JP2018137109A - 寿命推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の寿命を精度よく把握し得る寿命推定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る寿命推定装置は、所定電圧以下まで放電した後、二次電池の区間容量から該二次電池の満充電容量Q’maxを算出する算出手段と、算出した満充電容量Q’maxを総使用時間と対応付けて蓄積する蓄積手段と、蓄積された満充電容量Q’maxと総使用時間との相関関係を示す関係式Pを用いて、現在から所定時間t経過後の劣化後容量Cを推定する推定手段と、推定手段で推定した劣化後容量Cから、未対向部位に電荷担体が移動したことによる容量劣化量A分を減算して劣化後容量Cを補正する補正手段と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、二次電池の寿命推定装置に関する。
軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池等の二次電池は、車両搭載用電源として好ましく用いられている。この種の二次電池においては、正極活物質を含む正極と負極活物を含む負極との間で、電荷担体(例えばリチウムイオン二次電池の場合、リチウム)を授受することで充放電が行われる。すなわち、充電時には電荷担体が正極活物質から引き抜かれ、イオンとして電解液(電解質)中に放出される。充電時には該電荷担体は負極側に設けられた負極活物質の構造内に入り、ここで正極活物質から外部回路を通ってきた電子を得て、吸蔵される。この種の二次電池の寿命推定装置に関する従来技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、車両に搭載される二次電池の満充電容量値と総走行距離の平方根より1次関数の関係式を算出し、満充電容量値が寿命状態に達するまでの余走行距離を推定する寿命推定装置が記載されている。
特開2007−195312号公報
ところで、リチウムイオン二次電池等の電極構造について、負極活物質層を正極活物質層よりも幅広くし、セパレータを介在させつつ、負極活物質層が正極活物質層を覆うように負極活物質層と正極活物質層とを重ねる構造が知られている。かかる形態では、負極活物質層には、正極活物質層に対向している対向部位と正極活物質層に対向していない未対向部位とが生じている。このような二次電池の充電時には、正極活物質層から電荷担体が電解液中に放出されるとともに、電解液から負極活物質層に電荷担体が吸蔵される。その際、電荷担体は、負極活物質層のうち正極活物質層に対向している正極対向部位に優先的に吸蔵される。ここで、本発明者の知見によれば、二次電池の使用初期においては、負極活物質層の正極対向部位に吸蔵された電荷担体は、正極活物質層に対向していない未対向部位にも移動して拡散していく。電荷担体が負極活物質層の未対向部位に移動すると、正極活物質層から電荷担体がより多く放出されるようになるため、劣化が大きくなりがちであり、それを加味せずに電池寿命の推定を行うと、実際の寿命を見誤る虞がある。二次電池の寿命を精度よく把握したい。
ここで提案される二次電池の寿命推定装置は、正極と負極とを備える二次電池の寿命推定装置である。前記正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極活物質層とを有する。前記負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活物質層とを有する。前記負極活物質層は、前記正極活物質層に対向している対向部位と、前記正極活物質層に対向していない未対向部位とを有する。前記寿命推定装置は、前記二次電池の使用時間を取得する使用時間取得手段と、前記二次電池を放電する放電手段と、前記放電手段で所定電圧以下まで放電した後、前記二次電池の区間容量から該二次電池の満充電容量を算出する算出手段と、前記算出した満充電容量を、前記使用時間取得手段により取得した総使用時間と対応付けて蓄積する蓄積手段と、前記蓄積された満充電容量と総使用時間との相関関係を示す関係式を用いて、現在から所定時間経過後の劣化後容量Cを推定する推定手段と、前記推定手段で推定した劣化後容量Cから、前記未対向部位に電荷担体が移動したことによる容量劣化量A分を減算して前記劣化後容量Cを補正する補正手段と、を備える。かかる構成によると、負極活物質層の未対向部位に電荷担体が移動したことによる容量劣化分を考慮して劣化後容量が補正されるため、推定精度が向上する。
本実施形態に係る二次電池の電池制御装置によって制御される電源システムの構成を示すブロック図である。 正極および負極の構成を模式的に示す要部断面図である。 満充電容量と使用時間との関係を示すグラフである。 滞在平均温度と滞在平均SOCと劣化年数と未対向部位に移動するリチウムイオン量との関係を示す図である。 滞在平均温度と滞在平均SOCと劣化年数と未対向部位に移動するリチウムイオン量との関係を示す図である。 本実施形態に係る寿命推定装置の制御フローを示す図である。 高温耐久試験における電池容量の推移を示すグラフである。 高温耐久試験における電池容量の推移を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極及び負極の構成及び製法、二次電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
特に限定することを意図したものではないが、以下では主としてリチウムイオン二次電池を制御する場合を例として、本発明の電池制御システムに係る好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオン(Liイオン)を利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。また「SOC」とは、充電深度(State of Charge)を意味し、可逆的に充放電可能な稼動電圧の範囲において、その上限となる電圧が得られる充電状態を100%とし、下限となる電圧が得られる充電状態を0%としたときの充電状態を示す。また「満充電容量」とは、SOC100%のときの電池容量を意味する。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10の制御装置によって制御される電池制御システム1の構成を示すブロック図である。このリチウムイオン二次電池10の制御装置は、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)に好適に用いられる。
電池制御システム1は、リチウムイオン二次電池10と、これに接続された負荷20と、二次電池10の温度を検出する温度センサ(図示せず)と、二次電池10に出入りする電流を検出する電流センサ(図示せず)と、前記二次電池の電圧を検出する電圧センサ(図示せず)と、電子制御ユニット(ECU)30とを含む構成であり得る。ECU30は、負荷20に接続されたリチウムイオン二次電池10の運転をコントロールするものとして構成されており、所定の情報に基づいて、負荷20を駆動制御する。リチウムイオン二次電池10に接続された負荷20は、該電池10に蓄えられた電力を消費する電力消費機(例えばモータ)を含み得る。また、該負荷20は、電池10を充電可能な電力を供給する電力供給機(充電器)を含み得る。
リチウムイオン二次電池10は、図2に示すように、セパレータ60を介して対向する正極40と負極50と、これら正負極間に供給されるリチウムイオンを含む電解質とから構成されている。正極40は、正極集電体42と、該正極集電体42上に形成された正極活物質層44とを有する。負極50は、負極集電体52と、該負極集電体52上に形成された負極活物質層54とを有する。正極活物質層44および負極活物質層54には、リチウムイオンを吸蔵および放出し得る活物質が含まれている。負極活物質層54は、正極活物質層44よりも幅広に形成されている。そのため、負極活物質層54は、正極活物質層44に対向している対向部位54Aと、正極活物質層44に対向していない未対向部位54Bとを有している。電池10の充電時には、正極活物質層44の正極活物質からリチウムイオンが放出され、このリチウムイオンは電解質を通じて負極活物質層54の負極活物質に吸蔵される。また、電池10の放電時には、その逆に、負極活物質層54の負極活物質に吸蔵されていたリチウムイオンが放出され、このリチウムイオンは電解質を通じて再び正極活物質に吸蔵される。この正極活物質と負極活物質との間のリチウムイオンの移動に伴い、活物質から外部端子へと電子が流れる。これにより、負荷20に対して放電が行われる。
上記電池10の充電時には、正極活物質層44に吸蔵されていたリチウムイオンが放出され、このリチウムイオンは電解質を通じて負極活物質層54に吸蔵される。その際、リチウムイオンは、負極活物質層54のうち正極活物質層44に対向している対向部位54Aに優先的に吸蔵される。ここで、本発明者の知見によれば、二次電池10の使用初期においては、負極活物質層54の正極対向部位54Aに吸蔵されたリチウムイオンは、正極活物質層44に対向していない未対向部位54Bにも移動して拡散していく。リチウムイオンが負極活物質層54の未対向部位54Bに移動すると、正極活物質層44からリチウムイオンがより多く放出されるようになるため、劣化が大きくなりがちであり、それを加味せずに電池寿命(劣化後容量)の推定を行うと、実際の寿命を見誤る虞がある。
ここで開示される技術においては、このような使用初期において負極活物質層54の未対向部位54Bに移動して拡散するリチウムイオンに着目し、未対向部位54Bに移動したリチウムイオンの量に応じて劣化後容量の推定値を補正することで、電池の寿命を精度よく推定するようにしている。
すなわち、この制御システム1は、二次電池10の劣化後容量を推定する寿命推定装置を備えている。寿命推定装置100は、二次電池10の使用時間を取得する使用時間取得手段と、二次電池10を放電する放電手段と、放電手段で所定電圧以下まで放電した後、二次電池10の区間容量から該二次電池10の満充電容量を算出する算出手段と、算出した満充電容量を、使用時間取得手段により取得した総使用時間と対応付けて蓄積する蓄積手段と、蓄積された満充電容量と総使用時間との相関関係を示す関係式を用いて、現在から所定時間t経過後の劣化後容量Cを推定する推定手段と、推定手段で推定した劣化後容量Cから、負極活物質層の未対向部位54Bに電荷担体が移動したことによる容量劣化量A分を減算して前記劣化後容量を補正する補正手段と、を備えている。
ECU30の典型的な構成には、少なくとも、かかる制御を行うためのプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)と、そのプログラムを実行可能なCPU(Central Processing Unit)と、一時的にデータを記憶するRAM(random access memory)と、図示しない入出力ポートとが含まれる。二次電池10には、前述した電流センサと電圧センサと温度センサとが取り付けられている。ECU30には、入力ポートを介して各センサの出力信号が入力される。そして、ECU30は、各センサからの出力信号に基づいて、二次電池10に出入りする電流値、電圧値および電池温度の情報を取得するようになっている。かかるECU30と各センサと負荷20とにより、本実施形態の寿命推定装置100が構成されている。
<過放電処理>
ECU30は、充電開始の指令が発せられると、まず、負荷20を制御して二次電池10を所定電圧以下まで放電する。上記所定電圧は、負極活物質層54の未対向部位54Bに吸蔵されたリチウムイオンが放出され得る電圧以下であればよい。例えば、上記所定電圧は、SOC0%〜10%の範囲(典型的にはSOC0%)に設定され得る。このように二次電池10を所定電圧以下まで過放電することで、負極活物質層54の未対向部位54Bに吸蔵されたリチウムイオンが放出されて正極活物質層44に吸蔵される。そのため、後述する満充電容量の算出において、未対向部位54Bに吸蔵されたリチウムイオンの影響を排除して満充電容量を精度よく算出できる。
<満充電容量の算出>
ECU30は、上記二次電池10を所定電圧以下まで放電した後、二次電池10の区間容量から該二次電池10の満充電容量を算出する。ECU30には、予め実験的に測定された基準充放電特性が格納されている。基準放電特性は、電池の開回路電圧(OCV:縦軸)と充電電荷量(横軸)との関係を示すマップ曲線である。基準充放電特性を予め取得しておくことで、例えば、二次電池の開回路電圧がV1からV2まで増加した場合における充電電荷量が、それぞれ電圧値V1、V2に対応する電荷量Q1およびQ2の差であるΔQ(=Q2−Q1)と判定できる。また、劣化が進行すると、基準充放電特性は横軸が縮小された形状となる。そのため、現在(劣化後)の充放電特性は、基準充放電特性全体を横軸(電荷量軸方向)に所定の比率で縮小したものとみなすことができる。そのため、同様に開回路電圧をV1からV2まで変化させるのに要する電荷量ΔQ’が得られれば、ΔQ:ΔQ’=ΔQmax:ΔQ’maxの関係を用いて、現在の満充電容量をQ’max=ΔQmax×ΔQ’/ΔQより導出することができる。ここでQmaxは基準充放電特性における満充電容量である。
この実施形態では、ECU30は、上記過放電処理の後、負荷20を制御して二次電池10の充電を開始する。そして、二次電池に電流が流れ始めてからその流れが終了するまでの期間において、流れた電流の積算値(ΔQ’)、電流が流れ始める直前の電圧値(V1)、電流の流れが終了した時点での電圧値(V2)を取得し、V1とV2とから基準充放電特性におけるΔQを求め、さらに上記Q’max=ΔQmax×ΔQ’/ΔQより現在の満充電容量を算出する。
<劣化後容量Cの推定>
ECU30は、上記算出した二次電池の満充電容量Q’maxを、電池の総使用時間と対応付けて、ROM等のメモリーに順次蓄積する。そして、蓄積された満充電容量と総使用時間との相関関係を示す関係式を用いて、現在から所定時間t経過後の劣化後容量Cを推定する。ここで、本発明者の知見によれば、図3に示すように、二次電池の容量劣化は、電池の総使用時間と相関関係がある。具体的には、二次電池の劣化後容量(劣化後の満充電容量)は、総使用時間の平方根に略比例する。そのため、総使用時間の平方根に関する関数を関係式に用いて、現在から所定時間t経過後における劣化後容量Cを推定することができる。この実施形態では、ECU30は、蓄積した二次電池の満充電容量と高い相関関係をもつように、電池の総使用時間の平方根を変数とする一次関数からなる関係式Pを決定する。例えば、最小二乗法を用いて、取得した二次電池の満充電容量の各々との偏差が最小となるような関係式Pを決定するとよい。そして、決定した関係式Pを用いて、現在から所定時間t経過後の劣化後容量Cを推定するとよい。
<劣化後容量Cの補正>
ECU30は、上記推定した劣化後容量Cから、未対向部位54Bにリチウムイオンが移動したことによる容量劣化量A分を減算して劣化後容量Cを補正する。すなわち、前述のように、二次電池10の使用初期においては、負極活物質層54の正極対向部位54Aに吸蔵されたリチウムイオンは、正極活物質層44に対向していない未対向部位54Bにも移動して拡散するため、容量劣化が大きくなりがちである。そのため、未対向部位54Bに移動したリチウムイオンの量に応じて、劣化後容量の推定値Cをさらに補正する必要がある。未対向部位54Bに移動したリチウムイオンの量(容量劣化量A)は、二次電池の滞在平均温度と滞在平均SOCと劣化年数とを記録した推定履歴情報に基づき、算出することができる。ここで滞在平均温度は、使用開始から現在までに電池が晒された平均温度である。滞在平均SOCは、使用開始から現在までの電池の平均SOCである。劣化年数は、使用開始〜現在から所定時間t経過後までの推定使用年数である。すなわち、未対向部位54Bに移動するリチウムイオンの量は、二次電池の曝される温度やSOCや劣化年数によって大きく変化する。具体的には、滞在平均温度が高く、かつ滞在平均SOCが大きいほど、未対向部位54Bに移動するリチウムイオンの量(ひいては容量劣化量A)は多くなる。また、電池の劣化年数が長いほど(劣化年数がX年になると)、未対向部位54Bに移動するリチウムイオンの量(ひいては容量劣化量A)は多くなる。さらに、劣化年数が長く、滞在平均温度が高く、かつ滞在平均SOCが大きくなると、未対向部位54Bに移動するリチウムイオンの量は一定になる。かかる相関関係を利用することで、上述した推定履歴情報から、未対向部位54Bに移動するリチウムイオン量を把握することができる。この実施形態では、滞在平均温度と滞在平均SOCと劣化年数と未対向部位54Bに移動するリチウムイオン量との関係を示すデータをマップの形でROMに記憶しておく(図4および図5参照)。ECU30は、このデータを参照して、所定の滞在平均温度、滞在平均SOCおよび劣化年数における未対向部位54Bに移動したリチウムイオン量を算出することで、未対向部位54Bにリチウムイオンが移動したことによる容量劣化量Aを算出する。そして、前記推定した劣化後容量Cから容量劣化量A分を差し引くことで、劣化後容量Cを「C−A」に補正する。
<良否判定>
ECU30は、上記補正した劣化後容量「C−A」に基づいて、電池の良否を判定することができる。例えば、上記補正した劣化後容量「C−A」が閾値S以上の場合、現在から所定時間t経過後においても電池が使用可能であると判定し、一方、上記補正した劣化後容量C−Aが閾値S未満の場合、現在から所定時間t経過後に電池が使用できなくなると判定してもよい。また、所定時間t経過後に電池が使用できなくなると判定した場合に、
電池交換を促すシグナルを表示部(図示せず)に表示するように構成してもよい。
このように構成された電池制御システム1の動作について説明する。図6は、本実施形態に係る電池制御システム1のECU30により実行される劣化後容量算出処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、例えば二次電池が車両に搭載された直後から実行される。
図6に示す劣化後容量算出処理が実行されると、ECU30のCPUは、制御対象のリチウムイオン二次電池(セル)10について、ステップS10において充電が開始されると、ステップS20において負荷20を制御して二次電池10を所定電圧以下まで一旦放電する。次いで、ステップS30において、負荷20を制御して充電を開始し、二次電池に電流が流れ始めてからその流れが終了するまでの期間において、流れた電流の積算値(ΔQ’)、電流が流れ始める直前の電圧値(V1)、電流の流れが終了した時点での電圧値(V2)を取得し、V1とV2とから基準充放電特性におけるΔQを求め、Q’max=ΔQmax×ΔQ’/ΔQより現在の満充電容量を算出する(ステップS40)。
次いで、ステップS50では、ECU30は、上記算出した二次電池の満充電容量Q’maxを、電池の総使用時間と対応付けてメモリーに蓄積する。そして、蓄積された満充電容量と総使用時間との相関関係を示す関係式Pを導出し、該導出した関係式Pを用いて、現在から所定時間t経過後における劣化後容量Cを推定する。
次いで、ステップS60において、ECU30は、電池温度とSOCと劣化年数と未対向部位54Bに移動するリチウムイオン量との関係を示すデータ(マップ)を参照して、所定の電池温度、SOCおよび劣化年数における、未対向部位54Bに移動したリチウムイオン量を算出し、それらを総和することで、未対向部位54Bにリチウムイオンが移動したことによる容量劣化量A分を算出する。そして、ステップS50で推定した劣化後容量Cから容量劣化量A分を差し引くことで、劣化後容量Cを「C−A」に補正する。
次いで、ステップS70では、ECU30は、ステップS60で補正した劣化後容量「C−A」に基づいて、電池の良否を判定する。具体的には、上記補正した劣化後容量「C−A」が閾値S以上の場合(Noの場合)、現在から所定時間t経過後においても電池が使用可能であると判定し、この処理ルーチンを終了する。一方、上記補正した劣化後容量「C−A」が閾値S未満の場合(Yesの場合)、現在から所定時間t経過後に電池が使用できなくなると判定し、電池交換を促すシグナルを表示部に表示する(ステップS80)。
上記実施形態によると、負極活物質層54の未対向部位54Bに吸蔵されたリチウムイオンを過放電により放出させてから満充電容量を算出するので、未対向部位54Bに吸蔵されたリチウムイオンの影響を排除して満充電容量を精度よく算出できる。さらに、上記未対向部位54Bに吸蔵されたリチウムイオンの影響を排除して算出した満充電容量を用いて関係式Pを導出しておき、この関係式Pを用いて劣化後容量Cを推定するので、従来に比して、劣化後容量Cの推定精度が向上する。さらに、上記推定した劣化後容量Cから、未対向部位54Bに移動したことによる容量劣化量A分を減算して劣化後容量Cを「C−A」に補正するので、劣化後容量の推定精度が格段に向上する。そのため、推定した劣化後容量「C−A」に基づいて、誤判定することなく電池の使用可否判断をすることができる。
以下、本発明に関する試験例を説明するが、本発明を以下の試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
<リチウムイオン二次電池の構築>
正極集電体および負極集電体にそれぞれ正極活物質層および負極活物質層が保持された正負の電極がセパレータを介して積層され、電解液とともにケースに収容された構成のリチウムイオン二次電池(試験用セル)を構築した。
正極活物質としてのリチウム遷移金属複合酸化物と他の正極活物質層構成成分とを溶媒中で混合して正極活物質層形成用ペーストを調製した。この正極活物質層形成用ペーストを正極集電体(アルミニウム箔を使用した。)上に塗布して乾燥することにより、正極集電体上に正極活物質層が設けられた正極を作製した。
負極活物質としての炭素系材料と他の負極活物質層構成成分とを溶媒中で混合して、負極活物質層用ペーストを調製した。この負極活物質層用ペーストを負極集電体(銅箔を使用した。)上に塗布して乾燥することにより、負極集電体上に負極活物質層が設けられた負極を作製した。
上記作製した正極と負極とをセパレータを介して積層した。本例では、負極活物質層を正極活物質層よりも幅広くし、セパレータを介在させつつ、負極活物質層が正極活物質層を覆うように負極活物質層と正極活物質層とを重ね合わせた。負極活物質層は、正極活物質層に対向している対向部位と、前記正極活物質層に対向していない未対向部位とを有する。得られた積層体を電解液とともにケースに収容し、ケースの開口部を気密に密封した。このようにしてニッケル水素電池を組み立てた。その後、常法により初期充放電処理(コンディショニング)を行って、試験用セルを得た。
<高温耐久劣化試験>
上記試験用セルに対して高温耐久劣化試験を行った。高温耐久劣化試験は、試験用セルをSOC80%に調整した後、75℃の恒温槽に入れることにより行った。そして、試験用セルの電池容量が4.77Ah(図7のa1)、4.58Ah(図7のa2)、4.08Ah(図7のa3)まで劣化した時点で、過放電処理を実施した。過放電処理は、1Cの電流値で1.5V(SOC0%)まで放電することにより行った。また、上記過放電処理後、区間容量から劣化後の満充電容量を算出した。そして、最小二乗法を用いて、取得した満充電容量の各々との偏差が最小となるような一次関数Pを決定した。そして、決定した一次関数Pを用いて、高温耐久劣化試験の開始から√日=15.9後における劣化後容量Cを推定した。また、推定した劣化後容量Cから、負極活物質層54の未対向部位54Bにリチウムイオンが移動したことによる容量劣化量A分を減算して劣化後容量Cを「C−A」に補正した。ここでは容量劣化量Aは0.15Ahとした。結果を図7に示す。
また、比較のために、上記高温耐久劣化試験において試験用セルの電池容量が4.77Ah(図8のb1)、4.42Ah(図8のb2)、4.30Ah(図8のb3)、4.17Ah(図8のb4)まで劣化した時点で、最小二乗法を用いて、電池容量の各々との偏差が最小となるような一次関数Pを決定した。そして、決定した一次関数Pを用いて、高温耐久劣化試験の開始から√日=15.9後における劣化後容量Cを推定した。結果を図8に示す。
図8に示すように、負極活物質層54の未対向部位54Bにリチウムイオンが移動したことによる容量劣化量Aを考慮せずに劣化後容量Cを推定した比較例では、高温耐久劣化試験の開始から√日=15.9後における劣化後容量の推定値と実測値のズレが−4.3%であった。これに対し、図7に示すように、負極活物質層54の未対向部位54Bにリチウムイオンが移動したことによる容量劣化量Aを考慮して劣化後容量Cを「C−A」に補正した実施例では、高温耐久劣化試験の開始から√日=15.9後における劣化後容量の推定値と実測値のズレが−0.7%となり、推定精度について、比較例に比べて良好な結果が得られた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 電子制御システム
10 二次電池
20 負荷
40 正極
42 正極集電体
44 正極活物質層
50 負極
52 負極集電体
54 負極活物質層
54A 対向部位
54B 未対向部位
60 セパレータ
100 寿命推定装置

Claims (1)

  1. 正極と負極とを備える二次電池の寿命推定装置であって、
    前記正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極活物質層とを有し、
    前記負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活物質層とを有し、
    前記負極活物質層は、前記正極活物質層に対向している対向部位と、前記正極活物質層に対向していない未対向部位とを有し、
    ここで、前記寿命推定装置は、
    前記二次電池の使用時間を取得する使用時間取得手段と、
    前記二次電池を放電する放電手段と、
    前記放電手段で所定電圧以下まで放電した後、前記二次電池の区間容量から該二次電池の満充電容量を算出する算出手段と、
    前記算出した満充電容量を、前記使用時間取得手段により取得した総使用時間と対応付けて蓄積する蓄積手段と、
    前記蓄積された満充電容量と総使用時間との相関関係を示す関係式を用いて、現在から所定時間経過後の劣化後容量Cを推定する推定手段と、
    前記推定手段で推定した劣化後容量Cから、前記未対向部位に電荷担体が移動したことによる容量劣化量A分を減算して前記劣化後容量Cを補正する補正手段と
    を備えた、二次電池の寿命推定装置。
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