JPWO2012111684A1 - 自動細胞ハンドリングロボットにおける泡沫除去デバイス - Google Patents

自動細胞ハンドリングロボットにおける泡沫除去デバイス Download PDF

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Abstract

細胞塊をハンドリングするハンドリング手段と、前記ハンドリング手段から供給される細胞塊を貯溜し、培養液が外部と流通できる微細孔を有する第1容器と、前記第1容器を収容し、前記第1容器内の培養液よりも過剰量の培養液を前記第1容器の周囲に満たす第2容器と、前記細胞塊を第1容器に供給した後、前記ハンドリング手段に残留した水滴又は泡沫を除去する除液手段とを有することを特徴とする細胞塊の培養システム。

Description

本発明は、細胞の培養システムに関するものであり、さらに詳しくは水滴又は泡沫除去部材を用いて立体的な構造を有する細胞塊を培養する自動細胞ハンドリングロボットにおける泡沫除去デバイスに関するものである。
近年、バイオ分野における装置化の技術が発展しつつある。従来はマニュアルで行われていた作業が装置化されることにより作業の高精度化や高効率化、汚染リスクの低減などの効果が期待できるため研究が重ねられている。例えば、特許文献1にはDNAマイクロアレイに代表される生体サンプルの処理システムが記載され、生体サンプルを効率的に処理するシステムが示されている。また、特許文献2では、ラボ・オン・チップなどで用いられるマイクロプレート、マイクロチューブ、ピペットチップなどで発生する非特異的な吸着を低減するための処理方法が記載され、従来の装置で発生していた問題の解決がなされている。さらに特許文献3には、所定量の採血を可能にしつつ気泡が混入しない採血器とこの採血器に装着して使用されるピペットとが記載されている。
一方、再生医療分野の研究も急速に進みつつある。再生医療では、例えば損壊した細胞の代わりに、人工的に培養された細胞を患部に用いて患部を再生治療する。この細胞の培養方法としてはシャーレやペトリ皿上で細胞を培養する2次元培養が従来からよく知られている。
ところで、培養された細胞を患部に適用する場合、細胞を有用な形態で患部に留置しておくことが難しくこのために目的とする治療効果が得られないことがあった。これに対し、より確実に治療効果を獲得するために、治療に必要十分な量の細胞を患部に与えることが考えられたが、治療に必要十分な量の細胞を培養するためには、数週間など長時間にわたり培養を行う必要があった。また、このような長時間の細胞培養では培養された細胞の特性が培養途中で変わることがあり、このために移植に必要とされる量の細胞を取得できない場合があった。そこで、細胞を立体的に培養して患部の治療に必要十分な量の細胞の立体構造体を取得することが考えられたが(特許文献4)、手作業で細胞の立体構造体を形成する場合、効率に関する課題が多く、また、コンタミなど人為的な作業ミスが発生する可能性があった。
特開2004−163408号公報 特開2010−202823号公報 特開2005−017281号公報 特開2004−357694号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、利便性がよく、コンタミの発生を防止しつつ安価かつ安全に細胞塊を培養して細胞の立体構造体を作製できる培養システムの提供を目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の培養システムは、
細胞塊をハンドリングするハンドリング手段と、
前記ハンドリング手段から供給される細胞塊を貯溜し、培養液が外部と流通できる微細孔を有する第1容器と、
前記第1容器を収容し、前記第1容器内の培養液よりも過剰量の培養液を前記第1容器の周囲に満たす第2容器と、
前記細胞塊を第1容器に供給した後、前記ハンドリング手段に残留した水滴又は泡沫を除去する除液手段と、を有することを特徴とする。
このハンドリング手段は液体(前記細胞塊を含む培養液)の吸引および吐出が可能なノズルを備えることが好ましい。また、このノズルには使い捨てチップを装着することもできる。
また、除液手段は、前記ノズルの先端が近接して前記吸引又は吐出の際生じた水滴又は泡沫をノズルの先端から除去する水切り部材を備えることを特徴とする。
さらに、本発明の培養システムにおいて、前記第1容器は、貯溜された細胞塊を培養して細胞の立体構造体を成形するためのモールドであり、前記モールドの底部に、微細孔を有する部材(フィルタ)を設けたことを特徴とする。
さらに、本発明の培養システムでは、前記第1容器の開口部に、外側に開いた漏斗を有することを特徴とする。
さらに、本発明は、培養液の吸引及び吐出が可能なハンドリング手段に備えられたノズルの先端付近に前記吸引又は吐出の際生じた水滴又は泡沫を除去する水切り部材であって、前記ノズルが上下に通過できる大きさの孔が設けられた前記部材である。
前記部材は、前記水滴又は泡沫が前記孔付近の部材に接触することによりノズルの先端から前記水滴又は泡沫を除去するものである。上記部材は、培養容器の開口部に設置されることが好ましい。
細胞培養装置を用いて細胞をハンドリングする際、培養液と接触する用具は装置のノズル、又はさらにその先端に装着したチップである。本発明において、これらのノズル又はチップに生じた水滴又は泡沫を除去することにより、細胞塊作製の障害となる気泡の発生を防ぐことができる。従って、本発明によれば、利便性がよく、コンタミの発生を防止しつつ細胞塊を培養して細胞の立体構造体を作製することができる。
本発明の培養システムの構成を概略的に示した斜視図である。 ノズル先端から水滴を除去して泡の発生を防止する防泡器を斜めから観察した斜視図である。 防泡器に備えられた水切り部材を、除液孔の配列方向に沿って上部側から底部側に向けて切断した断面図である。 グリルを有する水切り部材を斜めから観察した斜視図である。 除液孔の下側にドレーナを設けた水切り部材を除液孔の配列方向に沿って上側から下側に切断した断面図である。 培養システムに搭載されたハンドリング機構のノズルユニットを部分的に拡大して示した斜視図である。 第2容器の隔壁を一部切断して、第2容器内部に配置されたモールド(第1容器)を示した斜視図である。 漏斗、モールド、および第2容器をモールド上部から底部に向かって切断した断面図である。 上部から底部に向けて切断されたモールド、およびモールド内に配置されたフィルタを拡大した断面図である。 培養システムのカバーの一部を切断して内部構成を概略的に示した部分分解斜視図である。
本発明者は、培養液が通過できる微細孔を有するチャンバー内に細胞塊を入れ、細胞塊の一部が気相に接する程度の培養液がチャンバー内に含まれるようにして、このチャンバー内の培養液よりも過剰量の培養液中で細胞塊を培養することにより、細胞のみからなる立体構造体を製造する方法を開発した(第4122280号特許)。しかし、従来はこの方法を手作業により実施していたため、コンタミネーション(バクテリアやカビの汚染)や検体取り違えのリスクがあった。他方、設備投資のコストを抑えるためには、装置化及び自動化が必要とされていた。そこで、本発明者は、上記特許発明を実現させるべく、立体構造体を製造するロボットを開発した。
このロボットは、使い捨てチップを用いて、空気圧による溶液の吸引及び吐出を行うことで、溶液中の細胞構造体をハンドリングするものである。
しかしながら、空気圧による溶液の吸引及び吐出を行うとチップ中に空気が出入りするため、チップの先端に水滴や泡沫が残留する。このため、細胞の移送が終わって次の細胞を処理するときのストローク時に気泡が発生する。この気泡が細胞の立体構造体を作製するための容器に入ると、この気泡に細胞塊がトラップされてしまい、細胞塊同士が会合しなくなり、立体構造体を製造することが困難となる。気泡を物理的に破裂させると、培養液が想定範囲外に飛散してコンタミネーションの原因となる。また、気泡除去剤などの界面活性剤の使用は、医療応用を考えると適切ではない。さらに、加熱により気泡を破裂させる場合は、細胞に熱ダメージを与えることとなり、また飛沫のリスクも生じる。
そこで本発明においては、チップに生じた水滴や泡沫を簡易に除去する水切り器具、より具体的には、自動細胞ハンドリングロボットにおける泡沫除去デバイス、及び当該デバイスを用いた培養システムを開発した。すなわち、培養液の吸引及び吐出が可能なハンドリング手段に備えられたノズル又はその先に装着したチップ(特に断らない限り「ノズル」という)を用いて細胞を一の容器から他の容器に移す場合、吸引又は吐出の際に、ノズルの先端付近に水滴又は泡沫が生じる。本発明はこの水滴又は泡沫をノズルから除去するための除液手段に関するものであり、水切り部材として機能する。本発明の除液手段は、細胞のハンドリングを行う装置(ロボット)に使用されるものであり、一態様として、ノズルが上下に通過できる大きさの孔が設けられた板状のものであることを特徴とする。この孔を設けることにより、ノズルは水切り部材を上下に通過することができ、通過の際に孔付近の部材に水滴又は泡沫が接触することで、水滴又は泡沫はノズルから水切り部材を伝わってノズル外に排出し、ノズルに生じた水滴又は泡沫を除去することが可能となる。
但し、本発明の水切り部材は、上記装置に使用する態様に限定されるものではなく、ピペットやチップを用いて細胞の吸引及び吐出を行うハンドリングの際にピペットやチップに付着した水滴又は泡沫を除去する状況が生じた場合であれば適用することができる。この場合、水切り部材は、例えば培養容器の開口部に設置することができる。
さらに、本発明は上記除液手段を利用した培養システムに関する。
すなわち、本発明の培養システムは、
細胞塊をハンドリングするハンドリング手段と、
前記ハンドリング手段から供給される細胞塊を貯溜し、培養液が外部と流通できる微細孔を有する第1容器と、
前記第1容器を収容し、前記第1容器内の培養液よりも過剰量の培養液を前記第1容器の周囲に満たす第2容器と、
前記細胞塊を第1容器に供給した後、前記ハンドリング手段に残留した水滴又は泡沫を除去する除液手段と、を有することを特徴とするものである。
細胞塊をハンドリングする手段としては、細胞塊を操作できるものであれば限定されるものではなく、例えば細胞塊を吸排出可能な機構と、この機構を空間移動させる移動制御機構とを備えることができる。上記の細胞塊を吸排出する機構の代替として、例えば細胞塊をすくい上げ及び放出するショベル機構、並びにショベル機構を空間移動させる移動制御機構を備えることができる。
上述の吸排出機構としては、例えばノズルを挙げることができ、移動制御機構としてはXYZの3軸方向で吸排出機構を移動させるポジショニングデバイスを挙げることができる。このような移動制御機構としては、例えば水平多関節ロボットや垂直多関節ロボットなどの産業用ロボットを用いることができる。本発明においては、培養液の吸排出はシステムに備えられたノズルにより直接行なうことができるが、使い捨てのピペットチップをノズルに装着することが好ましい。
第1容器の形状は特に制限されるものではなく、細胞塊を貯め培養液を外部に流通させることができるものであれば特に限定されるものではない。培養液を外部に流通させる手段として、例えば細胞塊のサイズよりも径の小さな孔を容器の底あるいは側面に設けることができる。あるいは、筒状の容器の底部に、多数の微細孔を有する部材を設けることもできる(詳細は後述する)。
第2容器の形状も、第1容器と同様に特に制限されるものではなく、第1容器内の培養液よりも過剰量の培養液を収容できるものであればよい。このような第2容器の典型例としては、第1の容器を囲繞するように形成された器が挙げられる。第1容器と第2容器との間は培養液の流通が可能であり、これにより、第1容器内の細胞塊に第2容器中の培養液に含まれる栄養分などを供給することが可能となる。
除液手段は、前記細胞塊を第1容器に供給した後に前記ハンドリング手段に残留した水滴又は泡沫(以下、特に断らない限り「水滴」という)を除去できるものであればよい。このような除液手段としては、例えば、ハンドリング手段に付着した水滴をブローして水滴を除去する方法、ハンドリング手段に付着した水滴をアスピレーション(吸引)して水滴を除去する方法や、ハンドリング手段に付着した水滴を重力方向に沿って下向きに突出した尖端に集めて滴下させて除去する方法などがある。以下に、上記で説明したハンドリング手段、第1容器、第2容器、および除液手段を備えた培養システムを示すがあくまで一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の培養システムの概要について示した斜視図である。図1に示すように、培養システム2は、ハンドリング装置3、第2容器である培養器7、防泡器8、培地リザーバ10を備える。
ハンドリング装置3は、後述するノズル20(図6参照)、このノズル20を3次元的に移動制御する移動制御機構を備える。ノズル20の先には、例えば図6に示すようにチップ22を装着できるようにしてもよい。移動制御機構は、例えば水平方向(XY方向)へのノズル20の移動および垂直方向(Z方向)へのノズル20の移動を正確に制御して細胞塊のハンドリングが可能なようにノズル20の移動をコントロールする。ノズル20によってハンドリングされる細胞塊は、例えばウェルプレート4上のウェルに収容され、ノズル20はこのウェル内から細胞塊を吸い上げ、第2容器の中に設置された第1容器であるモールド27(図7参照)に排出して細胞塊をモールド27に収容させることができる。
培養器7の隣には防泡器8が配置され、防泡器8は、ハンドリング装置3から水滴を除去してストローク時における気泡の発生を防止し、ひいては第1容器内の気泡の発生を防止する。ハンドリング装置はノズル20を備えるため、防泡器8はこのノズル20から水滴を除去する機構を備える。
図2は、ノズル先端から水滴を除去してストローク時における気泡の発生を防止する水切り部材、及びこの水切り部材を備えた防泡器を斜めから観察した斜視図である。
図2に示すように、防泡器8は水切り部材40を備える。水切り部材40にはノズル20のレイアウトに合わせて、例えば4つの除液孔40aが形成されており、各除液孔40aは、ノズル20に装着されたチップ22先端に残留する水滴又は泡沫を除去できるように、開口サイズが定められている。この除液孔40aの数はノズル20の数に合わせて適宜変更することができる。水切り部材40は、周囲が隔壁42に囲繞されるように配置され、この隔壁42によって、水切り部材40によりチップ22先端から除去される水滴が周囲へ飛散することを低減している。
水切り部材の態様としては、例えば図3に示すようにノズル先端の外径に対して所定のクリアランスを有する除液孔を有する水切り部材や、図4に示すようにグリルを有する水切り部材としてもよい。これら水切り部材の除液孔40aはノズルの全体又は一部が通過できる程度の孔径を有しているため、ノズル先端が水切り部材の除液孔に近づくことによりノズル先端の水滴が水切り部材に伝わりノズル先端から水滴が除去される。ノズル20の先端から水滴を除去する仕組みについて以下に詳述する。
図3は、防泡器に備えられた水切り部材を、除液孔の配列方向に沿って上部側から底部側に向けて切断した断面図であり、ノズルの先にチップを装着した態様に基づいて説明する。
図3(A)に示すように、水切り部材40にはチップ22先端から水滴を除去するための除液孔40aが形成されている。孔径はチップ22先端の外径に対して所定のクリアランス(水切り部材とチップ先端との距離)を隔てるように形成されており、このクリアランスによりチップ22先端が水切り部材40に接触せずにチップ22先端に溜まった水滴47のみが水切り部材40に移される。クリアランスは液体の量及び表面張力にもよるが10.0mm以下、9.0mm以下、8.0mm以下、7.0mm以下、6.0mm以下、5.0mm以下、4.0mm以下、3.0mm以下、2.0mm以下、又は1.0mm以下とすることができ、1.0mm以下が好適であり、0.5mm以下がより好ましい。このようなクリアランスを隔ててチップ22先端を除液孔に対して配置することで、図3(B)に示すように、チップ22先端から水滴を除去することができる。これにより、次に液体を培養器7の漏斗28に吐出するときに気泡が発生することを防止することができる。水切り部材40に移った水滴は防泡器8に貯留される。なお、先端が傷まない程度にチップを除液孔に接触させてチップ先端から水滴を除去してもよいが、この場合、チップのより正確な移動制御が必要となる。
本発明においては、第2容器とは別に水切り専用の防泡器8を設けるほか、第2容器内に水切り部材を設置することにより、第2容器は防泡器を兼用することができる。例えば、図2に示す防泡器の態様と同様に、水切り部材を第2容器の上部(好ましくは培養器の開口部付近)に、第1容器と水切り部材とが垂直方向と同軸(Z方向と同軸)となるように配置すると、細胞塊を中に収めたチップ22は、水切り部材の除液孔を通過して容器1中の培養用モールドまで下降し、細胞塊を吐出した後に上昇して水切り部材の除液孔を通過する。この通過の際、チップに付着した水滴が除液孔付近の水切り部材と接触して、水滴がチップから除かれる。
ここで、水切りの順序は、細胞塊を第1容器に吐出する前に行なうことも、吐出した後に行なうことも、あるいはその両方とも行なうこともできる。
孔径はチップ全体が通過でき、かつ、チップ22先端の外径に対して所定のクリアランスを隔てるように形成されており、このクリアランスによりチップ22先端が水切り部材40に接触せずにチップ22先端に溜まった水滴47のみが水切り部材40に移される。このようにして、細胞のモールドへの吐出と水滴除去を1ストロークで行なうことができる。この態様の場合は、除去された水滴はそのまま部材を伝わって培養槽に滴下するが、水滴であれば第1容器内の培養液と混合され、泡沫であれば第1容器内の培養液表面に停滞するか消滅するため、続くストロークに影響はない。もちろん、コンタミの問題も生じない。
水切り部材40によってチップ22先端から水滴47を除去することにより、ノズル20の作動時に泡が発生することを抑えることができる。一旦、泡が発生してしまうと、この泡によって漏斗28の収斂部28a(図7参照)に泡が停滞したり、あるいは漏斗28とモールド27との連通開口などが塞がれ、モールド27内に細胞塊を収容させることが困難となってしまうが、水切り部材40を用いることにより、泡の発生を防止して泡に細胞塊がトラップされるのを抑え、細胞塊の効率的な導入を維持することができる。
図4はグリル(網状部)を備えた水切り部材を説明する斜視図である。水切り用のグリルの形状は特に制限されるものではなく、例えばチップの形状やサイズなどに合わせて適宜決定することができる。
図4(A)に例示した水切り部材50では、チップ22の降下移動を正確にコントロールすることでチップ22先端から水滴を除去することができる。水切り部材50にはグリル(網状部)52が形成され、チップ22先端はこのグリル52に対して所定の間隔を隔てるように下降制御される。チップ22先端が下降した際のグリル52との間隔は、前記と同様に、10.0mm以下、9.0mm以下、8.0mm以下、7.0mm以下、6.0mm以下、5.0mm以下、4.0mm以下、3.0mm以下、2.0mm以下、又は1.0mm以下とすることができ、1.0mm以下が好適であり、0.5mm以下がより好ましい。このような間隔を隔ててチップ22先端をグリル52に対向させることにより、水滴がチップ22先端から水切り部材50に移り、チップ22先端から水滴を除去することができる。また、図4(B)に示すように、より細かな格子状のグリル56を水切り部材54に設けてもよい。このような水切り部材54を用いてもチップ22先端から水滴を除去することができる。容器1の上部に水切り部材を設ける態様においても、チップ22が通過できる孔を設け、チップと孔を形成する壁面とのクリアランスを制御することにより、チップ22先端部の水滴を除去することができる。
また、図3に例示した水切り部材40ではチップ22先端の外径に対して所定のクリアランスを有する除液孔40aを形成しただけであったが、除液孔の下側にチップ先端に柔軟に接触して水滴を除去するドレーナを設けてもよい。
図5は防泡器に備えられた水切り部材を、除液孔の配列方向に沿って上部側から底部側に向けて切断した断面図である。図5(A)に示すように、水切り部材60の裏側には、除液孔60aに挿入されたチップ22先端の外周に近接するドレーナ65が設けられている。ドレーナ65には内側に向けて窄まった狭窄部65aが形成され、狭窄部65aがチップ22先端の外周に近接することができる。
ドレーナ65は柔軟で弾力性を有する材質で形成されており、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子で形成することができる。このような柔軟性に富む弾力的な材質を用いることにより、ドレーナ65は内向きに付勢力を有し、これにより、チップ22先端を受け入れつつその外周に接触することができる。
ドレーナ65の狭窄部65aがチップ22先端の外周に接触することで、チップ22先端の水滴がドレーナ65側に移動し、次第にドレーナ65の下端に溜まってゆく。チップ22先端が除液孔60aに挿入されると、チップ22先端がドレーナ65の狭窄部65aに当接する。狭窄部65aは柔軟であり、さらにチップ22先端が下方に挿入されると、チップ22先端の外周によって狭窄部65aは外側に押し拡げられる。このようなチップ22先端とドレーナ65との一連の動きを通して、チップ22先端に付着していた水滴は狭窄部65aを介してドレーナ65の先端65bに伝わる。ドレーナ65を備えたことにより水などに比べて粘度が高い液体についてもチップ22先端から除去でき、次に液体を培養器7の漏斗28に吐出するときに泡が発生することを防止することができる。図3や図4で例示した態様では、水切り部材40、50にチップ22先端が接触しないようにチップ22先端を正確にコントロールする必要があったが、図5に示したような柔軟なドレーナ65を備えることにより、チップ22の下降制御を簡便にしつつチップ22先端から水滴を除去することができる。また、図5に示した水切り部材でも、培養器7の上部に配置することで、前記と同様に水滴を除去することができる。
ドレーナの形状は図5(A)に限らず、例えば、図5(B)のような形状でもよい。図5(B)に示したドレーナ70は、断面が内側に向かって緩やかに湾曲するような形状に形成され、柔軟で弾力性を有する材質で形成されている。チップ22が水切り部材68の除液孔68aに挿入されると、ドレーナ70の先端70aがチップ22先端の外周に当接し、チップ22が除液孔68aから引抜かれるときに、チップ22先端の外周に付着した水滴がドレーナ70の先端70aによって拭われ、チップ22先端から水滴を除去することができる。このような形状のドレーナを用いてチップ22先端の水滴を除去してもよい。
次に、本発明の除液手段を用いた細胞培養システムにおけるそれぞれの手段について説明する。
ハンドリング機構3(図1参照)は、スカラロボットであり、例えば機構本体3aと、この機構本体3aに対して回動可能に一端が軸着された接続アーム3bと、接続アーム3bの他端に取り付けられた移動体3cとを有する。接続アーム3bの一端が機構本体3aに固定され、接続アーム3bの他端に移動体3cが取り付けられたことにより、移動体3cは回転軸Pに対して回動することができる。移動体3cは昇降移動可なノズルユニット16を備え、ノズルユニット16は移動体3cによる水平方向の移動と自身の昇降移動とによってXYZ方向に自在に移動して配置されることができる。
図6はハンドリング機構のノズルユニット16を部分的に拡大して示した斜視図である。図6に示すように、ハンドリング機構3はノズル20を有し、このノズル20を介してウェルプレート4上のウェル4aに収容された細胞塊を取り扱うことができる。ノズル20は重力方向に沿って下向きに配置され、外周に付着した水滴は先端側に流下するようになっている。
移動体3cはノズルユニット16を備え、ノズルユニット16が液体を吸引及び吐出するノズル20を備えたことでウェルプレート4上の任意のウェル4aについて細胞塊をハンドリングすることができる。ノズルの数は特に限定しないが、ウェル4aの個数に合わせて1、2、4、6、8、16個など適宜定めることができる。図6では代表例として、ノズルユニット16は4つのノズル22を備え、各ノズル20にチップ22を装着することができるシステムを例示する。
ノズル20は、それ自体で細胞の吸引及び吐出をすることができるが、着脱自在なチップ22を装着することができ、ノズル20にチップ22を装着することにより、チップ22の外周に付着した水滴は先端側に流下して先端に溜まることとなる。チップ22は、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック材料で形成され、所定のルーチンが終了した後にチップボックス9で脱着される。使用済みのチップ22の脱着後、移動体3cは装着チップボックス6上に移動し、ノズル20に新しいチップ22が装着される。
ハンドリング機構3は電動シリンダなどに代表されるポンプ機構と接続されており、これによりノズル20はポンプ機構から供給される減圧/加圧に応じて細胞塊の吸引/吐出を実行することができる。なお、ここではノズル20がチップ22を介することによりノズル自体が汚れることを防止できる態様を示したが、ノズルの洗浄機構を備えてチップを省く装置構成を採用することもできる。
移動体3cは、ノズルユニット16をXYZ方向で駆動制御する並進制御機構と、回転軸Qの周りでノズルユニット16を回転駆動制御する回転制御機構とを備える。これにより、ノズルユニット16は、回転軸Pを中心とした移動体3cの回動、この回動とは別の並進移動と回転移動とによって、ベース13上で自由自在に位置することが可能となっている。
移動体3cの移動は、例えばステッピングモータやサーボモータなどの各種モータとそのモータコントローラとによって精密に制御される。
加圧/減圧供給用のポンプ(シリンダ)は、ノズルユニット16に備えられた個々のノズル20に接続され、個々のノズル20はポンプの精密な作動によって、吸引量および吐出量が正確にコントロールされる。
ウェルプレート4には様々な個数のウェル4aを備えたものが存在するが、ここでは一例として、8行12列の合計96個のウェルを図示した。
移動体3cはウェルプレート4の表面と平行な方向に移動して位置決めされ、移動体3cの位置決め後に、ノズルユニット16がウェルプレート4の上側から下側に向けて下降する。ノズルユニット16が下降すると、4つのノズル20の各先端に装着されたチップ22の先端がそれぞれウェル4aに進入し、ノズル20は直接的に又はチップ22を介してウェル4aに内容された細胞塊を含有した細胞懸濁液を吸引することができる。
図7は第2容器である培養器7の隔壁を一部切断して、培養器7内に配置された第1容器(モールド27)を示した斜視図である。図7に示すように、培養器7は、モールド27、漏斗28、支持体29、隔壁31を備える。支持体29にはモールド27を着脱自在に支持するための固定穴29a(図8参照)が形成され、この固定穴29aにモールド27が嵌め込まれて固定される。
図8は、漏斗、モールド、及び第2容器をモールド上部から底部に向かって切断した断面図である(細胞塊以外の断面)。図8に示すように、漏斗28の内側には擂鉢状に斜面が形成された収斂部28aが形成され、漏斗28はモールド27の上部に配置され密嵌されている。このように漏斗28の収斂部28aはモールド27内部に連通している。
図8、9において、モールド27の底部には、細胞塊のサイズよりも小さなサイズの径を有する微細孔が多数形成された部材(フィルタ)を設け、この微細孔により細胞塊をモールド27内に残しながら培養液をモールド外部に流通させることができる。
モールド27内は流路29c(図8)を介して培養器7と連通し、培養器7は過剰量の液体を溜められるように形成されている。この培養器7内のボリュームサイズはモールド27内の容量に合わせて適宜定めることができる。
モールド27の外部には、例えばこのモールド27を囲繞するように培養器7が設けられ、この培養器7にはモールド27内に収容する培養液24よりも過剰量の培養液25を収容することができる。この培養器7内の培養液25がモールド27の底に形成されたフィルタの微細孔を通して流通することによりモールド内の培養液24を形成し、第1容器内の細胞塊23を培養することができる。
培養器7内の培養液は漏斗側あるいはフィルタ側からモールド27内に流通することができ、この培養液によってモールド27内の細胞塊が培養される。モールド27の周囲に過剰に満たされた培養液と、鋳型部27b内に貯溜された細胞塊とによって、治療に必要十分な量の立体構造体を形成することができる。
培養器7内に供給される培養液の量は、細胞が増殖・分化することができる限り特に限定されるものではないが、例えば、鋳型部27b内で直径4mm、厚さ5mmの細胞塊を培養する場合は、培養器7内の培養液の量は例えば10〜20ml必要であり、培養器7に供給する培養液は鋳型部27bの容量の少なくとも5〜10倍程度必要である。
収斂部28aは、例えば、4つのチップ22の先端から排出された細胞塊を受け入れられるように、外側に開いて形成され、収斂部28aに吐出された細胞塊は収斂部28aを下方へ流下してモールド27内に流れ込む。このように、漏斗28を介して効率的に細胞塊をモールド27内に導入することができる。
モールド27、漏斗28、支持体29は隔壁31によって囲繞され、これにより、周囲からの異物の混入および周囲への培養液33の飛散を低減/防止している。
図9は上部から底部に向けて切断されたモールド、およびモールド内に配置されたフィルタを拡大した断面図である。図9に示すように、モールド27はモールド本体35とこのモールド本体35に組み込まれたフィルタ37とから構成される。
モールド27は、漏斗28を介して流れ込んだスフェロイドなどの細胞塊を基にして細胞の立体構造体(細胞プラグ)を形成する。本発明の好ましい態様において、モールド27に収容された細胞は、表面張力により培養液と気相との境界に接して浮遊し、次の細胞塊が流れ込むことで、今度は流れ込んだ後の最上部の細胞が培養液と気相との境界部を構成する。これを繰り返すとともに、細胞塊を培養器7内に充たされた過剰な培養液によって培養させることにより、細胞の立体構造体を形成することができる。また、モールド27内部には開口部27aとフィルタ37とによって囲まれた鋳型部27bが形成され、この鋳型部27bの形状を変えることにより、任意形状の立体構造体を作製することができる。
モールド本体35の下部には、鋳型部27bから流下した培養液がモールド27の外部に向かって流通する、あるいは、モールド27の周囲に満たされる培養液がモールド27内に向かって流通するためのノッチ35aが形成されている。これにより、自在に培養液が流通することができ、モールド27周囲に満たされた過剰量の培養液によって鋳型部27b内の細胞塊を培養することができる。培養条件としては、37℃の温度で5%濃度の二酸化炭素雰囲気下での実行が挙げられる。
モールド27の素材としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルなどの合成樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム、天延ゴム、セラミック、ステンレスなどの金属材料、などがある。
フィルタ37には細胞懸濁液から培養液を濾過するための微細孔37aが形成され、この細孔37aを通過した培養液はモールド本体35の下部へさらに流下し、支持体29に形成された受け部29bに流入する。微細孔37aの孔径は、例えば10〜500μmであり、これにより鋳型27b内の細胞塊はフィルタ37の下側へ通過せずに培養液のみがフィルタ37を介して出入することができる。
フィルタの構成材料としては多孔性のものであれば特に制限しないが、例えば、半透膜、高分子材料を発泡または多孔質化させたもの、焼結体、多孔性のガラスやセラミックス、またはキトサン、セルロース、デキストランなど天然由来の高分子物質で多孔質構造を有するものなどが挙げられる。
高分子の発泡または多孔質材料としては、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン系;ブタジエンまたはイソプレンなどのジエン系;ポリウレタン;ポリ塩化ビニル、アクリルアミド、ポリスチレンまたはポリビニルアルコールなどのビニル系重合体;ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネートまたはナイロンなどの縮合体;シリコンおよびフッ素樹脂などの材料が適用できる。
本発明の培養システムで培養の対象となる細胞は、例えば、幹細胞(ES細胞、臍帯血由来細胞、未分化間葉細胞等)、体細胞、腫瘍細胞、などの未分化細胞またはその分化細胞である。
線維芽細胞、幹細胞、血管内皮細胞、表皮細胞、上皮細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞は未分化間葉系幹細胞から容易に分化誘導ができ、関節軟骨細胞や骨細胞などの細胞も使用することができる。
このように本発明は、中胚葉系の組織を中心として、関節軟骨、骨のほか、乳房などの脂肪細胞、靭帯などにも応用することができる。
細胞には、浮遊系細胞と足場依存性細胞とに大きく分類され、前者には血液系や免疫系の細胞が属し、後者には皮膚や骨などの細胞が属する。皮膚や骨などの細胞は、培養液中で浮いている状態では死んでしまい、ガラスなどシャーレに付着することで増殖させる必要がある。このため、ポリテトラフルオロエチレン中に細胞を一カ所に集めるようにすると、細胞は足場を求めて、お互いに接着し合い、細胞凝集塊すなわちスフェロイドが形成される。さらに、スフェロイド同士が接着・融合すると大きな形状のものができる。
スフェロイドを介することにより、細胞周期において細胞は静止期に移行し、タンパク質の産生が増加すると考えられる。従って、本発明では、細胞を静止期に誘導するため、一旦スフェロイドにしてから所定の形状に形成することが好ましい。
細胞培養に用いられる培養液は、培養対象の細胞にもよるが、慣用の合成培地または天然培地を用いることができる。
動物由来物質からの細菌ウイルスなどの感染、供給時期や品質の安定性を考慮すると合成培地が好ましい。
合成培地としては、例えば、α−MEM(Mnimum Essential Medium)、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)RPMI 1640培地、CMRC培地、HAM培地、DME/F12培地、MCDB培地、などを用いることができる。
これらの培地には、増殖因子や成長因子、ホルモンなどの生理活性物質、薬理作用を有するその他の種々の物質を適宜添加してもよい。このような物質を添加することにより、機能を付与したり変化させることができる。
一例として、成長因子または細胞増殖因子としては、骨形成蛋白質(BMP:Bone Morphogenetic Protein)、繊維芽細胞増殖因子(FGF:Fibroblast Growth Factor)、トランスフォーミング増殖因子(TGF-β:Transforming Growth Factor−β)、インスリン様増殖因子(IGF:Insulin-like Growth Factor)、血小板由来増殖因子(PDGF:Platelet Derived Growth Factor)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor)、トランスフェリンなどの既知血清成分(濃度は適宜調整)、各種ビタミンやストレプトマイシンなどの抗生物質などがある。
ホルモンとしては、例えば、インシュリン、トランスフェリン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、チロキシン、3,3',5−トリヨードチロニン、1−メチル−3−ブチルキサンチン、プロゲステロン、などが挙げられる。
その他の生理活性物質として典型的には、例えば、アスコルビン酸(特に、L−アスコルビン酸)、ビオチン、パントテン酸カルシウム、アスコルビン酸二リン酸、ビタミンD等のビタミン類、血清アルブミン、トランスフェリン等のタンパク質、脂質、脂質酸源、リノール酸、コレステロール、ピルビン酸、DNAおよびRNA合成用ヌクレオシド、グルココルチコイド、レチノイン酸、β−グリセロホスフェート、モノチオグリセロールなどが挙げられる。
細胞の培養温度は、典型的には35〜40℃であり、好ましくは37℃前後である。培養期間は目的の細胞塊のサイズに応じて適宜調節するとよい。例えば胚性幹細胞を培養する場合は、37℃の温度で培養を実行し、さらに5%の二酸化炭素濃度の条件下で培養を実行することが一般的によく知られている。
胚性幹細胞由来のスフェロイドの形成は、上記の培養条件のもとに実行することができる。以下に本発明のより詳細な態様について説明する。
上記で説明した培養システムについてさらに具体的な構成について以下に説明する。図10は本発明の培養システムを覆うカバーの一部を切断して内部構成を概略的に示した部分分解斜視図である。なお、図1〜9における説明と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。
図10に示すように、培養システム102は、ハンドリング手段であるハンドリング機構3、ウェルプレート4が載置される載置台105、装着チップボックス106、培養器7、防泡器8、使用済みチップの脱着チップボックス109、培地リザーバ10、電動シリンダ111、図示しない調温器、給排気機構などを備える。ハンドリング機構3、ウェルプレート4、載置台105、培養器7、チップボックス109、電動シリンダ111は、それぞれベース113上に固定され、周囲がカバー114によって覆われる。システム全体をカバー114によって覆うこともでき、これにより、外部から塵や埃が装置内部に侵入することが防止される。
ベース113の中央にはハンドリング機構3が配置され、ハンドリング機構3の移動体3cは軸Pの周りで回動移動することができる。ハンドリング機構3としては、例えば水平多関節ロボットや垂直多関節ロボットなどのロボットを用いることができる。
ハンドリング機構3は、ベース113に固定された機構本体3aと、この機構本体3aに対して回動可能に一端が軸着された接続アーム3bと、接続アーム3bの他端に取り付けられた移動体3cとを有し、一端が機構本体3aに固定された接続アーム3bの他端に移動体3cが取り付けられたことにより、移動体3cは回転軸Pに対して回動することができる。
ハンドリング機構3の周囲には、装着チップボックス106を備えウェルプレート4の載置が自在な載置台105、培養器7、防泡器8、培地リザーバ10、脱着チップボックス109が配置されている。ここで、図10は水切り部材を設置した防泡器8と培養器7とを別々に配置した態様を示すが、培養器7に水切り部材を配置することもできる。
装着チップボックス106には、ノズル20(図6参照)に装着される複数の未使用チップが備えられており、これにより培養作業ごとにチップを交換することが可能となっている。ウェルプレート4には、例えば培養された細胞塊(スフェロイド)が収容されており、このウェルプレート4に収容された細胞塊を用いて立体構造体が形成される。培地リザーバ8は細胞の立体構造体形成時に培養器7内に注入される培地を収容する。脱着チップボックス109は、既に使用されノズルから脱着されたチップを収容するためのものである。
次に図10に例示されたシステムを用いて本発明の作用の一例について説明する。
スフェロイドなどの細胞塊が収容されたウェルプレート4が載置台105上に載置され、ハンドリング機構3の移動体3cがウェルプレート4上に移動してノズルユニット16が下降する。ノズルユニット16が下降すると4つのノズル20に装着されたそれぞれのチップ22が対応するウェル4aに進入し、それぞれのウェル4aに収容された細胞塊が各チップ22内に吸引される。
各チップ22内に細胞塊が吸引された後、移動体3cが培養器7上に移動し、ノズルユニット16が漏斗28に向けて下降する。ノズルユニット16の下降後、各チップ22から漏斗28の収斂部28aに細胞塊が吐出され、収斂部28aに吐出された細胞塊は溶液よりも重いので、収斂部28aを流下してモールド27の鋳型部27bに収容される。
細胞塊の吐出後、必要に応じてハンドリング機構3の移動体3cは培地リザーバ10上に移動し、ノズルユニット16が下降してチップ22内に培地リザーバ10の培地を吸引することもできる。培地の吸引後、移動体3cは培養器7上へ移動してチップ22内の培地を漏斗28の脇から培養器7の支持体29上に吐出し、過剰量の培地がモールド27の周囲に満たされる。
このときの培養条件は、例えば温度37℃、5%二酸化炭素雰囲気である。所定の培養時間の経過後、治療に必要十分な量の立体構造体がモールド27の鋳型部27bに形成される。チップ22先端の水滴は防泡器8に具備された水切り部材40によって除去することができる。
立体構造体の形成後、モールド28上に装着されていた漏斗28を脱着し、さらに支持体29からモールド27を取り外すことで、モールド27内から細胞の立体構造体を取り出すことができる。
以上のように、本発明の培養システムによれば、さらに、防泡器又は培養器に水切り部材を備えることにより、チップの先端に残留する水滴を除去することができ、気泡の発生を防ぐとともに水滴が周囲へ飛散することを低減している。また、本発明によれば、人の手を介することなく細胞塊をモールド内に流し込み再生治療に用いられる細胞の立体構造体を成形することができ、細菌や微生物による汚染を低減しつつ、利便性を高めることができる。また、ハンドリング機構としてスカラロボットを用いることにより、設置スペースがより小さなコンパクトな培養システムにすることができる。
2 培養システム
3 ハンドリング機構(ハンドリング手段)
4 ウェルプレート
4a ウェル
7 培養器(第2容器)
8 防泡器
16 ノズルユニット
20 ノズル
22 チップ
23 細胞塊
24 培養液
25 培養液
27 モールド(第1容器)
28 漏斗
29 支持体
35 モールド本体
37 フィルタ
37a 微細孔
40 水切り部材(除液手段)
40a 挿通開口
45 ドレーナ
50 ドレーナ
102 培養システム
105 載置台
109 チップボックス
111 電動シリンダ

Claims (8)

  1. 細胞塊をハンドリングするハンドリング手段と、
    前記ハンドリング手段から供給される細胞塊を貯溜し、培養液が外部と流通できる微細孔を有する第1容器と、
    前記第1容器を収容し、前記第1容器内の培養液よりも過剰量の培養液を前記第1容器の周囲に満たす第2容器と、
    前記細胞塊を第1容器に供給した後、前記ハンドリング手段に残留した水滴又は泡沫を除去する除液手段と、を有することを特徴とする細胞塊の培養システム。
  2. 前記ハンドリング手段は前記細胞塊を含む培養液の吸引及び吐出が可能なノズルを備え、前記ノズルを介して細胞塊をハンドリングすることを特徴とする請求項1に記載の培養システム。
  3. 前記除液手段は、前記ノズルの先端が近接して前記吸引又は吐出の際生じた水滴又は泡沫をノズルの先端から除去する水切り部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の培養システム。
  4. 前記第1容器は、貯溜された細胞塊を培養して細胞の立体構造体を成形するためのモールドであり、前記モールドの底部に、微細孔を有する部材を設けたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の培養システム。
  5. 前記第1容器の開口部に、外側に開いた漏斗を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の培養システム。
  6. 培養液の吸引及び吐出が可能なハンドリング手段に備えられたノズルの先端付近に前記吸引又は吐出の際生じた水滴又は泡沫を除去する水切り部材であって、前記ノズルが上下に通過できる大きさの孔が設けられた前記部材。
  7. 前記部材は、前記水滴又は泡沫が前記孔付近の部材に接触することによりノズルの先端から前記水滴又は泡沫を除去するものである請求項6に記載の部材。
  8. 培養容器の開口部に設置されるものである、請求項6又は7に記載の部材。
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