JPWO2011145222A1 - 車両用変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

油圧制御で変速するベルト式変速機のダウンシフトにおいて、ベルト滑りを防止しつつ十分な変速応答性を得ることができる車両用変速制御装置を提供する。変速制御手段104は、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定してダウンシフトを実行する場合において、そのダウンシフトの開始時に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くする。従って、その第1可変プーリ指示油圧Pintgtの一時的な低下により、第1供給油圧Pinをダウンシフト開始直後にダウンシフト開始前と比較して低下させることができるので、第1可変プーリから作動油が排出され易くなり、変速応答性を十分に得ることが可能である。また、上記第1可変プーリ指示油圧Pintgtの低下は一時的なものであるので、油圧シリンダ42cの内圧はあまり低下せず、ベルト滑りを適切に防止できる。

Description

本発明は、車両用のベルト式変速機の変速に関連する油圧制御に関するものである。
1対の可変プーリとその1対の可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを有するベルト式変速機を備えており、前記1対の可変プーリの有効径(ベルト掛かり径)を油圧制御によってそれぞれ変更することにより前記ベルト式変速機の変速を実行する車両用変速制御装置がよく知られている。例えば、特許文献1に記載されたベルト式変速機の制御装置がそれである。その特許文献1のベルト式変速機の制御装置は、調圧バルブが1対の可変プーリに供給するそれぞれの供給油圧を指示油圧に応じて調圧することにより前記ベルト式変速機の変速比を目標変速比に一致させるように変速すると共に、前記伝動ベルトが前記可変プーリに対して滑るベルト滑りが発生しないようにする。そして、前記1対の可変プーリのうちの一方である駆動側可変プーリの供給油圧を受け入れる油圧シリンダには、作動油の排出を阻止する供給側逆止弁を有する作動油供給口と、作動油の排出阻止状態を油圧アクチュエータの作動により解除可能な排出側逆止弁を有する作動油排出口とが設けられており、前記特許文献1の制御装置は、所定の許容条件に基づき前記油圧アクチュエータを作動させて前記駆動側可変プーリの油圧シリンダから作動油を排出させる。
特開2007−162919号公報 特開2007−057073号公報 特開2005−299803号公報
上述した特許文献1のベルト式変速機の制御装置を含む従来からの車両用変速制御装置には、前記1対の可変プーリの油圧シリンダの油圧をそれぞれ指示油圧に従って制御することにより前記ベルト式変速機の変速比を変更するものがあり、ベルト式変速機の変速制御に油圧が用いられているので、その変速制御には油圧の応答遅れが生じ得る。特に、急速なダウンシフトにおいては、その変速開始時に前記油圧の応答遅れは顕著なものとなり、十分な変速応答性が得られず、例えば走行状態に即した変速初期の目標変速速度を実現できないこととなる可能性があった。なお、このような課題は未公知のことである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、油圧制御で変速するベルト式変速機のダウンシフトにおいて、ベルト滑りを防止しつつ十分な変速応答性を得ることができる車両用変速制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a)駆動力源側の第1可変プーリと駆動輪側の第2可変プーリとそれらの可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを含むベルト式変速機を備えており、前記第1可変プーリの油圧シリンダの油圧および前記第2可変プーリの油圧シリンダの油圧を、第1可変プーリ指示油圧および第2可変プーリ指示油圧に従ってそれぞれ制御することにより前記ベルト式変速機の変速比を目標変速比に一致させるようにその変速比を制御する車両用変速制御装置であって、(b)前記第1可変プーリ指示油圧を、前記ベルト式変速機の目標変速比を維持するための第1可変プーリ維持圧にしてそのベルト式変速機のダウンシフトを実行する場合において、そのダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くすることにある。
このようにすれば、前記第1可変プーリ指示油圧の一時的な低下により、前記第1可変プーリの油圧シリンダが受け入れる油圧(シリンダ内圧ではない)すなわちその第1可変プーリの油圧シリンダに供給される供給油圧(第1供給油圧)をダウンシフト開始直後にダウンシフト開始前と比較して低下させることができるので、前記第1可変プーリから作動油が排出され易くなる。そのため、前記ベルト式変速機のダウンシフトの際に、例えば急速なダウンシフトの際に、前記第1可変プーリの有効径を小さくすると共に前記第2可変プーリの有効径を大きくするという応答性すなわち変速応答性を十分に得ることが可能である。また、ダウンシフト開始時の前記第1可変プーリ指示油圧の低下は一時的なものであるので、前記第1可変プーリが備える油圧シリンダの内圧は油圧制御回路の管路抵抗などに起因してあまり低下せず、そのため、ベルト滑りを適切に防止できる。なお、前記目標変速比は、前記ダウンシフト実行中における前記変速比の過渡的な目標値であって、そのダウンシフト後に達成すべき変速比(変速後目標変速比)に近付くようにそのダウンシフト中に逐次変化させられる。従って、前記第1可変プーリ維持圧は前記ダウンシフト中に前記目標変速比の変化に連れて変化する。
ここで、好適には、前記第1可変プーリの油圧シリンダとその第1可変プーリの油圧シリンダに供給される供給油圧を調圧する油圧制御弁との間の油路にオリフィスが設けられている。このようにすれば、前記オリフィスは前記第1可変プーリが備える油圧シリンダの内圧の変化を妨げるように作用するので、そのオリフィスが無い場合と比較して、より確実にベルト滑りを防止することが可能である。
また、好適には、前記ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くするときには、その第1可変プーリ維持圧に対するその第1可変プーリ指示油圧の低下幅を目標変速速度が大きいほど大きくする。このようにすれば、前記ダウンシフト開始直後における前記第1供給油圧の低下幅も上記目標変速速度が大きいほど大きくなるので、その目標変速速度の大きさに応じて前記変速応答性を変更することができる。
また、好適には、前記ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くするときには、その第1可変プーリ指示油圧をその第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くする時間を目標変速速度が大きいほど長くする。このようにすれば、前記ダウンシフト開始直後における前記第1供給油圧の低下幅も上記目標変速速度が大きいほど大きくなるので、その目標変速速度の大きさに応じて前記変速応答性を変更することができる。
また、好適には、前記ダウンシフトでは、前記第2可変プーリ指示油圧を、前記目標変速比を維持するための第2可変プーリ維持圧と目標変速速度を実現するための変速差圧との和とする。このようにすれば、前記第2可変プーリ指示油圧を前記第2可変プーリ維持圧にすると共に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して減ずることにより前記ダウンシフトを行う場合と比較して、より確実にベルト滑りを防止することが可能である。
また、好適には、前記ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くした後には、その第1可変プーリ指示油圧をその第1可変プーリ維持圧にする。このようにすれば、その第1可変プーリ指示油圧をその第1可変プーリ維持圧にしてからの油圧制御を、上記第1可変プーリ指示油圧の一時的な低下を行わない油圧制御と同様にして実行することが可能である。
本発明が適用された車両用駆動装置の骨子図である。 図1の車両用駆動装置を制御するために設けられた電子制御装置の入出力信号を説明するための図である。 図1の車両用駆動装置が有する油圧制御回路のうちベルト式変速機のベルト挟圧力制御および変速比制御に関する要部を示す油圧回路図である。 図2の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図2の電子制御装置が実行するベルト式変速機の変速に関する油圧制御において、目標変速比に基づいて可変プーリの推力比を決定するために予め設定された上記目標変速比と上記推力比との関係を示した図である。 図2の電子制御装置が実行するベルト式変速機の変速に関する油圧制御において、目標変速速度に基づいて変速差圧を決定するために予め設定された上記変速差圧と上記目標変速速度との関係を示した図である。 図2の電子制御装置が実行する指示油圧補正制御を説明するためのタイムチャートであって、アクセルペダルが大きく踏み込まれて急速ダウンシフトが実行される場合を例としたものである。 図2の電子制御装置が実行する指示油圧補正制御において、目標変速速度に基づいて指示油圧補正時間を決定するために予め設定された上記指示油圧補正時間と上記目標変速速度との関係を示した図である。 図2の電子制御装置が実行する指示油圧補正制御において、目標変速速度に基づいて補正圧を決定するために予め設定された上記補正圧と上記目標変速速度との関係を示した図である。 図2の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、ベルト式変速機の急速ダウンシフトを実行するときの制御作動を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用駆動装置10の骨子図である。この車両用駆動装置10は横置型で、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の動力源として用いられる内燃機関であるエンジン12、トルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式変速機(CVT)18、減速歯車20、及び差動歯車装置22などを備えている。エンジン12の出力は、トルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式変速機18、減速歯車20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24へ分配される。
エンジン12は、吸入空気量を電気的に調整する電気式スロットル弁30を備えており、運転者の出力要求量を表すアクセル開度Accなどに応じて電子制御装置80(図2参照)により電気式スロットル弁30の開閉制御や燃料噴射制御等のエンジン出力制御が行われることにより、エンジン12の出力が増減制御される。また、エンジン12の吸気管31にはブレーキブースタ32が接続され、吸気管31内の負圧によってフットブレーキペダル33の踏込み操作力(ブレーキ力)を助勢するようになっている。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられ、それ等を一体的に連結して一体回転させることができるようになっている。上記ポンプ翼車14pには、ベルト式変速機18を変速制御したり、可変プーリ42、46が伝動ベルト48を挟圧するベルト挟圧力を発生させたり、或いは各部に潤滑油を供給したりするための油圧を発生する機械式のオイルポンプ28が設けられている。
前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに連結され、ベルト式変速機18の入力軸36はキャリア16cに連結されている。そして、キャリア16cとサンギヤ16sとの間に配設された直結クラッチ38が係合させられると、前後進切換装置16は一体回転させられてタービン軸34が入力軸36に直結され、前進方向の駆動力が駆動輪24に伝達される。リングギヤ16rとハウジングとの間に配設された反力ブレーキ40が係合させられるとともに上記直結クラッチ38が解放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆回転させられ、後進方向の駆動力が駆動輪24に伝達される。また、直結クラッチ38および反力ブレーキ40が共に解放されると、エンジン12とベルト式変速機18との間の動力伝達が遮断される。直結クラッチ38および反力ブレーキ40は何れも油圧式摩擦係合装置で、エンジン12とベルト式変速機18との間の動力伝達を遮断できる断続装置に相当する。
ベルト式変速機18は図1に示すように動力伝達経路に配設された変速比γを連続的に変更できる無段の自動変速機である。そして、ベルト式変速機18は、V溝幅が可変の第1可変プーリ42(入力側可変プーリ42)と、V溝幅が可変の第2可変プーリ46(出力側可変プーリ46)と、それら1対の可変プーリ42、46に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えている。第1可変プーリ42は入力軸36に設けられており、第2可変プーリ46は出力軸44に設けられている。そして、可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間に生じる摩擦力によりトルク伝達が行われる。すなわち、可変プーリ42、46は、その可変プーリ42、46と伝動ベルト48との間に生じる摩擦力によりトルク容量Tcをそれぞれ発生する。
1対の可変プーリ42、46は、互いに平行な1対の回転軸である入力軸36と出力軸44とにそれぞれ設けられている。図3に示すように、その1対の可変プーリ42、46の一方である第1可変プーリ42は、入力軸36に固定された固定プーリ42aと、入力軸36の軸心まわりに相対回転不能且つ軸心方向に移動可能に設けられた可動プーリ42bとを有しており、その可動プーリ42bは、第1油圧コントロールバルブ251の出力ポート264からの油圧を可動プーリ42bに作用させ前記V溝幅を変更するために、その出力ポート264からの油圧を受け入れる油圧シリンダ42cを備えて構成されている。また、図3に示すように、第2可変プーリ46は、出力軸44に固定された固定プーリ46aと、出力軸44の軸心まわりに相対回転不能且つ軸心方向に移動可能に設けられた可動プーリ46bとを有しており、その可動プーリ46bは、第2油圧コントロールバルブ253の出力ポート284からの油圧を可動プーリ46bに作用させ前記V溝幅を変更するために、その出力ポート284からの油圧を受け入れる油圧シリンダ46cを備えて構成されている。
そして、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cの油圧が油圧制御回路150(図2参照)によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が連続的に変化させられる。なお、上記入力軸回転速度Ninは入力軸36の回転速度であり、上記出力軸回転速度Noutは出力軸44の回転速度である。また、本実施例では図1から判るように、上記入力軸36の回転速度(入力軸回転速度Nin)は第1可変プーリ42の回転速度と同一であり、上記出力軸44の回転速度(出力軸回転速度Nout)は第2可変プーリ46の回転速度と同一である。
伝動ベルト48は、第1可変プーリ42と第2可変プーリ46との間に掛け渡されたベルト式変速機用の圧縮式伝動ベルト(金属ベルト)である。可変プーリ42、46はそれぞれ前記V溝幅が可変であるV型溝を外周部に有しており、各可変プーリ42、46では、上記伝動ベルト48はそのV型溝に巻き掛けられている。上記V型溝は、可変プーリ42、46の何れでも径方向外側に向かうほど軸心方向の相対距離が大きくなる円錐状の一対のシーブ面42d,46dにより形成されている。
図2の電子制御装置80はマイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、上記ベルト式変速機18の変速制御や挟圧力制御を行う制御装置である。この電子制御装置80と車両用駆動装置10とが本発明の車両用変速制御装置に対応する。電子制御装置80は、レバーポジションセンサ82、アクセル開度センサ84、エンジン回転速度センサ86、出力軸回転速度センサ88、入力軸回転速度センサ90、タービン回転速度センサ92、スロットル弁開度センサ93、作動油温センサ94、第1油圧センサ96、第2油圧センサ97などから、それぞれシフトレバー98のレバーポジションPSH、アクセル開度Acc、エンジン回転速度Ne、出力軸回転速度Nout(車速Vに対応)、入力軸回転速度Nin、タービン回転速度Nt、電気式スロットル弁30の開度であるスロットル弁開度θth、ベルト式変速機18の油圧回路の作動油温Toil、第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧すなわち第1可変プーリ42への供給油圧である第1供給油圧Pin、第2油圧コントロールバルブ253の出力油圧すなわち第2可変プーリ46への供給油圧である第2供給油圧Poutなどを表す信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置80は、出力軸回転速度センサ88により検出される出力軸回転速度Noutと入力軸回転速度センサ90により検出される入力軸回転速度Ninとに基づいてベルト式変速機18の変速比γを逐次算出する。
また、電子制御装置80には、ベルト式変速機18の変速制御やベルト挟圧力の制御に必要な各種の情報、例えばエンジン12の吸入空気量Q、エンジン12の冷却水温Tw、オルタネータの電気負荷ELS、アクセルOFFのコースト走行時にエンジン12に対する燃料供給を停止するフューエルカットの有無、減筒運転の有無、エアコンのON・OFF、ロックアップクラッチ26のON・OFF、などに関する信号が供給されるようになっている。
図3は、車両の油圧制御回路150のうちベルト式変速機18のベルト挟圧力制御および変速比制御に関する要部を示す油圧回路図である。図3に示すように、油圧制御回路150は、オイルポンプ28、リニアソレノイド弁SLP、リニアソレノイド弁SLS、ON−OFFソレノイド弁SL1、モジュレータバルブ156、第1油圧コントロールバルブ251、第2油圧コントロールバルブ253、プライマリレギュレータバルブ153、及びセレクトレデューシングバルブ155を備えて構成されている。
プライマリレギュレータバルブ153は、軸方向に移動可能なスプール181を備えており、オイルポンプ28が発生した油圧を調圧してライン圧PLを生成する。スプール181の一端側(図3での下端側)にはスプリング182が圧縮状態で配置されていると共に、その一端側には制御油圧ポート185が形成されている。その制御油圧ポート185にはセレクトレデューシングバルブ155の出力ポート209が接続されており、制御油圧ポート185は、セレクトレデューシングバルブ155が出力する出力油圧を受け入れる。プライマリレギュレータバルブ153は、このような構成により、セレクトレデューシングバルブ155の出力油圧をパイロット圧として作動して、上記ライン圧PLを調圧する。
プライマリレギュレータバルブ153によって調圧されたライン圧PLは、第1油圧コントロールバルブ251の入力ポート263と第2油圧コントロールバルブ253の入力ポート283とモジュレータバルブ156とにそれぞれ供給される。
モジュレータバルブ156は、上記ライン圧PLをそれよりも低い一定のモジュレータ油圧PMに調圧する調圧弁である。そのモジュレータ油圧PMは、リニアソレノイド弁SLPとリニアソレノイド弁SLSとON−OFFソレノイド弁SL1とセレクトレデューシングバルブ155の入力ポート208とにそれぞれ供給される。
リニアソレノイド弁SLPは、例えばノーマルオープンタイプのソレノイドバルブであり、電子制御装置80によってデューティ制御される制御電流に応じた制御油圧(出力油圧)PSLPを出力する。そして、その制御油圧PSLPは、第1油圧コントロールバルブ251の制御油圧ポート265に供給される。
リニアソレノイド弁SLSは、例えばノーマルオープンタイプのソレノイドバルブであり、電子制御装置80によってデューティ制御される制御電流に応じた制御油圧(出力油圧)PSLSを出力する。そして、その制御油圧PSLSは、第2油圧コントロールバルブ253の制御油圧ポート285に供給される。
ON−OFFソレノイド弁SL1は、例えばノーマルオープンタイプのソレノイドバルブであり、非通電時には制御油圧をセレクトレデューシングバルブ155の第3制御油圧ポート206に出力する開状態に切り換えられる一方で、通電時には上記制御油圧を出力しない閉状態に切り換えられる。
第1油圧コントロールバルブ251は、軸方向に移動可能なスプール261と、そのスプール261の一端側(図3での下端側)に圧縮状態で配置されたスプリング262と、上記一端側に形成され前記制御油圧PSLPを受け入れる制御油圧ポート265と、ライン圧PLを受け入れる入力ポート263と、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42c及びセレクトレデューシングバルブ155の第1制御油圧ポート204に接続された出力ポート264とを備えている。第1油圧コントロールバルブ251は、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cに供給される第1供給油圧Pinを調圧する油圧制御弁である。すなわち、第1油圧コントロールバルブ251は、リニアソレノイド弁SLPの制御油圧PSLPをパイロット圧としてライン圧PLを調圧制御して第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cに供給する。これにより、その油圧シリンダ42cに供給される第1供給油圧Pinが制御される。また、オリフィス290が、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cと第1油圧コントロールバルブ251との間の油路292に設けられている。このオリフィス290が設けられていることにより、例えばリニアソレノイド弁SLPが故障しても第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cの内圧が急減しないようにされており、リニアソレノイド弁SLPの故障に起因した車両の急減速が起きないようにされている。そのため、オリフィス290は、短い時間であれば例えば第1供給油圧Pinの指示圧(第1可変プーリ指示油圧Pintgt)が0Mpaにされても、ベルト滑りを生じないだけの油圧が上記油圧シリンダ42c内に残るように作用する。
例えば、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLPが出力する制御油圧PSLPが増大すると、第1油圧コントロールバルブ251のスプール261が図3の上側に移動する。これにより、上記油圧シリンダ42cへの第1供給油圧Pinが増大する。
一方で、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLPが出力する制御油圧PSLPが低下するすると、第1油圧コントロールバルブ251のスプール261が図3の下側に移動する。これにより、上記油圧シリンダ42cへの第1供給油圧Pinが低下する。
第2油圧コントロールバルブ253は、第1油圧コントロールバルブ251と同様の構成であり、軸方向に移動可能なスプール281と、そのスプール281の一端側(図3での下端側)に圧縮状態で配置されたスプリング282と、上記一端側に形成され前記制御油圧PSLSを受け入れる制御油圧ポート285と、ライン圧PLを受け入れる入力ポート283と、第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cに接続された出力ポート284とを備えている。第2油圧コントロールバルブ253は、第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cに供給される第2供給油圧Poutを調圧する油圧制御弁である。すなわち、第2油圧コントロールバルブ253は、リニアソレノイド弁SLSの制御油圧PSLSをパイロット圧としてライン圧PLを調圧制御して第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cに供給する。これにより、その油圧シリンダ46cに供給される第2供給油圧Poutが制御される。
例えば、第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLSが出力する制御油圧PSLSが増大するすると、第2油圧コントロールバルブ253のスプール281が図3の上側に移動する。これにより、上記油圧シリンダ46cへの第2供給油圧Poutが増大する。
一方で、第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLSが出力する制御油圧PSLSが低下するすると、第2油圧コントロールバルブ253のスプール281が図3の下側に移動する。これにより、上記油圧シリンダ46cへの第2供給油圧Poutが低下する。
具体的には、リニアソレノイド弁SLPにより調圧される第1供給油圧Pinおよびリニアソレノイド弁SLSにより調圧される第2供給油圧Poutは、ベルト滑りを発生させず且つ不必要に大きくならないベルト挟圧力を可変プーリの42,46に発生させるように制御される。また、第1供給油圧Pinと第2供給油圧Poutとの相互関係で、後述する可変プーリの42,46の推力比Rw(=Wout/Win)が変更されることによりベルト式変速機18の変速比γが変更される。例えば、その推力比Rwが大きくされるほど変速比γが大きくなる。
セレクトレデューシングバルブ155は、ライン圧PLを調節するためのパイロット圧を調節してプライマリレギュレータバルブ153に供給する。セレクトレデューシングバルブ155は、軸方向に移動可能な第1スプール201と、その第1スプール201と同一軸心を有して直列に配設された軸方向に移動可能な第2スプール202と、第2スプール202の第1スプール201側とは反対側である一端側(図3での下端側)に圧縮状態で配置されたスプリング203と、第1スプール201及び第2スプール202を挟んでスプリング203側とは反対側の端部に形成された第1制御油圧ポート204と、第1スプール201と第2スプール202との間の空間に油圧が供給されるように形成された第2制御油圧ポート205と、スプリング203が配置される一端側の端部に形成された第3制御油圧ポート206とを備えている。第1制御油圧ポート204には、第1油圧コントロールバルブ251の出力ポート264が接続(連通)されており、その第1油圧コントロールバルブ251によって調圧された油圧すなわち前記油圧シリンダ42cへの第1供給油圧Pinが第1制御油圧ポート204に印加される。また、第2制御油圧ポート205にはリニアソレノイド弁SLSが接続されており、そのリニアソレノイド弁SLSの出力する制御油圧PSLSが第2制御油圧ポート205に印加される。また、第3制御油圧ポート206にはON−OFFソレノイド弁SL1が接続されており、そのON−OFFソレノイド弁SL1の出力する制御油圧が第3制御油圧ポート206に印加される。
また、セレクトレデューシングバルブ155は、スプリング203が配置される一端側の端部に形成されたフィードバックポート207と、モジュレータバルブ156に接続された入力ポート208と、プライマリレギュレータバルブ153の制御油圧ポート185に接続された出力ポート209とを備えている。
このように構成されたセレクトレデューシングバルブ155は、第1制御油圧ポート204から導入される第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧Pinと、第2制御油圧ポート205から導入されるリニアソレノイド弁SLSの制御油圧PSLSと、第3制御油圧ポート206から導入されるON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧とをパイロット圧として作動する。
詳細に言えば、セレクトレデューシングバルブ155の出力油圧の調節には、第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧Pinの第1スプール201へ作用する推力とリニアソレノイド弁SLSの制御油圧PSLSの第2スプール202へ作用する推力とのうち、大きい方の推力が寄与する。例えば、第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧Pinの第1スプール201へ作用する推力の方が大きい場合、図3の右半分に示すように、第1スプール201と第2スプール202とが互いに接触した状態で一体的に軸方向(図3での上下方向)に移動する。従って、セレクトレデューシングバルブ155の出力ポート209から出力される出力油圧は、第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧Pinに応じて調節される。
その一方で、リニアソレノイド弁SLSの制御油圧PSLSの第2スプール202へ作用する推力の方が大きい場合、図3の左半分に示すように、第1スプール201と第2スプール202とが互いに離間した状態で、第2スプール202が軸方向(図3での上下方向)に移動する。従って、前記出力ポート209から出力される出力油圧は、リニアソレノイド弁SLSの制御油圧PSLSに応じて調節される。
また、ON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧は、開状態(非通電時)のときだけ第2スプール202に作用し、閉状態(通電時)のときには作用しない。すなわち、ON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧は、前記出力ポート209から出力される出力油圧の調節には上記開状態(非通電時)のときだけ寄与し、上記閉状態(通電時)のときには寄与しないようになっている。
このため、ON−OFFソレノイド弁SL1が開状態の場合には、ON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧の第2スプール202へ作用する推力およびスプリング203の付勢力の合成力と、上述した大きい方の推力とのバランスによって、第2スプール202が軸方向(図3での上下方向)に摺動する。これにより、セレクトレデューシングバルブ155では、入力ポート208に供給されるモジュレータ油圧PMが調圧されて、出力ポート209から出力される。
一方、ON−OFFソレノイド弁SL1が閉状態の場合には、スプリング203の付勢力と、上述した大きい方の推力とのバランスによって、第2スプール202が軸方向(図3での上下方向)に摺動する。これにより、セレクトレデューシングバルブ155では、入力ポート208に供給されるモジュレータ油圧PMが調圧されて、出力ポート209から出力される。
そして、プライマリレギュレータバルブ153は、セレクトレデューシングバルブ155の出力ポート209から出力される出力油圧をパイロット圧として作動し、ライン圧PLを調節する。
このような油圧回路構成から、第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧Pinおよびリニアソレノイド弁SLSの制御油圧PSLSが変化しなければ、ON−OFFソレノイド弁SL1が閉状態のときには、開状態のときと比較して、ON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧が第2スプール202に作用しない分だけ第2スプール202が図3の下方に移動し、セレクトレデューシングバルブ155の出力油圧が高くなる。逆に、ON−OFFソレノイド弁SL1が開状態のときには、閉状態のときと比較して、ON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧が第2スプール202に作用する分だけ第2スプール202が図3の上方に移動し、セレクトレデューシングバルブ155の出力油圧が低くなる。従って、ON−OFFソレノイド弁SL1を閉状態と開状態との間で切り換えることによって、セレクトレデューシングバルブ155の出力油圧を、ON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧に相当する分だけ変更することができる。それと共に、その切り換えにより、ライン圧PLをON−OFFソレノイド弁SL1の制御油圧に相当する分だけ増減することができる。
具体的には、通常走行時には、ON−OFFソレノイド弁SL1は非通電とされて開状態にされる。また、ライン圧PLは、プライマリレギュレータバルブ153およびセレクトレデューシングバルブ155の作動によって、第1油圧コントロールバルブ251の出力油圧Pinおよび第2油圧コントロールバルブ253の出力油圧Poutのうち高い方と比較して所定の余裕圧だけ高く調圧される。従って、第1油圧コントロールバルブ251および第2油圧コントロールバルブ253の調圧動作において元圧であるライン圧PLが不足するということが回避されると共に、ライン圧PLが不必要に高くされないようにすることが可能である。一方、マニュアルモードでの走行状態等に急変速が行われる場合などには、変速比γの単位時間当たりの変化量Δγすなわち変速速度Δγを高くすることが必要とされる。その場合、例えば上記変速速度Δγが所定値を超えて高くされる場合には、ON−OFFソレノイド弁SL1は通電されて閉状態にされる。これにより、ライン圧PLは、ON−OFFソレノイド弁SL1が開状態である場合と比較して迅速に高められる。従って、高変速速度の変速時(急変速時)においてもライン圧PLが不足するということが回避される。
図4は、電子制御装置80が備えている制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。図4に示すように、電子制御装置80は、変速判断部としての変速判断手段102と、変速制御部としての変速制御手段104とを備えている。
変速判断手段102は、ベルト式変速機18の変速(ダウンシフト、アップシフト)に関する前提条件を決定し、その変速に関する判断を行う。具体的には、変速判断手段102は変速目標値決定手段として機能して、ベルト式変速機18の変速を実行する際には、ベルト式変速機18の変速後に達成すべき変速比γである変速後目標変速比γ1*を決定する。例えば、変速判断手段102は、変速後目標変速比γ1*と車速Vおよびアクセル開度Accとの予め実験的に設定された関係である変速マップを記憶しており、その変速マップから車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて変速後目標変速比γ1*を決定する。そして、変速判断手段102は、迅速且つ滑らかな変速が実現されるように予め実験的に設定された関係から、変速開始前の変速比γと変速後目標変速比γ1*とそれらの差とに基づいて、変速中の過渡的な変速比γの目標値すなわち目標変速比γ*を決定する。例えば、変速判断手段102は、変速中に逐次変化させる目標変速比γ*を、変速開始時から変速後目標変速比γ1*に向かって変化する滑らかな曲線(例えば1次遅れ曲線)に沿って変化する経過時間の関数として決定する。すなわち、変速判断手段102は、ベルト式変速機18の変速中において、変速開始時からの時間経過に従って上記目標変速比γ*を、変速開始前の変速比γから変速後目標変速比γ1*に近付くように逐次変化させる。そして、この目標変速比γ*の時間変化率が前記変速速度Δγの目標値としての目標変速速度Δγ*である。つまり、変速判断手段102は、上記経過時間の関数として目標変速比γ*を決定するので、変速中における目標変速速度Δγ*も決定していることになる。例えば変速が完了して目標変速比γ*が一定になれば、目標変速速度Δγ*は零になる。
そして、変速判断手段102は、上記決定した変速後目標変速比γ1*が変速開始前の変速比γよりも大きく(γ1*>γ)、且つ、その変速後目標変速比γ1*と変速開始前の変速比γとの差(=γ1*−γ)が急変速の判断のために予め実験的に設定された急変速判定値を超えている場合には、変速制御手段104がこれから実行する変速制御が急速ダウンシフトであると判断する。
変速制御手段104は、変速判断手段102が決定した目標変速比γ*と目標変速速度Δγ*とを逐次受け取り、ベルト滑りが発生しないようにしつつその目標変速比γ*および目標変速速度Δγ*を達成するように、前記第1供給油圧Pinの指令値又は目標値としての第1可変プーリ指示油圧Pintgtと前記第2供給油圧Poutの指令値又は目標値としての第2可変プーリ指示油圧Pouttgtとを決定する。そして、変速制御手段104は、第1油圧センサ96により検出される第1供給油圧Pinを第1可変プーリ指示油圧Pintgtに一致させるように、且つ、第2油圧センサ97により検出される第2供給油圧Poutを第2可変プーリ指示油圧Pouttgtに一致させるように、リニアソレノイド弁SLPおよびリニアソレノイド弁SLSの制御電流を調節してフィードバック制御を行う。このようにして、変速制御手段104は、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cの油圧(内圧)および第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cの油圧(内圧)を、第1可変プーリ指示油圧Pintgtおよび第2可変プーリ指示油圧Pouttgtに従ってそれぞれ制御することによりベルト式変速機18の変速比γを目標変速比γ*に一致させるようにその変速比γを制御する。
例えば、第1可変プーリ指示油圧Pintgtと第2可変プーリ指示油圧Pouttgtとの決定に際し、変速制御手段104は、図5に示すような予め実験的に設定された関係から、目標変速比γ*に基づいて、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cが軸方向に発生する第1可変プーリ推力Win(単位は例えば「N」)に対する第2可変プーリ46の油圧シリンダ46cが軸方向に発生する第2可変プーリ推力Wout(単位は例えば「N」)の比率である推力比Rw(=Wout/Win)を決定する。その推力比Rwは、図5のように、目標変速比γ*が大きいほど大きくなるものであり、上記目標変速比γ*に基づいて決定された推力比Rwは、ベルト式変速機18の変速比γをその目標変速比γ*で定常的に維持するための推力比Rw、すなわち、変速比γをその目標変速比γ*で一定に維持するための推力比Rwである。
そして、変速制御手段104は、変速判断手段102により前記急速ダウンシフトであると判断された場合、すなわち、変速判断手段102が決定した目標変速比γ*及び目標変速速度Δγ*を達成する変速制御が急速ダウンシフトである場合には、スロットル弁開度θth、エンジン回転速度Ne、及びタービン回転速度Nt等から推定した入力軸36まわりの推定入力トルクと目標変速比γ*とに基づいて予め実験的に設定された関係から、可及的に低圧であり且つベルト滑りが生じない第1供給油圧Pinを求め、その求めた第1供給油圧Pinを第1可変プーリ維持圧Pin_nとして決定する。それと共に、変速制御手段104は、前記目標変速比γ*に基づき決定した推力比Rwと上記第1可変プーリ維持圧Pin_nとに基づき、両可変プーリ42,46の油圧シリンダ42c,46cの各受圧面積を加味して、第1可変プーリ維持圧Pin_nとの関係で上記推力比Rwを成立させる第2供給油圧Poutを求め、その求めた第2供給油圧Poutを第2可変プーリ維持圧Pout_nとして決定する。このとき、第1供給油圧Pinと油圧シリンダ42cの内圧とが一致しており、第2供給油圧Poutと油圧シリンダ46cの内圧とが一致しているものとして、第1可変プーリ維持圧Pin_nおよび第2可変プーリ維持圧Pout_nを決定する。すなわち、このようにして決定された第1可変プーリ維持圧Pin_nは第1可変プーリ定常圧と呼んでもよく、目標変速比γ*を定常的に維持するための第1供給油圧Pin、言い換えれば変速比γを目標変速比γ*で一定に維持するための第1供給油圧Pinであり、第2可変プーリ維持圧Pout_nは第2可変プーリ定常圧と呼んでもよく、目標変速比γ*を定常的に維持するための第2供給油圧Pout、言い換えれば変速比γを目標変速比γ*で一定に維持するための第2供給油圧Poutであると言える。従って、第1可変プーリ維持圧Pin_nと第2可変プーリ維持圧Pout_nとはそれぞれ、ベルト式変速機18の変速中に目標変速比γ*の変化に連れて変化する。
また、変速制御手段104は、上記の第1可変プーリ維持圧Pin_nおよび第2可変プーリ維持圧Pout_nを決定することと共に、目標変速速度Δγ*を実現するための変速差圧Pdfを決定する。具体的に、変速制御手段104は、図6に示すような変速差圧Pdfと目標変速速度Δγ*との予め実験的に設定された関係を記憶しており、その図6の関係から、目標変速速度Δγ*に基づいて変速差圧Pdfを決定する。図6から明らかなように、変速差圧Pdfは零以上の値であり、目標変速速度Δγ*が大きいほど大きくなるように決定される。また、変速差圧Pdfは例えば目標変速速度Δγ*が零であれば零に決定される。
変速制御手段104は、第1可変プーリ維持圧Pin_n、第2可変プーリ維持圧Pout_n、及び変速差圧Pdfを決定すると、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定すると共に、第2可変プーリ指示油圧Pouttgtを第2可変プーリ維持圧Pout_nと変速差圧Pdfとの和に設定する。このようにして、変速制御手段104は、前記急速ダウンシフトであると判断された場合には、第1可変プーリ指示油圧Pintgtと第2可変プーリ指示油圧Pouttgtとを決定し、その第1可変プーリ指示油圧Pintgtと第2可変プーリ指示油圧Pouttgtとに基づいて前記フィードバック制御を行い上記急速ダウンシフトを実行する。
上記のようにして変速制御手段104は上記急速ダウンシフトを実行しても差し支えないが、本実施例では、急速ダウンシフトにおける変速応答性を向上させるため、変速制御手段104は、前記急速ダウンシフトであると判断された場合、言い換えれば、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定してダウンシフトを実行する場合には、第1可変プーリ指示油圧Pintgtに一時的に補正を加える。
すなわち、変速制御手段104は、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定してダウンシフトを実行する場合において、そのダウンシフトの開始時に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くする指示油圧補正制御を実行する。この指示油圧補正制御を図7のタイムチャートを例に説明する。
図7は、アクセルペダルが大きく踏み込まれて前記急速ダウンシフトが実行される場合を例として前記指示油圧補正制御を説明するためのタイムチャートである。図7では上から順に、アクセル開度センサ84により検出されるアクセル開度Acc、出力軸回転速度Noutと入力軸回転速度Ninとに基づいて算出されるベルト式変速機18の変速比γ、第2油圧センサ97により検出される第2供給油圧(セカンダリ圧)Pout、第1油圧センサ96により検出される第1供給油圧(プライマリ圧)Pinがそれぞれ実線で示されている。また、第1供給油圧Pin(実線)に併せて第1供給油圧Pinの指示圧である第1可変プーリ指示油圧Pintgtが破線で示されている。なお、第1供給油圧Pinを表す実線と第1可変プーリ指示油圧Pintgtを表す破線とは、タイムチャートを見易く表示するために、相互に重なり合わないように敢えて僅かにずらして表示されている。
図7のt1時点では、アクセル開度Accが急に大きくなっている。これにより、t1時点において、変速判断手段102は、変速制御手段104がこれから実行する変速制御が急速ダウンシフトであると判断する。そして、変速制御手段104は、t1時点からその急速ダウンシフトの実行を開始する。すなわち、図7では、t1時点がダウンシフトの開始時である。t1時点からは、第1供給油圧Pinと第2供給油圧Poutとが、ベルト式変速機18の変速比γを目標変速比γ*に一致させるようにそれぞれ変化させられている。また、変速制御手段104は、ダウンシフト中には基本的には第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定するが、そのダウンシフトの開始時(t1時点)に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くしていることが破線で示されている。具体的に、図7の第1可変プーリ指示油圧Pintgtの一時的低下では、変速制御手段104は、t1時点から所定の指示油圧補正時間TIMEcが経過するまで、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して所定の補正圧Pintgtcの分だけ低くし、その指示油圧補正時間TIMEcの経過後には第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nにする。このようなダウンシフト開始時における第1可変プーリ指示油圧Pintgtの一時的低下により、t1時点直後に第1供給油圧Pinが低下し、第1供給油圧Pin(実線)の第1可変プーリ指示油圧Pintgt(破線)に対する追従性が向上している。図7では、第1可変プーリ指示油圧Pintgtの一時的低下の際には、第1可変プーリ指示油圧Pintgtは、t1時点の第1可変プーリ維持圧Pin_nを基準として補正圧Pintgtcの分だけ低くされているが、指示油圧補正時間TIMEcが経過するまでの間で逐次変更される第1可変プーリ維持圧Pin_nを基準として補正圧Pintgtcの分だけ低くされても差し支えない。上記指示油圧補正時間TIMEcは極僅かの時間であって、指示油圧補正時間TIMEcおよび補正圧Pintgtcは、ベルト滑りを生じない程度に第1供給油圧Pinをダウンシフト開始時に低下させ変速応答性を向上させるように実験的に設定されたパラメータである。また、上記指示油圧補正時間TIMEcおよび補正圧Pintgtcの一方または両方は一定値であっても差し支えないが、本実施例では、変速制御手段104は、指示油圧補正時間TIMEcを図8に示すように目標変速速度Δγ*が大きいほど長く設定すると共に、補正圧Pintgtcを図9に示すように目標変速速度Δγ*が大きいほど大きく設定する。上記指示油圧補正時間TIMEcと補正圧Pintgtcとを設定する基準となる目標変速速度Δγ*は、変速(ダウンシフト)中であって変速開始時から一定時間経過した時点など変速中のいつの時点でのものであっても差し支えないが、本実施例では、変速中の目標変速速度Δγ*の最大値とされる。
図10は、電子制御装置80の制御作動の要部、すなわち、ベルト式変速機18の急速ダウンシフトを実行するときの制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
先ず、変速判断手段102に対応するステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、ベルト式変速機18の急速ダウンシフトが要求されたか否か、すなわち、これから実行される変速制御または実行中の変速制御が急速ダウンシフトであるか否かが判断される。このSA1の判断が肯定された場合、すなわち、これから実行される変速制御または実行中の変速制御が急速ダウンシフトである場合には、SA2に移る。一方、このSA1の判断が否定された場合には、本フローチャートは終了する。
SA2においては、急速ダウンシフトの開始時からの経過時間が前記指示油圧補正時間TIMEc未満であるか、すなわち、急速ダウンシフトの開始時から指示油圧補正時間TIMEcが未だ経過していないか否かが判断される。このSA2の判断が肯定された場合、すなわち、急速ダウンシフトの開始時からの経過時間が前記指示油圧補正時間TIMEc未満である場合には、SA3に移る。一方、このSA2の判断が否定された場合には、SA4に移る。
SA3においては、下記式(1)に示すように、第2可変プーリ指示油圧Pouttgtが第2可変プーリ維持圧Pout_nと変速差圧Pdfとの和に設定される。それと共に、第1可変プーリ指示油圧Pintgtが第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して前記補正圧Pintgtcの分だけ低く設定される。すなわち、下記式(2)に示すように、第1可変プーリ指示油圧Pintgtが、第1可変プーリ維持圧Pin_nから補正圧Pintgtcを差し引いて得た値に設定される。そして、その設定された第1可変プーリ指示油圧Pintgtおよび第2可変プーリ指示油圧Pouttgtに基づいてベルト式変速機18の急速ダウンシフトが実行され或いは継続される。
Pouttgt=Pout_n+Pdf ・・・(1)
Pintgt=Pin_n−Pintgtc ・・・(2)
SA4においては、前記式(1)に示すように、第2可変プーリ指示油圧Pouttgtが第2可変プーリ維持圧Pout_nと変速差圧Pdfとの和に設定される。それと共に、下記式(3)に示すように、第1可変プーリ指示油圧Pintgtが第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定される。そして、その設定された第1可変プーリ指示油圧Pintgtおよび第2可変プーリ指示油圧Pouttgtに基づいてベルト式変速機18の急速ダウンシフトが実行され或いは継続される。なお、SA2〜SA4は変速制御手段104に対応する。
Pintgt=Pin_n ・・・(3)
本実施例によれば、変速制御手段104は、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定してダウンシフトを実行する場合において、そのダウンシフトの開始時に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くする前記指示油圧補正制御を実行する。従って、第1可変プーリ指示油圧Pintgtの一時的な低下により、図7のタイムチャートに示すように、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cが受け入れる油圧すなわち第1供給油圧Pinをダウンシフト開始直後にダウンシフト開始前と比較して低下させることができるので、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cから作動油が排出され易くなる。そのため、ベルト式変速機18のダウンシフトの際に、例えば急速ダウンシフトの際に、第1可変プーリ42の有効径を小さくすると共に第2可変プーリ46の有効径を大きくするという応答性すなわち変速応答性を十分に得ることが可能である。また、ダウンシフト開始時の第1可変プーリ指示油圧Pintgtの低下は一時的なものであるので、第1可変プーリ42が備える油圧シリンダ42cの内圧は油圧制御回路150が有するオリフィス290や油路292の管路抵抗などに起因してあまり低下せず、そのため、ベルト滑りを適切に防止できる。
また、本実施例によれば、オリフィス290が、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cと第1油圧コントロールバルブ251との間の油路292に設けられている。従って、オリフィス290は第1可変プーリ42が備える油圧シリンダ42cの内圧の変化を妨げるように作用するので、そのオリフィス290が無い場合と比較して、より確実にベルト滑りを防止することが可能である。
また、本実施例によれば、変速制御手段104は、ダウンシフト開始時に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くするとき、すなわち、前記指示油圧補正制御を実行するときには、図9に示すように、第1可変プーリ維持圧Pin_nに対する第1可変プーリ指示油圧Pintgtの低下幅である前記補正圧Pintgtcを、上記ダウンシフトにおける目標変速速度Δγ*が大きいほど大きくする。従って、上記ダウンシフト開始直後における第1供給油圧Pinの低下幅も上記目標変速速度Δγ*が大きいほど大きくなるので、その目標変速速度Δγ*の大きさに応じて変速応答性を変更することができる。
また、本実施例によれば、変速制御手段104は、ダウンシフト開始時に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くするとき、すなわち、前記指示油圧補正制御を実行するときには、図8に示すように、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くする時間である前記指示油圧補正時間TIMEcを、上記ダウンシフトにおける目標変速速度Δγ*が大きいほど長くする。従って、上記ダウンシフト開始直後における第1供給油圧Pinの低下幅も上記目標変速速度Δγ*が大きいほど大きくなるので、その目標変速速度Δγ*の大きさに応じて変速応答性を変更することができる。
また、本実施例によれば、変速制御手段104は、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに設定して実行するダウンシフト、すなわち、前記急速ダウンシフトでは、第2可変プーリ指示油圧Pouttgtを第2可変プーリ維持圧Pout_nと変速差圧Pdfとの和に設定する。従って、第2可変プーリ指示油圧Pouttgtを第2可変プーリ維持圧Pout_nにすると共に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して減ずることにより上記ダウンシフトを行う場合と比較して、より確実にベルト滑りを防止することが可能である。
また、本実施例によれば、図10のフローチャートに示すように、変速制御手段104は、前記指示油圧補正制御の実行によりダウンシフト開始時に第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nに対して一時的に低くした後、すなわちダウンシフト開始時から指示油圧補正時間TIMEcが経過した後には、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nにする。従って、第1可変プーリ指示油圧Pintgtを第1可変プーリ維持圧Pin_nにしてからの油圧制御を、第1可変プーリ指示油圧Pintgtの一時的な低下を行わない油圧制御と同様にして実行することが可能である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の実施例において、図1の車両用駆動装置10は走行用駆動力源としてエンジン12だけを備えているが、そのエンジン12とともに電動機を備えたハイブリッド車両用の駆動装置であってよく、或いは、エンジン12に替えて電動機を備えた電気自動車用の駆動装置であってよい。
また、前述の実施例において、前記指示油圧補正制御は、前記急速ダウンシフトの開始時に実行されるものであるが、急速ダウンシフトに限らず、ダウンシフト全般において実行されても差し支えない。
また、前述の実施例の図3において、第1可変プーリ42の油圧シリンダ42cへの油圧供給口にオリフィス290が設けられていることによりその油圧シリンダ42cの内圧が急減し難くなっているが、例えば油路292の管路抵抗等のより上記油圧シリンダ42cの内圧が急減し難くくなっていれば、そのオリフィス290は無くても差し支えない。
また、前述の実施例において、図8および図9の横軸は目標変速速度Δγ*であるが、目標変速速度Δγ*に替えて、変速後目標変速比γ1*と変速開始前の変速比γとの差(=γ1*−γ)すなわち変速比偏差が図8および図9の横軸とされていても差し支えない。すなわち、指示油圧補正時間TIMEcは上記変速比偏差が大きいほど長く設定されても差し支えなく、また、補正圧Pintgtcは上記変速比偏差が大きいほど大きく設定されても差し支えない。
また、前述の実施例において、変速判断手段102は、車速Vおよびアクセル開度Accに基づいて変速後目標変速比γ1*を決定するが、これはあくまで例示であり、その変速後目標変速比γ1*は、車速Vおよびアクセル開度Acc以外の走行状態を表す他のパラメータを用いて決定されても差し支えない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
10:車両用駆動装置(車両用変速制御装置)
18:ベルト式変速機
42:第1可変プーリ
42c:油圧シリンダ
46:第2可変プーリ
46c:油圧シリンダ
48:伝動ベルト
80:電子制御装置(車両用変速制御装置)
251:第1油圧コントロールバルブ(油圧制御弁)
290:オリフィス

Claims (6)

  1. 駆動力源側の第1可変プーリと駆動輪側の第2可変プーリとそれらの可変プーリに巻き掛けられた伝動ベルトとを含むベルト式変速機を備えており、前記第1可変プーリの油圧シリンダの油圧および前記第2可変プーリの油圧シリンダの油圧を、第1可変プーリ指示油圧および第2可変プーリ指示油圧に従ってそれぞれ制御することにより前記ベルト式変速機の変速比を目標変速比に一致させるように該変速比を制御する車両用変速制御装置であって、
    前記第1可変プーリ指示油圧を、前記ベルト式変速機の目標変速比を維持するための第1可変プーリ維持圧にして該ベルト式変速機のダウンシフトを実行する場合において、該ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くする
    ことを特徴とする車両用変速制御装置。
  2. 前記第1可変プーリの油圧シリンダと該第1可変プーリの油圧シリンダに供給される供給油圧を調圧する油圧制御弁との間の油路にオリフィスが設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用変速制御装置。
  3. 前記ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くするときには、該第1可変プーリ維持圧に対する該第1可変プーリ指示油圧の低下幅を目標変速速度が大きいほど大きくする
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用変速制御装置。
  4. 前記ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くするときには、該第1可変プーリ指示油圧を該第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くする時間を目標変速速度が大きいほど長くする
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両用変速制御装置。
  5. 前記ダウンシフトでは、前記第2可変プーリ指示油圧を、前記目標変速比を維持するための第2可変プーリ維持圧と目標変速速度を実現するための変速差圧との和とする
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両用変速制御装置。
  6. 前記ダウンシフトの開始時に前記第1可変プーリ指示油圧を前記第1可変プーリ維持圧に対して一時的に低くした後には、該第1可変プーリ指示油圧を該第1可変プーリ維持圧にする
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両用変速制御装置。
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