JPWO2012032689A1 - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

蛍光の残光の影響を受けずにγ線の入射位置を正確に特定するように補正することができる放射線検出器を提供する。本発明によれば、経時的に一定なサンプリング間隔Saごとに光検出器3が出力する蛍光の強度を示す強度データSを取得する強度データ取得部11と、蛍光の残光に起因する強度データSの変動の補正に用いる補正値Aを取得する補正値取得部14とを備え、積算部15は、補正値Aを用いて強度データSの補正を行うようにしている。この様にすれば、蛍光の残光成分に影響されずに蛍光の位置を正確に特定することができる。

Description

本発明は、消滅放射線対の検出信号を補正する放射線検出器に係り、特に、放射線を蛍光に変換してこの蛍光を測定する構成となっている放射線検出器において、蛍光の残光の影響を補正により取り除くことができる放射線検出器に関する。
従来の放射線薬剤の分布をイメージングするポジトロンエミッショントモグラフィー装置(PET)の具体的な構成について説明する。従来のPET装置は、放射線を検出する放射線検出器が円環状に並んで構成される検出器リングが備えられている。この検出器リングは、被検体内の放射性薬剤から放出される互いが反対方向となっている一対のγ線(消滅放射線対)を検出する。
放射線検出器51の構成について説明する。放射線検出器51は、図9に示すように、シンチレータ結晶が3次元的に配列されたシンチレータ52と、シンチレータ52に吸収されたγ線から発した蛍光を検出する光検出器53とを備えている。光検出器53は、多数の光検出素子がマトリックス上に配列された検出面を備えている。そして、光検出器53の検出面とシンチレータ52の一面とが光学的に接続されている(特許文献1,特許文献2参照)。
シンチレータ52に入射した放射線は、多数の光子に変換されて光検出器53に向かう。このとき、光子は、空間的に広がりながらシンチレータ52の内部を進んでマトリックス上に配列された光検出器53の各々の検出面に入射する。つまり、蛍光による多数の光子は、複数の光検出素子に同時に分配され検出されることになる。
放射線検出器51は、複数の光検出素子によって捕捉された蛍光の検出データを用いてシンチレータ2のどこで蛍光が発したのかを知る構成となっている。すなわち、放射線検出器51は、複数の光検出素子により検出面における蛍光の光束の重心の位置を求めるのである。この重心の位置こそが蛍光の発生した位置を意味している。この位置データは、被検体の放射性薬剤が集積した場所を特定するために使用される。
特開2009−222439号公報 特開2009−229127号公報
しかしながら、従来の放射線の検出には次のような問題点がある。すなわち、放射線検出器51に入射する放射線の線量が多くなると、蛍光の発生位置の特定が不正確となる問題点がある。
この問題は、蛍光の光束の重心の算出方法に関係があるので、この算出方法について説明する。簡単のため、光検出器53の検出面は、図10に示すように2×2の光検出素子から構成されているものとする。光検出素子a1……a4から出力された蛍光の検出信号(蛍光は経時的にバラツキを持って検出されるので、正確には蛍光の強度を示す強度データを時間で積分したときの積算値m)をA1……A4とする。A1……A4は、各光検出素子a1……a4が検出した蛍光の強度を示している。蛍光の光束のx方向における重心の位置Xは、中心の位置を原点として、次のように表される。
X={(A1+A3)−(A2+A4)}/{(A1+A2+A3+A4)}……(1)
放射線検出器51に入射する放射線の線量が多くなると、蛍光の検出強度が見かけ上大きくなる現象が発生する。次は、この現象について説明する。図11は、光検出素子が検出する蛍光の時間的な変化を表している。シンチレータで発した蛍光は、弱いながらもしばらくは光検出素子を照らし続ける。放射線検出において、この様な蛍光の残光の消失まで考慮すると蛍光の検出にかかる時間が長くなりすぎるので、放射線検出器51は、この残光を無視して蛍光を測定する。すなわち、放射線検出器51は、図11に示すように、ある期間Pに光検出素子a1……a4が出力した検出強度を時間で積分して、蛍光の検出強度A1……A4を算出する。このとき残光は蛍光の検出強度として加味されない。なお、図11におけるp1は、蛍光発生の判定に用いられる事象閾値である。
放射線検出器51に入射する放射線の線量が多くなると、前の蛍光の残光が消滅し終わらないうちに次の蛍光が発せられる。つまり、時間的な幅を有する蛍光同士が経時的にオーバーラップすることになる。すなわち、図12に示すように、蛍光の検出強度を算出する際に、Sで示す残光成分が足し合わされてしまう。
この様な現象は、検出強度A1……A4のうちの全てで発生する。A1……A4に係る残光成分をそれぞれα,β,γ,δで表すと、残光成分存在下で算出される重心の位置Xは、次のようになる。
X={(A1+α+A3+γ)−(A2+β+A4+δ)}/{(A1+α+A2+β+A3+γ+A4+δ)}……(2)
残光成分α,β,γ,δは、ほぼ同じ値をとるので、式2の分子の残光成分は、相殺される。しかし、式2の分母における残光成分は消去されず、むしろ足し合わされて増幅される。従って、式2における位置Xの値は、残光成分の影響を受けて、実際とは異なる値となってしまう。具体的には、残光成分の存在は、式2における分母を大きくし、位置Xの値の絶対値を小さくしてしまう。この現象は、x方向と直交するy方向についても発生する。
残光成分が重心の位置マッピングにどのような影響を与えるかを説明する。今、シンチレータ2を構成するシンチレータ結晶の各々の中心から蛍光が発せられたとする。図13に示す点pがこのときの蛍光の発生位置である。残光成分の影響を受けない場合、放射線検出器51は、図13に示すとおりに蛍光の発生位置を特定する。
検出される蛍光に残光成分が含まれていると、放射線検出器51は、図13に示す蛍光の発生位置を正しく特定することができない。すなわち、残光の影響により、式2に示すX,Yの値の絶対値が見かけ上、小さくなってしまう。すると、図14に示すように、算出される蛍光の発生位置がシンチレータ2の中心側に見かけ上ずれ、蛍光の発生の分布が縮小する。この様に、従来の技術によれば、蛍光の残光によって、蛍光の発生位置を正確に特定することができない。なお、位置Yは、蛍光の発生位置のy方向の位置である。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、蛍光の残光の影響を受けずにγ線の入射位置を正確に特定するように補正することができる放射線検出器を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線検出器は、第1の構成として(A)放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が配列されたシンチレータと、(B)蛍光を検出する光検出器と、(C)経時的に一定なサンプリング間隔ごとに光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを取得する強度データ取得手段と、(D)強度データ取得手段が取得した強度データを蓄積する強度データ蓄積手段と、(E)複数の閾値を記憶する記憶手段と、(F)次々と取得される強度データと強度データ比較用の事象閾値とを比較して、強度データが事象閾値を超えたときにシンチレータに放射線が入射する事象が発生したことを認識して、この事象が発生した時刻である事象発生時刻を取得する事象検出手段と、(G1)事象発生時刻よりも前に検出された強度データを強度データ蓄積手段より読み出して、これと二重事象閾値および多重事象閾値を基に蛍光の残光に起因する強度データの変動の補正に用いる補正値を取得する補正値取得手段と、(H)事象発生時刻の直前とその後に検出された強度データを積算するとともに、補正値を用いた補正を行って積算値を算出する積算手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係る放射線検出器は、第2の構成として(A)放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が配列されたシンチレータと、(B)蛍光を検出する光検出器と、(C)経時的に一定なサンプリング間隔ごとに光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを取得する強度データ取得手段と、(E)複数の閾値を記憶する記憶手段と、(F)次々と取得される強度データと強度データ比較用の事象閾値とを比較して、強度データが事象閾値を超えたときにシンチレータに放射線が入射する事象が発生したことを認識して、この事象が発生した時刻である事象発生時刻を取得する事象検出手段と、(G2)強度データ取得手段によって取得された強度データと蛍光判定用の蛍光閾値とを比較して、蛍光閾値未満となっている強度データは、事象が発生していない状態で取得されたものと判定して、この状態で取得された強度データを基に蛍光の残光に起因する強度データの変動の補正に用いる補正値を取得する補正値取得手段と、(H)事象発生時刻の直前とその後に検出された強度データを積算するとともに、補正値を用いた補正を行って積算値を算出する積算手段とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、経時的に一定なサンプリング間隔ごとに光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを積算して、放射線がシンチレータに入射することによって生じた蛍光の強さを表す積算値を算出する積算手段を備えている。積算手段の出力は、シンチレータにおける蛍光の発生位置を特定するのに使用される。シンチレータで発した蛍光が完全に消滅するのに時間がかかるので、放射線強度が強く計数率が高い場合光検出器が出力する強度データは、それ以前に発生した蛍光の残光成分を含んでしまっている。従って、積算手段は、積算値を残光成分だけ余計に見積もってしまうことになり、蛍光の位置の特定に支障を来す。
そこで、本発明は、経時的に一定なサンプリング間隔ごとに光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを取得する強度データ取得手段と、蛍光の残光に起因する強度データの変動の補正に用いる補正値を取得する補正値取得手段とを備え、積算手段は、補正値を用いて強度データの補正を行うようにしている。この様にすれば、蛍光の残光成分に影響されずに積算値を正確に求めることができる。したがって、本発明によれば、蛍光の位置を正確に特定することができる放射線検出器が提供できる。
なお、第2の構成における補正値取得手段が蛍光判定用の蛍光閾値を用いるようにしているのは、事象が発生していない状態で取得された強度データを用いて補正値を取得できるようにする必要があるからである。
以下、第1の構成、第2の構成についての望ましい対応を例示する。特に断りのない限り、以下の各態様は、いずれの構成についても適応できるとする。
まず、上述の第1の構成の放射線検出器において、補正値取得手段は、取得した補正値が二重事象閾値以上である場合、記憶手段に記憶されている補正値と対応値とが関連したテーブルを基に、補正値に対応する対応値を取得し、積算手段は、対応値を基に強度データの補正を行えばより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の第1の構成に関してより具体的な構成を示したものとなっている。すなわち、補正値が二重事象閾値以上の場合、積算手段は、対応値を基に強度データの補正を行うようになっている。取得した補正値が高い値をとる場合、前回の放射線がシンチレータに入射して間もなく今回の放射線がシンチレータに入射したことになる。今回の放射線に係る積算値を求める際に、前回の放射線に係る残光成分を含んだ状態で積算値が算出されることになる。この補正値を単に今回の放射線に係る蛍光が発光し始めた時点である事象発生時刻よりも前の強度データから取得するのは困難である。今回の放射線に係る強度データの測定中に前回の放射線に係る残光成分の減衰が起こるからである。従って、上述の構成によれば、積算値の補正に補正値に対応する対応値を用いている。この対応値は、補正値の値に応じて好適な補正を行えるように自在に変更可能である。したがって、より上述の構成によれば、蛍光の残光成分に影響されずに積算値をより正確に求める放射線検出器が提供できる。
また、上述の第1の構成の放射線検出器において、補正値取得手段は、取得した補正値が二重事象閾値よりも高い強度を示す多重事象閾値以上である場合、動作を行わず、積算手段は、補正を行わずに積算値を算出すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の第1の構成に関してより具体的な構成を示したものとなっている。すなわち、取得した補正値が二重事象閾値よりも高い強度を示す多重事象閾値以上である場合、補正値取得手段は、動作を行わない。事象発生時刻よりも前において強度データが多重事象閾値以上に高い場合、強度データには残光成分が幾重にも重なってしまっており、この場合補正値を算出することは困難である。上述の構成によれば、事象発生時刻よりも前において強度データが高い値を示し、信頼性の高い補正値を取得することができない場合は、積算手段は、補正を行わず積算値を算出する。この様にすれば、無駄な補正を行なわず、結果として蛍光の残光成分に影響されずに積算値をより正確に求める放射線検出器が提供できる。
また、上述の第2の構成の放射線検出器において、(I)補正値取得手段は、複数の強度データを平均して補正値を取得し、(J)補正値取得手段は、強度データの点数が所定点数となるまで強度データと判定用の閾値との比較を継続すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の第2の構成をより具体的に示したものとなっている。補正値取得手段が強度データの点数が所定点数となるまで強度データと判定用の閾値との比較を継続すれば、より信頼性の高い強度データの平均値が取得できる。この様な構成は、強度データの全てを平均値の算出に使用できない場合有利である。
また、上述の第2の構成の放射線検出器において、(K)補正値取得手段は、補正値の取得後も強度データと判定用の閾値との比較を継続することにより次々と補正値を取得し、補正値取得の度に補正値の更新を行えばより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の第2の構成をより具体的に示したものとなっている。補正値取得手段は、補正値の取得後も強度データと判定用の閾値との比較を継続することにより次々と補正値を取得し、補正値を更新するようにすれば、放射線検出器の放射線検出の特性が経時的に変化したとしても、それに追従して正確に積算値を補正することができる放射線検出器が提供できる。
また、上述の第2の構成の放射線検出器において、光検出器は、ある時間間隔ごとに蛍光を検出し、強度データ取得手段のサンプリング間隔は、光検出器が蛍光を検出するときの時間間隔よりも長ければより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の第2の構成に関してより具体的な構成を示したものとなっている。強度データ取得手段のサンプリング間隔が、光検出器が蛍光を検出するときの時間間隔よりも長ければ、補正値取得手段が補正値を取得するのに多くの演算をする必要がなくなり、動作の負担が軽減された放射線検出器が提供できる。
また、上述の第2の構成の放射線検出器において、強度データ取得手段が強度データを取得するときのサンプリング間隔は10μ秒以上となっていればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の第2の構成に関してより具体的な構成を示したものとなっている。強度データ取得手段のサンプリング間隔が10μ秒以上であれば信頼性の高い補正値を求めるのに十分である。
また、上述の放射線検出器において、光検出器に電力を供給するブリーダユニットを更に備え、補正値取得手段が取得する補正値は、光検出器に電力を供給しない状態で取得された強度データであるベースレベルの値を強度データから減算することで算出されればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示したものとなっている。補正値の基となる強度データは、蛍光に関する成分以外に、本発明の構成を実現する情報処理を行う各手段より様々な成分が付加されている。光検出器に電力を供給しない状態で取得された強度データであるベースレベルの値を強度データから減算することで補正値を算出するようにすれば、積算値をより正確に求める放射線検出器が提供できる。
また、上述の放射線検出器において、(I)補正値取得手段は、複数の強度データを平均して補正値を取得すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明のより具体的な構成を示したものとなっている。複数の強度データを平均して補正値を取得するようにすれば、強度データに含まれるノイズ成分に影響されずに積算値をより正確に補正する放射線検出器が提供できる。
また、上述の放射線検出器において、前記積算手段が生成した積算値を用いてシンチレータにおける蛍光の発生位置を特定する蛍光発生位置特定手段を更に備えればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の構成をより具体的に示したものとなっている。すなわち、上述の構成は、シンチレータにおける蛍光の発生位置を特定する手段を明記したものとなっている。
本発明は、経時的に一定なサンプリング間隔ごとに光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを取得する強度データ取得手段と、蛍光の残光に起因する強度データの変動の補正に用いる補正値を取得する補正値取得手段とを備え、積算手段は、補正値を用いて強度データの補正を行うようにしている。この様にすれば、蛍光の残光成分に影響されずに積算値を正確に求めることができる。したがって、本発明によれば、蛍光の位置を正確に特定することができる放射線検出器が提供できる。
実施例1に係る放射線検出器の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る光検出器の動作を説明する平面図である。 実施例1に係る放射線検出器の動作を説明するフローチャートである。 実施例1に係る放射線検出器の動作を説明する模式図である。 実施例2に係る放射線検出器の動作を説明する模式図である。 実施例2に係る放射線検出器の動作を説明するフローチャートである。 本発明の1変形例に係る放射線検出器の動作を説明する模式図である。 本発明の1変形例に係る放射線検出器の動作を説明する模式図である。 従来の放射線検出器を説明する模式図である。 従来の放射線検出器を説明する模式図である。 従来の放射線検出器を説明する模式図である。 従来の放射線検出器を説明する模式図である。 従来の放射線検出器を説明する模式図である。 従来の放射線検出器を説明する模式図である。
以下、発明を実施するための最良の形態について実施例により説明する。
以降、本発明に係る放射線信号処理装置、および放射線検出器の実施例について説明する。γ線は放射線の一例である。
<放射線信号処理装置、および放射線検出器の全体構成>
図1に示すように、実施例1に係る放射線検出器1は、シンチレータ結晶Cが縦横に配列されて構成されたシンチレータ2と、シンチレータ2の下面に設けられ、シンチレータ2から発する蛍光を検知する光検出器3と、シンチレータ2と光検出器3との間に介在する位置に配置されたライトガイド4とを備える。シンチレータ結晶Cの各々は、Ceが拡散したLu2(1−X)2XSiO(以下、LYSOとよぶ)によって構成されている。
光検出器3は、4つの光電子増倍管3aからなり、入射した蛍光のx,およびyについての位置を弁別することができる。より具体的には、光検出器3は、図2に示すように、縦2×横2に光電子増倍管3aがマトリックス状に配列された検出面3bを有し、この検出面3bがシンチレータ2と光学的に接続されている。蛍光が発生すると、光電子増倍管3aの各々は、蛍光の強度を示す強度的データを出力する。光検出器3は、光電子増倍管3aのいずれがどの程度の蛍光を検出したのかを示す情報を付加して、A/D変換部10に出力する(図1参照)。したがって、光検出器3から出力された検出データには、蛍光の強度情報と位置情報との両方が含まれることになる。
ライトガイド4は、シンチレータ2で生じた蛍光を光検出器3に導くために設けられている。したがって、ライトガイド4は、シンチレータ2と光検出器3とに光学的に結合されている。
ブリーダユニット6は、光検出器3の電力供給源として設けられている。ブリーダユニット6は、光検出器3の光電子増倍管3aに高電圧を与える。光電子増倍管3aは、この与えられた高電圧に応じて蛍光由来の光子を増幅して、検出データDaを出力する。検出データDaには、蛍光の強度を示す強度データSと、この強度データSがいつ検出されたかを示す時間データとが含まれている。
A/D変換部10は、アナログデータとなっている光検出器3の検出データDaをディジタル化する目的で設けられている。蛍光発生位置特定部16は、積算部15から出力された積算値を基に、シンチレータ2における蛍光の発生位置を求める目的で設けられている。蛍光の発生位置を求める方法としては、上述の式1を用いて説明した方法と同様である。積算部15は、本発明の積算手段に相当し、蛍光発生位置特定部16は、本発明の蛍光発生位置特定手段に相当する。検出データDaは、光検出器3の有する光電子増倍管3aごとに個別の値が出力される。光検出器3には4つの光電子増倍管3aが設けられていることからすれば、光検出器3は、互いに独立している4つの検出データDaをA/D変換部10に送出することになる。
その他、放射線検出器1は、経時的に一定なサンプリング間隔Saごとに光検出器3から出力された各検出データ(正確には、これをディジタル化した検出データD)を受信して、これを基にディジタル化された検出データDに含まれる強度データSを取得する強度データ取得部11と、強度データ取得部11が取得した強度データSを蓄積する強度データ蓄積部12と、光電子増倍管3aの各々から出力された4つの検出データDaの和と強度データ比較用の事象閾値p1とを比較して、4つの検出データDaの和がその事象閾値を超えたときにシンチレータ2にγ線が入射する事象が発生したことを認識して、この事象が発生した時刻である事象発生時刻Tを取得する事象検出部13と、事象発生時刻Tよりも前に検出された強度データSを強度データ蓄積部12より読み出して、これを基に蛍光の残光に起因する強度データSの変動の補正に用いる補正値Aを取得する補正値取得部14と、事象発生時刻Tの直前とその後に検出された強度データSを積算するとともに、補正値Aを用いた補正を行う積算部15とを備えている。強度データ取得部11は、本発明の強度データ取得手段に相当し、強度データ蓄積部12は、本発明の強度データ蓄積手段に相当する。また、事象検出部13は、本発明の事象検出手段に相当し、補正値取得部14は、本発明の補正値取得手段に相当する。
設定値記憶部35は、放射線検出器1の制御に関する閾値、テーブル、マップ等の一切を記憶する。
放射線検出器1は、各部を統括的に制御する主制御部21を備えている。この主制御部21は、CPUによって構成され、各種プログラムを実行することにより、各部11,12,13,14,15,16を実現する。なお、上述の各部はそれらを担当する制御装置に分割されて実現されてもよい。
<放射線検出器を用いたγ線の検出方法>
次に、放射線検出器1を用いたγ線の検出方法について説明する(図3参照)。放射線検出器1を用いてγ線を検出するには、まず、ベースラインが測定され(ベースライン測定ステップS1),γ線の検出が開始される(検出開始ステップS2)。そして、強度データ取得部11による強度データSの取得が開始され(強度データ取得開始ステップS3),シンチレータ2にγ線が入射したというイベント(事象)が検出される(事象検出ステップS4)。続いて、補正値Aが取得され(補正値取得ステップS5),この補正値Aを基に強度データSの補正がされるとともに、強度データSが時間で積分される(補正・積算ステップS6)。これらの各ステップについて順を追って説明する。
<ベースライン測定ステップS1>
γ線の検出を行うに先立って、ブリーダユニット6から光検出器3への電力の供給を遮断した状態で検出データDが取得される。検出データDは、強度データ取得部11に送出され、検出データDに含まれる強度データSを取得する。光検出器3は、例えば10nsごとに検出データDaを出力しているので、これがディジタル化された検出データDは、10nsごとにA/D変換部10から強度データ取得部11に出力される。強度データ取得部11は、全ての検出データDについて強度データSを取得するのではなく、サンプリング間隔Sa(100m秒、またはそれ以上の長さの間隔)ごとに強度データSを取得する。光検出器3からの出力は理論上0となっていることからすれば、ブリーダユニット6が電力を供給しないこの状態で取得される強度データSの変動は、A/D変換部10を実現する回路が発するノイズ成分に由来している。強度データ取得部11は、強度データSの取得を例えば40回繰り返して、これらを平均してベースレベルBを取得する。ベースレベルBは、設定値記憶部35で記憶される。本ステップでは、強度データ取得部11のサンプリング間隔Saは、光検出器3が蛍光を検出するときの時間間隔である10nsよりも長いことになる。また、強度データ取得部11は、サンプリング間隔Saの設定値を設定値記憶部35から読み出すことで取得する構成となっている。設定値記憶部35は、実施例の構成の記憶手段に相当する。
<検出開始ステップS2>
続いて、ブリーダユニット6から光検出器3への電力の供給した状態で放射性薬剤を投与された被検体が放射線検出器1の前に置かれ、γ線の検出が開始される。γ線の検出が開始した時点から光検出器3よりアナログデータの検出データDaがA/D変換部10に送出される。A/D変換部10は、検出データDaをディジタル化して、強度データ取得部11に送出される。
光検出器3が出力する4つの検出データDaは、事象検出部13へも出力される。事象検出部13は、設定値記憶部35に記憶されている強度データ比較用の閾値p1を読み出して、4つの検出データDaの和が示す蛍光強度の値とこの閾値p1とを比較する。この比較は、光検出器3が検出データDaを出力する度に行われる。従って、検出データDaが10nsごとに事象検出部13に送出されるとすれば、事象検出部13の比較動作は10nsごとに行われることになる。なお、閾値p1は、シンチレータ2にγ線が入射せず、シンチレータ2が蛍光を出射しない状態の時に光検出器3から出力された検出データDaの強度データSが示す強度よりも高く設定されている。したがって、蛍光が発生していない状態において、閾値p1は、強度データSよりも大きい。
<強度データ取得開始ステップS3>
γ線の検出開始と同時に、強度データ取得部11による強度データSの収集が開始される。すなわち、強度データ取得部11は、ディジタル化された検出データDに含まれる強度データSを取得する。検出データDは、例えば10nsごとに光検出器3から強度データ取得部11に出力される。ベースライン測定ステップS1で説明したように、A/D変換部10は、10nsごとに検出データDを強度データ取得部11に出力し、強度データ取得部11は、サンプリング間隔Sa(本ステップにおいては、10ns)ごとに強度データSを取得する。取得された強度データSは、光検出器3が強度データSの基になった検出データDをいつ取得したのかを示す時刻データと関連づけられて強度データ蓄積部12に送出される。
<事象検出ステップS4>
強度データSと閾値p1との比較を続ける事象検出部13で強度データSが閾値p1を超えたのを観測したとする。このとき、図4(a)に示すように、ベースレベルBとなっていた強度データSが蛍光の発生により増加したことになる。つまり、強度データSが閾値p1を超えた時点Tは、シンチレータ2にγ線が入射した時点を示している。シンチレータ2にγ線が入射することを事象(イベント)と呼ぶことにし、事象が発生した時点Tを事象発生時刻と呼ぶことにする。
シンチレータ2に入射したγ線がどの程度のエネルギーを有していたかは、そのγ線の入射に伴って発せられた蛍光の強さを求めることで判断できる。具体的には、図4(a)の事象発生時刻Tの直前の時刻T0から所定の事象積算時間Tn経過後の時点Uまでの間の強度データSを時間で積分したとすると、その積分値が蛍光の強さ(すなわち、蛍光の積算値m)を示していることになる。
時刻T0について説明する。時刻T0は、ベースレベルBにあった強度データSがベースレベルBよりも大きくなり始めた時点の時刻である。このように事象検出部13は、事象発生時刻Tを基に事象の発生を認識するが、蛍光の積算値mの決定は、事象発生時刻Tよりも遡った時刻T0を起点として行われる。
この積分値は図4(a)においては、符号M1で示す斜線部について強度データSを積分したときの値となっている。蛍光の積算値mを正確に算出するには、できるだけ長い時間について強度データSの積分を行った方がよい。図4(a)に示すように、1度蛍光が発せられると、蛍光が完全に消滅するのに時間がかかるからである。しかし、実際にはγ線は次々とシンチレータ2に入射するので、現実的には、蛍光が完全に消滅するのを待たずに強度データSの積分を行う構成とすることになる。
シンチレータ2にγ線が2回入射した場合を考える。始めのγ線の入射の直前において強度データSは、ベースレベルBの強度を示している。この状態でγ線が入射すると、シンチレータ2から蛍光が発せられるので強度データSの示す強度は急激に上昇し、やがて、徐々に減少していく。シンチレータ2からほとんどの蛍光が消滅しても、シンチレータ2には、ごく僅かな蛍光が約1s程度の長い期間に亘って残光として残り続けている。強度データSも、この残光成分(図4における符号ag参照)の影響によりベースレベルBまで降下し尽くすのに多くの時間が必要となる。
シンチレータ2に残光が残存した状態でシンチレータ2にγ線が入射したとする。シンチレータ2は残光が消えきらないうちにγ線の入射に伴って蛍光を発することになる。2回目のγ線の入射の入射時刻を示す事象発生時刻をVとする(図4参照)。事象発生時刻Vは、事象検出部13が取得したものである。
この2回目に入射したγ線由来の蛍光の積算値mを求めようとして、図4(a)の事象発生時刻Vの直前V0から所定の事象積算時間Tn経過後の時点Xまでの間の強度データSを時間で積分したとする。この事象積算時間Tnは、積算値mを算出するときに用いられる固定の値である。
時刻V0について説明する。時刻V0は、減少傾向にあった強度データSが増加し始めた時点より更に前の時刻である。このように事象検出部13は、事象発生時刻Vを基に事象の発生を認識するが、蛍光の積算値mの決定は、事象発生時刻Vよりも遡った時刻V0を起点として行われる。
このときの積分値は図4(a)においては、符号M2で示す斜線部について強度データSを積分したときの値となっている。図4(a)における2つのγ線における蛍光の積算値mは同じなので、符号M1の斜線部の積分値と、符号M2の斜線部の積分値とは同じとなるはずである。
しかし実際は、そうはならない。図4(b)は、図4(a)における両斜線部M1,M2を抜き出したものとなっている。両斜線部M1,M2を比較すると分かるように、斜線部M1よりも斜線部M2の方が残光成分ag[図4(a)参照]の分だけ面積が広くなっている。この残光成分agは、蛍光の積算値mを取得しようとする2回目のγ線よりも前に発せられた1回目のγ線に由来するものであり、本来は2回目のγ線とは無関係である。このように、残光成分agの影響で、2回目のγ線における蛍光の積算値mを正確に測定することができない。そこで、実施例1の構成では残光成分agの起因する強度データSの変動を補正する補正値Aを取得ることにより、蛍光の積算値mをより正確に取得するようにしている。
<補正値取得ステップS5>
事象検出部13が検出した事象発生時刻Tは、補正値取得部14に送られる。補正値取得部14は、事象発生時刻Tの直前に検出された連続する16個の強度データS1〜S16を強度データ蓄積部12より読み出す。そして、強度データS1〜S16を平均して平均値Svを求める。強度データS1〜S16はA/D変換部10の回路的なノイズを含んでいるので、残光成分agの減衰とは無関係なノイズ成分を含んでいる。強度データS1〜S16を平均することにより、このノイズ成分が消去される。なお、強度データS1〜S16の間で残光成分agは次第に減衰していくはずである。しかし、この減衰は緩やかであるので、強度データS1〜S16の測定の間で残光成分agはほぼ一定である。なお、強度データS1〜S16は、強度データ取得部11が経時的に一定なサンプリング間隔Sa(10ns)だけ間隔を置きながら16回に亘りA/D変換部10から検出データDを送出させることによって取得されたものである。
強度データS16は、強度データS1〜S16のうち、経時的に事象発生時刻Tに一番近い時点で取得された検出データDaを基にしている。強度データS16と事象発生時刻Tとの間の時間的間隔は、自由に設定することができる。望ましくは、事象発生時刻Tと、強度データS16に係る検出データDaの測定時点との間の時間は、サンプリング間隔Sa以下であれば望ましい。
補正値取得部14は、設定値記憶部35よりベースレベルBを読み出して、これを平均値Svから減算する。こうして、求められた値が補正値Aである(図4(c)参照)。従って補正値Aは、2回目のγ線が入射する直前の残光成分agの強度を表すものとなっている。
<補正・積算ステップS6>
補正値Aは、積算部15に送出される。積算部15には、補正値Aの他にA/D変換部10よりディジタル化された検出データDと、事象検出部13より取得された事象発生時刻とが送られてきている。積算部15は、事象発生時刻Tの直前T0またはVの直前V0から所定の事象積算時間Tn経過後の時点UまたはXまでの間の強度データS(正確には強度データSからベースレベルBを減算した値)を時間で積分することにより積算し、蛍光の積算値mを算出する。この積算値mは、図4(b)における符号M2を用いて説明したように、余計な残光成分agが足し合わされたものとなっている。そこで、積算部15は、補正値Aと時点Tの直前T0と時点U(または時点Vと時点X)との間の事象積算時間Tnとを掛け合わせて、得られた乗算値を積算値mから減算する。すると、積算値mは、残光成分についての補正が行われることになる。
補正後の積算値mは、蛍光がシンチレータ2のどこで発生したのかを特定するのに用いられる。その際、残光成分の影響が取り除かれた積算値mを用いているので、積算値mはより正確に蛍光の強度を表したものとなっている。従って、蛍光の発生位置はより正確に求められることになる。
以上のように、実施例の構成によれば、経時的に一定なサンプリング間隔Saごとに光検出器3が出力する蛍光の強度を示す強度データSを積算して、γ線がシンチレータ2に入射することによって生じた蛍光の強さを表す積算値mを算出する積算部15を備えている。積算部15の出力は、シンチレータ2における蛍光の発生位置を特定するのに使用される。シンチレータ2で発した蛍光が完全に消滅するのに時間がかかるので、光検出器3が出力する強度データSは、蛍光の残光成分を含んでしまっている。従って、積算部15は、積算値mを残光成分だけ余計に見積もってしまうことになり、蛍光の位置の特定に支障を来す。
そこで、実施例の構成は、経時的に一定なサンプリング間隔Saごとに光検出器3が出力する蛍光の強度を示す強度データSを取得する強度データ取得部11と、蛍光の残光に起因する強度データSの変動の補正に用いる補正値Aを取得する補正値取得部14とを備え、積算部15は、補正値Aを用いて強度データSの補正を行うようにしている。この様にすれば、蛍光の残光成分に影響されずに積算値mを正確に求めることができる。したがって、実施例の構成によれば、蛍光の位置を正確に特定することができる放射線検出器1が提供できる。
ところで、補正値Aの基となる強度データSは、蛍光に関する成分以外に、実施例の構成を実現する情報処理を行う各手段より様々な成分が付加されている。光検出器3に電力を供給しない状態で取得された強度データSであるベースレベルの値を強度データSから減算することで補正値Aを算出するようにすれば、積算値mをより正確に求める放射線検出器1が提供できる。
実施例1のように、複数の強度データSを平均して補正値Aを取得するようにすれば、強度データSに含まれるノイズ成分に影響されずに積算値mをより正確に補正する放射線検出器1が提供できる。
次に、実施例2に係る放射線検出器について説明する。実施例2に係る放射線検出器の構成は、図1で説明した実施例1の構成と同様である。
実施例2にかかる放射線検出器1は、サンプリング間隔Saごとに光検出器3から出力された検出データ(正確には、これをディジタル化した検出データD)に含まれる強度データSを取得する強度データ取得部11と、強度データ取得部11が取得した強度データSを蓄積する強度データ蓄積部12と、次々と取得される強度データSと強度データ比較用の事象閾値p1とを比較して、強度データSがその閾値を超えたときにシンチレータ2にγ線が入射する事象が発生したことを認識して、この事象が発生した時刻である事象発生時刻Tを取得する事象検出部13と、強度データ取得部11によって取得された強度データSと判定用の蛍光閾値p2とを比較して、閾値p2以上となっている強度データSは、事象が発生中に取得されたものと認識するとともに、蛍光閾値p2未満となっている強度データSは、事象が発生していない状態で取得されたものと認識して、事象が発生していない状態で取得された強度データSを基に蛍光の残光に起因する強度データSの変動の補正に用いる補正値Aを取得する補正値取得部14と、事象発生時刻Tの直前とその後に検出された強度データSを積算するとともに、補正値Aを用いた補正を行う積算部15とを備えている。
実施例2の構成は、強度データ取得部11,および補正値取得部14の構成が実施例1と異なっている。そこで、各部の構成について説明する。
まず、実施例2における強度データ取得部11の動作について説明する。強度データ取得部11は、全ての検出データDについて強度データSを取得するのではなく、サンプリング間隔Saごとに強度データSを取得する。実施例2におけるサンプリング間隔Saは、実施例1の時の10nsよりも長く、100ms程度となっている(図5参照)。このサンプリング間隔Saは、積算部15による1つのγ線について強度データSを時間で積分する時の時間間隔よりも長い。従って、強度データ取得部11のサンプリング間隔Saは、光検出器3が蛍光を検出するときの時間間隔である10nsよりも長いことになる。また、強度データ取得部11は、サンプリング間隔Saの設定値を設定値記憶部35から読み出すことで取得する構成となっている。強度データ取得部11は、取得した強度データSを強度データ蓄積部12に送出する。
実施例2における補正値取得部14の動作について説明する。補正値取得部14は、強度データ蓄積部12において、40点の強度データSが蓄積されまで待機して、蓄積が完了した時点で40点の強度データSを求めて平均値Svを算出する。補正値取得部14は、設定値記憶部35よりベースレベルBを読み出して、これを平均値Svから減算する。こうして、求められた値が補正値Aである。実施例1においては、150nsの間に取得された16点の強度データSを基に平均値Svを求めていた。これと比べて実施例2においては、3.9秒の間に取得された40点の強度データSを基に平均値Svを求めるようにしているので、実施例2の平均値Svは、実施例1の平均値Svとは異なる特性のものとなっている。
このように実施例2においては、事象検出部13から補正値取得部14に必ずしも事象発生時刻Tを送出する構成としなくてもよい。
実際の平均値Svの取得は3.9秒よりも時間がかかる。次は、この点について説明する。図5は、実施例2に係る強度データ取得部の動作を説明している図である。図5に示すように、強度データ取得部11は、サンプリング間隔Saごとに強度データSを取得する。強度データSが取得された時点を時間順にr1……r7とする。
強度データ取得部11は、一定の時間的間隔で強度データSを取得するのに対し、シンチレータ2にγ線が入射するタイミングはランダムである。従って、強度データ取得部11によって取得された強度データSの中には、シンチレータ2に強い蛍光が表れている状態の時の強度データSが含まれている。この様な状態で取得された強度データSは、補正値取得部14が補正値Aを取得する際の邪魔となる。補正値Aは、減衰しにくい残光成分agにより強度データの示す強度がどの程度上昇したかを示す値である。したがって、残光成分とは言えない蛍光を示した強度データSまで平均値Svの算出に用いてしまうと、強度データSに重畳する残光成分agを正確に求めることができなくなる。
そこで、補正値取得部14は、設定値記憶部35に記憶された判定用の蛍光閾値p2を読み出して、強度データSが送出される度に、強度データSとこの蛍光閾値p2とを比較し、蛍光閾値p2未満の強度データSだけ平均値Svの算出に用いる。すなわち、図5に示すように、時点r1,r2,r3,r7における強度データSは、上述の事象が発生していない状態で取得されたものであるので、平均値Svの算出に用い、その他時点r4,r5,r6における強度データSは、上述の事象が発生中の状態で取得されたものであるので、平均値Svの算出に用いない。
このように補正値取得部14は、送出された強度データSの全てを用いない。そして、補正値取得部14は、強度データSの点数が所定点数の40点となるまで強度データSと判定用の蛍光閾値p2との比較を継続するので、補正値取得部14が補正値Aを取得するには、強度データSの取得開始から3.9秒以上の時間を要することになる。補正値取得部14は、取得した補正値Aを積算部15に送出し、積算部15はこれを基に検出データDに含まれる残光成分agの影響を除去する。
補正値Aを取得した後の補正値取得部14の動作について説明する。補正値取得部14は、補正値Aを算出した直後から、再び強度データSの点数が40点蓄積されるまで待機し、新たに補正値Aを算出する。このように、補正値取得部14は、補正値Aの取得後も強度データSと判定用の閾値p2との比較を継続することにより次々と補正値Aを取得し、補正値取得の度に補正値Aの更新を行う。積算部15補正値Aの更新の度に新しい補正値Aを用いる。したがって、仮に補正値取得部14が蛍光閾値p2に係る比較動作を行わないとすれば、補正値Aは3.9秒ごとに更新されることになる。
<放射線検出器の動作>
次に、実施例2に係る放射線検出器1の動作について説明する(図6参照)。放射線検出器1を用いてγ線を検出するには、まず、ベースラインが測定され(ベースライン測定ステップT1),γ線の検出が開始される(検出開始ステップT2)。そして、強度データ取得部11による強度データSの取得が開始され(強度データ取得開始ステップT3),補正値Aが取得される(補正値取得ステップT4)。続いて、シンチレータ2にγ線が入射したというイベント(事象)が検出され(事象検出ステップT5),この補正値Aを基に強度データSの補正がされるとともに、強度データSが時間で積分される(補正・積算ステップT6)。このように、実施例2の放射線検出器の動作は、実施例1の動作とほぼ同様であるが、事象の検出と独立して補正値Aが取得されるところが異なっている。補正値取得ステップT4における放射線検出器の動作は、上述の補正値取得部14の動作に相当し、各ステップT1〜T3,T6は、実施例1における各ステップS1〜S3,S6のそれぞれに相当し、事象検出ステップT5は、実施例1における事象検出ステップS4に相当する。
以上のように、実施例2の構成は、補正値取得部14が強度データSの点数が所定点数となるまで強度データSと判定用の蛍光閾値p2との比較を継続すれば、より信頼性の高い強度データSの平均値が取得できる。この様な構成は、強度データSの全てを平均値の算出に使用できない場合有利である。したがって、この様な実施例2の構成によっても、実施例1と同様に正確なγ線の入射位置を特定できる放射線検出器1が取得できる。
また、上述の構成は、実施例の構成の第2の構成をより具体的に示したものとなっている。補正値取得部14は、補正値Aの取得後も強度データSと判定用の蛍光閾値p2との比較を継続することにより次々と補正値Aを取得し、補正値Aを更新するようにすれば、γ線放射線検出器1のγ線検出の特性が経時的に変化したとしても、それに追従して正確に積算値mを補正することができるγ線放射線検出器1が提供できる。
本発明は、上述の構成に限られることなく、下記のように変形実施することもできる。
(1)実施例1の構成において、補正値取得部14は、平均値SvからベースレベルBを減算して補正値Aを求めるようにしていたが、本発明はこの様な構成に限られない。すなわち、補正値Aの値によっては、補正値Aを直接に用いずに強度データSの補正を行うようにしてもよい。すなわち、補正値取得部14は、平均値SvからベースレベルBを減算して求めた補正値Aが、設定値記憶部35に記憶されている二重事象閾値q1以上である場合、設定値記憶部35に記憶されている補正値Aと対応値Rとが関連したテーブルを基に、補正値Aに対応する対応値Rを取得し、積算部15は、対応値Rを基に強度データSの補正を行うようにしてもよい。
この変形例について具体的に説明する。図7は、シンチレータ2に2つのγ線が入射した場合の強度データSと時間との関係を表している。図7においては、シンチレータ2に残光が強く残存した状態で次のγ線がシンチレータ2に入射している。このときの平均値Svは、残光が強い状態の強度データSを基にしているので、補正値Aもこれに応じて高い値をとる。補正値取得部14は、補正値Aが取得されると、補正値Aと二重事象閾値q1とを比較する。補正値Aが二重事象閾値q1未満となっている場合、補正値取得部14は、この補正値Aを積算部15に送出する。このときの積算部15の動作は、実施例1の説明と同様である。
補正値Aが二重事象閾値q1以上となっている場合(図7参照),補正値取得部14は、補正値Aを積算部15に送出しない。その代わりに、補正値取得部14は、設定値記憶部35から補正値Aと対応値Rとが関連した関連テーブルを読み出して、この補正値Aに対応した対応値Rを取得する。そして、補正値取得部14は、この対応値Rを積算部15に送出し、積算部15は、この対応値Rを補正値の代わりに用いて動作する。
2つのγ線がシンチレータ2に入射する時刻が近接している場合、残光が減少しつつあるシンチレータ2にγ線が入射することになり、事象発生時刻Tの以前の強度データSから算出される補正値Aを事象発生時刻T以降の残光成分agとして強度データSの補正を行うことができない。事象発生時刻Tの前後で残光成分agの強度に差がありすぎるからである。
そこで、補正値取得部14が、補正値Aが二重事象閾値q1以上の場合は、残光成分agが多く残り過ぎており、算出された補正値Aが事象発生時刻T以降の強度データSの補正に使用することができないと認定する。そして、補正値Aの代わりに対応値Rを積算部15の補正に使用させる。補正値Aに対応づけられた対応値Rは、積算部15の積分演算で算出される積算値mにどの程度の残光成分agが含まれているかを示す値で、γ線がシンチレータ2に入射してからの残光成分agの減衰を実測することにより得られる。そして、この実測データを基に、γ線の入射直後にシンチレータ2にγ線が入射した場合、事象発生時刻Tから時点Uまでにどの程度の残光成分agが足し合わされて重畳しているかをシミュレーションによって求め、求められた値を事象発生時刻Tの直前T0から時点Uまでの事象積算時間Tnで除算して対応値Rとする。2つのγ線が入射する時刻の間の間隔に応じてシミュレーションによって求められた対応値Rも変化するので、対応値Rは複数求められることになる。
ところで、2つのγ線が入射する時刻の間の間隔に応じて2回目のγ線が入射する直前の強度データS(またはこれを基に算出される補正値A)も変化する。従って、補正値A2つのγ線が入射する時刻の間の間隔を表す指標として用いることができる。すなわち、放射線検出器1が検査の動作を行っているときに取得された補正値Aの値に応じて、どの対応値Rを使用するかを関連テーブルを用いて予め決めておくことができるのである。
このように本変形例によれば、補正値Aが二重事象閾値q1以上の場合、積算部15は、補正値Aとは別の対応値Rを基に強度データSの補正を行うようになっている。取得した補正値Aが高い値をとる場合、前回のγ線がシンチレータ2に入射して間もなく今回のγ線がシンチレータ2に入射したことになる。今回のγ線に係る積算値mを求める際に、前回のγ線に係る残光成分を含んだ状態で積算値mが算出されることになる。この補正値Aを単に今回のγ線に係る蛍光が発光し始めた時点である事象発生時刻Tよりも前の強度データSから取得するのは困難である。すなわち、図12に示すように、2つの蛍光のピークが重なり合い、今回の蛍光のピークの測定中に前回の蛍光のピークの減衰が起こるので、今回の蛍光のピークの測定中に残光成分agが一定でない。従って、上述の構成によれば、積算値mの補正に補正値Aに対応する対応値Rを用いている。この対応値Rは、補正値Aの値に応じて好適な補正を行えるように自在に変更可能である。したがって、より上述の構成によれば、蛍光の残光成分に影響されずに積算値mをより正確に求める放射線検出器1が提供できる。
(2)実施例1の構成において、補正値取得部14は、平均値SvからベースレベルBを減算して補正値Aを求めるようにしていたが、本発明はこの様な構成に限られない。すなわち、補正値Aの値によっては、強度データSの補正を行わないようにしてもよい。つまり、本変形例によれば、補正値取得部14は、取得した補正値Aが第1閾値q1よりも高い強度を示す多重事象閾値q2以上である場合、動作を行わず、積算部15は、補正を行わずに積算値mを算出する。補正値取得部14は、設定値記憶部35に記憶されている多重事象閾値q2を用いることになる。
この変形例について具体的に説明する。図8は、シンチレータ2にγ線が入射した場合の強度データSと時間との関係を表している。図8においてはγ線が入射する前から強度データSが示す強度が高い状態となっている。シンチレータ2にγ線が幾たびも入射すると、その度に残光成分agが発生する。すると、残光成分agが次々と重ね合わせられてしまい、シンチレータ2にγ線が入射しなくても強度データSが高い値をとるようになる。この様な現象をパイルアップと呼ぶ。
パイルアップが発生した状態で事象発生時刻T以降の残光成分agを予測することは難しい。パイルアップによって減衰の程度が異なる残光成分agが多重に積み重なっているからである。補正値取得部14は、補正値Aが取得されると、補正値Aと多重事象閾値q2とを比較する。補正値Aが多重事象閾値q2未満となっている場合、補正値取得部14は、パイルアップが生じていないものとして補正値Aを積算部15に送出する。このときの積算部15の動作は、実施例1の説明と同様である。
補正値Aが多重事象閾値q2以上となっている場合(図8参照),補正値取得部14は、積算部15が用いる補正値を算出できなかったとして、算出された補正値Aを積算部15に送出しない。積算部15は、補正を施さずに積算値mを取得する。
この様に本変形例によれば、取得した補正値Aが二重事象閾値q1よりも高い強度を示す多重事象閾値q2以上である場合、補正値取得部14は、動作を行わない。事象発生時刻Tよりも前において強度データSが多重事象閾q2値以上に高い場合、強度データSには残光成分が幾重にも重なってしまっており、この場合補正値Aを算出することは困難である。上述の構成によれば、事象発生時刻Tよりも前において強度データSが高い値を示し、信頼性の高い補正値Aを取得することができない場合は、積算部15は、補正を行わず積算値mを算出する。この様にすれば、無駄な補正を行なわず、結果として蛍光の残光成分に影響されずに積算値mをより正確に求める放射線検出器1が提供できる。
(3)本発明は、上述の2つの変形例を同時に行うようにしてもよい。すなわち、補正値取得部14は、補正値Aが二重事象閾値q1未満であるとき、これを積算部15に送出し、補正値Aが二重事象閾値q1以上、多重事象閾値q2未満であるとき、対応値Rを積算部15に送出し、補正値Aが多重事象閾値q2以上であるとき、積算部15に何も値を送出しない構成とすることができる。
(4)本発明は、上述の2つの実施例を事象の発生率、すなわち計数率によって自動的に切り替えるようにしてもよい。すなわち、二重あるいは多重事象が発生し易い計数率が高い場合は実施例1の動作を行い、計数率が低い場合は実施例2の動作を行う。どちらの実施例でも補正値Aの精度を確保するためにできるだけ事象直前かつ補正値を多く取得する必要がある。実施例1の構成では事象直前であり、かつ、対象とする事象以前の残光成分を検出する恐れがある。また、データ処理が複雑となることから強度データの取得回数が限られ補正値Aの統計精度が落ちる。一方、実施例2では強度データの取得回数は任意のため補正値Aの統計精度は向上する。しかしながら、実際の残光特性とタイムラグが生じる恐れがある。そこで、計数率をモニターし、二重あるいは多重事象が発生し易い計数率が高い場合は実施例1の動作を行い、計数率が低い場合は実施例2の動作を行うことで互いの長所を活かすことが可能となる。
(5)各実施例における各設定値は、例示である。従って、各設定値は自由に変更することができる。
(6)上述した各実施例のいうシンチレータ結晶は、LYSOで構成されていたが、本発明においては、その代わりに、LGSO(Lu2(1−X)2XSiO)やGSO(GdSiO)などの他の材料でシンチレータ結晶を構成してもよい。本変形例によれば、より安価な放射線検出器が提供できる放射線検出器の製造方法が提供できる。
(7)上述した各実施例において、光検出器は、光電子増倍管で構成されていたが、本発明はこれに限らない。光電子増倍管に代わって、フォトダイオードやアバランシェフォトダイオード、あるいはシリコンフォトマルなどの半導体検出器などを用いてもよい。
以上のように、本発明は医用の放射線検出器に適している。
m 積算値
q1 二重閾値
q2 多重閾値
A 補正値
R 対応値
S 強度データ
Sa サンプリング間隔
T,V 事象発生時刻
Tn 事象積算時間
2 シンチレータ
3 光検出器
5 ブリーダユニット
11 強度データ取得部(強度データ取得手段)
12 強度データ蓄積部(強度データ蓄積手段)
13 事象検出部(事象検出手段)
14 補正値取得部(補正値取得手段)
15 積算部(積算手段)
16 蛍光発生位置特定部(蛍光発生位置特定手段)
35 設定値記憶部(記憶手段)

Claims (11)

  1. (A)放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が配列されたシンチレータと、
    (B)蛍光を検出する光検出器と、
    (C)経時的に一定なサンプリング間隔ごとに前記光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを取得する強度データ取得手段と、
    (D)前記強度データ取得手段が取得した強度データを蓄積する強度データ蓄積手段と、
    (E)複数の閾値を記憶する記憶手段と、
    (F)次々と取得される強度データと強度データ比較用の事象閾値とを比較して、強度データが事象閾値を超えたときに前記シンチレータに放射線が入射する事象が発生したことを認識して、この事象が発生した時刻である事象発生時刻を取得する事象検出手段と、
    (G1)前記事象発生時刻よりも前に検出された強度データを前記強度データ蓄積手段より読み出して、これと二重事象閾値および多重事象閾値を基に蛍光の残光に起因する強度データの変動の補正に用いる補正値を取得する補正値取得手段と、
    (H)前記事象発生時刻の直前とその後に検出された強度データを積算するとともに、補正値を用いた補正を行って積算値を算出する積算手段とを備えることを特徴とする放射線検出器。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記補正値取得手段は、取得した補正値が前記二重事象閾値以上である場合、前記記憶手段に記憶されている補正値と対応値とが関連したテーブルを基に、補正値に対応する対応値を取得し、
    前記積算手段は、前記対応値を基に強度データの補正を行うことを特徴とする放射線検出器。
  3. 請求項2に記載の放射線検出器において、
    前記補正値取得手段は、取得した補正値が前記二重事象閾値よりも高い強度を示す多重事象閾値以上である場合、動作を行わず、積算手段は、補正を行わずに積算値を算出することを特徴とする放射線検出器。
  4. (A)放射線を蛍光に変換するシンチレータ結晶が配列されたシンチレータと、
    (B)蛍光を検出する光検出器と、
    (C)経時的に一定なサンプリング間隔ごとに前記光検出器が出力する蛍光の強度を示す強度データを取得する強度データ取得手段と、
    (E)複数の閾値を記憶する記憶手段と、
    (F)次々と取得される強度データと強度データ比較用の事象閾値とを比較して、強度データが事象閾値を超えたときに前記シンチレータに放射線が入射する事象が発生したことを認識して、この事象が発生した時刻である事象発生時刻を取得する事象検出手段と、
    (G2)前記強度データ取得手段によって取得された強度データと蛍光判定用の蛍光閾値とを比較して、蛍光閾値未満となっている強度データは、前記事象が発生していない状態で取得されたものと判定して、この状態で取得された強度データを基に蛍光の残光に起因する強度データの変動の補正に用いる補正値を取得する補正値取得手段と、
    (H)前記事象発生時刻の直前とその後に検出された強度データを積算するとともに、補正値を用いた補正を行って積算値を算出する積算手段とを備えることを特徴とする放射線検出器。
  5. 請求項4に記載の放射線検出器において、
    前記光検出器は、ある時間間隔ごとに蛍光を検出し、
    前記強度データ取得手段の前記サンプリング間隔は、前記光検出器が蛍光を検出するときの時間間隔よりも長いことを特徴とする放射線検出器。
  6. 請求項4または請求項5に記載の放射線検出器において、
    前記強度データ取得手段が強度データを取得するときのサンプリング間隔は10μ秒以上となっていることを特徴とする放射線検出器。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記光検出器に電力を供給するブリーダユニットを更に備え、
    前記補正値取得手段が取得する補正値は、前記光検出器に電力を供給しない状態で取得された強度データであるベースレベルの値を強度データから減算することで算出されることを特徴とする放射線検出器。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の放射線検出器において、
    (I)前記補正値取得手段は、複数の強度データを平均して補正値を取得することを特徴とする放射線検出器。
  9. 請求項4に記載の放射線検出器において、
    (I)前記補正値取得手段は、複数の強度データを平均して補正値を取得し、
    (J)前記補正値取得手段は、強度データの点数が所定点数となるまで強度データと判定用の閾値との比較を継続することを特徴とする放射線検出器。
  10. 請求項9に記載の放射線検出器において、
    (K)前記補正値取得手段は、補正値の取得後も強度データと判定用の閾値との比較を継続することにより次々と補正値を取得し、補正値取得の度に補正値の更新を行うことを特徴とする放射線検出器。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記積算手段が生成した積算値を用いてシンチレータにおける蛍光の発生位置を特定する蛍光発生位置特定手段を更に備えることを特徴とする放射線検出器。
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