JPWO2011162210A1 - アミノ酸を利用したタンパク質の精製方法 - Google Patents

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Abstract

抗体等のタンパク質の大規模な精製において、経済的であり、かつ高い純度で精製する方法が求められている。本発明は、1以上のクロマトグラフィー工程を含むタンパク質の精製方法であって、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に用いる緩衝液(平衡化緩衝液、洗浄緩衝液及び溶出緩衝液)において、アミノ酸、またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド、ポリアミノ酸を含有することによって、不純物(例えば、重合体量や宿主細胞タンパク質の量)が極めて少ない高い純度でタンパク質を精製する方法に関する。

Description

本発明は一般的なタンパク質の精製に関する。特に、本発明は、抗体のクロマトグラフィー法による精製方法に関する。
遺伝子組み換え技術の発達によって、種々のタンパク質医薬品が供給されるようになった。特に近年は数多くの抗体医薬品が開発および上市されている。また、これらタンパク質医薬品を大規模、かつ経済的に精製することは、バイオ医薬品産業にとってますます重要な問題となっている。
このようなタンパク質医薬品は、一般にその目的タンパク質遺伝子を含むベクターを挿入された組み換え細胞を培養することによって産生される。その培養液には、目的タンパク質の他に、多種多様の培地由来成分や、細胞副生成物等の不純物が含まれているため、医薬品として要求される純度まで分離・精製すること、さらには、上述の大量生産・経済性とを両立させることは、非常に困難かつ、挑戦的である。
目的タンパク質の精製方法は、一般に異なるモードのクロマトグラフィー法の組み合わせで行われる。これらの手法は、例えば、電荷、親水性の程度、又は大きさに基づいてタンパク質混合物を分離する分離法である。いくつかの異なるクロマトグラフィー用樹脂を、これらのそれぞれの手法に使用することができ、特異タンパク質にかかわる精製計画に正確に調整することも可能である。
これらそれぞれの分離法の本質は、より速くカラムを通過するように物理的な分離を増大させることにより、タンパク質が異なる速度比で長いカラムを通過するようにするか、又は、異なる溶媒によって異なる溶出をすることにより、分離媒体に選択的に付着するようにするかのいずれかである。場合によって、不純物が非常に良くカラムに付着し、目的タンパク質が付着しない、つまり、目的タンパク質が「フロースルー(flow−through)」である時に、目的タンパク質が不純物から分離される。
特に、目的タンパク質が、動物細胞を宿主として得られた抗体であるときは、ProteinAまたはProtein GがIgGのFc鎖などの特定部位に結合する性質を利用して、ProteinAまたはProtein Gのアフィニティークロマグラフィー処理を行った後に、陽イオンイオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーまたは混合モードクロマトグラフィー等の組み合わせで、精製し得る。
例えば、哺乳動物細胞培養液から得られた抗体含有水性培地をProteinAまたはProtein Gカラムクロマトグラフィーに適用して抗体をカラムに吸着させ、次いで酸性溶液を用いて抗体を溶出させ、得られた溶出液をイオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除カラムクロマトグラフィーに順次適用して精製することができる(特許文献1)。
また、アミノ酸の一種であるアルギニンをProteinAアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーの緩衝液添加剤として使用し、重合体生成を抑制したという報告がある(非特許文献1及び2)。
日本国特表平5−504579号公報
Protein Expression and Purification 36(2004)244−248 Protein Expression and Purification 54(2007)110−116
しかし、前記クロマトグラフィー条件の設定や、各種クロマトグラフィーの組み合わせ条件の設定は、多くの時間、労力およびコストがかかり、煩雑であり、また医薬品としての要求純度まで精製できる保証もない。
また、非特許文献1及び2に記載の技術は、添加アミノ酸がアルギニンのみ、およびその効果が重合体抑制のみという限られた用法・用途であり、高純度が達成されるタンパク質の精製方法とは言いがたい。
したがって、本発明は、従来の精製方法より、確実に不純物が除去でき、その結果、高純度が達成されるタンパク質の精製方法を提供することを課題とする。また、工業規模の精製においては、コストや労力が大きな問題となり得るため、コストや労力の軽減が可能なタンパク質の精製方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意研究をした結果、驚くべきことに、1以上のクロマトグラフィー工程を含むタンパク質の精製方法において、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に、アミノ酸を含有させることにより、従来の方法より高純度で目的タンパク質を精製できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下(1)〜(16)のとおりである。
(1)1以上のクロマトグラフィー工程を含むタンパク質の精製方法であって、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に、アミノ酸を含むタンパク質の精製方法。
(2)陽イオン交換クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分またはその一部にアミノ酸を含む(1)に記載の精製方法
(3)クロマトグラフィー工程として、さらに、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程、並びに少なくとも陰イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程、混合モードクロマトグラフィー工程から選択されるクロマトグラフィー工程の1以上を含む(2)に記載の精製方法。
(4)陽イオン交換クロマトグラフィー工程を、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に引き続いて行う(2)に記載の精製方法。
(5)陰イオン交換クロマトグラフィー工程を、さらに引き続いて行う(4)に記載の精製方法。
(6)陽イオン交換クロマトグラフィー工程を、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程及び陰イオン交換クロマトグラフィー工程に引き続いて行う(3)に記載の精製方法。
(7)ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に、アミノ酸を含む(4)〜(6)のいずれか1に記載の精製方法。
(8)ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程で使用する緩衝液が、グリシンを緩衝液の成分または、その一部に含む緩衝液である(4)〜(7のいずれか1に記載の精製方法。
(9)陽イオン交換クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸が、グルタミン酸、ヒスチジンおよびグルタミンから選ばれるアミノ酸である(3)〜(8)のいずれか1に記載の精製方法。
(10)ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に使用される緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸が、グリシンおよびスレオニンから選ばれるアミノ酸である(4)〜(9)のいずれか1に記載の精製方法。
(11)ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程において、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーにロードするタンパク質含有試料に塩の添加をすることを含む(4)〜(10)のいずれか1に記載の精製方法。
(12)陽イオン交換クロマトグラフィー工程終了後の精製物における、宿主細胞タンパク質の割合が100ng/mg未満である(2)〜(11)のいずれか1に記載の精製方法。
(13)陽イオン交換クロマトグラフィー工程終了後の精製物における、重合体の割合が1.5%未満である(2)〜(12)のいずれか1に記載の精製方法。
(14)(3)〜(13)のいずれか1に記載の精製方法により精製されたタンパク質を有効成分とする医薬品の製剤処方に含有されるアミノ酸が、(3)〜(13)のいずれか1に記載の陽イオン交換クロマトグラフィー工程で使用された緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸と同じアミノ酸であるタンパク質の精製方法。
(15)クロマトグラフィー工程として、さらに、少なくとも陰イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程および混合モードクロマトグラフィー工程から選択されるクロマトグラフィー工程の1以上を含む(2)に記載の精製方法。
(16)クロマトグラフィー工程として、陰イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程および混合モードクロマトグラフィー工程から選択されるクロマトグラフィー工程を含む(1)に記載の精製方法。
本発明のタンパク質の精製方法により、抗体等の目的タンパク質を精製することにより、精製されたタンパク質に含まれる不純物(例えば、重合体量または宿主細胞タンパク質の量)の量を極めて少なく抑制することができ、高い純度で目的タンパク質を精製することができる。
また、本発明の精製方法によれば、クロマトグラフィー工程に用いる緩衝液成分または、その一部にアミノ酸を含有させることで、高い純度でタンパク質を精製することが可能なため、従来のタンパク質の精製工程における一部の工程を削減できる可能性もあり、その場合はタンパク質精製装置の簡素化、及び収量増大による経済的なメリットも期待される。
図1は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Q Sepharose XL)及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(SP Sepharose FF)を使用した精製における各工程終了後の精製物における重合体割合を示す。縦軸は重合体の割合を示す。 図2は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Q Sepharose XL)及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(SP Sepharose FF)を使用した精製における各工程終了後の精製物における宿主細胞タンパク質の割合を示す。縦軸は宿主細胞タンパク質の割合を示す。 図3は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect SuRe)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Toyopearl Gigacap Q)、及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(Fractogel SE HiCap)を使用した精製における各工程終了後の精製物における重合体の割合を示す。縦軸は重合体の割合を示す。 図4は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect SuRe)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Toyopearl Gigacap Q)、及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(Fractogel SE HiCap)を使用した精製における各工程終了後の精製物における宿主細胞タンパク質の割合を示す。縦軸は宿主細胞タンパク質の割合を示す。 図5は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect SuRe)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Toyopearl Gigacap Q)、及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(Fractogel SE HiCap)を使用した精製における各工程終了後の精製物における重合体の割合を示す。縦軸は重合体の割合を示す。(陰イオン交換クロマトグラフィー工程までは、方法1、2で共通のため重合体の割合は同一である。) 図6は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect SuRe)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Toyopearl Gigacap Q)、及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(SP Sepharose FF)を使用した精製における各工程終了後の精製物における重合体の割合を示す。縦軸は重合体の割合を示す。 図7は、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(MabSelect SuRe)、陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Toyopearl Gigacap Q)、及び陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(SP Sepharose FF)を使用した精製における各工程終了後の精製物における重合体の割合を示す。宿主細胞タンパク質の割合を示す。縦軸は宿主細胞タンパク質の割合を示す。
本発明は、1以上のクロマトグラフィー工程を含むタンパク質の精製方法であって、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液(バッファー)の成分または、その一部に、アミノ酸を含むタンパク質の精製方法に関する。本発明のタンパク質の精製方法は、特にモノクローナル抗体の精製方法として用いることが好ましい。
本発明の精製方法によれば、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液成分または、その一部にアミノ酸を含むことで精製されるタンパク質、特に抗体に含まれる不純物(例えば、重合体量、宿主細胞タンパク質の量)を少なくすることができ、高い純度で目的タンパク質を精製することができる。
本明細書中で使用される用語は、以下の定義を含むものとする。なお、本明細書において、「緩衝液」は、「バッファー」と同義である。
本発明の精製方法により精製される物質は、タンパク質であり、タンパク質の中でも、抗体が好ましく、モノクローナル抗体(マウス、キメラ、ヒト化、ヒト抗体、またはそれらのFc領域等を改変した抗体であってもよい)がより好ましい。
これらのタンパク質を含む試料(以下、タンパク質含有試料ともいう。)としては、例えば、培養上清が挙げられる。培養上清は、例えば、CHO細胞、NS0ミエローマ細胞、ハイブリドーマ細胞または酵母細胞を培養し、ろ過等を行うことで得られる。目的タンパク質がモノクローナル抗体である場合、培養上清におけるモノクローナル抗体の含有量は、0.1〜30g/Lが好ましく、0.5〜20g/Lがより好ましく、1〜10g/Lがさらに好ましい。
また、血清やトランスジェニック動物由来のミルク、トランスジェニック植物抽出液由来のポリクローナル抗体、モノクローナル抗体も精製されるタンパク質として挙げられる。
本発明の精製方法においてクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液成分または、その一部に含まれるアミノ酸としては、例えば、グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、リジン(Lys)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、トリプトファン(Trp)若しくはヒスチジン(His)、またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸が挙げられる。
前記アミノ酸の中でも、特にグルタミン、ヒスチジン、グルタミン酸、グリシン、アルギニンおよびメチオニンが好ましい。これらのアミノ酸をクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液成分またはその一部に含むことにより、より精製されるタンパク質の純度を向上することができる。
緩衝液としては、例えば、平衡化緩衝液、洗浄緩衝液及び溶出緩衝液が挙げられる。
本発明の精製方法は、1以上のクロマトグラフィー工程を含む。本発明の方法に含まれるクロマトグラフィー工程としては、例えば、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程、陰イオン交換クロマトグラフィー工程、陽イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過(サイズ排除)クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程および混合モードクロマトグラフィー工程等が挙げられる。
これらのクロマトグラフィー工程を当業者の技術常識によって、適宜組み合わせることにより、より高純度、高収率のタンパク質精製がなされる。例えば、モノクローナル抗体の精製方法としては、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に引き続いて陽イオンクロマトグラフィー工程を行うことが好ましい。また、さらに引き続いて陰イオン工程を行うことが好ましい。
また、例えば、モノクローナル抗体の精製としては、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程、陰イオン交換クロマトグラフィー工程、の後に続いて陽イオン交換クロマトグラフィー工程を行うことが好ましい。このようにクロマトグラフィー工程を組み合わせることにより、高純度および高収率でモノクローナル抗体を精製することができる。
陽イオン交換クロマトグラフィーの替わりに、疎水性クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、混合モードクロマトグラフィーを用いてもよい。また、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、の後に続いて陰イオン交換クロマトグラフィーを行ってもよい。
更には、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーを使用せずに、モノクローナル抗体を精製してもよい。例えば、陽イオン交換クロマトグラフィーまたは、陰イオン交換クロマトグラフィーまたは、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーまたは、混合モードクロマトグラフィーの最低2つ以上の組み合わせで行うことも可能である。
本発明の精製方法においては、すべてのクロマトグラフィー工程において、緩衝液成分またはその一部にアミノ酸を含む必要は必ずしもなく、少なくとも1のクロマトグラフィー工程において緩衝液成分またはその一部にアミノ酸を含む。
また、各クロマトグラフィー工程において、平衡化緩衝液、洗浄緩衝液及び溶出緩衝液のすべての成分または一部にアミノ酸を含んでもよいし、その一部の緩衝液のみにアミノ酸を含んでもよい。
本発明において、「緩衝液成分またはその一部にアミノ酸を含む」とは、緩衝液成分そのものをアミノ酸とするか、または緩衝液成分の一部にアミノ酸を含有することをいう。本発明の精製方法において、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に用いる緩衝液に含まれるアミノ酸の含有量は、目的タンパク質、含有させるアミノ酸およびクロマトグラフィー工程の種類等により適宜調整することができる。
具体的には、例えば、平衡化緩衝液または溶出緩衝液におけるアミノ酸の含有量は、10〜1000mMとすることが好ましく、10〜100mMとすることがより好ましい。また、洗浄緩衝液におけるアミノ酸の含有量は、0.5〜3Mとすることが好ましく、0.5〜1Mとすることがより好ましい。
また、クロマトグラフィーにロードするタンパク質含有試料に、好ましくは0.1〜2Mのアミノ酸を含有させてもよい。このことにより、洗浄工程なしでも不純物レベルを低減させることが可能である。
用いる緩衝液の成分またはその一部にアミノ酸を含むことが好ましいクロマトグラフィー工程としては、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程及び陽イオン交換クロマトグラフィー工程が挙げられる。
具体的には、例えば、以下の(1)または(2)の場合、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程で使用する緩衝液の成分またはその一部に、グリシンまたはスレオニンを含むことが好ましい。また、陽イオン工程で使用する緩衝液の成分またはその一部に、グルタミン酸、ヒスチジンおよびグルタミンから選ばれるアミノ酸を含むことが好ましい。
(1)ProteinAクロマトグラフィー工程に引き続いて陽イオン交換クロマトグラフィー工程を行い、さらに引き続いて好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィー工程を行う場合
(2)陽イオン交換クロマトグラフィー工程を、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程および陰イオン交換クロマトグラフィー工程に引き続いて行う場合、
複数のクロマトグラフィー工程を組み合わせる場合、最終のクロマトグラフィー工程の緩衝液の成分またはその一部にアミノ酸を含むことが好ましい。本発明の精製方法における最終のクロマトグラフィー工程の緩衝液の成分またはその一部にアミノ酸と、該精製方法により精製されるタンパク質を含む製剤処方に使用する緩衝液に含まれるアミノ酸とを同じアミノ酸とすることにより、緩衝液を交換しなくてもよいという利点があるためである。
例えば、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、の後に続いて陽イオン交換クロマトグラフィーを組み合わせて用いる場合、最終工程である陽イオン交換クロマトグラフィー工程の緩衝液の成分またはその一部にアミノ酸を含むことが好ましい。
以下、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程、陰イオン交換クロマトグラフィー工程または陽イオン交換クロマトグラフィー工程について、説明する。
(ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程)
ProteinAアフィニティークロマトグラフィー用樹脂としては、例えば、GE社製MabSelect、ProteinA Sepharose FF、MabSelect Xtra、MabSelect SuRe、Millipore社製Prosep vA Hicapacity、Prosep vA UltraおよびProsep Ultraplus等が挙げられるがこれらに限定されない。カラム長としては、2.5〜40cmのものが挙げられる。
ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラムにタンパク質含有試料をロードする場合、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラムは、あらかじめ平衡化緩衝液により平衡化しておくことが好ましい。
前記平衡化緩衝液としては、例えば、トリス、リン酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、ビストリス、ビストリスプロパンおよびHEPS;2−[4−(2−Hydroxyethyl)−1−piperazinyl]ethanesulfonic acid,MES;2−Morpholinoethanesulfonic acid等が挙げられるが、これに限定されるものではない。平衡化緩衝液のpHは、通常5.0〜9.0であることが好ましい。
目的タンパク質を溶出する前に洗浄工程を含むこともできる。ProteinAアフィニティークロマトグラフィーの場合には、目的タンパク質を溶出する前に、5カラム容量の10mMトリス―1MNaCl緩衝液(pH7.0)、または10mMトリスに0.5〜3Mのアミノ酸若しくは、これらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸を添加した緩衝液を用いた洗浄工程を入れ、カラムに吸着した非特異的吸着物質を除去することができる。
または、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーにロードするタンパク質含有試料に直接、好ましくは0.1〜2Mのアミノ酸、またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸を添加して、クロマグラフィーを実施することが好ましい。
このことにより、前記洗浄工程なしでも不純物レベルを低減させることができる。アミノ酸の替わりに、同濃度のNaCl、MgClまたはCaCl等の塩をProteinAアフィニティークロマトグラフィーにロードするタンパク質含有試料に添加した場合にも、同様の効果が得られるため、好ましい。
ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に用いる溶出緩衝液としては、例えば、10〜100mMのグリシン、スレオニン若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸を含む緩衝液が挙げられるがこれらに限定されない。緩衝液のpHは、通常2.5〜4.5であることが好ましい。
ProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラムにタンパク質含有試料をロードするおよび、緩衝液を通液する線速度は、通常50〜1000cm/hの範囲であることが好ましい。
(陰イオン交換クロマトグラフィー工程)
陰イオン交換クロマトグラフィー用樹脂としては、例えば、GE社製Q Sepharose XL、Q Sepharose FF、DEAE Sepharose FF、ANX Sepharose FF、Capto Q、Capto DEAE、東ソー社製TOYOPEARL GigaCap Q−650、TOYOPEARL SuperQ−650、Merck社製Fractogel DEAE、Fractogel TMAE、Fractogel TMAE HicapおよびエシュムノQ等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの樹脂で適切な長さのカラムを作製し利用する。カラム長は、通常2.5〜40cmであることが好ましい。更には、陰イオン交換膜の使用も可能である。
陰イオン交換クロマトグラフィーの平衡化緩衝液としては、10〜100mM ヒスチジン緩衝液、若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸を含む緩衝液、トリス緩衝液、または10〜100mM トリスを含んだ5〜100mM スレオニン若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸緩衝液等が挙げられるが、これらに限定されない。緩衝液のpHは、通常5.0〜9.0であることが好ましい。
陰イオン交換クロマトグラフィーカラムにタンパク質含有試料をロードするおよび、緩衝液を通液する線速度は、通常50〜1000cm/hであることが好ましい。
(陽イオン交換クロマトグラフィー工程)
陽イオン交換クロマトグラフィーカラムとしては、例えば、GE社製SP Sepharose FF、CM Sepharose FF、SP Sepharose XL、Capto S、Applied Biosystems社製Poros 50 HS、Poros 50 XS, Merck社製エシュムノS、Fractogel COO、Fractogel SO3、Fractogel SE Hicap、東ソー社製TOYOPEARL GigaCap S−650およびTOYOPEARL GigaCap CM−650等が挙げられるがこれらに限定されない。カラム長は、通常2.5〜40cmであることが好ましい。
陽イオン交換クロマトグラフィーの平衡化緩衝液としては、例えば、10〜100mMのMES、酢酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リン酸緩衝液、または10〜100mMのグルタミン酸若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸緩衝液が挙げられるがこれらに限定されない。緩衝液のpHは、通常4.0〜8.0であることが好ましい。
陽イオン交換クロマトグラフィーの溶出緩衝液としては、例えば、10〜100mM MES、酢酸、クエン酸、コハク酸、またはリン酸緩衝液にアルギニン若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸を添加した緩衝液、または10〜100mMのグルタミン酸若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸にNaCl等の塩を添加した緩衝液、および10〜1000mMのグルタミン酸若しくは他のアミノ酸またはこれらのジペプチド、オリゴペプチド若しくはポリアミノ酸緩衝液が挙げられるがこれらに限定されない。緩衝液のpHは、通常4.0〜8.0であることが好ましい。
陽イオン交換クロマトグラフィーカラムにタンパク質含有試料をロードするおよび、緩衝液を通液する線速度は、通常50〜1000cm/hであることが好ましい。
陽イオン交換クロマトグラフィーの溶出工程は、溶出緩衝液を用いてその濃度を徐々に増加させる勾配溶出、または溶出緩衝液を用いた段階溶出のいずれであってもよい。
また、工業スケールで本発明の精製方法により精製されるタンパク質を有効成分として含有する医薬品の製造を検討した場合、最終のクロマトグラフィー工程として陽イオン交換クロマトグラフィー工程を行う場合、陽イオン交換クロマトグラフィー工程において、該医薬品の製剤処方と同じ緩衝液を用いることで、陽イオン交換クロマトグラフィー工程後、最終的に医薬品の製剤処方を完成するまでに必要となる緩衝液交換の必要性がなくなる可能性もある。
したがって、本発明の精製方法において、最終のクロマトグラフィー工程、好ましくは陽イオン交換クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸は、医薬品の製剤処方に含まれるアミノ酸と同じアミノ酸であることが好ましい。
すなわち、本発明は、本発明の精製方法により精製されたアミノ酸を有効成分とし、かつ本発明の精製方法における最終のクロマトグラフィー工程、好ましくは陽イオン交換クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸と同じアミノ酸を含有する医薬品の製剤処方をも提供する。
さらには、本発明の精製方法に含まれるすべてのクロマトグラフィー工程に用いるアミノ酸を、医薬品の製剤処方に含まれるアミノ酸と同一のアミノ酸とすることで、原材料数の削減や精製装置の簡素化に伴う経済的なメリットもさらに期待することが可能である。
したがって、本発明の精製方法に含まれるクロマトグラフィー工程に用いる緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸とおよび医薬品の製剤処方に含まれるアミノ酸とは同じであることが好ましい。
より好ましくは、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、アルギニン、またはメチオニンが、本発明の精製方法に含まれるクロマトグラフィー工程に用いる緩衝液かつ本発明の精製方法により精製されるタンパク質を有効成分とする医薬品の製剤処方に含まれることが好ましい。
本発明における精製方法により、モノクローナル抗体を精製することにより、高い純度のモノクローナル抗体を得ることができる。「高い純度」とは、重合体については、本発明の精製方法による精製物における重合体の割合が好ましくは4%未満、より好ましくは3.5%未満、さらに好ましくは1%未満であることを意味する。
また、宿主細胞タンパク質については、本発明の精製方法による精製物における宿主細胞由来のタンパク質(宿主タンパク質)の含有量が、好ましくは1000ng/mg未満(タンパク質1mgあたりに含まれる宿主細胞タンパク質が1000ng未満)、より好ましくは100ng/mg未満、さらに好ましくは10ng/mg未満であることを意味する。
これらの精製物における重合体または宿主タンパク質の濃度は、当業者において周知の方法(例えば、宿主細胞タンパク質の場合にはELISA法や、重合体の場合にはゲルろ過HPLC分析の方法)を用いて測定することが可能である。
実施例1 MabSelect、Q Sepharose XL及びSP Sepharose FFを使用した精製
精密ろ過により清澄化したヒトモノクローナル抗体を含むCHO細胞培養上清86mlを10mMトリス緩衝液(pH7.0)で平衡化したProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(GE社製MabSelect) 10mm IDx20cmに添加した(線速度500cm/h)。培養上清添加後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度500cm/h)。
次に表1に示す5カラム容量の溶出緩衝液(pH3.2)によりヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度500cm/h)。溶出液を1.5M トリスでpH7.0に中和した。
中和液を表1に示す陰イオン交換緩衝液(pH7.0)で平衡化した陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(GE社製Q Sepharose XL 3mm IDx20cm)に添加した(線速度300cm/h)。加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液をカラムに通液した。カラム非吸着画分をヒトモノクローナル抗体溶出液としてプールした。
添Q Sepharose XLプール液を1Mクエン酸にてpH5.0に調整後、表1の陽イオン交換平衡化緩衝液(pH5.0)で平衡化した陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(GE社製SP Sepharose FF 10mm IDx20cm)に添加した(線速度200cm/h)。添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度200cm/h)。
次に表1に示す陽イオン交換溶出緩衝液(pH4.5)を用いた20カラム容量の0.35M塩濃度を徐々に増加させる塩濃度勾配溶出にて、ヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度200cm/h)。
Figure 2011162210
本実施例の方法によるヒトモノクローナル抗体の精製結果を図1および2に示す。図1および2に示すように、クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液にアミノ酸を含有させた方法1及び方法2の方が、純度(重合体の量、及び宿主細胞タンパクの量)の点から、緩衝液にアミノ酸を含有させない方法3より優れていることが確認できた。
実施例2 MabSelect SuRe、TOYOPEARL GigaCap Q、及びFractogel SE HiCapを使用した精製
精密ろ過により清澄化したヒトモノクローナル抗体を含むCHO細胞培養上清86mlを10mMトリス緩衝液(pH7.0)で平衡化したProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(GE社製MabSelect SuRe)10mm IDx20cmに添加した(線速度500cm/h)。培養上清添加後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度500cm/h)。
次に表1に示す5カラム容量の溶出緩衝液(pH3.2)によりヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度500cm/h)。溶出液を1.5M トリスでpH7.0に中和した。
中和液を表1に示す陰イオン交換緩衝液(pH7.0)で平衡化した陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(東ソー社製TOYOPEARL GigaCap Q 3mm IDx20cm)に添加した(線速度500cm/h)。添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液をカラムに通液した。カラム非吸着画分をヒトモノクローナル抗体溶出液としてプールした。
TOYOPEARL GigaCap Qプール液を1Mクエン酸にてpH 5.0に調整後、表1の陽イオン交換平衡化緩衝液(pH5.0)で平衡化した陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(Merck社製Fractogel SE Hicap 10mm IDx20cm)に添加した(線速度200cm/h)。
添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度200cm/h)。次に表1に示す陽イオン交換溶出緩衝液(pH4.5)を用いた20カラム容量の0.35M塩濃度を徐々に増加させる塩濃度勾配溶出にて、ヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度200cm/h)。
本方法によるヒトモノクローナル抗体の精製結果を図3、4に示す。図3および4に示すように、クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液にアミノ酸を含有させた方法1及び方法2のほうが、純度(重合体の量、及び宿主細胞タンパクの量)の点から、緩衝液にアミノ酸を含有させない方法3より優れていることが確認できた。
実施例3 陽イオン交換クロマトグラフィー工程にアミノ酸を使用した精製
精密ろ過により清澄化したヒトモノクローナル抗体を含むCHO細胞培養上清245mlを表2に示す10mMトリス緩衝液(pH7.0)で平衡化したProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(GE社製MabSelect SuRe)10mm IDx20cmに添加した(線速度500cm/h)。培養上清添加後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度500cm/h)。
次に表2に示す5カラム容量の溶出緩衝液(100mM グリシン、pH3.4)によりヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度500cm/h)。溶出液を1M NaOHでpH 7に中和した。
中和液を表2に示す陰イオン交換緩衝液(10mMトリス緩衝液、pH7.0)で平衡化した陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(Tosoh社製Gigacap Q 3mm IDx20cm)に添加した(線速度500cm/h)。添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液をカラムに通液した。カラム非吸着画分をヒトモノクローナル抗体溶出液としてプールした。
Gigacap Qプール液を1M塩酸にてpH5.0に調整後、2等分してそれぞれ(16mLずつ添加)、方法1(アミノ酸使用)、方法2の条件で、陽イオン交換クロマトグラフィーを実施した。
表2の陽イオン交換平衡化緩衝液(pH5.0)で平衡化した陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(Merk社製Fractogel SE Hicap 10mm IDx20cm)に上記ロード液を添加した(線速度200cm/h)。
添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度200cm/h)。次に表2に示す陽イオン交換溶出緩衝液(pH5.0)を用いた20カラム容量の溶出緩衝液を徐々に増加させる勾配溶出にて、ヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度200cm/h)。
Figure 2011162210
本方法によるヒトモノクローナル抗体の精製結果を図5に示す。図5に示すように、クロマトグラフィー工程に用いる緩衝液にアミノ酸を含有させた方法1のほうが、純度(重合体の量)の点から、緩衝液にアミノ酸を含有させない方法2より優れていることが確認できた。
実施例4 医薬品製剤処方の緩衝液成分であるアミノ酸(ヒスチジン)を使用した緩衝液のみでの精製
精密ろ過により清澄化したヒトモノクローナル抗体を含むCHO細胞培養上清99mlを表3に示す10mM ヒスチジン緩衝液(pH7.0)で平衡化したProteinAアフィニティークロマトグラフィーカラム(GE社製MabSelect SuRe)10mmIDx20cmに添加した(線速度403〜500cm/h)。培養上清添加後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度500cm/h)。
次に表3に示す5カラム容量の溶出緩衝液(50mM ヒスチジン、pH3.4)によりヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度500cm/h)。溶出液を1M NaOHでpH7に中和した。
中和液を表3に示す陰イオン交換緩衝液(10mM ヒスチジン、pH7.0)で平衡化した陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(東ソー社製TOYOPEARL GigaCap Q 10mm IDx20cm)に添加した(線速度500cm/h)。添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液をカラムに通液した。カラム非吸着画分をヒトモノクローナル抗体溶出液としてプールした。
TOYOPEARL GigaCap Qプール液を1M塩酸にてpH4.5に調整後、表3の陽イオン交換平衡化緩衝液(50mM ヒスチジン、pH4.5)で平衡化した陽イオン交換クロマトグラフィーカラム(GE社製SP Sepharose FF 10mm IDx20cm)に添加した(線速度200cm/h)。
添加終了後、5カラム容量の平衡化緩衝液でカラムを洗浄した(線速度200cm/h)。次に表2に示す陽イオン交換溶出緩衝液(250mMヒスチジン、pH6.0)を用いた20カラム容量の溶出緩衝液を徐々に増加させる勾配溶出にて、ヒトモノクローナル抗体を溶出した(線速度200cm/h)。
Figure 2011162210
本方法によるヒトモノクローナル抗体の精製結果を図6および7に示す。図6および7に示すように、陽イオン交換クロマトグラフィー工程後の精製物における重合体の割合は1%未満であり、宿主細胞タンパク質が50ppm未満となった。この純度は医薬品として十分の品質レベルである。
また、実施例1及び2で検討した表1の方法3のようにクロマトグラフィー工程に用いる緩衝液にアミノ酸を含有させない方法に比べ(図1〜4参照)、クロマトグラフィー工程に用いる緩衝液にアミノ酸を含有させる本発明の精製方法により精製されたタンパク質は、純度(重合体の量、及び宿主細胞タンパク質の量)の点においても優れていることが確認された。
例えば、アミノ酸を緩衝液に含有させた場合の陽イオン交換クロマトグラフィーカラム後の精製物における宿主細胞タンパク質の量(図7参照)は、緩衝液にアミノ酸を含有させない場合(図2及び図4の方法3参照)と比べて、それらの20%以下となった。
さらに、本実施例のように、1種類のアミノ酸を含有する緩衝液でのみ抗体精製可能であること、また、そのアミノ酸が製剤の処方緩衝液成分であることは、精製で使用する原材料数や、緩衝液交換工程を削減できる可能性があり、その場合は、原材料費削減、及び精製装置の簡素化による経済的なメリットも期待される。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお本出願は、2010年6月21日付で出願された米国仮出願(61/356899)および2011年2月9日付で出願された米国仮出願(61/441051)に基づいており、その全体が引用により援用される。

Claims (16)

  1. 1以上のクロマトグラフィー工程を含むタンパク質の精製方法であって、少なくとも1のクロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に、アミノ酸を含むタンパク質の精製方法。
  2. 陽イオン交換クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分またはその一部にアミノ酸を含む請求項1に記載の精製方法
  3. クロマトグラフィー工程として、さらに、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程、並びに少なくとも陰イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程、混合モードクロマトグラフィー工程から選択されるクロマトグラフィー工程の1以上を含む請求項2に記載の精製方法。
  4. 陽イオン交換クロマトグラフィー工程を、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に引き続いて行う請求項2に記載の精製方法。
  5. 陰イオン交換クロマトグラフィー工程を、さらに引き続いて行う請求項4に記載の精製方法。
  6. 陽イオン交換クロマトグラフィー工程を、ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程及び陰イオン交換クロマトグラフィー工程に引き続いて行う請求項3に記載の精製方法。
  7. ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に、アミノ酸を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の精製方法。
  8. ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程で使用する緩衝液が、グリシンを緩衝液の成分または、その一部に含む緩衝液である請求項4〜7のいずれか1項に記載の精製方法。
  9. 陽イオン交換クロマトグラフィー工程に使用する緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸が、グルタミン酸、ヒスチジンおよびグルタミンから選ばれるアミノ酸である請求項3〜8のいずれか1項に記載の精製方法。
  10. ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程に使用される緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸が、グリシンおよびスレオニンから選ばれるアミノ酸である請求項4〜9のいずれか1項に記載の精製方法。
  11. ProteinAアフィニティークロマトグラフィー工程において、ProteinAアフィニティークロマトグラフィーにロードするタンパク質含有試料に塩の添加をすることを含む請求項4〜10のいずれか1項に記載の精製方法。
  12. 陽イオン交換クロマトグラフィー工程終了後の精製物における、宿主細胞タンパク質の割合が100ng/mg未満である請求項2〜11のいずれか1項に記載の精製方法。
  13. 陽イオン交換クロマトグラフィー工程終了後の精製物における、重合体の割合が1.5%未満である請求項2〜12のいずれか1項に記載の精製方法。
  14. 請求項3〜13のいずれか1項に記載の精製方法により精製されたタンパク質を有効成分とする医薬品の製剤処方に含有されるアミノ酸が、請求項3〜13のいずれか1項に記載の陽イオン交換クロマトグラフィー工程で使用された緩衝液の成分または、その一部に含まれるアミノ酸と同じアミノ酸であるタンパク質の精製方法。
  15. クロマトグラフィー工程として、さらに、少なくとも陰イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程および混合モードクロマトグラフィー工程から選択されるクロマトグラフィー工程の1以上を含む請求項2に記載の精製方法。
  16. クロマトグラフィー工程として、陰イオン交換クロマトグラフィー工程、ゲルろ過クロマトグラフィー工程、疎水性クロマトグラフィー工程、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー工程および混合モードクロマトグラフィー工程から選択されるクロマトグラフィー工程を含む請求項1に記載の精製方法。
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