JPWO2012046409A1 - Pmモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置 - Google Patents

Pmモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置 Download PDF

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Abstract

本発明のPMモータのモータ定数算出方法は、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する電圧印加ステップと、電圧印加ステップで印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出するモータ電流検出ステップと、印加電圧とモータ電流に基づいてPMモータのモータ定数を算出するモータ定数算出ステップと、を有する。

Description

本発明は、PMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置に関する。
近年、PMモータを高精度に制御するために、モータの電機子抵抗やインダクタンスなどのモータ定数を正確に把握することが求められている。例えば、PMモータの磁極位置をセンサなしで制御する位置センサレス制御では、モータ定数を用いて磁極位置を推定する手法が多く採用されている。また、PMモータのベクトル制御では、電流制御が多く適用され、電流制御部のゲインを適切に設定するためにモータ定数を用いている。
そこで、モータを回転させずに、PMモータのモータ定数を容易に求める技術がいくつか知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術は、まず、PMモータに直流電流を流した時の入力電圧と入力電流から巻線抵抗の値を求める。つぎに、PMモータに交流電流を流したときの入力電圧と入力電流の基本波成分を抽出し、入力電圧と入力電流のそれぞれの大きさ、および入力電圧と入力電流の位相差からインダクタンスの値を求める。これにより、PMモータのモータ定数を求めている。
また、PMモータのモータ定数を求める別の技術は、例えば特許文献2に開示されている。特許文献2によれば、まず、大小の異なる2つのレベルの直流電流を流したときのそれぞれの電圧を記憶する。つぎに、記憶した2つのレベルの電圧の差分を、2つのレベルの電流の差分で除して巻線抵抗の値を算出する。同時に、大きいレベルの直流電流に基づく電圧値から小さいレベルの直流電流に基づく電圧値へ急変させたときの電流が、所定値に変化するまでの時間を計測する。そして、計測した時間と、算出した巻線抵抗の値からインダクタンスの値を算出する。
しかし、特許文献1では、巻線抵抗の値を求めるためにPMモータに流す直流電流が定常状態となるまでに時間が必要になる。また、巻線抵抗の値とインダクタンスの値を別々の試験信号を用いて計測するため、計測に時間を要するなどの課題があった。さらに、インダクタンスの値を求めるために流す交流電流の周波数を適切に設定しないと位相差の検出精度が低下する。そのため、計測した位相差の誤差が大きくなってしまう。
一方、特許文献2でも、特許文献1と同様に、巻線抵抗を求めるためにPMモータに流す直流電流が定常状態となるまでに時間が必要になる。また、巻線抵抗の値とインダクタンスの値を別々の試験信号を用いて計測するため、計測に時間を要するなどの課題があった。さらに、大きいレベルから小さいレベルの電圧値に急変させたときに流れる電流が所定値に変化するまでの時間を計測する場合、レベルの判断や、計測する時間に誤差を含みやすい。また、電流の大きさによってインダクタンスの値が変化するモータの場合、時定数一定の応答にならないため、正しいインダクタンスの値を算出できないという課題があった。
特開2000−312498号公報 特開2009−232573号公報
本発明のモータ定数算出方法は、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する電圧印加ステップと、電圧印加ステップで印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出するモータ電流検出ステップと、印加電圧とモータ電流に基づいてPMモータのモータ定数を算出するモータ定数算出ステップと、を有する。
これにより、PMモータのモータ定数を短時間で精度良く算出できる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるPMモータのモータ定数算出装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、PMモータの単相通電状態を説明する等価回路図である。 図4Aは、PMモータの伝達関数(ゲイン)の周波数特性を示す図である。 図4Bは、PMモータの伝達関数(位相)の周波数特性を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態2におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、同実施の形態におけるモータ電流とインダクタンスとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施に形態1おけるPMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるPMモータのモータ定数算出装置の構成を示すブロック図である。なお、図1のブロック図は、PMモータのモータ定数算出装置に必要となる機能部分のみを示している。そこで、図1を用いて各機能ブロックの機能と機能ブロック間の関係を説明する。
図1に示すように、本実施の形態のPMモータのモータ定数算出装置は、少なくとも電圧指令生成部1と、PMモータ2と、インバータ3と、電流検出器4a、4bと、電流検出部5と、モータ定数算出部6と、から構成される。
すなわち、図1に示すPMモータのモータ定数算出装置は、以下に示すような機能ブロックの動作により、PMモータ2を駆動する。
つまり、電圧指令生成部1は、モータ定数を算出するためにPMモータ2に印加する印加電圧の電圧指令を生成する。インバータ3は、電圧指令生成部1から出力される電圧指令を受けてPMモータ2に印加電圧を印加する。電流検出器4aおよび電流検出器4bは、少なくともインバータ3からPMモータ2に流れるモータ電流Iu、Iwを検出する。電流検出部5は、電流検出器4a、4bで検出されたモータ電流をモータ電流検出値に変換する。モータ定数算出部6は、電圧指令生成部1の出力である電圧指令と、電流検出部5の出力であるモータ電流検出値の入力に基づいて、PMモータ2のモータ定数を算出する。
以下に、各機能ブロックの動作および作用について、図2から図4Bを用いて、図1を参照しながら説明する。
図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。図3は、PMモータの単相通電状態を説明する等価回路図である。図4Aは、PMモータの伝達関数(ゲイン)の周波数特性を示す図である。図4Bは、PMモータの伝達関数(位相)の周波数特性を示す図である。
図2に示すように、まず、モータ定数算出の処理が開始されると、インバータ3はPMモータ2に直流電圧を印加して、PMモータ2の回転子を所定の位置に引き込む。これは、PMモータ2は、回転子に磁石が存在するため電圧印加によって回転子が回転する場合があるので、予めPMモータ2の回転子を所定の位置に固定するためである。そのため、モータ定数の算出には、PMモータ2の回転子が静止した状態で行うことが好ましい。そこで、例えばU相にVa、V相およびW相に−Va/2の直流電圧を印加して、PMモータ2の回転子を所定の位置に引き込む(ステップS101)。なお、直流電圧Vaは、PMモータ2の回転子が所定の位置に十分引き込まれるように、例えば電圧印加時にPMモータ2の定格電流程度の電流が流れる時の電圧として設定される。
このとき、PMモータ2の回転子を所定の位置に引き込んだ後のPMモータ2の等価回路は、図3に示すようになる。つまり、図3に示すように、PMモータ2の回転子は回転していないので、PMモータ2の等価回路は相抵抗Rと相インダクタンスLからなり、U−VW間に単相の印加電圧が印加されることになる。これにより、電流軸(d軸)と磁極軸が一致した状態となる。
つぎに、モータ定数を算出するために、電圧指令生成部1は、PMモータ2に印加する印加電圧である電圧指令Vs(t)を生成する(ステップS102)。具体的には、(数1)に示すような、直流成分V0に複数の周波数成分を持つVn(t)を加算した電圧指令Vs(t)を生成する。このとき、電圧指令Vn(t)として、例えばM系列信号(Maximum Length Sequence Signal)を用いる。
なお、V0とVnを加算した電圧指令Vs(t)を生成する理由については、後述する。
Figure 2012046409
そして、電圧指令生成部1で生成された電圧指令Vs(t)に基づいて、引き込み時と同様にU−VW間に単相の印加電圧が印加されるように、例えばU相にVs(t)、V相とW相に−Vs(t)/2を印加する(ステップS103)。このとき、電圧指令Vs(t)によってPMモータ2に流れるモータ電流は、磁極軸と同じd軸に流れるので、PMモータ2の回転子を回転させるトルクは発生しない。これにより、PMモータ2の回転子を静止させた状態で、モータ定数を算出するためのデータ測定が可能となる。
つぎに、電流検出器4a、4bおよび電流検出部5は、ステップS103の印加電圧を印加した時に流れるモータ電流Is(t)を検出する。
そして、ステップS103で印加された電圧指令Vs(t)と、電圧指令Vs(t)の応答となるモータ電流Is(t)とをサンプリングし、時系列データとして取り込む(ステップS104)。この場合、モータ電流Is(t)は、U−VW間に印加された単相の印加電圧に対するモータ電流となるため、U相のモータ電流がサンプリングされることになる。
つぎに、印加電圧時系列データの入力である電圧指令Vs(t)と、検出電流時系列データの出力であるモータ電流Is(t)との関係を用いて、電圧指令Vs(t)からモータ電流Is(t)への伝達関数H(s)の周波数特性を求める(ステップS105)。なお、伝達関数H(s)の周波数特性は、電圧指令Vs(t)およびモータ電流Is(t)を、FFT(Fast Fourier Transform)処理などにより得ることができる。
このとき、電圧指令Vs(t)が印加されているときのPMモータの等価回路は図3に示した通りで伝達関数は(数2)式で表される。
Figure 2012046409
なお、伝達関数は、カットオフ周波数がR/L、DC(Direct Current)ゲインが1/Rとなる一次遅れ特性となる。
ここで、(数2)式で示される伝達関数の周波数特性について、図4Aと図4Bを用いて説明する。
図4Aは、PMモータの伝達関数(ゲイン)の周波数特性を示す図である。図4Bは、PMモータの伝達関数(位相)の周波数特性を示す図である。
図4Aと図4Bに示すように、PMモータの伝達関数の周波数特性である、ゲインおよび位相と周波数との関係を調べることにより、カットオフ周波数R/LおよびDCゲイン1/Rを求めることができる。このとき、例えばカットオフ周波数はゲイン特性のDCゲインから約3dB下がる周波数として求めてもよいし、位相が−45°となる周波数としても求めてもよい。また、DCゲインは低周波数域のゲイン特性から求めてもよいし、カットオフ周波数でのDCゲインに約3dB加算した値から求めてもよい。
そして、モータ定数である、電気的時定数L/Rはカットオフ周波数の逆数より、相抵抗RはDCゲインの逆数より、インダクタンスLは得られたカットオフ周波数と、ゲイン特性のDCゲインとから計算できる(ステップS106)。なお、上記により得られるインダクタンスLの値はd軸のインダクタンスの値である。
以上で説明したように、本実施の形態によれば、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加し、印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出することにより、印加した印加電圧と検出されたモータ電流との関係を用いてPMモータのモータ定数を算出する。つまり、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧を印加して、モータ電流を検出するだけでモータ定数を算出できる。
これにより、モータ電流が定常状態になるまで待つ時間を不要とするとともに、複数の試験信号を印加してモータ定数を算出する必要がないので、大幅な時間短縮が可能となる。
また、本実施の形態によれば、電圧指令とモータ電流の関係である周波数特性を用いて、モータ定数を算出する。その結果、ノイズなどの影響を分離して、高い精度でモータ定数を算出できる。さらに、カットオフ周波数を位相が−45°となる周波数として求める場合、最も位相変化が大きな点で求めることができる。そのため、モータ定数であるカットオフ周波数を高精度で求めることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるPMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置について、図を用いて説明する。
本実施の形態では、PMモータに、異なる複数の直流成分を含む印加電圧を印加してモータ定数であるインダクタンスの値を算出する点で、実施の形態1とは異なる。他の構成や動作は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
以下に、異なる複数の直流成分を含む印加電圧を印加してモータ定数であるインダクタンスの値を算出する理由について説明する。
一般に、モータの種類により、磁気飽和などの影響や、モータ電流の大きさによってモータのモータ定数であるインダクタンスの値は変化する。しかし、実施の形態1のモータ定数であるインダクタンスの値の算出方法では、1つのインダクタンスの値しか算出されない。そのため、上記で示す理由により、モータ定数が変化した場合には、正確なインダクタンスの値でモータを制御できない場合があるためである。
以下に、本実施の形態の各機能ブロックの動作および作用について、図5と図6を用いて、図1を参照しながら具体的に説明する。
図5は、本発明の実施の形態2におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。図6は、同実施の形態におけるモータ電流とインダクタンスとの関係を示す図である。なお、図5において、ステップS101からステップS106は、図2を用いて説明した実施の形態1と同様の処理を行うので、説明を省略する。
つまり、図5では、図2の各ステップに、さらにステップS207の処理が追加されているので、追加されたステップについて詳細に説明する。
図5に示すように、ステップS101からステップS106の処理を実行した後、ステップS102での電圧指令の生成において複数ある直流成分V0の印加電圧の全てが設定されたか否かを判断する(ステップS207)。ここで、複数の直流成分V0の印加電圧は、ゼロからPMモータ2の仕様である最大電流が流れるときの電圧値までの間で、予め設定される。
このとき、複数ある直流成分V0の印加電圧のうち、設定していない値(印加電圧)がある場合(ステップS207のYes)、複数ある直流成分V0の印加電圧のうち、設定していない値(印加電圧)を1つ選択し、ステップS102に戻る。そして、ステップS102からステップS106の処理を順次繰り返して実行し、複数ある直流成分の各印加電圧に対するPMモータのモータ定数を算出する。
一方、複数ある直流成分V0の印加電圧の全ての値が実行された場合(ステップS207のNo)、モータ定数の算出処理を終了する。
つまり、ステップS102からステップS106までの処理を繰り返して、直流成分V0の印加電圧を複数設定することにより、図6に示すような各直流成分V0の印加電圧に対応するモータ電流の平均値と算出されたモータ定数であるインダクタンスとの関係が複数得られる。
そして、図6に示す関係から、PMモータのモータ電流に応じた複数のモータ定数である、例えばインダクタンスの値を算出できる。
これにより、モータ電流の変化まで考慮して、安定でかつ高い精度で複数のモータ定数であるインダクタンスの値を算出できる。
以上のように、本実施の形態によれば、複数の直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加し、印加した複数の印加電圧に応じて流れる複数のモータ電流を検出することにより、複数の印加した印加電圧と検出されたモータ電流の関係を用いてPMモータのモータ定数を算出する。
これにより、変化するモータ電流に応じたモータ定数の算出が可能となる。
なお、上記各実施の形態では、PMモータのモータ定数の算出方法について説明したが、これに限られず、同様の機能を有すれば、どのような構成や具現化方法を用いてもよいことは言うまでもない。例えば、図1のブロック図におけるPMモータ2以外の機能ブロックをPMモータのモータ定数算出装置の1つの機能として組み込み、設定により機能させる構成としてもよい。また、電圧指令生成部1とモータ定数算出部6をPMモータのモータ定数算出装置と連動するPC(Personal Comuputor)のアプリケーションソフトとして構成してもよい。これにより、モータ定数算出装置の構成を簡略化できる。
また、引き込み処理(ステップS101)での印加電圧をVaとしたが、PMモータの回転子が引き込まれるのであれば任意の異なる値でもよい。
また、上記各実施の形態では、電圧指令Vs(t)に加算される複数の周波数成分を含む信号としてM系列信号を用いる例で説明したが、これに限られない。例えば、周波数特性を求めることができれば、ホワイトノイズ信号や、正弦波掃引信号など時間的に周波数の変化する正弦波信号など、他の信号を用いてもよい。これにより、必要に応じて、任意の信号で周波数特性を求めることができる。
また、上記各実施の形態では、印加する電圧指令Vs(t)からモータ電流Is(t)の周波数特性を求める例で説明したが、これに限られない。PMモータ以外の要素、例えばフィルタ処理や遅れ要素などがある場合は、その影響を補償した時系列データを電圧指令Vs(t)に加算して周波数特性を求めてもよい。これにより、さらに、高い精度でPMモータのモータ定数を算出することができる。
また、上記各実施の形態では、引き込み処理の後にモータを所定の位置に固定して、モータ電流を検出する例で説明したが、これに限られない。例えば、引き込み処理後の磁極軸の位置に対して、電気位相が異なる方向に電圧指令Vs(t)を印加し、同方向に流れるモータ電流を検出してもよい。具体的には、引き込み処理後の磁極軸の位置に対して、電気位相が90°異なる電気軸(q軸)、すなわちV−W間に単相の印加電圧が印加されるように、U相に0、V相にVs(t)、W相に−Vsを印加し、同方向であるV相のモータ電流を検出してもよい。これにより、磁極軸の位置によってモータ定数が変化するPMモータ、例えば埋め込み磁石型のPMモータなどにおいて、電圧指令Vs(t)を印加する電気位相を任意に設定できるので、磁極軸の位置に応じたモータ定数を精度よく算出できる。特に、q軸に電圧指令Vs(t)を印加してモータ定数を算出することにより、q軸のインダクタンスの値を算出できる。
また、上記各実施の形態では、d軸のインダクタンスの値を算出する例で説明したが、これに限られない。例えば、磁極軸の位置によって、インダクタンスの値が変化しないPMモータの場合、算出されたd軸のインダクタンスの値をq軸のインダクタンスの値としてもよい。これにより、PMモータの回転子を、所定の位置に固定することなくq軸のインダクタンスを算出できる。
本発明は、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する電圧印加ステップと、印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出するモータ電流検出ステップと、印加電圧とモータ電流との周波数特性に基づいてPMモータのモータ定数を算出するモータ定数算出ステップと、を有する。これにより、短時間で、高い精度でモータ定数を算出できる。
また、本発明は、電圧を印加するステップで異なる複数の直流成分の印加電圧を用いる。これにより、モータ電流の大きさの変化に応じて、モータ定数であるインダクタンスの値を、短時間で、高い精度で算出できる。
本発明のPMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置は、PMモータのモータ定数を短時間で精度良く算出することができるため、モータ定数を必要とするPMモータの制御装置など全般に有用である。
1 電圧指令生成部
2 PMモータ
3 インバータ
4a,4b 電流検出器
5 電流検出部
6 モータ定数算出部
本発明は、PMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置に関する。
近年、PMモータを高精度に制御するために、モータの電機子抵抗やインダクタンスなどのモータ定数を正確に把握することが求められている。例えば、PMモータの磁極位置をセンサなしで制御する位置センサレス制御では、モータ定数を用いて磁極位置を推定する手法が多く採用されている。また、PMモータのベクトル制御では、電流制御が多く適用され、電流制御部のゲインを適切に設定するためにモータ定数を用いている。
そこで、モータを回転させずに、PMモータのモータ定数を容易に求める技術がいくつか知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された技術は、まず、PMモータに直流電流を流した時の入力電圧と入力電流から巻線抵抗の値を求める。つぎに、PMモータに交流電流を流したときの入力電圧と入力電流の基本波成分を抽出し、入力電圧と入力電流のそれぞれの大きさ、および入力電圧と入力電流の位相差からインダクタンスの値を求める。これにより、PMモータのモータ定数を求めている。
また、PMモータのモータ定数を求める別の技術は、例えば特許文献2に開示されている。特許文献2によれば、まず、大小の異なる2つのレベルの直流電流を流したときのそれぞれの電圧を記憶する。つぎに、記憶した2つのレベルの電圧の差分を、2つのレベルの電流の差分で除して巻線抵抗の値を算出する。同時に、大きいレベルの直流電流に基づく電圧値から小さいレベルの直流電流に基づく電圧値へ急変させたときの電流が、所定値に変化するまでの時間を計測する。そして、計測した時間と、算出した巻線抵抗の値からインダクタンスの値を算出する。
しかし、特許文献1では、巻線抵抗の値を求めるためにPMモータに流す直流電流が定常状態となるまでに時間が必要になる。また、巻線抵抗の値とインダクタンスの値を別々の試験信号を用いて計測するため、計測に時間を要するなどの課題があった。さらに、インダクタンスの値を求めるために流す交流電流の周波数を適切に設定しないと位相差の検出精度が低下する。そのため、計測した位相差の誤差が大きくなってしまう。
一方、特許文献2でも、特許文献1と同様に、巻線抵抗を求めるためにPMモータに流す直流電流が定常状態となるまでに時間が必要になる。また、巻線抵抗の値とインダクタンスの値を別々の試験信号を用いて計測するため、計測に時間を要するなどの課題があった。さらに、大きいレベルから小さいレベルの電圧値に急変させたときに流れる電流が所定値に変化するまでの時間を計測する場合、レベルの判断や、計測する時間に誤差を含みやすい。また、電流の大きさによってインダクタンスの値が変化するモータの場合、時定数一定の応答にならないため、正しいインダクタンスの値を算出できないという課題があった。
特開2000−312498号公報 特開2009−232573号公報
本発明のモータ定数算出方法は、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する電圧印加ステップと、電圧印加ステップで印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出するモータ電流検出ステップと、印加電圧とモータ電流に基づいてPMモータのモータ定数を算出するモータ定数算出ステップと、を有する。
これにより、PMモータのモータ定数を短時間で精度良く算出できる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるPMモータのモータ定数算出装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、PMモータの単相通電状態を説明する等価回路図である。 図4Aは、PMモータの伝達関数(ゲイン)の周波数特性を示す図である。 図4Bは、PMモータの伝達関数(位相)の周波数特性を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態2におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。 図6は、同実施の形態におけるモータ電流とインダクタンスとの関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施に形態1おけるPMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1におけるPMモータのモータ定数算出装置の構成を示すブロック図である。なお、図1のブロック図は、PMモータのモータ定数算出装置に必要となる機能部分のみを示している。そこで、図1を用いて各機能ブロックの機能と機能ブロック間の関係を説明する。
図1に示すように、本実施の形態のPMモータのモータ定数算出装置は、少なくとも電圧指令生成部1と、PMモータ2と、インバータ3と、電流検出器4a、4bと、電流検出部5と、モータ定数算出部6と、から構成される。
すなわち、図1に示すPMモータのモータ定数算出装置は、以下に示すような機能ブロックの動作により、PMモータ2を駆動する。
つまり、電圧指令生成部1は、モータ定数を算出するためにPMモータ2に印加する印加電圧の電圧指令を生成する。インバータ3は、電圧指令生成部1から出力される電圧指令を受けてPMモータ2に印加電圧を印加する。電流検出器4aおよび電流検出器4bは、少なくともインバータ3からPMモータ2に流れるモータ電流Iu、Iwを検出する。電流検出部5は、電流検出器4a、4bで検出されたモータ電流をモータ電流検出値に変換する。モータ定数算出部6は、電圧指令生成部1の出力である電圧指令と、電流検出部5の出力であるモータ電流検出値の入力に基づいて、PMモータ2のモータ定数を算出する。
以下に、各機能ブロックの動作および作用について、図2から図4Bを用いて、図1を参照しながら説明する。
図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。図3は、PMモータの単相通電状態を説明する等価回路図である。図4Aは、PMモータの伝達関数(ゲイン)の周波数特性を示す図である。図4Bは、PMモータの伝達関数(位相)の周波数特性を示す図である。
図2に示すように、まず、モータ定数算出の処理が開始されると、インバータ3はPMモータ2に直流電圧を印加して、PMモータ2の回転子を所定の位置に引き込む。これは、PMモータ2は、回転子に磁石が存在するため電圧印加によって回転子が回転する場合があるので、予めPMモータ2の回転子を所定の位置に固定するためである。そのため、モータ定数の算出には、PMモータ2の回転子が静止した状態で行うことが好ましい。そこで、例えばU相にVa、V相およびW相に−Va/2の直流電圧を印加して、PMモータ2の回転子を所定の位置に引き込む(ステップS101)。なお、直流電圧Vaは、PMモータ2の回転子が所定の位置に十分引き込まれるように、例えば電圧印加時にPMモータ2の定格電流程度の電流が流れる時の電圧として設定される。
このとき、PMモータ2の回転子を所定の位置に引き込んだ後のPMモータ2の等価回路は、図3に示すようになる。つまり、図3に示すように、PMモータ2の回転子は回転していないので、PMモータ2の等価回路は相抵抗Rと相インダクタンスLからなり、U−VW間に単相の印加電圧が印加されることになる。これにより、電流軸(d軸)と磁極軸が一致した状態となる。
つぎに、モータ定数を算出するために、電圧指令生成部1は、PMモータ2に印加する印加電圧である電圧指令Vs(t)を生成する(ステップS102)。具体的には、(数1)に示すような、直流成分V0に複数の周波数成分を持つVn(t)を加算した電圧指令Vs(t)を生成する。このとき、電圧指令Vn(t)として、例えばM系列信号(Maximum Length Sequence Signal)を用いる。
なお、V0とVnを加算した電圧指令Vs(t)を生成する理由については、後述する。
Figure 2012046409
そして、電圧指令生成部1で生成された電圧指令Vs(t)に基づいて、引き込み時と同様にU−VW間に単相の印加電圧が印加されるように、例えばU相にVs(t)、V相とW相に−Vs(t)/2を印加する(ステップS103)。このとき、電圧指令Vs(t)によってPMモータ2に流れるモータ電流は、磁極軸と同じd軸に流れるので、PMモータ2の回転子を回転させるトルクは発生しない。これにより、PMモータ2の回転子を静止させた状態で、モータ定数を算出するためのデータ測定が可能となる。
つぎに、電流検出器4a、4bおよび電流検出部5は、ステップS103の印加電圧を印加した時に流れるモータ電流Is(t)を検出する。
そして、ステップS103で印加された電圧指令Vs(t)と、電圧指令Vs(t)の応答となるモータ電流Is(t)とをサンプリングし、時系列データとして取り込む(ステップS104)。この場合、モータ電流Is(t)は、U−VW間に印加された単相の印加電圧に対するモータ電流となるため、U相のモータ電流がサンプリングされることになる。
つぎに、印加電圧時系列データの入力である電圧指令Vs(t)と、検出電流時系列データの出力であるモータ電流Is(t)との関係を用いて、電圧指令Vs(t)からモータ電流Is(t)への伝達関数H(s)の周波数特性を求める(ステップS105)。なお、伝達関数H(s)の周波数特性は、電圧指令Vs(t)およびモータ電流Is(t)を、FFT(Fast Fourier Transform)処理などにより得ることができる。
このとき、電圧指令Vs(t)が印加されているときのPMモータの等価回路は図3に示した通りで伝達関数は(数2)式で表される。
Figure 2012046409
なお、伝達関数は、カットオフ周波数がR/L、DC(Direct Current)ゲインが1/Rとなる一次遅れ特性となる。
ここで、(数2)式で示される伝達関数の周波数特性について、図4Aと図4Bを用いて説明する。
図4Aは、PMモータの伝達関数(ゲイン)の周波数特性を示す図である。図4Bは、PMモータの伝達関数(位相)の周波数特性を示す図である。
図4Aと図4Bに示すように、PMモータの伝達関数の周波数特性である、ゲインおよび位相と周波数との関係を調べることにより、カットオフ周波数R/LおよびDCゲイン1/Rを求めることができる。このとき、例えばカットオフ周波数はゲイン特性のDCゲインから約3dB下がる周波数として求めてもよいし、位相が−45°となる周波数としても求めてもよい。また、DCゲインは低周波数域のゲイン特性から求めてもよいし、カットオフ周波数でのDCゲインに約3dB加算した値から求めてもよい。
そして、モータ定数である、電気的時定数L/Rはカットオフ周波数の逆数より、相抵抗RはDCゲインの逆数より、インダクタンスLは得られたカットオフ周波数と、ゲイン特性のDCゲインとから計算できる(ステップS106)。なお、上記により得られるインダクタンスLの値はd軸のインダクタンスの値である。
以上で説明したように、本実施の形態によれば、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加し、印加した印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出することにより、印加した印加電圧と検出されたモータ電流との関係を用いてPMモータのモータ定数を算出する。つまり、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧を印加して、モータ電流を検出するだけでモータ定数を算出できる。
これにより、モータ電流が定常状態になるまで待つ時間を不要とするとともに、複数の試験信号を印加してモータ定数を算出する必要がないので、大幅な時間短縮が可能となる。
また、本実施の形態によれば、電圧指令とモータ電流の関係である周波数特性を用いて、モータ定数を算出する。その結果、ノイズなどの影響を分離して、高い精度でモータ定数を算出できる。さらに、カットオフ周波数を位相が−45°となる周波数として求める場合、最も位相変化が大きな点で求めることができる。そのため、モータ定数であるカットオフ周波数を高精度で求めることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2におけるPMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置について、図を用いて説明する。
本実施の形態では、PMモータに、異なる複数の直流成分を含む印加電圧を印加してモータ定数であるインダクタンスの値を算出する点で、実施の形態1とは異なる。他の構成や動作は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
以下に、異なる複数の直流成分を含む印加電圧を印加してモータ定数であるインダクタンスの値を算出する理由について説明する。
一般に、モータの種類により、磁気飽和などの影響や、モータ電流の大きさによってモータのモータ定数であるインダクタンスの値は変化する。しかし、実施の形態1のモータ定数であるインダクタンスの値の算出方法では、1つのインダクタンスの値しか算出されない。そのため、上記で示す理由により、モータ定数が変化した場合には、正確なインダクタンスの値でモータを制御できない場合があるためである。
以下に、本実施の形態の各機能ブロックの動作および作用について、図5と図6を用いて、図1を参照しながら具体的に説明する。
図5は、本発明の実施の形態2におけるモータ定数を算出する処理の流れを示すフローチャートである。図6は、同実施の形態におけるモータ電流とインダクタンスとの関係を示す図である。なお、図5において、ステップS101からステップS106は、図2を用いて説明した実施の形態1と同様の処理を行うので、説明を省略する。
つまり、図5では、図2の各ステップに、さらにステップS207の処理が追加されているので、追加されたステップについて詳細に説明する。
図5に示すように、ステップS101からステップS106の処理を実行した後、ステップS102での電圧指令の生成において複数ある直流成分V0の印加電圧の全てが設定されたか否かを判断する(ステップS207)。ここで、複数の直流成分V0の印加電圧は、ゼロからPMモータ2の仕様である最大電流が流れるときの電圧値までの間で、予め設定される。
このとき、複数ある直流成分V0の印加電圧のうち、設定していない値(印加電圧)がある場合(ステップS207のYes)、複数ある直流成分V0の印加電圧のうち、設定していない値(印加電圧)を1つ選択し、ステップS102に戻る。そして、ステップS102からステップS106の処理を順次繰り返して実行し、複数ある直流成分の各印加電圧に対するPMモータのモータ定数を算出する。
一方、複数ある直流成分V0の印加電圧の全ての値が実行された場合(ステップS207のNo)、モータ定数の算出処理を終了する。
つまり、ステップS102からステップS106までの処理を繰り返して、直流成分V0の印加電圧を複数設定することにより、図6に示すような各直流成分V0の印加電圧に対応するモータ電流の平均値と算出されたモータ定数であるインダクタンスとの関係が複数得られる。
そして、図6に示す関係から、PMモータのモータ電流に応じた複数のモータ定数である、例えばインダクタンスの値を算出できる。
これにより、モータ電流の変化まで考慮して、安定でかつ高い精度で複数のモータ定数であるインダクタンスの値を算出できる。
以上のように、本実施の形態によれば、複数の直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加し、印加した複数の印加電圧に応じて流れる複数のモータ電流を検出することにより、複数の印加した印加電圧と検出されたモータ電流の関係を用いてPMモータのモータ定数を算出する。
これにより、変化するモータ電流に応じたモータ定数の算出が可能となる。
なお、上記各実施の形態では、PMモータのモータ定数の算出方法について説明したが、これに限られず、同様の機能を有すれば、どのような構成や具現化方法を用いてもよいことは言うまでもない。例えば、図1のブロック図におけるPMモータ2以外の機能ブロックをPMモータのモータ定数算出装置の1つの機能として組み込み、設定により機能させる構成としてもよい。また、電圧指令生成部1とモータ定数算出部6をPMモータのモータ定数算出装置と連動するPC(Personal Comuputor)のアプリケーションソフトとして構成してもよい。これにより、モータ定数算出装置の構成を簡略化できる。
また、引き込み処理(ステップS101)での印加電圧をVaとしたが、PMモータの回転子が引き込まれるのであれば任意の異なる値でもよい。
また、上記各実施の形態では、電圧指令Vs(t)に加算される複数の周波数成分を含む信号としてM系列信号を用いる例で説明したが、これに限られない。例えば、周波数特性を求めることができれば、ホワイトノイズ信号や、正弦波掃引信号など時間的に周波数の変化する正弦波信号など、他の信号を用いてもよい。これにより、必要に応じて、任意の信号で周波数特性を求めることができる。
また、上記各実施の形態では、印加する電圧指令Vs(t)からモータ電流Is(t)の周波数特性を求める例で説明したが、これに限られない。PMモータ以外の要素、例えばフィルタ処理や遅れ要素などがある場合は、その影響を補償した時系列データを電圧指令Vs(t)に加算して周波数特性を求めてもよい。これにより、さらに、高い精度でPMモータのモータ定数を算出することができる。
また、上記各実施の形態では、引き込み処理の後にモータを所定の位置に固定して、モータ電流を検出する例で説明したが、これに限られない。例えば、引き込み処理後の磁極軸の位置に対して、電気位相が異なる方向に電圧指令Vs(t)を印加し、同方向に流れるモータ電流を検出してもよい。具体的には、引き込み処理後の磁極軸の位置に対して、電気位相が90°異なる電気軸(q軸)、すなわちV−W間に単相の印加電圧が印加されるように、U相に0、V相にVs(t)、W相に−Vsを印加し、同方向であるV相のモータ電流を検出してもよい。これにより、磁極軸の位置によってモータ定数が変化するPMモータ、例えば埋め込み磁石型のPMモータなどにおいて、電圧指令Vs(t)を印加する電気位相を任意に設定できるので、磁極軸の位置に応じたモータ定数を精度よく算出できる。特に、q軸に電圧指令Vs(t)を印加してモータ定数を算出することにより、q軸のインダクタンスの値を算出できる。
また、上記各実施の形態では、d軸のインダクタンスの値を算出する例で説明したが、これに限られない。例えば、磁極軸の位置によって、インダクタンスの値が変化しないPMモータの場合、算出されたd軸のインダクタンスの値をq軸のインダクタンスの値としてもよい。これにより、PMモータの回転子を、所定の位置に固定することなくq軸のインダクタンスを算出できる。
本発明は、直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する電圧印加ステップと、印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出するモータ電流検出ステップと、印加電圧とモータ電流との周波数特性に基づいてPMモータのモータ定数を算出するモータ定数算出ステップと、を有する。これにより、短時間で、高い精度でモータ定数を算出できる。
また、本発明は、電圧を印加するステップで異なる複数の直流成分の印加電圧を用いる。これにより、モータ電流の大きさの変化に応じて、モータ定数であるインダクタンスの値を、短時間で、高い精度で算出できる。
本発明のPMモータのモータ定数算出方法およびモータ定数算出装置は、PMモータのモータ定数を短時間で精度良く算出することができるため、モータ定数を必要とするPMモータの制御装置など全般に有用である。
1 電圧指令生成部
2 PMモータ
3 インバータ
4a,4b 電流検出器
5 電流検出部
6 モータ定数算出部

Claims (12)

  1. 直流成分と複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する電圧印加ステップと、
    前記電圧印加ステップで印加した前記印加電圧に応じて流れるモータ電流を検出するモータ電流検出ステップと、
    前記印加電圧と前記モータ電流に基づいて前記PMモータのモータ定数を算出するモータ定数算出ステップと、
    を有するPMモータのモータ定数算出方法。
  2. 前記電圧印加ステップにおいて、異なる複数の直流成分と前記複数の周波数成分を含む印加電圧をPMモータに印加する請求項1記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  3. 前記複数の周波数成分を含む前記印加電圧が、ホワイトノイズを加算した前記印加電圧である請求項1または請求項2のいずれか1項に記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  4. 前記ホワイトノイズは、M系列信号である請求項3記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  5. 前記複数の周波数成分を含む前記印加電圧は、時間的に周波数の変化する正弦波を加算した前記印加電圧である請求項1記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  6. 前記モータ定数算出ステップは、
    印加電圧時系列データを入力とし、検出電流時系列データを出力とした周波数特性を演算し、前記周波数特性から前記PMモータの前記モータ定数を算出する請求項1記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  7. 前記モータ定数算出ステップにおいて、
    算出される前記PMモータの前記モータ定数は、電気的時定数、抵抗値、インダクタンス値のうち少なくとも1つである請求項1記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  8. 前記モータ定数算出ステップは、
    前記周波数特性からカットオフ周波数を求め、前記カットオフ周波数から前記PMモータの前記電気的時定数を算出する請求項7記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  9. 前記モータ定数算出ステップは、
    前記周波数特性からカットオフ周波数を求め、前記カットオフ周波数より低周波領域のゲイン特性から前記PMモータの前記抵抗値を算出する請求項7記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  10. 前記モータ定数算出ステップは、
    前記周波数特性からカットオフ周波数を求め、前記カットオフ周波数でのゲイン特性から前記PMモータの前記抵抗値を算出する請求項7記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  11. 前記モータ定数算出ステップは、
    前記周波数特性からカットオフ周波数を求め、前記カットオフ周波数から前記PMモータの前記電気的時定数を算出し、前記カットオフ周波数より低周波領域のゲイン特性もしくは前記カットオフ周波数でのゲイン特性から前記PMモータの前記抵抗値を算出し、算出された前記電気的時定数および前記抵抗値から前記PMモータの前記インダクタンス値を算出する請求項7記載のPMモータのモータ定数算出方法。
  12. 請求項1から11記載のいずれか1項に記載のPMモータのモータ定数算出方法を有するPMモータのモータ定数算出装置。
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