JPWO2012053456A1 - 水素化銅微粒子分散液の製造方法、導電インクおよび導体付き基材の製造方法 - Google Patents

水素化銅微粒子分散液の製造方法、導電インクおよび導体付き基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、下記溶媒(A)中で、下記アルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する水素化銅微粒子分散液の製造方法に関する:溶媒(A):溶解度パラメータ(SP値)が8〜12であり、かつ前記ヒドリド系還元剤に対して不活性な溶媒、アルキルアミン(B):炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミン。

Description

本発明は、水素化銅微粒子分散液の製造方法、導電インクおよび導体付き基材の製造方法に関する。
例えば、プリント配線等の回路パターン等を有する導体付き基材の製造方法としては、銀、銅等の金属微粒子を分散させた分散液からなる導電インクを、基材上にインクジェット印刷法により印刷し、焼成して導体を形成する方法が知られている。金属微粒子としては、コストの点で、銀微粒子よりも銅微粒子の方が有利である。しかし、銅微粒子は、酸化されやすいため、導体の体積抵抗率が増大し、導電性が低下する問題がある。
そこで、導体の体積抵抗率の増大を抑制するために、大気中で酸化され難い水素化銅微粒子が分散された水素化銅微粒子分散液が示されている(特許文献1)。該水素化銅微粒子分散液の製造方法としては、銅(II)イオンを含むpH3以下の水溶液に、ドデシルアミン等のアルキルアミンと、非水溶性の有機性液体を加え、NaBH等で銅(II)イオンを還元し、その後に有機相を分離する方法が示されている。該方法において、水相で銅(II)イオンの還元により生成する水素化銅の微粒子は、その表面にアルキルアミンが配位することで有機相中へと取り込まれる。これにより、生成した水素化銅が水中で銅(II)イオンと酸化銅(II)に変化することが抑制される。
得られた水素化銅微粒子分散液を使用して導体付き基材を製造する際には、基材上に塗布した後に焼成する。これにより、水素化銅微粒子中の水素化銅が金属銅に変換され、さらに微粒子表面のアルキルアミンが脱離し、金属銅微粒子同士が溶融、結合することで導体が形成される。
国際公開第04/110925号パンフレット
特許文献1に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法では、得られた水素化銅微粒子分散液を使用して導体を形成する際には、150℃を超える温度(例えば350℃程度)での焼成が必要となる。焼成温度が高いと、基材自体の熱劣化の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の材質の基材には適用できない。
本発明は、PET、PEN等の基材に対しても、体積抵抗率の小さい導体を形成できる水素化銅微粒子分散液の製造方法の提供を目的とする。また、本発明は、前記製造方法により得た水素化銅微粒子分散液を使用した導電インク、および該導電インクを使用した導体付き基材の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
[1]下記溶媒(A)中で、下記アルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する水素化銅微粒子分散液の製造方法:
溶媒(A):溶解度パラメータ(SP値)が8〜12であり、かつ前記ヒドリド系還元剤に対して不活性な溶媒、
アルキルアミン(B):炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミン。
[2]前記銅(II)塩が、酢酸銅(II)、ギ酸銅(II)、硝酸銅(II)および炭酸銅(II)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
[3]前記銅(II)塩と前記アルキルアミン(B)のモル比(Cu/B)が1.8以下である、[1]または[2]に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
[4]前記アルキルアミン(B)が、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、1−アミノデカンおよび1−アミノウンデカンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、[1]〜[3]のいずれか一つに記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
[5]平均一次粒子径100nm以下の水素化銅微粒子が分散した水素化銅微粒子分散液を得る、[1]〜[4]のいずれか一つに記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
[6][1]〜[5]のいずれか一つに記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法により製造した水素化銅微粒子分散液を用いて製造した導電インク。
[7]基材上に、[6]に記載の導電インクを塗布し、加熱して導体を形成する、導体付き基材の製造方法。
本発明の水素化銅微粒子分散液の製造方法によれば、PET、PEN等の基材に対しても、体積抵抗率の小さい導体を形成できる水素化銅微粒子分散液が得られる。
また、本発明の導電インクは、PET、PEN等の基材に対しても、体積抵抗率の小さい導体を形成できる。
また、本発明の導体付き基材の製造方法によれば、PET、PEN等の基材でも、体積抵抗率の小さい導体を有する導体付き基材が得られる。
<水素化銅微粒子分散液の製造方法>
本発明の水素化銅微粒子分散液の製造方法は、後述する溶媒(A)中で、後述するアルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する方法である。
銅(II)塩としては、アルキルアミン(B)と銅(II)アミン錯体を形成できる塩が使用できる。銅(II)塩は、無水物でも水和物でもよい。
銅(II)塩は、CuXまたはCuYと表される。ここで、Xは1価の塩基、Yは2価の塩基である。この銅(II)塩がヒドリド系還元剤によって還元されて水素化銅微粒子が生成する際、銅(II)塩に含まれるXはHXとして、YはHYとして、遊離すると考えられる。本発明においては、この遊離するHXまたはHY(以下、遊離酸ともいう)の沸点または分解点が150℃以下の塩が好ましい。これは、遊離酸が導体形成の際の加熱時に揮発しやすく、体積抵抗率が低い導体を形成しやすいからである。
銅(II)塩としては、例えば、シュウ酸銅(II)(遊離するシュウ酸の分解点:189.5℃)、塩化銅(II)(遊離する塩酸の沸点110℃)、酢酸銅(II)(遊離する酢酸の沸点:118℃)、ギ酸銅(II)(遊離するギ酸の沸点:100.75℃)、硝酸銅(II)(遊離する硝酸の沸点:82.6℃)、硫酸銅(II)(遊離する硫酸の沸点:290℃)、酒石酸銅(II)(遊離する酒石酸の沸点、分解点:不明)、クエン酸銅(II)(遊離するクエン酸の分解点:175℃)、炭酸銅(II)(遊離する炭酸の沸点、分解点:不明)、オレイン酸銅(II)(遊離するオレイン酸の沸点:193℃/100Pa、分解点:400℃以上)が挙げられる。なかでも、酢酸銅(II)、ギ酸銅(II)、硝酸銅(II)、炭酸銅(II)が好ましい。
銅(II)塩は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ヒドリド系還元剤としては、例えば、NaBH、LiBH、Zn(BH、(CHNBH(OCOCH、NaBHCN、LiAlH、(i−Bu)AlH(DIBAL)、LiAlH(t−BuO)、NaAlH(OCHCHOCH(Red−Al)等が挙げられる。なかでも、水素化銅微粒子の粒子径の制御に重要である還元速度が調節しやすい点から、NaBH、LiBH、およびNaBHCNからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ヒドリド系還元剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒(A)は、溶解度パラメータ(SP値)が8〜12の溶媒である。SP値が8〜12であれば、溶媒(A)と水との相溶性が低く、反応系中に水が混入することを抑制できる。これにより、溶媒(A)中に溶解したヒドリド系還元剤が水と反応して不活性化することを抑制できる。
溶媒(A)のSP値は、8.5〜9.5がより好ましい。
溶媒(A)としては、例えば、シクロヘキサン(SP値8.2)、酢酸イソブチル(SP値8.3)、酢酸イソプロピル(SP値8.4)、酢酸ブチル(SP値8.5)、四塩化炭素(SP値8.6)、エチルベンゼン(SP値8.8)、キシレン(SP値8.8)、トルエン(SP値8.9)、酢酸エチル(SP値9.1)、テトラヒドロフラン(SP値9.1)、ベンゼン(SP値9.2)、クロロホルム(SP値9.3)、塩化メチレン(SP値9.7)、二硫化炭素(SP値10.0)、酢酸(SP値10.1)、ピリジン(SP値10.7)、ジメチルホルムアミド(SP値12.0)等が挙げられる。
また、溶媒(A)としては、還元反応に使用するヒドリド系還元剤に対して不活性な溶媒を使用する。すなわち、溶媒(A)として、還元反応に使用するヒドリド系還元剤によって還元されない溶媒、または活性水素を持たない溶媒を使用することによって、ヒドリド系還元剤による不活性化を抑制できる。
溶媒(A)としては、還元反応の制御が容易な点、および生成する水素化銅微粒子の分散性の点から、トルエン、キシレン、べンゼン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル等のエステル類;が好ましく、トルエン、キシレンが特に好ましい。
溶媒(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ヒドリド系還元剤は種類によって還元力に差がある。例えば、NaBHはエステル類を還元しないが、LiAlHをエステル類を還元する。よって、使用するヒドリド系還元剤の種類により、前記溶媒(A)として記載された溶媒から、適切な溶媒を選択して使用する。
アルキルアミン(B)は、炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミンである。
アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数が7以上であれば、生成する水素化銅微粒子の分散性が良好となる。なお、本発明では反応場が有機相であるため、水からの保護を目的として、炭素数の大きいアルキルアミンを使用する必要がない。アルキルアミン(B)におけるアルキル基の炭素数は、沸点が高くなりすぎることを抑制する点から、11以下が好ましい。
アルキルアミン(B)の沸点が250℃以下であれば、導体を形成する際、150℃以下の加熱でもアルキルアミン(B)が微粒子表面から脱離し、揮発して体積抵抗率の低い導体を形成できる。アルキルアミン(B)の沸点は、加熱時の脱離性および揮発性の点から、250℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。また、アルキルアミン(B)の沸点は、アルキル基の炭素数を7以上とする点から、通常は150℃以上が好ましい。
アルキルアミン(B)のアルキル基は、得られる水素化銅微粒子の分散安定性の点から、直鎖アルキル基が好ましい。ただし、アルキルアミン(B)のアルキル基は、分岐アルキル基であってもよい。
アルキルアミン(B)としては、n−ヘプチルアミン(アルキル基の炭素数7、沸点157℃)、n−オクチルアミン(アルキル基の炭素数8、沸点176℃)、n−ノニルアミン(アルキル基の炭素数9、沸点201℃)、1−アミノデカン(アルキル基の炭素数10、沸点220℃)、1−アミノウンデカン(アルキル基の炭素数11、沸点242℃)が好ましく、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミンがより好ましい。
アルキルアミン(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の水素化銅微粒子分散液の製造方法では、アルキルアミン(B)の存在下において、ヒドリド系還元剤で銅(II)塩を還元することで水素化銅微粒子を生成させる。アルキルアミン(B)の存在下では、アルキルアミン(B)が銅(II)に配位して銅(II)アミン錯体が形成された後、該銅(II)アミン錯体がヒドリド系還元剤によって還元される。これにより、銅(II)塩の急激な還元による水素化銅の塊の形成を抑制でき、水素化銅の微粒子の表面にアルキルアミン(B)が配位した水素化銅微粒子が生成する。
また、本発明の製造方法では、ヒドリド系還元剤の溶媒(A)に対する溶解性がさほど高くないため、大半が固形状で溶媒(A)中に存在し、一部が溶媒(A)中に溶解している。この溶媒(A)中に溶解しているヒドリド系還元剤が銅(II)塩を還元して消費されると、固形状で存在するヒドリド系還元剤が溶媒(A)に徐々に溶解する。そして、溶媒(A)に徐々に溶解したヒドリド系還元剤が順次還元反応に寄与するので、還元反応が急激に進行せず、水素化銅微粒子が安定して生成する。
生成する水素化銅微粒子は、表面にアルキルアミン(B)が配位していることで、溶媒(A)中に分散できる。
銅(II)塩、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)を溶媒(A)に添加する順序は、アルキルアミン(B)、銅(II)塩、ヒドリド系還元剤の順が好ましい。これにより、前記銅(II)アミン錯体が形成された後に、該銅(II)アミン錯体のヒドリド系還元剤による還元が進行しやすくなり、水素化銅微粒子がより安定して得られる。
ただし、銅(II)塩、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)を溶媒(A)に添加する順序は、ヒドリド系還元剤による還元反応がアルキルアミン(B)の存在下で進行する順序であれば前記順序には限定されない。例えば、溶媒(A)に、アルキルアミン(B)、ヒドリド系還元剤、銅(II)塩の順に添加してもよい。この場合、ヒドリド系還元剤は溶媒(A)中に固形状で存在しており、溶媒(A)中で前記銅(II)アミン錯体が形成された後、固形状で存在する該銅(II)アミン錯体がヒドリド系還元剤と反応する。さらに、ヒドリド系還元剤、アルキルアミン(B)、銅(II)塩の順に添加しても、差し支えない。
ヒドリド系還元剤による還元反応は、溶媒(A)を撹拌しながら行ってもよい。これにより、還元反応が進行しやすくなる。
反応温度は、0〜80℃が好ましく、15〜50℃がより好ましい。反応温度が前記範囲の下限以上であれば、還元反応が進行しやすい。反応温度が前記範囲の上限以下であれば、得られる水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散性が良好であり、その結果、体積抵抗率の小さい導体を形成しやすくなる。
銅(II)塩の添加量は、水素化銅微粒子の生産性の点から、溶媒(A)の1gに対して、0.1×10−3モル以上が好ましく、0.15×10−3モル以上がより好ましく、0.25×10−3モル以上が特に好ましい。また、銅(II)塩の添加量は、還元反応の制御が容易な点から、溶媒(A)の1gに対して、0.65×10−3モル以下が好ましく、0.6×10−3モル以下がより好ましく、0.5×10−3モル以下が特に好ましい。
アルキルアミン(B)の添加量は、得られる水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散性が良好になる点から、溶媒(A)の1gに対して、0.2×10−3モル以上が好ましく、0.25×10−3モル以上がより好ましく、0.3×10−3モル以上が特に好ましい。また、アルキルアミン(B)の添加量が過剰であると、銅(II)塩に配位しきれなかったアルキルアミン(B)が導体形成時に残留し、導体の体積抵抗率を上昇させるおそれがある。よって、アルキルアミン(B)の量の上限は、溶媒(A)の1gに対して、0.75×10−3モル以下が好ましく、0.7×10−3モル以下がより好ましく、0.6×10−3モル以下が特に好ましい。
ヒドリド系還元剤の添加量は、水素化銅微粒子の収率の点から、溶媒(A)の1gに対して、0.25×10−3モル以上が好ましく、0.3×10−3モル以上がより好ましく、0.35×10−3モル以上が特に好ましい。また、ヒドリド系還元剤の添加量は、還元反応の制御が容易な点から、溶媒(A)の1gに対して、0.65×10−3モル以下が好ましく、0.55×10−3モル以下がより好ましく、0.5×10−3モル以下が特に好ましい。
溶媒(A)中に添加する銅(II)塩(Cu)とアルキルアミン(B)のモル比(Cu/B)は、生成する水素化銅微粒子の分散安定性が良好となる点から、1.8以下が好ましく、1.4以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。また、前記モル比(Cu/B)は、導体形成時の加熱による、アルキルアミン(B)の微粒子表面からの脱離および揮発が容易な点から、0.64以上が好ましく、0.85以上がより好ましい。
溶媒(A)に添加する銅(II)塩(Cu)とヒドリド系還元剤(R)のモル比(Cu/R)は、還元反応が充分に進行しやすい点から、1.42以下が好ましく、1.3以下がより好ましく、1.2以下が特に好ましい。また、前記モル比(Cu/R)は、還元反応の制御が容易な点から、0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上が特に好ましい。
生成させる水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は、100nm以下が好ましく、5〜70nmがより好ましく、5〜35nmが特に好ましい。水素化銅微粒子の平均一次粒子径が前記範囲の上限以下であれば、微粒子の特徴である低温での焼結性が良好となり、得られる導体の体積抵抗値を低くすることが可能になる。また、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が前記範囲の下限以上であれば、水素化銅微粒子を安定に分散させることができる。本明細書において、分散している粒子の最小単位を一次粒径とする。また、凝集状態にある粒子の場合は、凝集体を構成している個々の粒子を一次粒子とする。
水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、アルキルアミン(B)の添加量、およびヒドリド系還元剤の添加量により調節できる。アルキルアミン(B)の添加量を多くすることで、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が小さくなる傾向がある。また、ヒドリド系還元剤の添加量を少なくすることで、水素化銅微粒子の平均一次粒子径が小さくなる傾向がある。
なお、水素化銅微粒子の平均一次粒子径は、無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡または走査型電子顕微鏡を使用して測定し、それらの値を平均して求めた値である。
水素化銅微粒子分散液(100質量%)の固形分濃度は、1〜6質量%が好ましく、2.5〜4.5質量%がより好ましい。水素化銅微粒子分散液の固形分濃度が前記範囲の下限未満であると、濃縮工程に時間がかかり、生産性が低下するおそれがある。水素化銅微粒子分散液の固形分濃度が前記範囲の上限を超えると、水素化銅微粒子分散液中の水素化銅微粒子の分散安定性が悪化するおそれがある。
本発明における水素化銅微粒子は、加熱することでアルキルアミン(B)が脱離する。また、水素化銅は、例えば、60℃以上の加熱によって金属銅に変化する。そのため、本発明における水素化銅微粒子は、加熱により、粒子表面のアルキルアミン(B)を脱離させ、水素化銅を金属銅に変化させ、生じた金属銅微粒子同士を溶融、結合させることで導体を形成できる。
以上説明した本発明の水素化銅微粒子分散液の製造方法によれば、体積抵抗率の小さい導体を形成できる水素化銅微粒子が分散された水素化銅微粒子分散液が得られる。これは、水素化銅が金属銅に比べて酸化され難く、本発明の製造方法で生成する水素化銅微粒子の大気中での保存時、加熱時等における酸化が抑制されるためである。
また、本発明の水素化銅微粒子分散液の製造方法によれば、150℃以下での加熱でも導体を形成できる水素化銅微粒子が分散された水素化銅微粒子分散液が得られる。これは、水素化銅微粒子から変化した金属銅微粒子同士が、粒子の表面融解現象により低い温度(100〜120℃程度)でも溶融、結合するとともに、本発明の製造方法において、沸点が250℃以下のアルキルアミン(B)を使用することで、150℃以下の加熱でもアルキルアミン(B)が微粒子表面から脱離するためである。本発明の製造方法は、特許文献1に記載の方法のように銅(II)を水中で還元するのではなく、溶媒(A)中で還元するので、生成した水素化銅を水相から有機相に取り込む必要がない。そのため、アルキルアミン(B)により、溶媒(A)中における水素化銅微粒子の分散性を確保しつつ、150℃以下の加熱における脱離性も確保できる。
<導電インク>
本発明の導電インクは、前述した製造方法により得た水素化銅微粒子分散液を用いて製造したインクである。
本発明の導電インクにおける溶媒は、前記溶媒(A)を使用してもよく、溶媒(A)以外の他の溶媒(以下、「溶媒(C)」と記す。)に置換してもよい。つまり、本発明の導電インクは、前記製造方法により得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度、粘度を調整するか、溶媒(A)を溶媒(C)に置換し、固形分濃度、粘度を調整することで得られる。
溶媒(C)としては、非水溶性の有機溶媒を使用することが好ましい。非水溶性とは、室温(20℃)における水100gへの溶解量が0.5g以下であることを意味する。溶媒(C)は、アルキルアミン(B)との親和性の点から、極性の小さい有機溶媒が好ましい。また、溶媒(C)は、導体を形成する際の加熱によって熱分解を起こさないものが好ましい。
溶媒(C)としては、例えば、デカン(水に不溶。)、ドデカン(水に不溶。)、テトラデカン(水に不溶。)、デセン(水に不溶。)、ドデセン(水に不溶。)、テトラデセン(水に不溶。)、ジペンテン(水100gへの溶解量0.001g(20℃)。)、α−テルピネオール(水100gへの溶解量0.5g(20℃)。)、メシチレン(水に不溶。)等が挙げられる。なかでも、インクの乾燥性の制御、塗布性の制御が容易である点から、α−テルピネオール、デカン、ドデカン、テトラデカンが好ましい。
溶媒(C)は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
水素化銅微粒子分散液の溶媒(A)を溶媒(C)に置換する方法としては、公知の溶媒置換方法を採用でき、例えば、溶媒(A)を減圧濃縮しつつ、溶媒(C)を添加する方法が挙げられる。
本発明の導電インク(100質量%)の固形分濃度は、要求される粘度によっても異なるが、15〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。導電インクの固形分濃度が前記範囲の下限以上であれば、充分な厚みを有する導体を形成しやすい。導電インクの固形分濃度が前記範囲の上限以下であれば、粘度、表面張力等のインク特性の制御が容易であり、導体の形成が容易になる。
本発明の導電インクの粘度は、5〜60mPa・sが好ましく、8〜40mPa・sがより好ましい。導電インクの粘度が前記範囲の下限以上であれば、精度良くインクを吐出できる。導電インクの粘度が前記範囲の上限以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
本発明の導電インクの表面張力は、20〜45dyn/cmが好ましく、25〜40dyn/cmがより好ましい。導電インクの表面張力が前記範囲の下限以上であれば、精度良くインクを吐出できる。導電インクの表面張力が前記範囲の上限以下であれば、入手しうるほとんどのインクジェットヘッドに適用可能となる。
<導体付き基材の製造方法>
本発明の導体付き基材の製造方法は、基材上に、前述した本発明の導体インクを塗布し、加熱して導体を形成する方法である。
基材としては、ガラス基板、プラスチック基材(PET基材、PEN基材等。)、繊維強化複合材料(ガラス繊維強化プラスチック基板等。)等が挙げられる。
導体インクを塗布する方法としては、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ、バーコータ、グラビアコータ、ダイコータ、スプレーコータ、スライドコータ等の方法が挙げられる。なかでも、インクジェット印刷が特に好ましい。
インクジェット印刷の場合、所望のパターンの導体の形成が容易な点から、インク吐出孔の孔径を0.5〜100μmとし、基材上に付着した際の導電インクの直径が1〜100μmとなるようにすることが好ましい。
基材上に導電インクを塗布した後の加熱温度は、60〜300℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
加熱時間は、加熱温度に応じて、溶媒(C)、銅(II)塩から遊離した酸、微粒子表面から脱離したアルキルアミン(B)等を揮発させて導体が形成できる時間を設定すればよい。
また、加熱は、形成する導体の酸化を抑制しやすい点から、窒素雰囲気等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
導体の厚さは、0.3〜2.0μmが好ましい。導体の厚さが0.3μm未満となる場合、薄すぎて所定の導電性を均一に得ることが難しくなるおそれがある。また、導体の厚さが2.0μm超となる場合、配線の厚みによる段差が回路形成上問題となるおそれがある。
導体の体積抵抗率は、3〜35μΩ・cmが好ましい。導体の体積抵抗率が3μΩ・cm未満の場合、得られる配線の抵抗値としては問題ないが、金属粒子の焼結が進み体積収縮が大きな状況となり、配線にクラックが生じるため好ましくない。一方、導体の体積抵抗率が35μΩ・cm超の場合、得られる配線の抵抗値が高く、回路設計によっては細線での導電パターンが形成できなくなるおそれがあるため好ましくない。
以上説明した導体付き基材の製造方法によれば、150℃以下の加熱でも導体を形成できるので、PET、PEN等の耐熱性が低い基材を使用する場合でも、体積抵抗率の小さい導体を有する導体付き基材が得られる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。例1〜4は実施例であり、例5、6は比較例である。
[測定方法]
(微粒子の同定)
微粒子の同定は、X線回折装置(リガク機器社製、RINT2500)を使用して行った。
(微粒子の平均粒子径)
無作為に抽出した100個の微粒子の粒子径を、透過型電子顕微鏡(日立製作所社製、H−9000)または走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)を使用して測定し、それらの値を平均して求めた。
(導体の厚さ)
導体の厚さは、接触式膜厚測定装置(Veeco社製、DEKTAK150)を使用して測定した。
(導体の体積抵抗率)
導体の体積抵抗率は、四探針式抵抗計(三菱油化社製、ロレスタGP MCP−T610)を使用して測定した表面抵抗値に、導体の厚さを乗じて求めた。
[例1]
ガラス容器に、溶媒(A)としてトルエンの300g、銅(II)塩としてギ酸銅(II)四水和物の30g、およびアルキルアミン(B)としてn−ヘプチルアミン(沸点157℃)の15gを加えて撹拌した。つぎに、ヒドリド系還元剤としてNaBHの4.5gを添加し、撹拌することによって、微粒子がトルエン中に分散した黒色の分散液を得た。
該分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は10nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は4質量%であった。
得られた水素化銅分散溶液を減圧濃縮し、溶媒(C)としてα−テルピネオールを添加することで、粘度を調整して導電インクを得た。得られた導電インクの固形分濃度は30質量%であった。
該導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素雰囲気下、150℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は20μΩ・cmであった。
[例2]
例1で示した導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素雰囲気下、120℃で1時間加熱し、導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は40μΩ・cmであった。
[例3]
n−ヘプチルアミンの代わりにn−オクチルアミン(沸点176℃)を使用した以外は、例1と同様にして分散液を得た。該分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は12nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は2.8質量%であった。
得られた水素化銅微粒子分散溶液を使用して、例1と同様にして導電インクを得た。該導電インクの固形分濃度は27質量%であった。
該導電インクを使用して、例1と同様にして導体付きPETフィルムを得た。形成した導体の体積抵抗率は27μΩ・cmであった。
[例4]
例1で示した導電インクを使用し、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをガラス基板上に印刷した。印刷後のガラス基板を、窒素雰囲気下、350℃で1時間加熱し、ガラス基板を得た。形成した導体の体積抵抗率は8μΩ・cmであった。
[例5]
n−ヘプチルアミンの代わりにステアリルアミン(沸点349℃)を使用した以外は、例1と同様にして分散液を得た。該分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は11nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は3.1質量%であった。
得られた水素化銅微粒子分散溶液を使用して、例1と同様にして導電インクを得た。該導電インクの固形分濃度は30質量%であった。
該導電インクを使用して、インクジェット印刷機により、長さ5cm、幅2mmの配線パターンをPETフィルム上に印刷した。印刷後のPETフィルムを、窒素雰囲気下、150℃で1時間加熱して金属膜付きPETフィルムを得た。しかし、形成された金属膜は、電気的な導通が観察されず、体積抵抗率は測定不能であった。
[例6]
n−ヘプチルアミンの代わりにテトラデシルアミン(沸点291℃)を使用した以外は、例1と同様にして分散液を得た。該分散液中の微粒子を回収し、X線回折で同定を行ったところ、水素化銅微粒子であることが確認された。水素化銅微粒子(一次粒子)の平均一次粒子径は12nmであった。また、得られた水素化銅微粒子分散液の固形分濃度は3.2質量%であった。
得られた水素化銅微粒子分散溶液を使用して、例1と同様にして導電インクを得た。該導電インクの固形分濃度は29質量%であった。
該導電インクを使用して、例5と同様にして金属膜付きPETフィルムを得た。しかし、形成された金属膜は、電気的な導通が観察されず、体積抵抗率は測定不能であった。
例1〜6における体積抵抗率の測定結果を表1に示す。
表1に示すように、アルキルアミン(B)を使用した例1〜3では、150℃以下の加熱でも体積抵抗率が小さい導体を形成できた。一方、沸点が250℃を超えるアルキルアミンを使用した例5および例6では、形成された金属膜の体積抵抗率が測定できず、導電性が発現しなかった。これは、150℃の加熱では微粒子表面がアルキルアミンが脱離せず、金属銅微粒子同士が充分に結合できなかったためであると考えられる。
また、例4では、ガラス基板を用い、加熱温度を350℃として導体を形成した。本発明の水素化銅微粒子分散液は樹脂製基板以外にも適用でき、より高い温度で加熱するとによって、さらに体積抵抗率が良好な導体を得ることもできる。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の範囲と精神を逸脱することなく、様々な修正や変更を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2010年10月21日出願の日本特許出願2010−236497に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (7)

  1. 下記溶媒(A)中で、下記アルキルアミン(B)の存在下、ヒドリド系還元剤により銅(II)塩を還元する水素化銅微粒子分散液の製造方法:
    溶媒(A):溶解度パラメータ(SP値)が8〜12であり、かつ前記ヒドリド系還元剤に対して不活性な溶媒、
    アルキルアミン(B):炭素数7以上のアルキル基を有し、かつ沸点が250℃以下のアルキルアミン。
  2. 前記銅(II)塩が、酢酸銅(II)、ギ酸銅(II)、硝酸銅(II)および炭酸銅(II)からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
  3. 前記銅(II)塩と前記アルキルアミン(B)のモル比(Cu/B)が1.8以下である、請求項1または2に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
  4. 前記アルキルアミン(B)が、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、1−アミノデカンおよび1−アミノウンデカンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
  5. 平均一次粒子径100nm以下の水素化銅微粒子が分散した水素化銅微粒子分散液を得る、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の水素化銅微粒子分散液の製造方法により製造した水素化銅微粒子分散液を用いて製造した導電インク。
  7. 基材上に、請求項6に記載の導電インクを塗布し、加熱して導体を形成する、導体付き基材の製造方法。
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