JPWO2012098814A1 - ナット締結治具 - Google Patents

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Abstract

回転工具(20)に取り付けるナット締結冶具であって、本体(1)と、回転伝達部(2)と、ナット保持部(4)とを備え、本体(1)は、回転工具(20)の先端回転部(21)と同一軸方向の軸受穴(6a)〜(6c)が並列して複数設けられ、回転伝達部(2)は、その外周に駆動回転部(9a)が配され、本体(1)の長手方向端側に設けてある軸受穴(6a)に回転自在に取り付けてあると共に、回転工具(20)の先端回転部(21)と供回りするものであり、ナット保持部(4)は、その外周に従動回転部(9c)がリング状に配され、他の軸受穴(6c)に回転自在に取り付けてあり、駆動回転部(9a)と従動回転部(9c)は互いに係止または当接しており、駆動回転部(9a)が回転工具(20)の先端回転部(21)とともに回転したときに従動回転部(9c)が回転して、ナット保持部(4)がネジ(7)に沿って保持したナット(8)を締め込んでいく。

Description

本発明は、長尺なボルトにナットを締結するときに使用するナット締結治具に関するものである。
天井埋め込み型や天井吊り型の空調室内機や配水管を設置する際、図10(a)のように、屋根躯体200に固定した多数の長尺なネジ201を垂直に配置し、そのネジ201間に、取付金具203を介してハシゴのような態様をなすケーブルラック202を架設するとともに、ネジ201の下端に吊バンド204を取り付けて配管205を保持させる施工方法が一般的であった。このとき、図10(b)のように、ネジ201と取付金具203及び吊バンド204をそれぞれナット206で上下に挟み込んで締結することにより、ネジ201との連結箇所における支持強度を高めて、室内機や配管の荷重に対抗し得るように強固に支持するものであった。
特開2006−346829号公報
特開2000−234613号公報
上記のような長尺なネジにナットを掛けるときには、ネジの真下から電動ドライバー等の回転工具をあててナットを締め込むことから、ネジにナットをかけることはできるが、それ以上ナットを締め込むにはネジが邪魔になって回転工具を使用することができない。このことから、作業者は手で回して長ネジのほぼ全長に渡って締め込まなければならず、また、ナットを緩めるときも同様の作業をしなければならず、大変な手間を要し、工期に影響を及ぼすものであった。また、特開2000−234613号公報に開示されるもののように、長尺なネジの長手方向両端部に別体で形成してあるネジ頭をそれぞれ螺合し、ネジ回しのストロークを短くして回転工具の使用を可能とするものがあったが、そのような特殊なネジを使用する場合にはコストが嵩み、また、汎用なネジやナットを使用できないことから、現場では選択されにくい欠点があった。また、上記のような長ネジにナットを締結する作業を軽減するために、長ネジの横から挿し込む切れ目を有するC字状をなす割り込みナットと呼ばれるものを可締めたりするが、その可締めるときの締め付け力や取付方向など使用がとてもシビアであり、さらに、許容静荷重(kgf)もナットに比べて非常に小さいことから、割り込みナットが支持する対象のものがケーブル等の比較的軽量なものに限定されて都合が悪い。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、長尺なネジに対しても迅速且つ簡単にナットを締結できるナット締結治具を提供することにある。
本発明のうち第1の観点のナット締結治具は、先端部が軸回転する電動ドライバーやインパクトドライバー等の回転工具に取り付けるナット締結治具であって、本体と、回転伝達部と、ナット保持部とを備えており、本体は、回転工具の先端回転部の回転軸と直交する方向に長く形成してあり、先端回転部と同一軸方向の軸受穴が並列に複数設けてあり、回転伝達部は、軸棒状または筒状をなし、その外周には駆動回転部が配してあり、本体の長手方向端側に設けてある軸受穴に回転自在で且つ抜け出し不能に取り付けてあるとともに、回転工具の先端回転部と供回りするものであり、ナット保持部は、ネジを挿通し且つその内周にナットを保持するナット保持孔を有する筒型をなすとともに、その外周には従動回転部がリング状に配してあり、他の軸受穴に回転自在で且つ抜け出し不能に取り付けてあり、駆動回転部と従動回転部は互いが係止または当接しており、駆動回転部が回転工具の先端回転部とともに回転したときに、従動回転部が回転してナットを保持したナット保持部がネジに沿ってナットを締め込んでいくことを特徴とする。
本発明のうち第2の観点のナット締結治具は、回転伝達部とナット保持部の間には、両者と噛み合う調整歯車が設けてあることを特徴とする。
本発明のうち第3の観点のナット締結治具は、ナット保持部は、従動回転部のほぼ中央に設けてある筒型または有底筒型の被取付部に着脱自在であると共に、任意の孔径のナット保持孔を有する別のものに取替えできることを特徴とする。
本発明のうち第4の観点のナット締結治具は、ナット保持部は、その下端部にテーパ状またはアール状をなすガイド部が設けてあり、ナット保持部を被取付部に落とし込んだとき、ガイド部を介して下方に引き寄せられながら被取付部に取り付けられることを特徴とする。
本発明のうち第5の観点のナット締結治具は、駆動回転部は、回転工具の先端回転部に脱着自在に取り付けてある先端工具に着脱自在であることを特徴とする。
本発明のうち第6の観点のナット締結治具は、従動歯車と駆動歯車と調整歯車のうち、少なくとも隣接して噛み合う一組の両歯車が交差軸の歯車で形成してあり、その両歯車が噛み合う位置で治具本体が屈曲し、その角度で固定できることを特徴とする。
本発明のうち第1の観点のナット締結治具によれば、回転工具の回転する先端部を係止する回転伝達部と、その回転伝達部の回転によって従動回転するナット保持部により、回転工具を位置から逸れた位置に天井から垂下するネジがくることから、そのまま回転工具を起動して回転伝達部を供回りさせ、ナットを保持したナット保持部を回転させることで、回転工具をネジと平行して上方に移動させるだけでネジにナットが締まり込んでいくので、短時間でナットを締結できるようになる。また、長ネジに対してナットを簡単に締結できることから、煩わしい作業を避ける目的で使用されていた割り込みナット等の特殊な治具が不要となり、コストの大幅な削減が見込まれる。
本発明のうち第2の観点のナット締結治具によれば、回転方向調整部が回転伝達部とナット保持部との間に配置してあり、駆動伝達部と従動伝達部の双方に係止または当接して回転するので、ナット保持部が回転工具の先端回転部の回転方向と同一方向に軸回転し、これにより、ナット締結時に、回転工具を使用するときと同様の感覚で作業が行えて作業効率が向上する。
本発明のうち第3の観点のナット締結治具によれば、ナット保持孔の径が相違するナット保持部を本体に取替えて使用することができるので、現場や機器等に対応した様々な径のナットを締結することができる。
本発明のうち第4の観点のナット締結治具によれば、ナット保持部を被取付部に落とし込んだとき、ナット保持部の下端部に設けてあるテーパ状またはアール状をなすガイド部が被取付部の筒孔内に引き寄せられて取り付けられることにより、作業者は、ナット保持部と被取付部の取付位置などの位置あわせをすることなく、簡単且つ効率的にナット保持部の交換ができるので、作業効率の向上が図れる。
本発明のうち第5の観点のナット締結治具によれば、駆動回転部が回転工具の先端工具と着脱自在であることから、ナット締結治具の使用時に回転工具の先端工具が破損した場合に、その先端工具のみを交換するのみで即時に再使用することができ、新たなナット締結治具を用意したり、ナット締結治具の修理を要さず、コストの削減や作業の効率化が図れることになる。
本発明のうち第6の観点のナット締結治具によれば、本体の一部をネジの挿通する方向に屈曲することにより、使用者の使いやすい角度に回転工具を握って使用することができ、作業効率の向上に寄与できる。
本実施によるナット締結治具の使用状態を示す斜視図である。 本実施によるナット締結治具を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)はA−A線断面図であり、(c)は、B−B線断面図である。 (a)〜(c)は、本実施によるナット締結治具の使用手順を示す簡略化した側面図である。 本発明の他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は、C−C線断面図であり、(c)は、作動状態を示す縦断面図である。 (a)〜(c)は、図4のナット締結治具の使用手順を示す簡略化した側面図である。 本発明の他の実施形態を示す図であり、(a)は、斜視図であり、(b)は平面図であり、(c)、(d)および(e)はそれぞれナット保持部の平面図および底面図である。 本発明の他の実施形態を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)と(c)は、ナット保持部を別の径のものに交換するときの状態を示す縦断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の他の実施形態を示す平面図である。 本発明の他の実施形態を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は(a)中D−D線断面図である。 ナット締結治具を使用する現場の状況を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は、(a)中E−E線断面図である。
以下に、図面に基づいて本実施によるナット締結治具の実施の形態を説明する。
本実施による締結治具は、図1のように、電動ドライバー(回転工具)20の先端回転部21に連結してあり、中空部を有しており且つ厚みの薄い平面から見て一辺が長いほぼ矩形状をなす本体1と、本体1の同一平面上に配置される回転伝達部2と、回転方向調整部3と、ナット保持部4とから構成している。
ここで、電動ドライバー20の構造について簡単に説明する。
電動ドライバー20は、図1を参照すれば、作業者が握るグリップ22と、グリップ22に設けてある駆動スイッチ23をONにすることによりモーターで回転する回転軸24とからなっている。そして、回転軸24の先端には先端回転部21が設けられており、その先端回転部21には、六角軸26を有する様々な治具を取り付けることができる。
本体1は、図1と図2(a)のように、平面視して横長矩形状をなすとともに、中空部Sを有する厚みの薄い筒型状をなしており、本体1の厚み方向に穴が伸び且つそれぞれ径の異なる軸受穴6a,6b,6cが長手方向に向けて並列に設けてある。そして、前述した3つの軸受穴6a,6b,6cのうち、両側にあるいずれかの軸受穴(図1中では左側)6aには、電動ドライバー20の先端回転部21と連結可能な六角軸26を有し且つ軸棒状をなす回転伝達部2が、軸受穴6aの内周に沿って回転自在に取り付けてある。また、回転伝達部2の軸棒の上下には、鍔部2a,2aがそれぞれ設けてあり、回転伝達部2が回転自在で且つ本体1から抜け落ちないように形成してある。また、本体1中央の軸受穴6bを挟んだ他側の軸受穴6cには、ナット8を保持できる六角形のナット保持孔10を有するリング状をなすナット保持部4が取り付けてあり、このナット保持部4は、本実施のものでは筒の上下の鍔部4a,4aを軸受穴6cの上下に配置し、上下方向に係止されることにより本体1から抜け落ちることなく、水平軸回転自在な状態で取り付けてある。そして、回転伝達部2とナット保持部4の間に設けてある軸受穴6bには、回転方向調整部3が取り付けてあり、この回転方向調整部3は、本実施のものでは上記した回転伝達部2とほぼ同じ構造をなし、軸棒の上下の鍔部3a,3aを軸受穴3bの上下に配置し、本体1から抜け落ちることなく、水平軸回転自在な状態で取り付けてある。
図2(b)(c)のように、回転伝達部2、回転方向調整部3およびナット保持部4は、各々の外周に、その全周に渡り多数の歯を有しており、その各歯によって回転伝達部2には駆動歯車(駆動回転部)9aが、回転方向調整部3には調整歯車(調整回転部)9bが、ナット保持部4には従動歯車(従動回転部)9cが設けてあり、駆動歯車9aと調整歯車9b、そして調整歯車9bと従動歯車9cがそれぞれ噛み合うことで、回転伝達部2の回転力を回転方向調整部3からナット保持部4に順次伝える構造となっている。また、回転伝達部2には、六角軸26を本体1の外に突出させる被取付孔25が設けてある。さらに、ナット保持部4のナット保持孔10は、内周面が凹凸状に連続していると共に、ナット保持孔10の上方から下方に向けて径が次第に狭まるテーパ状に形成してある。これにより、ナット8をナット保持孔10における径の大きな上側から嵌めたとき、そのテーパ面によりナット8が係止され、ナット保持孔10からナット8が落下しない構造となっている。
上記のように形成した本実施によるナット締結治具の使用手順について以下に説明する。
第一の手順として、図3(a)のように、天井から垂下した長尺なネジ7にナット8を掛け、先端回転部21に本ナット締結治具を取り付けた電動ドライバー20を、本ナット締結治具を取り付けた側を天井に向けて構え、本体1のナット保持部4にネジ7を挿通してナット8を保持させる。
第二の手順として、図3(b)のように、電動ドライバー20を起動して先端回転部21を回転し、ネジ7の長手方向に沿って上方に向けて垂直に本ナット締結治具を移動させていく。
第三の手順として、図3(c)のように、ネジ7の上端部を支持する横材12までナット8が到達して締め付け状態が確認できたら、電動ドライバー20の起動をOFFにし、電動ドライバー20を引き下げて本体1をネジ7から抜き出すことにより、ナット8の締結作業が完了する。
本発明の締結治具は、上記実施形態に限定するものではなく、図4(a)〜(c)に示すものは、本発明によるナット締結治具の他の実施形態であり、このナット締結治具は、図4(a)(b)のように、回転伝達部32が取り付けてある側(基部31a)と、その他の部分(可変部31b)とが分割37しており、その間に設けてあるラチェット機構部36で本体31の可変部31bの屈曲角度を変更できるように形成してある。ラチェット機構部36については、特開2005−76735号公報に開示されるような、一方側に設けてあるラックと他方側に設けてあるギアが離れているときには角度を自在に調節でき、一方側と他方側を当接させたときには、ラックとギアが噛合して所定の角度に固定できるものが採用されている。さらに、本体31の角度を変更してもナット保持部34は回転するように形成してあり、具体的に、回転伝達部32と回転方向調整部33とナット保持部34の各々の外周部には、全周を囲む状態でゴム製リング39a,39b,39cが取り付けてあり、互いのゴム製リング39a,39b,39cが当接して回転伝達部32が回転することでナット保持部34に回転力が伝達し、ネジ7に螺合したナット8を回すことができるようになる。そして、本体31が同一直線状にあるときは回転伝達部32のゴム製リング39aと回転方向調整部33のゴム製リング39bが当接し、また、本体31を屈曲させたときは、図4(c)のように、基部31a側にある回転伝達部32のゴム製リング39aの傾斜面に対し、可変部31bにある回転方向調整部33のゴム製リング39bの傾斜面が当接することにより、本体31の角度を切り替えることができる。このように形成すると、図5(a)〜(c)のように、作業者がネジ7に対して斜め下側から電動ドライバー20を向けて作業が行えるため、比較的楽な作業姿勢となって負担の軽減が図れるようになる。
また、本発明によるナット締結治具の他の実施形態として、ナット保持部54a〜54cを径の違うナット保持孔55a〜55cのものに交換できるものについて説明する。具体的には、図6(a)(b)のように、ナット保持部54a〜54cは、本体1に回転自在に取り付けてある筒孔状をなす被取付部58が設けてあり、その被取付部58は、内周側に被係止溝57が複数箇所に設けてあるとともに、磁力を有している。そして、図6(c)〜(e)のように、ナット保持部54a〜54cの外周には、係止片56が設けてあり、その係止片56を被係止溝57に沿ってスライドして差し入れてナット保持部54a〜54cを被取付部58に係止するとともに、磁力で引き合わせることで、目的に合わせてナット保持部54a〜54cを交換すれば、径の相違するナット8の締結に対応できるようになっている。
さらに、図7(a)のように、ナット保持部84aの各係止片86の下端部にテーパ部(ガイド部)89を設けると共に、ナット保持部84aの鍔部82および、筒孔状をなす被取付部88の内周部下側の全周には比較的磁力が強いネオジウム磁石80がリング状に配置してある。そして、ナット保持部84aを交換するときに、ナット保持部84aを被取付部88に適当な状態で落とし込み、さらに、各係止片86の下端部にあるテーパ部89が被取付部88周辺の部位に沿って摺動すると、図7(b)(c)のように、各係止片86が被係止溝87に引き寄せられて被取付部88にナット保持部84aが嵌り込み、ナット保持部84aの鍔部82と被取付部88のそれぞれの磁石80の磁力も相俟って被取付部88にナット保持部84aが取り付けられるので、使用者が係止片86と被係止溝87とをその都度正確に位置あわせを行わなくとも、簡単且つ効率的にナット保持孔85aの径が相違するナット保持部84aの交換を行える。尚、上記実施形態では被取付部88は筒孔状をなしているが、その筒孔の底部を塞いで底部に磁石を配置することも可能である。この場合、磁石は、陽極と陰極の各磁石からなる2重構造をなしており、一方の磁石を他方の磁石で半分だけ覆う半球状に形成してある。したがって、一方の磁石によってナット保持部を被取付部の穴に吸着させつつ、その一方の磁石の磁力を他方の磁石の磁力で相殺することで、現場に散在する金属粉や砂鉄を治具に吸着させない構造とすることもできる。ガイド部は、上記実施形態で示したテーパ部89の他にアール状にするなど、上方から下方に向けて次第に絞られていくような形状をなすものであればよい。また、磁石についても、上記実施形態に示したネオジウム磁石80に限定するものではない。さらに、被係止溝87の数や形状についてもナット保持部84aが被取付部88に対して安定して取り付けられれば特に限定するものではない。
上記各実施形態では、回転方向調整部3を設けてあるものについて説明したが、図8(a)のように、回転伝達部2とナット保持部4のみ設けてあるものでもよい。この場合でも回転伝達部2と垂直方向に伸びるネジ7が平行に位置することで、ネジ7が邪魔にならずに電動ドライバー20を操作することができるようになる。また、本体の形状についても、各実施形態のものでは矩形状をなしているが、作業者が本体を指で支えながら使用することから、図8(b)のように、本体121の縁に適宜な箇所に作業者が指を嵌められる凹部122,122が設けてあるものでもよいし、また、図8(c)のように、本体131の縁が丸みを帯びたものでもよく、形状を限定するものではない。また、駆動歯車9aや従動歯車9c、回転方向調整部3の調整歯車9bやゴム製リング39a〜39cは、ナット保持部4,34,54a〜54cに回転力を伝達できる手段であれば上記のものに限定しない。また、本体31を屈曲する形態の場合には、ゴム製リング39a〜39cのようにアール面を有するものの他、角度をつけたときのゴム製リング39a〜39cの当接する箇所がテーパ状に形成してあってよく、角度変更に対応できるものであればよい。さらに、角度変更の構造については、上記のようにラチェット機構部によるものの他、分割形成された本体31の一部を付け替えて角度を変更させるものでもよい。また、六角軸26は、本ナット締結治具側に設けてあってもよいし、電動ドライバー20側に設けてあってもよく、電動ドライバー20に設けてある場合には、本ナット締結治具の回転伝達部2側に六角軸26を取り付けるための被取付部を設ける。
また、本発明の他の実施形態として図9(a)のように、本体91の従動歯車(従動回転部)95側が駆動歯車(駆動回転部)92側に比べて幅広に形成してあり、使用時に作業者が手で添えやすくなっている。さらに、駆動歯車92の中心部には、電動ドライバー(回転工具)20に脱着自在に取り付けてある先端工具93を着脱自在に取付できる受入孔98が設けてあり、この受入孔98の孔内周壁には、周壁から孔の中心に向けて突出し且つ先端が球面状をなす駆動側凸部99aが設けてある。このようにすると、図9(b)のように、受入孔98に先端工具93を挿し入れたときに、先端工具93は駆動側凸部99a先端を摺動しながら受入孔98内に挿入されていき、さらに、奥に挿し入れることで先端工具93の中間部にある窪み94が駆動側凸部99aに嵌り込んで先端工具93を保持する。これにより、回転工具20の回転力を駆動歯車92に伝達することが可能となる。また、受入孔98から先端工具93を取り外すときは、本実施によるナット締結治具を手で押さえて回転工具20を引っ張れば、先端工具93の窪み94と駆動側凸部99aが球面によって滑りながら簡単に外れるので、先端工具93を受入孔98から抜き出すことができる。したがって、本実施によるナット締結治具の使用時に先端工具93に強いトルクがかかり破損しても、その先端工具93のみを交換するだけでナット締結治具を再使用することができ、作業効率の向上が見込めるようになる。また、ナット保持部100についても上記の先端工具の取付と同様に、窪み97が設けてあり、従動歯車95における孔状をなす被取付部96の孔周壁内周に設けてある従動側凸部99bに嵌り込ませることで、着脱自在に形成してある。符号101は、回転方向調整部であり、符号102は、ナット保持孔である。
1,31,51,81,91,111,121,131 本体
2,32,52 回転伝達部
3,33,53 回転方向調整部
4,34,54a〜54c,84a,100 ナット保持部
6a,6b,6c 軸受穴
7 ネジ
8,13 ナット
9a,92 駆動歯車(駆動回転部)
9c,95 従動歯車(従動回転部)
39a ゴム製リング(駆動回転部)
39c ゴム製リング(従動回転部)
10,35,55a〜55c ナット保持孔
20 電動ドライバー(回転工具)
21 先端回転部
24 回転軸
58,88 被取付部
89 テーパ部(ガイド部)
93 先端工具

Claims (6)

  1. 先端部が軸回転する電動ドライバーやインパクトドライバー等の回転工具に取り付けるナット締結治具であって、
    本体と、回転伝達部と、ナット保持部とを備えており、
    本体は、回転工具の先端回転部の回転軸と直交する方向に長く形成してあり、先端回転部と同一軸方向の軸受穴が並列に複数設けてあり、
    回転伝達部は、軸棒状または筒状をなし、その外周には駆動回転部が配してあり、本体の長手方向端側に設けてある軸受穴に回転自在で且つ抜け出し不能に取り付けてあるとともに、回転工具の先端回転部と供回りするものであり、
    ナット保持部は、ネジを挿通し且つその内周にナットを保持するナット保持孔を有する筒型をなすとともに、その外周には従動回転部がリング状に配してあり、他の軸受穴に回転自在で且つ抜け出し不能に取り付けてあり、
    駆動回転部と従動回転部は互いが係止または当接しており、駆動回転部が回転工具の先端回転部とともに回転したときに、従動回転部が回転してナットを保持したナット保持部がネジに沿ってナットを締め込んでいくことを特徴とするナット締結治具。
  2. 回転伝達部とナット保持部の間には、駆動回転部と従動回転部のそれぞれに係止または当接し、回転伝達部とナット保持部の回転方向を同一にする回転方向調整部が設けてあることを特徴とする請求項1記載のナット締結治具。
  3. ナット保持部は、従動回転部のほぼ中央に設けてある筒型または有底筒型の被取付部に着脱自在であると共に、任意の孔径のナット保持孔を有する別のものに取替えできることを特徴とする請求項1又は2記載のナット締結治具。
  4. ナット保持部は、その下端部にテーパ状またはアール状をなすガイド部が設けてあり、ナット保持部を被取付部に落とし込んだとき、ガイド部を介して下方に引き寄せられながら被取付部に取り付けられることを特徴とする請求項3記載のナット締結治具。
  5. 駆動回転部は、回転工具の先端回転部に脱着自在に取り付けてある先端工具に着脱自在であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のナット締結治具。
  6. 本体は、回転伝達部からナット保持部に回転力を伝達する状態を保ちながら、ネジの挿通する方向に屈曲し且つその角度で固定できることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のナット締結治具。
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