JPWO2011136045A1 - 一酸化炭素の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の一酸化炭素の製造方法は、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物と、二酸化炭素ガスとを加熱下に接触させて、化学量論反応によって二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を生成させることを特徴とする。前記の金属酸化物は、可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムからなることが好適である。二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された前記の金属酸化物を、還元性ガスと接触させて再生することが好ましい。
Description
本発明は、二酸化炭素を原料とする一酸化炭素の製造方法及び製造装置に関する。また本発明は、該製造方法に用いられる変換剤に関する。
二酸化炭素は温室効果ガスとして知られている。大気中の二酸化炭素の濃度は上昇を続けており、地球温暖化の一因とされている。したがって地球温暖化防止の観点から、環境中に放出される二酸化炭素を回収する技術は、非常に重要である。
二酸化炭素を回収する技術として、例えば酸素欠損状態の鉄の酸化物を用いて二酸化炭素ガスを一酸化炭素ガスと酸素ガスとに分解し、生成した酸素ガスによって酸素欠損状態の鉄の酸化物を元の鉄酸化物に戻し、一酸化炭素ガスのみを回収する技術が提案されている(特許文献1参照)。
前記の技術は、酸化力を有する鉄の酸化物を用いた二酸化炭素との化学量論的な反応によって二酸化炭素から一酸化炭素ガスを生成する技術であるのに対して、触媒的な接触還元によって二酸化炭素から一酸化炭素ガスを生成する技術も提案されている。例えば非特許文献1においては、WO3、Y2O3、ZnOなどの金属酸化物を触媒とし、水素やメタンなどを還元剤として用いた二酸化炭素の接触還元によって、一酸化炭素ガスや炭素の生成が可能であることが報告されている。
これらの技術とは別に、特許文献2には、CeO2からなる酸素イオン伝導体と触媒とを有する固体反応膜を用いて二酸化炭素を一酸化炭素と酸素に分離する方法が提案されている。この方法においては、CeO2からなる酸素イオン伝導体に担持された触媒によって二酸化炭素から酸素を分離させて、この酸素を、酸素濃度差のために生じる電位によって酸素イオン伝導体内を拡散させている。
特許文献3には、二酸化炭素を高温で酸素イオン伝導性セラミックに接触させ、該セラミックを酸素で少なくとも部分的に飽和させて、一酸化炭素を生成させることが記載さている。前記セラミックの例としては、CaOがドープされたCeO2が挙げられている。
石原、滝田、「二酸化炭素の固体炭素への化学的固定のための触媒の開発」、ファインケミカル、vol21、No.14、1992年、pp.5−13
特許文献1に記載の技術によれば、確かに二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスが生成する。しかし、鉄の酸化物は、酸素イオン導電性が低く、表面が酸化されてしまうと、たとえ該酸化物の内部に酸素欠損が存在していても、該酸素欠損は二酸化炭素ガスと接触することができない。したがって二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスへの変換効率を高めたい場合には、酸素欠損を有する鉄の酸化物を多量に使用する必要があり、経済的に不利になる。
非特許文献1に記載の技術では、二酸化炭素と同時に水素やメタンを投入する必要があり、生成物としての一酸化炭素や炭素の他に、未反応の二酸化炭素や水素、メタンなどが混在してしまうので、最終的に分離工程を要するという点で経済的に不利であり、しかも生成物が炭素である場合には、それが触媒上に析出することに起因して触媒活性が低下しやすい。
特許文献2に記載の技術では、二酸化炭素を一酸化炭素と酸素に分解させるために貴金属触媒を用いているので経済的に不利である。また、貴金属触媒を担持している酸化セリウムは、酸素イオンを拡散させるためのイオンポンプとして使用されているに過ぎず、酸化セリウムは二酸化炭素からの一酸化炭素の生成に直接関与していない。
特許文献3において、二酸化炭素から一酸化炭素を生成させるとされているCaOがドープされたCeO2は、不可逆的な酸素欠損のみを有するものである。不可逆的な酸素欠損のみを有するCeO2は、二酸化炭素を一酸化炭素に変換する能力が低い。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る二酸化炭素からの一酸化炭素の製造方法を提供することにある。
本発明は、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物と二酸化炭素ガスとを加熱下に接触させ、化学量論反応によって二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を生成させることを特徴とする一酸化炭素の製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記の製造方法を実施するための好適な装置として、
外管と、該外管内に配置された内管とを備え、
該内管は、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物を含んで構成されており、
該外管と該内管との間に二酸化炭素ガスを流通させ、かつ該内管内に還元性ガスを流通させるように構成されているか、又は
該外管と該内管との間に還元性ガスを流通させ、かつ該内管内に二酸化炭素ガスを流通させるように構成されている一酸化炭素の製造装置を提供するものである。
外管と、該外管内に配置された内管とを備え、
該内管は、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物を含んで構成されており、
該外管と該内管との間に二酸化炭素ガスを流通させ、かつ該内管内に還元性ガスを流通させるように構成されているか、又は
該外管と該内管との間に還元性ガスを流通させ、かつ該内管内に二酸化炭素ガスを流通させるように構成されている一酸化炭素の製造装置を提供するものである。
更に本発明は、前記の製造方法を実施するための別の好適な装置として、
二基以上のバッチ式反応装置と、二酸化炭素ガス源及び還元性ガス源のそれぞれに接続する入力部及び各反応装置のそれぞれ接続する出力部を有する切替弁とを備え、各反応装置内に、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物の配置が可能になっている一酸化炭素の製造装置であって、
前記の切替弁を介して各反応装置に二酸化炭素ガス又は還元性ガスが択一的に、かつ同時に供給され、かつ該切替弁の切り替えによって各反応装置に供給されるガスの種類を切り替えられるように構成されている一酸化炭素の製造装置を提供するものである。
二基以上のバッチ式反応装置と、二酸化炭素ガス源及び還元性ガス源のそれぞれに接続する入力部及び各反応装置のそれぞれ接続する出力部を有する切替弁とを備え、各反応装置内に、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物の配置が可能になっている一酸化炭素の製造装置であって、
前記の切替弁を介して各反応装置に二酸化炭素ガス又は還元性ガスが択一的に、かつ同時に供給され、かつ該切替弁の切り替えによって各反応装置に供給されるガスの種類を切り替えられるように構成されている一酸化炭素の製造装置を提供するものである。
更に本発明は、前記の製造方法を実施するための別の好適な装置として、
酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物を含んで構成される板状体と、板状のセパレータとが交互にスタックされてなる一酸化炭素の製造装置であって、
各セパレータの各面には、一方向に延びる複数の凸条部及び凹条部が交互に配置されており、
前記の板状体を挟んで対向する2つのセパレータにおける一方のセパレータと該板状体との対向面に位置する凹条部に二酸化炭素ガスを流通させ、かつ他方のセパレータと該板状体との対向面に位置する凹条部に還元性ガスを流通させるように構成されている一酸化炭素の製造装置を提供するものである。
酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物を含んで構成される板状体と、板状のセパレータとが交互にスタックされてなる一酸化炭素の製造装置であって、
各セパレータの各面には、一方向に延びる複数の凸条部及び凹条部が交互に配置されており、
前記の板状体を挟んで対向する2つのセパレータにおける一方のセパレータと該板状体との対向面に位置する凹条部に二酸化炭素ガスを流通させ、かつ他方のセパレータと該板状体との対向面に位置する凹条部に還元性ガスを流通させるように構成されている一酸化炭素の製造装置を提供するものである。
本発明によれば、二酸化炭素を原料として効率的に一酸化炭素を生成させることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明においては、二酸化炭素ガスを特定の金属酸化物(以下、この金属酸化物のことを「二酸化炭素の一酸化炭素への変換剤」又は単に「変換剤」ともいう。)と加熱下に接触させて一酸化炭素ガスを生成させる。この変換剤と、二酸化炭素ガスとの反応は、この変換剤の還元力を利用した化学量論反応である。つまり、この金属酸化物からなる変換剤は、触媒として用いられるものではなく、反応物そのものとして用いられるものである。
前記の特定の金属酸化物からなる変換剤としては、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有するものが用いられる。この変換剤が、可逆的な酸素欠損を有することによって、該変換剤は二酸化炭素の還元性を獲得する。可逆的な欠損とは、強力な還元条件下の処理によって金属酸化物から酸素が強制的に引き抜かれることで生成するものである。可逆的な欠損は、欠損したサイトに酸素が取り込まれることが可能な欠損である。例えば金属酸化物が、後述する酸化セリウムである場合、可逆的な欠損を有する酸化セリウムにおいては、酸素不足に起因する電荷のアンバランスな状態を、四価のセリウムの一部が三価に還元されることで補償している。三価のセリウムは不安定であり、四価に戻りやすいものである。したがって、欠損したサイトに酸素が取り込まれることで、三価となっているセリウムが四価に戻り、電荷のバランスが常にゼロに保たれる。欠損したサイトに酸素が取り込まれることで、該欠損は消失するが、再び強力な還元条件下の処理によって酸素欠損が生成する。「可逆的な酸素欠損」とは、この意味で用いられる。
これに対して、不可逆的な酸素欠損も知られている。不可逆的な酸素欠損とは、金属酸化物に、該金属の価数よりも低価数の元素をドープすることで形成されるものである。不可逆的な酸素欠損は、可逆的な酸素欠損と異なり、強力な還元条件下の処理で発生した欠損ではない。不可逆的な酸素欠損は、例えば、金属酸化物に、該金属の価数よりも低価数の元素の酸化物を混合し、大気下で焼成するなどして低価数の元素で置換固溶させることによって得られる。無機酸化物が、例えば酸化セリウムである場合、不可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムにおけるセリウムの価数はすべて四価である。したがって、欠損したサイトに酸素が取り込まれることはない。例えば、CeO2に20mol%のCaを固溶させた場合(Ce0.8Ca0.2O2)、陽イオンの平均価数は4×0.8+2×0.2=3.6なので、酸素の電荷をこの価数にバランスさせるために必要な酸素原子の数は3.6÷2=1.8個となる。この数は、化学量論量の酸素原子の数である2個よりも少なく、その分だけ酸素欠損が生じる。しかし、この酸素欠損は酸素の吸収が可能なものではない。このように、不可逆的な酸素欠損は、酸素の強制的な引き抜きによって生じるものではなく、金属酸化物における電荷補償によって生じるものである。
本発明において用いられる前記の金属酸化物からなる変換剤は、上述のとおり酸素イオン伝導性を有している。酸素イオン伝導性は、本発明の製造方法を実施する温度において発現すればよい。この変換剤が酸素イオン伝導性を有することで、この変換剤中に存在する可逆的な酸素欠損の概ねすべてが二酸化炭素との反応に有効活用できる。その理由は次のとおりである。すなわち、本発明の製造方法は、固体である金属酸化物と、気体である二酸化炭素ガスとの反応なので、反応は主として固体表面において進行する。そして、金属酸化物の表面に存在する酸素欠損が、二酸化炭素中の酸素と結合することで、該表面における酸素欠損が消失するとともに、二酸化炭素が一酸化炭素へ変換される。この場合、該金属酸化物が酸素イオン伝導性を有することで、該金属酸化物の表面に存在する酸素欠損と結びついた酸素は、酸素イオン(O2-)の状態で該金属酸化物の内部に移動し、該金属酸化物の内部において酸素欠損が消失するとともに、該金属酸化物の表面には可逆的な酸素欠損が再び生成する。この繰り返しによって、変換剤中に存在する可逆的な酸素欠損の概ねすべてを二酸化炭素との反応に寄与させることができる。これに対して、例えば背景技術の項で述べた特許文献1に記載の酸素欠損を有する鉄の酸化物は、酸素イオン伝導性を有していないので、該酸化物の内部に酸素欠損が残存していても、該酸化物の表面に存在するすべて酸素欠損が消失した時点で、二酸化炭素との反応性が非常に低下してしまう。
本発明において用いられる前記の金属酸化物からなる変換剤が酸素イオン伝導性を有することには次の利点もある。すなわち、この変換剤においては、その内部に存在する可逆的な酸素欠損も二酸化炭素との反応に寄与できるので、この変換剤の比表面積を過度に大きくしなくても、二酸化炭素との反応性は低下しづらい。したがって、この変換剤を含む反応体を、例えば粒状やペレット状、板状、筒状などの所望の形状に成形できるという自由度がある。これに対して、酸素イオン伝導性を有していない金属酸化物、例えば背景技術の項で述べた特許文献1に記載の酸素欠損を有する鉄の酸化物は、その内部に存在する酸素欠損は二酸化炭素との反応にほとんど寄与しないので、該酸素欠損を有効活用しようとすれば、該酸化物の比表面積を非常に大きくする必要がある。換言すれば、微粉末の状態で使用することが必須となり、それに起因して取り扱い性や、反応装置の設計の自由度が低い。
以上のとおり、本発明の製造方法で用いられる金属酸化物からなる前記の変換剤は、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有することが必須であるところ、そのような性質を有する金属酸化物としては、例えば酸化セリウム;安定化ジルコニア等に代表される蛍石型構造を有する金属酸化物(実質的に二酸化炭素との反応に使用する温度で立方晶系の蛍石型へと相転移するものも含まれる。)及び該蛍石型構造を有する酸化物へ酸素イオン伝導性や酸素欠損を向上させる金属元素を置換したもの;酸化ビスマス及び酸化ビスマスへ酸素イオン伝導性や酸素欠損を向上させる金属元素を置換したもの;一般式ABO3(A及びBは金属元素)で表されるペロブスカイト型構造を有する酸化物並びに該ABO3のAサイト及びBサイトを酸素イオン伝導性や酸素欠損を向上させる金属元素を置換したもの;一般式A2B2O5(A及びBは金属元素)で表されるブラウンミラライト型構造を有する酸化物並びに該A2B2O5のAサイト及びBサイトを酸素イオン伝導性や酸素欠損を向上させる金属元素を置換したもの;一般式Ln10Si6O27(LnはLa、Pr、Nd、Sm、Gd又はDyを表す。)で表される希土類珪酸塩;La2Mo2O9等のモズナ石型構造を有する酸化物;一般式Nd2Ln2O3F6(LnはY、Ce、Eu、Sm又はGdを表す)で表される希土類金属オキシフッ化物などが挙げられる。特に、酸素イオン伝導性が高く、かつ可逆的な酸素欠損を生じさせやすい点や、経済性の点から、酸化セリウムを用いることが好ましい。
本発明の製造方法で用いられる前記の変換剤として酸化セリウムを用いる場合、その酸化セリウムとしては、CeO2-x(式中、Ceは四価及び三価の混合価数を有し、xは0.5未満の正の数を表す。)で表され、可逆的な酸素欠損を有し、かつ蛍石型の結晶構造を有するものが好適に用いられる。この酸化セリウムは、含セリウム塩又はその水和物を大気等の酸化性雰囲気下に焼成することで蛍石型の構造の酸化セリウム(CeO2)を製造し、次いで該酸化セリウムを強還元して可逆的な酸素欠損を生成させることで得られる。焼成条件は、温度が好ましくは500〜1400℃、更に好ましくは600〜1300℃であり、時間は好ましくは1〜20時間、更に好ましくは1〜5時間である。強還元においては、還元雰囲気として、水素濃度が爆発下限以上、好ましくは20体積%以上の含水素雰囲気が用いられる。もちろん水素濃度が100体積%でもよい。温度は好ましくは700〜1100℃、更に好ましくは800〜1050℃であり、時間は好ましくは1〜3時間、更に好ましくは1〜2時間である。このような酸化セリウムの詳細は、例えば本出願人の先の出願に係るWO2010/004963に記載されている。
また、酸化セリウムとして、CeO2-x(式中、Ceは三価及び三価未満の混合価数を有し、xは0.5〜0.7の数を表す。)で表され、可逆的な酸素欠損を有し、かつ蛍石類似の超格子構造を有するものも好適に用いられる。蛍石類似とは、通常の酸化セリウムのような蛍石型構造の結晶体から酸素が抜けていくにしたがって、最初ランダムに存在する酸素欠損が、規則配列の酸素欠損へと変わった状態であり、厳密には蛍石型構造と呼べない状態をいう。例えばPbFe12O19で表されるようなマグネトプランバイト型構造や、超伝導性を示すYBa2Cu3O6.9等の構造が挙げられる。また、超格子とは、複数の種類の結晶格子の重ね合わせによって、その周期構造が基本単位格子よりも長くなった結晶格子のことである。酸化セリウムが、蛍石類似の超格子構造を有することは、例えばX線構造解析によって確認できる。このような構造の酸化セリウムは、含酸素セリウム塩又はその水和物を前駆体とし、これを直接還元することで得ることができる。還元処理は、例えば水素ガスやアセチレンガスや一酸化炭素ガス等の還元性ガスの濃度が高濃度でかつ高温熱処理である強還元雰囲気中で行われる。還元性ガス濃度は好ましくは爆発下限以上〜100体積%、更に好ましくは20体積%〜100体積%である。処理温度は好ましくは500℃以上、更に好ましくは700℃〜1200℃、一層好ましくは1000℃〜1050℃である。強還元雰囲気は一般に常圧であるが、これに代えて加圧条件を用いてもよい。還元処理中、反応系内は還元性ガス雰囲気が終始維持され、反応系内が含酸素ガス雰囲気に曝されることはない。このような酸化セリウムの詳細は、例えば本出願人の先の出願に係るWO2008/140004に記載されている。
ところで、本発明で用いられる、可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物の他に、酸素の吸収が可能な金属酸化物として、OSC(酸素吸蔵放出能力)材料が知られている。OSC材料は自動車用触媒の助触媒としてよく用いられる。OSC材料は酸化セリウムが有する酸素イオン伝導性と価数変化を利用して、酸化反応に対しては酸素を放出し、還元反応に対しては酸素を吸収することで、排気ガス中のガス組成を安定化し、三元触媒による排気ガスの浄化を安定的に行うことを目的として用いられるものである。したがって、OSC材料は排気ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素へ変換するための助触媒であって、二酸化炭素から一酸化炭素を生成させる本発明の製造方法とは、正反対の反応プロセスに用いられるものである。
本発明の製造方法において用いられる前記の変換剤と二酸化炭素ガスとの反応は、加熱下に行われる。加熱温度は例えば450〜1000℃、特に450〜800℃、とりわけ500〜750℃に設定することが、二酸化炭素から一酸化炭素への変換効率を高める点、及び一旦生成した一酸化炭素の作用によって、前記の変換剤が還元されかつ二酸化炭素が再生されることを効果的に防止する点から好ましい。反応はバッチ式で行ってもよく、あるいは連続式で行ってもよい。変換剤と二酸化炭素ガスとの量は、本製造方法の反応が化学量論反応であることから、二酸化炭素1当量に対して、該変換剤を1当量以上、特に3当量以上とすることが好ましい。ここで言う1当量とは、例えば該変換剤がCeO2-x(xは前記と同義である。)で表される酸化セリウムである場合、該酸化セリウムに対し、x/2molのCO2が反応することである。
前記の変換剤は、種々の形態で二酸化炭素ガスと接触させることができる。例えばバッチ式反応装置であれば、粉末状の前記の変換剤を静置(又は充填)して反応を行うことができる他、前記の変換剤を造粒したもの、ペレット状、塊状、板状、ハニカム状、ラシヒリング状、ベルサドル状等の形状へ成型したものも静置(又は充填)して使用することも可能である。バッチ式反応装置内での二酸化炭素ガスの反応時間は、二酸化炭素から一酸化炭素への変換を十分に行う点、及び生成した一酸化炭素が変換剤と反応して二酸化炭素に戻ることを防止する点から、5分〜3時間、特に5分〜1時間に設定することが好ましい。一方、連続式反応装置であれば、筒状、板状、円盤状等の緻密膜で二酸化炭素を一酸化炭素へ変換する反応面と還元性ガスで酸素欠損を生成する再生面とが隔絶されている構造であればよい。
前記の変換剤と接触させる二酸化炭素ガスは、二酸化炭素ガス100%であれば、後に分離の工程が必要ないため理想的であるが、その他のガスを少量含んでいてもよい。ただし、その他のガスが酸素ガス又は水蒸気等の含酸素ガスである場合、供給するガス全量に対する割合は極力少量であることが望ましい。
図1には、本発明の製造方法で好適に用いられる一酸化炭素の製造装置が模式的に示されている。同図に示す装置は連続式のものであり、二重管構造になっている。詳細には、同図に示す装置10は、外管11と、該外管11内に配置された内管12とを備えている。内管12内にはヒーター等の加熱装置13が配置されている。内管12は前記の変換剤を含有している。この装置においては、外管11と内管12との間の空間に二酸化炭素ガスを流通させる。この空間内を二酸化炭素ガスが流通する間に、二酸化炭素ガスと、内管11に含まれる前記の変換剤とが反応して一酸化炭素が生成する。
図1に示す装置10においては、外管11と内管12との間の空間に二酸化炭素ガスを流通させることに加えて、内管12内に還元性ガスを流通させるように構成されている(図1においては、還元性ガスの代表例である水素が記載されている。)。これによって、二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された前記の変換剤から酸素が引き抜かれ、消失した酸素欠損が再び生成する。このように、同図に示す装置10を用いれば、前記の変換剤を二酸化炭素ガスと接触させて一酸化炭素を生成させた後に、二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された該変換剤を還元性ガスと接触させて強還元を行い、該金属酸化物を再生することができる。このような繰り返しの再生処理が可能な理由は、前記の変換剤が酸素イオン伝導性を有しているからである。還元性ガスとしては、例えば水素ガスやアセチレンガスを用いることができる。特に水素ガスを含む還元性ガスを用いることが好ましい。そのような還元性ガスにおける水素ガスの濃度は、好ましくは爆発下限以上〜100体積%、更に好ましくは20体積%〜100体積%である。処理温度は好ましくは500〜1200℃、更に好ましくは700℃〜1200℃、一層好ましくは1000℃〜1050℃である。強還元ガスは一般に常圧である。
図1に示す装置においては、内管12の内部に加熱装置13を配置したが、これに代えて外管11の周囲に加熱装置を配置してもよい。尤も、一般に、二酸化炭素ガスと変換剤24との反応が起こる温度に比べて、酸化された変換剤24から酸素を強制的に引き抜く温度の方が高いことから、内管12の内部に加熱装置13を配置することが、酸素の強制的な引き抜きのしやすさの点から有利である。
なお図1に示す装置においては、二酸化炭素ガスの流通方向と還元性ガスの流通方向が同方向であったが、これに代えて二酸化炭素ガスの流通方向と還元性ガスの流通方向を反対方向にしてもよい。また、図1に示す装置の変形例として、外管11と内管12との間の空間に還元性ガスを流通させ、内管12内に二酸化炭素ガスを流通させるように構成することもできる。この場合には、内管12に含まれている前記の変換剤の再生を効率的に行うために、外管11の周囲に加熱装置を配置することが好ましい。
図2に示す装置20は、二基のバッチ式反応装置21,22を備えている。更に装置20は、切替弁23を備えている。切替弁23は、二酸化炭素ガス源及び還元性ガス源(図2においては、還元性ガスの代表例である水素が記載されている。)にそれぞれ接続する入力部23a,23bを有している。更に切替弁23は、各反応装置21,22のそれぞれに接続する出力部23c,23dを有している。各反応装置21,22内には、前記の変換剤24の配置が可能になっている。また、各反応装置21,22の周囲には、加熱装置25が配置されている。
図2に示す装置20においては、切替弁23を介して各反応装置21,22に二酸化炭素ガス又は還元性ガスが択一的にかつ同時に供給されるようになっている。これに加えて、切替弁23の切り替えによって、各反応装置に供給されるガスの種類を切り替えられるようになっている。
図2に示す装置を運転する場合には、まず、切替弁23を図2に示す位置に設定し、二酸化炭素ガスが第2反応装置22に供給され、かつ還元性ガスが第1反応装置21に供給されるようにする。そして、加熱装置25によって各反応装置21,22を加熱して、各反応装置21,22に還元性ガス及び二酸化炭素ガスを供給する。このようにすると、第1反応装置21においては、その内部に静置された前記の変換剤24が強還元されて、酸素が強制的に引き抜かれ、可逆的な酸素欠損が変換剤24に生じる。一方、第2反応装置22においては、二酸化炭素と変換剤24の反応によって一酸化炭素が生成するとともに、該変換剤24中の酸素欠損の数が次第に減少してくる。そして、第2反応装置22における一酸化炭素の生成量が減少してきたら、切替弁23を切り替えて、二酸化炭素ガスが第1反応装置21に供給され、かつ還元性ガスが第2反応装置22に供給されるようにする。第1反応装置21内に静置されている変換剤24は、二酸化炭素ガスと接触していない活性の高いものなので、これを二酸化炭素ガスと接触させることで、一酸化炭素の生成量が増加に転じる。一方第2反応装置22においては、酸素欠損の数が減少して活性の低下した変換剤24が強還元されて、酸素が強制的に引き抜かれ、可逆的な酸素欠損が変換剤24に再び生じる。
図2に示す装置20においては、第1反応装置21と第2反応装置22の加熱温度は同じに設定してもよく、あるいは異なる温度に設定してもよい。一般に、二酸化炭素ガスと変換剤24との反応が起こる温度に比べて、酸化された変換剤24から酸素を強制的に引き抜く温度の方が高いことから、還元性ガスを供給する方の反応装置の加熱温度を、一酸化炭素を生成させる方の反応装置の加熱温度よりも高く設定することが好ましい。
このように、二酸化炭素ガスと変換剤24との反応を、第1反応装置21と第2反応装置22とで交互に行うことで、該変換剤24を再生しつつ、一酸化炭素の生成を半連続的に行うことが可能になる。なお、図2に示す装置20においてはバッチ式反応装置を二基用いたが、これに代えて三基以上の反応装置を用いてもよい。
図3に示す装置30は、前記の変換剤を含んで構成される板状体31と、板状のセパレータ32とが交互にスタックされた構造を有している。各セパレータ32の各面には、一方向に延びる複数の凸状部33及び凹条部34が交互に配置されている。これによって、板状体31と、これを挟んで対向する一対のセパレータとの間には、凹条部34によって形成されたガスの流通が可能な空間が形成される。また図示していないが、装置30は、スタック構造体の周囲に配置された加熱装置を備えている。
図3に示す装置30を運転する場合には、加熱装置(図示せず)によってスタック構造体を所定温度に加熱した状態下に、板状体31を挟んで対向する2つのセパレータ32a,32bにおける一方のセパレータ32aと板状体31との対向面に位置する凹条部34aに二酸化炭素ガスを流通させる。この凹条部34a内を二酸化炭素ガスが流通する間に、二酸化炭素ガスと、板状体31に含まれる前記の変換剤とが反応して一酸化炭素が生成する。これに加えて、かつ他方のセパレータ32bと板状体31との対向面に位置する凹条部34bに還元性ガスを流通させるように構成する(図3においては、還元性ガスの代表例である水素が記載されている。)。これによって、二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された前記の変換剤から酸素が引き抜かれ、消失した酸素欠損が再び生成する。このように、装置30を用いれば、先に説明した図1に示す装置10と同様に、前記の変換剤を二酸化炭素ガスと接触させて一酸化炭素を生成させた後、二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された該変換剤を還元性ガスと接触させて強還元を行い、該金属酸化物を再生することができる。
図3に示す装置30の各セパレータ32は、その一方の面と他方の面に形成されている凸状部33及び凹条部34の延びる方向が90度ずれている。しかし、セパレータ32の各面に形成されている凸状部33及び凹条部34の延びる方向は、これに限られない。例えばセパレータ32の各面に形成されている凸状部33及び凹条部34の延びる方向は、90度以外の角度で交差していてもよく、あるいは同方向でもよい。セパレータ32の各面に形成されている凸状部33及び凹条部34の延びる方向が同方向である場合、セパレータ32の一方の面側の凹条部34に流通させるガスの方向と、他方の面側の凹条部34に流通させるガスの方向とは同方向でもよく、あるいは反対方向でもよい。
なお、図2及び図3に示す装置に関して、特に説明しない点については、図1に示す装置に関する説明が適宜適用される。
また、本発明によれば、前記の変換剤を用いた、二酸化炭素を一酸化炭素に変換するシステムも提供される。このシステムにおいては、産業上、二酸化炭素ガスの主要な発生源である精錬所、製鉄所又は火力発電所から発生した排気ガス中に含まれる二酸化炭素を、公知の手法を用いて分離する。そして分離された二酸化炭素を、前記の変換剤と接触させる。このとき、精錬所、製鉄所又は火力発電所から発生した廃熱を用いた加熱下に接触させれば、エネルギー効率を高めることができて有利である。この加熱下の接触によって一酸化炭素が生成する。このシステムによれば、二酸化炭素ガスが大気中に放出されることが抑制されるだけでなく、生成した一酸化炭素を、C1ケミストリーの原料として有効活用できるという利点がある。あるいは、生成した一酸化炭素を、例えば製鉄所の高炉にフィードバックして、再使用することもできる。
精錬所又は製鉄所においては、排気ガスとして二酸化炭素ガスが生成する他、水素ガスも生成する。特に精錬所においては水素ガスが多量に生成する。この水素ガスを、二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された前記の変換剤の再生に用いれば、別途水素ガスを用意することなく、可逆的な酸素欠損を有する前記の変換剤を得ることができるので、エネルギー効率が一層高くなり有利である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(1)可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの製造
(a)酸素欠陥を有しない酸化セリウムの合成
炭酸セリウム100gを加熱炉内に静置し、空気を流通させながら加熱して焼成を行った。加熱は、室温から開始し、10℃/分の昇温速度で加熱を行い、1000℃に到達したのち、この温度を1時間保持した。その後、自然放冷した。空気の流通量は1000SCCMとした。このようにして酸素欠陥を有しない酸化セリウムの多孔質体を得た。XRDによる測定で、この酸化セリウムはCeO2で表され、蛍石型の結晶構造であることが確認された。この酸化セリウムをボールミルで粉砕処理した。
(b)酸素欠陥を有する酸化セリウムの合成
前項(a)で得られた酸化セリウム(50g)を雰囲気制御型加熱炉内に静置し、100%の水素ガスを流通させながら加熱して還元を行った。加熱は、室温から開始し、10℃/分の昇温速度で加熱を行い、1000℃に到達したのち、この温度を1時間保持した。その後、自然放冷した。水素ガスの流通量は1000SCCMとした。このようにして、可逆的な酸素欠陥を有する酸化セリウムを得た。XRDによる測定の結果、この酸化セリウムは蛍石型の結晶構造であることが確認された。元素分析の結果、この酸化セリウムはCe(IV,III)O1.75で表されるものであった。
(1)可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの製造
(a)酸素欠陥を有しない酸化セリウムの合成
炭酸セリウム100gを加熱炉内に静置し、空気を流通させながら加熱して焼成を行った。加熱は、室温から開始し、10℃/分の昇温速度で加熱を行い、1000℃に到達したのち、この温度を1時間保持した。その後、自然放冷した。空気の流通量は1000SCCMとした。このようにして酸素欠陥を有しない酸化セリウムの多孔質体を得た。XRDによる測定で、この酸化セリウムはCeO2で表され、蛍石型の結晶構造であることが確認された。この酸化セリウムをボールミルで粉砕処理した。
(b)酸素欠陥を有する酸化セリウムの合成
前項(a)で得られた酸化セリウム(50g)を雰囲気制御型加熱炉内に静置し、100%の水素ガスを流通させながら加熱して還元を行った。加熱は、室温から開始し、10℃/分の昇温速度で加熱を行い、1000℃に到達したのち、この温度を1時間保持した。その後、自然放冷した。水素ガスの流通量は1000SCCMとした。このようにして、可逆的な酸素欠陥を有する酸化セリウムを得た。XRDによる測定の結果、この酸化セリウムは蛍石型の結晶構造であることが確認された。元素分析の結果、この酸化セリウムはCe(IV,III)O1.75で表されるものであった。
(2)二酸化炭素ガスからの一酸化炭素ガスの生成
図4に示す装置を用いた、管状炉を窒素ガス雰囲気のグローブボックス内に設置した。管状炉内には、前項(1)で得られた可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの粉末8.5gが静置されている。まず、バルブV5を閉じ、他のバルブはすべて開けて、管状炉内を真空吸引した。この状態のまま、バルブV1を閉じて管状炉を750℃まで加熱した。次いでバルブV2及びV3を閉じた後に管状炉内の吸引を停止した。バルブV4を締めて管状炉内に二酸化炭素ガス(100%)を供給した。供給は、管状炉内の圧力が大気圧になるまで行った。そしてバルブV1と閉じて1時間放置した。この時点での二酸化炭素ガスと可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムとの量論比は1:1(すなわち、先に述べた1当量)となるようにした。その後バルブV2を開け、更にガス回収袋が少し膨らむまで窒素ガスを管状炉内に供給した。次いで、バルブV2を閉じるととともに、ガス回収袋を熱シールして管から切り離した。この状態のまま管状炉を降温し、室温になるまで冷却した。冷却完了後、バルブV1を開けて管状炉内に窒素ガスを供給した。供給は、管状炉内の圧力が大気圧になるまで行った。最後に、バルブV3及びV5を開け、窒素ガスによって管状炉内の一酸化炭素を押し出した。ガス回収袋に回収した反応後のガスは、ガスクロマトグラフィーを用いて定性と定量を行った。その結果、二酸化炭素から一酸化炭素への変換率は60%であった。
図4に示す装置を用いた、管状炉を窒素ガス雰囲気のグローブボックス内に設置した。管状炉内には、前項(1)で得られた可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの粉末8.5gが静置されている。まず、バルブV5を閉じ、他のバルブはすべて開けて、管状炉内を真空吸引した。この状態のまま、バルブV1を閉じて管状炉を750℃まで加熱した。次いでバルブV2及びV3を閉じた後に管状炉内の吸引を停止した。バルブV4を締めて管状炉内に二酸化炭素ガス(100%)を供給した。供給は、管状炉内の圧力が大気圧になるまで行った。そしてバルブV1と閉じて1時間放置した。この時点での二酸化炭素ガスと可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムとの量論比は1:1(すなわち、先に述べた1当量)となるようにした。その後バルブV2を開け、更にガス回収袋が少し膨らむまで窒素ガスを管状炉内に供給した。次いで、バルブV2を閉じるととともに、ガス回収袋を熱シールして管から切り離した。この状態のまま管状炉を降温し、室温になるまで冷却した。冷却完了後、バルブV1を開けて管状炉内に窒素ガスを供給した。供給は、管状炉内の圧力が大気圧になるまで行った。最後に、バルブV3及びV5を開け、窒素ガスによって管状炉内の一酸化炭素を押し出した。ガス回収袋に回収した反応後のガスは、ガスクロマトグラフィーを用いて定性と定量を行った。その結果、二酸化炭素から一酸化炭素への変換率は60%であった。
〔実施例2〜9〕
以下の表1に示す条件を採用する以外は実施例1と同様にして二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成させた。そのときの変換率を同表に示す。なお、同表には実施例1の結果も併せて記載してある。
以下の表1に示す条件を採用する以外は実施例1と同様にして二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成させた。そのときの変換率を同表に示す。なお、同表には実施例1の結果も併せて記載してある。
〔比較例1〕
本比較例は、実施例1で用いた可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムに代えて、酸素欠陥を有しない酸化セリウムを用いた例である。この酸素欠陥を有しない酸化セリウムは、実施例1における可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの製造工程の途中で生成した中間物である、酸素欠陥を有しない酸化セリウムと同じものである。この酸素欠陥を有しない酸化セリウムを用い、表1に示す条件を採用する以外は実施例1と同様にして、二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成させた。そのときの変換率を同表に示す。
本比較例は、実施例1で用いた可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムに代えて、酸素欠陥を有しない酸化セリウムを用いた例である。この酸素欠陥を有しない酸化セリウムは、実施例1における可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムの製造工程の途中で生成した中間物である、酸素欠陥を有しない酸化セリウムと同じものである。この酸素欠陥を有しない酸化セリウムを用い、表1に示す条件を採用する以外は実施例1と同様にして、二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成させた。そのときの変換率を同表に示す。
〔比較例2〕
本比較例は、実施例1で用いた可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムに代えて、不可逆的な酸素欠損のみを有する酸化セリウムを用いた例である。不可逆的な酸素欠損のみを有する酸化セリウムとして、下記の方法によって製造したカルシウムドープ酸化セリウムを用いた。このカルシウムドープ酸化セリウムは、背景技術の項で述べた特許文献3の第5欄第59〜64行目に記載されている物質に相当するものである。このカルシウムドープ酸化セリウムを用い、表1に示す条件を採用する以外は実施例1と同様にして、二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成させた。そのときの変換率を同表に示す。
本比較例は、実施例1で用いた可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムに代えて、不可逆的な酸素欠損のみを有する酸化セリウムを用いた例である。不可逆的な酸素欠損のみを有する酸化セリウムとして、下記の方法によって製造したカルシウムドープ酸化セリウムを用いた。このカルシウムドープ酸化セリウムは、背景技術の項で述べた特許文献3の第5欄第59〜64行目に記載されている物質に相当するものである。このカルシウムドープ酸化セリウムを用い、表1に示す条件を採用する以外は実施例1と同様にして、二酸化炭素ガスから一酸化炭素ガスを生成させた。そのときの変換率を同表に示す。
〔不可逆的な酸素欠損のみを有するカルシウムドープ酸化セリウムの合成〕
炭酸水素アンモニウムとアンモニアと炭酸アンモニウムとシュウ酸とを水に溶解した水溶液を攪拌しながら、硝酸セリウム水溶液及び硝酸カルシウム水溶液を滴下し逆中和して沈殿を生成させた。硝酸セリウム水溶液及び硝酸カルシウム水溶液の滴下量は、セリウム及びカルシウムのモル濃度が、セリウム0.8に対しカルシウム0.2となるように調整した。生成した沈殿物をイオン交換水で2回洗浄してろ過した。その後、ろ過物を大気下に300℃で3時間にわたり仮焼成し、その後大気下に1000℃で3時間にわたり本焼成することでカルシウムドープ酸化セリウムを得た。XRDによる測定の結果、このカルシウムドープ酸化セリウムの格子定数は5.4158Åであった。カルシウムをドープしていない酸化セリウムの格子定数は5.4113Åであることから、得られたカルシウムドープ酸化セリウムは格子が膨張し、カルシウムが固溶していることが確認された。
炭酸水素アンモニウムとアンモニアと炭酸アンモニウムとシュウ酸とを水に溶解した水溶液を攪拌しながら、硝酸セリウム水溶液及び硝酸カルシウム水溶液を滴下し逆中和して沈殿を生成させた。硝酸セリウム水溶液及び硝酸カルシウム水溶液の滴下量は、セリウム及びカルシウムのモル濃度が、セリウム0.8に対しカルシウム0.2となるように調整した。生成した沈殿物をイオン交換水で2回洗浄してろ過した。その後、ろ過物を大気下に300℃で3時間にわたり仮焼成し、その後大気下に1000℃で3時間にわたり本焼成することでカルシウムドープ酸化セリウムを得た。XRDによる測定の結果、このカルシウムドープ酸化セリウムの格子定数は5.4158Åであった。カルシウムをドープしていない酸化セリウムの格子定数は5.4113Åであることから、得られたカルシウムドープ酸化セリウムは格子が膨張し、カルシウムが固溶していることが確認された。
表1から明らかなように、可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムを用いて二酸化炭素を一酸化炭素に変換すると(実施例1〜9)、高い変換率が得られることが判る。これに対し、酸素欠損を有しない酸化セリウムを用いて二酸化炭素を一酸化炭素に変換すると(比較例1)、その変換率は極めて低くなることが判る。不可逆的な酸素欠損のみを有する酸化セリウムを用いた場合(比較例2)も、その変換率は極めて低くなることが判る。
Claims (11)
- 酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物と二酸化炭素ガスとを加熱下に接触させ、化学量論反応によって二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を生成させることを特徴とする一酸化炭素の製造方法。
- 前記の金属酸化物が、可逆的な酸素欠損を有する酸化セリウムからなる請求項1記載の製造方法。
- 前記の金属酸化物が、CeO2-x(式中、Ceは四価及び三価の混合価数を有し、xは0.5未満の正の数を表す。)で表され、可逆的な酸素欠損を有し、かつ蛍石型の結晶構造を有する酸化セリウムからなる請求項2記載の製造方法。
- 前記の金属酸化物が、CeO2-x(式中、Ceは三価及び三価未満の混合価数を有し、xは0.5〜0.7の数を表す。)で表され、可逆的な酸素欠損を有し、かつ蛍石類似の超格子構造を有する酸化セリウムからなる請求項2記載の製造方法。
- 前記の金属酸化物を二酸化炭素ガスと接触させて一酸化炭素を生成させた後、二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された該金属酸化物を還元性ガスと接触させて該金属酸化物を再生する請求項1ないし4のいずれかに記載の製造方法。
- 外管と、該外管内に配置された内管とを備え、
該内管は、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物を含んで構成されており、
該外管と該内管との間に二酸化炭素ガスを流通させ、かつ該内管内に還元性ガスを流通させるように構成されているか、又は
該外管と該内管との間に還元性ガスを流通させ、かつ該内管内に二酸化炭素ガスを流通させるように構成されている一酸化炭素の製造装置。 - 二基以上のバッチ式反応装置と、二酸化炭素ガス源及び還元性ガス源のそれぞれに接続する入力部及び各反応装置のそれぞれ接続する出力部を有する切替弁とを備え、各反応装置内に、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物の配置が可能になっている一酸化炭素の製造装置であって、
前記の切替弁を介して各反応装置に二酸化炭素ガス又は還元性ガスが択一的に、かつ同時に供給され、かつ該切替弁の切り替えによって各反応装置に供給されるガスの種類を切り替えられるように構成されている一酸化炭素の製造装置。 - 酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物を含んで構成される板状体と、板状のセパレータとが交互にスタックされてなる一酸化炭素の製造装置であって、
各セパレータの各面には、一方向に延びる複数の凸条部及び凹条部が交互に配置されており、
前記の板状体を挟んで対向する2つのセパレータにおける一方のセパレータと該板状体との対向面に位置する凹条部に二酸化炭素ガスを流通させ、かつ他方のセパレータと該板状体との対向面に位置する凹条部に還元性ガスを流通させるように構成されている一酸化炭素の製造装置。 - 精錬所、製鉄所又は火力発電所から発生した排気ガス中に含まれる二酸化炭素を分離し、
分離された二酸化炭素と、酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物とを、精錬所、製鉄所又は火力発電所から発生した廃熱を用いた加熱下に接触させ、化学量論反応によって二酸化炭素を還元して、一酸化炭素を生成させることを特徴とする二酸化炭素を一酸化炭素に変換するシステム。 - 二酸化炭素ガスとの接触によって酸化された該金属酸化物を、精錬所又は製鉄所から発生した水素と接触させて、該金属酸化物に可逆的な酸素欠損を生じさせる請求項9記載のシステム。
- 酸素イオン伝導性を有し、かつ可逆的な酸素欠損を有する金属酸化物からなることを特徴とする二酸化炭素の一酸化炭素への変換剤。
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