JP6443577B2 - 管理装置、蓄電モジュール、管理方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、蓄電素子を管理する管理装置、蓄電モジュール、管理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
電気自動車、ハイブリッド車等で用いられる車両用の二次電池や、電力貯蔵装置、太陽光発電システム等で用いられる産業用の二次電池は、高容量化が求められている。二次電池の高容量化を実現するために、現行の材料より高容量である正極材料の開発が進められている。例えば、高容量の正極材料として、Li2 MnO3 系の活物質が検討されている。
二次電池は、電極に用いられている材料の種類によっては、充電履歴及び放電履歴に依存して、同一のSOC(State Of Charge)に対する電圧又は電気化学的特性が変化する、ヒステリシスという性質を有することがある。ここで、SOCは、二次電池の電気容量に対して、二次電池に充電されている電気量を比率で表したものであり、蓄電量の一例である。二次電池におけるSOCを推定する方法として、OCV(Open Circuit Voltage;開回路電圧)とSOCとが一対一対応する相関関係(SOC−OCV曲線)に基づいて決定するOCV法(電圧参照)と、二次電池の充放電電流を積算して決定する電流積算法とがある。
電流積算法によってSOCを算出する場合は、今回のSOCをSOCi 、前回のSOCをSOCi-1 、電流をIi 、時間間隔をΔti 、電池容量(available capacity)をQとして、下記の式(1)を用いる。
SOCi =SOCi-1 +Ii ×Δti /Q×100…(1)
SOCi =SOCi-1 +Ii ×Δti /Q×100…(1)
電流積算が長期継続された場合は、電流センサの計測誤差が蓄積する。また、電池容量は経時的に小さくなる。その為、電流積算法によって推定されるSOCは、その推定誤差が経時的に大きくなる。従来、電流積算を長期継続した場合にOCV法によりSOCを推定して、誤差の蓄積をリセットするOCVリセットが行われている。
ヒステリシスを有する二次電池では、SOCに対して電圧が一義的に決まらない為、OCV法によるSOCの推定が困難である。SOC−OCV曲線が一義的に決まらない為、ある時点での放電可能エネルギーを予測することも困難である。また、電流積算法を用いたとしても、電流積算を継続すると誤差が蓄積し、OCVリセットを行うことも困難であるので、SOCの推定は困難である。特許文献1には、ヒステリシスを有する二次電池でSOCを推定するための技術の一例が開示されている。
ヒステリシスを有する二次電池では、充電時と放電時とで同一のSOCの値に対するOCVの値が一致しない。ヒステリシスを有する二次電池の中には、OCVが所定の電圧の範囲内となる条件下においてヒステリシスが小さくなる場合がある。ヒステリシスが小さくなる範囲では、同一のSOCに対する充電時のOCVと放電時のOCVとの差が小さい。ヒステリシスが小さくなるOCVの範囲は、電極材料の組成等、二次電池の構成によって定まる。このような二次電池では、OCVがヒステリシスの小さくなる範囲内にあれば、OCV法によりSOCを推定することが可能となる。しかしながら、動作中の二次電池の両極間電圧(CCV:Closed Circuit Voltage)はOCVとは異なるので、OCVがヒステリシスの小さくなる範囲内にあることを検出してOCV法を利用することは、実際には困難である。
本発明は、蓄電量−電圧特性がヒステリシスを示す活物質を含む蓄電素子を管理する管理装置、蓄電モジュール、管理方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る管理装置は、蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、期間が経過したときの電圧との変化量を取得する取得部と、前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する判定部とを備える。
本発明にあっては、蓄電素子がヒステリシスの小さい範囲内にあることを、蓄電素子が休止したときの電圧の変化量に基づいて短時間で検知できる。
(実施形態の概要)
管理装置は、蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得する取得部と、前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する判定部とを備える。
管理装置は、蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得する取得部と、前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する判定部とを備える。
管理装置は、休止状態の蓄電素子の電圧の変化量を取得する。本明細書においては、暗電流と呼ばれる微弱な電流が蓄電素子に流れている状態や、それに類する状態は「休止状態」に含まれる。第2範囲に、取得した変化量が含まれる場合に、管理装置は、第1範囲の蓄電量−電圧特性に基づいて、電圧に応じた蓄電量を推定してもよい。ここで、蓄電量とは、SOC,電力の放出可能量等を意味する。蓄電素子が第1範囲内にある場合、第1範囲外にある場合より変化量が小さい。そのため、変化量が第2範囲に含まれる場合は、蓄電素子が第1範囲に含まれている状態であると推定することができる。蓄電素子がヒステリシスの小さい範囲内にあることを、蓄電素子の休止状態における変化量に基づいて短時間で検知できる。蓄電素子が第1範囲に含まれている状態では、蓄電量−電圧特性がほぼ一義的に決まる。このため、管理装置は、蓄電量−電圧特性を用いて蓄電量を推定することができる。
ヒステリシスを有する蓄電素子は、ヒステリシス範囲では、充電に必要なエネルギーに対して放電で取り出せるエネルギーが小さく、即ちエネルギー効率が低い。ヒステリシスを有する蓄電素子は、レスヒステリシス範囲(第1範囲)を把握できれば、その範囲で充電・放電することで、高いエネルギー効率が得られる。そのため、ヒステリシスを有する蓄電素子を、高エネルギー効率が求められる用途に適用することが可能となる。
ヒステリシスを有する蓄電素子の、レスヒステリシス範囲は、抵抗が小さく、入出力特性に優れた範囲である。レスヒステリシス範囲を把握できれば、高い入出力特性が求められる用途(例えば、電力平準化用途)に、ヒステリシスを有する蓄電素子を適用することが可能となる。
管理装置は、前記蓄電素子の通電のレート別に、第2範囲を記憶する第1記憶部を更に備え、前記判定部は、前記第1記憶部が記憶している通電のレートに応じた第2範囲を特定し、前記変化量が前記第2範囲に含まれているか否かを判定してもよい。
上記構成によれば、通電のレート別に定められている第2範囲に基づいて、実際の通電のレートに応じた第2範囲を特定する。特定した第2範囲を用いて、蓄電量の推定を行ってもよい。管理装置は、実際の通電のレートに関連付けられた第2範囲が記憶されている場合は、この第2範囲を特定してもよい。実際の通電のレートに関連付けられた第2範囲が記憶されていない場合は、管理装置は、複数のレート別に定められている第2範囲に基づき、内挿法等により、実際の通電のレートに応じた第2範囲を特定してもよい。蓄電素子が第1範囲に含まれるときの第2範囲は蓄電素子の通電のレートによって異なることがあるので、通電のレートに応じた第2範囲が用いられることによって、蓄電素子が第1範囲に含まれることが正確に判定される。
管理装置は、所定のレートで前記蓄電素子の通電を行い、蓄電量が所定量変化する都度、通電を休止し、通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得し、蓄電量又は電圧と変化量との関係を示す変化量特性を記憶する第2記憶部と、前記変化量特性に基づいて、第2範囲を特定する特定部とを更に備え、前記第1記憶部は、特定された前記第2範囲を記憶してもよい。
上記構成によれば、所定のレートで蓄電素子の通電を行い、蓄電量が所定量変化する都度、変化量を取得することにより得られた変化量特性を記憶し、変化量特性に基づいて、蓄電素子が第1範囲に含まれるときの第2範囲を特定する。実際の蓄電量又は電圧と変化量との関係に基づいて第2範囲が特定され、蓄電素子が第1範囲に含まれることが正確に判定される。
管理装置は、前記蓄電素子の劣化に応じて、第1範囲を更新する更新部を更に備え、前記特定部は、前記変化量特性に基づいて、前記更新部が更新した前記第1範囲に応じた第2範囲を特定することにより、第2範囲を更新し、前記第1記憶部は、前記特定部が更新した第2範囲を記憶し、前記推定部は、前記第2範囲に基づいて、前記蓄電素子の蓄電量を推定してもよい。
上記構成によれば、蓄電素子の劣化に応じて第1範囲を更新した上で、蓄電量の推定を行う。第1範囲は、蓄電素子の劣化に応じて変化することがあるので、蓄電素子の劣化に応じた第1範囲が用いられることによって、蓄電素子が第1範囲に含まれるときの第2範囲が正確に特定される。正確に特定された第2範囲が用いられることによって、蓄電素子が第1範囲に含まれることが正確に判定される。
管理装置は、前記蓄電素子の急速充電後に、前記推定部は前記蓄電素子の蓄電量を推定してもよい。
蓄電モジュールは、蓄電素子と、上述の管理装置とを備える。
上記構成においては、蓄電素子のレスヒステリシス範囲や、蓄電量を精度良く推定できる。
管理方法は、蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得し、前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する。
上記構成において、電圧の変化量を取得し、取得した変化量が第2範囲に含まれる場合に、第1範囲の蓄電量−電圧特性に基づいて、電圧に応じた蓄電量を推定してもよい。蓄電素子が第1範囲内にある場合、第1範囲外にある場合より変化量の値が小さいので、第2範囲に変化量が含まれる場合は、蓄電素子が第1範囲に含まれている状態であると推定することができる。蓄電素子がヒステリシスの小さい範囲内にあることを、蓄電素子の休止状態における変化量に基づいて短時間で検知できる。蓄電素子が第1範囲に含まれている状態では、蓄電量−電圧特性がほぼ一義的に決まるので、蓄電量−電圧特性を用いて蓄電量を推定することができる。
コンピュータプログラムは、コンピュータに、蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得し、前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する処理を実行させる。
以下、本発明を実施形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
本実施形態に係る蓄電素子の電極体は、蓄電量−電圧特性がヒステリシスを有する活物質を含む。本実施形態では、蓄電素子の電圧がCCV又はOCVであり、蓄電量がSOCである例を主に示す。蓄電量−電圧特性の具体例は、SOC−OCV曲線で示される蓄電素子のSOCとOCVとの相関関係である。蓄電素子の電極の活物質としては、例えば、Li過剰型として、Niを含むLiMeO2 -Li2 MnO3 固溶体がある。Meは遷移金属を示す。
本実施形態に係る蓄電素子の電極体は、蓄電量−電圧特性がヒステリシスを有する活物質を含む。本実施形態では、蓄電素子の電圧がCCV又はOCVであり、蓄電量がSOCである例を主に示す。蓄電量−電圧特性の具体例は、SOC−OCV曲線で示される蓄電素子のSOCとOCVとの相関関係である。蓄電素子の電極の活物質としては、例えば、Li過剰型として、Niを含むLiMeO2 -Li2 MnO3 固溶体がある。Meは遷移金属を示す。
図1は、蓄電素子のSOC−OCV曲線の例を示すグラフである。横軸はSOCを示し、縦軸はOCVを示す。図1には、蓄電素子において放電を行い、次に充電を行った場合のSOC−OCV曲線の概念的な例を示す。図中に実線で示したSOC−OCV曲線の内、下側のSOC−OCV曲線は放電時のSOC−OCV曲線であり、上側のSOC−OCV曲線は充電時のSOC−OCV曲線である。図中に破線で示したSOC−OCV曲線は、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの平均を示す。
図1には、所定の充放電条件により取得した、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さいOCVの範囲内でのSOC−OCV曲線の例を示している。図中に示したような特定のOCV(SOC)の範囲内のみで蓄電素子の充放電を行う限りにおいて、蓄電素子の蓄電量−電圧特性のヒステリシスが小さい。即ち、このOCVの範囲内で充放電を切り替えた場合、蓄電量−電圧特性のヒステリシスは小さい。図1では省略しているものの、このOCVの範囲の外で充放電を切り替えた場合は、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差はより大きくなる。
本実施形態では、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなるSOC−OCVの範囲を、第1範囲(小差異範囲)という。第1範囲に対応するSOCの範囲内では、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差は、前記SOCの範囲外での同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差に比べて、小さい。例えば、第1範囲は、OCVが3.6V以上4.4V以下の範囲であり、SOCの範囲は、SOCが40%以上95%以下の範囲である。第1範囲は、電極材料の組成等、蓄電素子の構成によって定まる。また、放電時のOCVと充電時のOCVとの差がどの程度であれば小さいとみなせるかは、設定によって定められる。
本実施形態では、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなるSOC−OCVの範囲を、第1範囲(小差異範囲)という。第1範囲に対応するSOCの範囲内では、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差は、前記SOCの範囲外での同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差に比べて、小さい。例えば、第1範囲は、OCVが3.6V以上4.4V以下の範囲であり、SOCの範囲は、SOCが40%以上95%以下の範囲である。第1範囲は、電極材料の組成等、蓄電素子の構成によって定まる。また、放電時のOCVと充電時のOCVとの差がどの程度であれば小さいとみなせるかは、設定によって定められる。
放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれることを検出することができれば、図1に示すようなSOC−OCV曲線を用いて、OCV法によりSOCを推定することが可能となる。以下、蓄電素子の充電及び放電をまとめて通電という。実際の通電時に蓄電素子から読み取られるCCVは、OCVとは異なり、通電レートによっても異なる。このため、実際の通電時に蓄電素子から読み取った電圧から、OCVが第1範囲に含まれているか否かを判定することは困難である。
本実施形態においては、蓄電素子に通電を実施し、通電休止直後の蓄電素子の両極間電圧の値OCV0 と通電休止から所定の期間経過した後の両極間電圧の値OCVx との差の絶対値ΔOCV=|OCVx −OCV0 |を計算し、ΔOCV(変化量)に基づいて、短時間に第1範囲にOCVが含まれることを検出する。
本実施形態においては、蓄電素子に通電を実施し、通電休止直後の蓄電素子の両極間電圧の値OCV0 と通電休止から所定の期間経過した後の両極間電圧の値OCVx との差の絶対値ΔOCV=|OCVx −OCV0 |を計算し、ΔOCV(変化量)に基づいて、短時間に第1範囲にOCVが含まれることを検出する。
図2は、放電後、休止した場合の時間と電圧との関係を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は電圧(V)である。放電期間では電圧が低下し、休止期間では電圧が徐々に上昇し、OCVに近づく。
図3は、充電後、休止した場合の時間と電圧との関係を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は電圧(V)である。充電期間では電圧が上昇し、休止期間では電圧が徐々に低下し、OCVに近づく。
ΔOCVは絶対値に代えて、放電の場合は正の値、充電の場合は負の値として表し、後述する第2範囲を設定してもよい。
図3は、充電後、休止した場合の時間と電圧との関係を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は電圧(V)である。充電期間では電圧が上昇し、休止期間では電圧が徐々に低下し、OCVに近づく。
ΔOCVは絶対値に代えて、放電の場合は正の値、充電の場合は負の値として表し、後述する第2範囲を設定してもよい。
図4は、一定のレートで蓄電素子に通電を行った場合のΔOCVの変化の例を示すグラフである。図4Aは、一定のレートで蓄電素子に通電を行った場合の通電休止後のSOCとΔOCVとの関係の例を示す。図4Bは、一定のレートで蓄電素子に通電を行った場合の一定時間経過後のOCVとΔOCVとの関係の例を示すグラフである。OCVの単位はVである。正極の活物質にNiを含むLiMeO2 -Li2 MnO3 固溶体を用いた蓄電素子において、SOC=0%の状態からSOC=100%の状態まで、0.1CmAのレートで10%ずつ充電を行っては3時間の休止期間を設け、SOC=100%の状態からSOC=0%の状態まで、0.1CmAのレートで10%ずつ放電を行っては3時間の休止期間を設ける間欠充放電を行った。図4Aには、各SOCまで通電を行って10分間通電を休止し、通電休止直後の蓄電素子の両極間電圧の値OCV0 と通電休止から10分後の両極間電圧の値OCVx とから計算したΔOCVを示す。図4Bには、通電を3時間休止した後のOCVとΔOCVとの関係を示す。
図4Aには、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲に係るSOCの範囲を示している。図4Bには、第1範囲に係るOCVの範囲を示している。充電時及び放電時の何れにおいても、第1範囲内にある場合は、第1範囲外にある場合に比べてΔOCVの値が小さい。この傾向は、ΔOCV取得のための休止期間が10分間より短い場合も同様である。このため、ΔOCVに基づいて、OCVが第1範囲に含まれているか否かを判定することが可能である。判定に必要な時間は、ΔOCVを得るために必要な通電休止期間と同程度である。ΔOCVを得るために必要な通電休止期間は、OCVを実際に測定するために必要な通電休止期間よりも短い。例えば、ΔOCVを得るために必要な通電休止期間は10分間又はそれ以下であり、OCVを実際に測定するために必要な通電休止期間は3時間である。即ち、OCVを実際に測定するために必要な時間よりも短い時間でOCVが第1範囲に含まれているか否かを判定することが可能である。
本実施形態では、OCVが第1範囲に含まれるときに得られるΔOCVの範囲(変化量範囲)を、第2範囲という。例えば、第2範囲は、ΔOCVが0.02以下となる範囲である。また、ΔOCVが第2範囲に含まれている場合は、電圧の変化が小さいので、通電休止から所定の期間経過した後の蓄電素子の両極間電圧の値OCVx はOCVに近い値となり、OCVx をOCVとみなしてOCV法を利用することができる。従って、蓄電素子の使用後に、ΔOCVを取得し、ΔOCVが第2範囲に含まれている場合は、図1に示すようなSOC−OCV曲線を用いて、OCV法によりSOCを推定することが可能である。
本実施形態では、OCVが第1範囲に含まれるときに得られるΔOCVの範囲(変化量範囲)を、第2範囲という。例えば、第2範囲は、ΔOCVが0.02以下となる範囲である。また、ΔOCVが第2範囲に含まれている場合は、電圧の変化が小さいので、通電休止から所定の期間経過した後の蓄電素子の両極間電圧の値OCVx はOCVに近い値となり、OCVx をOCVとみなしてOCV法を利用することができる。従って、蓄電素子の使用後に、ΔOCVを取得し、ΔOCVが第2範囲に含まれている場合は、図1に示すようなSOC−OCV曲線を用いて、OCV法によりSOCを推定することが可能である。
図5は、交流インピーダンス測定法を用いて、各SOCにつき0.1Hzの抵抗を検出したときのSOCと抵抗との関係を示すグラフである。横軸はSOC(%)、縦軸は抵抗(Ω)である。
図6は、交流インピーダンス測定法を用いて、各OCVにつき0.1Hzの抵抗を検出したときのOCVと抵抗との関係を示すグラフである。横軸はOCV(V)、縦軸は抵抗(Ω)である。
図5及び図6より、SOC及びOCVが第1範囲内にある場合、第1範囲以外である場合より抵抗が小さいことが分かる。
SOC及びOCVが第1範囲外である状況で充放電を実施した場合、SOC−OCVがヒステリシスを示す活物資に基づく反応によって大きい分極が生じ、抵抗が大きくなる。このため、ΔOCVが大きくなる。
図6は、交流インピーダンス測定法を用いて、各OCVにつき0.1Hzの抵抗を検出したときのOCVと抵抗との関係を示すグラフである。横軸はOCV(V)、縦軸は抵抗(Ω)である。
図5及び図6より、SOC及びOCVが第1範囲内にある場合、第1範囲以外である場合より抵抗が小さいことが分かる。
SOC及びOCVが第1範囲外である状況で充放電を実施した場合、SOC−OCVがヒステリシスを示す活物資に基づく反応によって大きい分極が生じ、抵抗が大きくなる。このため、ΔOCVが大きくなる。
図7は、図4と異なるレートで蓄電素子に通電を行った場合のΔOCVの変化の例を示すグラフである。図7Aは、前記レートで蓄電素子に通電を行った場合の通電休止後のSOCとΔOCVとの関係の例を示す。図7Bは、前記レートで蓄電素子に通電を行った場合の一定時間経過後のOCVとΔOCVとの関係の例を示す。図7Aには、充放電のレートを0.5CmAとした場合のSOCとΔOCVとの関係を示し、図7Bには、充放電のレートを0.5CmAとした場合の通電を3時間休止した後のOCVとΔOCVとの関係を示す。図7A及びBに示すように、通電のレートが増加した場合でも、充電時及び放電時の何れにおいても、OCV及びSOCが第1範囲に含まれているときのΔOCVの値は、OCV及びSOCが他の値である場合に比べて小さい。この傾向は、ΔOCV取得のための休止期間が10分間より短い場合も同様である。従って、通電のレートが異なる場合でも、ΔOCVに基づいて、OCVが第1範囲に含まれているか否かを判定することが可能である。但し、図7A及びBに示すように、通電のレートが変化した場合は、OCVが第1範囲に含まれるときに得られるΔOCVは変化することがある。図7Aに示す例では、第1範囲に対応する第2範囲は、ΔOCVが0.07以下となる範囲である。
図8は、高レートで放電した後、休止した場合の時間と電圧との関係の一例を示すグラフである。横軸は時間(h)、縦軸は電圧(V)である。図中の下限電圧は、第1範囲の下限の電圧である。
休止時の電圧は下限電圧より低いが、休止期間に電圧が徐々に上昇し、OCVが下限電圧より高くなり、第1範囲に入っている。
所定の休止期間におけるΔOCVが第2範囲内にある場合、即ち所定値以下である場合、OCVが第1範囲に入るまで上昇するのを待たずに、第1範囲のSOC−OCVに基づいてSOCを推定できる。
ΔOCVが第2範囲外にある場合、即ち所定値以上である場合、OCVが下限電圧より低い電圧で安定状態になり、第1範囲内に入らないと推定できる。
即ち、高レートで放電する等して休止時に下限電圧より低くなった場合において、所定の休止期間経過後にOCVが下限電圧より高くなると推定されるときに、電流積算法に代えて(又は電流積算法と併せて)、電圧に応じてSOCを推定できる。車両の急速充電など、高レートで充電する場合も同様である。
高レートで通電する場合に限定されず、本実施形態の管理方法によれば、休止時の蓄電素子が第1範囲の下限値より低い場合であっても、OCVが第1範囲内にあるか否かの判定を短時間に良好に行うことができ、SOCを良好に推定できる。
休止時の電圧は下限電圧より低いが、休止期間に電圧が徐々に上昇し、OCVが下限電圧より高くなり、第1範囲に入っている。
所定の休止期間におけるΔOCVが第2範囲内にある場合、即ち所定値以下である場合、OCVが第1範囲に入るまで上昇するのを待たずに、第1範囲のSOC−OCVに基づいてSOCを推定できる。
ΔOCVが第2範囲外にある場合、即ち所定値以上である場合、OCVが下限電圧より低い電圧で安定状態になり、第1範囲内に入らないと推定できる。
即ち、高レートで放電する等して休止時に下限電圧より低くなった場合において、所定の休止期間経過後にOCVが下限電圧より高くなると推定されるときに、電流積算法に代えて(又は電流積算法と併せて)、電圧に応じてSOCを推定できる。車両の急速充電など、高レートで充電する場合も同様である。
高レートで通電する場合に限定されず、本実施形態の管理方法によれば、休止時の蓄電素子が第1範囲の下限値より低い場合であっても、OCVが第1範囲内にあるか否かの判定を短時間に良好に行うことができ、SOCを良好に推定できる。
図9は、電気量に対する、X線吸収分光測定(XAFS測定)によって算出したLi過剰型活物質のNiのK吸収端エネルギーの推移を示すグラフである。横軸は蓄電素子が蓄電した電気量を示し、単位はmAh/gである。縦軸はNiのK吸収端エネルギーE0 を示し、単位はeVである。充電時の満充電付近及び放電時の満放電付近の領域では、NiのK吸収端エネルギーはほとんど変化していない。この領域は、酸素が関係する酸化還元反応等、Ni以外の酸化還元反応が発生しているので、蓄電量−電圧特性のヒステリシスが生じていると考えられる。上述の分極の増大は、この酸化還元反応により生じる。この領域では、時定数が大きい反応が生じるため、通電時の分極が増大することでCCV変化が大きくなり、通電後の休止期間の初期のΔOCVが大きいと考えられる。従って、卑な電位から、到達した電位よりも貴な電位まで充電せず、かつ、所定の電位よりも卑な電位まで放電しない場合は、Niの酸化還元反応が主に起こっているので、ヒステリシスが小さくなると考えられる。このヒステリシスが小さくなる領域では、時定数が小さい反応が生じるため、通電時の分極が小さくCCV変化も小さくなり、通電後の休止期間の初期のΔOCVが小さいと考えられる。
ユーザは、SOCが第1範囲に入っている状態で充放電を繰り返すことが多い。
近年、急速充電によって、短時間(10〜15分程度)でSOCが80%程度に到達するように充電できることが要求されている。
ユーザの通常の蓄電素子の使用後に、本実施形態の管理装置及び管理方法を適用できる。蓄電素子の使用を休止したときにOCVが安定するまで待つことなく、ΔOCVにより短時間で蓄電素子が第1範囲内にあることを判定でき、休止のときに取得した電圧によりSOCを推定できる。この電圧は、上述したOCVx に限定されない。レートが低い場合、休止時のCCV(OCV0 )を用いることもできる。CCVを所定の換算式に基づき換算したOCVを用いることもできる。
長時間休止することなくSOCを推定できるため、例えば急速充電後に、短時間でSOCを推定できる。蓄電素子の使用中に、短時間休止してSOCを取得することもできる。
近年、急速充電によって、短時間(10〜15分程度)でSOCが80%程度に到達するように充電できることが要求されている。
ユーザの通常の蓄電素子の使用後に、本実施形態の管理装置及び管理方法を適用できる。蓄電素子の使用を休止したときにOCVが安定するまで待つことなく、ΔOCVにより短時間で蓄電素子が第1範囲内にあることを判定でき、休止のときに取得した電圧によりSOCを推定できる。この電圧は、上述したOCVx に限定されない。レートが低い場合、休止時のCCV(OCV0 )を用いることもできる。CCVを所定の換算式に基づき換算したOCVを用いることもできる。
長時間休止することなくSOCを推定できるため、例えば急速充電後に、短時間でSOCを推定できる。蓄電素子の使用中に、短時間休止してSOCを取得することもできる。
(実施形態1)
以下、実施形態1として、車両に搭載される蓄電モジュールを例に挙げて説明する。図10は、蓄電モジュールの一例を示す模式図である。蓄電モジュール50は、複数の蓄電素子200と、管理装置100と、それらを収容するケース300とを備えている。蓄電モジュール50は、電気自動車(EV)又はプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の動力源として使用されてもよい。蓄電素子200は、角形セルに限定されず、円筒形セル又はパウチセルであってもよい。
以下、実施形態1として、車両に搭載される蓄電モジュールを例に挙げて説明する。図10は、蓄電モジュールの一例を示す模式図である。蓄電モジュール50は、複数の蓄電素子200と、管理装置100と、それらを収容するケース300とを備えている。蓄電モジュール50は、電気自動車(EV)又はプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)の動力源として使用されてもよい。蓄電素子200は、角形セルに限定されず、円筒形セル又はパウチセルであってもよい。
監視装置100は、複数の蓄電素子200と対向して配置される回路基板であってもよい。監視装置100は、蓄電素子200の状態を監視する。監視装置100が、管理装置であってもよい。代替的に、監視装置100と有線接続又は無線接続される図示しないコンピュータが、監視装置100が出力する情報に基づいて管理方法を実行してもよい。
図11は、蓄電モジュールの他の例を示す模式図である。蓄電モジュール(以下、電池モジュールと言う)1は、エンジン車両に好適に搭載される、12ボルト電源又は48ボルト電源であってもよい。図11は、12V電源用の電池モジュール1の模式的斜視図を示している。図12は、電池モジュール1の分解斜視図であり、図13は、実施形態1に係る電池モジュール1のブロック図である。
電池モジュール1は直方体状のケース2を有する。ケース2に、複数のリチウムイオン二次電池(以下、電池と言う)3、複数のバスバー4、BMU(Battery Management Unit)6、及び電流センサ7が収容される。電池3は、直方体状のケース31と、ケース31の一側面に設けられた、極性が異なる一対の端子32,32とを備える。ケース31には、正極板、セパレータ、及び負極板を積層した電極体33が収容されている。電池3は、蓄電素子に対応する。
電極体33の正極板が有する正極活物質及び負極板が有する負極活物質の少なくとも一方は、充放電の推移に応じて2以上の電気化学反応を生じる。電池3の蓄電量−電圧特性は、図1に示すように、所定の充放電条件においてヒステリシスが小さくなる。即ち、電池3は、所定の充放電条件において同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなるOCVの範囲である第1範囲を有している。OCVが第1範囲に含まれる範囲内で充放電を切り替えた場合、蓄電量−電圧特性のヒステリシスは小さい。
正極活物質としては、前述のLi2 MnO3 系活物質であるLiMeO2 -Li2 MnO3 固溶体、Li2 O−LiMeO2 固溶体、Li3 NbO4 −LiMeO2 固溶体、Li4 WO5 −LiMeO2 固溶体、Li4 TeO5 −LiMeO2 固溶体、Li3 SbO4 −LiFeO2 固溶体、Li2 RuO3 −LiMeO2 固溶体、Li2 RuO3 −Li2 MeO3 固溶体等のLi過剰型活物質が挙げられる。負極活物質としては、ハードカーボン、Si、Sn、Cd、Zn、Al、Bi、Pb、Ge、Ag等の金属若しくは合金、又はこれらを含むカルコゲン化物等が挙げられる。カルコゲン化物の一例として、SiOが挙げられる。本発明の技術は、これらの正極活物質及び負極活物質の少なくとも一方がヒステリシスを有する場合、適用可能である。
ケース2は合成樹脂製である。ケース2は、本体21と、本体21の開口部を閉塞する蓋部22と、蓋部22の外面に設けられたBMU収容部23と、BMU収容部23を覆うカバー24と、中蓋25と、仕切り板26とを備える。中蓋25又は仕切り板26は、設けられなくてもよい。本体21の各仕切り板26の間に、電池3が挿入されている。中蓋25には、複数の金属製のバスバー4が載置されている。電池3の端子32が設けられている端子面に中蓋25が配置され、隣り合う電池3の隣り合う端子32がバスバー4により接続され、電池3が直列に接続されている。
BMU収容部23は箱状をなし、一長側面の中央部に、外側に角型に突出した突出部23aを有する。蓋部22における突出部23aの両側には、鉛合金等の金属製で、極性が異なる一対の外部端子5,5が設けられている。BMU6は、基板に情報処理部60、電圧計測部8、及び電流計測部9を実装してなる。BMU収容部23にBMU6を収容し、カバー24によりBMU収容部23を覆うことにより、電池3とBMU6とが接続される。BMU6又は情報処理部60は、管理装置に対応する。情報処理部60は、コンピュータに対応する。
図13に示すように、情報処理部60は、CPU(Central Processing Unit )62と、メモリ63とを備える。メモリ63は、不揮発性のメモリである。メモリ63は、本実施形態に係るSOC推定プログラム(以下、プログラムという)631を含む各種のプログラムを記憶している。CPU62は、メモリ63から読み出したプログラム631に従って、又はメモリ63に記憶したプログラム631に従って、SOC推定処理を実行する。プログラム631は、例えば、CD−ROMやDVD−ROM、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体70に格納された状態で提供され、BMU6にインストールすることによりメモリ63に格納される。代替的に、通信網に接続されている図示しない外部コンピュータからプログラム631を取得し、メモリ63に記憶させてもよい。
また、メモリ63は、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれるときの蓄電量−電圧特性を示す特性データ632を記憶している。第1範囲は、電池3の構成によって定まっている。特性データ632は、例えば、図1に示すごとき充電時と放電時との平均のSOC−OCV曲線を示す。特性データ632は、蓄電量−電圧特性を実測することにより取得される。特性データ632は、更新されないデータであってもよく、実測により適宜更新されてもよい。例えば、電池3の使用の都度、蓄電量−電圧特性が測定され、特性データ632が更新されてもよい。特性データ632は、代替的に、充電時及び放電時の夫々のSOC−OCV曲線であってもよい。SOC−OCVは関数式としてメモリ63に格納してもよい。
また、メモリ63は、OCVが第1範囲に含まれるときに得られるΔOCVの範囲である第2範囲を示す範囲情報633を記憶している。第2範囲は、図4及び図7に示したような、SOC又はOCVとΔOCVとの関係を実測し、OCVが第1範囲に含まれているときのΔOCVの範囲を求めることにより、取得される。範囲情報633は、第2範囲の上限を示していてもよく、第2範囲の上限及び下限を示していてもよい。メモリ63は、第1記憶部に対応する。
電圧計測部8は、電圧検知線を介して電池3の両端に夫々接続されており、各電池3の電圧を所定時間間隔で測定する。電流計測部9は、電流センサ7を介して電池3に流れる電流を所定時間間隔で計測する。電池モジュール1の外部端子5,5は、エンジン始動用のスターターモータ及び電装品等の負荷11に接続されている。ECU(Electronic Control Unit)10は、BMU6及び負荷11に接続されている。
本実施形態の管理方法として、ΔOCVが第2範囲に含まれているか否かを判定し、ΔOCVが第2範囲に含まれている場合に、蓄電量を推定する蓄電量推定方法を説明する。
図14は、実施形態1に係る情報処理部60が実行する蓄電量推定の処理の手順を示すフローチャートである。CPU62は、プログラム631に従って以下の処理を実行する。
CPU62は、電池3の動作中に電池3の通電が休止したことを検出する(S11)。S11では、例えば、CPU62は、電流計測部9の計測結果に基づいて電池3の通電が休止されたことを検出する。CPU62は、ECU10の制御により電池3の通電が休止された場合に、電池3の通電が休止されたことをECU10から通知されてもよい。CPU62は、ECU10を通じて電池3の動作を制御することにより、電池3の通電を休止させ、通電の休止を検出してもよい。
図14は、実施形態1に係る情報処理部60が実行する蓄電量推定の処理の手順を示すフローチャートである。CPU62は、プログラム631に従って以下の処理を実行する。
CPU62は、電池3の動作中に電池3の通電が休止したことを検出する(S11)。S11では、例えば、CPU62は、電流計測部9の計測結果に基づいて電池3の通電が休止されたことを検出する。CPU62は、ECU10の制御により電池3の通電が休止された場合に、電池3の通電が休止されたことをECU10から通知されてもよい。CPU62は、ECU10を通じて電池3の動作を制御することにより、電池3の通電を休止させ、通電の休止を検出してもよい。
CPU62は、次に、ΔOCVを取得する(S12)。S12では、CPU62は、電圧計測部8及び電流計測部9の計測結果に基づいて、通電休止の直後の電池3の両極間電圧の値OCV0 を取得し、通電の休止が継続して1分又は10分等の所定の期間が経過したときの電池3の両極間電圧の値OCVx を取得する。CPU62は、ΔOCV=|OCVx −OCV0 |を計算する。S12の処理は取得部に対応する。
CPU62は、取得したΔOCVが、範囲情報633が示す第2範囲に含まれているか否かを判定する(S13)。S13の処理は判定部に対応する。ΔOCVが第2範囲に含まれていない場合は(S13:NO)、CPU62は、電流積算により電池3のSOCを推定し(S14)、処理を終了する。CPU62は、S13で、ΔOCVが第2範囲に含まれていないことに応じて、電池3のOCVが第1範囲に含まれないことを検出し、S14で、OCVが第1範囲に含まれない場合のSOCの推定方法を実行する。
CPU62は、取得したΔOCVが、範囲情報633が示す第2範囲に含まれているか否かを判定する(S13)。S13の処理は判定部に対応する。ΔOCVが第2範囲に含まれていない場合は(S13:NO)、CPU62は、電流積算により電池3のSOCを推定し(S14)、処理を終了する。CPU62は、S13で、ΔOCVが第2範囲に含まれていないことに応じて、電池3のOCVが第1範囲に含まれないことを検出し、S14で、OCVが第1範囲に含まれない場合のSOCの推定方法を実行する。
ΔOCVが第2範囲に含まれている場合(S13:YES)、CPU62は、OCV法により電池3のSOCを推定する(S15)。CPU62は、S13で、ΔOCVが第2範囲に含まれていることに応じて、電池3のOCVが第1範囲に含まれていることを検出し、S15で、OCVが第1範囲に含まれている場合のSOCの推定方法を実行する。S15では、CPU62は、OCVx をOCVとみなして、特性データ632が示す蓄電量−電圧特性に基づいて、OCVに対応するSOCを推定する。例えば、CPU62は、図1に示すごとき充電時と放電時との平均のSOC−OCV曲線上でOCVに対応するSOCの値を読み取ることにより、SOCを推定する。S15の処理は推定部に対応する。S15の処理が終了した後は、CPU62は、蓄電量推定の処理を終了する。なお、CPU62は、S15において第1範囲に対応するSOCの値が推定できなかった場合に、S14の処理を行ってもよい。例えば、CPU62は、SOC−OCV曲線上にOCVに対応するSOCの値が無かった場合に、S14の処理を行ってもよい。CPU62は、S15の処理により推定したSOCの値が第1範囲に対応するSOCの範囲に含まれていない場合に、S14の処理を行ってもよい。なお、S11〜S15の処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実行されてもよい。
以上詳述した如く、情報処理部60は、電池3の通電が休止してからのΔOCVを取得し、第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。OCVが第1範囲に含まれている場合はOCVが他の値である場合に比べてΔOCVの値が小さいので、第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合は、OCVが第1範囲に含まれている状態であると推定することができる。即ち、OCVがヒステリシスの小さくなる範囲にあることを判定することが可能となる。OCVが第1範囲に含まれている状態、即ちOCVがヒステリシスの小さくなる範囲にある状態では、同一のSOCに対する放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さく、SOC−OCV曲線がほぼ一義的に決まる。また、OCVがヒステリシスの小さくなる範囲にある状態では、電圧の変化が小さいので、通電休止から所定の期間経過した後の電池3の両極間電圧の値OCVx はOCVに近い値となり、OCVx をOCVとみなしてOCV法を行うことができる。このため、OCV法により電池3のSOCを推定することができる。また、情報処理部60は、SOC−OCV曲線から蓄電量の推定を行うことができるので、蓄電量としてSOCのみならず、電力量等、電池3に蓄えられた現在のエネルギーの量を推定することができる。
従って、管理装置は、蓄電量−電圧特性のヒステリシスを有する電池3についても、精度良く蓄電量を推定することが可能である。高容量を実現するために、電池3が蓄電量−電圧特性のヒステリシスが生じるような電極材料を用いている場合であっても、管理装置は、精度良く蓄電量を推定することが可能である。即ち、管理装置は、高容量の電池3の蓄電量を精度良く推定することが可能である。また、電池モジュール1は、精度良く推定された蓄電量に基づいて、効率的に電池3の充電及び放電の制御を行うことができる。
(実施形態2)
実施形態2においては、SOCとΔOCVとの関係に基づいて、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲を特定する形態を示す。図15は、実施形態2に係る電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、図4A又は図4Bに示す如き、一定のレートで電池3に通電を行った場合のSOC又はOCVとΔOCVとの関係を示すΔOCV特性(変化量特性)を記録したΔOCV特性データ(以下、特性データという)634を記憶している。メモリ63は、第1記憶部、第2記憶部に対応する。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態2においては、SOCとΔOCVとの関係に基づいて、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲を特定する形態を示す。図15は、実施形態2に係る電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、図4A又は図4Bに示す如き、一定のレートで電池3に通電を行った場合のSOC又はOCVとΔOCVとの関係を示すΔOCV特性(変化量特性)を記録したΔOCV特性データ(以下、特性データという)634を記憶している。メモリ63は、第1記憶部、第2記憶部に対応する。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
図16は、実施形態2に係る情報処理部60が実行する第2範囲特定の処理の手順を示すフローチャートである。CPU62は、プログラム631に従って以下の処理を実行する。
CPU62は、一定のレートで電池3の通電を行った場合のSOC又はOCVとΔOCVとの関係であるΔOCV特性を取得する(S21)。S21では、CPU62は、一定のレートで電池3の通電を行い、充電時及び放電時における夫々のSOCに対応するΔOCVを取得することにより、図4Aに示す如きSOCとΔOCVとの関係を示すΔOCV特性を取得する。又は、CPU62は、一定のレートで電池3の通電を行い、充電時及び放電時において、通電を休止して一定時間経過後のOCVの夫々に対応するΔOCVを取得することにより、図4Bに示すごときOCVとΔOCVとの関係を示すΔOCV特性を取得する。
CPU62は、取得したΔOCV特性を記録した特性データ634をメモリ63に記憶させる(S22)。S21及びS22の処理は、例えば、電池モジュール1の製造時又は負荷11への接続時に行われる。S21及びS22の処理は、予め作成されている特性データ634をCPU62が外部からダウンロードし、メモリ63が記憶することによって実行されてもよい。
CPU62は、一定のレートで電池3の通電を行った場合のSOC又はOCVとΔOCVとの関係であるΔOCV特性を取得する(S21)。S21では、CPU62は、一定のレートで電池3の通電を行い、充電時及び放電時における夫々のSOCに対応するΔOCVを取得することにより、図4Aに示す如きSOCとΔOCVとの関係を示すΔOCV特性を取得する。又は、CPU62は、一定のレートで電池3の通電を行い、充電時及び放電時において、通電を休止して一定時間経過後のOCVの夫々に対応するΔOCVを取得することにより、図4Bに示すごときOCVとΔOCVとの関係を示すΔOCV特性を取得する。
CPU62は、取得したΔOCV特性を記録した特性データ634をメモリ63に記憶させる(S22)。S21及びS22の処理は、例えば、電池モジュール1の製造時又は負荷11への接続時に行われる。S21及びS22の処理は、予め作成されている特性データ634をCPU62が外部からダウンロードし、メモリ63が記憶することによって実行されてもよい。
CPU62は、次に、メモリ63に記憶している特性データ634に基づいて、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲を特定する(S23)。S23では、CPU62は、ΔOCV特性から、予め定められている第1範囲に含まれるOCVに対応するΔOCV、又は第1範囲に含まれるSOCに対応するΔOCVを取得し、取得したΔOCVの範囲を特定する。S23の処理は特定部に対応する。
CPU62は、特定した第2範囲を示す範囲情報633をメモリ63に記憶させ(S24)、処理を終了する。情報処理部60は、S21〜S24の処理を一回のみ実行してもよい。情報処理部60は、一定期間が経過した場合等、適宜のタイミングでS21〜S24の処理を繰り返すことにより、ΔOCV特性を記録した特性データ634、及び第2範囲を示す範囲情報633を適宜更新してもよい。
CPU62は、特定した第2範囲を示す範囲情報633をメモリ63に記憶させ(S24)、処理を終了する。情報処理部60は、S21〜S24の処理を一回のみ実行してもよい。情報処理部60は、一定期間が経過した場合等、適宜のタイミングでS21〜S24の処理を繰り返すことにより、ΔOCV特性を記録した特性データ634、及び第2範囲を示す範囲情報633を適宜更新してもよい。
情報処理部60は、実施形態1と同様に、S11〜S15の蓄電量推定の処理を実行する。これにより、本実施形態においても、情報処理部60は、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。なお、CPU62は、S23及びS24の処理をS13の処理の直前に実行してもよい。
本実施形態においても、情報処理部60は、第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。従って管理装置は、蓄電量−電圧特性のヒステリシスを有する電池3についても、精度良く蓄電量を推定することが可能である。
情報処理部60は、取得したΔOCV特性に基づいて、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲を特定する。実際のSOC又はOCVとΔOCVとの関係に基づいて第2範囲が特定されるので、電池3の実態に即した第2範囲が用いられ、OCVが第1範囲に含まれることがより正確に判定される。また、ΔOCV特性及び第2範囲が適宜更新されることにより、電池3の経時変化に応じた第2範囲が用いられ、OCVが第1範囲に含まれることがより正確に判定される。従って、管理装置は、より精度良く電池3の蓄電量を推定することが可能である。
(実施形態3)
上述したように、第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲は、蓄電素子の通電のレートによって異なることがある。実施形態3においては、通電のレートに応じた第2範囲を用いてSOCを推定する形態を示す。
図17は、実施形態3に係る電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、第2範囲テーブル635を記憶している。第2範囲テーブル635には、電池3の通電のレート別に、第2範囲を示す範囲情報が記録されている。例えば、第2範囲テーブル635には、複数のレートの値の夫々に関連付けて範囲情報が記録されている。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
上述したように、第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲は、蓄電素子の通電のレートによって異なることがある。実施形態3においては、通電のレートに応じた第2範囲を用いてSOCを推定する形態を示す。
図17は、実施形態3に係る電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、第2範囲テーブル635を記憶している。第2範囲テーブル635には、電池3の通電のレート別に、第2範囲を示す範囲情報が記録されている。例えば、第2範囲テーブル635には、複数のレートの値の夫々に関連付けて範囲情報が記録されている。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
図18は、実施形態3に係る情報処理部60が実行する蓄電量推定の処理の手順を示すフローチャートである。CPU62は、プログラム631に従って以下の処理を実行する。
CPU62は、電池3の動作中に電池3の通電が休止したことを検出し(S31)、ΔOCVを取得する(S32)。S32の処理は取得部に対応する。
CPU62は、S31で休止された通電のレートを特定する(S33)。例えば、CPU62は、通電が行われていた間の電圧計測部8及び電流計測部9の計測結果に基づいて通電のレートを特定する。代替的に、例えばCPU62は、通電が行われていた間の制御信号に基づいて通電のレートを特定する。
CPU62は、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する(S34)。S34では、CPU62は、メモリ63が記憶する第2範囲テーブル635に特定した通電のレートに関連付けて記録されている範囲情報を読み出す。CPU62は、第2範囲を、読み出した範囲情報が示す第2範囲に特定する。CPU62は、特定した通電のレートに関連付けられた範囲情報が記録されていない場合でも、第2範囲テーブル635に記録された範囲情報に基づき、内挿法等により、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する処理を行ってもよい。
CPU62は、電池3の動作中に電池3の通電が休止したことを検出し(S31)、ΔOCVを取得する(S32)。S32の処理は取得部に対応する。
CPU62は、S31で休止された通電のレートを特定する(S33)。例えば、CPU62は、通電が行われていた間の電圧計測部8及び電流計測部9の計測結果に基づいて通電のレートを特定する。代替的に、例えばCPU62は、通電が行われていた間の制御信号に基づいて通電のレートを特定する。
CPU62は、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する(S34)。S34では、CPU62は、メモリ63が記憶する第2範囲テーブル635に特定した通電のレートに関連付けて記録されている範囲情報を読み出す。CPU62は、第2範囲を、読み出した範囲情報が示す第2範囲に特定する。CPU62は、特定した通電のレートに関連付けられた範囲情報が記録されていない場合でも、第2範囲テーブル635に記録された範囲情報に基づき、内挿法等により、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する処理を行ってもよい。
CPU62は、取得したΔOCVが、特定した第2範囲に含まれているか否かを判定する(S35)。S35の処理は判定部に対応する。ΔOCVが第2範囲に含まれていない場合は(S35:NO)、CPU62は、電流積算により電池3のSOCを推定し(S36)、処理を終了する。CPU62は、S35で、ΔOCVが第2範囲に含まれていないことに応じて、電池3のOCVが第1範囲に含まれないことを検出し、S36で、OCVが第1範囲に含まれない場合のSOCの推定方法を実行する。
ΔOCVが第2範囲に含まれている場合は(S35:YES)、CPU62は、OCV法により電池3のSOCを推定し(S37)、処理を終了する。
CPU62は、S35で、ΔOCVが第2範囲に含まれていることに応じて、電池3のOCVが第1範囲に含まれていることを検出し、S37で、OCVが第1範囲に含まれている場合のSOCの推定方法を実行する。S37では、CPU62は、OCVx をOCVとみなして、特性データ632が示す蓄電量−電圧特性に基づいて、OCVに対応するSOCを推定する。なお、CPU62は、S37において第1範囲に対応するSOCの値が推定できなかった場合に、S36の処理を行ってもよい。また、S31〜S37の処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実行されてもよい。
ΔOCVが第2範囲に含まれている場合は(S35:YES)、CPU62は、OCV法により電池3のSOCを推定し(S37)、処理を終了する。
CPU62は、S35で、ΔOCVが第2範囲に含まれていることに応じて、電池3のOCVが第1範囲に含まれていることを検出し、S37で、OCVが第1範囲に含まれている場合のSOCの推定方法を実行する。S37では、CPU62は、OCVx をOCVとみなして、特性データ632が示す蓄電量−電圧特性に基づいて、OCVに対応するSOCを推定する。なお、CPU62は、S37において第1範囲に対応するSOCの値が推定できなかった場合に、S36の処理を行ってもよい。また、S31〜S37の処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実行されてもよい。
なお、情報処理部60は、実施形態2と同様に、ΔOCV特性を記録したΔOCV特性データをメモリ63に記憶する形態であってもよい。この形態では、メモリ63は、通電のレート別にΔOCV特性データを記憶する。CPU62は、通電のレート別に、ΔOCV特性データから第2範囲を特定し、特定した第2範囲を示す範囲情報を通電のレートに関連付けて第2範囲テーブル635に記録する。また、情報処理部60は、ΔOCV特性データ、及び第2範囲を示す範囲情報を適宜更新してもよい。
本実施形態においても、情報処理部60は、第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。従って、管理装置は、蓄電量−電圧特性のヒステリシスを有する電池3についても、精度良く蓄電量を推定することが可能である。また、管理装置は、高容量の電池3の蓄電量を精度良く推定することが可能である。
情報処理部60は、通電のレート別に定められている第2範囲に基づいて、実際の通電のレートに応じた第2範囲を特定し、特定した第2範囲を用いて、蓄電量の推定を行う。OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲は電池3の通電のレートによって異なることがあるので、通電のレートに応じた第2範囲が用いられることによって、OCVが第1範囲に含まれることがより正確に判定される。従って、管理装置は、より精度良く電池3の蓄電量を推定することが可能である。
(実施形態4)
第1範囲は、蓄電素子の劣化に応じて変化することがある。実施形態4においては、蓄電素子の劣化に応じた第1範囲を用いてSOCを推定する形態を示す。
図19は、実施形態4に係る電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、プログラム631と、特性データ632と、範囲情報633と特性データ634と、第1範囲テーブル636とを記憶している。第1範囲テーブル636には、電池3の劣化の度合いに関連付けて第1範囲が記録されている。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
第1範囲は、蓄電素子の劣化に応じて変化することがある。実施形態4においては、蓄電素子の劣化に応じた第1範囲を用いてSOCを推定する形態を示す。
図19は、実施形態4に係る電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、プログラム631と、特性データ632と、範囲情報633と特性データ634と、第1範囲テーブル636とを記憶している。第1範囲テーブル636には、電池3の劣化の度合いに関連付けて第1範囲が記録されている。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
図20は、実施形態4に係る情報処理部60が実行する第2範囲特定の処理の手順を示すフローチャートである。CPU62は、プログラム631に従って以下の処理を実行する。
CPU62は、適宜のタイミングで、電池3の劣化の度合いを判定する(S41)。例えば、CPU62は、実施形態2と同様に、一定のレートで電池3の通電を行った場合のSOC又はOCVとΔOCVとの関係であるΔOCV特性を取得し、ΔOCV特性を記録した特性データ634をメモリ63に記憶させ、次に、S41の処理を実行する。また、例えば、CPU62は、特定の期間が経過する都度、電池3の通電を特定の回数行った都度、又は電池3の通電を所定時間行った都度、S41の処理を行う。S41では、CPU62は、予め定められた特定の方法で電池3の劣化の度合いを判定する。
CPU62は、適宜のタイミングで、電池3の劣化の度合いを判定する(S41)。例えば、CPU62は、実施形態2と同様に、一定のレートで電池3の通電を行った場合のSOC又はOCVとΔOCVとの関係であるΔOCV特性を取得し、ΔOCV特性を記録した特性データ634をメモリ63に記憶させ、次に、S41の処理を実行する。また、例えば、CPU62は、特定の期間が経過する都度、電池3の通電を特定の回数行った都度、又は電池3の通電を所定時間行った都度、S41の処理を行う。S41では、CPU62は、予め定められた特定の方法で電池3の劣化の度合いを判定する。
CPU62は、第1範囲テーブル636に基づいて、電池3の劣化に応じて第1範囲を更新する(S42)。S42では、CPU62は、メモリ63が記憶する第1範囲テーブル636から、判定した劣化の度合いに関連付けて記録されている第1範囲を読み出すことにより、第1範囲を更新する。S41〜S42の処理は、更新部に対応する。
CPU62は、メモリ63に記憶している特性データ634に基づいて、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲を特定する(S43)。S43では、CPU62は、ΔOCV特性から、更新した第1範囲に含まれるOCVに対応するΔOCV、又は第1範囲に含まれるSOCに対応するΔOCVを取得し、取得したΔOCVの範囲を特定する。S43の処理は特定部に対応する。
CPU62は、特定した第2範囲を示す範囲情報633をメモリ63に記憶させ(S44)、処理を終了する。情報処理部60は、S41〜S44の処理を適宜繰り返す。例えば、情報処理部60は、ΔOCV特性を取得し、特性データ634をメモリ63に記憶する処理を行う都度、S41〜S44の処理を実行する。
CPU62は、メモリ63に記憶している特性データ634に基づいて、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲を特定する(S43)。S43では、CPU62は、ΔOCV特性から、更新した第1範囲に含まれるOCVに対応するΔOCV、又は第1範囲に含まれるSOCに対応するΔOCVを取得し、取得したΔOCVの範囲を特定する。S43の処理は特定部に対応する。
CPU62は、特定した第2範囲を示す範囲情報633をメモリ63に記憶させ(S44)、処理を終了する。情報処理部60は、S41〜S44の処理を適宜繰り返す。例えば、情報処理部60は、ΔOCV特性を取得し、特性データ634をメモリ63に記憶する処理を行う都度、S41〜S44の処理を実行する。
情報処理部60は、実施形態1と同様に、S11〜S15の蓄電量推定の処理を実行する。これにより、本実施形態においても、情報処理部60は、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。なお、CPU62は、S41〜S44の処理をS13の処理の直前に実行してもよい。
情報処理部60は、実施形態3と同様に、通電のレート別の第2範囲を用いて蓄電量の推定を行う形態であってもよい。この形態では、メモリ63は、第2範囲テーブル635を記憶する。CPU62は、電池3の通電のレート別にS41〜S44の処理を行い、S44では、特定した第2範囲を示す範囲情報を通電のレートに関連付けて第2範囲テーブル635に記録する。情報処理部60は、S31〜S37の蓄電量推定の処理を実行する。蓄電量推定の処理では、CPU62は、特定した通電のレートに関連付けられた範囲情報が第2範囲テーブル635に記録されていない場合でも、記録された範囲情報に基づき、内挿法等により、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する処理を行ってもよい。
本実施形態においても、情報処理部60は、第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。従って、管理装置は、蓄電量−電圧特性のヒステリシスを有する電池3についても、精度良く蓄電量を推定することが可能である。また、管理装置は、高容量の電池3の蓄電量を精度良く推定することが可能である。
情報処理部60は、電池3の劣化に応じて第1範囲を更新した上で、蓄電量の推定を行う。第1範囲は、電池3の劣化に応じて変化することがあるので、電池3の劣化に応じた第1範囲が用いられることによって、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲がより正確に特定される。より正確に特定された第2範囲が用いられることによって、OCVが第1範囲に含まれることがより正確に判定される。従って、管理装置は、より精度良く電池3の蓄電量を推定することが可能である。
(実施形態5)
実施形態5においても、蓄電素子の劣化に応じた第1範囲を用いてSOCを推定する形態を示す。
図21は、電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、プログラム631と、特性データ632と、範囲情報633と、特性データ634と、係数テーブル637とを記憶している。係数テーブル637には、電池3の劣化の度合いに関連付けて、劣化前の第1範囲に乗じて劣化後の第1範囲を求めるための係数が記録されている。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態5においても、蓄電素子の劣化に応じた第1範囲を用いてSOCを推定する形態を示す。
図21は、電池モジュール1のブロック図である。メモリ63は、プログラム631と、特性データ632と、範囲情報633と、特性データ634と、係数テーブル637とを記憶している。係数テーブル637には、電池3の劣化の度合いに関連付けて、劣化前の第1範囲に乗じて劣化後の第1範囲を求めるための係数が記録されている。電池モジュール1のその他の構成は、実施形態1と同様である。
情報処理部60は、図20に示したS41〜S44の処理により、第2範囲を特定する。CPU62は、適宜のタイミングで、電池3の劣化の度合いを判定し(S41)、係数テーブル637に基づいて、電池3の劣化に応じて第1範囲を更新する(S42)。S42では、CPU62は、メモリ63が記憶する係数テーブル637から、判定した劣化の度合いに関連付けて記録されている係数を読み出し、予め定められている劣化前の第1範囲の値に、読み出した係数を乗じることにより、第1範囲を更新する。 CPU62は、メモリ63に記憶している特性データ634に基づいて、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲を特定し(S43)、特定した第2範囲を示す範囲情報633をメモリ63に記憶させ(S44)、処理を終了する。情報処理部60は、S41〜S44の処理を適宜繰り返す。例えば、情報処理部60は、ΔOCV特性を取得し、特性データ634をメモリ63に記憶する処理を行う都度、S41〜S44の処理を実行する。
情報処理部60は、実施形態1と同様に、S11〜S15の蓄電量推定の処理を実行する。なお、CPU62は、S41〜S44の処理をS13の処理の直前に実行してもよい。
情報処理部60は、実施形態3と同様に、メモリ63に第2範囲テーブル635を記憶し、通電のレート別の第2範囲を用いて蓄電量の推定を行う形態であってもよい。この形態では、CPU62は、電池3の通電のレート別にS41〜S44の処理を行い、S44では、特定した第2範囲を示す範囲情報を通電のレートに関連付けて第2範囲テーブル635に記録する。情報処理部60は、S31〜S37の蓄電量推定の処理を実行する。蓄電量推定の処理では、CPU62は、特定した通電のレートに関連付けられた範囲情報が第2範囲テーブル635に記録されていない場合でも、記録された範囲情報に基づき、内挿法等により、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する処理を行ってもよい。
情報処理部60は、実施形態3と同様に、メモリ63に第2範囲テーブル635を記憶し、通電のレート別の第2範囲を用いて蓄電量の推定を行う形態であってもよい。この形態では、CPU62は、電池3の通電のレート別にS41〜S44の処理を行い、S44では、特定した第2範囲を示す範囲情報を通電のレートに関連付けて第2範囲テーブル635に記録する。情報処理部60は、S31〜S37の蓄電量推定の処理を実行する。蓄電量推定の処理では、CPU62は、特定した通電のレートに関連付けられた範囲情報が第2範囲テーブル635に記録されていない場合でも、記録された範囲情報に基づき、内挿法等により、特定した通電のレートに応じた第2範囲を特定する処理を行ってもよい。
本実施形態においても、情報処理部60は、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲にOCVが含まれるときの第2範囲にΔOCVが含まれる場合に、OCV法により電池3のSOCを推定する。従って、管理装置は、蓄電量−電圧特性のヒステリシスを有する電池3についても、精度良く蓄電量を推定することが可能である。また、管理装置は、高容量の電池3の蓄電量を精度良く推定することが可能である。
情報処理部60は、電池3の劣化に応じて、放電時のOCVと充電時のOCVとの差が小さくなる第1範囲を更新した上で、蓄電量の推定を行う。電池3の劣化に応じた第1範囲が用いられることによって、OCVが第1範囲に含まれるときの第2範囲がより正確に特定される。より正確に特定された第2範囲が用いられることによって、OCVが第1範囲に含まれることがより正確に判定される。従って、管理装置は、より精度良く電池3の蓄電量を推定することが可能である。
本発明は上述した実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。即ち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
管理装置が、車載用のリチウムイオン二次電池に適用される場合を例示した。代替的に、電力平準化用蓄電装置、鉄道用回生電力貯蔵装置、太陽光発電システム等の産業用途の蓄電モジュールにも適用できる。微小電流が流れる蓄電モジュールにおいては、蓄電素子の正極端子・負極端子間の電圧をOCVとみなすことができる。蓄電素子は、リチウムイオン二次電池に限定されるものではなく、蓄電量−電圧特性のヒステリシスを有する他の二次電池又は電気化学セルであってもよい。
監視装置100又はBMU6が管理装置である場合を例示した。代替的に、CMU(Cell Monitoring Unit)が管理装置であってもよい。管理装置は、監視装置100等が組み込まれた蓄電モジュールの一部であってもよい。管理装置は、蓄電素子や蓄電モジュールとは別個に構成されて、蓄電量推定対象の蓄電素子を含む蓄電モジュールに、蓄電量の推定時に接続されてもよい。管理装置は、蓄電素子や蓄電モジュールを遠隔監視してもよい。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子の管理に適用できる。
1、50 電池モジュール(蓄電モジュール)
200 蓄電素子
3 電池(蓄電素子)
31 ケース
32 端子
33 電極体
4 バスバー
5 外部端子
6 BMU(管理装置)
60 情報処理部
62 CPU
63 メモリ(第1記憶部、第2記憶部)
631 プログラム(コンピュータプログラム)
70 記録媒体
7 電流センサ
8 電圧計測部
9 電流計測部
10 ECU
100 監視装置(管理装置)
200 蓄電素子
3 電池(蓄電素子)
31 ケース
32 端子
33 電極体
4 バスバー
5 外部端子
6 BMU(管理装置)
60 情報処理部
62 CPU
63 メモリ(第1記憶部、第2記憶部)
631 プログラム(コンピュータプログラム)
70 記録媒体
7 電流センサ
8 電圧計測部
9 電流計測部
10 ECU
100 監視装置(管理装置)
Claims (9)
- 蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得する取得部と、
前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する判定部と
を備える、管理装置。 - 前記変化量が前記第2範囲に含まれていると判定された場合に、前記蓄電量−電圧特性に基づいて、前記蓄電素子の蓄電量を推定する推定部
を更に備える、請求項1に記載の管理装置。 - 前記蓄電素子の通電のレート別に、第2範囲を記憶する第1記憶部を更に備え、
前記判定部は、前記第1記憶部が記憶している通電のレートに応じた第2範囲を特定し、前記変化量が前記第2範囲に含まれているか否かを判定する、請求項2に記載の管理装置。 - 所定のレートで前記蓄電素子の通電を行い、蓄電量が所定量変化する都度、通電を休止し、通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得し、蓄電量又は電圧と変化量との関係を示す変化量特性を記憶する第2記憶部と、
前記変化量特性に基づいて、第2範囲を特定する特定部と
を更に備え、
前記第1記憶部は、特定された前記第2範囲を記憶する、請求項3に記載の管理装置。 - 前記蓄電素子の劣化に応じて、第1範囲を更新する更新部を更に備え、
前記特定部は、前記変化量特性に基づいて、前記更新部が更新した前記第1範囲に応じた第2範囲を特定することにより、第2範囲を更新し、
前記第1記憶部は、前記特定部が更新した第2範囲を記憶し、
前記推定部は、前記第2範囲に基づいて、前記蓄電素子の蓄電量を推定する、請求項4に記載の管理装置。 - 前記蓄電素子の急速充電後に、前記推定部は前記蓄電素子の蓄電量を推定する、請求項2乃至5のいずれか一つに記載の管理装置。
- 蓄電素子と、
請求項1乃至6のいずれか一つに記載の管理装置と
を備える、蓄電モジュール。 - 蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得し、
前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する、管理方法。 - コンピュータに、
蓄電素子の通電が行われている状態から通電が休止したときの前記蓄電素子の電圧と、通電の休止から所定の期間が経過したときの電圧との変化量を取得し、
前記変化量が、同一蓄電量に対して充電時及び放電時の各蓄電量−電圧特性間の電圧の差が他の範囲より小さくなる第1範囲に対応する、第2範囲に含まれているか否かを判定する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
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