JP4156920B2 - レーザ装置及びそれを用いた露光装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にレーザ装置に関し、特に、F2(フッ素分子)をレーザ媒質として用いたレーザ装置及びそれを用いた露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路の集積度が増す傾向にあり、半導体集積回路を製造するために用いられる露光装置において、解像力の向上が求められている。また、露光装置の光源として、短波長のレーザ光を出力するエキシマレーザやF2(フッ素分子:molecular fluorine)レーザが注目されている。F2レーザの複数の発振ラインのうち、一本のラインを選択的に発振させるラインセレクトF2レーザはスペクトル線幅が約1pmであり、露光装置の投影レンズとして、ある程度の色収差補正が可能なカタディオプトリック(Catadioptric)タイプの投影レンズを用いて露光が行われている。カタディオプトリックタイプの投影レンズは、色収差を補正するために、反射ミラーとCaF2の屈折レンズとを組み合わせたものである。
【0003】
近年、短波長のレーザ光を出力することが可能なレーザ媒質であるF2を用いるF2レーザ装置において、レーザ媒質を励起するためのチャンバを2つ設けたダブルチャンバ方式が開発されている。ダブルチャンバ方式としては、レーザ光を共振により発生するマスターオシレータ(MO)、及び、レーザ光を増幅して高出力化するパワーアンプ(PA)とを用いたMOPA方式と、レーザ光を共振により発生するマスターオシレータ(MO)、及び、レーザ光を共振により増幅して高出力化するパワーオシレータ(PO)とを用いたMOPO方式とが存在する。
【0004】
図35に、従来のMOPO方式のレーザ装置の構成を示し、図36に、F2レーザ装置から出力されるレーザ光のスペクトルを示す。図35の(a)に示すように、MOチャンバ100内のレーザ媒質において自然発振させたレーザ光を、グレーティング及びビームエキスパンダで構成されたLNM(Line Narrow Module:狭帯域化モジュール)102と部分反射ミラー107とを用いて共振させ、レーザ光を狭帯域化する。さらに、部分反射ミラー107を透過したレーザ光を、PAチャンバ101の両側に設けた全反射凹面ミラー105と部分反射凸面ミラー106とを用いて共振させて高出力化する。
【0005】
しかしながら、図36に破線で示すように、F2レーザ装置を用いて自然発振されたレーザ光は、主に2つの波長(λ1=157.63nm、及び、λ2=157.52nm)を有し、それぞれ半値全幅約1pmで発振する。また、図36に黒領域で示すように、2つの波長成分を含むレーザ光は、半値全幅0.2pm程度に狭帯域化される。
【0006】
2レーザ装置を用いて半導体集積回路を製造するための露光等をする場合において、図36に示すように波長λ1のレーザ光と共にレーザ装置から出力される波長λ2のレーザ光が、露光装置の解像力を低下させるという問題がある。そこで、解像力を向上させるためには、狭帯域化された波長λ1のレーザ光の強度をI1とすると、レーザ装置から出力される狭帯域化された波長λ2のレーザ光の強度I2を、I2/(I1+I2)<0.005〜0.01の範囲に抑圧する必要がある。なお、図36においては、レーザ装置から出力される狭帯域化された波長λ1のレーザ光のピークを、自然発振させた波長λ1のレーザ光のピークに合わせた尺度で示している。
【0007】
ここで、波長λ2のレーザ光を抑圧するためには、図35の(b)に示すように、波長λ1のレーザ光を選択するLSM(Line Sellect Module:ラインセレクトモジュール)103を、MOチャンバ100のリアモジュールとして配置し、波長選択された波長λ1のレーザ光を、全反射凹面ミラー105、部分反射凸面ミラー106及びPOチャンバ101で構成されるPOで増幅共振させて、高出力化させる方法が考えられる。
【0008】
しかしながら、POで増幅共振させる際に、再び、波長λ2のレーザ光が発生する。従って、この構成を用いても、波長λ2のレーザ光が露光装置の解像力を低下させるという問題がある。
【0009】
一方、下記の特許文献1には、MOPA方式のレーザ装置が開示されている。図37は、特許文献1に開示されているレーザ装置レーザ装置の構成を説明するための図である。図37の(a)〜(c)に示すように、このレーザ装置はMOPA方式で構成されており、LSM103を、MOチャンバのリアモジュールとして用いるか、MOチャンバのフロントミラーとしてMOチャンバとPAチャンバとの間に配置するか、又は、PAチャンバの下流に配置している。
【0010】
このように、POではなくPAを用いたMOPA方式によると、そもそもPAにおける増幅において波長λ2のレーザ光はほとんど出力されないので、LSM103の位置によらず解像力を向上させることが可能である。
【0011】
しかしながら、MOPA方式は、MOPO方式に比べて、増幅率が低いために、エネルギー効率が悪いという問題があり、また、同期させる許容範囲が狭いために、スペクトル線幅及びパルスエネルギー等の性能が安定しないという問題がある。
【0012】
図38に、ダブルチャンバ方式の遅延時間とベクトル線幅及び光強度の関係を示す。図38の横軸は、MOチャンバ100内のレーザ媒質において放電するタイミングから、POチャンバ又はPAチャンバ101内のレーザ媒質において放電するタイミングまでの遅延時間を表している。図38に示すように、MOPO方式における光強度及びスペクトル線幅は、遅延時間に対して平坦な範囲が広いが、MOPA方式においては、平坦な範囲が狭い。従って、光強度及びスペクトル線幅の性能が安定する遅延時間の許容範囲は、MOPO方式の場合には±10nsと広いが、MOPA方式の場合には±2nsと狭いため、MOPA方式では光強度及びスペクトル線幅の性能が安定しないという問題がある。
【0013】
【特許文献1】
米国特許出願公開第2002/0154668号明細書 (第21頁、図23)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、MOPO方式のレーザ装置において、スループット及び解像力を向上させることが可能なレーザ装置、及び、それを用いた露光装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の1つの観点に係るレーザ装置は、少なくとも第1の波長成分と第2の波長成分とを含むレーザ光を、共振させることにより発生し、発生したレーザ光を直線偏光にする偏光素子を含む第1のレーザ共振器と、第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光を、共振させることにより増幅する第2のレーザ共振器と、第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分と第2の波長成分とを異なる方向に出射する波長選択手段と、第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度に基づいて、第1のレーザ共振器における電極間の放電タイミングと第2のレーザ共振器における電極間の放電タイミングとの間の遅延時間を調整することにより、第2のレーザ共振器から出力される第1の波長成分の強度を上げるタイミング調整手段とを具備する。
【0016】
また、本発明の1つの観点に係る露光装置は、少なくとも第1の波長成分と第2の波長成分とを含むレーザ光を、共振させることにより発生し、発生したレーザ光を直線偏光にする偏光素子を含む第1のレーザ共振器と、第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光を、共振させることにより増幅する第2のレーザ共振器と、第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分と第2の波長成分とを異なる方向に出射する波長選択手段と、第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度に基づいて、第1のレーザ共振器における電極間の放電タイミングと第2のレーザ共振器における電極間の放電タイミングとの間の遅延時間を調整することにより、第2のレーザ共振器から出力される第1の波長成分の強度を上げるタイミング調整手段とを有するレーザ装置と、レーザ装置が発生するレーザ光を用いて対象物を露光させる露光器と、レーザ装置が発生するレーザ光の第1の波長成分と第2の波長成分との内の一方を取り出す波長分離手段とを具備する。
【0017】
本発明によれば、MOPO方式のレーザ装置において、スループット及び解像力を向上させることが可能なレーザ装置、及び、それを用いた露光装置を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1に、本発明の第1の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す。本実施形態に係るレーザ装置は、レーザ媒質としてF2を用いており、第1の波長成分(λ1=157.63nm)と第2の波長成分(λ2=157.52nm)とを含むレーザ光から、第1の波長成分を選択して所定の方向に出力することができる。レーザ装置から出力される第1の波長成分は、露光装置の光源として利用される。
【0019】
図1に示すように、このレーザ装置のMOは、レーザ媒質を封入するMOチャンバ10と、MOチャンバ10内において対向する位置に配置された電極間で放電を起こすことにより発生したレーザ光をプリズム等を用いて超狭帯域化するLNM12と、LNM12に含まれる全反射ミラーと共にレーザ光を共振させるために用いられる部分反射ミラー17とを含んでいる。一方、このレーザ装置のPOは、レーザ媒質を封入するPOチャンバ11と、POチャンバ11内において対向する位置に配置された電極間で放電を起こすことにより、MOから出力されたレーザ光を共振させて増幅するために用いられる全反射ミラー15及び部分反射ミラー16とを含んでいる。さらに、POから出力されたレーザ光から第1の波長成分を選択するために、POの下流にLSM19が配置される。
【0020】
次に、図1に示す位置(a)〜(c)におけるレーザ光のスペクトルについて説明する。図2の(a)〜(c)は、それぞれ、図1に示す位置(a)〜(c)におけるレーザ光の波長と強度との関係を示す図である。図2の(a)に、LNM12を用いないで単にミラーを置いた場合のレーザ光のスペクトルを破線で示し、LNM12によって超狭帯域化された場合のレーザ光のスペクトルを黒領域で示す。ここでは、半値全幅が1pmから0.2pmになるように、レーザ光が狭帯域化されている。このレーザ光には、第1の波長成分(λ1=157.63nm)の他に、第2の波長成分(λ2=157.52nm)が含まれている。
【0021】
このレーザ光は、不安定共振器のPOにおいて増幅共振され、図1に示す位置(b)に出力される。位置(b)におけるレーザ光にも、図2の(b)に示すように、第1の波長成分の他に、第2の波長成分が含まれている。図2の(c)に示すように、POにおいて増幅共振されたレーザ光に含まれる第2の波長成分は、LSM19において除去される。
【0022】
上記の構成によると、POの下流にLSM19を配置して第2の波長成分を除去しているため、POにおいて発生した第2の波長成分も除去されるため、第2の波長成分はレーザ装置から全く出力されない。また、PAの代わりにPOを用いることにより、レーザ光を高出力化することができ、また、MOとPOとを同期させるための許容範囲を拡大することができる。
【0023】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3に、本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す。本実施形態に係るレーザ装置のMOは、MOチャンバ10のリア側に、図1に示すLNM12の代わりに全反射ミラー18を配置する構成となっている。その他の構成については図1に示すものと同様である。本実施形態においては、MOチャンバ10内のレーザ媒質のガス圧を低くすることにより、レーザ光を狭帯域化している。
【0024】
図4に、F2を含むレーザ媒質の全ガス圧と自然発振するレーザ光のスペクトル線幅及び出力との関係を示す。図4に示すように、全ガス圧を低下させるにつれて、スペクトル線幅は狭帯域化するが、同時に、出力も低下してしまう。
【0025】
ここで、図1に示すLNM12のように、プリズムを用いて狭帯域化する場合には、レーザ光からエネルギを吸収したプリズムは温度が上昇し、屈折率が変化する。そのため、光軸が変化して、通常3割程度、MOからPOへのレーザ光の注入効率が低下する。しかしながら、本実施形態におけるように、MOチャンバ11のリア側に全反射ミラー18を配置した場合には、光軸が変化し難いため、レーザ光をPOに安定して注入することが可能である。その結果、注入効率の低下は1割程度であり、高い増幅率を必要としないので、MOの小型化、更には、レーザ装置の小型化が可能である。また、全反射ミラー15の替りに、プリズムを用いるLSMをMOとPOとの間に配置した場合にも、光軸が変化することにより注入効率が低下する。従って、この場合においても、LSMをPOの下流に配置することにより、光軸の変化による注入効率の低下を防ぐことが可能である。
【0026】
次に、図3に示す位置(a)〜(c)におけるレーザ光のスペクトルについて説明する。図5の(a)〜(c)は、それぞれ、図3に示す位置(a)〜(c)におけるレーザ光の波長と強度との関係を示す図である。図5の(a)に示すように、MOチャンバ10内のレーザ媒質において自然発振したレーザ光は、レーザ媒質の全ガス圧を低下させたことにより、超狭帯域化されている。このレーザ光には、第1の波長成分の他に、第2の波長成分が含まれている。
【0027】
このレーザ光は、不安定共振器のPOにおいて増幅共振され、図3における位置(b)に出力される。位置(b)におけるレーザ光にも、図5の(b)に示すように、第1の波長成分の他に、第2の波長成分が含まれている。図5の(c)に示すように、POにおいて増幅共振されたレーザ光に含まれる第2の波長成分は、LSM19において除去される。
【0028】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図6に、本発明の第3の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す。本実施形態に係るレーザ装置は、MOにおいて、MOチャンバ10と全反射ミラー18との間に偏光素子21を配置した構成になっている。その他の構成については、図3に示すのと同様である。また、LSM19内に、分散プリズム20、及び、レーザ光のS偏光及びP偏光を示している。ここで、図6の(a)は、レーザ装置の上面を示す図であり、S偏光のレーザ光を「|」で示し、P偏光のレーザ光を「・」で示す。また、図6の(b)は、レーザ装置の側面を示す図であり、S偏光のレーザ光を「・」で示し、P偏光のレーザ光を「|」で示す。
【0029】
図6に示すように、このレーザ装置は、MOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧を低下させたことにより、MOによって発生され超狭帯域化されたレーザ光を、MO内の偏光素子(プリズム又は偏光板)で偏光することにより、MOから出力されるレーザ光を直線偏光としている。即ち、偏光素子は、偏光高純度化手段として機能する。従って、偏光純度の高いレーザ光を注入されたPOは、高い偏光純度を保存したまま増幅発振する。POにおいて増幅発振された偏光純度の高いレーザ光は、LSM19内の分散プリズム20に入射する。ここで、波長の異なるレーザ光は、分散プリズム20において屈折する方向が異なるため、第1の波長成分のレーザ光を選択することが可能である。なお、分散プリズム20の替わりに、複屈折フィルタ、グレーティング、又は、エタロンを用いても良い。
【0030】
しかしながら、図6の(b)に破線で示すように、分散プリズム20に対するレーザ光の偏光角度によって、S偏光のレーザ光が大きく反射され、効率が低下してしまう。ここで、分散プリズム20の透過率が高いのはP偏光の光線であるので、MOから出力するレーザ光のP偏光度を偏光素子21によって高めて、レーザ光のP偏光方向が分散プリズム20の入射面に対してP偏光の方向となるように分散プリズム20を配置する。これにより、分散プリズム20の透過率を実質的に高くすることが可能である。
【0031】
選択される波長λ1が157nmである場合には、複屈折の少ないCaF2をプリズムの材料とすることが好ましい。分散プリズムの材料としてCaF2を用いる場合には、頂角を65.4度にすると、分散プリズムへの入射角と出射角をブリュースタ角とすることができ、P偏光の透過率を100%近くにすることができる。これにより、効率の低下を防ぐことができる。
【0032】
図7に、複屈折フィルタを使用したLSMの構成を例示する。図7に示すように、LSM19は、レーザ光の波長により偏光方向を変化させる複屈折フィルタ22と、特定の偏光方向のレーザ光を透過する偏光分離素子23とによって構成される。
【0033】
複屈折フィルタ22は、レーザ装置の光軸に対してブリュースタ角に配置された2つの共平面を有する。選択すべき第1の波長λ1を同じ偏光状態で維持し、第2の波長λ2の偏光方向を90゜変化させるように、複屈折フィルタ22の厚さdを選択する。また、複屈折フィルタ22の傾き角度は、POチャンバから出射されるレーザ光の光軸(入射光)に対してブリュースタ角となるように配置することが好ましい。このように配置することにより、複屈折フィルタ22の両面での反射による光の損失を最小にすることができる。また、エタロニング(etalonning、多重干渉)として知られる複屈折フィルタ22の両面から反射されるビーム間の干渉を防ぐことができる。
【0034】
偏光分離素子23は、偏光方向を維持した第1の波長成分のレーザ光は透過させるが、偏光方向が変化した第2の波長成分は他方向に反射して除去する。偏光分離素子23を透過した第1の波長成分のレーザ光は、露光器に出力される。このようにして、第1の波長成分のレーザ光を選択することができる。このような複屈折フィルタの材料としては、MgF2が好ましい。MgF2は、DUV及びVUV波長において高い透過率を示し、F2レーザ装置等において好適に使用できる。ここで、偏光分離素子23のレーザ光入射面にPS偏光分離膜を設けても良いし、偏光分離素子23として複数のブリュースタウインドを並べてもよい。
【0035】
図8に、グレーティングを使用したLSMの構成を例示する。図8に示すように、このLSM19は、POから出力されたレーザ光を全反射させる全反射ミラー24と、全反射ミラー24によって反射されたレーザ光の所望の波長成分を選択するために、レーザ光を波長成分ごとに分離するグレーティング25と、選択されるべき第1の波長成分のみを通過させて、第1の波長成分と第2の波長成分とを分離するスリット板26とによって構成される。
【0036】
POから出射したレーザ光は、LSM19の全反射ミラー24で反射され、グレーティング25に入射して、第1の波長成分と第2の波長成分との間で光軸を大きく分離させる。スリット板26は、グレーティング25で分離されたレーザ光の第1の波長成分を通過させ、第1の波長成分以外を除去する。スリット板26に形成されたスリットを通過した第1の波長成分は、光源として露光器に出力される。また、スリット板26と露光器との間にモニタを配置し、モニタに設置されるビームプロファイラ又はレーザ光の角度を検出する計測器により検出される検出値に基づいてフィードバック制御を行うことにより、紙面に垂直な軸を中心に回転するグレーティングの傾きを調整しても良い。
【0037】
図9に、エタロンを使用したLSMの構成を例示する。エタロン27は、選択すべき第1の波長成分のレーザ光を透過させ、第2の波長成分のレーザ光を反射させることにより、第1の波長成分を選択する。エタロンを透過した第1の波長成分のレーザ光は、露光器に出力される。また、エタロン27は、第1の波長成分のレーザ光を反射させ、第2の波長成分のレーザ光を透過させてもよい。この場合には、第1の波長成分が反射される方向に露光器を設置すればよい。
【0038】
2レーザ装置については、波長が真空紫外域(約157nm)であるため、P偏光を透過してS偏光を反射するような耐久性のある膜の製作は困難である。そこで、発生するレーザ光の偏光度を高める手段を複数設けることは効果的である。また、部分反射ミラー17と全反射ミラー18と間、又は、凹面全反射ミラー15と凸面部分反射16と間に偏光度を高める手段を設け、共振過程において偏光度を高めることも有効である。光の偏光度を100%にすれば、LSM19におけるエネルギーの反射損失がなくなる。
【0039】
そこで、偏光度を高めるためには、各チャンバにおいて、レーザ光をリア側及びフロント側に出射するためのウインドをブリュースタ角で配置し、特定の偏光成分のみ透過できるようにしても良い。
【0040】
図10に、MO及びPOにおいて複屈折フィルタを使用したレーザ装置の構成を示す。MO及びPOの複屈折フィルタ29は、レーザ光の第1の波長成分をそのまま透過し、第2の波長成分は偏光方向を90度回転させて透過させる。各チャンバのウインド28及び29は、ブリュースタ角に設置されているのでP偏光に対しては損失が少ないが、S偏光に対しては損失が大きくなっている。従って、レーザ光が部分反射ミラー17と全反射ミラー18と間、及び、凹面全反射ミラー15と凸面部分反射16と間で共振する内に、第1の波長成分のみが増幅され、第2の波長成分は消滅する。
【0041】
図11に、MO及びPOにおいて、更にブリュースタ角でウインドを並べたレーザ装置の構成を示す。ここでは、MOチャンバ10及びPOチャンバ11のウインド29に重ねて、ブリュースタ角で数枚のウインド31を配置している。
【0042】
図12に、レーザ共振器内に偏光素子を挿入したレーザ装置の構成を示す。ここでは、MOチャンバ10のウインド29と部分反射ミラー17との間、及び、POチャンバ11のウインド29と凸面部分反射ミラー16との間に、レーザ光の入射面をP/S分離膜でコーティングした偏光素子31を配置している。
【0043】
また、図13に、レーザ共振器内にローションプリズムを挿入したレーザ装置の構成を示す。ここでは、MOチャンバ10のウインド29と部分反射ミラー17との間、及び、POチャンバ11のウインド29と凸面部分反射ミラー16との間にローションプリズム32を配置している。
【0044】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図14及び図15に、本発明の第4の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す。図14は、レーザ装置の上面を示す図であり、図15は、レーザ装置の側面及び各部のブロックを示す図である。図14に示すように、このレーザ装置のMOは、レーザ媒質を封入するMOチャンバ10と、MOチャンバ10内において対向する位置に配置された電極間で放電を起こすことにより発生したレーザ光を直線偏光にする偏光素子21と、レーザ光を共振させるために用いられる全反射ミラー18及び部分反射ミラー17とを含んでいる。
【0045】
また、このレーザ装置のPOは、レーザ媒質を封入するPOチャンバ11と、POチャンバ11内において対向する位置に配置された電極間で放電を起こすことによりMOから出力されたレーザ光を共振させて増幅するために用いられる全反射ミラー15と、部分反射ミラー16とを含んでいる。さらに、このPOから出力されたレーザ光から第2の波長成分を除去するために、分散プリズム20を含むLSM19がPOの下流に配置される。
【0046】
図15に示すように、MOから出力されるレーザ光の偏光状態及び出力を検出するために、P偏光のレーザ光を透過させてS偏光のレーザ光を反射させる偏光板34をMOとPOとの間に配置し、偏光板34によって反射されたS偏光のレーザ光を、S偏光検出器37で検出する。また、偏光板34を透過してPOへ注入されるレーザ光の出力を、偏光板34とPOとの間に配置したモニタ35で監視する。
【0047】
さらに、POから出力されるレーザ光の偏光状態及び出力を検出するために、LSM19内の分散プリズム20によって反射されたS偏光のレーザ光を、S偏光検出器38で検出する。また、分散プリズム20によって屈折した第1の波長成分のレーザ光の出力を、LSM19の下流に配置したモニタ36で監視する。
【0048】
このレーザ装置は、レーザ光のS偏光成分を抑制するために、MOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度及び全ガス圧を制御するガスコントローラ39と、S偏光検出器37から出力される検出値SMOに基づいてガスコントローラ39を制御するレーザコントローラ40と、設定された高電圧値HVMO(又は高電圧値HVPO)に基づいてコンデンサを充電し、トリガ信号を送信してスイッチ31(又はスイッチ32)をオンさせることより、MOチャンバ10(又はPOチャンバ11)内のレーザ媒質において電極間で放電を発生させてレーザ発振を行うための電源41(又は電源42)と、MOチャンバ10内の電極間の放電開始タイミングを検出し、検出値TMOを出力する放電検出器48と、POチャンバ11内の電極間の放電開始タイミングを検出し、検出値TPOを出力する放電検出器49と、検出値TMO、検出値TPO、S偏光検出器38から出力される検出値SPO、及び、エネルギコントローラ46及び47の出力に基づいて、電源41及び42、スイッチ43及び44を制御する同期コントローラ45とを含んでいる。
【0049】
さらに、このレーザ装置は、モニタ35から出力される検出値MMOと、予め記憶していた又はレーザコントローラ40から与えられていた目標エネルギ値EMOとに基づいて、MOの出力が目標エネルギ値EMOとなるような高電圧値HVMOを同期コントローラ45に出力するエネルギコントローラ46と、同様に、モニタ36から出力される検出値MPOと、予め記憶していた又はレーザコントローラ40から与えられていた目標エネルギ値EPOとに基づいて、POの出力が目標エネルギ値EPOとなるような高電圧値HVPOを同期コントローラ45に出力するエネルギコントローラ47とを含んでいる。
【0050】
図16に、図15に示す電源41の構成を示す。電源42の構成も同様である。電源41は、コンデンサ51に、高電圧値HVMOを充電するための充電器50と、コンデンサ51に充電されたエネルギを用いて高電圧パルスを発生させるためのスイッチ43と、高電圧パルスのパルス幅を圧縮し、立ち上がりの短い短パルスの高電圧パルスを出力するMPC(Magnetic Pulse Compression:磁気パルス圧縮)回路52とを含んでいる。
【0051】
次に、電源41の動作について説明する。充電器50は、同期コントローラ45から入力された高電圧値HVMOに基づいて、電圧HVMOになるまでコンデンサ51を充電する。次に、同期コントローラ45の出力するトリガ信号によって、スイッチ43をオンすることにより、コンデンサ51に貯蓄されていたエネルギを、MPC回路52を介してMOチャンバ10内の電極に与える。これにより、MOチャンバ10内の電極に放電が発生し、レーザ発振が行われる。なお、必要に応じて、コンデンサからの電圧パルスを昇圧するために、昇圧トランスを用いても良い。
【0052】
次に、電源42の動作について説明する。電源42においても、電源41同様に、充電器は、同期コントローラ45から入力された高電圧値HVPOに基づいて、電圧HVPOになるまでコンデンサを充電する。次に、同期コントローラ45の出力するトリガ信号によって、スイッチ44をオンすることにより、コンデンサに貯蓄されていたエネルギを、MPC回路を介してPOチャンバ11内の電極に与える。これにより、POチャンバ11内の電極に放電が発生し、レーザ発振が行われる。
【0053】
ここで、図17を参照しながら、MPC回路について説明する。図17に示すように、N段のMPC回路は、コンデンサCNと磁気スイッチMSN(可飽和リアクトル)との対で構成される容量移行型回路を、直列に接続して構成される(N=1、2、・・・)。
【0054】
このようなMPC回路において、各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に行くにつれて減少するように構成することにより、各段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなる。また、各段の移行時間は、可飽和リアクトル毎に定められたVt積に依存する。従って、印加する電圧を増大させることにより移行時間は減少し、印加する電圧を減少させることにより移行時間は増大する。そこで、本実施形態においては、検出値TMO、検出値TPO、検出値SPO、高電圧値HVMO、及び、高電圧値HVPOに基づいて、同期コントローラ45が、スイッチ43及び44をオンするタイミングを制御している。
【0055】
次に、ガスコントローラ39を用いた、レーザ光のS偏光成分の制御について説明する。図18に、図14に示すMOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度と、MOから出力されるレーザ光の出力及びS偏光成分との関係を示し、図19に、MOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧と、MOから出力されるレーザ光の出力及びS偏光成分との関係を示す。
【0056】
図18に示すように、MOから出力されるレーザ光は、F2濃度が高くなるにつれて、S偏光成分が増加する。従って、ガスコントローラ39を用いて、図中の範囲dF2でF2濃度を制御することにより、出力を維持しながらS偏光成分を抑えることができる。
【0057】
また、図19に示すように、MOから出力されるレーザ光は、全ガス圧が高くなるにつれて、S偏光成分が増加する。従って、ガスコントローラ39を用いて、図中の範囲PTOTALで全ガス圧を制御することにより、出力低下分を補償しながらS偏光成分を抑えることができる。
【0058】
次に、同期コントローラ45を用いた、スイッチ43及びスイッチ44をオンするタイミングの制御について説明する。図20に、MOチャンバ10内の電極間で放電の起こる時刻から、POチャンバ11内の電極間で放電の起こる時刻までの時間差を遅延時間TDELAYとして、遅延時間TDELAYと、LSM19から出力されるレーザ光の第1の波長成分、及び、POから出力されるレーザ光のS偏光成分との関係を示す。
【0059】
図20に示すように、POから出力されるレーザ光は、遅延時間TDELAYの変化によって、S偏光成分も変化する。従って、同期コントローラ45を用いて、図中の範囲TDで遅延時間TDELAYを制御し、POへのレーザ光線の注入と、POチャンバ11内の電極間の放電とを同期することにより、S偏光成分を抑えることができる。
【0060】
本発明におけるLSM19としては、プリズム、複屈折フィルタ、グレーティング等が代表的なものとして挙げられる。以下に、図14におけるLSM19の具体例について説明する。
【0061】
図21に、LSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する。図21に示すLSM19においては、分散プリズム20aの下側に分散プリズム20bが配置され、その下方に全反射ミラー54が配置されている。なお、ここでは2個の分散プリズムを配置した場合を例示したが、1個又は3個以上の分散プリズムを配置してもよい。
【0062】
POチャンバから発生した第1の波長成分及び第2の波長成分のレーザ光は、分散プリズム20a及び20bによって屈折する。ここで、第2の波長成分のレーザ光は第1の波長成分のレーザ光よりも大きく屈折するので、第1の波長成分のレーザ光と第2の波長成分のレーザ光とを分離することができる。分離された第1の波長成分及び第2の波長成分のレーザ光を全反射ミラー54で全反射させて、第1の波長成分のレーザ光のみをモニタ36の方へ出力する。第2の波長成分のレーザ光は、他の方向に出射されて排除される。
【0063】
また、レーザ光が出力されると、分散プリズム内でレーザ光が吸収されて分散プリズムの温度が上昇し、分散プリズムの屈折率が大きくなって、露光器に出力されるビームの角度が変化する。この角度の変化分は、全反射ミラー54の角度を制御することにより補正することができる。レーザ光の出力角度の変化は、モニタ36に設置されるビームプロファイラ又はレーザ光の角度を検出する計測器によって検出される検出値に基づいて、ミラーコントローラ56が、ミラー姿勢角制御ドライバ55を介して全反射ミラー54の角度をフィードバック制御することで補正される。又は、LSM19の温度を一定にするために、LSM19を恒温槽内に配置して、温度を調整するようにしても良い。
【0064】
図22に、分散プリズムによるレーザ光の分散が小さい場合のLSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する。ここでは、露光器57内に、第2の波長除去部としてスリット板58が設けられている。
【0065】
LSM19に入射する第1の波長成分及び第2の波長成分のレーザ光は、分散プリズム20a及び分散プリズム20bによって屈折する。ここで、第2の波長成分のレーザ光は第1の波長成分のレーザ光よりも大きく屈折するが、角度分散値が小さいため、LSM19内では第2の波長成分のレーザ光を取り除くことができない。そのため、露光器45内にスリット板58を設けて、第2の波長成分のレーザ光を除去し、露光光源として第1の波長成分のレーザ光のみを選択する。なお、この構成を用いる場合には、モニタ36において、第2の波長成分を含むレーザ光の出力を検出することになるが、第2の波長成分の出力は第1の波長成分の出力に比べて微量なため、第2の波長成分の影響は無視できる。
【0066】
あるいは、全反射ミラーで反射したレーザ光を長焦点レンズで集光し、その焦点面にスリット板を配置して第1の波長成分のレーザ光を選択分離しても良い。また、長焦点レンズの替わりに、凹面ミラー、シリンドリカルミラー、又は、シリンドリカルレンズを用いることもできる。
【0067】
図23に、LSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する。図23に示すように、LSM19は、分散プリズム20aと、その下側に配置された分散プリズム20bと、全反射ミラー54とを含んでいる。ここで、分散プリズム20b及び全反射ミラー54は、それぞれ回転ステージ63及び回転ステージ64に設置されている。また、第2の波長成分のレーザ光の除去は、レンズ59と、スリット板58と、レンズ60とで構成され、レーザ装置と露光器との間に配置された伝搬路67において行っている。ここで、スリット板58は、レンズ59及びレンズ60の焦点の位置に配置されている。なお、スリット板58は、図22のスリット板58と同様に、露光器57内に配置しても良い。
【0068】
POから出射したレーザ光は、LSM19内に配置された分散プリズム20a及び20bによって分離され、全反射ミラー54で反射されることにより、レンズ59の方へ出射される。
【0069】
レンズ59によって屈折した第1の波長成分のレーザ光及び第2の波長成分のレーザ光は、異なった位置に集光する。そのため、第2の波長成分のレーザ光が通過しない位置にスリット板58を配置することにより、第2の波長成分のレーザ光を除去することができる。
【0070】
スリットを通過した第1の波長成分のレーザ光は、レンズ60によって再び平行光となる。ここで、レンズ60とスリット板58との距離が、レンズ60で屈折する第1の波長成分のレーザ光の焦点距離と等しくなるように、レンズ60を配置する。
【0071】
また、レーザ光の出力角度の変化は、モニタ36に設置されるビームプロファイラ又はレーザ光の角度を検出する計測器により検出される検出値に基づいて、回転ステージコントローラ62が、回転ステージ制御ドライバ61を介して回転ステージ63及び64を回転することにより、分散プリズム20b及び全反射ミラー54の角度をフィードバック制御することで補正される。
【0072】
図24に、入射光の光軸と第1の波長成分の出射光の光軸とが一致するようなLSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する。図24に示すように、このLSM19は、2つの分散プリズム20a及び20bと、45度直角プリズム20c〜20eと、2つの回転ステージ65及び66とを含んでいる。ここで、分散プリズム20b及び20eは、それぞれ回転ステージ65及び66に設置されている。
【0073】
LSM19において、POから出射したレーザ光は、LSM19内に配置された直角プリズム20cで反射され、分散プリズム20aに入射する。分散プリズム20aに入射したレーザ光は、分散プリズム20a及び20bにより第1の波長成分のレーザ光と第2の波長成分のレーザ光とが分離され、45度直角プリズム20dにより入射方向に反射される。再び、分散プリズム20b及び20aを透過したレーザ光は、直角プリズム20eに入射し、直角プリズム20eで反射されて、第1の波長成分のレーザ光のみがモニタ36の方へ出力される。
【0074】
ここで、LSM19から出射する第1の波長成分のレーザ光の光軸を、LSM19に入射するレーザ光の光軸と一致させるように各プリズムを配置している。このように構成することにより、POの光軸とモニタ36の光軸とが同軸となるため、LSMが搭載されたモニタと通常のモニタとを交換してもアライメントを再調整する必要がない。
【0075】
また、LSM19を設置又は除去しても光軸が変化しないため、簡易にフリーランとラインセレクトとを切り替えることができる。このレーザ装置においては、回転ステージ65を制御することにより、分散プリズム20bの角度を制御して波長選択を行うことができ、回転ステージ66を制御することにより、直角プリズム20eの角度を制御して光軸の調整を行うことができる。
【0076】
ここで、レーザ光の光軸の変化は、モニタ36に設置されるビームプロファイラ又はレーザ光の角度を検出する計測器により検出される検出値に基づいて、回転ステージコントローラ62が、回転ステージ制御ドライバ61を介して回転ステージ65及び66を回転することにより、分散プリズム20b及び直角プリズム20eの角度をフィードバック制御することで補正される。
【0077】
また、この構成によれば、光路を長くすることができるので、分散プリズムによる光の分散値が小さい場合でも、レーザ光の第1の波長成分と第2の波長成分を分離することができる。また、同一の分散プリズムを2回利用できるので、波長選択性を高くしつつ、レーザ装置をコンパクトに設計することが可能となる。
【0078】
次に、図25〜図29のフローチャートを用いて、図15に示すレーザ装置の各部における動作について説明する。ここで、図25は、エネルギコントローラ46の動作を説明するためのフローチャートであり、図26は、エネルギコントローラ47の動作を説明するためのフローチャートであり、図27は、同期コントローラ45の動作を説明するためのフローチャートであり、図28及び図29は、レーザコントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。
【0079】
まず、図25を参照しながら、エネルギコントローラ46の動作について説明する。図25に示すように、エネルギコントローラ46は、ステップS101において、モニタ35から出力される検出値MMOを受信する。
【0080】
ステップS102において、検出値MMOからエネルギEMOを求め、予め記憶していた若しくはレーザコントローラ40から与えられていた目標エネルギ値ETMOと、エネルギEMOとに基づいて、エネルギ偏差ΔEMO(=ETMO−EMO)を算出する。
【0081】
ステップS103において、エネルギ偏差ΔEMOを補うため、エネルギ偏差ΔEMOに基づいて、コンデンサ51に充電する電圧偏差ΔVMOを算出する。ここで、電圧偏差ΔVMOは、比例係数をKとするとき、ΔVMO=K・ΔEMOから算出している。
【0082】
ステップS104において、目標エネルギ値ETMOを得るために、高電圧値HVMOを補正する。このステップにおいては、今回の高電圧値HVMO(今回)及び電圧偏差ΔVMOに基づいて、次回の高電圧値HVMO(次回)(=HVMO(今回)+ΔVMO)を算出している。
【0083】
ステップS105において、ステップS104において求めた次回の高電圧値HVMO(次回)を同期コントローラ45に、又、次回の高電圧値HVMO(次回)及び今回の高電圧値HVMO(今回)をレーザコントローラ40に送出する。なお、高電圧値HVMO(今回)の代わりに、ステップS102において求めたエネルギEMOをレーザコントローラ40に送出することとしても良い。
【0084】
次に、図26を参照しながら、エネルギコントローラ47の動作について説明する。図26に示すように、エネルギコントローラ47は、ステップS201において、モニタ36から出力される検出値MPOを受信する。
【0085】
ステップS202において、検出値MPOからエネルギEPOを求め、予め記憶していた若しくはレーザコントローラ40から与えられていた目標エネルギ値ETPOと、エネルギEPOとに基づいて、エネルギ偏差ΔEPO(=ETPO−EPO)を算出する。
【0086】
ステップS203において、エネルギ偏差ΔEPOを補うため、エネルギ偏差ΔEPOに基づいて、電源42内のコンデンサに充電する電圧偏差ΔVPOを算出する。ここで、電圧偏差ΔVPOは、比例係数をKとするとき、ΔVPO=K・ΔEPOから算出している。
【0087】
ステップS204において、目標エネルギ値ETPOを得るために、高電圧値HVPOを補正する。このステップにおいては、今回の高電圧値HVPO(今回)及び電圧偏差ΔVPOに基づいて、次回の高電圧値HVPO(次回)(=HVPO(今回)+ΔVPO)を算出している。
【0088】
ステップS205において、ステップS204において求めた次回の高電圧値HVPO(次回)及び今回の高電圧値HVPO(今回)を同期コントローラ45に、また、次回の高電圧値HVPO(次回)をレーザコントローラ40に送出する。なお、高電圧値HVPO(今回)の代わりに、ステップS202において求めたエネルギEPOを同期コントローラ45に送出することとしても良い。
【0089】
次に、図27を参照しながら、同期コントローラ45の動作について説明する。図27に示すように、同期コントローラ45は、ステップS301において、図25のステップS105においてエネルギコントローラ46(又は後述する図28のステップS403においてはレーザコントローラ40)から送出された次回の高電圧値HVMO、及び、図26のステップS205においてエネルギコントローラ47(又は後述する図28のステップS411においてはレーザコントローラ40)から送出された次回の高電圧値HVPOを受信する。
【0090】
ステップS302において、S偏光検出器38から出力された検出値SPOを受信する。ここで受信する検出値SPOは、第1の波長成分及び第2の波長成分を含むレーザ光のS偏光成分に基づく値である。
【0091】
ステップS303において、図26のステップS205においてエネルギコントローラ47から送出された今回の高電圧値HVPOを受信する。ここで受信する高電圧値HVPOは、レーザ光の第1の波長成分のP偏光成分に基づくエネルギに対応する値であり、比例係数をKとするとき、EPO(P)=HVPO/Kから、EPO(P)が算出される。なお、今回の高電圧値HVPOの代わりに、図26のステップS202において求めたエネルギEPOを受信する場合には、EPO(P)=EPOとする。
【0092】
ステップS304において、検出値SPOからS偏光成分のエネルギEPO(S)を求め、S偏光成分のエネルギEPO(S)及びP偏光成分のエネルギEPO(P)に基づいて、偏光純度PLPPO(=EPO(S)/(EPO(P)+EPO(S)))を算出している。
【0093】
ステップS305において、前回の偏光純度PLPPO(前回)と、今回の偏光純度PLPPO(今回)とに基づいて、偏光純度偏差ΔPLPPO(=PLPPO(今回)−PLPPO(前回))を算出する。
【0094】
また、同期コントローラ45は、ステップS306において、放電検出器48の出力する検出値TMO及び放電検出器49の出力する検出値TPOを受信し、検出値TMO及び検出値TPOに基づいて、遅延時間TDELAY(=TPO−TMO)を算出する。
【0095】
次に、ステップS307において、前回の遅延時間TDELAY(前回)と、今回の遅延時間TDELAY(今回)とに基づいて、遅延時間偏差ΔTDELAY(=遅延時間TDELAY(今回)−遅延時間TDELAY(前回))を算出する。
【0096】
ステップS308において、ステップS307において算出した遅延時間偏差ΔTDELAYと、ステップS305において算出した偏光純度偏差ΔPLPPOとの積(ΔTDELAY×ΔPLPPO)を算出する。
【0097】
ステップS309において、積(ΔTDELAY×ΔPLPPO)が正か負かを判別する。積が正の場合(ΔTDELAY×ΔPLPPO≧0)には、ステップS310に移行する。積が負の場合(ΔTDELAY×ΔPLPPO<0)には、ステップS311に移行する。
【0098】
ステップS310において、遅延時間を負方向に補正する。積が正の場合(ΔTDELAY×ΔPLPPO≧0)は、図20において、TD領域よりも遅延時間が大きい領域にあることを示すため、予め記憶されているか若しくはレーザコントローラ40から与えられる遅延時間TDELAY(今回)及び遅延時間偏差ΔTDELAYに基づいて、遅延時間TDELAY(次回)(=TDELAY(今回)−ΔTDELAY)を算出する。なお、、MOの出力に影響を受けずにPOで発振する図20に示す領域TU+は考慮していない。
【0099】
ステップS311において、遅延時間を正方向に補正する。積が負の場合(ΔTDELAY×ΔPLPPO<0)は、図20において、TD領域よりも遅延時間が小さい領域にあることを示すため、予め記憶されているか若しくはレーザコントローラ40から与えられる遅延時間TDELAY(今回)及び遅延時間偏差ΔTDELAYに基づいて、遅延時間TDELAY(次回)(=TDELAY(今回)+ΔTDELAY)を算出する。なお、MOの出力に影響を受けずにPOで発振する図20に示す領域TU-は考慮していない。
【0100】
ステップS312において、ステップS301において受信した高電圧値HVMO、高電圧値HVPO、電源41を構成するMPC回路の可飽和リアクトルのVt積、及び、電源42を構成するMPC回路の可飽和リアクトルのVt積に基づいて、電源41の移行時間THVMO及び電源42の移行時間THVPOを算出する。
【0101】
また、電源は、Vt積のほかに、温度等の条件によっても移行時間が変化する。例えば、温度変化によるコンデンサの容量変化により、移行時間が変化する。そこで、ステップS313において、電源41の温度センサ及び電源42の温度センサから出力される温度信号に基づいて、電源41の移行時間変化TTEMMO及び電源42の移行時間TTEMPOを算出する。なお、温度以外の要因による移行時間の変化についても、必要に応じて、その要因に相当するパラメータを計測し、その計測データに基づいて移行時間を算出し、補正しても良い。
【0102】
ステップS314において、次回の遅延時間TDELAY(次回)(便宜的にTDELAYとする)、移行時間THVMO及びTHVPO、移行時間変化TTEMMO及びTTEMPOに基づいて、スイッチ43にトリガ信号を送信してから、スイッチ44にトリガ信号を送信するまでの時間差TSWITCH(=TDELAY+(THVMO−THVPO)+(TTEMMO−TTEMPO))を算出する。そして、時間差TSWITCHでスイッチ43及びスイッチ44にトリガ信号を送信する。
【0103】
次に、図28及び図29を参照しながら、レーザコントローラ40の動作について説明する。図28に示すように、このレーザコントローラ40は、ステップS401において、図25のステップS105においてエネルギコントローラ46から送出される次回の高電圧値HVMOを受信する。
【0104】
ステップS402において、受信した高電圧値HVMOが、電源41で定められている最大電圧値HVMOMAXより大きいか否かを判別する。ここで、HVMO>HVMOMAXの場合にはステップS403に移行し、HVMO≦HVMOMAXの場合にはステップS404に移行する。
【0105】
ステップS403において、MOチャンバ10内のレーザ媒質のガス圧を所定量ΔP上昇させるために、He等のバッファガスをMOチャンバ10内に供給するように、ガスコントローラ39を制御する。ここで、高電圧値HVMOを最大電圧値HVMOMAXよりも低く設定する。HVMO>HVMOMAXの場合には、電源41の充電電圧をHVMOに設定することができないため、図4に示すように、レーザ光のパルスエネルギを上昇させるためにレーザガス圧をΔPだけ上昇させて、ΔPに基づいて高電圧値HVMOを低く設定している。ここで、ΔPの増加に基づく高電圧値HVMOの減少量は、予めデータとして保有しており、低く設定された高電圧値HVMOを、次回の高電圧値HVMO(次回)として同期コントローラ45に送信する。
【0106】
ステップS404において、S偏光検出器37から出力された検出値SMOを受信する。ここで受信する検出値SMOは、第1の波長成分及び第2の波長成分を含むレーザ光のS偏光成分に基づく値である。
【0107】
ステップS405において、図25のステップS105においてエネルギコントローラ46から送出された今回の高電圧値HVMOを受信する。ここで受信する高電圧値HVMOは、レーザ光の第1の波長成分及び第2の波長成分を含むP偏光成分に基づくエネルギに対応する値であり、比例係数をKとするとき、EMO(P)=HVMO/Kから、EMO(P)が算出される。なお、今回の高電圧値HVMOの代わりに、図25のステップS102において求めたエネルギEMOを受信する場合には、EMO(P)=EMOとする。
【0108】
ステップS406において、検出値SPOからS偏光成分のエネルギEMO(S)を求め、S偏光成分のエネルギEMO(S)及びP偏光成分のエネルギEMO(P)に基づいて、偏光純度PLPMO(=EMO(S)/(EMO(P)+EMO(S)))を算出している。
【0109】
ステップS407において、偏光純度PLPMOが所定値PLPMOFIXよりも大きいか否かを判別する。ここで、PLPMO>PLPMOFIXの場合にはステップS408に移行し、PLPMO≦PLPMOFIXの場合には図29に示すステップS409に移行する。
【0110】
ステップS408において、ガスコントローラ39を制御して、MOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度を減少させる。図18に示すように、F2濃度が所定値を越えると、レーザ光のS偏光成分が増加するために、偏光純度も増加する。そのため、MOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度を減少させることにより、レーザ光のS偏光成分を減少させている。ここで、F2濃度を減少させるためには、例えば、He等のバッファガスをMOチャンバ10内に注入し、全ガス圧を変更したくない場合には、バッファガス注入後、バッファガスと共に、F2を排気すれば良い。
【0111】
次に、図29に示すように、ステップS409において、図26のステップS205においてエネルギコントローラ47から送出された次回の高電圧値HVPOを受信する。
【0112】
ステップS410において、受信した高電圧値HVPOが、電源42で定められている最大電圧値HVPOMAXより大きいか否かを判別する。ここで、HVPO>HVPOMAXの場合にはステップS411に移行し、HVPO≦HVPOMAXの場合にはステップS412に移行する。
【0113】
ステップS411において、POチャンバ11内のレーザ媒質のガス圧を所定量ΔP上昇させるために、He等のバッファガスをPOチャンバ11内に供給するように、ガスコントローラ39を制御する。ここで、高電圧値HVPOを最大電圧値HVPOMAXよりも低く設定する。HVPO>HVPOMAXの場合には、電源42の充電電圧をHVPOに設定することができないため、図4に示すように、レーザ光のパルスエネルギを上昇させるためにレーザガス圧をΔPだけ上昇させて、ΔPに基づいて高電圧値HVPOを低く設定している。ここで、ΔPの増加に基づく高電圧値HVPOの減少量は、予めデータとして保有しており、低く設定された高電圧値HVPOを、次回の高電圧値HVPO(次回)として同期コントローラ45に送信する。
【0114】
ステップS412において、MOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧及びPOチャンバ11内のレーザ媒質の全ガス圧を検出する圧力モニタから出力された検出値PMO及び検出値PPOを受信する。
【0115】
ステップS413において、MOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧PMOが、予め記憶していたMOチャンバ10の圧力最大許容値PMOMAXよりも大きいか否かを判別する。ここで、PMO>PMOMAXの場合にはステップS414に移行し、PMO≦PMOMAXの場合にはステップS415に移行する。
【0116】
ステップS414において、MOチャンバ10内のガスを交換する。PMO>PMOMAXの場合には、MOチャンバ10にガスを供給することができないため、ガスが劣化したと見なし、MOチャンバ10内のガスを交換している。ここで、ガスの交換頻度が高い場合にMOチャンバ10のメンテナンスが必要か否かを判定するステップは省略している。
【0117】
ステップS415において、POチャンバ11内のレーザ媒質の全ガス圧PPOが、予め記憶していたPOチャンバ11内のレーザ媒質の全ガス圧の圧力最大許容値PPOMAXよりも大きいか否かを判別する。ここで、PPO>PPOMAXの場合にはステップS416に移行する。
【0118】
ステップS416において、POチャンバ11内のガスを交換する。PPO>PPOMAXの場合には、POチャンバ11にガスを供給することができないため、ガスが劣化したと見なし、POチャンバ11内のガスを交換している。ここで、ガスの交換頻度が高い場合にPOチャンバ11のメンテナンスが必要か否かを判定するステップは省略している。
【0119】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図30に、本発明の第5の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す。図30に示すように、このレーザ装置のPOチャンバ11は、分散プリズム20で屈折した第2の波長成分のレーザ光の出力を検出して検出信号MPO2を出力する強度検出器53をLSM19の下流に配置し、また、S偏光検出器38から出力されるSPOをレーザコントローラにも入力している。レーザ装置のその他の構成については、図14及び図15に示すものと同様である。
【0120】
図15に示す第4の実施形態においては、S偏光検出器38で検出するS偏光のレーザ光により遅延時間TDELAYを制御していたが、本実施形態においては、強度検出器53で検出した第2の波長成分のレーザ光の強度により遅延時間TDELAYを制御し、S偏光検出器38で検出するS偏光のレーザ光により、MOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度及び全ガス圧を制御し、レーザ光のS偏光成分を抑制している。
【0121】
次に、遅延時間TDELAYによる出力強度の変化について説明する。図31に、遅延時間TDELAYと、POから出力されるレーザ光の第1の波長成分及び第2の波長成分のP偏光成分との関係を示す。
【0122】
図31に示すように、POから出力されるレーザ光においては、遅延時間TDELAYの変化によって、第1の波長成分及び第2の波長成分も変化する。従って、同期コントローラ45を用いて、図20に示す範囲TDにおいて遅延時間TDELAYを制御し、POチャンバ11へのレーザ光線の注入と、POチャンバ11内のレーザ媒質の電極間の放電とを同期させることにより、第2の波長成分を抑えることができる。
【0123】
次に、図32〜図34のフローチャートを参照しながら、図30に示すレーザ装置の各部に置ける動作について説明する。ここで、図32は、同期コントローラ45の動作を説明するためのフローチャートであり、図33及び図34は、レーザコントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。また、エネルギコントローラ46の動作及びエネルギコントローラ47の動作については、図25及び図26に示すものと同様である。
【0124】
まず、図32を参照しながら、同期コントローラ45の動作について説明する。図32に示すように、同期コントローラ45は、ステップS501において、図25のステップS105においてエネルギコントローラ46(又は後述する図33のステップS603においてはレーザコントローラ40)から送出された次回の高電圧値HVMO、及び、図26のステップS205においてエネルギコントローラ47(又は後述する図33のステップS611においてはレーザコントローラ40)から送出された次回の高電圧値HVPOを受信する。
【0125】
ステップS502において、強度検出器53から出力された検出値MPO2を受信する。ここで受信する検出値MPO2は、第2の波長成分のレーザ光のP偏光成分に基づく強度である。
【0126】
ステップS503において、前回の検出値MPO2(前回)と、今回の検出値MPO2(今回)とに基づいて、検出値偏差ΔMPO2(=MPO2(今回)−MPO2(前回))を算出する。
【0127】
また、この同期コントローラ45は、ステップS504において、放電検出器48の出力する検出値TMO及び放電検出器49の出力する検出値TPOを受信し、検出値TMO及び検出値TPOに基づいて、遅延時間TDELAY(=TPO−TMO)を算出する。
【0128】
次に、ステップS505において、前回の遅延時間TDELAY(前回)と、今回の遅延時間TDELAY(今回)とに基づいて、遅延時間偏差ΔTDELAY(=遅延時間TDELAY(今回)−遅延時間TDELAY(前回))を算出する。
【0129】
ステップS506において、ステップS505において算出した遅延時間偏差ΔTDELAYと、ステップS503において算出した検出値偏差ΔMPO2との積(ΔTDELAY×ΔMPO2)を算出する。
【0130】
ステップS507において、積(ΔTDELAY×ΔMPO2)が正か負かを判別する。ここで、積が正の場合(ΔTDELAY×ΔMPO2≧0)にはステップS508に移行し、積が負の場合(ΔTDELAY×ΔMPO2<0)にはステップS509に移行する。
【0131】
ステップS508において、遅延時間を負方向に補正する。積が正の場合(ΔTDELAY×ΔMPO2≧0)は、図31において、TD領域よりも遅延時間が大きい領域にあることを示すため、予め記憶されているか若しくはレーザコントローラ40から与えられる遅延時間TDELAY(今回)及び遅延時間偏差ΔTDELAYに基づいて、遅延時間TDELAY(次回)(=TDELAY(今回)−ΔTDELAY)を算出する。なお、MOの出力に影響を受けずにPOで発振する図31の領域TU+は考慮していない。
【0132】
ステップS509において、遅延時間を正方向に補正する。積が負の場合(ΔTDELAY×ΔMPO2<0)は、図31において、TD領域よりも遅延時間が小さい領域にあることを示すため、予め記憶されているか若しくはレーザコントローラ40から与えられる遅延時間TDELAY(今回)及び遅延時間偏差ΔTDELAYに基づいて、遅延時間TDELAY(次回)(=TDELAY(今回)+ΔTDELAY)を算出する。なお、MOの出力に影響を受けずにPOで発振する図31の領域TU-は考慮していない。
【0133】
ステップS510において、ステップS501において受信した高電圧値HVMO、高電圧値HVPO、電源41を構成するMPC回路の可飽和リアクトルのVt積、及び、電源42を構成するMPC回路の可飽和リアクトルのVt積に基づいて、電源41の移行時間THVMO及び電源42の移行時間THVPOを算出する。
【0134】
また、電源はVt積のほかに、温度等の条件によっても移行時間が変化する。例えば、温度変化によるコンデンサの容量変化により、移行時間が変化する。そこで、ステップS511において、電源41の温度センサ及び電源42の温度センサから出力される温度信号に基づいて、電源41の移行時間変化TTEMMO及び電源42の移行時間変化TTEMPOを補正する。なお、温度以外の要因による移行時間の変化についても、必要に応じて、その要因に相当するパラメータを計測し、その計測データに基づいて移行時間を補正しても良い。
【0135】
次に、ステップS512において、次回の遅延時間TDELAY(次回)(便宜的にTDELAYとする)、移行時間THVMO及びTHVPO、移行時間変化TTEMMO及びTTEMPOに基づいて、スイッチ43にトリガ信号を送信してから、スイッチ44にトリガ信号を送信するまでの時間差TSWITCH(=TDELAY+(THVMO−THVPO)+(TTEMMO−TTEMPO))を算出する。そして、時間差TSWITCHでスイッチ43及びスイッチ44にトリガ信号を送信する。
【0136】
次に、図33及び図34を用いて、レーザコントローラ40の動作について説明する。図33に示すように、このレーザコントローラ40は、ステップS601において、図25のステップS105においてエネルギコントローラ46から送出される次回の高電圧値HVMOを受信する。
【0137】
ステップS602において、受信した高電圧値HVMOが、電源41で定められている最大電圧値HVMOMAXより大きいか否かを判別する。ここで、HVMO>HVMOMAXの場合には、ステップS603に移行し、HVMO≦HVMOMAXの場合には、ステップS604に移行する。
【0138】
ステップS603において、MOチャンバ10内のレーザ媒質のガス圧を所定量ΔP上昇させるために、He等のバッファガスをMOチャンバ10内に供給するように、ガスコントローラ39を制御する。ここで、高電圧値HVMOを最大電圧値HVMOMAXよりも低く設定する。HVMO>HVMOMAXの場合には、電源41の充電電圧をHVMOに設定することができないため、図4に示すように、レーザ光のパルスエネルギを上昇させるためにレーザガス圧をΔPだけ上昇させて、ΔPに基づいて高電圧値HVMOを低く設定している。ここで、ΔPの増加に基づく高電圧値HVMOの減少量は、予めデータとして保有しており、低く設定された高電圧値HVMOを、次回の高電圧値HVMO(次回)として同期コントローラ45に送信する。
【0139】
ステップS604において、S偏光検出器37から出力された検出値SMOを受信する。ここで受信する検出値SMOは、第1の波長成分及び第2の波長成分を含むレーザ光のS偏光成分に基づく値である。
【0140】
ステップS605において、図25のステップS105においてエネルギコントローラ46から送出された今回の高電圧値HVMOを受信する。ここで受信する高電圧値HVMOは、レーザ光の第1の波長成分及び第2の波長成分を含むP偏光成分に基づくエネルギに対応する値であり、比例係数をKとするとき、EMO(P)=HVMO/Kから、EMO(P)が算出される。なお、今回の高電圧値HVMOの代わりに、図25のステップS102において求めたエネルギEMOを受信する場合には、EMO(P)=EMOとする。
【0141】
ステップS606において、検出値SMOからS偏光成分のエネルギEMO(S)を求め、S偏光成分のエネルギEMO(S)及びP偏光成分のエネルギEMO(P)に基づいて、偏光純度PLPMO(=EMO(S)/(EMO(P)+EMO(S)))を算出している。
【0142】
ステップS607において、偏光純度PLPMOが所定値PLPMOFIXよりも大きいか否かを判別する。PLPMO>PLPMOFIXの場合には、ステップS408に移行し、PLPMO≦PLPMOFIXの場合には、ステップS409に移行する。
【0143】
ステップS608において、ガスコントローラ39を制御して、MOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度を減少させる。図18に示すように、F2濃度が所定値を越えると、レーザ光のS偏光成分が増加するために、偏光純度も増加する。そのため、MOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度を減少させることにより、レーザ光のS偏光成分を減少させている。ここで、F2濃度を減少させるためには、例えば、He等のバッファガスをMOチャンバ10内に注入し、全ガス圧を変更したくない場合には、バッファガスと共に、F2を排気すれば良い。
【0144】
ステップS609において、図26のステップS205においてエネルギコントローラ47から送出された次回の高電圧値HVPOを受信する。
次に、ステップS610において、受信した高電圧値HVPOが、電源42で定められている最大電圧値HVPOMAXより大きいか否かを判別する。ここで、HVPO>HVPOMAXの場合にはステップS611に移行し、HVPO≦HVPOMAXの場合には図34に示すステップS612に移行する。
【0145】
ステップS611において、POチャンバ11内のレーザ媒質のガス圧を所定量ΔP上昇させるために、He等のバッファガスをPOチャンバ11内に供給するように、ガスコントローラ39を制御する。ここで、高電圧値HVPOを最大電圧値HVPOMAXよりも低く設定する。HVPO>HVPOMAXの場合には、電源42の充電電圧をHVPOに設定することができないため、図4に示すように、レーザ光のパルスエネルギを上昇させるためにレーザガス圧をΔPだけ上昇させて、ΔPに基づいて高電圧値HVPOを低く設定している。ここで、ΔPの増加に基づく高電圧値HVPOの減少量は、予めデータとして保有しており、低く設定された高電圧値HVPOを、次回の高電圧値HVPO(次回)として同期コントローラ45に送信する。
【0146】
次に、図34に示すように、ステップS612において、S偏光検出器38から出力された検出値SPOを受信する。ここで受信する検出値SPOは、第1の波長成分及び第2の波長成分を含むPOから出力されるレーザ光のS偏光成分に基づく値である。
【0147】
ステップS613において、図26のステップS205においてエネルギコントローラ47から送出された今回の高電圧値HVPOを受信する。ここで受信する高電圧値HVPOは、レーザ光の第1の波長成分のP偏光成分に基づくエネルギに対応する値であり、比例係数をKとするとき、EPO(P)=HVPO/Kから、EPO(P)が算出される。なお、今回の高電圧値HVPOの代わりに、図26のステップS202において求めたエネルギEPOを受信する場合には、EPO(P)=EPOとする。
【0148】
ステップS614において、検出値SPOからS偏光成分のエネルギEPO(S)を求め、S偏光成分のエネルギEPO(S)及びP偏光成分のエネルギEPO(P)に基づいて、偏光純度PLPPO(=EPO(S)/(EPO(P)+EPO(S)))を算出している。
【0149】
ステップS615において、偏光純度PLPPOが所定値PLPPOFIXよりも大きいか否かを判別する。PLPPO>PLPPOFIXの場合には、ステップS616に移行し、PLPPO≦PLPPOFIXの場合には、ステップS617に移行する。
【0150】
ステップS616において、ガスコントローラ39を制御して、POチャンバ内のレーザ媒質のF2濃度を減少させる。図18に示すように、F2濃度が所定値を越えると、レーザ光のS偏光成分が増加するために偏光純度も増加する。従って、POチャンバ11内のレーザ媒質のF2濃度を減少させることにより、レーザ光のS偏光成分を減少させている。ここで、F2濃度を減少させるためには、例えば、He等のバッファガスをPOチャンバ11内に注入し、全ガス圧を変更したくない場合には、バッファガス注入後、バッファガスと共に、F2を排気すれば良い。
【0151】
ステップS617において、MOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧及びPOチャンバ11内のレーザ媒質の全ガス圧を検出する圧力モニタから出力された検出値PMO及び検出値PPOを受信する。
【0152】
ステップS618において、MOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧PMOが、予め記憶していたMOチャンバ10の圧力最大許容値PMOMAXよりも大きいか否かを判別する。ここで、PMO>PMOMAXの場合にはステップS619に移行し、PMO≦PMOMAXの場合にはステップS620に移行する。
【0153】
ステップS619において、MOチャンバ10内のガスを交換する。PMO>PMOMAXの場合には、さらに、MOチャンバ10にガスを供給することができないため、ガスが劣化したと見なし、MOチャンバ10内のガスを交換している。ここで、ガスの交換頻度が高い場合にMOチャンバ10のメンテナンスが必要か否かを判定するステップは省略している。
【0154】
ステップS620において、POチャンバ11内のレーザ媒質の全ガス圧PPOが、予め記憶していたPOチャンバ11の圧力最大許容値PPOMAXよりも大きいか否かを判別する。ここで、PPO>PPOMAXの場合にはステップS621に移行する。
【0155】
ステップS621において、POチャンバ11内のガスを交換する。PPO>PPOMAXの場合には、さらに、POチャンバ11にガスを供給することができないため、ガスが劣化したと見なし、POチャンバ11内のガスを交換している。ここで、ガスの交換頻度が高い場合にPOチャンバ11のメンテナンスが必要か否かを判定するステップは省略している。
【0156】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、MOPO方式のレーザ装置において、スループット及び解像力を向上させることが可能なレーザ装置、及び、それを用いた露光装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示す位置(a)〜(c)におけるレーザ光の波長と強度との関係を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。
【図4】F2を含んだレーザ媒質の全ガス圧と自然発振するレーザ光のスペクトル線幅及び出力との関係を示す図である。
【図5】図3に示す位置(a)〜(c)におけるレーザ光の波長と強度との関係を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。
【図7】複屈折フィルタを使用したLSMの構成を例示する。
【図8】グレーティングを使用したLSMの構成を例示する図である。
【図9】エタロンを使用したLSMの構成を例示する図である。
【図10】MO及びPOにおいて複屈折フィルタを使用したレーザ装置の構成を示す図である。
【図11】MO及びPOにブリュースタ角でウインドを更に並べたレーザ装置の構成を示す図である。
【図12】レーザ共振器内に偏光素子を挿入したレーザ装置の構成を示す図である。
【図13】レーザ共振器内にローションプリズムを挿入したレーザ装置の構成を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係るレーザ装置の上面を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係るレーザ装置の側面及び各ブロックを示す図である。
【図16】図15に示す電源41の構成を示す図である。
【図17】MPC回路の構成を示す図である。
【図18】図14に示すMOチャンバ10内のレーザ媒質のF2濃度と、MOから出力されるレーザ光の出力及びS偏光成分との関係を示す図である。
【図19】図14に示すMOチャンバ10内のレーザ媒質の全ガス圧と、MOから出力されるレーザ光の出力及びS偏光成分との関係を示す図である。
【図20】遅延時間TDELAYと、図14に示すLSM19から出力されるレーザ光の第1の波長成分及びPOから出力されるレーザ光のS偏光成分との関係を示す図である。
【図21】LSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する図である。
【図22】分散プリズムによるレーザ光の分散が小さい場合のLSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する図である。
【図23】LSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する図である。
【図24】入射光の光軸と第1の波長成分の出射光の光軸とが一致するようなLSMを含むレーザ装置の一部の構成を例示する図である。
【図25】図15に示すエネルギコントローラ46の動作を説明するためのフローチャートである。
【図26】図15に示すエネルギコントローラ47の動作を説明するためのフローチャートである。
【図27】図15に示す同期コントローラ45の動作を説明するためのフローチャートである。
【図28】図15に示すレーザコントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。
【図29】図15に示すレーザコントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。
【図30】本発明の第5の実施形態に係るレーザ装置の構成を示す図である。
【図31】遅延時間TDELAYと、POから出力されるレーザ光の第1の波長成分及び第2の波長成分のP偏光成分との関係を示す図である。
【図32】図30に示す同期コントローラ45の動作を説明するためのフローチャートである。
【図33】図30に示すレーザコントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。
【図34】図30に示すレーザコントローラ40の動作を説明するためのフローチャートである。
【図35】従来のMOPO方式のレーザ装置の構成を示す図である。
【図36】レーザ媒質としてF2を用いたレーザ装置で発振されるレーザ光のスペクトルを示す図である。
【図37】特許文献1に開示されているレーザ装置レーザ装置の構成を説明するための図である。
【図38】ダブルチャンバ方式の遅延時間とベクトル線幅及び光強度との関係を示す図である。
【符号の説明】
10、100 MOチャンバ
11、101 POチャンバ
12、102 LNM
15、105 凹面全反射ミラー
16、106 凸面部分反射ミラー
17、107 部分反射ミラー
18、24、54、108 全反射ミラー
19、103 LSM
20、20a、20b 分散プリズム
20c〜20e 直角プリズム
21、32 偏光素子
22、30 複屈折フィルタ
23 偏光分離素子
25 グレーティング
26 スリット板
27 エタロン
28、29、31 ウインド
33 ローションプリズム
34 偏光板
35、36 モニタ
37、38 S偏光検出器
39 ガスコントローラ
40 レーザコントローラ
41、42 電源
43、44 スイッチ
45 同期コントローラ
46、47 エネルギコントローラ
48、49 放電検出器
50 充電器
51 コンデンサ
52 MPC回路
53 強度検出器
55 ミラー姿勢角制御ドライバ
56 ミラーコントローラ
57 露光器
58 スリット
59、60 レンズ
61 回転ステージ制御ドライバ
62 回転ステージコントローラ
63〜66 回転ステージ
67 伝搬路

Claims (16)

  1. 少なくとも第1の波長成分と第2の波長成分とを含むレーザ光を、共振させることにより発生し、発生したレーザ光を直線偏光にする偏光素子を含む第1のレーザ共振器と、
    前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光を、共振させることにより増幅する第2のレーザ共振器と、
    前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分と第2の波長成分とを異なる方向に出射する波長選択手段と、
    前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度に基づいて、前記第1のレーザ共振器における電極間の放電タイミングと前記第2のレーザ共振器における電極間の放電タイミングとの間の遅延時間を調整することにより、前記第2のレーザ共振器から出力される第1の波長成分の強度を上げるタイミング調整手段と、
    を具備するレーザ装置。
  2. 少なくとも第1の波長成分と第2の波長成分とを含むレーザ光を、共振させることにより発生する第1のレーザ共振器と、
    前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光を、共振させることにより増幅する第2のレーザ共振器と、
    前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分と第2の波長成分とを異なる方向に出射する波長選択手段と、
    前記第2のレーザ共振器から出力される第2の波長成分の強度に基づいて、前記第1のレーザ共振器における電極間の放電タイミングと前記第2のレーザ共振器における電極間の放電タイミングとの間の遅延時間を調整することにより、前記第2のレーザ共振器から出力される第1の波長成分の強度を上げるタイミング調整手段と、
    を具備するレーザ装置。
  3. 前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度に基づいて、前記第1のレーザ共振器内のレーザ媒質濃度を調整することにより、前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度を上げる偏光純度調整手段をさらに具備する請求項1記載のレーザ装置。
  4. 記波長選択手段の偏波面と前記偏光素子によって偏光純度を高められたレーザ光の偏波面とが対応するように、前記波長選択手段及び前記偏光素子が配置されている、請求項1又は3記載のレーザ装置。
  5. 前記波長選択手段から出射された第1の波長成分と第2の波長成分との内の一方を取り出す波長分離手段をさらに具備する請求項項1〜のいずれか1項記載のレーザ装置。
  6. 前記波長分離手段が、空間フィルタとして働くスリット板を含む、請求項記載のレーザ装置。
  7. 前記波長選択手段が、前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分を透過し、第2の波長成分を反射する、請求項1〜のいずれか1項記載のレーザ装置。
  8. 前記波長選択手段が、少なくとも1つのエタロンを含む、請求項記載のレーザ装置。
  9. 前記第1及び第2のレーザ共振器が、レーザ媒質としてF(フッ素分子)を用いる、請求項1〜のいずれか1項記載のレーザ装置。
  10. 少なくとも第1の波長成分と第2の波長成分とを含むレーザ光を、共振させることにより発生し、発生したレーザ光を直線偏光にする偏光素子を含む第1のレーザ共振器と、前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光を、共振させることにより増幅する第2のレーザ共振器と、前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分と第2の波長成分とを異なる方向に出射する波長選択手段と、前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度に基づいて、前記第1のレーザ共振器における電極間の放電タイミングと前記第2のレーザ共振器における電極間の 放電タイミングとの間の遅延時間を調整することにより、前記第2のレーザ共振器から出力される第1の波長成分の強度を上げるタイミング調整手段とを有するレーザ装置と、
    前記レーザ装置が発生するレーザ光を用いて対象物を露光させる露光器と、
    前記レーザ装置が発生するレーザ光の第1の波長成分と第2の波長成分との内の一方を取り出す波長分離手段と、
    を具備する露光装置。
  11. 少なくとも第1の波長成分と第2の波長成分とを含むレーザ光を、共振させることにより発生する第1のレーザ共振器と、前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光を、共振させることにより増幅する第2のレーザ共振器と、前記第2のレーザ共振器から出力されるレーザ光に含まれている第1の波長成分と第2の波長成分とを異なる方向に出射する波長選択手段と、前記第2のレーザ共振器から出力される第2の波長成分の強度に基づいて、前記第1のレーザ共振器における電極間の放電タイミングと前記第2のレーザ共振器における電極間の放電タイミングとの間の遅延時間を調整することにより、前記第2のレーザ共振器から出力される第1の波長成分の強度を上げるタイミング調整手段とを有するレーザ装置と、
    前記レーザ装置が発生するレーザ光を用いて対象物を露光させる露光器と、
    前記レーザ装置が発生するレーザ光の第1の波長成分と第2の波長成分との内の一方を取り出す波長分離手段と、
    を具備する露光装置。
  12. 前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度に基づいて、前記第1のレーザ共振器内のレーザ媒質濃度を調整することにより、前記第1のレーザ共振器から出力されるレーザ光の偏光純度を上げる偏光純度調整手段をさらに具備する請求項10記載の露光装置。
  13. 記波長選択手段の偏波面と前記偏光素子によって偏光純度を高められたレーザ光の偏波面とが対応するように、前記波長選択手段及び前記偏光素子が配置されている、請求項10又は12記載の露光装置。
  14. 前記波長分離手段が、前記露光器の内部、又は、前記レーザ装置から前記露光器へレーザ光を伝搬させる伝搬路に配置されている、請求項1013のいずれか1項記載の露光装置。
  15. 前記波長分離手段が、空間フィルタとして働くスリット板を含む、請求項1014のいずれか1項記載の露光装置。
  16. 前記第1及び第2のレーザ共振器が、レーザ媒質としてF(フッ素分子)を用いる、請求項1015のいずれか1項記載の露光装置。
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