JPWO2011102331A1 - 酸素ガス拡散陰極、これを用いた電解槽、塩素ガスの製造方法、及び水酸化ナトリウムの製造方法 - Google Patents

酸素ガス拡散陰極、これを用いた電解槽、塩素ガスの製造方法、及び水酸化ナトリウムの製造方法 Download PDF

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Abstract

初期セル電圧を低下させ、短絡などに対する耐久性に優れた食塩電解用酸素ガス拡散陰極、この酸素ガス拡散陰極を使用する電解槽及び電解方法を提供する。導電性基体12の一面側に、ガス拡散層13と、反応層14とを設け、反対側の面に導電層15を設けた食塩電解用酸素ガス拡散陰極。本ガス拡散陰極は、導電層15を設けることにより、導電性基体12の抵抗を低減し、均一電流を供給できる。

Description

本発明は食塩電解工業に用いる酸素ガス拡散陰極、これを用いた電解槽、塩素ガスの製造方法、及び水酸化ナトリウムの製造方法に関するものである。
[工業電解における酸素ガス拡散陰極の利用]
近年になって、酸素ガス拡散陰極を工業電解に利用することが検討され始めている。例えば、酸素還元反応を行なうための疎水性陰極が過酸化水素の電解製造装置に利用されている。又、アルカリ製造や酸、アルカリ回収プロセスでは、陽極での酸素発生の代替として水素酸化反応(水素陽極)、或いは陰極での水素発生の代替として酸素還元反応(酸素陰極)を、ガス拡散陰極を用いて行い、消費電力の低減を図っている。亜鉛採取等の金属回収、亜鉛メッキの対極としても水素陽極による減極が可能であることが報告されている。
工業用原料として重要である苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)及び塩素は主として食塩電解法により製造されている。この電解プロセスは、水銀陰極を使用する水銀法、及びアスベスト隔膜と軟鉄陰極を使用する隔膜法を経て、イオン交換膜を隔膜とし、過電圧の小さい活性陰極を使用するイオン交換膜法に移行してきた。この間、水酸化ナトリウム1トンの製造に要する電力原単位は2000kWhまで減少した。しかしながら、水酸化ナトリウム製造は電力多消費産業であるため、更なる電力原単位の削減が求められている。
従来の電解方法における陽極、陰極反応はそれぞれ式(1)及び(2)の通りであり、理論分解電圧は2.19Vとなる。
2Cl− → Cl2 + 2e-(1.36V) (1)
2H2O + 2e- → 2OH- + H2 (−0.83V) (2)
陰極で水素発生反応を行わせる代わりに酸素ガス拡散陰極を用いれば、反応は式(3)の通りになり、理論的には1.23V、実用的電流密度範囲でも0.8V程度の槽電圧を低減することができ、水酸化ナトリウム1トン当たり700kWhの電力原単位の低減が期待できる。
2 + 2H2O + 4e- → 4OH- (0.40V) (3)
このため、1980年代から酸素ガス拡散陰極を利用する食塩電解プロセスの実用化が検討されているが、このプロセスを実現させるためには高性能かつ該電解系における充分な安定性を要する酸素ガス拡散陰極の開発が不可欠である。
食塩電解での酸素ガス拡散陰極については、非特許文献1に詳しく記載されている。
[食塩電解用酸素ガス拡散陰極]
現在、最も一般的に行われている酸素ガス拡散陰極を用いた食塩電解法の電解槽は、イオン交換膜の陽極側に陽極室が配置され、該イオン交換膜の陰極側に陰極液室(苛性室)を介して酸素ガス拡散陰極が配置され、その背面に酸素ガス室が配置され、原料となる酸素を酸素ガス拡散陰極背面の酸素ガス室に供給するタイプのもので、陽極室、陰極液室、および酸素ガス室の3室から構成されるため、3室型電解槽と称される。酸素ガス室に供給された酸素は、酸素ガス拡散陰極内を拡散し、酸素ガス拡散陰極内の触媒層で陰極室内の水とナトリウムイオンが反応して水酸化ナトリウムを生成する。従ってこの電解法に用いられる酸素ガス拡散陰極は、酸素のみを充分に透過し、なおかつ水酸化ナトリウム溶液が酸素ガス室へ漏洩しない、いわゆる気液分離型の酸素ガス拡散陰極でなければならない。このような要求を満たすものとして、カ−ボン粉末とPTFEを混合させシ−ト状に成形した電極基体に銀、白金等の触媒を担持させた酸素ガス拡散陰極が提案されている。
このタイプの電解法で使用される酸素ガス拡散陰極は、気液分離性を保持する必要があるが、電解継続とともに酸素ガス拡散陰極で使用されるカーボン粉末の撥水性低下と消耗が進行するため、陰極液室から酸素ガス室への水酸化ナトリウム漏洩量が次第に増加する。漏洩の進行による陰極液室での生成水酸化ナトリウム量の減少と、漏洩した水酸化ナトリウムによる酸素ガス室の腐食が問題となる。この水酸化ナトリウムの漏洩は、陰極液室の液圧(高さ)に依存するため、特に大型の電解槽では防止が困難である。
これらの問題点を解決するために新規な電解槽が提案されている。この電解槽では酸素ガス拡散陰極をイオン交換膜と密着させて配置し(ゼロギャップ構造体)、原料である酸素、或いは酸素と水又は水蒸気を酸素ガス拡散陰極の背面より供給すると共に、また生成物である水酸化ナトリウムは酸素ガス拡散陰極の背面あるいは下部から回収することを特徴としている。この電解槽を用いた場合、上記水酸化ナトリウムの漏洩問題が解決され、3室型電解槽のような陰極液室(苛性室)と酸素ガス室の分離も不要となる。このような電解槽は、3室型電解槽の酸素ガス室と陰極液室(苛性室)を兼ねた1室(陰極室)と、陽極室の2室から構成されることから2室型電解槽と称される。
この2室型電解槽を使用する電解プロセスに適した酸素ガス拡散陰極に要求される性能は、3室型電解槽のものとは大きく異なり、陰極液室と酸素ガス室とが一体となった陰極室が形成され、水酸化ナトリウムは、酸素ガス拡散陰極背面の陰極室で生成され、陰極室の背面又は下部より生成した水酸化ナトリウム溶液を回収するため、2室型電解槽におけるガス拡散陰極には、気液透過性が要求され、陰極液室(苛性室)と酸素ガス室を分離する気液分離性の保持が不要となる。これによって2室型電解法では、3室型電解法の課題であった電解槽の大型化も比較的容易である。
このような気液透過性の酸素ガス拡散陰極を使用した場合であっても、生成した水酸化ナトリウムは裏側に移動するのみならず、高さ方向に重力により移動するため、生成する水酸化ナトリウムが過剰である場合には、電極内部に水酸化ナトリウム溶液が滞留し、酸素の供給が阻害されるという課題がある。そのため本酸素ガス拡散陰極では、充分なガス透過性、水酸化ナトリウム溶液による湿潤を避けるための充分な疎水性、及び水酸化ナトリウム溶液が電極内を容易に透過できるための親水性を同時に保有する必要があり、これを解決するためにイオン交換膜と電極の間に親水層を配置する方法が特許文献1において提案されている。
これらの電解槽の中間的な電解槽として、気液透過性を有する酸素ガス拡散陰極を膜とわずかに離して配置し、上部よりその隙間にアルカリ溶液を流す、液落下型の電解セルも開発されている(特許文献2)。
電解槽の改良とは別に、電極触媒や基体に関しても鋭意検討が進んでいる。
特許文献3では、発泡金属の編み目構造内に、液体の浸透できる微細な親水部と気体の出入可能な微細な撥水部が入り組み接し合って混在している反応層又は/及び気体の出入可能な微細な撥水部が微細に分散しているガス拡散層が充満形成されてなる酸素ガス拡散陰極を提案しており、特許文献4では導電性多孔体中の一部分に層状にガス供給層を形成し、前記導電性多孔体の表面の一面側に前記ガス供給層と接触した状態で反応層を積層しており、前記導電性多孔体の反対側の面は前記ガス供給層がなく露出状態でガス室の少なくとも一部を形成していることを特徴とする酸素ガス拡散陰極を提案している。しかしながら、酸素ガス拡散陰極の実用規模は1m角以上と大きな電解槽に取り付けられることが多い。例えば、実用規模の電解槽は幅2.4m×高さ1.2m程度の大きなサイズのものが使用されているため、多孔性導電性基体として発泡金属や金属多孔体を使用すると、電極の製造工程が煩雑、且つ作業性が悪く、大型化及び量産を行うには多大な手間を要し、量産性が悪い。また、金属多孔体は長期間使用すると腐食し、電極の劣化がおこる問題があった。
特許文献5ではカーボン材料からなる多孔性の導電性基体に、銀または銀合金からなる親水性触媒と疎水性バインダーを含む触媒層を担持した酸素ガス拡散陰極を報告している。特許文献5で提案される酸素ガス拡散陰極は、多孔性の導電性基材にカーボンクロス、カーボンペーパー、カーボン発泡体及びカーボン焼結体から選択される炭素材料を使用することで前記量産の課題を解決したが、電解操作や緊急停止操作において、銀または銀合金からなる親水性触媒の凝集や脱落が進行するため、電極の電解性能が低下する課題があった。
一方、特許文献6では、銀、疎水性材料及び炭素材料からなる多孔性の導電性基体に、銀およびパラジウムを触媒として被覆形成した酸素ガス拡散陰極によって、前記特許文献5の課題解決方法を提案しているが、高価な銀およびパラジウムを多量に使用しているためコストが高く、実用性が乏しかった。
特許3553775号公報 米国特許明細書第4,486,276号 特開平5−311475号公報 特開平11−50289号公報 特開2006−219694号公報 特開2008−127631号公報
「食塩電解酸素陰極に関する国内外の状況」、ソーダと塩素、第45巻、85(1994)
以上のように、実用規模の食塩電解槽で使用される酸素ガス拡散陰極には、大型化と量産が容易で、良好な電解性能を示し、その電解性能が緊急停止操作を繰り返しても維持され、更に価格が安価であるといった特性が要求される。これまで提案された酸素ガス拡散陰極は、いくつかの特性は満たすものの、全ての特性を満足するものでは無かった。
例えば特許文献3および4において提案された電極は、緊急停止操作を行っても電解性能の低下は見られないが、量産性と価格の点は満足できるものではなく、特許文献5提案の電極は、大型化と量産は容易であったが、緊急停止操作に対する安定性と価格の点で課題を残し、また特許文献6提案の電極は、大型化と量産が容易で、緊急停止操作による電解性能の低下も見られないが、非常に高価で実用性に乏しいものであった。
このように、これまで提案された酸素ガス拡散陰極は、実用性の点で一長一短を有していたが、短所を互いに補うようにこれら電極の特徴を組み合わせることは容易に発想できる。例えば図3に示す様な、特許文献5で提案される炭素材料からなる多孔性の導電性基体2に、特許文献3或いは4で提案されるガス拡散層3、及び該ガス拡散層3上に反応層4を塗布担持すれば、大型化と量産が容易で、緊急停止操作による電解性能の低下が見られず、価格が安価な酸素ガス拡散陰極1を実現できるのであるが、この酸素ガス拡散陰極1に通電するには、導電性基体2の、ガス拡散層3、及び反応層4を担持した面の反対側の面に集電体(省略)を設置し、該集電体から、導電性基体2→ガス拡散層3→反応層4→イオン交換膜(省略)の順に通電する。しかし導電性基体2は炭素製なので導電性が不十分であり、図3に矢印で示すように、集電体から導電性基体2に供給された電流が該導電性基体2内を均一に流れず、続くガス拡散層3と反応層4にも均一な電流が供給されないため、従来電極に比べて高い電解電圧を示し、電解特性に劣るという新たな課題が発生する。このように、これまで提案された酸素ガス拡散陰極の特徴を組み合わせただけでは全ての要求特性を満足する電極は実現できない。
本発明は、大型化と量産が容易で、従来電極と同等の良好な電解特性を有し、緊急停止操作による電解性能の低下が見られず、且つ価格が安価な酸素ガス拡散陰極を提供することを目的とする。また、本発明は、当該電極を用いて食塩電解を行ない、塩素ガス並びに水酸化ナトリウムを製造する方法及び当該電極を付設した食塩電解用電解槽を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の食塩電解用酸素ガス拡散陰極は、炭素材料からなる多孔性の導電性基体の表面の一面側に、導電性粉末と疎水性樹脂を含有するガス拡散層と、導電性粉末と親水性触媒と疎水性樹脂を含有する反応層とを設け、更に、前記導電性基体の表面の反対側の面に金属粉末と疎水性樹脂を含有する導電層を設けたことを特徴とする食塩電解用酸素ガス拡散陰極である。本発明においては、更に、当該電極の充填率は20〜50%の範囲が好ましい。また、本発明においては、前記親水性触媒、前記金属粉末としては、銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上の貴金属類である金属粉末を用いることが好ましく、両者は同一でも異なっていても良い。更に、前記反応層及び前記ガス拡散層の導電性粉末が、炭素粉末又は炭素材料に銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上の貴金属類を担持したものが好ましい。更に、前記親水性触媒の好ましい担持量は、10〜100g/m2であり、前記導電層の金属粉末の好ましい担持量は、10g/m2以上であり、前記親水性触媒と金属粉末の金属合計量の好ましい範囲は、20〜300g/m2である。また、本発明においては、前記炭素材料からなる多孔性の導電性基体は、クロスか繊維焼結体のいずれかを使用することが好ましい。
本発明は、炭素材料からなる多孔性の導電性基体の一面側に、導電性粉末と疎水性樹脂を含有するガス拡散層と、導電性粉末と親水性触媒と疎水性樹脂を含有する反応層とを設け、更に導電性基体の表面の反対側の面に金属粉末と疎水性樹脂を含有する導電層を設けているので、大型化と量産が容易で、緊急停止操作による電解性能の低下が見られないという好ましい特性を維持しつつ、集電体と接触する本電極の背面側に、導電層を設けることにより、炭素材料からなる多孔性の導電性基体の電気抵抗を低減することができ、電極全面への均一な電流供給を可能とすることができる。
本発明のガス拡散陰極を例示する概略縦断面図。 図1のガス拡散陰極を装着した食塩電解槽の概略縦断面図。 従来のガス拡散陰極を例示する概略縦断面図。
本発明に係る食塩電解用酸素ガス拡散陰極の構成部材、及び製造工程をより詳細に説明する。
[親水性触媒]
本発明の食塩電解用酸素ガス拡散陰極で使用する親水性触媒は、高温高濃度のアルカリ中で電気化学的に安定である銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類からなるものであり、単一金属、或いはこれら金属の合金を使用することができるが、価格の点で銀の単一金属、或いは銀に微量のパラジウム又は白金を添加した、銀−パラジウム合金、及び銀―白金合金の利用が実用的である。これら親水性触媒は市販されている粒子状のものを使用しても良いが、公知方法に従って合成後使用しても良く、例えば硝酸銀、或いは硝酸銀と硝酸パラジウム又は硝酸銀とジニトロジアンミン白金硝酸水溶液に、還元剤を混合する湿式法や、蒸着、スパッタなどの乾式法で合成された粒子状のものも使用できる。これら親水性触媒の粒径は0.001〜50μmのものを使用できるが、好ましい粒径範囲は0.001〜1μmである。
本発明における反応層に使用する親水性触媒は、緊急停止操作に対する安定性を実現するため、その担持量は10〜100g/m2が好ましい範囲である。反応層は親水性触媒、導電性粉末、及び疎水性樹脂を含有するが、親水性触媒の担持量が10g/m2未満であると、緊急停止操作によって導電性粉末の消耗が優先して進行するため、電解性能の低下が見られ、100g/m2を越えると、緊急停止操作によって親水性触媒の凝集が進行しやすくなるため、電解性能の低下が見られるようになる。
[導電性粉末]
本発明の食塩電解用酸素ガス拡散陰極で使用する導電性粉末は、ガス拡散層と反応層の両者において使用されているが、この導電性粉末は、高温高濃度のアルカリ中で比較的安定であり、且つ安価である炭素粉末を用いることができ、具体的にはチャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛粉末、黒鉛化炭素粉末などを使用することができる。炭素粒子の粒径は0.01〜50μmのものを使用できるが、好ましい粒径範囲は0.1〜5μmである。導電性粉末の利用によって、電極全体の導電性を維持しつつ、その担持量で充填率を制御して良好な電解性能を実現するのであるが、反応層に使用される導電性粉末は、前記機能に加えて、親水性触媒の凝集を物理的に抑制することで、緊急停止操作に対する安定性向上に寄与している。
本発明の導電性粉末は、上記の炭素粉末に加えて、炭素粉末の表面に銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上からなる微粒子を分散担持したものも使用することができるが、該導電性粉末は、価格の点で反応層の導電性粉末のみに限定して使用するのが好ましい。該導電性粉末は、市販されている、上記金属を担持した炭素粉末を使用しても良いが、公知方法に従って合成したものでも良く、例えば硝酸銀、硝酸パラジウム、及びジニトロジアミン白金硝酸水溶液のうち少なくとも一種類以上と炭素粉末を攪拌混合した後、還元剤を加えてこれら金属を炭素粉末に分散担持したものも使用できる。
該導電性粉末は、酸素還元能を有する銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上の微粒子を、炭素粉末表面に分散担持しているため、これら触媒金属の担持量が僅かであっても優れた酸素還元能を示し、また緊急停止操作によるこれら触媒金属の凝集も抑制できる。従って該導電性粉末を反応層に使用した場合は、良好な電解特性と緊急停止操作に対する優れた安定性が得られ、且つ親水性触媒担持量を低減することができるので電極価格を低減することもできる。
[疎水性樹脂]
本発明の食塩電解用酸素ガス拡散陰極で使用する疎水性樹脂は、高温高濃度のアルカリ中で化学的に安定であるフッ素系樹脂を利用することができ、具体的には、市販のPTFE、PFA、PVDF、FEPなどの粉末、或いは懸濁水溶液が使用できる。疎水性樹脂は電極に十分なガス透過性を付与し、生成した水酸化ナトリウムによる電極の過度の湿潤を防止することで良好な電解性能に寄与しており、その粒径範囲としては0.005〜10μmが好ましい。
[金属粉末]
本発明の食塩電解用酸素ガス拡散陰極の導電層で使用する金属粉末は、親水性触媒と同様に、高温高濃度のアルカリ中で電気化学的に安定である銀、白金、パラジウムを使用することができるが、これら金属の中で比較的安価な銀を使用するのが好ましい。金属粉末は市販されている粒子状のものを使用しても良いが、公知方法に従って合成したものを使用しても良く、例えば硝酸銀に還元剤を混合する湿式法や、蒸着、スパッタなどの乾式法で合成された粒子状のものも使用できる。金属粉末の粒径は0.001〜50μmのものを使用できるが、好ましい粒径範囲は0.1〜10μmである。
本発明では金属粉末を導電層に使用しており、良好な電解性能を実現するため、その担持量は10g/m2以上が好ましい。導電層の金属粉末の担持量が10g/m2未満であれば、炭素材料からなる多孔性の導電性基体の電気抵抗を低減し、電極全面への均一な電流供給をする効果が得られず、電解電圧は高くなる。
本発明の酸素ガス拡散陰極の、前記親水性触媒と前記金属粉末の合計金属量は20〜300g/m2が好ましい範囲である。合計金属量が20g/m2未満の場合、親水性触媒、又は/及び金属粉末の担持量が10g/m2未満となり、緊急停止操作に対する安定性、又は/及び良好な電解性能を得ることができず、合計金属量が300g/m2を越えると価格の点で実用的な酸素ガス拡散陰極とならない。
[多孔性の導電性基体]
多孔性の導電性基体には、炭素材料から成るクロス、繊維焼結体、発泡体などを用いることができるが、大型化と量産の容易さからクロスか繊維焼結体のいずれかが好ましく、市販のカーボンクロス、及びカーボンペーパーなどの繊維焼結体を利用することができる。特に高温で黒鉛化処理されたものは、電気化学的安定性に優れており、利用に適している。本発明の多孔性の導電性基体は、酸素、及び生成した水酸化ナトリウムが透過する必要があるため、十分な導電性に加えて適度な多孔性を兼ね備える必要があり、空孔径としては0.001〜1mmが、空隙率としては30〜95%が好ましい。また、本導電性基体の厚さは、引っ張り強度などの機械的強度と、酸素及び生成した水酸化ナトリウムの透過距離を考慮すれば、0.1〜1mmの範囲のものが好適に使用できる。
[充填率]
更に、本発明によれば、本電極の充填率を20〜50%の範囲に制御することによって、酸素、及び水酸化ナトリウムの透過性を改善することができ、従来の酸素ガス拡散陰極と同等の良好な電解性能を達成し、更に本酸素ガス拡散電極の構成材料の中で比較的高価な親水性触媒と金属粉末を反応層、及び導電層に局所的に担持して全体の使用量を削減することができ、安価な価格を達成することができる。
即ち、本発明の酸素ガス拡散陰極では、電極の充填率を20〜50%の範囲に制御して良好な電解性能を達成している。本発明における充填率は式(4)、及び(5)によって算出されるが、充填率が20%未満では電極を構成する親水性触媒、導電性粉末、金属粉末、及び多孔性の導電性基体の間で良好な電気的接触が得られず、電解電圧が高くなり、充填率が50%を越えると酸素及び生成した水酸化ナトリウムの透過が阻害されるため、電解電圧が高くなる。
Figure 2011102331
Figure 2011102331
[ガス拡散層の形成]
前記導電性粉末と前記疎水性樹脂を、分散剤や増粘剤と共に、水、或いはナフサ等の溶剤に分散、混合してインク、又はペースト状とし、前記多孔性の導電性基体に塗布、乾燥するのであるが、均質なガス拡散層を得るためには、塗布、乾燥の操作を数回に分けて実施するのが好ましい。塗布方法としては、多孔性の導電性基体にガス拡散層のインク、又はペーストを均一に塗布できる方法であれば利用することができ、例としてハケやローラーによる手塗り、或いはブレードコーター、スロットダイコーター、グラビアコーターなどによる機械塗布が挙げられる。
[導電層の形成]
上記のガス拡散層を塗布担持した多孔性の導電性基体の表面の反対側の面に、前記金属粉末と前記疎水性樹脂を、分散剤や増粘剤と共に、水、或いはナフサ等の溶剤に分散、混合してインク状、又はペースト状として塗布、乾燥するのであるが、塗布、乾燥の操作を数回に分けて実施するのが好ましい。また、上記のガス拡散層の形成で例示した塗布方法を利用できる。導電層は必ずしも電極全面に均一な層として形成する必要はなく、例えばストライプ形状、或いは格子形状の導電層を形成して金属粉末の担持量を低減することも好ましい実施形態である。
[反応層の形成]
前記導電性粉末、前記親水性触媒、及び前記疎水性樹脂を、分散剤や増粘剤と共に、水、或いはナフサ等の溶剤に分散、混合してインク状、又はペースト状とし、前記ガス拡散層の上面に塗布担持して、反応層を形成した。均質な反応層を得るため、塗布、乾燥の操作を数回に分けて実施するのが好ましく、塗布方法は、上述のガス拡散層形成方法で例示したものが利用できる。
[電極の焼成]
上記のガス拡散層、導電層、及び反応層を塗布担持した多孔性の導電性基体には、目的の親水性触媒、導電性粉末、金属粉末、及び疎水性樹脂と共に分散剤や増粘剤が含まれており、これを除去する目的で熱処理を行う。熱処理条件は、除去したい分散剤や増粘剤が揮発或いは熱分解するのに十分な温度と時間であって、目的の担持材料の内、特に疎水性樹脂が揮発或いは熱分解しない温度と時間を選択する。従って熱処理温度と時間はこれら材料の物理特性に依存するのであるが、熱処理の温度範囲としては100〜400℃が、時間は1分〜24時間が例示できる。
[電極のプレス加工]
上記の熱処理したガス拡散層、導電層、及び反応層を塗布担持した多孔性の導電性基体に対して、良好な電解特性を得る目的で、電極の充填率が20〜50%の範囲になるようにプレス加工を行う。プレス加工によって、各電極構成材料の密着性が向上して電極全体の導電性が向上すると共に、酸素、及び生成した水酸化ナトリウムの透過に対して適切な充填率となることで良好な電解性能が得られる。プレス加工装置としては、機械式プレス装置、液圧式プレス装置、ローラープレス装置などを利用することができ、プレス板或いはローラーを加熱できるものであれば、上記の電極の焼成とプレス加工で利用することができ、焼成とプレス加工を別工程、或いは同一工程で行うことができる。プレス条件は、電極の充填率が20〜50%となる条件であって、電極が物理的に破壊されない圧力と温度を選択する。例えば多孔性の導電性基体にカーボンクロスを使用した場合、上限圧力は50kgf/cm2程度である。
以上の製造工程により、本発明の酸素ガス拡散陰極を得ることができる。
次いで、本発明の酸素ガス拡散陰極の構造例を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の酸素ガス拡散陰極11は、炭素材料からなるクロスや繊維焼結体のいずれかである多孔性の導電性基体12の一方の表面に、炭素粉末である導電性粉末と、フッ素系樹脂などから選ばれる疎水性樹脂で構成されるガス拡散層13を形成し、該ガス拡散層13上に、銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上からなる親水性触媒と、炭素粉末である導電性粉末、及びフッ素系樹脂などから選ばれる疎水性樹脂で構成される反応層14を形成し、更に前記導電性基体12の表面の反対側の面(給電面)上に、銀または銀合金である金属粉末と、フッ素系樹脂などから選ばれる疎水性樹脂で構成される導電層15を形成する。この酸素ガス拡散陰極11は、例えば図2に示すような食塩電解槽に装着される。
[本発明になる電解槽の例示]
図2に本発明になる電解槽を例示する。
図2に示すように、食塩電解槽本体16は、イオン交換膜17により陽極室18と陰極室19に区画され、前記イオン交換膜17の陽極室18側にはメッシュ状の不溶性陽極20が密着し、該イオン交換膜17の陰極室19側には図1に示した酸素ガス拡散陰極11の反応層14が密着している。この酸素ガス拡散陰極11には、導電層15の導電性基体12とは反対側に接続された集電体21から給電される。なお22は陽極室底板に形成された陽極液導入口、23は陽極室天板に形成された陽極液及びガス取出口、24は陰極室天板に形成された酸素導入口、25は陰極室底板に形成された酸素及び水酸化ナトリウム取出口である。
本発明の電解槽に於いては、陽極液である食塩水の循環プロセスに接続する淡食塩水の取出口を付設することも可能である、また、食塩電解法で用いられる陰(陽)極エレメントを用いたフィルタープレス型の構成にすることも可能である。
[食塩電解による塩素ガスと水酸化ナトリウムの製造]
次に、上述した本発明になる電極を付設した電解槽を用いて、食塩電解を行ない塩素ガス及び水酸化ナトリウムを製造する電解方法を図2に基づいて例示する。尚、本発明の電解方法は、塩素ガスの製造方法と水酸化ナトリウムの製造方法を含むものである。
この電解槽本体16の陽極室18に食塩水を供給しかつ陰極室19に酸素を供給しながら両電極11、20間に通電すると、陰極室側では、集電体21→導電層15→導電性基体12→ガス拡散層13→反応層14の順に給電され、イオン交換膜17の陰極室19側の表面で水酸化ナトリウムが生成し、この水酸化ナトリウムは水溶液として酸素ガス拡散陰極11を透過する。酸素ガス拡散陰極11の導電性基体12の背面側に位置する導電層15は、集電体21から供給される電流を、酸素ガス拡散陰極11のガス拡散層13及び反応層14に均一に供給し(図1中矢印参照)、これにより初期セル電圧を低下させている。
この様にして、酸素ガス拡散陰極を通過した水酸化ナトリウムは、陰極室下部に集められ、水酸化ナトリウム取出口25から、未反応の酸素と共に排出される。一方、陽極20の表面に生成した塩素ガスは、陽極室上部に集められ、塩素ガス取出口23から排出される。また、図2に示された単一の電解セルを複数組合せたフィルタープレス型電解槽を使用して、食塩水を電解し、水酸化ナトリウム及び塩素ガスを製造することは実用的に好ましい態様である。
以下に本発明の酸素ガス拡散陰極の製造及び使用等に関する実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
ガス拡散層は次のように作製した。
疎水性カーボンブラック(電気化学工業株式会社製AB−6)とPTFE懸濁水溶液(三井フロロケミカル株式会社製31JR)を混合し、20wt%に相当するトライトン(登録商標)を溶解した水中で十分攪拌してガス拡散層の混合懸濁液を調整し、投影面積当りのガス拡散層の重量が108g/m2となるまで、厚さ0.4mmのカーボンクロス(バラード製)に塗布、乾燥を繰り返した。
続いて導電層を次のように作製した。
銀粒子(福田金属箔工業株式会社製AgC−H)とPTFE懸濁水溶液(三井フロロケミカル株式会社製31JR)を混合し、20wt%に相当するトライトンと1.5wt%に相当するカルボキシメチルセルロースを溶解した水中で十分攪拌して導電層の混合懸濁液を調整し、投影面積当りの銀粒子の担持重量が160g/m2となるように、厚さ約0.5mmの上記ガス拡散層を塗布したカーボンクロスの、ガス拡散層とは反対側の面に塗布、乾燥を繰り返した。
最後に反応層は次のように作製した。
疎水性カーボンブラック(電気化学工業株式会社製AB−6)、親水性カーボンブラック(電気化学工業株式会社製AB−12)、銀粒子(福田金属箔工業株式会社製AgC−H)、及びPTFE懸濁水溶液(三井フロロケミカル株式会社製31JR)を混合し、20wt%に相当するトライトンと1.5wt%に相当するカルボキシメチルセルロースを溶解した水中で十分攪拌して反応層の混合懸濁液を調整し、投影面積当りの銀粒子の担持重量が46g/m2となるように厚さ約0.5mmの上記ガス拡散層と導電層を塗布したカーボンクロスの、ガス拡散層側に塗布、乾燥を繰り返した。
反応層を担持した後、電気炉中305℃で15分間焼成し、次いで室温で圧力6kgf/cm2のプレス加工を10分間行い、酸素ガス拡散陰極を得た。前記充填率算出方法で算出した本酸素ガス拡散陰極の充填率は40%であり、親水性触媒である銀粒子と、金属粉末である銀粒子の金属合計量は、206g/m2、導電性粉末の担持量は150g/m2であった。
本酸素ガス拡散陰極は、多孔性の導電性基体としてカーボンクロスを使用しているので大型化と量産が容易であり、また、銀粒子の金属合計量が206g/m2となったため、安価で実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、後述する定常電解試験、及び短絡試験を実施し、定常電解試験で得られた初期電解電圧と150日電解後の電解電圧を電解性能の代表とし、短絡試験後の電圧上昇によって、緊急停止操作に対する電解性能の安定性の代表とした。
(1)定常電解試験
電解面積19cm2の食塩電解セルの陽極室と陰極室を、イオン交換膜(旭硝子株式会社製フレミオンF8020)で区画し、陽極室に酸化ルテニウムを主成分とするDSE(ペルメレック電極株式会社製)を、陰極室に親水層と作製した酸素ガス拡散陰極を取り付け、陽極室側から、DSE、イオン交換膜、親水層、及び酸素ガス拡散陰極の順番で配置した。なお、親水層は、厚さ0.4mmのカーボンクロスを親水化処理することで作製した。
酸素ガス拡散陰極の給電面に、弾性のある多孔性金属体からなる集電体を接触させて、セルプレス板により酸素ガス拡散陰極を、親水層とイオン交換膜を介してDSEに隙間無く押しつけて電解槽を組み立てた。
生成した水酸化ナトリウム濃度が32wt%となるように陽極室の食塩水濃度を調整し、液温度を90℃に調節して、陰極室に酸素を理論量の約1.2倍の割合で供給しながら電流密度6kA/m2で電解を行ったところ、初期のセル電圧は2.17Vであった。150日間電解を継続したところ、セル電圧は2.15Vに低下し、その間、電流効率は約95%に維持されていた。
また、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度は、32%であった。また、塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガスの塩素濃度は、98.7vol%であった。
(2) 短絡試験
前記定電流電解試験と同様の電解セル構成、電解条件で、10日間電解を行った後、陽極室への食塩水供給と電流印加を停止し、陽極と陰極が電気的に短絡した状態で1昼夜放置した。その後、陽極室への食塩水供給と電流印加を再開して定常の電解を行うという操作を3回繰り返して電解電圧を測定したところ、電圧上昇は0mVであった。
[実施例2]
反応層の投影面積当りの銀粒子の担持量を10g/m2(金属合計量170g/m2)とし、充填率を34%したこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀粒子の金属合計量が170g/m2となったため、かなり安価で実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧は2.19V、150日間電解後の電解電圧も2.19Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は10mVであった。
[実施例3]
反応層の投影面積当りの銀粒子の担持量を100g/m2(金属合計量260g/m2)、充填率を34%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散電極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀粒子の金属合計量が260g/m2となったため、やや高価であるが実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧は2.17V、150日間電解後の電解電圧も2.17Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[実施例4]
反応層に銀粒子の代わりに銀―パラジウム合金(Ag−Pd)を使用し、投影面積当りの該合金の担持量を100g/m2(金属合計量260g/m2)、充填率を35%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀−パラジウム合金と銀粒子の金属合計量が260g/m2となったため、やや高価であるが実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧2.12V、150日間電解後の電解電圧も2.12Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった
[実施例5]
反応層に銀粒子の代わりに銀―白金合金(Ag−Pt)を使用し、投影面積当りの該合金の担持量を100g/m2(金属合計量260g/m2)、充填率を32%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀−白金合金と銀粒子の金属合計量が260g/m2となったため、やや高価であるが実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧2.14V、150日間電解後の電解電圧は2.13Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[実施例6]
導電層の投影面積当りの銀粒子の担持量を10g/m2(金属合計量56g/m2)、充填率を33%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀−白金合金と銀粒子の金属合計量が56g/m2となったため、著しく安価で実用性の高い電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で、定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧は2.17V、150日間電解後の電解電圧も2.17Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[実施例7]
導電層の投影面積当りの銀粒子の担持量を200g/m2(金属合計量246g/m2)、充填率を35%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀−白金合金と銀粒子の金属合計量が246g/m2となったため、やや高価であるが実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧は2.17V、150日間電解後の電解電圧も2.17Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[実施例8]
実施例1の充填率を20%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易であり、実施例1の酸素ガス拡散電極と同様に安価で実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧は2.20V、150日間電解後の電解電圧も2.20Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[実施例9]
実施例1の充填率を50%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易であり、実施例1の酸素ガス拡散電極と同様に安価で実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧は2.18V、150日間電解後の電解電圧も2.18Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[比較例1]
反応層に銀粒子を担持しなかったこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した(金属合計量160g/m2)。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀−白金合金と銀粒子の金属合計量が160g/m2となったため、かなり安価で実用性のある電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧2.20V、150日間電解後の電解電圧は2.30Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は200mVであった。
[比較例2]
導電層を担持せず(金属合計量46g/m2)、充填率を30%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極も大型化と量産が容易で、銀粒子の金属合計量が46g/m2となったため、著しく安価で実用性の高い電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧2.30V、150日間電解後の電解電圧は2.30Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は0mVであった。
[比較例3]
銀粒子(福田金属箔工業株式会社製AgC−H)とPTFE懸濁水溶液(三井フロロケミカル株式会社製31JR)を混合し、20wt%に相当するトライトンと1.5wt%に相当するカルボキシメチルセルロースを溶解した水中で十分攪拌して触媒層の混合懸濁液を調整し、投影面積当りの 銀粒子の重量が600g/m2となるまで、厚さ0.4mmのカーボンクロス(バラード製)に塗布、乾燥を繰り返えした。
電気炉中305℃で15分間焼成し、次いで室温で圧力6kgf/cm2のプレス加工を10分間行い、酸素ガス拡散陰極を得た。前記充填率算出方法で算出した本酸素ガス拡散陰極の充填率は37%であり、金属合計量は600g/m2、導電性粉末の担持量は0g/m2であった。本酸素ガス拡散陰極も多孔性の導電性基体にカーボンクロスを使用しているので大型化と量産が容易であったが、銀粒子の金属合計量が600g/m2となったため、著しく高価で実用性に乏しい電極であった。
本酸素ガス拡散陰極について、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧2.17V、150日間電解後の電解電圧は2.20Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は1000mVであった。
[比較例4]
多孔性の導電性基体として、銀メッキしたニッケル多孔体(多孔度50PPI)を用い、導電層を担持せず(金属合計量46g/m2)、充填率を33%としたこと以外は実施例1と同様の酸素ガス拡散陰極を作製した。本酸素ガス拡散陰極は多孔性の導電性基体が銀メッキしたニッケル多孔体であるため、大型化と量産が困難であり、且つ著しく高価で実用性に乏しい電極であった。
本酸素ガス拡散陰極に対して、実施例1と同様の方法で定常電解試験を行ったところ、初期電解電圧2.20V、150日間電解後の電解電圧は2.14Vであり、水酸化ナトリウム取出口25からサンプリングした水酸化ナトリウムの水溶液濃度、並びに塩素ガス取出口23からサンプリングした塩素ガス濃度は、実施例1と同様であった。また、短絡試験後の電圧上昇は、0mVであった。
前記実施例1〜9、及び比較例1〜4の、親水性触媒及び金属粉末の貴金属類種類と重量、金属合計量、導電性粉末量、充填率、定常電解試験の初期電解電圧と150日電解後の電解電圧、短絡試験後の電圧上昇値、大型化と量産性の容易さ、及び価格を表1にまとめる。
Figure 2011102331
[親水性触媒の効果]
比較例1と実施例1〜3の比較から、反応層に親水性触媒が無い場合は、初期電解電圧と150日電解後電解電圧が高くなると共に、短絡試験後の電圧上昇が大きくなり、良好な電解性能、及び緊急停止操作に対する安定性を達成するためには、親水性触媒が必須であることが判る。
また、実施例4,5と実施例3の比較から、反応層の親水性触媒にAg−Pd又はAg−Ptを使用すると、初期電解電圧と150日電解後電解電圧が低くなり、良好な電解性能を達成するためには好ましい実施形態であることが判る。
[導電層の効果]
比較例2と実施例1,6,7の比較から、導電層が無い場合は、初期電解電圧と150日電解後電解電圧が高くなり、良好な電解性能を達成するためには、導電層が必須であることが判る。
[導電性粉末の効果]
炭素材料からなる多孔性の導電性基体を使用する場合、比較例3と実施例1〜9の比較から、導電性粉末を使用しない場合は、短絡試験後の電解電圧上昇が大きくなり、緊急停止操作に対する安定性を達成するためには、導電性粉末が必須であることが判る。
11 酸素ガス拡散陰極
12 多孔性の導電性基体
13 ガス拡散層
14 反応層
15 導電層
16 食塩電解槽本体
17 イオン交換膜
18 陽極室
19 陰極室
20 不溶性陽極
21 集電体
22 陽極液導入口
23 ガス取出口
24 酸素導入口
25 酸素及び水酸化ナトリウム取出し口

Claims (13)

  1. 炭素材料からなる多孔性の導電性基体の表面の一面側に、導電性粉末と疎水性樹脂を含有するガス拡散層と、導電性粉末と親水性触媒と疎水性樹脂を含有する反応層とを設け、前記導電性基体の表面の反対側の面に金属粉末と疎水性樹脂を含有する導電層を設けたことを特徴とする食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  2. 前記導電層の金属粉末が、銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上の貴金属類からなることを特徴とする請求項1に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  3. 前記反応層の親水性触媒が、銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上の貴金属類からなることを特徴とする請求項1に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  4. 前記反応層及び前記ガス拡散層の導電性粉末が、炭素粉末からなることを特徴とする請求項1に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  5. 前記反応層及び前記ガス拡散層の導電性粉末が、炭素粉末に銀、白金、パラジウムのうち少なくとも一種類以上の貴金属類を担持したものであることを特徴とする請求項1〜5に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  6. 前記炭素材料からなる多孔性の導電性基体が、クロスか繊維焼結体のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  7. 前記反応層の親水性触媒の量が10〜100g/m2であることを特徴とする請求項1に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  8. 前記導電層の金属粉末の量が10g/m2以上であることを特徴とする請求項1に記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  9. 前記反応層の親水性触媒と前記導電層の金属粉末の金属合計量が20〜300g/m2であることを特徴とする請求項1記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  10. 電極の充填率が20〜50%であることを特徴とする請求項1記載の食塩電解用酸素ガス拡散陰極。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された食塩電解用酸素ガス拡散陰極を付設した食塩電解槽。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された食塩電解用酸素ガス拡散陰極を使用して食塩水を電解し、塩素ガスを製造する塩素ガスの製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載された食塩電解用酸素ガス拡散陰極を使用して食塩水を電解し、水酸化ナトリウムを製造する水酸化ナトリウムの製造方法。

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