JPWO2012011406A1 - 絞り位置測定方法、絞り位置測定装置、絞り位置決め方法及び絞り位置決め装置 - Google Patents
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Abstract
光学絞りの中心と光軸とのズレ量を精度よく測定できる絞り位置測定方法及び絞り位置測定装置を開示する。また、レンズユニットに光学絞りを精度よく配設することのできる絞り位置決め方法及び絞り位置決め装置を開示する。ガラス板に支持されたレンズユニットのレンズに平行光を入射して集光スポットを形成し、その集光スポットの位置を顕微鏡で検出すれば、これを、光学絞りを位置決めする為の基準点として用いることができる。集光スポットの位置と、顕微鏡で求めた光学絞りの中心位置とのズレ量を、中央演算装置で求めることができ、その結果を用いてレンズユニットの検査を有効に行うことができる。これにより、誤差±3μm以内で光学絞りの中心位置のズレ量を検出できる。
Description
本発明は、CCD(Charged Coupled Device)型イメージセンサ或いはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適な絞り位置測定方法、絞り位置測定装置、絞り位置決め方法及び絞り位置決め装置に関する。
近年、CCD型イメージセンサ或いはCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置を備えた携帯電話や携帯情報端末が普及しつつある。最近では、これらの撮像装置に使用される固体撮像素子の更なる小型化が進み、VGAのイメージフォーマット(有効画素数640×480)のセンサでは、1/10インチサイズ(画素ピッチ2.2μm)や1/12インチサイズ(画素ピッチ1.75μm)の固体撮像素子が製品化されている。それに伴い、撮像装置に搭載される撮像レンズにも更なる小型化、低コスト化への要求が高まっている。
ところで、このような撮像装置向けのレンズユニットにおいては、不要光の入射を遮るために光学絞りを取り付けている。従来から、予めレンズ光軸と光学絞り中心とがほぼ一致するように設計された取り付け部を鏡枠に設けておき、鏡枠にレンズ及び光学絞りを装着することでレンズ光軸と光学絞り中心とをほぼ一致させることが行われている。かかる従来の位置決め方法でも、ある程度の精度で光軸と光学絞りの中心とを近付けることができるから、固体撮像素子の画素数が比較的少ない従来の撮像装置においては、特に問題にならなかった。
ところが、固体撮像素子の高画質化に伴い、より正確な位置決めが求められるようになると、部品の寸法精度や取付けの精度等に起因する、光学絞りの中心位置と実際の光軸とのズレ量が無視できなくなった。このため、両者のズレ量が大きすぎるものを判別したり、製造条件の調整に反映させたりするために、レンズ光軸と光学絞り中心との偏芯量を測定する必要が新たに生じた。
特許文献1には、絞りに向けて光照射を行い、絞り値ごとに分光特性データを得るようにしたレンズ測定装置が開示されている。しかしながら特許文献1には、上述の観点からレンズ光軸と光学絞り中心との偏芯量を測定すること、或いはズレをなくすように組み付ける方法について何らの記載もない。尚、偏芯量の測定法として、例えば、レンズ外径や鏡枠外径から仮想光軸を算出し実測した光学絞り中心との偏芯量を測定することが考えられるが、レンズの外径と光軸とのズレ、レンズの外径精度、鏡枠部品精度などの要因により、真のレンズ光軸と光学絞り中心との偏芯量に対する誤差が大きくなる(例えば±20μm以上)という問題がある。
そこで本発明は、光学絞りの中心と光軸とのズレ量を精度よく測定できる絞り位置測定方法、絞り位置測定装置を提供することを目的とする。また、レンズユニットに光学絞りを精度よく配設することのできる絞り位置決め方法及び絞り位置決め装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の絞り位置測定方法は、光学絞りと、レンズと、前記光学絞り及び前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットにおける前記光学絞りの位置の測定方法において、
前記レンズユニットのレンズに該レンズの光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成するステップと、
前記集光スポットの位置を検出するステップと、
前記光学絞りの中心位置を検出するステップと、
前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量を求めるステップとを有することを特徴とする。
前記レンズユニットのレンズに該レンズの光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成するステップと、
前記集光スポットの位置を検出するステップと、
前記光学絞りの中心位置を検出するステップと、
前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量を求めるステップとを有することを特徴とする。
本発明者は、レンズに光軸に平行な平行光を入射させた場合、光軸上の所定位置(例えばレンズユニットとともに用いられる撮像素子の撮像面)で集光スポットが形成されることを利用して、光学絞りを位置決めする基準となる光軸の位置を精度良く推定できることを見出した。即ち、レンズユニットのレンズに平行光を入射して集光スポットを形成し、その集光スポットの位置を検出すれば、これを、光学絞りを位置決めする為の基準点として用いることができる。これにより、集光スポットの位置と、別途求めた光学絞りの中心位置とのズレ量を求め、その結果を用いてレンズユニットの検査を有効に行うことができるのである。本発明によれば、誤差±3μm以内で光学絞りの中心位置のズレ量を検出できる。
請求項2に記載の絞り位置測定方法は、請求項1に記載の絞り位置測定方法において、前記光学絞りの中心位置を検出するステップは、前記光学絞りの内径形状から幾何学的に中心位置を求めることを特徴とする。光学絞りの形状は一般的に円形であるので、その内径形状から幾何学的に比較的容易に精度良く求めることができる。例えば、内径上の任意の2点(但し直径を除く)を結ぶ線分における垂直二等分線を、互いに交差させて2本ひくことで、その交点が円の中心となるから、これを光学的絞りの中心位置とすればよい。但し、求め方はこの方法に限られず、例えば特表2007−524805号公報に記載の方法を用いても良い。
請求項3に記載の絞り位置測定装置は、光学絞りと、レンズと、前記光学絞り及び前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットにおける前記光学絞りの位置の測定装置において、
少なくとも一部が光を透過可能な透過部とされ、前記レンズユニットを該透過部に重ねて支持する支持台と、
前記レンズユニットに向けて該レンズユニットのレンズ光軸に平行な平行光を照射する光照射装置と、
前記平行光が前記レンズユニットのレンズを透過したときに形成される集光スポットの位置を検出する第1検出手段と、
前記光学絞りの中心位置を検出する第2検出手段と、
検出された前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量を求める演算手段とを有することを特徴とする。
少なくとも一部が光を透過可能な透過部とされ、前記レンズユニットを該透過部に重ねて支持する支持台と、
前記レンズユニットに向けて該レンズユニットのレンズ光軸に平行な平行光を照射する光照射装置と、
前記平行光が前記レンズユニットのレンズを透過したときに形成される集光スポットの位置を検出する第1検出手段と、
前記光学絞りの中心位置を検出する第2検出手段と、
検出された前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量を求める演算手段とを有することを特徴とする。
支持台に支持されたレンズユニットのレンズに平行光を入射して集光スポットを形成し、その集光スポットの位置を前記第1検出手段で検出すれば、これを、光学絞りを位置決めする為の基準点として用いることができる。本発明によれば、集光スポットの位置と、前記第2検出手段で求めた光学絞りの中心位置とのズレ量を、前記演算手段で求めることができ、その結果を用いてレンズユニットの検査を有効に行うことができる。本発明によれば、誤差±3μm以内で光学絞りの中心位置のズレ量を検出できる。
請求項4に記載の絞り位置測定装置は、請求項3に記載の絞り位置測定装置において、前記第1検出手段及び/又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に相対的に移動させるZ方向移動ステージを有することを特徴とする。これにより、前記レンズにより集光される集光スポットにピントを合わせることができる。
請求項5に記載の絞り位置測定装置は、請求項3又は4に記載の絞り位置測定装置において、前記第1検出手段及び/又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に直交する方向に相対的に移動させるXY方向移動ステージと、前記XY方向移動ステージの移動量を検出する移動量検出手段とを有することを特徴とする。前記XY方向移動ステージにより、前記第1検出手段又は前記第2検出手段と前記支持台とを前記平行光の出射方向に直交する方向に相対的に移動させることにより、前記レンズにより集光される集光スポットを捕捉することができ、また前記光学絞りの中心位置を検出することができ、その際に前記移動量検出手段にて前記XY方向移動ステージの移動量を検出することで、前記集光スポットや前記光学絞りの中心位置の座標を検出できる。
請求項6に記載の絞り位置測定装置は、請求項3乃至5のいずれかに記載の絞り位置測定装置において、前記平行光の出射方向に対して、前記光照射装置と前記支持台とを相対的に傾けるチルトステージを有することを特徴とする。これにより、前記光源から出射される平行光を、前記レンズの光軸に沿って入射させることができる。
請求項7に記載の絞り位置測定装置は、請求項6に記載の絞り位置測定装置において、前記平行光と前記支持台との相対的な傾きを検出する傾き検出手段を有することを特徴とする。その検出により、前記光源から出射される平行光を、前記レンズの光軸に沿って入射させることができる。
請求項8に記載の絞り位置測定装置は、請求項3乃至7のいずれかに記載の絞り位置測定装置において、前記第1検出手段と前記支持台との間に減光部材を挿入したことを特徴とする。これにより、平行光としてレーザ光等の高強度の光を用いた場合など、前記減光部材を介して実用レベルまで減光することができる。
請求項9に記載の絞り位置測定装置は、請求項3乃至8のいずれかに記載の絞り位置測定装置において、前記第1検出手段が前記第2検出手段を兼ねていることを特徴とする。例えば顕微鏡を、前記第1検出手段と前記第2検出手段として共通に用いることができる。
請求項10に記載の絞り位置決め方法は、レンズと、前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットに対して、光学絞りを位置決めする光学絞りの位置決め方法において、
前記レンズユニットのレンズに該レンズの光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成するステップと、
前記レンズユニットに対して、前記光学絞りを仮決めするように保持するステップと、
前記光学絞りの中心位置を検出するステップと、
前記集光スポットの位置に対して、前記光学絞りの中心位置が合致するように、前記光学絞りを変位させるステップと、
前記集光スポットの位置に対して、前記光学絞りの中心位置が合致したら、前記光学絞りを前記レンズユニットに固定するステップと、を有することを特徴とする。
前記レンズユニットのレンズに該レンズの光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成するステップと、
前記レンズユニットに対して、前記光学絞りを仮決めするように保持するステップと、
前記光学絞りの中心位置を検出するステップと、
前記集光スポットの位置に対して、前記光学絞りの中心位置が合致するように、前記光学絞りを変位させるステップと、
前記集光スポットの位置に対して、前記光学絞りの中心位置が合致したら、前記光学絞りを前記レンズユニットに固定するステップと、を有することを特徴とする。
レンズユニットのレンズに光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成し、その集光スポットの位置を検出すれば、これを、光学絞りを位置決めする為の基準点として用いることができる。そこで本発明によれば、集光スポットの位置に、仮決めした光学絞りの中心位置が合致するように、光学絞りを変位させて、その後固定することで、光学絞りの位置が精度良く位置決めされたレンズユニットを得ることができる。本発明によれば、光軸に対し誤差±3μm以内で光学絞りを組み付けることができる。
請求項11に記載の絞り位置決め方法は、請求項10に記載の絞り位置決め方法において、前記光学絞りの中心位置を検出するステップは、前記光学絞りの内径形状から幾何学的に中心位置を求めることを特徴とする。
請求項12に記載の絞り位置決め装置は、レンズと、前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットに対して、光学絞りを位置決めする光学絞りの位置決め装置において、
少なくとも一部が光を透過可能な素材からなり、前記レンズユニットを支持する支持台と、
前記レンズユニットに対して、前記光学絞りを仮決めするように保持する保持部材と、
前記レンズユニットに向けて該レンズユニットのレンズ光軸に平行な平行光を照射する光照射装置と、
前記平行光が前記レンズユニットのレンズを透過したときに形成される集光スポットの位置を検出する第1検出手段と、
前記光学絞りの中心位置を検出する第2検出手段と、
検出された前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量が小さくなるように、前記光学絞りと共に前記保持部材を変位させる駆動装置と、を有することを特徴とする。
少なくとも一部が光を透過可能な素材からなり、前記レンズユニットを支持する支持台と、
前記レンズユニットに対して、前記光学絞りを仮決めするように保持する保持部材と、
前記レンズユニットに向けて該レンズユニットのレンズ光軸に平行な平行光を照射する光照射装置と、
前記平行光が前記レンズユニットのレンズを透過したときに形成される集光スポットの位置を検出する第1検出手段と、
前記光学絞りの中心位置を検出する第2検出手段と、
検出された前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量が小さくなるように、前記光学絞りと共に前記保持部材を変位させる駆動装置と、を有することを特徴とする。
支持台に支持されたレンズユニットのレンズに光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成し、その集光スポットの位置を前記第1検出手段で検出すれば、これを、光学絞りを位置決めする為の基準点として用いることができる。本発明によれば、検出された集光スポットの位置に、前記第2検出手段で検出された仮決めした光学絞りの中心位置が近づくように、前記駆動装置により光学絞りを変位させ、両者が合致した後固定することで、光学絞りの位置が精度良く位置決めされたレンズユニットを得ることができる。本発明によれば、光軸に対し誤差±3μm以内で光学絞りを組み付けることができる。
請求項13に記載の絞り位置決め装置は、請求項12に記載の絞り位置決め装置において、前記第1検出手段又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に相対的に移動させるZ方向移動ステージを有することを特徴とする。これにより、前記レンズにより集光される集光スポットにピントを合わせることができる。
請求項14に記載の絞り位置決め装置は、請求項12又は13に記載の絞り位置決め装置において、前記第1検出手段又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に直交する方向に相対的に移動させるXY方向移動ステージと、前記XY方向移動ステージの移動量を検出する移動量検出手段とを有することを特徴とする。前記XY方向移動ステージにより、前記第1検出手段と前記支持台を前記平行光の出射方向に直交する方向に相対的に移動させることにより、前記レンズにより集光される集光スポットを捕捉することができ、また前記光学絞りの中心位置を検出することができ、その際に前記移動量検出手段にて前記XY方向移動ステージの移動量を検出することで、前記集光スポットや前記光学絞りの中心位置の座標を検出できる。
請求項15に記載の絞り位置決め装置は、請求項12乃至14のいずれかに記載の絞り位置決め装置において、前記平行光の出射方向に対して、前記光源と前記支持台とを相対的に傾けるチルトステージを有することを特徴とする。これにより、前記光源から出射される平行光を、前記レンズの光軸に沿って入射させることができる。
請求項16に記載の絞り位置決め装置は、請求項15に記載の絞り位置決め装置において、前記平行光と前記支持台との相対的な傾きを検出する傾き検出手段を有することを特徴とする。その検出により、前記光源から出射される平行光を、前記レンズの光軸に沿って入射させることができる。
請求項17に記載の絞り位置決め装置は、請求項12乃至16のいずれかに記載の絞り位置決め装置において、前記第1検出手段と前記支持台との間に減光部材を挿入したことを特徴とする。これにより、平行光としてレーザ光等の高強度の光を用いた場合など、前記減光部材を介して実用レベルまで減光することができる。
請求項18に記載の絞り位置決め装置は、請求項12乃至17のいずれかに記載の絞り位置決め装置において、前記第1検出手段と前記第2検出手段は共通であることを特徴とする。例えば顕微鏡を、前記第1検出手段が前記第2検出手段を兼ねていることができる。
本発明によれば、光学絞りの中心と光軸とのズレ量を精度よく測定できる絞り位置測定方法及び絞り位置測定装置を提供することができ、また、レンズユニットに光学絞りを精度よく配設することのできる絞り位置決め方法及び絞り位置決め装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態で用いるレンズユニットの断面図である。図1において、不図示の固体撮像素子を像側に組み付けることで撮像装置を構成するレンズユニットLUは、筐体CS内に挿入された鏡枠MF内において、物体側から順に、光学絞りS、レンズLS1,レンズLS2,レンズLS3,レンズLS4が固定された構成である。光学絞りSは、中央に円形開口を有する板部材からなり、図1に示すように光軸方向最も外側にある態様に限らず、色々な位置、例えば図10に示すように、光学絞りSを内部(この変形例ではレンズLS2,LS3の間)に設けることもできる。光学絞りSが最も外側にある場合は光学絞りSの位置決めを行いやすいが、光学絞りSが内側にあるレンズユニットの場合も、光学絞りSが最も外側にある場合と同様に、後述する本実施の形態によって不良品検査などを行える。ここで、レンズユニットLUに対し、物体側からレンズ光軸に平行な平行光を入射すると、所定位置P(ここでは固体撮像素子を組み合わせたときの固体撮像素子の撮像面に相当する位置)上に集光スポットを形成する。尚、筐体CSの像側及び物体側の端面は、レンズの光軸に対して精度良く直交しているものとする。又、筐体と鏡枠とを一体として、鏡枠と呼ぶこともある。
図2は、本実施の形態にかかる絞り位置測定装置の概略斜視図である。図2において、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。定盤G上にはオートコリメータACとチルトステージTSが設置されている。チルトステージTSは、保持したガラス板GLをチルト可能な構成である。支持台であるガラス板GLの透過部上には、被測定対象であるレンズユニットLUが、物体側をオートコリメータAC側に向けて載置されている(図3参照)。尚、可視光波長のレーザ光源を含むオートコリメータACは、傾き検出手段を構成し、上方に向けて平行光であるレーザ光Lを出射し、その反射像を検出して、モニタMN上に映し出すようになっている。オートコリメータACとガラス板GLとの間に、アパーチャ(測定用絞り)を設けることで、不要光をカットでき、測定精度が向上する場合がある。ガラス板GLの代わりに樹脂板を用いても良い。
レンズユニットLUの上方には、減光部材としてのNDフィルタNDが配置され、その上方には顕微鏡MSが配置されている。NDフィルタNDは、レンズユニットLUの物体側に設けても良い。顕微鏡MSは、Z方向ステージZSによりZ方向に移動可能となっており、X方向ステージXSによりX方向に移動可能となっており、Y方向ステージYSによりY方向に移動可能となっている。尚、各ステージには、不図示の駆動源と移動量を検出するセンサ(移動量検出手段)が設けられており、Z方向移動量、X方向移動量、Y方向移動量を検出して、演算手段である中央演算装置CONTに入力するようになっている。
第1検出手段及び第2検出手段を兼ねる顕微鏡MSは、光学系OSと、撮像素子CCDとを有し、光学系OSを通過した光を撮像素子CCDで撮像して、モニタMTに画像を映し出すようになっている。
図4は、絞り位置測定装置の動作を示すフローチャートである。図4を参照して、絞り位置測定装置の動作を説明する。まず、被測定対象のレンズユニットLUは、図3に示すように物体側をガラス板GL側に向けて載置されるものとする。
ここで、ステップS101にてオートコリメータACをプリ発光させる。プリ発光光は、被測定対象のレンズユニットLUが載置されたガラス板GLで反射されてオートコリメータACに戻る。それをモニタMNで観察しながら、ステップS102でチルト調整を行い、ガラス板GLを水平にする。かかる状態では、レンズユニットLUのレンズLS1〜LS4の光軸は、オートコリメータACのメイン発光光であるレーザ光Lと平行になる。
更にステップS103で、オートコリメータACより出射された平行光であるレーザ光Lを、ガラス板GLを通過させ、光学絞りSを介してレンズユニットLUのレンズLS1〜LS4に入射させる。するとレーザ光Lは、上方の所定位置で集光スポットを形成する。かかる集光スポットの像を、NDフィルタNDを介して顕微鏡MSで観察する。より具体的には、ステップS104で、顕微鏡MSをZ方向に移動させて、集光スポットの直径が20μm以下になるように調整する。なお、集光スポットが小さいほどスポット真円度が小さくなり、測定精度が上がり好ましい。実験結果では、スポット真円度は直径に対して3%以下レベルであった(集光スポット20μmに対し、0.6μm以下の真円度)。
このとき、集光スポットの像は、顕微鏡MSの光学系OSを通過して撮像素子CCDの受光面に結像するので、その画像をモニタMTに表示する(図5参照)。更に、ステップS105で、顕微鏡MSをX方向及びY方向に移動させ、集光スポットの像が、モニタMTの基準位置(例えば中心)に合致するようにする。そしてステップS106で、中央演算装置CONTが、顕微鏡MSの移動量から集光スポットのXY座標を求める。
次いで、オートコリメータACよりレーザ光Lの出射を中止し、ステップS107で、顕微鏡MSをZ方向に下降させて、光学絞りSにピントが合う位置になるように調整する。このとき、照明光や室内光により照明された光学絞りSの像は、顕微鏡MSの光学系OSを通過して撮像素子CCDの受光面に結像するので、その画像をモニタMTに表示する(図6参照)。光学絞りSの像の内径より、その中心位置がわかるので、ステップS108で、顕微鏡MSをX方向及びY方向に移動させ、光学絞りSの像の中心が、モニタMTの基準位置(例えば中心)に合致するようにする。そしてステップS109で、中央演算装置CONTが、顕微鏡MSの移動量から光学絞りSの中心のXY座標を求める。
更に、ステップS110で、中央演算装置CONTは、求めた集光スポットのXY座標と、光学絞りSの中心のXY座標とから、そのズレ量を演算する。以上で、絞り位置測定装置の動作が終了する。
図7は、本実施の形態にかかる絞り位置決め装置の概略斜視図である。絞り位置決め装置は、レンズユニットLUの製造装置の一部を構成する。図7において、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向及びY方向とする。フレームFRに、傾き検出手段であるオートコリメータACとチルトステージTSが設置されている。チルトステージTSは、オートコリメータACをフレームFRに対してチルト可能な構成である。フレームFRに固定されたガラス板GL上には、被測定対象であるレンズユニットLU(光学絞りSは固定されていない)が、物体側をオートコリメータAC側に向けて載置されている(図8参照)。尚、オートコリメータACは、下方に向けて平行光であるレーザ光Lを出射し、その反射像を検出して、モニタMN上に映し出すようになっている。オートコリメータACとガラス板GLとの間に、アパーチャ(測定用絞り)を設けることで、不要光をカットでき、測定精度が向上する場合がある。
オートコリメータACとレンズユニットLUの間には、減光部材としてのNDフィルタNDが配置され、ガラス板GLの下方には顕微鏡MSが配置されている。ガラス板GLをNDフィルタNDとしても良い。顕微鏡MSは、Z方向ステージZSによりZ方向に移動可能となっており、X方向ステージXSによりX方向に移動可能となっており、Y方向ステージYSによりY方向に移動可能となっている。尚、各ステージには、不図示の駆動源と移動量を検出するセンサ(移動量検出手段)が設けられており、Z方向移動量、X方向移動量、Y方向移動量を検出して、中央演算装置CONTに入力するようになっている。
顕微鏡MSは、光学系OSと、撮像素子CCDとを有し、光学系OSを通過した光を撮像素子CCDで撮像して、モニタMTに画像を映し出すようになっている。
ここで、レンズユニットLUにおいては、図8に示すように、レンズLS1〜LS4は鏡枠MFに固定されているが、光学絞りSは、鏡枠MFに固定されておらず、治具JGにより保持された状態にあるものとする。これを仮決め保持という。保持部材である治具JGは、光学絞りSに入射するレーザ光Lを阻害しないような寸法の開口JG1を含み、例えば真空吸着または静電吸着などにより光学絞りSを下面に保持可能となっている。又、図7に示すように、治具JGは、駆動装置DRによりX方向及びY方向に移動可能となっている。
図9は、絞り位置決め装置の動作を示すフローチャートである。図9を参照して、絞り位置測定装置の動作を説明する。ステップS201にてオートコリメータACをプリ発光させる。プリ発光光は、被測定対象のレンズユニットLUが載置されたガラス板GL(又はレンズLS4の光軸に直交するフランジ等でも良い)で反射されてオートコリメータACに戻る。それをモニタMNで観察しながら、ステップS202でチルト調整を行い、ガラス板GLに対しオートコリメータACをガラス板GLに正対させる。かかる状態では、レンズユニットLUのレンズLS1〜LS4の光軸は、オートコリメータACのメイン発光光であるレーザ光Lと同軸になる。尚、この動作は、複数のレンズユニットLUに光学絞りSを組み付ける場合、最初に行えば足りる。
更にステップS203で、オートコリメータACより平行光であるレーザ光Lを出射して、NDフィルタNDと、治具JGで保持した光学絞りSを介してレンズユニットLUのレンズLS1〜LS4に入射させる。するとレーザ光Lは、ガラス板GL上で集光スポットを形成する。かかる集光スポットの像を、ガラス板GLの下方の顕微鏡MSで観察する。より具体的には、ステップS204で、顕微鏡MSをZ方向に移動させて、光学系OSの焦点位置がガラス板GLの集光スポットにピントが合う位置になるように調整する。
このとき、集光スポットの像は、顕微鏡MSの光学系OSを通過して撮像素子CCDの受光面に結像するので、その画像をモニタMTに表示する(図5参照)。更に、ステップS105で、顕微鏡MSをX方向及びY方向に移動させ、集光スポットの像が、モニタMTの基準位置(例えば中心)に合致するようにする。そしてステップS206で、中央演算装置CONTが、この位置を光軸位置として決定する。
次いで、オートコリメータACよりレーザ光Lの出射を中止し、ステップS207で、顕微鏡MSをZ方向に上昇させて、光学絞りSにピントが合う位置になるように調整する。このとき、照明光や室内光により照明された光学絞りSの像は、顕微鏡MSの光学系OSを通過して撮像素子CCDの受光面に結像するので、その画像をモニタMTに表示する(図6参照)。光学絞りSの像の内径より、その中心位置がわかるので、ステップS208で、中央演算装置CONTが光学絞りSの像の中心を求め、ステップS209で、モニタMTの基準位置(即ち光軸)に対してずれているか否かを判断する。
光学絞りSの像の中心がモニタMTの基準位置からずれていると、中央演算装置CONTが判断すれば、ステップS210で治具JGと共に光学絞りSをX方向又はY方向に移動させ、サイドステップS208で光学絞りSの像の中心を求め、ステップS209で、モニタMTの基準位置(即ち光軸)に対してずれているか否かを判断する。これを両者が合致するまで繰り返す。
一方、光学絞りSの像の中心がモニタMTの基準位置に一致したと、中央演算装置CONTが判断すれば、ステップS211で、治具JGの隙間から不図示のUV系接着剤を吐出して光学絞りSを、鏡枠MFに固着する。その後、ステップS212で、治具JGが光学絞りSを開放する。以上で、絞り位置決め装置の動作が終了する。
以下、本発明者が行った実施例を説明する。本発明者は、光学絞りSを組み付けたレンズユニットA、Bを用意し、各レンズユニットに対して、XYステージを有する顕微鏡にて予め光学絞りSの中心位置を測定しておき、顕微鏡でスポット結像位置を測定し、光学絞り中心位置からのずれを算出した値を、測定結果1(実施例)とし、レンズ鏡枠外径から算出した仮想光軸位置と光学絞り中心位置からのずれを算出した値を、測定結果2(比較例)とし、レンズユニットを形成する像側のレンズの光学面中心(レンズ光軸上)に金型転写マークを付け、物理的に特定した光軸の位置を顕微鏡で測定し、光学絞り中心位置からのずれを算出した値を、測定結果3とした。ズレ量は、スカラー量√(x2+y2)で比較する。尚、図1を参照してXAが光学絞りの中心であり、XBが鏡枠外径から算出した仮想光軸であるが、理解しやすいようにずらせている。ここでは、真の光軸位置が不明であるので、測定結果3のズレ量を仮に真の値(リファランス)とし、測定結果1,2と比較した。測定結果1〜3を表1に示す。
表1によれば、レンズユニットAでは、リファランスである測定結果3に対し、比較例である測定結果2では、14.9μmの誤差が生じるが、実施例である測定結果1では、2.3μmの誤差に収まった。一方、レンズユニットBでは、リファランスである測定結果3に対し、比較例である測定結果2では、20.7μmの誤差が生じるが、実施例である測定結果1では、2.4μmの誤差に収まった。これにより本発明の効果が確認された。
なお、本発明は、本明細書に記載の実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、他の実施の形態や変形例を含むことは、本明細書に記載された実施の形態や技術的思想から本分野の当業者にとって明らかである。
本発明の絞り位置測定方法及び絞り位置測定装置によれば、光学絞りの中心と光軸とのズレ量を精度よく測定することができる。また、本発明の絞り位置決め方法及び絞り位置決め装置レンズユニットによれば、光学絞りを精度よく配設することができる。このため、例えば、固体撮像素子を用いた精度のよい撮像装置を実現できる。
AC オートコリメータ
CCD 撮像素子
CONT 中央演算装置
CS 筐体
DR 駆動装置
FR フレーム
G 定盤
GL ガラス板
JG 治具
JG1 開口
L レーザ光
LS1〜LS4 レンズ
LU レンズユニット
MF 鏡枠
MN モニタ
MS 顕微鏡
MT モニタ
ND NDフィルタ
OS 光学系
P 所定位置
S 光学絞り
TS チルトステージ
XS X方向ステージ
YS Y方向ステージ
ZS Z方向ステージ
CCD 撮像素子
CONT 中央演算装置
CS 筐体
DR 駆動装置
FR フレーム
G 定盤
GL ガラス板
JG 治具
JG1 開口
L レーザ光
LS1〜LS4 レンズ
LU レンズユニット
MF 鏡枠
MN モニタ
MS 顕微鏡
MT モニタ
ND NDフィルタ
OS 光学系
P 所定位置
S 光学絞り
TS チルトステージ
XS X方向ステージ
YS Y方向ステージ
ZS Z方向ステージ
Claims (18)
- 光学絞りと、レンズと、前記光学絞り及び前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットにおける前記光学絞りの位置の測定方法において、
前記レンズユニットのレンズに該レンズの光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成するステップと、
前記集光スポットの位置を検出するステップと、
前記光学絞りの中心位置を検出するステップと、
前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量を求めるステップとを有することを特徴とする絞り位置測定方法。 - 前記光学絞りの中心位置を検出するステップは、前記光学絞りの内径形状から幾何学的に中心位置を求めることを特徴とする請求項1に記載の絞り位置測定方法。
- 光学絞りと、レンズと、前記光学絞り及び前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットにおける前記光学絞りの位置の測定装置において、
少なくとも一部が光を透過可能な透過部とされ、前記レンズユニットを該透過部に重ねて支持する支持台と、
前記レンズユニットに向けて該レンズユニットのレンズ光軸に平行な平行光を照射する光照射装置と、
前記平行光が前記レンズユニットのレンズを透過したときに形成される集光スポットの位置を検出する第1検出手段と、
前記光学絞りの中心位置を検出する第2検出手段と、
検出された前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量を求める演算手段と、を有することを特徴とする絞り位置測定装置。 - 前記第1検出手段及び/又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に相対的に移動させるZ方向移動ステージを有することを特徴とする請求項3に記載の絞り位置測定装置。
- 前記第1検出手段及び/又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に直交する方向に相対的に移動させるXY方向移動ステージと、前記XY方向移動ステージの移動量を検出する移動量検出手段とを有することを特徴とする請求項3又は4に記載の絞り位置測定装置。
- 前記平行光の出射方向に対して、前記光照射装置と前記支持台とを相対的に傾けるチルトステージを有することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の絞り位置測定装置。
- 前記平行光と前記支持台との相対的な傾きを検出する傾き検出手段を有することを特徴とする請求項6に記載の絞り位置測定装置。
- 前記第1検出手段と前記支持台との間に減光部材を挿入したことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の絞り位置測定装置。
- 前記第1検出手段が前記第2検出手段を兼ねていることを特徴とする請求項3乃至8のいずれか1項に記載の絞り位置測定装置。
- レンズと、前記レンズを保持する鏡枠と、を有するレンズユニットに対して、光学絞りを位置決めする光学絞りの位置決め方法において、
前記レンズユニットのレンズに該レンズの光軸に平行な平行光を入射して集光スポットを形成するステップと、
前記レンズユニットに対して、前記光学絞りを仮決めするように保持するステップと、
前記光学絞りの中心位置を検出するステップと、
前記集光スポットの位置に対して、前記光学絞りの中心位置が合致するように、前記光学絞りを変位させるステップと、
前記集光スポットの位置に対して、前記光学絞りの中心位置が合致したら、前記光学絞りを前記レンズユニットに固定するステップと、を有することを特徴とする絞り位置決め方法。 - 前記光学絞りの中心位置を検出するステップは、前記光学絞りの内径形状から幾何学的に中心位置を求めることを特徴とする請求項10に記載の絞り位置決め方法。
- レンズと、前記レンズを保持する鏡枠とを有するレンズユニットに対して、光学絞りを位置決めする光学絞りの位置決め装置において、
少なくとも一部が光を透過可能な素材からなり、前記レンズユニットを支持する支持台と、
前記レンズユニットに対して、前記光学絞りを仮決めするように保持する保持部材と、
前記レンズユニットに向けて該レンズユニットのレンズ光軸に平行な平行光を照射する光照射装置と、
前記平行光が前記レンズユニットのレンズを透過したときに形成される集光スポットの位置を検出する第1検出手段と、
前記光学絞りの中心位置を検出する第2検出手段と、
検出された前記集光スポットの位置と前記光学絞りの中心位置とのズレ量が小さくなるように、前記光学絞りと共に前記保持部材を変位させる駆動装置と、を有することを特徴とする絞り位置決め装置。 - 前記第1検出手段又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に相対的に移動させるZ方向移動ステージを有することを特徴とする請求項12に記載の絞り位置決め装置。
- 前記第1検出手段又は前記第2検出手段と前記支持台とを、前記平行光の出射方向に直交する方向に相対的に移動させるXY方向移動ステージと、前記XY方向移動ステージの移動量を検出する移動量検出手段とを有することを特徴とする請求項12又は13に記載の絞り位置決め装置。
- 前記平行光の出射方向に対して、前記光源と前記支持台とを相対的に傾けるチルトステージを有することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の絞り位置決め装置。
- 前記平行光と前記支持台との相対的な傾きを検出する傾き検出手段を有することを特徴とする請求項15に記載の絞り位置決め装置。
- 前記第1検出手段と前記支持台との間に減光部材を挿入したことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の絞り位置決め装置。
- 前記第1検出手段が前記第2検出手段を兼ねていることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の絞り位置決め装置。
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