JPWO2011102486A1 - 露光装置用レーザ装置 - Google Patents

露光装置用レーザ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011102486A1
JPWO2011102486A1 JP2012500669A JP2012500669A JPWO2011102486A1 JP WO2011102486 A1 JPWO2011102486 A1 JP WO2011102486A1 JP 2012500669 A JP2012500669 A JP 2012500669A JP 2012500669 A JP2012500669 A JP 2012500669A JP WO2011102486 A1 JPWO2011102486 A1 JP WO2011102486A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
gas
energy
exposure apparatus
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012500669A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5925674B2 (ja
Inventor
英典 渡邊
英典 渡邊
洋志 田中
洋志 田中
若林 理
理 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gigaphoton Inc
Original Assignee
Gigaphoton Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gigaphoton Inc filed Critical Gigaphoton Inc
Publication of JPWO2011102486A1 publication Critical patent/JPWO2011102486A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5925674B2 publication Critical patent/JP5925674B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/02Constructional details
    • H01S3/03Constructional details of gas laser discharge tubes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70008Production of exposure light, i.e. light sources
    • G03F7/70025Production of exposure light, i.e. light sources by lasers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/02Constructional details
    • H01S3/03Constructional details of gas laser discharge tubes
    • H01S3/036Means for obtaining or maintaining the desired gas pressure within the tube, e.g. by gettering, replenishing; Means for circulating the gas, e.g. for equalising the pressure within the tube
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/10Controlling the intensity, frequency, phase, polarisation or direction of the emitted radiation, e.g. switching, gating, modulating or demodulating
    • H01S3/13Stabilisation of laser output parameters, e.g. frequency or amplitude
    • H01S3/131Stabilisation of laser output parameters, e.g. frequency or amplitude by controlling the active medium, e.g. by controlling the processes or apparatus for excitation
    • H01S3/134Stabilisation of laser output parameters, e.g. frequency or amplitude by controlling the active medium, e.g. by controlling the processes or apparatus for excitation in gas lasers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/23Arrangements of two or more lasers not provided for in groups H01S3/02 - H01S3/22, e.g. tandem arrangements of separate active media
    • H01S3/2308Amplifier arrangements, e.g. MOPA
    • H01S3/2316Cascaded amplifiers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/23Arrangements of two or more lasers not provided for in groups H01S3/02 - H01S3/22, e.g. tandem arrangements of separate active media
    • H01S3/2366Arrangements of two or more lasers not provided for in groups H01S3/02 - H01S3/22, e.g. tandem arrangements of separate active media comprising a gas as the active medium

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Lasers (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

露光装置用レーザ装置は、シードレーザと、前記シードレーザの出力光を入力して増幅出力する少なくとも1つのガス放電励起式の増幅段と、を有したMOPA方式およびMOPO方式のいずれか一方の放電励起式ガスレーザ装置と、露光装置からの要求によって前記放電励起式ガスレーザ装置からのレーザ出力光のエネルギーを不連続的に変化させる場合に、少なくとも前記増幅段のレーザガスの全圧力を前記要求されたエネルギーに応じて変化させるレーザガス制御装置および少なくとも前記増幅段の放電電極の励起強度を前記要求されたエネルギーに応じて変化させるレーザ電源制御装置の少なくともいずれか一方の制御装置と、を備えてもよい。

Description

この開示は、露光装置用レーザ装置に関するものである。
シードレーザと前記シードレーザの出力光を入力して増幅し出力する少なくとも1つのガス放電励起式の増幅段を有した、MOPA方式およびMOPO方式のいずれか一方の放電励起式ガスレーザ装置とを備えた露光装置用レーザがある。
概要
本開示の一態様による露光装置用レーザ装置は、シードレーザと、前記シードレーザの出力光を入力して増幅出力する少なくとも1つのガス放電励起式の増幅段と、を有したMOPA方式およびMOPO方式のいずれか一方の放電励起式ガスレーザ装置と、露光装置からの要求によって前記放電励起式ガスレーザ装置からのレーザ出力光のエネルギーを不連続的に変化させる場合に、少なくとも前記増幅段のレーザガスの全圧力を前記要求されたエネルギーに応じて変化させるレーザガス制御装置および少なくとも前記増幅段の放電電極の励起強度を前記要求されたエネルギーに応じて変化させるレーザ電源制御装置の少なくともいずれか一方の制御装置と、を備えてもよい。
図1は、この開示の実施の形態1である露光装置用レーザ装置の構成を模式的に示す。 図2は、レーザ出力エネルギーとレーザ出力エネルギーばらつきとの各電圧依存性を示す。 図3は、電圧制御による制御範囲を示す。 図4は、レーザコントローラCによる電圧HV値の制御処理手順を示すフローチャートである。 図5は、この開示の実施の形態1のレーザガス制御装置およびレーザ電源制御装置によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。 図6は、電圧をパラメータとしたレーザ出力エネルギーばらつきのフッ素ガス分圧依存性を示す。 図7は、この開示の実施の形態1による60Wから90W変更時のタイミングチャートである。 図8は、この開示の実施の形態1による90Wから60W変更時のタイミングチャートである。 図9は、この開示の実施の形態1の変形例1のレーザガス制御装置によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。 図10は、この開示の実施の形態1の変形例1による60Wから90W変更時のタイミングチャートである。 図11は、この開示の実施の形態1の変形例1による90Wから60W変更時のタイミングチャートである。 図12は、この開示の実施の形態1の変形例2のレーザ電源制御装置によるターゲットエネルギー変更時の電圧HV値変更処理手順を示すフローチャートである。 図13は、この開示の実施の形態1の変形例2による60Wから90W変更時のタイミングチャートである。 図14は、この開示の実施の形態1の変形例2による90Wから60W変更時のタイミングチャートである。 図15は、この開示の実施の形態1の変形例3のレーザガス制御装置によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。 図16は、図15に示したガス交換処理の手順を示すフローチャートである。 図17は、この開示の実施の形態1の変形例3による60Wから90W変更時のタイミングチャートである。 図18は、この開示の実施の形態1の変形例3による90Wから60W変更時のタイミングチャートである。 図19は、この開示の実施の形態2である露光装置用レーザ装置によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。 図20は、パラメータ設定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図21は、レーザ制御サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図22は、切替設定サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図23は、パラメータ計算サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図24は、レーザガス圧のパルスエネルギー依存性を示す。 図25は、レーザガス制御サブルーチンを示す処理手順を示すフローチャートである。 図26は、パラメータ計算サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図27は、切替前のレーザガス圧をパラメータとしてレーザガス圧のパルスエネルギー依存性を示す。 図28は、この開示の実施の形態3である露光装置用レーザ装置の構成を模式的に示す。 図29は、パラメータ計算サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図30は、フッ素分圧のパルスエネルギー依存性を示す。 図31は、レーザガス制御サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図32は、パラメータ計算サブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。 図33は、この開示の実施の形態4である露光装置用レーザ装置の構成を模式的に示す。 図34に示した増幅段の構成を示す。 図35は、レーザコントローラによるダイナミック切替機構への制御処理手順を示すフローチャートである。 図36は、この開示の実施の形態5である露光装置用レーザ装置内のダイナミックレンジ切替機構の構成を模式的に示す。 図37は、この開示の実施の形態5である露光装置用レーザ装置内のダイナミックレンジ切替機構の他の構成を模式的に示す。
実施の形態
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示の一例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
近年、レーザの高出力化の必要性とともに、露光装置側の露光最適化のため、露光プロセスに合わせてレーザ出力を変化させたいという要求がある。しかし、それぞれの露光プロセスが必要とするレーザ出力に合わせて複数のレーザを設けると、コストが膨大となってしまう。このため、1台のレーザで多くの露光プロセスに対応できるよう、1台のレーザの出力可能範囲、すなわちエネルギーダイナミックレンジを大きくする必要がある。
(実施の形態1)
まず、この開示の実施の形態1である露光装置用レーザ装置の構成について説明する。図1は、この開示の実施の形態1である露光装置用レーザ装置の構成を模式的に示す。図1に示されるように、この露光装置用レーザ装置は、シードレーザ1と、このシードレーザ1の出力光を入力して増幅し出力する少なくとも1台のガス放電励起式の増幅段2とを備えたMOPA(Master Oscillator Power Amplifier)方式またはMOPO(Master Oscillator Power Oscillator)方式の放電励起式ガスレーザ装置である。なお、MOPA方式は、増幅段2に共振器が設けられない方式である。また、MOPO方式は、インジェクションロック方式とも呼ばれ、増幅段2に共振器が設けられる方式である。なお、シードレーザ1と増幅段2との間は、少なくとも2つの高反射ミラー31,32を有する光学系によって結合されてもよい。
また、この露光装置用レーザ装置は、露光装置100の露光装置コントローラC100と制御信号の送受信を行い、露光装置用レーザ装置全体を制御するレーザコントローラCを備えてもよい。レーザコントローラCには、レーザ電源制御装置3とレーザガス制御装置4とが接続されてもよい。
レーザ電源制御装置3は、シードレーザ1の電源であるMO電源12および増幅段2の電源であるPO電源22に接続されてもよい。MO電源12およびPO電源22はパルス電源でもよい。パルス電源は、一般的には主にチャージャとパルス圧縮回路とを有する。そして、レーザ電源制御装置3は、露光装置100から要求されたエネルギーのレーザ光を出力するように電源電圧を発生させて、レーザ装置をバースト発振させてもよい。レーザガス制御装置4は、シードレーザ1のチャンバ11内のレーザガス圧および増幅段2のチャンバ21内のレーザガス圧を制御してもよい。
レーザ電源制御装置3は、レーザコントローラCの制御のもと、露光装置100からの指令によってレーザの出力エネルギーを不連続的に変化させた時に、増幅段2の放電電極23の励起強度を、露光装置100から要求されたエネルギーに応じて変化させる。露光装置100からレーザの出力エネルギーを不連続的に変化させる指令dが出力された場合、その指令dを受け取ったレーザコントローラCはレーザ電源制御装置3に対して指令cを与える。その指令cを受け取ったレーザ電源制御装置3はMO電源12、およびPO電源22の少なくとも一方を制御する。その制御によってMO電源12は一対の放電電極13の電極間に電圧を印加してもよい。また、PO電源22は一対の放電電極23の電極間に電圧を印加してもよい。また、露光装置100からレーザの出力エネルギーを不連続的に変化させる指令dが出力された時に、レーザガス制御装置4によるガス制御が行われてもよい。そのガス制御とは、増幅段2のレーザガスの全圧力を、露光装置100から要求されたエネルギーに応じて変化させることである。なお、これらレーザ電源制御装置3とレーザガス制御装置4による制御は、いずれか一方のみ、または両方が行われてもよい。
シードレーザ1は、ガス放電励起式レーザまたは固体レーザなどでよい。シードレーザ1がガス放電励起式レーザの場合、シードレーザ1は、レーザガスを封入するチャンバ11と、MO電源12と、レーザガスの励起に伴ってチャンバ11内で発生する光の一部を外部に出力し、残りを、チャンバ11を介して共振させる共振器とを備えてもよい。この共振器は、拡大プリズム15aとグレーティング15bとを備える狭帯域化モジュール15と、出力結合ミラー14との間で形成される。チャンバ11は、レーザガスを励起してゲイン領域を形成する一対の放電電極13を備えてもよい。この一対の放電電極13の電極間には、MO電源12から充電電圧が印加される。
増幅段2は、ガス放電励起式レーザでもよい。増幅段2は、レーザガスを封入するチャンバ21と、PO電源22と、レーザガスの励起に伴ってチャンバ21内で発生する光の一部を外部に出力し、残りをチャンバ21を介して共振させる共振器とを備えてもよい。この共振器は、リアミラー25とフロントミラー24との間で形成される。図1は、平面リアミラー25と平面フロントミラー24とが平行に配置されたファブリペロ型共振器の例を示している。チャンバ21内は、レーザガスを励起してゲイン領域を形成する一対の放電電極23を備えてもよい。この一対の放電電極23の電極間には、PO電源22から電圧が印加される。
なお、チャンバ11,21内のレーザガスは、エキシマレーザの場合、組成ガス(KrFの場合はKrガスとF2ガス、ArFの場合はArガスとF2ガス)と、希釈バッファガス(NeまたはHeガス)でもよい。
増幅段2のレーザ光出射側の光路には、エネルギーセンサユニット40が設けられてもよい。エネルギーセンサユニット40は、出力レーザ光Lの一部を取り出すビームスプリッタ41と、フォトダイオードなどの光センサ43と、ビームスプリッタ41からの光を光センサ43に集光する集光レンズ42とを備えてもよい。エネルギーセンサユニット40は、レーザ光Lからビームスプリッタ41によって反射されたレーザ光のエネルギーを検出してもよい。
また、露光装置100とビームスプリッタ41との間には、露光装置100側への出力レーザ光Lの入射を防ぐシャッタ50が設けられてもよい。このシャッタ50は、露光装置100からの指令によってレーザの出力エネルギーを不連続に変化させた時などの後述する調整発振時に閉じられてもよい。
なお、レーザガス制御装置4には、レーザガスボンベ60と排気装置61とが接続されてもよい。それらの接続配管にはそれぞれ図示しない注入バルブ、排気バルブを設けてもよい。レーザガスボンベ60は、レーザガス制御装置4を介してレーザガスをチャンバ11,21に供給してもよい。排気装置61は、レーザガス制御装置4を介してレーザガスをチャンバ11,21から排気してもよい。
ここで、この実施の形態1では、レーザコントローラCの制御のもと、レーザガス制御装置4とレーザ電源制御装置3とを用いて、露光装置100からの指令によってレーザの出力エネルギーを不連続に変化させる場合、増幅段2のレーザガスの全圧および電圧HV値を変更する調整発振シーケンスを行うようにしている。また、前記不連続変化が出力レーザ光Lのエネルギーを増加させることである場合に、シードレーザ1の出力光エネルギーを変えずに増幅段の増幅率を上げる。この制御を行うことで、レーザ光に起因する狭帯域化モジュール15内光学素子の劣化を抑制することができる。
ところで、1台のレーザ装置の出力を変動させる方法としては、レーザガスの励起強度、すなわち電圧HV値を変化させたり、ガス組成やガス圧力を変化させることが考えられる。しかし、ガスレーザにおいて、「電圧HV値−レーザ出力エネルギーE」と「電圧HV値−レーザ出力エネルギーばらつきσ」には、図2に示すような特性がある。すなわち、電圧HV値でレーザ出力エネルギーEを変化させると、レーザ出力エネルギーばらつき(発振パルスエネルギーのばらつき)σが大きくなり、許容範囲を超える場合がある。
露光装置では、毎パルスエネルギーのばらつきを小さくする必要がある。そのため、露光装置から要求されるレーザ出力エネルギーばらつきσの許容範囲内で電圧HV値を変化させた場合は、レーザ出力エネルギーEの可変範囲が小さくなる。つまり、一般に、露光装置ではレーザ出力エネルギーばらつきσを略一定にするために、中心出力(ノミナルエネルギー)の±10W程度しかレーザ出力エネルギーEを変化させることができない。レーザ出力エネルギーEをその範囲以上に変化させようとすれば、レーザ出力エネルギーばらつきσが大きくなり半導体露光用光源として使用することができない。
また、レーザ出力エネルギーばらつきσを無視したとしても、電圧HV値を減少させていくと、ある値以下では、レーザ発振しなくなるため、要求されるダイナミックレンジを得ることができない。電圧HV値を減少させた場合、レーザ出力エネルギーばらつきσが大きくなるのは、放電が不安定になり、均一なゲイン領域が確保できなくなるからである。
なお、ガス組成やガス圧を変化させる場合も、電圧HV値を変化させる場合と同様に、ダイナミックレンジを大きくしようとすると、レーザ出力エネルギーばらつき(発振パルスエネルギーのばらつき)σが大きくなり、許容範囲を超える場合がある。ただし、ガス圧に関しては、現行のギガフォトン社製レーザにおいては、レーザ出力エネルギーばらつきσに関する許容範囲が比較的広い。
図3に、要求されるレーザ出力のダイナミックレンジの一例を示す。現存する種々の露光装置では、6kHzレーザの場合、大体90Wから60Wの範囲内のレーザ出力が要求されている。しかし、電圧HV値で出力を変化させる場合のダイナミックレンジは、たとえば、90W動作のレーザでは、90±10W程度の範囲aとなり、60W動作のレーザでは、60±10W程度の範囲bとなり、いずれも必要なダイナミックレンジには到達しない。このため、電圧HV値やガス組成では対応が難しい。
しかしながら、ギガフォトン社製レーザにおいては、上述したように、ガス圧がレーザ出力エネルギーばらつきσに比較的鈍感な制御パラメータである。このため、動作ガス圧範囲においてガス圧を可変にすることにより、90Wから60Wのノミナルエネルギーとその前後±10Wを安定に出力することができる。
そこで、この実施の形態1では、レーザコントローラCが露光装置より、ある露光プロセスのノミナルのエネルギー情報を受けとり、ガス圧を調整することによって、必要なダイナミックレンジの確保を可能にしようとするものである。すなわち、レーザガス制御装置4がガス圧を変えることによって、エネルギー安定性を許容範囲内に維持したまま、ノミナルエネルギーを可変とするものである。
なお、前提として、レーザコントローラCは、電圧HV値の制御を独立して行ってもよい。図4は、レーザコントローラCによる電圧HV値の制御処理手順を示すフローチャートである。レーザコントローラCは、例えば露光装置コントローラC100からレーザのエネルギー制御を行う指令があった際に電圧HV値の制御を行ってもよい。図4において、まず、レーザコントローラCは、露光装置コントローラC100から送られてきた要求パルスエネルギーEtに対応する電圧HV値を初期値として読み込んでもよい(ステップS1701)。なお、要求パルスエネルギーEtに対応する電圧HV値は、予めデータとして保存されていてもよいし、計算によって求めてもよい。要求パルスエネルギーEtに対応する電圧HV値は、ガス圧を考慮にいれて決定されてもよい。その後、レーザコントローラCは、要求パルスエネルギーEtを読み込んでもよい(ステップS1702)。レーザコントローラC100は、PO電源22を電圧HV値に充電する指令をレーザ電源制御装置3に送ってもよい。その後、レーザコントローラCは、露光装置コントローラC100から送られてくるレーザ発振のトリガ信号を検出したか否かを判断し(ステップS1703)、トリガ信号を検出するまで待機してもよい(ステップS1703,No)。レーザコントローラCは、トリガ信号を検出した場合(ステップS1703,Yes)のみ、レーザ電源制御装置3を介してレーザ発振を行わせてもよい(ステップS1704)。その後、エネルギーセンサユニット40を介してレーザ発振に伴うレーザのエネルギーEを検出してもよい(ステップS1705)。
その後、レーザコントローラCは、エネルギー変動ΔE=Et−Eを算出してもよい。さらに、電圧HV値変動ΔHV=G・ΔEを算出してもよい(ステップS1706)。なお、Gは、制御ゲインである。さらに、現電圧HV値を、HV=HV+ΔHVとして更新してもよい(ステップS1707)。そして、この更新した電圧HV値を保存してもよい(ステップS1708)。
その後、電圧HV値の初期値を変更するか否かを判断してもよい(ステップS1709)。例えば、要求パルスエネルギーEtが大きく変化した場合、電圧HV値の初期値が変更されてもよい。また、露光装置100からエネルギー値指令値S1が送られてきた際に、電圧HV値の初期値を変更してもよい。電圧HV値の初期値を変更する場合(ステップS1709,Yes)には、ステップS1701に移行し、初期値の更新を行って、上述した処理を繰り返してもよい。一方、電圧HV値の初期値を変更しない場合(ステップS1709,No)には、さらにこの電圧HV値の制御処理を中止するか否かを判断してもよい(ステップS1710)。この電圧HV値の制御を中止しない場合(ステップS1710,No)には、ステップS1702に移行し、現電圧HV値を用いて上述した処理を繰り返してもよい。一方、電圧HV値の制御を中止する場合(ステップS1710,Yes)には、本処理を終了してもよい。例えば、露光装置コントローラC100からレーザのエネルギー制御を中止する指令があった際に電圧HV値の制御処理を中止してもよい。この電圧HV値の制御処理では、電圧HV値が更新される毎に更新された電圧HV値が保存されてもよい。
つぎに、この開示の実施の形態1のレーザガス制御装置3およびレーザ電源制御装置4によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理について説明する。図5は、この開示の実施の形態1のレーザガス制御装置およびレーザ電源制御装置によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。図5において、まず、レーザコントローラCは、露光装置100からのエネルギー値指令S1によってレーザ出力レンジ切替要求があったか否かを判断してもよい(ステップS101)。レーザ出力レンジ切替要求がない場合(ステップS101,No)、本処理を終了し、直前の状態の出力制御を続行してもよい。
一方、レーザ出力レンジ切替要求があった場合(ステップS101,Yes)には、ターゲットエネルギーを変更する設定を行い(ステップS102)、レーザの出力を開始してもよい(ステップS103)。その後、ステップS1708で保存されている現在の電圧HV値を読み出し(ステップS104)、この電圧HV値がターゲットHVレンジ内か否かを判断してもよい(ステップS105)。
ターゲットHVレンジ内である場合(ステップS105,Yes)には、ガス調整は必要ないので、レーザの出力を停止した(ステップS115)後、本処理を終了し、直前の状態の出力制御を続行してもよい。一方、ターゲットHVレンジ内でない場合(ステップS105,No)には、さらにターゲットHVレンジと電圧HV値とを比較し、ターゲットHVレンジが電圧HV値よりも大きいか否かを判断してもよい(ステップS106)。
ターゲットHVレンジが電圧HV値よりも小さい場合(ステップS106,ターゲットHVレンジ<電圧HV値)、レーザガス制御装置4は、チャンバ21に対するバルブを開けてレーザガスの注入を開始してもよい(ステップS107)。さらに、ステップS1708で保存されている電圧HV値を読み出し(ステップS108)、このガス注入によって、電圧HV値が、ターゲットHVレンジ内に入ったか否かを判断してもよい(ステップS109)。電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入っていない場合(ステップS109,No)には、ステップS108に移行し、電圧HV値の読み出しとステップS109の判断処理を繰り返してもよい。一方、電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入っている場合(ステップS109,Yes)には、バルブを閉じてガス注入を停止してもよい(ステップS110)。その後、レーザの出力を停止した(ステップS115)後、本処理を終了し、切り替えられたレーザ出力レンジの出力制御を行ってもよい。
ターゲットHVレンジが電圧HV値よりも大きい場合(ステップS106,ターゲットHVレンジ>電圧HV値)、レーザガス制御装置4は、チャンバ21に対するバルブを開けてレーザガスの排気を開始してもよい(ステップS111)。さらに、ステップS1708で保存されている電圧HV値を読み出し(ステップS112)、このガス排気によって、電圧HV値が、ターゲットHVレンジ内に入ったか否かを判断してもよい(ステップS113)。電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入っていない場合(ステップS113,No)には、ステップS112に移行し、電圧HV値の読み出しとステップS113の判断処理を繰り返してもよい。一方、電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入っている場合(ステップS113,Yes)には、バルブを閉じてガスの排気を停止してもよい(ステップS114)。その後、レーザの出力を停止した(ステップS115)後、本処理を終了し、切り替えられたレーザ出力レンジの出力制御を行ってもよい。なお、ステップS102〜S115までの処理は、調整発振シーケンスSQ1である。
ここで、ステップS105,S109,S113におけるターゲットHVレンジについて説明する。図6は、エキシマレーザのレーザ出力エネルギーばらつきσと、電圧HV値(V,V,V)と、レーザガス中のフッ素(F)分圧との関係を示している。半導体露光等の処理を行う光源としてのエキシマレーザの出力光エネルギーのパルス毎のエネルギーばらつき(レーザ出力エネルギーばらつき)は、小さい必要がある。このばらつきが大きいと、露光装置内部において、たとえばSiウェハ上の各チップ毎または1つのチップ表面の場所毎の露光量がばらついて各チップの製造不具合を生じてしまうからである。したがって、このレーザ出力エネルギーばらつきσの許容範囲(仕様)を定めておいて、その仕様を満たすための電圧HV値とガス全圧とフッ素分圧の範囲内を維持するようにレーザ装置を駆動制御することが好ましい。
エキシマレーザの駆動中は、出力パルスエネルギーが微妙に増減するので、その増減を抑制するために制御装置は電圧HV値を高速で微妙に増減する制御を頻繁に行う。一方、制御装置が強制的なガス供給排気を行わない限り、通常はガス圧とフッ素ガスとが短時間で大きな変動を示す要因はない。こうした通常の駆動制御では、図6において電圧HV値の変動幅が小さいので、ばらつきσの許容範囲(仕様)を短時間で逸脱する可能性は低い。
しかし、短時間でレーザ出力エネルギーを大幅に増加または減少させる場合には、それぞれ電圧HV値を大幅に上昇または下降させる必要がある。その操作は、図6において、それぞれ電圧HV値をVからVへ上昇させ、またはVからVへ下降させることに相当する。その短時間では、フッ素分圧はほとんど一定であるので、ばらつきσは大幅に悪化する可能性が高い。そこで、フッ素分圧が一定の場合に、レーザ出力エネルギーを一定に維持するためには、全ガス圧を上げると電圧HV値を下げる必要があり、全ガス圧を下げると電圧HV値を上げる必要があるという特性を利用してばらつきσを仕様範囲に戻す。
すなわち、図6において、電圧HV値をVからVへ上昇させ、またはVからVへ下降させた場合に、それぞれ全ガス圧を下げ、または上げる処理を行い、それぞれ電圧HV値をVからV近傍へ戻し、またはVからV近傍に戻す。この処理によって、ばらつきσを仕様範囲内へ戻すことができる。この最後の処理で電圧HV値が入るべき範囲をターゲットHVレンジと称している。
ここで、図5に示したターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理について具体的に説明する。図7は、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに上げる変更を行ったときのガス全圧変更処理時のタイミングチャートを示している。図7に示すように、露光装置100から、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに上げる変更要求を受けると、時点t1〜t2(Δt)の間で調整発振シーケンスSQ1が行われてもよい。時点t1でターゲットエネルギーが90Wに変更されると、電圧HV値は、急激に高くなり、ターゲットHVレンジから外れる可能性が高い。その後、ガスが注入され、電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入るまでガスが注入されてもよい。この電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入った後に調整発振シーケンスSQ1が終了し、時点t2で調整発振終了としてもよい。
一方、図8は、ターゲットエネルギーを90Wから60Wに下げる変更を行ったときのガス全圧変更処理時のタイミングチャートを示している。図8に示すように、露光装置100から、ターゲットエネルギーを90Wから60Wに下げる変更要求を受けると、時点t1〜t2(Δt)の間で調整発振シーケンスSQ1が行われてもよい。時点t1でターゲットエネルギーが60Wに変更されると、電圧HV値は、急激に低くなり、ターゲットHVレンジから外れる可能性が高い。その後、ガスが排気され、電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入るまでガスが排気されてもよい。この電圧HV値がターゲットHVレンジ内に入った後に調整発振シーケンスSQ1が終了し、時点t2で調整発振終了としてもよい。
この実施の形態1では、上述した発振調整シーケンスSQ1を行うようにしているので、大幅なターゲットエネルギーの変更が生じても、レーザ出力エネルギーばらつきσの小さい安定した状態に変更することができる。
(実施の形態1の変形例1)
実施の形態1の変形例1による露光装置用レーザ装置は、実施の形態1と同様の構成を備えてもよい。実施の形態1の変形例1は、ターゲットエネルギー変更時の制御が実施の形態1と異なる。上述した実施の形態1では、調整発振シーケンスSQ1によってレーザガス制御装置4およびレーザ電源制御装置3がガス全圧と電圧HV値を制御していた。この変形例1では、レーザガス制御装置4によってターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理を行うようにしている。すなわち、実施の形態1では、電圧HV値がターゲットHVレンジ内に収まるようにガス全圧を制御していたが、この実施の形態1の変形例1では、レーザガス制御装置4のみによって、レーザ出力レンジ切替要求に対応するターゲットガス圧を決定し、ガス圧がこのターゲットガス圧となるように制御する。この実施の形態1の変形例1では、ターゲットエネルギー変更時に電圧HV値の制御は行わない。
図9は、この開示の実施の形態1の変形例1であるレーザガス制御装置4によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。図9に示すように、レーザガス制御装置4は、露光装置100から、レーザ出力レンジ切替要求があったか否かを判断してもよい(ステップS201)。このレーザ出力レンジ切替要求がない場合(ステップS201,No)には、本処理を終了し、直前の状態の出力制御が続行されてもよい。
一方、レーザ出力レンジ切替要求があった場合(ステップS201,Yes)には、さらにレーザ出力の出力レンジを上げるか否かを判断してもよい(ステップS202)。出力レンジを上げる場合(ステップS203,Yes)、レーザガス制御装置4は、ガス注入量を算出し、ターゲットガス圧を決定してもよい(ステップS204)。そして、チャンバ21に対するバルブを開け、ガスの注入を開始してもよい(ステップS205)。その後、チャンバ21内のガス圧を読み出し(ステップS206)、このガス圧がターゲットガス圧を超えたか否かを判断してもよい(ステップS207)。そして、ガス圧がターゲットガス圧を超えない場合(ステップS207,No)には、ガスの注入を続行させ、ガス圧を読み出してガス圧がターゲットガス圧を超えるまで、これを繰り返してもよい。一方、ガス圧がターゲットガス圧を超えた場合(ステップS207,Yes)には、チャンバ21に対するバルブを閉じて、ガスの注入を停止してもよい(ステップS208)。その後、本処理を終了し、切り替えられたレーザ出力レンジの出力制御を行ってもよい。
一方、出力レンジを上げない場合(ステップS203,No)、レーザガス制御装置4は、ガス排気量を算出し、ターゲットガス圧を決定してもよい(ステップS209)。そして、チャンバ21に対するバルブを開け、ガスの排気を開始してもよい(ステップS210)。その後、チャンバ21内のガス圧を読み出し(ステップS211)、このガス圧がターゲットガス圧未満になったか否かを判断してもよい(ステップS212)。そして、ガス圧がターゲットガス圧未満にならない場合(ステップS212,No)には、ガスの排気を続行させ、ガス圧を読み出してガス圧がターゲットガス圧未満になるまで、これを繰り返してもよい。一方、ガス圧がターゲットガス圧未満になった場合(ステップS212,Yes)には、チャンバ21に対するバルブを閉じて、ガスの排気を停止してもよい(ステップS213)。その後、本処理を終了し、切り替えられたレーザ出力レンジの出力制御を行ってもよい。
なお、図9のステップS202〜S213は、レーザガス制御装置4によるガス調整シーケンスSQ2である。
ここで、図9に示したレーザガス制御装置4のみによるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理について具体的に説明する。図10は、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに上げる変更を行ったときの実施の形態1の変形例1によるガス全圧変更処理時のタイミングチャートを示している。図10に示すように、露光装置100から、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに上げる変更要求を受けると、レーザガス制御装置4は、時点t1〜t2(Δt)の間でガス調整シーケンスSQ2を行ってもよい。時点t1でターゲットエネルギーが90Wに変更されると、ガス圧は、ガス調整シーケンスSQ2によって徐々に高くなり、ターゲットガス圧に近づく。その後、ガス圧がターゲットガス圧になると、ガス調整シーケンスSQ2が終了し、時点t2でガス調整を終了してもよい。
一方、図11は、ターゲットエネルギーを90Wから60Wに下げる変更を行ったときの実施の形態1の変形例1によるガス全圧変更処理時のタイミングチャートを示している。図11に示すように、露光装置100から、ターゲットエネルギーを90Wから60Wに下げる変更要求を受けると、レーザガス制御装置4は、時点t1〜t2(Δt)の間でガス調整シーケンスSQ2を行ってもよい。時点t1でターゲットエネルギーが60Wに変更されると、ガス圧は、ガス調整シーケンスSQ2によって徐々に低くなり、ターゲットガス圧に近づく。その後、ガス圧がターゲットガス圧になると、ガス調整シーケンスSQ2が終了し、時点t2でガス調整終了としてもよい。
(実施の形態1の変形例2)
実施の形態1の変形例2による露光装置用レーザ装置は、実施の形態1と同様の構成を備えてもよい。実施の形態1の変形例2は、ターゲットエネルギー変更時の制御が実施の形態1と異なる。この変形例2では、レーザ電源制御装置3によってターゲットエネルギー変更時の電圧HV値変更処理が行われる。すなわち、この実施の形態1では、電圧HV値がターゲットHVレンジ内に収まるようにガス全圧を制御していたが、この実施の形態1の変形例2では、レーザ電源制御装置3のみによって、レーザ出力レンジ切替要求に対応する電圧HV値となるように制御する。
図12は、この開示の実施の形態1の変形例2であるレーザ電源制御装置3によるターゲットエネルギー変更時の電圧HV値変更処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、レーザ電源制御装置4は、露光装置100から、レーザ出力レンジ切替要求があったか否かを判断してもよい(ステップS301)。このレーザ出力レンジ切替要求がない場合(ステップS301,No)には、本処理を終了し、直前の状態の出力制御を続行してもよい。一方、レーザ電源制御装置3は、レーザ出力レンジ切替要求があった場合(ステップS301,Yes)には、ターゲットエネルギーを変更することによって、電圧HV値を変更して(ステップS302)、本処理を終了してもよい。
ここで、図12に示したレーザ電源制御装置3によるターゲットエネルギー変更時の電圧HV値変更処理について具体的に説明する。図13は、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに上げる変更を行ったときの実施の形態1の変形例2による電圧HV値変更処理時のタイミングチャートを示している。図13に示すように、露光装置100から、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに上げる変更要求を受けると、レーザ電源制御装置3は、時点t1で直ちにターゲットHV値に変更してもよい。
一方、図14に示すように、ターゲットエネルギーを90Wから60Wに下げる変更要求を受けると、レーザ電源制御装置3は、時点t1で直ちにターゲットHV値に変更してもよい。
この実施の形態1の変形例2では、直ちにターゲットエネルギーを変更することができる利点を有する。したがって、上述した実施の形態1やその変形例1,2などを適宜、状況に応じて選択的に動作させることによって、柔軟性のある装置を実現できる。
(実施の形態1の変形例3)
実施の形態1の変形例3による露光装置用レーザ装置は、実施の形態1と同様の構成を備えてもよい。この実施の形態1の変形例3では、上述した実施の形態1による調整発振シーケンスSQ1によってターゲットエネルギーの変更を行う場合、この調整発振シーケンスSQ1のタイミングの前にチャンバ内のレーザガスのガス交換をも行うようにしている。
図15は、この開示の実施の形態1の変形例3によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。この処理は、図5に示した処理におけるステップS101とステップS102との間にガス交換シーケンスSQ4であるガス交換処理を行うようにしている(ステップS401)。
このガス交換処理は、図16に示すように、まず、レーザガス制御装置4が、チャンバ21に対するバルブを開けて、ガス排気を開始してもよい(ステップS501)。その後、チャンバ21内のガス圧を読み出し(ステップS502)、ガスの略全てが排気されたか否かを判断してもよい(ステップS503)。ガスの略全てが排気されるまで待機し(ステップS503,No)、ガスの略全てが排気された場合(ステップS503,Yes)、チャンバ21に対するバルブを閉じてガス排気を停止してもよい(ステップS504)。
その後、レーザガス制御装置4は、ガス注入のターゲットガス圧を算出してもよい(ステップS505)。その後、チャンバ21に対するバルブを開けてガス注入を開始してもよい(ステップS506)。その後、チャンバ21内のガス圧を読み出し(ステップS507)、このガス圧がターゲットガス圧を超えたが否かを判断してもよい(ステップS508)。その後、ガス圧がターゲットガス圧を超えるまで待機し(ステップS508,No)、ガス圧がターゲットガス圧を超えた場合(ステップS508,Yes)、バルブを閉じてガス注入を停止し(ステップS509)、ステップS401にリターンし、調整発振シーケンスSQ1を実行してもよい。
たとえば、図17は、ターゲットエネルギーを60Wから90Wに変更するときに、ガス交換処理を行った場合のタイムチャートを示している。図17に示すように、ターゲットエネルギーの変更要求を受けてすぐにターゲットエネルギーの変更を行わず、まず期間Δt1でガス交換処理を行ってもよい。その後、期間Δt2で、変更要求されたターゲットHVレンジ内に入るようにガス全圧変更を行う調整発振処理を行ってもよい。なお、ガス交換処理時にはチャンバ21内のガス圧が一旦、ほぼ0になる。また、ガス交換後のガス圧は、高めに設定される。
また、図18に示すように、ターゲットエネルギーを90Wから60Wに変更するときに、ターゲットエネルギーの変更要求を受けてすぐにターゲットエネルギーの変更が行われず、まず期間Δt1でガス交換処理を行ってもよい。その後、期間Δt2で、要求されたターゲットHVレンジ内に入るようにガス全圧変更を行う調整発振処理を行ってもよい。なお、ガス交換後のガス圧は、その後ターゲットエネルギーを小さくするので、低めに設定される。
(実施の形態2)
実施の形態2による露光装置用レーザ装置は、実施の形態1と同様の構成を備えてもよい。この開示の実施の形態2では、調整発振シーケンスを行う場合、露光装置側へのレーザ光の漏れを防止するため、シャッタの開閉を行うとともに、調整発振シーケンス中である旨を露光装置側に通知するようにしている。
図19は、この開示の実施の形態2である露光装置用レーザ装置によるターゲットエネルギー変更時のガス全圧変更処理手順を示すフローチャートである。図19において、まず、レーザ出力レンジ切替要求があったか否かを判断し(ステップS601)、レーザ出力レンジ切替要求があった場合(ステップS601,Yes)のみ、調整発振シーケンスSQ6を行うようにしている。
この調整発振シーケンスSQ6では、まず、シャッタ50は閉じられ(ステップS602)、露光装置100側に例えば調整発振信号S2によって調整発振中である旨を通知してもよい(ステップS603)。その後、レーザ出力レンジ切替パラメータを計算してパラメータを設定するパラメータ設定ルーチンR1を行ってもよい(ステップS604)。その後、レーザの発振を開始し(ステップS605)、実施の形態1の調整発振シーケンスSQ1と同様なレーザ制御サブルーチンR2を行って電圧HV値がターゲットHVレンジに入るように制御されてもよい(ステップS606)。
その後、レーザ出力レンジ切替が許容できる状態にあるか否かを判定する切替設定サブルーチンR3を行ってもよい(ステップS607)。そして、この判定結果が「Yes」か「No」かを判断してもよい(ステップS608)。この判定結果が「No」の場合には、ステップS606に移行して上述したレーザ制御サブルーチンR2および切替判定サブルーチンR3を繰り返し行い、判定結果が「Yes」の場合には、レーザ発振を停止してもよい(ステップS609)。
その後、露光装置100側に例えば調整発振信号S2によって調整発振の終了を通知してもよい(ステップS610)。さらにシャッタ50は開かれ(ステップS611)、本処理を終了してもよい。
ここで、ステップS604のパラメータ設定サブルーチンR1は、図20に示すように、まず、出力レンジ切替前のガス圧:P1,出力レンジ切替前の電圧:HV1,出力レンジ切替前のパルスエネルギー:E1,切替後の要求パルスエネルギー:E2を読み込んでもよい(ステップS701)。その後、出力レンジ切替後のパラメータを計算するパラメータ計算サブルーチンR11を行ってもよい(ステップS702)。さらに、出力レンジ切替直後のレーザガスを制御するレーザガス制御サブルーチンR12を行ってもよい(ステップS703)。その後、出力レンジ切替後の電圧:HV2および出力レンジ切替後の要求パルスエネルギー:E2を設定し(ステップS704)、ステップS604にリターンしてよい。なお、電圧:HV2は、出力レンジ切替後の要求パルスエネルギー:E2及び切替後のガス圧:P2に基づいて設定されてもよい。
また、ステップS606のレーザ制御サブルーチンR2は、図21に示すように、電圧HV値を、パラメータ設定サブルーチンR1によって設定された電圧:HV2に設定し、目標パルスエネルギーEtを、パラメータ設定サブルーチンR1によって設定された要求パルスエネルギー:E2に設定してもよい(ステップS801)。その後、要求パルスエネルギーEtとなるように、レーザの電圧HV値を制御してもよい(ステップS802)。その後は、図5に示した調整発振シーケンスSQ1のステップS104〜S114と同じ処理を行い(ステップS803〜S813)、ステップS606にリターンしてもよい。
また、ステップS607の切替判定サブルーチンR3は、図22に示すように、まず、レーザ発振状態の計測パラメータを読み込んでもよい(ステップS901)。この計測パラメータは、たとえば、レーザエネルギー安定性:σE,発振されたパルスエネルギー:E,レーザガス圧:P,などである。その後、レーザ発振状態の計測パラメータが許容範囲に入っているか否かを判定してもよい(ステップS902)。この判定内容は、たとえば、許容範囲エネルギー安定性(σEt<σE?)、許容範囲パルスエネルギー(ΔE<|Et−E|?)、許容範囲レーザガス圧(Pmin<P<Pmax?)などである。そして、計測パラメータがすべて許容範囲に入っている場合には「Yes」と判定し(ステップS903)、1つでも許容範囲に入っていない場合には「No」と判定し(ステップS904)、ステップS607にリターンしてもよい。
ここで、ステップS702のパラメータ計算サブルーチンR11は、図23に示すように、切替後の要求パルスエネルギーE2を達成するための切替後のガス圧P2を計算し(ステップS1001)、ステップS702にリターンしてもよい。このガス圧P2の計算は、具体的には、予め計測しておいたレーザガス圧とパルスエネルギーEとの関数またはテーブルを呼び出して行ってもよい。
たとえば、図24は、レーザガス圧PのパルスエネルギーEの依存性を示す図であり、P=f(E)で表される関数を示している。この関数から、パルスエネルギーがE1,E2のとき、
Ppr=f(E1)
Ppo=f(E2)
と表され、これらから、差圧ΔPは、
ΔP=Ppo−Ppr
となり、ガス圧(全圧)P2は、
P2=P1+ΔP
として計算される。
また、ステップS703のレーザガス制御サブルーチンR12は、図25に示すように、レーザコントローラCがレーザガス制御装置4に、切替直後のレーザガス圧(全圧)P2となるように、レーザガス排気量Qoutまたはレーザガス注入量Qinを行うように信号を送信し(ステップS1101)、ステップS703にリターンしてもよい。
(実施の形態2の変形例)
上述の実施の形態2のサブルーチンR11は、サブルーチンR11aとしてもよい。ステップS702のパラメータ計算サブルーチンR11に対応するパラメータ計算サブルーチンR11aは、図26に示すように、切替後の要求パルスエネルギーE2を達成するための切替後のガス圧P2を計算してもよい(ステップS1201)。この際、切替前のレーザガス圧P1も考慮されてもよい。このガス圧P2の計算は、具体的には、予め計測しておいたレーザガス圧とパルスエネルギーEと切替前のレーザガス圧P1との関数またはテーブルを呼び出して行ってもよい。
たとえば、図27は、パラメータを切替までのレーザガス圧P1とし、レーザガス圧PのパルスエネルギーEの依存性を示す図であり、P=f(E,P1)で表される関数を示している。この関数から、パルスエネルギーがE1,E2のとき、
Ppr=f(E1,P1)
Ppo=f(E2,P1)
と表され、これらから、差圧ΔPは、
ΔP=Ppo−Ppr
となり、ガス圧(全圧)P2は、
P2=P1+ΔP
として計算される。
(実施の形態3)
図28は、実施の形態3による露光装置用レーザ装置の構成を模式的に示す。この実施の形態3では、実施の形態1のレーザガスボンベ60に替えて、図28に示すように、2つのレーザガスボンベ60a,60bが設けられる。レーザガスボンベ60aは、Fガスを含まないレーザガス(Ar+Ne)を保持する。レーザガスボンベ60bは、Fガスを含むレーザガス(Ar+Ne+F)を保持する。なお、Fガスを含まないレーザガス(Ar+Ne)と、Fガスを含むレーザガス(Ar+Ne+F)との各分圧(濃度)比(Ar:Ne)は、同じ値に設定されている。このため、Fガスを含まないレーザガス(Ar+Ne)と、Fガスを含むレーザガス(Ar+Ne+F)との注入量を加減することによって、所望のフッ素(F)ガス分圧をもったレーザガスを容易に得ることができる。
この実施の形態3では、実施の形態2と同様なターゲットエネルギー変更時の調整発振シーケンスを行うが、実施の形態2におけるパラメータ計算サブルーチンR11を図29に示すパラメータ計算サブルーチンR11bとしてもよい。また、実施の形態2におけるレーザガス制御サブルーチンR12を図31に示すレーザガス制御サブルーチンR12aとしてもよい。ステップS702のパラメータ計算サブルーチンR11に対応するパラメータ計算サブルーチンR11bは、図29に示すように、切替後の要求パルスエネルギーE2を達成するための切替後のガス圧P2を計算してもよい(ステップS1301)。このガス圧P2の計算は、具体的には、予め計測しておいたレーザガス圧とパルスエネルギーEとの関数またはテーブルを呼び出して行ってもよい。
たとえば、レーザガス圧PのパルスエネルギーEの依存性を示す関数(P=f(E))でに対して、パルスエネルギーがE1,E2のとき、
Ppr=f(E1)
Ppo=f(E2)
と表され、これらから、差圧ΔPは、
ΔP=Ppo−Ppr
となり、ガス圧(全圧)P2は、
P2=P1+ΔP
として計算される。
その後、計算された全圧P2に対応する最適F分圧(Pf2)の関数(図30参照)またはテーブルを呼び出してもよい(Pf2=g(P2))(ステップS1302)。さらに、切替後のレーザガス電圧P2とフッ素ガス分圧Pf2とになるようなレーザガス排気量Poutと、フッ素ガスを含まないレーザガス注入量Qinと、フッ素ガスを含むレーザガス注入量Qf2inとを計算し(ステップS1303)、S702にリターンしてもよい。
また、ステップS703のレーザガス制御サブルーチンR12に対応するレーザガス制御サブルーチンR12aは、図31に示すように、レーザコントローラCが、切替直後のレーザガス圧(全圧)P2とフッ素ガス分圧Pf2となるように、レーザガス制御装置4に、レーザガス排気量Qoutと、フッ素ガスを含まないレーザガス注入力注入量Qinと、フッ素ガスを含むレーザガス注入量Qf2inを行うように信号を送信し(ステップS1401)、ステップS703にリターンしてもよい。
(実施の形態3の変形例)
上述の実施の形態3のサブルーチンR11bは、サブルーチンR11cとしてもよい。ステップS702のパラメータ計算サブルーチンR11に対応するパラメータ計算サブルーチンR11cは、図32に示すように、切替後の要求パルスエネルギーE2を達成するための切替後のガス圧P2を計算する(ステップS1501)が、この際、切替前のレーザガス圧P1も考慮してもよい。このガス圧P2の計算は、具体的には、予め計測しておいたレーザガス圧とパルスエネルギーEと切替前のレーザガス圧P1との関数またはテーブルを呼び出して行ってもよい。
たとえば、図27は、パラメータを切替までのレーザガス圧P1とし、レーザガス圧PのパルスエネルギーEの依存性を示す図であり、P=f(E,P1)で表される関数を示している。この関数から、パルスエネルギーがE1,E2のとき、
Ppr=f(E1,P1)
Ppo=f(E2,P1)
と表され、これらから、差圧ΔPは、
ΔP=Ppo−Ppr
となり、ガス圧(全圧)P2は、
P2=P1+ΔP
として計算される。
その後、計算された全圧P2に対応する最適F分圧(Pf2)の関数(図30参照)またはテーブルを呼び出してもよい(Pf2=g(P2))(ステップS1502)。さらに、切替後のレーザガス電圧P2とフッ素ガス分圧Pf2とになるようなレーザガス排気量Qoutと、フッ素ガスを含まないレーザガス注入量Qinと、フッ素ガスを含むレーザガス注入量Qf2inとを計算し(ステップS1503)、ステップS702にリターンしてもよい。
(実施の形態4)
この実施の形態4による露光装置用レーザ装置は、図1に示した露光装置用レーザ装置の増幅段2のファブリペロ共振器をリング共振器に替えた増幅段70としている。図33は、この実施の形態4にかかる露光装置用レーザ装置の構成を模式的に示した側面図である。図34は、図33に示した増幅段70を模式的に示した平面図である。
図33および図34において、シードレーザ1からの出力光は、高反射のミラー31,32,83を介して、リング共振器の出力結合ミラー87に導入される。この出力結合ミラー87は、反射率が20〜30%の部分反射ミラーでもよい。リング共振器は、出力結合ミラー87と、高反射のミラー84,85,86とで構成されてもよい。シードレーザ1からの出力光は、出力結合ミラー87から注入され、高反射のミラー84で反射し、チャンバ71のウインドを介して、一対の放電電極73間の放電領域を通過する。シードレーザ光がリング共振器に入射すると、同期してこの一対の放電電極73の電極間に、高電圧が印加されて放電する。
この放電によって、レーザ媒質が励起され、シードレーザ光が増幅される。この増幅されたレーザ光は、ウインドを介して、高反射のミラー85,86によって反射され、ウインドを介して、再び放電領域を通過して増幅される。そして、出力結合ミラー87を通過した増幅されたレーザ光は外部に出力される。一方、出力結合ミラー87で反射された光は、リング共振器のフィードバック光としてリング共振器内に戻され、シード光を増幅発振させる。
(実施の形態5)
この実施の形態5による露光装置用レーザ装置は、図1に示したエネルギーセンサユニット40に、エネルギー検出のダイナミックレンジを切り替えるダイナミックレンジ切替機構を設けている。実施の形態5による露光装置用レーザ装置の他の構成は、図1に示す実施の形態1による露光装置用レーザ装置と同様であってよい。図35に示すように、レーザコントローラCは、露光装置100からの切替後の要求パルスエネルギーE2を読み込み(ステップS1601)、この切替後の要求パルスエネルギーE2から、エネルギー検出のダイナミックレンジの切替が必要であるか否かを判断してもよい(ステップS1602)。そして、エネルギー検出のダイナミックレンジの切替が必要であると判断された場合(ステップS1602,Yes)には、このダイナミックレンジ切替機構を駆動するための信号をダイナミックレンジ切替機構に送信し(ステップS1603)、その後、ステップS1601にリターンしてもよい。また、エネルギー検出のダイナミックレンジの切替が必要でないと判断された場合(ステップS1602,No)、そのままステップS1601にリターンしてもよい。
図36は、ダイナミックレンジ切替機構を備えたエネルギーセンサユニットの一例を示す模式図である。図36に示すように、ダイナミックレンジ切替機構140は、3つの異なる増幅率をもつアンプ141a〜141cと、各アンプ141a〜141cから出力された信号を選択出力するマルチプレクサ142とを備えてもよい。アンプ141a〜141cの増幅率は、それぞれ1倍、2倍、4倍としてもよい。フォトダイオードなどの光センサ43から出力された検出信号は、分岐された各アンプ141a〜141cに入力され、それぞれの増幅率で増幅され、マルチプレクサ142によって選択出力されてADコンバータ44に出力されてもよい。ADコンバータ44は、入力された検出信号をデジタル信号としてレーザコントローラCに出力してもよい。そして、上述したように、レーザコントローラCは、切替後の要求パルスエネルギーE2に対応したエネルギー検出のダイナミックレンジを得るため、マルチプレクサ142に切替信号を送出してもよい。
(実施の形態5の変形例)
図37は、ダイナミックレンジ切替機構を備えたエネルギーセンサユニットの他の例を示す模式図である。図37に示すように、ダイナミックレンジ切替機構240は、ビームスプリッタ41と集光レンズ42との間に設けられ、ステージ241の長手方向に配列された透過率の異なる複数のフィルタF1,F2を備えてもよい。なお、F0は、フィルタのない領域である。
このエネルギーセンサユニット40は、ステージ241をスライドさせることによって、透過率の異なるフィルタF1,F2およびフィルタなし(F0)をセンサ光軸上に配置変更してもよい。このステージ241の移動は、レーザコントローラCによって駆動制御されてもよい。
この開示の実施の形態および変形例によれば、装置構成に大きな影響を与えず、無駄な電力消費を抑え、さらには増幅段の寿命を短くすることなく、露光装置側へのレーザ出力のダイナミックレンジを大きくすることができる。
なお、上述した各実施の形態および変形例は、適宜組合せが可能である。

Claims (4)

  1. シードレーザと、前記シードレーザの出力光を入力して増幅出力する少なくとも1つのガス放電励起式の増幅段と、を有したMOPA方式およびMOPO方式のいずれか一方の放電励起式ガスレーザ装置と、
    露光装置からの要求によって前記放電励起式ガスレーザ装置からのレーザ出力光のエネルギーを不連続的に変化させる場合に、少なくとも前記増幅段のレーザガスの全圧力を前記要求されたエネルギーに応じて変化させるレーザガス制御装置および少なくとも前記増幅段の放電電極の励起強度を前記要求されたエネルギーに応じて変化させるレーザ電源制御装置の少なくともいずれか一方の制御装置と、
    を備える露光装置用レーザ装置。
  2. 露光装置からの要求によって前記放電励起式ガスレーザ装置からのレーザ出力光のエネルギーを不連続的に変化させる場合に、前記露光装置が要求するレーザ出力光のエネルギーのばらつきを含む要求仕様を満足するまで前記レーザガス制御装置または前記レーザ電源制御装置の内の何れか一方または両方の制御装置を制御して前記放電励起式ガスレーザ装置の調整発振を行うレーザコントローラをさらに備える請求項1に記載の露光装置用レーザ装置。
  3. 前記レーザコントローラは、露光装置からの要求によって前記放電励起式ガスレーザ装置からのレーザ出力光のエネルギーを不連続的に変化させる場合に、前記レーザガス制御装置を制御して少なくとも前記放電励起式ガスレーザ装置のレーザガス交換を行い、前記露光装置が要求するレーザ出力光のエネルギーのばらつきを含む要求仕様を満足するまで前記レーザガス制御装置または前記レーザ電源制御装置の内の何れか一方または両方の制御装置を制御して前記放電励起式ガスレーザ装置の調整発振を行う請求項1に記載の露光装置用レーザ装置。
  4. 前記放電励起式ガスレーザ装置から出力されたレーザ出力光のエネルギーを検出するエネルギーセンサユニットをさらに備え、
    前記エネルギーセンサユニットは、前記放電励起式ガスレーザ装置から出力されたレーザ出力光のエネルギー検出のダイナミックレンジを切り替えるダイナミックレンジ切替機構を備える請求項1に記載の露光装置用レーザ装置。
JP2012500669A 2010-02-22 2011-02-18 露光装置用レーザ装置およびその制御方法 Active JP5925674B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010036662 2010-02-22
JP2010036662 2010-02-22
PCT/JP2011/053566 WO2011102486A1 (ja) 2010-02-22 2011-02-18 露光装置用レーザ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011102486A1 true JPWO2011102486A1 (ja) 2013-06-17
JP5925674B2 JP5925674B2 (ja) 2016-05-25

Family

ID=44483071

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012500669A Active JP5925674B2 (ja) 2010-02-22 2011-02-18 露光装置用レーザ装置およびその制御方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US9257809B2 (ja)
JP (1) JP5925674B2 (ja)
WO (1) WO2011102486A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5850969B2 (ja) * 2014-04-03 2016-02-03 ファナック株式会社 レーザガスの組成比を推定可能な炭酸ガスレーザ発振器
WO2017009945A1 (ja) * 2015-07-14 2017-01-19 ギガフォトン株式会社 エキシマレーザ装置
US9634455B1 (en) * 2016-02-16 2017-04-25 Cymer, Llc Gas optimization in a gas discharge light source
US11588293B2 (en) * 2017-11-21 2023-02-21 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. Methods and systems for aligning master oscillator power amplifier systems

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3740318A1 (de) * 1986-11-29 1988-07-28 Olympus Optical Co Abbildungseinrichtung und ein diese einrichtung verwendendes endoskop
JP2804027B2 (ja) 1987-07-13 1998-09-24 ファナック 株式会社 レーザ出力補正方式
US4804978A (en) 1988-02-19 1989-02-14 The Perkin-Elmer Corporation Exposure control system for full field photolithography using pulsed sources
JP2941341B2 (ja) 1990-03-27 1999-08-25 株式会社東芝 ガスレーザ装置
JPH0716072B2 (ja) 1990-11-29 1995-02-22 株式会社日立製作所 エキシマレーザ出力安定化装置
JP3125307B2 (ja) 1991-01-28 2001-01-15 株式会社ニコン 露光装置及び露光方法
JP2668489B2 (ja) * 1992-11-20 1997-10-27 株式会社小松製作所 エキシマレーザ装置におけるレーザガス補給装置
US5450436A (en) 1992-11-20 1995-09-12 Kabushiki Kaisha Komatsu Seisakusho Laser gas replenishing apparatus and method in excimer laser system
JPH0730184A (ja) 1993-07-09 1995-01-31 Toshiba Corp ガスレーザ発振装置
JP2816813B2 (ja) * 1994-04-12 1998-10-27 株式会社小松製作所 エキシマレーザ装置
JPH08274399A (ja) 1995-04-03 1996-10-18 Komatsu Ltd パルスレーザ装置のパルスエネルギ制御装置と方法
JPH08335741A (ja) 1995-06-07 1996-12-17 Toshiba Corp レーザ出力制御方法
JP3739877B2 (ja) * 1996-12-20 2006-01-25 株式会社小松製作所 エキシマレーザ装置
US6490307B1 (en) 1999-03-17 2002-12-03 Lambda Physik Ag Method and procedure to automatically stabilize excimer laser output parameters
JP2001326159A (ja) 2000-05-16 2001-11-22 Nikon Corp レーザ装置、露光装置、および該露光装置を用いるデバイス製造方法
JP2002223020A (ja) * 2001-01-26 2002-08-09 Gigaphoton Inc フッ素分子レーザ装置、及びフッ素露光装置
US7230964B2 (en) * 2001-04-09 2007-06-12 Cymer, Inc. Lithography laser with beam delivery and beam pointing control
KR20030036254A (ko) 2001-06-13 2003-05-09 가부시키가이샤 니콘 주사노광방법 및 주사형 노광장치 그리고 디바이스 제조방법
JP2003008119A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Komatsu Ltd 注入同期式又はmopa方式のレーザ装置
US7830934B2 (en) * 2001-08-29 2010-11-09 Cymer, Inc. Multi-chamber gas discharge laser bandwidth control through discharge timing
JP4223887B2 (ja) * 2003-08-11 2009-02-12 株式会社小松製作所 2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置及び2ステージレーザシステム
US7277464B2 (en) * 2003-12-18 2007-10-02 Cymer, Inc. Method and apparatus for controlling the output of a gas discharge laser system
US7418022B2 (en) * 2004-07-09 2008-08-26 Coherent, Inc. Bandwidth-limited and long pulse master oscillator power oscillator laser systems
JP2007059788A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Komatsu Ltd レーザシステム及びレーザ露光システム
JP5371208B2 (ja) * 2007-06-13 2013-12-18 ギガフォトン株式会社 2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置
US8165838B2 (en) * 2008-06-02 2012-04-24 Lumenis Ltd. Laser system calibration

Also Published As

Publication number Publication date
US20120236885A1 (en) 2012-09-20
WO2011102486A1 (ja) 2011-08-25
JP5925674B2 (ja) 2016-05-25
US9257809B2 (en) 2016-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6022837B2 (ja) エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステム
CN109891688B (zh) 激光装置以及激光加工系统
US7499482B2 (en) Injection locking type or MOPA type of laser device
JP6310390B2 (ja) レーザ装置の制御方法及びレーザ装置
JP5925674B2 (ja) 露光装置用レーザ装置およびその制御方法
JP5844536B2 (ja) レーザシステムおよびレーザ生成方法
JP6534351B2 (ja) エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステム
JP2012199425A (ja) マスタオシレータ、レーザシステム、およびレーザ生成方法
JP2009099727A (ja) 注入同期式放電励起レーザ装置及び注入同期式放電励起レーザ装置における同期制御方法
JP6204363B2 (ja) レーザ装置及びレーザ装置の制御方法
JP2006203008A (ja) 2ステージレーザシステム
JP4367836B2 (ja) Mopo方式2ステージレーザ装置
JP4156920B2 (ja) レーザ装置及びそれを用いた露光装置
JP5371208B2 (ja) 2ステージレーザのパルスエネルギー制御装置
JP4312035B2 (ja) 電源装置および高電圧パルス発生装置並びに放電励起式ガスレーザ装置
WO2018047280A1 (ja) レーザ装置
JP6306658B2 (ja) エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステム
US20230396033A1 (en) Gas laser apparatus and electronic device manufacturing method
JP2006120788A (ja) 注入同期型レーザ装置及び注入同期型レーザ装置のスペクトル線幅調整方法
JP2004342964A (ja) 高精度同期制御機能を備えた2ステージレーザ装置
US20230318252A1 (en) Control method of laser system, laser system, and electronic device manufacturing method
JP4033333B2 (ja) ガスレーザ装置及びガスレーザ装置のフッ素濃度制御方法
JPH06140706A (ja) 固体レーザ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140110

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150220

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150928

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5925674

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250