JPWO2011162360A1 - 眼洗浄器具および眼洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

角膜だけでなく結膜も確実に洗浄することができ、迅速な眼球洗浄治療を可能とする眼洗浄装置を提供する。眼洗浄装置は、瞼を開かせるための眼洗浄器具20と、眼洗浄器具20に送水するための第1ホース部30および第2ホース部40と、洗浄液を眼洗浄器具20へ送る2台の加圧バッグとを備えている。眼洗浄器具20には一対の当接部22が設けられ、当接部22は、支持部221と、瞼の内側へ挿入されて結膜に向けて洗浄液を吐出する結膜洗浄部222と、角膜に向けて洗浄液を吐出する角膜洗浄部231とから形成されている。支持部221により開瞼状態とし、結膜洗浄部222により結膜を洗浄しつつ、角膜洗浄部231により同時に角膜を洗浄することができる。結膜洗浄部222と角膜洗浄部231とは別々の洗浄液を吐出させることができ、送水圧力も加圧バッグにより調整することができる。

Description

本発明は、眼の洗浄を簡単に、かつ確実に行うことができる医療における眼洗浄器具および眼洗浄装置に関するものである。
医療現場において、有機溶剤や危険物質、固体物質等の異物が侵入付着した眼球を洗浄するときには、患者に眼を開けさせ、洗浄液を吐出する洗浄管を眼球前に位置させ、洗浄管から吐出させた洗浄液を眼球表面に連続的に流入、滴下させ、角膜などに付着した異物を洗い流す。このような従来の洗浄方法以外に、眼洗浄装置として、特許文献1〜3に記載されたものが知られている。
特許文献1には、目の洗浄液が充填され、かつ口部が盲蓋で密封されている開封可能な複数の軟質合成樹脂製使い捨て容器と、カップの内部に開口された液噴射穴に連なり下方に向かって延出され、基部が盲蓋の除去後の容器の口部と略緊密状態に挿入嵌合されるストローを備えた洗浄液受けカップとからなる目洗浄器が記載されている。
特許文献2には、横方向へ噴射ノズルが突出した液体噴出手段付きの容器と、この容器の上部側面へ装着させた受液ボールとからなる洗顔容器が記載されている。
特許文献3には、下端部に設けられたつまみ部と、眼の周囲に適合する形状をなす当接縁部と、つまみ部から当接縁部まで連続的にまたは段階的に径を拡げるように延びた洗眼液の貯留部とを備えたカップ状に形成された弾性材料製の洗眼器が記載されている。
特開2000−342649号公報 特開2005−21253号公報 特開2007−282872号公報
しかし、洗浄液を吐出する洗浄管を眼球前に位置させて眼球を洗浄する従来の洗浄方法では、洗浄中に患者は動くことができず、開瞼状態の患者の顔が少しでも揺れ、洗浄管との位置がずれると、洗浄液が眼から外れるおそれがある。従って、眼に連続的に安定して洗浄液を当てることができない。
特許文献1〜3に記載された従来の眼洗浄装置は、家庭で使用されるものなので、医療用としては問題がある。特許文献1に記載の目洗浄器では、洗浄液受けカップを目に当て、洗浄液受けカップの底部に設けられた液噴射穴より洗浄液を噴射させて目を洗浄するので、洗浄中は開瞼器等を使用して強制的に開瞼状態を持続させていなければ洗浄できない。更に、特許文献2に記載の洗眼容器や,特許文献3に記載の洗眼器では、カップ状の容器に貯留された洗浄液によって眼を洗浄するので、常に清潔な洗浄液で眼が洗浄される訳ではない。従って、洗い流された薬品や汚物で汚れた洗浄液で、再度、眼を洗浄することになるので、連続的に清潔な洗浄液での洗浄ができない。
加えて、これらの洗浄装置では眼の表面洗浄(角膜部分の洗浄)はある程度達成できるが、瞼に覆われる結膜部分の洗浄は極めて不十分となる。この理由は眼球表面のみに洗浄液を供給すると、結膜部分といった、狭く、洗浄液が浸入しにくい部位には洗浄液が十分に流入しないためである。従って、固体の異物や、消石灰といった洗浄液に不溶性の若しくは極めて溶解度が低く溶けにくい物質については、洗浄液による物理的力(力学的)により除去する必要があり、そのためには、一定以上の流入速度(力学的な力)により、これらの異物を除去する手段が必要であるが、従来の装置ではこれを十分に達成することは困難である。
そこで本発明は、洗浄液を連続的に眼に吐出させることで、眼を確実に洗浄することができ、迅速な眼球洗浄治療を可能とする眼洗浄器具および眼洗浄装置を提供することを目的とする。
また、確実に開瞼した状態を保ち、かつ確実に洗浄液を洗浄対象となる眼球部に供給しうる眼洗浄器具および眼洗浄装置を提供することを目的とする。
更に、角膜部位は勿論のこと結膜部位といった狭く、従来の洗浄方法では洗浄液が侵入し難く、その結果異物洗浄・除去が困難な部位に侵入した異物や薬品等でも効率的に洗浄除去することを可能とする眼洗浄器具および洗浄装置を提供することも目的とする。
本発明の眼洗浄器具の第1の構成は、瞼を開瞼状態にする開眼機能と、洗浄液を眼部に導入し眼を洗浄する洗眼機能とを同時に備えた眼洗浄器具である。詳しくは、開瞼機能と洗眼機能が一体化した眼洗浄器具である。
この場合、前記開眼機能は、上眼瞼および下眼瞼を開瞼状態とする一対の支持体により達成され、前記洗眼機能は、開瞼状態となった眼に洗浄液を吐出する洗浄体により達成される。
そして、中空構造とした支持体に、吐出口を備えた洗浄体を設け、支持体が洗浄体も兼ねることで、支持体と洗浄体とを一体型とすることもできる。
第1の構成によれば、一対の支持体より上下瞼を開瞼状態とし、その状態で支持体に付設された洗浄体の洗浄部にある吐出口により洗浄液を吐出させて洗浄することにより、患者が洗浄中に動いても、眼に設置された眼洗浄器具がずれたり、外れたりすることがないので、確実に洗浄液を眼に送液することができる。同時に、洗浄液は、連続的に供給されることから、洗浄に使用された洗浄物質を含む洗浄液は洗浄部分である眼に滞留することはなく、その結果、衛生的な眼洗浄が可能となる。この場合、支持体を中空構造とし。支持体に吐出口を備えた洗浄部を設けることで、支持体が洗浄体も兼ねる、一体型とすることもできる。
前記洗浄体を吐出口の向きと位置を調整した構造にすることで、角膜洗浄または結膜洗浄も可能となる洗浄部を設けることが可能である。更には、同時に吐出口の向きと位置を角膜側および結膜側の双方に調整することで、角膜および結膜を同時に洗浄することもできる。
この場合、支持体に洗浄体が接合され一体化し、支持体の支持部に洗浄体の洗浄部が敷設された眼洗浄器具の場合に、より有効に結膜および/または角膜を洗浄するには、支持体の支持部は恒常的な開瞼を十分に達成でき、かつ洗浄を可能な限り妨げない目的でその太さを可能な限り細くすることが好ましい。
本発明における眼洗浄器の第2の構成においては、一対の支持体のそれぞれの支持部が洗浄部を兼ねる眼洗浄器具とすることが可能である。該眼洗浄器具では支持体の支持部に設けられた吐出口から洗浄液が吐出され、連続的に洗浄液を供給することで、連続的に洗浄液は吐出口から放出され、この結果、連続的に眼洗浄がなされる。
開瞼状態とする一対の支持体を、開瞼調整部に連結して開瞼度合いが調整可能なものとしたり、一端が開いた略楕円形状の洗浄管で形成することで開瞼度合いが固定的となるものとしたりすることができる。
この場合、支持体(洗浄体も兼ねる)の洗浄部の吐出口の位置と方向を調整することで、角膜および/または結膜の洗浄が可能となる。
つまり、支持体(洗浄体も兼ねる)に設けられた洗浄部の吐出口が、結膜部分に放出されるように設計することで、主に結膜を洗浄することができるが、この場合には結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。また、洗浄部の吐出口が、角膜部分に放出されるように設計することで、主に角膜を洗浄することができる。
更に洗浄部の吐出口が、結膜部分と角膜部分の双方に放出されるように設計することで、結膜および角膜を同時に洗浄することができる。第2の構成の眼洗浄器具において、結膜と角膜を同時に洗浄するように、吐出口が設けられていれば、結膜部分に放出する洗浄液量(流量、もしくは角膜部分に放出される流量との比)は、結膜への放出の際に生じる液抵抗と角膜放出に際して生じる液抵抗を考慮して、結膜洗浄部の吐出口の面積と角膜洗浄部の吐出口の面積等を調節することで、洗浄液の結膜側への吐出量と角膜側への吐出口量の比率を調節することができる。
一般的には、結膜側に放出する際の液抵抗が、角膜側に放出する際の液抵抗より大きくなることから、結膜側吐出口の液抵抗を、角膜側吐出口の液抵抗より小さくすることで、液の流量バランスを調整することができる。
本発明の洗浄器具の第3の構成は、支持体の支持部に洗浄体の洗浄部が接合・付設された第1の構成において、支持体を中空構造とし、支持部に洗浄液吐出口を設けた洗浄部(結膜洗浄部)を備えている。該支持部に設けられた洗浄部の吐出口から放出される洗浄液は開瞼状態にて結膜に放出され、洗浄液を連続的に供給することで、連続的に結膜洗浄をする。一方、洗浄体に連続的に洗浄液を供給することで吐出口を設けた洗浄部から、角膜へ洗浄液は放出され角膜を洗浄する。
この結果、角膜洗浄部の吐出口および結膜洗浄部の吐出口より、開瞼状態で、連続的に洗浄液が供給され、この結果、連続的に洗浄液の供給と洗浄に使用された洗浄後の液の排出がなされ、常時、新しい洗浄液により角膜を連続的に洗浄することができる。これにより、結膜だけでなく角膜も同時に効率的かつ衛生的に洗浄することができ、結膜を洗浄した洗浄液により角膜が汚染されてしまうことを防止することができる。
本発明の洗浄器具の第4の構成は、前記角膜洗浄部の吐出口が、前記支持部の上眼瞼および下眼瞼の縁部にそれぞれ当接して保持する位置に合わせて配置されているものとする。開瞼状態の眼を観察したり施術したりする際に、角膜洗浄部の吐出口が開瞼状態の眼の中央に位置していれば、洗浄液を角膜に向けて吐出させることはできるが、角膜洗浄部が角膜の状態や瞼の縁部の状態などを観察するときの邪魔になる。第4の構成によれば、角膜洗浄部の吐出口が、支持体の支持部が保持する位置に合わせて配置されているので、吐出口の位置は瞼の縁部に位置するので眼球前面全体の観察に邪魔にならない。
本発明の洗浄器具の第5の構成は、支持体に設けられた、前記結膜洗浄部は、眼の左右方向に延びる洗浄管により形成され、軸線に沿って洗浄液を吐出する吐出口が瞼奥側方向に向けて1以上設けられている。
第5の構成によれば、更に、結膜洗浄部が、眼の左右方向に延びる洗浄管により形成されていることにより、眼球の球面や瞼の内側面に対して当たる面積が広いので、傷を付けにくい。
本発明の洗浄器具は、上記した第1乃至第5の構成の1乃至複数の構成が組み合わされた洗浄器具であっても差し支えない。
本発明の眼洗浄装置は、結膜洗浄部および/または角膜洗浄部を備えた眼洗浄器具と、前記結膜洗浄部へ洗浄液を送液する送液部を備えた眼洗浄装置である。ここにおいて、送液部は、貯留部、洗浄液を該洗浄器具に送液する送液手段、洗浄液を洗浄器具に送液するための送液管および送液量を調節する流量調節手段により構成される。
本発明でいう貯留部とは、眼洗浄に供する洗浄液を貯留するものであり、具体的には、点滴等により人体に液体薬剤を投入する際に用いられる、樹脂性のバッグ(袋)、樹脂製の加圧バッグ、金属製のタンク、樹脂製ボトル、ガラス瓶等が例示され、洗浄液を一定量貯留することが可能な容器であれば特に限定されない。ただし、容器材質が容器と洗浄液との接触により腐食若しくは腐食の恐れがある材質や、樹脂等における可塑剤が洗浄液との接触等により溶出する材質は好ましくない。
また、本発明でいう送液手段とは、液洗浄部から、送液管を介して洗浄部へ送液する際の手段若しくは動力であり、貯留部の洗浄液を洗浄器具に送液できる手段であればいかなる手段を用いても差し支えないが、具体的には、貯留部を洗浄の対象となる眼の位置よりも一定の高さの高い位置に設置する、所謂位置エネルギー、貯留部に一定の背圧をかけ、容器内と吐出口との圧力差による所謂差圧やポンプ動力による送液手段が例示される。
位置エネルギーを送液手段とした場合には、一般的にはその位置エネルギー差(対象とする眼の洗浄に用いる洗浄部の吐出口の位置と貯留部に貯留された洗浄液の液面との高低差を意味する。)を送液の動力とする。その高低差は貯留部に貯留された眼洗浄液が洗浄器具の洗浄部の吐出口から所望の流量で排出されるに足る高低差であれば特に限定されることはないが、好ましくは7m以内、更に好ましくは5m以内が推奨される。また、ある程度の高低差が必要なことから、0.3m以上好ましくは0.5m以上が推奨される。当然のことながら貯留部の洗浄液の液面が洗浄器具の吐出口面より高くする。余りに位置エネルギー差(高低差)が大きい場合には、洗浄液が洗浄部の吐出口から急激かつ過剰に排出され、その排出液圧により正常対象の眼を傷めたり、急激に貯留部の液量が減少し、頻繁な洗浄液の追加が必要となったりする。また、実際に洗浄行為を行う施設(特に天井の高さ)を考慮した場合には実施しにくくなる。また、余りに高低差(位置エネルギー差)が小さい場合には、吐出口や、送液管等の抵抗により、充分に洗浄液が吐出口より放出されない恐れがある。
送液手段として、本発明では背圧を用いることもできる。具体的には密閉された容器からなる貯留部に、大気圧(通常、洗浄部吐出口は大気圧)より大きな圧力を背圧としてかけ、背圧と大気圧との圧力差を動力として送液する手段である。通常、大気圧との圧力差は、70kPa以下、好ましくは50kPa以下が推奨される。余りに、高い背圧をかけると、洗浄部の吐出口から急激に、高い線速度で洗浄液が吐出され、洗浄の対象となる、角膜、結膜等を傷める恐れがある。また、余りに大気圧との差の小さい背圧をかけた場合には吐出口や、送液管等の抵抗により、充分に洗浄液が吐出口より放出されない恐れがある。
ここで、上記したように、背圧をかける際には、一定圧、もしくは、可変的に背圧をかける必要があるために、背圧を調節する必要がある。背圧を調節する手段としては、例えば、ボンベやコンプレッサー等から供給される気体により背圧をかける際には、貯留部気体導入口前に二次圧調圧弁を設置する方法が一般的である。その他としては、貯留部にパージ弁を設置し、一定圧以上において、背圧をかけるために導入する気体をパージすることで一定圧に保つ方法も採用される。
本発明において、背圧を掛ける手段として具体的に例示すれば、貯留部である容器内に一定圧力の気体を導入することや、貯留部である容器をシリンダ状とし、貯留容器中の洗浄液面に一定の荷重をかける等の方法が用いられる。この場合、荷重をかける物体とシリンダ壁面との接触面から、洗浄液が漏れないように、シール材により密閉性を保持する必要がある。また、かける背圧の大きさは、液面にかける荷重の大きさにより決定される。
背圧を掛ける手段として、加圧気体を用いた場合、使用する気体としては、空気が推奨される。この理由は万が一、貯留部としての容器中の貯留された洗浄液が、すべて使用されて空になった場合には、背圧に使用された気体が、配管を通して貯留部の容器から眼洗浄部にある吐出口から排出される。その時、気体が、空気でなく窒素、アルゴン等の不活性気体あるいは酸素を含有しない気体では眼を洗浄しようとする対象者の顔面に当該気体が放出され患者が息苦しく感じる恐れがあるためである。
また、このように加圧気体による背圧を送液手段とする場合には上記したように、貯留部に貯留された洗浄液が枯渇した際には、背圧に用いた加圧気体が直接、洗浄部の吐出口から吐出する恐れがあり、洗浄対象となる眼や洗浄対象の人体に悪影響を及ぼす可能性があることから、これを防止するために、貯留部である洗浄液を入れた容器の液面を感知する液面センサを設けて、一定液面に低下した際に、アラームおよび/または送液遮断の機能(アラームおよび/またはシャットダウンシーケンス)を備えることも、安全面の観点から推奨される。これらのシーケンスは、上記の位置エネルギーを動力とする送液部に適用することも差し支えない。
同様に本発明においては、送液手段として、ポンプを用いることも推奨される。送液手段としてのポンプは、上記貯留部と本発明の洗浄器具との間に設置される。貯留部とポンプ、およびポンプと眼洗浄器具との間はそれぞれ送液管で連結される。
本発明に用いられるポンプとしては、液を所定の範囲の流量で搬送することのできるポンプであれば、いずれのポンプを使用することもできる。実施し易いポンプとして具体的に例示すれば、プランジャタイプのポンプや一般的にはペリスタポンプといわれるチューブポンプなどが例示される。
本発明装置においては送液部に流量調節手段を付帯させることも推奨される。流量調節手段を付帯することで、洗浄の対象となる眼の薬傷の程度や不純物の狭雑の程度等に応じて、洗浄液量を調節することが可能となり、効率よい眼の洗浄が状況に応じて達成することが可能となる。
特に、後記するように独立した複数の系統の洗浄部からなる洗浄装置では、対象となる部位(たとえば眼の上部と下部、上結膜部と下結膜部、結膜部と角膜部といった部位)に各々、独立的に所望の洗浄液が送液され、より効率的な眼洗浄が可能となる。
本発明における流量調節手段は、上記、貯留部および送液手段により送液され、各洗浄部の吐出口から吐出される洗浄液の液流量を調節・制御するものであり、液流量を調節可能な器材であればいかなる器材を用いても差し支えないが、具体的には、例えば送液手段として位置ポテンシャルエネルギーや、背圧による動力により送液する際には、流量調節ニードルバルブ(バルブの開度により流量調節)やマスフローコントロールバルブを用いることもできる、また、シリコーンチューブ等といった、柔らかいチューブを送液管として使用した場合には、スクリューコック等で、該チューブを挟み、その締付具ワイヤにより、チューブの開度を調節することでも流量を調節することができる。
また、送液手段として、その送液の動力が位置(ポテンシャルエネルギー差)である場合には、そのポテンシャルエネルギー差によっても流量を調節することができる。具体的には流量を大きくするには、貯留部の液面を高くし、洗浄部の吐出口部分との高低差を大きくすれば、液流量を増大することが出来る。当然、該高低差を小さくすることで液流量を低下することもできる。同様に、送液手段としての送液の動力が貯留部の洗浄液に背圧をかける場合には、背圧を大きくすることで流量を増大させ、該背圧を小さくすることで流量を低下させることができる。
同様に背圧を動力とした場合にもその背圧の調整によっても流量を調節することができる。更には、背圧と流量調節手段としてのニードルバルブやマスフローコントロールバルブにより送液量を調節する際には、背圧を一定に保つことが、安定な流量調節のためには好ましい。
また、プランジャタイプのポンプやチューブポンプを送液部として用いた場合には、ポンプ自体が流量調節機能を有しており、送液部と流量調節部を兼ねることができる。
流量調節に関しては、これらの流量調節手段を複数組み合わせることもできる。
しかしながら、例えばプランジャーポンプを用いて、送液動力と、流量調節を兼ねさせた場合には、洗浄液貯留部を背圧や、位置エネルギー差により、洗浄部吐出口に対して、洗浄液の貯留部が高い圧力となった場合には、プランジャーポンプの構造上、ポンプの流量調節機能は働かず、その圧力差(位置エネルギー差や背圧差)による流量調節機能しか果たされないことに注意すべきである。
流量調節手段には、実際の送液流量を確認するためにフローメーター(流量計)を流量調節手段と眼洗浄器との間に設置することも推奨される。これにより、実際の流量を直接確認することができる。
流量計としては、実際の流量が示されるものであれば、いかなる流量計であっても差し支えないが、具体的には、フロート式の流量計やマスフローを感知し示されるデジタル式の流量計等が例示される。特に、マスフローコントロールバルブ等の流量調節器では、流量を示すインジケーターが併設されている場合がある。
本発明では、これらの貯留部、送液手段、流量調節手段からなる送液部と洗浄器具とは送液管により連結される。更に、それぞれ設置された貯留部、送液手段、流量調節手段の間も送液管により連結されている。洗浄液はこれらの送液管を通じて洗浄器具に供給され、眼洗浄が行われる。
本発明に用いる送液管としては、液を輸送できる管であれば如何なる材質の管を用いることができるが、洗浄液により腐食する材質、洗浄液により有害物が溶出する材質を使用することは避けるべきである。具体的にはシリコーン、テフロン(登録商標)、ステンレス、バイトン(登録商標:フッ素系ゴム)等の材質が推奨される。
また、貯留部から流量調節手段(流量計が設置されている場合は流量計までを含む)は硬質の曲げやたわみ等の変形をもたらさない硬質の固定配管にて連結してもよいが、これ以降の洗浄器具までの下流側の送液管については、送液管が容易に曲がる、たわむ等フレキシブルなチューブであることが好ましい。この理由は、当該送液部と洗浄器具を連結した際に、眼洗浄対象者に本発明の眼洗浄器具を装着し、流量調節手段からの配管(送液管)を連結した場合、当該配管がフレキシブルな配管でないと、眼洗浄対象者が動く等により、洗浄器具にテンションがかかり、装着した洗浄器具が眼から外れる恐れがあるためである。
この観点から、フレキシブルなチューブとしては、上記材質面も考慮し、シリコーンチューブ、テフロンフレキシブルチューブ、バイトンチューブなどが推奨される。また、ステンレスのフレキシブルチューブも使用することができる。
本発明の眼洗浄装置は、単一の送液部により洗浄液を洗浄器具の各洗浄部に送液することができる装置であり、更には、複数の送液部により、それぞれ独立した送液系により、複数の洗浄部に対応させ、洗浄液を送液する眼洗浄装置も本発明でいう眼洗浄装置ともなる。
例えば、単一の送液による眼洗浄装置では、一対の洗浄体から構成される洗浄器具への送液は、流量調節手段(流量計を設置した場合は流量計)を通して、流れる洗浄液を、それぞれの洗浄器具へ供給するために、フレキシブルなチューブを2つに分岐させることで供給可能となる。
また、同様に一対の支持体を兼ねる結膜洗浄部と一対の支持体に沿って設置された洗浄体の角膜洗浄部に洗浄液を供給する際は、各々の角膜洗浄部の受け入れ口の数だけ分岐させてフレキシブルなチューブ等で接続して洗浄液を供給する。
ここにおいて、単一の送液部により洗浄液を複数の洗浄部に送液する場合には、各洗浄部に設置された位置による抵抗や、重力による抵抗等により、均等に洗浄液を各洗浄部に供給することが困難な場合がある。
このような場合には、たとえば角膜洗浄部と結膜洗浄部とを独立した送液部により洗浄液を独立して送液することが推奨される。この理由は、角膜洗浄部と結膜洗浄部の個々の吐出口の形態や、結膜部と角膜部の抵抗の違い等により、単一の送液部により洗浄液を供給した場合に抵抗の大きい洗浄部の吐出口からの洗浄液の吐出量が極端に低下し、洗浄液による洗浄効果が不均衡になり、結膜部の洗浄効果が低下する恐れがあるためである。
具体的には、角膜洗浄部の吐出口では殆ど配管抵抗のみの抵抗を受けるだけであるが、結膜洗浄部側での吐出口では、これらの抵抗に加えて、狭い結膜部分と接している等、結膜部分の抵抗も受ける、また、結膜洗浄部にある吐出口の断面積を角膜洗浄部の吐出口の断面積に比較して、小さくすれば更に、抵抗が大きくなり、大部分の洗浄液は角膜洗浄部に供給され、抵抗が大きくなる。
このような場合、各々、独立した送液部により、それぞれ上下一対の角膜洗浄部に第1の送液部から一定の流量に設定された洗浄液を供給し、上下一対の結膜洗浄部に第2の送液部から一定の流量に設定された洗浄液を供給することで、上記のような問題点は解決され、それぞれの洗浄部に所望量の洗浄液を送液し、効率よく眼の洗浄が実施される。
また、仮に、単一の送液系でバランスよく夫々の洗浄部に洗浄液が供給されることが達成されたとしても、例えば眼の各部分の汚染状況等によっては、汚染の大きな部位に、より多くの洗浄液を供給するといったような、必要に応じて各洗浄部への洗浄液の流量を変え供給することが好ましい場合がある。
更には、本発明の眼洗浄装置において、眼洗浄器具が支持体(洗浄部を有する支持体も含む)および洗浄体がそれぞれ上下一対により構成されている場合には、一方の洗浄体と他方の洗浄体とが眼の構造や位置エネルギーの差によって受ける抵抗の違いが、洗浄液の流量に影響する場合がある。同様の理由によって一方の洗浄部を有する支持体と他方の支持体においても抵抗の違いが生じる場合がある。
このような場合には、一方の洗浄体(具体的には一対の洗浄体のうち、上部の洗浄体)へそれぞれ独立した第1の送液部によって、他方の洗浄体(具体的には一対の洗浄体のうち、下部の洗浄体)へ第2の送液部によってそれぞれの洗浄体の洗浄部へ洗浄液を供給することができる。この場合において、支持部にも一対の洗浄部を有している眼洗浄器具や、一対の支持体が一対の洗浄体も兼ねる場合も、同様に一方の洗浄部それぞれ独立した送液部によってそれぞれの支持体の洗浄部に個々に洗浄液を供給することができる。
具体的には、一対の角膜洗浄体と一対の結膜洗浄部を有する支持体からなる洗浄器具への送液部をそれぞれ独立した第1から第4の送液部により個別に各角膜洗浄体および結膜洗浄部に洗浄液を供給することも本発明の眼洗浄装置の一つとなる。
また、比較的、管抵抗以外に大きな抵抗を受けない角膜洗浄部には第1の送液部により、比較的、管抵抗以外にも抵抗を受けやすい一対の支持体の洗浄部に対しては、一方の支持体の洗浄部には第2の送液部により、他方の支持体の洗浄部には第3の送液部により洗浄液を供給する眼洗浄装置も、本発明でいう洗浄装置の一つである。
ここにおいて、本発明でいう独立した送液部とは、送液部を構成する、洗浄液貯留部、位置エネルギー差、背圧やポンプ等の送液手段および流量調節手段を含めた送液部としてそれぞれ独立した送液部であることも意味するが、このような送液部構成のみを意味するものではなく、送液手段および貯留部については、必ずしも独立させることはなく、総ての送液系に対して1つの貯留部または複数の送液系を1つの貯留部が兼ねていても、流量調節手段(流量計を設置した場合は流量計も含める)およびそれ以降の配管がそれぞれ個々に独立している場合も意味する。
この理由は、上記の説明を鑑み、眼洗浄器具の個々の部位にそれぞれ独立して流量を調節した洗浄液を供給することで、上記したように独立した洗浄液の供給系統を構築することができるためである。
本発明に使用する洗浄液は、眼を含めた人体組織・器官に対して有害でなく、かつ汚染物質を洗い流せる液体であれば如何なる液体も使用することができる。洗浄液は、一般的には生理食塩水、無菌の純水、水道水などが例示されるが、無菌水に無機塩等が添加された緩衝液である例えば千寿製薬社製のオペガード(登録商標)やアルコン社製のオキシグルタチオン眼灌流・洗浄液が挙げられる。
また、本発明の眼洗浄において洗浄に供する洗浄液量(供給速度)は、眼の薬物混入等の状態により1時間当たり250mL〜5Lの洗浄液量が推奨され、好ましくは500mL〜2.5Lの洗浄液量が推奨される。無論、前記の洗浄液量に豪邸することなく薬物や異物の混入量や混入程度により、適宜流量(供給速度を)調節して供給することが推奨される。
本発明は、支持部により開瞼状態とした眼に洗浄部が十分な量の洗浄水を供給するので、眼に衛生的な洗浄水を連続的に吐出させることができる。従って、本発明は、眼を確実に洗浄することができ、迅速な眼球洗浄治療が可能である。
本発明の実施の形態1に係る眼洗浄装置を示す図である。 図1に示す眼洗浄装置の眼洗浄器具を示す拡大図である。 図2に示す眼洗浄器具の上眼瞼用の支持部および洗浄体を示す平面図である。 図2に示す眼洗浄器具の先端部を示す斜視図である。 (A)〜(D)は、図2に示す眼洗浄器具と送液部との接続形態を示す図である。 図2に示す開瞼器の使用状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る眼洗浄器具を示す図である。 本発明の実施の形態2の変形例に係る眼洗浄器具を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る眼洗浄器具を示す図である。 図9に示す眼洗浄器具の先端部を示す斜視図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る眼洗浄装置を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態に係る眼洗浄装置は、本発明においての例示であり、この図面に示されたもののみに限定されるものではない。
図1に示すように、眼洗浄装置10は、瞼を開かせて洗浄するための眼洗浄器具20と、眼洗浄器具20に送液するための送液部30とを備えている。
図2から図4に示すように、眼洗浄器具20は、開瞼度合いが調整できる開瞼調整部21と、開瞼調整部21のそれぞれの先端に設けられ、瞼に接触する一対の当接部22とを備えている。眼洗浄器具20は、例えば材質として、ステンレス、チタン、プラスチック等の薬剤に対する耐腐食性材質が好ましい。更には、生体適合性材質であることが好ましい。
また、眼洗浄器具20は、例えば、眼球を十分開瞼眼させ、その状態に保持することが可能であり、かつ、結膜内に保持される部分を有する形状が好ましい。例えば、眼洗浄器具20は、種々の開瞼眼器が有する形状であることが好ましい。
開瞼調整部21は、コ字状に形成された本体部211の基端部211aの中央にねじ212がねじ込まれ、V字状の調整具213の基端部213aにねじ212の先端が固定されていると共に調整具213の先端部213bが本体部211に角度変更自在に取り付けられている。
当接部22は、送液部30から供給される洗浄水を通水する中空構造の洗浄管により形成されている。当接部22は、上眼瞼および下眼瞼を開瞼状態とする開瞼機能を有する一対の支持体221と、開瞼状態となった眼に洗浄液を吐出する洗眼機能を有する一対の洗浄体23とにより形成されている。
一対の支持体221は、上眼瞼用の支持部221aと下眼瞼用の支持部221bとから構成され、眼を洗浄する洗浄体を兼ねる構造である。なお、眼洗浄器具20は、患者に対して左右を入れ替えたときには、上下が反転する。その場合には、上眼瞼用の支持部221aと下眼瞼用の支持部221bとが入れ替わる。
支持部221a,221bには、結膜を洗浄するための洗浄部として機能する結膜洗浄部222が設けられている。
支持部221a,221bは、支持部本体2211と受け部2212とにより形成されている。支持部本体2211は、基端部2211aに送液管が嵌め込まれ接続されていると共に、中央部が本体部211の先端に固定されている。支持部本体2211には、先端部に略U字の受け部2212が眼の幅より少し狭い程度の間隔に合わせて一対設けられている。
結膜洗浄部222は、一対の受け部2212の間に跨り、眼の左右方向に延びる洗浄管の支持部221a,221bに兼ねるように設けられている。この結膜洗浄部222には、洗浄液を吐出する吐出口2221が、瞼内側に挿入されたときに瞼奥側方向に向くように軸線に沿って2つ設けられている。
洗浄体23には、角膜を洗浄する角膜洗浄部231が設けられている。角膜洗浄部231は、支持部本体2211に沿って配置されている。角膜洗浄部231は、基端部2311に送液管が嵌め込まれ接続されていると共に、中央部2312が支持部本体2211に固定され、先端部に吐出口2313が設けられた略L字状の洗浄管により形成されている。角膜洗浄部231の先端の折れ曲がり部分である曲折部2314は、結膜洗浄部222の一対の受け部2212の中間に位置している。角膜洗浄部231の吐出口2313は、支持体221が保持する瞼の縁部の位置に合わせて、受け部2212の先端である円弧部2212aとほぼ同じ位置である。
図1に示す送液部30は、独立した洗浄液の供給系統である第1の送液部30aと第2の送液部30bとを備えている。
第1の送液部30aと第2の送液部30bとは、同じ構成である。第1の送液部30aと第2の送液部30bとは、洗浄液を貯留する貯留部、および洗浄液を該洗浄器具に送液する送液手段として機能する加圧バッグ31と、洗浄液を送液する送液管32と,送液量を調節する流量調節手段として機能するマスターフローコントローラなどの流量調整装置(図示せず)により制御されるバルブ33とを備えている。
加圧バッグ31は、洗浄液を貯留した輸液バッグを内蔵することで、洗浄液を結膜洗浄部222や角膜洗浄部231へそれぞれ送液する。加圧バッグ31には、加圧ゲージ311と圧力調整ダイヤル312が設けられており、洗浄液として輸液バッグに貯留された生理食塩水を送液するための動力となる背圧力を調整することができる。
送液管32は、シリコーンゴムにより形成された3本のホースがY字状の連結具により接続され、洗浄液を開瞼器具20へ送液する。
図1に示す第1の送液部30aの送液管32は、一方の加圧バッグ31と一対の結膜洗浄部222(図2から図3参照)とを接続している。第2の送液部30bの送液管32は、他方の加圧バッグ31と一対の角膜洗浄部231(図2から図4参照)とを接続している。この眼洗浄装置10では、2台の加圧バッグ31を備えていることで、洗浄液供給系を独立した2系統としている。
ここで、洗浄器具20に洗浄液を送液する送液部の様々な接続形態について説明する。 図5(A)に示す眼洗浄装置10aでは、洗浄器具20に対して、1つの送液部30により洗浄液を供給している。この場合、洗浄液を送液する送液管としては4つに分岐する送液管32aが使用され、一対の結膜洗浄部222と一対の角膜洗浄部231との全てに接続される。この眼洗浄装置10aでは、1つの送液部30を備えていればよいのでコストを抑制することができる。
図5(B)に示す眼洗浄装置10bでは、洗浄器具20に対して、2つの独立した送液部30により洗浄液を供給している。この場合、洗浄液を送液する送液管としては、それぞれの送液部30から2つに分岐する送液管32bが使用される。つまり、一方の送液部30(第1の送液部)が、上部の結膜洗浄部222および角膜洗浄部231へ洗浄液を送液し、他方の送液部30(第2の送液部)が、下部の結膜洗浄部222および角膜洗浄部231へ洗浄液を送液している。
図5(B)の例では、送液部30は、結膜洗浄部222および角膜洗浄部231の両方に洗浄液を送液しているが、結膜洗浄部222または角膜洗浄部231のいずれか一方でもよい。この場合、送液管は、2つに分岐するものでなく、ストレート管を使用する。
図5(C)に示す眼洗浄装置10cは、図1に示す眼洗浄装置10cと同じ構成である。つまり、洗浄器具20に対して、一方の送液部30(第1の送液部)が、上下一対の結膜洗浄部222へ洗浄液を送液し、他方の送液部30(第2の送液部)が、上下一対の角膜洗浄部231へ洗浄液を送液している。
図5(D)に示す眼洗浄装置10dは、洗浄器具20に対して、4つの独立した送液部30により洗浄液を供給している。この場合、洗浄液を送液する送液管としては、それぞれの送液部30から分岐しない送液管32c(ストレート管)が使用される。つまり、それぞれの送液部30(第1〜第4の送液部)が、上部の結膜洗浄部222、上部の角膜洗浄部231、下部の結膜洗浄部222、下部の角膜洗浄部231に、独立して洗浄液を送液している。
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る眼洗浄装置の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
まず、加圧バッグ31の送液圧力を、操作パネルを操作して調整する。次に、眼洗浄器具20のねじ212を回転して開瞼調整部21の本体部211の開度を調整する。本体部211を開く場合には、ねじ212が進出するように回転させる。ねじ212の回転に伴ってねじ212の先端に固定された調整具213の基端部213aの位置が本体部211の先端方向へ移動することで、本体部211が開く。
次に、患者の瞼に眼洗浄器具20を当てて配置する。開瞼状態するためには、眼洗浄器具20を患者の眼の位置に合わせて水平方向に配置し、上側に位置した結膜洗浄部222を上眼瞼に、または下側に位置した結膜洗浄部222を下眼瞼の内側に挿入し、受け部2212により瞼の縁部を保持させつつ一方の瞼を開かせ、他方の結膜洗浄部222を他方の瞼の内側に挿入して、他方の受け部2212により瞼の縁部を保持させつつ一方の瞼を開かせる。瞼の開度が少ないとき、または瞼が開き過ぎるときには、眼洗浄器具20のねじ212をいずれかに回転させて調整する。
結膜洗浄部222は、一対の受け部2212に跨り、眼の左右方向に延びるように配置されていることにより、眼球や結膜に対して面で接触するので、瞼の内側に挿入しても眼球や結膜に傷を付けにくい。
眼洗浄器具20の配置が完了すれば、加圧バッグ31を始動して洗浄液を眼洗浄器具20へ送水する。洗浄液は、第1の送液部30aおよび第2の送液部30bのそれぞれの加圧バッグ31から送液管32を介して眼洗浄器具20へ送水される。
第1の送液部30aの送液管32からの洗浄液は、一対の支持体221の支持部本体2211および受け部2212を通過し、結膜洗浄部222へ送液され、吐出口2221から吐出される。吐出口2221は、瞼奥側方向に向けて設けられているので、眼球前面の上部および眼球前面の下部に位置する結膜の奥側までしっかりと洗浄液を到達させることができる。従って、単に眼球前方から洗浄液を滴下したり、噴射したりするだけでは到達しにくい瞼の奥側であっても、洗浄液を到達させることができる。また、浮腫により瞼の内側に凹凸があっても、洗浄液を到達させることができるので、確実に結膜を洗浄することができる。つまり、支持体22に設けられた角膜洗浄部222の吐出口2221が、結膜部分に放出されるように設計されているので、主に結膜を洗浄することができるが、結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。吐出口2221は、瞼奥側方向に向けて設けられているが、軸線に対する吐出角度は瞼奥側方向から上向きとしたり下向きとしたりすることも可能である。
第2の送液部30bの送液管32からの洗浄液は、角膜洗浄部231の基端部2311から管内を通り吐出口2234から吐出される。吐出口2234が結膜洗浄部222の一対の受け部2212の中間に位置することで、吐出された洗浄液はほぼ眼球前面の中央へ円弧を描きながら流水するので、勢いよく付着物などの異物を角膜から排除することができる。
また、角膜洗浄部231の吐出口2234は、受け部2212の円弧部2212aと同じ位置であるため、一対の支持体221により開瞼させたときに、角膜洗浄部231の折れ曲がりの先端部分である先端部2233が眼球の観察や眼球への施術を邪魔しない。従って、洗浄中の患者の眼球や瞼の縁部の様子を洗浄しながら容易に観察することができる。
洗浄液の流量や圧力が適切でない場合には、加圧バッグ31の圧力調整ダイヤル312を回すことで加圧したり減圧したりすることができる。また、2台の加圧バッグ312から結膜洗浄部222や角膜洗浄部231へ別々の洗浄液が供給されるので、2台の加圧バッグ312を個別に調整することで、結膜の洗浄と角膜の洗浄とのそれぞれに好適な調整を行うことができる。例えば、供給系を1系統とすると、瞼内側に挿入されて洗浄液を吐出する結膜洗浄部222は瞼の奥部の狭い空間に洗浄液が吐出されにくいため、結膜洗浄部222と、眼球前方から洗浄液を吐出する角膜洗浄部231との間に液体流出圧等の差が発生し、角膜洗浄部231に洗浄液の供給が偏ってしまう。
本実施の形態では、角膜側供給と結膜側供給とを独立した2系統としているため、角膜洗浄部231からの洗浄液の吐出力を角膜洗浄部231からの洗浄液の吐出力より高くなるように加圧バッグ31を設定することで、洗浄液の供給が一方に偏ることが回避でき、双方に十分な洗浄液を供給することができる。また、洗浄液の供給系統を、2系統とすることにより、各部位における異物の存在程度に応じて、洗浄液量を独立に制御することができ、効率よい洗浄を行うことができる。
また、マスターフローコントローラを調整することで、結膜洗浄部222または角膜洗浄部231への洗浄液の流量を、個別に、増加させたり、減少させたりすることができるので、状況に応じて適切な流量の洗浄液をそれぞれ供給することができる。
更に、一方の加圧バッグ31の輸液バッグと他方の加圧バッグ31の輸液バッグとに貯留される洗浄液として、異なるものとすることができる。例えば、一方には生理食塩水を貯留させ、他方に純水を貯留させることも可能である。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る眼洗浄器具について、図7に基づいて説明する。図7に示す眼洗浄器具60は、一端が開いた略楕円形状の洗浄管により形成され、瞼内側に挿入されて使用されるものである。眼洗浄器具60には、上眼瞼の内側に挿入される上側円弧部60aと、下眼瞼の内側に挿入される下側円弧部60bとが設けられている。上側円弧部60aと下側円弧部60bとがそれぞれ瞼内側に挿入されることで、上側円弧部60aと下側円弧部60bとが一対となって開瞼状態とする支持体として機能すると共に、支持体が眼球を洗浄する洗浄体を兼ねている。
眼洗浄器具60の開いた一端側のそれぞれには、洗浄液を送液する2本の送液管61の一端が接続されている。この送液管61の他端には洗浄液を送るための送液装置(図示せず)が接続されている。この送水装置は、実施の形態1の加圧バッグ31(図1参照)としたり、洗浄液を貯留した容器からポンプにより汲み出して送液する送液装置としたり、様々な送液装置を採用することができる。送液装置は、送液管61を流れる洗浄液の流量や送水圧力が調整できるものが望ましい。
眼洗浄器具60を形成する洗浄管に内部を通水する洗浄液を吐出するための吐出口が設けられていることで、上側円弧部60aと下側円弧部60bとが洗浄部として機能する。
ここで、吐出口について詳細に説明する。上側円弧部60aと下側円弧部60bとの外側面には、軸線に沿って2つの外側吐出口60cが設けられている。この外側吐出口60cは、眼洗浄器具60が瞼内に挿入されたときに、瞼の奥側方向へ吐出することで、眼洗浄器具60の外側面が結膜洗浄部として機能する。
以上のように構成された本発明の実施の形態2に係る眼洗浄器具60の使用状態について、図面に基づいて説明する。
まず、上側円弧部60aまたは下側円弧部60bのいずれか一方を瞼内へ挿入し、奥側へ移動させた後、他方を瞼内へ挿入する。こうするところで患者に負担を掛けずに眼洗浄器具60を装着することができる。眼洗浄器具60が装着された状態では、上側円弧部60aと下側円弧部60bとが瞼の内側に挿入されたことにより、瞼は開瞼状態となる。
眼洗浄器具60を装着すると、図示しない送水装置を作動させて洗浄液を供給する。洗浄液は、送液管32から眼洗浄器具60へ送液される。眼洗浄器具60では、洗浄液が外側吐出口60cから吐出する。
支持体として機能する上側円弧部60aおよび下側円弧部60bに設けられた外側吐出口60cが、結膜部分に放出するように設計されていることで、主に結膜を洗浄することができるが、この場合には結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。外側吐出口60cは、瞼奥側方向に向けて設けられているが、軸線に対する吐出角度は瞼奥側方向から上向きとしたり下向きとしたりすることも可能である。
このように眼洗浄器具60によれば、外側吐出口60cからの洗浄液により洗浄し難い結膜を洗浄することができると共に、角膜を洗浄することができるので、迅速な眼球洗浄治療を可能とすることができる。
なお、本実施の形態2では、上側円弧部60aと下側円弧部60bとがそれぞれ瞼内側に挿入されることで、上側円弧部60aと下側円弧部60bとを開瞼状態とする支持部として機能させているが、更に広く開瞼状態としたい場合には、眼洗浄器具60を、種々の従来の開瞼器(例えば、実施の形態1の眼洗浄器具と同形状のもの)と組み合わせて使用してもよい。
(実施の形態2の変形例)
次に、本発明の実施の形態2に係る眼洗浄器具の変形例について、図8に基づいて説明する。なお、図8においては図7を同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
図8に示す眼洗浄器具60xには、洗浄液を吐出する吐出口が外側吐出口60cだけでなく、上側円弧部60aと下側円弧部60bとの内側面に、軸線に沿って2つの内側吐出口60dが設けられている。
この内側吐出口60dは、眼洗浄器具60xが瞼内に挿入されたときに、瞼の奥側から眼球前部方向へ吐出することで、眼洗浄器具60xの内側面が角膜洗浄部として機能する。
図示しない送水装置を作動させて洗浄液を眼洗浄器具60xへ供給すると、洗浄液は眼洗浄器具60xへ送液される。眼洗浄器具60xでは、洗浄液が外側吐出口60cから吐出すると共に、内側吐出口60dからも吐出する。
内側吐出口60dからの洗浄液は、瞼の奥側から眼球前部方向に向かって吐出されるので、開瞼状態でなくても、角膜を直接、かつ連続して洗浄することができる。
このように眼洗浄器具60xは、簡単な構造ではあるが、洗浄し難い結膜と、開瞼状態でないと洗浄し難い角膜とを、同時に、かつ連続的に洗浄することができる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態2およびその第1変形例では、開瞼を一定の規格のループによって、行っているが、その開瞼の程度を調節した機能とすることもできる。
具体的には、図2および図3に示された眼洗浄器具20において、洗浄体23を省いた器具とし、一対の支持体を眼洗浄器具とした眼洗浄器具である。
この場合、図9および図10に示すように、支持体221の洗浄部221a,221bにはそれぞれ結膜洗浄部222および/または角膜洗浄部223が設けられ、結膜および/または角膜を洗浄する器具である。
角膜洗浄部223の吐出口2231は、結膜洗浄部222の吐出口2221の反対側に設けられており、支持体221が瞼内に挿入されたときに、角膜に向かって洗浄液が吐出される。図9および図10では、支持体221に、結膜洗浄部222と角膜洗浄部223との両方が設けられているが、いずれか一方としてもよい。
このように支持体22に設けられた結膜洗浄部222の吐出口2221が、結膜部分に放出されるように設計することで、主に結膜を洗浄することができるが、この場合には結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。また、角膜洗浄部223の吐出口2231が、角膜部分に放出されるように設計されているので、主に角膜を洗浄することができる。
この実施の形態1の変形例に係る眼洗浄器具によれば、結膜洗浄部222の吐出口2221および角膜洗浄部223の吐出口2231が、結膜部分と角膜部分の双方に放出されるように設計することで、結膜および角膜を同時に洗浄することができる。また、患者等の眼洗浄対象者の眼瞼の大きさや、薬物等の異物の混入程度等により、必要に応じて開瞼状態の中節や、眼瞼の大きさに合わせて装着したり、装着された眼洗浄器具が患者等の眼洗浄対象者の眼瞼から外れにくくしたりする等の効果を得ることができる。
本発明の眼洗浄装置には、結膜や角膜への付着物を除去するときや、洗浄・消毒するときに好適である。
10,10a〜10d 眼洗浄装置
20 眼洗浄器具
21 開瞼調整部
211 本体部
211a 基端部
212 ねじ
213 調整具
213a 基端部
213b 先端部
22 当接部
221 支持体
221a,221b 支持部
2211 支持部本体
2211a 基端部
2212 受け部
2212a 円弧部
222 結膜洗浄部
2221 吐出口
223 角膜洗浄部
2231 吐出口
23 洗浄体
231 角膜洗浄部
2311 基端部
2312 中央部
2313 吐出口
2314 曲折部
30 送液部
30a 第1の送液部
30b 第2の送液部
31 加圧バッグ
311 加圧ゲージ
312 圧力調整ダイヤル
32,32a〜32c 送液管
33 バルブ
60 眼洗浄器具
60a 上側円弧部
60b 下側円弧部
60c 外側吐出口
60d 内側吐出口
61 送液管
送液管32は、シリコーンゴムにより形成された3本のホースがY字状の連結具により接続され、洗浄液を眼洗浄器具20へ送液する。
図1に示す第1の送液部30aの送液管32は、一方の加圧バッグ31と一対の結膜洗浄部222(図2から図3参照)とを接続している。第2の送液部30bの送液管32は、他方の加圧バッグ31と一対の角膜洗浄部231(図2から図4参照)とを接続している。この眼洗浄装置10では、2台の加圧バッグ31を備えていることで、洗浄液供給系を独立した2系統としている。
ここで、洗浄器具20に洗浄液を送液する送液部の様々な接続形態について説明する。 図5(A)に示す眼洗浄装置10aでは、洗浄器具20に対して、1つの送液部30により洗浄液を供給している。この場合、洗浄液を送液する送液管としては4つに分岐する送液管32aが使用され、一対の結膜洗浄部222と一対の角膜洗浄部231との全てに接続される。この眼洗浄装置10aでは、1つの送液部30を備えていればよいのでコストを抑制することができる。
図5(B)に示す眼洗浄装置10bでは、洗浄器具20に対して、2つの独立した送液部30により洗浄液を供給している。この場合、洗浄液を送液する送液管としては、それぞれの送液部30から2つに分岐する送液管32bが使用される。つまり、一方の送液部30(第1の送液部)が、上部の結膜洗浄部222および角膜洗浄部231へ洗浄液を送液し、他方の送液部30(第2の送液部)が、下部の結膜洗浄部222および角膜洗浄部231へ洗浄液を送液している。
図5(B)の例では、送液部30は、結膜洗浄部222および角膜洗浄部231の両方に洗浄液を送液しているが、結膜洗浄部222または角膜洗浄部231のいずれか一方でもよい。この場合、送液管は、2つに分岐するものでなく、ストレート管を使用する。
図5(C)に示す眼洗浄装置10cは、図1に示す眼洗浄装置10と同じ構成である。つまり、洗浄器具20に対して、一方の送液部30(第1の送液部)が、上下一対の結膜洗浄部222へ洗浄液を送液し、他方の送液部30(第2の送液部)が、上下一対の角膜洗浄部231へ洗浄液を送液している。
図5(D)に示す眼洗浄装置10dは、洗浄器具20に対して、4つの独立した送液部30により洗浄液を供給している。この場合、洗浄液を送液する送液管としては、それぞれの送液部30から分岐しない送液管32c(ストレート管)が使用される。つまり、それぞれの送液部30(第1〜第4の送液部)が、上部の結膜洗浄部222、上部の角膜洗浄部231、下部の結膜洗浄部222、下部の角膜洗浄部231に、独立して洗浄液を送液している。
第1の送液部30aの送液管32からの洗浄液は、一対の支持体221の支持部本体2211および受け部2212を通過し、結膜洗浄部222へ送液され、吐出口2221から吐出される。吐出口2221は、瞼奥側方向に向けて設けられているので、眼球前面の上部および眼球前面の下部に位置する結膜の奥側までしっかりと洗浄液を到達させることができる。従って、単に眼球前方から洗浄液を滴下したり、噴射したりするだけでは到達しにくい瞼の奥側であっても、洗浄液を到達させることができる。また、浮腫により瞼の内側に凹凸があっても、洗浄液を到達させることができるので、確実に結膜を洗浄することができる。つまり、支持体22に設けられた結膜洗浄部222の吐出口2221が、結膜部分に放出されるように設計されているので、主に結膜を洗浄することができるが、結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。吐出口2221は、瞼奥側方向に向けて設けられているが、軸線に対する吐出角度は瞼奥側方向から上向きとしたり下向きとしたりすることも可能である。
第2の送液部30bの送液管32からの洗浄液は、角膜洗浄部231の基端部2311から管内を通り吐出口2313から吐出される。吐出口2313が結膜洗浄部222の一対の受け部2212の中間に位置することで、吐出された洗浄液はほぼ眼球前面の中央へ円弧を描きながら流水するので、勢いよく付着物などの異物を角膜から排除することができる。
また、角膜洗浄部231の吐出口2313は、受け部2212の円弧部2212aと同じ位置であるため、一対の支持体221により開瞼させたときに、角膜洗浄部231の折れ曲がりの先端部分である吐出口2313が眼球の観察や眼球への施術を邪魔しない。従って、洗浄中の患者の眼球や瞼の縁部の様子を洗浄しながら容易に観察することができる。
洗浄液の流量や圧力が適切でない場合には、加圧バッグ31の圧力調整ダイヤル312を回すことで加圧したり減圧したりすることができる。また、2台の加圧バッグ31から結膜洗浄部222や角膜洗浄部231へ別々の洗浄液が供給されるので、2台の加圧バッグ31を個別に調整することで、結膜の洗浄と角膜の洗浄とのそれぞれに好適な調整を行うことができる。例えば、供給系を1系統とすると、瞼内側に挿入されて洗浄液を吐出する結膜洗浄部222は瞼の奥部の狭い空間に洗浄液が吐出されにくいため、結膜洗浄部222と、眼球前方から洗浄液を吐出する角膜洗浄部231との間に液体流出圧等の差が発生し、角膜洗浄部231に洗浄液の供給が偏ってしまう。
眼洗浄器具60を装着すると、図示しない送水装置を作動させて洗浄液を供給する。洗浄液は、送液管61から眼洗浄器具60へ送液される。眼洗浄器具60では、洗浄液が外側吐出口60cから吐出する。
支持体として機能する上側円弧部60aおよび下側円弧部60bに設けられた外側吐出口60cが、結膜部分に放出するように設計されていることで、主に結膜を洗浄することができるが、この場合には結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。外側吐出口60cは、瞼奥側方向に向けて設けられているが、軸線に対する吐出角度は瞼奥側方向から上向きとしたり下向きとしたりすることも可能である。
(実施の形態2の変形例)
次に、本発明の実施の形態2に係る眼洗浄器具の変形例について、図8に基づいて説明する。なお、図7においては図6を同じ構成のものは、同符号を付して説明を省略する。
図8に示す眼洗浄器具60xには、洗浄液を吐出する吐出口が外側吐出口60cだけでなく、上側円弧部60aと下側円弧部60bとの内側面に、軸線に沿って2つの内側吐出口60dが設けられている。
この内側吐出口60dは、眼洗浄器具60が瞼内に挿入されたときに、瞼の奥側から眼球前部方向へ吐出することで、眼洗浄器具60の内側面が角膜洗浄部として機能する。
図示しない送水装置を作動させて洗浄液を眼洗浄器具60へ供給すると、洗浄液はから眼洗浄器具60xへ送液される。眼洗浄器具60では、洗浄液が外側吐出口60cから吐出すると共に、内側吐出口60dからも吐出する。
内側吐出口60dからの洗浄液は、瞼の奥側から眼球前部方向に向かって吐出されるので、開瞼状態でなくても、角膜を直接、かつ連続して洗浄することができる。
このように眼洗浄器具60xは、簡単な構造ではあるが、洗浄し難い結膜と、開瞼状態でないと洗浄し難い角膜とを、同時に、かつ連続的に洗浄することができる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態2および第1変形例では、開瞼を一定の規格のループによって、行っているが、その開瞼の程度を調節した機能とすることもできる。
具体的には、図2および図3に示された眼洗浄器具20において、洗浄体23を省いた器具とし、一対の支持体を眼洗浄器具とした眼洗浄器具である。
この場合、図9および図10に示すように、支持体221の支持部221a,221bにはそれぞれ結膜洗浄部222および/または角膜洗浄部223が設けられ、結膜および/または角膜を洗浄する器具である。
角膜洗浄部223の吐出口2231は、結膜洗浄部222の吐出口2221の反対側に設けられており、支持体221が瞼内に挿入されたときに、角膜に向かって洗浄液が吐出される。図9および図10では、支持体221に、結膜洗浄部222と角膜洗浄部223との両方が設けられているが、いずれか一方としてもよい。
このように支持体22に設けられた結膜洗浄部222の吐出口2221が、結膜部分に放出されるように設計することで、主に結膜を洗浄することができるが、この場合には結膜に浸入した洗浄液が眼から排出される際に同時に角膜も洗浄することが可能であり、角膜と結膜が同時に洗浄できる。また、角膜洗浄部223の吐出口2231が、角膜部分に放出されるように設計されているので、主に角膜を洗浄することができる。
10,10a〜10d 眼洗浄装置
20 眼洗浄器具
21 開瞼調整部
211 本体部
211a 基端部
212 ねじ
213 調整具
213a 基端部
213b 先端部
22 当接部
221 支持体
221a,221b 支持部
2211 支持部本体
2211a 基端部
2212 受け部
2212a 円弧部
222 結膜洗浄部
2221 吐出口
223 角膜洗浄部
2231 吐出口
23 洗浄体
231 角膜洗浄部
2311 基端部
2312 中央部
2313 吐出口
2314 曲折部
30 送液部
30a 第1の送液部
30b 第2の送液部
31 加圧バッグ
311 加圧ゲージ
312 圧力調整ダイヤル
32,32a〜32c 送液管
33 バルブ
60,60x 眼洗浄器具
60a 上側円弧部
60b 下側円弧部
60c 外側吐出口
60d 内側吐出口
61 送液管

Claims (11)

  1. 上眼瞼と下眼瞼を開瞼状態に保持する開瞼機能と、洗浄液を眼部に導入し眼を洗浄する洗眼機能を備え、開瞼状態にて眼を洗浄する眼洗浄器具。
  2. 前記開瞼機能は、上眼瞼および下眼瞼を開瞼状態とする一対の支持体により達成され、
    前記洗眼機能は、開瞼状態となった眼に洗浄液を吐出する一対の洗浄体により達成される請求項1記載の眼洗浄器具。
  3. 前記支持体が中空構造を有し、前記洗浄体を兼ねる請求項2記載の目洗浄装置。
  4. 前記洗浄体には、角膜および/または結膜を洗浄するために、洗浄液を吐出する洗浄部が設けられている請求項2または3記載の眼洗浄器具。
  5. 前記一対の支持体と、該一対の支持体にそれぞれ設置された一対の洗浄体からなり、
    該支持体には、結膜を洗浄するための結膜洗浄部が設けられ、
    該洗浄体には、角膜を洗浄する角膜洗浄部が設けられた請求項4記載の眼洗浄装置。
  6. 前記角膜洗浄部の吐出口は、前記支持体の支持部が上眼瞼および下眼瞼の縁部にそれぞれ当接して保持する位置に合わせて配置されている請求項5記載の眼洗浄器具。
  7. 前記結膜洗浄部は、洗浄液を吐出する吐出口が瞼奥側方向に向けて1以上設けられている請求項5または6記載の眼洗浄器具。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの項に記載の眼洗浄器具と、該洗浄器具に洗浄液を送液する送液部を備えた眼洗浄装置であって、該送液部が、洗浄液を貯留する貯留部、洗浄液を該洗浄器具に送液する送液手段、洗浄液を送液する送液管および送液量を調節する流量調節手段により構成される、眼洗浄装置。
  9. 請求項5乃至7のいずれかの項に記載の眼洗浄器具と、該洗浄器具に洗浄液を送液する送液部を備えた眼洗浄装置であって、前記送液部がそれぞれ独立して、上下一対の結膜洗浄部および/または角膜洗浄部に洗浄液を送液する際に、上部の結膜洗浄部および/または角膜洗浄部に洗浄液を送液する第1の送液部と、下部の結膜洗浄部および/または角膜洗浄部に洗浄液を送液する第2の送液部を備えた請求項8記載の眼洗浄装置。
  10. 請求項5乃至7のいずれかの項に記載の眼洗浄器具と、該洗浄器具に洗浄液を送液する送液部を備えた眼洗浄装置であって、前記送液部がそれぞれ独立して、上下一対の角膜洗浄部に洗浄液を送液する第1の送液部と上下一対の結膜洗浄部に洗浄液を送液する第2の送液部とを備えた請求項8記載の眼洗浄装置。
  11. 請求項5乃至7のいずれかの項に記載の眼洗浄器具と、該洗浄器具に洗浄液を送液する送液部を備えた眼洗浄装置であって、前記送液部がそれぞれ独立して、上部の角膜洗浄部に洗浄液を送液する第1の送液部と、下部の角膜洗浄部に洗浄液を送液する第2の送液部と、上部の結膜洗浄部に洗浄液を送液する第3の送液部と、下部の結膜洗浄部に洗浄液を送液する第4の送液部とを備えた請求項8記載の眼洗浄装置。
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