JPWO2012095999A1 - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

内燃機関は、燃焼室の圧力が制御圧力に到達したときに、気体ばねが縮むことにより燃焼室の容積が変化する容積可変装置と、気体ばねの気体の圧力を変更する圧力変更装置と、気体ばねの気体が圧縮される圧縮空間の体積を変更する体積変更装置とを備える。内燃機関は、運転状態を検出し、燃焼室における燃料の燃焼速度が大きくなるほど、気体ばねの気体の圧力を低下させると共に、圧縮空間の体積を小さくする制御を行う。

Description

本発明は、内燃機関に関する。
内燃機関は、燃焼室に燃料および空気が供給されて、燃焼室にて燃料が燃焼することにより駆動力を出力する。燃焼室において燃料を燃焼させるときには、空気と燃料との混合気を圧縮した状態になる。内燃機関の圧縮比は、出力および燃料消費量に影響を与えることが知られている。圧縮比を高くすることにより出力トルクを大きくしたり、燃料消費量を少なくしたりすることができる。ところが、圧縮比を非常に高くすると、燃焼室において異常燃焼が発現することが知られている。
特開2000−230439号公報には、燃焼室に圧力調整弁を介して通じる副室を設け、圧力調整弁は、弁体と弁体に接続されて燃焼室側に付勢された弁棒とを有する自着火式の内燃機関が開示されている。この自着火式の内燃機関は、過早着火等により燃焼圧が所定の許容圧値を超えた場合に、弾性体の圧力に抗して圧力調整弁を押し上げて副室に圧力を逃すことが開示されている。この公報には、過早着火等が生じる圧力よりも大きな圧力で圧力調整弁が動くことが開示されている。また、この公報においては、燃焼室に通じる副室が形成され、副室に上下に移動可能な副ピストンが挿入されている内燃機関が開示されている。副ピストンは、機械ばねで押圧されている。燃料が燃焼した時に、燃焼室の圧力により機械ばねが縮んで副ピストンが上昇し、燃焼室に通じる副室の容積が大きくなることが開示されている。
特開2000−230439号公報
燃料が燃焼したときの燃焼室の圧力を制御する装置は、燃焼室の圧力が上昇したときに縮む部材として、上記の特開2000−230439号公報に開示されている機械ばねの他に、気体が封入された気体ばねを採用することができる。気体ばねは、内部の気圧を高くすることにより、燃焼室の高い圧力に容易に対応することができる。すなわち、気体ばねを採用することにより、容易に弾性を強くすることができる。
ところで、燃焼室の圧力を制御する装置においては、副ピストンが移動すべき圧力に到達したときに、即時に副ピストンが移動して燃焼室の圧力上昇を抑制することが好ましい。ところが、実際には副ピストンは慣性を有するために、副ピストンの移動に応答遅れが生じる。応答遅れが生じている期間では、燃焼室の圧力が上昇し続けるために、実際の燃焼室の圧力が所望の圧力よりも高くなる場合がある。例えば、燃焼室において点火した後に、副ピストンの応答遅れにより燃焼室の圧力が上昇し続け、その結果、異常燃焼の発生する圧力まで到達してしまう場合があった。
燃焼室の圧力を受圧する副ピストンの面積を大きくすることにより、副ピストンの移動の応答性を向上させることができる。しかしながら、内燃機関においては、燃焼室の圧力を制御する装置を配置する空間の大きさに制限があり、副ピストンの受圧面積を大きくすることが難しいという問題があった。
本発明は、燃焼室の圧力を制御する装置を備え、燃焼室の圧力を精度良く目標圧力に近づけることができる内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の内燃機関は、気体が圧縮されることにより弾性を有する気体ばねを含み、燃焼室の圧力が予め定められた制御圧力に到達したときに、燃焼室の圧力変化を駆動源として気体ばねが縮むことにより燃焼室の容積または燃焼室に連通する空間の容積が変化する容積可変装置と、気体ばねの気体の圧力を変更する圧力変更装置と、気体ばねの気体が圧縮される圧縮空間の体積を変更する体積変更装置とを備える。内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室における燃料の燃焼速度を推定し、燃焼室における燃料の燃焼速度が大きくなるほど、気体ばねの気体の圧力を低下させると共に、圧縮空間の体積を小さくする。
上記発明においては、内燃機関の運転状態を検出し、運転状態に応じた燃焼室が到達すべき目標圧力を選定し、燃焼室の圧力の最大値がほぼ目標圧力になるように気体ばねの気体の圧力を低下させることができる。
上記発明においては、容積可変装置は、燃焼室に連通している筒状部と、筒状部の内部に移動可能に配置されている移動部材とを含み、移動部材が筒状部の内部の空間を区画することにより、燃焼室に向かう側に副室が形成され、燃焼室に向かう側と反対側に圧縮空間としてのガス室が形成されており、圧力変更装置は、ガス室の圧力を変更するように気体ばねに接続されていることができる。
上記発明においては、体積変更装置は、ガス室に接続されている気体タンクと、ガス室と気体タンクとの間の流路に配置されている開閉弁とを含み、開閉弁を開閉することにより、気体ばねの圧縮空間の体積を変更することができる。
上記発明においては、圧力変更装置は、気体ばねを隔離するための隔離弁を含み、気体ばねが縮んでいる期間においては、隔離弁を閉止する制御を行うことが好ましい。
本発明によれば、燃焼室の圧力を制御する装置を備え、燃焼室の圧力を精度良く目標圧力に近づけることができる内燃機関を提供することができる。
実施の形態1における内燃機関の概略図である。 実施の形態1における内燃機関の容積可変装置、体積変更装置および圧力変更装置の概略図である。 実施の形態1における内燃機関のクランク角度と燃焼室の圧力との関係を示すグラフである。 実施の形態1における内燃機関において、通常運転と制御圧力を低下させた運転とを説明するグラフである。 実施の形態1の内燃機関において、制御圧力を低下させた運転と、制御圧力を低下させ、更に気体ばねの圧縮空間を小さくしたときの運転とを説明するグラフである。 実施の形態1における運転制御のフローチャートである。 実施の形態1における他の体積変更装置を備える内燃機関の概略図である。 実施の形態2における内燃機関の概略図である。 実施の形態2における運転制御のフローチャートである。 実施の形態2における内燃機関の運転状態を説明するグラフである。
実施の形態1
図1から図7を参照して、実施の形態における内燃機関について説明する。本実施の形態においては、車両に配置されている内燃機関を例に取り上げて説明する。
図1は、本実施の形態における内燃機関の概略図である。本実施の形態における内燃機関は、火花点火式である。内燃機関は、機関本体1を備える。機関本体1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド4とを含む。シリンダブロック2の内部には、ピストン3が配置されている。本発明においては、ピストンが圧縮上死点に達したときにピストンの冠面とシリンダヘッドとに囲まれる気筒内の空間、および任意の位置にあるピストンの冠面とシリンダヘッドとに囲まれる気筒内の空間を燃焼室と称する。燃焼室5の頂面は、シリンダヘッド4により構成され、燃焼室5の底面は、ピストン3の冠面により構成されている。
燃焼室5は、それぞれの気筒ごとに形成されている。燃焼室5には、機関吸気通路および機関排気通路が接続されている。シリンダヘッド4には、吸気ポート7および排気ポート9が形成されている。吸気弁6は吸気ポート7の端部に配置され、燃焼室5に連通する機関吸気通路を開閉可能に形成されている。排気弁8は、排気ポート9の端部に配置され、燃焼室5に連通する機関排気通路を開閉可能に形成されている。シリンダヘッド4には、点火装置としての点火プラグ10が固定されている。点火プラグ10は、燃焼室5にて燃料を点火するように形成されている。
本実施の形態における内燃機関は、燃焼室5に燃料を供給するための燃料噴射弁11を備える。本実施の形態における燃料噴射弁11は、吸気ポート7に燃料を噴射するように配置されている。燃料噴射弁11は、この形態に限られず、燃焼室5に燃料を供給できるように配置されていれば構わない。たとえば、燃料噴射弁は、燃焼室に直接的に燃料を噴射するように配置されていても構わない。
燃料噴射弁11は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ29を介して燃料タンク28に接続されている。燃料タンク28内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ29によって燃料噴射弁11に供給される。
各気筒の吸気ポート7は、対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結されている。サージタンク14は、吸気ダクト15およびエアフローメータ16を介してエアクリーナ(図示せず)に連結されている。吸気ダクト15には、吸入空気量を検出するエアフローメータ16が接続されている。吸気ダクト15の内部には、ステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置されている。一方、各気筒の排気ポート9は、対応する排気枝管19に連結されている。排気枝管19は、触媒コンバータ21に連結されている。本実施の形態における触媒コンバータ21は、三元触媒20を含む。触媒コンバータ21は、排気管22に接続されている。
本実施の形態における内燃機関は、電子制御ユニット31を備える。本実施の形態における電子制御ユニット31は、デジタルコンピュータを含む。電子制御ユニット31は、双方向バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36および出力ポート37を含む。
エアフローメータ16は、燃焼室5に吸入される吸入空気量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。アクセルペダル40には、負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41は、アクセルペダル40の踏込量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。
クランク角センサ42は、クランクシャフトが、例えば所定の角度を回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスは入力ポート36に入力される。クランク角センサ42の出力により、機関回転数を検出することができる。また、クランク角センサ42の出力により、クランク角度を検出することができる。
電子制御ユニット31の出力ポート37は、それぞれの対応する駆動回路39を介して燃料噴射弁11および点火プラグ10に接続されている。本実施の形態における電子制御ユニット31は、燃料噴射制御や点火制御を行うように形成されている。すなわち、燃料を噴射する時期および燃料の噴射量が電子制御ユニット31により制御される。更に点火プラグ10の点火時期が電子制御ユニット31により制御されている。また、出力ポート37は、対応する駆動回路39を介して、スロットル弁18を駆動するステップモータ17および燃料ポンプ29に接続されている。これらの機器は、電子制御ユニット31により制御されている。
図2に、本実施の形態における内燃機関の容積可変装置、体積変更装置および圧力変更装置の概略断面図を示す。本実施の形態における内燃機関は、燃料が燃焼したときの燃焼室の圧力を制御する燃焼圧力制御装置を備える。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、燃焼室に連通する空間の容積が変化する容積可変装置を備える。容積可変装置は、気体ばね50を含む。気体ばね50は、それぞれの気筒において燃焼室5に接続されている。本実施の形態における内燃機関は、燃焼室5に連通する空間としての副室60を有する。
本実施の形態における容積可変装置は、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達したときに、燃焼室5の圧力変化を駆動源として副室60の容積が変化する。すなわち、容積可変装置は、燃焼室5の圧力が変化することにより作動する。本発明における制御圧力は、容積可変装置が作動し始めるときの燃焼室の圧力である。すなわち、副室用ピストン55が移動し始める時の燃焼室の圧力である。容積可変装置は、燃焼室5の圧力が異常燃焼の発生圧力以上になることを抑制する。
本発明における異常燃焼は、たとえば、点火装置により混合気が点火し、点火した点から順次燃焼が伝搬する状態以外の燃焼を含む。異常燃焼は、たとえば、ノッキング現象、デトネーション現象およびプレイグニッション現象を含む。ノッキング現象は、スパークノック現象を含む。スパークノック現象は、点火装置において点火し、点火装置を中心に火炎が広がっているときに、点火装置から遠い位置にある未燃燃料を含む混合気が自着火する現象である。点火装置から遠い位置にある混合気は、点火装置の近傍の燃焼ガスにより圧縮されて高温高圧になって自着火する。混合気が自着火するときに衝撃波が発生する。
デトネーション現象は、高温高圧の混合気の中を衝撃波が通過することにより、混合気が着火する現象である。この衝撃波は、たとえば、スパークノック現象によって発生する。プレイグニッション現象は、早期着火現象とも言われる。プレイグニッション現象は、点火プラグの先端の金属または燃焼室内に堆積するカーボンスラッジ等が加熱されて、所定の温度以上を維持した状態になり、この部分を火種として点火時期の前に燃料が着火して燃焼する現象である。
本実施の形態における容積可変装置は、筒状部を構成する筒状部材51を備える。本実施の形態における筒状部材51は、円筒状に形成されている。筒状部材51の内部には、移動部材としての副室用ピストン55が配置されている。筒状部材51の内部の空間は、副室用ピストン55により区画されている。筒状部材51の内部には、燃焼室5に向かう側に副室60が形成されている。また、筒状部材51の内部には、燃焼室5に向かう側と反対側にガス室61が形成されている。
副室用ピストン55は、筒状部材51に固定されておらず、筒状部材51の軸方向に移動するように形成されている。副室用ピストン55は、矢印100に示すように、筒状部材51の内部を移動する。副室用ピストン55は、封止部材としてのピストンリングを介して筒状部材51に接触している。副室用ピストン55が移動することにより、副室60の容積が変化する。副室60には、燃焼ガスが流入する。
本実施の形態における容積可変装置の気体ばね50は、内部に気体を密閉することにより弾性を有するように形成されている。気体ばね50のガス室61には、燃焼室5の圧力が所望の制御圧力に到達したときに、副室用ピストン55が移動し始めるように、加圧された気体が充填される。本実施の形態においては、ガス室61に空気が充填される。ガス室61に充填される気体としては、空気に限られず、任意の気体を採用することができる。
本実施の形態における気体ばね50は、縮む時に内部の気体が圧縮される圧縮空間を有する。また、本実施の形態における内燃機関は、圧縮空間の体積を変更する体積変更装置を備える。本実施の形態における体積変更装置は、ガス室61に接続されている気体タンク90と、開閉弁86とを含む。開閉弁86は、ガス室61と気体タンク90との間の流路に配置されている。体積変更装置は、電子制御ユニット31により制御されている。本実施の形態における開閉弁86は、電子制御ユニット31に制御されている。開閉弁86を開くことにより、ガス室61と気体タンク90とにより圧縮空間が構成される。また、開閉弁86を閉じることにより、ガス室61により圧縮空間が構成される。
本実施の形態における内燃機関では、副室用ピストン55が移動する期間、すなわち気体ばね50が縮んでいる期間には圧縮空間が密閉される。本実施の形態においては、気体ばね50が縮んでいる期間は、圧力調整弁85が閉止される。圧力調整弁85を閉止することにより、圧縮空間に接続される流路を遮断することができる。気体ばね50は、圧縮空間が密閉されることにより弾性を有する。圧縮空間の圧力により、副室用ピストン55が押圧される。
本実施の形態における内燃機関は、気体ばねの圧縮空間の圧力を変更する圧力変更装置を備える。本実施の形態における圧力変更装置は、気体タンク90に接続されている。
本実施の形態における圧力変更装置は、モータ71と、モータ71により駆動される圧縮機72と含む。圧縮機72の出口には、逆止弁82が配置されている。逆止弁82は、ガス室61の気体が逆流して流出することを防止する。圧縮機72には、逆止弁81およびフィルタ73が接続されている。フィルタ73は、圧縮機72に吸入される空気から異物を除去する。逆止弁81は、圧縮機72から空気が逆流することを防止する。
本実施の形態における圧力変更装置は、気体ばね50の圧縮空間の圧力を検出する圧力検出器としての圧力センサ74を含む。本実施の形態における圧力センサ74は、ガス室61と開閉弁86とを接続する流路に配置されている。
圧力変更装置は、電子制御ユニット31により制御されている。本実施の形態においては、モータ71が電子制御ユニット31に制御されている。本実施の形態における空気排出弁84および圧力調整弁85は、電子制御ユニット31により制御されている。圧力センサ74の出力は、電子制御ユニット31に入力される。
本実施の形態における内燃機関は、運転期間中または停止期間中に気体ばね50の圧縮空間から空気が漏れても、空気を補充することができる。たとえば、モータ71にて圧縮機72を駆動し、更に圧力調整弁85および開閉弁86を開くことにより、ガス室61に空気を供給することができる。
本実施の形態における圧力変更装置は、気体ばね50の圧縮空間の圧力を上昇させることができる。更に、本実施の形態における圧力変更装置は、気体ばね50の圧縮空間から気体を排出することができる。圧力調整弁85および空気排出弁84を開くことにより、圧縮空間の圧力を下降させることができる。このように、圧縮空間の圧力を変更することにより、制御圧力を変更することができる。圧力変更装置は、この形態に限られず、気体ばねの圧縮空間の圧力を変更可能な任意の装置を採用することができる。
図3に、本実施の形態の内燃機関における燃焼室の圧力のグラフを示す。横軸がクランク角度であり、縦軸が燃焼室の圧力および副室用ピストンの変位である。図3には、燃焼サイクルのうち圧縮行程および膨張行程のグラフが示されている。副室用ピストン55は、筒状部材51の底部に着底しているときの変位が零である。本実施の形態における容積可変装置は、燃焼サイクルの圧縮行程から膨張行程の期間中に、燃焼室の圧力が制御圧力に到達した場合に、副室用ピストン55が移動する。この結果、気体ばね50の副室60の容積が大きくなる。
図2および図3を参照して、圧縮行程の開始時には副室用ピストン55が筒状部材51の底部に着底している。圧縮行程ではピストン3が上昇して、燃焼室5の圧力が上昇する。ここで、気体ばね50の圧縮空間には制御圧力に対応する圧力の気体が封入されているために、燃焼室5の圧力が制御圧力になるまでは、副室用ピストン55は着底した状態が維持される。
図3に示す実施例では、クランク角度が0°(TDC)より僅か後に点火される。点火されることにより燃焼室5の圧力が急激に上昇する。燃焼室5の圧力が制御圧力に達したときに、副室用ピストン55が移動し始める。混合気の燃焼が進むと、気体ばね50が縮んで副室60の容積が大きくなる。このために、燃焼室5および副室60の圧力が上昇することが抑制される。図3に示す実施例では、燃焼室5の圧力がほぼ一定に保たれている。
燃焼室において、更に燃料の燃焼が進むと、副室用ピストン55の変位は最大になった後に小さくなる。ガス室61の圧力が減少して、副室用ピストン55の変位が零に戻る。すなわち、副室用ピストン55は着底する位置まで戻る。燃焼室5の圧力が制御圧力未満になった場合には、クランク角度の進行とともに燃焼室5の圧力が減少する。
このように、本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達したときに燃焼室の圧力上昇を抑制し、燃焼室の圧力が異常燃焼の発生する圧力以上にならないように制御することができる。
図3には、比較例1および比較例2の燃焼室の圧力のグラフが示されている。比較例1および比較例2は、本実施の形態における容積可変装置を有していない内燃機関である。内燃機関は、点火時期に依存して、燃焼室の圧力が変動する。内燃機関は、出力トルクが最大になる点火時期θmaxを有する。比較例1は、点火時期θmaxで点火したときのグラフである。出力トルクが最大になる点火時期で点火することにより、燃焼室の圧力が高くなり熱効率が最良になる。ところが、比較例1のように点火時期が早いと、燃焼室の圧力が異常燃焼の発生する圧力よりも高くなる。比較例1のグラフは、異常燃焼が発生しないと仮定している。一方で、実際の内燃機関では、燃焼室の最大圧力が異常燃焼の発生する圧力よりも小さくなるように点火時期を遅角させている。
比較例2の内燃機関では、異常燃焼の発生を回避するために、出力トルクが最大になる点火時期よりも遅らせて点火している。点火時期を遅角させた場合には、出力トルクが最大になる点火時期で点火した場合よりも燃焼室の最大圧力が小さくなる。
本実施の形態における内燃機関は、燃焼室の圧力が異常燃焼の発生する圧力未満で燃焼を行なうことができる。点火時期を早くしても異常燃焼の発生を抑制することができる。特に、圧縮比が高いエンジンにおいても異常燃焼を抑制することができる。さらに、燃焼室の圧力が高い時間を長くすることができる。このため、比較例2の点火時期を遅らせた内燃機関よりも熱効率が改善され、出力トルクを大きくすることができる。または、燃料消費量を少なくすることができる。
図3に示す実施例は、容積可変装置の理想的な運転状態を示している。図3に示す実施例では、副室用ピストンが移動する期間中には、燃焼室の圧力がほぼ制御圧力で一定に保たれている。ところが、実際の容積可変装置では、内燃機関の運転状態に依存して、燃焼室の圧力が制御圧力に到達した直後にオーバーシュートが生じる場合がある。更に、副室用ピストンが移動することにより圧縮空間の圧力が上昇するために燃焼室の圧力も上昇する。
図2を参照して、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達した時に、副室用ピストン55が移動し始める。このときに、副室用ピストン55は、重量に応じた慣性が生じる。このために、副室用ピストン55の移動に応答遅れが生じる。本実施の形態の内燃機関の通常運転においては、副室用ピストン55が移動する期間中には、開閉弁86を開いた状態に制御する。気体ばね50の圧縮空間は、ガス室61と気体タンク90により構成される。
図4に、本実施の形態における内燃機関の燃焼室の圧力を説明する第1のグラフを示す。図4においては、通常運転を破線で示しており、また後述する制御圧力を低下させた運転を一点鎖線で示す。燃焼室の圧力が制御圧力に到達した直後にオーバーシュートが生じている運転例が示されている。
本実施の形態の内燃機関の通常運転においては、燃焼室の圧力にオーバーシュートが発生しない条件下で、燃焼室の最大圧力が異常燃焼の発生する圧力を超えないように目標圧力を定めている。本実施の形態における燃焼室の目標圧力は、異常燃焼の生じる圧力から予め定められた圧力を減算した圧力が採用されている。通常運転においては、燃焼室の目標圧力が制御圧力に相当する。たとえば、制御圧力は、内燃機関の機関回転数と要求負荷とに基づいて定められる。
通常運転の制御においては、クランク角度θS1からクランク角度θE1の期間において副室用ピストン55が移動している。燃焼室5の圧力が通常運転の制御圧力に到達したときに、副室用ピストン55の移動に応答遅れが生じる。このために、燃焼室5の圧力が上昇を継続してオーバーシュートが発現する。副室用ピストン55が移動し始めた直後には、燃焼室5の圧力が目標圧力を大きく超える。
この後に、副室用ピストン55の移動に伴って燃焼室5の圧力が減少する。副室用ピストン55が着底位置に向かって移動するときにも応答遅れが生じる。このために、副室用ピストン55の変位が減少している期間においては、燃焼室5の圧力が目標圧力よりも小さくなる。特に、副室用ピストン55が移動している期間の後半部分においては、燃焼室5の圧力が目標圧力よりも小さくなる。
このような応答遅れは、副室用ピストン55の移動速度が速い運転状態において顕著になる。すなわち、燃焼室5における燃焼速度が速い運転状態において顕著になる。本実施の形態においては、燃焼室5における燃焼速度が速い運転状態においては、副室用ピストン55が移動し始めるときの制御圧力を低下させる制御を行う。更に、気体ばね50の圧縮空間の体積を小さくする制御を行う。
始めに、制御圧力を低下させる制御について説明する。制御圧力を低下させるために、ガス室61の圧力を低下させる。気体ばね50の圧縮空間の圧力を低下させる。制御圧力は、燃焼室5の目標圧力よりも小さくなる。図4の一点鎖線のグラフを参照して、制御圧力を低下させることにより燃焼室5が到達する最大圧力が小さくなる。クランク角度θS2からクランク角度θE2までの期間は、副室用ピストン55が移動している期間である。
図2を参照して、制御圧力を低下させる場合には、空気排出弁84を開いた状態で、圧力調整弁85を開くことにより気体ばね50の圧縮空間の圧力を低下させる。ガス室61の圧力が低下することにより、副室用ピストン55が移動し始めときの燃焼室5の圧力、すなわち制御圧力を低下させることができる。
図4に示す運転例においては、通常運転の制御圧力にて容積可変装置を駆動すると、燃焼室5の最大圧力が異常燃焼の発生圧力を超えている。制御圧力を低下させることにより、燃焼室5の圧力にオーバーシュートが生じても燃焼室5の圧力が異常燃焼の発生する圧力以上になることを抑制できる。
また、気体ばね50の圧縮空間の圧力が小さくなるために副室用ピストン55の応答性が向上する。このため、オーバーシュートによる圧力上昇幅を小さくすることができる。更に、副室用ピストン55の応答性が向上するために、副室用ピストン55が移動している期間の後半の圧力減少幅を小さくすることができる。
制御圧力の低下量は、制御圧力を低下した後の燃焼室5の最大圧力が、異常燃焼の発生する圧力未満になるように設定することが好ましい。または、制御圧力の低下量は、制御圧力を低下した後の燃焼室5の最大圧力が、目標圧力とほぼ同じになるように設定することが好ましい。
次に、気体ばねの圧縮空間の体積を小さくする制御について説明する。
図5に、本実施の形態における内燃機関の燃焼室の圧力を説明する第2のグラフを示す。図5においては、制御圧力を低下させた運転を一点鎖線で示し、制御圧力を低下させた上に、圧縮空間の体積を減少させた運転を実線で示している。
副室用ピストン55の受圧面積が略同じである場合に、圧縮空間の体積を小さくすることにより、副室用ピストン55が単位長さを移動したときの圧縮空間の圧力上昇幅が大きくなる。気体ばね50の圧縮空間の体積を小さくすることにより、ガス室61の圧力上昇幅が大きくなる。このために、副室用ピストン55が移動している期間における燃焼室5の圧力上昇幅も大きくなる。
図2を参照して、本実施の形態における圧縮空間の体積を減少させる制御としては、開閉弁86を閉じる制御を行う。開閉弁86を閉じることにより、気体タンク90が隔離される。気体ばね50の圧縮空間はガス室61により構成される。
図5に示すように、制御圧力を低下させる制御のみでは、副室用ピストン55が移動している期間の初期において燃焼室の圧力が目標圧力に近づく。ところが、その後には燃焼室の圧力が大幅に目標圧力未満になる。そこで、圧縮空間の体積を小さくすることにより、副室用ピストン55が移動する期間において、燃焼室5の圧力を上昇させることができる。副室用ピストン55が移動している期間中の燃焼室5の圧力を目標圧力に近づけることができる。
本実施の形態における制御圧力を低下させて、更に圧縮空間の体積を小さくする制御は、燃焼室における燃料の燃焼速度が速くなる内燃機関の運転状態において行うことが好ましい。本実施の形態における内燃機関では、運転状態を検出し、燃焼室における燃焼速度が速いと判別されるときに、制御圧力を低下させて、更に圧縮空間の体積を小さくする制御を行う。
図6に、本実施の形態における内燃機関の運転制御のフローチャートを示す。図6に示す運転制御は、例えば予め定められた時間間隔毎に行うことができる。
始めに、ステップ108においては、内燃機関の運転状態を検出する。本実施の形態においては、機関回転数および要求負荷を検出する。図1を参照して、機関回転数はクランク角センサ42の出力により検出することができる。要求負荷は、負荷センサ41の出力により検出することができる。内燃機関の運転状態に基づいて、燃焼室の目標圧力が設定される。燃焼室5の目標圧力は、例えば、機関回転数および要求負荷を関数にするマップを電子制御ユニット31に記憶させておくことができる。
次に、ステップ109においては、検出した内燃機関の運転状態に基づいて、燃焼室における燃焼速度が速いか否かを判別する。ステップ109において、燃焼室における燃焼速度が速くないと判別される場合には、ステップ110に移行する。ステップ109において、燃焼室における燃焼速度が速いと判別される場合には、ステップ111に移行する。
ステップ110においては、通常運転における制御圧力を選定する。たとえば、燃焼室5の目標圧力とほぼ等しい圧力を制御圧力に選定することができる。また、制御圧力に対応するガス室61の圧力を定める。本実施の形態においては、ガス室61の圧力範囲を定めている。図2を参照して、本実施の形態においては、副室用ピストン55の副室60の側の表面積と、ガス室61の側の表面積とがほぼ同じになるために、ガス室61の圧力は制御圧力とほぼ同じになる。
ステップ111においては、通常運転時よりも制御圧力を低下させる。たとえば、燃焼室5の目標圧力よりも予め定められた低下量を減算した圧力を制御圧力に選定することができる。選定した制御圧力に基づいてガス室61の圧力を定める。本実施の形態においては、ガス室61の圧力範囲を定めている。
次に、ステップ112においては、現在のガス室61の圧力を検出する。すなわち、圧縮空間の圧力を検出する。ガス室61の圧力は、圧力センサ74により検出することができる。
次に、ステップ113およびステップ115においては、ガス室61の圧力が選定されたガス室61の圧力範囲内であるか否かを判別する。ステップ113においては、現在のガス室61の圧力が、圧力範囲の高圧側判定値よりも大きいか否かを判別する。ステップ113において、現在のガス室61の圧力が高圧側判定値よりも大きい場合には、ステップ114に移行する。
ステップ114においては、ガス室61の圧力を低下させる制御を行う。ステップ113において、現在のガス室61の圧力が高圧側判定値以下であれば、ステップ115に移行する。
ステップ115においては、現在のガス室61の圧力が、圧力範囲の低圧側判定値未満であるか否かを判別する。現在のガス室61の圧力が低圧側判定値未満であれば、ステップ116に移行する。ステップ116においては、ガス室61を加圧する制御を行う。ステップ115において、現在のガス室61の圧力が、低圧側判定値以上であれば、ステップ117に移行する。この場合には、現在のガス室61の圧力は、目標とするガス室61の圧力範囲内である。
次に、ステップ117においては、気体ばねの圧縮空間の体積を選定する。本実施の形態においては、ステップ109の燃焼室における燃焼速度が速いか否かの判別に基づいて圧縮空間の体積が選定される。本実施の形態においては、燃焼速度が速い場合には、圧縮空間としてガス室61のみが選定される。燃焼速度が速くない場合には、圧縮空間としてガス室61および気体タンク90が選定される。
次に、ステップ118においては、副室用ピストン55の移動開始時期か否かが判別される。副室用ピストン55の移動開始時期については、例えばクランク角度を検出することにより判別することができる。ステップ118において、副室用ピストン55の移動開始時期でなければ、この制御を繰り返す。ステップ118において、副室用ピストン55の移動開始時期であればステップ119に移行する。
次に、ステップ119においては、ステップ117の判別に基づいて、気体タンク90の接続が必要か否かが判別される。通常運転時には、開閉弁86が開いた状態であり、ガス室61および気体タンク90が圧縮空間を構成している。ステップ119において、気体タンク90の接続が必要な場合には、この制御を終了する。ステップ119において、気体タンク90の接続が不要と判別された場合には、ステップ120に移行する。
次に、ステップ120においては、開閉弁86を閉じる制御を行う。気体ばね50の圧縮空間は、ガス室61により構成される。
次に、ステップ121においては、副室用ピストン55の移動が終了したか否かが判別される。副室用ピストン55が移動している期間中には、ステップ121が繰り返される。すなわち、開閉弁86の閉じた状態が維持される。ステップ121において、副室用ピストンの移動が終了したと判別された場合には、ステップ122に移行する。
次に、ステップ122においては、開閉弁86を開いて通常運転の状態に移行することができる。このように、本実施の形態の内燃機関おいては、運転状態を検出し、燃焼室における燃焼速度が速い運転状態においては、制御圧力を小さくすると共に、気体ばねの圧縮空間の体積を小さくすることができる。
燃焼室における燃焼速度が速くなる運転状態としては、例えば、機関回転数が高い状態を例示することができる。または、燃焼室における点火時期が早い運転状態を例示することができる。
または、燃焼室内に残留する排気が少なくなる運転状態を例示することができる。例えば、内燃機関が可変バルブ機構を備え、吸気弁および排気弁が同時に開くオーバーラップを有する場合に、オーバーラップの時間が長い運転状態では、燃焼室内に残留する排気が少なくなって燃焼速度が速くなる。
または、吸気弁の閉じる時期を早くする制御を例示することができる。すなわち、吸気弁を閉じる時期をピストンの下死点に近づける制御を例示することができる。吸気弁の閉じる時期を早くすると、燃焼室において点火するときの燃焼室の圧力が高くなる。このために、燃焼速度が速くなる。
または、燃焼速度が速くなる運転状態としては、外気の温度が高い状態を例示することができる。外気の温度が高いと燃焼室に吸引される空気の温度も高くなる。このために、燃焼時の温度が高くなり燃焼速度が速くなる。
または、内燃機関がタンブル制御弁を備える場合には、タンブル制御弁により燃焼室内のタンブル流を促進している運転状態を例示することができる。タンブル流が促進されることにより、燃焼室内の気体が十分に攪拌されて燃焼し易くなる。このために、燃焼速度が速くなる。
燃焼速度が速くなる運転状態は、上記の形態に限られず、燃焼室における燃焼速度が速くなる任意の運転状態を採用することができる。
本実施の形態における体積変更装置は、気体ばねのガス室に接続されている気体タンクと、ガス室と気体タンクとの間の流路に配置されている開閉弁とを含む。開閉弁を開閉することにより、気体ばねの圧縮空間の体積を変更するように形成されている。この構成を採用することにより、気体ばねの圧縮空間の体積を容易に変更することができる。体積変更装置としては、この形態に限られず、気体ばねの圧縮空間の体積を変更できる任意の装置を採用することができる。
図7に、本実施の形態における他の体積変更装置を備える内燃機関の概略図を示す。上記の体積変更装置においては、気体ばねの圧縮空間の体積が2段階で変更するように形成されている。他の体積変更装置においては、多段階で圧縮空間の体積を変更することができる。
本実施の形態における他の体積変更装置は、複数の気体タンク90を含む。1つのガス室61に複数の気体タンク90が接続されている。それぞれの気体タンク90に対応して、圧力調整弁85および開閉弁86が配置されている。副室用ピストン55が移動する期間中においては、全ての圧力調整弁85が閉止状態に維持される。副室用ピストン55が移動する期間中において開閉弁86を開く数を変更することにより、圧縮空間の体積を多段階で変更することができる。
このように、気体ばねの圧縮空間の体積は、多段階で制御することができる。また、制御圧力の低下量も圧縮空間の圧力を調整することにより、多段階で制御することができる。このため、内燃機関は、運転状態を検出し、燃焼室における燃焼速度が速くなるほど、徐々に制御圧力を低下させ、更に、気体ばねの圧縮空間の体積を徐々に小さくする制御を行うことができる。このように、段階的に制御圧力と気体ばねの圧縮空間の体積とを制御しても構わない。
本実施の形態における容積可変装置は、燃焼室に連通する空間としての副室の容積が可変に形成されているが、この形態に限られず、燃焼室の容積が可変に形成されていても構わない。たとえば、容積可変装置が燃焼室を構成するピストンの上部に形成され、燃焼室の容積が可変に形成されていても構わない。
本実施の形態においては、自動車に取り付けられている内燃機関を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、任意の内燃機関に本発明を適用することができる。
実施の形態2
図8から図10を参照して、実施の形態2における内燃機関について説明する。本実施の形態における容積可変装置の構成は、実施の形態1における内燃機関の容積可変装置の構成と同様である(図2参照)。本実施の形態においては、複数の気筒を備える内燃機関を例に取り上げて説明する。
図8に、本実施の形態における内燃機関の概略断面図を示す。本実施の形態における内燃機関は、複数の気筒を有する。第1気筒、第2気筒、第3気筒および第4気筒が、この順に配置されている。それぞれの気筒には、燃焼室5a〜5dが形成されている。それぞれの気筒に配置されているピストン3は、コネクティングロッド45に接続されている。コネクティングロッド45は、クランクシャフト46に接続されている。クランクシャフト46は、回転可能なようにシリンダブロック2に支持されている。
本実施の形態における容積可変装置は、気体ばね50a〜50dを含む。気体ばね50a〜50dは、それぞれの気筒において燃焼室5a〜5dに接続されている。本実施の形態における内燃機関は、それぞれの燃焼室5a〜5dに連通する副室60の容積が変化する。
それぞれの気体ばね50a〜50bには、気体タンク90が接続されている。1つの気体ばねに、1つの気体タンク90が接続されている。それぞれの気体タンク90の入口および出口には、圧力調整弁85および開閉弁86が配置されている。本実施の形態における内燃機関は、気体ばね50a〜50bの圧縮空間の圧力を変更する圧力変更装置を備える。本実施の形態における圧力変更装置は、気体ばね50a〜50dのガス室61および気体タンク90の圧力を変更する。
本実施の形態の内燃機関においては、圧力変更装置に圧縮機72が含まれている。副室用ピストン55の移動期間中に圧力調整弁85および開閉弁86が開いていると、ガス室61の圧力は、圧縮機72の動作状態の影響を受ける場合がある。または、1つの気筒のガス室61の圧力は、他の気筒の気体ばねの動作による圧力変動の影響を受ける場合がある。または、ガス室61の圧力は、圧力変更装置の配管の気柱振動等の影響を受ける場合がある。
このように、気体ばね50のガス室61の圧力は、圧力変更装置の影響を受ける場合がある。また、複数の気筒を有する内燃機関においては、複数の気体ばねの動作は、互いにガス室61の圧力に影響を及ぼし合う場合がある。
本実施の形態の内燃機関においては、それぞれの気筒において、副室用ピストン55が移動している期間、すなわち気体ばね50a〜50dが縮んでいる期間には、気体ばね50a〜50dを隔離する制御を行う。本実施の形態においては、圧力調整弁85が気体ばね50a〜50dを隔離する隔離弁として機能する。気体ばねが縮んでいる期間においては、圧力調整弁85を閉じる制御を行う。この制御を行うことにより、圧力変更装置からの圧力変動の影響を抑制することができる。
また、本実施の形態の内燃機関においては、それぞれの気筒ごとに、気体ばね50a〜50dを隔離可能な圧力調整弁85が配置されている。このために、それぞれの気体ばねにおいて、気体ばねが縮んでいる期間中に、対応する圧力調整弁85を閉じる制御を行うことができる。この構成を採用することにより、他の気筒の気体ばねの動作による圧力変動の影響を抑制することができる。また、配管内部の気柱振動などの影響を抑制することができる。
図9に、本実施の形態における内燃機関の運転制御のフローチャートを示す。図9に示す運転制御は、例えば、それぞれの気筒ごとに行なうことができる。また、予め定められたクランク角度ごとに行なうことができる。
始めに、ステップ131においては、内燃機関のクランク角度を検出する。
次に、ステップ132においては、検出したクランク角度が気体ばねの縮んでいる期間か否かを判別する。すなわち、容積可変装置の動作期間であるか否かを判別する。ステップ132において、検出されたクランク角度が気体ばねの縮んでいる期間である場合には、ステップ133に移行する。また、ステップ132において、クランク角度が気体ばねの縮んでいる期間でない場合には、ステップ134に移行する。気体ばねの縮んでいる期間の選定においては、副室用ピストンが移動する期間に余裕の時間を加算した期間を選定しても構わない。
ステップ133においては、気体ばねの隔離弁を閉じる。本実施の形態においては、圧力調整弁85を閉じる。圧力調整弁85が既に閉じている状態である場合には、その状態を維持する制御を行う。
ステップ134においては、隔離弁を開く制御を行う。本実施の形態においては、圧力調整弁85を開く制御を行う。圧力調整弁85が既に開いている場合には、その状態を維持する制御を行なう。
図10に、本実施の形態における内燃機関の1つの気筒における燃焼室の圧力を説明するグラフを示す。横軸がクランク角度であり縦軸が燃焼室の圧力である。気体ばねが縮む期間中に気体ばねを隔離した場合のグラフと、気体ばねを隔離しなかった場合のグラフとが示されている。
気体ばねを隔離しなかった場合においては、燃焼室の圧力が目標圧力に到達したときに、圧力の振動が生じている。これに対して、気体ばねを隔離した場合においては、燃焼室の圧力の振動を抑制することができる。このように、気体ばねが縮む期間中においては、気体ばねを隔離することにより、安定した運転を行うことができる。
本実施の形態の運転制御においては、気体ばねが縮んでいる期間以外では、隔離弁を開くように制御しているが、この形態に限られず、任意の制御を行なうことができる。例えば、圧力変更装置により、気体タンクおよびガス室の圧力を変更した後に、隔離弁としての圧力調整弁を閉じる制御を行なっても構わない。
また、本実施の形態の内燃機関においては、気体タンクを含む体積変更装置が配置されているが、この形態に限られず、体積変更装置が配置されていない内燃機関にも、本実施の形態における気体ばねを隔離する制御を行うことができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
上記のそれぞれの実施の形態における運転制御では、必要に応じて適宜ステップの順序を変更することができる。
また、上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、請求の範囲に示される変更が含まれている。
3 ピストン
5 燃焼室
31 電子制御ユニット
40 アクセルペダル
41 負荷センサ
42 クランク角センサ
50,50a〜50d 気体ばね
51 筒状部材
55 副室用ピストン
60 副室
61 ガス室
72 圧縮機
74 圧力センサ
84 空気排出弁
85 圧力調整弁
86 開閉弁
90 気体タンク

Claims (5)

  1. 気体が圧縮されることにより弾性を有する気体ばねを含み、燃焼室の圧力が予め定められた制御圧力に到達したときに、燃焼室の圧力変化を駆動源として気体ばねが縮むことにより燃焼室の容積または燃焼室に連通する空間の容積が変化する容積可変装置と、
    気体ばねの気体の圧力を変更する圧力変更装置と、
    気体ばねの気体が圧縮される圧縮空間の体積を変更する体積変更装置とを備え、
    内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室における燃料の燃焼速度を推定し、燃焼室における燃料の燃焼速度が大きくなるほど、気体ばねの気体の圧力を低下させると共に、圧縮空間の体積を小さくすることを特徴とする、内燃機関。
  2. 内燃機関の運転状態を検出し、運転状態に応じた燃焼室が到達すべき目標圧力を選定し、
    燃焼室の圧力の最大値がほぼ目標圧力になるように気体ばねの気体の圧力を低下させることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
  3. 容積可変装置は、燃焼室に連通している筒状部と、筒状部の内部に移動可能に配置されている移動部材とを含み、
    移動部材が筒状部の内部の空間を区画することにより、燃焼室に向かう側に副室が形成され、燃焼室に向かう側と反対側に圧縮空間としてのガス室が形成されており、
    圧力変更装置は、ガス室の圧力を変更するように気体ばねに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
  4. 体積変更装置は、ガス室に接続されている気体タンクと、
    ガス室と気体タンクとの間の流路に配置されている開閉弁とを含み、
    開閉弁を開閉することにより、気体ばねの圧縮空間の体積を変更することを特徴とする、請求項3に記載の内燃機関。
  5. 圧力変更装置は、気体ばねを隔離するための隔離弁を含み、
    気体ばねが縮んでいる期間においては、隔離弁を閉止する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関。
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