実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(E−UTRANのHome−eNodeB(Home−eNB;HeNB)、UTRANのHome−NB(HNB))と、non−CSGセル(E−UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、E−UTRANについては、図7のような構成が提案されている(非特許文献1 4.6.1.章参照)。
図7について説明する。移動端末装置(以下「移動端末」または「UE」という)71は、基地局装置(以下「基地局」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。基地局72は、eNB72−1と、Home−eNB72−2とに分類される。eNB72−1は、MME、あるいはS−GW、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という)73とS1インタフェースにより接続され、eNB72−1とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのeNB72−1に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB72−1間は、X2インタフェースにより接続され、eNB72−1間で制御情報が通信される。
Home−eNB72−2は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB72−2とMME部73との間で制御情報が通信される。ひとつのMME部73に対して、複数のHome−eNB72−2が接続される。あるいは、Home−eNB72−2は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB72−2とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、ひとつまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
さらに現在3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない。MME部73からは、HeNBGW74はeNB72−1として見える。Home−eNB72−2からは、HeNBGW74はMME部73として見える。Home−eNB72−2が、HeNBGW74を介してMME部73に接続されるか否かに関係なく、Home−eNB72−2とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。複数のMME部73にまたがるような、Home−eNB72−2へのモビリティ、あるいはHome−eNB72−2からのモビリティはサポートされない。Home−eNB72−2は、唯一のセルをサポートする。
図8は、本発明に係る移動端末(図7の移動端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のとおりに実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図8では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73、HeNBGW74など)との間のデータの送受信を行う。EPCは、通信装置に相当する。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。Home−eNB72−2間のX2インタフェースはサポートされない方向であるため、Home−eNB72−2では、他基地局通信部902が存在しないことも考えられる。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のとおりに実行される。ひとつもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図9では省略しているが、各部901〜910と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHome−eNB72−2の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。Home−eNB72−2は、eNB72−1と同じ機能を有する。加えて、HeNBGW74と接続する場合、Home−eNB72−2は、適当なサービングHeNBGW74を発見する機能を有する。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に唯一接続する。つまり、HeNBGW74との接続の場合は、Home−eNB72−2は、S1インタフェースにおけるFlex機能を使用しない。Home−eNB72−2は、1つのHeNBGW74に接続されると、同時に別のHeNBGW74や別のMME部73に接続しない。
Home−eNB72−2のTACとPLMN IDは、HeNBGW74によってサポートされる。Home−eNB72−2をHeNBGW74に接続すると、「UE attachment」でのMME部73の選択は、Home−eNB72−2の代わりに、HeNBGW74によって行われる。Home−eNB72−2は、ネットワーク計画なしで配備される可能性がある。この場合、Home−eNB72−2は、1つの地理的な領域から別の地理的な領域へ移される。したがって、この場合のHome−eNB72−2は、位置によって、異なったHeNBGW74に接続する必要がある。
図10は、本発明に係るMME(図7のMME部73)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001は、MME部73とPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME部73と基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME部73とHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け状態(LTE−IDLE状態、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。
MME部73は、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area:TA)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME部73に接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行ってもよい。
CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルとの関係であってもよい。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDとの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されてもよい。これらのCSGに関する管理は、MME部73の中の他の部分で行われてもよい。MME部73の一連の処理は、制御部1006によって制御される。よって制御部1006は、図10では省略しているが、各部1001〜1005と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているMMEの機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。MMEは、CSG(Closed Subscriber Groups)のメンバーの1つ、あるいは複数の移動端末のアクセスコントロールを行う。MMEは、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
図11は、本発明に係るHeNBGWである図7に示すHeNBGW74の構成を示すブロック図である。EPC通信部1101は、HeNBGW74とMME部73との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102は、HeNBGW74とHome−eNB72−2との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME部73からのデータのうちレジストレーション情報などを、複数のHome−eNB72−2に送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。
ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は、制御部1104によって制御される。よって制御部1104は、図11では省略しているが、各部1101〜1103と接続している。
現在3GPPにおいて議論されているHeNBGW74の機能を以下に示す(非特許文献1 4.6.2章参照)。HeNBGW74は、S1アプリケーションについてリレーする。Home−eNB72−2へのMME部73の手順の一部分であるが、HeNBGW74は、移動端末71に関係しないS1アプリケーションについて終端する。HeNBGW74が配置されるとき、移動端末71に無関係な手順がHome−eNB72−2とHeNBGW74との間、そしてHeNBGW74とMME部73との間を通信される。HeNBGW74と他のノードとの間でX2インタフェースは設定されない。HeNBGW74は、ページングの最適化(Paging optimization)の実行をオプションとして認める。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSには、PCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、TAC(Tracking Area Code)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているTACとを比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network,EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークは、TAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は、該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末とがひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGには、CSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには、複数のCSGセルがあってもよい。移動端末は、どれかひとつのCSGセルに登録すれば、そのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。
また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBが、CSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的には、ホワイトリストはSIM(Subscriber Identity Module)/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報が格納される。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACとが対応付けられていれば、どちらか一方でよい。また、CSG−IDおよびTACと、GCI(Global Cell Identity)とが対応付けられていればGCIでもよい。
以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5参照)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。非特許文献5は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、ハイブリッドセルのためのPCIは、CSGセル用のPCI範囲の中には含まれないことが決定されている(非特許文献1 10.7章参照)。
HeNBおよびHNBに対しては、様々なサービスへの対応が求められている。例えば、オペレータは、ある決められたHeNBおよびHNBに移動端末を登録させ、登録した移動端末のみにHeNBおよびHNBのセルへのアクセスを許可することで、該移動端末が使用できる無線リソースを増大させて、高速に通信を行えるようにする。その分、オペレータは、課金料を通常よりも高く設定する、といったサービスである。
このようなサービスを実現するため、登録した(加入した、メンバーとなった)移動端末のみがアクセスできるCSG(Closed Subscriber Group cell)セルが導入されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルは、商店街やマンション、学校、会社などへ数多く設置されることが要求される。例えば、商店街では店舗毎、マンションでは部屋毎、学校では教室毎、会社ではセクション毎にCSGセルを設置し、各CSGセルに登録したユーザのみが該CSGセルを使用可能とするような使用方法が要求されている。HeNB/HNBは、マクロセルのカバレッジ外での通信を補完するためだけでなく、上述したような様々なサービスへの対応が求められている。このため、HeNB/HNBがマクロセルのカバレッジ内に設置される場合も生じる。
LTE−Aで検討される技術の一つとして、ヘテロジーニアスネットワークス(Heterogeneous networks:HetNets)が加えられた。3GPPでは、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、ホットゾーンセル用のノード、HeNB/HNB/CSGセル、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)のような低出力電力のローカルエリアレンジ(Local-area range)のネットワークノード(ローカルエリアレンジノード(local area range node)、ローカルエリアノード(local area node)、ローカルノード(local node))を扱う。したがって、通常のeNB(マクロセル)に、このようなローカルエリアレンジノードを一つ以上組み入れたネットワークの運用が要求される。通常のeNB(マクロセル)に、このようなローカルエリアレンジノードを一つ以上組み入れたネットワークがヘテロジーニアスネットワークスと呼ばれ、干渉低減方法、キャパシティ改善方法などが検討される。
現在3GPPでは、インフラ(infrastructure)の消費電力低減(Energy Saving)について議論がされている。具体的には、以下の議論がなされている。キャパシティーブースター(capacity booster)として採用された基地局、あるいはセルは、トラフィック負荷(traffic load)を監視し、トラフィックがある閾値以下で、ある期間その状態が続いた場合、スイッチオフ(switch off)できる(非特許文献8参照)。動作中の基地局にて負荷が高い場合、該基地局は、スイッチオフされた基地局に対してスイッチオンを要求できる(非特許文献8参照)。スイッチオフできる基地局とは、基本的なカバレッジ(basic coverage)と基本的なキャパシティー(basic capacity)とを提供するセルとされている(非特許文献9参照)。
実施の形態1で解決する課題について、以下に説明する。非特許文献8では、基本的なカバレッジと基本的なキャパシティーとを提供するセルについて考慮されている。一般的に、基本的なカバレッジと基本的なキャパシティーとを提供するセルは、ワイドエリアeNB(wide-area eNBs)と考えられている(非特許文献10参照)。このことから、非特許文献8では、ローカルエリアレンジのネットワークノードについては考慮されていない。よって、従来の技術では、ローカルエリアレンジのネットワークノードにおける、低消費電力化が実現できないという課題が発生する。
以降、便宜のためローカルエリアレンジのネットワークノードを、ローカルeNB(Local eNB)と記載する。また、ワイドエリアeNBの代表例としては、通常のeNB(マクロセル)が考えられる。ローカルeNBはローカル基地局装置に相当する。ローカル基地局装置であるローカルeNBは、出力電力が比較的小さい。ワイドエリア基地局装置であるワイドエリアeNB、たとえば通常のeNB(マクロセル)は、出力電力が比較的大きい。換言すれば、ローカルeNBの出力電力は、ワイドエリアeNBの出力電力に比べて小さい。
非特許文献8では、X2インタフェースを用いて、消費電力の低減を実現することが規定されている。一方、上記のとおりローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よってHeNBでは、非特許文献8に開示される方法では消費電力の低減を実現することができないという課題が発生する。
また、非特許文献8に開示された方法を、図13の状況に適用した場合、以下の課題が発生する。図13は、非特許文献8の課題を説明するロケーション図である。マクロセル1301のカバレッジ1302の境界付近、つまりセルエッジ付近にローカルeNB1303が設置されている。ローカルeNB1303のカバレッジ1304内に、移動端末1305が存在する。移動端末1305は、マクロセル1301のカバレッジ1302の外、つまりマクロセル1301の圏外に存在する。移動端末1305は、待受け状態とし、ローカルeNB1303にキャンプオンしているとする。
該移動端末1305は、待受け状態であるので、ローカルeNB1303のトラフィックに影響を及ぼさない。よってローカルeNB1303は、移動端末1305がキャンプオンしている場合であっても、トラフィックがある閾値以下で、ある期間その状態が続いた場合は、スイッチオフが可能となる。該ローカルeNB1303がスイッチオフした場合、該移動端末1305は圏外となり、移動体通信システムとしてのサービスを受けることができないという課題が発生する。
また、動作中の基地局、図13ではマクロセル1301にて負荷が高い場合、該基地局は、スイッチオフされた基地局、図13ではローカルeNB1303に対して、スイッチオンを要求できる。しかし、移動端末1305は、マクロセル1301の圏外に位置し、さらに待受け状態である。よって移動端末1305の存在により、マクロセル1301の負荷が高くなることはない。すなわち、該移動端末1305の存在を理由に、該ローカルeNB1303のスイッチがオンされることはない。これにより、該移動端末1305が移動体通信システムとしてサービスを受けることができない状況が継続するという課題が発生する。
実施の形態1での解決策を以下に示す。本実施の形態では、ローカルeNBにて消費電力の低減をサポートする。消費電力の低減をサポートするための実現方法の具体例を以下に示す。通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)の具体例を、以下に3つ開示する。消費電力の低減動作を、低電力動作またはEnergySaving動作と称し、この動作状態を低電力動作状態と称する。通常の動作を、通常動作またはNormal動作と称し、この動作状態を通常動作状態と称する。
(1)ローカルeNBと接続状態にある移動端末が、予め定める期間存在しない場合。具体的には、ローカルeNBの傘下に、ある期間、CONNECTEDの移動端末が存在しない場合、あるいはローカルeNBの傘下に、ある期間、IDLEの移動端末のみが存在する場合。
(2)ローカルeNBの送信動作および受信動作のための電源を切断する指示が与えられた場合。具体的には、ローカルeNBの電源がオフ(OFF)された場合、具体例としては電源スイッチがOFFされた場合、あるいは消費電力低減がオン(ON)された場合、具体例としては消費電力低減スイッチがONされた場合。
(3)他のノードからEnergySaving動作への移行が指示された場合。該指示には、X2インタフェースまたはS1インタフェースまたはバックホールリンクを用いることができる。
EnergySaving動作の具体例としては、移動端末に送信すべき信号である下り送信信号の送信動作を停止し、移動端末から送信される信号である上り送信信号の受信動作を行う。すなわち、送信動作をOFFし、受信動作をONする。受信動作をONする点で、非特許文献8に開示されているスイッチオフとは異なる。また、EnergySaving動作で受信動作をONすることによって、後に述べるEnergySaving動作からNormal動作への移行トリガの具体例(1)「ローカルeNBが移動端末からの上り送信を受信した場合」を用いることが可能となる。
送信動作をOFFする具体例としては、ユーザデータおよび制御データの送信をOFFする。制御データの具体例としては、ユーザデータに付随する制御データ(具体例としては、Ack/Nackなど)、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングなどである。傘下にCONNECTEDの移動端末が存在しなければ、ユーザデータおよびユーザデータに付随する制御データを送信する必要はない。一方、傘下にCONNECTEDの移動端末が存在しない場合であっても、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングの送信は必要となる。よってEnergySaving動作において、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングの送信をOFFすることは、低消費電力化に有効である。
またLTE、LTE−Aでは、移動端末によるセルサーチに用いるSSおよびRS、報知情報の送信に用いるPBCHおよびPDCCH、ならびにページングの送信に用いるPDCCHは、周期的に送信する必要がある。よって、移動端末によるセルサーチに用いるデータ、報知情報、ページングの送信をOFFすることは、低消費電力化に有効である。
受信動作をONする具体例としては、移動端末からの上り送信、具体的には移動端末から送信される上り送信信号を受信する。EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガの具体例を、以下に2つ開示する。
(1)ローカルeNBが、移動端末からの上り送信を受信した場合。
(2)ローカルeNBが、バックホールから、予め定める信号、たとえばページング(Paging)信号を受信した場合。ここでバックホールとは、リレーノードのバックホールリンクだけでなく、ピコセルやフェムトセル(HeNB)のような有線のバックホールリンクも含むものとする。
移動端末からの上り送信の受信、あるいはバックホールからのページング(Paging)信号の受信でNormal動作へ移行する点において、非特許文献8に開示されている動作中の基地局の負荷に応じてEnergySaving動作中のローカルeNBがスイッチオンされる点と異なる。
移動端末からの上り送信の具体例を以下に3つ開示する。
(1)移動端末に対して、上り送信が許可されているリソースが時間的に離散している。これにより、ローカルeNBが、EnergySaving動作で該上り送信信号(以下「上り信号」という場合がある)を受信するため、連続受信を要せず、間欠受信で足りることとなる。EnergySaving動作における間欠受信動作は、連続受信動作と比較して低消費電力化に有効である。
(2)送信が許可されているリソースが時間的に周期を持っている。これにより、移動端末に対する度々の送信が許可されているリソースの通知が不要となる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。
(3)送信が許可されているリソースの周波数的割当が決まっている。これにより、移動端末およびローカルeNBの処理の負荷を軽減することができる。
LTE、LTE−Aにおいては、上記移動端末からの上り送信にPRACHを用いることができる。
上記のとおり、上り送信が許可されているリソースが時間的に離散していることにより、EnergySaving動作の受信動作において、該タイミングのみ受信動作を行えばよくなる。つまり、EnergySaving動作の受信動作を連続にONする必要がなくなる。よって、低消費電力化に有効となる。この受信動作は、間欠受信動作と称されることもある。
移動端末が上記上り送信に用いる設定の具体例について、以下に開示する。該上り送信に用いる設定は、EnergySavingを行っているローカルeNB毎とする。これにより、ローカルeNBは、EnergySaving時に、自セルの上り送信の設定パラメータを用いて、間欠受信すればよい。よって、ローカルeNBにおいて、自由度の高いEnergySaving動作を実現することができる。
移動端末が該上り送信に用いる設定を、移動端末が知る方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)移動端末は、該上り送信に用いる設定をサービングセルから通知される。
(2)ローカルeNBがHeNBである場合において、移動端末がHeNBの属するCSGに登録される際、移動端末は、該HeNBの上り送信に用いる設定を通知される。通知方法の具体例としては、HeNBのオーナーにより設定され、該HeNBから通知される、ホワイトリスト通知の際に共にネットワーク側から通知されるなどがある。
上記、上り送信に用いる設定を、移動端末が知る方法の具体例(1)について、以下にさらに開示する。3GPP R3−093387(以下「非特許文献11」という)には、セルフオーガナイズドネットワーク(Self Organized Network:SON)を目的として、RACH設定(RACH Configuration)をeNB間でX2インタフェースを用いて通知することが開示されている。一方、上記のとおりローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よって、HeNBでは、非特許文献11に開示される方法でRACH設定を通知することができないという課題が発生する。
本実施の形態1では、ローカルeNBは、自セルの上り送信の設定パラメータを、S1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。ローカルeNBが、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する方法の具体例について、以下に開示する。
ローカルeNBが自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードは、ローカルeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロス(Path Loss)などがある。
ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質、あるいは受信電力がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。または、ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスがある閾値未満(あるいは以下)であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードは、1つであっても複数であってもよい。上記の方法で、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードを選択することにより、周辺のノードを選択することが可能となる。これにより、無駄なノードにまで、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する必要がなくなり、ローカルeNBの処理の負荷を軽減することができる。
ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの通知を受けたノードは、傘下の移動端末に対して、該情報を通知する。通知の方法の具体例を、以下に2つ開示する。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
LTE、LTE−Aにおける報知情報を用いて通知する具体例について、以下に開示する。RACH設定(RACH Configuration)を用いる。RACH設定を用いる場合の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)現在のRACH設定中に、サービングセル用、つまりローカルeNBの上り送信の設定パラメータの通知を受けたノード用のRACH設定と、ローカルeNBのRACH設定とを設ける。
(2)現在のRACH設定とは別に、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるための上り送信設定を設ける。
上り送信の設定パラメータの具体例を、以下に2つ開示する。
(1)上り送信が許可されているリソース。リソースの具体例としては、時間的リソースと周波数的リソース、あるいは時間的リソースなどがある。LTE、LTE−Aにおいては、RACH設定。さらに具体例としては、「RACH-ConfigCommon」、「PRACH-config」などがある(3GPP TS36.331 V9.0.0(以下「非特許文献12」という)参照)。
(2)上り周波数情報。ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報。上り周波数情報の具体例としては、キャリア周波数、周波数バンド、コンポーネントキャリアなどがある。LTE、LTE−Aにおいては、「freqInfo」、「ul-CarrierFreq」、「ul-Bandwidth」などがある(非特許文献12参照)。
コンポーネントキャリアについて、以下に説明する。LTE−Aシステムでは、LTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている(3GPP TR 36.814 V1.5.0(以下「非特許文献13」という)5章参照)。そのため、LTE−A対応の移動端末は、同時に1つあるいは複数のコンポーネントキャリア(component carrier:CC)を受信することが考えられている。LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信および送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
また、移動端末は、基地局の下り送信、具体的には基地局から送信される下り送信信号を受信し、受信した下り送信に基づいて、基地局の周波数に同期するのが一般的である。該機能は、オートマティックフリークェンシーコントロール(Automatic Frequency Control:AFC)と称される。移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、該ローカルeNBへ上り送信を行う場合、以下の課題が発生する。本実施の形態1では、ローカルeNBのEnergySaving動作として、送信動作をOFFするので、移動端末がAFCを行う場合に、基となる基地局の下り送信が存在しない。したがって、移動端末がどのようにAFCを実行するかが課題となる。
本実施の形態1での解決策を以下に3つ開示する。
(1)移動端末は、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。移動端末は、移動端末の上りリンクの周波数を、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報に設定する。移動端末は、該上りリンクの周波数を用いて、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、該ローカルeNBへ上り送信を行う。これによって、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBに対して、AFCを実行することが可能となる。
(2)EnergySaving動作中のローカルeNBは、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。ローカルeNBは、ローカルeNBの移動端末からの上りリンクを受信するための周波数を、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数に設定する。ローカルeNBは、該周波数を用いて、移動端末からの上り送信を受信する。ローカルeNBは、上記AFC動作を、移動端末からの上り送信を受信する前に行ってもよい。移動端末からの上り送信の具体例としては、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるための上り送信がある。
(3)上記(1)および(2)を組み合わせて用いる。この場合、移動端末の周波数と、ローカルeNBの周波数とが、(1)あるいは(2)を単独で用いる場合と比較して、より精度良く一致する。よって、移動端末からローカルeNBへの上りリンクの通信品質が向上するという効果を得ることができる。
次に、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、上り送信(以降、ウェイクアップ用上り送信と称すこともある)を行う状況の具体例について、以下に4つ開示する。
(1)サービングセルの受信品質が下がった場合、あるいはサービングセルとなり得るセルが存在しない場合。例えば、サービングセルのセルエッジに、EnergySaving動作中のローカルeNBが存在した場合、移動端末からのウェイクアップ上り送信により、該ローカルeNBがNormal動作に移行する。これによって、サービングセルから該ローカルeNBへハンドオーバ、あるいは該ローカルeNBをセルリセレクトすることで、該移動端末が移動体通信システムのサービスを継続的に受けることができる。
(2)従来の技術のRACH送信の条件が満たされた場合。具体例としては、TAU送信、移動端末側からのサービスリクエストが発生した場合(発呼と称される場合もある)。
(3)周期的。
(4)ユーザが操作をした場合。
上記(1)のサービングセルの受信品質が下がった場合の判断方法の具体例について、以下に開示する。移動端末の測定結果に基づいて、サービングセルの受信品質(受信電力、SIRなど)が、ある閾値(以降、ウェイクアップ上り送信閾値と称することもある)を下回った場合(以下となった場合、未満となった場合でもよい)、ウェイクアップ上り送信を行うと判断する。あるいは、移動端末の測定結果に基づいて、サービングセルの受信品質(パスロスなど)が、ある閾値(以降、ウェイクアップ上り送信閾値と称することもある)を上回った場合(以上となった場合、より大きくなった場合でもよい)、ウェイクアップ上り送信を行うと判断する。
該ウェイクアップ上り送信閾値の移動端末への通知方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)サービングセルから傘下の移動端末へ通知する。通知方法としては、報知情報が考えられる。状態によらず、傘下の移動端末へ通知可能となることから有効である。また、閾値の変更が容易となることから柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる。また、LTE、LTE−Aにおいては、ウェイクアップ上り送信閾値を周辺セル測定開始閾値(Sintrasearch)(非特許文献3 5.2.4.2章参照)と併用してもよい。パラメータを削減でき、無線リソースを有効に活用することができる。
(2)静的に決定する。移動端末への無線リソースを用いた通知が不要となることから、無線リソースを有効に活用することができる。
特に、ローカルeNBがHeNBである場合において、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、上り送信(ウェイクアップ上り送信)を行う状況の具体例について、以下に2つ開示する。
非特許文献1には、CSGセルのセルセレクションおよびリセレクション方法が、オートノーマスサーチ機能(autonomous search function)に基づくことが開示されている。また非特許文献3には、サービング周波数とは異なる周波数にて「適切なセル」であるCSGセルをサーチするために、移動端末はオートノーマスサーチ機能を用いることが開示されている。さらに非特許文献1には、移動端末は、CSGセルの手動のセレクション(マニュアルセレクション)をサポートすることが開示されている。移動端末中に構成されたCSGホワイトリストが空であるならば、移動端末によるCSGセルのオートノーマスサーチ機能は無能とされることが開示されている。
(1)CSGセルの手動のセレクションのとき。さらに具体例としては、セレクションのための測定を行う前にウェイクアップ上り送信を行う。これにより、移動端末の周辺に、EnergySaving動作を行っているHeNBが存在した場合であっても、該HeNBをNormal動作へ移行させることが可能となる。したがって、該HeNBも対象に含めたCSGセルセレクションを行うことが可能となる。
(2)オートノーマスサーチ機能が動作中は、周期的に行う。これにより、移動端末の周辺に、EnergySaving動作を行っているHeNBが存在した場合であっても、該HeNBをNormal動作へ移行させることが可能となる。したがって、該HeNBも対象に含めたCSGセルセレクションを行うことが可能となる。このように構成した場合であっても、該移動端末中に構成されたCSGホワイトリストが空である場合は、オートノーマスサーチ機能が動作しなくなる。これに伴い、HeNBのEnergySaving動作を解除するための上り送信が止まることになる。したがって、無駄な上り送信がなくなるという効果を得ることができる。CSGホワイトリストは、許可CSGリスト(Allowed CSG ID List)と呼ばれることもある。
上記のとおり、ローカルeNBとしては、ピコeNB(ピコセル(pico cell))、ホットゾーンセル用のノード、HeNB/HNB/CSGセル、リレーノード、リモートラジオヘッド(RRH)などが考えられる。ローカルeNBの種別毎に、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガを分けてもよい。またローカルeNBの種別毎に、ウェイクアップ上り送信を分けてもよい。またローカルeNBの種別毎に、移動端末がEnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために上り送信(ウェイクアップ上り送信)を行う状況を分けてもよい。
具体例としては、リレーノードについては、ウェイクアップ上り送信を行う状況を、サービングセルの受信品質が下がった場合とし、HeNBについては、ウェイクアップ用上り送信を行う状況を、オートノーマスサーチ機能が動作中は、周期的に行うとしてもよい。これにより、ローカルeNBの種別毎に、最適なEnergySaving動作を行うことが可能となる。
以上に述べた本実施の形態1では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1と同様に実施可能であり、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また本実施の形態1では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1と同様に実施可能であり、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
本実施の形態1は、非特許文献8などに開示される従来の消費電力の低減技術と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1を用いた具体的な動作例を、図14および図15を用いて説明する。図14は、実施の形態1の解決策を説明するロケーション図である。図14において、図13に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。移動端末1401は、マクロセル1301のカバレッジ1302内、つまりマクロセル1301の圏内に存在する。
次に、図15を用いて、実施の形態1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する。図15は、実施の形態1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。本動作例では、サービングセルがマクロセル1301である場合について説明する。
ステップ1501において、ローカルeNB1303は、上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する。決定方法の具体例は、上記のとおりである。本動作例においては、上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードの1つとして、マクロセル1301が選択されたとする。
ステップST1502において、ローカルeNB1303は、自セル、すなわちローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータをマクロセル1301に通知する。上り送信の設定パラメータの具体例は、上記のとおりである。また、上り送信の具体例は、上記のとおりであるが、本動作例においては、上り送信の具体例として、PRACHを用いる。よって、上り送信の設定パラメータの具体例として、ローカルeNB1303のRACH設定とする。また、上り送信の設定パラメータとして、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報を通知してもよい。
ステップST1503において、ローカルeNB1303は、通常の動作から消費電力低減動作(EnergySaving動作)への移行のトリガの有無を判断する。移行のトリガの具体例は、上記のとおりである。EnergySaving動作への移行のトリガが有ると判断した場合は、ステップST1504へ移行する。EnergySaving動作への移行のトリガが無いと判断した場合は、ステップST1503の判断を繰り返す。
ステップST1504において、ローカルeNB1303は、EnergySaving動作へ移行する。EnergySaving動作の具体例としては、上記のとおり、送信動作をOFFし、受信動作をONする。
ステップST1505において、ローカルeNB1303は、間欠受信を開始する。具体例としては、ローカルeNB1303のRACH設定で上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。
ステップST1502の処理は、ステップST1503の処理の後、あるいはステップST1504の処理の後、あるいはステップST1505の処理の後に行っても、同じ効果を得ることができる。
ステップST1506において、サービングセルであるマクロセル1301は、傘下の移動端末に対して、自セル、すなわちマクロセル1301のRACH設定を通知する。傘下の移動端末(UE)には、移動端末1401が含まれる。
ステップST1507において、マクロセル1301は、傘下の移動端末に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303のRACH設定を通知する。また、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報を通知してもよい。該ローカルeNBがEnergySaving動作中であるか否かを示す情報を含めてもよい。傘下の移動端末には、移動端末1401が含まれる。
ステップST1508において、移動端末1401は、ウェイクアップ用上り送信を行うか否かを判断する。ウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例は、上記のとおりである。本動作例において、ウェイクアップ用上り送信を行う状況として、サービングセルの受信品質が下がった場合とする。具体例としては、移動端末1401は、サービングセルであるマクロセル1301(以下「サービングセル1301」という場合がある)の受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満となるか否かを判断する。サービングセル1301の受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満となる場合は、ステップST1509へ移行する。サービングセル1301の受信品質が、ウェイクアップ上り送信閾値未満とならない場合は、ステップST1508の判断を繰り返す。
ステップST1509において、移動端末1401は、ウェイクアップ用上り送信としてのRACH送信を行う。移動端末1401による周辺セルの測定にて発見できないローカルeNBに対して、移動端末が上り送信を行うことを可能としてもよい。該RACH送信では、移動端末1401がステップST1507で受信した、ローカルeNB1303のRACH設定を用いて、該RACHを送信する。また、移動端末1401がステップST1507で受信した、ローカルeNBと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数を用いて、該RACHを送信してもよい。また上記のとおり、マクロセル1301の下り送信を用いて、ローカルeNBに対してAFCを実施して、該RACHを送信してもよい。
ステップST1510において、ローカルeNB1303は、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガの有無を判断する。移行トリガの具体例は、上記のとおりである。本動作例においては、移行トリガの具体例として、ローカルeNB1303が移動端末1401からの上り送信を受信した場合とする。ローカルeNB1303は、ウェイクアップ用上り送信としてのRACHを受信したか否かを判断する。RACHを受信したと判断した場合は、ステップST1511へ移行する。RACHを受信していないと判断した場合は、ステップST1510の判断を繰り返す。
ステップST1511において、ローカルeNB1303は、Normal動作へ移行する。
以上の実施の形態1により、以下の効果を得ることができる。本実施の形態1によれば、ローカルeNBにおけるEnergySaving動作を実現することが可能となり、移動体通信システムにおけるインフラの消費電力の低減を実現することができる。
また、非特許文献8の従来の技術では、X2インタフェースを用いたインフラの消費電力の低減について規定されている。本実施の形態1では、X2インタフェースを用いないインフラの消費電力の低減方法を開示した。これによって、X2インタフェースをサポートしないHeNBなどにおいても、消費電力の低減が可能となる。HeNBは上記のとおり、数多く設置されることが要求されているため、HeNBで消費電力の低減が実現可能となることは、移動体通信システム全体の消費電力の低減に大きく寄与する。
実施の形態1では、非特許文献8の従来の技術に開示されたネットワーク側の負荷を用いないで、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させることができる。つまり、移動端末の位置(ロケーション)によらず、また移動端末の状態によらず、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させることができる。
これによって、非特許文献8の従来の技術を用いた場合に課題であった図13に示すようなロケーションにおいても、ローカルeNB1303をスイッチオン、すなわちNormal動作へ移行することが可能となり、移動端末1305が移動体通信システムとしてサービスを受けることができないという課題を解決することが可能となる。
また本実施の形態では、EnergySaving動作として送信動作をOFFし、受信動作をONすることを開示した。これにより、EnergySaving動作中に、ローカルeNBの送信部の電源を一括してOFFし、受信部の電源のみをONすればよくなる。したがって、EnergySaving動作を実現するためのハードウェアの設計が容易になる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1の変形例1において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、マクロセルの周辺にローカルeNBが多数存在した場合には、以下の2つの課題が発生する。
(1)ローカルeNBからマクロセルへ通知される、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータが多くなる。つまり、マクロセルから傘下の移動端末へ通知する、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの種類が増加する。これにより、マクロセルか傘下の移動端末へ通知する、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの情報量が増加する。よって、無線リソースを多く用いなければならないという課題が発生する。
(2)移動端末が行う、ウェイクアップ用上り送信のための上り送信の設定パラメータの種類が増加する。よって移動端末は、該種類分の上り設定を行う必要が生じ、また該種類分上り送信を行う必要が生じる。これにより、移動端末の処理負荷が高くなり、また移動端末の消費電力が増加するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例1の課題を、図15および図16を用いて再度説明する。図16は、実施の形態1の変形例1の課題を説明するロケーション図である。図16において、図13および図14に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。マクロセル1301のカバレッジ1302の境界付近、つまりセルエッジ付近に、複数のローカルeNB、具体的にはローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607が設置されている。ローカルeNB1601は、カバレッジ1602を持つ。ローカルeNB1603は、カバレッジ1604を持つ。ローカルeNB1605は、カバレッジ1606を持つ。ローカルeNB1607は、カバレッジ1608を持つ。
図16に示すようなロケーションで実施の形態1を実行した場合の移動体通信システムのシーケンス例を、図15を用いて説明する。ステップST1501において、ローカルeNB1303のみならず、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607においても、上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードとして、マクロセル1301が選択される。
ステップST1502において、ローカルeNB1303は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知する。ステップST1502において、ローカルeNB1601は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1601の上り送信の設定パラメータを通知する。ステップST1502において、ローカルeNB1603は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1603の上り送信の設定パラメータを通知するステップST1502において、ローカルeNB1605は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1605の上り送信の設定パラメータを通知する。ステップST1502において、ローカルeNB1607は、マクロセル1301へ、ローカルeNB1607の上り送信の設定パラメータを通知する。
ステップST1507において、マクロセル1301は、傘下の移動端末(移動端末1401も含まれる)に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607のRACH設定を通知する。このように、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータの情報量が増加し、無線リソースを多く用いなければならないという課題が発生する。
ステップST1508において、移動端末1401は、ウェイクアップ用上り送信を行うか否か判断し、ウェイクアップ用上り送信を行うと判断した場合、ステップST1509において、ウェイクアップ用上り送信を行う。該ウェイクアップ用上り送信の設定パラメータには、ステップST1507で受信したローカルeNB1303、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607のRACH設定を用いる。
このとき、移動端末1401は、ローカルeNB1303のカバレッジ1304内に位置するが、ローカルeNB1601のカバレッジ1602、ローカルeNB1603のカバレッジ1604、ローカルeNB1605のカバレッジ1606、ローカルeNB1607のカバレッジ1608内には無い。よって、移動端末1401のロケーションにおいては、ローカルeNB1303のRACH設定のみを用いて、ウェイクアップ用上り送信を行えばよい。なぜならば、例えばローカルeNB1603がEnergySaving動作からNormal動作へ移行したとしても、移動端末1401は、該ローカルeNB1603から移動体通信システムのサービスを受けることはできないからである。
しかし、ローカルeNBのEnergySaving動作として、送信動作がOFFされていることから、移動端末1401は、いずれのローカルeNBの圏内に自移動端末が位置するかを判断することができない。よって移動端末1401は、ステップST1509において、ステップST1507で受信したローカルeNB1303、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607のRACH設定を用いて、ウェイクアップ用上り送信を行う必要が生じる。これにより、該種類分(図16の場合は5種類)の上り設定を行う必要が生じ、また該種類回(図16の場合は5回)上り送信を行う必要が生じる。これにより、移動端末1401の処理負荷が高くなり、また移動端末1401の消費電力が増加するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例1での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
本変形例では、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う場合の上り送信に用いる設定を、サービングセルの上り送信に用いる設定と併用する。ローカルeNBは、サービングセルの上り送信に用いる設定に基づいて、EnergySaving動作を行う。ローカルeNBは、EnergySaving動作中、該サービングセルの上り送信に用いる設定において送信が許可されるリソースの受信が可能となるように間欠受信してもよい。
これにより、サービングセルは、傘下の移動端末へローカルeNBの上り送信の設定パラメータを通知する必要が無くなる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。また、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。また、移動端末が行う、ウェイクアップ用上り送信のための上り送信の設定パラメータの種類を減らすことが可能となる。これにより、移動端末の処理の負荷を軽減することができ、また移動端末の低消費電力化を図ることができる。
ローカルeNBが、該サービングセルの上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)を知る方法の具体例として、以下の(A1)および(A2)の2つを開示する。
(A1)非特許文献11には、セルフオーガナイズドネットワーク(Self Organized Network:SON)を目的として、RACH設定(RACH Configuration)をeNB間にてX2インタフェースを用いて通知することが開示されている。一方、上記のとおり、ローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よって非特許文献11に開示の方法では、HeNBに対して、RACH設定を通知することができないという課題が発生する。本実施の形態1の変形例1では、サービングセルは、自セルの上り送信の設定パラメータを、S1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。
(A2)ローカルeNBは、初期化の際、電源ONの際、あるいは送信OFFの際に、周辺無線環境の測定を行う場合がある。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定の際、報知情報まで受信し、報知情報をデコードし、報知情報に含まれる周辺セルの上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)を知り、該周辺セルの上り送信に用いる設定を記憶する。該測定、報知情報の受信、周辺セルの上り送信に用いる設定の記憶は、すべてのローカルeNBではなく、EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが行うようにしてもよい。
ローカルeNBが、サービングセルの上記上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)を知る方法の上記(A1)の具体例を用いた場合に、サービングセルが、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する方法の具体例として、以下の(B1)および(B2)の2つを開示する。自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードは、1つであっても複数であってもよい。上記方法で、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードを選択することにより、周辺のノードを選択することが可能となる。これにより、無駄なノードにまで自セルの上り送信の設定パラメータを通知する必要がなくなり、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。
(B1)サービングセルの周辺無線環境の測定結果に基づいて、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。サービングセルは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質、あるいは受信電力がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。または、サービングセルは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスがある閾値未満(あるいは以下)であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。
(B2)サービングセルの傘下の移動端末の測定結果の報告に基づいて、自セルの上り送信の設定パラメータを通知する周辺のノードを決定する。具体例としては、あるノードの受信品質、あるいは受信電力がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。または、サービングセルは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスがある閾値未満(あるいは以下)であれば、自セルの上り送信の設定パラメータを通知するノードとして、該ノードを選択する。
ローカルeNBが、上記上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)を知る方法の上記(A2)の具体例を用いた場合に、ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)の記憶を行う周辺セルを決定する方法の具体例として、以下の(C)を開示する。
(C)ローカルeNBの周辺無線環境の測定結果に基づいて、決定する。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの測定結果がある。周辺セルの測定結果の具体例としては、受信品質、受信電力、パスロスなどがある。
ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードの受信品質、あるいは受信電力がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)の記憶を行う周辺セルとして、該セルを選択する。または、ローカルeNBは、周辺無線環境の測定結果において、あるノードのパスロスがある閾値未満(あるいは以下)であれば、報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)の記憶を行う周辺セルとして、該セルを選択する。
報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定の記憶を行う周辺セルは、1つであっても複数であってもよい。上記方法で、報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定の記憶を行う周辺セルを選択することにより、周辺のセルを選択することが可能となる。これにより、無駄な周辺セルの報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定の記憶をする必要がなくなり、ローカルeNBの処理の負荷を軽減することができる。
上り送信の設定パラメータの具体例を、以下に2つ開示する。
(1)上り送信が許可されているリソース。リソースの具体例としては、時間的リソースと周波数的リソース、あるいは時間的リソースなどがある。LTE、LTE−Aにおいては、RACH設定。さらに具体例としては、「RACH-ConfigCommon」、「PRACH-config」などがある(非特許文献12参照)。
(2)上り周波数情報。サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報。上り周波数情報の具体例としては、キャリア周波数、周波数バンド、コンポーネントキャリアなどがある。LTE、LTE−Aにおいては「freqInfo」、「ul-CarrierFreq」、「ul-Bandwidth」などがある(非特許文献12参照)。
本実施の形態1の変形例1におけるAFCの実行方法の具体例を以下に3つ開示する。
(1)移動端末は、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。移動端末は、移動端末の上りリンクの周波数を、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報に設定する。移動端末は、該上りリンクの周波数を用いて、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるために、該ローカルeNBへ上り送信を行う。これによって、移動端末がAFCを実行することが可能となる。
(2)EnergySaving動作中のローカルeNBは、サービングセルの下り送信(下りリンク)を受信し、該下り送信の周波数でAFCを実行する。ローカルeNBは、ローカルeNBの移動端末からの上りリンクを受信するための周波数を、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数情報に設定する。ローカルeNBは、該周波数を用いて、移動端末からの上り送信を受信する。ローカルeNBは、上記AFC動作を、移動端末からの上り送信を受信する前に行ってもよい。移動端末からの上り送信の具体例としては、EnergySaving動作中のローカルeNBをNormal動作へ移行させるための上り送信がある。
(3)上記(1)および(2)を組み合わせて用いる。この場合、移動端末の周波数と、ローカルeNBの周波数が、(1)あるいは(2)を単独で用いる場合と比較して、より精度良く一致する。よって、移動端末からローカルeNBへの上りリンクの通信品質が向上するという効果を得ることができる。
次に、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、以下に4つ開示する。
(1)サービングセルの受信品質が下がった場合、あるいはサービングセルとなり得るセルが存在しない場合。例えば、サービングセルのセルエッジに、EnergySaving動作中のローカルeNBが存在した場合、移動端末からのウェイクアップ上り送信により、該ローカルeNBがNormal動作に移行する。これによって、サービングセルから該ローカルeNBへハンドオーバ、あるいは該ローカルeNBをセルリセレクトすることで、該移動端末が移動体通信システムのサービスを継続的に受けることができる。
(2)従来の技術のRACH送信の条件が満たされた場合。具体例としては、TAU送信、移動端末側からのサービスリクエストが発生した場合(発呼と称される場合もある)。サービングセルの傘下の移動端末からサービングセルへの通常の上り送信をローカルeNBが受信する。該上り送信を受信したローカルeNBは、自セルに近い移動端末が存在すると判断し、EnergySaving動作からNormal動作へ移行する。上り送信の具体例としては、PRACHなどがある。該判断の具体例としては、ローカルeNBは移動端末からの上り送信の受信品質、あるいは受信電力がある閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、自セルに近い移動端末が存在すると判断する。または、ローカルeNBは移動端末からの上り送信のパスロスがある閾値以下(あるいは未満)であれば、自セルに近い移動端末が存在すると判断する。
(3)周期的。
(4)ユーザが操作をした場合。
実施の形態1の変形例1を用いた具体的な動作例を、図16および図17を用いて説明する。実施の形態1の変形例1の解決策を説明するロケーション図である図16は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図17は、実施の形態1の変形例1の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図17において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本動作例では、ローカルeNBが、サービングセルの上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)を知る方法の上記具体例(A2)を用いた場合について開示する。また、ローカルeNBについては、ローカルeNB1303を例として説明するが、ローカルeNB1601、ローカルeNB1603、ローカルeNB1605、ローカルeNB1607においても同様の動作が行われる。
ステップST1701において、ローカルeNB1303は、周辺セルの測定を行う。ステップST1702において、ローカルeNB1303は、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルを決定する。決定する具体的な方法例は、上記のとおりである。図16に示すロケーションにおいて、ローカルeNB1303は、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルとして、マクロセル1301を選択する。
ステップST1703において、ローカルeNB1303は、ステップST1702で決定した周辺セルの上り送信の設定パラメータを記憶する。図16に示すロケーションにおいて、ローカルeNB1303は、マクロセル1301の上り送信の設定パラメータを記憶する。次いで、ローカルeNB1303は、ステップST1503およびステップST1504の処理を行う。
ステップST1704において、ローカルeNB1303は、間欠受信を開始する。具体例としては、ステップST1703で記憶したマクロセル1301の上り送信の設定パラメータ(具体例としてはRACH設定)にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。次いで、マクロセル1301は、ステップST1506の処理を行い、移動端末1401は、ステップ1508の処理を行う。
ステップST1705において、移動端末1401は、RACH送信を行う。該RACH送信では、ステップST1703で記憶した、マクロセル1301の上り送信の設定パラメータを用いて、該RACHを送信する。またステップST1703で記憶した、マクロセル1301と傘下の移動端末との間で用いられている上り周波数を用いて、該RACHを送信してもよい。次に、ローカルeNB1303は、ステップST1510およびステップST1511の処理を行う。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例1と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例1と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1の変形例1により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
マクロセルの周辺に、ローカルeNBが多数存在した場合であっても、マクロセルから傘下の移動端末へ、ローカルeNBの上り送信の設定パラメータを通知する必要が無くなる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。また、サービングセルの処理の負荷を軽減することができる。
また、ローカルeNBのEnergySaving動作として、送信動作がOFFされていることから、移動端末が、いずれのローカルeNBの圏内に自移動端末が位置するかを判断することができない場合であっても、ウェイクアップ用上り送信のための上り送信の設定パラメータの種類を減らすことが可能となる。これにより、移動端末の処理の負荷を軽減することができ、また移動端末の低消費電力化を図ることができる。
実施の形態1 変形例2.
実施の形態1の変形例2において解決する課題について説明する。実施の形態1、および実施の形態1の変形例1の解決策を実行した場合であっても、基地局、例えばマクロセルが密集して配置されている場合には、以下の課題が発生する。
マクロセルからローカルeNBへ通知される、マクロセルの上り送信の設定パラメータが多くなることが考えられる。あるいは、ローカルeNBで選択される、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルが多くなることが考えられる。
該ローカルeNBは、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が、どのマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いてウェイクアップ用上り送信を行うか知るすべがない。よって、該ローカルeNBは、通知された複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、あるいは記憶した複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が生じる。よって、ローカルeNBのEnergySaving動作が非効率となり、低消費電力化が非効率となる課題が発生する。
上記課題は、上り送信の設定パラメータのうち、上り送信が許可されている時間的リソース、あるいは上り送信が許可されている時間的リソースの周期などが異なる場合に、特に顕著となる。なぜならば、該複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いたウェイクアップ用上り送信を受信するために、EnergySaving動作中のローカルeNBは、該時間において受信動作をONする必要があるからである。
実施の形態1の変形例2の課題を、図17および図18を用いて再度説明する。図18は、実施の形態1の変形例2の課題を説明するロケーション図である。マクロセル1801は、カバレッジ1802を持つ。マクロセル1803は、カバレッジ1804を持つ。マクロセル1805は、カバレッジ1806を持つ。ローカルeNB1807は、カバレッジ1808を持つ。ローカルeNB1807は、マクロセル1801、マクロセル1803、マクロセル1805のセルエッジ付近に設置されている。マクロセル1803のカバレッジ1804内には、移動端末1809が存在する。
図18に示すようなロケーションで実施の形態1の変形例1を実行した場合の移動体通信システムのシーケンス例を、図17を用いて説明する。ステップST1702において、ローカルeNB1807にて、上り送信の設定パラメータの記憶を行う周辺セルとして、マクロセル1801のみならず、マクロセル1803、マクロセル1805が選択される。
ステップST1704において、ローカルeNB1807は、間欠受信を開始する。具体例としては、ステップST1703で記憶したマクロセル1801、マクロセル1803、マクロセル1805の上り送信の設定パラメータ(具体例としてはRACH設定)にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。
このように複数のマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が生じる。よって、ローカルeNBのEnergySaving動作が非効率となり、低消費電力化が非効率となる課題が発生する。このとき、マクロセル1801、マクロセル1803、マクロセル1805の上り送信の設定パラメータにて上り送信が許可されている時間的リソース、あるいは上り送信が許可されている時間的リソースの周期などが異なる場合に、特に顕著に課題が発生する。該異なる時間において、ローカルeNB1807は受信動作をONする必要が生じるからである。
実施の形態1の変形例2での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信の設定を別途設ける。別途設ける具体的な方法例を以下に2つ開示する。
(1)現在規格にて決定されている既存の上り送信に用いる設定パラメータの中から、特定の設定パラメータを選択する。該設定を移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う場合の上り送信に用いる設定とする。
(2)移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う場合の上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)を新設する。以降、該設定を、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定と称することもある。以降、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定に基づいて送信される信号を、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信、あるいはローカルeNBウェイクアップ用RACHと称することもある。該ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定は、1種類であってもよいし、複数あってもよい。具体例としては、新たなプリアンブルシーケンスを設けてもよい。具体例としては、新たな周波数−時間軸の物理リソースを設けてもよい。該新たな周波数−時間軸の物理リソースを、「PRACH Configration Index」に加えてもよい。ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の具体的な信号例としては、PN符号などが考えられる。
このようにローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定を別途設けることによって、基地局、例えばマクロセルが密集して配置されている場合であっても、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が用いる上り送信の設定パラメータの種類が増加することが無くなる。よって、多くのマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が無くなる。これによって、効率的なEnergySaving動作が実現可能となり、効率的な消費電力の低減を行うことができる。
移動端末が、該ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定(上り送信の設定パラメータ)を知る方法の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)静的(Static)に決定する。具体例としては、規格上決定する。
(2)各基地局は、傘下の移動端末に対して、現在用いられているローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定(上り送信の設定パラメータ)を通知する。通知の方法の具体例は、以下の2つである。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
実施の形態1の変形例2を用いた具体的な動作例を、図18および図19を用いて説明する。まず、実施の形態1の変形例2の解決策を説明するロケーション図である図18は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図19は、実施の形態1の変形例2の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図19において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本動作例では、移動端末が、ローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定(上り送信の設定パラメータ)を知る方法の上記具体例(1)を用いた場合について開示する。
ローカルeNB1807は、ステップST1503およびステップST1504の処理を行う。次にステップST1901において、ローカルeNB1807は、間欠受信を開始する。具体例としては、静的に決定されたローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定(上り送信の設定パラメータ)にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。次に、サービングセルであるマクロセル1803は、ステップST1506の処理を行い、移動端末1809は、ステップ1508の処理を行う。
ステップST1902において、移動端末1809は、ローカルeNB1807に対して、RACH送信を行う。該RACH送信では、静的に決定されたローカルeNBウェイクアップ用上り送信の設定(上り送信の設定パラメータ)を用いて、該RACHを送信する。次に、ローカルeNB1807は、ステップST1510およびステップST1511の処理を行う。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例2と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例2と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例2と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1の変形例2により、実施の形態1および実施の形態1の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
基地局、例えばマクロセルが密集して配置されている場合であっても、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が用いる上り送信の設定パラメータの種類が増加することが無くなる。
また、ウェイクアップ用上り送信を行う移動端末が、どのマクロセル圏内に位置するかを、ローカルeNBが知るすべがなくとも、多くのマクロセルの上り送信の設定パラメータを用いて、EnergySaving動作を行う必要が無くなる。これによって、効率的なEnergySaving動作が実現可能となり、効率的な消費電力の低減を行うことができる。
実施の形態1 変形例3.
実施の形態1の変形例3において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、周辺にEnergySaving動作を行っているローカルeNBが存在しない場合には、以下課題が発生する。
実施の形態1において開示した、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況を満たせば、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しないにも関わらず、該移動端末はウェイクアップ用上り送信を行う。これにより、以下の2つの課題が発生する。
(1)移動端末から、該上り送信により、EnergySaving動作からNormal動作へ移行するローカルeNBが存在しない無用な上り送信が行われる。これにより、無線リソースの無駄が発生し、無用な上り干渉が発生するという課題が生じる。
(2)移動端末は、EnergySaving動作からNormal動作へ移行するローカルeNBが存在しない、無用な上り送信を行う必要が生じる。これにより、移動端末の処理負荷が高くなり、消費電力の無駄が発生するという課題が生じる。
実施の形態1の変形例3での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
移動端末が、周辺にローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作中、すなわち低電力動作状態のローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う。
移動端末が、周辺にローカルeNBが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法が挙げられる。
周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報の具体例としては、(1)ローカルeNBが存在するか否かの情報、(2)ローカルeNBが存在する情報、(3)ローカルeNBが存在しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報を受信した移動端末は、ローカルeNBがEnergySaving動作中であるか否かを判断することはできないが、周辺にローカルeNBが存在しない場合に行う、移動端末からの無用なウェイクアップ用上り送信を削減することが可能となる。
移動端末が、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法が挙げられる。
周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かの情報、(2)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在する情報、(3)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報を受信した移動端末は、ローカルeNBがEnergySaving動作中であるか否かを判断することはできないが、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在しない場合に行う、移動端末からの無用なウェイクアップ用上り送信を削減することが可能となる。
移動端末が、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法が挙げられる。
周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かの情報、(2)EnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報、(3)EnergySaving動作中のローカルeNBが存在しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報を受信した移動端末は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しない場合に行う、移動端末からの無用なウェイクアップ用上り送信を削減することが可能となる。
サービングセルから傘下の移動端末に対して、周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報、または周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報を通知する方法の具体例を、以下に2つ開示する。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
また、実施の形態1を適用する場合、前述の図15に示すステップST1507の「傘下の移動端末に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303のRACH設定を通知」によって、「周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報」を合わせて通知することが可能となる。該ステップST1507の「傘下の移動端末に対して、ステップST1502で受信したローカルeNB1303のRACH設定を通知」によって、上記(2)のEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を合わせて通知することが可能となる。
サービングセルが、周辺にローカルeNBが存在するか否かを知る方法の具体例について、以下に開示する。ローカルeNBは、設置されたことを周辺セルへ通知する。該通知には、S1インタフェースまたはX2インタフェースまたはバックホールリンクを用いることができる。ローカルeNBが、設置されたことを通知する周辺セルを決定する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1の「ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)の記憶を行う周辺セルを決定する方法」と同様であるので、説明を省略する。
サービングセルが、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かを知る方法の具体例について、以下に開示する。ローカルeNBは設置された場合、EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かに関する情報を周辺セルへ通知する。
EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かの情報、(2)EnergySaving動作を実行可能な能力を有する情報、(3)EnergySaving動作を実行可能な能力を有しない情報、がある。これら(1)〜(3)のいずれかの情報の通知には、S1インタフェースまたはX2インタフェースまたはバックホールリンクを用いることができる。ローカルeNBは設置された場合、EnergySaving動作を実行可能な能力を有するか否かに関する情報を通知する周辺セルを決定する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1の「ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)の記憶を行う周辺セルを決定する方法」と同様であるので、説明を省略する。
サービングセルが、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを知る方法の具体例として、以下の(A)および(B)の2つを開示する。
(A)ローカルeNBは、EnergySaving動作中か否かに関する情報を周辺セルへ通知する。EnergySaving動作中か否かに関する情報の具体例としては、(1)EnergySaving動作開始を示す情報、(2)EnergySaving動作終了を示す情報、(3)EnergySaving動作中か否かを示す情報、(4)EnergySaving動作中を示す情報、(5)EnergySaving動作中ではないことを示す情報がある。
非特許文献9には、基地局がスイッチオフした場合、そのことを他の基地局に、X2インタフェースを用いて通知することが開示されている。一方、上記のとおりローカルeNBの一つであるHeNBにおいては、X2インタフェースがサポートされない(非特許文献1 4.6.1.章参照)。よって非特許文献9に開示される方法では、HeNBに対して、スイッチオフしたことを通知することができないという課題が発生する。実施の形態1の変形例3では、EnergySaving動作中か否かに関する情報を、X2インタフェース、あるいはS1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。
ローカルeNBが、EnergySaving動作中か否かに関する情報を通知する周辺セルを決定する方法の具体例は、実施の形態1の変形例1の「ローカルeNBが報知情報の受信、報知情報のデコード、上り送信に用いる設定(上り送信の設定パラメータ)の記憶を行う周辺セルを決定する方法」と同様であるので、説明を省略する。
また、実施の形態1を適用する場合、前述の図15に示すステップST1503において、ローカルeNB1303が、通常の動作から消費電力低減動作(EnergySaving動作)への移行のトリガの有無を判断し、以降トリガが有ると判断した後に、ステップST1502の処理を実行して、マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知した場合を考える。つまり、ステップST1503において「YES」と判断した後、あるいはステップST1504の後、あるいはステップST1505の後に、ステップST1502を行った場合を考える。
この場合、該ステップST1502の「マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知」によって、「EnergySaving動作中か否かに関する情報」を合わせて通知することが可能となる。該ステップST1502の「マクロセル1301へ、ローカルeNB1303の上り送信の設定パラメータを通知」によって、上記(1)のEnergySaving動作開始を示す情報、あるいは上記(4)のEnergySaving動作中を示す情報を合わせて通知することが可能となる。
(B)サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号(Paging信号)を新たに設ける。サービングセルは、EnergySaving動作中のローカルeNBの、該呼出信号に対しての応答信号(Ack信号)を受信することで、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在することを知る。
サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の具体例について、以下に開示する。サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号が用いるキャリアについて開示する。呼出信号は、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている下りキャリアと同じキャリアを、あるいはサービングセルと傘下の移動端末との間で用いられているCC(コンポーネントキャリア)と同じCCを用いる。
ローカルeNBが傘下の移動端末への下り送信に、サービングセルと同じ下りキャリア、あるいは同じCCを用いていた場合を考える。その場合、ローカルeNBは、自分の送信信号が干渉源(以降、自己干渉と称することもある)となり、サービングセルからの下り信号を受信することはできない。一方、本発明では、ローカルeNBは、EnergySaving動作において、送信動作をOFFすることを開示している。よって、上記自己干渉を生じさせることなく、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号に、サービングセルと傘下の移動端末との間で用いられている下りキャリアと同じキャリアなどを用いることができる。
また、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号に、傘下の移動端末との間で用いられる通常の下りキャリアと同じキャリアを用いることができることによって、サービングセルの処理負荷の増加を抑えつつ、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号を新たに設けることが可能となる。
サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号をローカルeNBが受信するために用いる識別子(RNTI)の具体例について、以下に2つ開示する。
(1)移動端末が、サービングセルからの呼出信号を受信するために用いる識別子を用いる。
(2)サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号をローカルeNBが受信するために用いる識別子を新たに設ける(以降、P−RNTI_ローカルeNBと称することもある)。LTE、LTE−Aにおいて、移動端末は、ページングチャネル(PCH)を受信するために、以下の動作を行う(3GPP TS 36.321 V9.1.0(以下「非特許文献14」という)5.5章参照)。
P-RNTI(Paging-RNTI)用にPCH割当がPDCCH上で受信された場合、該PDCCHの割当情報に示されているとおり、PDSCH上にマッピングされるPCHのデコードを試みる。なお、P-RNTIはシステムで1つ、固定とされている(非特許文献14 7.1章参照)。よって、サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号をローカルeNBが受信するために用いる識別子と、従来の移動端末がサービングセルからの呼出信号を受信するために用いる識別子(P-RNTI)とを同じにした場合、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号であっても、同じサービングセル傘下の移動端末が、PCHのデコードを試みる必要が生じる。
P-RNTIとは別に、P−RNTI_ローカルeNBを設けることにより、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号に対して、同じサービングセルの傘下の移動端末が、PCHのデコードを試みることを防ぐことができ、移動端末の処理負荷が増加することを防ぎ、消費電力の増加を防ぐことができる。該P−RNTI_ローカルeNBは、システムとして1つとしてもよい。またP−RNTI_ローカルeNBは、システムとして静的に決定するとしてもよい。これにより、ローカルeNBに割当不要という効果を得ることができる。
サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の送信タイミングの具体例について、以下に開示する。
(1)送信タイミングは、時間的に離散している。これにより、ローカルeNBがEnergySaving動作にて該EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号を受信するため、連続受信を要せず、間欠受信で足りることとなる。EnergySaving動作における間欠受信動作は、連続受信動作と比較して、低消費電力化に有効である。
(2)送信が許可されているリソースが時間的に周期を持っている。これにより、ローカルeNBに対する度々の送信が許可されているリソースの通知が不要となる。またサービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の送信タイミングと、ウェイクアップ用上り送信が許可されている時間的リソースとを同じとすることで、更なる低消費電力化が実現できる。またサービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼出信号の送信タイミングの周期と、ウェイクアップ用上り送信が許可されている時間的リソースの周期とを同じとすることで、更なる低消費電力化が実現できる。
また、上記呼出信号に対しての、EnergySaving動作中のローカルeNBの、該呼出信号に対しての応答信号(Ack信号)の送信方法の具体例について、以下に開示する。
応答信号は、バックホールリンク、S1インタフェース、X2インタフェースを用いて通知してもよい。
応答信号は、サービングセルの傘下の移動端末とサービングセルとの間で用いられている上りキャリアと同じキャリア、あるいはサービングセルの傘下の移動端末とサービングセルとの間で用いられているCCと同じCCを用いる。これにより、サービングセルは1つのキャリアを用いて受信動作を行えばよく、サービングセルの処理の負荷を軽減することができるという効果を得ることができる。また周波数利用効率を上げるという点からも有効である。実施の形態1の変形例1を用いる場合、移動端末からのウェイクアップ用上り送信で用いる上り周波数情報と、上記応答信号で用いる上り周波数情報とが同じとなる。これにより、ローカルeNBにおける応答信号の送信動作と、ウェイクアップ用上り送信の受信動作とにおいて、同じ周波数を用いることとなる。よってローカルeNBにおいて自己干渉が発生し、受信品質が劣化してウェイクアップ用上り送信の受信失敗が発生する可能性がある。該課題の解決策を以下に開示する。該応答信号の送信動作とウェイクアップ用上り送信の受信動作とのタイミングを異ならせる。これにより、ローカルeNBにおける自己干渉の発生を防止することができる。
次に、移動端末が周辺にローカルeNBが存在すると判断した場合、あるいは周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在すると判断した場合、あるいは周辺にEnergySaving動作中、すなわち低電力動作状態のローカルeNBが存在すると判断した場合に、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例について、以下に5つ開示する。
(1)サービングセルの受信品質が下がった場合、あるいはサービングセルとなり得るセルが存在しない場合。例えば、サービングセルのセルエッジに、EnergySaving動作中のローカルeNBが存在した場合、移動端末からのウェイクアップ上り送信により、該ローカルeNBがNormal動作に移行する。これによって、サービングセルから該ローカルeNBへハンドオーバ、あるいは該ローカルeNBをセルリセレクトすることで、該移動端末が移動体通信システムのサービスを継続的に受けることができる。
(2)従来の技術のRACH送信の条件が満たされた場合。具体例としては、TAU送信、移動端末側からのサービスリクエストが発生した場合(発呼と称される場合もある)。
(3)周期的。
(4)ユーザが操作をした場合。
(5)セルセレクションのための周辺セルの測定の際、あるいはセルリセレクションのための周辺セルの測定の際、あるいはハンドオーバのための周辺セルの測定の際に、以下に該当する周辺セルを発見した場合。周辺にローカルeNBが存在する周辺セル、あるいは周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在する周辺セル、あるいは周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する周辺セル。この場合、移動端末は周辺セルの測定の際に、周辺セルの報知情報を受信、デコードすることで、周辺にローカルeNBが存在するか否かに関する情報、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在するか否かに関する情報、または周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かに関する情報を取得すればよい。
実施の形態1の変形例3を用いた具体的な動作例を、図14および図20を用いて説明する。まず、実施の形態1の変形例3の解決策を説明するロケーション図である図14は、上記のとおりであるので、説明を省略する。図20は、実施の形態1の変形例3の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図20において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
本動作例においては、移動端末が、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行う場合を示す。また、サービングセルが、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを知る方法は、上記具体例(B)について示す。
ローカルeNB1303は、ステップST1501、ステップST1502、ステップST1503およびステップST1504の各処理を行う。次に、ステップST2001において、ローカルeNB1303は、間欠受信を開始する。具体例としては、ローカルeNB1303のRACH設定にて上り送信を受信するための、間欠受信を開始する。また併せて、サービングセルからEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信するための間欠受信を開始する。つまり、EnergySaving動作中であっても、両信号の割当てられる送信タイミング、あるいは時間的リソースで受信を行う。
ステップST2002において、サービングセルであるマクロセル1301は、ローカルeNB1303へEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を送信する。
ステップST2003において、ローカルeNB1303は、マクロセル1301からEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信したか否かを判断する。EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信した場合は、ステップST2004へ移行する。EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号を受信していない場合は、ステップST2003の判断を繰り返す。
ステップST2004において、ローカルeNB1303は、マクロセル1301へEnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号に対する応答信号(Ack信号)を送信する。
ステップST2005において、マクロセル1301は、EnergySaving動作中のローカルeNBに対する呼び出し信号に対する応答信号を受信したか否かを判断する。受信した場合は、ステップST2006へ移行する。受信しなかった場合は、ステップST2007へ移行する。
ステップST2006において、マクロセル1301は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断する。
ステップST2007において、マクロセル1301は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しないと判断し、ステップST2002へ戻る。
ステップST2008において、マクロセル1301は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を、移動端末1401へ通知する。次に、マクロセル1301は、ステップST1506およびステップST1507の処理を行う。
ステップST2009において、移動端末1401は、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在するか否かを判断する。存在すると判断した場合は、ステップST1508へ移行する。存在しないと判断した場合は、ステップST2009の判断を繰り返す。次に、移動端末1401は、ステップST1508およびステップST1509の処理を行い、ローカルeNB1303は、ステップST1510およびステップST1511の処理を行う。
本動作例においては、移動端末1401は、ステップST2008において、マクロセル1301から、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を受信した場合は、ステップST2009で、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断する。反対に、ステップST2008において、マクロセル1301から、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する情報を受信しない場合は、ステップST2009で、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しないと判断する。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例3と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例3と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例3と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例3と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2とも組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例3により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
移動端末が、周辺にローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行うことができる。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行うことができる。あるいは、移動端末が、周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在すると判断した場合に、ウェイクアップ用上り送信を行うことができる。
よって、周辺にローカルeNBが存在する、あるいはEnergySaving動作を実行可能な能力を有するローカルeNBが存在する、あるいは周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在する場合にのみ、ウェイクアップ用上り送信を行うことになる。
これにより、例えば周辺にEnergySaving動作中のローカルeNBが存在しない場合のウェイクアップ用上り送信のような、無用な上り送信を削減することができる。これによって、無線リソースを有効に活用することができ、無用な干渉を除去することが可能となる。また、移動端末の低消費電力化を実現することができる。
実施の形態1 変形例4.
実施の形態1の変形例4において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合、移動端末からの上り送信電力を決定する際に、以下の課題が発生する。
LTE、LTE−Aにおいて、実施の形態1の解決策を実行し、移動端末からの上り送信にPRACHを用いた場合を考える。
3GPP TS 36.213 V9.0.1(以下「非特許文献15」という)には、PRACHの初期送信電力について、以下の式(1)に示すように規定されている。
PPRACH=min{Pcmax,PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER+PL} [dBm] …(1)
式(1)において、「PL」はパスロスを示す。式(1)の「Pcmax」は、以下の式(2)で決定され、式(1)の「PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER」は、以下の式(3)に示すように規定される(非特許文献14 5.1.3章参照)。
Pcmax=min{Pemax,Pumax} …(2)
式(2)において、「Pemax」は、セル毎に設定され、傘下の移動端末に報知される値であり、「Pumax」は、移動端末の能力(Capability)から決定される。
PREAMBLE_RECEIVED_TARGET_POWER=preambleInitialReceivedTargetPower
+DELTA_PREAMBLE+(PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER-1)*powerRampingStep …(3)
式(3)において、「preambleInitialReceivedTargetPower」は、RACH設定の一部であり、「DELTA_PREAMBLE」は、プリアンブルフォーマットに基づいて決定される(非特許文献14 7.6章参照)。プリアンブルフォーマットは、RACH設定の一部である。「PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER」は、何回目のプリアンブル送信かを示す。「powerRampingStep」は、RACH設定の一部であり、「*」は乗算「×」を示す(非特許文献12参照)。
LTE、LTE−Aにおいて、実施の形態1の解決策を実行した場合、移動端末で式(1)の「PL」と式(2)の「Pemax」とが不確定となり、移動端末がPRACHの初期送信電力を決定できないという課題が発生する。
また、3GPP R1−094839(以下「非特許文献16」という)には、以下の事項が開示されている。サービングセルが、自セルの調整情報(coordination Information)を範囲内のHeNBへ、自セルと接続中(Connected中)の移動端末経由で通知する技術が開示されている。その場合に、該移動端末が該通知に必要な上り送信電力を、該移動端末によるHeNBの下り受信品質の測定値に基づいて、サービングセルが該移動端末へ通知する、あるいは該移動端末が推測することが開示されている。
一方、実施の形態1では、EnergySaving動作中のローカルeBNは、送信動作をOFFしている。つまり、移動端末は、EnergySaving動作中のローカルeNBの下り受信品質を測定することはできない。
よって、実施の形態1においては、非特許文献16に開示される技術を用いて、上り送信電力を決定することはできない。
実施の形態1の変形例4での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
まず、「Pemax」についての解決策を開示する。ローカルeNBは、自セルの「Pemax」を実施の形態1の上り送信の設定パラメータと同様に、S1インタフェースを用いて周辺のノードへ通知する。その後、実施の形態1の上り送信の設定パラメータと同様の方法を取ることにより、PRACHを送信する移動端末は、「Pemax」を知ることができる。移動端末は、該「Pemax」を用いて、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する。
次に、「PL」についての解決策を開示する。移動端末は、サービングセルのパスロスを用いる。これにより、PRACHを送信する移動端末は、「PL」を確定することができる。移動端末は、該「PL」を用いて、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例4と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例4と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例4と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例4と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例4により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。LTE、LTE−Aにおいては、実施の形態1の解決策を実行し、移動端末からの上り送信にPRACHを用いた場合であっても、移動端末がPRACHの初期送信電力を決定することができる。
実施の形態1 変形例5.
実施の形態1の変形例5において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例4の解決策を実行した場合であっても、以下の課題が発生する。
実施の形態1の変形例4では、移動端末は、PRACHの初期送信電力を決定する際、模擬的にサービングセルのパスロスを用いる。よって、移動端末の存在する位置によっては、無用に大きいPRACHの初期送信電力となり、在圏できないローカルeNBのEnergySaving動作を解除してしまう。よって、ローカルeNBの低消費電力化が非効率になるという課題が発生する。また、移動端末の存在する位置によっては、無用に大きいPRACHの初期送信電力となり、無用な上り干渉が発生するという課題が生じる。
実施の形態1の変形例5の課題を、図21を用いて再度説明する。図21は、実施の形態1の変形例5の課題を説明するロケーション図である。図21において、図13に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。
場所Aに、移動端末2101が存在している場合を考える。移動端末2101が、ウェイクアップ用上り送信として、PRACHを送信する場合を考える。移動端末2101が、PRACHの初期送信電力を決定する際、模擬的にサービングセルのパスロスを用いる。場所Aに位置する移動端末2101のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスは、サービングセル1301から移動端末2101への下り信号2102に基づいて測定される。実施の形態1の変形例4で開示した、PRACHの初期送信電力を求める式(1)で「PL」は加えられている。サービングセルから遠くに位置する移動端末は、パスロス「PL」も大きくなり、同じ位置から該サービングセルへの上り信号にも同様に大きな送信電力が必要であるという趣旨である。
場所Aに位置する移動端末2101のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスがPL_Aであったとする。この場合、移動端末2101のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも、該「PL_A」が加えられる。よって概念的に、ウェイクアップ用上り信号パワーは、場所Aからマクロセル1301へ届く上り送信電力と等しい大きさとなるので、PRACH2103のようになる。よって、場所Aに位置する移動端末2101から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2103を、ローカルeNB1303が受信可能となる。場所Aは、ローカルeNB1303のカバレッジ1304外である。よって、ローカルeNB1303が、EnergySaving動作を解除したとしても、移動端末2101が、ローカルeNB1303経由で移動体通信システムのサービスを受けることはできない。よって、ローカルeNBで無駄なEnergySaving動作の解除が発生し、低消費電力化が非効率になるという課題が発生する。
場所Bに、移動端末2104が存在している場合を考える。移動端末2104は、ウェイクアップ用上り送信として、PRACHを送信する場合を考える。移動端末2104が、PRACHの初期送信電力を決定する際、模擬的にサービングセルのパスロスを用いる。場所Bに位置する移動端末2104のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスは、サービングセル1301から移動端末2104への下り信号2105に基づいて測定される。
場所Bに位置する移動端末2104のサービングセル(マクロセル)1301のパスロスがPL_Bであったとする。この場合、移動端末2104のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも、該「PL_B」が加えられる。よって概念的に、ウェイクアップ用上り信号パワーは、場所Bからマクロセル1301へ届く上り送信電力と等しい大きさとなるので、PRACH2106のようになる。よって、場所Bに位置する移動端末2104から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2106を、ローカルeNB1303が受信可能となる。しかし、ローカルeNB1303が受信可能となるためには、ウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2107程度の送信電力であれば十分である。よって、無用に大きいPRACHの初期送信電力となり、無用な上り干渉が発生するという課題が発生する。
実施の形態1の変形例5での解決策を以下に示す。実施の形態1の変形例4の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1の変形例4と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する際に用いる「PL」の値を固定値とする。該値の具体例としては、ローカルeNBのセルエッジから、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを送信した場合にローカルeNBが受信可能となる、必要十分(大き過ぎもせず、小さ過ぎもしない)な値が挙げられる。該値の具体例を以下に2つ開示する。
(1)静的(Static)に決定する。具体例としては、規格上決定する。
(2)ローカルeNB毎とする。各ローカルeNBは、上り送信の設定パラメータとして、サービングセルへ通知する。各基地局は、傘下の移動端末に対して通知する。通知の方法の具体例を以下に2つ開示する。(1)報知情報を用いて通知する。(2)個別信号を用いて通知する。
図22は、実施の形態1の変形例5の解決策を用いた場合の概念図である。図22において、図13および図21に対応する部分については同一の参照符を付して、説明を省略する。
場所Aに、移動端末2101が存在している場合を考える。移動端末2101は、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信する場合、PRACHの初期送信電力を決定するために、「PL」として固定値を用いる。該固定値がローカルeNBのセルエッジからウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを送信した場合にローカルeNBが受信可能となる、必要十分(大き過ぎもせず、小さ過ぎもしない)な値であった場合を考える。この場合、移動端末2101のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも該固定値の「PL」が加えられる。よって概念的には図22のウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2201のようになる。よって、場所Aに位置する移動端末2101から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2201をローカルeNB1303が受信不可能となる。
場所Aは、ローカルeNB1303のカバレッジ1304外である。よってローカルeNB1303がEnergySaving動作を解除したとしても、移動端末2101がローカルeNB1303経由で移動体通信システムのサービスを受けることはできない。本変形例のようにすることによって、このローカルeNBの無駄なEnergySaving動作の解除が起こらないので、低消費電力化が非効率になるという課題を解決することができる。
場所Bに移動端末2104が存在している場合を考える。移動端末2104は、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信する場合、PRACHの初期送信電力を決定する際、「PL」として固定値を用いる。この場合、移動端末2104のウェイクアップ用上り送信としてのPRACH初期送信電力にも、該固定値「PL」が加えられる。よって概念的には、図22のウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2202のようになる。よって、場所Bに位置する移動端末2104から送信されるウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2202を、ローカルeNB1303が受信可能となる。
また、ウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2202の送信電力は、ローカルeNB1303が受信可能となるために十分である、ウェイクアップ用上り信号としてのPRACH2107の送信電力と大きい差がなくなる。よって、無用に大きいPRACHの初期送信電力となることを防ぎ、無用な上り干渉が発生するという課題を解決することができる。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例5と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例5と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例5と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例5と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1の変形例4と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例5により、実施の形態1の変形例4の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力が必要以上に大きくなることを防ぐことができる。よって、ローカルeNBの無駄なEnergySaving動作の解除を防止し、効率的な低消費電力化を図ることができる。また無用な干渉の発生を抑制することができる。
実施の形態1 変形例6.
実施の形態1の変形例6において解決する課題について説明する。実施の形態1を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。
非特許文献15(6.1章)には、ランダムアクセスプロシジャー(Random access procedure)について開示されている。該プロシジャーについて図23を用いて説明する。図23は、非特許文献15に開示されているランダムアクセスプロシジャーを説明する移動体通信システムのシーケンス図である。
ステップST2301において、移動端末(UE)は、ランダムアクセスプリアンブル(Random Access Preamble)を、PRACHを用いて基地局(eNB)に送信する。該PRACHの初期送信電力は、実施の形態1の変形例4などで示したとおりである。
ステップST2302において、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局は、ランダムアクセスレスポンス(Random Access Response)を、PDCCHを用いて移動端末に送信する。移動端末は、ランダムアクセスレスポンスが含まれていないかを確認するために、RA−RNTI(Random Access RNTI)を用いて、PDCCHを受信する必要がある。RA−RNTIとは、移動端末が、ランダムアクセスレスポンスを受信するために用いる識別子である。
ステップST2303において、ランダムアクセスレスポンスを受信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスにて割当てられたPUSCHを用いて、スケジュールドトランスミッション(Scheduled Transmission)を基地局に送信する。
ステップST2304において、スケジュールドトランスミッションを受信した基地局は、コンテンションレゾリューション(Contention Resolution)を移動端末に送信する。上記のように、移動端末は、基地局でPRACHが受信されたか否かを判断するために、RA−RNTIを用いて、PDCCHを受信する必要がある。
EnergySaving動作中のローカルeNBが、該移動端末からのウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを受信し、Normal動作へ移行して下り送信を開始したとする。しかし、該移動端末がサーチ動作、例えば図12に示す動作を行い、その結果として該ローカルeNBを発見(Detect)するまでには時間を要する。よって該移動端末が、図23のステップST2302における該ローカルeNBからのランダムアクセスレスポンスの受信を失敗と判断する可能性が高くなるという課題が発生する。
また、該移動端末のサービングセルは、該ローカルeNBとは異なるセルである。移動端末は、異なる2つの基地局からのPDCCHは受信できない。よって、該ローカルeNBからのランダムアクセスレスポンスがマッピングされるPDCCHを受信するために、移動端末は、ハンドオーバあるいはセルリセレクションを実行する必要がある。周辺にEnergySaving中のローカルeNBが存在するという確証もなく、存在したとしても、該ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの受信に成功し、該ローカルeNBがNormal動作へ移行するという確証もない時点で、移動端末は、ハンドオーバあるいはセルリセレクションを実行する必要がある。このように、移動端末の無駄なハンドオーバ処理、あるいは無駄なセルリセレクション処理が発生する。
実施の形態1の変形例6での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスを受信しなくてもよいものとする。基地局は、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを受信した場合は、ランダムアクセスレスポンスを、PDCCHを用いて送信しないものとする。
基地局において上記判断を可能とするために、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHと、従来のPRACHとを区別できるようにする。具体例としては、ランダムアクセスプリアンブルに、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを示すインジケータを設ける。これにより、基地局は、図23のステップST2301におけるランダムアクセスプリアンブルの受信時に、該区別を実行することができ、ランダムアクセスレスポンスを送信しない処理を行うことができる。
図24は、実施の形態1の変形例6の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図24において、図23に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
移動端末は、ステップST2301において、ランダムアクセスプリアンブルを、PRACHを用いて基地局に送信する。ステップST2401において、ランダムアクセスプリアンブルを受信した基地局は、該ランダムアクセスプリアンブルが、ウェイクアップ用上り送信であるか否かを判断する。ウェイクアップ用上り信号であると判断した場合は、ステップST2402へ移行する。ウェイクアップ用上り信号ではないと判断した場合は、ステップST2302へ移行する。ステップST2302では、基地局は、ランダムアクセスレスポンスを、PDCCHを用いて移動端末に送信する。
ステップST2401の処理の判断の具体例としては、ランダムアクセスプリアンブル中に、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを示すインジケータがマッピングされていれば、該ランダムアクセスプリアンブルは、ウェイクアップ用上り送信であると判断する。一方、ランダムアクセスプリアンブル中に、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを示すインジケータがマッピングされていなければ、該ランダムアクセスプリアンブルは、ウェイクアップ用上り送信信号ではないと判断する。
ステップST2402において、基地局は、EnergySaving動作中であるか否かを判断する。EnergySaving動作中であると判断した場合は、ステップST2403へ移行する。EnergySaving動作中ではないと判断した場合は、処理を終了する。
ステップST2403において、EnergySaving中の基地局は、Normal動作へ移行する。
ステップST2404において、ランダムアクセスプリアンブルを送信した移動端末は、該ランダムアクセスプリアンブルがウェイクアップ用上り送信であるか否かを判断する。ウェイクアップ用上り信号であると判断した場合は、処理を終了する。ウェイクアップ用上り信号ではないと判断した場合は、ステップST2303へ移行する。ステップST2303では、移動端末が、ランダムアクセスレスポンスにて割当てられたPUSCHを用いて、スケジュールドトランスミッションを基地局に送信する。ステップST2304では、基地局は、コンテンションレゾリューションを移動端末に送信する。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、および実施の形態1の変形例5と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例6により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスがマッピングされるPDCCHを受信する必要がなくなる。これにより、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末が、ランダムアクセスレスポンスの受信失敗と判断することがなくなる。また、サービングセルとは異なるセルからのPDCCHを受信する必要がなくなるので、無駄なハンドオーバ処理、および無駄なセルリセレクション処理を削減できる。
また、ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHを受信した基地局は、ランダムアクセスレスポンスの送信を削減することができる。これにより、基地局の処理の負荷を軽減することができ、無線リソースを有効に活用することができる。
実施の形態1 変形例7.
実施の形態1の変形例7において解決する課題について説明する。実施の形態1の変形例6を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。
プリアンブルの送信は、基地局で正常に受信されるまで繰り返される。しかし、ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスを受信しなくてもよいものとすると、該移動端末は、該PRACHが基地局で正常に受信されたか否かを判断することができない。よって、プリアンブル送信動作が不確定となる問題が発生する。
これに伴い、上り送信電力を決定する際に、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5を用いた場合であっても、以下の課題が発生する。何回目のプリアンブル送信であるかを示す「PREAMBLE_TRANSMISSION_COUNTER」が不確定となる問題が発生する。移動端末がPRACHの初期送信電力を決定できないという課題が再度発生する。
実施の形態1の変形例7での解決策を以下に示す。実施の形態1と実施の形態1の変形例4、あるいは実施の形態1と実施の形態1の変形例5の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と実施の形態1の変形例4、あるいは実施の形態1と実施の形態1の変形例5と同様とする。
ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する際に、PRACHの送信回数を固定値回繰り返すとする。移動端末の周辺セルの測定により、新たにローカルeNBを検出した場合に繰り返し送信を止めるとしてもよい。
ウェイクアップ用上り送信としてのPRACHの初期送信電力を決定する際に、PRACHの送信回数を固定値とする場合は、移動端末は、PRACHの送信回数までは、自動的にPRACHの再送を行う。
本変形例では、実施の形態1と実施の形態1の変形例4、あるいは実施の形態1と実施の形態1の変形例5と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例7により、実施の形態1、実施の形態1の変形例4、および実施の形態1の変形例5の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ウェイクアップ用上り送信としてPRACHを送信した移動端末は、ランダムアクセスレスポンスを受信しなくてもよいとした場合においても、移動端末がPRACHの送信動作を確定することができ、さらに初期送信電力を決定することができる。
実施の形態1 変形例8.
実施の形態1の変形例8において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、以下の課題が発生する。
実施の形態1を実行し、あるローカルeNBがEnergySaving動作からNormal動作へ移行した場合を考える。この移行により、ある移動端末が、該ローカルeNBのカバレッジ内に位置することとなり、正常に待受けることができたとする。しかし、該移動端末がCONNECTED状態へ移行しないと仮定する。その場合、該ローカルeNBは、通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)を検出し、再度EnergySaving動作に移行する。これにより、該移動端末が該ローカルeNBに在圏できなくなり、他の周辺セルも存在しない場合において該移動端末は、圏外となり移動体通信システムのサービスを受けられないという課題が発生する。
実施の形態1の変形例4での解決策を以下に4つ開示する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
(1)ローカルeNBの上り送信の設定を用いて、ウェイクアップ用上り送信を行う。ローカルeNBがEnergySaving動作へ移行した場合、該ローカルeNBがNormal動作時に正常に待受けていた移動端末を仮定する。該移動端末にとって、Normal動作時の該ローカルeNBは、サービングセルとなる。該ローカルeNBのEnergySaving動作への移行に伴い、該移動端末におけるサービングセルの受信品質が下がることになる。よって、該移動端末が、ウェイクアップ用上り送信を行う状況が満たされ、該移動端末が、ウェイクアップ用上り送信を行うこととなる。このウェイクアップ用上り送信を受信した該ローカルeNBは、EnergySaving動作からNormal動作へ移行する。
(2)ローカルeNBにキャンプオンした後に圏外になった場合、ウェイクアップ用上り送信を行う。キャンプオン中のローカルeNBがEnergySaving動作へ移行したために、該移動端末が圏外となった場合に有効である。該ローカルeNBがEnergySaving動作を実行可能な能力を有する場合のみ、移動端末は該ウェイクアップ用上り送信を行うとしてもよい。該能力を有しない場合は、キャンプオン中のローカルeNBがEnergySaving動作へ移行したために、該移動端末が圏外となる状況は発生しない。よって、移動端末が無駄な上り送信を行うことを防ぐことができ、無線リソースの有効活用、上り干渉の低減、移動端末の低消費電力化を実現できるという効果を得ることができる。
(3)ウェイクアップ用上り送信を受信したローカルeNBは、一定期間(T_a)はNormal動作を行うものとする。移動端末が、周期的(T_b)にウェイクアップ用上り送信を行う。T_a≧T_bとすることで、ウェイクアップ用上り信号を受信可能な範囲に移動端末が存在する場合に、該ローカルeNBが、再度EnergySaving動作へ移行することを防ぐことができる。
(4)ローカルeNBは、通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)が存在した場合であっても、通常の動作から消費電力低減動作へ移行する前に、傘下に待受け中の移動端末が存在するか否かを確認する。傘下に待受け中の移動端末が存在する場合は、Normal動作を継続する。一方、傘下に待受け中の移動端末が存在しない場合は、EnergySaving動作へ移行する。これにより、傘下に待受け中の移動端末が存在する場合に、該ローカルeNBがEnergySaving動作へ移行することを防ぐことができる。該判断は、通常の動作から消費電力低減動作への移行のきっかけ(トリガ)として実施の形態1に示す具体例(1)「ローカルeNBの傘下にある期間、CONNECTEDの移動端末が存在しない場合、あるいはローカルeNBの傘下にある期間、IDLEの移動端末のみが存在する場合」に適用してもよい。
傘下に待受け中の移動端末が存在するか否かを確認する方法の具体例について、以下に開示する。傘下の移動端末宛に一斉呼出を行う。該呼び出しに応答する移動端末が存在すれば、傘下にCONNECTED中の移動端末、あるいはIDLE中の移動端末が存在すると判断する。一方、該呼び出しに応答する移動端末が存在しなければ、傘下にCONNECTED中の移動端末もIDLE中の移動端末も存在しないと判断する。
一斉呼び出しの方法の具体例について、以下に開示する。傘下の移動端末宛に、一斉呼出信号(Paging信号)を新たに設ける。傘下の移動端末宛の一斉呼出に用いる識別子(以降、P−RNTI_一斉と称することもある)を新たに設ける。従来のP−RNTIとは別にP−RNTI_一斉を新設することで、以下の効果を得ることができる。従来の方法では、P−RNTIを受信した移動端末は、自移動端末宛の呼び出しであるかを確認するために、PCHのデコードを試みる必要がある。一方、P−RNTI_一斉を受信した移動端末は、全移動端末宛であることを認識できるため、PCHのデコードを行い、自移動端末宛であるかを確認する必要はなく、応答することが可能となる。これにより、移動端末の処理の負荷を軽減することができ、制御遅延を防止することができる。
該傘下の移動端末宛の一斉呼出の技術は、ローカルeNBのみではなく、すべてのタイプのeNBで用いることができる。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例8と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例8と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例8と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例8と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例8により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ローカルeNBが、傘下に移動端末が待受けているにも関わらず、EnergySaving動作に移行し、該移動端末が圏外となることを防ぐことができる。
実施の形態1 変形例9.
実施の形態1の変形例9では、実施の形態1の変形例8の課題に対する別の解決策を、以下に開示する。
ローカルeNBは、EnergySaving動作中であっても、移動端末のメジャメントに必要な信号、あるいはチャネルを、ある期間送信する。これにより、ローカルeNBがEnergySaving動作中であっても、移動端末は該ローカルeNBの存在を確認することが可能となる。メジャメントに必要な信号、あるいはチャネルの具体例を、以下に3つ開示する。(1)SS(2)PBCH(3)RSなどがある。
ある期間の具体例を以下に2つ開示する。
(1)周期的に送信を行う。周期、および送信期間の値を指定して行う。該値の指定方法の具体例を以下に開示する。静的に決定する。あるいは、ローカルeNB自身で決定する。あるいは上位装置からS1インタフェースを用いて、あるいはX2インタフェースを用いて指示する。
(2)指定期間に送信を行う。送信開始指示、および送信停止指示を行う。あるいは送信開始指示、および送信期間を指示し、送信期間満了後、自動的に送信を停止する。該値の指定方法の具体例を、以下に開示する。ローカルeNB自身で決定する。あるいは上位装置からS1インタフェースを用いて、あるいはX2インタフェースを用いて指示する。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例9と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例9と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例9により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。ローカルeNBがEnergySaving動作へ移行したとしても、該ローカルeNBのカバレッジ内に存在する移動端末が、該ローカルeNB受信品質を測定することができる。これにより、該移動端末が、EnergySaving動作中のローカルeNBの存在を知ることができる。よって、該移動端末が圏外になることを防ぐことができる。また、該移動端末が無用なセルリセレクションを行うことを防ぐことができる。さらには、これを基に、実施の形態1などに開示している上り送信を行うことが可能となる。よって、EnergySaving動作を行っているローカルeNBをNormal動作へ移行させるための、上り送信を的確に、かつ無駄なく送信することができる。
実施の形態1 変形例10.
実施の形態1の変形例10では、実施の形態1に加えて、さらなる低消費電力化を実現できるEnergySaving動作について、以下に開示する。
ローカルeNBが属するトラッキングエリア(TA)内に移動端末が存在する場合、該ローカルeNBは、実施の形態1で開示したEnergySaving動作を行う。一方、ローカルeNBが属するトラッキングエリア(TA)内に移動端末が存在しない場合、該ローカルeNBは、電源をOFFする。これにより、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生しない場合において、受信動作をもOFFすることができ、さらなる低消費電力化を行うことができる。なぜなら、該ローカルeNBが属するトラッキングエリア内に移動端末が存在しない場合は、(1)ウェイクアップ用上り送信を行う可能性のある移動端末が、該ローカルeNBの周辺に存在しないこととなり、また(2)バックホールを通じての該ローカルeNBが、Paging信号を受信する可能性がないこととなる。よって、該ローカルeNBが属するトラッキングエリア内に移動端末が存在しない場合は、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生しないと言える。
図25は、実施の形態1の変形例10の解決策を用いた場合の移動体通信システムのシーケンス例を説明する図である。図25において、図15に対応する部分については同一のステップ番号を付して、処理の詳細な説明を省略する。
ステップST2501において、MMEは、ローカルeNBが属するトラッキングエリア内に移動端末が存在するか否かを判断する。移動端末は、自端末が属するトラッキングエリアが変更した場合は、トラッキングエリアアップデートを行うため、ステップST2501の判断は、従来の技術を複雑にすることなく実現可能である。ステップST2501において、移動端末が存在すると判断した場合は、ステップST2502へ移行し、移動端末が存在しないと判断した場合は、ステップST2503へ移行する。
ステップST2502において、MMEは、S1インタフェース、あるいはX2インタフェースを用いて、該ローカルeNBへEnergySaving動作の指示を行う。あるいは、MMEは、HeNBGW経由で上記EnergySaving動作の指示を行ってもよい。EnergySaving動作の指示とは、送信動作をOFFし、受信動作をONする指示としてもよい。また送信動作をOFFし、間欠受信をONする指示としてもよい。その後、ステップST2501の判断へ戻る。
ステップST2503において、MMEは、S1インタフェース、あるいはX2インタフェースを用いて、該ローカルeNBへ電源OFFの指示を行う。あるいは、MMEは、HeNBGW経由で上記電源OFFの指示を行ってもよい。電源OFFの指示とは、送信動作をOFFし、受信動作をOFFする指示としてもよい。また、送信動作をOFFし、間欠受信をOFFする指示としてもよい。その後、ステップST2501の判断に戻る。ステップST2503において電源OFFの指示を受信したローカルeNBは、ステップST1501、ステップST1502およびステップST1503の各処理を行い、その後、ステップST2504に移行する。
ステップST2504において、ローカルeNBは、EnergySaving動作を行うべきか否かを判断する。ステップST2504の判断の具体例を、以下に開示する。ローカルeNBは、EnergySaving動作の指示を受信した場合、EnergySaving動作を行うべきと判断する。ローカルeNBは、EnergySaving動作の指示を受信していない場合、EnergySaving動作を行うべきでないと判断する。ローカルeNBは、電源OFFの指示を受信した場合、EnergySaving動作を行うべきでないと判断する。ローカルeNBは、電源OFFの指示を受信していない場合、EnergySaving動作を行うべきと判断する。EnergySaving動作を行うべきと判断した場合は、ステップST1504へ移行する。EnergySaving動作を行うべきでないと判断した場合は、ステップST2505へ移行する。
ステップST2505において、ローカルeNBは、電源をOFFする。具体例としては、送信動作をOFFし、受信動作をOFFする。あるいは、送信動作をOFFし、間欠受信をOFFする。
ステップST2506において、ローカルeNBは、EnergySaving動作の指示を受信したか否かを判断する。受信したと判断した場合は、ステップST1504へ移行し、受信していないと判断した場合は、ステップST2506の処理を繰り返す。ローカルeNBは、ステップST1504およびステップST1505の処理を行った後、ステップST2507に移行する。
ステップST2507において、ローカルeNBは、電源OFFの指示を受信したか否か判断する。受信したと判断した場合は、ステップST2505へ移行し、受信していないと判断した場合は、ステップST2507の処理を繰り返す。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例10と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例10と同様の効果を得ることができる。
また本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例10と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例10と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、および実施の形態1の変形例9と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例10により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生しない場合において、受信動作をもOFFすることが可能となる。一方、EnergySaving動作からNormal動作への移行トリガが発生する可能性のある場合、EnergySaving動作へ移行することができ、受信動作をONすることが可能となる。これにより、実施の形態1の効果を維持しつつ、さらなる低消費電力化を実現することができる。
実施の形態1 変形例11.
実施の形態1の変形例11において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、以下の課題が発生する。
HeNBは、他のセルの配置位置とは無関係に、オーナーによって配置される。よって、他のセルの受信品質が良好な場所に、HeNBが設置される可能性もある。具体例としては、他のセルの近傍にHeNBが配置されることも考えられる。このようなロケーションにおいて、他のセルがサービングセルであった場合、他のセルの近傍に配置されるHeNBの周辺では、サービングセルの受信品質は悪くならない。例えばウェイクアップ用上り送信を送信するトリガとしてサービングセルの受信品質で判断する場合など、よって、移動端末がウェイクアップ用上り送信を行う状況が発生しない。よって、他のセルの近傍にHeNBが設置された場合、移動端末からのウェイクアップ用上り送信では、該HeNBは、EnergySaving動作からNormal動作へ移行できないという課題が発生する。
図26は、実施の形態1の変形例11の課題を説明するロケーション図である。マクロセル2601は、カバレッジ2609を持つ。カバレッジ2609の付近は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「9」とする。HeNB2602は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「1」付近に設置されている。HeNB2603は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「2」付近に設置されている。HeNB2604は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「7」付近に設置されている。HeNB2605は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「8」付近に設置されている。HeNB2606は、マクロセル2601からのパスロスが、例えば「9」付近に設置されている。図26の実線2607は、マクロセル2601からのパスロス「3」のロケーションを示す。図26の実線2608は、マクロセル2601からのパスロス「6」のロケーションを示す。図26の実線2609は、マクロセル2601からのパスロス「9」のロケーションを示す。
実施の形態1において、ウェイクアップ用上り送信を行う状況の具体例として(1)サービングセルの受信品質が下がった場合を用い、サービングセルの受信品質が下がったことを判断する方法として、ウェイクアップ上り送信閾値として、パスロスの値「9」を用いる場合を考える。上記の条件で、移動端末がウェイクアップ用上り信号を送信した場合であれば、図26に示すようなロケーションでは、該ウェイクアップ用上り信号でHeNB2606のみがNormal動作へ移行する可能性がある。HeNB2602、HeNB2603、HeNB2604、およびHeNB2605は、該ウェイクアップ用上り信号でNormal動作へ移行する可能性はない。なぜならば、HeNB2602、HeNB2603、HeNB2604、およびHeNB2605は、マクロセル2601からのパスロスが閾値「9」未満に位置するからである。よって、該HeNB2602、HeNB2603、HeNB2604、およびHeNB2605の周辺では、移動端末はウェイクアップ用上り送信を行う状況に達しないためである。
HeNBが移動端末のオーナーの家に設置されている場合などは、帰宅時にユーザの処理を介さないで、該HeNBがEnergySaving動作からNormal動作への移行する手段は、ユーザに優しいシステムの構築という観点でも重要である。該手段は、移動端末が、たとえ待受け中であっても必要である。
前述のように、非特許文献8は、X2インタフェースを用いた技術であることから、HeNBには適用できない。また非特許文献8は、待受け中の移動端末を考慮していない。
実施の形態1の変形例11での解決策を以下に示す。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
サービングセルから傘下の移動端末に対して、HeNBが存在する情報と、該HeNBが存在するロケーションに対するパスロスの情報とを通知する。該情報を受信した移動端末は、サービングセルの受信品質が、HeNBが存在すると通知を受けたパスロスとなった場合、ウェイクアップ用上り送信を行う。これにより、該HeNBの周辺に該移動端末が存在した場合は、該HeNBをNormal動作へ移行することが可能となる。
また、該情報を受信した移動端末は、いずれかのCSGへ登録している場合(ホワイトリストが空でない)は、サービングセルの受信品質が、HeNBが存在すると通知を受けたパスロスとなったときに、ウェイクアップ用上り送信を行うようにしてもよい。あるいは、該情報を受信した移動端末は、いずれかのCSGへ登録していない場合(ホワイトリストが空)は、サービングセルの受信品質が、HeNBが存在すると通知を受けたパスロスとなったときであっても、ウェイクアップ用上り送信を行わないようにしてもよい。
HeNBが存在する情報と、該HeNBが存在するロケーションに対するパスロスの情報との具体例を以下に示す。図27は、実施の形態1の変形例11の解決策のパスロスの情報の具体例である。
(1)HeNBが存在するパスロス。図26に示すロケーションの場合であれば、図27(1)に示すような情報となる。移動端末がウェイクアップ上り信号をパスロスに合わせて送信することができ、無駄な上り送信を削減できる。
(2)パスロスの範囲とその範囲内にHeNBが存在するか否か。図26に示すロケーションの場合であれば、図27(2)に示すような情報となる。HeNBの設置数によらず、HeNBが存在する情報と、該HeNBが存在するロケーションに対するパスロスの情報との情報量が一定となる。設置されるHeNBが増加した場合、上記方法(1)と比較して、情報量を削減することができる。これにより、無線リソースを有効に活用することができる。またパスロスの範囲の分け方を静的に決定しておき、例えばインデックス1は、0以上3未満を示し、インデックス2は、3以上6未満を示し、インデックス3は、6以上を示すとしておけば、さらなる情報量の削減に繋がる。
本変形例では、サービングセルがマクロセルである場合を説明したが、サービングセルがローカルeNBであっても、実施の形態1の変形例11と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例11と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、実施の形態1の変形例9、および実施の形態1の変形例10と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例11により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。他のセルの受信品質が十分な場所に設置される可能性のあるHeNBにおいても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態1 変形例12.
実施の形態1の変形例12において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、ローカルeNBがHeNBであり、該HeNBがクローズドアクセスモードで動作する場合は、以下の課題が発生する。
実施の形態1を用いて、移動端末からのウェイクアップ用上り送信を受信したことにより、該HeNBが、EnergySaving動作からNormal動作へ移行したとする。一方、該移動端末は、該HeNBが属するCSGへ未登録であったとする。この場合、該HeNBがNormal動作となっても、該移動端末はアクセスすることはもちろん、キャンプオンすることもできないという課題が発生する。また、HeNBのEnergySaving動作を無駄に解除することとなり、低消費電力化が非効率になるという課題が発生する。
実施の形態1の変形例11での解決策を、以下に2つ開示する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
(1)HeNBはEnergySaving動作からNormal動作へ移行する場合、クローズドアクセスモードでは動作せず、オープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードで動作する。これにより、たとえウェイクアップ用上り送信を行った移動端末が、該HeNBの属するCSGに未登録であっても、アクセスおよびキャンプオンが可能となる。
(2)HeNBは、ウェイクアップ上り送信を行った移動端末が、自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断し、登録している場合にEnergySaving動作からNormal動作へ移行する。登録していなければ、EnergySaving動作を継続する。これにより、HeNBの無駄なEnergySaving動作の解除を削減することができる。
(3)HeNBは、ウェイクアップ上り送信を行った移動端末が、自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断し、登録している場合にEnergySaving動作からクローズドアクセスモードとして、あるいはクローズドアクセスモードを許可して、Normal動作へ移行する。登録していなければ、オープンアクセスモード、あるいはハイブリッドアクセスモードとして、あるいはクローズドアクセスモードを禁止して、Normal動作へ移行する。
HeNBがウェイクアップ上り送信を行った移動端末が、自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断する方法の具体例について、以下に開示する。移動端末からのウェイクアップ上り信号に、移動端末の識別情報(UE−IDなど)を入れる。HeNBは、該移動端末の識別情報に基づいて、該移動端末が自HeNBが属するCSGに登録しているか否かを判断する。該判断は、HSS(Home Subscriber Server)に問い合わせることで行ってもよい。HSSとは、3GPP移動体通信網における加入者情報データベースであり、認証情報および在圏情報の管理を行うエンティティ(entity)である。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、実施の形態1の変形例9、実施の形態1の変形例10、および実施の形態1の変形例11と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例11により、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。移動端末によるウェイクアップ用上り送信の受信により、HeNBがEnergySaving動作からNormal動作へ移行したにも関わらず、該移動端末が該HeNBの属するCSGに未登録という理由で、該移動端末が該HeNBにアクセスできない、あるいはキャンプオンできないという状況の発生を防ぐことができる。これにより、効率的な低消費電力化を実現することができる。
実施の形態1 変形例13.
実施の形態1の変形例13において解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を実行した場合であっても、ローカルeNBがいずれのセルのカバレッジ内にも位置しない、孤立セルの場合、以下の課題が発生する。
実施の形態1では、移動端末は、ウェイクアップ用上り送信を行う場合、サービングセルの下り送信を用いて、AFCを実行する。しかし、孤立セルの場合、該AFCを実行することができないという課題が発生する。AFCが実行できないと、移動端末側とローカルeNB側とで周波数のずれが発生する。これにより、受信品質の劣化が生じる。
実施の形態1の変形例11での解決策を以下に2つ開示する。実施の形態1の解決策と異なる部分を中心に説明する。説明していない部分については、実施の形態1と同様とする。
(1)移動端末は、ウェイクアップ用上り送信を行う状況を満たせば、ウェイクアップ用上り送信を行う。該ウェイクアップ用上り送信の具体例を以下に開示する。移動端末は、所定の周波数−時間領域において所定の信号を送信する。ローカルeNB側では所定の周波数−時間領域での受信電力を測定し、該受信電力が所定の閾値を超えた場合にEnergySaving動作からNormal動作へ移行する。
所定の周波数−時間領域の具体例としては、周波数領域に幅を持たせる。周波数に幅を持たせることで、周波数のずれが生じた場合の影響を抑えることができる。所定の周波数−時間領域は、静的に決定されているとしてもよい。
所定の信号の具体例としては、ランダムな信号、あるいはPN信号などがある。
(2)ローカルeNBは、自セルが孤立セルだと判断した場合、EnergySaving動作へ移行しない。一方、ローカルeNBは、自セルが孤立セルではないと判断した場合、実施の形態1のEnergySaving動作を実行する。
自セルが孤立セルだと判断する具体的な方法例を以下に開示する。ローカルeNBは、初期化の際、電源ONの際、あるいは送信OFFの際、周辺無線環境の測定を行う場合がある。周辺無線環境の具体例としては、周辺セルの受信品質がある。ローカルeNBは、すべての周辺セルの受信品質、あるいは受信電力がある閾値以下(あるいは閾値より小さい)であれば、自セルは孤立セルであると判断する。または、ローカルeNBは、すべての周辺セルのパスロスがある閾値より大きい(あるいは以上)であれば、自セルは孤立セルであると判断する。
本変形例では、EnergySaving動作を行うノードがローカルeNBである場合を説明したが、EnergySaving動作を行うノードがワイドエリアeNBであっても、実施の形態1の変形例13と同様に実施可能であり、実施の形態1の変形例13と同様の効果を得ることができる。
本変形例では、実施の形態1と組み合わせた例について主に記載したが、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5、実施の形態1の変形例6、実施の形態1の変形例7、実施の形態1の変形例8、実施の形態1の変形例9、実施の形態1の変形例10、実施の形態1の変形例11、および実施の形態1の変形例12と組み合わせて用いることができる。
実施の形態1の変形例12により、実施の形態1の効果に加えて、孤立セルの問題を解消することが可能となるという効果を得ることができる。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。