JPH0730184A - ガスレーザ発振装置 - Google Patents

ガスレーザ発振装置

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Publication number
JPH0730184A
JPH0730184A JP16945993A JP16945993A JPH0730184A JP H0730184 A JPH0730184 A JP H0730184A JP 16945993 A JP16945993 A JP 16945993A JP 16945993 A JP16945993 A JP 16945993A JP H0730184 A JPH0730184 A JP H0730184A
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JP
Japan
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laser light
laser
light output
gas
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JP16945993A
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English (en)
Inventor
Yoshiya Watanabe
良哉 渡邊
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の出力特性が設定可能なレーザ光出力部
に対応して、使用者が指定したレーザ光出力レベルに迅
速に達して安定した出力を得ることができるようにす
る。 【構成】 レーザ光出力部21は、レーザガス圧力、レ
ーザビームのモードをそれぞれ2段階に設定可能となっ
ている。制御装置25において、基準信号出力部36
は、メモリ39に記憶された設定可能な出力特性の全て
に対応してあらかじめ測定記憶された較正データに基づ
いて、使用者が指定したレーザ光出力レベルに対応して
高圧電源24に出力基準を設定し、補正信号出力部37
は光センサ34の検出信号に基づいて光フィードバック
によりレーザ光出力レベルを制御する。設定された出力
特性に対応した較正データにより常に適切な出力基準を
設定でき、迅速にレーザ光出力レベルに制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の出力特性が設定
可能なガスレーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のガスレーザ発振装置としては、
例えば、図8に示すようなものがある。すなわち、図8
において、レーザ光出力部1を構成している封入管2に
はレーザ媒質として二酸化炭素を主成分としたレーザガ
スが封入されており、その上下に電極3,3が配設され
ており、高圧電源4から給電されるようになっている。
高圧電源4は、制御装置5により所定の出力基準が設定
されると、その出力基準に応じた高圧出力を電極3,3
に与える。封入管2外部の左右には、反射鏡6および出
力鏡7が封入管2を挟んで対向するように配置され、共
振器8を構成している。
【0003】封入管2の電極3,3に高圧電源4から所
定の電力が供給されると、内部のレーザガスが励起され
て発光し、その光が共振器8により共振されることによ
り、出力鏡7側からレーザ光として出力されるようにな
る。
【0004】封入管2内部のレーザガスは、レーザガス
循環装置9により循環されるようになっている。レーザ
ガスの循環経路の途中にはレーザガス供給弁10が設け
られており、封入管2内部に一定速度でレーザガスが供
給されるようになっている。また、レーザガスの循環経
路の途中には、レーザガス制御排気弁11が設けられて
おり、封入管2内部のレーザガスが排気されるようにな
っている。この場合、レーザガスの循環経路の途中には
圧力センサ12が設けられており、制御装置5は、圧力
センサ12からの検出信号に基づいて封入管2内部のレ
ーザガスの圧力が一定範囲内に入るようにレーザガス制
御排気弁11の開閉を制御するようになっている。
【0005】反射鏡6は共振しているレーザ光を数パー
セント程度透過させるようになっており、その透過した
レーザ光は反射鏡6の背後に配置された積分球13に入
射されるようになっている。積分球13は入射されたレ
ーザ光をさらに数パーセントに低減して光センサ14に
入力するようになっている。光センサ14による検出信
号は制御装置5に入力されるようになっている。
【0006】さて、前述した封入管2においては、例え
ば、必要に応じて内部のレーザガス圧力を定格制御圧力
とその120%程度の圧力との2通りに設定可能となっ
ており、前者を運転ガス制御圧力A、後者を運転ガス制
御圧力Bとしている。この場合、運転ガス制御圧力Aが
設定された場合に対して、運転ガス制御圧力Bが設定さ
れた状態では、同一の高圧電源4の出力では10%程度
高いレーザ光出力が得られるようになっている。
【0007】一方、運転ガス制御圧力Aを設定した場合
では、高圧電源4の出力をデューティ50%のパルスと
してピーク値を定格出力の倍程度の値として設定する所
謂エンハンスト運転が可能であるが、運転ガス制御圧力
Bを設定した場合では、レーザガスの圧力が高い分だけ
封入管2内における放電抵抗が高くなるためエンハンス
ト運転を行うことはできないようになっている。
【0008】また、封入管2と出力鏡7との間には、共
振器8内に挿入可能な円環状をなすモードセレクタ15
が配設されている。このモードセレクタ15は、レーザ
加工を行うにあたって、そのレーザ光の出力モードを設
定することにより、レーザ加工の種類に適したレーザ光
を出力するために設けられたものである。
【0009】例えば、モードセレクタ15を使用しない
場合には、レーザ光は高次モードとなり、溶接加工や焼
き入れ加工等に適した状態となり、モードセレクタ15
を使用した場合には、レーザ光は低次モードとなって切
断加工等に適した状態となるように構成されている。ま
た、モードセレクタ15が不使用状態の場合に対して、
使用状態の場合では、同一の高圧電源4の出力では70
〜80%程度のレーザ光出力に低下する。これは、モー
ドセレクタ15の使用により、レーザ光の光路が制限さ
れるため、レーザ共振現象の起きる範囲が制限されるた
めである。
【0010】前述した制御装置5は、基準信号出力部5
a,補正信号出力部5bおよび出力基準設定部5cから
構成されており、それぞれ次の機能を有している。基準
信号出力部5aは、使用者が指定したレーザ光の出力レ
ベルに対して、あらかじめ記憶された出力特性データに
基づいて高圧電源4に与えるための出力基準信号を設定
する。補正信号出力部5bは、光センサ14からの検出
信号と使用者が指定したレーザ光の出力レベルの設定信
号との差に基づいて補正信号を演算して出力する。ま
た、出力基準設定部5cは、基準信号出力部5aからの
出力基準信号と補正信号出力部5bからの補正信号とを
合成することにより出力基準を演算して高圧電源4に出
力する。
【0011】上述の場合、出力特性データは、所定の出
力特性に設定された状態で、高圧電源4の出力基準に対
して、レーザ光出力として共振器8から得られるレベル
を光センサ14により測定したもので、具体的には、標
準的な出力特性の運転モードに設定した状態で、高圧電
源4の出力基準を例えば5段階に設定して順次レーザ光
を出力させ、このときのレーザ光出力を光センサ14に
より測定する。そして、5段階の測定結果データを折れ
線近似することにより、出力基準に対するレーザ光出力
の対応関係を得て、出力特性データとして記憶したもの
である。
【0012】そして、制御装置5は、上記のような構成
とすることにより、光センサ14からの検出信号に基づ
いて光フィードバック制御を行うようになっている。す
なわち、使用者が指定したレーザ光の出力レベルの設定
信号が基準信号出力部5aに入力されると、基準信号出
力部5aにおいては、記憶している出力特性データに基
づいてそのレーザ光の出力レベルに対応する出力基準信
号を出力するようになる。
【0013】これに対して、補正信号出力部5bにおい
ては、光センサ14により検出されている現在のレーザ
光出力レベルと使用者により設定されたレーザ光の出力
レベルの設定信号とから補正信号を出力するようにな
る。この場合、補正信号の算出は、例えば、使用者によ
るレーザ光出力レベルの設定信号と光センサ14からの
検出信号との差の比例値,微分値あるいは積分値を用い
る所謂PID補償による制御方法により求められるよう
になっている。そして、出力基準設定部5cは、基準信
号出力部5aと補正信号出力部5bとの両者からの信号
に基づいて高圧電源4に出力基準を与えるのである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成のものにおいては、あらかじめ記憶している出力特性
データとして、ある基準となる運転モードにおける出力
特性を測定した結果に基いたデータを用いているから、
例えば、記憶している出力特性データに対応する運転モ
ードの設定状態と異なる運転モードの設定状態に切り換
えたときには、立ち上がり時に設定される基準信号出力
部5aによる基準信号の値が実際の出力特性とずれたも
のとなる。
【0015】このとき、補正信号出力部5bにおいて
は、設定されたレーザ光の出力レベルに対する実際のレ
ーザ光出力レベルとの差に基づいて補正信号を生成して
いるので、例えば、実際のレーザ光出力レベルが設定値
よりも高い状態あるいは低い状態であった場合には設定
値に近付くように補正信号が出力され、最終的にはレー
ザ光出力レベルは設定値付近に落ち着くようになる。
【0016】しかしながら、上述のような従来構成のも
のでは、設定された運転モードにおける出力特性が、制
御装置5に記憶されている出力特性データと異なる場合
に、上述のように、立ち上げ時に高圧電源4に対する適
切な出力基準が与えられないために、例えば、図9ある
いは図10に示すように、出力レベルが設定レベルに達
して安定するまでにオーバーシュートしたりアンダーシ
ュートしてしまうため、レーザ加工を行う場合にその稼
働率が低下するという不具合がある。
【0017】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、運転中に出力特性の設定を切換手段に
より切り換えた場合でも、その出力特性に対応した出力
基準でレーザ光出力手段を駆動することができるガスレ
ーザ発振装置を提供するにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のガスレーザ発振
装置は、複数の出力特性を設定可能なレーザ光出力部
と、このレーザ光出力部の出力特性を切り換え設定する
ための設定手段と、出力基準が与えられるとこれに応じ
た高電圧を前記レーザ光出力部に印加してレーザ光を出
力させる高圧電源と、前記レーザ光出力部から出力され
るレーザ光出力を検出する検出手段と、前記高圧電源に
与える出力基準に対して、前記検出手段により検出され
るレーザ光出力を前記複数の出力特性のそれぞれの設定
状態に対応してあらかじめ測定された出力特性データを
記憶している記憶手段と、前記レーザ光出力部に設定さ
れている出力特性に対応した前記出力特性データを前記
記憶手段から読み出し、使用者により指定されたレーザ
光の出力レベルに対応した出力基準信号を上記読出し出
力特性データに基づいて設定する基準信号出力手段と、
前記使用者により指定されたレーザ光の出力レベルと前
記検出手段からの検出信号との差の値に基づいて補正信
号を生成する補正信号生成手段と、前記基準信号出力手
段からの出力基準信号と前記補正信号生成手段からの補
正信号とに基づいて前記高圧電源に出力基準を与える出
力基準設定手段とを具備して構成したところに特徴を有
する。
【0019】また、レーザ光出力部を、レーザガスの制
御圧力を複数段階に切り換えることにより複数の出力特
性が設定可能に構成することができる。さらに、レーザ
光出力部を、レーザビームの強度分布を複数段階に切り
換えることにより複数の出力特性が設定可能に構成する
こともできる。
【0020】
【作用】請求項1記載のガスレーザ発振装置によれば、
設定手段によりレーザ光出力部の出力特性が設定される
と、基準信号出力手段は、記憶手段からその設定状態に
対応する出力特性データを読み出し、使用者により指定
されたレーザ光の出力レベルに対応した出力基準信号を
上記読出し出力特性データに基づいて設定するようにな
る。一方、補正信号生成手段は、使用者により指定され
たレーザ光の出力レベルと検出手段からの検出信号との
差の値に基づいて補正信号を生成し、出力基準設定手段
は、出力基準信号と補正信号とに基づいて高圧電源に出
力基準を与えるようになるので、高圧電源は、そのとき
に設定されている出力特性に対応した出力基準が与えら
れる。これにより、立ち上げ時や出力特性の切り換え時
でも、レーザ光出力部からのレーザ光の出力レベルを、
使用者により指定された出力レベルに迅速に到達させる
ことができるようになる。
【0021】請求項2記載のガスレーザ発振装置によれ
ば、レーザ光出力部の出力特性としてレーザガスの制御
圧力を切り換え設定すると、これに応じて、出力基準設
定手段により、そのときの制御圧力に対応する出力特性
データに基づいて高圧電源の出力基準が設定されるの
で、上述同様にして、立ち上げ時や出力特性の切り換え
時でも、レーザ光出力部からのレーザ光の出力レベル
を、使用者により指定された出力レベルに迅速に到達さ
せることができるようになる。
【0022】請求項3記載のガスレーザ発振装置によれ
ば、レーザ光出力部の出力特性としてレーザビームの強
度分布を切り換え設定すると、これに応じて、出力基準
設定手段により、そのときの強度分布に対応する出力特
性データに基づいて高圧電源の出力基準が設定されるの
で、前述同様にして、立ち上げ時や出力特性の切り換え
時でも、レーザ光出力部からのレーザ光の出力レベル
を、使用者により指定された出力レベルに迅速に到達さ
せることができるようになる。
【0023】
【実施例】以下、本発明をレーザ溶接機に適用した場合
の一実施例について図1ないし図7を参照しながら説明
する。すなわち、全体構成の概略的に示す図1におい
て、レーザ光出力部21を構成している封入管22には
レーザ媒質として二酸化炭素を主成分としたレーザガス
が封入されており、その上下には電極23,23が配設
されており、高圧電源24から給電されるようになって
いる。高圧電源24は、制御装置25により所定の出力
基準が設定され、その出力基準に応じた高圧出力を電極
23,23に与える。封入管22外部の左右には反射鏡
26および出力鏡27が封入管22を挟んで対向するよ
うに配置され、これらにより共振器28が構成されてい
る。
【0024】封入管22の電極23,23に高圧電源2
4から所定の電力が供給されると、内部のレーザガスが
励起されて発光し、共振器28により共振されて出力鏡
27側からレーザ光として出力されるようになる。
【0025】封入管22内部のレーザガスは、レーザガ
ス循環装置29により循環されるようになっている。レ
ーザガスの循環経路の途中にはレーザガス供給弁30が
設けられており、封入管22内部に一定速度でレーザガ
スが供給されるようになっている。また、レーザガスの
循環経路の途中には、レーザガス制御排気弁31が設け
られており、封入管22内部のレーザガスが排気される
ようになっている。この場合、レーザガスの循環経路の
途中には圧力センサ32が設けられており、制御装置2
5は、圧力センサ32からの検出信号に基づいて封入管
22内部のレーザガスの圧力が所定の設定圧力範囲内に
入るように設定手段としてのレーザガス制御排気弁31
の開閉を駆動制御するようになっている。
【0026】反射鏡26は共振しているレーザ光を数パ
ーセント程度透過させるようになっており、その透過し
たレーザ光は反射鏡26の背後に配置された積分球33
に入射されるようになっている。積分球33は入射され
たレーザ光をさらに数パーセントに低減して検出手段と
しての光センサ34に入力するようになっている。光セ
ンサ34による検出信号は制御装置25に入力されるよ
うになっている。
【0027】さて、前述した封入管22においては、例
えば、必要に応じて内部のレーザガス圧力を定格制御圧
力とその120%程度の圧力との2通りに設定可能とな
っており、前者を運転ガス制御圧力A、後者を運転ガス
制御圧力Bとしている。この場合、運転ガス制御圧力A
が設定された場合に対して、運転ガス制御圧力Bが設定
された状態では、同一の高圧電源24の出力では10%
程度高いレーザ光出力が得られるようになっている。
【0028】この場合、運転ガス制御圧力A,Bの条件
により、そのときの高圧電源24に対する出力基準とレ
ーザ光出力レベルとの関係は図2に示すようになり、高
圧電源24の出力が高くなるに従って、レーザ光の出力
レベルに差が生じてくるという特性を有している。
【0029】そして、運転ガス制御圧力Aを設定した場
合では、高圧電源24の出力をデューティ50%のパル
スとしてピーク値を定格出力の倍程度の値として設定す
る所謂エンハンスト運転が可能であるが、運転ガス制御
圧力Bを設定した場合では、レーザガスの圧力が高い分
だけ封入管22内における放電抵抗が高くなるためエン
ハンスト運転を行うことはできないようになっている。
【0030】また、封入管22と出力鏡27との間に
は、共振器28内に挿入可能な円環状をなすモードセレ
クタ35が配設されている。このモードセレクタ35
は、レーザ加工を行うにあたって、そのレーザ光の出力
モードを設定することにより、レーザ加工の種類に適し
たレーザ光を出力するために設けられた設定手段として
機能するものである。このモードセレクタ35は制御装
置25によりモードセレクタ切換装置35aを介して切
り換え可能となっている。また、モードセレクタ35の
設定状態は、制御装置35により検出されるようになっ
ている。
【0031】このモードセレクタ35は、共振器28内
に挿入して使用しない場合には、レーザ光出力は図4に
示すような高次モードの強度分布を有するビームとな
り、これは例えば溶接加工や焼き入れ加工等に適してい
る。一方、モードセレクタ35を強震委28内に挿入し
て使用した場合には、レーザ光出力は図5に示すような
低次モードの強度分布を有するビームとなり、これは例
えば切断加工等に適している。
【0032】また、モードセレクタ35が不使用状態の
場合に対して、使用状態の場合では、同一の高圧電源2
4の出力では70〜80%程度のレーザ光出力に低下す
る。これは、モードセレクタ35の使用により、レーザ
光の光路が制限されるため、レーザ共振現象の起きる範
囲が制限されるためである。この場合、その出力特性の
違いは、例えば、図3に示すように、モードセレクタ3
5の使用、不使用に応じて、高圧電源24の出力基準に
対してレーザ光出力レベルが使用時の方が低い値となっ
ている。
【0033】さて、制御装置25においては、基準信号
設定手段としての基準信号出力部36,補正信号生成手
段としての補正信号出力部37および出力基準設定手段
としての出力基準設定部38が設けられると共に、記憶
手段としてのメモリ39および40が設けられており、
それぞれ次の機能を有している。
【0034】メモリ39には、レーザ光出力部21にて
設定可能な出力特性のすべて(例えばn通りあるとす
る)に対応する較正データDaないしDnがそれぞれの
データ領域39aないし39nに記憶されている。これ
らの較正データDaないしDnは、製品として出荷され
る前に、複数の設定可能な出力特性のそれぞれに対応し
てあらかじめ測定されたデータを記憶したもので、高圧
電源24への出力基準の値とそのときのレーザ光出力部
21のレーザ光出力レベルを光センサにより測定したデ
ータとを対応させたデータである。
【0035】この場合、例えば、較正データDaないし
Dnは次のようにして測定され、その測定データを較正
データとして記憶するようになっている。いま、ある出
力特性に設定されたときに、高圧電源24に対する出力
基準と光センサ34により検出されるレーザ光出力部2
1の実際のレーザ光出力のレベルとの関係が、図6に示
すような出力特性として得られているときに、例えば、
高圧電源24に対する出力基準をaないしeの5段階に
設定して出力し、それらに対応して光センサ34により
得られたレーザ光出力のレベルAないしEの関係を図示
すると、図7のようになる。
【0036】そして、実際の出力特性(図6参照)に対
して、測定したデータをプロットして図7のように折れ
線近似をすると、実際の出力特性に近い特性として得る
ことができるようになる。このようにして得られる較正
データを、すべての出力特性について測定した結果をメ
モリ39の各データ領域39aないし39nに記憶して
いるのである。
【0037】また、メモリ40には、各出力特性に対応
してあらかじめ所定の関係で設定された補正データCa
ないしCnを、それぞれデータ領域40aないし40n
に記憶したものであり、各出力特性における補正信号を
生成する際に読み出して利用されるようになっている。
【0038】基準信号出力部36は、メモリ39のデー
タ領域39aないし39nの中からレーザ光出力部21
に設定されている出力特性に対応するものを選択してそ
の較正データを読出すもので、使用者が指定したレーザ
光出力レベルに応じた設定信号が与えられると、そのレ
ーザ光出力レベルに相当する高圧電源24への出力基準
を読出して出力基準設定部38に与えるようになってい
る。
【0039】また、補正信号出力部37は、前述の光セ
ンサ34からレーザ光出力部21のレーザ光の検出信号
が与えられると共に、使用者が指定したレーザ光出力レ
ベルに応じた設定信号が与えられるようになっており、
これらの値から補正信号を生成する。このとき、補正信
号出力部37は、例えば光センサ34からの検出信号と
設定信号との差の比例値,微分値あるいは積分値を用い
る所謂PID補償による方法で補正信号を生成し、その
基準となるデータとしてメモリ40に記憶されている補
正データCaないしCnのなかから設定されている出力
特性に対応した補正データをデータ領域40aないし4
0nのなかから選択して読み出すようになっている。
【0040】また、出力基準設定部38は、基準信号出
力部36からの基準信号および補正信号出力部37から
の補正信号を合成して出力基準として高圧電源24に与
え、これにより光フィードバック制御を行うようになっ
ている。
【0041】次に、本実施例の作用について説明する。
すなわち、制御装置25は、レーザ光出力部21の運転
モードつまり出力特性の設定状態に基づいて、基準信号
出力部36に対してメモリ39のデータ領域39aない
し39nから対応するものの較正データが読み出し可能
となるように選択設定し、補正信号出力部37に対して
メモリ40のデータ領域40aないし40nから対応す
るものの補正データが読み出し可能となるように選択設
定する。
【0042】つまり、運転モードとして設定される封入
管22のレーザガスの圧力設定状態である運転ガス制御
圧力AあるいはBや、モードセレクタ35の使用あるい
は不使用状態の組み合わせにより、この場合には4通り
の出力特性が設定可能となっており、そのそれぞれに対
応して制御装置25により上述のように較正データおよ
び補正データが読み出されるようになっているのであ
る。
【0043】したがって、起動時においては、使用者に
より指定されたレーザ光出力のレベルに対応して、制御
装置25により高圧電源24に対する出力基準をそのと
きの出力特性に応じた較正データに基づいて設定するの
で、光フィードバック制御を行う場合に、指定されたレ
ーザ光出力レベルに達して安定するまでの間にオーバー
シュートやアンダーシュートを起こすことなく迅速に立
ち上げることができるようになる。
【0044】また、レーザ光の出力中に運転モードを切
り換える場合には、切り換えたときの出力特性に応じた
出力基準を高圧電源24に与えることができるようにな
るので、迅速に指定されたレーザ光出力レベルとなるよ
うに制御することができるようになる。
【0045】このような本実施例によれば、メモリ39
にあらかじめ全ての出力特性に対応した較正データDa
ないしDnをそれぞれデータ領域39aないし39nに
記憶しておき、運転時に制御装置25より、設定された
出力特性に対応する較正データを読出して高圧電源24
に出力基準を与えるようにしたので、オーバーシュート
やアンダーシュートを起こすことなく、使用者が指定し
たレーザ光出力レベルに迅速に到達させることができ、
短時間で安定した出力を得ることができるようになる。
【0046】なお、上記実施例においては、運転モード
としてレーザガスの圧力を2段階に切り換え設定する構
成のものに適用した場合について説明したが、これに限
らず、3段階以上に切り換え設定可能な構成のものに適
用することもできる。
【0047】また、上記実施例においては、運転モード
としてモードセレクタ35によりレーザ光の強度分布を
2種類設定可能な構成の場合について説明したが、これ
に限らず、3種類以上のレーザ光の強度分布を設定可能
な構成のものに適用することもできる。
【0048】さらに、上記実施例においては、運転モー
ドとして、レーザガス圧力およびレーザ光の強度分布の
両者を設定可能な構成のものに適用した場合について説
明したが、これに限らず、いずれか一方のみの切り換え
設定が可能な構成のものに適用することもできるし、あ
るいはさらに他の運転モードを組み合わせた構成のもの
に適用することもできるものである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のガスレー
ザ発振装置によれば、次のような効果を得ることができ
る。すなわち、請求項1記載のガスレーザ発振装置によ
れば、高圧電源に与える出力基準に対して検出手段によ
り検出されるレーザ光出力を、複数の出力特性のそれぞ
れの設定状態に対応してあらかじめ測定して出力特性デ
ータとして記憶手段に記憶し、基準信号出力手段によ
り、レーザ光出力部に設定されている出力特性に対応し
た出力特性データを記憶手段から読み出し、使用者によ
り指定されたレーザ光の出力レベルに対応した出力基準
信号を読出し出力特性データに基づいて設定し、補正信
号生成手段により、使用者により指定されたレーザ光の
出力レベルと検出手段からの検出信号との差の値に基づ
いて補正信号を生成し、これらの出力信号に基づいて出
力基準設定手段により、高圧電源に出力基準を与えるよ
うにしたので、高圧電源は、そのときに設定されている
出力特性に対応した出力基準が与えられ、したがって、
立ち上げ時や出力特性の切り換え時でも、レーザ光出力
部からのレーザ光の出力レベルを、使用者により指定さ
れた出力レベルに迅速に到達させることができるという
優れた効果を奏する。
【0050】請求項2記載のガスレーザ発振装置によれ
ば、レーザ光出力部の出力特性としてレーザガスの制御
圧力を切り換え設定可能としたので、設定されたレーザ
ガスの制御圧力に応じて、出力基準設定手段により、そ
のときの制御圧力に対応する出力特性データに基づいて
高圧電源の出力基準が設定されるので、上述同様にし
て、立ち上げ時や出力特性の切り換え時でも、レーザ光
出力部からのレーザ光の出力レベルを、使用者により指
定された出力レベルに迅速に到達させることができるよ
うになるという優れた効果を奏する。
【0051】請求項3記載のガスレーザ発振装置によれ
ば、レーザ光出力部の出力特性としてレーザビームの強
度分布を切り換え設定可能としたので、設定されたレー
ザビームの強度分布に応じて、出力基準設定手段によ
り、そのときの強度分布に対応する出力特性データに基
づいて高圧電源の出力基準が設定されるので、前述同様
にして、立ち上げ時や出力特性の切り換え時でも、レー
ザ光出力部からのレーザ光の出力レベルを、使用者によ
り指定された出力レベルに迅速に到達させることができ
るようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体のブロック構成図
【図2】異なる運転ガス制御圧力に対する入出力特性図
【図3】モードセレクタの使用状態に対する入出力特性
【図4】モードセレクタ不使用状態でのレーザビームの
強度分布図
【図5】モードセレクタ使用状態での図4相当図
【図6】サンプリング時における高圧電源の出力基準設
定値に対するレーザ光出力の相関図
【図7】測定データにより近似した較正データ図
【図8】従来例を示す図1相当図
【図9】従来の不具合を説明するためのレーザ光出力状
態の時間推移を示す図(その1)
【図10】従来の不具合を説明するためのレーザ光出力
状態の時間推移を示す図(その2)
【符号の説明】
21はレーザ光出力部、22は封入管、23は電極、2
4は高圧電源、25は制御装置(制御手段)、26は反
射鏡、27は出力鏡、28は共振器、29はレーザガス
循環装置、30はレーザガス供給弁、31はレーザガス
排気弁、31aは排気弁駆動装置(切換手段)、32は
圧力センサ(検出手段)、33は積分球、34は光セン
サ(測定手段)、35はモードセレクタ、35aはモー
ドセレクタ切換装置(切換手段)、36は検出スイッチ
(検出手段)である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の出力特性を設定可能なレーザ光出
    力部と、 このレーザ光出力部の出力特性を切り換え設定するため
    の設定手段と、 出力基準が与えられるとこれに応じた高電圧を前記レー
    ザ光出力部に印加してレーザ光を出力させる高圧電源
    と、 前記レーザ光出力部から出力されるレーザ光出力を検出
    する検出手段と、 前記高圧電源に与える出力基準に対して、前記検出手段
    により検出されるレーザ光出力を前記複数の出力特性の
    それぞれの設定状態に対応してあらかじめ測定された出
    力特性データを記憶している記憶手段と、 前記レーザ光出力部に設定されている出力特性に対応し
    た前記出力特性データを前記記憶手段から読み出し、使
    用者により指定されたレーザ光の出力レベルに対応した
    出力基準信号を上記読出し出力特性データに基づいて設
    定する基準信号出力手段と、 前記使用者により指定されたレーザ光の出力レベルと前
    記検出手段からの検出信号との差の値に基づいて補正信
    号を生成する補正信号生成手段と、 前記基準信号出力手段からの出力基準信号と前記補正信
    号生成手段からの補正信号とに基づいて前記高圧電源に
    出力基準を与える出力基準設定手段とを具備したことを
    特徴とするガスレーザ発振装置。
  2. 【請求項2】 レーザ光出力部は、レーザガスの制御圧
    力を複数段階に切り換えることにより複数の出力特性が
    設定可能に構成されていることを特徴とする請求項1記
    載のガスレーザ発振装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光出力部は、レーザビームの強度
    分布を複数段階に切り換えることにより複数の出力特性
    が設定可能に構成されていることを特徴とする請求項1
    記載のガスレーザ発振装置。
JP16945993A 1993-07-09 1993-07-09 ガスレーザ発振装置 Pending JPH0730184A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010212549A (ja) * 2009-03-12 2010-09-24 Panasonic Corp レーザ発振装置およびレーザ加工機
KR101523673B1 (ko) * 2013-12-27 2015-05-28 에이피시스템 주식회사 레이저 조사 방법 및 레이저 조사 모듈
US9257809B2 (en) 2010-02-22 2016-02-09 Gigaphoton Inc. Laser device for exposure apparatus

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