JPWO2011151910A1 - 塞栓物捕捉用の医療器具 - Google Patents

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Abstract

塞栓物の流入口が開いた状態を良好に維持することが可能な塞栓物捕捉用の医療器具を提供すること。塞栓物捕捉器具10は、支持ワイヤ11と、当該支持ワイヤ11に支持される捕捉体12と、を備えている。捕捉体12は、支持ワイヤ11の遠位端部側に設けられており、狭窄箇所の拡張に際して遊離した塞栓物を捕捉する機能を有している。捕捉体12は、多数の金属ワイヤ13を用いて形成されたワイヤ集合体を備えている。ワイヤ集合体は、塞栓物を捕捉するための空間を規定する捕捉ベース部21と、当該捕捉ベース部21から延びる3本の脚部22〜24と、これら3本の脚部22〜24を捕捉ベース部21とは逆側において集約する集約部25と、が一体形成されてなる。この場合に、脚部22〜24の途中位置には湾曲部41a〜43aが形成されている。

Description

本発明は、血管内の塞栓物を捕捉するための医療器具に関するものである。
従来より、血管内に生じた狭窄部をステントやバルーンを利用して拡張するという経皮的血管形成術が行われている。当該治療においては、狭窄部の拡張に際してプラークや血栓などといった塞栓物が遊離する場合があるが、当該塞栓物が病変部末梢側へ入り込んでしまうことは好ましくない。
病変部末梢側への塞栓物の入り込みを防止するために、例えば特許文献1には、ワイヤ上に捕捉体が支持された医療器具が開示されている。この医療器具では、捕捉体が多数の金属線で構成されており、当該捕捉体は、多数の金属線の両端部を束ねることで、内部に空洞部を有するカゴ状体に構成されている。そして、空洞部は一端側に向けて大きく開放されており、捕捉体は、その流入口が近位端側を向くようにしてワイヤ上に支持されている。
この捕捉体を、狭窄部の拡張に際して病変部よりも下流側に配置することで、遊離した塞栓物が上記流入口を介して捕捉体の空洞部内に入り込む。これにより、当該塞栓物の捕捉が行われ、当該塞栓物が病変部末梢側へと入り込んでしまうことが抑制される。
特開2007−325893号公報
ここで、塞栓物捕捉用の医療器具においては、上記流入口を通じて塞栓物の捕捉が行われるため、使用に際して流入口が大きく開いた状態で保持されることが好ましい。これに対して、上記特許文献1に記載された構成では、流入口を大きく開いた状態で保持するための構成に関して未だ改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、塞栓物の流入口が開いた状態を良好に維持することが可能な塞栓物捕捉用の医療器具を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。
第1の発明の医療器具:塞栓物を捕捉する空間を規定する捕捉ベース部と、当該捕捉ベース部における前記塞栓物の流入口の周縁部から近位側に向けて延び、前記捕捉ベース部をシャフトに支持させるために利用される脚部と、を備えており、当該脚部は、前記シャフトが前記捕捉ベース部の軸線方向に対して交差する方向に変位した際に自身が変形することで、前記流入口の周縁部の変形を抑制する抑制構造を備えていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、施術に際してシャフトが軸線方向に対して交差する方向に変位したとしても、それが脚部の抑制構造における変形により吸収されるため、上記変位の影響が流入口の周縁部に及びづらくなる。これにより、流入口の周縁部と血管の内壁との間に隙間が生じづらくなり、塞栓物の捕捉を良好に行うことが可能となる。
第2の発明の医療器具:第1の発明の医療器具において、前記抑制構造は、前記脚部の長手方向の途中位置に設けられており、前記シャフトが前記捕捉ベース部の軸線方向に対して交差する方向に変位した際に自身が変形することで、当該抑制構造よりも遠位端側の変形を抑制するものであることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、シャフトの変位に対する吸収が脚部の途中位置よりも近位端側にて積極的に行われ、仮に当該途中位置よりも遠位端側にまで上記変位の影響が及んだとしても、その影響をも脚部にて吸収することが可能となる。よって、上記変位の影響が流入口の周縁部に及びづらくなる。
第3の発明の医療器具:第2の発明の医療器具において、前記抑制構造は、前記脚部の延びる方向を前記途中位置にて変更させる曲げ部であることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、脚部を湾曲させるという簡易な構成により、上記のような優れた作用効果を得ることができる。また、上記変位の影響を吸収するための部材を別途設ける構成とすると、脚部のベースと当該部材との繋ぎ目が生じてしまうこととなるが、曲げ部により上記変位の影響を吸収することで、そのような繋ぎ目を生じさせることなく、上記優れた作用効果を得ることができる。
第4の発明の医療器具:第2又は第3の発明の医療器具において、前記抑制構造は、前記途中位置よりも近位端側の領域を近位端に向かうほど前記シャフトに近付くようにさせるとともに、前記途中位置よりも遠位端側の領域を、当該途中位置に向かうほど前記シャフトから遠ざけるようにする、当該途中位置に至る過程でシャフトとの間の距離が変化しないようにする、又は当該途中位置に向かうほど前記シャフトに近付くがその近付く割合が前記近位端側の領域に比べて小さくなるようにする曲げ部であることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、脚部の近位端部をシャフト側に支持させることを可能としながら、上記変位の影響を脚部にて良好に吸収することが可能となる。
第5の発明の医療器具:第4の発明の医療器具において、前記脚部は、前記曲げ部又は当該曲げ部よりも遠位端側が、前記流入口の周縁部よりも軸線方向に対して直交する方向の外側に位置するように形成されていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、血管の内壁に脚部を密着させることが可能となり、それに伴って流入口の周縁部を血管の内壁に密着させることが可能となる。特に、医療器具の自然状態で、脚部の曲げ部が流入口の周縁部よりも外側に位置する構成であるため、捕捉ベース部に外力が加えられた際にも脚部において流入口の周縁部を外側に広げる力が作用することが期待される。よって、流入口の周縁部を血管の内壁に密着させ易くなる。
第6の発明の医療器具:第5の発明の医療器具において、前記捕捉ベース部は多数の弾性線を用いてメッシュ状に形成されているとともに、前記脚部はそれら多数の弾性線をまとめることにより形成されており、さらに、当該脚部は、前記曲げ部が形成された脚ベース領域と、当該脚ベース領域及び前記捕捉ベース部の間に介在し、当該捕捉ベース部においてメッシュ状となっている多数の弾性線を前記脚ベース領域において束ねられた状態へ遷移させる遷移領域と、を備えており、当該遷移領域は、その少なくとも近位端部が、前記流入口の周縁部よりも軸線方向に対して直交する方向の外側に位置するように形成されていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、捕捉ベース部をメッシュ状とすることで、血管内における通常の血液の流通を妨げないようにしなら塞栓物の捕捉を行うことが可能となる。また、脚部を、捕捉ベース部を構成している多数の弾性線により形成することで、捕捉ベース部と脚部との間に繋ぎ目などを生じさせないようにすることが可能となる。この場合に、脚部において、捕捉ベース部にてメッシュ状となっている多数の弾性線を脚ベース領域において束ねられた状態へ遷移させるための遷移領域の近位端部も、流入口の周縁部よりも外側に位置する構成であるため、流入口の周縁部を外側に広げる力を当該周縁部に対して直接的に付与することが可能となる。
第7の発明の医療器具:第1乃至第6の発明のいずれか1の医療器具において、前記脚部は、多数の弾性線により形成されているとともに、それら多数の弾性線の編み込みや一体的な捩じれを伴わずに形成されていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
脚部を多数の弾性線により形成することで、当該脚部の強度を良好に高めることが可能となる。その一方で、脚部は多数の弾性線の編み込みや一体的な捩じれを伴わずに形成されているため、脚部を細く形成することができるとともに、当該脚部が必要以上に硬くなってしまうことが抑えられる。脚部を細く形成することで、例えば、塞栓物が脚部に引っ掛かってしまう可能性が低減される。また、脚部に柔軟性を付与することで、当該脚部を血管の内壁に良好に密着させることが可能となる。
さらにまた、脚部に、上記変位の影響を吸収するための抑制構造を設ける場合において、脚部に柔軟性が付与されていることで、当該抑制構造を設け易くなる。特に、当該抑制構造を外側が凸となる曲げ部により設ける構成においては、脚部に柔軟性を付与することで、曲げ部よりも遠位端側が内側へと変形してしまう可能性が低減される。
第8の発明の医療器具:第7の発明の医療器具において、前記脚部を構成している多数の弾性線のうち一部の弾性線は、長手方向の所定位置において他の弾性線をまとめるように当該長手方向周りに周回されていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、上記のように多数の弾性線が並列状態となるように設けられた構成であっても、脚部において多数の弾性線を束ねることが可能となり、さらにその束ねる機能を弾性線自身により生じさせることが可能となる。
第9の発明の医療器具:第7又は第8の発明の医療器具において、前記脚部は軸周りに離間させて複数設けられており、それら各脚部よりも近位端側には、それら脚部の各弾性線を集約させるとともにそれら各弾性線により筒状に形成された集約部を備えていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
脚部が複数設けられていることにより捕捉ベース部をシャフトに良好に支持させることが可能となる。この場合に、各脚部の近位端部は集約部により集約されているとともに、当該集約部は多数の弾性線を利用して筒状に形成されている。したがって、上記のような作用効果を奏する脚部の構成であっても、各脚部の近位端部をシャフトに支持させる際の作業性を向上させることが可能となる。
(a)は第1の実施の形態における塞栓物捕捉器具の捕捉体及びその周辺を拡大して示す側面図であり、(b)は捕捉体の遠位端側を拡大して示す側面図であり、(c)は捕捉体の遠位端側を拡大して示す縦断面図である。 (a)は捕捉体の近位端側を拡大して示す側面図であり、(b)は1本の脚部を拡大して示す側面図であり、(c)は捕捉体の近位端側を拡大して示す縦断面図である。 (a)〜(d)はワイヤ集合体の製造方法を説明するための図である。 (a)〜(f)はワイヤ集合体を支持ワイヤに支持させて塞栓物捕捉器具を製造する場合の製造方法を説明するための図である。 (a)〜(d)は塞栓物捕捉器具の使用方法を説明するための図である。 (a)〜(c)は捕捉体の脚部が多数の金属ワイヤを並列状態とさせて形成されているとともに外側に湾曲させて形成されていることによる作用を説明するための図であって、(a)は本塞栓物捕捉器具の場合を示し、(b)及び(c)は比較例を示す。 (a)は第2の実施の形態における塞栓物捕捉器具の捕捉体及びその周辺を拡大して示す側面図であり、(b)は第3の実施の形態における塞栓物捕捉器具の捕捉体及びその周辺を拡大して示す側面図であり、(c)は第4の実施の形態における塞栓物捕捉器具の捕捉体及びその周辺を拡大して示す側面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(a)は、塞栓物捕捉器具10における捕捉体12及びその周辺を拡大して示す側面図である。
塞栓物捕捉器具10は、図1(a)に示すように、シャフトとしての支持ワイヤ11と、当該支持ワイヤ11に支持される捕捉体12と、を備えている。支持ワイヤ11は、ステンレスにより形成されており、治療に際して一端を体外において手で持った状態であっても他端が病変部よりも血流方向の下流側の位置に入り込み可能となる長さ寸法を有している。
なお、支持ワイヤ11は、ステンレス製に限定されることはなく、Ni―Ti合金、Au―Cd合金、Cu―Al−Ni合金、Ni―Ti―Co合金、Ni―Ti―Cu合金、クロム、又はコバルトなどの他の金属であってもよい。また、支持ワイヤ11は、その全長に亘って外径が同一となっているが、途中位置にて外径が変化する構成としてもよい。
捕捉体12は、支持ワイヤ11の挿入先の端部側(以下、遠位端側という)に設けられており、血管内の狭窄箇所の拡張に際して、遊離したプラークや血栓などといった塞栓物を捕捉する機能を有している。詳細には、捕捉体12は、多数の弾性線又は多数の線状要素としての多数の金属ワイヤ13を用いて形成されたワイヤ集合体14を備えている。当該金属ワイヤ13として、ワイヤ集合体14を弾性変形可能とするようにNi―Ti合金が用いられているが、これに限定されることはなく、Au―Cd合金、Cu―Al−Ni合金、Ni―Ti―Co合金、又はNi―Ti―Cu合金などといった他の超弾性合金を用いてもよい。また、弾性線又は線状要素は、金属ワイヤ13に限定されることはなく、合成樹脂製のワイヤであってもよい。
ワイヤ集合体14は、塞栓物を捕捉するための空間を規定する捕捉ベース部21と、当該捕捉ベース部21から延びる3本の脚部22〜24と、これら3本の脚部22〜24を捕捉ベース部21とは逆側において集約する集約部25と、が一体形成されてなる。
捕捉ベース部21は、多数の金属ワイヤ13を編むことにより、バスケット形状のメッシュ体となるように形成されている。捕捉ベース部21には、メッシュ状の壁部により捕捉用の内部空間が規定されている。また、捕捉ベース部21は、軸線方向の両端に、同一軸線上となるようにして一対の開口部26,27が形成されており、これら両開口部26,27のうち一方の開口部27は、メッシュ状の網目よりも大きく且つ他方の開口部26よりも大きく開口している。この大きく形成された側の開口部27が、塞栓物の捕捉に際しての流入口となっている(以下、開口部27を流入口27という)。なお、捕捉ベース部21におけるメッシュ状の網目の大きさは、除去対象の塞栓物の破片を十分に捕捉することができるように設定されている。
捕捉ベース部21を構成している多数の金属ワイヤ13は、流入口27側にて3組に分けられているとともに各組において束ねられており、これら3組の各束のそれぞれが上記脚部22〜24を構成している。各脚部22〜24は、捕捉ベース部21側とは逆側の端部が集約部25にて集約されている。
捕捉体12は、捕捉ベース部21の流入口27を、支持ワイヤ11の挿入元の端部側(以下、近位端側という)に向けた状態で、且つ捕捉ベース部21の軸線上に支持ワイヤ11が存在するようにして、当該支持ワイヤ11の遠位端部に設けられている。そして、この設置は、捕捉体12の遠位端部及び近位端部のそれぞれを支持ワイヤ11に支持させることにより行われている。なお、支持ワイヤ11は、捕捉体12の遠位端部よりも遠位側に一部が突出しており、この突出領域が塞栓物捕捉器具10の挿入に際してガイドとして機能する。
以下、捕捉体12の遠位端側及び近位端側の構成について説明する。先ず、図1(b)及び図1(c)を参照しながら、捕捉体12の遠位端側の構成について説明する。図1(b)は、捕捉体12の遠位端側を拡大して示す側面図であり、図1(c)は、捕捉体12の遠位端側を拡大して示す縦断面図(軸線方向に沿った方向の断面図)である。
図1(b)に示すように、捕捉体12の遠位端部には先端チップ体31が設けられており、当該先端チップ体31を利用して、ワイヤ集合体14を支持ワイヤ11に支持させている。先端チップ体31はポリウレタン系樹脂により形成されているが、これに限定されることはなく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂又はシリコン系樹脂などの他の合成樹脂により形成されていてもよく、天然ゴムにより形成されていてもよい。また、超弾性合金などの金属により形成されていてもよい。但し、生体内への挿入に際して挿入先側となることを鑑みると、合成樹脂製であることが好ましい。
先端チップ体31は、図1(c)に示すように、軸線方向の両端にて開放された筒状に形成されている。先端チップ体31の外径は軸線方向に亘って変化しており、先ず軸線方向の途中位置から遠位側に向けた所定範囲は先細りするようにテーパ領域33となっている。ちなみに、当該テーパ領域33よりも遠位側には外径が一定の先端領域32が存在しているが、当該先端領域32を含めて先細りするように形成されていてもよい。
テーパ領域33とそれよりも根元側の領域34との境界部分には、当該根元側の領域34の方が細くなるように円環状の外側段差部35が形成されている。根元側の領域34は近位側の方が遠位側に比べて細く形成されているが、その最大外径は、図1(b)に示すように、塞栓物捕捉器具10を生体内に配置する際に利用される誘導カテーテル65の遠位端側の内径と同一又は略同一に設定されている。これにより、誘導カテーテル65内にワイヤ集合体14を収容させた場合に、誘導カテーテル65の遠位側端面65aが近位側から外側段差部35に当接することとなり、生体内への挿入に際して誘導カテーテル65と塞栓物捕捉器具10とを一体化させる際の作業性が向上する。また、当該一体化させた状態において、誘導カテーテル65からテーパ領域33が遠位側へと突出した状態となるため、屈曲した血管などを通過する際の通過性が向上する。ちなみに、根元側の領域34の外周面と誘導カテーテル65の遠位端部の内周面とが接した状態となるため、両者の摩擦抵抗により、生体内に挿入されている状態において誘導カテーテル65に対して塞栓物捕捉器具10が位置ズレしてしまうことが抑制される。
外側段差部35の段差寸法は、上記誘導カテーテル65の遠位端側の肉厚寸法と同一又は略同一となっている。これにより、上記のように誘導カテーテル65に対してテーパ領域33を遠位側へと突出させる構成において、当該テーパ領域33と誘導カテーテル65の遠位側端面65aとの間に段差が生じなくなり、この点からも上記通過性を向上させることが可能となる。
なお、当該段差として遠位端側に向けた段差が生じないようにする上では、外側段差部35の段差寸法が、上記誘導カテーテル65の遠位端側の肉厚寸法よりも大きく設定されている構成としてもよい。但し、上記一体化させた状態において、外周面側から軸線側への凹みが存在しないようにする上では、外側段差部35の外径が誘導カテーテル65の遠位側端面65aの外径と同一となっていることが好ましい。
先端チップ体31において生体内への導入時に誘導カテーテル65に挿入されることとなる根元側の領域34では、ワイヤ集合体14の支持ワイヤ11への支持がなされている。具体的には、図1(c)に示すように、支持ワイヤ11上には、遠位側筒部材36が挿通されている。遠位側筒部材36は、プラチナにより形成されているが、これに限定されることはなく、ステンレスなどの他の金属により形成されていてもよく、合成樹脂により形成されていてもよい。但し、プラチナなどといったX線造影性を有する材料により形成することで、造影マーカとしての機能を遠位側筒部材36に付与することが可能となる。
遠位側筒部材36は、軸線方向の全体に亘って外径が一定となっているとともに内径が一定となっており、その内径は支持ワイヤ11の外径よりも若干大きく設定されている。遠位側筒部材36の外周面には、捕捉ベース部21の遠位端部21aが固定されている。詳細には、当該遠位端部21aは、遠位側に向けて除々に先細りするように形状付けられた捕捉ベース部21の先端部分を構成しており、上記開口部26を規定している。そして、この開口部26を通じて、筒状であってメッシュ状の遠位端部21aが遠位側筒部材36の外周面に外側から被さるように配置されており、遠位側筒部材36の外周面に対して捕捉ベース部21の遠位端部21aが合成樹脂を利用して接着されている。
当該接着用の合成樹脂としては、ポリアミド系樹脂が用いられており、具体的にはナイロン(登録商標)が用いられている。但し、これに限定されることはなく、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はシリコン系樹脂を用いてもよい。また、接着剤は複数種類の合成樹脂を利用して形成されていてもよく、所定の合成樹脂を主材料として合成樹脂以外の材料が含有されていてもよい。また、図1(c)では、遠位側筒部材36と捕捉ベース部21の遠位端部21aとの間に合成樹脂による遠位側接着層37が存在しているが、当該遠位側接着層37が両者の外側にも存在している構成としてもよく、遠位側筒部材36と遠位端部21aとが内外に重なっており、それを外側から覆うように遠位側接着層37が存在している構成としてもよい。ちなみに、図1(c)では便宜上、捕捉ベース部21を非メッシュ状としている。
遠位側筒部材36に対して捕捉ベース部21の遠位端部21aが接着された領域を外側から覆うようにして、先端チップ体31における根元側の領域34が形成されている。当該根元側の領域34は、上記接着された領域を覆う被覆領域34aと、当該被覆領域34aと外側段差部35との間に亘って存在する中間領域34bと、を備えている。被覆領域34aはその内周側が、内側段差部38を介して、中間領域34bに比べて拡張されており、中間領域34bよりも薄肉に形成されている。被覆領域34aが形成されていることにより、捕捉ベース部21の遠位端部21aが遠位側筒部材36から外側に向けて離間しようとしても、それが規制される。
上記のとおり遠位側筒部材36は、その内径が支持ワイヤ11の外径よりも若干大きく設定されており、さらに先端チップ体31の内周面において支持ワイヤ11の外周面と対向する部分の内径も支持ワイヤ11の外径よりも若干大きく設定されている。これにより、捕捉体12の遠位端部は、軸線方向の移動及び軸周りの移動が許容された状態で支持ワイヤ11に支持されている。
次に、図2(a)〜(c)を参照しながら、捕捉体12の近位端側の構成について説明する。図2(a)は、捕捉体12の近位端側を拡大して示す側面図であり、図2(b)は、1本の脚部22を拡大して示す側面図であり、図2(c)は、捕捉体12の近位端側を拡大して示す縦断面図である。
図2(a)に示すように、捕捉ベース部21における流入口27の周縁部から近位側へと延びる複数の脚部22〜24は、軸周りに等間隔となるように配置されている。各脚部22〜24は、多数(例えば15本)の金属ワイヤ13が並列状態とされた脚ベース領域41〜43と、捕捉ベース部21における流入口27の周縁部と脚ベース領域41〜43との間に存在し、流入口27の周縁部において編まれた状態の金属ワイヤ13を並列状態へと遷移させるための遷移領域44〜46と、を備えている。
なお、各遷移領域44〜46は、メッシュ状となっており、近位側の方が遠位側に比べてメッシュ状の網目が粗い状態となっている。また、これら各遷移領域44〜46が形成されていることにより、ワイヤ集合体14は流入口27部分において遠位側に向けて凹んだ形状となっている。また、各脚部22〜24を構成する金属ワイヤ13の数は、任意であるが3本以上であることが好ましい。
一の脚ベース領域41を例に挙げて、各脚ベース領域41〜43の詳細について説明すると、当該脚ベース領域41を構成する多数の金属ワイヤ13は、図2(b)に示すように、編み込まれていない非メッシュ状とされているとともに、全ての金属ワイヤ13をまとめた状態での一体的な捩じれを生じさせない非捩じれ状とされている。つまり、脚ベース領域41を構成する多数の金属ワイヤ13はそれぞれ、遷移領域44から集約部25へと亘る脚ベース領域41の形状に沿うように形状付けられており、さらに上記沿う方向に対して交差する方向へのまとめた状態での積極的な迂回を生じさせないように形状付けられている。
上記のように多数の金属ワイヤ13が並列状態で設けられていることにより、多数の金属ワイヤ13が編まれた状態となっている場合や一体的に捩じられた状態となっている場合に比べて、脚ベース領域41を細くすることができるとともに、脚ベース領域41を柔軟にすることができる。また、このように柔軟にされた構成であっても、脚ベース領域41は多数の金属ワイヤ13が束ねられてなるため、所定の強度が確保される。
脚ベース領域41を構成する多数の金属ワイヤ13のうち一部、より具体的には1本の金属ワイヤ13は、当該脚ベース領域41を構成する多数の金属ワイヤ13を長手方向の所定位置にて束ねるように周回されている。この周回部47が存在する所定位置として、脚ベース領域41における遷移領域44側の一箇所のみが設定されている。これにより、上記のように多数の金属ワイヤ13が並列状態とされた構成において、これら多数の金属ワイヤ13を束ねた状態とし易くなるとともに、それを金属ワイヤ13自身により行うことが可能となる。また、このように周回させる構成としても、その周回位置は脚ベース領域41の全長におけるわずかな領域のみであるため、脚ベース領域41の柔軟性は確保される。さらにまた、周回させているのは1本の金属ワイヤ13のみであるため、この点からも柔軟性を確保することが可能となる。
なお、周回位置を複数設定してもよく、例えば図2(b)の二点鎖線で示すように、上記の周回位置に加えて又は代えて、脚ベース領域41の長手方向の中央側と、集約部25寄りの端部側とに、周回位置が設定されていてもよい。この場合、周回位置が一点の場合よりも若干柔軟性が低下するものの、多数の金属ワイヤ13をより強固に束ねることが可能となる。また、周回部47を生じさせる金属ワイヤ13は1本に限定されることはなく、2本又は3本といったように複数本であってもよいが、柔軟性を良好なものとするためには1本であることが好ましい。また、一部の金属ワイヤ13を長手方向に沿って螺旋状に巻くことで周回部47を生じさせてもよい。
各脚部22〜24の脚ベース領域41〜43には、図2(a)に示すように、遷移領域44〜46との境界部分にリング49が設けられている。各リング49は、各脚ベース領域41〜43に対して加締められている。これにより、各脚ベース領域41〜43において、多数の金属ワイヤ13が束ねられた状態となる。特に、遷移領域44〜46との境界部分にリング49を設けることで、遷移領域44〜46を構成している多数の金属ワイヤ13が使用に際して相互に離反して流入口27を実質的に狭めてしまうといった事象の発生が抑制される。また、各リング49は、X線造影性を有するようにステンレスやプラチナなどによって形成されており、施術に際して脚ベース領域44〜46の位置を体外において把握し易くなっている。但し、上記束ねる機能に着目した場合、リング49がX線造影性を有することは任意であり、この場合、合成樹脂製であってもよい。また、各脚部22〜24の柔軟性を重視する場合には、リング49を不具備としてもよい。
各脚部22〜24は、既に説明したとおり、その近位側の端部が集約部25にて集約されている。集約部25は、図2(a)に示すように、各脚部22〜24を構成している金属ワイヤ13を集約しており、それら金属ワイヤ13により、軸線方向の両端にて開口された筒形状のメッシュ体となるように形成されている。この場合に、集約部25のメッシュ状の網目は、捕捉ベース部21のメッシュ状の網目よりも大きく形成されており、集約部25の方が捕捉ベース部21よりも網目が粗くなっている。また、集約部25は、捕捉ベース部21における流入口27側の領域(すなわち、捕捉ベース部21において最大外径となる領域)よりも細く形成されている。また、集約部25の内径は、支持ワイヤ11の外径よりも大きく設定されている。
集約部25を利用して、ワイヤ集合体14の支持ワイヤ11への支持がなされている。具体的には、図2(c)に示すように、支持ワイヤ11上には、近位側筒部材51が挿通されている。近位側筒部材51は、プラチナにより形成されているが、これに限定されることはなく、ステンレスなどの他の金属により形成されていてもよく、合成樹脂により形成されていてもよい。この近位側筒部材51は遠位側筒部材36と同一のものが用いられているが、異なるものを用いてもよい。
近位側筒部材51は、軸線方向の全体に亘って外径が一定となっているとともに内径が一定となっており、その内径は支持ワイヤ11の外径よりも若干大きく設定されている。近位側筒部材51の外周面には、筒状であってメッシュ状となるように形成された上記集約部25の近位端部25aが固定されている。詳細には、集約部25の近位端部25aが近位側筒部材51の外周面に外側から被さるように配置されており、近位側筒部材51の外周面に対して集約部25の近位端部25aが合成樹脂を利用して接着されている。
当該接着用の合成樹脂としては、遠位側筒部材36に対して捕捉ベース部21の遠位端部21aを固定する場合に用いられたものと同一のポリアミド系樹脂が用いられており、具体的にはナイロンが用いられている。但し、これに限定されることはなく、遠位側の固定箇所とは異なる材料を用いてもよく、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂又はシリコン系樹脂を用いてもよい。また、接着剤は複数種類の合成樹脂を利用して形成されていてもよく、所定の合成樹脂を主材料として合成樹脂以外の材料が含有されていてもよい。また、図2(c)では、近位側筒部材51と集約部25の近位端部25aとの間に合成樹脂による近位側接着層52が存在しているが、当該近位側接着層52が両者の外側にも存在している構成としてもよく、近位側筒部材51と近位端部25aとが内外に重なっており、それを外側から覆うように近位側接着層52が存在している構成としてもよい。ちなみに、図2(c)では便宜上、集約部25を非メッシュ状としている。
近位側筒部材51に対して集約部25の近位端部25aが接着された領域を外側から覆うようにして、カバー部材53が設けられている。カバー部材53は、ステンレスにより形成されているが、これに限定されることはなく、プラチナなどの他の金属により形成されていてもよく、合成樹脂により形成されていてもよい。但し、ステンレスなどといったX線造影性を有する材料により形成することで、造影マーカとしての機能をカバー部材53に付与することが可能となる。
カバー部材53は、軸線方向の両端にて開口された筒状に形成されており、上記接着された領域が筒孔内に圧入されていることで、当該接着された領域の全体を外側から覆っている。この場合に、当該カバー部材53は、近位端側の開口周縁部が遠位端側の開口周縁部よりも狭く形成されており、当該近位端側の開口周縁部の底面が上記接着された領域の近位側端面に対して近位側から接している。カバー部材53が設けられていることにより、集約部25の近位端部25aが近位側筒部材51から外側に向けて離間しようとしても、それが規制される。
なお、カバー部材53を固定する方法は任意であり、例えば固定に際してカバー部材53の外周面側に外力が加えられることで、加締められている構成としてもよく、カバー部材53の内周面が上記接着された領域の外周面に接着されている構成としてもよい。また、カバー部材53が、上記接着された領域を越えた位置まで覆う構成、例えば集約部25の外周面の略全体を覆う構成としてもよい。
上記のとおり近位側筒部材51は、その内径が支持ワイヤ11の外径よりも若干大きく設定されており、さらに集約部25の内径も支持ワイヤ11の外径よりも大きく設定されている。これにより、捕捉体12の近位端部は、軸周りの移動が許容された状態で支持ワイヤ11に支持されている。
但し、支持ワイヤ11の外周面には、軸線方向において少なくとも近位側筒部材51を間に挟むようにして一対のストッパ部54,55が設けられている。このストッパ部54,55は支持ワイヤ11の外周面に対して半田付けを行うことにより形成されているが、他の金属や合成樹脂により形成されていてもよい。一対のストッパ部54,55は、捕捉体12の近位端部の支持ワイヤ11に対する軸線方向の移動が不可又は僅かな移動は可能とするが概ね不可とするように形成されている。したがって、捕捉体12の近位端部は、支持ワイヤ11に対する軸線方向の移動は規制されている。これにより、捕捉体12の遠位端部は軸線方向の相対移動が許容されている構成であっても、捕捉体12の支持ワイヤ11からの抜けが防止される。その一方、捕捉体12の遠位端部及び近位端部の両方が支持ワイヤ11に対する軸周りの相対移動が許容されているため、捕捉体12は支持ワイヤ11に対して軸周りに回転することが可能となっている。
ここで、各脚部22〜24は、図1(a)及び図2(a)に示すように、軸線に対して離れる方向、すなわち外側へと湾曲させて形成されている。
詳細には、図2(a)に示すように、各脚部22〜24の遷移領域44〜46は、流入口27の周縁部に対して外側へと立ち上げられた状態となっている。この場合、各遷移領域44〜46の外周面及び内周面は、近位側に向かうほど除々に外側へ立ち上がるように傾斜している。これら各遷移領域44〜46に連続するようにして各脚ベース領域41〜43の遠位端側も外側へと立ち上げられた状態となっており、当該遠位端側の外周面及び内周面は、近位側に向かうほど除々に外側へ立ち上がるように傾斜している。
各脚ベース領域41〜43の長手方向の途中位置には、抑制構造又は曲げ部として、湾曲部41a〜43aが形成されている。当該湾曲部41a〜43aにより、脚ベース領域41〜43は、近位側に向かうほど除々に外側へ立ち上がるように傾斜していた状態から、近位側に向かうほど除々に内側へと立ち下がるように傾斜した状態へと遷移する。そして、この湾曲部41a〜43aよりも近位端側の外周面及び内周面は、近位側に向かうほど除々に内側へ立ち下がるように傾斜している。
上記のように脚部22〜24が形成されていることにより、遷移領域44〜46において脚ベース領域41〜43に対する境界部分は流入口27の周縁部よりも外側に存在している。つまり、支持ワイヤ11(又は軸線)に対する遷移領域44〜46の上記境界部分までの距離X2は、支持ワイヤ11に対する流入口27の周縁部までの距離X1よりも長く設定されている。
また、脚ベース領域41〜43において最も外側へと膨らみ出した部分、すなわち湾曲部41a〜43aの頂点は、流入口27の周縁部よりも外側に存在している。つまり、支持ワイヤ11(又は軸線)に対する湾曲部41a〜43aの頂点までの距離X3は、支持ワイヤ11に対する流入口27の周縁部までの距離X1よりも長く設定されている。さらにまた、湾曲部41a〜43aの頂点は、捕捉ベース部21の自然状態において最も外側へ膨らみ出した箇所よりも外側に存在している。つまり、図1(a)に示すように、支持ワイヤ11(又は軸線)に対する湾曲部41a〜43aの頂点までの距離X3は、支持ワイヤ11に対する最大外径部分までの距離X4よりも長く設定されている。以上のように脚部22〜24が形成されていることによる作用効果は、後に詳細に説明する。
次に、塞栓物捕捉器具10の製造方法について説明する。先ず、図3(a)〜(d)を参照しながら、ワイヤ集合体14の製造方法を説明する。なお、図3(a)〜(d)では、ワイヤ集合体14の元となるメッシュ状のチューブ61及びワイヤ集合体14を簡易的に示す。また、以下の説明では、リング49の説明及び図示を省略する。
図3(a)に示すように、先ずメッシュ状のチューブ61を作成する。当該チューブ61は、軸線方向の途中位置を境界としてメッシュ状の網目が相違しており、途中位置よりも一方の端部側に比べて他方の端部側は網目が粗く設定されている。
次に、第1の形状付け工程を行う。具体的には、メッシュ状のチューブ61内に第1の形状付け用の金型を挿入するとともに、その状態でメッシュ状のチューブ61の外側から熱をかけることで、図3(b)に示すように、軸線方向の両端が縮径し且つ軸線方向の中央側ほど外側に膨らみ出した形状とする。この際に、捕捉ベース部21及び集約部25の形状付けが完了する。
次に、図3(c)に示すように、網目の解除工程を行う。具体的には、第1の形状付け工程が完了したメッシュ状のチューブ61における捕捉ベース部21と集約部25との間の領域である網目が粗い部分について、多数の金属ワイヤ13が編み込まれた状態を解除して、これら多数の金属ワイヤ13を並列状態とする。
その後、それら並列状態とした金属ワイヤ13を3組に分けて束ねるとともに、各組において1本の金属ワイヤ13を集約部25側からほどき、それぞれの組においてその金属ワイヤ13を1箇所だけ周回させる。そして、第2の形状付け工程を行う。具体的には、脚部22〜24を外側へと湾曲させるための金型を挿入するとともに、並列状態とされた各組に対して外側から熱をかける。これにより、図3(d)に示すように、捕捉ベース部21、各脚部22〜24及び集約部25を有するとともに、各脚部22〜24が外側へと湾曲した状態のワイヤ集合体14の製造が完了する。
次に、図4(a)〜(f)を参照しながら、ワイヤ集合体14を支持ワイヤ11に支持させて塞栓物捕捉器具10を製造する場合の製造方法を説明する。
図4(a)〜(c)には、捕捉ベース部21の遠位端部21aを支持ワイヤ11に支持させる工程を示す。
図4(a)に示すように、先ず支持ワイヤ11に挿通させていない状態における遠位側筒部材36を捕捉ベース部21の遠位端部21aに挿入し、合成樹脂を用いて遠位側筒部材36の外周面に対して外周側から捕捉ベース部21の遠位端部21aを接着させる。なお、接着用の合成樹脂は、遠位端部21aに挿入する前において遠位側筒部材36の外周面に塗布されていてもよく、遠位端部21aに遠位側筒部材36を挿入した後において遠位端部21aの外側から塗布してもよい。
次に、図4(b)に示すように、予備工程にて事前に形成しておいた先端チップ体31内に、捕捉ベース部21の遠位端部21aが一体化された遠位側筒部材36を挿入する。そして、先端チップ体31の被覆領域34aに外側から熱をかけて、捕捉ベース部21の遠位端部21aに対して当該被覆領域34aを熱溶着する。その後、図4(c)に示すように、遠位側筒部材36内及び先端チップ体31内に支持ワイヤ11を挿通させることで、捕捉ベース部21の遠位端部21aを支持ワイヤ11に支持させる工程が完了する。
上記のように捕捉ベース部21の遠位端部21aを固定対象の外周面に対して外側から接着固定させることにより、多数の金属ワイヤ13をまとめて固定することが可能となり、固定作業を良好に行うことが可能となる。例えば、多数の金属ワイヤ13を固定対象内に挿入して固定作業を行おうとすると、一部の金属ワイヤ13は固定されていない状況が生じ得る。また、多数の金属ワイヤ13を外側から覆った固定部材に外力を加えて加締めることで固定を行おうとすると、多数の金属ワイヤ13が軸周りの所定の位置に集合してしまう状況が生じ得る。そうすると、固定部材はその集合部分に合わせて変形してしまい、予期しない突起などが生じてしまうことが懸念される。これに対して、捕捉ベース部21の遠位端部21aを固定対象の外周面に対して外側から接着させることで、当該遠位端部21aを接着させた状態における形状を良好に制御することが可能となる。
図4(d)〜(f)には、集約部25の近位端部25aを支持ワイヤ11に支持させる工程を示す。
図4(d)に示すように、先ず支持ワイヤ11に挿通されていない状態における近位側筒部材51を集約部25の近位端部25aに挿入し、合成樹脂を用いて近位側筒部材51の外周面に対して外周側から集約部25の近位端部25aを接着させる。なお、接着用の合成樹脂は、近位端部25aに挿入する前において近位側筒部材51の外周面に塗布されていてもよく、近位端部25aに近位側筒部材51を挿入した後において遠位端部21aの外側から塗布してもよい。
次に、図4(e)に示すように、集約部25の近位端部25aが一体化された近位側筒部材51をカバー部材53に圧入する。なお、圧入させるのではなく、内径が大きめのカバー部材53を用意して、上記一体化された近位側筒部材51をカバー部材53に挿入した後に当該カバー部材53の外周面に外力を加えて加締めるようにしてもよい。
その後、図4(f)に示すように、近位側筒部材51及び集約部25内に支持ワイヤ11を挿通させることで、集約部25の近位端部25aを支持ワイヤ11に支持させるとともに、近位側筒部材51を間に挟むようにして一対のストッパ部54,55を形成する。これにより集約部25の近位端部25aを支持ワイヤ11に支持させる工程が完了する。
上記のように集約部25の近位端部25aを固定対象の外周面に対して外側から接着固定させることにより、多数の金属ワイヤ13をまとめて固定することが可能となり、固定作業を良好に行うことが可能となる。例えば、多数の金属ワイヤ13を固定対象内に挿入して固定作業を行おうとすると、一部の金属ワイヤ13は固定されていない状況が生じ得る。また、多数の金属ワイヤ13を外側から覆った固定部材に外力を加えて加締めることで固定を行おうとすると、多数の金属ワイヤ13が軸周りの所定の位置に集合してしまう状況が生じ得る。そうすると、固定部材はその集合部分に合わせて変形してしまい、予期しない突起などが生じてしまうことが懸念される。これに対して、集約部25の近位端部25aを固定対象の外周面に対して外側から接着させることで、当該近位端部25aを接着させた状態における形状を良好に制御することが可能となる。
また、集約部25の近位端部25aを支持ワイヤ11側に接着固定するのではなく、当該支持ワイヤ11よりも短い近位側筒部材51に接着固定するため、接着固定に際して手などにて保持する必要のある部材が小さくなる。よって、接着固定の作業性が向上する。
また、各脚部22〜24を個別に固定するのではなく、それら脚部22〜24を集約させた集約部25を固定するため、接着固定の作業性が向上する。さらにまた、集約部25は筒状に形成されているため、当該集約部25を近位側筒部材51の外周面側に配置し易くなる。よって、接着固定の作業性が向上する。
次に、塞栓物捕捉器具10の使用方法について、図5(a)〜(d)を参照しながら説明する。
先ず、図5(a)に示すように、ワイヤ集合体14を収容させた状態の誘導カテーテル65の遠位端部を、頚動脈といった血管71内の狭窄箇所に導入する。この場合に、血管71内に予め留置したガイディングカテーテル(図示略)を介して導入を行う。また、この導入に際しては、既に説明したとおり、先端チップ体31のテーパ領域33が誘導カテーテル65よりも遠位側に突出するとともに当該テーパ領域33と誘導カテーテル65の遠位側端面65aとの間に段差が生じていないため、通過性が向上する。ちなみに、誘導カテーテル65内にワイヤ集合体14が収容された状態では、当該ワイヤ集合体14は、弾性変形して収縮された状態となっている。
狭窄箇所よりも血流方向の下流側に捕捉体12を配置したら、当該捕捉体12をその位置に維持させながら、誘導カテーテル65を近位側に引っ張る。これにより、図5(b)に示すように、誘導カテーテル65から捕捉体12の全体が露出した状態となり、さらに収縮状態となっていたワイヤ集合体14は自身の復元力により拡張状態(自然状態)となる。この際、捕捉ベース部21の外周面が血管71の内壁に密着した状態となる。また、捕捉体12の近位端部は支持ワイヤ11に対する軸線方向の相対移動が規制されているが、捕捉体12の遠位端部は軸線方向の相対移動が許容されているため、ワイヤ集合体14は血流の影響により軸線方向に伸張された状態となる。
その後、図5(c)に示すように、狭窄箇所にバルーンカテーテル73のバルーン73aを挿入するとともに、当該バルーン73aを拡張状態とする。これにより、塞栓物72が破壊されながら、血管71の内壁から除去される。そして、この破壊された塞栓物72の破片72aは捕捉体12の流入口27から捕捉ベース部21内に捕捉される。これにより、塞栓物72の破片72aが病変部末梢側へ入り込んでしまうことが抑制される。
その後、図5(d)に示すように、塞栓物72の破片72aを捕捉した捕捉体12が誘導カテーテル65側に引き寄せられる。この場合に、捕捉ベース部21は誘導カテーテル65内に収容されずに、流入口27の周縁部よりも若干遠位側までが誘導カテーテル65内に収容される。なお、誘導カテーテル65の遠位端部には造影マーカ65bが設けられているとともに、支持ワイヤ11において流入口27に対応した位置にも造影マーカ11aが設けられている(図2(a)参照)。したがって、誘導カテーテル65に対して上記の位置まで捕捉体12を引き寄せることが可能となる。その後、誘導カテーテル65とともに塞栓物捕捉器具10が生体内から引き出される。
次に、上記のような塞栓物捕捉器具10の使用に際して、捕捉体12の脚部22〜24が既に説明したように形成されていることによる作用について、図6(a)〜(c)を参照しながら説明する。図6(a)は本塞栓物捕捉器具10の場合を示し、図6(b)及び図6(c)は比較例を示す。
図6(a)に示すように、本塞栓物捕捉器具10は、脚部22〜24が流入口27よりも外側に湾曲させて形成されているため、当該湾曲部41a〜43aは血管71の内壁に密着した状態となる。したがって、捕捉体12においては流入口27が大きく開かれた状態となり、流入口27の周縁部も血管71の内壁に密着した状態となる。これにより、流入口27の周縁部と血管71の内壁との間に隙間が生じづらくなり、塞栓物の破片が捕捉体12に捕捉されることとなる。
また、脚部22〜24は、流入口27の周縁部と連続する遷移領域44〜46の位置から外側に立ち上げられているため、当該遷移領域44〜46の位置から血管71の内壁に密着することとなり、この点からも、流入口27の周縁部と血管71の内壁との間に隙間が生じづらくなる。
また、脚部22〜24に湾曲部41a〜43aが形成されているとともに、その湾曲部41a〜43aにおける曲げの強度は、脚部22〜24の近位端部が支持ワイヤ11により斜め方向に引っ張られた際に、湾曲部41a〜43a及びそれよりも近位端側の領域における変形によりそれを吸収することができるように設定されている。したがって、血管71が湾曲していたりして、捕捉体12の近位端部が斜め方向に引っ張られたとしても、その際の脚部22〜24の変形が湾曲部41a〜43a及びそれよりも近位側にて吸収される。そうすると、上記のように斜め方向に引っ張られたとしても、湾曲部41a〜43aよりも遠位端側の領域の姿勢を維持させることが可能となり、それに伴って流入口27の周縁部を血管71の内壁に密着させた状態を維持させることが可能となる。
例えば、脚部81a〜81cにおいて上記のような変形の吸収を行えない塞栓物捕捉器具80を想定した場合、図6(b)に示すように、脚部81a〜81cの近位端部が斜め方向に引っ張られると、脚部81a〜81cの全体が引っ張られる。そうすると、捕捉体82は流入口83を狭くするように変形して、当該流入口83の周壁部と血管71の内壁との間に隙間が生じ易くなってしまう。これに対して、本塞栓物捕捉器具10であれば、上記のとおり斜め方向に引っ張られる力を良好に吸収することが可能となる。
図6(a)に示す本塞栓物捕捉器具10では、各脚部22〜24において湾曲部41a〜43aが存在する脚ベース領域41〜43は多数の金属ワイヤ13が並列状態とされて形成されているため、所定の強度を維持しながら柔らかく形成されている。これにより、湾曲部41a〜43aが血管71の内壁に外力を加えた際に、当該湾曲部41a〜43aを起点として、それよりも遠位端側が内側へ変形してしまうことが抑えられ、流入口27の周縁部が血管71の内壁に密着した状態が良好に維持される。
例えば、図6(c)に示すように、脚部85a〜85cが多数の金属ワイヤ86をまとめて捩じることで形成されている構成においては、脚部85a〜85cが必要以上に硬くなることが想定される。この場合、脚部85a〜85cを起点として、それよりも遠位端側が内側へと変形してしまい、流入口87の周壁部と血管71の内壁との間に隙間が生じ易くなってしまう。これに対して、本塞栓物捕捉器具10であれば、上記のとおり脚部22〜24が所定の強度を維持しながら柔らかく形成されているため、そのような不都合が生じない。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
捕捉体12の脚部22〜24には、抑制構造として湾曲部41a〜43aが形成されている。これにより、捕捉体12の近位端部が斜め方向に引っ張られたとしても、その際の脚部22〜24の変形が湾曲部41a〜43aよりも近位側にて吸収される。よって、上記のように斜め方向に引っ張られたとしても、流入口27の周縁部と血管71の内壁との間に隙間が生じづらくなり、塞栓物72の破片72aの捕捉を良好に行うことが可能となる。
また、湾曲部41a〜43aは、脚部22〜24の長手方向の途中位置に設けられているため、仮に湾曲部41a〜43aよりも遠位端側にまで上記引っ張られたことによる影響が及んだとしても、その影響をも脚部22〜24にて吸収することが可能となる。よって、上記引っ張られたことによる影響が流入口27の周縁部に及びづらくなる。また、抑制構造を脚部22〜24の湾曲部41a〜43aにより設けていることで、簡易な構成により、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
上記湾曲部41a〜43aは、脚部22〜24の遠位端側を流入口27の周縁部よりも外側となるように立ち上げながら、脚部22〜24の近位端側を支持ワイヤ11側に近付けるように形成されている。したがって、脚部22〜24を支持ワイヤ11側に良好に支持させることができるようにしながら、流入口27の周縁部を外側へと広げる力を生じさせることができる。
脚部22〜24は、多数の金属ワイヤ13により形成されているため、当該脚部22〜24の強度を高めることが可能となる。その一方で、脚部22〜24は多数の金属ワイヤ13の編み込みや一体的な捩じれを伴わずに形成されているため、脚部22〜24を細く形成することができるとともに、当該脚部22〜24が必要以上に硬くなってしまうことが抑えられる。
各脚部22〜24の近位端部は集約部25により集約されているとともに、当該集約部25は多数の金属ワイヤ13を利用して筒状に形成されている。したがって、上記のような作用効果を奏する脚部22〜24の構成であっても、各脚部22〜24の近位端部を支持ワイヤ11側に支持させる際の作業性を向上させることが可能となる。
(第2の実施の形態)
図7(a)に示すように、本実施の形態における塞栓物捕捉器具90では、脚部91〜93の遷移領域91a〜93a及び脚ベース領域91b〜93bの途中位置までは、捕捉ベース部94の流入口95の周壁部から軸線方向に平行な方向に延びている。そして、その途中位置に、湾曲部91c〜93cが形成されていることにより、脚ベース領域91b〜93bにおいて湾曲部91c〜93cよりも近位端側が集約部96に向けて傾斜している。本構成であっても、湾曲部91c〜93cが形成されているため、捕捉体97の近位端部が斜め方向に引っ張られた際の変形を脚部91〜93において吸収することが可能となる。
(第3の実施の形態)
図7(b)に示すように、本実施の形態における塞栓物捕捉器具100では、脚部101〜103の脚ベース領域101a〜103aには長手方向に並べて複数の湾曲部101b〜103bが形成されており、当該脚ベース領域101a〜103aはS字状となっている。本構成であっても、湾曲部101b〜103bが形成されているため、捕捉体104の近位端部が斜め方向に引っ張られた際の変形を脚部101〜103において吸収することが可能となる。特に、上記第1の実施の形態における塞栓物捕捉器具10に比べて、脚部101〜103において変形を吸収し易くなる。
(第4の実施の形態)
図7(c)に示すように、本実施の形態における塞栓物捕捉器具110では、脚部111〜113は捕捉ベース部114の流入口115から捕捉体116の近位端部に向けて湾曲することなく傾斜している。但し、脚部111〜113には、多数の金属ワイヤにより形成された遠位側よりも変形し易いゴム材料により形成された変形許容部111a〜113aが抑制構造として存在している。本構成であっても、捕捉体116の近位端部が斜め方向に引っ張られた際の変形を変形許容部111a〜113aにおいて吸収することが可能となる。但し、本構成では、変形許容部111a〜113aと多数の金属ワイヤとの繋ぎ目が生じる。
(他の実施形態)
本発明は上記各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施しても良い。なお、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態において例示している実施の形態とは異なる実施の形態に適用してもよい。
(1)脚部22〜24は、その全長に亘って、近位端部に向けて軸線側に近付くように傾斜している構成としてもよい。この場合、当該脚部22〜24の途中位置にて、当該途中位置よりも近位側の方が遠位側に比べて傾斜角度が大きくなるように湾曲部41a〜43aを形成することで、捕捉体12が斜め方向に引っ張られた際の影響を脚部22〜24にて吸収することが可能となる。
(2)脚部22〜24に湾曲部41a〜43aといった抑制構造を設けることで、捕捉体12が斜め方向に引っ張られた際の影響を脚部22〜24にて吸収することが可能となるという作用効果に着目した場合、脚部22〜24が多数の金属ワイヤ13を並列状態とすることで形成されていることは必須ではなく、メッシュ状とされた多数の金属ワイヤ13をそのまま束ねることで脚部22〜24を形成してもよく、多数の金属ワイヤ13を一体的に捩じることで脚部22〜24を形成してもよい。また、脚部22〜24の近位端部が集約部25により集約されていることも必須ではなく、各脚部22〜24が個別に支持ワイヤ11側に支持されていてもよい。
(3)上記各実施の形態における特徴的な構成を、捕捉体12の捕捉ベース部21及び脚部22〜24が多数の金属ワイヤ13により形成されている構成とは異なる塞栓物捕捉器具に適用してもよい。例えば、金属ワイヤにより形成された骨格に対して、メッシュ状といったように内外に貫通する貫通孔が形成された捕捉用膜が設けられた構成の塞栓物捕捉器具に、上記各実施の形態における特徴的な構成を適用してもよい。具体的には、骨格側に形成された複数の脚部に、上記各実施の形態のような湾曲部41a〜43a,91c〜93c,101b〜103bの構成や、変形許容部111a〜113aの構成を適用してもよい。
(上記各実施の形態から抽出される他の発明)
上記各実施の形態から抽出される他の発明を以下に示す。
第1の別の医療器具:塞栓物を捕捉する空間を規定する捕捉ベース部と、
当該捕捉ベース部における前記塞栓物の流入口の周縁部から近位側に向けて延び、前記捕捉ベース部をシャフトに支持させるために利用される脚部と、
を備えており、
前記脚部は、長手方向の途中位置に、当該途中位置よりも遠位端側を、前記流入口の周縁部よりも軸線方向に対して直交する方向の外側に位置させる一方、前記途中位置よりも近位端側を前記シャフトに向けさせるための曲げ部を備えていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
本構成によれば、治療の対象となる血管の内壁に脚部を密着させることが可能となり、それに伴って流入口の周縁部を血管の内壁に密着させることが可能となる。特に、医療器具の自然状態で、脚部の曲げ部が流入口の周縁部よりも外側に位置する構成であるため、捕捉ベース部に外力を加えられた際にも脚部において流入口の周縁部を外側に広げる力が作用することが期待される。よって、流入口の周縁部を血管の内壁に密着させ易くなる。
第2の別の医療器具:塞栓物を捕捉する空間を規定する捕捉ベース部と、
当該捕捉ベース部における前記塞栓物の流入口の周縁部から近位側に向けて延び、前記捕捉ベース部をシャフトに支持させるために利用される脚部と、
を備えており、
前記脚部は、多数の弾性線により形成されているとともに、それら多数の弾性線の編み込みや一体的な捩じれを伴わずに形成されていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
脚部を多数の弾性線により形成することで当該脚部の強度を良好に高めることが可能となる。その一方で、脚部は多数の弾性線の編み込みや一体的な捩じれを伴わずに形成されているため、脚部を細く形成することができるとともに、当該脚部が必要以上に硬くなってしまうことが抑えられる。脚部を細く形成することで、例えば、塞栓物が脚部に引っ掛かってしまう可能性が低減される。また、脚部に柔軟性を付与することで、当該脚部を血管の内壁に良好に密着させることが可能となる。
なお、上記第2の別の医療器具においては、前記脚部を構成している多数の弾性線のうち一部の弾性線は、長手方向の所定位置において他の弾性線をまとめるように当該長手方向周りに周回されていることが好ましい。これにより、上記のように多数の弾性線が並列状態となるように設けられた構成であっても、脚部において多数の弾性線を束ねることが可能となり、さらにその束ねる機能を弾性線自身により生じさせることが可能となる。
第3の別の医療器具:塞栓物を捕捉する空間を規定する捕捉ベース部と、
当該捕捉ベース部における前記塞栓物の流入口の周縁部から近位側に向けて延び、前記捕捉ベース部をシャフトに支持させるために利用される脚部と、
を備えており、
当該脚部は、多数の弾性線により形成されているとともに、軸周りに離間させて複数設けられており、
それら各脚部よりも近位端側には、それら脚部の各弾性線を集約させるとともにそれら各弾性線により筒状に形成された集約部を備えていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
脚部を多数の弾性線により形成することで当該脚部の強度を良好に高めることが可能となり、また脚部が複数設けられていることにより捕捉ベース部をシャフトに良好に支持させることが可能となる。この場合に、各脚部の近位端部は集約部により集約されているとともに、当該集約部は多数の弾性線を利用して筒状に形成されている。したがって、上記のような作用効果を奏する脚部の構成であっても、各脚部の近位端側をシャフトに支持させる際の作業性を向上させることが可能となる。
10…塞栓物捕捉器具、11…支持ワイヤ、21…捕捉ベース部、22〜24…脚部、25…集約部、27…流入口、41〜43…脚ベース領域、41a〜43a…湾曲部、44〜46…遷移領域、47…周回部、91〜93…脚部、91c〜93c…湾曲部、101〜103…脚部、101b〜103b…湾曲部、111〜113…脚部、111a〜113a…変形許容部。

Claims (9)

  1. 塞栓物を捕捉する空間を規定する捕捉ベース部と、
    当該捕捉ベース部における前記塞栓物の流入口の周縁部から近位側に向けて延び、前記捕捉ベース部をシャフトに支持させるために利用される脚部と、
    を備えており、
    当該脚部は、前記シャフトが前記捕捉ベース部の軸線方向に対して交差する方向に変位した際に自身が変形することで、前記流入口の周縁部の変形を抑制する抑制構造を備えていることを特徴とする塞栓物捕捉用の医療器具。
  2. 前記抑制構造は、前記脚部の長手方向の途中位置に設けられており、前記シャフトが前記捕捉ベース部の軸線方向に対して交差する方向に変位した際に自身が変形することで、当該抑制構造よりも遠位端側の変形を抑制するものであることを特徴とする請求項1に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  3. 前記抑制構造は、前記脚部の延びる方向を前記途中位置にて変更させる曲げ部であることを特徴とする請求項2に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  4. 前記抑制構造は、前記途中位置よりも近位端側の領域を近位端に向かうほど前記シャフトに近付くようにさせる曲げ部であって、
    前記途中位置よりも遠位端側の領域を、当該途中位置に向かうほど前記シャフトから遠ざけるようにする、
    当該途中位置に至る過程でシャフトとの間の距離が変化しないようにする、
    又は当該途中位置に向かうほど前記シャフトに近付くがその近付く割合が前記近位端側の領域に比べて小さくなるようにする
    曲げ部であることを特徴とする請求項2又は3に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  5. 前記脚部は、前記曲げ部又は当該曲げ部よりも遠位端側が、前記流入口の周縁部よりも軸線方向に対して直交する方向の外側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  6. 前記捕捉ベース部は多数の弾性線を用いてメッシュ状に形成されているとともに、前記脚部はそれら多数の弾性線をまとめることにより形成されており、
    さらに、当該脚部は、前記曲げ部が形成された脚ベース領域と、当該脚ベース領域及び前記捕捉ベース部の間に介在し、当該捕捉ベース部においてメッシュ状となっている多数の弾性線を前記脚ベース領域において束ねられた状態へ遷移させる遷移領域と、を備えており、
    当該遷移領域は、その少なくとも近位端部が、前記流入口の周縁部よりも軸線方向に対して直交する方向の外側に位置するように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  7. 前記脚部は、多数の弾性線により形成されているとともに、それら多数の弾性線の編み込みや一体的な捩じれを伴わずに形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  8. 前記脚部を構成している多数の弾性線のうち一部の弾性線は、長手方向の所定位置において他の弾性線をまとめるように当該長手方向周りに周回されていることを特徴とする請求項7に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
  9. 前記脚部は軸周りに離間させて複数設けられており、
    それら各脚部よりも近位端側には、それら脚部の各弾性線を集約させるとともにそれら各弾性線により筒状に形成された集約部を備えていることを特徴とする請求項7又は8に記載の塞栓物捕捉用の医療器具。
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