JP5823292B2 - 蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置に関し、特に蓄電デバイスの充放電停止後の開放端電圧をもとに状態量を高精度に検知する蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置に関するものである。
近年、蓄電デバイスに対するニーズが高まっており、例えば自動車では蓄電デバイスである蓄電池から電源供給を受けて動作する電気機器が多く搭載されるようになり、蓄電池の重要度がますます高まっている。近年はバイワイヤー化が進み、電動ブレーキ(EPB)に代表される安全系の部品を電気で制御するようになってきている。また、省エネや二酸化炭素の排出規制に伴って、交差点などでの短時間停止時のアイドリングストップ機能とその再始動能力の確保が求められている。
自動車以外の分野でも、例えば太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーの利用を進める上で、発電電力量の平準化や余剰電力の蓄電のために蓄電デバイスが用いられる。さらに、停電時等に電気機器に電力供給を行うための安定化電源、補助電源等のバックアップ電源にも蓄電デバイスが用いられる。このような蓄電デバイスには、二次電池やキャパシタ等の電解液中または個体電解質中のイオンの移動を伴うものが用いられている。
元来、蓄電デバイスの残容量と電圧との関係がネルンストの式で定義されており、電圧を測定することで蓄電デバイスの性能を判断することができていた。例えば、液式鉛蓄電池では、充放電停止後十分に安定したときの開放端電圧(OCV)と残容量(SOC:State of charge)との間に、図9に示すような1:1に対応する関係がある。このような1:1の関係は、液式鉛蓄電池が充放電を停止してから十分に長い時間が経過した後の安定したときのOCVに対して得られる。図9に示すような安定時のOCVとSOCとの関係を用いて、蓄電池の状態検知を行う技術が特許文献1に記載されている。
しかしながら、充放電停止後の蓄電デバイスは、電気化学反応による極板表面でのイオンの生成・消滅反応、電解液の拡散や対流によるイオンの移動、等の影響を受けている。そのため、安定したOCVに収束するまでに時間がかかり(例えば20時間程度)、収束する前のOCVではSOCと1:1に対応しなくなってしまう。そこで、充放電停止後の緩和中の開放端電圧を測定し、これをもとに状態検知を行う方法が特許文献2に開示されている。
特許文献2では、測定された開放端電圧の基準OCV(安定時OCV)からの差分電圧を所定の関数でフィッティングし、これを緩和速度に応じて成分分解(F_fast、F_slow)し、これから所定の参照データを用いてSOC、SOHを求める状態検知方法が記載されている。緩和速度に応じた成分分解により、緩和速度が異なる特性毎に状態量への影響を評価して状態量の変化量を算出することができる。すなわち、特許文献2の状態検知方法では、OCVの変化を電解液中の緩和現象の統計的な総和としてとらえている。
特開2007−178215号公報 特開2009−257784号公報
しかしながら、特許文献2の状態検知方法では状態量を算出するのに開放端電圧の測定値をそのまま用いて行っているため、図10に例示するようなノイズSnが測定値に含まれていると、その影響で参照データRと算出した状態量Xとの間に大きな誤差が含まれてしまうおそれがある。また、特許文献2の状態検知方法では、電解液中の緩和現象の統計的な総和としてOCVの変化をとらえているため、蓄電デバイス内に局所的な変化が生じて電圧が一時的に変化すると、その時点における状態検知に局所的な変化が影響して状態量の算出に誤差が含まれてしまう。
一例として、図11に示すように蓄電デバイスの極板90の一部に剥離などの異常部分91が生じると、その領域だけ他とは異なる局所的な電圧変化が生じる。特許文献2の状態検知方法では、事前に作成した参照データを用いて状態量の算出を行っているが、参照データはそのような局所的な変化を含まない均質な条件で作成している。そのため、局所的な変化による電圧変化が開放端電圧の測定値に重畳され、その影響で状態量の算出値に誤差が含まれてしまう。
さらに、特許文献2の状態検知方法では、状態検知を高精度に行うために、開放端電圧の基準OCVからの差分電圧をフィッティングするのに用いる関数を、緩和速度に応じて成分分解(F_fast、F_slow)できるように作成している。そのため、回帰計算によるフィッティングに時間がかかったり、フィッティング演算中の消費電力が増大したり、測定データを格納するためのメモリ容量を多く必要としたり、演算処理を実行するために必要なライブラリ領域を多く必要としたり、演算プログラムを実行するために必要なメモリ領域を多く必要とする、といった問題もある。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、ノイズや局所的な変動による影響を低減するとともに、演算処理の負荷を低減した蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供することを目的とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の第1の態様は、蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知方法であって、充放電停止後の所定期間における前記開放端電圧をもとに算出される電圧積算値から前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成し、前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記所定期間に所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を取得し、前記開放端電圧測定値をもとに前記電圧積算値を算出し、前記参照データまたは参照関数を用いて前記電圧積算値に対応する前記状態量を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、所定の電圧算出式を前記開放端電圧測定値を用いて最適近似し、前記最適近似された電圧算出式を前記所定期間にわたって時間積分することで前記電圧積算値を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記所定期間の前記開放端電圧測定値を加算し、これに前記時間間隔を乗じて前記電圧積算値を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、充放電停止後の所定の基準時間が経過したときの開放端電圧を基準開放端電圧とするとき、所定の電圧算出式を前記開放端電圧測定値を用いて最適近似し、前記最適近似された電圧算出式を前記所定期間にわたって時間積分し、さらに、前記基準開放端電圧に前記所定期間を乗じたものを減算して前記電圧積算値を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、充放電停止後の所定基準時間経過したときの開放端電圧を基準開放端電圧とするとき、前記所定期間の前記開放端電圧測定値を加算したのち前記時間間隔を乗じ、さらに、前記基準開放端電圧に前記所定期間を乗じたものを減算して前記電圧積算値を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知方法であって、充放電停止後の所定の積算開始時点からの前記開放端電圧の積算値が所定の閾値に達するときの経過時間をもとに前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成し、前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記積算開始時点から所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を取得して前記積算値を算出し、前記積算値が前記閾値に達したときの前記積算開始時点からの経過時間を求め、前記参照データまたは参照関数を用いて前記経過時間に対応する前記状態量を算出することを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態量は、前記参照データまたは参照関数を用いて算出された状態量変化量を前回の充放電停止後に算出された前回の状態量に加算して算出されることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記所定期間は、前記充放電停止後の前記開放端電圧の変化速度に基づいて選択された1以上の期間であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法の他の態様は、前記状態量は、前記蓄電デバイスの新品時の容量に対する劣化度(SOH)、満充電容量に対する残容量(SOC)、放電能力、充電能力のいずれか1以上であることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の第1の態様は、蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知装置であって、充放電停止後の所定期間における前記開放端電圧をもとに算出される電圧積算値から前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成して保存する記憶部と、前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記所定期間に所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を取得し、前記開放端電圧測定値をもとに前記電圧積算値を算出し、前記参照データまたは参照関数を用いて前記電圧積算値に対応する前記状態量を算出する状態検知部と、前記状態検知部から前記状態量を入力して外部に出力する状態出力手段と、を備えることを特徴とする。
本発明の蓄電デバイスの状態検知装置の他の態様は、蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知装置であって、充放電停止後の所定の積算開始時点からの前記開放端電圧の積算値が所定の閾値に達するときの経過時間をもとに前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成して保存する記憶部と、前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記積算開始時点から所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を入力し、前記開放端電圧の測定値をもとに前記電圧積算値を算出し、前記積算値が前記閾値に達したときの前記積算開始時点からの経過時間を求め、前記参照データまたは参照関数を用いて前記経過時間に対応する前記状態量を算出する状態検知部と、前記状態検知部から前記状態量を入力して外部に出力する状態出力手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ノイズや局所的な変動による影響を低減するとともに、演算処理の負荷を低減した蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 第1実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置の構成を示すブロック図である。 緩和過程にある蓄電デバイスの開放端電圧の変化と電圧積算値の一例を示す説明図である。 積算時間域を2以上有するときの電圧積算値の一例を示す説明図である。 本発明の第2実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 充電停止後の開放端電圧の変化及び放電停止後の開放端電圧の変化示す説明図である。 本発明の第3実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 第3実施形態の状態検知方法の処理方法を説明するための模式図である。 安定OCVとSOCとの関係を示す説明図である。 測定データに含まれるノイズの影響を模式的に示した説明図である。 極板における局所的な変化の一例を示す模式図である。
本発明の好ましい実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置について、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を、図1、2を用いて説明する。図1は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図2は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知装置の構成を示すブロック図である。
図2に示す本実施形態の状態検知装置100は、対象システム1に搭載された蓄電デバイス(蓄電池)10の状態検知を行うものである。対象システム1は、蓄電デバイス10を充電するための充電手段11と、充電手段11による充電等を制御する制御手段12を備えている。また、対象システム1に搭載されている負荷20が蓄電デバイス10に接続されており、蓄電デバイス10から負荷20に給電が行われる。蓄電デバイス10には電圧測定手段30及び電流測定手段31が設けられており、状態検知装置100はそれぞれの測定値を入力して状態検知を行う。さらに、必要に応じて温度測定手段32を蓄電デバイス10に設置し、蓄電デバイス10の温度測定値を入力して状態検知に用いるようにしてもよい。
状態検知装置100は、状態検知部110と、記憶部120と、状態出力手段130とを備えている。状態検知部110は、電圧測定手段30及び電流測定手段31からそれぞれ蓄電デバイス10の電圧測定値及び電流測定値を入力し、本実施形態の状態検知方法による処理を行って蓄電デバイス10の状態検知を行う。また、蓄電デバイス10に温度測定手段32を設置し、これから温度測定値を入力して蓄電デバイス10の状態検知に用いるようにしてもよい。記憶部120は、状態検知の処理に必要な各種参照データや測定データ等を保存する。さらに、状態出力手段130は、状態検知結果等を使用者等に通知する手段である。
なお、状態検知装置100は対象システム1の制御装置12の中に組み込まれる形態をとってもよい。あるいは、図2(b)に例示するように、状態検知装置100を対象システム1の外部に設け、測定データを記録する測定データ記録装置40を対象システム1の内部に備える構成としてもよい。測定データ記録装置40に記録されたデータは、有線や無線にかかわらず、遠隔通信を用いたり、持ち運び可能な記憶媒体を用いたりして、対象システム1の外部に設置された状態検知装置100に入力され、そこで状態を判定して状態検知を行なってもよい。
本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法は、蓄電デバイス10が充放電を停止した後の内部状態が安定していく過程(以下では緩和過程という)において、蓄電デバイス10のOCVを測定して所定の状態量を検知する方法である。以下では、状態検知装置100がこの状態検知を行う条件を満たしていると判断したときを状態検知モードという。本実施形態の状態検知方法により検知する所定の状態量は、蓄電デバイス10の満充電容量に対する残容量(SOC)、新品時の容量に対する劣化度(SOH)、放電能力、充電能力のいずれか1以上である。
蓄電デバイスの状態検知にOCVの測定値をそのまま用いると、ノイズや局所的な変化の影響を強く受けてしまうおそれがあることから、本実施形態の状態検知方法では、OCV測定値をもとに所定の電圧積算値を算出し、この電圧積算値を用いて所定の状態量を検知する。OCV測定値を電圧積算値に変換することで、ノイズや局所的な変化の影響を低減することができる。電圧積算値の算出方法を、図3を用いて以下に説明する。図3は、緩和過程にある蓄電デバイスの開放端電圧の変化と電圧積算値の一例を示す説明図である。
図3において、電圧積算値は期間ta〜tbにおける開放端電圧を時間積分したものであり、同図に示す斜線部分の面積に相当する。以下では、この積分を行う期間を積算時間域という。このような電圧積分値を算出する方法として、以下のものを用いることができる。なお、以下では積算時間域ta〜tbにおける電圧積算値をS1ta-tb、充放電停止からの経過時間をt、開放端電圧を測定する周期(時間間隔)をΔt、と表すものとする。
(1)少なくとも積算時間域ta〜tbにおける開放端電圧の測定値をもとに所定の関数からなる電圧算出式FV(t)を最適近似し、電圧積算値S1ta-tbを次式で算出する
Figure 0005823292
(2)積算時間域ta〜tbにおける開放端電圧の測定値OCVi(i=na〜nb)より、電圧積算値S1ta-tbを次式で算出する。
S1ta-tb=OCVna×Δt+・・+OCVnb×Δt
=(OCVna+・・+OCVnb)×Δt (2)
(3)時間ta、tbにおけるそれぞれの開放端電圧の測定値OCVta、OCVtbで直線近似したものを電圧算出式FV(t)とし、上記式(1)を用いて電圧積算値S1ta-tbを算出する。
(4)参照用の電圧算出式FVref(t)を事前に作成しておき、少なくとも積算時間域ta〜tbにおける開放端電圧の測定値をもとにFVref(t)に対する補正パラメータを調整して電圧算出式FV(t)を求め、上記式(1)を用いて電圧積算値S1ta-tbを算出する。
上記の(1)〜(4)のいずれの算出方法を用いても、OCV測定値に含まれるノイズや局所的な変化の影響を低減することができる。開放端電圧を時間積分する積算時間域ta〜tbは、事前に適宜設定しておくことができるが、好ましくは充放電停止後の開回路電圧の変化速度に基づいて設定するのがよい。
次に、上記の(1)〜(4)のいずれかの方法で算出された電圧積算値S1ta-tbを用いて、蓄電デバイス10の状態量を検知する方法を以下に説明する。ここでは、蓄電デバイス10の状態量の一例として、SOCを検知する方法を説明する。SOCの検知では、前回の状態検知モードから今回の状態検知モードまでの間に変化したSOC変化量(ΔSOCとする)と電圧積算値との相関を用いるのがよい。
本実施形態の状態検知方法では、電圧積算値S1ta-tbを用いてSOCを検知するために、電圧積算値S1ta-tbとΔSOCとの関係を、参照データとして事前に作成して記憶部120に保存しておく。あるいは、参照データを所定の関数形で表した参照関数として記憶部120に保存しておいてもよい。一例として、以下では電圧積算値S1ta-tbからΔSOCを算出する参照関数G1(S1ta-tb)を用いるものとする。
参照関数G1(S1ta-tb)を用いることにより、状態検知モードでは蓄電デバイス10の状態量SOCを以下のように求めることができる。
ΔSOC=G1(S1ta-tb) (3)
SOCn=SOCn-1+ΔSOC (4)
上式において、SOCn-1は前回の状態検知モードで求めたSOCであり、SOCnは今回の状態検知モードで求めるSOCを表す。
上記では積算時間域をta〜tbの1期間のみとしたが、これに限定されず積算時間域を2以上設けてもよい。一例として、図4に示すように、ta〜tbの積算時間域に加えて、これと異なる時間域tc〜tdの積算時間域を設け、それぞれにおいて電圧積算値S1ta-tb、S1tc-tdを算出する。また、参照関数を電圧積算値S1ta-tbとS1tc-tdの関数G1’(S1ta-tb、S1tc-td)とし、これを事前に作成して記憶部120に保存しておく。このように、2以上の積算時間域における電圧積算値を用いて状態量を求めるようにすることで、SOCをさらに高精度に算出できるようにすることができる。
電圧積算値を算出する積算時間域を2以上設けるときは、各積算時間域を開放端電圧の変化速度(緩和速度)に基づいて設定するのがよい。すなわち、各積算時間域の開始時点や時間長を開放端電圧の変化速度(緩和速度)に基づいて設定するのがよい。これにより、緩和速度の異なる時間域の電圧積算値を反映して状態量を求めることができ、状態検知をより高精度に行うことが可能となる。
また、参照データまたは参照関数を、蓄電デバイスの温度変化に対してこれを補正することができる温度依存性を持たせるように作成することも可能である。これにより、蓄電デバイス10の温度測定値を用いて電圧積算値に対する温度補正を行い、温度補正を行った電圧積算値を用いてΔSOCを算出するようにすることも可能である。
以下では、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法を図1のフローチャートに従って説明する。ここでは、一例として検知対象の状態量をSOCとするとともに、電圧積算値S1ta-tbを上記(1)の方法で算出するものとする。本実施形態の状態検知装置100では、状態検知部110が図1に示す処理を行うことで、蓄電デバイス10の状態検知が行われる。また、状態検知に必要な参照データあるいは参照関数等は、記憶部120に事前に保存されている。さらに、OCV測定値や算出したSOC等も記憶部120に保存される。
状態検知部110では、状態検知装置100の内部あるいは外部からの要求に従って状態検知モードが開始される(ステップS1)。状態検知装置100の内部からの要求は、状態検知に必要な処理を周期的に行うための時間間隔Δt毎に、充放電停止等の状態検知モードの条件が満たされていることを自動判定したときに行われる。また、状態検知装置100の外部からの要求として、対象システム1の使用者や定期メンテナンス時の保守員等からの要求、あるいは蓄電デバイス10に接続される対象システム1内の機器等からの要求信号、さらには対象システム1に接続された外部システムからの要求信号等が考えられる。
状態検知が開始されると、以降は時間間隔Δtで周期的に処理が行われる。ステップS2では状態検知の周期を判定しており、前回の状態検知周期からΔt経過していないときは、以下の処理を行わずに終了する(待機する)。ステップS2で状態検知周期であると判定されると、ステップS3で蓄電デバイス10が充放電停止中かを否かを判定する。
ステップS3の判定は、電流測定手段から電流測定値を入力し、電流測定値が所定の閾値より小さいときを充放電停止中と判定させるようにすることができる。ステップS3で充放電停止中であると判定されると次のステップS4の処理に進む一方、充放電停止中でない(充放電中)と判定されるとステップS5の処理に進む。ステップS5では、状態検知モードの条件が成立していないことから、状態検知モードをオフに設定する。
なお、状態検知モードの状態検知が可能となるのは、蓄電デバイス10の電流が0になっているときだけでなく、以下のような電流・電圧が測定される場合も含めることができる。
(1)計測器、制御器、通信機等で微小な電流(暗電流)が消費されているが、緩和量に与える影響が補正可能で擬似的にOCVとみなせる許容範囲にあるとき、
(2)上記の許容範囲を超える電流が消費されているが、同様の条件で事前に測定された緩和量をもとに参照データが作成され、電流値をもとに選択された参照データを用いることで測定電圧をOCVとして扱えるとき、
上記のいずれかの条件を満たす場合には、電圧測定値をOCVとして扱って状態検知を行うことが可能となる。
ステップS4では、充放電が停止された直後であるか否かを判定し、充放電停止直後であると判定されたときはステップS6に進む一方、充放電停止直後でないと判定されたときはステップS8に進む。前回の検知周期で充放電停止中でないときは状態検知モードがオフとなっていることから、ステップS4の判定では、状態検知モードがオフならば充放電停止直後であると判定することができる。ステップS4で充放電停止直後でないと判定されたときは、ステップS8でそれまでの経過時間tに時間間隔Δtを加算してこれを更新するその後、ステップS9に進む。
一方、ステップS4で充放電停止直後であると判定されたときは、ステップS6で状態検知モードをオンに設定するとともに、状態検知モードの実施回数を更新する(ここでは実施回数をnとする)。また、充放電停止からの経過時間tをゼロに初期化する。その後、ステップS7に進む。
ステップS7では、状態検知前充放電制御として、蓄電デバイス10に対し所定容量の充電制御又は放電制御を実施する。これは、状態検知モードを実施するときの蓄電デバイス10の電解液の状態をできるだけ再現性の高い状態にすることで、安定した条件で状態検知を行えるようにするものである。状態検知前充放電制御として行う充電量または放電量は、蓄電デバイス10の種類、型番、容量、組み合わせ数量等に応じて好適に決定する。一例として、JIS規格55D23の液式鉛蓄電池の場合には、新品容量換算で5%程度の充電を実施するのが望ましい。なお、蓄電デバイス10の緩和過程の状況や対象システム1の運用方式等によっては、ステップS7の状態検知前充放電制御を省略することも可能である。ステップS7の処理が終了すると、次にステップS9に進む。
ステップS9では、経過時間tが積算時間域ta〜tb内にあるか否かを判定する。経過時間tが積算時間域ta〜tb内にあると判定されると次のステップS10に進む一方、積算時間域ta〜tb外と判定されるとステップS2に戻って次の周期まで待機する。ステップS10では、電圧測定手段30から蓄電デバイス10の開放端電圧を入力し、これを開放端電圧測定値OCViとして記憶部120に保存する。その後、ステップS11に進む。
ステップS11では、経過時間tが積算時間域の終了時点tbであるか否かを判定し、終了時点tbのときはステップS12に進む一方、終了時点tbでないときはステップS2に戻って次の周期まで待機する。ステップS12では、それまでに記憶部120に保存されている開放端電圧測定値OCViを用いて電圧算出式FV(t)を最適近似する。そして、最適近似された電圧算出式FV(t)を用いて式(1)より電圧積算値S1ta-tbを算出する。その後、ステップS13に進む。
ステップS13では、記憶部120に予め保存されている参照関数G1(S1ta-tb)を読み込み、これにステップS12で算出した電圧積算値S1ta-tbを代入することにより、SOC変化量ΔSOCを算出する。そして、SOC変化量ΔSOCを記憶部120に保存されているそれまでのSOCに加算してSOCを更新する。更新されたSOCは、記憶部120に保存されて次回の状態検知モードで使用されるとともに、適宜状態出力手段130に出力される。
ステップS13において状態量SOCが検知されると、n回目の状態検知モードの処理を終了する。但し、次の状態検知モードが成立するのを監視するために、ステップS2に戻って次の周期まで待機する。状態検知モードは、次に充放電が再開されるまでオンの状態に保持されるが、ステップS9の条件を満たしていないことから、ステップS10以降の処理を行わずにステップS2に戻る。そして、充放電が再開されるとステップS5で状態検知モードがオフとされ、その後充放電が停止されると再び状態検知モードがオンに設定されてステップS4以降の処理が行われる。
なお、経過時間tが積算時間域の終了時点tbに達する前に充放電が再開されて状態検知モードが終了したときは、前回の状態検知モードで算出されたSOCを用いてもよい。あるいは、それまでに記憶部120に保存されている開放端電圧測定値OCViを用いて前回の状態検知モード時に最適近似された電圧算出式FV(t)を補正し、これと参照関数G1(S1ta-tb)を用いてΔSOCを推定するようにすることも可能である。
また、積算時間域が2以上あるときはそれぞれで電圧積算値を算出し、2以上の電圧積算値を変数とする参照関数を用いてΔSOCを算出する。この場合、すべての電圧積算値が算出される前に状態検知モードが終了したときは、一部の積算値を用いてΔSOCを算出できるように参照関数を予め用意しておくことも可能である。
上記説明のように本発明によれば、電圧積算値を用いて状態検知を行うようにしていることから、電圧測定値に含まれるノイズや局所的な変動による影響を低減することができ、状態検知を高精度に行うことができる。また、回帰計算等による複雑な計算を必要としないことから、演算処理の負荷を低減した蓄電デバイスの状態検知方法及び状態検知装置を提供することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法を、図5を用いて説明する。図5は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。第1実施形態では電圧積算値を開放端電圧の測定値OCViから求めるのに対し、本実施形態では開放端電圧が所定の基準電圧まで降下する電圧降下量Vdropから電圧積算値を算出するようにしている。ここで、上記の基準電圧は、充放電停止から所定の基準時間(tbaseとする)だけ経過したときの開放端電圧としている。
なお、以下では基準電圧として上記のように充放電停止後の緩和過程における所定時点の開放端電圧を用いた場合について説明するが、これに限定されず、例えば基準電圧を緩和過程における開放端電圧より高く設定したり、あるいはより低く設定してもよい。一例として、基準電圧を充電停止直後の緩和開始時の開放端電圧より高い値に設定してもよく、あるいは放電停止直後の緩和開始時の開放端電圧より低い値に設定してもよい。いずれの場合でも、電圧降下量Vdropは開放端電圧から基準電圧を減算して算出される。
蓄電デバイス10が充電を停止した後の開放端電圧の変化、及び蓄電デバイス10が放電を停止した後の開放端電圧の変化、を図6に示す。充放電停止前の蓄電デバイス10が充電を行っていたときは、緩和過程の開放端電圧は安定OCVに向けて減少(降下)しながら漸近する。これに対し、充放電停止前の蓄電デバイス10が放電を行っていたときは、緩和過程の開放端電圧は安定OCVに向けて増加しながら漸近する。よって、安定OCVに対する電圧変化量を電圧降下量としてみたとき、充電後の状態検知では電圧降下量が正となるのに対し、放電後の状態検知では電圧降下量が負となる。同様に電圧積算値も、充電後の状態検知では正となるのに対し、放電後の状態検知では負となる。
基準電圧を安定OCVとするためには、充放電停止後蓄電デバイスが安定するまで長時間待ってOCVを測定する必要があるが、その前に充放電が再開されて安定OCVが得られなくなるおそれがある。そこで、上記の基準時間tbaseとして、充放電停止後の蓄電デバイス10の緩和速度が比較的小さくなる時点までの経過時間とするのがよい。これにより、基準電圧が安定OCVに近い値となることから、電圧降下量Vdropは、充放電停止後の過渡的な電圧降下量にほぼ相当している。これより、電圧積算値を電圧降下量Vdropの積算値とすることで、SOC等の状態量の変化量と電圧降下量Vdropの積算値との相関を高精度に求めて参照データあるいは参照関数とすることができる。
積算時間域ta〜tbにおける電圧積算値(S2ta-tbとする)を電圧降下量Vdropから算出するようにした場合、電圧積算値S2ta-tbの算出式は次式のように表される。
Figure 0005823292
ここで、OCVbaseは基準電圧を表す。上式では、電圧算出式FV(t)の積分値からOCV_base×(tb−ta)を減算するようにしている。これにより、開放端電圧測定値OCVi毎にOCV_baseを減算して最適近似し、最適近似された(OCVi―OCV_base)を積分するよりも、OCV_baseを減算する演算回数を低減できるといった効果が得られる。
上記の電圧積算値S2ta-tbを用いて例えばSOCを検知するために、電圧積算値S2ta-tbとΔSOCとの関係を、参照データとして事前に作成して記憶部120に保存させておく。あるいは、参照データを所定の関数形で表した参照関数として記憶部120に保存しておいてもよい。本実施形態では、充電停止後の状態検知を正の電圧積算値に対する参照データあるいは参照関数を用いて行い、放電停止後の状態検知を負の電圧積算値に対する参照データあるいは参照関数を用いて行うことができることから、参照データあるいは参照関数を充電後と放電後とに分けて高精度に設定して用いることが可能となる。
以下では、一例として電圧積算値S2ta-tbからΔSOCを算出する参照関数G2(S2ta-tb)を用いるものとする。状態検知モードにおいて算出される最新のSOCnは、第1実施形態と同様に、参照関数G2(S2ta-tb)を用いて算出されたΔSOCを前回の状態検知モードで得られたSOCn-1に加算して算出される。
本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法を、図5のフローチャートに従って説明する。ここでは、一例として検知対象の状態量をSOCとするとともに、電圧積算値S2ta-tbを式(5)を用いて算出する。以下では、第1実施形態と処理内容が異なる部分を中心に説明する。
本実施形態でも、ステップS1〜S8の状態検知モードのオン/オフの設定や継続時間等の更新については、第1実施形態と同様に行う。本実施形態では、基準電圧OCVbaseを取得するために、ステップS21において経過時間tが積算時間域ta〜基準時間tbase内にあるか否かを判定しており、その間の開放端電圧測定値OCViをステップS22で取得するようにしている。なお、必要なOCViは積算時間域ta〜tbと基準時間tbaseの測定値のみであることから、tb<t<tbaseの期間はOCV測定値を取得しないようにしてもよい。
次のステップS23では、経過時間tが基準時間tbaseであるか否かを判定し、基準時間tbaseのときはステップS24に進む一方、基準時間tbaseでないときはステップS2に戻って次の周期まで待機する。ステップS24では、記憶部120に保存されている積算時間域ta〜tbの開放端電圧測定値OCViを用いて電圧算出式FV(t)を最適近似する。そして、最適近似された電圧算出式FV(t)と基準電圧OCVbase(基準時間tbaseにおける開放端電圧測定値OCVi)を用いて式(5)より電圧積算値S2ta-tbを算出する。その後、ステップS25に進む。
ステップS25では、記憶部120に予め保存されている参照関数G2(S)を読み込み、これにステップS24で算出した電圧積算値S2ta-tbを代入することにより、SOC変化量ΔSOCを算出する。そして、SOC変化量ΔSOCを記憶部120に保存されている前回の状態検知モードにおけるSOCに加算してSOCを更新する。更新されたSOCは、記憶部120に保存されて次回の状態検知モードで使用されるとともに、適宜状態出力手段130に出力される。
本実施形態でも、積算時間域を2以上設けることができ、そのときは最初の積算時間域の開始時点から基準時間tbaseまで開放端電圧測定値OCViを取得し、それぞれの積算時間域で電圧積算値を算出し、2以上の電圧積算値を変数とする参照関数を用いてΔSOCを算出する。
上記説明の本実施形態の状態検知方法によれば、充電停止後の状態検知を正の電圧積算値に対する参照データあるいは参照関数を用いて行い、放電停止後の状態検知を負の電圧積算値に対する参照データあるいは参照関数を用いて行うことができることから、参照データあるいは参照関数を充電後と放電後に分けて高精度に設定して用いることができ、蓄電デバイスの状態量を高精度に検知することが可能となる。
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る蓄電デバイスの状態検知方法を、図7を用いて説明する。図7は、本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法における処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここでも、状態量の一例としてSOCを求める方法について説明する。
第1実施形態及び第2実施形態では、予め設定された積算時間域における電圧積分値をもとに状態量を求めるようにしていたが、本実施形態では所定の経過時間に達した時点(積算開始時点tp)から電圧の時間積分を順次行い、この電圧積分値が所定の閾値(参照閾値)に達したときの積算開始時点taからの経過時間(tsとする)を求め、予め作成された経過時間対ΔSOCの参照データまたは参照関数を用いて経過時間tsに相当するΔSOCを求める。
一例として、図8に例示するように、充放電停止後の所定の経過時間に達した積算時間開始時点tpから電圧積算値Siを算出していく。本実施形態の電圧積算値Siの算出方法は、状態検知の周期毎に時間間隔Δtの間の電圧積算増加量ΔSi(=OCVi×Δt)を算出し、これをそれまでの電圧積算値Si-1に加算していく。そして、算出された電圧積算値Siを参照閾値(Sthとする)と比較し、電圧積算値Siが参照閾値Sth以上であると判定されたときに、そのときの積算開始時点tpからの経過時間tsに対応するΔSOCを参照データあるいは参照関数から求める。そして、求めたΔSOCを前回の状態検知モードで算出したSOCi-1に加算することで現在の状態量SOCiを算出する。
本実施形態の蓄電デバイスの状態検知方法を、図7のフローチャートに従って説明する。以下では、第1実施形態と処理内容が異なる部分を中心に説明する。本実施形態でも、第1実施形態の状態検知方法の処理の流れのうちステップS9以降の処理の内容が異なっており、ステップS1〜S8の状態検知モードのオン/オフの設定や継続時間等の更新については、第1実施形態と同様に行う。
本実施形態では、ステップS31において経過時間tが積算開始時点tpに達しているか否かを判定しており、経過時間tが積算開始時点tpに達した後はステップS32以降の処理を周期毎に行う。ステップS32では開放端電圧測定値OCViを取得し、ステップS33で電圧積算増加量ΔSiを算出する。そして、ステップS34で前回周期の電圧積算値Si-1に電圧積算増加量ΔSiを加算することで電圧積算値Siを算出する。ステップS35では、電圧積算値Siが参照閾値Sth以上であるか否かを判定し、参照閾値Sth以上であると判定されたときに、ステップS36でそのときの経過時間tsと参照データあるいは参照関数から現在の状態量SOCiを算出する。
なお、ステップS36で現在の状態量SOCiが算出されると、次回以降の周期でステップS31〜S36の処理を行わないよう、適当なフラッグ等を設けてステップS31〜S36をバイパスするようにしておく。本実施形態の状態検知方法では、周期毎にステップS33〜S36の算出や判定の処理を行うことから、状態検知部110の演算処理装置への負荷が大きくなるものの、状態検知を高精度に行うことができる。
本発明の蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置は、例えばエンジン駆動の自動車、電気自動車、携帯電話、停電時に稼動するバックアップ用バッテリー、さらには、系統電力との連携において太陽光や風力による自然エネルギーの発電の電力の平準化に用いられる蓄電装置、およびそれを組み込んだシステム、等の蓄電デバイスが搭載されて監視または状態検知が必要な装置に適用することができる。
また、本発明の状態検知方法及び状態検知装置が適用される蓄電デバイスは、蓄電デバイスやキャパシタ等であり、電子またはイオンの移動によりデバイス内部のエネルギーを上昇または低下させ、その内部エネルギーを外部から電力として取り出すことができる装置に適用できる。すなわち、自動車等に搭載される液式鉛蓄電デバイスに限らず、例えばLiイオン電池、Ni水素電池、ナトリウムー硫黄電池、キャパシタ等にも適用可能であり、さらにはこれらを複合した蓄電システムにも適用できる。
本実施の形態における記述は、本発明に係る蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における蓄電デバイスの状態検知方法及びその装置の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1:対象システム
10:蓄電デバイス
11:充電手段
12:制御手段
20:負荷
30:電圧測定手段
31:電流測定手段
32:温度測定手段
100:状態検知装置
110:状態検知部
120:記憶部
130:状態出力手段

Claims (7)

  1. 蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知方法であって、
    充放電停止後の所定の積算開始時点からの前記開放端電圧の積算値が所定の閾値に達するときの経過時間をもとに前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成し、
    前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記積算開始時点から所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を取得して前記積算値を算出し、
    前記積算値が前記閾値に達したときの前記積算開始時点からの経過時間を求め、
    前記参照データまたは参照関数を用いて前記経過時間に対応する前記状態量を算出することを特徴とする蓄電デバイスの状態検知方法。
  2. 前記状態量は、前記参照データまたは参照関数を用いて算出された状態量変化量を前回の充放電停止後に算出された前回の前記状態量に加算して算出される
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  3. 蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知方法であって、
    前記充放電停止後の前記開放端電圧の変化速度に基づいて選択された2以上の期間から
    なる積算時間域を事前に設定しておき、
    前記積算時間域における前記開放端電圧をもとに算出される電圧積算値から前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成し、
    前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記積算時間域に所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を取得し、
    前記開放端電圧の測定値をもとに前記電圧積算値を算出し、
    前記参照データまたは参照関数を用いて前記電圧積算値に対応する前記状態量を算出する
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知方法。
  4. 前記状態量は、前記参照データまたは参照関数を用いて算出された状態量変化量を前回の充放電停止後に算出された前回の前記状態量に加算して算出される
    ことを特徴とする請求項3に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  5. 前記状態量は、前記蓄電デバイスの新品時の容量に対する劣化度(SOH)、満充電容量に対する残容量(SOC)、放電能力、充電能力のいずれか1以上である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの状態検知方法。
  6. 蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知装置であって、
    充放電停止後の所定の積算開始時点からの前記開放端電圧の積算値が所定の閾値に達するときの経過時間をもとに前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成して保存する記憶部と、
    前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記積算開始時点から所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を入力し、前記開放端電圧の測定値をもとに前記積算値を算出し、前記積算値が前記閾値に達したときの前記積算開始時点からの経過時間を求め、前記参照データまたは参照関数を用いて前記経過時間に対応する前記状態量を算出する状態検知部と、
    前記状態検知部から前記状態量を入力して外部に出力する状態出力手段と、を備える
    ことを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。
  7. 蓄電デバイスの充電または放電を停止(以下では充放電停止という)した後の開放端電圧をもとに該蓄電デバイスの状態量を検知する蓄電デバイスの状態検知装置であって、
    前記充放電停止後の前記開放端電圧の変化速度に基づいて選択された2以上の期間からなる積算時間域を事前に設定しておき、
    前記積算時間域における前記開放端電圧をもとに算出される電圧積算値から前記状態量を算出するための参照データまたは参照関数を事前に作成して保存する記憶部と、
    前記蓄電デバイスの充放電停止後の前記積算時間域に所定の時間間隔で前記開放端電圧の測定値を入力し、前記開放端電圧の測定値をもとに前記電圧積算値を算出し、前記参照データまたは参照関数を用いて前記電圧積算値に対応する状態量変化量を算出し、前回の充放電停止後に算出された前回の前記状態量に前記状態変化量を加算して前記状態量を算出する状態検知部と、
    前記状態検知部から前記状態量を入力して外部に出力する状態出力手段と、
    を備えることを特徴とする蓄電デバイスの状態検知装置。


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