JP6534351B2 - エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステム - Google Patents

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Description

本開示は、エキシマレーザ装置及びエキシマレーザシステムに関する。
近年、半導体露光装置(以下、「露光装置」という)においては、半導体集積回路の微細化及び高集積化につれて、解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される光の短波長化が進められている。一般的に、露光用光源には、従来の水銀ランプに代わってガスレーザ装置が用いられる。例えば、露光用のガスレーザ装置としては、波長248nmの紫外線のレーザ光を出力するKrFエキシマレーザ装置、ならびに波長193nmの紫外線のレーザ光を出力するArFエキシマレーザ装置が用いられる。
米国特許出願公開第2013/0100980号明細書 米国特許出願公開第2006/0239322号明細書 特開平10−190103号公報 米国特許第6490307号明細書 特開昭63−086593号公報 米国特許第5142543号明細書 米国特許第7741639号明細書
概要
本開示の第1の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された一対の電極と電極間にパルス電圧を供給する電源部と、レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、電極の劣化パラメータであって電極がレーザチャンバの内部に設置されてからの、電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数である電極の劣化パラメータが示す電極の劣化の進行に基づいて、レーザチャンバの内部のガスの交換割合を増加させるようにガス供給部及びガス排気部を制御するガス制御部と、電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数の初期値を入力する入力部と、電極間に新たに供給されたパルス電圧のパルス数を初期値に加算するレーザ制御部と、を備えてもよい。
本開示の第2の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された一対の電極と、電極間にパルス電圧を供給する電源部と、レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、電極の劣化パラメータであって電極がレーザチャンバの内部に設置されてからの、電極間に投入されたエネルギーの積算値である電極の劣化パラメータが示す電極の劣化の進行に基づいて、レーザチャンバの内部のガスの交換割合を増加させるようにガス供給部及びガス排気部を制御するガス制御部と、電極間に投入されたエネルギーの積算値の初期値を入力する入力部と、電極間に新たに投入されたエネルギーを初期値に加算するレーザ制御部と、を備えてもよい。
本開示の第3の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、電極間にパルス電圧を供給する電源部と、レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、電極の劣化パラメータであって電極がレーザチャンバの内部に設置されてからの、電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数である電極の劣化パラメータが第1の値である場合に、レーザチャンバの内部のガスの量に対して第1の割合に相当する第1の量のガスを交換するようにガス供給部及びガス排気部を制御し、電極の劣化パラメータが第1の値より電極が劣化していることを示す第2の値である場合に、レーザチャンバの内部のガスの量に対して第1の割合より大きい第2の割合に相当する第2の量のガスを交換するようにガス供給部及びガス排気部を制御する、ガス制御部と、電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数の初期値を入力する入力部と、電極間に新たに供給されたパルス電圧のパルス数を初期値に加算するレーザ制御部と、を備えてもよい。
本開示の第4の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、電極間にパルス電圧を供給する電源部と、レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、電極の劣化パラメータであって電極がレーザチャンバの内部に設置されてからの、電極間に投入されたエネルギーの積算値である電極の劣化パラメータが第1の値である場合に、レーザチャンバの内部のガスの量に対して第1の割合に相当する第1の量のガスを交換するようにガス供給部及びガス排気部を制御し、電極の劣化パラメータが第1の値より電極が劣化していることを示す第2の値である場合に、レーザチャンバの内部のガスの量に対して第1の割合より大きい第2の割合に相当する第2の量のガスを交換するようにガス供給部及びガス排気部を制御する、ガス制御部と、電極間に投入されたエネルギーの積算値の初期値を入力する入力部と、電極間に新たに投入されたエネルギーを初期値に加算するレーザ制御部と、を備えてもよい。
本開示の第の観点に係るエキシマレーザ装置は、ガスを封入するレーザチャンバと、レーザチャンバの内部に配置された一対の電極と電極間にパルス電圧を供給する電源部と、レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、ガス制御部であって、電極の劣化パラメータの値が第1の範囲内である場合よりも電極が劣化していることを示す第2の範囲内である場合に、電極の劣化パラメータの値が第1の範囲内である場合のレーザチャンバの内部のガスの交換量よりもガスの交換量を増加させるようにガス供給部及びガス排気部を制御し、電極の劣化パラメータの値が、電極の寿命が到来していることを示す第3の範囲内である場合に、寿命到来信号を出力し、寿命到来信号を出力した後、延命信号を受信した場合に、電極の劣化パラメータの値が第2の範囲内である場合のレーザチャンバの内部のガスの交換量よりもガスの交換量をさらに増加させるようにガス供給部及びガス排気部を制御するガス制御部と、を備えてもよい。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、本開示における一対の電極の劣化パラメータとガスの交換割合との関係の一例を示すグラフである。 図2は、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成を模式的に示す。 図3は、第1の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。 図4は、第1の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。 図5は、第1の実施形態において電極間の印加電圧を制御するためのフローチャートである。 図6は、第1の実施形態においてエキシマレーザ装置のデューティーを算出するためのフローチャートである。 図7は、第1の実施形態において当該レーザチャンバの全パルス数を算出するためのフローチャートである。 図8は、第1の実施形態において当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値を算出するためのフローチャートである。 図9は、第1の実施形態においてレーザ光のパルスエネルギー安定性を算出するためのフローチャートである。 図10は、第1の実施形態においてレーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度を算出するためのフローチャートである。 図11は、第1の実施形態において全ガス交換後のパルス数を算出するためのフローチャートである。 図12は、第1の実施形態において全ガス交換後の時間を算出するためのフローチャートである。 図13は、図4に示されるガス制御パラメータの読み込み処理の例を示すフローチャートである。 図14Aは、図4に示すガス制御間隔を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。 図14Bは、エキシマレーザ装置のデューティーと図14Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。 図15は、図4に示すハロゲンガス分圧を算出する処理の例を示すフローチャートである。 図16Aは、図4に示すガス交換量を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。 図16Bは、電極の劣化パラメータと図16Aにおいて設定されるガス交換割合との関係を示すグラフである。 図17Aは、図4に示すガス交換量を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。 図17Bは、レーザチャンバ内のガス圧と図17Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。 図17Cは、レーザチャンバ内のガス圧Pが第1の閾値Pminから第2の閾値Pmaxまでの間である場合の、ガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。 図18Aは、図4に示すガス交換量を算出する処理の第3の例を示すフローチャートである。 図18Bは、レーザチャンバ内のガス圧と図18Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。 図18Cは、レーザチャンバ内のガス圧Pが第1の閾値Pminから第2の閾値Pmaxまでの間である場合の、ガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。 図19Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第4の例を示すフローチャートである。 図19Bは、レーザチャンバ内のガス圧Pと図19Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。 図19Cは、図19Aに示すガス交換量Qを最大値Qmaxよりもさらに増加させる処理の第1の例を示すフローチャートである。 図19Dは、図19Aに示すガス交換量Qを最大値Qmaxよりもさらに増加させる処理の第2の例を示すフローチャートである。 図20Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第5の例を示すフローチャートである。 図20Bは、図20Aに示すガス交換割合Xを最大値Xmaxよりもさらに増加させる処理の第1の例を示すフローチャートである。 図20Cは、図20Aに示すガス交換割合Xを最大値Xmaxよりもさらに増加させる処理の第2の例を示すフローチャートである。 図21は、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第6の例を示すフローチャートである。 図22は、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第7の例を示すフローチャートである。 図23Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第8の例を示すフローチャートである。 図23Bは、当該レーザチャンバの全パルス数Nchと図23Aにおいて算出されるガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。 図24Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第9の例を示すフローチャートである。 図24Bは、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumと図24Aにおいて算出されるガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。 図25は、図4に示すガス交換量を算出する処理の第10の例を示すフローチャートである。 図26は、図4に示すガス交換量を算出する処理の第11の例を示すフローチャートである。 図27Aは、図4に示すガス交換量を算出する処理の第12の例を示すフローチャートである。 図27Bは、当該レーザチャンバの全パルス数と図27Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。 図28Aは、図4に示すガス交換量を算出する処理の第13の例を示すフローチャートである。 図28Bは、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値と図28Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。 図29Aは、図4に示すガス制御間隔を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。 図29Bは、図29Aに示される部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値を算出する処理を示すフローチャートである。 図29Cは、当該レーザチャンバの全パルス数と図29Bにおいて算出される基準値との関係を示すグラフである。 図30は、図4に示すガス圧制御のフローチャートである。 図31は、図30に示すハロゲンガス分圧の減少量を算出する処理のフローチャートである。 図32Aは、図30に示す第2レーザガス注入バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。 図32Bは、図30に示す排気バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。 図33は、図4に示すハロゲンガス補充制御のフローチャートである。 図34は、図33に示す第1レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。 図35は、図33に示すハロゲンガス補充制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。 図36は、図4に示す部分ガス交換制御のフローチャートである。 図37は、図36に示す第1レーザガスの注入量及び第2レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。 図38は、図36に示す部分ガス交換制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。 図39は、第2の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。 図40は、第2の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。 図41Aは、図40に示すガス制御間隔を算出する処理の例を示すフローチャートである。 図41Bは、エキシマレーザ装置のデューティーと図41Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。 図42は、図40に示す部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のフローチャートである。 図43は、図42に示す第1レーザガスの注入量及び第2レーザガスの注入量を算出する処理のフローチャートである。 図44は、第3の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。 図45は、第3の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。 図46Aは、図45に示すガス交換量を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。 図46Bは、充電器の充電電圧と図46Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。 図47Aは、図45に示すガス交換量を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。 図47Bは、パルスごとのエネルギーと図47Aにおいて算出されるガス交換量との関係を示すグラフである。 図48は、第4の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。 図49は、第4の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。 図50は、第4の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。 図51は、マスターオシレータとパワーオシレータのガス制御パラメータの読み込みの処理の例を示すフローチャートである。 図52は、第5の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。 図53は、第5の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。 図54は、第6の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。 図55は、第6の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。 図56Aは、第7の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。 図56Bは、図56Aに示すパワーオシレータの構成を模式的に示す。 図57は、パルスパワーモジュール及びその周辺の概略構成を示す。 図58は、制御部の概略構成を示すブロック図である。
実施形態
<内容>
1.概要
2.用語の説明
3.エキシマレーザ装置の全体説明
3.1 レーザチャンバ
3.2 光共振器
3.3 各種センサ
3.4 レーザ制御部
3.5 ガス制御装置
4.エキシマレーザ装置におけるガス制御
4.1 ガス制御の概略
4.2 メインフロー
4.3 レーザ制御部による電圧制御
4.4 レーザ制御部によるデューティー算出
4.5 電極の劣化パラメータの算出
4.5.1 当該レーザチャンバの全パルス数算出
4.5.2 当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値算出
4.5.3 レーザ光のパルスエネルギー安定性算出
4.5.4 レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度算出
4.5.5 全ガス交換後のパルス数算出
4.5.6 全ガス交換後の時間算出
4.6 ガス制御パラメータの読み込み(S200の詳細)
4.7 ガス制御間隔の算出(S300の詳細)
4.8 ハロゲンガス分圧の算出(S400の詳細)
4.9 ガス交換量の算出(S500の詳細)
4.9.1 ガス交換割合と電極の劣化パラメータとの関係
4.9.2 ガス交換割合とガス圧との関係
4.9.3 寿命の延長処理
4.9.4 ガス交換割合とパルスエネルギー安定性との関係
4.9.5 ガス交換量とパルスエネルギーの目標値に対する一致度との関係
4.9.6 ガス交換量と当該レーザチャンバの全パルス数との関係
4.9.7 ガス交換量と当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値との関係
4.9.8 ガス交換量とパルスエネルギー安定性との関係
4.9.9 ガス交換量とパルスエネルギーの目標値に対する一致度との関係
4.9.10 ガス交換量と当該レーザチャンバの全パルス数との関係
4.9.11 ガス交換量と当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値との関係
4.10 ガス制御間隔と電極の劣化パラメータとの関係(S300の詳細)
4.11 ガス圧制御(S600の詳細)
4.12 ハロゲンガス補充制御(S700の詳細)
4.13 部分ガス交換制御(S800の詳細)
5.第2の実施形態(部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御の一体化制御)
5.1 ガス制御の概略
5.2 メインフロー
5.3 ガス制御間隔の算出(S340の詳細)
5.4 部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840の詳細)
6.第3の実施形態(ガス圧制御をしない場合)
6.1 ガス制御の概略
6.2 メインフロー
6.3 ガス交換量の算出(S500の詳細)
7.第4の実施形態(MOPOシステム)
7.1 MOPOシステムの全体説明
7.2 MOPOシステムにおけるガス制御
8.第5の実施形態(MOPOシステムにおける制御の一体化)
9.第6の実施形態(MOPOシステムにおける充電器の一体化)
10.第7の実施形態(リング共振器を有するMOPOシステム)
11.パルスパワーモジュールの構成
12.制御部の構成
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
1.概要
露光装置用のエキシマレーザ装置は、長時間安定して所望のパルスレーザ光を出力することが求められ得る。エキシマレーザ装置において長時間レーザ発振させると、レーザチャンバ内において不純物が生成され、その不純物がレーザ光を吸収したり、放電の状態を悪化させたりすることによって、エキシマレーザ装置が所望のパルスレーザ光を出力できなくなり得る。そのような場合には、レーザチャンバ内の殆ど全てのガスを一旦排気し、その後、新たにレーザ媒質となるガスを注入する必要があり得る。この工程を全ガス交換と呼ぶ。しかしながら、全ガス交換においては、少なくともレーザチャンバの運転を継続できなくなる程度にまでレーザチャンバ内のガスを排気するので、レーザ発振を一旦停止させる必要があり得る。レーザ発振の停止中は、露光装置において露光を行うことができなくなり得る。
そこで、レーザ発振中に、新たなレーザガスをレーザチャンバに注入し、その後、その注入量と同量(体積)のガスをレーザチャンバ内から排気する部分ガス交換が行われてもよい。しかし、部分ガス交換のガス交換量が少なすぎると、不純物を十分に排出できず、レーザ性能を回復できない場合がある。一方、部分ガス交換のガス交換量が多すぎると、レーザガスを必要以上に消費してしまう場合がある。
米国特許出願公開第2013/0100980号明細書には、部分ガス交換のガス交換量をレーザチャンバの内部のガスの圧力に基づいて決定することが開示されている。具体的には、レーザチャンバの内部のガスの圧力に比例して、部分ガス交換のガス交換量を増加させることが開示されている。ここで、部分ガス交換のガス交換量をレーザチャンバ内の全ガス量で除算した値Xを、ガスの交換割合と定義する。レーザチャンバ内の全ガス量はレーザチャンバの内部のガスの圧力に比例し得る。レーザチャンバの内部のガスの圧力に比例して、部分ガス交換のガス交換量を増加させる場合、ガスの交換割合は一定となり得る。ここで、部分ガス交換を実行する前のレーザチャンバ内の不純物ガスのモル数が第1の所定の値Mであって、ガスの交換割合Xが変わらないとすれば、部分ガス交換を実行した後のレーザチャンバ内の不純物のモル数は第2の所定の値(=M−M・X)となり、レーザチャンバの内部のガスの圧力に関わらず一定値となり得る。ここで、チャンバ内の不純物ガスのモル数に比例して、出力されるパルスレーザ光のエネルギーが減少し得る。
本発明者らは、電極の劣化が初期段階の場合は、レーザチャンバ内のガスに含まれる不純物のモル数が多くても、且つ、電極間に投入されるエネルギーをあまり増加させなくても、所望のパルスレーザ光が出力され得ることを見出した。これによれば、レーザチャンバ内のガスの圧力に関わらずガスの交換割合Xを一定にすると、レーザチャンバの内部のガスの圧力が小さいうちは、電極劣化が少ないので、所望のパルスレーザ光を出力するのに必要な量を超えるガスをレーザチャンバに注入してしまうことになり得る。そこで、本開示の1つの観点においては、レーザチャンバ内のガスの圧力が小さい場合には、ガスの交換割合Xを小さくすることにより、レーザチャンバ内に多めの不純物ガスを残してもよい。これにより、所望のパルスレーザ光の出力を可能としつつ、ガスの消費量を低減し得る。
本開示の他の1つの観点においては、レーザチャンバ内の一対の電極の劣化パラメータに基づいて、ガスの交換割合が決定されてもよい。具体的には、一対の電極が劣化していることを上記劣化パラメータが示す場合に、レーザチャンバ内のガスの交換割合を増加させてもよい。逆に、一対の電極が劣化していることを上記劣化パラメータが示していないうちは、レーザチャンバ内のガスの交換割合を小さくし、レーザチャンバ内に多めの不純物を残してもよい。これにより、所望のパルスレーザ光の出力を可能としつつ、ガスの消費量を低減し得る。
図1は、本開示における一対の電極の劣化パラメータとガスの交換割合との関係の一例を示すグラフである。電極の劣化パラメータについては後述するが、グラフの左側においては電極が新しく、グラフの右側においては電極の劣化が進んで電極寿命が到来することを示している。電極が新しいうちは、ガスの交換割合Xが小さく、レーザチャンバ内に多めの不純物が残っていても、所望のパルスレーザ光を出力し得る。そこで、電極が新しい場合には、電極の劣化が進んだ場合に比べてガスの交換割合Xが小さくてもよい。これによれば、ガスの交換割合Xを変化させなかった場合に比べて、図1に斜線で示される領域に相当するガスを使わなくて済むことになり得る。
本開示の他の1つの観点においては、電極の劣化パラメータに基づいて、部分ガス交換のガス交換量が決定されてもよい。また、電極の劣化パラメータに基づいて、部分ガス交換の頻度が決定されてもよい。
2.用語の説明
本願において使用される幾つかの用語を以下に説明する。
「第1レーザガス」は、ハロゲンガスを含むレーザガスであってもよい。
「第2レーザガス」は、第1レーザガスよりもハロゲンガス濃度の低いレーザガスであってもよい。
「ガス圧制御」は、第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気のいずれかを使い分ける制御であってもよい。
「ハロゲンガス補充制御」は、第1レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を順次行う制御であってもよい。
「部分ガス交換制御」は、第1レーザガス及び第2レーザガスのレーザチャンバの内部への供給、及び、レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を順次行う制御であってもよい。
3.エキシマレーザ装置の全体説明
図2は、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成を模式的に示す。図2に示すエキシマレーザ装置は、レーザチャンバ10と、一対の電極11a及び11bと、充電器12と、パルスパワーモジュール(PPM)13と、を含んでもよい。エキシマレーザ装置は、さらに、狭帯域化モジュール14と、出力結合ミラー15と、圧力センサ16と、光センサモジュール17と、レーザ制御部30と、ガス制御装置40と、を含んでもよい。図2に示すエキシマレーザ装置は、エキシマレーザ装置から出力されるレーザ光を用いて露光を行う露光装置100に接続されてもよい。
3.1 レーザチャンバ
レーザチャンバ10は、例えばアルゴン、ネオン及びフッ素等を含むレーザ媒質としてのレーザガスが封入されるチャンバでもよい。一対の電極11a及び11bは、レーザ媒質を放電により励起するための電極として、レーザチャンバ10内に配置され得る。充電器12は、例えば電源装置に接続されたコンデンサによって構成されてもよく、一対の電極11a及び11b間に高電圧を印加するための電気エネルギーを保持し得る。パルスパワーモジュール13は、レーザ制御部30によって制御されるスイッチ13aを含んでもよい。スイッチ13aがOFFからONになると、パルスパワーモジュール13は、充電器12に保持されていた電気エネルギーからパルス状の高電圧を生成し、この高電圧を一対の電極11a及び11b間に印加してもよい。充電器12及びパルスパワーモジュール13は、本開示における電源部に相当し得る。
一対の電極11a及び11b間に高電圧が印加されると、一対の電極11a及び11b間に放電が起こり得る。この放電のエネルギーにより、レーザチャンバ10内のレーザ媒質が励起されて高エネルギー準位に移行し得る。励起されたレーザ媒質が、その後低エネルギー準位に移行するとき、そのエネルギー準位差に応じた光を放出し得る。
レーザチャンバ10の両端にはウインドウ10a及び10bが設けられてもよい。レーザチャンバ10内で発生した光は、ウインドウ10a及び10bを介してレーザチャンバ10の外部に出射し得る。
3.2 光共振器
狭帯域化モジュール14は、プリズム14aと、グレーティング14bとを含んでもよい。プリズム14aは、レーザチャンバ10から出射された光のビーム幅を拡大させるとともに、その光をグレーティング14b側に透過させ得る。また、プリズム14aは、グレーティング14bからの反射光のビーム幅を縮小させるとともに、その光をレーザチャンバ10側に透過させ得る。また、プリズム14aは、光を透過させるとき、光の波長に応じて異なった角度で光を屈折させ得る。従って、プリズム14aは波長分散素子としても機能し得る。
グレーティング14bは、高反射率の材料によって構成され、表面に多数の溝が所定間隔で形成された波長分散素子であり得る。各溝は例えば三角溝であってもよい。プリズム14aからグレーティング14bに入射した光は、各溝の斜面において、各溝の方向(図2における上下方向)に対して垂直な多方向に反射し得る。1つの溝において反射した反射光と、他の1つの溝において反射した反射光とが重なり合うとき、それらの反射光の間の光路長の差は、それらの反射光の反射角度に依存し得る。そして、当該光路長の差に対応する波長の光は、それらの反射光どうしで位相が一致して強め合うことができ、当該光路長の差に対応しない波長の光は、それらの反射光どうしで位相が一致せずに弱め合うことができる。この干渉作用の結果、反射角度に応じて特定の波長付近の光を取り出すことができ、当該特定の波長の光を多く含む光がプリズム14aを介してレーザチャンバ10に戻され得る。
このように、プリズム14aとグレーティング14bとによって、特定の波長の光を取り出してレーザチャンバ10側に戻すことによって、レーザ光のスペクトル幅を狭くする狭帯域化モジュール14が構成され得る。
出力結合ミラー15の表面には、部分反射膜がコーティングされていてもよい。従って、出力結合ミラー15は、レーザチャンバ10から出力される光のうちの一部を透過させて出力し、他の一部を反射させてレーザチャンバ10内に戻してもよい。
出力結合ミラー15とグレーティング14bとの間の距離は、レーザチャンバ10から出力される所定波長の光が定常波を形成する距離に設定され得る。従って、狭帯域化モジュール14と出力結合ミラー15とで、光共振器が構成され得る。レーザチャンバ10から出射した光は、狭帯域化モジュール14と出力結合ミラー15との間で往復し、レーザチャンバ10内の電極11aと電極11bとの間(レーザゲイン空間)を通過する度に増幅され得る。増幅された光の一部が、出力結合ミラー15を介して、出力レーザ光として出力され得る。
3.3 各種センサ
圧力センサ16は、レーザチャンバ10内のガス圧を検出し、ガス制御装置40に出力してもよい。光センサモジュール17は、ビームスプリッタ17aと、集光光学系17bと、光センサ17cとを含んでもよい。ビームスプリッタ17aは、出力結合ミラー15を透過した出力レーザ光を高い透過率で露光装置100に向けて透過させるとともに、出力レーザ光の一部を集光光学系17bに向けて反射してもよい。集光光学系17bは、ビームスプリッタ17aによって反射された光を光センサ17cの感光面上に集光してもよい。光センサ17cは、感光面に集光されたレーザ光のパルスエネルギーを検出し、検出したパルスエネルギーのデータをレーザ制御部30に出力してもよい。
3.4 レーザ制御部
レーザ制御部30は、露光装置100に設けられた露光装置制御部110との間で各種信号を送受信してもよい。例えば、露光装置制御部110からパルスレーザ光出力開始信号を受信してもよい。また、レーザ制御部30は、充電器12に対して充電電圧の設定信号を送信したり、パルスパワーモジュール13に対してスイッチON又はOFFの指令信号を送信したりしてもよい。
レーザ制御部30は、光センサモジュール17からパルスエネルギーに基づくデータを受信してもよく、このパルスエネルギーに基づくデータを参照して充電器12の充電電圧を制御してもよい。充電器12の充電電圧を制御することにより、レーザ光のパルスエネルギーが制御されてもよい。
また、レーザ制御部30は、光センサモジュール17から受信したデータに基づいて、エキシマレーザ装置の発振パルス数を計数してもよい。また、レーザ制御部30は、ガス制御装置40に設けられたガス制御部47との間で各種信号を送受信してもよい。例えば、レーザ制御部30は、エキシマレーザ装置の発振パルス数のデータをガス制御部47に送信してもよい。
3.5 ガス制御装置
ガス制御装置40は、フッ素ガス(F)等のハロゲンガスを含む第1レーザガスを収容した第1容器F2と、バッファガスを含む第2レーザガスを収容した第2容器Bと、に接続されてもよい。第1レーザガスとしては、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスが用いられてもよい。第2レーザガスとしては、アルゴン及びネオンの混合ガスが用いられてもよい。第1容器F2及び第2容器Bのガス取り出し口にはそれぞれバルブが設けられていてもよいが、少なくともエキシマレーザ装置が起動している間はこれらのバルブは開いていてよい。
ガス制御装置40は、排気ポンプ46と、ガス制御部47と、以下に説明する各種バルブ及びマスフローコントローラと、を含んでもよい。レーザチャンバ10には第1の配管41の一端が接続され、第1の配管41にはコントロールバルブC−Vが設けられていてもよい。第1の配管41の他端には、第1容器F2に接続された第2の配管42と、第2容器Bに接続された第3の配管43と、排気ポンプ46に接続された第4の配管44と、が接続されていてもよい。
第2の配管42には、第1レーザガスの供給を制御する第1レーザガス注入バルブF2−Vが設けられていてもよい。第2の配管42は途中で二股に分かれ、一方にはマスフローコントローラF2−MFCが設けられ、他方にはバイパスバルブF2−V2が設けられていてもよい。バイパスバルブF2−V2は、レーザ発振を停止して全ガス交換を行うときにのみ開かれ、レーザ発振中は常時閉めておくものとしてもよい。レーザ発振中に第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給するときは、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vを開き、マスフローコントローラF2−MFCによってレーザチャンバ10内に供給される第1レーザガスの流量を制御してもよい。
第3の配管43には、第2レーザガスの供給を制御する第2レーザガス注入バルブB−Vが設けられていてもよい。第3の配管43は途中で二股に分かれ、一方にはマスフローコントローラB−MFCが設けられ、他方にはバイパスバルブB−V2が設けられていてもよい。バイパスバルブB−V2は、レーザ発振を停止して全ガス交換を行うときにのみ開かれ、レーザ発振中は常時閉めておくものとしてもよい。レーザ発振中に第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給するときは、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vを開き、マスフローコントローラB−MFCによってレーザチャンバ10内に供給される第2レーザガスの流量を制御してもよい。
第4配管44には、レーザチャンバ10内のガスの排気を制御する排気バルブEX−Vが設けられていてもよい。レーザチャンバ10内のガスの排気を制御するときは、排気ポンプ46を駆動して、排気バルブEX−V及びコントロールバルブC−Vを開いてもよい。
第1レーザガス注入バルブF2−V、マスフローコントローラF2−MFC、第2レーザガス注入バルブB−V及びマスフローコントローラB−MFCは、本開示におけるガス供給部に相当し得る。排気バルブEX−V及び排気ポンプ46は、本開示におけるガス排気部に相当し得る。
ガス制御部47は、レーザ制御部30との間で各種信号を送受信し、さらに、圧力センサ16からレーザチャンバ10内のガス圧のデータを受信してもよい。また、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V、第1レーザガス注入バルブF2−V、マスフローコントローラF2−MFC等を制御してもよい。ガス制御部47は、第2レーザガス注入バルブB−V、マスフローコントローラB−MFC等を制御してもよい。ガス制御部47は、バイパスバルブF2−V2、バイパスバルブB−V2、排気バルブEX−V及び排気ポンプ46等を制御してもよい。
4.エキシマレーザ装置におけるガス制御
4.1 ガス制御の概略
図3は、第1の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図3に示すように、第1の実施形態におけるガス制御は、ガス圧制御(S600)と、ハロゲンガス補充制御(S700)と、部分ガス交換制御(S800)と、を含んでいてもよい。さらに、ガス制御の停止状態(S0)があってもよい。これらのガス制御は、ガス制御部47(図2)によって行われてもよい。
ガス圧制御(S600)は、レーザ光のパルスエネルギーを制御するためにレーザチャンバ10内のガス圧を制御するものであってもよい。エキシマレーザ装置においては、レーザ光のパルスエネルギーを所望の値に維持するために、光センサモジュール17から得られたデータに基づいて充電器12の充電電圧が制御され得る。例えば、レーザチャンバ10内の不純物の影響、その他の運転条件により、レーザ光のパルスエネルギーが低下する傾向がある場合は、充電器12の充電電圧が上昇させられ得る。しかしながら、電圧を上げすぎると、あるいは下げすぎると、放電が不安定となりエキシマレーザ装置の動作が不安定となる可能性がある。
そこで、ガス圧制御においては、レーザチャンバ10内のガス圧を制御することにより、所望のレーザ光のパルスエネルギーが得られるようにし、電圧の上げすぎあるいは下げすぎが回避され得るようにしてもよい。具体的には、充電電圧Vが第1の閾値VHより高い場合に、第2レーザガスをレーザチャンバ10に供給してガス圧を上げてもよい。また、充電電圧Vが第1の閾値より低い第2の閾値VLより、さらに低い場合に、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってガス圧を下げてもよい。
ハロゲンガス補充制御(S700)は、レーザチャンバ10内において低下したハロゲンガス分圧を所定の値に回復するためのガス制御であってもよい。レーザチャンバ10内のレーザガスを構成する希ガスは、化学的に安定であるが、レーザガスを構成するフッ素等のハロゲンガスは、他の物質との反応性が高く、例えば電極材料やチャンバ内の構成材料と反応して不純物(ハロゲン化物)となりやすい。従って、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内のハロゲンガスが減少(ハロゲンガス分圧が低下)し得る。
そこで、ハロゲンガス補充制御においては、所定時間が経過するごとに、第1レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量と同量(体積)のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。
部分ガス交換制御(S800)は、レーザチャンバ10内の不純物を排出するためのガス制御であってもよい。エキシマレーザ装置において、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内の不純物濃度が上昇し、所望のパルスレーザ光を出力できなくなり得る。
そこで、部分ガス交換制御においては、所定時間が経過するごとに、第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量の合計と同量(体積)のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。また、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧が部分ガス交換制御の前後において変化しないように、第1レーザガスの注入量と第2レーザガスの注入量とが算出されてもよい。
ガス制御部47(図2)は、ガス圧制御(S600)の条件が整った場合に、ガス制御の停止状態(S0)からガス圧制御に遷移させ、ガス圧制御が終了した場合に、ガス圧制御からガス制御の停止状態に遷移させてもよい。
ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御(S700)の条件が整った場合に、ガス制御の停止状態(S0)からハロゲンガス補充制御に遷移させ、ハロゲンガス補充制御が終了した場合に、ハロゲンガス補充制御からガス制御の停止状態に遷移させてもよい。
ガス制御部47は、部分ガス交換制御(S800)の条件が整った場合に、ガス制御の停止状態(S0)から部分ガス交換制御に遷移させ、部分ガス交換制御が終了した場合に、部分ガス交換制御からガス制御の停止状態に遷移させてもよい。
4.2 メインフロー
図4は、第1の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図4に示される処理は、ガス制御部47(図2)によって行われてもよい。図4に示される処理は、ガス圧制御(S600)と、ハロゲンガス補充制御(S700)と、部分ガス交換制御(S800)と、を含み得る。
まず、ガス制御部47は、ガス制御に必要な初期値を読み込んでもよい(S100)。この初期値には、例えば、各種の比例定数や、制御のための閾値等が含まれてもよい。例えば比例定数は、後述するa、b、c、g、h、k等であってよく、閾値は、後述する第1の閾値VH及び第2の閾値VL等であってよい。また、タイマーTh及びTpの計時を開始してもよい(S110)。
次に、ガス制御部47は、各種のガス制御パラメータを読み込んでもよい(S200)。ガス制御パラメータは、電圧Vと、デューティーDと、ガス圧Pと、を含んでもよい。電圧Vは、充電器12の充電電圧であってもよく、レーザ制御部30から受信したものでもよい。デューティーDは、レーザ光の繰り返し周波数の、その最大値に対する比率(デューティー)であってもよく、レーザ制御部30から受信したものでもよい。ガス圧Pは、レーザチャンバ10内のガス圧であってもよく、圧力センサ16から受信したものであってもよい。
次に、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thi及び部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを算出してもよい(S300)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧Phを算出してもよい(S400)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、部分ガス交換制御におけるガス交換量Qを算出してもよい(S500)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、充電器12の充電電圧Vと、第1の閾値VH及び第2の閾値VLとを比較してもよい(S590)。充電電圧Vが第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲外である場合(V<VL又はVH<V)、ガス圧制御の条件が整ったと判定して、ガス制御部47は、ガス圧制御を行ってもよい(S600)。ガス圧制御の詳細は後述する。ガス圧制御が終了したら、上述のS200に戻って各種パラメータを読み込んでもよい。ガス圧制御においては、後述のようにガス圧を低下させる制御においてハロゲンガス分圧Phが低下する場合があるため、上述のS200に戻ることにより、ハロゲンガス分圧Ph等を再計算し、ハロゲンガス補充制御等を適切に行い得る。
充電電圧Vが第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内である場合(VL≦V≦VH)、ガス制御部47は、タイマーThとハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiとを比較してもよい(S690)。タイマーThがハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiに達した場合(Thi<Th)、ハロゲンガス補充制御の条件が整ったと判定し、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御を行ってもよい(S700)。ハロゲンガス補充制御の詳細は後述する。ハロゲンガス補充制御が終了したら、タイマーThをリセットして、計時を開始してもよい(S780)。
タイマーThがハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiに達していない場合(Thi≧Th)、あるいは、タイマーThがリセット(S780)された後、ガス制御部47は、タイマーTpと部分ガス交換制御の時間間隔Tpiとを比較してもよい(S790)。タイマーTpが部分ガス交換制御の時間間隔Tpiに達した場合(Tpi<Tp)、部分ガス交換制御の条件が整ったと判定し、ガス制御部47は、部分ガス交換制御を行ってもよい(S800)。部分ガス交換制御の詳細は後述する。部分ガス交換制御が終了したら、タイマーTpをリセットして、計時を開始してもよい(S880)。
タイマーTpが部分ガス交換制御の時間間隔Tpiに達していない場合(Tpi≧Tp)、あるいは、タイマーTpがリセット(S880)された後、ガス制御部47は、ガス制御を停止するか否かを判定してもよい(S900)。ガス制御を停止するか否かの判定は、レーザ制御部30から停止信号を受信したか否かによって行われてもよい。ガス制御を停止する場合(S900:YES)、本フローチャートの処理を終了してもよい。ガス制御を停止しない場合(S900:NO)、上述のS200に戻って各種パラメータを読み込んでもよい。
4.3 レーザ制御部による電圧制御
図5は、第1の実施形態において電極間の印加電圧を制御するためのフローチャートである。図5に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。図5に示される処理においては、レーザ光のパルスエネルギーを所望の値に維持するために、光センサモジュール17から得られたデータに基づいて充電器12の充電電圧Vを制御してもよい。図5に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、レーザ光の目標パルスエネルギーEtの値を読み込んでもよい(S10)。目標パルスエネルギーEtの値は、例えば露光装置制御部110によって要求される値であってもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ発振が開始されたか否かを判定してもよい(S11)。レーザ発振が開始されたか否かは、レーザ制御部30が充電器12及びパルスパワーモジュール13に対してレーザ発振のための各種信号を送信したか否かによって、判定されてもよい。あるいは、レーザ発振が開始されたか否かは、レーザ制御部30が光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって、判定されてもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギーEの値を読み込んでもよい(S12)。パルスエネルギーEの値は、光センサモジュール17から受信したものであってもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギーEの値と目標パルスエネルギーEtの値とを比較してもよい(S13)。
パルスエネルギーEの値が目標パルスエネルギーEtの値に等しい場合(E=Et)、レーザ制御部30は、充電器12の充電電圧Vを、現在の充電電圧Vのまま維持してもよい(S14:V=V)。
パルスエネルギーEの値が目標パルスエネルギーEtの値より小さい場合(E<Et)、レーザ制御部30は、充電器12の充電電圧Vを、現在の充電電圧Vに所定の増減幅ΔVを加算した値に上昇させてもよい(S15:V=V+ΔV)。これにより、パルスエネルギーEを上昇させ目標パルスエネルギーEtに近づけ得る。
パルスエネルギーEの値が目標パルスエネルギーEtの値より大きい場合(E>Et)、レーザ制御部30は、充電器12の充電電圧Vを、現在の充電電圧Vから所定の増減幅ΔVを減算した値に低下させてもよい(S16:V=V−ΔV)。これにより、パルスエネルギーEを低下させ目標パルスエネルギーEtに近づけ得る。
S14〜S16のいずれかで示される充電電圧Vの制御が終了したら、レーザ制御部30は、充電電圧Vのデータをガス制御部47に送信してもよい(S17)。これにより、ガス制御部47は、図4に示すガス圧制御(S600)の条件が整ったか否か(S590)を判定することができる。
次に、レーザ制御部30は、充電電圧Vが上限値Vmax以上であるか否かを判定してもよい(S18)。充電電圧Vが上限値Vmax以上である場合(V≧Vmax)、レーザ光の発光効率が悪く、レーザ発振を停止させてメンテナンスすること(例えば全ガス交換等)が必要となるため、本フローチャートの処理を終了してもよい。充電電圧Vが上限値Vmax以上でない場合(V<Vmax)、上述のS10に戻り、引き続き充電電圧Vを制御してパルスエネルギーEを安定化するとともに、充電電圧Vのデータをガス制御部47に送信してもよい。
4.4 レーザ制御部によるデューティー算出
図6は、第1の実施形態においてエキシマレーザ装置のデューティーを算出するためのフローチャートである。図6に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。図6に示される処理においては、レーザ発振時の繰り返し周波数と、当該エキシマレーザ装置の最大繰り返し周波数との比率をデューティーDとして算出してもよい。図6に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、当該エキシマレーザ装置の最大繰り返し周波数で発振した場合の、一定時間Tmaxにおけるパルス数Np0を読み込んでもよい(S20)。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルス数を計数するためのカウンターNを0にセットしてもよい(S21)。
次に、レーザ制御部30は、一定時間内におけるレーザ光のパルス数を計数するためのタイマーTをセットして計時を開始してもよい(S22)。
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S23)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、例えば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S23:NO)、出力されるまでこの判定を繰り返してもよい。
レーザパルスが出力された場合(S23:YES)、レーザ制御部30は、カウンターNに1を加えてもよい(S24)。
次に、レーザ制御部30は、タイマーTが一定時間Tmaxに達したか否かを判定してもよい(S25)。タイマーTが一定時間Tmaxに達していない場合(Tmax>T)、上述のS23に戻り、一定時間Tmaxに達するまで、カウンターNによってパルス数を計数してもよい。
タイマーTが一定時間Tmaxに達した場合(Tmax≦T)、レーザ制御部30は、カウンターNの値を、一定時間Tmaxにおけるパルス数Npとして記憶装置に記憶させてもよい(S26)。
次に、レーザ制御部30は、(Np/Np0)の値をデューティーDとして算出してもよい(S27)。なお、デューティーDの値が最大値1である場合は、当該エキシマレーザ装置が最大繰り返し周波数で発振していることを意味し得る。レーザ制御部30は、デューティーDの値をガス制御部47に送信してもよい(S28)。
次に、レーザ制御部30は、デューティーDの計算を中止するか否かを判定してもよい(S29)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。中止しない場合は、上述のS21の処理に戻ってもよい。
4.5 電極の劣化パラメータの算出
4.5.1 当該レーザチャンバの全パルス数算出
図7は、第1の実施形態において当該レーザチャンバの全パルス数Nchを算出するためのフローチャートである。図7に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。当該レーザチャンバの全パルス数Nchは、当該レーザチャンバの内部に一対の電極11a及び11bが設置されてからの、当該電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数であってもよい。図7に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、レーザチャンバ10が配置されたときに、配置されたレーザチャンバを認識してもよい(S30)。レーザチャンバの認識は、レーザチャンバを識別するためのコードの読み取りを含んでもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバ10が配置されるまでの全パルス数Nch0のデータを読み込んでもよい(S31)。当該レーザチャンバ10が配置される前に、当該レーザチャンバが別の場所で使用されていた場合や、当該レーザチャンバの動作試験が行われていた場合には、当該レーザチャンバ10が配置されるまでの全パルス数Nch0は0より大きい数でもよい。当該レーザチャンバ10が配置されるまでの全パルス数Nch0のデータは、レーザチャンバを識別するためのコードとともに記憶装置に記憶されていたデータでもよいし、ユーザが入力したデータでもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの全パルス数NchをNch0にセットしてもよい(S32)。
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S33)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、例えば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S33:NO)、出力されるまでこの判定を繰り返してもよい。
レーザパルスが出力された場合(S33:YES)、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchに1を加えてもよい(S34)。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchの値をガス制御部47に送信してもよい(S35)。当該レーザチャンバの全パルス数Nchにより、一対の電極11a及び11bの劣化度合いが判断されてもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchの計算を中止するか否かを判定してもよい(S36)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。例えば、レーザチャンバ10が寿命となって、レーザチャンバを交換する場合に、計算を中止してもよい。中止しない場合は、上述のS33の処理に戻ってもよい。
4.5.2 当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値算出
図8は、第1の実施形態において当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumを算出するためのフローチャートである。図8に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumは、当該レーザチャンバの内部に一対の電極11a及び11bが設置されてからの、当該電極間に投入されたエネルギーの積算値であってもよい。図8に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、レーザチャンバ10が配置されたときに、配置されたレーザチャンバを認識してもよい(S40)。レーザチャンバの認識は、レーザチャンバを識別するためのコードの読み取りを含んでもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバ10が配置されるまでの投入エネルギー積算値Einsum0のデータを読み込んでもよい(S41)。当該レーザチャンバ10が配置される前に、当該レーザチャンバが別の場所で使用されていた場合や、当該レーザチャンバの動作試験が行われていた場合には、当該レーザチャンバ10が配置されるまでの投入エネルギー積算値Einsum0は0より大きくてもよい。当該レーザチャンバ10が配置されるまでの投入エネルギー積算値Einsum0のデータは、レーザチャンバを識別するためのコードとともに記憶装置に記憶されていたデータでもよいし、ユーザが入力したデータでもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値EinsumをEinsum0にセットしてもよい(S42)。
次に、レーザ制御部30は、充電器12の充電電圧Vを読み込んでもよい(S43)。充電器12の充電電圧Vは、レーザ制御部30が設定する充電電圧であってもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S44)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、例えば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S44:NO)、上述のS43の処理に戻ってもよい。
レーザパルスが出力された場合(S44:YES)、レーザ制御部30は、パルスごとのエネルギーEinを計算してもよい(S45)。パルスごとのエネルギーEinは、以下の式により算出されてもよい。
Ein=CV/2
ここで、Vは、充電器12の充電電圧であってもよい。Cは、図57を参照しながら後述する主コンデンサC0の容量をCとし、パルスパワーモジュール13におけるエネルギーの転送効率をtとした場合に、C=t・Cで与えられる値であってもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumを以下の式により更新してもよい(S46)。
Einsum=Einsum+Ein
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumの値をガス制御部47に送信してもよい(S47)。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumにより、一対の電極11a及び11bの劣化度合いが判断されてもよい。
次に、レーザ制御部30は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumの計算を中止するか否かを判定してもよい(S48)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。例えば、レーザチャンバ10が寿命となって、レーザチャンバを交換する場合に、計算を中止してもよい。中止しない場合は、上述のS43の処理に戻ってもよい。
4.5.3 レーザ光のパルスエネルギー安定性算出
図9は、第1の実施形態においてレーザ光のパルスエネルギー安定性E%を算出するためのフローチャートである。図9に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。レーザ光のパルスエネルギー安定性E%は、光センサモジュール17から受信したパルスエネルギーEに基づいて算出されてもよい。図9に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、カウンターkを1にセットしてもよい(S50)。カウンターkは、自然数であってもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S51)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、例えば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S51:NO)、出力されるまでこの判定を繰り返してもよい。
レーザパルスが出力された場合(S51:YES)、レーザ制御部30は、光センサモジュール17から受信したパルスエネルギーEの値を読み込んでもよい(S52)。
次に、レーザ制御部30は、パルスエネルギーEの値をパルスエネルギーEとして記憶装置に記憶させてもよい(S53)。
次に、レーザ制御部30は、カウンターkの値が、一定のサンプル数nに達したか否かを判定してもよい(S54)。サンプル数nは、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%を算出するために用いられるパルスエネルギーEの値のサンプル数であってもよい。サンプル数nは、例えば、30以上、100以下であってもよい。
カウンターkの値が、一定値nに達していない場合(S54;NO)、レーザ制御部30は、カウンターkの値に1を加えて(S55)、上述のS51の処理に戻ってもよい。
カウンターkの値が、一定値nに達した場合(S54;YES)、レーザ制御部30は、S56の処理に進んでもよい。
S56において、レーザ制御部30は、サンプル数nとパルスエネルギーE(k=1,2,…,n)とから、パルスエネルギーの標準偏差σとパルスエネルギーの平均値Eavとを計算してもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%を以下の式によって算出してもよい(S57)。
E%=σ/Eav
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%の値をガス制御部47に送信してもよい(S58)。レーザ光のパルスエネルギー安定性E%により、一対の電極11a及び11bの劣化度合いが判断されてもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%の計算を中止するか否かを判定してもよい(S59)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。例えば、レーザチャンバ10が寿命となって、レーザチャンバを交換する場合に、計算を中止してもよい。中止しない場合は、上述のS50の処理に戻ってもよい。
4.5.4 レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度算出
図10は、第1の実施形態においてレーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%を算出するためのフローチャートである。図10に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%は、光センサモジュール17から受信したパルスエネルギーEに基づいて算出されてもよい。図10に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、変数Esum及び変数Etsumの値をいずれも初期値0に設定してもよい(S60)。
次に、レーザ制御部30は、カウンターkを1にセットしてもよい(S61)。カウンターkは、自然数であってもよい。
次に、レーザ制御部30は、目標パルスエネルギーEtの値を読み込んでもよい(S62)。
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S63)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、例えば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S63:NO)、上述のS62の処理に戻ってもよい。
レーザパルスが出力された場合(S63:YES)、レーザ制御部30は、光センサモジュール17から受信したパルスエネルギーEの値を読み込んでもよい(S64)。
次に、レーザ制御部30は、変数Esumの値及び変数Etsumの値を以下の式により更新してもよい(S65)。
Esum=Esum+E
Etsum=Etsum+Et
次に、レーザ制御部30は、カウンターkの値が、一定のサンプル数nに達したか否かを判定してもよい(S66)。サンプル数nは、例えば、30以上、100以下であってもよい。
カウンターkの値が、一定値nに達していない場合(S66;NO)、レーザ制御部30は、カウンターkの値に1を加えて(S67)、上述のS62の処理に戻ってもよい。
カウンターkの値が、一定値nに達した場合(S66;YES)、レーザ制御部30は、S68の処理に進んでもよい。
S68において、レーザ制御部30は、変数Esumの値及び変数Etsumの値から、レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%を以下の式によって算出してもよい。
D%=|Etsum−Esum|/Etsum
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%の値をガス制御部47に送信してもよい(S69)。レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%により、一対の電極11a及び11bの劣化度合いが判断されてもよい。
次に、レーザ制御部30は、レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%の計算を中止するか否かを判定してもよい(S70)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。例えば、レーザチャンバ10が寿命となって、レーザチャンバを交換する場合に、計算を中止してもよい。中止しない場合は、上述のS60の処理に戻ってもよい。
4.5.5 全ガス交換後のパルス数算出
図11は、第1の実施形態において全ガス交換後のパルス数Ngasを算出するためのフローチャートである。図11に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。全ガス交換後のパルス数Ngasは、当該レーザチャンバのレーザ発振を停止して全ガス交換を行ってからの、一対の電極間に供給されたパルス電圧のパルス数であってもよい。図11に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、全ガス交換が終了したことを示す終了信号を受信してもよい(S80)。終了信号は、ガス制御部47から受信してもよい。
次に、レーザ制御部30は、全ガス交換後のパルス数Ngasの値を0にセットしてもよい(S81)。
次に、レーザ制御部30は、レーザパルスが出力されたか否かを判定してもよい(S82)。レーザパルスは1パルスのレーザ光であってよい。レーザパルスが出力されたか否かは、例えば、光センサモジュール17からパルスエネルギーEのデータを受信したか否かによって判定されてもよい。レーザパルスが出力されない場合(S82:NO)、出力されるまでこの判定を繰り返してもよい。
レーザパルスが出力された場合(S82:YES)、レーザ制御部30は、全ガス交換後のパルス数Ngasに1を加えてもよい(S83)。
次に、レーザ制御部30は、全ガス交換後のパルス数Ngasの値をガス制御部47に送信してもよい(S84)。全ガス交換後のパルス数Ngasは、一対の電極11a及び11bの劣化度合いを必ずしも直接示すものではないが、図7を参照しながら説明した当該レーザチャンバの全パルス数Nchの代わりに、便宜的に用いられてもよい。
次に、レーザ制御部30は、ガス制御部47に全ガス交換を命令する信号を送信したか否かを判定してもよい(S85)。全ガス交換を命令する信号を送信していない場合には、上述のS82の処理に戻ってもよい。全ガス交換を命令する信号を送信した場合には、S86の処理に進んでもよい。
S86において、レーザ制御部30は、全ガス交換後のパルス数Ngasの計算を中止するか否かを判定してもよい(S86)。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。中止しない場合は、上述のS80の処理に戻ってもよい。
ここでは全ガス交換後のパルス数Ngasを算出する場合について説明したが、その代わりに、レーザチャンバ10内の一部のガスを交換した後のパルス数が算出されてもよい。
4.5.6 全ガス交換後の時間算出
図12は、第1の実施形態において全ガス交換後の時間Tgasを算出するためのフローチャートである。図12に示される処理は、図4に示されるガス制御とは独立に、レーザ制御部30(図2)によって行われてもよい。全ガス交換後の時間Tgasは、当該レーザチャンバのレーザ発振を停止して全ガス交換を行ってから経過した時間であってもよい。図12に示される処理は、図4に示されるガス制御とは別個に行われるものであるが、ガス制御の前提となり得るので以下に説明する。
まず、レーザ制御部30は、全ガス交換が終了したことを示す終了信号を受信してもよい(S90)。終了信号は、ガス制御部47から受信してもよい。
次に、レーザ制御部30は、全ガス交換後の時間Tgasの値を0にリセットし、時間の経過とともにTgasの値を更新する動作をスタートしてもよい(S91)。
次に、レーザ制御部30は、全ガス交換後の時間Tgasの値をガス制御部47に送信してもよい(S92)。全ガス交換後の時間Tgasは、一対の電極11a及び11bの劣化度合いを必ずしも直接示すものではないが、図7を参照しながら説明した当該レーザチャンバの全パルス数Nchの代わりに、便宜的に用いられてもよい。
次に、レーザ制御部30は、ガス制御部47に全ガス交換を命令する信号を送信したか否かを判定してもよい(S93)。全ガス交換を命令する信号を送信していない場合には、上述のS92の処理に戻ってもよい。全ガス交換を命令する信号を送信した場合には、S94の処理に進んでもよい。
S94において、レーザ制御部30は、全ガス交換後の時間Tgasの計算を中止するか否かを判定してもよい。中止する場合は、本フローチャートの処理を終了してもよい。中止しない場合は、上述のS90の処理に戻ってもよい。
ここでは全ガス交換後の時間Tgasを算出する場合について説明したが、その代わりに、レーザチャンバ10内の一部のガスを交換した後の時間が算出されてもよい。
4.6 ガス制御パラメータの読み込み(S200の詳細)
図13は、図4に示されるガス制御パラメータの読み込み処理の例を示すフローチャートである。図13に示される処理は、図4に示すS200のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。また、図13に示される処理の各ステップは、図示された順序通りに行われる必要はなく、異なる順序で行われてもよい。
ガス制御部47は、充電器12の充電電圧Vを読み込んでもよい(S201)。充電電圧Vは、レーザ制御部30から受信したものでもよい。
ガス制御部47は、デューティーDを読み込んでもよい(S202)。デューティーDは、図6に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを読み込んでもよい(S203)。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。
以下のS204〜S209は、電極の劣化パラメータを読み込む処理であってもよい。電極の劣化パラメータとして、以下のS204〜S209で挙げられるパラメータのうちの少なくとも1つが読み込まれてもよい。
ガス制御部47は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchを読み込んでもよい(S204)。当該レーザチャンバの全パルス数Nchは、図7に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
ガス制御部47は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumを読み込んでもよい(S205)。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumは、図8に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
ガス制御部47は、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%を読み込んでもよい(S206)。レーザ光のパルスエネルギー安定性E%は、図9に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
ガス制御部47は、レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%を読み込んでもよい(S207)。レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%は、図10に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
ガス制御部47は、全ガス交換後のパルス数Ngasを読み込んでもよい(S208)。全ガス交換後のパルス数Ngasは、図11に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
ガス制御部47は、全ガス交換後の時間Tgasを読み込んでもよい(S209)。全ガス交換後の時間Tgasは、図12に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
4.7 ガス制御間隔の算出(S300の詳細)
図14Aは、図4に示すガス制御間隔を算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図14Aに示される処理は、図4に示すS300のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
上述のように、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内のハロゲンガスが減少するため、所定時間が経過するごとに、ハロゲンガス補充制御を行ってもよい。また、レーザ光を長時間出力していると、次第にレーザチャンバ10内の不純物濃度が上昇するため、所定時間が経過するごとに、部分ガス交換制御を行ってもよい。
しかしながら、ハロゲンガスの減少や不純物濃度の上昇は、レーザ光の出力時間だけでなく、レーザ光の繰り返し周波数によっても影響を受け得る。すなわち、デューティーD(図6)によっても影響を受け得る。そこで、ガス制御部47は、以下の処理により、所定時間に対する補正演算を行ってもよい。
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0と、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0とを読み込んでもよい(S301)。
ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Thi0/D)によってハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiを算出してもよい(S302)。デューティーDはレーザ制御部30から送信された値であってもよい。
また、ガス制御部47は、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Tpi0/D)によって部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを算出してもよい(S303)。デューティーDはレーザ制御部30から送信された値であってもよい。
図14Bは、エキシマレーザ装置のデューティーDと図14Aにおいて算出されるガス制御間隔との関係を示すグラフである。図14Aにおいて算出されるハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、デューティーDが1であるとき(最大繰り返し周波数で発振しているとき)に最も短く、最小値Thi0となってもよい。デューティーDが1より小さい場合、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiは、基準値Thi0より大きい値となってもよい。
同様に、図14Aにおいて算出される部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、デューティーDが1であるとき(最大繰り返し周波数で発振しているとき)に最も短く、最小値Tpi0となってもよい。デューティーDが1より小さい場合、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiは、基準値Tpi0より大きい値となってもよい。
これにより、エキシマレーザ装置のデューティーに応じて、適切なタイミングでハロゲンガス補充制御及び部分ガス交換制御を行い得る。
なお、レーザ光を発振しなくても、ハロゲンガスの減少や不純物濃度の上昇があり得る。そこで、ガス制御間隔に上限値を設け、ガス制御間隔が上限値を超えることがないようにしてもよい。
4.8 ハロゲンガス分圧の算出(S400の詳細)
図15は、図4に示すハロゲンガス分圧Phを算出する処理の例を示すフローチャートである。図15に示される処理は、図4に示すS400のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
上述のように、レーザチャンバ10内のハロゲンガスの減少は、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーD(図6)によって影響を受け得る。そこで、ハロゲンガス補充制御において適切な量のハロゲンガスをレーザチャンバ10内に補充するため、あるいは部分ガス交換制御において適切なハロゲンガス濃度のレーザガスをレーザチャンバ10内に供給するため、以下のようにしてハロゲンガス分圧を算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のレーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧Ph0を読み込んでもよい(S401)。
次に、ガス制御部47は、前回ハロゲンガス補充制御した直後のハロゲンガス分圧Ph0と、一定時間における発振パルス数Np(図6)と、比例定数kと、に基づいて、(Ph0−k・Np)によってハロゲンガス分圧Phを算出してもよい(S402)。
また、レーザ光の繰り返し周波数あるいはデューティーDだけでなく、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiも考慮に入れて、ハロゲンガス分圧Phを算出してもよい。例えば、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiが大きいほど、ハロゲンガス分圧Phとして小さい値が算出されるようにしてもよい。
また、充電器12の充電電圧Vも考慮に入れて、ハロゲンガス分圧Phを算出してもよい。例えば、充電電圧Vが大きいほど、ハロゲンガス分圧Phとして小さい値が算出されるようにしてもよい。
4.9 ガス交換量の算出(S500の詳細)
4.9.1 ガス交換割合と電極の劣化パラメータとの関係
図16Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図16Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、圧力センサ16から受信したレーザチャンバ10内のガス圧Pを読み込んでもよい(S501)。
次に、ガス制御部47は、電極の劣化パラメータAを閾値Athと比較してもよい(S502)。電極の劣化パラメータAは、図13のS204〜S209のいずれかによって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Athのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
S502において、電極の劣化パラメータAが閾値Ath以下である場合(A≦Ath)、ガス制御部47は、ガス交換割合を第1の値X1に設定してもよい(S503)。ガス交換割合が第1の値X1に設定されたら、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S504)。
Q=a・P・X1
ここで、aは比例定数であり、レーザチャンバ内の体積に比例する値であってもよい。
S502において、電極の劣化パラメータAが閾値Athを超えている場合(A>Ath)、ガス制御部47は、ガス交換割合を第2の値X2に設定してもよい(S505)。第2の値X2は、第1の値X1より大きい値であってもよい。ガス交換割合が第2の値X2に設定されたら、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S506)。
Q=a・P・X2
図16Bは、電極の劣化パラメータAと図16Aにおいて設定されるガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。上述のように、レーザガスの不純物濃度が上昇すると、レーザ光を吸収したり放電が悪化したりすること等によって、投入エネルギーに対して出力されるレーザ光のパルスエネルギーの割合(レーザ光の発光効率)が低下し得る。さらに、一対の電極11a及び11bが古くなり劣化の度合いが進んでいる場合でも、レーザ光の発光効率は低下し得る。
そこで、図16Bに示されるように、電極の劣化パラメータAの値に応じて、ガス交換割合Xを変化させてもよい。これにより、電極の劣化度合いが低いうちは、レーザガスの不純物濃度が若干高くても、レーザ光の発光効率の低下が抑制され得る。その結果、ガス交換割合Xを小さくし得るので、レーザガスの消費を低減し得る。電極の劣化度合いが高くなったら、ガス交換割合Xを大きくして、レーザガスの不純物濃度が低くなるように制御することによって、レーザ光の発光効率の低下が抑制され得る。
ここでは、電極の劣化パラメータAが1つの閾値Athと比較され、ガス交換割合XがX1とX2の2段階に制御される場合について説明したが、電極の劣化パラメータAの閾値は2つ以上でもよく、ガス交換割合Xは3段階以上に制御されてもよい。さらに、図1を参照しながら説明したように、電極劣化パラメータAの値に応じて、ガス交換割合を連続的に変化させてもよい。
4.9.2 ガス交換割合とガス圧との関係
図17Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図17Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、圧力センサ16から受信したレーザチャンバ10内のガス圧Pを読み込んでもよい(S511)。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pと、第1の閾値Pminとを比較してもよい(S512)。第1の閾値Pminのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
ガス圧Pが第1の閾値Pminより小さい場合(P<Pmin)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最小値Qminに設定してもよい(S513)。
ガス圧Pが第1の閾値Pmin以上である場合(P≧Pmin)、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pと、第2の閾値Pmaxとを比較してもよい(S514)。第2の閾値Pmaxは、第1の閾値Pminより大きい値でもよく、第2の閾値Pmaxのデータはあらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
ガス圧Pが第2の閾値Pmax以下である場合(P≦Pmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間でガス圧Pに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、f(P)で表わされる値としてもよい(S515)。
ガス圧Pが第2の閾値Pmaxよりさらに大きい場合(P>Pmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S516)。
図17Bは、レーザチャンバ内のガス圧Pと図17Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。図17Cは、レーザチャンバ内のガス圧Pが第1の閾値Pminから第2の閾値Pmaxまでの間である場合の、ガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。レーザチャンバ10内のガス圧Pが高くなるのは、上述のように、充電器12の充電電圧Vが高いために、ガス圧制御(S600)によってガス圧を上げた場合であり得る。すなわち、レーザチャンバ10内のガス圧Pが高くなるのは、レーザチャンバ10内の不純物が増えたり、電極が劣化したりしてレーザ光の発光効率が低下した場合であり得る。
そこで、レーザチャンバ10内のガス圧Pが高い場合にはガス交換量Qを大きくすることにより、レーザチャンバ10内の不純物を低減し、レーザ光の発光効率を回復させ得る。逆に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが低い場合にはガス交換量Qを小さくし得る。ここで、図17Cに示されるように、ガス圧Pが高い場合には、ガス圧Pが低い場合よりも、ガス交換割合Xを大きくしてもよい。すなわち、ガス圧Pが低い場合のガス交換割合Xを小さくすることにより、ガスの消費量を低減し得る。従って、図17Bに示されるように、Q=f(P)は単調増加であって、下に凸な関数であってもよい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
図18Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第3の例を示すフローチャートである。図18Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、圧力センサ16から受信したレーザチャンバ10内のガス圧Pを読み込んでもよい(S521)。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pと、第1の閾値Pminとを比較してもよい(S522)。第1の閾値Pminのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
ガス圧Pが第1の閾値Pminより小さい場合(P<Pmin)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最小値Qminに設定してもよい(S523)。
ガス圧Pが第1の閾値Pmin以上である場合(P≧Pmin)、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pと、第3の閾値Pthとを比較してもよい(S524)。第3の閾値Pthは、第1の閾値Pminより大きい値でもよく、第3の閾値Pthのデータはあらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
ガス圧Pが第3の閾値Pth以下である場合(P≦Pth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、以下の一次関数から得られる値に設定してもよい(S525)。
Q=(a/2)・P+c
ここで、a及びcは、それぞれ定数でよい。この関数は(Pmin,Qmin)を通過する関数であってもよい。
ガス圧Pが第3の閾値Pthより大きい場合(P>Pth)、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pと、第2の閾値Pmaxとを比較してもよい(S526)。第2の閾値Pmaxは、第3の閾値Pthより大きい値でもよく、第2の閾値Pmaxのデータはあらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
ガス圧Pが第2の閾値Pmax以下である場合(P≦Pmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、以下の一次関数から得られる値に設定してもよい(S527)。
Q=a・P+b
ここで、bは定数でよい。この関数は(Pmax,Qmax)を通過する関数であってもよい。
ガス圧Pが第2の閾値Pmaxよりさらに大きい場合(P>Pmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S528)。
図18Bは、レーザチャンバ内のガス圧Pと図18Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。図18Cは、レーザチャンバ内のガス圧Pが第1の閾値Pminから第2の閾値Pmaxまでの間である場合の、ガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。図17Bを参照しながら説明したのと同様に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが高い場合にはガス交換量Qを大きくすることにより、レーザチャンバ10内の不純物を低減し、レーザ光の発光効率を回復させ得る。逆に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが低い場合にはガス交換量Qを小さくし得る。ここで、図18Cに示されるように、ガス圧Pが高い場合には、ガス圧Pが低い場合よりも、ガス交換割合Xを大きくしてもよい。すなわち、ガス圧Pが低い場合のガス交換割合Xを小さくすることにより、ガスの消費量を低減し得る。従って、図18Bに示されるように、ガス圧Pが第3の閾値Pthより大きい場合には、ガス圧Pが第3の閾値Pth以下である場合に比べて、ガス交換量Qが大幅に大きい値となってもよい。
4.9.3 寿命の延長処理
図19Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第4の例を示すフローチャートである。図19Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
図19AのS511a〜S515aの処理は、図17Aを参照しながら説明したS511〜S515の処理と同様でよい。
S514aにおいて、ガス圧Pが第2の閾値Pmaxより大きい場合(P>Pmax)、ガス制御部47は、寿命到来信号を出力してもよい(S516a)。寿命到来信号は、図示しないスピーカーを介して警報音を出力するための制御信号でもよいし、図示しない表示装置を介して警告表示を出力するための制御信号でもよい。
ガス制御部47は、延命信号を受信したか否かを判定してもよい(S517a)。延命信号は、図示しない入力装置を介してユーザが入力する信号でもよい。ガス制御部47は、延命信号を受信しなかった場合、チャンバ交換要求信号を出力してもよい(S519a)。チャンバ交換要求信号は、図示しないスピーカーを介して警報音を出力するための制御信号でもよいし、図示しない表示装置を介して警告表示を出力するための制御信号でもよい。S519aの後、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S520a)。
S517aにおいて、ガス制御部47が延命信号を受信した場合、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxよりもさらに増加させる処理を行ってもよい(S518a)。S518aの処理の詳細については、図19C及び図19Dを参照しながら後述する。
図19Bは、レーザチャンバ内のガス圧Pと図19Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。このグラフは、レーザチャンバ内のガス圧Pが第1の閾値Pminから第2の閾値Pmaxまでの間である場合には図17Bを参照しながら説明したグラフと同様でよい。図19Bにおいては、レーザチャンバ内のガス圧Pが閾値Pmaxを超えて、延命信号を受信した場合に、ガス交換量QをQmaxより大きい値としてもよい。
図19Cは、図19Aに示すガス交換量Qを最大値Qmaxよりもさらに増加させる処理の第1の例を示すフローチャートである。図19Cに示される処理は、図19Aに示すS518aのサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。レーザチャンバ内のガス圧Pが閾値Pmaxを超えて、延命信号を受信した場合に、以下のようにしてガス交換量QをQmaxより大きい値としてもよい。
ガス制御部47は、ガス交換量Qを、Qmaxより大きい一定値Qmax2に設定してもよい(S580a)。S580aの後、ガス制御部47は、本フローチャートの処理を終了してもよい。
図19Dは、図19Aに示すガス交換量Qを最大値Qmaxよりもさらに増加させる処理の第2の例を示すフローチャートである。図19Dに示される処理は、図19Aに示すS518aのサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。レーザチャンバ内のガス圧Pが閾値Pmaxを超えて、延命信号を受信した場合に、以下のようにしてガス交換量QをQmaxより大きい値としてもよい。
まず、ガス制御部47は、充電器12の充電電圧Vを読み込んでもよい(S581a)。
次に、ガス制御部47は、充電電圧Vと、第1の閾値V1とを比較してもよい(S582a)。第1の閾値V1のデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
充電電圧Vが第1の閾値V1以下である場合(V≦V1)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、Qmaxの1.5倍の値に設定してもよい(S583a)。
充電電圧Vが第1の閾値V1より大きい場合(V>V1)、ガス制御部47は、充電電圧Vと、第2の閾値V2とを比較してもよい(S584a)。第2の閾値V2は、第1の閾値V1より大きい値でもよく、第2の閾値V2のデータはあらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
充電電圧Vが第2の閾値V2以下である場合(V≦V2)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、Qmaxの2倍の値に設定してもよい(S585a)。
充電電圧Vが第2の閾値V2より大きい場合(V>V2)、ガス制御部47は、充電電圧Vと、第3の閾値V3とを比較してもよい(S586a)。第3の閾値V3は、第2の閾値V2より大きい値でもよく、第3の閾値V3のデータはあらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
充電電圧Vが第3の閾値V3以下である場合(V≦V3)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、Qmaxの3倍の値に設定してもよい(S587a)。
充電電圧Vが第3の閾値V3より大きい場合(V>V3)、ガス制御部47は、部分ガス交換のガス交換量Qの算出を終了し、全ガス交換を行うこととしてもよい(S588a)。
図20Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第5の例を示すフローチャートである。図20Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
図20AのS511b〜S520bの処理は、図19Aを参照しながら説明したS511a〜S520aの処理と同様でよい。但し、図20AのS513b、S515b、S518b、S520bにおいては、ガス交換量Qではなくガス交換割合Xが設定されてもよい。
S513bにおいては、ガス交換割合Xを最小値Xminに設定してもよい。S515bにおいては、ガス交換割合Xを、最小値Xminと最大値Xmaxとの間でガス圧Pに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換割合Xは、g(P)で表わされる値としてもよい。
S520bにおいては、ガス交換割合Xを最大値Xmaxに設定してもよい。S518bにおいては、ガス交換割合Xを最大値Xmaxよりもさらに増加させる処理を行ってもよい。S518bの処理の詳細については、図20B及び図20Cを参照しながら後述する。
S513b、S515b、S518b、S520bにおいてガス交換割合Xを設定した後、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S520c)。
Q=a・P・X
ここで、aは比例定数であり、レーザチャンバ内の体積に比例する値であってもよい。
図20Bは、図20Aに示すガス交換割合Xを最大値Xmaxよりもさらに増加させる処理の第1の例を示すフローチャートである。図20Bに示される処理は、図20Aに示すS518bのサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。レーザチャンバ内のガス圧Pが閾値Pmaxを超えて、延命信号を受信した場合に、以下のようにしてガス交換割合XをXmaxより大きい値としてもよい。
ガス制御部47は、ガス交換割合Xを、Xmaxより大きい一定値Xmax2に設定してもよい(S580b)。S580bの後、ガス制御部47は、本フローチャートの処理を終了してもよい。
図20Cは、図20Aに示すガス交換割合Xを最大値Xmaxよりもさらに増加させる処理の第2の例を示すフローチャートである。図20Cに示される処理は、図20Aに示すS518bのサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。レーザチャンバ内のガス圧Pが閾値Pmaxを超えて、延命信号を受信した場合に、以下のようにしてガス交換割合XをXmaxより大きい値としてもよい。
図20CのS581b〜S588bの処理は、図19Dを参照しながら説明したS581a〜S588aの処理と同様でよい。但し、図20CのS583b、S585b、S587bにおいては、ガス交換量Qではなくガス交換割合Xが設定されてもよい。
S583bにおいては、ガス交換割合Xを、Xmaxの1.5倍の値に設定してもよい。
S585bにおいては、ガス交換割合Xを、Xmaxの2倍の値に設定してもよい。
S587bにおいては、ガス交換割合Xを、Xmaxの3倍の値に設定してもよい。
4.9.4 ガス交換割合とパルスエネルギー安定性との関係
図21は、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第6の例を示すフローチャートである。図21に示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを初期値に設定するか否かを判定してもよい(S530a)。このフローチャートの処理を初めて実行する場合には、ガス交換割合Xを初期値に設定すると判定し、処理をS535aに進めてもよい。S535aにおいて、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを初期値Xminに設定してもよい。このフローチャートの処理を実行するのが初めてではない場合には、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを改めて初期値に設定せず、処理をS531aに進めてもよい。S531aにおいて、ガス制御部47は、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%を閾値E%0と比較してもよい。レーザ光のパルスエネルギー安定性E%は、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値E%0のデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
レーザ光のパルスエネルギー安定性E%が閾値E%0より大きい場合(E%>E%0)、ガス制御部47は、現在のガス交換割合Xに一定値ΔXを加算することにより、現在のガス交換割合Xより大きい値に設定してもよい(S532a)。その後、ガス制御部47は、S533aの処理に進んでもよい。
レーザ光のパルスエネルギー安定性E%が閾値E%0以下である場合(E%≦E%0)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを変更せずに、S533aの処理に進んでもよい。
S533aにおいて、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを閾値Xmaxと比較してもよい。
ガス交換割合Xが閾値Xmax以上である場合(X≧Xmax)、ガス制御部47は、ガス交換割合XをXmaxに設定し直してもよい(S534a)。
ガス交換割合Xが閾値Xmaxより小さい場合(X<Xmax)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを設定し直さなくてもよい。
以上のようにしてガス交換割合Xを設定した後、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S536a)。
Q=a・P・X
ここで、aは比例定数であり、レーザチャンバ内の体積に比例する値であってもよい。
4.9.5 ガス交換量とパルスエネルギーの目標値に対する一致度との関係
図22は、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第7の例を示すフローチャートである。図22に示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを初期値に設定するか否かを判定してもよい(S540a)。このフローチャートの処理を初めて実行する場合には、ガス交換割合Xを初期値に設定すると判定し、処理をS545aに進めてもよい。S545aにおいて、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを初期値Xminに設定してもよい。このフローチャートの処理を実行するのが初めてではない場合には、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを改めて初期値に設定せず、処理をS541aに進めてもよい。S541aにおいて、ガス制御部47は、レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%を、閾値D%0と比較してもよい。レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%は、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値D%0のデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%が閾値D%0より大きい場合(D%>D%0)、ガス制御部47は、現在のガス交換割合Xに一定値ΔXを加算することにより、現在のガス交換割合Xより大きい値に設定してもよい(S542a)。その後、ガス制御部47は、S543aの処理に進んでもよい。
レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%が閾値D%0以下である場合(D%≦D%0)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを変更せずに、S543aの処理に進んでもよい。
S543aにおいて、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを閾値Xmaxと比較してもよい。
ガス交換割合Xが閾値Xmax以上である場合(X≧Xmax)、ガス制御部47は、ガス交換割合XをXmaxに設定し直してもよい(S544a)。
ガス交換割合Xが閾値Xmaxより小さい場合(X<Xmax)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを設定し直さなくてもよい。
以上のようにしてガス交換割合Xを設定した後、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S546a)。
Q=a・P・X
ここで、aは比例定数であり、レーザチャンバ内の体積に比例する値であってもよい。
4.9.6 ガス交換量と当該レーザチャンバの全パルス数との関係
図23Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第8の例を示すフローチャートである。図23Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchを、閾値Nchthと比較してもよい(S551a)。当該レーザチャンバの全パルス数Nchは、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Nchthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
当該レーザチャンバの全パルス数Nchが閾値Nchth以下である場合(Nch≦Nchth)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを、最小値Xminと最大値Xmaxとの間でNchに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換割合Xは、g(Nch)で表わされる値としてもよい(S552a)。
当該レーザチャンバの全パルス数Nchが閾値Nchthより大きい場合(Nch>Nchth)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを最大値Xmaxに設定してもよい(S553a)。
以上のようにしてガス交換割合Xを設定した後、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S554a)。
Q=a・P・X
ここで、aは比例定数であり、レーザチャンバ内の体積に比例する値であってもよい。
図23Bは、当該レーザチャンバの全パルス数Nchと図23Aにおいて算出されるガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。当該レーザチャンバの全パルス数Nchが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが大きい場合には、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが小さい場合よりも、ガス交換割合を大きくすることが望ましい。特に、図23Bに示されるように、X=g(Nch)は単調増加する関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
ここでは、当該レーザチャンバの全パルス数Nchに基づいてガス交換割合Xを算出する場合について説明したが、当該レーザチャンバの全パルス数Nchの代わりに、全ガス交換後のパルス数Ngasが用いられてもよい。また、当該レーザチャンバの全パルス数Nchの代わりに、全ガス交換後の時間Tgasが用いられてもよい。
4.9.7 ガス交換量と当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値との関係
図24Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第9の例を示すフローチャートである。図24Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumを、閾値Einsumthと比較してもよい(S561a)。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumは、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Einsumthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが閾値Einsumth以下である場合(Einsum≦Einsumth)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを、最小値Xminと最大値Xmaxとの間でEinsumに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換割合Xは、g(Einsum)で表わされる値としてもよい(S562a)。
当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが閾値Einsumthより大きい場合(Einsum>Einsumth)、ガス制御部47は、ガス交換割合Xを最大値Xmaxに設定してもよい(S563a)。
以上のようにしてガス交換割合Xを設定した後、ガス制御部47は、ガス交換量Qを以下の式により算出してもよい(S564a)。
Q=a・P・X
ここで、aは比例定数であり、レーザチャンバ内の体積に比例する値であってもよい。
図24Bは、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumと図24Aにおいて算出されるガス交換割合Xとの関係を示すグラフである。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが大きい場合には、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが小さい場合よりも、ガス交換割合を大きくすることが望ましい。特に、図24Bに示されるように、X=g(Einsum)は単調増加する関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
4.9.8 ガス交換量とパルスエネルギー安定性との関係
図25は、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第10の例を示すフローチャートである。図25に示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、ガス交換量Qを初期値に設定するか否かを判定してもよい(S530)。このフローチャートの処理を初めて実行する場合には、ガス交換量Qを初期値に設定すると判定し、処理をS535に進めてもよい。S535において、ガス制御部47は、ガス交換量Qを初期値Qminに設定してもよい。このフローチャートの処理を実行するのが初めてではない場合には、ガス制御部47は、ガス交換量Qを改めて初期値に設定せず、処理をS531に進めてもよい。S531において、ガス制御部47は、レーザ光のパルスエネルギー安定性E%を閾値E%0と比較してもよい。レーザ光のパルスエネルギー安定性E%は、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値E%0のデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
レーザ光のパルスエネルギー安定性E%が閾値E%0より大きい場合(E%>E%0)、ガス制御部47は、現在のガス交換量Qに一定値ΔQを加算することにより、現在のガス交換量Qより大きい値に設定してもよい(S532)。その後、ガス制御部47は、S533の処理に進んでもよい。
レーザ光のパルスエネルギー安定性E%が閾値E%0以下である場合(E%≦E%0)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを変更せずに、S533の処理に進んでもよい。
S533において、ガス制御部47は、ガス交換量Qを閾値Qmaxと比較してもよい。
ガス交換量Qが閾値Qmax以上である場合(Q≧Qmax)、ガス制御部47は、ガス交換量QをQmaxに設定し直して(S534)、本フローチャートの処理を終了してもよい。
ガス交換量Qが閾値Qmaxより小さい場合(Q<Qmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを設定し直さずに、本フローチャートの処理を終了してもよい。
4.9.9 ガス交換量とパルスエネルギーの目標値に対する一致度との関係
図26は、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第11の例を示すフローチャートである。図26に示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、ガス交換量Qを初期値に設定するか否かを判定してもよい(S540)。このフローチャートの処理を初めて実行する場合には、ガス交換量Qを初期値に設定すると判定し、処理をS545に進めてもよい。S545において、ガス制御部47は、ガス交換量Qを初期値Qminに設定してもよい。このフローチャートの処理を実行するのが初めてではない場合には、ガス制御部47は、ガス交換量Qを改めて初期値に設定せず、処理をS541に進めてもよい。S541において、ガス制御部47は、レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%を、閾値D%0と比較してもよい。レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%は、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値D%0のデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%が閾値D%0より大きい場合(D%>D%0)、ガス制御部47は、現在のガス交換量Qに一定値ΔQを加算することにより、現在のガス交換量Qより大きい値に設定してもよい(S542)。その後、ガス制御部47は、S543の処理に進んでもよい。
レーザ光のパルスエネルギーの目標値との一致度D%が閾値D%0以下である場合(D%≦D%0)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを変更せずに、S543の処理に進んでもよい。
S543において、ガス制御部47は、ガス交換量Qを閾値Qmaxと比較してもよい。
ガス交換量Qが閾値Qmax以上である場合(Q≧Qmax)、ガス制御部47は、ガス交換量QをQmaxに設定し直して(S544)、本フローチャートの処理を終了してもよい。
ガス交換量Qが閾値Qmaxより小さい場合(Q<Qmax)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを設定し直さずに、本フローチャートの処理を終了してもよい。
4.9.10 ガス交換量と当該レーザチャンバの全パルス数との関係
図27Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第12の例を示すフローチャートである。図27Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchを、閾値Nchthと比較してもよい(S551)。当該レーザチャンバの全パルス数Nchは、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Nchthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
当該レーザチャンバの全パルス数Nchが閾値Nchth以下である場合(Nch≦Nchth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間でNchに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、f(Nch)で表わされる値としてもよい(S552)。
当該レーザチャンバの全パルス数Nchが閾値Nchthより大きい場合(Nch>Nchth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S553)。
図27Bは、当該レーザチャンバの全パルス数Nchと図27Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。当該レーザチャンバの全パルス数Nchが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが大きい場合には、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが小さい場合よりも、ガス交換割合またはガス交換量を大きくすることが望ましい。特に、図27Bに示されるように、Q=f(Nch)は単調増加であって、下に凸な関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
ここでは、当該レーザチャンバの全パルス数Nchに基づいてガス交換量Qを算出する場合について説明したが、当該レーザチャンバの全パルス数Nchの代わりに、全ガス交換後のパルス数Ngasが用いられてもよい。また、当該レーザチャンバの全パルス数Nchの代わりに、全ガス交換後の時間Tgasが用いられてもよい。
4.9.11 ガス交換量と当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値との関係
図28Aは、図4に示すガス交換量Qを算出する処理の第13の例を示すフローチャートである。図28Aに示される処理は、図4に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumを、閾値Einsumthと比較してもよい(S561)。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumは、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Einsumthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが閾値Einsumth以下である場合(Einsum≦Einsumth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間でEinsumに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、f(Einsum)で表わされる値としてもよい(S562)。
当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが閾値Einsumthより大きい場合(Einsum>Einsumth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S563)。
図28Bは、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumと図28Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが大きい場合には、当該レーザチャンバの投入エネルギー積算値Einsumが小さい場合よりも、ガス交換割合またはガス交換量を大きくすることが望ましい。特に、図28Bに示されるように、Q=f(Einsum)は単調増加であって、下に凸な関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
4.10 ガス制御間隔と電極の劣化パラメータとの関係(S300の詳細)
図29Aは、図4に示すガス制御間隔を算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図29Aに示される処理は、図4に示すS300のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
図29Aに示される処理は、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0を算出する点(S330)において、図14Aを参照しながら説明した処理と異なり得る。他の点については、図14Aを参照しながら説明した処理と同様でよい。
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0を読み込んでもよい(S310)。
次に、ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Thi0/D)によってハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiを算出してもよい(S320)。
次に、ガス制御部47は、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0を算出してもよい(S330)。この処理の詳細については図29Bを参照しながら後述する。
次に、ガス制御部47は、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Tpi0/D)によって部分ガス交換制御の時間間隔Tpiを算出してもよい(S340)。
図29Bは、図29Aに示される部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0を算出する処理を示すフローチャートである。図29Bに示される処理は、図29Aに示すS330のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
まず、ガス制御部47は、当該レーザチャンバの全パルス数Nchを、閾値Nchthと比較してもよい(S331)。当該レーザチャンバの全パルス数Nchは、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Nchthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
当該レーザチャンバの全パルス数Nchが閾値Nchth以下である場合(Nch≦Nchth)、ガス制御部47は、基準値Tpi0を、最小値Tminと最大値Tmaxとの間でNchに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、基準値Tpi0は、1/f(Nch)で表わされる値としてもよい(S332)。すなわち、1/Tpi0=f(Nch)であってもよい。
当該レーザチャンバの全パルス数Nchが閾値Nchthより大きい場合(Nch>Nchth)、ガス制御部47は、基準値Tpi0を最小値Tminに設定してもよい(S333)。
図29Cは、当該レーザチャンバの全パルス数Nchと図29Bにおいて算出される基準値Tpi0との関係を示すグラフである。当該レーザチャンバの全パルス数Nchが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが大きい場合には、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが小さい場合よりも、部分ガス交換制御のための時間間隔の基準値Tpi0を小さくし、部分ガス交換制御の頻度を高くすることが望ましい。特に、図29Cに示されるように、1/Tpi0=f(Nch)は単調増加であって、下に凸な関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
図29Bに示される処理において、電極の劣化パラメータとして、当該レーザチャンバの全パルス数Nchが用いられる場合について説明したが、図13のS205〜S209のいずれかによって読み込まれたパラメータが用いられてもよい。
4.11 ガス圧制御(S600の詳細)
図30は、図4に示すガス圧制御のフローチャートである。図30に示される処理は、図4に示すS600のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
まず、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S601)。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。
次に、ガス制御部47は、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHより大きいか否かを判定してもよい(S602)。電圧Vが第1の閾値VHより大きい場合(S602:YES)、ガス制御部47は、S603〜S607において第2レーザガスをレーザチャンバ10に供給する制御を行ってもよい。電圧Vが第1の閾値VHより大きくない場合(S602:NO)、S608に移行してもよい。
電圧Vが第1の閾値VHより大きい場合(S602:YES)、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinにガス圧増減幅ΔPを加算した値(Pin+ΔP)を、第1の目標ガス圧Pt1として設定してもよい(S603)。
次に、ガス制御部47は、第2レーザガス注入バルブB−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S604)。第2レーザガスの流量は、マスフローコントローラB−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第2レーザガスとしては、アルゴン及びネオンの混合ガスが用いられてもよい。ハロゲンガスを含まない第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給することにより、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧の変動を抑制し得る。すなわち、レーザチャンバ10内のガス圧Pを上昇させる以外は、レーザ光の発振条件の変動を抑制し得るので、エキシマレーザ装置の性能の安定性を確保し得る。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S605)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達したか否かを判定してもよい(S606)。ガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達していない場合(Pt1>P)、第2レーザガス注入バルブB−Vを開いたまま、上述のS605に戻り、第1の目標ガス圧Pt1に達するまで待ってもよい。ガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達した場合(Pt1≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vを閉じてもよい(S607)。
一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHより大きくない場合(S602:NO)、ガス制御部47は、電圧Vが第2の閾値VLより小さいか否かを判定してもよい(S608)。ここで、メインフローのS590及び本サブルーチンのS602による判定結果から、S608に処理が移行した時点で、既にV<VLを満たしていてもよい。その場合、S608は結果をYESとして判定は省略してもよい。電圧Vが第2の閾値VLより小さい場合(S608:YES)、ガス制御部47は、S609〜S620においてレーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい。電圧Vが第2の閾値VLより小さくない場合(S608:NO)、S609〜S620の制御を行わなくてもよい。つまり、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内にある場合には、ガス圧制御は開始されなくともよい。
電圧Vが第2の閾値VLより小さい場合(S608:YES)、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinからガス圧増減幅ΔPを減算した値(Pin−ΔP)を、第2の目標ガス圧Pt2として設定してもよい(S609)。このとき同時にガス制御部47は、排気ポンプ46を起動して、コントロールバルブC−Vを開いてもよい。
次に、ガス制御部47は、排気バルブEX−Vを所定時間開いて閉じることにより、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい(S610)。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S611)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達したか否かを判定してもよい(S612)。ガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達していない場合(Pt2<P)、上述のS610に戻り、第2の目標ガス圧Pt2に達するまで、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を繰り返してもよい。ガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達した場合(Pt2≧P)、ガス制御部47は、ガスの排気によるハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出してもよい(S620)。このとき同時にガス制御部47は、コントロールバルブC−Vを閉じて、排気ポンプ46を停止してもよい。
図31は、図30に示すハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出する処理のフローチャートである。図30のS609〜S612の制御によってガス圧を低下させると、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧が減少し得る。そこで、ガス制御部47は、以下の処理により、ハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、上述のS400(図4)において算出したハロゲンガス分圧Phを読み込み、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S621)。
次に、ガス制御部47は、ガス圧制御によるガス圧増減幅ΔPと、制御前のハロゲンガス分圧Phinと、制御前のガス圧Pinとを用いて、(ΔP・Phin/Pin)により、ハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを算出してもよい(S622)。
なお、図31に示す処理S620を終了した後、図4のS200に戻り、S400においてハロゲンガス分圧Phが再計算されてもよい。そのとき、図31において算出したハロゲンガス分圧の減少量ΔPhexを差し引いて、ハロゲンガス分圧Phが再計算されてもよい。そのようにして求めたハロゲンガス分圧Phを用いて、ハロゲンガス補充制御(S700)を行ってもよい。
図32Aは、図30に示す第2レーザガス注入バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。
一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内にある場合には、ガス圧制御は開始されないが、図32Aに示されるように、電圧Vが第1の閾値VHを超えると、ガス圧制御が開始され得る。電圧Vが第1の閾値VHを超えた場合、ガス圧制御によって、第2レーザガス注入バルブB−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから次第に上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが上昇すると、エキシマレーザ装置の出力が上昇しようとするので、エキシマレーザ装置の出力を一定化するために、図5に示す処理によって電圧Vが低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第1の目標ガス圧Pt1に達すると、第2レーザガス注入バルブB−Vが閉じられるので、ガス圧Pの上昇が止まり、これに伴って電圧Vの低下も止まり得る。
このようにして、レーザチャンバ10内のガス圧Pを上昇させることにより、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vの過度の上昇を抑制し得る。
図32Bは、図30に示す排気バルブの開閉に伴うレーザチャンバ内のガス圧及び電極間の印加電圧の変化を示すグラフである。
一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vが、第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲内にある場合には、ガス圧制御は開始されないが、図32Bに示されるように、電圧Vが第2の閾値VL未満になると、ガス圧制御が開始され得る。電圧Vが第2の閾値VL未満になった場合、ガス圧制御によって、排気バルブEX−Vが所定時間開かれて閉じられ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが低下すると、エキシマレーザ装置の出力が低下しようとするので、エキシマレーザ装置の出力を一定化するために、図5に示す処理によって電圧Vが上昇し得る。
レーザチャンバ10内のガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達するまで、排気バルブEX−Vの開閉動作が繰り返され、その度に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが僅かに低下し、電圧Vが僅かに上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第2の目標ガス圧Pt2に達すると、排気バルブEX−Vの開閉動作が終了するため、ガス圧Pの低下が止まり、これに伴って電圧Vの上昇も止まり得る。
このようにして、レーザチャンバ10内のガス圧Pを低下させることにより、一対の電極11a及び11b間に供給される電圧Vの過度の低下を抑制し得る。
4.12 ハロゲンガス補充制御(S700の詳細)
図33は、図4に示すハロゲンガス補充制御のフローチャートである。図33に示される処理は、図4に示すS700のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス分圧Phと、ガス圧Pと、目標ハロゲンガス分圧Phtと、を読み込んでもよい(S701)。ハロゲンガス分圧Phは、上述のS400(図4)において算出したものでもよい。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。目標ハロゲンガス分圧Phtは、エキシマレーザ装置の運転条件に応じて設定された値でもよい。
次に、ガス制御部47は、ガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S702)。次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を目標ハロゲンガス分圧Phtに制御するための第1レーザガスの注入量ΔPf2を算出してもよい(S710)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinに第1レーザガスの注入量ΔPf2を加算した値(Pin+ΔPf2)を、第1レーザガス注入後(排気前)の目標ガス圧Pxとして設定してもよい(S720)。次に、ガス制御部47は、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S721)。第1レーザガスの流量が、マスフローコントローラF2−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第1レーザガスとしては、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスが用いられてもよい。フッ素ガスを含む第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給することにより、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を上昇させることができる。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S722)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが第1レーザガス注入後の目標ガス圧Pxに達したか否かを判定してもよい(S723)。ガス圧Pが目標ガス圧Pxに達していない場合(Px>P)、第1レーザガス注入バルブF2−Vを開いたまま、上述のS722に戻り、目標ガス圧Pxに達するまで待ってもよい。ガス圧Pが目標ガス圧Pxに達した場合(Px≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vを閉じてもよい(S724)。この後、ガス制御部47は、排気ポンプ46を起動して、コントロールバルブC−Vを開いてもよい。このとき、排気バルブEX−Vは閉じていてよい。
次に、ガス制御部47は、排気バルブEX−Vを所定時間開いて閉じることにより、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい(S725)。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S726)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻ったか否かを判定してもよい(S727)。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻っていない場合(Pin<P)、上述のS725に戻り、制御前のガス圧Pinに戻るまで、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を繰り返してもよい。この間、排気ポンプ46は起動状態、コントロールバルブC−Vは開いた状態であってよい。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinに戻った場合(Pin≧P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−Vを閉じて、排気ポンプ46を停止してもよい。そして、本フローチャートの処理を終了してもよい。
図34は、図33のS710に示す第1レーザガスの注入量ΔPf2を算出する処理のフローチャートである。ガス制御部47は、以下の処理により、第1レーザガスの注入量ΔPf2を算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、上述のS400(図4)において算出したハロゲンガス分圧Phを、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S711)。
次に、ガス制御部47は、第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度(体積比)C0を読み込んでもよい(S712)。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度は、第1容器F2におけるハロゲンガス濃度(体積比)であってよい。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度のデータは、あらかじめガス制御部47に入力され、ガス制御部47によって参照可能に保持されていてもよい。
第1レーザガスをレーザチャンバ10内に注入(注入量ΔPf2)する場合のハロゲンガス分圧の増加量ΔPhは、下式で表わされ得る。
ΔPh=C0・ΔPf2
第1レーザガスをレーザチャンバ10内に注入した後、制御前のガス圧Pinまで排気(注入量ΔPf2と同量排気)したときに減少するハロゲンガス分圧(減少量)ΔPhexは、下式で表わされ得る。
ΔPhex=ΔPf2・(Phin+C0・ΔPf2)/(Pin+ΔPf2)
・・・式1
また、目標ハロゲンガス分圧Phtは、下式で表わされ得る。
Pht=Phin+C0・ΔPf2−ΔPhex ・・・式2
そこで、ガス制御部47は、式1及び式2を満たすΔPf2を、第1レーザガスの注入量ΔPf2として算出してもよい(S713)。或いは、ガス制御部47があらかじめテーブル等を保持していてもよく、このテーブルを参照することで第1レーザガスの注入量ΔPf2を決定してもよい。テーブルは、例えば、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phと、目標ハロゲンガス分圧Pht等に対応した、第1レーザガスの注入量ΔPf2の値を保持しているとよい。
図35は、図33に示すハロゲンガス補充制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。ガス制御部47は、ハロゲンガス補充制御の時間間隔Thiが経過する度に、ハロゲンガス補充制御を開始してもよい。ハロゲンガス補充制御が開始されると、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから次第に上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが目標ガス圧Pxに達すると、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vが閉じられるので、ガス圧Pの上昇が止まり得る。
次に、排気ポンプ46が起動され、コントロールバルブC−Vが開かれた後に、排気バルブEX−Vが所定時間開かれて閉じられ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、目標ガス圧Pxから僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達するまで、排気バルブEX−Vの開閉動作が繰り返され、その度に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達すると、排気バルブEX−Vの開閉動作が終了するため、ガス圧Pの低下が止まり得る。その後、コントロールバルブC−Vは閉じられ、排気ポンプ46は停止されてもよい。
このようにして、レーザチャンバ10内にハロゲンガスを供給し、その後、レーザチャンバ10内のガス圧Pを制御前のガス圧Pinに近い値に戻してもよい。このように、ハロゲンガス補充制御においては、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を所定の値に回復するように上昇させながらも、レーザ光の発振条件の変動を抑制し得るので、エキシマレーザ装置の性能の安定性を確保し得る。
4.13 部分ガス交換制御(S800の詳細)
図36は、図4に示す部分ガス交換制御のフローチャートである。図36に示される処理は、図4に示すS800のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。
まず、ガス制御部47は、ガス交換量Qと、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phとを読み込んでもよい(S801)。ガス交換量Qは、上述のS500(図4)において算出したものでもよい。ガス圧Pは、圧力センサ16から受信したものでもよい。ハロゲンガス分圧Phは、上述のS400(図4)において算出したものでもよい。
次に、ガス制御部47は、ガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S802)。次に、ガス制御部47は、部分ガス交換制御のための第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい(S810)。この算出処理の詳細は後述する。
次に、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinに第1レーザガスの注入量ΔPf2を加算した値(Pin+ΔPf2)を、第1レーザガス注入後の第1目標ガス圧Px1として設定してもよい(S820)。次に、ガス制御部47は、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S821)。第1レーザガスの流量が、マスフローコントローラF2−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第1レーザガスとしては、アルゴン、ネオン及びフッ素の混合ガスが用いられてもよい。これにより、フッ素ガスを含む第1レーザガスがレーザチャンバ10内に供給され得る。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S822)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが、第1レーザガス注入後の第1目標ガス圧Px1に達したか否かを判定してもよい(S823)。ガス圧Pが第1目標ガス圧Px1に達していない場合(Px1>P)、第1レーザガス注入バルブF2−Vを開いたまま、上述のS822に戻り、第1目標ガス圧Px1に達するまで待ってもよい。ガス圧Pが第1目標ガス圧Px1に達した場合(Px1≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vを閉じてもよい(S824)。
次に、ガス制御部47は、制御前のガス圧Pinに第1レーザガスの注入量ΔPf2と第2レーザガスの注入量ΔPbとを加算した値(Pin+ΔPf2+ΔPb)を、第2レーザガス注入後の第2目標ガス圧Px2として設定してもよい(S825)。次に、ガス制御部47は、第2レーザガス注入バルブB−V及びコントロールバルブC−Vを開くことにより、第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給してもよい(S826)。第2レーザガスの流量が、マスフローコントローラB−MFCによって制御されてもよい。上述の通り、第2レーザガスとしては、アルゴン及びネオンの混合ガスが用いられてもよい。第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを適切に算出(S810)することにより、部分ガス交換制御の前後においてレーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧が変化しないようにしてもよい。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S827)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが、第2レーザガス注入後の第2目標ガス圧Px2に達したか否かを判定してもよい(S828)。ガス圧Pが第2目標ガス圧Px2に達していない場合(Px2>P)、第2レーザガス注入バルブB−Vを開いたまま、上述のS827に戻り、第2目標ガス圧Px2に達するまで待ってもよい。ガス圧Pが第2目標ガス圧Px2に達した場合(Px2≦P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vを閉じてもよい(S829)。この後、ガス制御部47は、排気ポンプ46を起動して、コントロールバルブC−Vを開いてもよい。このとき、排気バルブEX−Vは閉じていてよい。
次に、ガス制御部47は、排気バルブEX−Vを所定時間開いて閉じることにより、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を行ってもよい(S830)。
次に、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のガス圧Pを新たに読み込んでもよい(S831)。次に、ガス制御部47は、新たに読み込んだガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻ったか否かを判定してもよい(S832)。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinまで戻っていない場合(Pin<P)、上述のS830に戻り、制御前のガス圧Pinに戻るまで、レーザチャンバ10内のガスの部分的な排気を繰り返してもよい。この間、排気ポンプ46は起動状態、コントロールバルブC−Vは開いた状態であってよい。ガス圧Pが制御前のガス圧Pinに戻った場合(Pin≧P)、ガス制御部47は、コントロールバルブC−Vを閉じて、排気ポンプ46を停止してもよい。そして、本フローチャートの処理を終了してもよい。
図37は、図36に示す第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出する処理のフローチャートである。ガス制御部47は、以下の処理により、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、上述のS400(図4)において算出したハロゲンガス分圧Phを、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S811)。次に、ガス制御部47は、第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度(体積比)C0を読み込んでもよい(S812)。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度のデータは、あらかじめガス制御部47に入力され、ガス制御部47によって参照可能に保持されていてもよい。
ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス濃度(体積比)Ch0を下式によって算出してもよい(S813)。
Ch0=Phin/Pin
第1レーザガス(注入量ΔPf2、ハロゲンガス濃度C0)及び第2レーザガス(注入量ΔPb)を合わせた注入ガスのハロゲンガス濃度(体積比)が、制御前のハロゲンガス濃度(体積比)Ch0と等しい場合には、下式が成立し得る。
Ch0=C0・ΔPf2/(ΔPf2+ΔPb) ・・・式3
一方、ガス交換量Qは、下式で表わされ得る。
Q=ΔPf2+ΔPb ・・・式4
そこで、ガス制御部47は、式3及び式4を満たすΔPf2及びΔPbを、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbとして算出してもよい(S814)。
図38は、図36に示す部分ガス交換制御に伴うレーザチャンバ内のガス圧の変化を示すグラフである。ガス制御部47は、部分ガス交換制御の時間間隔Tpiが経過したとき、部分ガス交換制御を開始してもよい。部分ガス交換制御が開始されると、第1レーザガス注入バルブF2−V及びコントロールバルブC−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、制御前のガス圧Pinから次第に上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第1目標ガス圧Px1に達すると、コントロールバルブC−V及び第1レーザガス注入バルブF2−Vが閉じられる。次に、第2レーザガス注入バルブB−V及びコントロールバルブC−Vが開かれ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、第1目標ガス圧Px1からさらに上昇し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが第2目標ガス圧Px2に達すると、コントロールバルブC−V及び第2レーザガス注入バルブB−Vが閉じられるので、ガス圧Pの上昇が止まり得る。
次に、排気ポンプ46が起動され、コントロールバルブC−Vが開かれた後に、排気バルブEX−Vが所定時間開かれて閉じられ、レーザチャンバ10内のガス圧Pは、第2目標ガス圧Px2から僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達するまで、排気バルブEX−Vの開閉動作が繰り返され、その度に、レーザチャンバ10内のガス圧Pが僅かに低下し得る。レーザチャンバ10内のガス圧Pが制御前のガス圧Pinに達すると、排気バルブEX−Vの開閉動作が終了するため、ガス圧Pの低下が止まり得る。その後、コントロールバルブC−Vは閉じられ、排気ポンプ46は停止されてもよい。
以上のようにして、部分ガス交換制御の前後においてハロゲンガス分圧が変化しないように、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい。さらに、第1レーザガス及び第2レーザガスの注入量の合計と実質的に同量の排気をすることにより、部分ガス交換制御の前後においてレーザチャンバ10内のガス圧変化が殆どないようにしてもよい。従って、不純物濃度を低下させながらも、レーザ光の発振条件の変動を抑制し得るので、エキシマレーザ装置の性能の安定性を確保し得る。
また、第1レーザガスをレーザチャンバ10内に供給した後に、第2レーザガスをレーザチャンバ10内に供給するので、共通の配管である第1の配管41内に残ったハロゲンガスを第2レーザガスによってレーザチャンバ10内に送り込むことができる。従って、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を精度よく制御し得る。
5.第2の実施形態(部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御の一体化制御)
5.1 ガス制御の概略
図39は、第2の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図39に示すように、第2の実施形態におけるガス制御は、ガス圧制御(S600)と、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840)と、を含んでいてもよい。さらに、ガス制御の停止状態(S0)があってもよい。エキシマレーザ装置の構成は、第1の実施形態と同様でよい。
部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840)は、第1の実施形態における部分ガス交換制御と同様に、第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量の合計と同量のガスをレーザチャンバ10内から排気するものでもよい。但し、第2の実施形態の部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御においては、長時間のレーザ光出力によって低下したハロゲンガス分圧を所定の値に回復させるように、第1レーザガスの注入量と第2レーザガスの注入量とを算出してもよい。
5.2 メインフロー
図40は、第2の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図40に示される処理は、ガス制御部47(図2)によって行われてもよい。図40に示される処理は、S111においては、第1の実施形態におけるタイマーTh及びTpの代わりに、タイマーThpの計時を開始してもよい。また、第1の実施形態におけるガス制御間隔Thi及びTpiの代わりに、ガス制御間隔Thpiを算出してもよい(S340)。ガス制御間隔Thpiの算出については、後述する。
また、図40に示される処理は、第1の実施形態においてハロゲンガス補充制御や部分ガス交換制御を個別の状態として含む代わりに、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840)を1つの状態として含み得る点で、第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態において、ガス圧制御の条件が整っていなかった場合(S590:YES)、ガス制御部47は、タイマーThpと、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の時間間隔Thpiとを比較してもよい(S791)。
タイマーThpが部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の時間間隔Thpiに達した場合(Thpi<Thp)、ガス制御部47は、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御を行ってもよい(S840)。部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の詳細は後述する。部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御が終了したら、タイマーThpをリセットして、計時を開始してもよい(S881)。他の点については、第1の実施形態と同様の処理でよい。
5.3 ガス制御間隔の算出(S340の詳細)
図41Aは、図40に示すガス制御間隔Thpiを算出する処理の例を示すフローチャートである。図41Bは、エキシマレーザ装置のデューティーDと図41Aにおいて算出されるガス制御間隔Thpiとの関係を示すグラフである。
まず、ガス制御部47は、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のための時間間隔の基準値Thpi0を読み込んでもよい(S341)。
次に、ガス制御部47は、読み込んだ基準値Thpi0と、エキシマレーザ装置のデューティーDとに基づいて、(Thpi0/D)によって、部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のための時間間隔Thpiを算出してもよい(S342)。
なお、第1の実施形態において説明したと同様に、ガス制御間隔Thpiに上限値を設けてもよい。
5.4 部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御(S840の詳細)
図42は、図40に示す部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御のフローチャートである。部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御においては、第1の実施形態における部分ガス交換制御と同様に、第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10に注入し、その注入量の合計と同量のガスをレーザチャンバ10内から排気してもよい。但し、第2の実施形態の部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御においては、第1レーザガス及び第2レーザガスの注入量が、第1の実施形態の部分ガス交換制御と異なってもよい。
ガス制御部47は、ガス交換量Qと、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phと、目標ハロゲンガス分圧Phtとを読み込んでもよい(S841)。次に、ガス制御部47は、ガス圧Pを、制御前のガス圧Pinとして記憶装置に記憶させてもよい(S842)。
さらに、ガス制御部47は、レーザチャンバ10内のハロゲンガス分圧を目標ハロゲンガス分圧Phtに制御するための、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい(S850)。他の処理は、第1の実施形態の部分ガス交換制御(図36)と同様でよい。
図43は、図42に示す第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出する処理のフローチャートである。ガス制御部47は、以下の処理により、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、ハロゲンガス分圧Phを、制御前のハロゲンガス分圧Phinとして記憶装置に記憶させてもよい(S851)。
次に、ガス制御部47は、第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度(第1レーザガスにおけるハロゲン成分の体積比)C0を読み込んでもよい(S852)。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度は、第1容器F2におけるハロゲンガス濃度(体積比)であってよい。第1レーザガスにおけるハロゲンガス濃度のデータは、あらかじめガス制御部47に入力され、ガス制御部47によって参照可能に保持されていてもよい。
第1レーザガス(注入量ΔPf2)及び第2レーザガス(注入量ΔPb)をレーザチャンバ10内に注入した場合のハロゲンガス分圧の増加量ΔPhは、下式で表わされ得る。
ΔPh=C0・ΔPf2
第1レーザガス及び第2レーザガスをレーザチャンバ10内に注入した後、制御前のガス圧Pinまで排気(注入量ΔPf2+ΔPbと同量排気)したときに減少するハロゲンガス分圧(減少量)ΔPhexは、下式で表わされ得る。
ΔPhex=(ΔPf2+ΔPb)・(Phin+C0・ΔPf2)/(Pin+ΔPf2+ΔPb) ・・・式5
また、目標ハロゲンガス分圧Phtは、下式で表わされ得る。なお、目標ハロゲンガス分圧Phtは第1の実施形態と同様、エキシマレーザ装置の運転条件に応じて設定された値でもよい。
Pht=Phin+C0・ΔPf2−ΔPhex ・・・式6
さらに、ガス交換量Qは、下式で表わされ得る。
Q=ΔPf2+ΔPb ・・・式7
そこで、ガス制御部47は、式5〜式7を満たすΔPf2及びΔPbを、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbとして算出してもよい(S853)。または、ガス制御部47があらかじめテーブル等を保持していてもよく、このテーブルを参照することで第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbを決定してもよい。テーブルは、例えば、ガス交換量Qと、ガス圧Pと、ハロゲンガス分圧Phと、目標ハロゲンガス分圧Pht等に対応した、第1レーザガスの注入量ΔPf2及び第2レーザガスの注入量ΔPbの値を保持しているとよい。
第2の実施形態によれば、部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化した処理を行うことにより、1回の処理で、レーザチャンバ10内の不純物を低減できるとともにハロゲンガス分圧を回復させることができる。
6.第3の実施形態(ガス圧制御をしない場合)
6.1 ガス制御の概略
図44は、第3の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図44に示すように、第3の実施形態におけるガス制御は、ハロゲンガス補充制御(S700)と、部分ガス交換制御(S800)と、を含んでいてもよい。さらに、ガス制御の停止状態(S0)があってもよい。図3にS600で示されるガス圧制御は、なくてもよい。エキシマレーザ装置の構成は、第1の実施形態と同様でよい。
6.2 メインフロー
図45は、第3の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図45に示される処理は、ガス制御部47(図2)によって行われてもよい。図45に示されるように、第3の実施形態においては、ガス圧制御(図4のS600)が行われなくてもよい。従って、ガス圧制御が行われるか否かを判定するために充電電圧Vを閾値と比較する処理(図4のS590)も、行われなくてよい。
第3の実施形態においては、レーザチャンバ内の不純物の増加又は電極の劣化によってレーザ光のエネルギーが低下した場合は、充電器12の充電電圧Vを上昇させることによって、レーザ光のエネルギーを回復してもよい。
他の点については、第1の実施形態と同様の処理でよい。
6.3 ガス交換量の算出(S500の詳細)
図46Aは、図45に示すガス交換量Qを算出する処理の第1の例を示すフローチャートである。図46Aに示される処理は、図45に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、充電器12の充電電圧Vを、閾値Vthと比較してもよい(S571)。充電器12の充電電圧Vは、図13の処理によって読み込まれたパラメータでもよい。閾値Vthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
充電器12の充電電圧Vが閾値Vth以下である場合(V≦Vth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間で充電電圧Vに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、f(V)で表わされる値としてもよい(S572)。
充電器12の充電電圧Vが閾値Vthより大きい場合(V>Vth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S573)。
図46Bは、充電器12の充電電圧Vと図46Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。充電器12の充電電圧Vが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、充電器12の充電電圧Vが大きい場合には、充電器12の充電電圧Vが小さい場合よりも、ガス交換割合またはガス交換量を大きくすることが望ましい。特に、図46Bに示されるように、Q=f(V)は単調増加であって、下に凸な関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
図47Aは、図45に示すガス交換量Qを算出する処理の第2の例を示すフローチャートである。図47Aに示される処理は、図45に示すS500のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。部分ガス交換制御において適切な量のガスを交換するため、以下のようにしてガス交換量Qを算出してもよい。
まず、ガス制御部47は、パルスごとの投入エネルギーEinを読み込んでもよい(S581)。パルスごとの投入エネルギーEinは、図8に示される処理によってレーザ制御部30が算出したものでもよい。
まず、ガス制御部47は、パルスごとの投入エネルギーEinを、閾値Einthと比較してもよい(S582)。閾値Einthのデータは、あらかじめガス制御部47によって保持されていてもよい。
パルスごとのエネルギーEinが閾値Einth以下である場合(Ein≦Einth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを、最小値Qminと最大値Qmaxとの間でEinに応じて連続的に変化する値に設定してもよい。例えば、ガス交換量Qは、f(Ein)で表わされる値としてもよい(S583)。
パルスごとのエネルギーEinが閾値Einthより大きい場合(Ein>Einth)、ガス制御部47は、ガス交換量Qを最大値Qmaxに設定してもよい(S584)。
図47Bは、パルスごとの投入エネルギーEinと図47Aにおいて算出されるガス交換量Qとの関係を示すグラフである。パルスごとの投入エネルギーEinが大きい場合は、一対の電極11a及び11bが古く劣化の度合いが進んでいるといい得る。そこで、パルスごとの投入エネルギーEinが大きい場合には、パルスごとの投入エネルギーEinが小さい場合よりも、ガス交換割合またはガス交換量を大きくすることが望ましい。特に、図47Bに示されるように、Q=f(Ein)は単調増加であって、下に凸な関数であることが望ましい。例えば、nを1以上の整数とするn次関数や、指数関数でもよい。
7.第4の実施形態(MOPOシステム)
7.1 MOPOシステムの全体説明
図48は、第4の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。第4の実施形態に係るエキシマレーザシステムは、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置の構成に加え、高反射ミラー18a及び18bを含んでもよい。さらに、第4の実施形態に係るエキシマレーザシステムは、レーザチャンバ20と、一対の電極21a及び21bと、充電器22と、パルスパワーモジュール(PPM)23を含んでもよい。さらに、第4の実施形態に係るエキシマレーザシステムは、部分反射ミラー24と、出力結合ミラー25と、圧力センサ26と、光センサモジュール27と、を含んでもよい。
第1の実施形態において説明したレーザチャンバ10と、一対の電極11a及び11bと、充電器12と、パルスパワーモジュール(PPM)13と、狭帯域化モジュール14と、出力結合ミラー15とは、マスターオシレータMOを構成してもよい。レーザチャンバ20と、一対の電極21a及び21bと、充電器22と、パルスパワーモジュール(PPM)23と、部分反射ミラー24と、出力結合ミラー25とは、パワーオシレータPOを構成してもよい。マスターオシレータMOとパワーオシレータPOとにより、MOPO型のエキシマレーザシステムが構成されてもよい。
マスターオシレータMOによって出力されたパルスレーザ光は、高反射ミラー18a及び18bを介してパワーオシレータPOの部分反射ミラー24に入射してもよい。部分反射ミラー24に入射したパルスレーザ光は、部分反射ミラー24と出力結合ミラー25との間で往復しながらレーザチャンバ20内を通過し、増幅され得る。増幅されたパルスレーザ光の一部は、出力結合ミラー25を透過して、出力レーザ光として出力され、光センサモジュール27を介して露光装置100に向けて出力され得る。
充電器22、パルスパワーモジュール(PPM)23、圧力センサ26、光センサモジュール27等の構成及び機能は、第1の実施形態において対応するものと同様でよい。
ガス制御装置40において、第2〜第4の配管42〜44には、レーザチャンバ10に接続された第1の配管41が接続されている。これに加えて、レーザチャンバ20に接続された第5の配管45が接続されていてもよい。従って、レーザチャンバ20は、第1容器F2、第2容器B、排気ポンプ46にそれぞれ接続されてもよい。第5の配管45には、コントロールバルブC−V2が設けられていてもよい。
7.2 MOPOシステムにおけるガス制御
図49は、第4の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図49に示すように、第4の実施形態におけるガス制御は、マスターオシレータMOのガス圧制御(S600mo)、ハロゲンガス補充制御(S700mo)及び部分ガス交換制御(S800mo)を含んでいてもよい。さらに、第4の実施形態におけるガス制御は、パワーオシレータPOのガス圧制御(S600po)、ハロゲンガス補充制御(S700po)及び部分ガス交換制御(S800po)を含んでいてもよい。
エキシマレーザ装置においてハロゲンガス分圧などの運転条件を変更すると、レーザパルス波形の立ち上がりタイミング等が変動する可能性がある。しかし、MOPOシステムにおいては、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの一方でレーザパルス波形の立ち上がりタイミング等が変動しても、パワーオシレータPOから出力されるパルスレーザ光の、エネルギーが変動しにくいという利点がある。このため、マスターオシレータMOのガス制御と、パワーオシレータPOのガス制御とが、それぞれのガスの状態に合わせて独立に行われてもよい。
図50は、第4の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図50に示される処理は、ガス制御部47(図48)によって行われてもよい。図50に示される処理は、第1の実施形態(図4)におけるS300〜S880の処理を、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれ行う点で、第1の実施形態と異なり得る。また、図50のS120においては、マスターオシレータMOのガス制御のためのタイマーThmo及びTpmoと、パワーオシレータPOのガス制御のためのタイマーThpo及びTppoと、を計時開始してもよい。図50のS230においては、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれガス制御パラメータを読み込んでもよい。他の点については第1の実施形態と同様でよい。ただし、レーザ制御部30は、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれ図5〜図12の処理を行ってもよい。
図51に、マスターオシレータMOとパワーオシレータPOのガス制御パラメータの読み込みの処理の例を示すフローチャートである。図51に示される処理は、図50に示すS230のサブルーチンとして、ガス制御部47によって行われてもよい。図13とこのサブルーチンの異なる点は、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれ行う点であってもよい。
8.第5の実施形態(MOPOシステムにおける制御の一体化)
図52は、第5の実施形態におけるガス制御の状態遷移図である。図53は、第5の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。
第5の実施形態におけるガス制御は、マスターオシレータMOの部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化し、パワーオシレータPOの部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化した点で、第4の実施形態と異なり得る。他の点は、第4の実施形態と同様でよい。部分ガス交換制御とハロゲンガス補充制御とを一体化した部分ガス交換及びハロゲンガス補充制御の内容は、第2の実施形態と同様でよい。
図53は、第5の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。図53に示される処理は、ガス制御部47(図48)によって行われてもよい。図53に示される処理は、第1の実施形態(図4)におけるS340〜S881の処理を、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれ行う点で、第2の実施形態と異なり得る。また、図53のS130においては、マスターオシレータMOのガス制御のためのタイマーThpmoと、パワーオシレータPOのガス制御のためのタイマーThppoと、を計時開始してもよい。図53のS230においては、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOについてそれぞれガス制御パラメータを読み込んでもよい。他の点については第2の実施形態と同様でよい。
9.第6の実施形態(MOPOシステムにおける充電器の一体化)
図54は、第6の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。図54に示すように、マスターオシレータMOに含まれる一対の電極11a及び11bと、パワーオシレータPOに含まれる一対の電極21a及び21bとに、共通の充電器12が接続されてもよい。他の点については、第5の実施形態と同様でよい。
マスターオシレータMOとパワーオシレータPOとに共通の充電器12を用いる場合、一対の電極11a及び11bと、一対の電極21a及び21bとには共通の電圧制御がなされ得る。すなわち、いずれか一方のレーザチャンバにおいて、不純物濃度が上昇等してレーザ光のパルスエネルギーが変化した場合でも、両者に共通の電圧制御がなされ、パワーオシレータPOの出力エネルギーが安定化され得る。ここで、電極に印加される電圧に基づいてガス圧制御しようとしても、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのいずれをガス圧制御すべきかを、電圧のみによっては的確に判断できない場合がある。そこで、マスターオシレータMOの出力エネルギーを検出することにより、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのいずれをガス圧制御すべきかを判断してもよい。
図55は、第6の実施形態におけるガス制御のフローチャートである。ガス制御部47は、タイマーThpmo及びThppoの計時を開始してもよい(S140)。次に、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのガス制御パラメータを読み込んでもよい(S240)。マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのガス制御パラメータの読み込みの処理においては、図51(S230)のステップにさらに追加して、マスターオシレータMOのパルスエネルギーEmoを読み込んでもよい。
また、ガス制御部47は、電圧Vと、第1の閾値VH及び第2の閾値VLとを比較してもよい(S591、S594)。電圧Vが第1の閾値VHから第2の閾値VLまでの範囲外である場合(S591:YES、又は、S594:YES)、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのいずれか又は両方のレーザチャンバにおいてガス圧制御すべきであると判断し得る。そこで、ガス制御部47は、マスターオシレータMOのパルスエネルギーEmoと、第1の閾値Emomin及び第2の閾値Emomaxとを比較してもよい(S592、S593、S595、S596)。
比較の結果、VL<VH<Vであって、且つ、Emo<Emomin<Emomaxの関係にある場合(S592:YES)、マスターオシレータMOの出力が低く、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間に高電圧を印加しないとパワーオシレータPOの出力が確保できない状態であることがわかる。従って、この場合には、マスターオシレータMOのレーザチャンバ10に第2レーザガスを注入してもよい(S602mo)。
また、VL<VH<Vであって、且つ、Emomin<Emomax<Emoの関係にある場合(S593:YES)、パワーオシレータPOの増幅率が低く、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間に高電圧を印加しないとパワーオシレータPOの出力が確保できない状態であることがわかる。従って、この場合には、パワーオシレータPOのレーザチャンバ20に第2レーザガスを注入してもよい(S602po)。
また、V<VL<VHであって、且つ、Emomin<Emomax<Emoの関係にある場合(S595:YES)、マスターオシレータMOの出力が過剰で、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間の電圧を抑制しないとパワーオシレータPOの出力が過剰になってしまう状態であることがわかる。従って、この場合には、マスターオシレータMOのレーザチャンバ10についてガスの部分的な排気を行ってもよい(S608mo)。
また、V<VL<VHであって、且つ、Emo<Emomin<Emomaxの関係にある場合(S596:YES)、パワーオシレータPOの増幅率が過剰で、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOの電極間の電圧を抑制しないとパワーオシレータPOの出力が過剰になってしまう状態であることがわかる。従って、この場合には、パワーオシレータPOのレーザチャンバ20についてガスの部分的な排気を行ってもよい(S608po)。
電圧Vが、VL≦V≦VHの関係にある場合(S591:NO、且つ、S594:NO)、ガス圧制御をしなくてもよい。
なお、VL<VH<Vであって、且つ、Emomin≦Emo≦Emomaxの関係にある場合(S593:NO)、ガス圧制御をしなくてもよいし、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのレーザチャンバに、それぞれ第2レーザガスを注入してもよい。
また、V<VL<VHであって、且つ、Emomin≦Emo≦Emomaxの関係にある場合(S596:NO)、ガス圧制御をしなくてもよいし、マスターオシレータMO及びパワーオシレータPOのレーザチャンバについて、それぞれ部分的な排気を行ってもよい。
上記以外の制御については、第5の実施形態と同様でよい。
10.第7の実施形態(リング共振器を有するMOPOシステム)
図56Aは、第7の実施形態に係るエキシマレーザシステムの構成を模式的に示す。図56Bは、図56Aに示すパワーオシレータPOの構成を模式的に示す。上述の第4の実施形態においてはファブリペロ共振器を用いてパワーオシレータPOを構成していたのに対し、第7の実施形態においては、リング共振器を用いてパワーオシレータPOを構成し得る点で、第4の実施形態と異なる。
第7の実施形態に係るエキシマレーザシステムは、第1の実施形態に係るエキシマレーザ装置に加え、高反射ミラー18a〜18cと、レーザチャンバ20と、一対の電極21a及び21bと、部分反射ミラー(出力結合ミラー)24と、高反射ミラー25a〜25cと、を含んでもよい。さらに、図示しない充電器、パルスパワーモジュール(PPM)、圧力センサ、光センサモジュール等を含んでもよい。
マスターオシレータMOから出力されたレーザ光は、高反射ミラー18a〜18cを介して、パワーオシレータPOの部分反射ミラー(出力結合ミラー)24に導入されてもよい。
パワーオシレータPOは、高反射ミラー25a〜25c及び部分反射ミラー24によって構成されるリング型の光路によってレーザ光がレーザチャンバ20内を複数回通過するようにして、レーザ光を増幅してもよい。
パワーオシレータPOによって増幅されたレーザ光は、部分反射ミラー(出力結合ミラー)24を介して、出力レーザ光として出力され得る。
他の点については、第4の実施形態と同様でよい。
11.パルスパワーモジュールの構成
図57は、パルスパワーモジュール13及びその周辺の概略構成を示す。パルスパワーモジュール13は、主コンデンサC0と、固体スイッチSWと、昇圧トランスTrと、複数の磁気スイッチSr1〜Sr3と、複数のコンデンサC1〜C3と、を備えてもよい。
磁気スイッチSr1〜Sr3は、いずれも、可飽和リアクトルを含み得る。磁気スイッチSr1〜Sr3の各々は、その両端に印加された電圧の時間積分値が、各磁気スイッチの特性で決まる所定の値になると飽和して、低インピーダンスとなり得る。
主コンデンサC0は、充電器12から所定の充電電圧Vを印加されて、充電されてもよい。このとき、固体スイッチSWは絶縁状態となっていてもよい。
固体スイッチSWは、半導体スイッチを含んでもよく、図2を参照しながら説明したスイッチ13aに相当してもよい。固体スイッチSWは、レーザ制御部30からの信号に基づいて短絡し得る。
固体スイッチSWが短絡状態になると、充電電圧Vにより主コンデンサC0に蓄えられた電荷が、昇圧トランスTrの一次側に流れ得る。そして、昇圧トランスTrに発生した磁束によって、昇圧トランスTrの二次側に誘導起電力が発生し得る。このとき、昇圧トランスTrの一次側と二次側との巻数比に応じて、二次側の電圧が昇圧され得る。
昇圧トランスTrの二次側に発生する誘導起電力により、磁気スイッチSr1の両端に印加された電圧の時間積分値が所定の値になると、磁気スイッチSr1が低インピーダンスとなり得る。その結果、昇圧トランスTrの二次側と、磁気スイッチSr1と、コンデンサC1とを含む第1のループに、電流が流れ得る。これにより、コンデンサC1が充電され得る。
コンデンサC1の充電により、磁気スイッチSr2の両端に印加された電圧の時間積分値が所定の値になると、磁気スイッチSr2が低インピーダンスとなり得る。その結果、コンデンサC1と、磁気スイッチSr2と、コンデンサC2とを含む第2のループに、電流が流れ得る。これにより、コンデンサC2が充電され得る。
このとき、第2のループが、第1のループよりもインダクタンスが小さくなるように構成されていれば、パルスの圧縮が行われ得る。すなわち、第2のループを流れる電流は、第1のループを流れる電流よりもパルス幅が小さく、尖頭値が大きなパルス電流となり得る。
同様にして、第2のループから、コンデンサC2と、磁気スイッチSr3と、コンデンサC3とを含む第3のループに、パルス電流が転送され、さらにパルスの圧縮が行われ得る。
コンデンサC3の電圧がブレークダウン電圧に達すると、一対の電極11a及び11b間のレーザガスに絶縁破壊が生じ得る。これにより、レーザガスが励起され、パルスレーザ光が発生し得る。このような放電動作が、固体スイッチSWのスイッチング動作によって繰り返されることにより、所定の発振周波数で、パルスレーザ光が出力され得る。ここで、チャンバ内の1対の電極に投入されるエネルギーEinは以下の式で表され得る。
Ein=t・C/2
ここで、tは転送効率であってもよい。Cは主コンデンサC0の容量であってもよい。
12.制御部の構成
図58は、制御部の概略構成を示すブロック図である。
上述した実施の形態におけるレーザ制御部30及びガス制御部47等の制御部は、コンピュータやプログラマブルコントローラ等汎用の制御機器によって構成されてもよい。例えば、以下のように構成されてもよい。
(構成)
制御部は、処理部1000と、処理部1000に接続される、ストレージメモリ1005と、ユーザインターフェイス1010と、パラレルI/Oコントローラ1020と、シリアルI/Oコントローラ1030と、A/D、D/Aコンバータ1040とによって構成されてもよい。また、処理部1000は、CPU1001と、CPU1001に接続された、メモリ1002と、タイマー1003と、GPU1004とから構成されてもよい。
(動作)
処理部1000は、ストレージメモリ1005に記憶されたプログラムを読み出してもよい。また、処理部1000は、読み出したプログラムを実行したり、プログラムの実行に従ってストレージメモリ1005からデータを読み出したり、ストレージメモリ1005にデータを記憶させたりしてもよい。
パラレルI/Oコントローラ1020は、パラレルI/Oポートを介して通信可能な機器1021〜102xに接続されてもよい。パラレルI/Oコントローラ1020は、処理部1000がプログラムを実行する過程で行うパラレルI/Oポートを介した、デジタル信号による通信を制御してもよい。
シリアルI/Oコントローラ1030は、シリアルI/Oポートを介して通信可能な機器1031〜103xに接続されてもよい。シリアルI/Oコントローラ1030は、処理部1000がプログラムを実行する過程で行うシリアルI/Oポートを介した、デジタル信号による通信を制御してもよい。
A/D、D/Aコンバータ1040は、アナログポートを介して通信可能な機器1041〜104xに接続されてもよい。A/D、D/Aコンバータ1040は、処理部1000がプログラムを実行する過程で行うアナログポートを介した、アナログ信号による通信を制御してもよい。
ユーザインターフェイス1010は、オペレータが処理部1000によるプログラムの実行過程を表示したり、オペレータによるプログラム実行の中止や割り込み処理を処理部1000に行わせたりするよう構成されてもよい。
処理部1000のCPU1001はプログラムの演算処理を行ってもよい。メモリ1002は、CPU1001がプログラムを実行する過程で、プログラムの一時記憶や、演算過程でのデータの一時記憶を行ってもよい。タイマー1003は、時刻や経過時間を計測し、プログラムの実行に従ってCPU1001に時刻や経過時間を出力してもよい。GPU1004は、処理部1000に画像データが入力された際、プログラムの実行に従って画像データを処理し、その結果をCPU1001に出力してもよい。
パラレルI/Oコントローラ1020に接続される、パラレルI/Oポートを介して通信可能な機器1021〜102xは、露光装置制御部110、他の制御部等であってもよい。
シリアルI/Oコントローラ1030に接続される、シリアルI/Oポートを介して通信可能な機器1031〜103xは、充電器12、パルスパワーモジュール13、排気ポンプ46等であってもよい。
A/D、D/Aコンバータ1040に接続される、アナログポートを介して通信可能な機器1041〜104xは、圧力センサ16、光センサモジュール17等の各種センサであってもよい。
以上のように構成されることで、制御部は各実施形態に示された動作を実現可能であってよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。

Claims (9)

  1. ガスを封入するレーザチャンバと、
    前記レーザチャンバの内部に配置された一対の電極と、
    前記電極間にパルス電圧を供給する電源部と、
    前記レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、
    前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
    前記電極の劣化パラメータであって前記電極が前記レーザチャンバの内部に設置されてからの、前記電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数である前記電極の劣化パラメータが示す前記電極の劣化の進行に基づいて、前記レーザチャンバの内部のガスの交換割合を増加させるように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御するガス制御部と、
    前記電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数の初期値を入力する入力部と、
    前記電極間に新たに供給されたパルス電圧のパルス数を前記初期値に加算するレーザ制御部と、
    を備える、エキシマレーザ装置。
  2. ガスを封入するレーザチャンバと、
    前記レーザチャンバの内部に配置された一対の電極と、
    前記電極間にパルス電圧を供給する電源部と、
    前記レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、
    前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
    前記電極の劣化パラメータであって前記電極が前記レーザチャンバの内部に設置されてからの、前記電極間に投入されたエネルギーの積算値である前記電極の劣化パラメータが示す前記電極の劣化の進行に基づいて、前記レーザチャンバの内部のガスの交換割合を増加させるように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御するガス制御部と、
    前記電極間に投入されたエネルギーの積算値の初期値を入力する入力部と、
    前記電極間に新たに投入されたエネルギーを前記初期値に加算するレーザ制御部と、
    を備える、エキシマレーザ装置。
  3. 前記ガス制御部は、前記電極の劣化パラメータに基づいて、前記レーザチャンバの内部のガスの一部を交換する量を判定し、判定された量のガスを交換するように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御する、請求項1又は請求項2記載のエキシマレーザ装置。
  4. 前記ガス制御部は、前記電極の劣化パラメータに基づいて、前記レーザチャンバの内部のガスの一部を交換する頻度を判定し、判定された頻度でガスを交換するように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御する、請求項1又は請求項2記載のエキシマレーザ装置。
  5. ガスを封入するレーザチャンバと、
    前記レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、
    前記電極間にパルス電圧を供給する電源部と、
    前記レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、
    前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
    前記電極の劣化パラメータであって前記電極が前記レーザチャンバの内部に設置されてからの、前記電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数である前記電極の劣化パラメータが第1の値である場合に、前記レーザチャンバの内部のガスの量に対して第1の割合に相当する第1の量のガスを交換するように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御し、前記電極の劣化パラメータが前記第1の値より電極が劣化していることを示す第2の値である場合に、前記レーザチャンバの内部のガスの量に対して前記第1の割合より大きい第2の割合に相当する第2の量のガスを交換するように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御する、ガス制御部と、
    前記電極間に供給されたパルス電圧の全パルス数の初期値を入力する入力部と、
    前記電極間に新たに供給されたパルス電圧のパルス数を前記初期値に加算するレーザ制御部と、
    を備える、エキシマレーザ装置。
  6. ガスを封入するレーザチャンバと、
    前記レーザチャンバの内部に配置された少なくとも一対の電極と、
    前記電極間にパルス電圧を供給する電源部と、
    前記レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、
    前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
    前記電極の劣化パラメータであって前記電極が前記レーザチャンバの内部に設置されてからの、前記電極間に投入されたエネルギーの積算値である前記電極の劣化パラメータが第1の値である場合に、前記レーザチャンバの内部のガスの量に対して第1の割合に相当する第1の量のガスを交換するように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御し、前記電極の劣化パラメータが前記第1の値より電極が劣化していることを示す第2の値である場合に、前記レーザチャンバの内部のガスの量に対して前記第1の割合より大きい第2の割合に相当する第2の量のガスを交換するように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御する、ガス制御部と、
    前記電極間に投入されたエネルギーの積算値の初期値を入力する入力部と、
    前記電極間に新たに投入されたエネルギーを前記初期値に加算するレーザ制御部と、
    を備える、エキシマレーザ装置。
  7. ガスを封入するレーザチャンバと、
    前記レーザチャンバの内部に配置された一対の電極と、
    前記電極間にパルス電圧を供給する電源部と、
    前記レーザチャンバの内部へのガスの供給を行うガス供給部と、
    前記レーザチャンバの内部のガスの部分的な排気を行うガス排気部と、
    ガス制御部であって、
    前記電極の劣化パラメータの値が第1の範囲内である場合よりも前記電極が劣化していることを示す第2の範囲内である場合に、前記電極の劣化パラメータの値が前記第1の範囲内である場合の前記レーザチャンバの内部のガスの交換量よりもガスの交換量を増加させるように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御し、
    前記電極の劣化パラメータの値が、前記電極の寿命が到来していることを示す第3の範囲内である場合に、寿命到来信号を出力し、前記寿命到来信号を出力した後、延命信号を受信した場合に、前記電極の劣化パラメータの値が前記第2の範囲内である場合の前記レーザチャンバの内部のガスの交換量よりもガスの交換量をさらに増加させるように前記ガス供給部及び前記ガス排気部を制御する
    前記ガス制御部と、
    を備える、エキシマレーザ装置。
  8. 前記ガス制御部は、前記延命信号を受信した場合に、前記レーザチャンバの内部のガスの交換量を、前記電極の劣化パラメータの値が前記第2の範囲内である場合のガスの交換量の1.5倍以上、3倍以下とする、請求項記載のエキシマレーザ装置。
  9. 前記寿命到来信号に基づいて前記電極の寿命が到来していることをユーザに示す警告手段と、
    前記延命信号の入力を受付ける入力手段と、
    をさらに備える、請求項記載のエキシマレーザ装置。
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