JPWO2012098896A1 - 気体吸着デバイス及びそれを備えた真空断熱材 - Google Patents

気体吸着デバイス及びそれを備えた真空断熱材 Download PDF

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Abstract

本発明の気体吸着デバイス(5a)は、気体吸着物質と、気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器(6a)と、収納容器の長手方向の軸周りに収納容器を周回するように装着され、収納容器に貫通孔を開ける突起(10)を備えた開封部材(7a)と、を有し、開封部材は、筒状体の外周面を収納容器の幅方向に挟持し、貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、収納容器内に進入した突起が収納容器の内側から当接する可能性がある部分を少なくとも覆うように筒状体の外周面を周方向に囲む保持部(8)と、その固定端が保持部と連設され、その自由端に突起が形成された可動部(9)と、を有し、可動部は、保持部で収納容器を幅方向に挟持した場合、開封前では貫通孔を開ける側の面と間隔を開けて所定角度傾斜して対向しており、開封時に貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、突起が貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成されている。

Description

本発明は、気体吸着デバイス及びそれを備えた真空断熱材に関する。
近年、地球環境問題である温暖化の対策として、省エネルギーを推進する動きが活発となっている。特に、温冷熱利用機器に関しては、熱を有効活用するという観点から、優れた断熱性能を有する真空断熱材が普及しつつある。真空断熱材とは、袋状に加工したガスバリア(gas barrier)性を有するラミネートフィルム(laminate film)内へ、グラスウール(glass wool)のように気相容積比率が高く微細な空隙を構成する芯材を収納し、このラミネートフィルムを減圧して密封したものである。なお、芯材の空隙径を減圧下における気体分子の平均自由行程よりも小さくすることで、真空断熱材の気体熱伝導成分は小さくなる。特に、1mm程度の微細な空隙では対流熱伝達成分の影響は無視できるようになる。さらに、室温付近では輻射成分の影響は軽微であるため、真空断熱材における熱伝導成分としては、芯材の固体熱伝導成分と僅かに残る気体熱伝導成分とが支配的となる。このため、真空断熱材の熱伝導率は他の断熱材と比較して非常に小さいとされている。
しかしながら、ラミネートフィルムを介して真空断熱材中へ空気が徐々に侵入すると、気体熱伝導成分が増加するため、真空断熱材の熱伝導率は徐々に増加してゆくという課題を有していた。そこで、この課題を解決するために、気体難透過性容器内に気体吸着物質を減圧密封した気体吸着デバイスを、ラミネートフィルム内に芯材と一緒に減圧密封した後に、気体難透過性容器を開封することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図30、図31を参照しながら特許文献1に開示された従来の気体吸着デバイスについて説明する。なお、図30は特許文献1に開示された従来の気体吸着デバイスの断面図であり、図31Aは同従来の気体吸着デバイスに用いた開封部材の断面図であり、図31Bは同従来の気体吸着デバイスに用いた開封部材の上面図である。
図30、図31に示すように、特許文献1に開示された従来の気体吸着デバイス51は、気体吸着物質52を減圧密封したガスバリア性の収納容器53に、収納容器53の外側に配置した開封部材54により貫通孔が開けられることにより、貫通孔を通じて収納容器53の周囲の気体を気体吸着物質52で吸着できるように構成されている。
開封部材54は、一方の面が凸であり他方の面が凹であって、凸の面を押す外力が加わっていない状態で凹の面の凹んだ部分に凹みの深さより若干低い高さの金属製の突起54aを有している。また、開封部材54は、凸の面を押す外力が加わると開封部材54の凹凸が小さくなり突起54aの高さが凹みの深さより高くなるように変形可能なポリプロピレン樹脂で構成されている。さらに、突起54aのある凹の面側には気体吸着物質52を減圧密封した収納容器53が配置されており、大気圧程度の力で凸の面が押されると、開封部材54の突起54aが収納容器53に接触して、やがて収納容器53を貫通するように構成されている。さらに、図30及び図31Aに示すように、凸の面に応力が加わっていない状態で収納容器53に接触する、凹凸部分を挟む2つの部分のうち一方には、収納容器53を保持可能となるようにコ字状に成型された保持部54bが設けられている。
気体吸着物質52は、ガスバリア性の収納容器53内に減圧密封されているため、気体吸着デバイス51を長時間大気中に放置しても、気体吸着物質52は空気に触れることはない。このため、気体吸着物質52の失活が抑制可能であり、長時間大気中で保存することができる。同様の理由で、製造時の失活も抑制できる。
真空断熱材の芯材を覆うラミネートフィルムは、柔軟なので芯材を減圧密封後に加わる大気圧により変形し、気体吸着デバイス51に圧縮力を加える。この結果、突起54aは収納容器53に突き刺し力を加えるため、収納容器53には貫通孔が生じ、そして、収納容器53内の気体吸着物質52はラミネートフィルム内の気体を吸着可能になる。
開封部材54の突起54a以外の部分は、ポリプロピレン樹脂であり容易に変形するため、突起54aは収納容器53に押し付けられる。突起54aは金属製であり十分な強度を有するため収納容器53には貫通孔が生じる。
このようにして、収納容器53内部とラミネートフィルム内部は連通し、収納容器53内の気体吸着物質52によるラミネートフィルム内の気体の吸着が可能になる。
特開2009−052649号公報
特許文献1に開示された従来の気体吸着デバイス51の開封部材54において、収納容器53を保持する保持部54bは、収納容器53に接触する2つの脚部の一方をコ字状に成型したものである。そのため、収納容器53における保持部54bに掴まれる部分と保持部54bにおける収納容器53を掴む部分の少なくとも一方の寸法のバラツキや、保持部54bと収納容器53が接触する面の状態により、保持部54bが収納容器53を掴む力(摩擦力)が変化する。また、開封部材54が保持部54b側に変位(移動)した場合に、保持部54bが収納容器53を掴む力(摩擦力)が弱くなり、開封部材54が保持部54b側に変位(移動)する距離が大きいと、保持部54bが収納容器53を掴めなくなる。
したがって、従来の気体吸着デバイス51の構成では、開封部材54と収納容器53との間の有機的な結合関係が乏しく(開封部材54が収納容器53に対して変位しやすく)、開封部材54による収納容器53の安定した開封が難しいという課題があった。
前記課題を解決するために、本発明のある形態に係る気体吸着デバイスは、気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器と、前記収納容器の長手方向の軸周りに前記収納容器を周回するように装着され、前記収納容器を押圧する押圧部を有する開封部材と、を有するものである。
前記構成によれば、収納容器の長手方向の軸周りに収納容器を周回するように開封部材が装着されており、収納容器の何れかの方向に外力が付与されても開封部材が変位しにくい(外れにくい)ので、開封部材と収納容器との間の有機的な結合関係が強く、前記開封部材による前記収納容器の安定した開封を容易にすることができる。
前記課題を解決するために、本発明の他の形態に係る気体吸着デバイスは、気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器に対して、前記収納容器の外側に配置した開封部材の突起により前記収納容器に貫通孔を開けることにより、前記貫通孔を通じて前記収納容器の周囲の気体を前記気体吸着物質で吸着できるように構成されている。
また、前記開封部材は、前記筒状体の外周面を前記収納容器の幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも前記収納容器内に進入した前記突起が前記収納容器の内側から当接する可能性がある部分を覆うように前記筒状体の外周面を周方向に囲む保持部と、固定端が前記保持部と連設され自由端に前記突起が形成された可動部とを有している。
さらに、前記保持部で前記収納容器を幅方向に挟持した場合に、開封前は前記可動部が前記貫通孔を開ける側の面と間隔を開け所定角度傾斜して対向しており、前記可動部を、前記貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、前記突起が前記貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成されている。
以上のとおり、前記開封部材は、前記収納容器の筒状体の外周面を前記収納容器の幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも一部を覆うように前記筒状体の外周面を周方向に囲む保持部を有しているので、前記開封部材が前記収納容器から外れ難く、前記開封部材と前記収納容器とを一体の部材として容易に取り扱うことができる。言い換えると、収納容器の何れかの方向に外力が付与されても開封部材が変位しにくい(外れにくい)ので、開封部材と収納容器との間の有機的な結合関係が強く、前記開封部材による前記収納容器の安定した開封を容易にすることができる。
また、前記開封部材は、前記保持部が、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも前記収納容器内に進入した前記突起が前記収納容器の内側から当接する可能性がある部分を覆うようにしているので、前記収納容器を突き抜けた前記開封部材の前記突起が他の部材を破損する虞が無い。
また、前記開封部材は、前記収納容器を幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも一部を覆うように前記収納容器の外周面を周方向に囲む保持部と、固定端が前記保持部と連設され自由端に前記突起が形成された前記可動部とを有し、前記可動部を、前記貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、前記突起が前記貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成したので、開封に必要な外力の大きさにバラツキが生じ難く、そのため、不用意に前記開封部材を押して気体吸着デバイスを開封してしまう可能性が少ない。
さらに、前記突起による押圧で前記収納容器が厚み方向(前記突起による押圧方向)に変形(変位)する大きさを小さく抑えることができ、前記突起による押圧で前記収納容器が厚み方向(前記突起による押圧方向)に変形(変位)してしまって、前記可動部が所定の変位をしたにもかかわらず前記突起が前記収納容器に貫通孔を開けることができない不具合の発生を少なくできる。
また、前記開封部材は、自由端となる一端を尖った形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板を折り曲げて構成することが可能であるので、前記開封部材を低コストで製作可能であり、この低コストで製作可能な前記開封部材を用いることにより、気体吸着デバイスの製造コストを低減できる。
したがって、本発明の気体吸着デバイスは、前記開封部材と前記収納容器とを一体の部材として容易に取り扱うことができ、開封に必要な外力の大きさにバラツキが生じ難いことから、不用意に前記開封部材を押して気体吸着デバイスを開封してしまう可能性が少なく、前記可動部が所定の変位をしたにもかかわらず前記突起が前記収納容器に貫通孔を開けることができない不具合の発生を少なくでき、前記収納容器を突き抜けた前記開封部材の前記突起が他の部材を破損する虞が無く、製造コストを低減できることとなる。
また、前記突起は、前記突起が前記収納容器内に進入した状態を維持しても、前記突起が前記収納容器内に進入することにより形成された貫通孔の縁と前記突起との間に前記収納容器の周囲の気体を気体吸着物質で吸着可能な隙間ができるような形状を有する。
これにより、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
前記課題を解決するために、本発明の他の形態に係る気体吸着デバイスは、気体吸着性物質と、長手方向の一端に開口部を有した略扁平な筒状であって前記気体吸着性物質を収納するガスバリア性の収納容器と、少なくとも一部が前記開口部内に配置されて前記開口部を塞ぐガスバリア性の封止材と、相対向した2面のうちの一方の面に少なくとも一つの凸部と前記相対向した2面のうちの他方の面における前記凸部と対向する部分に少なくとも一つの凹部を有し、前記開口部を形成する相対向した2面を前記凸部と前記凹部が形成された面で挟持するように取り付けられた開封部材とで構成される。
そして、前記開封部材に対して前記開口部を形成する相対向した2面を挟む方向に所定の外力を加えた場合に、前記凸部と前記凹部とが近づき、前記開封部材の凹凸形状による曲げ力で前記封止材が破壊されて前記収納容器の外側の空間と前記気体吸着性物質が収納された空間とが連通するように構成したのである。
前記構成において、気体吸着デバイスを気体吸着に使用するまで、気体吸着性物質は一端に開口部を有したガスバリア性の収納容器(例えばアルミニウム製の容器)内に収納され、且つ前記収納容器の開口部は開口部内に配置されたガスバリア性の封止材(例えばガラスから成る封止材)で封止されている。
そのため、本発明の気体吸着デバイスを開封するまでは、気体吸着デバイス内の気体吸着性物質は、ガスバリア性の収納容器とガスバリア性の封止材とで被われて大気中の空気との接触がないので、気体吸着性物質の気体吸着性能が維持される。また、収納容器に収納する気体吸着性物質としては、プレス等の特別な加工を施さず、空気に触れる表面積が広い状態の、十分な気体吸着速度と気体吸着性能を有する、例えば銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトのような気体吸着性物質を用いることができる。
また、気体吸着デバイスを気体吸着に使用する場合は、前記収納容器の開口部を形成する相対向した2面を挟持するように取り付けられた前記開封部材に対して所定の外力を加えることにより、前記開封部材の凹凸形状による曲げ力で開口部内の封止材を破壊して、気体吸着デバイスを容易に開封することができる。
また、開封に必要な所定の外力を適切に設定することで、不用意に前記開封部材で気体吸着デバイスを開封してしまうことを防ぐことができる。
したがって、本発明の気体吸着デバイスは、大気中での取り扱いが容易であり、前記開封部材に対して所定の外力を加えることにより気体吸着デバイスを容易に開封することができ、開封後は、前記収納容器内の気体吸着性物質に十分な気体吸着速度持って、気体吸着デバイスが配置された空間の前記収納容器外の気体を吸着させることができ、気体吸着デバイスが配置された密閉空間の真空度を長期に亘って維持することができる。
本発明は、前記課題に鑑み、前記収納容器と前記開封部材との間の有機的な結合関係が強く、前記収納容器の安定した開封を実現した気体吸着デバイス及びそれを備えた真空断熱材を適切に提供することを目的とする。具体的には、取り扱いが容易で、開封の信頼性が高く、適用範囲が広く、低コストで製作できる気体吸着デバイスを提供することを目的とする。また、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、開封後に本来の機能を十分に発揮できる気体吸着デバイスを提供することを目的とする。また、大気中での取り扱いが容易であり、前記開封部材に対して所定の外力を加えることにより容易に開封することができ、開封後では、前記収納容器内の気体吸着性物質に十分な気体吸着速度持って前記収納容器外の気体を吸着させることができ、密閉空間の真空度を長期に亘って維持することができる気体吸着デバイスを提供することを目的とする。
本発明の前記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明によれば、収納容器と開封部材との間の有機的な結合関係が強く、収納容器の安定した開封を実現した気体吸着デバイス及びそれを備えた真空断熱材を適切に提供することができる。具体的には、取り扱いが容易で、開封の信頼性が高く、適用範囲が広く、低コストで製作できる気体吸着デバイスを提供することができる。また、突起で収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が収納容器から離れず、突起が収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、開封後に本来の機能を十分に発揮できる気体吸着デバイスを提供することができる。また、大気中での取り扱いが容易であり、開封部材に対して所定の外力を加えることにより容易に開封することができ、開封後では、収納容器内の気体吸着性物質に十分な気体吸着速度持って収納容器外の気体を吸着させることができ、密閉空間の真空度を長期に亘って維持することができる気体吸着デバイスを提供することができる。
図1は本発明の実施の形態1に係る開封前の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。 図2は本発明の実施の形態1に係る開封後の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。 図3は本発明の実施の形態2に係る開封前の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。 図4は本発明の実施の形態2に係る開封後の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。 図5は本発明の実施の形態3に係る開封前の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。 図6は本発明の実施の形態4に係る気体吸着デバイスを開封部材の突起で収納容器に貫通孔を開ける面側から見た平面図の一例である。 図7は本発明の実施の形態5に係る気体吸着デバイスを開封部材の突起で収納容器に貫通孔を開ける面側から見た平面図の一例である。 図8は本発明の実施の形態6に係る気体吸着デバイスの概略構成を示す平面図の一例である。 図9は図8のA−A線断面図の一例である。 図10は本発明の実施の形態7の比較形態に係る気体吸着デバイスの開封前の断面図の一例である。 図11は本発明の実施の形態7の比較形態に係る気体吸着デバイスの開封後の断面図の一例である。 図12は本発明の実施の形態7に係る気体吸着デバイスの開封前の断面図の一例である。 図13は本発明の実施の形態7に係る気体吸着デバイスの開封後の断面図の一例である。 図14Aは本発明の実施の形態7に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図の一例である。 図14Bは本発明の実施の形態7に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。 図15Aは本発明の実施の形態8に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図の一例である。 図15Bは本発明の実施の形態8に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。 図16Aは本発明の実施の形態9に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図の一例である。 図16Bは本発明の実施の形態9に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。 図17Aは本発明の実施の形態10に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図の一例である。 図17Bは本発明の実施の形態10に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。 図18は本発明の実施の形態11の比較形態に係る気体吸着デバイスを示す縦断面図の一例である。 図19は本発明の実施の形態11に係る気体吸着デバイスの開封前の状態を示す斜視図の一例である。 図20は本発明の実施の形態11に係る気体吸着デバイスの開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。 図21は本発明の実施の形態11に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図の一例である。 図22は本発明の実施の形態11に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。 図23は本発明の実施の形態12に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図の一例である。 図24は本発明の実施の形態12に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材を気体吸着デバイス開口部から長手方向に見た側面図の一例である。 図25は本発明の実施の形態13に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図の一例である。 図26は本発明の実施の形態13に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。 図27は本発明の実施の形態14に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図の一例である。 図28は本発明の実施の形態14に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。 図29は本発明の実施の形態15に係る真空断熱材の断面図の一例である。 図30は従来の気体吸着デバイスの断面図である。 図31Aは従来の気体吸着デバイスに用いた開封部材の断面図である。 図31Bは従来の気体吸着デバイスに用いた開封部材の上面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下ではすべての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、特に言及しない場合にはその重複する説明を省略する。
第1の発明は、気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器と、前記収納容器の長手方向の軸周りに前記収納容器を周回するように装着され、前記収納容器を押圧する押圧部を有する開封部材と、を有する気体吸着デバイスについての発明である。前記構成により、収納容器の長手方向の軸周りに収納容器を周回するように開封部材が装着されており、収納容器の何れかの方向に外力が不要付与されても開封部材が変位しにくい(外れにくい)ので、開封部材と収納容器との間の有機的な結合関係が強く、前記開封部材による前記収納容器の安定した開封を容易にすることができる。なお、この発明は、具体的には、つぎの第2乃至第17の発明の形態を採り得る。
第2の発明は、気体吸着物質と、前記気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器と、前記収納容器の長手方向の軸周りに前記収納容器を周回するように装着され、前記収納容器に貫通孔を開ける突起を備えた開封部材と、を有し、前記開封部材は、前記筒状体の外周面を前記収納容器の幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、前記収納容器内に進入した前記突起が前記収納容器の内側から当接する可能性がある部分を少なくとも覆うように前記筒状体の外周面を周方向に囲む保持部と、その固定端が前記保持部と連設され、その自由端に前記突起が形成された可動部と、を有し、前記可動部は、前記保持部で前記収納容器を幅方向に挟持した場合、開封前では前記貫通孔を開ける側の面と間隔を開けて所定角度傾斜して対向しており、開封時に前記貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、前記突起が前記貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成された、気体吸着デバイスについての発明である。
なお、前記開封部材は、前記筒状体の外周面を前記収納容器の幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも前記収納容器内に進入した前記突起が前記収納容器の内側から当接する可能性がある部分を覆うように前記筒状体の外周面を周方向に囲む保持部と、固定端が前記保持部と連設され自由端に前記突起が形成された可動部とを有している。
さらに、前記保持部で前記収納容器を幅方向に挟持した場合に、開封前は前記可動部が前記貫通孔を開ける側の面と間隔を開け所定角度傾斜して対向しており、前記可動部を、前記貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、前記突起が前記貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成されている。
ここで、本発明において、「押圧部」は、収納容器に貫通孔を生じさせる突起並びに該突起が形成された可動部として実施される。
また、「気体吸着物質」とは、真空断熱材等の密閉空間に残存又は侵入する水蒸気や空気等の混合ガスを吸着する役割を果たすものであり、特に指定するものではないが、窒素の吸着特性が優れている点で、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが好ましく、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトの銅サイトのうち、少なくとも60%以上の銅サイトを、銅1価サイトとしたものが、より好ましい。
また、「ガスバリア性の収納容器」とは、空気及び水蒸気等の気体を通過させない性質(ガスバリア性)を持ち、気体吸着物質を大気に触れさせないようにする役割を果たすものであり、「収納容器の材質」としては、特に指定するものではないが、アルミニウム及び銅などの金属、また樹脂等が使用可能である。「収納容器の形状」としては、開口部を有する円筒、角型、又は略扁平形状などの容器等が使用可能であり、内部に気体吸着物質が収納でき、封止材によって開口部を塞ぐことができる形状なら特に指定しない。「収納容器の形状」としては、筒状で開口部を塞いで密閉するような形状のものが好ましく、深絞り成形して有底筒状としたものがより好ましい。筒の断面形状は、円形、角形、又は楕円形などが挙げられるが、略扁平な形状が好ましい。
また、「収納容器の開口部」は、例えば、内面同士が接近した狭窄部を設けて、開口部内の狭窄部をロウ材や封止用ガラスなどの封止材で塞ぐことが好ましいが、密閉の信頼性が高ければ、特に開口部の閉塞方法については指定しない。
なお、「封止材」とは、空気及び水蒸気等の気体を通過させない性質を持ち、開口部を有する収納容器の開口部を塞ぎ、収納容器内部の気体吸着物質を大気に触れさせないようにする役割を果たし、気体吸着デバイス使用の際、外力が加えられると変形、破壊し開口部を非封止状態にする役割を果たすものである。「封止材の材質」としては、ガラス、ろう材、樹脂等を使用することができるが、デバイス使用時にデバイス開封のため封止材を破壊するため、硬くて脆い材質が用いやすく、ガラスが好ましい。
また、「開封部材」とは、例えば、両端部が脚部となって収納容器外表面に密着固定され、両端部の間で収納容器から離れた中央部の収納容器と対向する面に収納容器側に突出する突起が設けられ、中央部に収納容器に接近する方向に所定の外力が加えられた時に変形して突起で収納容器に貫通孔を開けるものである。「開封部材の材質」としては、鉄、アルミニウムなどの金属、樹脂などが使用可能である。収納容器に貫通孔を開けるため突起の硬度は収納容器の硬度よりも硬くする。突起が折れないような硬さにすれば、硬度は特に指定はしない。言い換えると、開封部材の材質としては、突起が収納容器に貫通孔を開けることが可能な硬度と弾性を持ち得るものであれば特定はしないが、平板を折り曲げ加工して構成し易いことがら、アルミニウム及び銅金属が好ましい。「開封部材の突起の形状」としては、指定するものではないが、三角形、三角形と四角形の組合せ図形等の形状が使用可能である。
前記開封部材は、前記収納容器の筒状体の外周面を前記収納容器の幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも一部を覆うように前記筒状体の外周面を周方向に囲む保持部を有しているので、前記開封部材が前記収納容器から外れ難く、前記開封部材と前記収納容器とを一体の部材として容易に取り扱うことができる。
また、前記開封部材は、前記保持部が、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも前記収納容器内に進入した突起が前記収納容器の内側から当接する可能性がある部分を覆うようにしているので、前記収納容器を突き抜けた前記開封部材の突起が他の部材を破損する虞が無い。
また、前記開封部材は、前記収納容器を幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、少なくとも一部を覆うように前記収納容器の外周面を周方向に囲む保持部と、固定端が前記保持部と連設され自由端に突起が形成された可動部とを有し、前記可動部を、前記貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、前記突起が前記貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成した。これにより、開封に必要な外力の大きさにバラツキが生じ難く、そのため、不用意に前記開封部材を押して気体吸着デバイスを開封してしまう可能性が少ない。
さらに、突起による押圧で前記収納容器が厚み方向(突起による押圧方向)に変形(変位)する大きさを小さく抑えることができる。これにより、突起による押圧で前記収納容器が厚み方向(突起による押圧方向)に変形(変位)してしまって、可動部が所定の変位をしたにもかかわらず突起が前記収納容器に貫通孔を開けることができないといった不具合の発生を抑制可能である。
また、前記開封部材は、自由端となる一端を尖った形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板を折り曲げて構成することが可能であるので、前記開封部材を低コストで製作可能であり、この低コストで製作可能な前記開封部材を用いることにより、気体吸着デバイスの製造コストを低減できる。
したがって、本発明の気体吸着デバイスは、前記開封部材と前記収納容器とを一体の部材として容易に取り扱うことができ、開封に必要な外力の大きさにバラツキが生じ難いことから、不用意に前記開封部材を押して気体吸着デバイスを開封してしまう可能性が少なく、可動部が所定の変位をしたにもかかわらず突起が前記収納容器に貫通孔を開けることができない不具合の発生を少なくでき、前記収納容器を突き抜けた前記開封部材の突起が他の部材を破損する虞が無く、製造コストを低減できる。
第3の発明は、特に第1又は第2の発明における前記開封部材が、その自由端となる一端を尖った形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板から成り、前記保持部は、前記筒状体の外周面を周方向に囲むように前記平板における前記一端とは反対側の他端と前記他端から前記一端に向かう途中までの間の部分を折り曲げて形成され、さらに前記尖った形状の部分の根元で前記尖った形状の部分を内側に折り曲げて前記突起が形成された、ものである。
本発明では、前記開封部材を、その自由端となる一端を尖った形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板を、折り曲げて構成した。これにより、前記開封部材を低コストで製作可能であり、この低コストで製作可能な前記開封部材を用いることにより、気体吸着デバイスの製造コストを低減できる。
第4の発明は、特に第1又は第3の発明における前記突起を前記収納容器の長手方向に複数有するものである。これにより、前記収納容器に貫通孔を複数開けることができ、貫通孔が一つの場合に比べて、前記収納容器内に進入する気体の量を増加することができ、ひいては吸着速度を上げることができる。
また、突起の形状を、突起の侵入深さに比例して貫通孔の面積が大きくなるような形状にして、複数の突起によってできる貫通孔の総面積と同じ面積の貫通孔を一つの突起で開ける場合に比べて、可動部の変位量(変位角度)を小さくでき、開封前の気体吸着デバイスを小型化しやすくなる。
また、複数の突起のうちの端の突起が前記収納容器が外れる程度に前記開封部材の位置が前記収納容器の長手方向にずれてしまっても、複数の突起の残りの突起が前記収納容器に貫通孔を開けることができる。
さらに、前記開封部材が突起を複数有するため、突起が一個の場合と比べて加えられた外力が複数に分散し、誤操作で前記収納容器に貫通孔が開きにくくなり取り扱いが容易になる。
第5の発明は、特に第1乃至第4の発明において、前記収納容器を、前記収納容器の少なくとも一端の外径寸法が、前記保持部における前記収納容器を幅方向に挟持する部分の内径寸法より小さくなるような先細形状にした、ものである。
前記収納容器を前記形状にすることにより、前記収納容器の先細形状となっている端から前記開封部材を前記収納容器の長手方向にスライド挿入することが容易にできる。これにより、前記収納容器の先細形状となっている端から前記開封部材を前記収納容器の長手方向にスライド挿入した前記開封部材を、前記収納容器の幅と前記開封部材の保持部の幅が略等しくなった部分に固定しやすくなる。
第6の発明は、特に第1乃至第5の発明において、前記保持部における前記収納容器を幅方向に挟持する部分が、前記収納容器の長手方向の一方側の内径が広がるように構成されたものである。
前記開封部材の保持部を前記形状にすることにより、保持部の内径が広がっている側を前記収納容器の挿入側端部に向けて、前記開封部材を前記収納容器の長手方向にスライド挿入することにより、前記開封部材を前記収納容器の長手方向にスライド挿入しやすくなる。
第7の発明は、特に第1から第6の発明において、前記突起が、前記突起が前記収納容器内に進入した状態を維持しても、前記突起が前記収納容器内に進入することにより形
成された前記貫通孔の縁と前記突起との間に、前記収納容器の周囲の気体を前記気体吸着物質で吸着可能な隙間ができるような形状を有する、ものである。
前記構成によれば、前記突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、前記突起が前記収納容器から離れず、前記突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、前記隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
第8の発明は、特に第7の発明において、前記突起は、その外周面に螺旋状凸部又は螺旋状溝を有する、ものである。
円錐又は円柱の外周面に螺旋状凸部を有する突起の場合は、突起の中心軸を含む平面で突起を切断した場合の断面を見た場合に、各凸部の突起根本側に前記凸部よりも外径が小さい部分がある。そして、突起が前記収納容器内に進入することにより形成された略円形の貫通孔の縁と突起との間に、貫通孔に最も近接し貫通孔を通過した凸部と貫通孔に最も近接し貫通孔を通過していない凸部の間の部分で、他より大きい隙間ができる。
したがって、この隙間が、前記収納容器の周囲の気体を気体吸着物質で吸着可能な隙間となるように、螺旋状凸部の高さと、貫通孔に最も近接し貫通孔を通過した凸部と貫通孔に最も近接し貫通孔を通過していない凸部との間隔と、螺旋状凸部の数の少なくとも何れか一つを設定する。このことにより、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、前記隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
また、円錐又は円柱の外周面に螺旋状溝を有する突起の場合は、突起の中心軸を含む平面で突起を切断した場合の断面を見た場合に、溝部の外径が溝部の突起先端側より小さい。そして、突起が前記収納容器内に進入することにより形成された略円形の貫通孔の縁と突起との間に、貫通孔を通過する位置にある溝部で、他より大きい隙間ができる。
したがって、この隙間が、前記収納容器の周囲の気体を気体吸着物質で吸着可能な隙間となるように、螺旋状溝の深さと、螺旋状溝の幅と、螺旋状溝の数の少なくとも何れか一つを設定する。このことにより、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、前記隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
第9の発明は、特に第7の発明において、前記突起は、放射状に配列された複数の切れ刃を有する、ものである。
放射状に配列された複数の切れ刃を有する突起で前記収納容器を突き刺した場合には、放射状に配列された複数の切れ刃に対応して、前記収納容器に放射状の切れ目ができるとともに、内側に折れ曲がり、放射状に配列された切れ刃の数に対応した略多角形の貫通孔ができる。そのため、突起が前記収納容器内に進入することにより形成された略円形の貫通孔の縁と突起との間に、特に、周方向に隣接する切れ刃の間の部分で隙間ができやすくなる。
したがって、この隙間が、前記収納容器の周囲の気体を気体吸着物質で吸着可能な隙間となるように、切れ刃の大きさ(長さと幅)と、切れ刃の数と、の少なくとも何れか一つを設定する。このことにより、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、前記隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
第10の発明は、特に第7の発明において、前記突起は鈎針形状を有する、ものであり、その一部にくびれた部分がある。
そのため、この鈎針形状のくびれた部分まで、突起を前記収納容器に突き刺すと、突起が前記収納容器内に進入することにより形成された貫通孔の縁と突起との間に、くびれた部分に対応する箇所で、他より大きい隙間ができる。
したがって、この鈎針形状のくびれた部分まで前記突起が前記収納容器に突き刺さるように、また、このくびれた部分に対応する箇所にできる隙間が、前記収納容器の周囲の気体を気体吸着物質で吸着可能な隙間となるように、鈎針形状を設定する。このことにより、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、前記隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
第11の発明は、特に第7の発明において、前記突起は、プラスドライバー形状を有するものであり、第9の発明と同様の作用効果により、突起で前記収納容器に貫通孔を開けた後に、突起が前記収納容器から離れず、突起が前記収納容器内に進入した状態を維持した場合でも、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。また、突起をプラスドライバー形状に、簡単に加工できるため、コストがかからない。
第12の発明は、気体吸着性物質と、長手方向の一端に開口部を有した略扁平な筒状で前記気体吸着性物質を収納するガスバリア性の収納容器と、少なくともその一部が前記開口部内に配置され前記開口部を塞ぐガスバリア性の封止材と、相対向した2面のうち、一方の面に少なくとも一つの凸部を有するとともに他方の面における前記凸部と対向する部分に少なくとも一つの凹部を有し、前記開口部を形成する相対向した2面を前記凸部と前記凹部とが形成された面で挟持するように、前記収納容器に装着された開封部材と、を有する気体吸着デバイスである。
さらに、第12の発明の気体吸着デバイスは、前記開封部材に対して前記開口部を形成する相対向した2面を挟む方向の所定の外力を加えた場合に、前記凸部と前記凹部とが近づき、前記開封部材の凹凸形状による曲げ力で前記封止材が破壊されて前記容器の外側の空間と前記気体吸着性物質が収納された空間とが連通するように構成された、ものである。
ここで、本発明において、「押圧部」は、収納容器の開口部を形成する相対向した2面を挟持する凸部と凹部として実施される。
また、「開封部材」とは、収納容器の開口部を形成する相対向した2面を挟持するように取り付けられ、所定の外力を加えることにより、開封部材の凹凸形状による曲げ力で開口部内の封止材を破壊して、気体吸着デバイスを開封する役割を果たすものである。「開封部材の材質」としては、少なくとも収納容器の開口部を介して封止材を変形させる力を収納容器の開口部に対して加える部分が、封止材が破壊する程度にまで収納容器の開口部を介して封止材を変形させることが可能な硬度を持つことが必要となるので、この硬度を少なくとも収納容器の開口部を介して封止材を変形させる力を収納容器の開口部に対して加える部分に持ち得るものであれば特定はしないが、凹凸形状の加工のしやすさの観点から樹脂が好ましい。「開封部材の凹凸部の形状」としては、指定するものではないが、少なくとも一組の半円柱、三角柱、四角柱等が使用可能であり、凸部と凹部が同じ形状をしていなくてもよい。
前記構成において、気体吸着デバイスを気体吸着に使用するまでに気体吸着デバイス内の気体吸着性物質が大気中の空気と接触しないように、気体吸着性物質は一端に開口部を有したガスバリア性の収納容器(例えばアルミニウム製の容器)内に収納される。また、収納容器の開口部は開口部内に配置されたガスバリア性の封止材(例えばガラスから成る封止材)で封止されている。
そのため、本発明の気体吸着デバイスは、気体吸着デバイスを開封するまでは、気体吸着デバイス内の気体吸着性物質は、ガスバリア性の収納容器とガスバリア性の封止材で被われて大気中の空気との接触がないので、気体吸着性物質の気体吸着性能が維持される。また、収納容器に収納する気体吸着性物質に、プレス等の特別な加工を施さず、空気に触れる表面積が広い状態の、十分な気体吸着速度と気体吸着性能を有する、例えば銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトのような気体吸着性物質を用いることができる。
また、気体吸着デバイスを気体吸着に使用する場合は、収納容器の開口部を形成する相対向した2面を挟持するように取り付けられた前記開封部材に対して所定の外力を加えることにより、前記開封部材の凹凸形状による曲げ力で開口部内の封止材を破壊して、気体吸着デバイスを容易に開封することができる。
また、開封に必要な所定の外力を適切に設定することで、不用意に前記開封部材で気体吸着デバイスを開封してしまうことを防ぐことができる。
したがって、本発明の気体吸着デバイスは、大気中での取り扱いが容易であり、前記開封部材に対して所定の外力を加えることにより気体吸着デバイスを容易に開封することができる。また、開封後は、収納容器内の気体吸着性物質に十分な気体吸着速度持って、気体吸着デバイスが配置された空間の収納容器外の気体を吸着させることができ、気体吸着デバイスが配置された密閉空間の真空度を長期に亘って維持することができる。
第13の発明は、特に第12の発明における前記開封部材の前記凸部を形成する面が前記凹部を形成する面と略相似形であり、前記凹部が前記凸部より大きいことを特徴とする。
本発明における開封部材は、前記開封部材が外力により圧縮され、凹凸部が咬合するとき、凹部が凸部よりも大きく、凸部が凹部に収まる形状であるため、凹部と凸部との間に変形可能な隙間が設けられている。また、凸部と凹部が略相似の形状であるため、凹部と凸部に挟まれる収納容器全体に力が加わる。
前記の咬合状態で気体吸着デバイス封止部はその略相似形状で容易に変形させる。このため、封止材の変形や破壊も、第1の発明と比べてより容易に行われる。したがって、第13の発明は、第12の発明よりも容易に開封動作が行われ、取り扱いやすくなる。
第14の発明は、第12又は第13の発明における前記開封部材の前記凸部と前記凹部が前記収納容器の長手方向に沿って連続しているものである。
本発明における開封部材は、収納容器長手方向の前記開封部材の断面形状が常に同一であるものであり、前記開封部材に対して所定の外力を加えた場合に、開口部から収納容器の奥への長手方向に向かって、封止部を均一に変形させ、封止材を均一に変形や破壊させるものである。
長手方向に連続して均一に破壊することで、収納容器の外側の空間と気体吸着性物質が収納された空間との連通を容易に行えるようになる。したがって、第14の発明は、第12の発明よりも容易に開封動作が行われ、取り扱いやすくなる。
第15の発明は、第12乃至第14の発明のいずれか一つの発明における前記開封部材が、前記開口部を形成する相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部と、前記相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部と、前記開封部材を前記容器の長手方向に見た場合に略コの字形になるように、前記押込み部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の一端と、前記受け部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の一端と、を接続する接続部と、から成る、ものである。
本発明における開封部材は、前記開封部材を収納容器の長手方向に見た場合に略コの字形であり、押込み部と受け部の接続部が一端支持であり、第12の発明の開封部材のように接続部が両端支持のものと比べて容易に圧縮、咬合させることができため、封止材を変形、破壊しやすい。したがって、第15の発明の気体吸着デバイスは、第12の発明の気体吸着デバイスと比べて、より容易に開封動作が行われ、取り扱いやすくなる。
第16の発明は、第12乃至第14の発明のいずれか一つの発明における前記開封部材が、前記開封部材を形成する相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部と、前記相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部と、前記開封部材を前記容器の長手方向に見た場合に略口の字形になるように、前記押込み部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の両端と、前記受け部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の両端と、をそれぞれ接続する接続部と、から成り、
前記接続部は、前記押込み部及び前記受け部よりも曲げやすい材料で構成された、前記開封部材を形成する相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部と、前記相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部と、前記開封部材を前記容器の長手方向に見た場合に略口の字形になるように、前記押込み部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の両端と、前記受け部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の両端と、をそれぞれ接続する接続部と、から成り、前記接続部は、前記押込み部及び前記受け部よりも曲げやすい材料で構成された、ものである。
本発明における開封部材は、接続部が押込み部、受け部よりも曲げやすい材料でできている。このため、第12の発明の開封部材のように、封止材を破壊するためにある程度の硬度を持った材質で形成された開封部材と比べて、容易に圧縮や咬合させることができ、封止材を変形や破壊しやすくなる。したがって、第16の発明の気体吸着デバイスは、第12の発明の気体吸着デバイスと比べて、より容易に開封動作が行われ、取り扱いやすくなる。
なお、本発明における開封部材の材質としては、凸部を有する押込み部と凹部を有する受け部は第12の発明と同等な硬度の樹脂、押込み部と受け部をつなぐ接続部は押込み部と受け部の材質よりも軟質である樹脂を使用可能であり、特に指定しない。
第17の発明は、芯材と第1乃至第16の発明のいずれかの気体吸着デバイスとを少なくとも備え、該芯材と該気体吸着デバイスとをガスバリア性を有する外被材で覆い、前記外被材の内部を減圧することにより形成された真空断熱材である。
前記構成により、前記気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮することができているので、前記真空断熱材が長期間内部を高真空に保って高い断熱性能を持つことができる。
以下、本発明による気体吸着デバイスの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
また、先に説明した実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る開封前の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例であり、図2は、同実施の形態に係る開封後の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。
図1、図2に示すように、実施の形態1に係る気体吸着デバイス5aは、基本的には、気体吸着物質(図示せず)を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器6aと、収納容器6aの長手方向の軸周りに収納容器6aを周回するように装着され、収納容器6aを押圧する押圧部を有する開封部材7aと、を有している。また、開封部材7aは、収納容器6aの短手方向(幅方向)の両方の端部において、一方の面及び他方の面の両方を挟持する形状を有している。そして、収納容器6aを周回するように装着された開封部材7aにより収納容器6aの扁平な面が押圧されることにより、収納容器6aが開封されて、収納容器6aの周囲の気体を気体吸着物質で吸着することができる。なお、具体的には、開封部材7aは収納容器6aの扁平な面を押圧するための突起10を有しており、収納容器6aの扁平な面に対して、収納容器6aの外側に配置した開封部材7aの突起10により貫通孔11が開けられることにより、貫通孔11を通じて収納容器6aの周囲の気体を気体吸着物質で吸着するようにしている。
開封部材7aは、収納容器6aの筒状体の外周面を収納容器6aの幅方向に挟持し、貫通孔11を開ける面とは反対側の扁平な面のうち、少なくとも収納容器6a内に進入した突起10が収納容器6aの内側から当接する可能性がある部分を覆うように収納容器6aの筒状体の外周面を周方向に囲む保持部8と、固定端が保持部8と連設され自由端に突起10が形成された可動部9とを有する。さらに、保持部8により収納容器6aを幅方向に挟持した場合に、開封前は可動部9が貫通孔11を開ける側の扁平な面と間隔を開け所定角度傾斜して対向しており、可動部9を貫通孔11を開ける側の扁平な面に近づく方向に所定の力で押した場合に、突起10が貫通孔11を開ける側の扁平な面に突き刺さるように構成されている。
つまり、気体吸着デバイス5aは、基本的には、収納容器6aと、収納容器6aの長手方向の軸周りに収納容器6aを周回するように装着され、収納容器の扁平な面に対して押圧する押圧部を有する開封部材7aと、を有しており、開封部材7aは、収納容器6aの短手方向(幅方向)の両方の端部において、一方の外表面及び他方の外表面の両方を挟持する形状を有している。
具体的には、開封部材7aは、自由端となる一端の中央部を一つの尖った三角形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板から成っている。また、開封部材7aは、筒状体の外周面を収納容器6aの幅方向に挟持し、貫通孔11を開ける面とは反対側の扁平な面のうち、少なくとも収納容器6a内に進入した突起10が収納容器6aの内側から当接する可能性がある部分を覆うように、筒状体の外周面を周方向に囲むように平板における一端とは反対側の他端と他端から一端に向かう途中までの間の部分を折り曲げて保持部8を形成している。さらに、開封部材7aは、尖った部分の根元で、該尖った部分を内側に(該尖った部分が貫通孔11を開ける側の扁平な面に略垂直に突き刺さるように)折り曲げて、三角形状の突起10を形成している。
開封部材7aの保持部8は、底面部8aと、2つの側面部8b,8cと、上面部8dとから成る。底面部8aは、収納容器6aの長手方向の寸法が一定であり、収納容器6aにおける貫通孔11を開ける面とは反対側の扁平な面を覆う平面を構成している。2つの側面部8b,8cは、底面部8aと連設しており、収納容器6aにおける筒状体の外周面を収納容器6aの幅方向に挟持するように、底面部8aと連設しており、底面部8aに対して略垂直な平面を構成している。。上面部8dは、可動部9に連設しない方の側面部8bと連設しており、収納容器6aにおける貫通孔11を開ける面における幅方向の端の部分を覆う底面部8aに平行な平面を構成している。
また、開封部材7aの可動部9は、上面部8dと連設しない方の側面部8cの上端と連設しており、側面部8cに対して約30度から約60度の角度で、収納容器6aにおける貫通孔11を開ける面に対向する側に傾斜した平面を構成する。
また、開封部材7aの突起10は、可動部9を、貫通孔11を開ける側の扁平な面に近づく方向に所定の力で押した場合に、可動部9が保持部8と連設されている部分を支点として回動して、突起10が貫通孔11を開ける側の扁平な面における幅方向の略中央部に突き刺さるような位置に設けられている。
また、収納容器6aは、収納容器6aの長手方向に垂直な面で切断した場合の切断面が略楕円形で、保持部8における収納容器6aの長手方向に垂直な面で切断した場合の切断面が略角形であり、保持部8における収納容器6aの厚さ方向の内径寸法を収納容器6aの厚みより若干大きくしている。
そのため、開封部材7aを収納容器6aの端から収納容器6aの長手方向にスライド挿入する際には、収納容器6aの幅方向が保持部8の対角線方向に近づくように若干傾斜させると、開封部材7aを収納容器6aの端から収納容器6aの長手方向にスライド挿入しやすくなる。
また、開封部材7aを収納容器6aの所定位置に固定する際には、開封部材7aの位置が収納容器6aの長手方向での所定位置になった時に、収納容器6aの幅方向が保持部8の底面部8aと略平行になり、かつ、収納容器6aが保持部8の底面部8aに近づくように、開封部材7aと収納容器6aとの位置関係が整えられる。これにより、保持部8が収納容器6aを保持(固定)する力が強くなる。そのため、開封部材7aが収納容器6aからさらに外れ難くなり、開封部材7aと収納容器6aとを一体の部材として、さらに容易に取り扱うことができる。
また、所定位置に固定した開封部材7aを移動又は収納容器6aから取り外す際には、収納容器6aの幅方向が保持部8の対角線方向に近づくように若干傾斜させると、保持部8が収納容器6aを保持(固定)する力が弱くなる。これにより、開封部材7aを容易に移動すること、又は収納容器6aから取り外すことができる。
また、開封部材7aは、保持部8の上面部8dと、可動部9の自由端に折り曲げ形成された突起10とにより、開封部材7aにおける保持部8の上面部と突起10との隙間を通じて、収納容器6aを出し入れできないようになっている。
本実施の形態における気体吸着物質は、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトの銅サイトのうち少なくとも60%以上の銅サイトを銅1価サイトとしたものを用いている。
また、収納容器6aは、深絞り成形して有底筒状としたアルミニウム製で、開口部から気体吸着物質を収納した後に、開口部近傍に内面同士が接近した狭窄部を設けて、開口部内の狭窄部を封止用ガラスで塞いでいる。
また、開封部材7aは、自由端となる一端を尖った三角形状にしたスチール製平板を折り曲げ加工したものである。
以上のように構成された本実施の形態に係る気体吸着デバイス5aについて、以下その動作を説明する。
図2に示すように、可動部9に対して所定の外力、すなわち図1の収納容器6aの扁平な面に近づく方向の外力を加えた場合に、突起10が収納容器6aの扁平な面に突き刺さり、収納容器6aの扁平な面に貫通孔11を開ける。その結果、収納容器6aの内部空間と収納容器6aの外部とが貫通孔11により連通し、収納容器6aの外部の気体が、収納容器6a内の気体吸着物質に吸着される。
開封部材7aは、収納容器6aの筒状体の外周面を収納容器6aの幅方向に挟持し、前記貫通孔11を開ける面とは反対側の扁平な面のうち、少なくとも一部を覆うように筒状体の外周面を周方向に囲む保持部8を有している。これにより、開封部材7aが収納容器6aから外れ難く、開封部材7aと収納容器6aとを一体の部材として容易に取り扱うことができる。
また、開封部材7aは、保持部8が、貫通孔11を開ける面とは反対側の扁平な面のうち、少なくとも収納容器6a内に進入した突起10が収納容器6aの内側から当接する可能性がある部分を覆うようにしている。これにより、収納容器6aを突き抜けた開封部材7aの突起10が他の部材を破損する虞が無い。
また、開封部材7aは、収納容器6aを幅方向に挟持し、前記貫通孔11を開ける面とは反対側の扁平な面のうち、少なくとも一部を覆うように収納容器6aの外周面を周方向に囲む保持部8と、固定端が保持部8と連設され自由端に突起10が形成された可動部9とを有している。可動部9は、貫通孔11を開ける側の扁平な面に近づく方向に所定の力で押した場合に、突起10が貫通孔11を開ける側の扁平な面に突き刺さるように構成されている。これにより、開封に必要な外力の大きさにバラツキが生じ難く、そのため、不用意に開封部材7aを押して気体吸着デバイス5(収納容器6a)を開封してしまう可能性が少ない。
さらに、突起10による押圧で収納容器6aが厚み方向(突起10による押圧方向)に変形(変位)する大きさを小さく抑えることができる。これにより、突起10による押圧で収納容器6aが厚み方向(突起10による押圧方向)に変形(変位)し、可動部9が所定の変位をしたにもかかわらず、突起10が収納容器6aに貫通孔11を開けることができないといった不具合の発生を抑制できる。
また、開封部材7aは、自由端となる一端を尖った形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板を折り曲げて構成したので、開封部材7aを低コストで製作可能であり、この低コストで製作可能な開封部材7aを用いることにより、気体吸着デバイス5の製造コストを低減できる。
したがって、気体吸着デバイス5aは、開封部材7aと収納容器6aとを一体の部材として容易に取り扱うことができる。これにより、開封に必要な外力の大きさにバラツキが生じ難いことから、不用意に開封部材7aを押して気体吸着デバイス5(収納容器6a)を開封してしまう可能性が少なくなる。また、可動部9が所定の変位をしたにもかかわらず突起10が収納容器6aに貫通孔11を開けることができないといった不具合の発生を少なくできる。さらに、収納容器6aを突き抜けた開封部材7aの突起10が他の部材を破損する虞が無く、製造コストを低減できる。
なお、気体吸着物質は、真空断熱材等の密閉空間に残存又は侵入する水蒸気や空気等の混合ガスを吸着する役割を果たすものであればよい。特に指定するものではないが、窒素の吸着特性が優れている点で、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが好ましい。特に、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトの銅サイトのうち、少なくとも60%以上の銅サイトを銅1価サイトとしたものがより好ましい。
また、収納容器6aは、空気及び水蒸気等の気体を通過させない性質(ガスバリア性)を持ち、気体吸着物質を大気に触れさせないようにする役割を果たすものであればよい。収納容器6aの材質としては、特に指定するものではないが、アルミニウム及び銅などの金属や樹脂等を使用することができる。収納容器6aの形状としては、開口部を有する円筒、角型、略扁平形状などの容器等を使用することができる。内部に気体吸着物質が収納でき、封止材によって開口部を塞ぐことができる形状なら特に指定しない。収納容器6aの形状としては、筒状で開口部を塞いで密閉するような形状のものが好ましく、深絞り成形して有底筒状としたものがより好ましい。筒の断面形状は、円形、角形、楕円形などあるが、略扁平な形状が好ましい。
また、収納容器6aの開口部は、例えば、内面同士が接近した狭窄部を設けて、開口部内の狭窄部をロウ材や封止用ガラスなどの封止材で塞ぐことが好ましいが、密閉の信頼性が高ければ、特に開口部の閉塞方法については指定しない。
封止材は、空気及び水蒸気等の気体を通過させない性質を持ち、開口部を有する収納容器の開口部を塞ぎ、収納容器6a内部の気体吸着物質を大気に触れさせないようにする役割を果たし、且つ、外力が加えられると変形、破壊し開口部を非封止状態にする役割を果たすものであればよい。封止材の材質としては、ガラス、ろう材、樹脂等を使用できるが、デバイス使用時にデバイス開封のため封止材を破壊するため、硬くて脆い材質が用いやすく、ガラスが好ましい。
開封部材7aは、例えば、両端部が脚部となって収納容器の外表面に密着固定され、両端部の間で収納容器6aから離れた中央部の収納容器と対向する面に収納容器6a側に突出する突起10が設けられ、中央部に収納容器6aに接近する方向に所定の外力が加えられた時に変形して突起10で収納容器6aに貫通孔11を開けるものであればよい。
開封部材7aの材質としては、鉄、アルミニウムなどの金属や樹脂などを使用することができる。収納容器6aに貫通孔11を開けるため突起10の硬度は収納容器6aの硬度よりも硬くする。突起10が折れないような硬さにすれば、硬度は特に指定はしない。言い換えると、開封部材7aの材質としては、突起10が収納容器6aに貫通孔11を開けることが可能な硬度と弾性を持ち得るものであれば特定はしないが、平板を折り曲げ加工して構成し易いことがら、アルミニウム及び銅金属が好ましい。突起10の形状としては、指定するものではないが、三角形、三角形と四角形の組合せ図形等の形状が使用可能である。なお、以上の種々の変形例は以下の実施の形態についても同様に採用される。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における開封前の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例であり、図4は、同実施の形態における開封後の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。
図3に示すように、実施の形態2に係る気体吸着デバイス5bは、実施の形態1に係る気体吸着デバイス5aの突起10の代わりに、第1突起12、第2突起13、及び第3突起14を収納容器6aの長手方向に有する。そして、図4に示すように、可動部9に対して所定の外力、すなわち図3の収納容器6aの扁平な面に近づく方向の外力を加えた場合に、第1突起12、第2突起13、及び第3突起14が収納容器6aの扁平な面に突き刺さるようになっている。つまり、実施の形態2に係る気体吸着デバイス5bでは、実施の形態1に係る気体吸着デバイス5aと比べると、貫通孔11とは異なる三連貫通孔15を開ける点でのみで異なっており、その他の構成は同様であるので、同様の作用効果も有している。
実施の形態2では、収納容器6aに三連貫通孔15(3つの貫通孔)を開けることができ、貫通孔が一つの場合に比べて、収納容器6a内に進入する気体の量が増加し吸着速度が増加する。
また、第1突起12、第2突起13、及び第3突起14の形状を、突起の侵入深さに比例して貫通孔の面積が大きくなるような三角形状にしている。これにより、第1突起12、第2突起13、及び第3突起14によってできる三連貫通孔15の総面積と同じ面積の貫通孔を一つの突起で開ける場合に比べて、可動部9の変位量(変位角度)を小さくでき、開封前の気体吸着デバイス5bを小型化しやすい。
また、第1突起12又は第3突起14が収納容器6aが外れる程度に開封部材7bの位置が収納容器6aの長手方向にずれてしまっても、残りの突起が収納容器6aに貫通孔を開けることができる。
さらに、開封部材7bが第1突起12、第2突起13、及び第3突起14の3つの突起を有するため、突起が一個の場合と比べて加えられた外力が複数に分散し、誤操作で収納容器6に貫通孔が開きにくくなり取り扱いが容易になる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3に係る開封前の気体吸着デバイスの外観斜視図の一例である。
図5に示すように、実施の形態3に係る気体吸着デバイス5cは、実施の形態2に係る気体吸着デバイス5bと比べると、極扁平な収納容器薄部16と収納容器薄部よりも厚みを持った扁平な収納容器厚部17とを有した厚みが不均一な収納容器6bを採用している点のみが相違している。なお、実施の形態2と同様に、可動部9に対して所定の外力、すなわち図5の収納容器6の扁平な面に近づく方向の外力を加えた場合に、第1突起12、第2突起13、及び第3突起14が収納容器6bの扁平な面に突き刺さり、3つの貫通孔11を開ける機構となっている。
ただし、図5に示すように、実施の形態3に係る気体吸着デバイス5cは、実施の形態2に係る気体吸着デバイス5bと比べると、収納容器6bの厚みが収納容器6bの長手方向に沿って均一ではなく、開封部材7bが収納容器6bに設置された位置により各貫通孔11の大きさ等、貫通孔11の形状が変化する。したがって、図5に示すように、開封部材7bは、第1突起12、第2突起13、及び第3突起14の3つの突起を有しており、真ん中の第2突起13の1つのみの場合と比べると、厚みのある収納容器厚部17に第1突起12、第2突起13、及び第3突起14の3つの突起のいずれかが突き刺さる可能性が高くなる。また、収納容器厚部17は厚みがある分、深く突き刺さり大きな貫通孔11を開けることができる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4に係る気体吸着デバイスを開封部材の突起で収納容器に貫通孔を開ける面側から見た平面図の一例である。
図6に示すように、実施の形態4に係る気体吸着デバイス5dは、実施の形態1に係る気体吸着デバイス5aと比べると、先細形状を有した収納容器6cを採用している点のみが相違している。なお、収納容器6cの一端の外径寸法が、保持部8における収納容器6cを幅方向に挟持する部分の内径寸法より小さくなるような先細形状にしたものである。その他の気体吸着デバイス5dの構成は、実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の作用効果も有している。
先細形状を有した収納容器6cを採用したことにより、収納容器6cの先細形状となっている端から開封部材7aを収納容器6cの長手方向にスライド挿入することが容易にできる。また、収納容器6cの先細形状となっている先細端18から開封部材7aを収納容器6cの長手方向にスライド挿入した開封部材7aを、収納容器6cの幅と開封部材7aの保持部8の幅とが略等しくなった部分に固定しやすい。
本実施の形態では、先細端18から開封部材7aを長手方向にスライドさせるよう装着すると、収納容器6cの幅と保持部8の内径の幅が等しくなったところで開封部材7aは止まり、収納容器6cの幅と保持部8の内径の幅との寸法を適切に設定し精度良く製作できれば、開封部材7aを収納容器6cの特定位置に固定することができ、突起10による貫通孔11を収納容器6cの特定位置にすることができる。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5に係る気体吸着デバイスを開封部材の突起で収納容器に貫通孔を開ける面側から見た平面図の一例である。
図7に示すように、実施の形態5に係る気体吸着デバイス5eは、実施の形態4と同様の収納容器6cを採用したものであるが、保持部8における収納容器6cを幅方向に挟持する部分を、収納容器6cの長手方向の一方側の内径が広がるように構成した点が相違している。その他の気体吸着デバイス5eの構成は、実施の形態4と同様であり、実施の形態4と同様の作用効果も有している。
開封部材7aの保持部8を前記形状にすることにより、保持部8の内径が広がっている幅広部19を収納容器6cの挿入側端(先細端18)部に向けて、開封部材7aを収納容器6cの長手方向にスライド挿入することにより、開封部材7aを収納容器6cの長手方向にスライド挿入しやすい。
本実施の形態では、保持部8の内径が広がっている幅広部19を収納容器6cの挿入側端(先細端18)部に向けて、先細端18から開封部材7aを長手方向にスライドさせるよう装着すると、幅広部19のため、開封部材7aを滑らかに収納容器6cにスライドさせることができる。したがって、収納容器6cの幅と保持部8の内径の幅の寸法を適切に設定し精度良く製作できれば、開封部材7aを収納容器6cの特定位置に固定することができ、突起10による貫通孔11を収納容器6cの特定位置にすることができる。
(実施の形態6)
図8は本発明の実施の形態6に係る気体吸着デバイスの概略構成を示す平面図の一例である。図9は図8のA−A線断面図の一例である。
図8及び図9に示すように、本実施の形態6に係る気体吸着デバイス5fは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトから成り窒素を吸着する気体吸着物質60と、細長い扁平な筒状で気体吸着物質60を減圧状態で収納する収納部65の両側を封止したアルミニウム製の収納容器6dとを有する。
なお、収納部65の両端に位置する封止部62のうち一方の封止部62aは、収納容器6dを深絞り成形して有底筒状とすることで得られた底であり、他方の封止部62bは、互いに対向する収納容器6dの内面を接近させた狭窄部64を封止用ガラスにて封止したものである。
また、狭窄部64を封止用ガラスにて封止した他方の封止部62bと収納部65との間に、互いに対向する収納容器6dの内面同士が密着する密着部63を有している。
また、気体吸着デバイス5fは、図9に示すように、収納容器6dの互いに対向する二つの扁平な面の両方が窪んでいる。具体的 には、底を成す密着部63と、密着部63の二つの扁平な面(底)それぞれから収納容器6dの厚み方向に沿ってある傾きを持って立ち上がる、縁部を形成する封止部62b及び収納部65とによって、前述の窪みが形成されている。なお、図9に示すように収納容器6dの互いに対向する二つの扁平な面の両方が窪んでいる他に、収納容器6dの互いに対向する二つの扁平な面のいずれか一方が窪んでいてもよい。
また、気体吸着デバイス5fは、収納容器6dの内部空間を収納容器6dの外部と連通させる(気体吸着デバイス5fを開封する)と、密着部63が膨らむように構成されている。
以上のような気体吸着デバイス5fは、つぎのような製造方法で作製される。つり、気体吸着デバイス5fの製造方法は、収納容器6d内に気体吸着物質60を収納する工程と、外力により密着部63を形成しつつ狭窄部64を形成する工程と、他方の封止部62bとなる収納容器6dの内面(狭窄部64)に封止用ガラスを配置する工程と、真空加熱炉に入れて熱処理を行う工程とを有する。なお、熱処理を行う工程は、具体的には、気体吸着物質60を活性化する工程と、減圧下で封止用ガラスを溶融させる工程と、加熱炉を徐冷しながら封止用ガラスを固化させる工程と、収納容器を焼きなます工程とを有する。
なお、前記製造方法において、収納容器6d内外の気圧差により、収納部65と狭窄部64側の他方の封止部62bとの間に密着部63ができるように、深絞り成形時の収納容器6dの扁平度合いと収納容器6dの厚みを調整する工程を有することが好ましい。
また、前記製造方法において、収納容器6d内に入れる気体吸着物質60の分量(体積)に対して、狭窄部64封止前における深絞り成形によって形成された側の一方の封止部62aと狭窄部64との間の収納容器6dの容積を十分大きくし、さらに、真空加熱炉に入れてから、封止用ガラスを固化させ収納容器6dの外圧を大気圧に戻して気体吸着デバイス5fが完成するまで、収納容器6dの長手方向が鉛直方向で狭窄部64側の他方の封止部62bが深絞り成形によって形成された側の一方の封止部62aより上に位置するように収納容器6dを縦置きして気体吸着デバイス5fを作製した。
以上のように、気体吸着デバイス5fは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトから成り窒素を吸着する気体吸着物質60と、細長い扁平な筒状で気体吸着物質60を減圧状態で収納する収納部65の両側を封止した金属(アルミニウム)製の収納容器6dとを有し、収納容器6dの狭窄部64を封止用ガラスで封止した側の他方の封止部62bと収納部65との間に、互いに対向する収納容器6dの内面同士が密着する密着部63を有するものである。
この構成によれば、図1乃至図7に示したような開封部材7a,7bの保持部8が収納容器6dの密着部63の外周面を周方向に囲むようにすれば、開封部材7a,7bを収納容器6dの密着部63の位置に固定することができる。なお、密着部63よりも、密着部63に連設される封止部62b及び収納部65の方が厚み寸法が大きいので、封止部62b及び収納部65が開封部材7a,7bの変位を防止することができる。したがって、収納容器6dに対して開封部材7a,7bが外れにくくなり、開封部材7a,7bと収納容器6dとの有機的な結合関係が強いので、開封部材7a,7bによる収納容器6dの更なる安定した開封を実現可能となる。
(実施の形態7)
まず、本発明の実施の形態7の比較形態を説明する。図10は比較形態に係る気体吸着デバイスの開封前の断面図であり、図11は比較形態に係る気体吸着デバイスの開封後の断面図の一例である。
図10、図11に示すように、比較形態に係る気体吸着デバイスは、気体吸着物質21と、ガスバリア性材料で構成され気体吸着物質21を減圧状態で収納する収納容器22と、両端部が脚部となって収納容器22の外表面に密着固定され、両端部の間で収納容器22から離れた中央部の収納容器22と対向する面に収納容器22側に突出する円錐形の突起24が設けられ、中央部に収納容器22に接近する方向に所定の外力が加えられた時に変形して突起24で収納容器22に貫通孔を開ける開封部材23とから構成されている。
以上のように構成された比較形態に係る気体吸着デバイスについて、以下その動作を説明する。開封部材23の中央部に収納容器22に接近する方向に所定の外力が加えられると、開封部材23が変形して突起24が収納容器22に突き刺さり、収納容器22における突起24が突き刺さった部分に貫通孔が形成され、貫通孔を通じて収納容器22の周囲の気体を気体吸着物質21で吸着する。
ただし、比較形態に係る気体吸着デバイスは、円錐形の突起24を収納容器22の表面に対して略垂直に押し付けるため、突起24で収納容器22に貫通孔を開けた後に、突起24が収納容器22から離れず、突起24が収納容器22内に進入した状態を維持した場合に、突起24が収納容器22内に進入することにより形成された貫通孔の縁と突起24との間に、収納容器22の周囲の気体を気体吸着物質21で吸着するのに充分な隙間ができず、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できなくなる。
つぎに、本発明の実施の形態7を説明する。図12は本発明の実施の形態7に係る気体吸着デバイスの開封前の断面図であり、図13は同実施の形態の気体吸着デバイスの開封後の断面図の一例である。図14Aは本発明の実施の形態7に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図であり、図14Bは同実施の形態の気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。
図12乃至図14に示すように、実施の形態7に係る気体吸着デバイス5gは、気体吸着物質60と、ガスバリア性材料で構成され気体吸着物質60を減圧状態で収納する収納容器6と、両端部が脚部となって収納容器6の外表面に密着固定され、両端部の間で収納容器6から離れた中央部の収納容器6と対向する面に収納容器6側に突出する略円錐形の突起78が設けられ、中央部に収納容器6に接近する方向に所定の外力が加えられた時に変形して突起78で収納容器6に貫通孔を開ける開封部材7cとから構成されている。なお、開封部材7cの両端部が収納容器6の外表面に密着固定される以外に、図1乃至図7に示したような収納容器6の外周を取り囲むような開封部材7a,7bであってもよい。以下の実施の形態8乃至10についても同様である。
気体吸着デバイス5gは、気体吸着物質60を減圧密封した収納容器6に対して外側から突起78で貫通孔を開けることにより、貫通孔を通じて収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着できるように構成されている。また、突起78は、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持しても、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された貫通孔の縁と突起78との間に収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間ができるような形状79を有する。
本実施の形態では、気体吸着物質60としては、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いており、収納容器6はアルミニウム製であり、収納容器6を密閉封止する封止材はガラスである。また、開封部材7cは硬質樹脂製であり、突起78の外周面に螺旋状溝71が形成される。
以上のように構成された気体吸着デバイス5gについて、以下その動作を説明する。
開封部材7cの中央部に収納容器6に接近する方向に所定の外力が加えられると、開封部材7cが変形して突起78が収納容器6に突き刺さり、収納容器6における突起78が突き刺さった部分に貫通孔が形成され、貫通孔を通じて収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着するのである。
以上のように、本実施の形態は、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトから成る気体吸着物質60を減圧密封したアルミニウム製収納容器6に対して外側から突起78で貫通孔を開けることにより貫通孔を通じて収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着できるように構成された気体吸着デバイスである。
また、本実施の形態は、突起78には、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持しても、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された貫通孔の縁と突起78との間に収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間ができるような形状79が形成されることを特徴とする。
前記構成において、突起78には、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持しても、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された貫通孔の縁と突起78との間に収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間ができるような形状79が具備されるので、突起78で収納容器6に貫通孔を開けた後に、突起78が収納容器6から離れず、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持した場合でも、この隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
また、本実施の形態のように、円錐の外周面に螺旋状溝71を有する突起78の場合は、突起78の中心軸を含む平面で突起78を切断した場合の断面を見た場合に、螺旋状溝71部の外径が螺旋状溝71部の突起先端側より小さい。そして、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された略円形の貫通孔の縁と突起78との間に、貫通孔を通過する位置にある螺旋状溝71部で、他より大きい隙間ができる。
したがって、この隙間が、収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間となるように、螺旋状溝71の深さと、螺旋状溝71の幅と、螺旋状溝71の数の少なくとも何れか一つを設定することにより、突起78で収納容器6に貫通孔を開けた後に、突起78が収納容器6から離れず、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持した場合でも、この隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
なお、円錐又は外周面に螺旋状凸部を有する突起の場合は、突起78の中心軸を含む平面で突起78を切断した場合の断面を見た場合に、各凸部の突起根本側に前記凸部よりも外径が小さい部分がある。そして、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された略円形の貫通孔の縁と突起78との間に、貫通孔に最も近接し貫通孔を通過した凸部と貫通孔に最も近接し貫通孔を通過していない凸部の間の部分で、他より大きい隙間ができる。
したがって、この隙間が、収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間となるように、螺旋状凸部の高さと、貫通孔に最も近接し貫通孔を通過した凸部と貫通孔に最も近接し貫通孔を通過していない凸部との間隔と、螺旋状凸部の数の少なくとも何れか一つを設定することにより、突起78で収納容器6に貫通孔を開けた後に、突起78が収納容器6から離れず、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持した場合でも、この隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
(実施の形態8)
図15Aは本発明の実施の形態8に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図であり、図15Bは同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。
実施の形態8は、実施の形態7に係る気体吸着デバイス5gにおける突起78の形状79を変えたものであり、突起78に放射状に配列された8つの切れ刃72を有する。突起78の形状79以外は実施の形態7と同様である。
放射状に配列された複数(8つ)の切れ刃72を有する突起78で収納容器6を突き刺した場合は、放射状に配列された複数(8つ)の切れ刃72に対応して、収納容器6に放射状の8つの切れ目ができるとともに、内側に折れ曲がり、放射状に配列された切れ刃72の数に対応した略多角形(略八角形)の貫通孔ができる。そのため、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された略円形の貫通孔の縁と突起78との間に、特に、周方向に隣接する切れ刃の間の部分で隙間ができやすい。
したがって、この隙間が、収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間となるように、切れ刃72の大きさ(長さと幅)と、切れ刃72の数の少なくとも何れか一つを設定することにより、突起78で収納容器6に貫通孔を開けた後に、突起78が収納容器6から離れず、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持した場合でも、この隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
(実施の形態9)
図16Aは本発明の実施の形態9に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図であり、図16Bは同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図である。
実施の形態9は、実施の形態7に係る気体吸着デバイス5gにおける突起78の形状79を変えたものであり、突起78を鈎針形状73としている。突起78の形状79以外は実施の形態7と同様である。
本実施の形態では、突起78を、先端から根本方向に向かう途中までの間で横断面が円形で途中から横断面が半円形となるように円錐の途中を切り欠いたような鈎針形状73とし、突起78の一部にくびれた部分があるため、この鈎針形状73のくびれた部分まで、突起78を収納容器6に突き刺すと、突起78が収納容器6内に進入することにより形成された貫通孔の縁と突起78との間に、くびれた部分に対応する箇所で、他より大きい隙間ができる。
したがって、この鈎針形状73のくびれた部分まで、突起78が収納容器6に突き刺さるように、また、くびれた部分に対応する箇所にできる隙間が、収納容器6の周囲の気体を気体吸着物質60で吸着可能な隙間となるように、鈎針形状73を設定することにより、突起78で収納容器6に貫通孔を開けた後に、突起78が収納容器6から離れず、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持した場合でも、この隙間により、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。
(実施の形態10)
図17Aは本発明の実施の形態10に係る気体吸着デバイスに用いた突起の側面図であり、図17Bは同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた突起を先端側から見た正面図の一例である。
実施の形態10は、実施の形態7に係る気体吸着デバイス5gにおける突起78の形状79を変えたものであり、突起78をプラスドライバー形状74としている。突起78の形状79以外は実施の形態7と同様である。
本実施の形態では、実施の形態8と同様の作用効果により、突起78で収納容器6に貫通孔を開けた後に、突起78が収納容器6から離れず、突起78が収納容器6内に進入した状態を維持した場合でも、開封後の気体吸着デバイスが本来の機能を十分に発揮できる。また、突起をプラスドライバー形状に、簡単に加工できるため、コストがかからない。
(実施の形態11)
まず、本発明の実施の形態11の比較形態を説明する。図18は、比較形態に係る気体吸着デバイスを示す縦断面図の一例である。図18に示すように、比較形態に係る気体吸着デバイスは、ガスバリア性の上部開放容器31と、Ba−Li合金ゲッター材の粉末から約30〜1000barの圧力で圧縮形成され上部開放容器31内の下部に収納された第1ペレット32と、乾燥材の粉末から形成され第1ペレット32を上(上部開放容器31の開放部34側)から完全に覆うように上部開放容器31内の上部に収納された第2ペレット33とから成る。
そして、前記比較形態に係る気体吸着デバイスにおいて、上部開放容器31の開放部34から侵入した水分を含む空気は、まず、第2のペレット33を通過する際に空気中の水分が吸着され、第2のペレット33により水分が吸着された後の空気が第1のペレット32により吸着される。
このように、前記比較形態に係る気体吸着デバイスは、第1のペレット32を構成するゲッター材が空気中の水分を吸着することにより、第1のペレット32を構成するゲッター材の空気吸着性能が早く劣化してしまうのを、乾燥材で構成された第2のペレット33で第1ペレット32を上部開放容器31の開放部34側を覆う構成により抑制しながら、気体吸着デバイスが配置された密閉空間中の真空度を維持できる。
ただし、前記比較形態に係る気体吸着デバイスの構成では、第1のペレット32を構成するBa−Li合金ゲッター材は水蒸気(空気中の水分)に対して親和性が高いため、第1のペレット32(Ba−Li合金ゲッター材)に接触する酸素や窒素等の混合ガスから成る空気から水蒸気(空気中の水分)を完全に除去する必要がある。このため、乾燥材で構成された第2のペレット33で第1ペレット32(Ba−Li合金ゲッター材)を上部開放容器31の開放部34側を覆う構成にする必要があった。
万が一、ペレット状の乾燥材(第2のペレット33)に割れが生じると、第1ペレット32(Ba−Li合金ゲッター材)は水蒸気(空気中の水分)を吸着し、活性を失う(空気吸着性能が早く劣化する)ため、前記従来の気体吸着デバイスの使用時は、Ba−Li合金ゲッター材が水蒸気(空気中の水分)を吸着しないように慎重に取り扱わなければならない。また、前記比較形態に係る気体吸着デバイスは、ゲッター材をペレット状に成形して用いていることから、粉末状のゲッター材を用いる場合に比べて、空気に触れる表面積の関係等で、ガスの吸着速度が遅い。
つぎに、本発明の実施の形態11に係る気体吸着デバイスを説明する。図19は本発明の実施の形態11に係る気体吸着デバイスの開封前の状態を示す斜視図であり、図20は同実施の形態に係る気体吸着デバイスの開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。図21は同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図であり、図22は同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。
図19に示すように、実施の形態11の気体吸着デバイス5hは、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトから成る気体吸着性物質(図示せず)と、長手方向の一端に開口部66を有した扁平な筒状で気体吸着性物質を収納するガスバリア性のアルミニウム製の収納容器6と、収納容器6の開口部66内に配置されて開口部66を塞ぐ硬質でガスバリア性のガラスから成る封止材(図示せず)と、収納容器6の筒状の外径より大きい内径の貫通孔を有し外力で変形可能で収納容器6の開口部66近傍を囲むように取り付けられる硬質樹脂製の開封部材7dとから成る。
開封部材7dは、貫通孔の相対向した2面のうちの一方の面に貫通孔に垂直な断面が略半円形の凸部90を有するとともに、相対向した2面のうちの他方の面における凸部90と対向する部分に凸部90を形成する面と略相似形で大きい面で形成された凸部90より大きく幅が収納容器6の開口部66近傍の略扁平な相対向した2面の幅よりも小さい凹部91を有する。おっして、開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を凸部90と凹部91が形成された面で挟持するように、収納容器6に実装される(取り付けられる)。なお、凸部90と凹部91とは、開封部材7dの貫通孔の方向(収納容器6の長手方向)に沿って連続している。
そして、開封部材7dに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力を加えた場合に、凸部90と凹部91とが近づき、開封部材7dの凹凸形状による曲げ力で開口部66内の封止材が変形し破壊されて、収納容器6の外側の空間と気体吸着性物質が収納された空間とが連通するように構成されている。
以上のように構成された本実施の形態に係る気体吸着デバイス5hについて、以下その動作を説明する。
図20に示すように、開封部材7dに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力、すなわち図19の上下方向の圧縮外力を加えた場合に、開封部材7dが開口部66を介して封止材(図示せず)を変形させる。ここで、封止材はガラスから成り、硬質で脆いため、変形により破壊される。
この機構の詳細を説明すると、図21に示すように、本実施の形態の開封部材7dは、対向する凸部90と凹部91を有し、収納容器6の長手方向の開封部材7d断面の凹凸部形状が半円柱の相似形で凹部91が凸部90より大きいという特徴を備えたもので、その凹凸断面形状が開封部材7dの貫通孔の方向(収納容器6の長手方向)で同一である。
その開封部材7dに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力、すなわち図21の上下方向の圧縮外力を加えた場合に、図22に示すように、開封部材7dが圧縮され、凸部90と凹部91が咬合する機構となっている。
したがって、気体吸着デバイス5hは、その開封部材7dに開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力を加えた場合に、収納容器6の開口部66内の封止材を破壊し、開口部66を開け、収納容器6内の気体吸着性物質60と収納容器6外の気体を接触させることで気体吸着性物質60に気体を吸着させることができる。このため、真空断熱材等の密閉空間に設置し、デバイスを開封したとき、密閉空間の残存気体を吸着、また長期間に渡ってその密閉空間の気体を吸着し続け真空度を一定に保つことが実現できる。
以上のように、気体吸着デバイス5hは、少なくとも気体吸着性物質(図示せず)と、長手方向の一端に開口部66を有した略扁平な筒状で気体吸着性物質を収納するガスバリア性の収納容器6と、少なくとも一部が開口部66内に配置され開口部66を塞ぐガスバリア性の封止材(図示せず)と、相対向した2面のうちの一方の面に一つの凸部90と相対向した2面のうちの他方の面における凸部90と対向する部分に一つの凹部91を有し開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を凸部90と凹部91が形成された面で挟持するように取り付けられた開封部材7dとから成る気体吸着デバイスである。
さらに、気体吸着デバイス5hは、開封部材7dに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力を加えた場合に、凸部90と凹部91とが近づき、開封部材7dの凹凸形状による曲げ力が開口部66を介して封止材に加わり、封止材が変形し、やがて封止材が破壊されて、収納容器6の外側の空間と気体吸着性物質が収納された空間とが連通するように構成したのである。
前記構成において、気体吸着デバイス5hを気体吸着に使用するまでに気体吸着デバイス5h内の気体吸着性物質が大気中の空気と接触しないように、気体吸着性物質は一端に開口部66を有したガスバリア性のアルミニウム製の収納容器6内に収納され、収納容器6の開口部66は開口部66内に配置されたガスバリア性のガラスから成る封止材で封止されている。
そのため、気体吸着デバイス5hを開封するまでは、気体吸着デバイス5h内の気体吸着性物質は、ガスバリア性の収納容器6とガスバリア性の封止材で被われて大気中の空気との接触がないので、その気体吸着性能が維持される。
また、収納容器6に収納する気体吸着性物質に、プレス等の特別な加工を施さず、空気に触れる表面積が広い状態の、十分な気体吸着速度と気体吸着性能を有する、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトのような気体吸着性物質を用いることができる。
また、気体吸着デバイス5hを気体吸着に使用する場合は、収納容器6の開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟持するように取り付けられた開封部材7dに対して、開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力を加えることにより、開封部材7dの凹凸形状による曲げ力で開口部66内の封止材を破壊して、気体吸着デバイスを容易に開封することができる。
また、開封に必要な所定の外力の大きさが適切になるように、収納容器6と封止材と開封部材7dのそれぞれの形状と材質を設定することで、不用意に開封部材7dで気体吸着デバイスを開封してしまうことを防ぐことができる。
したがって、気体吸着デバイス5hは、大気中での取り扱いが容易であり、開封部材7dに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力を加えることにより容易に開封することができ、開封後は、収納容器6内の気体吸着性物質に十分な気体吸着速度持って、気体吸着デバイス5hが配置された空間の収納容器6外の気体を吸着させることができ、気体吸着デバイス5hが配置された密閉空間の真空度を長期に亘って維持することができる。
また、気体吸着デバイス5hでは、開封部材7dの凸部90を形成する面が凹部91を形成する面と略相似形であり、凹部91が凸部90より大きいので、開封部材7dが外力により圧縮され、凸部90と凹部91が咬合するとき、凹部91が凸部90よりも大きく、凸部90が凹部91に収まる形状であるため、凹部91と凸部90との間に収納容器6の開口部66を変形可能な隙間ができる。
また、凸部90と凹部91が略相似の形状であるため、凹部91と凸部90に挟まれる収納容器6全体に力が加わる。そして、前記の咬合状態で気体吸着デバイス封止部はその略相似形状で容易に変形させられることになる。
また、気体吸着デバイス5hでは、開封部材7dの凸部90と凹部91が収納容器6の長手方向に連続しているので、開封部材7dに対して所定の外力を加えた場合に、開口部66から収納容器6の奥への長手方向に向かって、開口部66近傍を均一に変形させ、封止材を均一に変形、破壊させるものである。そして、長手方向に連続して均一に破壊することで、収納容器6の外側の空間と気体吸着性物質が収納された空間との連通を容易に行えるようになる。
なお、開封部材7dは、収納容器6の開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟持するように取り付けられ、所定の外力を加えることにより、開封部材7dの凹凸形状による曲げ力で開口部66内の封止材を破壊して、気体吸着デバイスを開封する役割を果たすものであればよい。開封部材7dの材質としては、封止材が破壊する程度にまで収納容器6の開口部66を介して封止材を変形させることが可能な硬度を持つことが必要となる。したがって、このような硬度を、収納容器6の開口部66を介して封止材を変形させる力を加えている収納容器の開口部66の部分が持ち得るものであれば特定はしないが、凹凸形状の加工のしやすさの観点からは樹脂が好ましい。開封部材7dの凹凸部の形状としては、特に指定するものはないが、少なくとも一組の半円柱、三角柱、四角柱等を使用することができる。また、凸部と凹部とが略相似の形状でなくてもよい。なお、これらの種々の変形例は以下の実施の形態についても採用することができる。
(実施の形態12)
図23は本発明の実施の形態12に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図であり、図24は同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材を気体吸着デバイス開口部から長手方向に見た側面図の一例である。
実施の形態12に係る気体吸着デバイスは、実施の形態11における開封部材7dの貫通孔と凸部90と凹部91の形状を変えたものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。
実施の形態12に係る気体吸着デバイスは、図23、図24に示すような、凸部90が円柱の先に半球が取り付けられた形状のものが2つ、凹部91が四角柱を切り欠いた形状のものを2つ有した開封部材7eを適用したものである。
実施の形態12は、実施の形態11とは異なり、収納容器6の長手方向の開封部材7eの断面の凹凸部形状が略相似形ではなく、さらに凹凸断面形状が同一ではないが、実施の形態11と同様に、開封部材7eは、その開封部材7eに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力、すなわち図23の上下方向の圧縮外力を加えた場合に、開封部材7eが圧縮され、凸部90と凹部91が咬合する機構となっている。このため、実施の形態11と同等の効果が得られる。
(実施の形態13)
図25は本発明の実施の形態13に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図であり、図26は同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。
実施の形態13に係る気体吸着デバイスは、実施の形態11における開封部材7dの貫通孔の方向(収納容器6の長手方向)に見た開封部材7dの形状が略コ字形になるように、実施の形態1における開封部材7dの貫通孔において、開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向と収納容器6の長手方向の両方向に垂直な一方向を開放した形状に変えたものであり、その他の構成は実施の形態11と同様である。
実施の形態13に係る気体吸着デバイスは、実施の形態11による気体吸着デバイスの開封部材7dを、図24に示すような、凸部90が形成された押込み部92と凹部91が形成された受け部93をつなぐ接続部94が両端の一方にしかなく、開封部材7fを収納容器6の長手方向に見た場合に略コ字形になったものを適用したものである。
つまり、実施の形態13の開封部材7fは、凸部90が形成され開口部66を形成する略扁平な相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部92と、凹部91が形成され相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部93と、開封部材7fを収納容器6の長手方向に見た場合に略コの字形になるように押込み部92における開口部66の厚み方向と収納容器6の長手方向の両方に垂直な方向の一端と受け部93における開口部66の厚み方向と収納容器6の長手方向の両方に垂直な方向の一端とを接続する接続部94とから成る。
そして、実施の形態11と同様に、その開封部材7fに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力、すなわち図25の上下方向の圧縮外力を加えた場合に、図25に示すように、押込み部92と受け部93をつなぐ接続部94が圧縮され、凸部90と凹部91が咬合する機構となっている。
このとき、実施の形態13の開封部材7fは、凸部90が形成された押込み部92と凹部91が形成された受け部93をつなぐ接続部94が片方しかなく、実施の形態11のように凸部90が形成された押込み部92と凹部91が形成された受け部93をつなぐ接続部94が両端の両方にある開封部材7fと比べて容易に開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に圧縮することができ、より容易に開封部材7fの凸部90と凹部91を咬合させることができる。
したがって、実施の形態13に係る気体吸着デバイスは、実施の形態11に係る気体吸着デバイスと比べて、収納容器6の開口部66内の封止材7の破壊がしやすく、開口部66を開けやすいものとなっている。
(実施の形態14)
図27は本発明の実施の形態14に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の斜視図であり、図28は同実施の形態に係る気体吸着デバイスに用いた開封部材の開封動作時の状態を示す斜視図の一例である。
実施の形態14は、実施の形態11における開封部材7dの貫通孔において、開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向と収納容器6の長手方向の両方向に垂直な両方向の部分(凸部90が形成された押込み部92と凹部91が形成された受け部93をつなぐ接続部94)の材質のみを開封部材7gの他の部分の硬質樹脂の材質より軟らかい樹脂に変えたものであり、その他の構成は実施の形態11と同様である。
つまり、実施の形態14の開封部材7gは、凸部90が形成され開口部66を形成する略扁平な相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部92と、凹部91が形成され相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部93と、開封部材7gを収納容器6の長手方向に見た場合に略口の字形になるように押込み部92における開口部66の厚み方向と収納容器6の長手方向の両方に垂直な方向の両端と受け部93における開口部66の厚み方向と収納容器6の長手方向の両方に垂直な方向の両端とをそれぞれ接続する接続部94とから成る。
そして、実施の形態11と同様に、その開封部材7gに対して開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に所定の外力、すなわち図27の上下方向の圧縮外力を加えた場合に、図28に示すように、凸部90が形成された押込み部92と凹部91が形成された受け部93をつなぐ接続部94が外側及び内側に折れ曲がるように圧縮され、凸部90と凹部91が咬合する機構となっている。
実施の形態14では、凸部90が形成された押込み部92と凹部91が形成された受け部93をつなぐ接続部94の材質が開封部材7gの他の部分の硬質樹脂の材質より軟らかく容易に変形させることのできる樹脂でできているため、実施の形態11の開封部材7dと比べて容易に開口部66を形成する略扁平な相対向した2面を挟む方向に圧縮することができ、より容易に開封部材7dの凸部90と凹部91を咬合させることができる。
したがって、実施の形態14に係る気体吸着デバイスは、実施の形態11に係る気体吸着デバイスと比べて、収納容器6の開口部66内の封止材7の破壊しやすく、開口部66を開けやすいものとなっている。
(実施の形態15)
図29は本発明の実施の形態15に係る真空断熱材の断面図の一例である。
図29に示すように、本実施の形態に係る真空断熱材80は、芯材81と、実施の形態1乃至4の気体吸着デバイス5とを、外被材82で覆い、減圧密封したものである。なお、気体吸着デバイス5は、気体吸着物質を収納した収納容器6と、収納容器6に対して取り付けられた開封部材7とから成る。なお、図29では、真空断熱材80の減圧密封後、外力を加えることにより開封部材7を変形させ、さらに収納容器6に貫通孔を開けることにより開封を行った際に、外力を加えた外被材82の箇所に押込跡83が形成されている状態が示されている。
ところで、真空断熱材80減圧密封後には、外被材82上に収納容器6及び開封部材7の設置位置が凹凸となって現れている。そこで、外被材82上の押込跡83では、開封部材7の設置された位置を目印として、開封動作に必要な範囲の外力が加えられている。つまり、収納容器6の全体には外力は加わってはおらず、押込跡83は、外被材82上の、収納容器6の設置位置の上部の一部分の範囲となっている。
つぎに、真空断熱材80の構成材料について説明する。
外被材82とは真空断熱材80の真空度を維持する役割を果たすものであり、最内層の熱溶着フィルムと、中間層としてのガスバリアフィルム(gas barrier film)として金属箔や金属原子を蒸着した樹脂フィルムと、最外層として表面保護フィルムを、それぞれラミネートしたものである。
なお、熱溶着フィルムとしては、特に指定するものではないが、低密度ポリエチレンフィルム(polyethylene film)、直鎖低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム(polypropylene film)、ポリアクリロニトリルフィルム(polyacrylonitrile film)等の熱可塑性樹脂、或いはそれらの混合体を使用することができる。また、ガスバリアフィルムとしては、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔や、ポリエチレンテレフタレートフィルム(polyethylene terephthalate film)やエチレン−ビニルアルコール(ethylene-vinyl alcohol)共重合体へアルミニウムや銅等の金属や金属酸化物を蒸着したフィルム等を使用することができる。
また、表面保護フィルムとしては、ナイロンフィルム(nylon film)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム等、従来公知の材料を使用することができる。
さらに、真空断熱材の製造方法に関しては、特に指定するものではないが、例えばつぎのような製造方法が挙げられる。まず、一つ目の製造方法としては、一枚のラミネートフィルムを折り返し、互いに対向するラミネートフィルムの端部に位置する熱溶着フィルム同士を熱溶着すること袋状のラミネートフィルムを得て、このラミネートフィルム内へ、芯材を挿入し、減圧下にて袋状のラミネートフィルムの開口部に位置する熱溶着フィルム同士を熱溶着する方法が挙げられる。また、二つ目の製造方法としては、熱溶着フィルム同士が対向するよう二枚のラミネートフィルムを配置し、各ラミネートフィルムの端部に位置する熱溶着フィルム同士を熱溶着することで袋状のラミネートフィルムを得て、この袋状のラミネートフィルム内に、芯材を挿入し、減圧下にて袋状ラミネートフィルムの開口部付近に位置する熱溶着フィルム同士を熱溶着する方法が挙げられる。
芯材81とは、真空断熱材80の骨格となり真空空間を形成する役割を果たすものである。なお、芯材81の材質としては、特に指定するものではないが、グラスウール(glass woolやロックウール(rock wool)、アルミナ繊維、金属繊維など無機繊維や、ポリエチレンテレフタレート繊維など従来公知の材料が利用できる。なお、金属繊維を用いる場合は、金属の中でも比較的熱伝導性に優れた金属から成る金属繊維は、好ましくない。
その中でも、繊維自体の弾性が高く、また繊維自体の熱伝導率が低く、なおかつ工業的に安価なグラスウールを用いることが好ましい。さらに、繊維の繊維径は、小さいほど真空断熱材の熱伝導率が低下する傾向にあるため、より小さい繊維径の繊維を用いることが好ましいが、汎用的でないため繊維のコストアップが予想される。
したがって、真空断熱材80用の繊維として一般的に使用されている比較的安価な平均繊維径が3μm〜6μm程度の集合体から成るグラスウールがより好ましい。
気体吸着物質とは、真空断熱材等の密閉空間に残存又は侵入する水蒸気や空気等の混合ガスを吸着する役割を果たすもので、特に指定するものではないが、酸化カルシウムや酸化マグネシウム等の化学吸着物質や、ゼオライトのような物理吸着物質、あるいは、それらの混合物を使用することができる。また、化学吸着性と物理吸着性を持った銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトも使用できる。
収納容器6とは、空気及び水蒸気等の気体を通過させにくい性質を持ち、気体吸着物質を気体に触れさせないようにする役割を果たすものである。
収納容器6の材質としては、特に指定するものではないが、前記記載の外被材と同様のラミネートフィルム等が使用可能であり、減圧密封で気体吸着物質を外気と触れることなく保存できるものであるなら使用可能である。
また、収納容器6の形状としては、内部に気体吸着物質が収納でき、減圧密封で気体吸着物質を外気と触れることなく保存できるものであるなら特に指定しない。
以上により、前記実施の形態に係る気体吸着デバイス5が本来の機能を十分に発揮することができているので、真空断熱材80が長期間内部を高真空に保って高い断熱性能を持つことができる。
前記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、前記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明の気体吸着デバイスは、真空断熱材、真空断熱容器、プラズマディスプレイ(plasma display)、及び蛍光灯など、真空の維持が必要な機器に適用可能である。その他の本発明の真空断熱材は、冷蔵庫、自動販売機、給湯容器、建造物用断熱材、自動車用断熱材、及び保冷/保温ボックスなど、断熱性能の維持が必要な機器に適用可能である。として有用である。
5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g…気体吸着デバイス
6,6a,6b,6c…収納容器
7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g…開封部材
8…保持部
8a…底面部
8b,8c…側面部
8d…上面部
9…可動部
10…突起
11…貫通孔
12…第1突起
13…第2突起
14…第3突起
15…三連貫通孔
16…収納容器薄部
17…収納容器厚部
18…先細端
19…幅広部
60…気体吸着物質
62a,62b…封止部
63…密着部
64…狭窄部
65…収納部
66…開口部
71…螺旋状溝
72…切れ刃
73…鈎針形状
74…プラスドライバー形状
78…突起
79…形状
80…真空断熱材
81…芯材
82…外被材
83…押込跡
90a,90b…凸部
91a,91b…凹部
92…押込み部
93…受け部
94…接続部

Claims (17)

  1. 気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器と、
    前記収納容器の長手方向の軸周りに前記収納容器を周回するように装着され、前記収納容器を押圧する押圧部を有する開封部材と、を有する気体吸着デバイス。
  2. 気体吸着物質と、
    前記気体吸着物質を減圧密封した細長い扁平な筒状体のガスバリア性の収納容器と、
    前記収納容器の長手方向の軸周りに前記収納容器を周回するように装着され、前記収納容器に貫通孔を開ける突起を備えた開封部材と、を有し、
    前記開封部材は、
    前記筒状体の外周面を前記収納容器の幅方向に挟持し、前記貫通孔を開ける面とは反対側の面のうち、前記収納容器内に進入した前記突起が前記収納容器の内側から当接する可能性がある部分を少なくとも覆うように前記筒状体の外周面を周方向に囲む保持部と、
    その固定端が前記保持部と連設され、その自由端に前記突起が形成された可動部と、を有し、
    前記可動部は、前記保持部で前記収納容器を幅方向に挟持した場合、開封前では前記貫通孔を開ける側の面と間隔を開けて所定角度傾斜して対向しており、開封時に前記貫通孔を開ける側の面に近づく方向に所定の力で押した場合に、前記突起が前記貫通孔を開ける側の面に突き刺さるように構成された、気体吸着デバイス。
  3. 前記開封部材は、その自由端となる一端を尖った形状にした弾性変形及び曲げ加工可能な平板から成り、
    前記保持部は、前記筒状体の外周面を周方向に囲むように前記平板における前記一端とは反対側の他端と前記他端から前記一端に向かう途中までの間の部分を折り曲げて形成され、さらに前記尖った形状の部分の根元で前記尖った形状の部分を内側に折り曲げて前記突起が形成された、請求項2記載の気体吸着デバイス。
  4. 前記突起を前記収納容器の長手方向に複数有する、請求項2又は3記載の気体吸着デバイス。
  5. 前記収納容器を、前記収納容器の少なくとも一端の外径寸法が、前記保持部における前記収納容器を幅方向に挟持する部分の内径寸法より小さくなるような先細形状にした、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の気体吸着デバイス。
  6. 前記保持部における前記収納容器を幅方向に挟持する部分が、前記収納容器の長手方向の一方側の内径が広がるように構成された、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の気体吸着デバイス
  7. 前記突起は、前記突起が前記収納容器内に進入した状態を維持しても、前記突起が前記収納容器内に進入することにより形成された前記貫通孔の縁と前記突起との間に、前記収納容器の周囲の気体を前記気体吸着物質で吸着可能な隙間ができるような形状を有する、請求項1乃至6に記載の気体吸着デバイス。
  8. 前記突起はその外周面に螺旋状凸部又は螺旋状溝を有する、請求項7に記載の気体吸着デバイス。
  9. 前記突起は放射状に配列された複数の切れ刃を有する、請求項7に記載の気体吸着デバイス。
  10. 前記突起は鈎針形状を有する、請求項7に記載の気体吸着デバイス。
  11. 前記突起はプラスドライバー形状を有する、請求項7に記載の気体吸着デバイス。
  12. 気体吸着性物質と、
    長手方向の一端に開口部を有した略扁平な筒状で前記気体吸着性物質を収納するガスバリア性の収納容器と、
    少なくともその一部が前記開口部内に配置され前記開口部を塞ぐガスバリア性の封止材と、
    相対向した2面のうち、一方の面に少なくとも一つの凸部を有するとともに他方の面における前記凸部と対向する部分に少なくとも一つの凹部を有し、前記開口部を形成する相対向した2面を前記凸部と前記凹部とが形成された面で挟持するように、前記収納容器に装着された開封部材と、を有し、
    前記開封部材に対して前記開口部を形成する相対向した2面を挟む方向の所定の外力を加えた場合に、前記凸部と前記凹部とが近づき、前記開封部材の凹凸形状による曲げ力で前記封止材が破壊されて前記容器の外側の空間と前記気体吸着性物質が収納された空間とが連通するように構成された、気体吸着デバイス。
  13. 前記凸部を形成する面が前記凹部を形成する面と略相似形であり、前記凹部が前記凸部より大きい、請求項12に記載の気体吸着デバイス。
  14. 前記凸部と前記凹部とが前記容器の長手方向に沿って連続している、請求項12又は13に記載の気体吸着デバイス。
  15. 前記開封部材は、
    前記開口部を形成する相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部と、
    前記相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部と、
    前記開封部材を前記容器の長手方向に見た場合に略コの字形になるように、前記押込み部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の一端と、前記受け部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の一端と、を接続する接続部と、から成る、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の気体吸着デバイス。
  16. 前記開封部材は、
    前記開封部を形成する相対向した2面のうち一方の面と対向する押込み部と、
    前記相対向した2面のうちの他方の面と対向する受け部と、
    前記開封部材を前記容器の長手方向に見た場合に略口の字形になるように、前記押込み部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の両端と、前記受け部における前記開口部の厚み方向と前記容器の長手方向の両方に垂直な方向の両端と、をそれぞれ接続する接続部と、から成り、
    前記接続部は、前記押込み部及び前記受け部よりも曲げやすい材料で構成された、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の気体吸着デバイス。
  17. 芯材と請求項1乃至16のいずれか1項に記載の気体吸着デバイスとを少なくとも備え、該芯材と該気体吸着デバイスとをガスバリア性を有する外被材で覆い、該外被材の内部を減圧することにより形成された真空断熱材。
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