、複数のタイミング信号から得られた左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻それぞれに対して、例えば、平均化処理を実行し、平均化された左開時刻、左閉時刻、右開時刻及び右閉時刻に基づき、内部信号を生成する。停止モードは、内部信号生成部463が内部信号を生成するのに十分な後続タイミング信号が受信されるまで継続する。内部信号生成部463が内部信号を生成し、光量調整部415(シャッタ部410)を動作させると、眼鏡装置400の動作は拘束モードに移る。
上述の如く、拘束モードにおいて、眼鏡装置400の動作周波数は有限値である。眼鏡装置400は、後述される立体表示モード又は2重表示モード用のコマンドセットを連続的に受信する。この結果、眼鏡装置400は、コマンドセットに規定されるフレーム周波数に拘束され、シャッタ部410を開閉させる。したがって、視聴者は、立体映像又は2重表示モード下で表示される映像を適切に知覚することができる。後述されるコマンドセットが適切に受信されない場合や動作周波数が変動した場合、眼鏡装置400は自走モードに入る。この結果、眼鏡装置400は、シャッタ部410の開閉動作を継続することができる。しかし、眼鏡装置400が停止信号を受信したならば、眼鏡装置400は強制的に停止モードに入る。そして停止モードの間、シャッタ部410は開状態を維持する。
停止モードにおいて、眼鏡装置400の動作周波数は無限値であり、シャッタ部410は停止される。視聴者の安全性を確保するために、開閉動作が停止されるならば、シャッタ部410は、開状態を維持する。この結果、視聴者は、シャッタ部410に妨げられることなく、周囲空間を見渡すことができる。尚、眼鏡装置400が停止信号を受信し続ける限り、シャッタ部410は開状態を維持する。停止モードにある眼鏡装置400が後述される立体表示モード又は2重表示モード用のコマンドセットを受信するならば、眼鏡装置400は、当該コマンドセットの受信時刻から所定期間経過後に拘束モードに移る。この結果、眼鏡装置400は、所定の動作周波数(有限値)でシャッタ部410を動作させる。なお、眼鏡装置400は停止信号を受信し、一旦シャッタ部410が開状態になって、立体表示モード又は2重表示モードの信号をしばらく受信しない場合、たとえ停止信号を受けなくとも眼鏡装置400のシャッタ部410を開状態のままにしておいてもよい。
上述の如く、自走モードは、コマンドセットが適切に受信されない場合に開始される。自走モードにある眼鏡装置400は、先行して受信されたコマンドセットに従って、シャッタ部410の開閉を継続する。自走モードの動作周波数は、少なくとも数秒維持される。自走モードの眼鏡装置400がコマンドセットを再度受信し、且つ、再度受信したコマンドセットに規定される動作周波数が維持されているならば、眼鏡装置400は、拘束モードで動作する。或いは、自走モードの眼鏡装置400がコマンドセットを再度受信し、且つ、再度受信したコマンドセットに規定される動作周波数が新たに設定されるならば、眼鏡装置400は、拘束モードで動作する。自走モードの開始から、所定期間、コマンドセットが受信されないならば、眼鏡装置400は、自走モードから停止モードに移る。
<コマンド信号>
図6は、表示装置200と眼鏡装置400との間の通信プロトコルによって規定されたコマンド信号CSの概略図である。図1、図4及び図6を用いて、コマンド信号CSが説明される。
コマンド信号CSは、一定の周波数で送信されるパルス信号からなる。図6には、パルス信号がオンとなる6つのパルス位置PL1乃至PL6が示されている。本実施形態において、オンとオフとの間のデューティサイクルは、50%である。
本実施形態において、パルス位置PL1におけるパルス信号はオンに設定され、当該パルス信号の立上縁UEは、コマンド信号の受信時刻の参照位置として処理される。また、パルス位置PL6におけるパルス信号もオンに設定される。眼鏡装置400は、パルス位置PL6のオン信号を参照し、コマンド信号CSの終端を検出する。
パルス位置PL1とパルス位置PL6との間のパルス位置PL2乃至PL5におけるオン・オフの設定に基づき、眼鏡装置400の解析部462は、コマンド信号が表す制御内容を解釈する。
図7A乃至図7Fは、様々なコマンド信号CSを示す。図6乃至図7Fを用いて、コマンド信号CSが更に説明される。
本実施形態のうち、1つのコマンド信号CS中において、オンに設定されるパルス信号の数は、4つである。
図7Aに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL3、PL4、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P3、P4、P6がオンに設定されている。図7A中の表記「2Dh」は、図7Aのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Bに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL2、PL5、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P2、P5、P6がオンに設定されている。図7B中の表記「33h」は、図7Bのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Cに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL2、PL4、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P2、P4、P6がオンに設定されている。図7C中の表記「35h」は、図7Cのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Dに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL3、PL5、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P3、P5、P6がオンに設定されている。図7D中の表記「2Bh」は、図7Dのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Eに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL2、PL3、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P2、P3、P6がオンに設定されている。図7E中の表記「39h」は、図7Eのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
図7Fに示されるコマンド信号CSは、パルス位置PL1、PL4、PL5、PL6にそれぞれ対応するパルス信号P1、P4、P5、P6がオンに設定されている。図7F中の表記「27h」は、図7Fのコマンド信号CSのパルス信号のオン・オフのパターンに対応する16進数を意味する。
表示装置200と眼鏡装置400との間の通信プロトコルにおいて、図7A乃至図7Fに示されるオン・オフのパターンの信号のみが通信されると規定され、且つ、受信部425が図7A乃至図7Fに示されていないパターンの信号を受信するならば、解析部462は、受信部425が受信した信号をノイズ信号として処理することができる。受信部425が図7A乃至図7Fに示されたパターンの信号を受信するならば、解析部462は、受信部425が受信した信号の受信時刻や光量調整部415(シャッタ部410)の制御に必要な他の情報を記憶部475に記録する。
上述の如く、コマンド信号は、オンに設定された4つのパルスを含むパルス列である。パルス列は、1番目のパルス(パルス位置PL1)及び6番目のパルス(パルス位置PL6)を含む。1番目のパルスと6番目のパルスとの間でのオン・オフのパターンに応じて、コマンド信号の種類が判定される。
<眼鏡装置の動作>
上述の眼鏡装置400の動作モードを実現するために、4つのコマンドセットが用意される。コマンドセットは、2又は4のパルスコマンドからなる。コマンドセットを受信すると、眼鏡装置400は、動作モードを決定する。上述の「2Dh」のパルスパターンを有する信号は、コマンドセットのうち最初に送信され、4つのコマンドセットの中で共通して用いられる。「2Dh」のパルスパターンを有する信号の参照時刻(上述の立上縁UE)を基準に、シャッタ部410は開閉する。4つのコマンドセットが以下に示される。
<立体表示モードにおけるコマンドセットA>
コマンドセットAは、パルスパターン「2Dh」、「33h」、「35h」及び「2Bh」のコマンド信号を含む。
<立体表示モードにおけるコマンドセットB>
コマンドセットBは、パルスパターン「2Dh」、「2Bh」、「35h」及び「33h」のコマンド信号を含む。
<2重表示モードにおけるコマンドセット>
2重表示モードにおけるコマンドセットは、「2Dh」及び「27h」のコマンド信号を含む。
<停止モードにおけるコマンドセット>
停止モードにおけるコマンドセットは、「2Dh」及び「39h」のコマンド信号を含む。
上述の一群のコマンドセットは、「2Dh」のパルスパターンを有する共通のコマンド信号を含む。また、「2Dh」のパルスパターンを有する共通のコマンド信号は、最初に送信される信号である。以下、これらのコマンドセットに基づく眼鏡装置400の動作が説明される。
<立体表示モードにおける眼鏡装置の動作>
図8及び図9は、立体表示モードにおける眼鏡装置400の動作を示す。図2乃至図4並びに図7A乃至図9を用いて、立体表示モードにおける眼鏡装置400の動作が説明される。
図8及び図9のセクション(a)は、表示装置200の表示部215が表示するフレーム画像を示す。表示部215は、左フレーム画像及び右フレーム画像を交互に表示する。
図8及び図9のセクション(b)は、眼鏡装置400の受信部425が受信したコマンド信号を示す。図8及び図9のセクション(c)は、左眼への入射光量の変化を表す。図8及び図9のセクション(d)は、右眼への入射光量の変化を表す。
本実施形態において、16進数「2Dh」で表されるパルスのオン・オフのパターン(以下、パルスパターンと称される)を有するコマンド信号CSは、左シャッタ411を開くための左開信号LOとして用いられる。16進数「33h」で表されるパルスパターンのコマンド信号CSは、左シャッタ411を閉じるための左閉信号LCとして用いられる。16進数「35h」で表されるパルスパターンのコマンド信号CSは、右シャッタ412を開くための右開信号ROとして用いられる。16進数「2Bh」で表されるパルスパターンのコマンド信号CSは、右シャッタ412を閉じるための右閉信号RCとして用いられる。
図8及び図9のセクション(c)に示される如く、左開信号LOの受信時刻に左シャッタ411が開くので、左開信号LOの受信に応じて、左眼への入射光量が増大する。また、左閉信号LCの受信時刻に左シャッタ411が閉じるので、左閉信号LCの受信に応じて、左眼への入射光量が減少する。
図8及び図9のセクション(d)に示される如く、右開信号ROの受信時刻に右シャッタ412が開くので、右開信号ROの受信に応じて、右眼への入射光量が増大する。また、右閉信号RCの受信時刻に右シャッタ412が閉じるので、右閉信号RCの受信に応じて、右眼への入射光量が減少する。
眼鏡装置400の解析部462は、コマンド信号CSの波形だけでなく、コマンド信号CSの受信順序に基づく情報の解析も実行する。解析部462は、左開信号LOを受信してから、次の左開信号LOを受信するまでに受信部425が受信した信号を1つの信号群として取り扱い、コマンド信号CSの受信順序を判定する。例えば、図8に示されるコマンド信号CSの受信順序は、左開信号LO、左閉信号LC、右開信号RO、右閉信号RCの順である。図9に示されるコマンド信号CSの受信順序は、左開信号LO、右閉信号RC、右開信号RO、左閉信号LCの順である。
図8のセクション(c)と図9のセクション(c)を比較すると、左眼への入射光量の増加率に差異があることが分かる。解析部462は、コマンド信号CSの受信順序に応じて、左シャッタ411が開かれる速度に関する制御データを生成し、記憶部475に格納することができる。
図8のセクション(d)と図9のセクション(d)を比較すると、右眼への入射光量の増加率に差異があることが分かる。解析部462は、コマンド信号CSの受信順序に応じて、右シャッタ412が開かれる速度に関する制御データを生成し、記憶部475に格納することができる。
上述の如く、受信部425がパルスパターン「2Dh」、「33h」、「35h」及び「2Bh」のコマンド信号を順次周期的に受信する場合、又は、受信部425がパルスパターン「2Dh」、「2Bh」、「35h」及び「33h」のコマンド信号を順次周期的に受信する場合、眼鏡装置400は、表示装置200が立体表示モードで映像を表示していると判断する。受信されたコマンド信号のパルスパターンが「2Dh」、「33h」、「35h」及び「2Bh」の順であるならば、眼鏡装置400は、図8に関連して説明された動作モードでシャッタ部410が動作することを決定する。受信されたコマンド信号のパルスパターンが「2Dh」、「2Bh」、「35h」及び「33h」であるならば、眼鏡装置400は、図9に関連して説明された動作モードでシャッタ部410が動作することを決定する。
眼鏡装置400は、パルスパターン「2Dh」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に左シャッタ411を開く。眼鏡装置400は、パルスパターン「33h」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に左シャッタ411を閉じる。眼鏡装置400は、パルスパターン「35h」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に右シャッタ412を開く。眼鏡装置400は、パルスパターン「2Bh」の最初のパルス信号P1の立上縁の受信時刻に右シャッタ412を閉じる。
<2重表示モードにおける眼鏡装置の動作>
図10は、2重表示モードにおいて、表示装置200の表示部215が表示する映像の概略図である。図3及び図10を用いて、2重表示モードが説明される。
視聴者が2重表示モードを選択すると、表示部215は、内容が異なる複数の映像のフレーム画像を順次表示する。図10に示される表示部215は、自動車の映像(以下、第1映像と称される)と、ロケットの映像(以下、第2映像と称される)と、を表示する。表示部215は、第1映像のフレーム画像及び第2映像のフレーム画像を交互に表示する。
図11Aは、第1映像を選択した視聴者が観察する映像を示す。図11Bは、第2映像を選択した視聴者が観察する映像を示す。図3、図4、図10乃至図11Bを用いて、2重表示モードが説明される。
視聴者が第1映像を選択するならば、視聴者は、第1映像のフレーム画像(以下、第1フレーム画像と称される)のみを選択的に観察する。したがって、視聴者は、自動車の動画を楽しむことができる。視聴者が第2映像を選択するならば、視聴者は、第2映像のフレーム画像(以下、第2フレーム画像と称される)のみを選択的に観察する。したがって、視聴者は、ロケットの動画を楽しむことができる。
図12は、第1映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の動作を概略的に示すタイミングチャートである。図13は、第2映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の動作を概略的に示すタイミングチャートである。図3、図4、図8、図9、図12及び図13を用いて、2重表示モード下での眼鏡装置400の動作が説明される。
図12及び図13のセクション(a)は、2重表示モード下において表示装置200の表示部215が表示するフレーム画像を示す。表示部215は、第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する。
図12及び図13のセクション(b)は、眼鏡装置400の受信部425が受信したコマンド信号を示す。図12及び図13のセクション(c)は、左眼への入射光量の変化を表す。図12及び図13のセクション(d)は、右眼への入射光量の変化を表す。
2重表示モードにおいて、表示装置200の送信部225は、16進数「2Dh」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、16進数「27h」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、を送信する。眼鏡装置400の受信部425が受信した信号のパルスパターンが、「2Dh」と「27h」との組み合わせであるとき、解析部462は、表示装置200の表示モードは、2重表示モードであると判定する。尚、パルスパターン「27h」のコマンド信号CSは、図8及び図9に関連して説明された立体表示モードにおいて用いられていない。一方で、パルスパターン「2Dh」のコマンド信号CSは、図8及び図9に関連して説明された立体表示モードにおいて、左開信号LOとして用いられている。
図12に示される如く、第1映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有する信号に引き続き、「27h」のパルスパターンを有する信号が受信されると、「2Dh」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻は、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに開かれる時刻であると解釈する。また、解析部462は、「27h」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻は、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに閉じられる時刻であると解釈する。
一方、図13に示される如く、第2映像を選択した視聴者の眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有する信号に引き続き、「27h」のパルスパターンを有する信号が受信されると、「2Dh」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻から「2Dh」のパルスパターンを有する信号の受信周期の半分の周期だけ遅れた時刻が、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに開かれる時刻であると解釈する。また、解析部462は、「27h」のパルスパターンを有する信号の受信時刻に対応する時刻から「27h」のパルスパターンを有する信号の受信周期の半分の周期だけ遅れた時刻が、左シャッタ411及び右シャッタ412がともに閉じられる時刻であると解釈する。
上述の如く、2重表示モードにおけるコマンドセットは、第1映像の視聴及び第2映像の視聴に用いられる。眼鏡装置400は、第1映像用の動作モードと第2映像用の動作モードとを切り替えるための機能を有する。視聴者は、眼鏡装置400を操作し、第1映像又は第2映像を選択することができる。
上述の如く、2重表示モードにおけるコマンドセットは、「2Dh」及び「27h」のコマンド信号を含む。「2Dh」及び「27h」のコマンド信号は、第1フレーム画像が表示される期間内で送信され、第2フレーム画像が表示される期間には送信されない。視聴者が眼鏡装置400を操作し、第1映像を選択しているならば、左シャッタ411及び右シャッタ412は第1映像の表示に同期して同時に開閉する。左シャッタ411及び右シャッタ412が閉じるタイミングは、「2Dh」のパルスパターンのコマンド信号の最初のパルスP1の受信時刻によって規定される。左シャッタ411及び右シャッタ412が開くタイミングは、「27h」のパルスパターンのコマンド信号の最初のパルスP1によって規定される。視聴者が眼鏡装置400を操作し、第2映像を選択しているならば、左シャッタ411及び右シャッタ412は第2映像の表示に同期して同時に開閉する。即ち、左シャッタ411及び右シャッタ412の開閉タイミングは、第1映像が選択されている場合よりも、1フレーム画像の表示期間だけ遅れることとなる。
2重表示モードにおけるコマンドセットが受信されると、眼鏡装置400は、動作モードを、先行して実行された動作モードから2重表示モードへ、最初に受信した「2Dh」のコマンド信号(2重表示モードにおけるコマンドセットのコマンド信号)から所定期間後に変更する。誤作動を防止するために、2重表示モードにおけるコマンドセットは、2重表示モードへの動作モードの変更前に、少なくとも5回送受信される。他のコマンド信号(コマンドセット)が受信されるならば、眼鏡装置400は、他のコマンドセットの最初のパルスから所定期間経過後に、他のコマンド信号(コマンドセット)に規定される動作モード下で動作する。
<立体表示モードから2重表示モードへの切替の動作>
立体表示モードから2重表示モードへの切替時における表示装置200及び眼鏡装置400の動作が説明される。尚、以下の切替時における動作に関連する説明は、立体表示モードから他の表示モード(第2表示モード)及び他の表示モード(第2表示モード)から立体表示モードへの切替時の動作に対しても同様に適用される。例えば、視聴者が映画のコンテンツから映画以外のコンテンツへ映像を切り替えたときや視聴者が表示装置200によって表示される番組のチャンネルを変更したときには、表示装置200によるフレーム画像の表示の周波数や位相が変動する。本実施形態において、表示モードの変更にともなう停止信号の通信の結果、表示モードの変更の間のフリッカが防止される。
図14は、立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替が生じたときに送信される停止信号を表すタイミングチャートである。図1、図3、図4、図8、図9及び図14を用いて、停止信号が説明される。
図14のセクション(a)は、表示モードの切替前において表示部215が表示するフレーム画像のタイミングを表す。図14のセクション(c)は、表示モードの切替後において表示部215が表示するフレーム画像を表す。図14のセクション(a)及びセクション(c)に示される如く、表示モードの切替に伴って、フレーム画像の表示タイミングは変動する。
図14のセクション(b)は、表示モードの切替に伴って送受信される停止信号を示す。表示モードが切り替えられると、表示装置200の送信部225は、16進数「2Dh」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、16進数「39h」で表されるパルスパターンを有するコマンド信号CSと、を送信する。眼鏡装置400の受信部425が受信した信号のパルスパターンが、「2Dh」と「39h」との組み合わせであるとき、解析部462は、停止信号が送信されていると判定する。パルスパターン「39h」のコマンド信号CSは、立体表示モード及び2重表示モードにおいて用いられていない。一方で、パルスパターン「2Dh」のコマンド信号CSは、立体表示モード及び2重表示モードにおいて、用いられている信号である。
眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号に引き続き、「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号が受信されると、左シャッタ411及び右シャッタ412が開かれた状態で維持されるべきと解釈する。
ここで、立体表示モード及び2重表示モードにおいて送信されるコマンド信号CS及び停止信号として送信されるコマンド信号CSの組は、全て、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSを含む。また、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、全てのコマンド信号の組み合わせの中で、最初に送信されるコマンド信号として規定されている。したがって、眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSを基準に様々な判定をすることができる。例えば、眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの後に送信されるコマンド信号CSに応じて、眼鏡装置400が実行すべき動作を決定することができる。また、眼鏡装置400の解析部462は、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの受信周期に基づいて、表示部215によるフレーム画像の表示周期(即ち、動作周波数)を決定することができる。様々な表示モード下で送信される信号並びに表示モードの切替時に送信される信号が共通するパルスパターンのコマンド信号CSを含む結果、眼鏡装置400の解析部462の判定動作(受信信号に対する解釈)は、ノイズの影響を受けにくくなる。本実施形態において、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、共通コマンド信号として例示される。また、「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号は、入射光量の調整動作の停止を通知する通知コマンド信号として例示される。
本実施形態において、表示装置200の送信部225は、例えば、5回以上、停止信号を送信する。眼鏡装置400の解析部462は、受信部425が停止信号を、例えば、5回受信すると、左シャッタ411及び右シャッタ412が開かれた状態で維持されるべきと解釈する。この結果、眼鏡装置400の動作は、ノイズ信号に対して影響を受けにくくなる。
表示装置200の送信部225は、その後、2重表示モードに合わせたコマンド信号CSを送信する(図8及び図9参照)。眼鏡装置400の解析部462は、受信部425が停止信号を、例えば、5回受信すると、第2表示モードに合わせたシャッタ部410の開閉動作を実行するべきと解釈する。
図15は、立体表示モードから2重表示モードへの表示モードの切替に伴うコマンド信号CSの送信パターンの変動を概略的に示すタイミングチャートである。図8、図14及び図15を用いて、コマンド信号CSの送信パターンの変動が説明される。
図8に関連して説明された如く、立体表示モードの間、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、左開信号LOとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。「33h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、左閉信号LCとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。「35h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、右開信号ROとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。「2Bh」のパルスパターンを有するコマンド信号CSは、右閉信号RCとして、動作周波数に対応する所定の周期「T」で順次送信される。
図14に関連して説明された如く、立体表示モードから2重表示モードへ切り替えられると、停止信号が送信される。「2Dh」のパルスパターンを有する停止信号のコマンド信号CSは、直前の左開信号LOとして送信された「2Dh」のパルスパターンのコマンド信号から、周期「T」後に送信される。「39h」のパルスパターンを有する停止信号のコマンド信号CSは、直前の右開信号ROとして送信された「35h」のパルスパターンのコマンド信号から、周期「T」後に送信される。
表示装置200の送信制御部255は、停止信号のコマンド信号の周期的な送信パターンを、立体表示モードの間送信されるタイミング信号のコマンド信号の周期的な送信に適合させる。上述の如く、「2Dh」のパルスパターンを有する停止信号のコマンド信号CSは、タイミング信号と停止信号とに利用され、且つ、タイミング信号と停止信号との間で、「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号の送信タイミングは略一定であるので、眼鏡装置400は、受信部425が受信した「2Dh」のパルスパターンを有する信号がノイズ信号であるか否かを適切に判断することができる。「2Dh」のパルスパターンを有するコマンド信号の後に送信された「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの送信タイミングも、立体表示モードの間に送信されたタイミング信号のコマンド信号CSのうちの1つ(本実施形態において、「35h」のパルスパターンを有するコマンド信号CS)の送信タイミングと一致しているので、眼鏡装置400の解析部462は、「39h」のパルスパターンを有するコマンド信号CSの受信タイミングと立体表示モードの間に受信されたコマンド信号CSの受信タイミングとを比較し、同様に、ノイズ判定を行うことができる。
解析部462は、上述のノイズ判定の下、適切に受信された停止信号に関連する制御データを記憶部475に記憶する。内部信号生成部463は、記憶部475内の停止信号に関連する制御データに基づき、光量調整部415(シャッタ部410)の動作を停止する。この結果、左シャッタ411及び右シャッタ412は、開いた状態を維持し、停止する。
その後、2重表示モードにおけるフレーム画像の表示に合わせて、表示装置200の送信部225は、タイミング信号を送信する。解析部462は、2重表示モードにおいて送信されたタイミング信号に関連する制御データを記憶部475に記録する。内部信号生成部463は、停止信号を受信する前に記憶部475に記録された制御データを用いることなく、新たに記録されたタイミング信号(2重表示モードに対応するタイミング信号)に基づいて、内部信号を生成する。この結果、シャッタ部410の再度の開閉動作は、2重表示モードにおけるフレーム画像の表示に適切に同期する。
上述の如く、眼鏡装置400の意図しない停止動作を防ぐために、眼鏡装置400は、少なくとも5回、連続的に停止信号を受信したときに、停止動作を実行する。停止信号が連続的に受信されると、眼鏡装置400は、最初に受信した停止コマンドセットの「2Dh」の参照時刻(2Dhのコマンド信号の最初のパルスP1の受信時刻)から所定期間内に、それまで実行していた動作モードから停止モードに移る。他のコマンド信号が受信されるならば、眼鏡装置400は、他のコマンド信号の参照時刻から所定期間内に、他のコマンド信号に規定される動作モードに移る。
停止モードにおけるコマンドセットは、2つのフレーム画像(左フレーム画像及び右フレーム画像)が表示される期間内に送信される。停止信号の送信タイミングは、従前の動作において送信されたコマンド信号の送信タイミングと同期して送信される。
図15に関連して説明された送信パターンにおいて、停止信号の「2Dh」のコマンド信号は、先行する「2Dh」のコマンド信号から2フレーム期間の後に送信される。同様に、停止信号の「39h」のコマンド信号は、先行する「35h」のコマンド信号から2フレーム期間の後に送信される。「2Dh」、「39h」、「35h」のコマンド信号の受信時刻は、これらコマンド信号の最初のパルス信号P1の受信時刻に基づき決定される。
全てのコマンドセットは、「2Dh」のコマンド信号を含むので、眼鏡装置400が、「2Dh」のコマンド信号を受信すると、眼鏡装置400は、2フレーム期間の後に、再度、「2Dh」のコマンド信号を受信することを予測することができる。同様に、眼鏡装置400は、先行する「35h」のコマンド信号の受信時刻に基づいて、「39h」のコマンド信号或いは他のコマンド信号の受信時刻を予測することができる。したがって、眼鏡装置400は、ノイズの影響を受けにくくなる。
上述された実施形態の原理は、フレーム画像の表示タイミングの変動(周波数及び/又は位相)を伴う他の表示モードの切替にも適用される。
上述の様々な実施形態は、単に例示的なものである。したがって、上述の実施形態の原理は、上記の詳細な説明や図面に記載の事項に限定されない。上述の実施形態の原理の範囲内で、当業者が様々な変形、組み合わせや省略を行うことができることは容易に理解される。
上述された実施形態は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一の局面に係る表示装置は、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置を用いて立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える。表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信することを特徴とする。
上記構成によれば、表示装置は、第1表示モードにおいて、立体的に知覚される映像を表示する。眼鏡装置は、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行い、表示装置が表示する映像を立体的に知覚させる。
表示装置の信号生成部は、第1表示モード及び第2表示モードにおける左眼及び右眼への入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、調整動作を停止させる停止信号を、調整動作を行う制御信号として生成する。表示装置は、制御信号を眼鏡装置へ送信する。なお、液晶シャッタの場合には停止信号により左右シャッタは透過状態になる。
第1表示モードで映像が表示されている間、送信部は、タイミング信号を送信するので、視聴者は、映像を立体的に知覚することができる。表示モードが、第1表示モードから第2表示モードに切り替えられるとき、送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、視聴者はフリッカを知覚しない。尚、送信部が停止信号を送信している間、眼鏡装置は、透過状態を維持する。
上記構成において、前記第1表示モードのタイミング信号及び前記第2表示モードのタイミング信号それぞれは、前記調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含み、前記停止信号は、前記複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、前記眼鏡装置に前記調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含み、前記送信部は、前記停止信号を送信する際、前記共通コマンド信号に続いて、前記通知コマンド信号を送信することが好ましい。尚、眼鏡装置にも、複数のコマンド信号に対応する複数のモード(コマンドセット)が用意されている。眼鏡装置の動作を規定するコマンドセットのうち先頭のコマンド信号が共通コマンド信号として用いられる。
上記構成によれば、第1表示モードのタイミング信号及び第2表示モードのタイミング信号それぞれは、調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含む。停止信号は、複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、眼鏡装置に前記調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含む。送信部は、共通コマンド信号に続いて、通知コマンド信号を送信するので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。加えて、タイミング信号及び停止信号は、共通コマンド信号を含むので、眼鏡装置は、共通コマンド信号に基づき、動作周波数を容易に判別することができる。
上記構成において、前記送信部は、前記停止信号の共通コマンド信号を、前記第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通のコマンド信号の送信周期と同じ周期で送信することが好ましい。尚、停止信号は、2フレームごとに送信され、停止信号の送信タイミングは、先に送信されたコマンド信号に同期する。停止信号は、例えば、「2Dh」のパルスパターンのコマンド信号と「39h」のパルスパターンのコマンド信号とによって規定される。「2Dh」及び「39h」のパルスパターンのコマンド信号が2フレームの期間(1つの左フレーム期間及び1つの右フレーム期間)以内に受信されないならば、停止信号は無効と判定される。
誤動作で停止コマンドを受けないようにするため(例えば、視聴環境によっては、蛍光灯や太陽光などの赤外線や室内の他の無線などの外乱(ノイズ)を避けるため)、液晶シャッタ側で、停止コマンドの制御データに直ぐには応答せず、例えば、数サイクル分の制御データを基に停止コマンドを判別する方が好ましい。故に、上記構成によれば、送信部は、停止信号の共通コマンド信号を、第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通のコマンド信号の送信周期と同じ周期で送信する。この結果、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。
上記構成において、前記送信部は、前記停止信号の通知コマンド信号を、前記第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる前記共通コマンド信号以外の一のコマンド信号と同じ周期で、送信することが好ましい。
上記構成によれば、送信部は、停止信号の通知コマンド信号を、第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通コマンド信号以外の一のコマンド信号と同じ周期で、送信するので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。
上記構成において、前記第1表示モードにおける前記複数のコマンド信号は、前記左眼への入射光量を増加させるための左増信号と、前記左眼への入射光量を減少させるための左減信号と、前記右眼への入射光量を増加させるための右増信号と、前記右眼への入射光量を減少させるための右減信号と、を含み、前記共通コマンド信号は、前記左増信号、前記左減信号、前記右増信号及び前記右減信号のうち1つの信号と同じ信号であることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードにおける複数のコマンド信号は、左眼への入射光量を増加させるための左増信号と、左眼への入射光量を減少させるための左減信号と、右眼への入射光量を増加させるための右増信号と、右眼への入射光量を減少させるための右減信号と、を含む。共通コマンド信号は、左増信号、左減信号、右増信号及び右減信号のうち1つの信号と同じ信号であるので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。加えて、タイミング信号及び停止信号は、同じ信号を含むので、眼鏡装置は、当該同じ信号に基づき、動作周波数を容易に判別することができる。
上記構成において、前記共通コマンド信号は、前記左増信号、前記左減信号、前記右増信号及び前記右減信号のうち最初に送信される信号と同じ信号であることが好ましい。
上記構成によれば、共通コマンド信号は、左増信号、左減信号、右増信号及び右減信号のうち最初に送信される信号と同じ信号であるので、眼鏡装置は、動作周波数を容易に判別することができる。
上記構成において、前記共通コマンド信号は、前記左増信号及び前記右増信号のうち一方の信号と同じ波形を有し、且つ、該一方の信号と同じ周期で送信され、前記通知コマンド信号は、前記左増信号及び前記右増信号のうち他方の信号と同じ周期で送信されることが好ましい。
上記構成によれば、共通コマンド信号は、左増信号及び右増信号のうち一方の信号と同じ波形を有し、且つ、一方の信号と同じ周期で送信される。また、通知コマンド信号は、左増信号及び右増信号のうち他方の信号と同じ周期で送信される。したがって、眼鏡装置は、ノイズに影響されることなく、停止信号を検出することができる。
上記構成において、前記第2表示モードのタイミング信号は、前記共通コマンド信号を含むことが好ましい。
上記構成によれば、第2表示モードのタイミング信号は、共通コマンド信号を含むので、第1表示モードのタイミング信号、第2表示モードのタイミング信号及び停止信号の間で共通コマンド信号が用いられる。したがって、眼鏡装置は、共通コマンド信号を基準に、動作モードを決定することができる。
上記構成において、前記送信部は、前記停止信号を少なくとも5回繰り返し送信することが好ましい。
上記構成によれば、送信部は、少なくとも5回以上停止信号を繰り返し送信するので、停止信号は、ノイズ信号として誤判定されにくくなる。
上記構成において、前記第1表示モード及び前記第2表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードと前記左右フレーム画像の表示タイミングの位相が異なることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モード及び第2表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードと左右フレーム画像の表示タイミングの位相が異なる。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、第1表示モードと第2表示モードとの間の周期的なフレーム画像の表示タイミングの位相差に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モード及び前記第2表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードと、フレームレートが異なることが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モード及び第2表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードと、フレームレートが異なる。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、フレームレートの相違に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードの前記左右フレーム画像の表示タイミングと異なる位相で、前記第1フレーム画像及び前記第2フレーム画像を表示することが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードの左右フレーム画像の表示タイミングと異なる位相で、第1フレーム画像及び第2フレーム画像を表示する。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、第1表示モードと第2表示モードとの間の周期的なフレーム画像の表示タイミングの位相差に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モードは、前記左眼で観察する左フレーム画像と、前記右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードであり、前記第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードであり、前記第2表示モードは、前記第1表示モードと異なるフレームレートで、前記第1フレーム画像及び前記第2フレーム画像を表示することが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードは、左眼で観察する左フレーム画像と、右眼で観察する右フレーム画像と、を交互に表示する立体映像の表示モードである。第2表示モードは、互いに異なるコンテンツを表す第1フレーム画像及び第2フレーム画像を交互に表示する表示モードである。第2表示モードは、第1表示モードの左右フレーム画像の表示タイミングと異なるフレームレートで、第1フレーム画像及び第2フレーム画像を表示する。送信部は、停止信号を送信し、眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、フレームレートの相違に拘わらず、第1表示モードから第2表示モードへの移行時において、視聴者はフリッカを知覚しない。
上述の実施形態の他の局面に係る眼鏡装置は、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記制御信号は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号、を含み、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
上記構成によれば、制御部は、受信部が受信した制御信号に基づき、光量調整部を制御する。光量調整部は、制御部の制御下で、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う。
制御信号は、入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、調整動作を停止させる停止信号、を含む。受信部がタイミング信号を受信するならば、制御部は、タイミング信号に基づき、光量調整部の調整動作を制御する。受信部が停止信号を受信するならば、制御部は、前記調整動作を停止させる。受信部は、表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、第1表示モードのタイミング信号を受信する。表示装置が表示する映像が第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、受信部は、停止信号を受信した後、第2表示モードのタイミング信号を受信する。眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、視聴者はフリッカを知覚しない。
上記構成において、前記第1表示モード、又は、前記第2表示モードの前記タイミング信号に基づき、前記入射光量を増加させる増加期間に関するタイミングデータを生成するデータ生成部と、前記タイミングデータに基づき、前記増加期間を決定する決定部と、を更に備え、前記受信部が前記第2表示モードのタイミング信号を受信するならば、前記決定部は前記第1表示モードのタイミング信号に基づき生成された前記タイミングデータを無視し、前記第2表示モードの前記タイミング信号から生成するタイミングデータに基づき前記増加期間を決定することが好ましい。
上記構成において、データ生成部は、第1表示モード又は第2表示モードのタイミング信号に基づき、入射光量を増加させる増加期間に関するタイミングデータを生成する。決定部は、タイミングデータに基づき、増加期間を決定する。受信部が第2表示モードのタイミング信号を受信するならば、決定部は、第1表示モードのタイミング信号に基づき生成されたタイミングデータを無視し、第2表示モードのタイミング信号から生成されたタイミングデータに基づき増加期間のタイミングを決定するので、停止信号の受信後において、光量調整部は、停止信号の受信前のタイミングデータに影響を受けることなく制御される。したがって、光量調整部の調整動作は、早期に、映像の表示に同期することとなる。
上記構成において、前記受信部が、該タイミング信号及び前記停止信号のいずれも受信しない不受信期間において、前記制御部は、前記不受信期間の直前に所定回数受信された前記タイミング信号に従って、前記光量調整部を制御することが好ましい。
上記構成によれば、受信部が、タイミング信号及び停止信号のいずれも受信しない不受信期間において、制御部は、不受信期間の直前に所定回数受信されたタイミング信号に従って、光量調整部を制御する。したがって、不受信期間の間、光量調整部は、映像の表示に同期した調整動作を継続することができる。
上記構成において、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量が同時に増大された状態が保持されるように前記調整動作を停止させることが好ましい。
上記構成によれば、受信部が停止信号を受信するならば、制御部は、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持されるように調整動作を停止させるので、調整動作が停止されている間も、視聴者の視野は確保される。
上記構成において、前記不受信期間が、該不受信期間に対して定められた閾値期間を超えたとき、前記制御部は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量が同時に増大された状態が保持されるように前記調整動作を停止させることが好ましい。
上記構成によれば、不受信期間が、閾値期間を超えるならば、制御部は、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持されるように調整動作を停止させる。この結果、第1表示モードのタイミング信号から生成されたタイミングデータに基づく光量調整部の調整動作と映像の表示とのタイミングのずれは、過度に大きくならない。したがって、光量調整部の調整動作と映像の表示とのタイミングのずれに起因するフリッカは生じない。
上記構成において、前記受信部が、前記不受信期間の後、前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記左眼及び前記右眼への前記入射光量が同時に増大された状態が保持されるように前記調整動作を停止させることが好ましい。
上記構成において、受信部が、不受信期間の後、停止信号を受信するならば、制御部は、左眼及び右眼への入射光量が同時に増大された状態が保持されるように調整動作を停止させるので、調整動作が停止されている間も、視聴者の視野は確保される。
上記構成において、前記第1表示モードのタイミング信号及び前記第2表示モードのタイミング信号それぞれは、前記調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含み、前記停止信号は、前記複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、前記眼鏡装置に前記調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含み、前記受信部は、前記停止信号の共通コマンド信号を、前記第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通コマンド信号の送信周期と同じ周期で受信し、前記受信部が、前記共通コマンド信号と等しい波形の信号と前記通知コマンド信号と等しい波形の信号とを含む信号群を受信するならば、前記制御部は、前記第1表示モードにおいて受信した前記共通コマンド信号の前記送信周期に基づき、前記受信部が受信した信号群がノイズであるか否かを判定することが好ましい。
上記構成によれば、第1表示モードのタイミング信号及び第2表示モードのタイミング信号それぞれは、調整動作を制御するための複数のコマンド信号を含む。停止信号は、複数のコマンド信号の少なくとも1つのコマンド信号と共通する共通コマンド信号と、眼鏡装置に調整動作を停止させることを通知するための通知コマンド信号と、を含む。受信部は、停止信号の共通コマンド信号を、第1表示モードにおける複数のコマンド信号に含まれる共通コマンド信号の送信周期と同じ周期で受信する。受信部が、共通コマンド信号と等しい波形の信号と通知コマンド信号と等しい波形の信号とを含む信号群を受信するならば、制御部は、第1表示モードにおいて受信した共通コマンド信号の送信周期に基づき、受信部が受信した信号群がノイズであるか否かを判定するので、眼鏡装置は誤停止しない。
上述の実施形態の更に他の局面に係る映像システムは、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う眼鏡装置と、立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、該第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える表示装置と、を備え、該表示装置は、前記第1表示モード及び前記第2表示モードにおける前記左眼及び前記右眼への前記入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、前記調整動作を停止させる停止信号を、前記調整動作を行う制御信号として生成する信号生成部と、前記制御信号を前記眼鏡装置へ送信する送信部と、を備え、前記第1表示モードで前記映像が表示されている間、前記送信部は、前記第1表示モードのタイミング信号を送信し、前記表示モードが、前記第1表示モードから前記第2表示モードに切り替えられるとき、前記送信部は、前記停止信号を送信し、その後、前記第2表示モードのタイミング信号を前記眼鏡装置へ送信し、前記眼鏡装置は、前記表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である前記入射光量を調整する調整動作を行う光量調整部と、前記調整動作を制御するための制御信号を受信する受信部と、前記制御信号に基づき、前記光量調整部を制御する制御部と、を備え、前記受信部が前記タイミング信号を受信するならば、前記制御部は、前記タイミング信号に基づき、前記光量調整部の前記調整動作を制御し、前記受信部が前記停止信号を受信するならば、前記制御部は、前記調整動作を停止させ、前記受信部は、前記表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、該第1表示モードの前記タイミング信号を受信し、前記表示装置が表示する映像が前記第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、前記停止信号を受信した後、前記第2表示モードのタイミング信号を受信することを特徴とする。
上記構成によれば、映像システムの眼鏡装置は、左眼及び右眼への入射光量を調整する調整動作を行う。映像システムの表示装置は、立体的に知覚される映像を表示する第1表示モードと、第1表示モードとは異なる第2表示モードと、の間で表示モードを切り替える。
表示装置の信号生成部は、第1表示モード及び第2表示モードにおける左眼及び右眼への入射光量を増大させる期間のタイミングを通知するためのタイミング信号、又は、調整動作を停止させる停止信号を、調整動作を行う制御信号として生成する。表示装置は、制御信号を眼鏡装置へ送信する。第1表示モードで映像が表示されている間、送信部は、タイミング信号を送信するので、視聴者は、映像を立体的に知覚することができる。表示モードが、第1表示モードから第2表示モードに切り替えられるとき、送信部は、停止信号を送信する。
眼鏡装置の制御部は、受信部が受信した制御信号に基づき、光量調整部を制御する。光量調整部は、制御部の制御下で、表示装置からの映像光が左眼及び右眼へ入射する光量である入射光量を調整する調整動作を行う。受信部がタイミング信号を受信するならば、制御部は、タイミング信号に基づき、光量調整部の調整動作を制御する。受信部が停止信号を受信するならば、制御部は、前記調整動作を停止させる。受信部は、表示装置が表示する映像が第1表示モードの間、第1表示モードのタイミング信号を受信する。表示装置が表示する映像が第1表示モードとは異なる第2表示モードに切り替える際、受信部は、停止信号を受信した後、第2表示モードのタイミング信号を受信する。眼鏡装置が停止信号を検出した後は、眼鏡装置の左右シャッタは透過状態を保ったまま停止するので、視聴者はフリッカを知覚しない。
上述の実施形態の原理は、表示モードを切り替えることができる表示装置、当該表示装置が表示する映像の視聴を補助する眼鏡装置及びこれらを備える映像システムに好適に適用される。