JPWO2012099237A1 - 有機電界発光素子 - Google Patents

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正幸 八尋
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Abstract

陽極10と、陰極20と、これら各極間に介在する、常温で液体の発光層30とを備え、発光層が、例えば、式(3)で示されるような、第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料を含む、または発光層が、ホール輸送性材料と電子輸送性材料とを含み、ホール輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーが、電子輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーより小さく、かつ、電子輸送性材料の最低空軌道のエネルギーが、ホール輸送材料の最低空軌道のエネルギーより大きい、有機電界発光素子。これにより、液体の発光層を備え、駆動時および非駆動時ともに発光層が液状を維持し得るとともに、発光寿命特性の良好な有機EL素子を提供すること、並びにキャリア再結合バランスが良好であるため、高輝度、かつ、低駆動電圧の有機EL素子を提供できる。

Description

本発明は、有機電界発光素子に関し、さらに詳述すると、常温で液体の発光層を備えた有機電界発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(有機発光素子)(以下、有機EL素子という)は、陰極と陽極との間に、少なくとも1種の発光性有機化合物を含む薄膜の有機層(発光層)を挟んだ構成を有しており、この薄膜に電子および正孔(ホール)を注入・輸送して再結合させて励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光させる素子である。
この有機EL素子は、発光性有機化合物を発光層に用いた発光素子であるため、軽量かつフレキシブル、そして安価で大面積のフルカラー表示が可能なディスプレイとして応用が期待されている。
この有機EL素子で用いられる発光層では、正孔および電子両方のキャリア(電荷)の輸送、それらキャリアの再結合による励起子の形成、そして光放出の3つの過程によって駆動する。
そのため、発光層には、これら3つの機能を満たす材料が必要不可欠であり、通常、その材料としては、これら3つの機能を発揮するキャリア輸送性発光材料や、3つの機能を補うために複数種の有機物を混合させたキャリア輸送材料/発光材料が用いられている。
上記キャリア輸送材料/発光材料を発光層に用いた場合、発光材料がキャリア輸送材料で希釈されることから、濃度消光が抑えられ、高い発光効率を有する有機EL素子が得られると期待されている。このため、発光材料とキャリア輸送材料との多種多様な組み合わせについて精力的に研究がなされている。
ところで、発光層用の発光材料には、単純に目的の蛍光波長および高い量子収率を持つものを用いればよいというわけではなく、特定の蛍光色素に適したキャリア輸送材料の選定を行う必要がある。この理由は、キャリア輸送材料中に輸送されたキャリアが再結合し、そこで生じる励起エネルギーがキャリア輸送材料中にドープされている蛍光色素の発光を誘起するためである。
そのため、発光材料/キャリア輸送材料の各成分のHOMO/LUMOのエネルギー準位の相互関係、あるいは、それらの効率的なエネルギー移動の組み合せの選定が必要不可欠となってくる。
現在、有機EL素子における重要な問題の1つに、焼付けと呼ばれる劣化がある。この現象は、有機EL素子に長時間電圧を印加することで、不純物が有機EL素子を構成する材料を分解もしくは変性することに起因するものと考えられている。
この劣化を防ぐためには、電極表面の水分、酸素や、構成する有機薄膜に含まれる僅かな不純物等の除去が必要となる。
その具体的な手法としては、有機EL素子を構成する有機物の純度および安定性の向上や、外部からの酸素および水分の混入を防ぐために乾燥剤等を封止する方法が利用されている。
しかしながら、実用的な面から、有機EL素子の寿命は少なくとも100cd/m2で10万時間は必要とされており、その間の有機物の分解や、発生した不純物による素子の劣化は不可避といえる。
上述した既存の有機EL素子は、これら各有機層の焼付けが素子の劣化の原因になっており、有機EL素子を構成する複数の有機層のうち一層でも劣化すれば、素子全体の寿命に大きく影響する。
仮に、この劣化した有機層を、例えばカートリッジ等により、交換可能な構造とすれば、新たな有機層を供給し続けることができる結果、有機EL素子を半永久的に駆動できると考えられる。
しかし、上述した既存の有機EL素子のほとんどは、固体の有機薄膜が用いられており、劣化した有機層のみを交換することは非常に困難である。
近年、上記問題点の解決につながるような技術が開発されつつあり、例えば、特許文献1や、非特許文献1および2では、発光層を液状化した有機EL素子が報告されている。発光層を液状あるいは半固形状にすることにより、劣化した液状の発光層は固体薄膜層と比較して交換し易いといえ、少なくとも発光層については、交換可能な発光素子となり得ると考えられる。
しかし、特許文献1や、非特許文献1および2に開示されている、発光層を液状化した有機EL素子は、既存の照明やディスプレイに置き換え可能なほどの高い特性を示す有機EL素子とは言い難く、その液体発光層やデバイス構造は、最適化が必要であった。
上述した発光層を液状化した有機EL素子において、既存の固体有機EL素子に比べて低い特性である理由の一つとして、液状発光層に含まれるキャリア輸送材料が一種類のみである点が上げられる。この場合、陽極から注入されるホールと陰極から注入される電子のバランスが悪く、発光層内でホールと電子が再結合する確率(キャリア再結合バランス)が低下する。このことは、内部量子収率が悪いということを意味し、素子の発光効率の低下を招く。
さらに、片方のキャリアの注入効率を上げようとした場合、もう一方のキャリア注入効率が低下することとなり、両方のキャリアが注入され始める電圧が高くなってしまう。発光は、両方のキャリアが注入されることによって引き起こされる現象であるため、このことは、素子の駆動電圧が高くなるという結果を招く。
有機EL素子の特性向上の手段として、非特許文献3に開示されているような、高分子発光材料中に有機塩を添加して、キャリアの注入効率を向上させることで、低駆動電圧および高輝度の発光素子が得られることが報告されている。
また、非特許文献2に開示されているように、液状発光層に有機塩を添加することで、同様の特性向上が見られることが報告されており、液状発光層を用いた有機EL素子の発光特性は、従来の固体有機EL素子の発光特性に近づいてきているといえる。
しかしながら、上記非特許文献1の液状発光層を備えた有機EL素子の発光寿命は数十秒程度と、従来の固体有機EL素子と比べると極めて短く、永続的に発光を得るためには、頻繁な発光層の交換が必要なものであり、実用化に至っていない。
一方、固体高分子を発光層として用いた有機EL素子では、非特許文献4や非特許文献5で開示されているような、キャリア再結合バランスの向上および低駆動電圧化を目的として、両方のキャリア輸送性を持つ材料を共重合させた高分子材料が報告されている。
また、低分子化合物を用いた固体有機EL素子においても、非特許文献6や非特許文献7で開示されているような、発光層中のキャリア輸送材料を2種類以上用いる技術や、非特許文献8や非特許文献9で開示されているような、ホスト材料にホール輸送性部位と電子輸送性部位の両方を持たせる技術によって、キャリア再結合バランスの向上が試みられている。
しかしながら、これらの技術はすべて発光層が固体である有機EL素子に関する技術であり、発光層が液体である素子に関しての試みはなされていない。
国際公開第2011/010656号パンフレット
Appl.Phys.Lett., 95, 053304(2009) Adv.Mater.,DOI:10.1002/adma.201003505 Synthetic Metals,123,207(2001) Angew.Chem.Int.Ed.,37,402(1998) J.Phys.Chem.B,109,14000(2005) Appl.Phys.Lett., 90,243501(2007) Appl.Phys.Lett., 92,023513(2008) Angew.Chem.Int.Ed.,47,8104(2008) Adv.Mater.,21,688(2009)
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、液体の発光層を備え、駆動時および非駆動時ともに発光層が液状を維持し得るとともに、発光寿命特性の良好な有機EL素子を提供すること、並びにキャリア再結合バランスが良好であるため、高輝度、かつ、低駆動電圧の有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献1等に開示されているように、常温で液体、かつ、駆動時および非駆動時ともに液状を維持し得る発光層を見出し、この発光層を備えた有機電界発光素子(有機EL素子)を既に報告しているが、この有機EL素子には、発光寿命や、輝度および駆動電圧という点ではさらなる改良の余地があった。
そこで、本発明者らは、液状発光層を備えた有機EL素子の発光寿命および輝度の更なる向上を図るべく鋭意検討を重ねた結果、発光層に含まれる材料が、第一酸化および/もしくは第一還元に対して安定であれば、より長寿命の有機電界発光素子(有機EL素子)が得られ、また、発光層が、所定の大小関係を満たすHOMO/LUMOのエネルギー準位を有するホール輸送性材料および電子輸送性材料の両方を含めば、より高輝度かつ低駆動電圧の有機電界発光素子(有機EL素子)が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 陽極と、陰極と、これら各極間に介在する、常温で液体の発光層とを備え、前記発光層が、(1)第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料を含む、または、(2)ホール輸送性材料と電子輸送性材料とを含み、前記ホール輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記電子輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーより小さく、かつ、前記電子輸送性材料の最低空軌道のエネルギーが、前記ホール輸送材料の最低空軌道のエネルギーより大きい、ことを特徴とする有機電界発光素子、
2. 前記第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料が、サイクリックボルタンメトリー測定において第一酸化波および/もしくは第一還元波が可逆に観測される材料である1の有機電界発光素子、
3. 前記第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料が、キャリア輸送能および発光能を有する材料である1または2の有機電界発光素子、
4. 前記発光層が、第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料と発光材料とを含み、前記第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料が、キャリア輸送材料である1または2の有機電界発光素子、
5. 光電子スペクトル測定によって求められる、前記発光材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記キャリア輸送材料の最高被占軌道のエネルギーより大きい4の有機電界発光素子、
6. 光電子スペクトル測定によって求められる、前記発光材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記キャリア輸送材料の最高被占軌道のエネルギーより0.05eV以上大きい5の有機電界発光素子、
7. 前記ホール輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記電子輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーより0.05eV以上小さく、かつ、前記電子輸送性材料の最低空軌道のエネルギーが、前記ホール輸送材料の最低空軌道のエネルギーより0.05eV以上大きい1の有機電界発光素子、
8. 前記ホール輸送性材料および電子輸送性材料のいずれか一方、または両方が、発光性を示す材料である1または7の有機電界発光素子、
9. 前記ホール輸送性材料が、液状の材料である1,7または8の有機電界発光素子、
10. 前記電子輸送性材料が、液状の材料である1,7または8の有機電界発光素子、
11. 前記ホール輸送性材料が、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、スターバーストアミン、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、フルオレン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリアニリン誘導体、シラン誘導体、ピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、炭素縮合環系化合物、および金属もしくは無金属のフタロシアニン誘導体から選ばれる1,7〜9のいずれかの有機電界発光素子、
12. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料、キャリア輸送材料、またはホール輸送性材料が、式(1)で示される化合物である3〜6のいずれかの有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、Xはキャリア輸送および発光部、またはホール輸送部であって、カルバゾール誘導体、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、アリールシクロアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、オキサゾール誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ピラゾリン誘導体、フルオレノン誘導体、ポリアニリン誘導体、シラン誘導体、ピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、キナクリドン誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、炭素縮合環系色素、金属もしくは無金属のフタロシアニン誘導体、またはベンジジンを表し、Yは、前記キャリア輸送および発光部に連結する少なくとも1つの置換基であって、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
13. 前記Xが、カルバゾール誘導体、フェノチアジン誘導体またはアゼピン誘導体である12の有機電界発光素子、
14. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(2)、式(4)、式(10)または式(12)で示される13の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、Yは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合もしくはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族環、または置換もしくは非置換の複素環を表す。)
15. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(3)で示される14の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
16. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(5)または式(8)で示される14の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、Yは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表す。)
17. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(6)、式(7)または式(9)で示される16の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
18. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(11)で示される14の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
19. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(13)で示される14の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
20. 前記発光材料が、炭素縮合環系色素、ペリレン誘導体、キサンテン系色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、スチリル系色素、ピラゾロン誘導体、フェノキサゾン系色素、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、トリアリールアミン、イリジウム錯体、またはAl、Zn、Beもしくは希土類金属からなる中心金属および配位子から構成される金属錯体色素である4〜6のいずれかの有機電界発光素子、
21. 前記発光材料が、式(14)で示される化合物である20の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、Zは、色素部であって、炭素縮合環系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、スチリル系色素、ピラゾロン誘導体、フェノキサゾン系色素、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、トリアリールアミン、イリジウム錯体、またはAl、Zn、Beもしくは希土類金属からなる中心金属および配位子から構成される金属錯体を表し、Wは、前記色素部Zに連結する少なくとも1つの置換基であって、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
22. 前記発光材料が、式(15)で示される21の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
23. 前記ホール輸送性材料が、式(16)または式(2)で示される11の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、Yは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表す。)
24. 前記ホール輸送性材料が、式(17)または式(3)で示される23の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
25. 前記電子輸送性材料が、ジフェニレンスルホン(ジベンゾチオフェン5,5−ジオキシド)誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、シロール誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、炭素縮合環系化合物、トリアリールボラン誘導体、フラン誘導体、および電子輸送性金属錯体から選ばれる1,7,8および10のいずれかの有機電界発光素子、
26. 前記電子輸送性材料が、発光性のジフェニレンスルホン誘導体または発光性のピレン誘導体である25の有機電界発光素子、
27. 前記電子輸送性材料が、式(18)または式(19)で示される発光性化合物である26の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、Arは、それぞれ独立して、アリール基を表し、W1は、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
28. 前記電子輸送性材料が、式(20)で示される発光性化合物である27の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
(式中、W2は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表し、mおよびnは、1〜10の整数を表す。)
29. 前記電子輸送性材料が、式(21)または式(22)で示される発光性化合物である28の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
30. 前記電子輸送性材料が、式(15)で示される発光性化合物である27の有機電界発光素子、
Figure 2012099237
31. 前記発光層が、発光性色素を含む1,7〜11および23〜30のいずれかの有機電界発光素子、
32. 前記発光性色素が、発光層中に、0.01〜50質量%含まれる31の有機電界発光素子、
33. 前記発光層が、イオン性材料を含む1〜32のいずれかの有機電界発光素子、
34. 前記イオン性材料が、発光層中に、0.01〜50質量%含まれる33の有機電界発光素子
を提供する。
本発明によれば、寿命特性の良好な液体発光層を有する有機電界発光素子、またはキャリア再結合バランスが良好であり高輝度、かつ、低駆動電圧の液体発光層を有する有機電界発光素子を提供できる。
この有機電界発光素子は、駆動時および非駆動時ともに発光層が液状を維持し得る。このため、発光層が劣化した場合に、発光層のみを交換する構成(例えば、カートリッジ、循環による抜き出し・再注入)とすることも可能である。
また、発光層が液体であることから、塗布プロセスを用いて素子を製造することができるため、大面積の照明素子にも応用可能である。
さらに、既存の固体の有機薄膜からなる有機EL素子よりも、フレキシビリティーの高い表示素子の作製も可能になる。
本発明の一実施形態に係る有機EL素子を示す概略断面図である。 合成例1で得られた(Cz)21H−NMRスペクトルを示す図である。 合成例2で得られた(TEGCz)21H−NMRスペクトルを示す図である。 合成例2で得られた(TEGCz)2のサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例1で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 比較例1で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例1および比較例1で作製したEL素子の、一定印加電圧下での輝度、電流密度および電流効率の時間変化を示す図である。 実施例1および比較例1で作製したEL素子の、定電流下での輝度および電圧の時間変化を示す図である。 合成例3で得られたtBuTEGCzの1H−NMRスペクトルを示す図である。 合成例3で得られたtBuTEGCzのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 合成例4で得られたEHPyの1H−NMRスペクトルを示す図である。 比較例1で用いたTEGCzのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例2で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 比較例2で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例2および比較例2で作製したEL素子の、定電流下での輝度の時間変化を示す図である。 実施例2で作製したEL素子の定電流下での吸収スペクトルの時間変化を示す図である。 比較例2で作製したEL素子の定電流下での吸収スペクトルの時間変化を示す図である。 実施例2および比較例2で作製したEL素子の、波長330nmでの吸光度の時間変化を示す図である。 実施例3で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例3および比較例2で作製したEL素子の、定電流下での輝度の時間変化を示す図である。 実施例3で作製したEL素子の定電流下での吸収スペクトルの時間変化を示す図である。 実施例3および比較例2で作製したEL素子の、波長330nmでの吸光度の時間変化を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る有機EL素子を示す概略断面図である。 実施例4で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 比較例3で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例4および比較例3で作製したEL素子の、定電流下での輝度の時間変化を示す図である。 実施例5で作製した各EL素子の、定電流下での輝度の時間変化を示す図である。 実施例6および比較例4で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例6および比較例4で作製したEL素子の外部量子収率−電流密度特性を示す図である。 実施例7および比較例5で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例7および比較例5で作製したEL素子の外部量子収率−電流密度特性を示す図である。 合成例6で得られたPhCzTEGの1H−NMRスペクトルを示す図である。 合成例6で得られたPhCzTEGのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 合成例7で得られたEHPTAの1H−NMRスペクトルを示す図である。 合成例7で得られたEHPTAのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 合成例8で得られたEHDBAの1H−NMRスペクトルを示す図である。 合成例8で得られたEHDBAのサイクリックボルタモグラムを示す図である。 実施例8で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例9で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例10で作製したEL素子の電流密度−電圧特性を示す図である。 比較例6で作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性を示す図である。 実施例8,9および比較例6で作製したEL素子の定電圧下での輝度および電流の時間変化を示す図である。 実施例10および比較例6で作製したEL素子の定電圧下での電流の時間変化を示す図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る有機電界発光素子は、陽極と、陰極と、これら各極間に介在する、常温で液体の発光層とを備え、発光層が、(1)第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料を含む、または、(2)ホール輸送性材料と電子輸送性材料とを含み、ホール輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーが、電子輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーより小さく、かつ、電子輸送性材料の最低空軌道のエネルギーが、ホール輸送材料の最低空軌道のエネルギーより大きい、ことを特徴とする。
ここで、常温とは、JIS Z 8703で規定されている、20℃±15℃(5〜35℃)の範囲を意味する。
本発明で用いる、第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料(以下、単に「酸化還元に対して安定な材料」という)としては、そのような特性を有する材料であれば、特に限定されるものではないが、素子の寿命性能を向上させることを考慮すると、サイクリックボルタンメトリー測定において第一酸化波および/または第一還元波が可逆に観測される材料が好ましい。
上記(1)の発光層を備える有機電界発光素子において、液体の発光層としては、発光層全体として液体の性状を示すものであればよく、発光層の構成材料であるキャリア輸送材料および発光材料の少なくとも一方が液体であるとともに、発光層を構成する組成物全体として液状のものを用いることができる。
この場合、キャリア輸送材料および発光材料のいずれか一方が上記酸化還元に対して安定な材料であっても、双方が上記酸化還元に対して安定な材料であってもよいが、特に本発明においては、(A)キャリア輸送能および発光能を併せ持ち、酸化還元に対して安定な液体材料を用いる、または(B)酸化還元に対して安定なキャリア輸送材料と発光材料とを用いることが、好適である。
また、後者(B)の場合、得られるEL素子をより長寿命化することを考慮すると、光電子スペクトル測定によって求められる発光材料の最高被占軌道(以下、HOMOという)のエネルギーが、同じく光電子スペクトル測定によって求められるキャリア輸送材料のHOMOのエネルギーよりも大きいことが好ましい。
特に、発光材料のHOMOエネルギーが、キャリア輸送材料のHOMOエネルギーよりも0.05eV以上大きいことが好ましく、0.1eV以上大きいことが好ましく、0.3eV以上大きいことがより好ましい。
また、上記(2)の発光層を備える有機電界発光素子において、液体の発光層としては、ホール輸送性材料および電子輸送性材料を含み、発光層全体として液体の性状を示すものであればよく、発光層の構成材料であるホール輸送性材料、電子輸送性材料、および必要に応じて用いられる発光性色素のいずれかが液体であるとともに、発光層を構成する組成物全体として液状のものを用いることができるが、特に、ホール輸送性材料および電子輸送性材料の少なくとも一方が液状のものが好ましく、その双方が液状のものがより好ましい。
この場合、得られる有機EL素子におけるキャリアの再結合バランスを向上させるため、ホール輸送性材料および電子輸送性材料として、ホール輸送性材料の最高被占軌道(以下、HOMOという)のエネルギーが、電子輸送性材料のHOMOのエネルギーより小さく、かつ、電子輸送性材料の最低空軌道(以下、LUMOという)のエネルギーが、ホール輸送材料のLUMOのエネルギーより大きい組み合わせを用いる。
中でも、ホール輸送性材料のHOMOのエネルギーが、電子輸送性材料のHOMOのエネルギーより0.05eV以上、好ましくは0.1eV以上、より好ましくは0.3eV以上小さく、かつ、電子輸送性材料のLUMOのエネルギーが、ホール輸送材料のLUMOのエネルギーより0.05eV以上、好ましくは0.1eV以上、より好ましくは0.3eV以上大きいものの組み合わせが好適である。
また、ホール輸送性材料および電子輸送性材料の中には、それぞれのキャリア輸送能と発光能とを併せ持つものが存在するが、本発明においても、ホール輸送性材料および電子輸送性材料の少なくとも一方が発光能を有することが好ましく、双方が発光能を有することがより好ましい。
上記(2)の発光層を備える有機電界発光素子で用いるホール輸送性材料としては、例えば、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、スターバーストアミン、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、フルオレン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアニリン誘導体、シラン誘導体、ピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、アントラセン誘導体,テトラセン誘導体,ピレン誘導体,ルブレン誘導体,デカシクレン誘導体,ペリレン誘導体等の炭素縮合環系化合物、および金属もしくは無金属のフタロシアニン誘導体が挙げられ、これらを単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
カルバゾール誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、互いに独立して、アリール基を、Yは、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を意味する。)
Figure 2012099237
(式中、n’は2以上の整数を表す。)
上記アリール基としては、単環もしくは縮環の芳香環、または単環もしくは縮環の複素環が挙げられ、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基、ピリジル基、ビピリジル基、ターピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、チエニル基等が挙げられる。なお、これらの基は、お互いに結合していてもよい。
また、Yの詳細については後述する。
トリアリールアミン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Ar基は上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
スターバーストアミンとしては、トリアリールアミンがデンドリマータイプに拡張されたものが挙げられ、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
チアントレン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Tは、互いに独立して、一価の有機基を表し、上記のYやArで表される基を含む。)
Figure 2012099237
フェノチアジン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Ar、YおよびTは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
アゼピン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Ar、YおよびTは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
フェニレンジアミン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
トリフェニルメタン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、YおよびArは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
フルオレン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、ArおよびYは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
(式中、Yおよびnは、上記と同じ意味を表す。)
スチルベン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
ポリアニリン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、n’は、上記と同じ意味を表す。)
シラン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
ピロール誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
ポルフィリン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
金属または無金属のフタロシアニン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
上記(1)の発光層を備える有機電界発光素子で用いるキャリア輸送能および発光能を有する材料もしくはキャリア輸送材料、または上記(2)の発光層を備える有機電界発光素子で用いるホール輸送材料としては、特に、式(1)で示される化合物を好適に用いることができる。
Figure 2012099237
ここで、Xは、キャリア輸送および発光部、キャリア輸送部またはホール輸送部であって、カルバゾール誘導体、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、アリールシクロアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、オキサゾール誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ピラゾリン誘導体、フルオレノン誘導体、ポリアニリン誘導体、シラン誘導体、ピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、キナクリドン誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、アントラセン誘導体,テトラセン誘導体,ピレン誘導体,ルブレン誘導体,デカシクレン誘導体,ペリレン誘導体等の炭素縮合環系色素、金属または無金属のフタロシアニン、金属または無金属のナフタロシアニン、ベンジジンを表す。
これらの中でも、優れたキャリア(ホール)輸送能を有するとともに、酸化還元に対する安定性が良好であるという点から、カルバゾール誘導体、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体が好ましい。
一方、Yは、上記キャリア輸送および発光部またはキャリア輸送部Xに連結する少なくとも1つの置換基であって、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。なお、これらエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合、アミド結合は、XとYとの連結部に存在していてもよい。
この場合、アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖状のアルキル基を用いた場合、アルキル鎖同士のパッキング等の分子間相互作用により、結晶性の向上や粘度の増加が考えられるため、分岐状のアルキル基がより好ましい。
このような炭素数1〜30のアルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、c−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、c−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、c−ペンチル、2−メチル−c−ブチル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル基等が挙げられる。
エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいる炭素数1〜30のアルキル基とは、上述したようなアルキル基の任意の位置にこれらの結合を有するものが挙げられ、具体的に下記のような置換基が挙げられる。
エーテル結合を含んでいる上記アルキル基の具体例としては、CH2OCH3、CH2OCH2CH3、CH2O(CH22CH3、CH2OCH(CH32、CH2O(CH23CH3、CH2OCH2CH(CH32、CH2OC(CH33、CH2O(CH24CH3、CH2OCH(CH3)(CH22CH3、CH2O(CH22CH(CH3)CH3、CH2OCH(CH3)(CH23CH3、CH2O(CH25CH3、CH2OCH2CH(CH3)(CH22CH3、CH2O(CH22CH(CH3)CH2CH3、CH2O(CH23CH(CH3)CH3、CH2OC(CH32(CH22CH3、CH2OCH(CH2CH3)(CH22CH3、CH2OC(CH32CH(CH3)CH3、CH2O(CH26CH3、CH2O(CH27CH3、CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH23CH3、CH2O(CH28CH3、CH2O(CH29CH3、CH2O(CH210CH3、CH2O(CH211CH3、CH2O(CH212CH3、CH2O(CH213CH3、CH2O(CH214CH3、CH2O(CH215CH3、CH2O(CH216CH3、CH2O(CH217CH3、CH2O(CH218CH3、CH2O(CH219CH3、CH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH3、CH2CH2O(CH22CH3、CH2CH2OCH(CH32、CH2CH2O(CH23CH3、CH2CH2OCH2CH(CH32、CH2CH2OC(CH33、CH2CH2O(CH24CH3、CH2CH2OCH(CH3)(CH22CH3、CH2CH2O(CH22CH(CH3)CH3、CH2CH2OCH(CH3)(CH23CH3、CH2CH2O(CH25CH3、CH2CH2OCH2CH(CH3)(CH22CH3、CH2CH2O(CH22CH(CH3)CH2CH3、CH2CH2O(CH23CH(CH3)CH3、CH2CH2OC(CH32(CH22CH3、CH2CH2OCH(CH2CH3)(CH22CH3、CH2CH2OC(CH32CH(CH3)CH3、CH2CH2O(CH26CH3、CH2CH2O(CH27CH3、CH2CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH23CH3、CH2CH2O(CH28CH3、CH2CH2O(CH29CH3、CH2CH2O(CH210CH3、CH2CH2O(CH211CH3、CH2CH2O(CH212CH3、CH2CH2O(CH213CH3、CH2CH2O(CH214CH3、CH2CH2O(CH215CH3、CH2CH2O(CH216CH3、CH2CH2O(CH217CH3、CH2CH2O(CH218CH3、CH2CH2O(CH219CH3、CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH3、CH2CH2CH2O(CH22CH3、CH2CH2CH2OCH(CH32、CH2CH2CH2O(CH23CH3、CH2CH2CH2OCH2CH(CH32、CH2CH2CH2OC(CH33、CH2CH2CH2O(CH24CH3、CH2CH2CH2OCH(CH3)(CH22CH3、CH2CH2CH2O(CH22CH(CH3)CH3、CH2CH2CH2OCH(CH3)(CH23CH3
CH2CH2CH2O(CH25CH3、CH2CH2CH2OCH2CH(CH3)(CH22CH3、CH2CH2CH2O(CH22CH(CH3)CH2CH3、CH2CH2CH2O(CH23CH(CH3)CH3、CH2CH2CH2OC(CH32(CH22CH3、CH2CH2CH2OCH(CH2CH3)(CH22CH3、CH2CH2CH2OC(CH32CH(CH3)CH3、CH2CH2CH2O(CH26CH3、CH2CH2CH2O(CH27CH3、CH2CH2CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH23CH3、CH2CH2CH2O(CH28CH3、CH2CH2CH2O(CH29CH3、CH2CH2CH2O(CH210CH3、CH2CH2CH2O(CH211CH3
、CH2CH2CH2O(CH212CH3、CH2CH2CH2O(CH213CH3、CH2CH2CH2O(CH214CH3、CH2CH2CH2O(CH215CH3、CH2CH2CH2O(CH216CH3、CH2CH2CH2O(CH217CH3、CH2CH2CH2O(CH218CH3、CH2CH2CH2O(CH219CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3基等や、下記式で示される基などが挙げられる。
Figure 2012099237
Figure 2012099237
チオエーテル結合を含んでいる上記アルキル基の具体例としては、上記エーテル結合を含んでいるアルキル基の酸素原子(O)を、硫黄原子(S)に代えた基等が挙げられる。
エステル結合を含んでいる上記アルキル基の具体例としては、上記エーテル結合を含んでいるアルキル基の酸素原子(O)を、C(O)OまたはOC(O)に代えた基等が挙げられる。
炭酸エステル結合を含んでいる上記アルキル基の具体例としては、上記エーテル結合を含んでいるアルキル基の酸素原子(O)を、OC(O)Oに代えた基等が挙げられる。
アミド結合を含んでいる炭素数1〜30のアルキル基としては、上記エーテル結合を含んでいるアルキル基の酸素原子(O)を、C(O)NHまたはNHC(O)に代えた基等が挙げられる。
これらの中でも、液体になり易いという点から、炭素数6〜30の置換基が好ましく、具体的には、c−ヘキシル、1−メチル−c−ペンチル、1−エチル−c−ブチル、1,2−ジメチル−c−ブチル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−エイコシル基、CH2O(CH25CH3、CH2OCH(CH3)(CH23CH3、CH2OCH2CH(CH3)(CH22CH3、CH2O(CH22CH(CH3)CH2CH3、CH2O(CH23CH(CH3)CH3、CH2OC(CH32(CH22CH3、CH2OCH(CH2CH3)(CH22CH3、CH2OC(CH32CH(CH3)CH3、CH2O(CH26CH3、CH2O(CH27CH3、CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH23CH3、CH2O(CH28CH3、CH2O(CH29CH3、CH2O(CH210CH3、CH2O(CH211CH3、CH2O(CH212CH3、CH2O(CH213CH3、CH2O(CH214CH3、CH2O(CH215CH3、CH2O(CH216CH3、CH2O(CH217CH3、CH2O(CH218CH3、CH2O(CH219CH3、CH2CH2O(CH25CH3、CH2CH2OCH(CH3)(CH23CH3、CH2CH2OCH2CH(CH3)(CH22CH3、CH2CH2O(CH22CH(CH3)CH2CH3、CH2CH2O(CH23CH(CH3)CH3、CH2CH2OC(CH32(CH22CH3、CH2CH2OCH(CH2CH3)(CH22CH3、CH2CH2OC(CH32CH(CH3)CH3、CH2CH2O(CH26CH3、CH2CH2O(CH27CH3、CH2CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH23CH3、CH2CH2O(CH28CH3、CH2CH2O(CH29CH3、CH2CH2O(CH210CH3、CH2CH2O(CH211CH3、CH2CH2O(CH212CH3、CH2CH2O(CH213CH3、CH2CH2O(CH214CH3、CH2CH2O(CH215CH3、CH2CH2O(CH216CH3、CH2CH2O(CH217CH3、CH2CH2O(CH218CH3、CH2CH2O(CH219CH3、CH2CH2CH2O(CH25CH3、CH2CH2CH2OCH(CH3)(CH23CH3、CH2CH2CH2OCH2CH(CH3)(CH22CH3、CH2CH2CH2O(CH22CH(CH3)CH2CH3、CH2CH2CH2O(CH23CH(CH3)CH3、CH2CH2CH2OC(CH32(CH22CH3、CH2CH2CH2OCH(CH2CH3)(CH22CH3、CH2CH2CH2OC(CH32CH(CH3)CH3、CH2CH2CH2O(CH26CH3、CH2CH2CH2O(CH27CH3、CH2CH2CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH23CH3、CH2CH2CH2O(CH28CH3、CH2CH2CH2O(CH29CH3、CH2CH2CH2O(CH210CH3、CH2CH2CH2O(CH211CH3、CH2CH2CH2O(CH212CH3、CH2CH2CH2O(CH213CH3、CH2CH2CH2O(CH214CH3、CH2CH2CH2O(CH215CH3、CH2CH2CH2O(CH216CH3、CH2CH2CH2O(CH217CH3、CH2CH2CH2O(CH218CH3、CH2CH2CH2O(CH219CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3
CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3基等、並びにこれらの基の酸素原子(O)を、硫黄原子(S)に代えた基、C(O)OまたはOC(O)に代えた基、OC(O)Oに代えた基、およびC(O)NHまたはNHC(O)に代えた基等が好適である。
より好ましくは、CH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3基等である。
好適な酸化還元に対して安定な材料としては、例えば下記のカルバゾールダイマー(A1)等が挙げられる。
Figure 2012099237
上記式中、B1〜B6は、それぞれ独立して、水素原子、またはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合もしくはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基を表し、C1およびC2は、単結合、または置換もしくは非置換の芳香族環を表す。ただし、上記C1−B1、C2−B2、およびB3〜B6のいずれか1つは、式(1)のYに相当するエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基である。
上記エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基については、上記と同様のものが挙げられる。
芳香族環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の炭素縮環系化合物や、ピリジン環等の複素環が挙げられる。
本発明では、分子量の増加による粘度の増加を防ぐべく、C1およびC2が、それぞれ独立してベンゼン環または単結合のものが好ましく、B1およびB2が、それぞれ独立して炭素数1〜30のアルキル基またはエーテル結合を含む炭素数1〜30のアルキル基のものがより好ましく、さらには、B3〜B6が水素原子、B1およびB2が、それぞれ独立して炭素数1〜30のアルキル基またはエーテル結合を含む炭素数1〜30のアルキル基、かつ、C1およびC2が単結合のものがより一層好ましい。
これらの点から、カルバゾールダイマー(A2)が好ましく、カルバゾールダイマー(2)がより好ましく、カルバゾールダイマー(3)がより一層好ましいが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012099237
(式中、B3〜B6は上記と同じ。Yはそれぞれ独立して、式(1)の定義と同じ。)
Figure 2012099237
(式中、Yはそれぞれ独立して、式(1)の定義と同じ。)
Figure 2012099237
また、下記で示されるカルバゾール誘導体(B1)も好適に用いることができる。下記のような構造とすることで、カルバゾールの一電子酸化体の二量化が抑えられ、キャリア輸送能および発光能を有する、酸化還元に対して安定な材料とすることができる。
Figure 2012099237
上記式中B7〜B9は、それぞれ独立して、水素原子、またはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合もしくはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基を表し、C3は、単結合、または置換もしくは非置換の芳香族環を表し、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基、または置換もしくは無置換の芳香族環もしくは複素環を表し、D1およびD2は、それぞれ独立して、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を表す。ただし、上記C3−B7,D1−Z1、D2−Z2、B8およびB9のいずれか1つは、式(1)のYに相当するエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基である。
エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換または非置換の芳香族環の具体例としては、上記と同様のものが挙げられる。
特に、カルバゾール誘導体(4)が好ましく、式(5)および(8)で示されるカルバゾール誘導体がより一層好ましく、式(6)、(7)および(9)で示されるカルバゾール誘導体がより一層好ましいが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012099237
(式中、Z1およびZ2は上記と同じ。Yは式(1)の定義と同じ。)
Figure 2012099237
(式中、Yは式(1)の定義と同じ。)
Figure 2012099237
また、下記(C1)、(D1)および(E1)で示される化合物も好適に用いることができる。
Figure 2012099237
式中、B10〜B18は、それぞれ独立して、水素原子、またはエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合もしくはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基を表し、E1およびE2は、それぞれ独立して、酸素、硫黄、もしくはセレンなどの二価の元素、または二価のアルケン、アルキンもしくは芳香族環などの二価の有機基を表し、F1およびF2は、それぞれ独立して、窒素またはリンなどの三価の元素を表す。ただし、B10およびB11の少なくとも1つ、B12〜B14の少なくとも1つ、およびB15〜B18の少なくとも1つは、式(1)のYに相当するエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合等を含んでもよい炭素数1〜30のアルキル基である。
これらの化合物としては、下記チアントレン誘導体(C2)、式(10)で示されるフェノチアジン誘導体、式(12)で示されるアゼピン誘導体が好ましく、式(11)で示されるフェノチアジン誘導体、式(13)で示されるアゼピン誘導体がより好ましいが、これらに限定されるものではない。
Figure 2012099237
(式中、B10およびB11は上記と同じ。Yは式(1)の定義と同じ。)
Figure 2012099237
また、上記発光材料としては、式(14)で示される化合物を好適に用いることができる。
Figure 2012099237
上記式中、Zは、色素部であって、アントラセン誘導体,テトラセン誘導体,ピレン誘導体,ルブレン誘導体,デカシクレン誘導体,ペリレン誘導体等の炭素縮合環系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、スチリル系色素、ピラゾロン誘導体、フェノキサゾン系色素、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、トリアリールアミン、イリジウム錯体、またはAl、Zn、Beもしくは希土類金属からなる中心金属および配位子から構成される金属錯体を表し、これらの中でも、比較的大きいHOMOエネルギーを有するという点から、ピレン誘導体が好ましい。
一方、Wは、上記色素部Zに連結する少なくとも1つの置換基であって、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。なお、これらエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合、アミド結合は、WとZとの連結部に存在していてもよい。
この場合、アルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよいが、直鎖状のアルキル基を用いた場合、アルキル鎖同士のパッキング等の分子間相互作用により、結晶性の向上や粘度の増加が考えられるため、分岐状のアルキル基がより好ましい。
これらの置換基の具体例としては、上記Yで例示したものと同様のものが挙げられる。
好適な発光材料としては、式(15)で示されるものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2012099237
好適なホール輸送性材料としては、例えば下記式(16),(2)で示されるカルバゾール誘導体が挙げられ、より好ましくは、式(17),(3)で示されるカルバゾール誘導体が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Yは式(1)の定義と同じ。)
Figure 2012099237
また、上述した式(A1),(A2),(B1),(C1),(C2),(D1),(E1)、(4)〜(13)で示される各種化合物もホール輸送性材料として好適に用いることができる。
上記(2)の発光層を備える有機電界発光素子で用いる電子輸送材料としては、例えば、ジフェニレンスルホン(ジベンゾチオフェン5,5−ジオキシド)誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、シロール誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、炭素縮合環系化合物、トリアリールボラン誘導体、フラン誘導体、アルミニウム−キノリノール錯体や亜鉛−キノリノール錯体などの電子輸送性金属錯体が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
ジフェニレンスルホン誘導体としては、発光性のジフェニレンスルホン誘導体が好ましく、例えば、式(18)で示される化合物が挙げられ、より好ましくは、式(20)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、互いに独立して、アリール基を表す。)
Figure 2012099237
(式中、W2は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表し、mおよびnは、1〜10の整数を表す。)
上記アルキル基としては、上記Yで説明した基と同様のものが挙げられるが、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。
mおよびnは、1〜10の整数を表すが、好ましくは1〜5の整数であり、より好ましくは、1〜3の整数である。
より好ましい化合物としては、式(21)および式(22)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
オキサジアゾール誘導体としては、例えば、下記式で示される発光性化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
トリアゾール誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
トリアジン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
フェナントロリン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、ArおよびTは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
イミダゾール誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Tは、上記と同じ意味を表す。πは、芳香環を表す。)
Figure 2012099237
オキサゾール誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Tおよびπは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
フルオレノン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
シロール誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、ArおよびYは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
トリアリールホスフィンオキシド誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
炭素縮合環系化合物としては、例えば、下記式で示されるピレン、ペリレン等の化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
特に、本発明においては、発光性のピレン誘導体を好適に用いることができ、例えば、式(19)で示される発光性化合物が好ましい。
Figure 2012099237
(式中、W1は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
上記アルキル基としては、上記Yで説明した基と同様のものが挙げられる。好ましくは、上記式(15)で示される発光性化合物が挙げられる。
トリアリールボラン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
フラン誘導体としては、例えば、下記式で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
(式中、Arは、上記と同じ意味を表す。)
Figure 2012099237
電子輸送性金属錯体としては、例えば、下記式で示されるアルミニウム−キノリノール錯体や亜鉛−キノリノール錯体等の化合物が挙げられる。
Figure 2012099237
また、本発明の有機電界発光素子の発光層には、上記ホール輸送性材料および電子輸送性材料に加えて、適宜、発光性色素を配合してもよい。
その配合量は、特に限定されるものではないが、発光層中に、0.01〜50質量%程度とすることができる。
使用可能な発光性色素としては、以下に例示する色素のような従来公知のものから適宜選択して用いればよく、1種または2種以上を混合して用いることができる。
赤色発光材料の具体例としては、
4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ジュロリジル−9−エニル−4H−ピラン(4-(Dicyanomethylene)-2-methyl-6-julolidyl-9-enyl-4H-pyran)
4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(4-(Dicyanomethylene)-2-methyl-6-(1,1,7,7-tetramethyljulolidyl-9-enyl)-4H-pyran)
4−(ジシアノメチレン)−2−tert−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(4-(Dicyanomethylene)-2-tert-butyl-6-(1,1,7,7-tetramethyljulolidin-4-yl-vinyl)-4H-pyran)、
トリス(ジベンゾイルメタン)フェナントロリンユーロピウム(III)(Tris(dibenzoylmethane)phenanthroline europium(III))、
(5,6,11,12)−テトラフェニルナフタセン((5,6,11,12)-Tetraphenylnaphthacene)、
ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis(2-benzo[b]thiophen-2-yl-pyridine)(acetylacetonate)iridium(III))
ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)イソキノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis[1-(9,9-dimethyl-9H-fluoren-2-yl)-isoquinoline](acetylacetonate)iridium(III))
ビス[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis[2-(9,9-dimethyl-9H-fluoren-2-yl)quinoline](acetylacetonate)iridium(III))
トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)(Tris(2-phenylquinoline)iridium(III))
2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(2,8-Di-tert-butyl-5,11-bis(4-tert-butylphenyl)-6,12-diphenyltetracene)
ビス(2−フェニルベンゾチアゾレート)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis(2-phenylbenzothiazolato)(acetylacetonate)iridium(III))
2,6−ビス(4−(dip−トリルアミノ)スチリル)ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(2,6-bis(4-(dip-tolylamino)styryl)naphthalene-1,5-dicarbonitrile)
オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)−ピラゾレート)ジメチルフェニルホスフィン(Osmium(II)bis(3-trifluoromethyl-5-(2-pyridyl)-pyrazolate)dimethylphenylphosphine)
オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル)−5−(4−tert−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジフェニルメチルホスフィン(Osmium(II)bis(3-(trifluoromethyl)-5-(4-tert-butylpyridyl)-1,2,4-triazolate)diphenylmethylphosphine)
オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルホスフィン(Osmium(II)bis(3-(trifluoromethyl)-5-(2-pyridyl)-1,2,4-triazole)dimethylphenylphosphine)
オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−tert−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジメチルフェニルホスフィン(Osmium(II)bis(3-(trifluoromethyl)-5-(4-tert-butylpyridyl)-1,2,4-triazolate)dimethylphenylphosphine)
ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis[2-(4-n-hexylphenyl)quinoline](acetylacetonate)iridium(III))
トリス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン]イリジウム(III)(Tris[2-(4-n-hexylphenyl)quinoline]iridium(III))
トリス[2−フェニル−4−メチルキノリン]イリジウム(III)(Tris[2-phenyl-4-methylquinoline]iridium(III))
ビス(2−フェニルキノリン)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(III)(Bis(2-phenylquinoline)(2-(3-methylphenyl)pyridinate)iridium(III))
ビス(2−(9,9−ジメチル−フルオレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾレート)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis(2-(9,9-diethyl-fluoren-2-yl)-1-phenyl-1H-benzo[d]imidazolato)(actylacetonate)iridium(III))
ビス(2−フェニルピリジン)(3−(ピリジン−2−イル)−2H−クロメン−2−オネート)イリジウム(III)(Bis(2-phenylpyridine)(3-(pyridin-2-yl)-2H-chromen-2-onate)iridium(III))
ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)(Bis(2-phenylquinoline)(2,2,6,6-tetramethylheptane-3,5-dionate)iridium(III))
ビス(フェニルイソキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)(Bis(phenylisoquinoline)(2,2,6,6-tetramethylheptane-3,5-dionate)iridium(III))
イリジウム(III)ビス(4−フェニルチエノ[3,2−c]ピリジネート−N,C2’)アセチルアセトナート(Iridium(III) bis(4-phenylthieno[3,2-c]pyridinato-N,C2’)acetylacetonate)
(E)−2−(2−tert−ブチル−6−(2−(2,6,6−トリメチル−2,4,5,6−テトラヒドロ−1H−ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−8−イル)ビニル)−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル((E)-2-(2-tert-butyl-6-(2-(2,6,6-trimethyl-2,4,5,6-tetrahydro-1H-pyrrolo[3,2,1-ij]quinolin-8-yl)vinyl)-4H-pyran-4-ylidene)malononitrile)
ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis(2-phenylquinoline)(acetylacetonate)iridium(III))
トリス[4,4’−ジ−tert−ブチル−(2,2’)−ビピリジン]ルテニウム(III)コンプレックス(Tris[4,4’-di-tert-butyl-(2,2’)-bipyridine]ruthenium(III) complex)
(E)−2−(2−(4−(ジメチルアミノ)スチリル)−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル((E)-2-(2-(4-(dimethylamino)styryl)-6-methyl-4H-pyran-4-ylidene)malononitrile)
などが挙げられる。
緑色発光材料の具体例としては、
3−(2−ベンズイミダゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン(クマリン7)(3-(2-Benzimidazolyl)-7-(diethylamino)coumarin)
3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン(3-(2-Benzothiazolyl)-7-(diethylamino)coumarin)
2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−10−(2−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1gh]クマリン(2,3,6,7-Tetrahydro-1,1,7,7,-tetramethyl-1H,5H,11H-10-(2-benzothiazolyl)quinolizino[9,9a,1gh]coumarin)
N,N’−ジメチルキナクリドン(N,N'-Dimethyl-quinacridone)
トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Tris(2-phenylpyridine)iridium(III))
ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム(III)(Bis(2-phenylpyridine)(acetylacetonate)iridium(III))
トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(III)(Tris[2-(p-tolyl)pyridine]iridium(III))
9,10−ビス[N,N−ジ−(p−トリル)アミノ]アントラセン(9,10-Bis[N,N-di-(p-tolyl)amino]anthracene)
9,10−ビス[フェニル(m−トリル)アミノ]アントラセン(9,10-Bis[phenyl(m-tolyl)amino]anthracene)
ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾレート]亜鉛(II)(Bis[2-(-2hydroxyphenyl)benzothiazolato]zinc(II))
10,N10,N10',N10'−テトラトリル−9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジアミン(N10,N10,N10',N10'-tetratolyl-9,9'-bianthracene-10,10'-diamine)
10,N10,N10',N10'−テトラフェニル−9,9’−ビアントラセン−10,10’−ジアミン(N10,N10,N10',N10'-tetraphenyl-9,9'-bianthracene-10,10'-diamine)
などが挙げられる。
青色発光材料の具体例としては、
4,4’−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1’−ビフェニル(4,4'-Bis(9-ethyl-3-carbazovinylene)-1,1'-biphenyl)
ペリレン(Perylene)
2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(2,5,8,11-Tetra-tert-butylperylene)
1,4−ビス[2−(3−N−エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン(1,4-Bis[2-(3-N-ethylcarbazoryl)vinyl]benzene)
4,4’−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル(4,4' -Bis[4-(di-p-tolylamino)styryl]biphenyl)
4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン(4-(Di-p-tolylamino)-4'-[(di-p-tolylamino)styryl]stilbene)
ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキリピリジル)イリジウム(III)(Bis(3,5-difluoro-2-(2-pyridyl)phenyl-(2-carboxypyridyl)iridium(III))
4,4’−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル(4,4'-Bis[4-(diphenylamino)styryl]biphenyl)
ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジネート)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレートイリジウム(III)(Bis(2,4-difluorophenylpyridinato)tetrakis(1-pyrazolyl)borate iridium(III))
N,N’−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N’−ビス(フェニル)−トリス−(9,9−ジメチルフルオレニレン)(N,N'-Bis(naphthalen-2-yl)-N,N'-bis(phenyl)-tris-(9,9-dimethylfluorenylene))
2,7−ビス{2−[フェニル(m−トリル)アミノ]−9,9−ジメチル−フルオレン−7−イル}−9,9−ジメチル−フルオレン(2,7-Bis{2-[phenyl(m-tolyl)amino]-9,9-dimethyl-fluorene-7-yl}-9,9-dimethyl-fluorene)
N−(4−((E)−2−(6−((E)−4−(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン−2−イル)ビニル)フェニル)−N−フェニルベンゼンアミン(N-(4-((E)-2-(6-((E)-4-(diphenylamino)styryl)naphthalen-2-yl)vinyl)phenyl)-N-phenylbenzenamine)
fac−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)(fac-Iridium(III) Tris(1-phenyl-3-methylbenzimidazolin-2-ylidene-C,C2'))
mer−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2’)(mer-Iridium(III) Tris(1-phenyl-3-methylbenzimidazolin-2-ylidene-C,C2'))
1,4−ジ−[4−(N,N−ジ−フェニル)アミノ]スチリル−ベンゼン(1,4-di-[4-(N,N-di-phenyl)amino]styryl-benzene)
1,4−ビス(4−(9H−カルバゾール−9−イル)スチリル)ベンゼン(1,4-bis(4-(9H-carbazol-9-yl)styryl)benzene)
(E)−6−(4−(ジフェニルアミノ)スチリル)−N,N−ジフェニルナフタレン−2−アミン((E)-6-(4-(diphenylamino)styryl)-N,N-diphenylnaphthalen-2-amine)
ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジネート)(5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート)イリジウム(III)(Bis(2,4-difluorophenylpyridinato)(5-(pyridin-2-yl)-1H-tetrazolate) iridium(III))
などが挙げられる。
本発明の有機電界発光素子の発光層には、輝度の向上、駆動電圧の低下および発光効率の向上等の目的で、イオン性材料を配合することが好ましい。なお、上述したキャリア輸送能および発光能を有する材料は、酸化還元に対して安定であるため、イオン性材料を配合した場合であっても、従来の有機EL素子のような寿命の著しい低下を来すことはない。
このイオン性材料としては、上述した液状の材料に溶解または分散するイオン性材料を適宜選択して用いればよい。
その具体例としては、下記式[1]で示される化合物が挙げられる。
(An+i(Bm-j [1]
上記式中、An+は、n(nは1〜10の整数を表す)価のカチオン成分であって、金属イオン、または窒素原子、リン原子、硫黄原子もしくは酸素原子を含むオニウムイオンを表し、Bm-は、m(mは1〜10の整数を表す)価のアニオン成分であって、ハロゲン化物イオン、オキソ酸アニオン、ホウ素原子を含むアニオン、リン原子を含むアニオン、イミド系アニオンを表す。iおよびjは、それぞれ1〜100の整数、かつ、式[1]で表されるイオン性材料が電気的中性となる整数である。
窒素原子を含むオニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムカチオン、1−(n−ブチル)−1−メチルピロリジニウムカチオン等のテトラアルキルアンモニウムカチオン;N,N′−ジメチルイミダゾリウムカチオン、N,N′−エチルメチルイミダゾリウムカチオン、N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムカチオン等のN,N′−ジアルキルイミダゾリウムカチオンなどが挙げられる。
リン原子を含むオニウムイオンとしては、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラ(n−ブチル)ホスホニウムカチオン等のテトラアルキルホスホニウムカチオン;PH4 +などが挙げられる。
硫黄原子を含むオニウムイオンとしては、トリメチルスルホニウムカチオン、トリエチルスルホニウムカチオン、トリ(n−ブチル)スルホニウムカチオン等のトリアルキルスルホニウムカチオンなどが挙げられる。
酸素原子を含むオニウムイオンとしては、トリメチルオキソニウムカチオン、トリエチルオキソニウムカチオン、トリ(n−ブチル)オキソニウムカチオン等のトリアルキルオキソニウムカチオンなどが挙げられる。
ハロゲン化物イオンとしては、F-、Cl-、Br-、I-が挙げられる。
オキソ酸アニオンとしては、ホウ酸アニオン、炭酸アニオン、酢酸アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオンなどが挙げられる。
ホウ素原子を含むアニオンとしては、BF4 -;テトラメチルボレート、テトラエチルボレート等のテトラアルキルボレート;テトラフェニルボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のテトラアリールボレートなどが挙げられる。
リン原子を含むアニオンとしては、PF6 -などが挙げられる。
イミド系アニオンとしては、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン等のビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドアニオンなどが挙げられる。
イオン性材料の具体例としては、テトラ(n−ブチル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェイト、1−(n−ブチル)−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−(n−プロピル)−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のテトラアルキルアンモニウム塩;N,N′−ブチルメチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェイト等のイミダゾリウム塩;テトラ(n−ブチル)ホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリ(n−ブチル)メチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のテトラアルキルホスホニウム塩;トリエチルスルホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のトリアルキルスルホニウム塩;トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート等のトリアルキルオキソニウム塩などが挙げられる。
これらの中でも、得られる電界発光素子の特性をより向上させることを考慮すると、窒素原子、リン原子、硫黄原子もしくは酸素原子を含むオニウムイオンを有する有機塩が好ましく、窒素原子を含むオニウムイオンを有する有機塩が好ましく、特にテトラ(n−ブチル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェイト、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−プロピル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等が好適である。
イオン性材料の添加量は、特に限定されるものではないが、本発明においては、発光層中に0.01〜50質量%程度、好ましくは、0.1〜1.0質量%という少量添加でも、十分な効果を発揮させることができる。
キャリア輸送能および発光能を有する材料、またはキャリア輸送材料と、イオン性材料とを混合する手法は任意であるが、固体の成分を使用する場合、液体成分に固体成分を混合する手法が好適である。
本発明の有機電界発光素子では、上述の液体発光層に特徴があるため、その他の素子の構成部材には特に制限はなく、従来公知のものを適宜採用することができる。
例えば、陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極や、高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体などを用いることができる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セシウム添加ITOなどを用いることができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、陽極、陰極および発光層の他に、有機電界発光素子に一般的に用いられる各種機能層を備えていてもよい。
このような機能層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、キャリアブロック層などが挙げられる。
正孔輸送層は、陽極と発光層との間に設けられ、陽極から注入された正孔を発光層へ輸送する機能を有する層であり、その材料としては、上記キャリア輸送材料で例示した正孔輸送材料と同様のものが挙げられる。
また、正孔注入層は、正孔輸送層と陽極との間に設けられ、陽極からの正孔注入効率を高める機能を有する層である。
正孔注入層を形成する材料としては、銅フタロシアニン、4,4’,4”−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)等が挙げられる。
電子輸送層は、陰極と発光層との間に設けられ、陰極から注入された電子を発光層へ輸送する機能を有する層であり、その材料としては、上記キャリア輸送材料で例示した電子輸送材料と同様のものが挙げられる。
電子注入層は、電子輸送層と陰極との間に設けられ、陰極からの電子注入効率を高める機能を有する層である。
このような電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al23)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、Li(acac)、酢酸リチウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
キャリアブロック層は、発光領域をコントロールするための層であり、上述した任意の層間に形成し得る層である。
このようなキャリアブロック層を形成する材料としては、PBD、TAZ、BCP等が挙げられる。
次に、本発明の電界発光素子の実施の一形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る電界発光素子である、有機EL素子1が示されている。
この有機EL素子1は、陽極10と、陰極20と、これら各極10,20間に介在する、常温で液体の発光層30(以下、液体発光層30という)とを備えている。
本実施形態において、陽極10は、ガラス基板11と、この上に成膜されたITO基板12とから構成されている。
一方、陰極20は、ガラス基板13と、この上に成膜されたITO基板14とから構成されている。
液体発光層30は、サイクリックボルタンメトリー測定において第一酸化波および/もしくは第一還元波が可逆に観測されるキャリア輸送能および発光能を有する液体材料、またはホール輸送性材料および電子輸送性材料からなる液体材料並びにイオン性材料を含んで構成されている。
以上のように構成される有機EL素子の作製方法としては特に制限はないが、例えば、下記のような手法を用いることができる。
まず、上記液体材料中に、イオン性材料を加えて溶解させて液体発光体を作製する。
続いて、陰極20上に、上記液体発光体を滴下し、その上に陽極10を適切な圧力で押しつけて、液体発光層30を有する有機EL素子1を得る。
なお、各層を構成する材料は、上記実施形態で用いた材料に限定されるものではなく、各層の機能を発揮する限りにおいて、先に例示した各種材料などから適宜選択して用いることができる。
また、各層の成膜方法も上記実施形態の手法に限定されるものではなく、用いる材料に応じて、蒸着法、スプレー法、インクジェット法、スパッタリング法等の公知の手法を適宜採用することができる。
さらに、図23に示される有機EL素子2のように、上記各層の他に、必要に応じて、ホールブロック層40やホール注入層50等を形成してもよい。
以下、合成例および実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、実施例で用いた測定装置は以下のとおりである。
(1)電流−電圧−輝度特性
フォトディテクター付き半導体パラメーターアナライザー(アジレント社製、B1500A)と光パワー−メーター(ニューポート、1930C)によって計測した。
(2)EL発光スペクトル
マルチチャンネル分光器(PMA−11,浜松ホトニクス(株)製)によって計測した。
(3)1H−NMR
装置:AVANCE 500、Bruker社製
装置:JNM−LA400、日本電子データム(株)製
(4)サイクリックボルタンメトリー
装置:電気化学アナライザー(Model 708C、ALS社製)
(5)紫外可視吸収スペクトル測定
装置:Lambda 950−PKA、パーキンエルマー社製
(6)光電子スペクトル測定
装置:AC−2、理研計器(株)製
[合成例1](Cz)2の合成
Figure 2012099237
Cz(8.36g,50mmol)およびFeCl3(24.3g,150mmol)をクロロホルム(150mL)に加え、2.5時間室温にて撹拌した。反応溶媒をロータリーエバポレーターで留去した後、メタノール(200mL)を加え、70℃にて4時間撹拌し、不溶物を分取した。再びメタノール(200mL)を加え、70℃にて4時間撹拌し、不溶物を分取して目的化合物を得た(7.73g,92%)。同定は1H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−d6,r.t.)にて行った。NMRスペクトルを図2に示す。
[合成例2](TEGCz)2の合成
Figure 2012099237
合成例1で得られた(Cz)2(1.00g,3.00mmol)、水素化ナトリウム(50%油性,0.35g、7.29mmol)およびTEGTs(2.39g,7.50mmol)をDMF(10mL)に加え、90℃にて2時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、カラムクロマトグラフィー(SiO2,クロロホルム/酢酸エチル=90/10(v/v))にて精製を行い、目的化合物を得た(0.91g,49%)。得られた化合物は常温で液体であった。同定は1H−NMRスペクトル(500MHz,DMSO−d6,r.t.)にて行った。NMRスペクトルを図3に示す。また、そのサイクリックボルタンメトリー測定結果を図4に示す。図4に示されるように、この化合物では、可逆な第一酸化波が観測されていることがわかる。
なお、TEGTsは、Dalton Trans.,9043(2009)に記載の方法を参考に合成した。
[合成例3]tBuTEGCzの合成
Figure 2012099237
窒素気流下、カルバゾール(8.27g、49.5mmol)および塩化アルミニウム(1.25g、9.37mmol)を塩化メチレン(160mL)に加え、0℃で冷却しながら、2−クロロ−2−メチルプロパン(16mL、147mmol)を45分かけて滴下した。室温に昇温後、4日間撹拌した。反応溶液に1Nの塩酸(200mL)を加え、分液した。有機層を1Nの塩酸(200mL×4)および飽和食塩水(200mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去した。ヘキサンで再結晶することにより、白色結晶としてtBuCz(2.94g、収率21%)を得た。
Figure 2012099237
窒素気流下、上記で得られたtBuCz(2.45g、8.75mmol)をTHF(10mL)に加え、室温で1.65Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液(5.8mL、9.57mmol)を5分かけて滴下した。得られた反応溶液を、1時間還流した。室温に冷却後、TEGTs(3.13g、9.82mmol)のTHF溶液(5mL)を5分かけて滴下した。得られた反応溶液を、6時間還流した。室温に冷却後、水(100mL)および酢酸エチル(100mL)を追加し、分液した。水層を酢酸エチル(50mL×2)で抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水(100mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=75/25(v/v))にて精製し、無色透明の液体としてtBuTEGCz(2.28g、収率61%)を得た。同定は1H−NMRスペクトルにて行った。NMRスペクトルを図9に示す。また、そのサイクリックボルタンメトリー測定結果を図10に示す。図10に示されるように、この化合物では、可逆な第一酸化波が観測されていることがわかる。
[合成例4]EHPyの合成
Figure 2012099237
4−(1−ピレニル)酪酸(5.8g,20.0mmol)、1−ブロモ−2−エチルヘキサン(7.7g,40.0mmol)および炭酸カリウム(8.3g,60.0mmol)をDMF(7.1mL)に加え、90℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、クロロホルム(50mL)を加えて水洗(50mL×3)した。硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/クロロホルム=8/2(v/v))にて精製し、無色透明の液体としてEHPy(7.41g)を得た。同定は1H−NMRスペクトルにて行った。NMRスペクトルを図11に示す。
[合成例5]PhCzの合成
Figure 2012099237
3,6−ジブロモカルバゾール(和光純薬工業(株)製)(2.01g、6.20mmol)、フェニルボロン酸(東京化成工業(株)製)(2.25g、18.5mmol)、トリ(オルトトリル)ホスフィン(東京化成工業(株)製)(196mg、0.644mmol)、酢酸パラジウム(和光純薬工業(株)製)(69.0mg、0.307mmol)、および水酸化バリウム八水和物(和光純薬工業(株)製)(6.32g、20.0mmol)をトルエン(純正化学(株)製、80mL)と水(10mL)に加え、100℃で22時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル(純正化学(株)製、100mL)と水(100mL)を加え、分液した。水相を酢酸エチル(100mL)で抽出後、合わせた有機相を水(100mL、2回)および飽和食塩水(100mL)で洗浄した。硫酸マグネシウム(純正化学(株)製)で脱水後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン/クロロホルム=50/50(v/v))にて精製を行った後、濃縮し、ヘキサン/クロロホルムで再結晶することで、目的化合物を白色固体として得た(1.80g、91%)。
[合成例6]PhCzTEGの合成
Figure 2012099237
合成例5で得られたPhCz(1.78g、5.57mmol)をTHF(純正化学(株)製、25mL)に加え、室温でn−BuLi(関東化学(株)製、1.6Mヘキサン溶液、6.0mL、9.9mmol)を滴下した。還流下で1時間撹拌後、室温に冷却し、TEGTs(3.16g、9.93mmol)を加えた。還流下で15時間撹拌後、室温に冷却した。酢酸エチル(100mL)と水(100mL)を加え、分液した。水相を酢酸エチル(50mL、2回)で抽出後、合わせた有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄した。硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル=65/35(v/v))にて精製を行った後、濃縮することで、目的化合物を無色透明の液体として得た(1.37g、53%)。1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定結果を図32に示す。また、サイクリックボルタンメトリー測定結果を図33に示す。図33に示されるように、この化合物では、可逆な第一酸化波が観測されていることがわかる。
[合成例7]EHPTAの合成
Figure 2012099237
フェノチアジン(東京化成工業(株)製、以下、PTA)(5.00g、25.1mmol)、水素化ナトリウム(和光純薬工業(株)製、60%油性,1.20g、30.1mmol、以下、NaH)およびEHTs(5.81g、30.1mmol)をTHF(純正化学(株)製、50mL)に加え、還流下にて8時間撹拌した。室温まで冷却後、酢酸エチル(純正化学(株)製、50mL)と水(50mL)を加え、分液した。水相を酢酸エチル(50mL、2回)で抽出後、合わせた有機相を飽和食塩水(100mL)で洗浄した。硫酸マグネシウム(純正化学(株)製)で脱水後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィー(SiO2,ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜98/2(v/v))にて精製を行った後、濃縮することで、目的化合物を無色透明な液体として得た(7.51g、96%)。1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定結果を図34に示す。なお、EHTsは、Dalton Trans.,3955(2009)に記載の方法を参考に合成した。
また、サイクリックボルタンメトリー測定結果を図35に示す。図35に示されるように、この化合物では、可逆な第一酸化波が観測されていることがわかる。
[合成例8]EHDBAの合成
Figure 2012099237
イミノスチルベン(東京化成工業(株)製)(2.0g、10.4mmol)を脱水DMF(関東化学(株)製)に溶解させ、氷浴下、NaH(和光純薬工業(株)製、50%油性,0.55g、11.4mmol)を加えた。次いで、反応溶液を撹拌しながら徐々に室温まで戻し、一時間撹拌した。再び、反応溶液を氷浴下にて冷却し、1−ブロモ−2−エチルヘキサン(EHBr)(2.2g、10.9mmol)を加え、徐々に室温に戻しながら12時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解させ、水(20mL)にて分液した。有機相を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、濾別・濃縮後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1〜7/3)にて精製を行い、黄色の液体を得た。1H−NMRスペクトル(CDCl3)の測定結果を図36に示す。また、サイクリックボルタンメトリー測定結果を図37に示す。図37に示されるように、この化合物では、可逆な第一酸化波が観測されていることがわかる。
[実施例1]
合成例2で得られたホスト化合物(TEGCz)299.75質量部に、下記構造で示されるトリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.25質量部を加え、トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを(TEGCz)2中に完全に溶解させることで液体発光体を作製した。
Figure 2012099237
EL素子の作製は以下にようにして行った。
界面活性剤、純水、イソプロパノールの順で超音波洗浄し、UV/オゾン処理(フィルジェン社製、UV253S)を12分間施したITO12付きガラス基板11(陽極10)およびITO14付きガラス基板13(陰極20)を用意した。
グローブボックス中で、先に調製した液体発光体を陰極20上(ITO14上)に少量滴下し、陽極10で挟み込んで得られた積層体の外側からクリップ(図示省略)で挟んで固定し、図1に示されるような、ガラス基板/ITO(陽極)/液体発光体層/ITO(陰極)/ガラス基板からなるEL素子1を作製した。素子面積は2mm×2mmである。
作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度および発光スペクトルを測定した。結果を図5に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を誘電率測定の結果から算出したところ、5.2μmであった。
図5に示されるように、100V印加時に1.63mA/cm2の電流密度と1.31cd/m2の最大輝度が得られ、452nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
[比較例1]
ホスト化合物として下記式で示されるTEGCz99.75質量部およびトリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図6に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ1.0μmであった。
図6に示されるように、18.2V印加時に5.23mA/cm2の電流密度と0.0219cd/m2の最大輝度が得られ、455nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
なお、TEGCzはSynthetic Metals,89(3),171(1997)に記載の方法を参考に合成した。また、TEGCzのサイクリックボルタンメトリー測定結果を図12に示す。図12に示されるように、この化合物では、不可逆な第一酸化波が観測されていることがわかる。
Figure 2012099237
続いて、実施例1および比較例1におけるEL素子の寿命を測定した。それぞれの初期輝度を同じにした場合の一定印加電圧下での輝度、電流および電流効率の時間変化を図7に、初期輝度を同じにした場合の一定電流密度での輝度および印加電圧の時間変化を図8に示す。
図7に示されるように、ホスト化合物としてTEGCzを用いた場合には、輝度および電流のいずれにおいても急激な減衰が確認されるが、(TEGCz)2を用いた場合には、輝度および電流いずれも減衰することなく一定を示している。
また、図8に示されるように、一定電流下においても、TEGCzを用いた場合には電流のショートが確認され発光を示さないのに対して、(TEGCz)2を用いた場合には、初期に輝度および電圧の僅かな低下は確認されるものの、その後は減衰することなく安定して発光し続けていることがわかる。
これらの結果より、発光層内に有機塩が存在する場合であっても、(TEGCz)2はTEGCzよりも安定なホスト材として機能していることがわかる。
[実施例2]
膜厚を2.6μmとした以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図13に示す。図13に示されるように、49.4V印加時に9.63mA/cm2の電流密度と0.094cd/m2の最大輝度が得られ、452nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
[比較例2]
膜厚を2.4μmとした以外は、比較例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図14に示す。図14に示されるように、10.0V印加時に3.12mA/cm2の電流密度と0.14cd/m2の最大輝度が得られ、420nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
続いて、実施例2および比較例2で得られたEL素子の寿命を測定した。初期輝度を0.088cd/m2に固定して定電流駆動下における輝度の時間変化を測定した。結果を図15に示す。図15に示されるように、膜厚が異なっていても、実施例1および比較例1で示した場合と同様に、ホスト化合物としてTEGCzを用いた場合には、輝度の急激な減衰が確認されるが、(TEGCz)2を用いた場合には、減衰することなく一定を示していることがわかる。
さらに、実施例2および比較例2におけるEL素子の吸収スペクトルの時間変化を測定した。それぞれの初期輝度を0.088cd/m2に固定して定電流駆動下での吸収スペクトルの時間変化を図16と図17にそれぞれ示し、実施例2および比較例2の330nmの吸光度の時間変化を併せて図18に示す。
図16に示されるように、実施例2で得られたEL素子では駆動時間が1000秒経過しても吸収スペクトルに大きな変化は見られないが、図17に示されるように、比較例2で得られたEL素子では駆動時間50秒以内に、TEGCz由来の紫外部の吸収が大きく減衰し、400nm以上の可視部の吸収が増大していることがわかる。
これらの結果により、比較例2では、TEGCzが電気化学的に不安定であるため、素子中でTEGCzが分解し、結果として素子が機能しなくなっているのに対し、実施例2では、(TEGCz)2が電気化学的に安定であるため、素子中における(TEGCz)2の分解が抑制され、結果として素子の駆動寿命が長くなっていることがわかる。
[実施例3]
合成例3で得られたホスト化合物tBuTEGCz99.75質量部と、トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.25質量部とからなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図19に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ2.2μmであった。
図19に示されるように、35.4V印加時に2.76mA/cm2の電流密度と0.24cd/m2の最大輝度が得られ、410nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
続いて、実施例3で得られたEL素子の寿命を測定した。初期輝度を0.088cd/m2にした際の一定電流密度での輝度の時間変化を図20に、比較例2の結果と併せて示す。
図20に示されるように、tBuTEGCzを用いた場合には、駆動開始から約80秒以降は輝度の上昇が見られるものの、約80秒間は、TEGCzを用いた場合に比べて、輝度は長く一定値を示している。
これらの結果より、tBuTEGCzはTEGCzよりも安定なホスト材として機能していることがわかる。
さらに、実施例3で得られたEL素子の吸収スペクトルの時間変化を測定した。初期輝度を同じにした場合の定電流での吸収スペクトルの時間変化を図21に、330nmの吸光度の時間変化を比較例2の結果と併せて図22に示す。
実施例3においては、図22に示すように、駆動開始から約80秒間は吸光度に大きな変化はなく、比較例2に比べて吸収スペクトルの時間変化が小さいことがわかる。
これらの結果により、実施例3でも、tBuTEGCzが電気化学的に安定であるため、素子中におけるtBuTEGCzの分解が抑制され、TEGCzと比較して素子の駆動寿命が長くなっていることがわかる。
[実施例4]発光材料を含有した液状発光層
合成例2で得られたホスト化合物(TEGCz)274.75質量部、合成例4で得られたゲスト化合物EHPy25.00質量部、およびトリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.25質量部からなる液体発光材料を調製した。
一方のITO12付きガラス基板11(陽極10)に、PEDOT:PSS(Clevios P VP. AI4083, H. C. Starck)を3000rpmの回転数で30秒間スピンコートして成膜した後、200℃で10分間、大気中で加熱し、ホール注入層50がITO12上に成膜された陽極側基板を得た。
次に、もう一方のITO14付きガラス基板13(陰極20)のITO14側に、TiO2をスパッタ法により10nmの膜厚で成膜しホールブロック層40が形成された陰極側ITOガラス基板を得た。グローブボックス中で、先に調製した液体発光体をホールブロック層40が成膜された陰極のホールブロック層40上に少量滴下し、PEDOT:PSSが成膜された陽極側基板と挟み込んで液体発光体層30を形成し、得られた積層体の外側からクリップ(図示省略)で挟んで固定し、図23に示されるような、ガラス基板/ITO(陽極)/PEDOT:PSS(ホール注入層)40nm/液体発光体層/TiO2(ホールブロック層)10nm/ITO(陰極)/ガラス基板からなるEL素子2を作製した。素子面積は2mm×2mmである。
作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度および発光スペクトルを測定した。結果を図24に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を誘電率測定の結果から算出したところ、2.6μmであった。
図24に示されるように、75.0V印加時に2.78mA/cm2の電流密度と41.1cd/m2の最大輝度が得られ、490nmに発光ピークを有する青緑色の電界発光が得られた。
[比較例3]
ホスト化合物としてTEGCz74.75質量部、合成例4で得られたゲスト化合物EHPy25.00質量部、およびトリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例4と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図25に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ0.47μmであった。
図25に示されるように、9.0V印加時に4.05mA/cm2の電流密度と1.49cd/m2の最大輝度が得られ、502nmに発光ピークを有する青緑色の電界発光が得られた。
続いて、実施例4および比較例3で得られたEL素子の寿命を測定した。それぞれの初期輝度を1.0cd/m2に固定し、一定電流密度での輝度の時間変化を図26に示す。
図26に示されるように、ホスト化合物としてTEGCzを用いた場合には、輝度の急激な減衰が確認されるが、(TEGCz)2を用いた場合には、減衰することなく一定を示している。
これらの結果より、発光材料をゲスト化合物として含む液状発光層を用いたデバイスであっても、(TEGCz)2はTEGCzよりも安定なホスト材として機能していることがわかる。
[実施例5]
ホスト化合物として(TEGCz)298.75質量部、ゲスト化合物として、EHPy、下式で示されるBCVDF(アメリカンダイソース社製)、下式で示されるBMTB(アメリカンダイソース社製)、下式で示されるDPAVBi(ルミネッセントテクノロジー社製)、または下式で示されるDCJTB(ルミネッセントテクノロジー社製)をそれぞれ1.00質量部、およびトリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド0.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製した。これらの素子について、初期輝度1cd/m2にしたときの、定電流下での輝度の時間変化を図27に、また、光電子スペクトル測定から求めた(TEGCz)2およびゲスト化合物の最高被占軌道(HOMO)のエネルギーを表1に示す。
Figure 2012099237
図27に示されるように、(TEGCz)2よりHOMOのエネルギーが大きいEHPyもしくはBCVDFをゲストとして用いた場合、比較的素子寿命が長いのに対し、(TEGCz)2よりHOMOのエネルギーが小さいBMTB、DPAVBi、DCJTBを用いた場合、素子寿命が極めて短いことがわかる。
これらの結果により、ゲストのHOMOエネルギーをホストのHOMOエネルギーより大きくすることで、素子の長寿命化を達成し得ることがわかる。
Figure 2012099237
[実施例6]
下記構造で示される液状のホール輸送性材料EHCz(Aldrich社製)に、下記構造で示される発光性の電子輸送性材料DFDBSO(American Dye Source社製)と、上記構造で示される電解質トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(東京化成工業(株)製)を表2に示される所定の質量比(合計100質量部)で加え、これらをEHCz中に完全に溶解させて液体発光体を調製した。
Figure 2012099237
EL素子の作製は以下にようにして行った。
界面活性剤、純水、イソプロパノールの順で超音波洗浄し、UV/オゾン処理(フィルジェン社製、UV253S)を12分間施したITO12付きガラス基板11(陽極10)およびITO14付きガラス基板13(陰極20)を用意した。
グローブボックス中で、先に調製した液体発光体を陰極20上(ITO14上)に少量滴下し、陽極10で挟み込んで得られた積層体の外側からクリップ(図示省略)で挟んで固定し、図1に示されるような、ガラス基板/ITO(陽極)/液体発光体層/ITO(陰極)/ガラス基板からなるEL素子1を作製した。素子面積は2mm×2mmであった。
作製したEL素子の電流密度−電圧−輝度特性および外部量子収率−電流密度特性を測定した。結果を図28,29および表2に示す。
また、EHCzおよびDFDBSOのHOMOのエネルギーを、光電子スペクトル測定から求めたところ、それぞれ5.8eVおよび6.0eVであった。さらに、HOMOのエネルギーと、吸収スペクトルから算出したバンドギャップエネルギーから、LUMOのエネルギーを求めたところ、それぞれ2.3eVおよび3.1eVであった。
[比較例4]
ホール輸送性材料EHCz99.7質量部に、電解質トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.3質量部加えた液体発光体を用いた以外は、実施例6と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図28,29および表2に併せて示す。
続いて、得られた測定データから、キャリア再結合バランスγを下記式に従って算出した。
Figure 2012099237
上記式中、EQEは測定によって求めた外部発光量子収率、ΦPLは測定によって求めた液状発光層の蛍光量子収率、ηrおよびηextは、それぞれ一重項励起子の生成効率および光取り出し効率であり、それぞれ蛍光材料を用いた素子の理論値である0.25および0.2を用いて計算した。計算結果を表2に示す。
図28,29および表2に示されるように、ホール輸送材料および電子輸送材料の両方を含む実施例6で作製した有機EL素子では、ホール輸送材料のHOMOのエネルギーが電子輸送材料のHOMOのエネルギーよりも小さく、かつ、電子輸送性材料のLUMOのエネルギーが、ホール輸送材料のLUMOのエネルギーより大きいため、ホール輸送材料しか含まない比較例4に比べて、発光がより低電圧から観測され、さらにキャリア再結合バランスも向上していることがわかる。
Figure 2012099237
[実施例7]
合成例2で得られたホール輸送性材料(TEGCz)2、合成例4で得られた発光性の電子輸送性材料EHPyを用いた以外は、実施例6と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図30,31および表3に示す。
また、(TEGCz)2およびEHPyのHOMOのエネルギーを、光電子スペクトル測定から求めたところ、それぞれ5.4eVおよび5.8eVであった。さらに、HOMOのエネルギーと、吸収スペクトルから算出したバンドギャップエネルギーから、LUMOのエネルギーを求めたところ、それぞれ2.1eVおよび2.6eVであった。
[比較例5]
ホール輸送性材料(TEGCz)299.75質量部に、電解質トリブチルメチルホスホニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを0.25質量部加えた液体発光体を用いた以外は、実施例7と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図30,31および表3に併せて示す。
続いて、得られた測定データから、キャリア再結合バランスγを、実施例6で求めた方法と同様に算出した。結果を表3に示す。
図30,31および表3に示されるように、ホール輸送材料と電子輸送材料の両方を含む実施例7で作製したデバイスでは、ホール輸送材料のHOMOのエネルギーが電子輸送材料のHOMOのエネルギーよりも小さく、かつ、電子輸送性材料のLUMOのエネルギーが、ホール輸送材料のLUMOのエネルギーより大きいため、ホール輸送材料しか含まない比較例5に比べて、発光がより低電圧から観測され、さらにキャリア再結合バランスも向上していることがわかる。
Figure 2012099237
以上のように、液状発光層にホール輸送材料および電子輸送材料を共存させ、ホール輸送材料のHOMOのエネルギーが電子輸送材料のHOMOのエネルギーよりも小さく、かつ、電子輸送性材料のLUMOのエネルギーが、ホール輸送材料のLUMOのエネルギーより大きければ、液状キャリア輸送材料単独よりもキャリア再結合バランスが向上し、また、発光開始電圧の低下が実現できることがわかった。
[実施例8]
ホスト化合物としてPhCzTEG99.75質量部および下記構造で示されるテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボラート(東京化成工業(株)製、以下、Bu4NBF4)0.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図38に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ2.3μmであった。
図38に示されるように、28.7V印加時に0.60mA/cm2の電流密度と0.007cd/m2の最大輝度が得られ、450nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
Figure 2012099237
[実施例9]
ホスト化合物としてEHPTA99.75質量部およびBu4NBF40.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図39に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ1.4μmであった。
図39に示されるように、40.0V印加時に0.57mA/cm2の電流密度と0.017cd/m2の最大輝度が得られ、460nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
[実施例10]
ホスト化合物としてEHDBA99.75質量部およびBu4NBF40.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図40に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ1.8μmであった。
図40に示されるように、31.7V印加時に0.03mA/cm2の電流密度が得られた。
[比較例6]
ホスト化合物としてTEGCz99.75質量部およびBu4NBF40.25質量部からなる液体発光材料を用いた以外は、実施例1と同様にEL素子を作製し、同様の評価を行った。結果を図41に示す。このデバイスの液体発光層の膜厚を静電容量の測定の結果から算出したところ1.0μmであった。
図41に示されるように、20.7V印加時に4.74mA/cm2の電流密度と0.016cd/m2の最大輝度が得られ、450nmに発光ピークを有する青色の電界発光が得られた。
続いて、実施例8,9および比較例6で作製したEL素子の寿命を測定した。印加電圧を20Vとした一定電圧下での輝度および電流の時間変化を図42に示す。
図42に示されるように、PhCzTEG、EHPTAを用いた場合には、TEGCzを用いた場合に比べて、いずれも輝度の低下が遅くなっている。これらの結果より、PhCzTEG、EHPTAはTEGCzよりも安定なホスト材として機能していることがわかる。
続いて、実施例10におけるEL素子の寿命を測定した。印加電圧を20Vとした一定電圧下での電流の時間変化を図43に、比較例6の結果と併せて示す。
図43に示されるように、EHDBAを用いた場合には、TEGCzを用いた場合に比べて、電流の低下が遅くなっている。これらの結果より、EHDBAはTEGCzよりも安定なホスト材として機能していることがわかる。
1,2 有機EL素子(電界発光素子)
10 陽極
20 陰極
30 液体発光層
40 ホールブロック層
50 ホール注入層

Claims (34)

  1. 陽極と、陰極と、これら各極間に介在する、常温で液体の発光層とを備え、
    前記発光層が、
    (1)第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料を含む、または、
    (2)ホール輸送性材料と電子輸送性材料とを含み、前記ホール輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記電子輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーより小さく、かつ、前記電子輸送性材料の最低空軌道のエネルギーが、前記ホール輸送材料の最低空軌道のエネルギーより大きい、
    ことを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 前記第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料が、サイクリックボルタンメトリー測定において第一酸化波および/もしくは第一還元波が可逆に観測される材料である請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 前記第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料が、キャリア輸送能および発光能を有する材料である請求項1または2記載の有機電界発光素子。
  4. 前記発光層が、第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料と発光材料とを含み、
    前記第一酸化および/または第一還元に対して安定な材料が、キャリア輸送材料である請求項1または2記載の有機電界発光素子。
  5. 光電子スペクトル測定によって求められる、前記発光材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記キャリア輸送材料の最高被占軌道のエネルギーより大きい請求項4記載の有機電界発光素子。
  6. 光電子スペクトル測定によって求められる、前記発光材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記キャリア輸送材料の最高被占軌道のエネルギーより0.05eV以上大きい請求項5記載の有機電界発光素子。
  7. 前記ホール輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーが、前記電子輸送性材料の最高被占軌道のエネルギーより0.05eV以上小さく、かつ、前記電子輸送性材料の最低空軌道のエネルギーが、前記ホール輸送材料の最低空軌道のエネルギーより0.05eV以上大きい請求項1記載の有機電界発光素子。
  8. 前記ホール輸送性材料および電子輸送性材料のいずれか一方、または両方が、発光性を示す材料である請求項1または7記載の有機電界発光素子。
  9. 前記ホール輸送性材料が、液状の材料である請求項1,7または8記載の有機電界発光素子。
  10. 前記電子輸送性材料が、液状の材料である請求項1,7または8記載の有機電界発光素子。
  11. 前記ホール輸送性材料が、カルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、スターバーストアミン、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、トリフェニルメタン誘導体、フルオレン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリアニリン誘導体、シラン誘導体、ピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、炭素縮合環系化合物、および金属もしくは無金属のフタロシアニン誘導体から選ばれる請求項1,7〜9のいずれか1項記載の有機電界発光素子。
  12. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料、キャリア輸送材料、またはホール輸送性材料が、式(1)で示される化合物である請求項3〜6のいずれか1項記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、Xはキャリア輸送および発光部、またはホール輸送部であって、カルバゾール誘導体、チアントレン誘導体、フェノチアジン誘導体、アゼピン誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、アリールシクロアルカン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、オキサゾール誘導体、トリフェニルメタン誘導体、ピラゾリン誘導体、フルオレノン誘導体、ポリアニリン誘導体、シラン誘導体、ピロール誘導体、ポルフィリン誘導体、キナクリドン誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、炭素縮合環系色素、金属もしくは無金属のフタロシアニン誘導体、またはベンジジンを表し、
    Yは、前記キャリア輸送および発光部に連結する少なくとも1つの置換基であって、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
  13. 前記Xが、カルバゾール誘導体、フェノチアジン誘導体またはアゼピン誘導体である請求項12記載の有機電界発光素子。
  14. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(2)、式(4)、式(10)または式(12)で示される請求項13記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、Yは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表し、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合もしくはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族環、または置換もしくは非置換の複素環を表す。)
  15. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(3)で示される請求項14記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  16. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(5)または式(8)で示される請求項14記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、Yは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表す。)
  17. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(6)、式(7)または式(9)で示される請求項16記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  18. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(11)で示される請求項14記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  19. 前記キャリア輸送能および発光能を有する材料またはキャリア輸送材料が、式(13)で示される請求項14記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  20. 前記発光材料が、炭素縮合環系色素、ペリレン誘導体、キサンテン系色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、スチリル系色素、ピラゾロン誘導体、フェノキサゾン系色素、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、トリアリールアミン、イリジウム錯体、またはAl、Zn、Beもしくは希土類金属からなる中心金属および配位子から構成される金属錯体色素である請求項4〜6のいずれか1項記載の有機電界発光素子。
  21. 前記発光材料が、式(14)で示される化合物である請求項20記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、Zは、色素部であって、炭素縮合環系色素、キサンテン系色素、シアニン系色素、クマリン系色素、キナクリドン系色素、スクアリウム系色素、スチリル系色素、ピラゾロン誘導体、フェノキサゾン系色素、カルバゾール誘導体、フルオレン誘導体、トリアリールアミン、イリジウム錯体、またはAl、Zn、Beもしくは希土類金属からなる中心金属および配位子から構成される金属錯体を表し、
    Wは、前記色素部Zに連結する少なくとも1つの置換基であって、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
  22. 前記発光材料が、式(15)で示される請求項21記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  23. 前記ホール輸送性材料が、式(16)または式(2)で示される請求項11記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、Yは、それぞれ独立して、前記と同じ意味を表す。)
  24. 前記ホール輸送性材料が、式(17)または式(3)で示される請求項23記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  25. 前記電子輸送性材料が、ジフェニレンスルホン(ジベンゾチオフェン5,5−ジオキシド)誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾール誘導体、フルオレノン誘導体、シロール誘導体、トリアリールホスフィンオキシド誘導体、炭素縮合環系化合物、トリアリールボラン誘導体、フラン誘導体、および電子輸送性金属錯体から選ばれる請求項1,7,8および10のいずれか1項記載の有機電界発光素子。
  26. 前記電子輸送性材料が、発光性のジフェニレンスルホン誘導体または発光性のピレン誘導体である請求項25記載の有機電界発光素子。
  27. 前記電子輸送性材料が、式(18)または式(19)で示される発光性化合物である請求項26記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、Arは、それぞれ独立して、アリール基を表し、W1は、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表す。)
  28. 前記電子輸送性材料が、式(20)で示される発光性化合物である請求項27記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
    (式中、W2は、それぞれ独立して、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、炭酸エステル結合またはアミド結合を含んでいてもよい炭素数1〜30のアルキル基を表し、mおよびnは、1〜10の整数を表す。)
  29. 前記電子輸送性材料が、式(21)または式(22)で示される発光性化合物である請求項28記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  30. 前記電子輸送性材料が、式(15)で示される発光性化合物である請求項27記載の有機電界発光素子。
    Figure 2012099237
  31. 前記発光層が、発光性色素を含む請求項1,7〜11および23〜30のいずれか1項記載の有機電界発光素子。
  32. 前記発光性色素が、発光層中に、0.01〜50質量%含まれる請求項31記載の有機電界発光素子。
  33. 前記発光層が、イオン性材料を含む請求項1〜32のいずれか1項記載の有機電界発光素子。
  34. 前記イオン性材料が、発光層中に、0.01〜50質量%含まれる請求項33記載の有機電界発光素子。
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