JPWO2012124246A1 - 薄膜の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
薄膜の製造装置100Aは、真空槽22、成膜源9(蒸発源)、搬送系40及びコータ11を備えている。成膜源9は、真空槽22内の成膜領域31で基板21の第1主面上に薄膜を形成するために使用される。搬送系40は、成膜領域31を基板21が通過するように設定された搬送経路に沿って、基板21を巻き出しローラ23(送出位置)から巻き取りローラ26(回収位置)へと搬送する役割を担う。薄膜を形成する際に基板21に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料10をコータ11で基板21の第2主面に付与する。
Description
本発明は、薄膜の製造方法及び製造装置に関する。
デバイスの高性能化、小型化に薄膜技術が幅広く展開されている。また、デバイスの薄膜化はユーザーの直接メリットに留まらず、地球資源の保護、消費電力の低減といった環境側面からも重要な役割を果たしている。
こうした薄膜技術の進展には、薄膜製造の高効率化、安定化、高生産性化、低コスト化といった産業利用面からの要請に応えることが必要不可欠であり、これに向けた努力が続けられている。
薄膜の生産性を高めるためには、高堆積速度の成膜技術が必須である。真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法(Chemical Vapor Deposition Method)等をはじめとする薄膜製造において、堆積速度の高速化が進められている。また、薄膜を連続的に大量に形成する方法として、巻き取り式の薄膜製造方法が用いられる。巻き取り式の薄膜製造方法は、長尺の基板を巻き出しローラから巻き出し、搬送経路に沿って搬送中に基板上に薄膜を形成し、その後、巻き取りローラに基板を巻き取る方法である。例えば、電子ビームを用いた真空蒸着源等の高堆積速度の成膜源と、巻き取り式の薄膜製造方法とを組み合わせることによって、薄膜を生産性よく形成することができる。また、板状のディスクリート基板のそれぞれに薄膜を連続的に形成する場合には、多数枚集積された基板を送出系のストッカーから成膜領域に順次送り出す。成膜後、回収系のストッカーに基板を順次格納する。
このような連続的な薄膜製造の成否を決める要因として、成膜時の熱及び基板の冷却の課題がある。例えば真空蒸着の場合、蒸発源からの熱輻射と、蒸発原子の熱エネルギーとが基板に付与され、基板の温度が上昇する。その他の成膜方法においても熱源は異なるが、成膜時に基板に熱が加わる。熱によって基板の変形や溶断等が生じることを防ぐために、基板の冷却が行われる。成膜中の冷却は基板の最高到達温度を左右する点で特に重要である。
長尺基板の場合には、円筒状キャンによって基板を冷却することができる。具体的には、円筒状キャンに沿って走行している基板の上に薄膜を形成する。基板と円筒状キャンとの熱的な接触を確保すれば、熱容量の大きな円筒状キャンに熱を逃がすことができるので、基板の温度上昇を防ぐことができる。また、特定の冷却温度に基板の温度を保持することができる。円筒状キャンによる基板の冷却は、成膜領域以外の搬送経路においても有効である。円筒状キャンと基板との間の密着性を高めるために、電子ビームを用いて円筒状キャンへの基板の張り付けを強化することもある。
基板と円筒状キャンとの間の熱的な接触を確保するための方法の1つとして、ガス冷却方式がある。特許文献1には、基板であるウェブに薄膜を形成するための装置において、ウェブと支持手段との間の領域にガスを導入することが示されている。この方法によれば、ウェブと支持手段との間の熱伝導を確保できるので、ウェブの温度上昇を抑制することができる。
円筒状キャンの冷却方法としては、円筒状キャンの内部に冷媒を循環させる方法が一般的である。その他、気化熱を用いてキャンの内部を冷却する方法もある。特許文献2には、円筒状キャンの円筒冷却部の内部を独立した減圧系とし、円筒冷却部の内壁面に沿って冷媒を気化させることで円筒状キャンを冷却する方法が開示されている。
さらに、基板冷却手段として円筒状キャンの代わりに冷却ベルトを用いることも可能である。斜め入射成分を用いた成膜を行う際には、基板が直線状に走行した状態で成膜を行うことが材料利用効率の観点で有利であり、その際の基板冷却手段として冷却ベルトを用いることが有効である。特許文献3には、基板材料の搬送及び冷却にベルトを用いた場合のベルトの冷却方法が開示されている。この方法によれば、冷却ベルトをさらに冷却するために、内側に二重以上の冷却ベルトや液状の媒体による冷却機構を設ける。これにより、冷却効率を高めることができるので、電磁変換特性を始めとする磁気テープの特性を改善し、同時に生産性を大幅に改善することができる。
円筒状キャンを用いずに、平板等の支持ブロックに沿って基板を搬送することも行われる。また、板状のディスクリート基板の上に薄膜を形成する場合には、支持ブロックに基板を接触させることができる。支持ブロックと基板との間の熱伝導を良くするために、基板と支持ブロックとの間にガスを導入することは有効である。
薄膜の生産性を高めるためには、成膜速度の高速化と、これに伴う冷却効率の向上とが必要である。ガス冷却における冷却効率を上げるためには、冷却体と基板との間の圧力を高くすることが有効である。例えば、冷却体と基板との間隔をできる限り狭めるとともに、冷却ガスの量を多くする。しかし、前記した従来の構成では、冷却ガスの量を増やすと冷却体と基板との間から漏れ出した冷却ガスによって真空度が悪化し、薄膜の品質の低下、異常放電等の課題が生じるおそれがある。従って、冷却ガスの量には制限がある。また、真空ポンプの大型化が必要となり、設備コスト増大の課題が生じるおそれもある。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決するもので、真空度の悪化を抑えつつ、高い基板冷却能力を達成できる薄膜の製造方法及び製造装置を提供することである。
すなわち、本発明は、
真空中で基板の第1主面上に薄膜を形成する工程と、
前記薄膜形成工程に先立って、前記薄膜を形成する際に前記基板に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料を前記基板の第2主面に付与する工程と、
を含む、薄膜の製造方法を提供する。
真空中で基板の第1主面上に薄膜を形成する工程と、
前記薄膜形成工程に先立って、前記薄膜を形成する際に前記基板に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料を前記基板の第2主面に付与する工程と、
を含む、薄膜の製造方法を提供する。
別の側面において、本発明は、
真空槽と、
前記真空槽内に配置され、前記真空槽内の成膜領域で基板の第1主面上に薄膜を形成するための成膜源と、
前記真空槽内に配置され、前記成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する搬送系と、
前記薄膜を形成する際に前記基板に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料を前記基板の第2主面に付与するコータと、
を備えた、薄膜の製造装置を提供する。
真空槽と、
前記真空槽内に配置され、前記真空槽内の成膜領域で基板の第1主面上に薄膜を形成するための成膜源と、
前記真空槽内に配置され、前記成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する搬送系と、
前記薄膜を形成する際に前記基板に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料を前記基板の第2主面に付与するコータと、
を備えた、薄膜の製造装置を提供する。
本発明によれば、第2主面に付与した基板冷却材料の気化熱で基板を冷却することができる。基板冷却材料の気化熱を利用するので、ガスで直接冷却する場合に比べて、少量の基板冷却材料でより多くの熱を基板から奪うことができる。従って、本発明によれば、真空度の悪化を抑制しつつ、高い冷却能力を達成できる。
なお、本発明は、従来のガス冷却の採用を排除するものではない。本発明とガス冷却とを併用することも可能である。
本明細書で「主面」とは、最も広い面積を有する面を意味する。以下に説明する実施形態では、第1主面が基板の表面に対応し、第2主面が基板の裏面に対応する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、薄膜の製造装置100Aは、真空槽22、搬送系40、蒸発源9(成膜源)及びコータ11(coater)を備えている。蒸発源9、搬送系40及びコータ11は、真空槽22の内部に配置されている。基板21の第1主面上に薄膜を形成する前に、コータ11によって、基板21の第2主面に基板冷却材料10が付与される。基板冷却材料10は、基板21の上に薄膜を形成する際に基板21に加わる熱によって蒸発する。基板冷却材料10の気化熱によって基板21が冷却される。これにより、基板21が熱で損傷することを防止できる。
真空槽22は、耐圧性を有する容器で構成されている。真空槽22には、真空ポンプ32が接続されている。真空槽22の内部には、さらに、遮蔽板29、電子銃19及び原料ガス導入管30が設けられている。真空槽22の内部は、遮蔽板29によって、蒸発源9が配置された領域と、搬送系40が配置された領域とに仕切られている。遮蔽板29は、基板21の搬送経路上に成膜領域31を形成するための開口部を有する。成膜領域31を基板21が通過する際に、蒸発源9から飛来した原料粒子が基板21の上に堆積する。
搬送系40は、真空槽22の内部に基板21の搬送経路を形成するとともに、搬送経路に沿って基板21を送出位置から回収位置へと搬送する役割を担う。搬送経路は、成膜領域31を基板21が通過するように設定されている。詳細には、成膜領域31で基板21が直線走行するように搬送経路が設定されている。成膜領域31において、蒸発源9からの原料粒子は、基板21に対して概ね垂直に入射する。
具体的に、搬送系40は、巻き出しローラ23、搬送ローラ24及び巻き取りローラ26によって構成されている。巻き出しローラ23には、成膜前の基板21が準備される。巻き出しローラ23は、巻き出しローラ23から最も近くに配置された搬送ローラ24に向けて基板21を供給する。成膜領域31から見て、基板21の搬送方向の上流に配置された搬送ローラ24は、巻き出しローラ23から供給された基板21を成膜領域31に誘導する。成膜領域31から見て、搬送方向の下流に配置された搬送ローラ24は、基板21を巻き取りローラ26に誘導する。巻き取りローラ26は、モータ等の駆動手段(図示せず)によって駆動され、成膜後の基板21を巻き取って保存する。巻き出しローラ23及び巻き取りローラ26は、それぞれ、基板21の送出位置及び回収位置を構成している。
蒸発源9は、成膜領域31で基板21の第1主面上に薄膜を形成するために使用される。蒸発源9は、薄膜の原料を保持する坩堝を含み、成膜領域31の下方に設けられている。電子銃19からの電子ビームによって、蒸発源9に保持された原料が加熱されて蒸発する。原料の蒸気(原料粒子)は、上方に向けて移動して成膜領域31で基板21に付着する。これにより、基板21の上に薄膜が形成される。
長時間の連続成膜を行うために、真空をパージ(purge)することなく蒸発源9に原料を追加するための原料供給機が真空槽22の内部に設けられていてもよい。供給するべき原料の形態は特に限定されない。例えば、棒状の原料を溶かすことによって生成した原料融液を液滴の形で蒸発源9に供給することができる。この方法によれば、蒸発源9に保持された融液の温度変化を抑えることができるとともに、原料の蒸発速度等が変動しにくいので好ましい。棒状の原料を溶かすために電子ビームを使用できる。棒状の原料及び蒸発源9に保持された原料のそれぞれに単一の電子銃19から電子ビームを照射することも可能である。この構成によれば、薄膜の製造装置100Aの簡素化を図れるので、コストの低減を期待できる。
電子銃19としては、直進銃及び偏向銃のいずれも使用できる。大面積の成膜を行う場合には、高出力かつ電子ビームの走査範囲の広い直進銃を使用することが好ましい。ただし、電子銃19の鏡筒内部の汚染を防止する観点から、電子ビームの軌道を数度程度屈曲させることは有効である。
巻き取り式に代表される連続式の真空蒸着において、成膜幅よりも広い開口幅の矩形坩堝を蒸発源9に使用できる。そのような坩堝は、基板21の幅方向の膜厚均一性を確保する観点で有効である。棒状の原料を溶かすための電子ビームの照射位置、及び、溶けた原料の蒸発源9への滴下位置は、蒸発源9に保持された融液を蒸発させるための電子ビームの走査範囲の外側に設定されうる。このようにすれば、原料を追加することによる融液の温度変化及び融液の表面の振動を抑制できる。すなわち、成膜条件への影響を小さくすることができる。電子ビームの照射位置の制御は、電子銃システムに設けられた電子ビーム走査回路を用い、磁場を発生させるためのコイル電流を綿密に制御することによって達成される。
原料ガス導入管30は、真空槽22の内部の空間に向けられた一端と、真空槽22の外部に延びている他端とを有する。原料ガス導入管30の一端は、例えば、蒸発源9と成膜領域31との間の空間に向けられている。原料ガス導入管30の他端は、真空槽22の外部において、ガスボンベ、ガス発生器等の原料ガス供給源に接続されている。原料ガス導入管30を使用すれば、蒸発源9から蒸発した原料に酸素、窒素等のガスを混合できる。これにより、蒸発源9から蒸発した原料の酸化物、窒化物又は酸窒化物を主成分として含む薄膜が基板21に形成される。
真空ポンプ32は、真空槽22に接続されている。真空ポンプ32として、ロータリポンプ、油拡散ポンプ、クライオポンプ及びターボ分子ポンプ等の各種真空ポンプを使用できる。
コータ11は、基板21の第2主面、すなわち、薄膜を形成するべき面とは反対側の面に基板冷却材料10を付与するために使用される。本実施形態において、巻き出しローラ23(送出位置)と成膜領域31との間の搬送経路上で基板冷却材料10が基板21の第2主面に付与されるように、コータ11の位置が設定されている。成膜直前に基板冷却材料10を基板21に付与すれば、成膜領域31に到達する前に基板冷却材料10が基板21から離脱することを極力防止できる。
本実施形態において、コータ11は、基板冷却材料10を基板21の第2主面上に蒸着するように構成されている。蒸着法によれば、比較的容易に均一かつ必要最小限の厚さで基板冷却材料10を基板21に付与することができる。
図2に示すように、コータ11は、容器34、ヒータ35及びノズル36を備えている。容器34は、基板冷却材料10を保持する。ヒータ35は、容器34に保持された基板冷却材料10を加熱する。ノズル36には、容器34の内部から基板21の第2主面に向かって延びる吐出ポート37(スリット)が設けられている。吐出ポート37の幅(内径)は、例えば0.05〜0.2mmである。吐出ポート37を通じて、基板冷却材料10の蒸気が基板21の第2主面に導かれる。このような構成によれば、基板冷却材料10を基板21に効率的かつ容易に付与できる。なお、コータ11は、真空をパージすることなく真空槽22の外部から基板冷却材料10を容器34に供給できるように構成されていてもよい。
基板21に基板冷却材料10を付与できる限りにおいて、コータ11の構成は何ら限定されない。例えば、コータ11は、基板21の搬送方向に沿って一定の間隔で配置された複数の吐出ポート37を有していてもよい。互いに隣り合う吐出ポート37の間隔は、例えば2〜10mmである。また、吐出ポート37として、複数の細孔、空間通路を有する金属焼結体等がコータ11に設けられていてもよい。
真空槽22の内部に基板冷却材料10が飛散することを防止する観点から、コータ11から基板21までの距離は短ければ短いほど好ましい。逆に、コータ11と基板21との接触を防止する観点から、コータ11が基板21から適度に離れていることが好ましい。コータ11と基板21との距離は、例えば2〜20mmである。また、コータ11からの輻射熱が基板21に加わることを防止するために、コータ11と基板21との間に遮熱材38が設けられていてもよい。遮熱材38は開口部38hを有している。開口部38hはコータ11の吐出ポート37に向かい合っている。基板冷却材料10の蒸気は、開口部38hを通って、コータ11から基板21に進める。
基板冷却材料10は、蒸気の形で基板21に吹き付けられる。基板冷却材料10を付与すると基板21の温度が上昇するので、成膜領域31に到達するよりも前に基板21を冷却することが望ましい。本実施形態によれば、基板冷却材料10を付与した後、成膜領域31に到達する前に、基板21が搬送ローラ24に接触する。搬送ローラ24によって基板21は冷却される。また、巻き出しローラ23と成膜領域31との間の搬送経路において、基板21は、搬送ローラ24によって支持された部分を有している。その支持された部分に対して、基板冷却材料10が付与される。このようにすれば、基板冷却材料10を基板21に付与することに基づく基板21の温度上昇を抑制できる。好適には、基板冷却材料10を付与した後、成膜領域31に到達する前に、基板21の第2主面が搬送ローラ24に接触することなく、基板21の第1主面のみが搬送ローラ24に支持されるように、搬送系40が構成されていることである。このようにすれば、搬送ローラ24に基板冷却材料10が付着することを防止しつつ、基板21を搬送ローラ24で冷却できる。さらに、冷却は、輻射冷却によって行われてもよい。
なお、基板冷却材料10の蒸気を基板21に吹き付けることは必須ではない。例えば、コータ11は、液状の基板冷却材料10を基板21に噴射又は滴下するように構成されていてもよい。さらに、コータ11が基板冷却材料10を含浸した回転体を有し、回転体に基板21を接触させることによって基板冷却材料10を基板21に付与することもできる。真空度の大幅な悪化を招かない限り、基板冷却材料10の付与方法は限定されない。
基板冷却材料10を付与するときの基板21の姿勢も特に限定されない。例えば、直線状に張られた基板21に対して、基板冷却材料10を付与することも可能である。具体的には、図3に示すように、搬送ローラ24と搬送ローラ24との間を直線的に走行中の基板21に基板冷却材料10を付与しうる。
次に、薄膜の製造装置100Aを使用して薄膜を製造する方法を説明する。
まず、巻き出しローラ23に基板21を準備する。基板21としては、長尺かつ帯状のものを使用できる。基板21の材料は特に限定されず、金属箔、高分子フィルム、これらの複合体等を使用できる。金属箔としては、アルミ箔、銅箔、ニッケル箔、チタニウム箔、ステンレス箔等が挙げられる。高分子フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド等の樹脂でできたフィルムが挙げられる。
基板21の寸法も特に限定されない。基板21は、例えば、50〜1000mmの幅を有し、3〜150μmの厚さを有する。基板21の幅が広すぎたり狭すぎたりすると生産性の点で課題が生ずる場合がある。基板21が薄すぎると、基板21の熱容量が極めて小さいため熱損傷が発生しやすい。しかし、これらの課題は、本発明の実施を妨げるものではない。
リチウムイオン二次電池の極板を製造する場合、集電体としての基板21には、金属箔、典型的には銅箔(銅合金箔を含む)が使用される。銅箔の表面は粗化されていてもよい。そのような銅箔は、例えば、古河サーキットフォイル社から入手できる。また、銅箔は圧延されていてもよい。蒸発源9には、リチウムイオン二次電池の活物質材料として、例えばシリコンが準備される。シリコンの融点は約1410℃と高い。そのため、成膜中に基板21に比較的大きい熱負荷が加わる。大きい熱負荷は、基板21の強度(引っ張り強度)を低下させる。基板21の強度の低下を防止するために、リチウムイオン二次電池の極板の製造に本実施形態で説明する方法を好適に採用できる。
基板21を準備したら、真空ポンプ32を動かして真空槽22の内部を排気する。成膜時において、真空槽22の内部は薄膜の形成に適した圧力、例えば1.0×10-2〜1.0×10-4Paに保たれる。
真空槽22の排気と並行して、蒸発源9に保持された薄膜の原料を加熱する。原料は、電子ビームによる加熱でその一部が蒸発しつつある液相状態にある。ただし、原料として昇華型材料を使用する場合はこの限りではない。原料の種類及び蒸発速度にもよるが、電子ビームの加速電圧は−8〜−30kV程度であり、電子ビームの出力は5〜280kW程度である。
電子ビーム以外の加熱方法を採用することも可能である。例えば、キャパシタの極板を製造する場合、基板21の上に酸化アルミニウム薄膜を形成する。図4に示すように、原料供給機6からボート7に薄膜の構成材料としてのアルミニウム(アルミニウム線材5)を供給しながら、抵抗加熱によってアルミニウムを溶解及び蒸発させることができる。原料ガス導入管30から成膜領域31に向けて酸素ガスを供給すれば、基板21に酸化アルミニウムが堆積する。基板21の幅方向に関して複数台のボート7が並べられていてもよい。このことは、蒸発源9についても同じである。
成膜の準備が完了したら、搬送経路に沿って、基板21を巻き出しローラ23から巻き取りローラ26へと搬送する(搬送工程)。搬送経路上に設定された成膜領域31で基板21の第1主面上に薄膜を形成する(薄膜形成工程)。成膜時には、巻き出しローラ23から成膜領域31に基板21を供給する操作と、基板21を成膜領域31から巻き取りローラ26に回収する操作とが同期して行われる。すなわち、薄膜の製造装置100Aは、巻き出しローラ23から巻き取りローラ26へと搬送中の基板21の上に薄膜を形成する、いわゆる巻き取り式の薄膜の製造装置である。巻き取り式の薄膜の製造装置によると、長時間の連続成膜が可能なので高い生産性を達成できる。
ただし、基板21は、ディスクリート基板(discrete substrate)であってもよい。ディスクリート基板に薄膜を形成する場合には、多数枚集積された基板を送出ストッカーから成膜領域に順次送り出す。成膜後、回収ストッカーに基板を順次格納する。送出ストッカー(送出位置)から成膜領域への搬送経路上において、ディスクリート基板に基板冷却材料10を付与することができる。
基板21の搬送速度は、薄膜の種類及び成膜条件によって異なり、例えば0.1〜500m/分である。平均成膜速度も特に限定されず、例えば20〜800nm/秒である。搬送中の基板21には、基板21の長手方向に関して、適切な強さの張力が印加される。張力の強さは、基板21の材料、基板21の厚さ、成膜速度等の条件によって適宜調節される。
基板21の上に一定の幅(例えば100〜600mm)を有する薄膜が形成されるように、基板21の幅方向に関して50〜400mmの開口長を有するメタルマスクが成膜領域31に配置されていてもよい(図示省略)。基板21からメタルマスクまでの距離は、例えば1〜8mmである。
薄膜形成工程に先立って、コータ11を使用して、巻き出しローラ23と成膜領域31との間の搬送経路上で基板21の第2主面に基板冷却材料19を付与する(付与工程)。基板冷却材料10は、蒸気の形でコータ11の吐出ポート37から放出され、基板21の第2主面に到達し、第2主面上で薄膜状に液化又は固化する。基板冷却材料10は、薄膜形成工程の前に第2主面上で液相又は固相状態を保っている。従って、基板冷却材料10の気化熱(潜熱)で基板21を冷却できる。この点は、従来のガス冷却と大きく異なっている。
基板冷却材料10としては、炭化水素、オイル及び高級アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含むものを使用できる。これらの材料は、基板21に残渣として残りにくいので好適である。炭化水素としては、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等のアルカンが挙げられる。オイルとしては、フォンブリン(ソルベイソレクシス社の登録商標)Y03、フォンブリンY06等のフッ素オイルが挙げられる。高級アルコールとしては、炭素数が8〜12のもの、例えばオクタノールが挙げられる。また、低密度ポリエチレン等の比較的低い融点を持つ高分子材料を使用することもできる。その他、薄膜を形成する際の真空環境下で液体又は固体の材料を基板冷却材料10に使用できる。基板冷却材料10の組成は、基板21の材料、基板21の厚さ、基板21の到達温度、薄膜の構成材料、成膜速度、輻射熱の強さ、要求される冷却の度合い、真空度等の様々な条件を考慮して適切に決定される。
一例として、シリコン薄膜を基板21の上に形成する場合、基板冷却材料10としてオクタノールを使用できる。コータ11としては、吐出ポート37に多孔質金属焼結体が設けられたものを使用できる。シリコン酸化物薄膜を基板21の上に形成する場合、基板冷却材料10としてフッ素オイル(フォンブリン)を使用できる。コータ11としては、複数の吐出ポート37を有するものを使用できる。
基板21に付与するべき基板冷却材料10の量も上記した条件を考慮して適切に調節される。従って、基板21の第2主面における基板冷却材料10の厚さは特に限定されない。一例として、基板21の第2主面において、基板冷却材料10は、5〜100nmの厚さを有する。
基板21に付与された基板冷却材料10は、基板21とともに搬送されて成膜領域31に到達する。成膜領域31では蒸発源9から飛来した原料粒子による熱と、蒸発源9からの輻射熱とを受けながら、基板21の第1主面上に薄膜が形成される。その際、基板冷却材料10は、基板21から熱を奪って蒸発する。基板21は、薄膜の形成によって加熱される一方で、基板冷却材料10の蒸発によって冷却される。従って、基板21の温度上昇を抑制できる。
基板冷却材料10は、成膜領域31でその全量が蒸発してもよいし、基板21に若干残ってもよい。微量の基板冷却材料10が基板21に残ったとしても、薄膜の品質に悪影響が及ぶ可能性は低い。成膜後の基板21に基板冷却材料10が残る場合には、必要に応じて、基板21から基板冷却材料10を除去する工程を実施してもよい。拭き取り、加熱、後述するプラズマ照射等の方法で基板21から基板冷却材料10を除去できる。基板21に残った基板冷却材料10及び真空槽22の内部の部材に付着した基板冷却材料10は、発生ガス分析法(EGA:Evolved Gas Analysis)又はその他の微量化学分析によって検出可能である。成膜後の基板21を発生ガス分析法にて分析すると、基板21に基板冷却材料10が残っているかどうかを調べることができる。
基板21は、巻き出しローラ23から巻き出された後、搬送ローラ24を経由して成膜領域31に到達する。成膜領域31おいて、基板21の第1主面上に薄膜が形成される。必要に応じて、原料ガス導入管30から成膜領域31に向けて原料ガスを供給してもよい。この場合、蒸発源9に保持された原料と、原料ガス導入管30から供給された原料との化合物でできた薄膜を形成できる。成膜領域31を通過した後、基板21は、別の搬送ローラ24を経由して巻き取りローラ26に巻き取られる。
本実施形態では、移動中の基板21に対して、基板冷却材料10を基板21の第2主面に付与する工程と、薄膜を形成する工程とが実施される。つまり、基板21をゆっくり動かしながら、各工程が実施される。そのため、高い生産性で薄膜を形成することができる。ただし、基板21を間欠的に少しずつ動かすことも可能である。つまり、一時的に止まっている基板21の上に基板冷却材料10を付与したり、薄膜を形成したりしてもよい。
以下、いくつかの変形例を説明する。各変形例において、図1を参照して説明した構成要素と同じ構成要素に対して同じ符号を使用し、その説明を省略する。
(変形例1)
図5は、成膜源としてのスパッタ源8を備えた薄膜の製造装置100Bの概略図である。
図5は、成膜源としてのスパッタ源8を備えた薄膜の製造装置100Bの概略図である。
スパッタ源8は、成膜領域31の下方に配置されている。スパッタ源8は、例えば、透明電極の製造に使用できる。基板21として、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の樹脂フィルムを使用できる。真空槽22の内部を排気した後、真空槽22にアルゴンガス等の不活性ガスを導入するとともに、スパッタ源8の構成材料であるITOターゲットを使用して、高周波スパッタにより、基板21の第1主面上にITO薄膜を形成する。例えば、10〜150μmの厚さを有する基板21の上に0.3〜10μmの厚さを有するITO薄膜を形成できる。スパッタリング法による平均成膜速度は、一般に、蒸着法による平均成膜速度よりも遅く、例えば0.5〜5nm/秒である。基板21の搬送速度は、例えば0.05〜1m/分である。
(変形例2)
図6は、図1を参照して説明した構成に加えて、プラズマ発生器14及び受熱体16をさらに備えた薄膜の製造装置100Cの概略図である。プラズマ発生器14及び受熱体16の一方のみが設けられていてもよい。
図6は、図1を参照して説明した構成に加えて、プラズマ発生器14及び受熱体16をさらに備えた薄膜の製造装置100Cの概略図である。プラズマ発生器14及び受熱体16の一方のみが設けられていてもよい。
受熱体16は、成膜領域31で基板21の第2主面に向かい合っており、かつ、基板21の第2主面から蒸発した基板冷却材料10より熱を受け取ることができる。薄膜の製造装置100Cにおいて、搬送経路は、成膜領域31で基板21が直線走行するように設計されている。そのため、受熱体16としては、基板21に向かい合う平坦な面を有する部材を好適に使用できる。この場合、受熱体16と基板21との間隔を一定に保つことができる。直線形状を保っている基板21に対し、平坦な面を有する受熱体16を近づけることによって、基板21の第2主面に平行な方向に関して、均一に受熱体16の冷却効果が発揮されうる。
基板冷却材料10は、成膜領域31で基板21に加えられた熱で蒸発し、基板21から気化熱を奪う。蒸発した基板冷却材料10は、基板21と受熱体16との間に気体分子の形でしばらく滞在する。基板冷却材料10の気体分子は、基板21と受熱体16との間の熱伝導を促す。つまり、蒸発した基板冷却材料10が媒体となって、高い冷却効果を得ることができる。
真空中で基板を冷却する方法の1つとして、基板と支持体との間にガスを導入する方法が挙げられる。この方法によれば、ガスによって基板と支持体との間の熱伝導が促される。他方、本変形例によれば、基板冷却材料10の気化熱で基板21を冷却する効果と、基板冷却材料10によって基板21と受熱体16との間の熱伝導を促す効果との両方が得られる。従って、ガス冷却で真空ポンプに加わる負荷が、本変形例で真空ポンプ32に加わる負荷と同程度であったとしても、本変形例は、単なるガス冷却よりも高い冷却効果を発揮しうる。
受熱体16は、基板21の近くに配置されていることが好ましい。基板21と受熱体16との間隔は、例えば0.1〜3mmに設定される。この間隔が適切に調節されていると、受熱体16と基板21との接触を防止しつつ、蒸発した基板冷却材料10によって基板21と受熱体16との間の熱伝導を促す効果を十分に得ることができる。
また、受熱体16は、蒸発した基板冷却材料10が真空槽22の内部に飛散することを防止する効果も発揮する。従って、受熱体16は、基板21の幅方向に関して、基板21よりも広い幅を有していることが好ましい。
受熱体16は、冷却器39によって冷却されていてもよい。冷却器39の構造は特に限定されない。冷却器39として、水、不凍液、オイル等の冷媒を用いたものが挙げられる。冷却器39は、受熱体16に内蔵されていてもよいし、受熱体16に接しているだけでもよい。冷凍機等を用いて真空槽22の外部で冷却された冷媒を冷却器39に循環させることによって、受熱体16を冷却できる。
受熱体16の材料も特に限定されない。金属、セラミック、ガラス等の材料を受熱体16の材料として使用できる。低温を維持しやすく、かつ高い輻射率を有する材料で受熱体16が構成されていると、輻射冷却の効果が増す。
また、受熱体16が基板冷却材料10を回収する機能を有していてもよい。受熱体16の下部が基板21に向かい合っている場合、受熱体16の下部が吸着機能を有していてもよい。受熱体16が単なる金属ブロックで構成されている場合、基板冷却材料10が排気されずに受熱体16に付着し、やがて基板21に落下する可能性がある。この現象を防止するために、受熱体16の表面に孔及び/又は突起を設けたり、受熱体16の表面に多孔質構造を設けたりすることが有効である。具体的には、受熱体16の一部又は全部が基板冷却材料10を捕捉する吸着材、典型的には多孔質材で構成されていてもよい。そのような吸着材が成膜領域31で基板21の第2主面に向かい合う位置に配置されていると、真空槽22の内部に基板冷却材料10が飛散しにくいので好ましい。
次に、プラズマ発生器14について説明する。プラズマ発生器14に関する以下の説明は、他の変形例にも援用されうる。
プラズマ発生器14は、成膜領域31と巻き取りローラ26(回収位置)との間の搬送経路上に設けられている。成膜後、プラズマ発生器14を使用して、基板21の第2主面上に残存している基板冷却材料10を分解する。具体的に、プラズマ発生器14は、ガス導入管15、放電電極17及び筐体20を備えている。半密閉式の筐体20には、基板21の出入り口としてのスリットが2箇所に設けられている。基板21が筐体20の内部を通過するように、搬送経路が設定されている。ガス導入管15は、筐体20に接続された一端と、真空槽22の外部に延びている他端とを有する。ガス導入管15の他端は、真空槽22の外部において、ガスボンベ、ガス発生器等のガス供給源に接続されている。放電電極17は、筐体20の内部に設けられている。
ガス導入管15を通じて筐体20に供給されたガスが放電電極17によって励起され、筐体20の内部にプラズマが発生する。基板21の周囲に発生したプラズマによって、基板21に残った基板冷却材料10が分解される。基板冷却材料10の分解物は、基板21から比較的容易に離脱し、排気される。分解物は、基板冷却材料10に比べて小さい分子量を有しているので、真空槽22の内部の部材に付着することなく高い確率でガスとして排気される。
プラズマを発生させるためのプロセスガスの組成は特に限定されない。一般に、有機物のアッシングには、プロセスガスとして酸素ガスが使用される。酸素ガスは取り扱いが容易である。酸素プラズマは有機物の分解能力も高く、基板冷却材料10を低分子量の炭化水素、COx、H2O等に迅速に分解することができる。酸素ガス以外には、オゾンガス、希ガス、窒素ガス、ハロゲンガス、水素ガス、フロンガス等を使用できる。2種以上のガスの混合物、例えば、主成分としての酸素ガスと少量のハロゲンガスとの混合ガスを使用することも可能である。「主成分」とは、体積比で最も多く含まれた成分を意味する。
筐体20に導入するべきプロセスガスの流量も特に限定されず、プラズマ放電の状態、要求される真空度等を考慮して決定される。プラズマ放電の状態は、筐体20のコンダクタンス及び排気ポンプ32の能力にも依存する。高品質の薄膜を形成するために、蒸発源9及び成膜領域31にとって十分な真空度が要求される点に留意するべきである。プロセスガスの流量は、マスフローコントローラによって制御され、例えば10〜500sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)である。
放電電極17に印加するべき電圧は、直流及び交流のいずれであってもよい。高周波電圧を放電電極17に印加してもよい。印加電圧は、筐体20の内部の圧力及びプロセスガスの種類にもよるが、例えば500〜1500Vである。高周波の場合の供給電力は、例えば50〜500W(又は50〜300W)である。
(変形例3)
図7は、図3を参照して説明した変形例1と図6を参照して説明した変形例2との組み合わせである。すなわち、薄膜の製造装置100Dは、スパッタ源8、受熱体16及びプラズマ発生器14を備えている。このように、本明細書に記載された各構成は、基板冷却材料10による基板21の冷却効果が得られる限り、適宜組み合わせることができる。
図7は、図3を参照して説明した変形例1と図6を参照して説明した変形例2との組み合わせである。すなわち、薄膜の製造装置100Dは、スパッタ源8、受熱体16及びプラズマ発生器14を備えている。このように、本明細書に記載された各構成は、基板冷却材料10による基板21の冷却効果が得られる限り、適宜組み合わせることができる。
(変形例4)
図8は、図1を参照して説明した構成に加えて、プラズマ発生器14及び回収機構42をさらに備えた薄膜の製造装置100Eの概略図である。
図8は、図1を参照して説明した構成に加えて、プラズマ発生器14及び回収機構42をさらに備えた薄膜の製造装置100Eの概略図である。
図8に示すように、回収機構42は、成膜領域31に滞在中の基板21の第2主面に向かい合う位置に設けられている。回収機構42を使用すれば、成膜領域31で蒸発した基板冷却材料10を成膜領域31で効率的に回収できる。そのため、基板冷却材料10が薄膜の品質に悪影響を及ぼしたり、真空槽22の内部に飛散したりすることを防止できる。
図9に示すように、回収機構42は、ガス導入管15、放電電極17、排気ポート18及び筐体43を備えている。筐体43は、基板21の第2主面に向かって開口しており、基板21の第2主面から蒸発した基板冷却材料10が真空槽22の内部に飛散することを妨げる。成膜領域31において、基板21の第2主面は筐体43で覆われている。排気ポート18は、成膜領域31に滞在中の基板21の第2主面に向かい合う位置に設けられている。本実施形態では、筐体43の天井に相当する部分に複数の排気ポート18が設けられている。排気ポート18を通じて、成膜領域31で蒸発した基板冷却材料10が真空槽22の外部に排気される。ただし、筐体43における排気ポート18の位置は特に限定されない。排気ポート18が基板21の第2主面に向かい合っていなくてもよい。排気ポート18が筐体43の内部に向かって開口している限り、基板冷却材料10が筐体43の外部に漏れて真空槽22の内部に拡散するよりも前に、排気ポート18を通じて基板冷却材料10を速やかに真空槽22の外部に排気できる確率が高まる。
図9に示すように、各排気ポート18には排気管45が接続されている。また、排気管45は、真空槽22の外部に設けられた真空ポンプ46に接続されている。すなわち、真空槽22の内部を排気するための真空ポンプ32とは別に、排気ポート18及び排気管45を通じて筐体43の内部を排気するための真空ポンプ46が設けられている。このような構造によれば、より効率的に基板冷却材料10を回収できる。排気ポート18の寸法(内径)は特に限定されず、例えば5〜50mmである。
回収機構42は、さらに、プラズマ発生器47を有している。プラズマ発生器47は、ガス導入管15及び放電電極17によって構成されている。ガス導入管15は、筐体43に接続された一端と、真空槽22の外部に延びている他端とを有する。ガス導入管15の他端は、真空槽22の外部において、ガスボンベ、ガス発生器等のガス供給源に接続されている。放電電極17は、筐体43の内部に設けられている。詳細には、放電電極17は、基板21と排気ポート18との間に設けられている。同様に、ガス導入管15の一端は、基板21と排気ポート18との間の空間に向かって開口している。このような位置関係によれば、基板21と排気ポート18との間の空間でプラズマが発生する。この場合、基板冷却材料10は、成膜領域31で蒸発し、基板21から排気ポート18への経路上において、プラズマによって分解される。変形例3で説明したように、基板冷却材料10の分解物は、比較的容易に排気される。
プラズマ発生用のガスが筐体43の外部に漏れることをなるべく防ぐために、筐体43と基板21とのすき間を狭くすることが好ましい。また、筐体43は、基板21の幅方向に関して壁部を有していてもよい。筐体32の壁部が基板21の両端部の近傍から基板21の垂直方向に立ち上がっていると、ガスの漏れを減らすことができる。
(変形例5)
図10は、図1を参照して説明した構成に加えて、第1プラズマ発生器14、第2プラズマ発生器54及び円筒状キャン25をさらに備えた薄膜の製造装置100Fの概略図である。プラズマ発生器14及び54は、省略されていてもよい。
図10は、図1を参照して説明した構成に加えて、第1プラズマ発生器14、第2プラズマ発生器54及び円筒状キャン25をさらに備えた薄膜の製造装置100Fの概略図である。プラズマ発生器14及び54は、省略されていてもよい。
具体的に、薄膜の製造装置100Fは、円筒状キャン25(キャンローラ)を有する搬送系50を備えている。円筒状キャン25は、基板21の搬送速度と同じ速度で回転しうるローラ状部材であって、成膜領域31に配置されている。詳細には、円筒状キャン25の外周面の一部が成膜領域31に向かい合っている。搬送系50による搬送経路の一部は、円筒状キャン25によって形成されている。円筒状キャン25の外周面に支持された基板21に薄膜の構成材料を堆積させることによって、基板21の第1主面上に薄膜が形成される。円筒状キャン25は、長尺かつ帯状の基板21の上に薄膜を形成する際にしばしば使用される。円筒状キャン25は、搬送経路を形成する役割だけでなく、基板21から熱を受け取る受熱体としての役割も担っている。
円筒状キャン25を本発明に適用すると、以下の理由により、高い冷却効果を得ることができる。
まず、基板21の第2主面に基板冷却材料10が付与されていない場合を考える。この場合、基板21と円筒状キャン25との直接的な接触に基づいて基板21の熱が円筒状キャン25に移動する。しかし、真空中で基板21を円筒状キャン25に密着させることは難しい。従って、円筒状キャン25による基板21の冷却効果は必ずしも十分ではない。特に、基板21が金属箔で構成されている場合、基板21と円筒状キャン25との間の距離が1μmを超える領域が発生しやすい。基板21及び円筒状キャン25が極めて高い寸法精度を有していない限り、十分な熱伝導は期待できない。
これに対し、基板21の第2主面に基板冷却材料10が付与されている場合を考える。この場合、基板冷却材料10は、成膜領域31で基板21から熱を奪って蒸発する。基板21が円筒状キャン25に支持されているので、基板冷却材料10の気体分子は、基板21と円筒状キャン25との間の狭い空間に滞在し、基板21と円筒状キャン25との間の熱伝導を促す。つまり、蒸発した基板冷却材料10が媒体となって、高い冷却効果を得ることができる。変形例2と同様に、基板冷却材料10の気化熱で基板21を冷却する効果と、基板冷却材料10によって基板21と円筒状キャン25との間の熱伝導を促す効果との両方が得られる。特に、本変形例では、基板21が円筒状キャン25に支持されているので、基板21と円筒状キャン25との間の狭い空間に基板冷却材料10を閉じ込めやすい。従って、熱伝導を促す効果をより十分に得ることができる。
従来から、真空中で基板を円筒状キャンに接触させにくいことは知られている。例えば、長尺の高分子フィルムを基板として使用して磁気テープを製造する場合において、高分子フィルム及び/又は円筒状キャンに電子線を照射し、静電引力を利用して高分子フィルムと円筒状キャンとの接触を改善する技術が知られている。しかし、この技術を採用するためには、高価な電子線照射装置が必要である。本変形例では、そのような電子線照射装置を使用するまでもなく、基板21と円筒状キャン25との間の熱伝導を改善できる。もちろん、電子線照射装置を併用することも可能である。
円筒状キャン25による基板21の冷却を促すために、円筒状キャン25は、冷却器によって冷却されていてもよい。冷却器として、例えば、変形例2で説明したものを使用できる。円筒状キャン25は、大きい熱容量を有していることが好ましく、例えば、ステンレス等の金属材料で構成されうる。
薄膜の製造装置100Fは、また、2つのプラズマ発生器14及び54を備えている。第1プラズマ発生器14の詳細は変形例2で説明した通りである。第2プラズマ発生器54は、円筒状キャン25の外周面に付着した基板冷却材料10を分解する役割を担う。これにより、円筒状キャン25に基板冷却材料10が蓄積することを防止できる。
第2プラズマ発生器54は、成膜領域31に向かい合う側とは反対側において、円筒状キャン25の近くに設けられている。第2プラズマ発生器54は、ガス導入管15、放電電極17及び筐体55を有する。ガス導入管15及び放電電極17の詳細は変形例2で説明した通りである。筐体55は、円筒状キャン25の外周面に向かって開口している。図10に示すように、プラズマ発生用のガスの閉じ込め効果を高めるために、筐体55は、円筒状キャン25の外周面に沿って湾曲した開口部を有していてもよい。筐体55の中でプラズマ(グロー放電プラズマ)を発生させると、円筒状キャン25の外周面がプラズマに曝される。その結果、円筒状キャン25の外周面に付着している基板冷却材料10が分解される。
以上、本明細書で説明した薄膜の製造方法及び製造装置によれば、真空度の悪化を抑制しながら、基板21を効率よく冷却できる。従って、真空ポンプ等の設備の大型化を回避し、尚且つ低コストで、高い成膜速度を達成しうる。基板21を十分に冷却できるので、高速成膜を行ったとしても基板21が熱損傷を受けにくい。
本発明は、高速で安定して薄膜を形成することが要求される様々な用途に適用できる。例えば、透明電極、電池用極板及びキャパシタ用極板の製造に本発明を好適に採用できる。ただし、本発明の適用範囲はこれらに限定されない。電気化学キャパシタ用極板、装飾フィルム、太陽電池、磁気テープ、ガスバリア膜、センサ、光学膜、硬質保護膜等の様々な膜の製造に本発明を適用できる。また、薄膜を含むデバイスを製造するための装置に本発明を応用できる。
Claims (27)
- 真空中で基板の第1主面上に薄膜を形成する工程と、
前記薄膜形成工程に先立って、前記薄膜を形成する際に前記基板に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料を前記基板の第2主面に付与する工程と、
を含む、薄膜の製造方法。 - 前記基板冷却材料が、前記薄膜形成工程の実施前に前記第2主面上で液相状態にある、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
- 前記基板冷却材料が、炭化水素、オイル及び高級アルコールからなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
- 真空中の成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する工程をさらに含み、
前記送出位置と前記成膜領域との間の前記搬送経路上で前記基板に前記基板冷却材料が付与されるように前記付与工程を実施する、請求項1に記載の薄膜の製造方法。 - 前記搬送経路を移動中の前記基板に対して、前記付与工程及び前記薄膜形成工程を実施する、請求項4に記載の薄膜の製造方法。
- 前記付与工程が、前記基板冷却材料を前記第2主面上に蒸着する工程を含む、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
- 真空中の成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する工程をさらに含み、
前記成膜領域において、前記基板の前記第2主面は、前記基板の前記第2主面から蒸発した前記基板冷却材料より熱を受け取ることができる受熱体に向かいあっている、請求項1に記載の薄膜の製造方法。 - 前記受熱体が冷却器によって冷却されている、請求項7に記載の薄膜の製造方法。
- 真空中の成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する工程と、
前記成膜領域で蒸発した前記基板冷却材料を前記成膜領域で回収する工程と、
をさらに含む、請求項1に記載の薄膜の製造方法。 - 前記回収工程は、前記成膜領域に滞在中の前記基板の前記第2主面に向かい合う位置に設けられた排気ポートを通じて、前記成膜領域で蒸発した前記基板冷却材料を真空外に排気する工程を含む、請求項9に記載の薄膜の製造方法。
- 前記回収工程は、前記基板から前記排気ポートへの経路上において、前記基板冷却材料をプラズマで分解する工程をさらに含む、請求項10に記載の薄膜の製造方法。
- 真空中の成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する工程をさらに含み、
前記搬送経路の一部が前記成膜領域に配置された円筒状キャンによって形成されており、
前記薄膜形成工程は、前記円筒状キャンの外周面に支持された前記基板に前記薄膜の構成材料を堆積させる工程を含む、請求項1に記載の薄膜の製造方法。 - 前記薄膜を形成した後、前記第2主面上に残存している前記基板冷却材料をプラズマで分解する工程をさらに含む、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
- 前記プラズマを発生させるためのガスとして酸素ガスを使用する、請求項11に記載の薄膜の製造方法。
- 前記プラズマを発生させるためのガスとして酸素ガスを使用する、請求項13に記載の薄膜の製造方法。
- 前記基板が金属箔である、請求項1に記載の薄膜の製造方法。
- 真空槽と、
前記真空槽内に配置され、前記真空槽内の成膜領域で基板の第1主面上に薄膜を形成するための成膜源と、
前記真空槽内に配置され、前記成膜領域を前記基板が通過するように設定された搬送経路に沿って、前記基板を送出位置から回収位置へと搬送する搬送系と、
前記薄膜を形成する際に前記基板に加わる熱によって蒸発しうる基板冷却材料を前記基板の第2主面に付与するコータと、
を備えた、薄膜の製造装置。 - 前記送出位置と前記成膜領域との間の前記搬送経路上で前記基板冷却材料が前記基板の前記第2主面に付与されるように、前記搬送経路において前記コータの位置が設定されている、請求項17に記載の薄膜の製造装置。
- 前記コータは、前記基板冷却材料を前記第2主面上に蒸着するように構成されている、請求項17に記載の薄膜の製造装置。
- 前記成膜領域で前記基板の前記第2主面に向かい合っており、かつ、前記基板の前記第2主面から蒸発した前記基板冷却材料より熱を受け取ることができる受熱体をさらに備えた、請求項17に記載の薄膜の製造装置。
- 前記受熱体を冷却する冷却器をさらに備えた、請求項20に記載の薄膜の製造装置。
- 前記成膜領域で前記基板の前記第2主面に向かい合っており、かつ、前記基板の前記第2主面から蒸発した前記基板冷却材料を捕捉する吸着材をさらに備えた、請求項17に記載の薄膜の製造装置。
- 前記成膜領域で蒸発した前記基板冷却材料を前記成膜領域で回収する回収機構をさらに備えた、請求項17に記載の薄膜の製造装置。
- 前記回収機構は、前記成膜領域に滞在中の前記基板の前記第2主面に向かい合う位置に設けられた排気ポートを有し、
前記排気ポートを通じて、前記成膜領域で蒸発した前記基板冷却材料が前記真空槽の外部に排気される、請求項23に記載の薄膜の製造装置。 - 前記回収機構は、前記第2主面から前記排気ポートへの経路上において、前記基板冷却材料を分解するプラズマ発生器をさらに有する、請求項24に記載の薄膜の製造装置。
- 前記搬送系が前記成膜領域に配置された円筒状キャンを有し、
前記円筒状キャンの外周面に支持された前記基板に前記薄膜の構成材料を堆積させる、請求項17に記載の薄膜の製造装置。 - 前記成膜領域と前記回収位置との間の前記搬送経路上に設けられ、前記第2主面上に残存している前記基板冷却材料を分解するプラズマ発生器をさらに備えた、請求項17に記載の薄膜の製造装置。
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