JPWO2012046859A1 - 識別対象を識別するための識別情報の保持体及びその利用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、安定して識別情報を保持して良好な識別能を維持できる識別情報の保持体を提供する。この目的のため、本発明では、固相担体と、識別対象に予め関連付けられた識別用塩基配列を識別情報として有する1又は2以上のDNAが前記固相担体上に保持された1又は2以上の情報保持領域と、1又は2以上の前記情報保持領域を包囲する障壁と、を備える、識別情報の保持体とする。

Description

本発明は、対象物を識別するための識別情報を保持する保持体及びその利用に関し、特に、DNAを含有する識別情報を保持する保持体及びその利用に関する。
近年、製品、部品(中間製品含む)、水産物、農産物、銀行券、証券等の各種の流通物品を品質、安全性、改ざん防止、真偽判定の観点から、管理することが要請されるようになってきている。
こうした各種の識別対象の流通や移動の監視・管理は、通常、識別対象に固有のあるいは予め関連付けられた識別情報を付与しておき、その識別情報を、適時に識別することによって行われる。例えば、DNAの塩基配列を利用してDNAインキを作製し、このDNAインキを用いて識別対象に印刷し、適時に、DNAの塩基配列を検出することで、偽造や改ざん等を回避する技術も提案されている(特許文献1)。
特開2008-187991号公報
流通や移動を通じて、識別情報を保持した識別情報保持体は、様々な環境に曝されることになる。本発明者らは、識別及び証明の精度は、保持されるDNAの量や状態に大きく影響されるものであり、識別情報保持体は、いかに安定して識別情報たるDNAを証明時まで保持するかが重要であることを見出すに至った。すなわち、識別情報保持体を識別対象たる物品に適用するまでの間(例えば、識別情報保持体自体の製造後から流通時)、DNAを安定的に保持することが重要である。また、一旦、識別対象たる物品に識別情報保持体を適用後、その物品の流通経路を通じて証明時までDNAを安定して維持することも重要である。
また、DNAは、波長200〜300nm程度の紫外光で損傷が生じることがある。また、流通中に、摩擦的な外力がかかったり、温度や湿度の変化など生じると、DNAが識別対象から脱離されるほか、識別対象上において切断される可能性もある。このような場合には、付与されたDNAを正確に検出することが困難になり、識別能が低下する恐れがある。また、精度よく識別対象を識別するには、その検出が簡易にかつ迅速に実行できることも重要である。
そこで、本発明は、安定して識別情報を保持して良好な識別能を維持できる識別情報の保持体及びその利用等を提供することを目的とする。
本発明者らは、識別対象を識別するための識別情報として用いるDNAをその固相担体上において安定的に保持させる等のために効果的な構成を見出し、本発明を完成した。本発明によれば、以下の手段が提供される。
I.固相担体と、
識別対象に予め関連付けられた識別用塩基配列を識別情報として有する1又は2以上のDNAが前記固相担体上に保持された1又は2以上の情報保持領域と、
1又は2以上の前記情報保持領域を包囲する障壁と、
を備える、識別情報の保持体。
II.本発明の識別情報保持体を複数個一体に備える、構造体。
III.本発明の識別情報保持体の製造方法であって、
前記固相担体上に、前記1又は2以上のDNAを固定して1又は2以上の前記情報保持領域を形成する工程と、
1又は2以上の前記情報保持領域を包囲する障壁となる障壁部材を前記固相担体上に固定する工程と、
を備える、製造方法。
IV.本発明の識別情報保持体を準備する工程と、
前記識別情報保持体を識別対象とする物品に固定化する工程と、
を備える、識別可能な物品の製造方法。
V.識別対象の識別方法であって、
前記識別対象に付与された本発明の識別情報保持体の前記情報保持領域に対して、前記識別用塩基配列と相補的な塩基配列を有する1又は2以上のプローブを接触させる工程と、
前記識別用塩基配列と前記プローブとのハイブリダイゼーション産物を検出する工程と、
を備える、方法。
本発明の識別情報保持体の一例を示す図である。 本発明の識別情報保持体の他の一例を示す図である。 識別情報がパターンを構成している例を示す図である。 本発明の識別情報保持体の構成、使用形態の一例を示す図である。 本発明の識別情報保持体の構成、使用形態の一例を示す図である。 実施例におけるスポットパターンを示す図である。 実施例で用いる保持体の一例を示す図である。 実施例で用いる保持体の他の一例を示す図である。 実施例で用いる保持体の他の一例を示す図である。 実験1の評価結果を示す図である。 実験2の評価結果を示す図である。 実験3の評価結果を示す図である。 実験4の評価結果を示す図である。
本発明の識別情報保持体によれば、識別情報たるDNAの脱離や分解が抑制され固相担体上に安定して保持されているため、識別の正確性、精度及び再現性に優れた、識別能が良好な保持体が提供される。また、このように識別情報たるDNAが固相担体上に保持されることで、迅速でかつ簡易な検出も可能となる。また、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的配列から選択される識別用塩基配列を用いている場合には、特異性の高い識別能が確保され、識別対象を高い選択性で、迅速に識別することができる。以下、本明細書の開示の実施形態について詳細に説明する。
本発明の識別情報保持体(以下、単に、本保持体ともいう。)の一例を図1及び図2に示す。図1及び図2に示すように、本保持体は、情報保持領域を包囲する障壁を、識別情報を保持する固相担体表面に有する。障壁が、情報保持領域に識別情報として保持されるDNA等を、識別情報保持体自体あるいはこれが適用された識別対象が流通等におかれた状態において、外部からの摩擦や衝撃から保護することができるため、識別情報を安定して固相担体上に保持できる。このため、識別対象の識別及び証明を正確に行うことができる。
また、障壁があれば、情報保持領域を識別対象たる物品の外方に向けるようにして、識別情報保持体を固定化しても、識別情報を保護することができる。さらに、障壁を有することで、情報保持領域を物品側に向けて、識別時には物品から脱着可能に固定化するようにして、情報保持領域を物品外方に曝すことなく付与することもできる。
さらに、障壁を介して情報保持領域の上方を覆うカバーを備えることで、識別情報保持体自体の製造後から流通時において識別情報を安定して保持できる。また、こうしたカバーを備えることで、情報保持領域を物品に向けて物品に適用された場合であってもあるいは物品外方に向けて適用された場合であっても、識別情報をより確実に保護できる。
障壁は、必ずしも固相担体の一部として構成されなくてもよく、接着剤や粘着剤を介して固相担体に対して固定化される障壁部材であってもよい。障壁部材は、こうした固定化層とプラスチック製の障壁層を備えることができる。
障壁は、また、情報保持領域に対してプローブを供給してハイブリダイズを検出するとき、プローブを含むハイブリダイズ溶液を滴下する領域を明確化するための目印として機能するとともに、ハイブリダイズ溶液を情報保持領域に対して確実に所定量を供給するための容器としても機能することができる。この結果、識別対象の識別及び証明を正確に行うことができる。
識別情報保持体は、複数個、好ましくは、10個以上、より好ましくは20個以上の情報保持領域を単一の固相担体上に形成して、これらの情報保持領域を障壁で区画することで、一挙に効率的に製造することができる。すなわち、上記した構造体として製造することで、効率的に識別情報保持体を製造できる。
このとき、障壁は、複数の情報保持領域を個別に識別する指標とすることもできる。したがって、障壁を指標として、1又は2以上の情報保持領域を有する識別情報体を分離して、最終的な識別情報保持体を取得できる。
本願発明の識別情報保持体又は構造体における障壁は、例えば、国際公開第WO2006/101229号(PCT/JP2006/306134)に開示されるセパレーターを障壁部材とし用いて構成することができる。こうしたセパレーターとしては、ポリカーボネート、ポリオレフィン(PET、PE)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、これらのフッ化物及びハロゲン化物からなる群から選択される材料を用いることが好ましい。また、接着剤又は粘着剤を含む固定化層を備えていることが好ましい。
また、本願発明の識別情報保持体又は構造体における固相担体は、例えば、特開2006-184016号公報、特開2006-71309号公報及びNucleic Acid Research,2007, vol.35, No1.e3 記載の基板を用いることができる。
また、こうした固相担体に対するDNAの結合には、固相担体表面の活性エステル基とDNAの5’末端及び3’末端に結合したアミノ基との反応によるアミド構造(共有結合)の形成を用いることができる。こうした結合方法によると、十分に強力にDNAを固相担体に固定でき、流通時を含んでDNAを外部からの衝撃から保護することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
(識別情報保持体)
本保持体は、識別対象を識別するため識別情報を保持する保持体であって、識別対象に予め関連付けられた識別用塩基配列を有するDNAを識別情報として有する。
(識別対象)
本保持体によって識別される識別対象は、特に限定されないで、各種の流通物品や媒体が挙げられる。流通物品としては、商業的にあるいは非商業的に流通する全ての物品が対象となる。例えば、各種工業製品、部品(中間製品含む)、水産物、農産物、芸術品、書籍などのほか、銀行券、証券などが挙げられる。また、個人を識別するためのIDカードのほか、各種証明書等も含まれる。
本保持体は、各種形態を採ることができる。例えば、フィルム、シート、基板などの各種形状の担体に対して識別情報を保持するものであってもよい。この場合、本保持体は、識別対象に対して、接着などの化学的手段やそのほかの物理的手段により、固定化される。また、本保持体が、識別対象の一部であってもよい。例えば、識別対象の一部に識別情報が保持されていてもよい。
本保持体は、担体に識別情報が保持された形態を採ることができる。担体の形状としては、例えば、フィルム、平板、粒子、成形品(ビーズ、ストリップ、マルチウェルプレートのウェルまたはストリップ、チューブ、メッシュ、連続発泡フォーム、膜、紙、針、ファイバー、プレート、スライド及び細胞培養容器等)、ラテックス等を挙げることができる。また、それらの大きさについては、特に制限は無い。検出を考慮すると、識別情報を付与する領域が平坦状であることが好ましい。
DNA等である識別情報が保持される担体又は識別対象の部位(担体等)を構成する材料としては、物理的吸着又は化学結合によってDNA等を固定化することができ、通常のハイブリダイゼーションの条件に耐えうるものであれば特に制限されない。具体的には、核酸の固定及びハイブリダイゼーション等に用いる溶剤に不溶であり、かつ常温若しくはその付近の温度範囲内(例えば0〜100℃)で固体又はゲル状であるものが挙げられる。
このような担体等の材質としては、具体的には、プラスチック、無機高分子、金属、天然高分子、セラミック等が挙げられる。上記プラスチックとして具体的には、紫外線照射により生体分子を固定化することができるものであれば特に制限されず、具体的には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び共重合体等が挙げられる。さらに具体的には、熱可塑性樹脂としては、アイオノマー(スチレン系、オレフィン系)、ポリノルボルネン、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンオキサイド、ポリオキシメチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリパラメチルスチレン、ポリアリルアミン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリブタジエン、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシベンゾイル、ポリオキシエチレン、酢酸セルロース、ポリジメチルシロキサン、ポリイソブチレン、セルローストリアセテート、ポリ−p−フェニレンテレフタラミド、ポリイソプレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルペンテン、塩素プラスティック(ポリ塩化ビニル、ポリ塩化エチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン)、フッ素プラスチック(テトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66)、ポリアミドイミド、ポリイミド(熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド)、ポリエチレンプラスティック(塩素化、高密度、低密度)、ポリビニルプラスティック(ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリパラビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール)、液晶ポリマー(ポリエステル系液晶高分子)、アクリレートプラスティック(アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸メチル、ポリメチルメタクリレート、エチルポリメタクリレート、ブチルポリメタクリレート)、熱可塑性エラストマー(スチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、1,2−ポリブタジエン系、塩化ビニル系、フッ素系、ポリアイオノマー系、塩素化ポリエチレン系、シリコーン系)等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、エポキシ、ポリキシレン、ポリグアナミン、ポリジアリルフタレート、ポリビニルエステル、ポリフェノール、不飽和ポリエステル、ポリフラン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリマレイン酸、メラミン、ユリア、アルキド、ベンゾグアナミン、ポリシアナート、ポリイソシアナート等が挙げられる。
さらに、共重合体としては、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、アクリロニトリルアクリレートスチレン共重合体、アクリロニトリルEPDMスチレン共重合体、アクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ブタジエンスチレンメチルメタクリレート共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンスチレン共重合体、ポリエーテルエーテルケトン共重合体、フッ化エチレンポリプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンパーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレンエチレン共重合体等が挙げられる。
上記の合成樹脂のうち、特に好ましいものとしては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェノール、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、アラミド等が挙げられる。
また、上記合成樹脂に、染料、発色剤、可塑剤、顔料、重合禁止剤、表面改質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤、分散剤、紫外線劣化防止剤等を必要に応じて添加した合成樹脂を用いることができる。さらに、前記合成樹脂は、形状を保持するために異なる種類の前記合成樹脂が積層しても良く、単一合成樹脂であっても良い。また、前記合成樹脂を2種類以上混合したポリマーアロイであっても良い。さらに、上記合成樹脂に、葉脈繊維、果実繊維、獣毛繊維、繭繊維、羽毛繊維、キチン、キトサン、石綿(アスベスト)等の線維を混合してもよい。
無機高分子として具体的には、ガラス、水晶、カーボン、シリカゲル及びグラファイト等が挙げられる。金属として具体的には、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、磁石、パラマグネット等が挙げられる。天然高分子としては、ポリアミノ酸、セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸及びそれらの誘導体が挙げられる。セラミックとして具体的には、アパタイト、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び炭化ホウ素等が挙げられる。
上記担体等には、直接DNA等を固定化してもよいが、さらに、担体等に対して固定化のための固定化相を付与してもよい。こうした固定化相としては、上記担体等上に担持される限り、単に物理的な接着性を利用して担持されていてもよく、また、化学的に共有結合等を介して担持されていてもよい。また、上記固定化相は、必要に応じ、担体等上の全面において担持されても、また、その一部において担持されてもよい。固定化相としては、上記した担体等の材料として説明した材料の他、有機低分子が挙げられる。上記有機低分子として具体的には、カルボジイミド基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、窒素イペリット基含有化合物、アルデヒド基含有化合物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。
固定化相は、担体等上に皮膜として担持されることが好ましい。担体等上に固定化相を皮膜で担持させる方法としては、スプレー、浸漬、ブラッシング、スタンプ、蒸着、フィルムコータを用いたコーティング等の公知の方法を用いることができる。
例えば、ガラス製担体等の表面全体にカルボジイミド基(樹脂)を導入する方法については、まず、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ置換オルガノアルコキシシランを適当な溶媒に溶解して得られた溶液に70〜80℃程度の温度条件下で担体等を概ね2〜3時間程度浸漬した後、これを取り出して水洗し、さらに、100〜120℃程度で約4〜5時間加熱乾燥する。乾燥後、適当な溶媒中に浸し、カルボジイミド樹脂を加え30〜170℃程度の温度条件下で12時間程度攪拌し、洗浄すればよい。また、上記3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基と窒素イペリット基の核酸結合基以外の官能基を適当な溶媒を用いて反応させ、ガラス製担体等の表面に窒素イペリット基を導入することもできる。
また、ガラス製担体等にアミノ基以外場合や、担体等がガラス以外の材料からなる場合においても、上記担体の説明で挙げた各種材料表面に種々の官能基を導入することは、従来より一般的に行われていることであり、その方法も公知であるので、このような公知の方法を用いて担体等の表面への官能基の導入を行うことができる。
さらに、上記で挙げたプラスチック製担体等の中には、担体等表面に既に上記のような官能基を有するものも有り、この場合には担体等表面に官能基を導入することなしに、これをそのまま担体等の製造に用いることも可能である。また、このようなプラスチック製担体等であってもさらに官能基を導入して上記担体等の製造に用いることも可能である。
また、上記担体等や固定化相の材料に公知の光重合開始剤を混合することもできる。光重合開始剤を混合することによって、紫外線等の電磁波の照射による核酸の固定化の際の反応性が向上し得る。
(識別情報)
本明細書において、識別情報とは、識別対象を識別するための情報を意味する。識別情報は、1又は2以上のDNAに含まれている。なお、DNAには、DNAと同様に塩基対を形成しうる他の化合物が含まれる。例えば、BNA、PNA等の公知の他の主鎖構造を有し、塩基を側鎖として有しうる化合物が包含される。さらには、識別情報は、これらのDNAが担体上に付与されて構成するパターンに含まれていてもよい。パターンについては後述する。
本明細書において、DNAとは、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)及びグアニン(G)をそれぞれ塩基として有するデオキシリボヌクレオチドの重合体のほか、他の主鎖構造を有し、A、T、C及びGを塩基として有する化合物(重合体)を意味する。
識別情報は、一つの識別対象に関連付けえられており、また、識別情報は、1又は2以上のDNA中に備えられる1又は2以上の識別用塩基配列によって構成されている。したがって、一つの識別対象は、1のDNAによって識別されるようになっていてもよいし、2以上のDNAによって識別されるようになっていてもよい。
1のDNAは、1の識別用塩基配列を有している。識別用塩基配列は、1の識別対象に予め関連付けられている。この関連付けによって、識別対象が識別情報によって識別されることになる。識別用塩基配列は、識別対象に固有のものであってもよいし、そうでなくてもよい。
識別対象に固有である場合とは、例えば、識別対象がゲノム上の特有の塩基配列や変異を有するとき、当該特有の塩基配列自体を識別用塩基配列とする場合が挙げられる。
識別用塩基配列は、天然由来であってもよいが、人工的に設計されたものであってもよい。人工的に設計された塩基配列を識別用配列として用いる場合とは、例えば、予め相互にミスハイブリダイゼーションがなく、そして、共通のハイブリダイゼーション条件で確実にハイブリダイズし検出できるような集合を構成する人工的塩基配列を用いることで、ハイブリダイゼーションによる、識別対象の検出を迅速かつ精度の高いものとすることができる。
こうした人工的塩基配列としては、例えば、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的な塩基配列が挙げられる。これらの塩基配列は全て同一塩基長であり、融解温度(Tm)が40℃以上80℃以下、好ましくは50℃以上70℃以下であって、同一条件でのハイブリダイズにおいて均質なハイブリダイズ結果が得ることができる。同時に使用する2種類以上の人工的塩基配列の融解温度は、できるだけ近いことが好ましい。
なお、融解温度は、GC%法、Wallace法、Current Protocols in Molecular Biologyに準拠した方法(秀潤社刊バイオ実験イラストレイテッド3 本当に増えるPCRp.25に記載)等により算出したものを採用できるが、本発明における融解温度の範囲および塩基配列濃度の影響を加味できるNearest-Neighbor法によって算出されることが好ましい。Nearest-Neighbor法による融解温度は、例えば、Visual OMP(トミーデジタルバイオロジー株式会社製)とのソフトウエアや日本遺伝子研究所(http://www.ngrl.co.jp/)が提供するソフトウエア(OligoCalculator;http://www.ngrl.co.jp/tool/ngrl#tool.html)により容易に取得できる。
このような人工的塩基配列における識別配列は、正規直交化配列ともいい、たとえば乱数から得られた所定塩基長のDNA配列に対して連続一致長、Nearest-Neighbor法による融解温度予測、ハミング距離、二次構造予測の計算を行うことにより設計される。正規直交化配列は、核酸の塩基配列であって、その融解温度が均一であるもの、即ち融解温度が一定範囲内に揃うように設計された配列であって、核酸自身が分子内(intramolecular)で構造化して、相補的な配列とのハイブリッド形成を阻害することのない配列であり、尚且つこれに相補的な塩基配列以外とは安定したハイブリッドを形成しない塩基配列を意味する。1つの正規直交化配列群に含まれる配列は、所望の組み合わせ以外の配列間および自己配列内において反応が生じ難いか、または反応が生じない。また、正規直交化配列は、PCRにおいて増幅させると、たとえば上述のクロスハイブリダイズのような問題に影響されずに、当該正規直交化配列を有する核酸の初期量に応じた量の核酸が定量的に増幅される性質を有している。上記のような正規直交化配列は、H.Yoshida and A.Suyama,"Solution to 3-SAT by breadth first search",DIMACS Vl.54, 9-20(2000)および特願2003−108126に詳細が記載されている。これらの文献に記載の方法を使用して正規直交化配列を設計することができる。
識別情報は、1又は2以上の識別用塩基配列によって構成されていてもよい。異なる識別用塩基配列をそれぞれ有する2以上のDNAによって識別情報が構成されることで、より確度の高い識別が可能とすることができる。また、一定数の人工的塩基配列を用いても、それらを組み合わせることで、当該一定数よりも多い識別対象を識別することができる。
識別用塩基配列は、後述するチミンリッチな塩基配列よりもチミン塩基比率が小さいことが好ましい。すなわち、識別用塩基配列は、T(チミン)の含有量(識別用塩基配列中のチミン塩基数/識別用塩基配列の全塩基数×100)が50%未満であることが好ましい。識別用塩基配列中にチミンが存在すると、固定化量及び/又はプローブとの反応量のほか、固定化後の紫外線照射等に対して劣化しやすくなるからである。所望の固定化量及び/又は反応量、劣化抑制が得られれば、チミン比率は特に限定しないが、好ましくは、40%以下であり、より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは20%以下であり、一層好ましくは10%以下であり、より一層好ましくは5%以下であり、さらに一層好ましくは、1%以下である。最も好ましくは、0%である。
DNAは、一つの識別用塩基配列とともに、チミンリッチな塩基配列を有していてもよい。チミンは、後述するように、DNAの保持体への化学結合に関与していると考えられ、チミンリッチな塩基配列を有することで簡易にかつ強固に担体にDNAを結合させることができる。
チミンリッチな塩基配列とは、DNAの塩基配列において選択される2つのチミン(T)で特定される当該チミンを両端に含む一続きの領域が、他の領域よりもチミンの含有量が高いことを意味している。より好ましくは、T(チミン)の含有量(チミン塩基数/チミンリッチな塩基配列の全塩基数×100)が50%以上である。より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、一層好ましくは80%以上であり、より一層好ましくは90%以上であり、さらに一層好ましくは95%以上であり、さらにまた好ましくは98%以上であり、最も好ましくは100%である。したがって、チミンリッチな塩基配列は、一つのチミンが連続することなく間隔をおいて含まれていることが好ましい。チンリッチな塩基配列は、好ましくは、2以上のチミンが連続してチミンを含む。そして、より好ましくは連続するチミンのみからなる。チミンは、3又は4以上連続していることが好ましく、より好ましくは、5又は6以上連続していることが好ましく、さらに好ましくは、7又は8以上連続している。なお、チミンリッチな塩基配列がDNAのほぼ全体又は全体に及んでいる場合が挙げられる。
チミンリッチな塩基配列を備える場合、当該塩基配列は、DNAのいずれの部位にあってもよいが、識別用塩基配列の一部でないことが好ましい。すなわち、チミンリッチな塩基配列は、識別用塩基配列とは別個に備えられることが好ましい。また、チミンリッチな塩基配列は、5’末端及び/又は3'末端を含んで備えられていてもよいし、当該末端を含まないが、5’末端側及び/又は3’末端側に備えられていてもよい。また、中央部にあってもよい。好ましくは、5’末端及び/又は3'末端を含んで備えられる。
こうした1又は2以上のDNAからなる識別情報が担体に保持されることで、DNA中の識別用塩基配列が識別情報として機能することとなる。識別情報は、好ましくは、適当なパターン(二次元形態)を伴って担体上等に保持される。すなわち、パターンとしては、特に限定されないが、例えば、記号、文字、数字、バーコード、画像のほか、これらの組み合わせであってもよい。こうしたパターンは目視可能であることが好ましい。
図3に示すように、識別情報は、DNAを含む、複数のドット状体として構成されていてもよい。個々のドット状体は、1又は2以上のDNAから構成されている。一つの識別対象を識別するために一つのDNAを用いる場合には、ドット状体を構成するDNAは、当該一つのDNAで構成されている。また、一つの識別対象を識別するために、2以上のDNAを用いる場合には、個々のドット状体は、一つのDNAのみからなっていてもよいし、2以上のDNAからなっていてもよいし、この両者のドット状体を含んでいてもよい。
図3に示すように、複数のドット状体が集合して目視可能なパターン(文字、記号、図形、これらの組み合わせ等)を構成していてもよい。ドット状体でパターンを構成することで、必要なDNA量を低減できるとともに、ドット内のDNA濃度を高めることができるため、検出感度を高め、簡易かつ迅速に確度の高い検出が可能となる。一つのパターンは、通常、一つの識別対象の特定のために構成される。当該一つのパターンは、1又は2以上のDNAからなるドット状体で構成されうる。なお、一つの識別対象に対して、一つのパターンを備えていてもよいし、2種以上を備えていてもよい。
2種以上のパターン(図3においては、○と×である。)を、同時に一つの担体又は識別対象上に備えることもできる。この場合、2種以上のパターンをコンパクトに保持するためには、2種以上のパターンの少なくとも一部が重なるように配置されることが好ましい。重なって配置される箇所は、それぞれのパターンに属する個々のドット状体が重ならないようにして配置されていてもよいし、重複して配置されていてもよい。また、パターンが重なる箇所は、いずれか一方のパターンに属するドット状体のみで構成されていてもよい。さらには、パターンが重なる箇所は、双方のパターンに属するドット状体がいずれも配置されていないとしてもよい。こうした状態であっても、パターン自体の存在は確認できるからである。
なお、2種以上のパターンは、一つの識別対象を識別するために備えられていてもよいし、それぞれ個別の識別対象を識別するために備えられていてもよい。いずれにしても、前記パターン間で共通しない前記識別用塩基配列を有する1又は2以上のDNAからなるドット状体で構成されていることが好ましい。
なお、担体上等にDNAを含むドット状体を形成する技術は、たとえば、公知のDNAマイクロアレイなどの技術を適用することができる。すなわち、DNAを分散又は溶解した液体を、インクジェット方式あるいはピン方式など、公知の手法で担体上にスポットすればよい。
こうして形成される、識別対象に関連付けられる1又は2以上のDNAが固定化された担体上の領域は、情報保持領域を構成することができる。識別対象に対して1つでもよいし2つ以上でもよい。また、一つの担体上に1つであってもよいし2つ以上であってもよい。
本保持体は、1又は2以上の情報保持領域を包囲する障壁を担体表面に備えている。障壁は、担体表面から所定の高さをもって備えられている。また、障壁は、情報保持領域の周囲を連続的に包囲する連続する障壁であってもよいし、情報保持領域の周囲を断続的(不連続的に)に包囲する複数個の障壁が配列されたものであってもよい。
障壁は、情報保持領域(固相担体の表面)から10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上の高さを有する。少なくとも10μmであると、物理的な障害から識別情報を保護することができる。また、障壁は、情報保持領域(固相担体の表面)から500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下の高さを有する。高くても500μm以下であれば、識別情報保持体の取り扱い性等に影響を及ぼさないからである。
障壁は、情報保持領域を目視で識別可能に形成されていることが好ましい。こうすることで、情報保持領域を容易に視認でき、プローブ溶液を供給しやすく、また、ハイブリダイゼーション結果の判定も容易になるからである。この場合、障壁の厚みや障壁の内部や外部に着色等するなどする手法を採用できる。
障壁は、固相担体の一部であってもよいし、固相担体とは別個に、固相担体上に一体化された障壁部材であってもよい。障壁が障壁部材からなる場合、障壁部材は、粘着剤又は接着剤で固相担体に一体化されていてもよい。
障壁は、疎水性表面を有していることが好ましい。疎水性表面を有していることで、障壁内部、すなわち、情報保持領域内に供給されたプローブ溶液を外部に流出しないように安定して保持することができる。疎水性表面は、例えば、図1及び図2に示すように、障壁が、固相担体側から粘着剤層又は接着剤層、疎水性層の順で備える障壁部材としてときの疎水性層により形成できる。
障壁は、粘着剤又は接着剤を含む表層部を備えることができる。こうした表層部を備えることで、表層部を介して他の部材を固定化できる。
障壁は、表層部を障壁の最上層(最も固相担体からはなれた高い部位)に備えることができる。こうした表層部を備えるとき、表層部を介して識別対象に本保持体を固定化可能となる。また、こうした表層部を備えるとき、表層部を介して情報保持領域の上方を覆うカバーを固定化させて備えることができる。カバーは、効果的に情報保持領域を障害から保護する。すなわち、使用時までの間、DNAの摩擦による脱離や紫外線照射による分解を抑制することができる。カバーは、フィルム状体、シート状体であってもよい。また、カバーが、障壁に対して付与されることで識別情報領域上にキャビティを形成するものであってもよい。さらに、このようなキャビティを形成するカバーの場合、当該キャビティをハイブリダイゼーションのためのキャビティとして用いることも可能となる。この場合には、キャビティにハイブリダイゼーションのためのプローブ溶液などを注入可能な開口を備えることができる。あるいは、適時に当該開口を形成可能に設けることができる。例えば、外部から押圧により、開口が形成されるような脆弱部を設けてあってもよい。カバーを障壁から容易に剥離できるように設けられていてもよい。
こうした障壁は、例えば、図4に示すように、固相担体側から、第1の粘着性層、疎水性(撥水性)層及び第2粘着性層を備え、固相担体上の1又は2以上の情報保持領域を包囲し区画するパターンを備える積層体である障壁部材で構成されていてもよい。第1の粘着剤層は、第2の粘着剤よりも強い粘着性を有していることで、障壁部材を固相担体に強固に固定できる一方、第2の粘着剤層を介して、カバーを剥離容易に固定することができる。この場合、本保持体の固相担体の情報保持領域でない面に粘着剤層を形成して、当該粘着剤層を介して本保持体を識別致傷に固定化できる。
こうした、障壁部材は、また、例えば、図5に示すように、固相担体側から、第1の粘着剤層、第1の疎水性層、第2の粘着剤層、第2の疎水性層及び第3の粘着剤層を備えることができる。第3の粘着剤層には、剥離層を備えることができる。このとき、第1の粘着剤層は第2の粘着剤層よりも強い粘着性であることが好ましく、また、第3の粘着剤層も第2の粘着剤層よりも強い粘着性であることが好ましい。剥離層は、情報保持領域を保護するカバーとしても機能する。剥離層を剥離して露出される第3の粘着剤層を識別対象に密着させ固定することで、第3の粘着剤層は、保持体への固定化層として機能することができる。
なお、固相担体上の情報保持領域を包囲する障壁を設けることは、識別情報領域のための担体表面がその周囲の担体表面よりも低く形成されているような状態であってもよい。例えば、担体が、底面を有する凹部を備える場合、当該凹部に識別情報を保持する情報保持領域としてもよい。また、当該凹部は、ハイブリダイゼーションのためのキャビティとしても用いることができる。
本保持体において、障壁等によってハイブリダイゼーションのためのキャビティを備えることで、後述する識別対象の識別において、容易に接触工程を実施できる。
情報保持領域内には、図3に示すように、パターンを2種以上備えることができ、当該2種以上のパターンは、パターン間で共通しない識別用塩基配列を有する1又は2以上のDNAからなるドット状体で構成されることができる。さらに、2種以上のパターンは、少なくともその一部が重なって配置されていてもよい。
本保持体が、固相担体上に識別情報を備えて、別途、識別対象に固定化されるべきものである場合、担体には、識別対象に対する固定化手段を備えていることが好ましい。例えば、当該固定化手段は、接着層、粘着層などが挙げられる。こうした固定化手段は、本保持体がフィルム状、シート状の場合に有効である。また、本保持体がタグ形態を有する場合、固定化手段としては、接着層や粘着層のほか、係止、嵌合等による固定化手段を備えることができる。固定化手段は、識別対象から本保持体を分離可能なものであることが好ましい。分離可能とすることで、後述する識別対象の識別を容易に実施できる。
(構造体)
本発明の構造体は、本保持体を複数個一体に備えることができる。こうした構造体は、複数個の本保持体を一挙に供給できるため都合がよい。複数個の本保持体は、所定パターンで配列して備えることが好ましい。例えば、図1及び図2に示すようなパターンで備えられる。こうしたパターンであると、個々に分離するのに適している。複数個の本保持体は、連続する又は単一の固相担体を複数個の本保持体に共通する固相担体として備えることが好ましい。複数個を一括して製造し取り扱うのに都合がよいからである。
本構造体は、複数個の本保持体を分離可能に形成されていることが好ましい。個々の本保持体に容易に分離できるからである。構造体は、複数個の本保持体を分離可能な脆弱部を有していることが好ましい。脆弱部を有していることで、小さい力で容易に本保持体を分離できる。脆弱部は、複数個の本保持体を区画するように形成されていることが好ましい。
また、構造体において、隣接する本保持体間の厚みは、20μm〜1500μmの厚み、好ましくは40μm〜1000μmの厚み、さらに好ましくは50〜600μmの厚みを有する。
複数個の本保持体は、それぞれが備える障壁によって区画され、障壁を指標として相互に分離可能とすることができる。また、複数個の本保持体は、連続する又は単一の障壁を複数個の本保持体に共通する障壁として備えることができる。
図4及び図5に示すように、複数個の本保持体は、接着剤又は粘着剤を含有する連続する又は単一の固定化層を構造体の表面又は裏面に備えることができる。また、図4及び図5に示すように、こうした固定化層は、複数個の本保持体の障壁(その最上部)に対して備えていてもよいし固相担体の前記情報保持領域が形成される面とは反対側の面に備えることもできる。
(本保持体の製造方法)
本保持体の製造方法は、固相担体上に、1又は2以上のDNAを固定して1又は2以上の情報保持領域を形成する工程と、1又は2以上の情報保持領域を包囲する障壁となる障壁部材を前記固相担体上に固定する工程と、を備えることができる。本製造方法は、本保持体を製造する方法であるが、同時に、複数個の本保持体を備える本構造体を製造する方法としても実施することができる。
障壁部材は、図1、図2、図4及び図5に示すように、1又は2以上の情報保持領域に対応する開口パターン(平面視)を有することができる。また、図1、図2,図4及び図5に示すように、障壁部材は、接着剤又は粘着剤を備えて固相担体に固定化するための固定化層と、この固定化層に積層される障壁層とを備えることができる。障壁部材は、障壁層に積層される、粘着剤又は接着剤を含有するさらに別の固定化層を備えることもできる。固相担体は、固相担体の情報保持領域を形成する面と反対側の面には、粘着剤又は接着剤を含有する固定化層を備えることもできる。
さらに、障壁部材を介して、1又は2以上の前記情報保持領域の上方を覆うカバーを付与する工程を備えることもできる。
情報保持領域の形成工程では、固相担体の表面に、識別用塩基配列のほか、チミンリッチな塩基配列を有していてもよいDNAを供給して両者を接触させて固定化することができる。固定化では、例えば、両者の接触反応において固定化されるDNAの活性が維持されるように、通常、DNAは水またはバッファー中に含まれる形で供給される。固定化の手法は特に限定されないで、公知の方法を採用することができ、DNAとカルボジイミド樹脂、窒素イペリット、ポリアミノ酸、ニトロセルロール等の公知の化合物を化学的に結合又は物理的に結合した状態で、これら混合物と担体を接触させ固定させてもよく、また、このときの固定は後述するように電磁波を照射して行ってもよい。
また、識別情報たるDNAがチミンリッチな塩基配列を有している場合には、DNAと固相担体との接触中又は接触後に電磁波を照射することによって固定化することもできる。また、水またはバッファー中に公知の光重合開始剤を混合することもできる。固定化に用いる電磁波としては、220nm〜380nmの波長の紫外線が好ましい。なかでも、280nmの波長を含む紫外線を照射することが好ましい。具体的には、波長280nmを含むブロードな波形を有する紫外線であっても良い。照射量は、10〜5000mJ/cm2が好ましく、100〜2000mJ/cm2がさらに好ましい。好ましくは、200mJ/cm2以上である。また、DNA溶液をスポット後紫外線照射前に乾燥させることができる。なお、核酸溶液の乾燥方法としては、自然に乾燥させてもよく、加熱して乾燥させてもよい。加熱する場合の温度は、通常30〜100℃、好ましくは35〜45℃である。
本明細書において微量のDNAを、通常は、DNAを含有する水またはバッファーを、担体等に点状に供給するには、公知の手法を特に限定することなく用いることができる。
本製造方法は、さらに、ブロッキング工程を備えていてもよい。本保持体は、さらに、必要に応じて過剰量のウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、サケ精子DNA等を担体等に接触させ、ブロッキングを施すこともできる。
(識別可能な物品の製造方法)
本発明の識別可能な物品の製造方法は、本保持体を準備する工程と、本保持体を識別対象とする物品に固定化する工程と、を備えることができる。固定化工程における、本保持体の物品への固定化手段は特に限定されない。既に説明したように、接着剤や粘着剤等の手段で固定されてもよいし、タグのように係止手段により固定化されるものであってもよい。固定化される形態も特に限定されない。情報保持領域が物品側に指向するように又は識別情報が物品の外方を指向するように、識別情報保持体を物品に固定化してもよい。
(識別方法)
次に、本保持体を用いて識別対象を識別する方法について説明する。識別対象に付与された本保持体の情報保持領域に対して、識別用塩基配列と相補的な塩基配列を有する1又は2以上のプローブを接触させる工程と、識別用塩基配列とプローブとのハイブリダイゼーション産物を検出する工程と、を備えることができる。本識別方法によれば、本保持体において良好な識別能が確保されているため、良好な確度で識別対象を識別できる。そして、当該識別工程は、別途、識別対象の管理、監視、認証、同定、追跡等の方法にそのまま適用することができる。
(接触工程)
接触工程は、識別対象に付与された本保持体に上の識別情報に対して、この識別情報に含まれる識別用塩基配列と相補的な塩基配列を有する1又は2以上のプローブを接触させる工程とすることができる。接触工程において、識別対象が予め関連付けられた識別用塩基配列を備えているとき、プローブとハイブリダイズ産物を形成することができる。すなわち、本接触工程は、DNA中の識別用塩基配列とプローブとのハイブリダイゼーションを行わせることを目的としている。プローブは、識別対象に予め付与した識別用塩基配列に対応するプローブだけを供給してもよいし、ユニバーサルに多くの識別対象に適用可能に組成したプローブを供給してもよい。
プローブは、識別用塩基配列とハイブリダイズ産物を形成できる程度に相補的であればよいが、好ましくは、完全に相補的である。識別用塩基配列が、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的な塩基配列から選択されるとき、プローブは、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的な塩基配列から選択される。
プローブは、その後の検出のために、標識されていることが好ましい。標識としては従来公知のものを適宜選択して用いることができる。それ自体励起されると蛍光シグナルを発する蛍光物質などの各種色素であってもよいし、さらに酵素反応や抗原抗体反応により第2成分と組み合わせて各種シグナルを発する物質であってもよい。典型的には、Cy3、Alexa555、Cy5、Alexa647等の蛍光標識物質を用いることができる。また、ビオチンとストレプトアビイジンHPRとを組み合わせて基質による処理等による発色による検出を用いてもよい。
プローブは、識別対象に固有のプローブを含んでいてもよいが、ユニバーサルに多くの識別対象に適用可能に組成したプローブセットであってもよい。配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的塩基配列を有するプローブであれば、相互にミスハイブリダイゼーションがないため、こうした塩基配列を識別用配列として用いた本保持体であればユニバーサルに適用可能なセットとすることができる。
接触工程の条件は特に限定しない。通常のハイブリダイズ媒体を用いることができる。適度な温度に設定することができる。例えば、配列番号1〜100で表される塩基配列又は当該塩基配列に相補的な配列などの高度に選択的な識別用塩基配列を利用する場合には、配列番号1〜100で表される塩基配列又は当該塩基配列に相補的な塩基配列を利用する場合には、30℃以上80℃以下、好ましくは30℃以上40℃以下の温度を採用できる。より好ましくは、35℃以上40℃以下である。また、時間は、1秒以上1時間以下であることが好ましい。より好ましくは、1秒以上5分以下であり、さらに好ましくは1秒以上1分以下である。好ましくは、30℃以上40℃以下、より好ましくは、35℃以上40℃以下で、かつ、好ましくは1秒以上5分以下、より好ましくは、1秒以上1分以下の接触工程とすることができる。
なお、接触工程に際しては、本保持体を識別対象から分離してもよい。分離可能な固定化手段により本保持体が識別対象に固定化されている場合には、識別対象とから分離した状態で接触工程を実施できる。また、可能な場合には、識別対象上で接触工程を実施してもよい。例えば、本保持体上に、ハイブリダイゼーション用のキャビティを備える場合が挙げられる。
後段の検出工程に先立って、過剰のプローブを洗浄除去することが好ましい。識別情報たるDNAは担体等に固定化されているため、余分なプローブを洗浄しても、ハイブリダイゼーション産物は、担体等上に保持される。
(検出工程)
検出工程は、前記識別情報中の識別用塩基配列と前記プローブとのハイブリダイゼーション産物を検出する工程とすることができる。こうしたハイブリダイゼーション産物を検出することにより、識別対象を識別できる。検出工程におけるハイブリダイズ産物の検出方法は特に限定されない。連結分子が標識を有する場合には、その標識を検出すればよい。また、電気的な検出方法などにより、二重鎖を検出してもよい。
ハイブリダイズ産物が検出されたとき、識別対象が同定される。すなわち、識別対象の同一性が判定されるため、改ざんされていないこと、置換されていないこと、損なわれていないことなどが判定できる。また、ハイブリダイズ産物が検出されないとき、識別対象の不存在ないし識別対象の非同一と判定される。すなわち、識別対象は失われたか、改ざんされたか、損なわれたかなどと判定される。
識別情報として、1又は2以上のDNAが目視可能なパターンを形成している場合には、そのパターンを目視で視認することにより容易に識別対象の識別が可能となり、識別対象が同定される。また、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的配列を利用する場合には、高度に選択的にハイブリダイズ産物が生成されるため、迅速に確度の高い識別が可能である。さらに、一つの識別対象に対して、2以上のDNA、すなわち、2以上の識別用塩基配列が関連付けられている場合にも、確度の高い識別が可能となる。
検出工程に要する時間は、特に限定しないが、1秒以上1時間以下とすることできる。本方法においては、例えば、配列番号1〜100で表される塩基配列及びその相補的配列から選択されるような高度に選択的な識別用塩基配列を用いることで、一般的な検出温度(50℃〜70℃)と比べ40℃以下(例えば37℃程度)でハイブリダイズ及び検出が可能であるため、検出工程の迅速化も可能となっている。より好ましくは1秒以上5分以下であり、さらに好ましくは1秒以上1分以下である。
以上説明したように、本識別方法によれば、良好な識別能を有する本保持体に対して、簡易にかつ迅速に接触工程及び検出工程を実施できる。したがって、確度の高い識別が可能となっている。また、こうした識別方法は、各種物品の流通、保管に関する、管理方法、監視方法、認証方法等においても同様の効果を奏する。
(識別キット)
本明細書に開示される識別対象の識別キットは、本保持体と、識別用塩基配列と相補的な塩基配列を有する1又は2以上のプローブと、を備えることができる。こうしたキットによれば、本保持体による識別を実施することができる。本識別キットにおける本保持体及びプローブについては、既に説明したこれらについての各種態様をそのまま適用することができる。
以上説明した本発明によれば、以下の有利な作用を奏することもできる。
(1)固相担体上に情報保持領域を包囲する障壁を設け、この障壁をハイブリダイゼーションのキャビティとして用いることで、ハイブリダイゼーション溶液の滴下が容易となり、情報保持領域上において気泡が発生してもその気泡を速やかに解消させることができる。また、障壁によるキャビティによって、ハイブリダイゼーション溶液の量を低減させることができる。さらに、こうした開放的キャビティであるため、洗浄液を流すだけの迅速な洗浄が可能となり、工程全体を迅速化することができる。
(2)障壁を備えることで、検出工程においての情報保持領域への外部要素との接触やこすれの発生を抑制し、再現性のよい検出が可能となる。
(3)固相担体表面に、DNA末端のアミノ基と共有結合の形成が可能な官能基を形成させることで、末端アミノ基修飾DNAを固相担体に共有結合するようにしたことで、低濃度のサンプル液であっても検出が可能となる。
以下、本発明を具現化した実施例について説明するが、本明細書の開示は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、23merの人工設計オリゴヌクレオチドの識別用塩基配列のうち、チミン(T)塩基の割合が少ないもの、チミン塩基の割合が多いもの、チミン塩基が全くないものの3通りの配列と、これら配列の5’末端にpolyT(チミンリッチな塩基配列)をつないだ配列からなるオリゴヌクレオチドを合成した。これらのオリゴヌクレオチドを樹脂基板にスポットし、固定した。スポット固定後の紫外線照射による識別対象の識別能(検出能)への影響を評価するため、紫外線処理前後でのプローブとのハイブリダイズ反応を行い、蛍光シグナルの強度を比較した。なお、紫外線照射処理は、オリゴヌクレオチドが固定された担体上に200−300nm程度の紫外光を長時間連続照射することにより行った。
(1)オリゴヌクレオチドの固定化体の作製
熱可塑性 HYPERLINK "http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E6%88%90%E6%A8%B9%E8%84%82" \o "合成樹脂" プラスチックの一種であるポリカーボネート基板(25mm±0.05mm×76mm±0.05mm×)上に、あらかじめ調製した合成オリゴヌクレオチド(DNA)(日本遺伝子研究所社製:表1参照)を溶かした水溶液を日本ガイシ株式会社製GENESHOTスポッターを用いてスポットした。オリゴヌクレオチドは、識別用塩基配列中のチミン塩基数が10個、2個及び0個のOligo1−1、2−1、3−1の3種(配列番号101〜103)と、これらの5’末端にそれぞれTが12個、10個及び10個のPolyTを結合させたOligo1−2、2−2、3−2の3種(配列番号104〜106)とした。
なお、合成オリゴヌクレオチドの水溶液は以下のようにして調製した。
(a)添加剤1を用いたスポット用水溶液:SSC系
6×SSC(invitrogen社20×SSCを薄めたもの)と100pmol/μlのオリゴヌクレオチドをそれぞれを等量混合したもの(各終濃度50pmol/μl,3×SSC)
(b)添加剤2を用いたスポット用水溶液:PBS系
2×PBS(invitrogen社10×PBSを薄めたもの)と100pmol/μlのオリゴヌクレオチドをそれぞれを等量混合したもの(各終濃度50pmol/μl,1×PBS)
スポットの後、以下の手順で合成オリゴヌクレオチドの担体(基板)への固定を行った。すなわち、スポット済み基板をUV照射装置(Spectroline社XL−1500UV Crosslinker)にセットし、600mJ/cm2で紫外線光を照射した。次いで、スライドラックにセットした基板を3〜5%BSA水溶液中にて50回上下振とう後、さらに、滅菌水中にて10回上下振とうし、その後、遠心(1000rpm×2分)により液切りした。
(2)プローブDNAとの反応
(1)で作製した合成DNA保持担体上のオリゴヌクレオチドを検出するためのプローブとして、5’末端をCy3で修飾された合成DNA(日本遺伝子研究所社製:以下3種の配列参照、配列番号107〜109)を使用した。
まず初めに、上記3種プローブを用いた反応溶液を以下の組成で調製し、合成オリゴヌクレオチド保持担体(基板)への反応を行った。詳細な手順を以下に説明する。
(プローブDNA溶液の調製)
Probe mixture(2.5nM, each) * 1.5 μl
Hybri Solution(×2)* 9.0 μl
milliQ水 7.5 μl
total 18.0 μl

* Probe mixture組成(2.5nM, each)
Probe 1(100nM) 10 μl
Probe 2(100nM) 10 μl
Probe 3(100nM) 10 μl
TE(pH8.0) 370 μl
400 μl

*Hybri Solution組成(×2)
20×SSC 2.0 ml
10%SDS 0.8 ml
100% Formamide 12.0 ml
100 mM EDTA 0.8 ml
milliQ 24.4 ml
40.0 ml
(基板とのプローブDNA溶液の反応)
調製した反応プローブDNA溶液を、Applied Biosystems社のGeneAmp PCR System 9700を使用し、90℃で1分加熱した後、ヒートブロック(TAITEC社DTU−N)を使用し80℃で1分加熱した。上記プローブ溶液を各9μlずつ、基板上のスポットエリアにかけ、乾燥防止のためコンフォート/プラス用サーモブロックSlide(eppendorf社)を使用し、37℃で60分間静置することにより反応を行った。
(反応後基板洗浄液の調製)
Milli Q 188.0 ml
20×SSC 10.0 ml
10%SDS 2.0 ml
total 200.0 ml
(基板上の余剰プローブの洗浄)
上記洗浄液をガラス染色バットに移した。プローブDNA溶液との反応終了後の基板を浸漬し5分間上下振とうした。滅菌水を入れたガラス染色バットに基板を移し、1分間上下振とうした。次いで、2000rpmで1分間遠心乾燥し、基板上に残った水分を除去した。
(3)(1)で作製された担体に追加で紫外光照射された基板の作製及びその基板へのプローブDNAを用いた反応
(1)にて作製済みの基板をUV照射装置(Spectroline社XL-1500UV Crosslinker)にセットし、追加で紫外光を照射(それぞれ600mJ/cm2及び1200mJ/cm2)した基板を作製した。
追加で紫外光を照射して得た各基板に対し、(2)で実施した方法と同様の方法でプローブDNAとの反応を行い、基板上の余剰プローブを洗浄した。
(4)データ解析
(スキャナーによる蛍光検出)
(2)及び(3)において得た反応済み各基板について、Appleied Precision社ArrayWoRxを使用して適宜、露光時間を調節し、基板表面の蛍光画像を取得した。さらにGenePix Proを使用し、得られた画像の蛍光シグナルの数値化を行った。(2)で得られた基板上の各スポットの蛍光強度について結果を比較した。その結果を以下の表に示す。
表3に示すように、オリゴヌクレオチド用水溶液の調製方法(SSC系、PBS系)に関係なく、オリゴヌクレオチドの識別用塩基配列中のチミン塩基数が少なくなるにつれ(Oligo1−1、2−1、3−1およびOligo1−2、2−2、3−2の順)、プローブ反応量が向上する結果を確認した。また、オリゴヌクレオチドの末端のpolyT結合の有無によるプローブ反応量への影響を確認したところ、polyTを結合したオリゴヌクレオチド(Oligo1−2、2−2、3−2)において、結合していないオリゴヌクレオチド(Oligo1−1、2−1、3−1)と比べてプローブ反応量が数倍から10倍程度に向上する結果を確認した。
また、上記(3)により得られた基板上の各スポットの蛍光強度についての結果(SSC系)を比較した。上記(2)の結果も加味した結果を以下の表に示す。
表4に示すように、オリゴヌクレオチド水溶液の調製方法がSSC系においては、Oligo3−2(識別用塩基配列中のチミン数0、PolyT有り)において追加紫外光照射によるスポットの蛍光強度低減割合を従来の数十分の1から約1/3程度までに抑制できることを確認した。
オリゴヌクレオチドの識別用塩基配列中のチミン塩基数が少なく、かつオリゴヌクレオチドの末端にpolyTが結合した配列において、基板上に固定されたオリゴヌクレオチドの紫外線による影響を小さくすることが可能である。
また、オリゴヌクレオチドスポット用水溶液調製方法がPBS系においては、SSC系と比べ、追加紫外光照射によるスポットの蛍光強度低減割合がやや大きく、SSC系でのスポット用水溶液調製が望ましいことがわかった。
本実施例では、障壁部材を備える識別情報保持体を作製し、その評価を行った。評価は以下の手順で行った。
(1)サンプルDNA検出用合成DNAプローブを担体上(フィルム(実施例)/フィルム及びスライド基材2種(ガラス及びプラスチック)(対照用))にスポットならびにプローブの固定化による合成DNAプローブが保持された担体の作製の実施
(2)サンプル液の保持が可能なに障壁部材(カバーあり/なし)のプローブ保持体(フィルム)の担体上への貼付の実施
(3)作製したプローブ保持体を用いた評価
実験1:作製された担体へのサンプルDNAを用いた反応(スポット配置に応じた反応パターンの確認)の実施
実験2:作製したプローブ保持体へのサンプルDNAを用いた反応(経時変化の影響評価)
実験3:作製したプローブ保持体に紫外光照射した後のサンプルDNAを用いた反応(紫外線の影響評価)の実施
実験4:作製したプローブ保持体上のプローブの物理的な摩擦(こすれ)を生じさせた後のサンプルDNAを用いた反応の実施
(4)実験1〜4の反応結果のスキャナーによる検出及びデータ解析
(1)サンプルDNA検出用合成DNAプローブを担体上にスポット・固定することによる合成DNAプローブ(識別情報)が保持された保持体の作製
プローブ保持体の固相担体として、住友ベークライト株式会社製DNA共有結合用フィルムに、5'末端をアミノ基で修飾した合成オリゴDNA(株式会社日本遺伝子研究所製)を溶かした水溶液をキャプチャープローブとし、日本ガイシ株式会社にてGENESHOT(登録商標)スポッターを用いてスポットした。なお、プローブの固定化は、スポット後の担体を、メーカー指定ブロッキング液に、室温で5分浸漬後、沸騰水中に2分浸漬し、さらに、滅菌水中に浸漬して2分間急冷後、エアーガンで液切りを行うことによった。
なお、対照用プローブ保持体として、市販のプラスチック基板、市販のガラス基板のそれぞれに、5'末端をアミノ基で修飾した合成オリゴDNA(株式会社日本遺伝子研究所製)を溶かした水溶液をキャプチャープローブとし、日本ガイシ株式会社にてGENESHOT(登録商標)スポッターを用いてスポットを実施した。対照用プローブ保持体においては、合成DNAの固定化は、スポット後の担体を、2×SSC/0.2%SDSで15分洗浄後、95℃ 2×SSC/0.2%SDSで5分洗浄し、さらに、滅菌水洗浄(10回上下振とう)を3回行った後、遠心(1000rpm×3分)により液切りを行うことによった。
プローブ保持体及び対照用プローブ保持体の作製に際し、スポットするのに用いた合成オリゴDNA配列は、サンプル反応性の高いことが既に分かっている以下の表に記載の配列表の中から2配列(D1−001,D1−100)(配列番号1及び100)を選定し使用した。
各プローブのスポットパターンは図6に示すように行い、D1−001のみが固定化されたスポットと、D1−100のみが固定化されたスポットと、双方が固定化されたスポットの3種とした。
(2)積層体で構成されたサンプル液の保持が可能な障壁部材(カバーあり/なし)の担体上への貼付
(1)で作製した各種DNAプローブ保持体上に図7〜図9に示す三種類の障壁部材(I〜III,Iはカバーなし、II及びIIIはカバーあり)を貼り付けた。なお、障壁
部材II及びIIIは、ともに保管時は障壁部材を貼付したままとし、サンプルDNAとの反応時にカバー(弱粘着性のリンテック製フィルム)をはがして担体上のプローブを露出させた。
(3)各種評価
(実験1)
障壁部材を貼付したプローブ保持体及び障壁部材を貼り付けていないプローブ保持体および対照用プローブ保持体に対するサンプルDNAの反応(スポット配置に応じた反応パターンの確認
サンプルDNAとして、5’末端をCy3で修飾した合成DNA(日本遺伝子研究所社:以下に示す2種配列参照)を使用して反応を実施した。
まず、上記2種サンプルDNAをそれぞれ用いた反応溶液を調製し、合成DNAプローブ保持担体(フィルムおよび対照用基板2種)への反応を行った。詳細な手順を以下に記載する。さらに、フィルム及び対照用基板2種に対しては、障壁部材を貼付せずの状態でサンプルDNAの反応を実施した。対照用プローブ保持体である障壁部材なしのフィルムおよび基板2種に対しては、下記反応用サンプルDNA溶液の漏出を防ぐことができないため、液量を50μlと増やして反応を実施した。
(反応用サンプルDNA溶液の調製)
サンプル液(2.5nM, each) 1.5 μl
Hybri Solution(×2)* 9.0 μl
milliQ水 7.5 μl
total 18.0 μl
上記組成において、サンプル液を混液とするときは、以下の組成のサンプル液を用いる。
*Sample mixture組成(2.5nM, each)
rD1-001(100nM) 10 μl
rD1-100(100nM) 10 μl
TE(pH8.0) 380 μl
400 μl
*Hybri Solution組成(×2)
20×SSC 2.0 ml
10%SDS 0.8 ml
100% Formamide 12.0 ml
100 mM EDTA 0.8 ml
milliQ 24.4 ml
40.0 ml
(保持体へのサンプルDNA溶液の反応)
上記のようにして調製したサンプル溶液(rD1−001のみ、rD1−100のみ、及び混合)を、Applied Biosystems社のGeneAmp PCR System 9700を使用し、90℃で1分加熱した後、ヒートブロック(TAITEC社DTU-N)を使用し80℃で1分加熱した。次いで、上記サンプル溶液を各9μlずつ、各保持体上のスポットエリアに滴下後、乾燥防止のためコンフォート/プラス用サーモブロックSlide(eppendorf社)で、37℃で60分間静置することにより反応を行った。
(反応後基板洗浄液の調製)
Milli Q 188.0 ml
20×SSC 10.0 ml
10%SDS 2.0 ml
total 200.0 ml
(保持体上の余剰サンプルの洗浄)
上記のように調製した洗浄液をガラス染色バットに移し、サンプルDNA溶液反応終了後の基板を浸漬し、5分間上下振とうした。さらに、滅菌水を入れたガラス染色バットに基板を移し、1分間上下振とう後、2000rpmで1分間遠心乾燥し、基板上に残った水分を除去した。
(実験2)プローブ保持体における経時変化の影響評価
障壁部材を貼付したプローブ保持体及び対照用プローブ保持体につき、プローブを固定化から以下の表に示す一定期間経過後にそれぞれサンプルDNA(D1−01とD1−100の混合液)との反応を実施した。なお、プローブ固定化からの時間変化評価のために、プローブ保持体及び対照用プローブ保持体は、常温で透明な袋に収納して保管し、その後、サンプルDNAとの反応を行った。混合液の調製は以下の通りとした。
プローブ保持体については、各パターン単位に切断した上でサンプルDNAとの反応を行った。なお切断は反応直前に実施した。切断にはカッター、はさみ、超音波カッターのいずれも用いることが可能であった。サンプルDNA(D1−01とD1−100の混合液)との反応、洗浄は、実験1と同様に行った。
(実験3)プローブ保持体に対する紫外光照射の影響評価
障壁部材を貼付したプローブ保持体及び対照用プローブ保持体に対して、作製直後にUV照射装置(Spectroline社XL-1500UV Crosslinker)にセットし、以下に示す線量で紫外光を照射した。紫外線照射後、サンプルDNAとの反応を行った。
プローブ保持体については、各パターン単位に切断した上でサンプルDNAとの反応を行った。なお切断は反応直前に実施した。切断にはカッター、はさみ、超音波カッターのいずれも用いることが可能であった。サンプルDNA(D1−01とD1−100の混合液)との反応、洗浄は、実験1と同様に行った。
(実験4)プローブ保持体への物理的な摩擦(こすれ)の影響評価
障壁部材を貼付したプローブ保持体及び対照用プローブ保持体に対して、作製直後に以下の表に示す条件で固相担体上のスポット面に意図的に摩擦(こすれ)を生じさせた。
プローブ保持体については、各パターン単位に切断した上でサンプルDNAとの反応を行った。なお切断は反応直前に実施した。切断にはカッター、はさみ、超音波カッターのいずれも用いることが可能であった。サンプルDNA(D1−01とD1−100の混合液)との反応、洗浄は、実験1と同様に行った。
(4)スキャナーによる蛍光検出及びデータ解析
上記実験1〜4において得た反応済みの各プローブ保持体について、moleculardevice社GenePix4000Bを使用して適宜、laser powerおよびPMTを調節し、保持体表面の蛍光画像を取得した。さらにGene Pix Proを使用し、得られた画像の蛍光シグナルの数値化を行った。
(実験1の評価結果)
評価の結果を図10に示す。図10に示すように、サンプルDNAとしてrD1−001のみ、rD1−100のみ、及びこれらの双方を保持体に対して供給したとき、それぞれサンプルDNAに対し狙いとする蛍光画像が得られた。すなわち、rD1−001のみを供給したときには、「N」が提示され、rD1−100のみを供給したときには、「Y」が提示され、両者を供給したときには、「N」と「Y」との重複した画像が提示された。また、二つのプローブを一つのスポットに固定したエリアにおいても顕著なシグナルの低下といった問題は起こらず、目視での認識に問題ない結果であることが分かった。
(実験2の評価結果)
評価の結果を以下の表及び図11に示す。なお、以下の説明において、プローブ保持体に対して、障壁部材I〜IIIをそれぞれ貼付したものを、保持体I〜IIIと標記する。
表9及び図11に示すように、保持体Iに対しては作製からの時間が経
過するにつれ、作製直後の蛍光強度からの蛍光強度の低下が確認された。一方、保持体II、IIIにおいては作製からの時間経過に対する蛍光強度の低下は起こらず、長期保存安定性の高い保持体構造であることが分かった。一方で、障壁部材I〜IIIを貼り付けることにより、
使用するサンプル量が半分以下(50μl→18μl)に低減することができた。
(実験3の評価結果)
評価の結果を以下の表及び図12に示す。表10及び図12に示すように、保持体Iに対しては紫外線照射線量が増大するにつれ、作製直後の蛍光強度か
らの蛍光強度の顕著な低下が確認された。一方、保持体II、IIIにおいては作製からの時間経
過に対する蛍光強度の低下は起こらず、紫外線の影響の小さな保持体構造であることが分かった。
(実験4の評価結果)
評価の結果を以下の表及び図13に示す。表11及び図13に示すように、保持体II及びIIIに比較して保持体Iに対しては、摩擦(こすれ)に対してプ
ローブの保持を継続することは困難であることが確認された。一方、保持体II及びIIIにおいて
はこすれに対して安定な構造であることが確認できた。また、保持体なしの場合に比べ保持体が貼り付けられている場合の方がプローブの損傷が抑えられることも確認できた。
以上の結果から、障壁部材に対してカバーを備えることで、長期安定性、紫外線照射、さらにはこすれに対して本来のプローブの性能を大幅に低下することなく使用できることが確認できた。また、保持体IIとIIIとでは、障壁の高さがより高い保持体IIIがより効果高い傾向があった。
配列番号1〜109:合成オリゴヌクレオチド

Claims (37)

  1. 固相担体と、
    識別対象に予め関連付けられた識別用塩基配列を識別情報として有する1又は2以上のDNAが前記固相担体上に保持された1又は2以上の情報保持領域と、
    1又は2以上の前記情報保持領域を包囲する障壁と、
    を備える、識別情報の保持体。
  2. 前記障壁は、前記固相担体の一部である、又は、前記固相担体上に一体化された障壁部材である、請求項1に記載の保持体。
  3. 前記障壁部材は、粘着剤又は接着剤で前記固相担体に一体化されている、請求項2に記載の保持体。
  4. 前記障壁は、疎水性表面を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の保持体。
  5. 前記障壁は、前記情報保持領域の周囲を連続的又は不連続的に包囲する、請求項1〜4のいずれかに記載の保持体。
  6. 前記障壁は、前記情報保持領域から10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上の高さを有する、請求項1〜5のいずれかに記載の保持体。
  7. 前記障壁は、前記情報保持領域から500μm以下、より好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下の高さを有する、請求項1〜6に記載の保持体。
  8. 前記障壁は、前記情報保持領域を目視で識別可能に形成されている、請求項1〜7のいずれかに記載の保持体。
  9. 前記障壁は、粘着剤又は接着剤を含む表層部を備えている、請求項1〜8のいずれかに記載の保持体。
  10. 前記表層部を介して前記識別対象に固定化可能である、請求項9に記載の保持体。
  11. 前記障壁を介して前記情報保持領域の上方を覆うカバーを備える、請求項1〜10のいずれかに記載の保持体。
  12. 前記識別用塩基配列は、添付する配列表に記載の配列番号1〜100及びその相補配列から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の保持体。
  13. 前記1又は2以上のDNAは前記固相担体に化学結合により結合されている、請求項1〜12のいずれかに記載の保持体。
  14. 前記1又は2以上のDNAを含む、複数個のドット状体が、目視で識別可能なパターンを構成する、請求項1〜13のいずれかに記載の保持体。
  15. 前記保情報持領域内に、前記パターンを2種以上備える、請求項14に記載の保持体。
  16. 2種以上の前記パターンは、前記パターン間で共通しない前記識別用塩基配列を有する1又は2以上のDNAからなるドット状体で構成されている、請求項15に記載の保持体。
  17. 2種以上の前記パターンは、少なくともその一部が重なって配置されている、請求項15又は16に記載の保持体。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の識別情報保持体を複数個一体に備える、構造体。
  19. 複数個の前記識別情報保持体を、所定パターンで配列して備える、請求項18に記載の構造体。
  20. 複数個の前記識別情報保持体は、部分的に連続する又は単一の固相担体を前記固相担体として備える、請求項18又は19に記載の構造体。
  21. 前記構造体は、複数個の前記識別情報保持体を分離可能に形成されている、請求項18〜20のいずれかに記載の構造体。
  22. 前記構造体は、複数個の前記識別情報保持体を分離可能な脆弱部を有する、請求項18〜21のいずれかに記載の構造体。
  23. 複数個の前記識別情報保持体を、各識別情報体間で分離可能に前記構造体の当該識別情報保持体の間が20μm〜1500μmの厚み、好ましくは40μm〜1000μmの厚み、さらに好ましくは50〜600μmの厚みを有する、請求項18〜22のいずれかに記載の構造体。
  24. 複数個の前記識別情報保持体は、前記障壁によって区画され、前記障壁を指標として相互に分離可能である、請求項18〜23のいずれかに記載の構造体。
  25. 複数個の前記識別情報保持体は、連続する又は単一の障壁を前記障壁として備える、請求項18〜24のいずれかに記載の構造体。
  26. 複数個の前記識別情報保持体は、接着剤又は粘着剤を含有する連続する又は単一の固定化層を前記構造体の表面又は裏面に備える、請求項18〜25のいずれかに記載の構造体。
  27. 前記固定化層を複数個の前記識別情報保持体の障壁に対して備える、請求項26に記載の構造体。
  28. 前記固定化層を複数個の前記識別情報保持体の前記固相担体の前記情報保持領域が形成される面とは反対側の面に備える、請求項26又は27に記載の構造体。
  29. 請求項1〜17のいずれかに記載の識別情報保持体の製造方法であって、
    前記固相担体上に、前記1又は2以上のDNAを固定して1又は2以上の前記情報保持領域を形成する工程と、
    1又は2以上の前記情報保持領域を包囲する障壁となる障壁部材を前記固相担体上に固定する工程と、
    を備える、製造方法。
  30. 前記障壁部材は、1又は2以上の前記情報保持領域に対応する開口パターンを有する、請求項29に記載の製造方法。
  31. 前記障壁部材は、接着剤又は粘着剤を備えて前記固相担体に固定化するための第1の固定化層と、前記固定化層に積層される障壁層とを備える、請求項29又は30に記載の製造方法。
  32. 前記障壁部材は、前記障壁層に積層される、粘着剤又は接着剤を含有する第2の固定化層を備える、請求項29〜31のいずれかに記載の製造方法。
  33. さらに、前記障壁部材を介して、1又は2以上の前記情報保持領域の上方を覆うカバーを付与する工程と、備える、請求項29〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記固相担体は、前記固相担体の前記情報保持領域を形成する面と反対側の面には、粘着剤又は接着剤を含有する固定化層を備える、請求項29〜33のいずれかに記載の方法。
  35. 請求項1〜17のいずれかに記載の識別情報保持体を準備する工程と、
    前記識別情報保持体を識別対象とする物品に固定化する工程と、
    を備える、識別可能な物品の製造方法。
  36. 前記固定化工程は、前記情報保持領域が前記物品側に指向する又は前記識別情報が前記物品の外方を指向するように、前記識別情報保持体が前記物品に固定化する工程である、請求項35に記載の方法。
  37. 識別対象の識別方法であって、
    前記識別対象に付与された請求項1〜17のいずれかに記載の識別情報保持体の前記情報保持領域に対して、前記識別用塩基配列と相補的な塩基配列を有する1又は2以上のプローブを接触させる工程と、
    前記識別用塩基配列と前記プローブとのハイブリダイゼーション産物を検出する工程と、
    を備える、方法。
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