JPWO2012053075A1 - 蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

蓄電デバイスに利用されている反応物質により決まる、残容量の変化に対して、OCVの変化が小さい特性を示す領域がある蓄電デバイスであっても、蓄電デバイスの残容量や新品容量からの容量低下を推定し、高精度に状態検知を行なうことができる蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供する。ステップS1で満充電モードが要求されているかを判定し、満充電モードが要求されているときはステップS30〜S33で満充電制御の後SOHを算出する。また、満充電モードが要求されていないときは、ステップS2で状態検知モードが要求されているかを判定し、状態検知モードが要求されているときはステップS20〜S23で状態検知前充電を行った後SOCを算出する。さらに、ステップS2で状態検知モードが要求されていないときは、ステップS10〜S13で電流積算値からSOCを算出する。

Description

本発明は、蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置に関し、特に蓄電デバイスの残容量を高精度に求めて状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置に関するものである。
近年、蓄電デバイスに対するニーズが高まっており、例えば自動車では蓄電デバイスである蓄電池から電力供給を受けて動作する電気機器が多く搭載されるようになり、蓄電池の重要度がますます高まっている。近年はバイワイヤー化が進み、電動ブレーキ(EPB)に代表される安全系の部品を電気で制御するようになってきている。また、省エネや二酸化炭素の排出規制に伴って、交差点などでの短時間停止時のアイドリングストップ機能とその再始動能力の確保が求められている。
自動車以外の分野でも、例えば太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの利用を進める上で、発電電力量の平準化や余剰電力の蓄電のために蓄電デバイスが用いられる。さらに、停電時等に電気機器に電力供給を行うための安定化電源、補助電源等のバックアップ電源にも蓄電デバイスが用いられる。このような蓄電デバイスには、二次電池やキャパシタ等の電解液中または個体電解質中のイオンの移動を伴うものが用いられている。
元来、蓄電デバイスの残容量と電圧との関係がネルンストの式で定義されており、電圧を測定することで蓄電デバイスの性能を判断することができていた。例えば、特許文献1には、液式鉛蓄電池が充放電停止後十分に安定したときの開放端電圧(OCV:Open Circuit Voltage)と残容量(SOC:State of charge)との間に図4に示すような1:1に対応する関係があることが記載されており、このような安定時のOCVとSOCとの関係を用いて蓄電池の状態検知を行う技術が記載されている。
特開2007−178215号公報
しかしながら、蓄電デバイスの種類によっては、SOCが変化しているにもかかわらず安定時OCVがほとんど変化しないものがある。一例として、燐酸鉄系Liイオン電池におけるSOCと安定時OCVとの関係を図5に示す。同図において、SOCがSOC_1〜SOC_2[%]の範囲では安定時OCVの変化が非常に小さくなっている。ここで、SOC_1、SOC_2はそれぞれ、例えば25%、75%程度であり、50%程度と大きく変化している。そのため、SOCがSOC_1〜SOC_2の範囲にあるときは、安定時OCVを測定してSOCを求めようとしても十分な精度でSOCを得ることが難しいといった問題がある。
また、燐酸鉄系Liイオン電池の新品満充電に対する換算容量(SOH)が、劣化によって例えば図6のようにSOHaからSOHbに低下した場合でも、それぞれのSOCと安定時OCVとの間の関係が、それぞれ符号Aと符号Bで示すように、相対的にほとんど変化することなく維持される。すなわち、劣化前の安定時OCVの変化が小さいSOCの領域a(例えば25%〜75%)が、劣化後も相対的に同じ大きさのSOCの領域b(例えば25%〜75%)に維持される。そのため、安定時のOCVとSOCとの関係をもとにSOHを求めようとしても、これを精度良く求めることが極めて難しい。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、蓄電デバイスに利用されている反応物質により決まる、残容量の変化に対して、OCVの変化が小さい特性を示す領域がある蓄電デバイスであっても、蓄電デバイスの残容量や新品容量からの容量低下を推定し、高精度に状態検知を行なうことができる蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の第1の態様は、蓄電デバイスが搭載されたシステムの運用中に、残容量(SOC)及び新品満充電に対する換算容量(SOH)を算出して蓄電デバイスの状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知方法であって、前記システムの運用状態が状態検知モードとして、前記蓄電デバイスに対し所定容量の充電制御または放電制御(以下では単に充放電制御という)を行い、前記充放電制御を停止してから所定の基準時間が経過するまで前記蓄電デバイスの開放端電圧(OCV)を所定周期で測定し、前記OCVの時間変化の関数OCV(t)をもとに所定の電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記基準時間経過時の前記OCV(以下では基準OCVという)とを用いて前記蓄電デバイスの現在のSOCを算出し、前記システムが運用状態でかつ状態検知モードではないときには、所定の周期で測定した前記蓄電デバイスの電流を積算して電流積算値を算出し、前記電流積算値をSOC変化量に変換し、前記SOC変化量を前記状態検知モードで最後に算出された前記現在のSOCに加算して充放電中のSOCを算出し、前記蓄電デバイスが停止状態のときに満充電モードとして、前記蓄電デバイスに対し満充電になるまで満充電制御を行い、前記満充電制御を停止してから前記基準時間が経過するまで前記OCVを所定周期で測定し、前記OCVの時間変化の関数OCV(t)をもとに前記電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記満充電制御停止から前記基準時間経過時の前記基準OCVとを用いて前記蓄電デバイスの現在の新品満充電に対する換算容量(SOH)を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態検知モードでは、前記基準OCVが第1判定値より大きくかつ第2判定値以下のときは、前記基準OCVと前記電圧変化量とを変数とする事前に作成された第1の関数を用いて前記SOCを算出し、前記基準OCVが前記第1判定値以下あるいは前記第2判定値より大きいときは、前記基準OCVを変数とする事前に作成された別の関数を用いて前記SOCを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記満充電モードでは、前記基準OCVと前記電圧変化量とを変数とする事前に作成された第2の関数を用いて前記SOHを算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記電圧変化量は、前記充放電制御の停止または前記満充電制御の停止から前記基準時間が経過するまで前記OCVの測定結果から得られた時間の関数OCV(t)をもとに所定期間の積分値として算出されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記電圧変化量は、前記充放電制御の停止または前記満充電制御の停止から前記基準時間が経過するまで前記OCVの測定結果から得られた時間の関数OCV(t)をもとに異なる2以上の期間のそれぞれで積分値として算出されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記電圧変化量は、さらに前記基準OCVに前記所定期間の時間長さを乗じた値を減算して算出されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記電流積算値を前記満充電モードで最後に算出された前記SOHで除して前記SOC変化量に変換することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の第1の態様は、蓄電デバイス搭載システムの運用方法の一つである状態検知モードを実行時に残容量(SOC)を算出して状態検知を行う一方、前記運用方法の別の一つである満充電モードを実行時に新品満充電に対する換算容量(SOH)を算出して状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知装置であって、記憶部と、前記蓄電デバイス搭載システムが運用状態でかつ状態検知モード実行中のときに、前記蓄電デバイスに対し所定容量の充電制御または放電制御(以下では単に充放電制御という)を行い、前記充放電制御を停止してから所定の基準時間が経過するまで前記蓄電デバイスの開放端電圧(OCV)を所定周期で測定して前記記憶部に保存し、前記OCVをもとに所定の電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記基準時間経過時の前記OCV(以下では基準OCVという)とを用いて前記蓄電デバイスの現在のSOCを算出して前記記憶部に保存し、前記蓄電デバイス搭載システムが運用状態でかつ充放電中のときに、所定の周期で測定した前記蓄電デバイスの電流を積算して電流積算値を算出し、前記電流積算値をSOC変化量に変換し、前記状態検知モードで最後に算出された前記現在のSOCを前記記憶部から読み込んで前記SOC変化量に加算して充放電中のSOCを算出し、前記蓄電デバイス搭載システムが運用状態で満充電モードのとき、前記蓄電デバイスに対し満充電になるまで満充電制御を行い、前記満充電制御を停止してから前記基準時間が経過するまで前記OCVを所定周期で測定して前記記憶部に保存し、前記OCVをもとに前記電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記満充電制御停止から前記基準時間経過時の前記基準OCVとを用いて前記蓄電デバイスの現在のSOHを算出して前記記憶部に保存する状態検知部と、前記状態検知部から判定結果を入力して外部に出力する状態出力手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、蓄電デバイスに利用されている反応物質により決まる、残容量の変化に対して、OCVの変化が小さい特性を示す領域がある蓄電デバイスであっても、蓄電デバイスの残容量や新品容量からの容量低下を推定し、高精度に状態検知を行なうことができる蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置の構成を示すブロック図である。 電圧変化量及び安定時OCVのSOCに対する変化を比較したグラフである。 液式鉛蓄電池のSOCと安定時OCVとの関係を示すグラフである。 燐酸鉄系Liイオン電池のSOCと安定時OCVとの関係を示すグラフである。 劣化が進んだときの燐酸鉄系Liイオン電池のSOCと安定時OCVとの関係を示すグラフである。
本発明の好ましい実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。以下では、蓄電デバイスとして燐酸鉄系Liイオン電池を一例に、本発明の蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置について説明する。但し、以下で説明する内容は、燐酸鉄系Liイオン電池に限定されず、別の蓄電デバイスにも同様に適用できるものである。
本発明は、SOCの変化に対して安定時OCVの変化が小さいために、SOCを安定時OCVから精度よく求めるのが難しいとき、安定時OCVを用いる代わりに、充放電終了後、算出可能な所定の電圧変化量を用いることで、SOCを高精度に算出することができる蓄電デバイスの状態検知方法を提供する。上記の電圧変化量として、少なくとも安定時OCVの変化が小さいSOCの範囲において、SOCに対する変化が比較的大きな状態量を用いる。
また、上記のような特性を有する蓄電デバイスでは、劣化によりSOHが低下しても、上記のSOC対安定時OCVの関係がほとんど変化しないため、この関係をもとに劣化後の満充電容量、すなわちSOHを精度良く求めようとしても極めて難しい。そこで、本発明の蓄電デバイスの状態検知方法では、SOHについても上記の電圧変化量を用いて高精度に算出できるようにしている。すなわち、満充電後に測定した電圧変化量とSOHとの関係を予め作成し、これを参照データとして所定の記憶部に保存しておく。現在の満充電後の電圧変化量を指標として、参照データから該当するSOHを選定して現在のSOHを求める。参照データの形式は、関数やデータマップなど、自由な形式で保存してよい。
本発明の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を、図1、2を用いて説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図2は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置の構成を示すブロック図である。
図2(a)に示す本実施形態の状態検知装置100は、対象システム1に搭載された蓄電デバイス(蓄電池)10の状態検知を行うものである。対象システム1は、蓄電池10を充電するための充電手段11と、充電手段11による充電等を制御する制御手段12を備えている。また、対象システム1に搭載されている負荷20が蓄電池10に接続されており、蓄電池10から負荷20に電力供給が行われる。蓄電池10には電圧測定手段30及び電流測定手段31が接続されており、状態検知装置100はそれぞれの測定値を入力して状態検知を行う。さらに、必要に応じて温度測定手段32を蓄電池10に接続し、蓄電池10の温度測定値を入力して状態検知に用いるようにしてもよい。
状態検知装置100は、状態検知部110と、記憶部120と、状態出力手段130とを備えている。状態検知部110は、電圧測定手段30及び電流測定手段31からそれぞれ蓄電池10の電圧測定値及び電流測定値を入力し、本実施形態の状態検知方法による処理を行って蓄電池10の状態検知を行う。また、蓄電池10に温度測定手段32を接続し、これから温度測定値を入力して蓄電池10の状態検知に用いるようにしてもよい。記憶部120は、状態検知の処理に必要な各種参照データや測定データ等を保存する。さらに、状態出力手段130は、状態検知結果等を使用者等に通知する手段である。
なお、状態検知装置100は対象システム1の制御装置12の中に組み込まれる形態をとってもよい。あるいは、図2(b)に例示するように、状態検知装置100を対象システム1の外部に設け、測定データを記録する測定データ記録装置40を対象システム1の内部に備える構成としてもよい。測定データ記録装置40に記録されたデータは、有線や無線にかかわらず、遠隔通信を用いたり、持ち運び可能な記憶媒体を用いたりして、対象システム1の外部に設置された状態検知装置100に入力され、そこで状態を判定して状態検知を行なってもよい。
本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法では、対象システム1が運用状態にありかつ蓄電池10が充放電を行っているとき、対象システム1が運用状態にありかつ蓄電池10が状態検知モードを実行しているとき、及び対象システム1が運用状態にありかつ満充電モードを実行しているとき、のそれぞれで状態検知を行う。以下では、対象システム1が充放電中であるか状態検知モードにあるときを通常運用モードとし、対象システム1が蓄電池10を満充電にしているときを満充電モードとする。また、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法では、対象システム1が運用状態にありかつ蓄電池10の充放電を停止しているときに蓄電池10のOCVを測定して高精度な状態検知を行うことから、このときの状態検知を状態検知モードという。なお、蓄電デバイス搭載システムの運用方法において、蓄電デバイスが運用中の通常運用モードに対して、運用を停止状態にし、メンテナンスや停止を行なっている条件で、状態検知モードや満充電モードを選択して実施しても構わない。
蓄電池10として、SOC対安定時OCVの関係が図5に示すような変化を示す燐酸鉄系Liイオン電池、あるいはその他の蓄電デバイスを対象とする。以下ではまず、蓄電池10が充放電を停止している状態検知モードにおいて、蓄電池10のOCVを測定して状態検知を高精度に行う方法を説明する。
図5に示すSOC対安定時OCVの関係を有する蓄電池10は、安定時OCVがOCV_1(例えば3.28V)未満あるいはOCV_2(例えば3.31V)より大きいときには、SOCの変化に対して安定時OCVが大きく変化していることから、SOC対安定時OCVの関係を用いて安定時OCVからSOCを精度よく求めることができる。これに対し、安定時OCVがOCV_1以上OCV_2以下のときは、SOCがSOC_1〜SOC_2の広い範囲で変化しているのに対して安定時OCVがわずかしか変化しない。そこで、本実施形態では安定時OCVに代えてより変化の大きい所定の電圧変化量を用いることで、SOCを高精度に算出できるようにする。
上記の所定の電圧変化量は、充放電停止後の蓄電池10の内部状態が緩和途中にあるときの状態量から算出される。具体的には、充放電停止からの経過時間がtのときの蓄電池10のOCV測定値(以下ではOCV_now(t)とする)を用いて、下記で算出されるいずれかの電圧積算値を電圧変化量に用いることができる。
(1)充放電停止からの経過時間がt1からt2の間のOCV_now(t)の積算値(St1_t2とする)
Figure 2012053075
(2)充放電停止からの経過時間がt1からt2の間のOCV_now(t)と所定の基準OCV(OCV_baseとする)との差の積算値(DSt1_t2とする)
Figure 2012053075
式(2)において、基準OCVであるOCV_baseは、充放電停止後の蓄電池10の内部状態が安定したときの安定時OCVである。式(2)では、OCV_nowの積分値からOCV_base×Δtを減算するようにしているが、OCV_now(t)毎にOCV_baseを減算したものを積分するよりも演算回数を低減できるといった効果が得られる。燐酸鉄系Liイオン電池では、充放電停止から内部状態が安定するまでの時間が液式鉛蓄電池に比べて極めて短く、30分以上、例えば1時間程度で安定時OCVが得られる。また、Δt=t2−t1である。
上記のOCV測定時間やΔtは電池の種類により異なるため、参照データの取得が必要である。これら上記OCV測定時間やΔtは、同じ反応物質を用いた同じ規格に適合した蓄電デバイスであっても、内部で使用されている活物質の量や粒度、電解液の量、極板の厚さなどのパラメータにより変化するため、参照データの取得はそれぞれにおいて必要である。これら上記OCV測定時間やΔtは、同じ反応物質で同じ設計をされた蓄電デバイスであれば、参照データを1度作成すればよく、蓄電デバイスの設計が変更されない範囲で活用することが可能である。これら上記OCV測定時間やΔtは、組み電池や電池パックのような形式で使用した場合であっても、参照データを同様に作成して用いることができる。
式(2)で算出されるDSt1_t2のSOCに対する変化について、安定時OCVと比較したものを図3に示す。同図において、DSt1_t2の変化を符号Cで示し、安定時OCVの変化を符号Dで示している。同図に示すように、SOC_1〜SOC_2の間では、安定時OCVの変化が比較的小さいのに対し、DSt1_t2はSOC_1〜SOC_2の間で大きく変化している。
蓄電池10の充放電停止後の状態検知モードにおいて、状態検知部110によりn回目の状態検知が行われたとすると、このときの安定時OCVであるOCV_base_nと上記の電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nを用いて、蓄電池10のSOC_nを下記のように求めることができる。
Figure 2012053075
Figure 2012053075
または
Figure 2012053075
Figure 2012053075
上記の式(3)〜(5)で用いられる各関数F1(OCV_base_n)、G1(OCV_base_n、St1_t2_n)、G2(OCV_base_n、DSt1_t2_n)、F2(OCV_base_n)は、蓄電池10の特性に基づいてあらかじめ決定されて記憶部120の例えばROM部分に保存されている。OCV_base_nからSOC_nを算出する関数F1(OCV_base_n)及びF2(OCV_base_n)は、従来と同様のSOC対安定時OCVの関係を示す関数であり、一つの関数形で表すことも可能である。本実施形態では、OCV_base_nの変化が小さいOCV1とOCV2との間では、電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nをもとに関数G1(OCV_base_n、St1_t2_n)またはG2(OCV_base_n、DSt1_t2_n)を用いてSOC_nを算出する。
上記では、電圧変化量St1_t2_n及びDSt1_t2_nを、t1〜t2の1つの時間域(以下では、積算時間域とする)におけるOCV_now(t)の積算値及び(OCV_now(t)−OCV_base_n)の積算値としたが、2以上の積算時間域において積算値を算出して用いるようにしてもよい。一例として、t1〜t2の積算時間域に加えて、これと異なるt3〜t4の積算時間域においても電圧変化量St3_t4_n、DSt3_t4_nを算出するようにし、式(4−1)、式(4−2)を次式のように変更することで、SOC1_nをさらに高精度に算出できるようにすることができる。
Figure 2012053075
さらに、式(3)〜(5)を、蓄電池10の温度測定値を用いて温度補正した上で算出するようにすることも可能である。例えば、蓄電池10のOCVは温度の影響を受けると考えられることから、OCV_base_nが基準温度における安定OCVとなるように所定の温度関数に温度測定値を代入して補正し、この温度補正されたOCV_base_nを用いてSOC_nを算出させるようにすることが可能である。
次に、対象システム1が運用状態にありかつ蓄電池10が充放電中で状態検知モードを行うことができないときの状態検知方法を以下に説明する。蓄電池10が充放電中のときは、蓄電池10の電流測定値I_now(t)を所定の周期で取得してその積算値を算出し、これを用いてSOCの変化量(以下では、ΔSOConとする)を算出する。そして、前回の状態検知モードで得られたSOC_n-1にSOC変化量ΔSOConを加算することで充放電中の現在のSOCを算出する。SOCは、そのときの満充電容量に対する割合(%)で与えられることから、そのときの新品容量に対する換算容量(SOH)を用いて電流測定値I_now(t)の積算値をSOC変化量ΔSOConに変換する必要がある。蓄電池10の満充電容量は、本実施形態では満充電モードのときに最新値に更新される。
次に、満充電モードにおいて、蓄電池10の劣化により低下した満充電容量、すなわちSOHを算出する方法を以下に説明する。満充電モードは、蓄電池10の状態を管理する目的から、状態量のリセット、状態の回復、セル間の状態量の均等化などを行うために、OCV対SOCの関係がフラットになるSOCの領域よりも高いSOCとなるように充電を実施するものである。例えば、燐酸鉄系のLiイオン電池を満充電にするための満充電条件は、Cレート換算で0.3〜1.0CA電流で3.6VまでCC(定電流)充電を実施し、3.6Vに到達後はCV(定電圧)充電を0.05CAになるまで実施する充電制御をいう。但し、これは満充電を行うための充電制御の一例であり、この満充電条件に限定されるものではない。なお、Cレートは、1時間で全容量が放電される放電電流に相当する。
本実施形態では、蓄電池10の使用開始等からm回目の満充電モードが開始されると、上記のような満充電条件に従ってまず蓄電池10が満充電に制御される。そして、満充電制御の終了後に所定の期間OCV_now(t)を測定し、これをもとに式(1)または式(2)により電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nを算出する。この電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nを用いて、次式より満充電容量(SOH_m)を算出する。
Figure 2012053075
または
Figure 2012053075
上記式(6−1)、(6−2)で算出されるSOH_mは、例えば「mAh」単位で表わされる容量である。なお、上記ではt1〜t2の1つの積算時間域において算出された電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nを用いたが、ここでも2以上の積算時間域において積分値を算出して用いるようにしてもよい。この場合には、式(6−1)の関数H1及び式(6−2)の関数H2は、それぞれ2以上の積算時間域における積分値の関数とする。
満充電モードにおいてSOH_mが算出されると、これを記憶部120に記憶しておき、それ以降の蓄電池10の充放電中のSOCの算出に用いる。すなわち、蓄電池10の充放電中において電流測定値I_now(t)の積算値をSOC変化量ΔSOCに変換するときは、最後の満充電モードで更新された最新のSOH_mを記憶部120から読み込んで用いる。
以下では、図1を用いて本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明する。本実施形態の状態検知装置100に設けられた状態検知部110は、所定のタイミングまたは状態検知装置100の内部あるいは外部からの要求信号に従って蓄電池10の状態検知を開始する。所定のタイミングとして、例えば一定の時間間隔毎の周期的なタイミングとすることができる。また、状態検知装置100の内部からの要求信号として、それまでの状態検知結果に基づいて追加される要求信号がある。一方、状態検知装置100の外部からの要求信号として、対象システム1の使用者や保守員等からの要求、あるいは蓄電池10に接続される対象システム1内の機器等からの要求信号、さらには対象システム1に接続された外部システムからの要求信号等が考えられる。
状態検知部110における処理として、ステップS1では、満充電モードが要求されているか否かを判定する。満充電モードは、状態検知装置100の外部から要求される場合と、内部から要求される場合がある。外部からの要求として、蓄電池10の定期メンテナンスを行う場合、使用者や保守員等による強制的な実行命令、蓄電池10に接続される対象システム1内の機器等からの要求信号、及び対象システム1に接続された外部システムからの要求信号がある。また、状態検知装置100内部から要求として、それまでの状態検知の結果、SOCが低下していると判定された場合等がある。ステップS1で上記のいずれかの満充電モード要求があると判定されると、ステップS4の満充電モードの開始条件の判定に進む。
一方、ステップS1で満充電モードが要求されていないと判定されると、通常運用モードとして次にステップS2に進み、ここで状態検知モードが要求されているか否かを判定する。状態検知モードについても、状態検知装置100の外部からの要求と、状態検知装置100の内部からの要求がある。状態検知装置100の外部からの状態検知モード要求として、蓄電池10の定期メンテナンスを行う場合、使用者や保守員等による強制的な実行命令、蓄電池10に接続される対象システム1内の機器等からの要求信号、及び対象システム1に接続された外部システムからの要求信号がある。また、状態検知装置100内部からの状態検知モード要求として、それまでの状態検知の結果、所定の要求条件が満たされていると判定された場合等がある。
ステップS2の判定の結果、状態検知モードが要求されている場合にはステップS3に進み、状態検知モードが要求されていない場合にはステップS10に進む。ステップS3では、状態検知モードが許可されるか否かを判定する。状態検知モードが許可されるのは、(1)あらかじめ使用者または外部システムからの許可信号により、状態検知モードの実行が許可されている場合、または(2)外部から強制的に状態検知モード実行命令が入力されている場合であり、その場合にはステップS20の状態検知モードの処理に進む。これに対し、状態検知モードが許可されていないと判定されると、ステップS10に進む。
ステップS2で状態検知モードが要求されていないと判定されたとき、あるいはステップS3で状態検知モードが許可されていないと判定されたときは、ステップS10〜S13で電流積算値に基づくSOCの算出を行う。すなわち、ステップS10では所定の積算時間域において電流測定値I_now(t)を順次積算して電流積算値(Isumとする)を算出し、ステップS11で記憶部120から読み込んだSOH_mを用いて次式よりSOC変化量ΔSOConに変換する。
ΔSOCon=Isum/SOH_m
次のステップS12では、記憶部120から前回の状態検知モードで算出されたSOCn-1を読み込み、ステップS13でSOCn-1とΔSOConとから次式により現在のSOCを算出する。
SOC=SOCn-1+ΔSOCon
また、ステップS3で状態検知モードが許可されていると判定されたときは、ステップS20〜S23で状態検知モードの処理を行う。ここでは、蓄電池10を使用開始した後n回目に実施される状態検知モードとする。ステップS20では、状態検知前充放電制御として、蓄電池10に対し充電制御又は放電制御を実施する。これは、状態検知モードを実施するときの蓄電池10の電解液の状態をできるだけ再現性の高い状態にすることで、安定した条件で状態検知を行えるようにするものである。状態検知前充放電制御として行う充電量または放電量は、蓄電池10の種類、型番、容量、組み合わせ数量等に応じて好適に決定する。一例として、18650型の燐酸鉄系Liイオン電池の場合には、新品容量換算で2%以上の充電を実施するのが望ましい。
ステップS21では、状態検知前充放電制御の終了後にOCV_now(t)の測定を開始し、これを基準OCV(OCV_base_n)が得られる基準時間まで継続する。OCV_base_nが得られる基準時間は、状態検知前充放電制御の終了から30分以上経過した時間とするのが好ましく、例えば燐酸鉄系Liイオン電池では1時間程度とするのがよい。基準時間は、電池の大きさや種類等によって異なる。
なお、状態検知モードの状態検知が可能となるのは、蓄電池10の電流が0となっているときだけでなく、以下のような電流・電圧が測定される場合も含めることができる。
(1)計測器、制御器、通信機等で微小な電流(暗電流)が消費されているが、電圧変化量に与える影響が補正可能で擬似的にOCVとみなせる許容範囲にあるとき、
(2)上記の許容範囲を超える電流が消費されているが、同様の条件で事前に測定された電圧変化量をもとに参照データが作成され、電流値をもとに選択された参照データを用いることで測定電圧をOCVとして扱えるとき、
上記のいずれかの条件を満たす場合には、電圧測定値をOCVとして扱うことが可能となる。
ステップS22では、測定したOCV_now(t)をもとに式(1)または式(2)から電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nを算出する。なお、電圧変化量を1つの積算時間域t1〜t2だけでなく、2以上の積算時間域で算出して用いるようにしてもよい。
ステップS23では、式(3)〜(5)に示す関数F1(OCV_base_n)、G1(OCV_base_n、St1_t2_n)、G2(OCV_base_n、DSt1_t2_n)、及びF2(OCV_base_n)のうち、OCV_base_nが式(3)〜(5)に示した条件を満たすいずれかの関数を記憶部120からを読み込み、これを用いてOCV_base_nと電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nから現在の残容量SOC_nを算出する。
次に、満充電モードにおける処理の流れを以下に説明する。ステップS1で満充電モード要求があると判定された場合には、ステップS4で満充電モード開始条件が成立しているかを判定する。満充電モード開始条件として、使用者等からの許可、状態検知装置外部からの許可信号、強制的な状態検知実行命令、等の条件がある。これらのいずれかの条件が成立したときにステップS30〜S33の満充電モードの処理を行い、いずれの条件も成立しないときは処理せずに終了する。
ステップS30では、前述の満充電条件に従って蓄電池10を満充電に制御する。満充電制御が終了すると、ステップS31でOCV_now(t)の測定を開始し、これを基準OCV(OCV_base_n)が得られる基準時間まで継続する。ステップS32では、測定したOCV_now(t)から式(1)または式(2)を用いて電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nを算出する。なお、電圧変化量を1つの積算時間域t1〜t2だけでなく、2以上の積算時間域で算出して用いるようにしてもよい。
ステップS33では、式(6−1)に示す関数H1(OCV_base_n、St1_t2_n)または式(6−2)に示す関数H2(OCV_base_n、DSt1_t2_n)のいずれかの関数を記憶部120からを読み込み、これを用いてOCV_base_nと電圧変化量St1_t2_nまたはDSt1_t2_nから満充電時の残容量、すなわちSOH_mを算出する。SOH_mは、例えば「mAh」単位で表わされる絶対量で算出されることから、蓄電池10を使用開始したときの初期容量からの低減量を算出することができる。
ステップS33でSOH_mが算出されると、ステップS34でこれを記憶部120に記憶する。このSOH_mは、以降の蓄電池10の充放電中に電流積算値からSOC変化量ΔSOConを算出するステップS11の処理において、記憶部120から読み込まれて用いられる。
ステップS5では、各モードでの処理結果を状態出力手段130を用いて対象システム1や使用者等に出力する。通常運用モードのステップS13またはステップS23の処理が行われたときは、算出されたSOC_nが状態出力手段130に出力され、ステップS33の処理が行われたときは、SOH_mが状態出力手段130に出力される。また、算出されたSOC_nを所定の閾値と比較して残容量が不足と判定された場合等には、これを通知するための信号を状態出力手段130から対象システム1や外部システム等に出力させるようにすることができる。
上記説明のように、本発明によれば、安定時OCVから残容量を精度良く推定するのが困難な蓄電デバイスに対しても、高精度に残容量を推定して状態検知を行うことができる蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置を提供することが可能となる。これにより、蓄電デバイスの残容量を高精度に求めて状態検知を行うことができ、蓄電デバイス搭載システムが充電不足で停止してしまうような不測の事態を回避することができる。
また、本発明の蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置では、通常運用モードのときには蓄電デバイスのSOCを算出する一方、満充電モードのときにはSOHを算出するようにしていることから、充電不足と劣化を明確に区別して使用者等に通知することができる。特に、満充電モードでは、満充電制御後にSOHを算出することから、SOHを高精度に算出することができ、これにより蓄電デバイスの劣化を早期に検知して損傷等を未然に防止することができる。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置は、例えば、電気自動車、携帯電話、停電時に稼動するバックアップ用バッテリー、さらには、系統電力との連携において、太陽光や風力による自然エネルギーの発電の電力の平準化に用いられる蓄電装置、および、それを組み込んだシステム、等の蓄電デバイスが搭載されて監視または状態検知が必要な装置に適用することができる。蓄電デバイスの種類として、燐酸鉄系Liイオン電池、燐酸バナジウム系Liイオン電池、酸化チタンを用いたLiイオン電池、等の残容量の変化に対する安定時OCVの変化が小さい特性を有する蓄電デバイスに好適である。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1:対象システム
10:蓄電デバイス
11:充電手段
12:制御手段
20:負荷
30:電圧測定手段
31:電流測定手段
32:温度測定手段
100:状態検知装置
110:状態検知部
120:記憶部
130:状態出力手段

Claims (8)

  1. 蓄電デバイスが搭載されたシステムの運用中に、残容量(SOC)及び新品満充電に対する換算容量(SOH)を算出して蓄電デバイスの状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知方法であって、
    前記システムの運用状態が状態検知モードとして、前記蓄電デバイスに対し所定容量の充電制御または放電制御(以下では単に充放電制御という)を行い、前記充放電制御を停止してから所定の基準時間が経過するまで前記蓄電デバイスの開放端電圧(OCV)を所定周期で測定し、前記OCVの時間変化の関数OCV(t)をもとに所定の電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記基準時間経過時の前記OCV(以下では基準OCVという)とを用いて前記蓄電デバイスの現在のSOCを算出し、
    前記システムが運用状態でかつ状態検知モードではないときには、
    所定の周期で測定した前記蓄電デバイスの電流を積算して電流積算値を算出し、前記電流積算値をSOC変化量に変換し、前記SOC変化量を前記状態検知モードで最後に算出された前記現在のSOCに加算して充放電中のSOCを算出し、
    前記蓄電デバイスが停止状態のときに満充電モードとして、
    前記蓄電デバイスに対し満充電になるまで満充電制御を行い、前記満充電制御を停止してから前記基準時間が経過するまで前記OCVを所定周期で測定し、前記OCVの時間変化の関数OCV(t)をもとに前記電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記満充電制御停止から前記基準時間経過時の前記基準OCVとを用いて前記蓄電デバイスの現在の新品満充電に対する換算容量(SOH)を算出する
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知方法。
  2. 前記状態検知モードでは、
    前記基準OCVが第1判定値より大きくかつ第2判定値以下のときは、前記基準OCVと前記電圧変化量とを変数とする事前に作成された第1の関数を用いて前記SOCを算出し、
    前記基準OCVが前記第1判定値以下あるいは前記第2判定値より大きいときは、前記基準OCVを変数とする事前に作成された別の関数を用いて前記SOCを算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  3. 前記満充電モードでは、
    前記基準OCVと前記電圧変化量とを変数とする事前に作成された第2の関数を用いて前記SOHを算出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  4. 前記電圧変化量は、前記充放電制御の停止または前記満充電制御の停止から前記基準時間が経過するまで前記OCVの測定結果から得られた時間の関数OCV(t)をもとに所定期間の積分値として算出される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  5. 前記電圧変化量は、前記充放電制御の停止または前記満充電制御の停止から前記基準時間が経過するまで前記OCVの測定結果から得られた時間の関数OCV(t)をもとに異なる2以上の期間のそれぞれで積分値として算出される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  6. 前記電圧変化量は、さらに前記基準OCVに前記所定期間の時間長さを乗じた値を減算して算出される
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  7. 前記電流積算値を前記満充電モードで最後に算出された前記SOHで除して前記SOC変化量に変換する
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  8. 蓄電デバイス搭載システムの運用方法の一つである状態検知モードを実行時に残容量(SOC)を算出して状態検知を行う一方、前記運用方法の別の一つである満充電モードを実行時に新品満充電に対する換算容量(SOH)を算出して状態検知を行う蓄電デバイスの状態検知装置であって、
    記憶部と、
    前記蓄電デバイス搭載システムが運用状態でかつ状態検知モード実行中のときに、前記蓄電デバイスに対し所定容量の充電制御または放電制御(以下では単に充放電制御という)を行い、前記充放電制御を停止してから所定の基準時間が経過するまで前記蓄電デバイスの開放端電圧(OCV)を所定周期で測定して前記記憶部に保存し、前記OCVをもとに所定の電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記基準時間経過時の前記OCV(以下では基準OCVという)とを用いて前記蓄電デバイスの現在のSOCを算出して前記記憶部に保存し、前記蓄電デバイス搭載システムが運用状態でかつ充放電中のときに、所定の周期で測定した前記蓄電デバイスの電流を積算して電流積算値を算出し、前記電流積算値をSOC変化量に変換し、前記状態検知モードで最後に算出された前記現在のSOCを前記記憶部から読み込んで前記SOC変化量に加算して充放電中のSOCを算出し、前記蓄電デバイス搭載システムが運用状態で満充電モードのとき、前記蓄電デバイスに対し満充電になるまで満充電制御を行い、前記満充電制御を停止してから前記基準時間が経過するまで前記OCVを所定周期で測定して前記記憶部に保存し、前記OCVをもとに前記電圧変化量を算出し、前記電圧変化量と前記満充電制御停止から前記基準時間経過時の前記基準OCVとを用いて前記蓄電デバイスの現在のSOHを算出して前記記憶部に保存する状態検知部と、
    前記状態検知部から判定結果を入力して外部に出力する状態出力手段と、を備える
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。



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