JPWO2012060361A1 - オレフィン類重合用固体触媒成分、オレフィン類重合用触媒およびオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1(特開昭63−3010号公報)には、ジアルコキシマグネシウム、芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族炭化水素化合物およびチタンハロゲン化物を接触して得られた生成物を、粉末状態で加熱処理することにより固体触媒成分を調製し、該固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および有機ケイ素化合物より成るプロピレン重合用触媒の存在下に、プロピレンを重合させる方法が提案されている。
このような電子供与体を用いた重合用触媒として、特許文献2(特開2004−91513号公報)には、ジアルコキシマグネシウム、4価のチタンハロゲン化合物および電子供与体として置換マロン酸ジエステル化合物を、沸点が50〜150℃の芳香族炭化水素化合物中で接触させることにより調製されるオレフィン類重合用固体触媒成分が提案されている。さらに、特許文献3(WO2008/120795号公報)では、マグネシウム化合物、4価のハロゲン化チタン化合物および電子供与体として異なった2つのエステル残基を有する置換マロン酸ジエステルを用いたオレフィン重合用固体触媒成分が提案されている。
(1)(a)マグネシウム化合物、(b)下記一般式(I)
R1 2C(COOCH3)2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基、ハロゲン原子、炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、ビニル基およびアリル基から選ばれるいずれか一種である。)で表される内部電子供与体、および(c)4価のハロゲン化合物を、不活性有機溶媒中で接触させてなることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分、
(2)前記一般式(I)におけるR1が、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−プロピル基、n−ブチル基および、ハロゲン原子が1または2置換した炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基から選ばれるいずれか一種である上記(1)に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、
(3)前記(a)マグネシウム化合物がジアルコキシマグネシウムである上記(1)または(2)に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、
(4)前記(c)4価のハロゲン化合物が四塩化ケイ素あるいは四塩化チタンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、
(5)(α)請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(β)下記一般式(II)
R2 pAlQ3−p (II)
(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数であり、R2が複数存在する場合各R2は同一であっても異なっていてもよく、Qが複数存在する場合各Qは同一であっても異なっていてもよい。)で表される有機アルミニウム化合物、および(γ)外部電子供与体
を接触させてなることを特徴とするオレフィン類重合用触媒、
(6)前記(γ)外部電子供与体が、下記一般式(III)
R3 qSi(OR4)4−q (III)
(式中、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基または炭素数6〜15の芳香族炭化水素基若しくは置換基を有する芳香族炭化水素基を示し、R3が複数存在する場合、各R3は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を示し、R4が複数存在する場合、各R4は互いに同一であっても異なっていてもよく、qは0〜3の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物および下記一般式(IV)
(R5R6N)sSiR7 4−s (IV)
(式中、R5およびR6は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、R5R6N基を構成するR5およびR6は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。R5R6N基が複数存在する場合、各R5R6N基は互いに同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素数1〜20のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ビニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基または炭素数6〜20のアリール基若しくはアリールオキシ基を示し、R7が複数存在する場合、複数のR7は同一であっても異なっていてもよい。sは1〜3の整数である。)
で表されるアミノシラン化合物から選択される一種以上である
上記(5)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(7)前記(γ)外部電子供与体が、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソペンチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、t−ブチルメチルビス(エチルアミノ)シラン、ジシクロヘキシルビス(エチルアミノ)シラン、ジシクロペンチルビス(エチルアミノ)シラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシランおよびジエチルアミノトリエトキシシランから選択される一種以上である上記(5)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(8)前記(γ)外部電子供与体が、下記一般式(V)
R8OCH2CR9R10CH2OR11 (V)
(式中、R9およびR10は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基若しくはハロゲン置換芳香族炭化水素基、置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基または炭素数2〜12のジアルキルアミノ基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。R8およびR11は、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基若しくはハロゲン置換芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされるジエーテル化合物から選択される一種以上である
上記(5)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(9)前記一般式(V)で表されるジエーテル化合物が、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパンまたは9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンである上記(8)に記載のオレフィン類重合用触媒、
(10)上記(5)〜(9)のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法、および
(11)得られるオレフィン類重合体がプロピレン単独重合体またはプレピレンと他のオレフィンとの共重合体である上記(10)に記載のオレフィン類重合体の製造方法、
を提供するものである。
なお、以下、適宜、上記一般式(I)で表される内部電子供与体を「(b)内部電子供与体」、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のオレフィン類重合用固体触媒成分を「(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分」、上記一般式(II)で表される有機アルミニウム化合物を「(β)有機アルミニウム化合物」と称するものとする。
R1 2C(COOCH3)2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基、ハロゲン原子、炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、ビニル基およびアリル基から選ばれるいずれか一種である。)で表される内部電子供与体、および(c)4価のハロゲン化合物を不活性有機溶媒中で接触させてなることを特徴とするものである。
更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここで、D90は体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径、D10は体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径である。)で表すと3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
(b)下記一般式(I)
R1 2C(COOCH3)2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基、ハロゲン原子、炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、ビニル基およびアリル基から選ばれるいずれか一種である。)
で表される内部電子供与体が用いられる。
上記一般式(I)で表わされる置換マロン酸ジメチルにおいて、2つのR1基は同一の置換基である。
R1が炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基である上記一般式(I)で表わされる置換マロン酸ジメチルとして、具体的には、ジイソプロピルマロン酸ジメチル、ジイソブチルマロン酸ジメチル、ジ−t−ブチルマロン酸ジメチル、ジ−sec−ブチルマロン酸ジメチル、ジイソペンチルマロン酸ジメチル、ジネオペンチルマロン酸ジメチル等が好ましく、中でも重合時の立体規則性が高く、かつ溶融時の流動性(MFR)に優れたオレフィン重合体を得られることから、ジイソプロピルマロン酸ジメチル、ジイソブチルマロン酸ジメチル、ジイソペンチルマロン酸ジメチル、ジネオペンチルマロン酸ジメチルが特に好ましい。
R1が炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基である場合、炭素数2〜12の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基が好ましく、炭素数2〜8の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基が好ましく、具体的には、ハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ブロモエチル基、ハロゲン化n−プロピル基、が挙げられ、これらの中でも特にハロゲン化n−プロピル基が好ましい。
また、R1が炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン化アルキル基としては、ハロゲン原子が1または2置換した炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状のハロゲン化アルキル基が好ましい。
R1が炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基である上記一般式(I)で表わされる置換マロン酸ジメチル(ビス(ハロゲン化アルキル)置換マロン酸ジメチル)として、具体的には、ビス(ブロモメチル)マロン酸ジメチル、ビス(クロロエチル)マロン酸ジメチル、ビス(ブロモエチル)マロン酸ジメチル、ビス(3−クロロ−n−プロピル)マロン酸ジメチル、ビス(3−ブロモ−n−プロピル)マロン酸ジメチルなどを挙げることができる。これ等R1がハロゲン原子であるハロゲン置換マロン酸ジメチルおよびR1が炭素数2〜20である直鎖状または分岐鎖状のハロゲン化アルキル置換マロン酸ジメチルの中でも、溶融時の流動性(MFR)が特に優れたオレフィン重合体が得られることから、ジブロモマロン酸ジメチルおよび、ビス(3−クロロ−n−プロピル)マロン酸ジメチルが特に好ましい。
R1が炭素数1〜20の直鎖状アルキル基である一般式(I)で表わされる置換マロン酸ジメチルとしては、具体的には、ジメチルマロン酸ジメチル、ジエチルマロン酸ジメチル、ジ−n−プロピルマロン酸ジメチル、ジ−n−ブチルマロン酸ジメチル、ジ−n−ペンチルマロン酸ジメチル等を挙げることができ、これ等の置換マロン酸ジメチルのうち、ジエチルマロン酸ジメチル、ジ−n−プロピルマロン酸ジメチル、ジ−n−ブチルマロン酸ジメチル、ジ−n−ペンチルマロン酸ジメチルが好ましく、重合時の活性が高く、また溶融時の流動性(MFR)に優れたオレフィン重合体を得られることから、ジ−n−プロピルマロン酸ジメチルおよびジ−n−ブチルマロン酸ジメチルが特に好ましい。
R1がアリル基である場合、一般式(I)で表わされる置換マロン酸ジメチルとして、具体的には、ジアリルマロン酸ジメチル、ジブテニルマロン酸ジメチル等が挙げられる。
上記一般式(I)で表わされる内部電子供与体以外の内部電子供与体としては、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物であり、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類などが挙げられる。
3−メチルグルタル酸ジイソブチル、3−フェニルグルタル酸ジイソブチル、3−エチルグルタル酸ジエチル、3−n−プロピルグルタル酸ジエチル、3−イソプロピルグルタル酸ジエチル、3−イソブチルグルタル酸ジエチル、3−フェニルグルタル酸ジエチル、3−エチルグルタル酸ジイソブチル、3−イソプロピルグルタル酸ジイソブチル、3−イソブチルグルタル酸ジイソブチル、3−(3,3,3−トリフルオロプロピル)グルタル酸ジエチル、3−シクロヘキシルメチルグルタル酸ジエチル、3−t−ブチルグルタル酸ジエチル、3,3−ジメチルグルタル酸ジエチル、3,3−ジメチルグルタル酸ジイソブチル、3−メチル−3−イソブチルグルタル酸ジエチル、3−メチル−3−t−ブチルグルタル酸ジエチル等のグルタル酸ジエステル類、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ−n−プロピル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ−n−ブチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジ−ブチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジネオペンチル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、等のシクロヘキセンカルボン酸ジエステル類、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−n−プロピル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−n−ブチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジ−イソブチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジネオペンチル、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジエチル、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジエチル、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジ−n−プロピル、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジ−n−ブチル、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジ−イソブチル、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジネオペンチル、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、3―メチルシクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジエチル、4―メチルシクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸ジエチル等のシクロヘキサンカルボン酸ジエステル類、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸ジエステル類、アジピン酸ジメチル、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸ジエステル類、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸メチルイソプロピル、フタル酸エチルプロピル、フタル酸エチルブチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ジイソペンチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジヘブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ビス(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ビス(2、2−ジメチルヘプチル)、フタル酸ブチルイソヘキシル、フタル酸ブチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸ペンチルヘキシル、フタル酸ペンチルイソヘキシル、フタル酸イソペンチルヘプチル、フタル酸ペンチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸ペンチルイソノニル、フタル酸イソペンチルデシル、フタル酸ペンチルウンデシル、フタル酸イソペンチルイソヘキシル、フタル酸ヘキシル(2,2−ジメチルヘキシル)、フタル酸ヘキシルイソノニル、フタル酸ヘキシルデシル、フタル酸ヘプチル(2−エチルヘキシル)、フタル酸ヘプチルイソノニル、フタル酸ヘプチルデシル、フタル酸(2−エチルヘキシル)イソノニル、4−メチルフタル酸ジネオペンチル、4−エチルフタル酸ジネオペンチル、4、5−ジメチルフタル酸ジネオペンチル、4,5−ジエチルフタル酸ジネオペンチル、4−クロロフタル酸ジエチル、4−クロロフタル酸ジブチル、4−クロロフタル酸ジネオペンチル、4−クロロフタル酸ジイソブチル、4−クロロフタル酸ジイソヘキシル、4−クロロフタル酸ジイソオクチル、4−ブロモフタル酸ジエチル、4−ブロモフタル酸ジブチル、4−ブロモフタル酸ジネオペンチル、4−ブロモフタル酸ジイソブチル、4−ブロモフタル酸ジイソヘキシル、4−ブロモフタル酸ジイソオクチル、4,5−ジクロロフタル酸ジエチル、4,5−ジクロロフタル酸ジブチル、4,5−ジクロロフタル酸ジイソヘキシル、4,5−ジクロロフタル酸ジイソオクチル等のフタル酸ジエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン等のケトン類、フタル酸ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド等の酸クロライド類、アセトアルデヒド、プロピオンアルドヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類、メチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、アニリン、ピリジン等のアミン類、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン類、2,5−置換ピペリジン類、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類、オレフィン酸アミド、ステリアリン酸アミド等のアミド類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニトリル等のニトリル類、イソシアン酸メチル、イソシアン酸エチル等のイソシアネート類等から選ばれる一種以上が挙げられる。
チタンテトラクロライド(四塩化チタン)、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライド、
メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド等のアルコキシ基含有ハロゲン化チタンを挙げることができる。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分は、上記(c)4価のハロゲン化合物を単独あるいは2種以上併用してなるものであってもよい。
具体的には、チタントリクロライド、チタントリブロマイド、チタントリアイオダイド等のチタントリハライド、チタンテトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライド、メトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n−ブトキシチタントリクロライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ−n−ブトキシチタンジクロライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ−n−ブトキシチタンクロライド等のアルコキシ基含有ハロゲン化チタンが例示される。
これらのポリシロキサンの中、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びジメチルポリシロキサンが好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
また、本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分は、不活性有機溶媒を単独で用いてなるものであってもよいし、2種以上を混合して用いてなるものであってもよい。
上記不活性有機溶媒は、−20℃で液体かつ沸点が50〜200℃であるものが好ましく、−20℃で液体であることにより、オレフィン類重合用固体触媒成分の調製時において、後述する低温熟成に好適に供することができるとともに、沸点が50〜200℃であることにより、不純物の溶解度を高めることができる。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分は、上記(a)マグネシウム化合物、(b)内部電子供与体および(c)4価のハロゲン化合物を、不活性有機溶媒中で懸濁、接触することにより調製することができる。
また、上記(a)マグネシウム化合物を上記不活性有機溶媒中に懸濁させた後、更に(b)内部電子供与体および(c)4価のハロゲン化合物を添加し、接触させて固体物を得た後、更に該固体物に、(d)チタンハロゲン化合物を添加し、接触させて調製することができる。
上記各成分を接触させる温度は、単に各成分を接触させて撹拌混合する場合や、分散あるいは懸濁させて変性処理する場合は、室温付近であっても特に差し支えないが、比較的低温域であることが好ましく、−20〜30℃の温度域が好ましい。また、接触させた状態で高温下に反応させて固体生成物を得る場合は、比較的高温であることが好ましく、40〜130℃の温度域が好ましい。反応時の温度が40℃未満の場合は反応が充分に進行せず、結果として調製された固体触媒成分の性能が不充分となり、130℃を超えると使用した溶媒の蒸発が顕著になるなどして、反応の制御が困難になる。
なお、上記接触後の反応時間は1分以上好ましく、10分以上がより好ましく、30分以上がさらに好ましい。
(1)(a)マグネシウム化合物→(b)内部電子供与体→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物→《中間洗浄→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物》→最終洗浄
(2)(a)マグネシウム化合物→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→(c)4価のハロゲン化合物→《中間洗浄→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物》→最終洗浄
(3)(a)マグネシウム化合物→(c)4価のハロゲン化合物→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→《中間洗浄→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→(c)4価のハロゲン化合物》→最終洗浄
(4)(a)マグネシウム化合物→(c)4価のハロゲン化合物→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→《中間洗浄→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物→(b)内部電子供与体》→最終洗浄
(5)(a)マグネシウム化合物→(c)4価のハロゲン化合物→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→《中間洗浄→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→(d)チタンハロゲン化合物》→最終洗浄
(6)(a)マグネシウム化合物→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物→(b)内部電子供与体→《中間洗浄→不活性有機溶媒→(d)チタンハロゲン化合物→(b)内部電子供与体》→最終洗浄
(7)(a)マグネシウム化合物→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→(c)4価のハロゲン化合物→《中間洗浄→(b)内部電子供与体→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物》→最終洗浄
(8)(a)マグネシウム化合物→不活性有機溶媒→(b)内部電子供与体→(c)4価のハロゲン化合物→《中間洗浄→(b)内部電子供与体→不活性有機溶媒→(c)4価のハロゲン化合物》→最終洗浄
また、上記接触例(1)〜(8)において、二重かっこ(《 》)内の工程は、必要に応じ、複数回繰り返し行う工程を意味し、二重かっこ内の工程を繰り返し行うことで一層活性が向上する。また、二重かっこ内の工程で用いる(c)4価のハロゲン化合物や不活性有機溶媒は、新たに加えたものであってもよいし、前工程の残留分であってもよい。また、(c)4価のハロゲン化合物としてチタンハロゲン化合物を用いる場合、二重かっこ内の工程で用いる(d)チタンハロゲン化合物は、新たに加えたものであってもよいし、前工程における(c)4価のハロゲン化合物の残留分であってもよい。
上記接触例(1)〜(8)において、中間洗浄および最終洗浄等における洗浄は、常温で液体の炭化水素化合物を用いて行うことが好ましく、上記接触例(1)〜(8)に示す中間洗浄工程および最終洗浄工程以外の工程において、各接触段階で得られる生成物を洗浄することが好ましい。
<(b)内部電子供与体の接触前あるいは接触後における低温での熟成反応条件>
低温熟成温度は−20〜70℃が好ましく、−10〜50℃がより好ましく、−5〜30℃がさらに好ましい。低温熟成時間は1分〜6時間が好ましく、5分〜4時間がより好ましく、10分〜3時間がさらに好ましい。
中間洗浄前の工程における、不活性有機溶媒中の(a)マグネシウム化合物、(b)内部電子供与体および(c)4価のハロゲン化合物の反応温度は0〜130℃が好ましく、40〜120℃がより好ましく、50〜115℃がさらに好ましい。反応時間は0.5〜6時間が好ましく、0.5〜5時間がより好ましく、1〜4時間がさらに好ましい。
洗浄温度は0〜110℃が好ましく、30〜100℃がより好ましく、30〜90℃がさらに好ましい。洗浄回数は1〜20回が好ましく、1〜15回がより好ましく、1〜10回がさらに好ましい。
なお、中間洗浄および最終洗浄の際に用いる常温で液体の炭化水素化合物は、常温(20℃)で液体の芳香族炭化水素化合物あるいは飽和炭化水素化合物が好ましく、具体的には、芳香族炭化水素化合物としてトルエン、キシレン、エチルベンゼンなど、飽和炭化水素化合物としてヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどが挙げられる。好ましくは、中間洗浄では芳香族炭化水素化合物を、最終洗浄では飽和炭化水素化合物を用いることが望ましい。
(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分、(β)下記一般式(II);
R2 pAlQ3−p (II)
(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数であり、R2が複数存在する場合各R2は同一であっても異なっていてもよく、Qが複数存在する場合各Qは同一であっても異なっていてもよい。)で表される有機アルミニウム化合物、および(γ)外部電子供与体
を接触させてなることを特徴とするものである。
R2 pAlQ3−p (II)
(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数であり、R2が複数存在する場合各R2は同一であっても異なっていてもよく、Qが複数存在する場合各Qは同一であっても異なっていてもよい。)で表されるものである。
R3 qSi(OR4)4−q (III)
(式中、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基または炭素数6〜15の芳香族炭化水素基若しくは置換基を有する芳香族炭化水素基を示し、R3が複数存在する場合、各R3は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を示し、R4が複数存在する場合、各R4は互いに同一であっても異なっていてもよく、qは0〜3の整数である。) で表される有機ケイ素化合物が挙げられる。
ジ−n−ブチルジエトキシシラン、n−ブチルメチルジメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(2−エチルヘキシル)ジエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、ビス(3−メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(4−メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ビス(3,5−ジメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジエトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジプロポキシシラン、3−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、3,5−ジメチルシクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、3−メチルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、4−メチルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、3,5−ジメチルシクロヘキシルシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチルメチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエトキシシラン、シクロペンチル(イソプロピル)ジメトキシシラン、シクロペンチル(イソブチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジエトキシシラン、シクロヘキシル(n−プロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(イソプロピル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−プロピル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル(イソブチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ブチル)ジエトキシシラン、シクロヘキシル(n−ペンチル)ジメトキシシラン、シクロヘキシル(n−ペンチル)ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、2-エチルヘキシルトリメトキシシラン、2-エチルヘキシルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
(R5R6N)sSiR7 4−s (IV)
(式中、R5およびR6は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、R5R6N基を構成するR5およびR6は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。R5R6N基が複数存在する場合、各R5R6N基は互いに同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素数1〜20のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ビニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基または炭素数6〜20のアリール基若しくはアリールオキシ基を示し、R7が複数存在する場合、複数のR7は同一であっても異なっていてもよい。sは1〜3の整数である。)
で表されるアミノシラン化合物が挙げられる。
R8OCH2CR9R10CH2OR11 (V)
(式中、R9およびR10は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基若しくはハロゲン置換芳香族炭化水素基、置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基または炭素数2〜12のジアルキルアミノ基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。R8およびR11は、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基若しくはハロゲン置換芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)で表される1,3−ジエーテル化合物が挙げられる。
本発明のオレフィン重合用触媒において、(γ)外部電子供与体としては、上記一般式(III)で表わされる有機ケイ素化合物、上記一般式(IV)で表わされるアミノシラン化合物および上記一般式(V)で表わされるジエーテル化合物の中から選ばれる一種以上を適宜組み合わせてなるものであってもよい。
上記各成分を接触させる順序は任意であるが、例えば、以下の接触順序を例示することができる。
(i)(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分→(γ)外部電子供与体→(β)有機アルミニウム化合物
(ii)(β)有機アルミニウム化合物→(γ)外部電子供与体→(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分
(iii)(γ)外部電子供与体→(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分→(β)有機アルミニウム化合物
(iv)(γ)外部電子供与体→(β)有機アルミニウム化合物→(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分
なお、上記接触例(i)〜(iv)において、「→」は接触順序を意味し、例えば、「(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分→(γ)外部電子供与体」は、(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分と(γ)外部電子供与体とを、この順序で接触させることを意味する。
本発明のオレフィン類重合用触媒の詳細は、上述したとおりである。
本発明のオレフィン類重合体の製造方法において、重合に供するオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキサン等であり、これらのオレフィン類は一種以上を挙げることができ、とりわけ、エチレン、プロピレンおよび1−ブテンが好適に用いられる。特に好ましくはプロピレンである。
例えば、本発明のオレフィン類重合用触媒の存在下に、プロピレンとエチレンとを一段階で重合するランダム共重合により、エチレンに由来する構成単位を0.1〜7.0質量%含むプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造したり、第一段階(第一重合槽)においてプロピレンのみの重合(ホモ段)を行い、第二段階(第二重合槽)において第一段階で生成したプロピレン重合体とエチレンとを共重合させることにより、エチレンに由来する構成単位を1〜50質量%含むプロピレン−エチレンブロック共重合体を得ることができる。
具体的には、オレフィン類の存在下に(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分、(β)有機アルミニウム化合物および必要に応じて(γ)外部電子供与体を接触させることにより、(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分1gあたり0.1〜100gのポリマーを予備的に重合させ、さらに必要に応じて(β)有機アルミニウム化合物および(γ)外部電子供与体を接触させる。
または、不活性ガス雰囲気あるいはオレフィンガス雰囲気に設定した予備重合系内にまず(β)有機アルミニウム化合物を装入し、次いで(γ)外部電子供与体を装入して接触させ、さらに(α)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分を装入して接触させた後、プロピレン等のオレフィンおよび/または1種以上のオレフィン類を接触させる。
(1)固体触媒成分の調製
窒素ガスで十分に置換された、撹拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム10gおよびトルエン80mlを装入して、懸濁状態とした。次いで該懸濁溶液に四塩化チタン20mlを加えて昇温し、80℃に達した時点でジイソブチルマロン酸ジメチル3.10mlを加え、さらに昇温して110℃とした。その後110℃の温度を保持した状態で、1時間撹拌しながら反応させた。次いで、90℃のトルエン100mlで3回洗浄し、新たに四塩化チタン20mlおよびトルエン80mlを加え、110℃に昇温し、1時間撹拌しながら反応させた後、40℃のn−ヘプタン100mlで7回洗浄して、固体触媒成分を得た。なお、この固体触媒成分中の固液を分離して、固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、3.6質量%であった。
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13ミリモルおよび上記(1)で得た固体触媒成分をチタン原子換算で0.0026ミリモル装入し、重合用触媒を調製した。
上記重合用触媒を含む攪拌機付オートクレーブに対し、水素ガス2.0リットルと液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行うことにより、重合体(ポリプロピレン)を得た。
固体触媒成分1g当たりの重合活性、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)、得られた重合体のMFR(MFR)を表1に示す。
(重合体の質量(g)/固体触媒成分の質量(g))/1(時間)
キシレン溶解成分の測定方法;攪拌装置を具備したフラスコ内に、4.0gの重合体と、200mlのp−キシレンを装入し、外部温度をキシレンの沸点以上(約150℃)とすることにより、フラスコ内部のp-キシレンの温度を沸点下(137〜138℃)に維持しつつ、2時間かけて重合体を溶解した。その後23℃まで冷却し、不溶解成分と溶解成分とを濾過分別した。上記溶解成分の溶液を採取し、加熱減圧乾燥によりp−キシレンを留去し、得られた残留物をキシレン可溶分(XS)とし、その質量を重合体(ポリプロピレン)に対する相対値(質量%)で求めた。
重合体の溶融流れ性を示すメルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238、JIS K 7210に準じて測定した。
窒素ガスで充分に置換した、撹拌機を具備した容量200mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム20gおよびトルエン100mlを装入して懸濁状態とした後、ジイソブチルマロン酸ジメチル3.00mlを加え、液温を10℃に保持して懸濁溶液を得た。一方、窒素ガスで充分に置換した、攪拌機を具備した容量500mlの丸底フラスコに、予め四塩化チタン40mlおよびトルエン60mlからなる混合溶液を装入し、液温を10℃に保持しておき、この混合溶液に上記懸濁液を添加した。次いで、液温を10℃から90℃まで80分かけて昇温し、90℃に到達した時点でジイソブチルマロン酸ジメチル3.50mlを添加後、液温90℃を維持しつつ、2時間攪拌しながら反応させた。
反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン200mlで4回洗浄し、新たに四塩化チタン60mlおよびトルエン140mlを加え、その後112℃に昇温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン200mlで10回洗浄して、固体触媒成分を得た。なお、この固体触媒成分中の固液を分離して、固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、3.4質量%であった。
また、得られた固体触媒成分を用い、実施例1と同様にして、更に重合触媒の調製および重合を行った。実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.10mlの代わりに、ジイソブチルマロン酸ジメチル4.50mlを用いた以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合反応を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.9質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlの代わりに、ジイソプロピルマロン酸ジメチル2.78mlを用いた以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.4質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlの代わりに、ジ−n−プロピルマロン酸ジメチル2.76mlを用いた以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.3質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlの代わりに、ジ−n−ブチルマロン酸ジメチル3.12mlを用いた以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.3質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlの代わりに、ジネオペンチルマロン酸ジメチル3.50mlを用いた以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.3質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlの代わりに、ビス(3−クロロ−n−プロピル)マロン酸ジメチル4.35mlを用いた以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.1質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlの代わりに、ジブロモマロン酸ジメチル3.70mlを使用した以外は実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は2.5質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13ミリモルの代わりに、ジシクロペンチルジメトキシシラン0.13ミリモルを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13ミリモルの代わりに、ジイソプロピルジメトキシシラン0.13ミリモルを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13ミリモルの代わりに、ジエチルアミノトリエトキシシラン0.13ミリモルを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.13ミリモルの代わりに、ジシクロペンチルビス(エチルアミノ)シラン0.13ミリモルを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
窒素ガスで十分に置換された、500mlの丸底フラスコに、n−ヘプタン120mlを導入した後、無水塩化マグネシウム15g、テトラブトキシチタン106mlを添加して、90℃で1.5時間反応させて均一な溶解液とした後、該溶解液を40℃に冷却した。40℃に保持したままメチルハイドロジェンポリシロキサン(20センチストークスのもの)を24ml添加し、5時間析出反応を行った後、析出した固体生成物をn−ヘプタンで充分に洗浄した。
次いで、窒素ガスで十分に置換された攪拌装置を備えた容量500mlの丸底フラスコに、上記析出した固体生成物を40g導入し、更にn−ヘプタンを導入して、固体生成物の濃度が200mg/mlとなる様にした。ここに、SiCl4を12ml添加して、90℃で3時間反応させた。反応生成物をn−ヘプタンで充分に洗浄し、反応生成物の濃度が100mg/mlとなる様にn−ヘプタンを導入した。ジイソブチルマロン酸ジメチル4.68mlを添加し、70℃で1時間反応を行った。反応生成物をn−ヘプタンで充分に洗浄し、新たにn−ヘプタンを100ml導入した。次いで、TiCl420mlを加えた後、95℃で3時間反応させた。反応終了後、上澄みを抜き出し、さらにTiCl4を20ml追加し、100℃で2時間反応させた後、反応生成物をn−ヘプタンで充分に洗浄し、得られた固体生成物を減圧乾燥して粉末状の固体触媒成分を得た。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.5質量%であった。
また、得られた固体触媒成分を用いた以外は、実施例1と同様にして、更に重合触媒の調製および重合を行った。実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性と、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRとを求めた。結果を表1に示す。
(1)固体触媒成分の調製
窒素ガスで十分に置換した、撹拌機を備えた容量200mlの丸底フラスコにジエトキシマグネシウム20g、トルエン100mlおよび、ジイソブチルマロン酸ジメチル3.00mlを加えて懸濁液を形成した。次いで、該懸濁溶液を、窒素ガスで十分に置換され、攪拌機を備えた容量500mlの丸底フラスコ中に予め装入された、四塩化チタン40mlおよびトルエン60mlからなる混合溶液中に1時間かけて全量添加した後、液温を−10℃に冷却し、1時間保持した。次いで、液温を−10℃から100℃まで100分かけて昇温し、90℃に到達した時点でジイソブチルマロン酸ジメチル3.50mlを添加し、さらに液温を112℃まで昇温した後、液温112℃を維持しつつ2時間攪拌しながら反応させた。
反応終了後、得られた固体生成物を90℃のトルエン200mlで4回洗浄し、新たに四塩化チタン60mlおよびトルエン140mlを加え、その後112℃に昇温し、液温112℃を維持しつつ2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、40℃のn−ヘプタン200mlで10回洗浄して、固体触媒成分を得た。この固体触媒成分中の固液を分離して、固体触媒成分中のチタン含有率を測定したところ、3.1質量%であった。
窒素ガスで完全に置換された内容積2.0リットルの撹拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム2.4ミリモル、ジシクロペンチルジメトキシシラン0.24ミリモルおよび上記(1)で得た固体触媒成分をチタン原子換算で0.003ミリモル装入し、重合用触媒を調製した。
(i)上記重合用触媒を含む攪拌機付オートクレーブに対し、液化プロピレン15モルと水素ガス0.20MPa(分圧)を装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後、昇温して、70℃で75分間、第一段階の重合反応(ホモ段)を行なうことにより、ホモポリプロピレン(ホモPP)を得た。第一段階の重合終了後、未反応のモノマーを放出してオートクレーブ内を常圧に戻した。
次いで、上記撹拌機付オートクレーブ内を窒素置換してからオートクレーブの計量を行ない、オートクレーブの風袋質量を差し引いて、ホモPPの生成量を求め、実施例1と同様にして固体触媒成分1g当たりの重合活性を算出した。また、実施例1と同様にして、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)およびMFRを求めた。
重合終了後、ガスの供給を停止し、未反応のモノマーを放出してオートクレーブ内を常圧に戻し、さらに窒素置換してからオートクレーブの質量を測定し、共重合体の生成質量を求めた。また、ホモPP部の触媒の重合活性、溶融流動性、立体規則性、共重合活性、ブロック率の結果を表2に示す。
なお、ホモPP部形成時における触媒の重合活性、ホモPP部の立体規則性(キシレン可溶分(XS(質量%))、ホモPP部の溶融流動性(メルトフローレート(MFR))、エチレン・プロピレンブロック共重合体形成時におけるエチレン・プロピレンブロック共重合活性と得られた共重合体のブロック率は以下の方法により測定したものである。
ホモPP部形成時における触媒の重合活性(ホモ段重合活性)を、以下の式により算出した。
ホモPP部形成時における触媒の重合活性(g−PP/(g−cat・時間))=(ホモPP生成量(g)/固体触媒成分の質量(g))/1.25(時間)
ホモPP生成量(g)は、「ホモPP重合終了後、未反応モノマーを除去した後のオートクレーブ質量(g)−オートクレーブ質量(g)」により算出することができる。
得られた触媒の重合活性を、表2中、「第一工程(ホモ段)重合活性」欄に示す。
重合器から抜き出したホモPP部の重合体を測定試料として用いた以外は、実施例1と同様にして、ホモPP部の立体規則性(キシレン可溶分(XS(質量%)を測定した。
得られたホモPP部の溶融流動性(メルトフローレート(MFR))は、ASTM D1238に準じて測定した。
エチレン・プロピレンブロック共重合体形成時におけるエチレン・プロピレンブロック共重合活性および得られた共重合体のブロック率を、以下の式により算出した。
共重合活性(g−ICP/(g−cat・時間))=((I(g)−G(g))/固体触媒成分の質量(g))/1.0(時間)
ブロック率(質量%)={(I(g)−G(g))/(I(g)−F(g))}×100
但し、Iは共重合反応終了後のオートクレーブ質量(g)、GはホモPP重合終了後、未反応モノマーを除去した後のオートクレーブ質量(g)、Fはオートクレーブ質量(g)である。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlに代えて、ジイソブチルマロン酸ジエチル3.90mlを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は4.1質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)、得られた重合体のMFRを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlに代えて、メチルイソブチルマロン酸ジメチル2.60mlを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.2質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)、得られた重合体のMFRを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlに代えて、n−ブチルイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlを使用した以外は、実施例1と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.2質量%であった。
また、実施例1と同様にして、固体触媒成分1g当たりの重合活性、得られた重合体のキシレン可溶分(XS)、得られた重合体のMFRを求めた。結果を表1に示す。
ジイソブチルマロン酸ジメチル3.12mlに代えて、メチルイソブチルマロン酸ジメチル2.60mlを使用した以外は、実施例15と同様にして、固体触媒成分を調製し、更に重合触媒の調製および重合を行った。得られた固体触媒成分中のチタン含有量は3.0質量%であった。
また、実施例15と同様にして、ホモPP部形成時における触媒の重合活性(ホモ段重合活性)、ホモPP部の立体規則性(キシレン可溶分(XS(質量%))、ホモPP部の溶融流動性(メルトフローレート(MFR))、エチレン・プロピレンブロック共重合体形成時におけるエチレン・プロピレンブロック共重合活性と得られた共重合体のブロック率を測定した。結果を表2に示す。
また、表2の結果から、実施例15で得られた本発明の固体触媒成分を含んでなる重合用触媒は、高い立体規則性と溶融流動性(MFR)を維持しつつ、共重合活性および共重合特性に優れたエチレン・プロピレンブロック共重合体(ICP)を製造し得るものであることが分かる。
これに対して、比較例1〜比較例3で得られた固体触媒成分を含んでなる重合用触媒は、水素活性が低いためにMFRが低下しているか(比較例1〜比較例3)、立体規則性および重合活性が低い(比較例2および比較例3)ものであることが分かる。また、比較例4で得られた固体触媒成分を含んでなる重合用触媒は、エチレン・プロピレンブロック共重合体(ICP)に求められる、立体規則性、溶融流動性(MFR)、共重合活性、ブロック率等が劣るものであることが分かる。
Claims (11)
- (a)マグネシウム化合物、(b)下記一般式(I)
R1 2C(COOCH3)2 (I)
(式中、R1は炭素数3〜20の分岐鎖状アルキル基、ハロゲン原子、炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、ビニル基およびアリル基から選ばれるいずれか一種である。)で表される内部電子供与体、および(c)4価のハロゲン化合物を、不活性有機溶媒中で接触させてなることを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。 - 前記一般式(I)におけるR1が、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−プロピル基、n−ブチル基および、ハロゲン原子が1または2置換した炭素数2〜20の直鎖状または分岐鎖状ハロゲン置換アルキル基から選ばれるいずれか一種である請求項1に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記(a)マグネシウム化合物がジアルコキシマグネシウムである請求項1または請求項2に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- 前記(c)4価のハロゲン化合物が四塩化ケイ素あるいは四塩化チタンである請求項1〜請求項3のいずれかに記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
- (α)請求項1〜4のいずれかに記載のオレフィン類重合用固体触媒成分、(β)下記一般式(II)
R2 pAlQ3−p (II)
(式中、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲン原子を示し、pは0<p≦3の実数であり、R2が複数存在する場合各R2は同一であっても異なっていてもよく、Qが複数存在する場合各Qは同一であっても異なっていてもよい。)で表される有機アルミニウム化合物、および(γ)外部電子供与体
を接触させてなることを特徴とするオレフィン類重合用触媒。 - 前記(γ)外部電子供与体が、下記一般式(III)
R3 qSi(OR4)4−q (III)
(式中、R3は、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基または炭素数6〜15の芳香族炭化水素基若しくは置換基を有する芳香族炭化水素基を示し、R3が複数存在する場合、各R3は互いに同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜4のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を示し、R4が複数存在する場合、各R4は互いに同一であっても異なっていてもよく、qは0〜3の整数である。)
で表される有機ケイ素化合物および下記一般式(IV)
(R5R6N)sSiR7 4−s (IV)
(式中、R5およびR6は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜20のアルケニル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基または炭素数6〜20のアリール基を示し、R5R6N基を構成するR5およびR6は互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。R5R6N基が複数存在する場合、各R5R6N基は互いに同一であっても異なっていてもよい。R7は炭素数1〜20のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ビニルオキシ基、炭素数3〜20のアルケニルオキシ基、炭素数3〜20のシクロアルキル基若しくはシクロアルキルオキシ基または炭素数6〜20のアリール基若しくはアリールオキシ基を示し、R7が複数存在する場合、複数のR7は同一であっても異なっていてもよい。sは1〜3の整数である。)
で表されるアミノシラン化合物から選択される一種以上である
請求項5に記載のオレフィン類重合用触媒。 - 前記(γ)外部電子供与体が、フェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、t−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソペンチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルシクロペンチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、t−ブチルメチルビス(エチルアミノ)シラン、ジシクロヘキシルビス(エチルアミノ)シラン、ジシクロペンチルビス(エチルアミノ)シラン、ビス(パーヒドロイソキノリノ)ジメトキシシラン、ジエチルアミノトリメトキシシランおよびジエチルアミノトリエトキシシランから選択される一種以上である
請求項5に記載のオレフィン類重合用触媒。 - 前記(γ)外部電子供与体が、下記一般式(V)
R8OCH2CR9R10CH2OR11 (V)
(式中、R9およびR10は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基若しくはハロゲン置換芳香族炭化水素基、置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基または炭素数2〜12のジアルキルアミノ基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。R8およびR11は、炭素数1〜12のアルキル基、ビニル基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基若しくはハロゲン置換芳香族炭化水素基または置換基を有する炭素数7〜12の芳香族炭化水素基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされるジエーテル化合物から選択される一種以上である
請求項5に記載のオレフィン類重合用触媒。 - 前記一般式(V)で表されるジエーテル化合物が、2−イソプロピル−2−イソブチル−1,3−ジメトキシプロパンまたは9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンである請求項8に記載のオレフィン類重合用触媒。
- 請求項5〜請求項9のいずれかに記載のオレフィン重合用触媒の存在下に、オレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
- 得られるオレフィン類重合体がプロピレン単独重合体またはプレピレンと他のオレフィンとの共重合体である請求項10に記載のオレフィン類重合体の製造方法。
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